JP2010039981A - 認証にかかる履歴情報を用いる生体認証のためのプログラム,装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本人の認証成功率を高め,同時に他人の誤認を低く抑える生体認証プログラムを提供する。
【解決手段】生体センサを通じて読み取った生体情報と所定の記憶装置に予め記憶されている生体情報とを比較することにより同一人物であるかどうかを判定する生体認証プログラムであって,コンピュータを生体センサを用いて生体情報を読み取る生体情報抽出手段と,当該読み取った生体情報と予め記憶されている生体情報とを比較し,類似度を算出する比較手段と,類似度を累積類似度として累積加算する加算手段と,累積類似度が所定の閾値を超えるかどうかを判定し,超えていれば本人であると判定し,超えていなければ本人ではないと判定する判定手段と,
加算手段により累積加算の対象とされた生体情報の数に応じて閾値を変更する照合閾値変更手段として機能させる。
【選択図】図3

Description

本発明は指紋認証をはじめとする生体認証のためのプログラム,装置および方法に関する。
情報セキュリティに対する関心および必要性の高まりから,近年,指紋に代表される生体認証の需要が高まっている。しかし生体認証は,パスワードなどのセキュリティと比較し,他人によるなりすまし等が困難であるものの,逆に本人であっても認証できない場合があった。これは,生体認証全体に関わる問題であるが,特に指紋認証において顕著に表れる。例えば,指の怪我,乾燥や湿潤などの外的な要因によって,短期的に指紋の状態が変わる事がある。これが原因となって,本人であっても認証できない場合があり,ひいては指紋認証システムの運用性向上を妨げていた。
以下では,従来の生体認証の一例として,指紋認証について説明する。最初に,指紋認証を行う際の一般的な流れを説明するが,これはどの指紋認証システムにおいても同様であり,例えば下記の非特許文献1に開示されている。
まず,ユーザは予め自分の指紋情報をシステムに登録しておく(この指紋情報をテンプレートと呼ぶ)。次に,ユーザはシステムを使用する際,このシステムの備える指紋センサに指紋をスキャンさせる。最後に,システムはテンプレートとスキャンした指紋との類似度を計算し,所定の類似度を満たせば,ユーザの認証が成功したものとする。類似度の計算には,例えば,指紋認証で最も古典的に用いられるマニューシャ・マッチング方式の場合,指紋の分岐点・端点・三角州などの位置と隆線の方向で示される特徴点の情報を用いる。具体的には,テンプレートの特徴点とスキャンした指紋の特徴点との一致度を得点化し,この得点(照合スコア)を類似度とする。認証の判定には,照合スコアが所定の閾値を満たすかどうかで判定する。ここで用いる閾値は,経験や統計的手段に基づいて最適化された値に設定されることが多いが,必要に応じて,ユーザが手動で変更することもできる。
しかし,このような従来の指紋認証システムは,本人であっても認証できない場合があるという問題があった。この理由は,冒頭で説明したように,指紋の状態は,外的環境によって短期的に変化しやすいからである。
この時の指紋認証システム内での動きを図1に示す。図1を参照して,A, B, Cは,1回目から3回目の認証時における照合スコアである。この例では認証が成功となる閾値(照合閾値)が1000に設定されており,何れの認証時もこの閾値を超えていないために認証が失敗している。
ところで,図1に見られるように,たとえ認証に成功しない場合であっても,本人による認証であるならば,ある程度大きな照合スコアの得られている場合が多いことが経験上分かっている。しかしこれまでの指紋認証システムは,指紋状態が余り良くなく,照合スコアが僅かに照合閾値に届いていないというそれだけの理由で,本人であっても,認証できない場合があった。勿論,このような場合には,先で説明したように,ユーザ(実際にはシステム管理者)が手動で照合閾値を変更する(この場合下げる)事により,認証を成功させることは可能である。しかし,このようなやり方は,同時に他人を誤認する危険性を高めることとなる。即ち,照合閾値を下げることは,テンプレートとスキャンした指紋の類似度が低くても認証が成功する確率が増すということであり,指紋認証システムの運用性が向上する反面,信頼性の低下が否めない。
瀬戸洋一著,「バイオメトリックセキュリティ入門」,株式会社 ソフト・リサーチ・センター,2004年8月,p.46−49
それゆえに本発明の目的は,本人の認証成功率を高めつつ,同時に他人の誤認を低く抑えることのできる指紋認証装置,方法およびシステムを提供することである。
本発明の第1の局面に係る生体認証プログラムは,生体センサを通じて読み取った複数の生体情報と所定の記憶装置に予め記憶されている生体情報とを比較することにより同一人物であるかどうかを判定する生体認証プログラムであって,コンピュータを,生体センサを用いて複数の生体情報を読み取る生体情報抽出手段と,当該読み取った複数の生体情報と予め記憶されている生体情報とを比較し,複数の類似度を算出する比較手段と,複数の類似度を累積類似度として累積加算する加算手段と,累積類似度が所定の閾値を超えるかどうかを判定し,超えていれば本人であると判定し,超えていなければ本人ではないと判定する判定手段と,加算手段により累積加算の対象とされた類似度の数に応じて閾値を変更する照合閾値変更手段として機能させる。
本発明の第2の局面に係る生体認証プログラムは,生体センサを通じて読み取った複数の生体情報と所定の記憶装置に予め記憶されている生体情報とを比較することにより同一人物であるかどうかを判定する生体認証プログラムであって,コンピュータを,生体センサを用いて複数の生体情報を読み取る生体情報抽出手段と,当該生体情報抽出手段により読み取った複数の生体情報と予め記憶されている生体情報とを比較し,複数の類似度を算出する比較手段と,複数の類似度を累積類似度として累積加算する際,所定数の直近類似度のうち所定の第1の閾値を超える類似度のみを加算対象とする加算手段と,累積類似度が所定の第2の閾値を超えるかどうかを判定し,超えていれば本人であると判定し,超えていなければ本人ではないと判定する判定手段と,加算手段により累積加算の対象とされた類似度の数に応じて第2の閾値を変更する照合閾値変更手段として機能させ,第1の閾値は複数の値を取り得て,所定数の直近類似度のうち少なくとも1つが所定の第3の閾値以上の場合の第1の閾値は,所定数の直近類似度のすべてが第3の閾値未満である場合より小さい値とする。
本発明の第3の局面に係る生体認証装置は,所定の生体センサを用いて複数の生体情報を読み取る生体情報抽出手段と,当該読み取った複数の生体情報と所定の記憶装置に予め記憶されている生体情報とを比較し,複数の類似度を算出する比較手段と,複数の類似度を累積類似度として累積加算する際,所定数の直近類似度のうち,所定の第1の閾値を越える類似度のみを加算対象とする加算手段と,累積類似度が所定の第2の閾値を超えるかどうかを判定し,超えていれば本人であると判定し,超えていなければ本人ではないと判定する判定手段と,前記加算手段により累積加算の対象とされた類似度の数に応じて前記第2の閾値を変更する照合閾値変更手段とを備え,第1の閾値は複数の値を取り得て,所定数の直近類似度のうち少なくとも1つが所定の第3の閾値以上の場合の第1の閾値は,所定数の直近類似度のすべてが第3の閾値未満である場合より小さい値とする。
本発明の第4の局面に係る生体認証方法は,生体センサを通じて読み取った複数の生体情報と所定の記憶装置に予め記憶されている生体情報とを比較することにより同一人物であるかどうかを判定する生体認証方法であって,生体センサを用いて複数の生体情報を読み取るステップと,読み取った複数の生体情報と予め記憶されている生体情報とをそれぞれ比較し,複数の類似度を算出するステップ,複数の類似度を累積類似度として累積加算するステップであって,所定数の直近類似度のうち,所定の第1の閾値を越える類似度のみを加算するステップと,
累積類似度が所定の第2の閾値を超えるかどうかを判定し,超えていれば本人であると判定し,超えていなければ本人ではないと判定するステップとを含み,第1の閾値は複数の値を取り得て、所定数の直近類似度のうち少なくとも1つが所定の第3の閾値以上の場合の第1の閾値は,所定数の直近類似度のすべてが第3の閾値未満である場合より小さい値とする。
本発明によれば,複数の照合スコアの合計で認証するため,本人ではあるが,類似度が閾値に対し僅かに及ばなかったユーザも認証できるようになる。同時に,照合閾値の動的変更,最小の照合スコアの導入,および直近照合スコアの利用によって,他人の誤認率も低く抑えることができる。
以下では図を参照し,本発明に係る実施例を説明する。なお,各図面において共通する要素には同じ番号を付し,説明は繰り返さない。
以下では,本発明にかかる装置およびシステムの実施例について説明する。
[ブロック図]
図2は,本発明にかかる装置およびシステムのブロック図である。図2を参照して,指紋認証装置201は,CPU203,ROM205,RAM207,第1のI/F(インタフェース)209および第2のI/F211を備える。CPU203はROM205に格納されているプログラムをRAM207に展開・実行し,後述する生体情報抽出手段217,比較手段219,加算手段221,判定手段223,および通知手段225を実現する。なお,ROM205にはCPU203が実行するプログラムだけでなく,認証の際に基準データとして用いられるテンプレートが格納されている。第1のI/F209は例えばUSB(Universal Serial Bus)などであり,このインタフェースを通じてセンサ213が接続される。第2のI/F211も,例えばUSBであり,このインタフェースを通じてPC215に接続される。
次にCPU203の実現する各手段について説明する。
生体情報抽出手段217は,PC215からの指示に基づき,センサ213の指紋読み取り面に置かれた指の指紋を読み取る。
比較手段219は,読み取った指紋とROM205に格納されているテンプレートとを比較し定量化する。具体的には,例えば,マニューシャ・マッチングなどのアルゴリズムを使用して,入力指紋とテンプレートとの類似度を示す照合スコアを算出する。
加算手段221は,詳細は後述するが,RAM207に保存されている累積照合スコアに,新たに算出した照合スコアを加算する。
判定手段223は,照合スコアが所定の基準を満たしているかどうかを判定することによって,入力された指紋が本人であるかどうかを判定する。ここで所定の基準とは,照合閾値のことであり,セキュリティレベル等に応じてユーザが手動で変更することも可能である。
通知手段225は,判定手段223における判定結果をPC215に通知する。
[フローチャート]
図3は,本発明にかかる指紋認証装置201の動作フローである。
S301にて,累積判定回数および累積照合スコアがゼロで初期化される。
S303にて,生体情報抽出手段217がセンサ213に置かれた指の指紋を読み取る。
S305にて,比較手段219は読み取った指紋とテンプレートとを比較し,照合スコアを算出する。
S307にて,加算手段221はRAM207に保存されている累積照合スコアにS305にて得られた照合スコアを加算する。
S309にて,判定手段223はS307にて加算された累積照合スコアが,照合閾値を超えるかどうかを判定する。この結果,閾値を超えていれば処理がS315に進み,そうでなければS311に進む。つまり,累積照合スコアが所定の閾値を超えることは,認証成功を意味し,逆に,閾値に達しないことは,認証失敗を意味する。
S311において,判定手段223は前回の認証が完了してからの判定回数を示す累積判定回数に1を加算する。
S313において,判定手段223は,累積判定回数が所定の回数に達したかどうかを判定する。この結果,達していれば処理がS315に進み,達していなければS303に戻る。なお,所定の回数とはセキュリティレベル等に応じて任意の値が設定可能であり,セキュリティレベルを上げる場合は回数を少なくし,下げる場合は多く設定するとよい。
S315において,通知手段225は判定手段223での判定結果をPC215に通知する。
[動作]
以下では具体的数値を用いて説明する。
図4は,本実施例において認証が成功となる照合スコアの様子を示している。各認証を表すA,B,およびCのそれぞれは,照合閾値である1000に及ばないため,認証が失敗している。しかし,3回の照合スコアの合計である累積照合スコアは照合閾値を超えるため,認証が成功となる。即ち,本実施例では最大3回分の照合スコアを合計し,この合計値で判定する。なお,累積照合スコアに用いる照合スコアの個数は,3である必要はなく,セキュリティレベル等に応じて変更すればよい。例えば,この数を増やすほどセキュリティは甘くなり,減らすほど厳しくなる。
[効果]
本実施例によれば,複数回の照合スコアの合計値で認証の判定をするため,従来,登録者本人であって,いずれの照合スコアも照合閾値に届かなかったユーザも認証に成功することができる。
本実施例は実施例1で説明した累積照合スコアを算出する際に用いる照合スコアの対象を限定する。具体的には最小照合スコアという閾値を設け,この最小照合スコアを超えたもののみを加算の対象とする。
図5は,本実施例における具体的数値を用いた認証の様子である。図5を参照して,本実施例では最小照合スコアが導入されており,この値が150となっている。従って,累積照合スコアの算出には,最小照合スコアである150に満たないCの120を除いたA,B,Dを用いる。
なお,最小照合スコアは任意の値が設定可能であり,セキュリティレベル等に応じて変更可能である。例えば,セキュリティレベルを高くする必要があれば,最小照合スコアを上げればよい。
[効果]
本実施例によれば,最小照合スコアを設けることにより,明らかに本人ではないと推測される者による指紋の照合スコアを累積照合スコアの算出から除外することができる。これは,他人の指紋は,本人と比較し,類似度が著しく低いという経験による。すなわち,本実施例では,本人による認証成功率を高めつつ,同時に他人の誤認を低く抑えることができる。
本実施例は,照合閾値を動的に変更する。
図6は,本実施例における具体的数値を用いた認証の様子である。図を参照して明らかなとおり,照合閾値が1000から1200に上昇している。本実施例では3回分の累積照合スコアに対して1200の照合閾値としている。なお,照合閾値は累積照合スコアの算出に用いる照合スコアの加算回数に連動するものであって,加算回数の増加に従って照合閾値も増加させるのが好ましい。また,実施例1では,照合スコアの加算回数を有限としたが,本実施例では必ずしも有限とする必要はない。
[効果]
本実施例によれば,照合スコアの加算回数に応じて照合閾値を動的に変更するので,低い照合スコアであっても多数回の照合によって閾値をクリアすることを防止することができ,本人による認証成功率を高めつつ,同時に他人の誤認を低く抑えることができる。
本実施例は,実施例2で説明した最小照合スコアを動的に変更する。
図7は,本実施例における具体的数値を用いた認証の様子である。図を参照して明らかなとおり,3回目の認証時に,最小照合スコアが200から100に下がっている。この理由は,2回目の照合スコアBが閾値変更スコア500を上回ったためである。即ち,本実施例では,最小照合スコアを変更するための閾値である閾値変更スコアを導入し,任意の照合スコアがこの閾値変更スコアを超えると,以後の最小照合スコアを下げる。これは,500というある程度大きな照合スコアは,本人以外の他人の指紋では通常得られることがなく,このような値が得られることは,本人である可能性が極めて高いと考えられるからである。
[効果]
本実施例によれば,1回でも大きな照合スコアが得られた場合に最小照合スコアを下げるので,本人による認証成功率を高めることができる。
本実施例は,得られた照合スコアのうち,限定された照合スコアのみを用いて認証判定する。例えば,後述するように,直近3回分の照合スコアのみを判定に使用するなどである。これは,本人の指紋ならば,連続して一定水準の照合スコアが得られるという経験に基づいている。逆に言えば,他人の指紋により,偶然,ある程度大きな照合スコアが得られたとしても,このような現象が連続して発生することは稀という事である。
図8は,本実施例における数値例である。なお,本実施例は実施例1,2,および4を組み合わせた例である。以後,本実施例にかかる認証の詳細について説明する。
1回目の照合スコアは100である。このスコアは最小照合スコアに満たないため,累積照合スコアに算入されず,認証は失敗となる。
2回目の照合スコアは50である。このスコアも最小照合スコアに満たず,累積照合スコアに算入されず,認証は失敗となる。
3回目の照合スコアは200である。これは最小照合スコアを満たすため,累積照合スコアに算入されるが,この時点では累積照合スコアが照合閾値に満たないため,認証失敗となる。
4回目の照合スコアは700である。これは閾値変更スコア(図示せず)である500を超えているため,この時点で最小照合スコアが200から100に下げられる。ここで,本実施例では,累積照合スコアに算入される照合スコアを直近の3回分の照合スコアとしているため,2回目から4回目の照合スコアの合計が累積照合スコアとなる。ただ,2回目の照合スコアである50は,依然として最小照合スコア100に満たないため,累積照合スコアは,3回目と4回目の合計である900となる。この累積照合スコアは照合閾値に満たないため,4回目も認証失敗となる。
5回目の照合スコアは120である。今回の累積照合スコアは,3回目から5回目の合計となる。したがって,累積照合スコアは1020となり,これは照合閾値を超えるため,5回目の認証で成功となる。
なお,5回目の認証でも成功せず,引き続き認証を繰り返す場合,累積照合スコアに算入対象となっている照合スコアから4回目の照合スコアが外れた時点で,最小照合スコアは元の200に戻る。換言すると,最小照合スコアは,累積照合スコアの加算対象となる照合スコアのうち,少なくとも1つが閾値変更スコアを超える時にのみ,下げられる。
図9は以上で説明した本実施例にかかる指紋認証装置201の動作フローである。
S901にて,照合スコア変数1〜3が用意される。照合スコア変数とは,実際にはプログラムにおける変数であり,照合スコアを一時記憶するRAM207上の領域である。本実施例では3つの変数が用意される。
S903にて,累積照合スコアが0で初期化される。
S905にて,生体情報抽出手段217がセンサ213に置かれた指の指紋を読み取る。
S907にて,比較手段219が読み取った指紋とテンプレートとを比較し,照合スコアを算出する。
S909にて,S907にて算出された照合スコアが照合スコア変数1に入れられる。
S911にて,判定手段223が照合スコア変数のうち,最大値が閾値変更スコアをクリアするかどうかを判定する。この結果,クリアしていれば処理がS913に進み,クリアしていなければS915に進む。
S913にて,最小照合スコアが元の初期スコアである場合,最小照合スコアが下げられ,一方,既に下がっている場合はそのスコアが維持される。なお,下げる範囲は任意の固定値とすることが可能である。
S915にて,既に,最小照合スコアがS913で下げられていた場合は,元の初期スコアに戻す。
S917にて,加算手段221は,照合スコア変数のうち,最小照合スコアをクリアしたもののみを累積加算し,累積照合スコアとする。
S919にて,判定手段223は,S917にて加算された累積照合スコアが,照合閾値を超えるかどうかを判定する。この結果,閾値を超えていれば処理がS921に進み,そうでなければS923に進む。
S921およびS923にて,通知手段225は,S919での判定結果をPC215に通知する。
S925にて,照合スコア変数の値を1つずつ後ろにシフトし,照合スコア変数1に空きを作る。即ち,照合スコア変数3に照合スコア変数2の値が挿入され,照合スコア変数2に照合スコア変数1の値が挿入される。
なお,本実施例は実施例1で説明したように,累積照合スコアの算入対象となる照合スコアの数に応じて照合閾値を変動させることも可能である。この場合,累積照合スコアに算入対象となっている直近の照合スコアの数に基づいて照合閾値が変動する。
[効果]
本実施例によれば,直近の照合スコアを累積照合スコアの算入対象とすることにより,もし他人の指紋により大きい照合スコアが得られたとしても,本人でなければ連続して大きい照合スコアを得ることが困難であることから,この影響を抑えることができる。さらに,実施例1では照合回数に比例して認証成功率が高まったが,本実施例ではそのような危険性はないため,より精度の高い認証が可能となる。すなわち,本実施例は本人による認証成功率を高めつつ,他人の誤認を低く抑えることができる。
従来技術における認証の数値例 本発明に係る装置のブロック図 実施例1に係る装置の動作フロー 実施例1に係る装置による認証の数値例 実施例2に係る装置による認証の数値例 実施例3に係る装置による認証の数値例 実施例4に係る装置による認証の数値例 実施例5に係る装置による認証の数値例 実施例5に係る装置の動作フロー
符号の説明
201 指紋認証装置
213 センサ
217 生体情報抽出手段
219 比較手段
221 加算手段
223 判定手段

Claims (4)

  1. 生体センサを通じて読み取った複数の生体情報と所定の記憶装置に予め記憶されている生体情報とを比較することにより同一人物であるかどうかを判定する生体認証プログラムであって,コンピュータを,
    前記生体センサを用いて複数の生体情報を読み取る生体情報抽出手段と,
    当該読み取った前記複数の生体情報と前記予め記憶されている生体情報とを比較し,複数の類似度を算出する比較手段と,
    前記複数の類似度を累積類似度として累積加算する加算手段と,
    前記累積類似度が所定の閾値を超えるかどうかを判定し,超えていれば本人であると判定し,超えていなければ本人ではないと判定する判定手段と,
    前記加算手段により累積加算の対象とされた類似度の数に応じて前記閾値を変更する照合閾値変更手段と,
    して機能させるための生体認証プログラム。
  2. 生体センサを通じて読み取った複数の生体情報と所定の記憶装置に予め記憶されている生体情報とを比較することにより同一人物であるかどうかを判定する生体認証プログラムであって,コンピュータを,
    前記生体センサを用いて複数の生体情報を読み取る生体情報抽出手段と,
    当該生体情報抽出手段により読み取った前記複数の生体情報と前記予め記憶されている生体情報とを比較し,複数の類似度を算出する比較手段と,
    前記複数の類似度を累積類似度として累積加算する際,所定数の直近類似度のうち所定の第1の閾値を超える類似度のみを加算対象とする加算手段と,
    前記累積類似度が所定の第2の閾値を超えるかどうかを判定し,超えていれば本人であると判定し,超えていなければ本人ではないと判定する判定手段と,
    前記加算手段により累積加算の対象とされた類似度の数に応じて前記第2の閾値を変更する照合閾値変更手段と,して機能させ,
    前記第1の閾値は複数の値を取り得て,前記所定数の直近類似度のうち少なくとも1つが所定の第3の閾値以上の場合の第1の閾値は,前記所定数の直近類似度のすべてが前記第3の閾値未満である場合より小さい値とする生体認証プログラム。
  3. 所定の生体センサを用いて複数の生体情報を読み取る生体情報抽出手段と,
    当該読み取った前記複数の生体情報と所定の記憶装置に予め記憶されている生体情報とを比較し,複数の類似度を算出する比較手段と,
    前記複数の類似度を累積類似度として累積加算する際,所定数の直近類似度のうち,所定の第1の閾値を越える類似度のみを加算対象とする加算手段と,
    前記累積類似度が所定の第2の閾値を超えるかどうかを判定し,超えていれば本人であると判定し,超えていなければ本人ではないと判定する判定手段と,
    前記加算手段により累積加算の対象とされた類似度の数に応じて前記第2の閾値を変更する照合閾値変更手段と,を備え,
    前記第1の閾値は複数の値を取り得て,前記所定数の直近類似度のうち少なくとも1つが所定の第3の閾値以上の場合の第1の閾値は,前記所定数の直近類似度のすべてが前記第3の閾値未満である場合より小さい値とする
    ことを特徴とする生体認証装置。
  4. 生体センサを通じて読み取った複数の生体情報と所定の記憶装置に予め記憶されている生体情報とを比較することにより同一人物であるかどうかを判定する生体認証方法であって,
    前記生体センサを用いて複数の生体情報を読み取るステップと,
    読み取った前記複数の生体情報と前記予め記憶されている生体情報とをそれぞれ比較し,複数の類似度を算出するステップ,
    前記複数の類似度を累積類似度として累積加算するステップであって,所定数の直近類似度のうち,所定の第1の閾値を越える類似度のみを加算するステップと,
    前記累積類似度が所定の第2の閾値を超えるかどうかを判定し,超えていれば本人であると判定し,超えていなければ本人ではないと判定するステップと,を含み,
    前記第1の閾値は複数の値を取り得て、前記所定数の直近類似度のうち少なくとも1つが所定の第3の閾値以上の場合の第1の閾値は,前記所定数の直近類似度のすべてが第3の閾値未満である場合より小さい値とすることを特徴とする
    生体認証方法。
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