最初に、図1を参照して、本発明の実施形態に係る掘削機としてのショベル100について説明する。図1はショベル100の側面図である。本実施形態では、下部走行体1には旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載されている。下部走行体1は、走行用油圧モータ2Mによって駆動される。走行用油圧モータ2Mは、左側のクローラを駆動する左走行用油圧モータ2ML、及び、右側のクローラを駆動する右走行用油圧モータ2MR(図1では不可視)を含む。旋回機構2は、上部旋回体3に搭載されている旋回用油圧モータ2Aによって駆動される。但し、旋回用油圧モータ2Aは、電動アクチュエータとしての旋回用電動発電機であってもよい。
上部旋回体3にはブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはエンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられている。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例である掘削アタッチメントATを構成する。ブーム4はブームシリンダ7で駆動され、アーム5はアームシリンダ8で駆動され、バケット6はバケットシリンダ9で駆動される。
上部旋回体3には、運転室としてのキャビン10が設けられ、且つ、エンジン11等の動力源が搭載されている。また、上部旋回体3には、コントローラ30が取り付けられている。なお、本書では、便宜上、上部旋回体3における、ブーム4が取り付けられている側を前側とし、カウンタウェイトが取り付けられている側を後側とする。
コントローラ30は、ショベル100を制御するための制御装置である。本実施形態では、コントローラ30は、CPU、揮発性記憶装置、及び不揮発性記憶装置等を備えたコンピュータで構成されている。そして、コントローラ30は、様々な機能に対応するプログラムを不揮発性記憶装置から読み出し、対応するプログラムをCPUに実行させることで、それらの様々な機能を実現するように構成されている。
次に、図2を参照し、ショベル100に搭載される油圧システムの構成例について説明する。図2は、ショベル100に搭載される油圧システムの構成例を示す。図2は、機械的動力伝達ライン、作動油ライン、パイロットライン、及び電気制御ラインを、それぞれ二重線、実線、破線、及び点線で示している。
ショベル100の油圧システムは、主に、エンジン11、レギュレータ13、メインポンプ14、パイロットポンプ15、コントロールバルブユニット17、操作装置26、吐出圧センサ28、操作圧センサ29、コントローラ30、及びエンジン回転数調整ダイヤル75等を含む。
図2において、油圧システムは、エンジン11によって駆動されるメインポンプ14から、センターバイパス油路40及びパラレル油路42の少なくとも1つを経て作動油タンクまで作動油を循環させている。
エンジン11は、ショベル100の駆動源である。本実施形態では、エンジン11は、例えば、所定の回転数を維持するように動作するディーゼルエンジンである。エンジン11の出力軸は、メインポンプ14及びパイロットポンプ15のそれぞれの入力軸に連結されている。
メインポンプ14は、作動油ラインを介して作動油をコントロールバルブユニット17に供給するように構成されている。本実施形態では、メインポンプ14は、電気制御式の油圧ポンプである。具体的には、メインポンプ14は、斜板式可変容量型の油圧ポンプである。
レギュレータ13は、メインポンプ14の吐出量を制御するように構成されている。本実施形態では、レギュレータ13は、コントローラ30からの制御指令に応じてメインポンプ14の斜板傾転角を調整してメインポンプ14の1回転当たりの押し退け容積を制御することでメインポンプ14の吐出量を制御する。
パイロットポンプ15は、パイロットラインを介して操作装置26を含む油圧制御機器に作動油を供給するように構成されている。本実施形態では、パイロットポンプ15は、固定容量型油圧ポンプである。パイロットポンプ15は、省略されてもよい。この場合、パイロットポンプ15が担っていた機能は、メインポンプ14によって実現されてもよい。すなわち、メインポンプ14は、コントロールバルブユニット17に作動油を供給する機能とは別に、絞り等により作動油の圧力を減少させた後で操作装置26等に作動油を供給する機能を備えていてもよい。
コントロールバルブユニット17は、ショベル100における油圧システムを制御する油圧制御装置である。本実施形態では、コントロールバルブユニット17は、一点鎖線で示すように、制御弁171〜177を含む。制御弁175は制御弁175L及び制御弁175Rを含み、制御弁176は制御弁176L及び制御弁176Rを含む。コントロールバルブユニット17は、制御弁171〜176を通じ、メインポンプ14が吐出する作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給できる。制御弁171〜176は、メインポンプ14から油圧アクチュエータに流れる作動油の流量、及び、油圧アクチュエータから作動油タンクに流れる作動油の流量を制御する。本実施形態では、制御弁171〜176は、6ポート3位置のスプール弁であり、対応する操作装置26から左右何れかのパイロットポートに入力されるパイロット圧に応じて動作する。制御弁177は、ブリードオフ流量を制御するブリードオフ弁として機能する。ブリードオフ流量は、例えば、左センターバイパス油路40Lに流入した作動油のうち、油圧アクチュエータを通過せずに作動油タンクに戻される作動油の流量を意味する。油圧アクチュエータは、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、左走行用油圧モータ2ML、右走行用油圧モータ2MR、及び旋回用油圧モータ2Aを含む。
操作装置26は、操作者がアクチュエータの操作のために用いる装置である。アクチュエータは、油圧アクチュエータ及び電動アクチュエータの少なくとも一方を含む。本実施形態では、操作装置26は、パイロットラインを介して、パイロットポンプ15が吐出する作動油を、コントロールバルブユニット17内の対応する制御弁のパイロットポートに供給する。パイロットポートのそれぞれに供給される作動油の圧力であるパイロット圧は、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26のレバー又はペダル(図示せず。)の操作方向及び操作量に応じた圧力である。
吐出圧センサ28は、メインポンプ14の吐出圧を検出するように構成されている。本実施形態では、吐出圧センサ28は、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
操作圧センサ29は、操作装置26を介した操作の内容を検出するように構成されている。本実施形態では、操作圧センサ29は、アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26としてのレバー又はペダルの操作方向及び操作量を圧力(操作圧)の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作装置26の操作内容は、操作圧センサ以外の他のセンサを用いて検出されてもよい。
メインポンプ14は、左メインポンプ14L及び右メインポンプ14Rを含む。そして、左メインポンプ14Lは、左センターバイパス油路40L又は左パラレル油路42Lを経て作動油タンクまで作動油を循環させ、右メインポンプ14Rは、右センターバイパス油路40R又は右パラレル油路42Rを経て作動油タンクまで作動油を循環させる。
左センターバイパス油路40Lは、コントロールバルブユニット17内に配置された制御弁171、173、175L、176L、及び177を通る作動油ラインである。右センターバイパス油路40Rは、コントロールバルブユニット17内に配置された制御弁172、174、175R、及び176Rを通る作動油ラインである。
制御弁171は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を左走行用油圧モータ2MLへ供給し、且つ、左走行用油圧モータ2MLが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁172は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油を右走行用油圧モータ2MRへ供給し、且つ、右走行用油圧モータ2MRが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁173は、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を旋回用油圧モータ2Aへ供給し、且つ、旋回用油圧モータ2Aが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁174は、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をバケットシリンダ9へ供給し、且つ、バケットシリンダ9内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁175Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。制御弁175Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給し、且つ、ブームシリンダ7内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁175Lは、下げ側位置(図中左側のスプール位置)における、PTポートとブームシリンダ7のボトム側油室との間に逆止弁及び絞りを含む油路CDLを備える。PTポートは、左メインポンプ14Lと作動油タンクとを繋ぐポートである。油路CDLは、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出する作動油を左センターバイパス油路40Lに合流させるための油路である。油路CDLの開口面積は、例えば、制御弁175Lの下げ側位置の方向(図の右方向)への変位量に比例するように構成されていてもよい。
制御弁175Rは、下げ側位置(図中右側のスプール位置)における、CTポートとPCポートとの間に逆止弁を含む油路CDRを備える。CTポートは、ブームシリンダ7のボトム側油室と作動油タンクとを繋ぐポートであり、PCポートは、右メインポンプ14Rとブームシリンダ7のロッド側油室とを繋ぐポートである。油路CDRは、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出する作動油をブームシリンダ7のロッド側油室に流入させるための再生用油路である。油路CDRの開口面積は、例えば、制御弁175Rの下げ側位置の方向(図の左方向)への変位量に比例するように構成されていてもよい。
制御弁176Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。制御弁176Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁177は、左センターバイパス油路40Lに関するブリードオフ流量を制御するスプール弁である。左センターバイパス油路40Lに関するブリードオフ流量は、例えば、左センターバイパス油路40Lに流入した作動油のうち、油圧アクチュエータを通過せずに作動油タンクに戻される作動油の流量を意味する。
電磁弁55は、コントローラ30からの指令に応じて制御弁177を制御するように構成されている。
制御弁177は、例えば、操作装置26の操作量の変化に応じて開口面積が変化するという開口特性を有するように構成されていてもよい。
本実施形態では、制御弁177は、操作装置26の操作量の増大に伴って開口面積が小さくなる開口特性を有する。つまり、制御弁177は、操作装置26の操作量の増大に伴って油圧アクチュエータに流入する作動油の流量が増大するように、開口面積が小さくなる。例えば、アーム開き操作の場合には、制御弁177は、左操作レバー26Lのアーム開き方向における操作量の増大に伴って開口面積が小さくなる。開口面積が小さくなると、制御弁177における流動抵抗が大きくなるため、作動油は、アームシリンダ8へ供給され易くなる。但し、ブーム下げ操作の場合には、ブーム4が自重により落下するため、制御弁177は、大きな開口面積を維持するように制御される。
左パラレル油路42Lは、左センターバイパス油路40Lに並行する作動油ラインである。左パラレル油路42Lは、制御弁171、173、及び175Lの何れかによって左センターバイパス油路40Lを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。右パラレル油路42Rは、右センターバイパス油路40Rに並行する作動油ラインである。右パラレル油路42Rは、制御弁172、174、及び175Rの何れかによって右センターバイパス油路40Rを通る作動油の流れが制限或いは遮断された場合に、より下流の制御弁に作動油を供給できる。
レギュレータ13は、左レギュレータ13L及び右レギュレータ13Rを含む。左レギュレータ13Lは、コントローラ30からの制御指令を受け、左メインポンプ14Lの吐出圧に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調整することによって左メインポンプ14Lの吐出量を制御できるように構成されている。この制御は、パワー制御又は馬力制御と称される。具体的には、コントローラ30からの制御指令に応じて動作する左レギュレータ13Lは、例えば、左メインポンプ14Lの吐出圧の増加に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調整して1回転当たりの押し退け容積を減少させることで吐出量を減少させる。右レギュレータ13Rについても同様である。吐出圧と吐出量との積で表されるメインポンプ14の吸収パワー(例えば吸収馬力)がエンジン11の出力パワー(例えば出力馬力)を超えないようにするためである。
操作装置26は、左操作レバー26L、右操作レバー26R、及び走行レバー26Dを含む。走行レバー26Dは、左走行レバー26DL及び右走行レバー26DRを含む。
左操作レバー26Lは、旋回操作とアーム5の操作に用いられる。左操作レバー26Lは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁176のパイロットポートに作用させる。また、左操作レバー26Lは、左右方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁173のパイロットポートに作用させる。
具体的には、左操作レバー26Lは、アーム閉じ方向に操作された場合に、制御弁176Lの右パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁176Rの左パイロットポートに作動油を導入させる。また、左操作レバー26Lは、アーム開き方向に操作された場合には、制御弁176Lの左パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁176Rの右パイロットポートに作動油を導入させる。また、左操作レバー26Lは、左旋回方向に操作された場合に、制御弁173の左パイロットポートに作動油を導入させ、右旋回方向に操作された場合に、制御弁173の右パイロットポートに作動油を導入させる。
右操作レバー26Rは、ブーム4の操作とバケット6の操作に用いられる。右操作レバー26Rは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁175のパイロットポートに作用させる。また、右操作レバー26Rは、左右方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁174のパイロットポートに作用させる。
具体的には、右操作レバー26Rは、ブーム下げ方向に操作された場合に、制御弁175Rの右パイロットポートに作動油を導入させる。また、右操作レバー26Rは、ブーム上げ方向に操作された場合には、制御弁175Lの右パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁175Rの左パイロットポートに作動油を導入させる。また、右操作レバー26Rは、バケット閉じ方向に操作された場合に、制御弁174の左パイロットポートに作動油を導入させ、バケット開き方向に操作された場合に、制御弁174の右パイロットポートに作動油を導入させる。
走行レバー26Dは、クローラの操作に用いられる。具体的には、左走行レバー26DLは、左側のクローラの操作に用いられる。左走行レバー26DLは、左走行ペダルと連動するように構成されていてもよい。左走行レバー26DLは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁171のパイロットポートに作用させる。右走行レバー26DRは、右側のクローラの操作に用いられる。右走行レバー26DRは、右走行ペダルと連動するように構成されていてもよい。右走行レバー26DRは、前後方向に操作されると、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じたパイロット圧を制御弁172のパイロットポートに作用させる。
吐出圧センサ28は、吐出圧センサ28L及び吐出圧センサ28Rを含む。吐出圧センサ28Lは、左メインポンプ14Lの吐出圧を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。吐出圧センサ28Rについても同様である。
操作圧センサ29は、操作圧センサ29LA、29LB、29RA、29RB、29DL、及び29DRを含む。操作圧センサ29LAは、左操作レバー26Lに対する前後方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作内容は、例えば、レバー操作方向及びレバー操作量(レバー操作角度)等である。
同様に、操作圧センサ29LBは、左操作レバー26Lに対する左右方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作圧センサ29RAは、右操作レバー26Rに対する前後方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作圧センサ29RBは、右操作レバー26Rに対する左右方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作圧センサ29DLは、左走行レバー26DLに対する前後方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作圧センサ29DRは、右走行レバー26DRに対する前後方向への操作の内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
コントローラ30は、操作圧センサ29の出力を受信し、必要に応じてレギュレータ13に対して制御指令を出力し、メインポンプ14の吐出量を変化させてもよい。
また、コントローラ30は、絞り18と制御圧センサ19を用いた省エネルギ制御としてのネガティブコントロール制御を実行するように構成されている。絞り18は左絞り18L及び右絞り18Rを含み、制御圧センサ19は左制御圧センサ19L及び右制御圧センサ19Rを含む。本実施形態では、制御圧センサ19は、ネガティブコントロール圧センサとして機能する。省エネルギ制御は、メインポンプ14による無駄なエネルギ消費を抑制するためにメインポンプ14の吐出量を減少させる制御である。
左センターバイパス油路40Lには、最も下流にある制御弁177と作動油タンクとの間に左絞り18Lが配置されている。そのため、左メインポンプ14Lが吐出した作動油の流れは、左絞り18Lで制限される。そして、左絞り18Lは、左レギュレータ13Lを制御するための制御圧(ネガティブコントロール圧)を発生させる。左制御圧センサ19Lは、この制御圧を検出するためのセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。コントローラ30は、この制御圧に応じて左メインポンプ14Lの斜板傾転角を調整することで、ネガティブコントロール制御によって、左メインポンプ14Lの吐出量を制御する。コントローラ30は、この制御圧が大きいほど左メインポンプ14Lの吐出量を減少させ、この制御圧が小さいほど左メインポンプ14Lの吐出量を増加させる。右メインポンプ14Rの吐出量も同様に制御される。
具体的には、図2で示されるようにショベル100における油圧アクチュエータが動作可能で且つ何れも操作されていない場合(パイロットラインの連通・遮断を切り換えるゲートロック弁が開状態で且つ油圧アクチュエータが操作されていない場合)、すなわち、ショベル100が待機状態にある場合、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、左センターバイパス油路40Lを通って左絞り18Lに至る。そして、左メインポンプ14Lが吐出する作動油の流れは、左絞り18Lの上流で発生する制御圧を増加させる。その結果、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量をスタンバイ流量まで減少させ、吐出した作動油が左センターバイパス油路40Lを通過する際の圧力損失(ポンピングロス)を抑制する。スタンバイ流量は、待機状態のときに採用される所定の流量であり、例えば、許容最小吐出量である。一方、何れかの油圧アクチュエータ(例えば旋回用油圧モータ2A)が操作された場合、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、操作対象の油圧アクチュエータに対応する制御弁(例えば制御弁173)を介して、操作対象の油圧アクチュエータに流れ込む。そして、操作対象の油圧アクチュエータに対応する制御弁は、左絞り18Lに至る作動油の流量を減少或いは消失させ、左絞り18Lの上流で発生する制御圧を減少させる。その結果、コントローラ30は、左メインポンプ14Lの吐出量を増加させ、操作対象の油圧アクチュエータに十分な作動油を流入させ、操作対象の油圧アクチュエータの駆動を確かなものとする。なお、コントローラ30は、右メインポンプ14Rの吐出量も同様に制御する。
上述のようなネガティブコントロール制御により、図2の油圧システムは、待機状態においては、メインポンプ14における無駄なエネルギ消費を抑制できる。無駄なエネルギ消費は、メインポンプ14が吐出する作動油がセンターバイパス油路40で発生させる摩擦損失によるエネルギ損失を含む。また、図2の油圧システムは、油圧アクチュエータを作動させる場合には、メインポンプ14から必要十分な作動油を作動対象の油圧アクチュエータに確実に供給できる。
リリーフ弁50は、センターバイパス油路40における作動油の圧力が所定のリリーフ圧を超えたときに作動油を作動油タンクに放出するように構成されている。センターバイパス油路40における作動油の圧力の過度の上昇は、油圧システムを構成する油圧機器又は構造物等の破損をもたらすおそれがあるためである。図2に示す例では、リリーフ弁50は、センターバイパス油路40と作動油タンクとを繋ぐ油路43に配置されている。また、油路43にはチェック弁51が配置されている。
チェック弁51は、作動油タンクからセンターバイパス油路40への作動油の流れを止めるように構成されている。図2に示す例では、チェック弁51は、作動油タンクから左センターバイパス油路40Lへの作動油の流れを止める左チェック弁51Lと、作動油タンクから右センターバイパス油路40Rへの作動油の流れを止める右チェック弁51Rとを含む。
油路43は、中央油路43C、左油路43L、及び右油路43Rを含む。左油路43Lは、左センターバイパス油路40Lと中央油路43Cとを繋ぐ油路であり、右油路43Rは、右センターバイパス油路40Rと中央油路43Cとを繋ぐ油路である。
図2に示す例では、リリーフ弁50は、中央油路43Cに配置され、左チェック弁51Lは、左油路43Lに配置され、右チェック弁51Rは、右油路43Rに配置されている。
このように、図2の油圧システムは、1つのリリーフ弁50で左センターバイパス油路40Lと右センターバイパス油路40Rのそれぞれにおける作動油を作動油タンクに放出できるように構成されている。但し、油圧システムは、左センターバイパス油路40Lにおける作動油を作動油タンクに放出するための左リリーフ弁と、右センターバイパス油路40Rにおける作動油を作動油タンクに放出するための右リリーフ弁とを別々に備えていてもよい。この場合、左リリーフ弁は、左センターバイパス油路40Lと作動油タンクとを繋ぐ左油路に配置され、右リリーフ弁は、右センターバイパス油路40Rと作動油タンクとを繋ぐ右油路に配置される。
エンジン回転数調整ダイヤル75は、エンジン11の回転数を調整するためのダイヤルである。エンジン回転数調整ダイヤル75は、エンジン回転数の設定状態を示すデータをコントローラ30に送信する。本実施形態では、エンジン回転数調整ダイヤル75は、SPモード、Hモード、Aモード、及びIDLEモードの4段階でエンジン回転数を切り換えできるように構成されている。SPモードは、操作者が作業量を優先したい場合に選択される回転数モードであり、最も高いエンジン回転数を利用する。Hモードは、操作者が作業量と燃費を両立させたい場合に選択される回転数モードであり、二番目に高いエンジン回転数を利用する。Aモードは、操作者が燃費を優先させながら低騒音でショベル100を稼働させたい場合に選択される回転数モードであり、三番目に高いエンジン回転数を利用する。IDLEモードは、操作者がエンジン11をアイドリング状態にしたい場合に選択される回転数モードであり、最も低いエンジン回転数を利用する。エンジン11は、エンジン回転数調整ダイヤル75で設定された回転数モードのエンジン回転数で一定回転するように制御される。
次に、図2を参照し、ブーム下げ操作とアーム開き操作とを含む複合操作(以下、「第1複合操作」とする。)が行われたとき、すなわち、左操作レバー26Lがアーム開き方向に操作され、且つ、右操作レバー26Rがブーム下げ方向に操作されたときの油圧システムの動きについて説明する。
第1複合操作が行われると、制御弁175Lは、下げ側位置(図中左側のスプール位置)に向かって移動し、且つ、制御弁175Rは、下げ側位置(図中右側のスプール位置)に向かって移動する。また、制御弁176Lは、開き側位置(図中左側のスプール位置)に向かって移動し、且つ、制御弁176Rは、開き側位置(図中右側のスプール位置)に向かって移動する。
その結果、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出する作動油の一部は、制御弁175L内の油路CDLを通って左センターバイパス油路40Lに流入する。そして、左センターバイパス油路40Lに流入した作動油の一部は、制御弁176LのPCポートを通ってアームシリンダ8のロッド側油室に流入し、アームシリンダ8を収縮させてアーム5を開かせる。このようにして、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出する作動油の一部は、アームシリンダ8のロッド側油室に回生される。
左操作レバー26Lがアーム開き方向にフルレバー操作されている場合、制御弁176Lは開き側位置に達しており、左センターバイパス油路40Lの一部を構成するPTポートは、完全に閉じられた状態にある。
そのため、左メインポンプ14Lが吐出する作動油、及び、ブームシリンダ7のボトム側油室から油路CDLを通って左センターバイパス油路40Lに流入する作動油(以下、「総供給作動油」とする。)の全ては、制御弁176LのPCポートを通ってアームシリンダ8のロッド側油室に流入する。
フルレバー操作は、例えば、操作レバーが中立状態(非操作状態)にあるときのレバー操作量を0%とし、操作レバーが最大限操作されているときのレバー操作量を100%としたときの、所定値(例えば80%)以上のレバー操作量による操作を意味する。
しかしながら、左操作レバー26Lがアーム開き方向にフルレバー操作されていない場合、すなわち、左操作レバー26Lのレバー操作量が所定値(例えば80%)未満の場合、制御弁176Lは開き側位置に達しておらず、左センターバイパス油路40Lの一部を構成するPTポートは、完全に閉じられた状態にはない。
そのため、総供給作動油の少なくとも一部は、制御弁176LのPTポートを通り、制御弁177及び左絞り18Lを通って作動油タンクに排出され、総供給作動油の残りの部分が、制御弁176LのPCポートを通ってアームシリンダ8のロッド側油室に流入する。
制御弁176LのPTポートを通り、制御弁177及び左絞り18Lを通って作動油タンクに排出されてしまう作動油は、アームシリンダ8の収縮には寄与せず、無駄になってしまう。そして、作動油タンクに無駄に排出されてしまう作動油が多いと、エネルギの回生が十分に行われなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、コントローラ30は、第1複合操作が行われていることを検知した場合には、左操作レバー26Lがアーム開き方向にフルレバー操作されているか否かにかかわらず、電磁弁55に指令を出力して制御弁177を閉じるように構成されている。制御弁176LのPCポートが完全に閉じられた状態にない場合であっても、左センターバイパス油路40Lにおける作動油が制御弁177を通って作動油タンクに排出されてしまうのを防止するため、ひいては、総供給作動油の全てをアームシリンダ8のロッド側油室に流入させるためである。すなわち、エネルギの回生が十分に行われるようにするためである。
ここで、図3を参照し、コントローラ30がブリードオフ流量を調整する処理(以下、「調整処理」とする。)について説明する。図3は、調整処理の一例のフローチャートである。本実施形態では、コントローラ30は、所定の制御周期で繰り返しこの調整処理を実行する。
最初に、コントローラ30は、ブーム下げ操作が行われているか否かを判定する(ステップST1)。本実施形態では、コントローラ30は、操作圧センサ29RAの出力に基づいて右操作レバー26Rがブーム下げ方向に操作されていることを検知した場合に、ブーム下げ操作が行われていると判定する。
ブーム下げ操作が行われていないと判定した場合(ステップST1のNO)、コントローラ30は、今回の調整処理を終了させる。
ブーム下げ操作が行われていると判定した場合(ステップST1のYES)、コントローラ30は、アーム開き操作が行われているか否かを判定する(ステップST2)。本実施形態では、コントローラ30は、操作圧センサ29LAの出力に基づいて左操作レバー26Lがアーム開き方向に操作されていることを検知した場合に、アーム開き操作が行われていると判定する。
アーム開き操作が行われていると判定した場合(ステップST2のYES)、すなわち、第1複合操作が行われていると判定した場合、コントローラ30は、ブリードオフ弁としての制御弁177を閉じる(ステップST3)。図3の例では、コントローラ30は、左操作レバー26Lがフルレバー操作されているか否かにかかわらず、ブリードオフ弁としての制御弁177を閉じる。なお、この制御は、「回生時制御」とも称される。
第1複合操作が行われると、ブームシリンダ7のボトム側油室から制御弁175Lの油路CDLを通って左センターバイパス油路40Lに流入する作動油は、左メインポンプ14Lが吐出する左センターバイパス油路40Lを流れる作動油に合流し、制御弁175LのPTポートを通って制御弁176Lに向かって流れる。しかしながら、制御弁177が閉じられると、左センターバイパス油路40Lを通って制御弁176Lに向かう作動油は、左操作レバー26Lがアーム開き方向にフルレバー操作されていない場合であっても、制御弁176LのPTポートを通過できない。
そのため、左センターバイパス油路40Lを通って制御弁176Lに向かう作動油の全ては、制御弁176LのPCポートを通ってアームシリンダ8のロッド側油室に流入し、アームシリンダ8を収縮させる。
このようにして、コントローラ30は、第1複合操作が行われている場合には、制御弁177を通って作動油タンクに流れる作動油の流量であるブリードオフ流量をゼロにすることで、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出して制御弁175Lの油路CDLを通過する作動油の全てをアームシリンダ8のロッド側油室に流入させることができる。すなわち、コントローラ30は、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出して制御弁175Lの油路CDLを通過する作動油が無駄に作動油タンクに排出されてしまうのを防止できる。
一方で、アーム開き操作が行われていないと判定した場合(ステップST2のNO)、すなわち、第1複合操作が行われていない、或いは、ブーム下げ操作が単独で行われていると判定した場合、コントローラ30は、ブリードオフ弁としての制御弁177を開く(ステップST4)。なお、この制御は、「通常制御」とも称される。
ブームシリンダ7のボトム側油室から流出して制御弁175Lの油路CDLを通過する作動油が制御弁177を通って作動油タンクに排出される際の圧力損失を低減させるためである。すなわち、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出して制御弁175Lの油路CDLを通過する作動油が制御弁177を通って作動油タンクに排出される際の圧力損失が不必要に増大してしまうのを防止するためである。
次に、図4を参照し、調整処理による効果について説明する。図4は、レバー操作量、ブリードオフ流量、及びアーム流量の時間的推移を示す。具体的には、図4(A)は、第1複合操作が行われるときの右操作レバー26Rのアーム開き方向におけるレバー操作量の時間的推移を示す。図4(B)は、制御弁177を通過する作動油の流量であるブリードオフ流量の時間的推移を示す。図4(C)は、アームシリンダ8のロッド側油室に流入する作動油の流量であるアーム流量の時間的推移を示す。図4の太実線は、調整処理が実行されるときの推移を示し、図4の点線は、調整処理が実行されないときの推移を示す。図4(A)の一点鎖線は、左操作レバー26Lのブーム下げ方向におけるレバー操作量の時間的推移を示す。
調整処理が実行されない場合、図4(A)の点線で示すように、時刻t1で右操作レバー26Rがアーム開き方向に約50%のレバー操作量で操作され、第1複合操作が行われると、ブリードオフ流量は、図4(B)の点線で示すように、流量Qb0から流量Ob1に低下する。左センターバイパス油路40Lを流れる作動油の一部が制御弁176LのPCポートを通ってアームシリンダ8のロッド側油室に流入するためである。なお、制御弁177は、開状態のままで維持されている。
その結果、アーム流量は、図4(C)の点線で示すように、流量Qa0から流量Qa1に増加し、アーム5は、比較的遅い速度で開き方向に駆動される。
一方で、調整処理が実行される場合には、図4(A)の太実線で示すように、時刻t1で右操作レバー26Rがアーム開き方向に約50%のレバー操作量で操作され、第1複合操作が行われると、ブリードオフ流量は、図4(B)の太実線で示すように、流量Qb0から流量Ob2(ゼロ)に低下する。制御弁177が閉じられ、左センターバイパス油路40Lを流れる作動油の全部が制御弁176LのPCポートを通ってアームシリンダ8のロッド側油室に流入するためである。
その結果、アーム流量は、図4(C)の太実線で示すように、流量Qa0から流量Qa2に増加し、アーム5は、比較的早い速度で開き方向に駆動される。
このように、コントローラ30は、第1複合操作が行われたときに調整処理を実行することで、調整処理を実行しない場合に比べ、右操作レバー26Rのアーム開き方向におけるレバー操作量が同じであっても、アーム5の開き速度を増大させることができる。また、コントローラ30は、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出し、且つ、制御弁175Lの油路CDLを通過する作動油が、アームシリンダ8のロッド側油室に流入することなく、作動油タンクに排出されてしまうのを防止できる。すなわち、コントローラ30は、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出する作動油の油圧エネルギである回生エネルギを効率的に利用できるようにする。
なお、上述の実施形態では、コントローラ30を含む油圧システムは、ブーム下げ操作とアーム開き操作とを含む第1複合操作が行われたときに、調整処理を実行して制御弁177を閉じるように構成されているが、他の複合操作が行われたときに、同様の調整処理を実行するように構成されていてもよい。例えば、油圧システムは、ブーム下げ操作とアーム閉じ操作とを含む複合操作が行われたときに、調整処理を実行して制御弁177を閉じるように構成されていてもよい。或いは、油圧システムは、ブーム下げ操作とバケット開き操作とを含む複合操作、又は、ブーム下げ操作とバケット閉じ操作とを含む複合操作が行われたときに、調整処理を実行して制御弁177を閉じるように構成されていてもよい。この場合、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出する作動油は、制御弁174の上流側で右センターバイパス油路40Rに合流するように構成され、且つ、右センターバイパス油路40Rにおける制御弁176Rと右絞り18Rとの間に制御弁177が配置されていてもよい。
また、油圧システムは、所定の複合操作が行われたときに、回生時制御を実行して制御弁177を閉じるように構成されているが、制御弁177を完全に閉じるのではなく、制御弁177の開口面積を、通常制御の際の開口面積よりも小さくするように構成されていてもよい。例えば、ブーム下げ操作とアーム開き操作とを含む第1複合操作が行われた場合、油圧システムは、アーム開き操作が行われたときの通常制御によって決まる制御弁177の開口面積よりも一層小さい開口面積となるように、制御弁177を制御する(絞る)。このような回生時制御により、油圧システムは、アームシリンダ8への作動油をより一層流れやすくすることができる。
更に、油圧システムは、旋回減速時に旋回油圧モータから流出する作動油を他の油圧アクチュエータに流入させる際に、ブリードオフ流量を低減させ或いは消失させることができるように構成されていてもよい。
次に、図5を参照し、図1のショベルに搭載される油圧システムの別の構成例について説明する。図5は、図1のショベルに搭載される油圧システムの別の構成例を示す。
図5の油圧システムは、主に、複数の制御弁のブリードオフ流量の統一的な制御である統一ブリードオフ制御を実現する統一ブリードオフ弁として機能する制御弁177を備える点、及び、統一ブリードオフ制御の実現のために有用な可変ロードチェック弁60及び切換弁61を備える点で、図1の油圧システムと異なる。
可変ロードチェック弁60は、制御弁173〜176のそれぞれと左メインポンプ14L及び右メインポンプ14Rのうちの少なくとも一方との間の連通・遮断を切り換え可能な2ポート2位置の弁である。図5の例では、可変ロードチェック弁60は、可変ロードチェック弁60A〜60Fを含む。
可変ロードチェック弁60Aは、旋回操作が行われたときに、左センターバイパス油路40Lを流れる作動油を、制御弁173のPCポートを通じ、旋回用油圧モータ2Aに流入させるか否かを切り換え可能な2ポート2位置の弁である。具体的には、可変ロードチェック弁60Aは、第1位置にある場合に左センターバイパス油路40LとPCポート(旋回用油圧モータ2A)との間を連通し、第2位置にある場合にその連通を遮断する。
可変ロードチェック弁60Bは、バケット操作が行われたときに、右センターバイパス油路40Rを流れる作動油を、制御弁174のPCポートを通じ、バケットシリンダ9に流入させるか否かを切り換え可能な2ポート2位置の弁である。具体的には、可変ロードチェック弁60Bは、第1位置にある場合に右センターバイパス油路40RとPCポート(バケットシリンダ9)との間を連通し、第2位置にある場合にその連通を遮断する。
可変ロードチェック弁60Cは、ブーム上げ操作が行われたときに、左センターバイパス油路40Lを流れる作動油を、制御弁175LのPCポートを通じ、ブームシリンダ7のボトム側油室に流入させるか否かを切り換え可能な2ポート2位置の弁である。具体的には、可変ロードチェック弁60Cは、第1位置にある場合に左センターバイパス油路40LとPCポート(ブームシリンダ7)との間を連通し、第2位置にある場合にその連通を遮断する。
可変ロードチェック弁60Dは、ブーム操作が行われたときに、右センターバイパス油路40Rを流れる作動油を、制御弁175RのPCポートを通じ、ブームシリンダ7に流入させるか否かを切り換え可能な2ポート2位置の弁である。具体的には、可変ロードチェック弁60Dは、第1位置にある場合に右センターバイパス油路40RとPCポート(ブームシリンダ7)との間を連通し、第2位置にある場合にその連通を遮断する。
可変ロードチェック弁60Eは、アーム操作が行われたときに、左センターバイパス油路40Lを流れる作動油を、制御弁176LのPCポートを通じ、アームシリンダ8に流入させるか否かを切り換え可能な2ポート2位置の弁である。具体的には、可変ロードチェック弁60Eは、第1位置にある場合に左センターバイパス油路40LとPCポート(アームシリンダ8)との間を連通し、第2位置にある場合にその連通を遮断する。
可変ロードチェック弁60Fは、アーム閉じ操作が行われたときに、右センターバイパス油路40Rを流れる作動油を、制御弁176RのPCポートを通じ、アームシリンダ8のボトム側油室に流入させるか否かを切り換え可能な2ポート2位置の弁である。具体的には、可変ロードチェック弁60Fは、第1位置にある場合に右センターバイパス油路40RとPCポート(アームシリンダ8)との間を連通し、第2位置にある場合にその連通を遮断する。
切換弁61は、ブームシリンダ7から作動油タンクに向けて流出する作動油の流量を制御するように構成されている。図5の例では、切換弁61は、切換弁61A及び切換弁61Bを含む。
切換弁61Aは、ブームシリンダ7のロッド側油室から排出される作動油を作動油タンクに排出するか否かを切り換え可能な2ポート2位置の弁である。具体的には、切換弁61Aは、第1位置にある場合にブームシリンダ7のロッド側油室と作動油タンクとの間を連通し、第2位置にある場合にその連通を遮断する。また、切換弁61Aは、第1位置において、作動油タンクからの作動油の流れを遮断するチェック弁を有する。
切換弁61Bは、ブームシリンダ7のボトム側油室から排出される作動油を作動油タンクに排出するか否かを切り換え可能な2ポート2位置の弁である。具体的には、切換弁61Bは、第1位置にある場合にブームシリンダ7のボトム側油室と作動油タンクとの間を連通し、第2位置にある場合にその連通を遮断する。また、切換弁61Bは、第1位置において、作動油タンクからの作動油の流れを遮断するチェック弁を有する。
制御弁173〜176のそれぞれでは、PTポートは、スプール弁のストローク位置にかかわらず開口面積(センターバイパス油路40の流路面積)が最大で維持されるように構成されている。制御弁171及び172では、スプール弁のストローク位置に応じて開口面積(センターバイパス油路40の流路面積)が変化するように構成されている。具体的には、制御弁171及び172では、右位置或いは左位置に移動するほど、すなわち、中立位置から離れるほど、PTポートの開口面積が小さくなるように構成されている。但し、制御弁171及び172は、制御弁173〜176と同様に、スプール弁のストローク位置にかかわらず、PTポートの開口面積が最大で維持されるように構成されていてもよい。
制御弁170は、右センターバイパス油路40Rにおける制御弁172の上流側に設けられ、走行直進弁として機能する。そして、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を左走行用油圧モータ2MLに供給し且つ右メインポンプ14Rが吐出する作動油を右走行用油圧モータ2MRに供給する状態と、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を左走行用油圧モータ2ML及び右走行用油圧モータ2MRの双方に供給する状態とを切り換えることができるように構成されている。
具体的には、制御弁170は、走行操作と他の油圧アクチュエータの操作とが同時に行われている場合、右メインポンプ14Rが吐出する作動油を、バイパス油路BP2を経由して、制御弁171の下流側で左センターバイパス油路40Lに流入させる。また、左メインポンプ14Lが吐出する作動油を、バイパス油路BP1を経由して、制御弁172の上流側で右センターバイパス油路40Rに流入させる。これにより、左メインポンプ14Lが吐出する作動油のみが左走行用油圧モータ2ML及び右走行用油圧モータ2MRの双方に供給されるため、下部走行体1の直進性が向上する。
一方、制御弁170は、走行操作のみが行われている場合、右メインポンプ14Rが吐出する作動油をそのまま下流側に通過させると共に、左メインポンプ14Lが吐出する作動油をバイパス油路BP1及びバイパス油路BP2を経由して制御弁171の下流側で左センターバイパス油路40Lに流入させる。これにより、左メインポンプ14Lが吐出する作動油が左走行用油圧モータ2MLに供給され、且つ、右メインポンプ14Rが吐出する作動油が右走行用油圧モータ2MRに供給されるため、下部走行体1の走破性が向上する。
左センターバイパス油路40Lにおいて、制御弁173、175L、及び176Lは、上流側(左メインポンプ14Lに近い側)から順にタンデム配置されている。図5の例では、制御弁173、175L、及び176Lのそれぞれに対して、左メインポンプ14Lからの作動油が左センターバイパス油路40Lを通じて個別に供給され得る構成である。すなわち、左メインポンプ14Lが吐出する作動油は、例えば、制御弁173及び175Lのそれぞれのストローク位置にかかわらず、左センターバイパス油路40Lを通じて最下流に位置する制御弁176Lまで供給され得る。具体的には、制御弁173及び175Lのそれぞれは、ストローク位置にかかわらず、左センターバイパス油路40Lを遮断せずに連通した状態で維持している。すなわち、制御弁173及び175Lのそれぞれは、ストローク位置にかかわらず、PTポートの開口面積が最大で維持されるように構成されている。
右センターバイパス油路40Rにおいて、制御弁174、175R、及び176Rは、上流側(右メインポンプ14Rに近い側)から順にタンデム配置されている。図5の例では、制御弁174、175L、及び175Rのそれぞれに対して、右メインポンプ14Rからの作動油が右センターバイパス油路40Rを通じて個別に供給され得る構成である。すなわち、右メインポンプ14Rが吐出する作動油は、例えば、制御弁174及び175Rのそれぞれのストローク位置にかかわらず、右センターバイパス油路40Rを通じて最下流に位置する制御弁176Rまで供給され得る。具体的には、制御弁174及び175Rのそれぞれは、ストローク位置にかかわらず、右センターバイパス油路40Rを遮断せずに連通した状態で維持している。すなわち、制御弁174及び175Rのそれぞれは、ストローク位置にかかわらず、PTポートの開口面積が最大で維持されるように構成されている。
制御弁177は、コントローラ30からの指令に応じて統一ブリードオフ弁として動作し、複数の制御弁のブリードオフ流量をまとめて制御できる。図5の例では、制御弁177は、常開型(ノーマルオープン型)の油圧駆動弁であり、左制御弁177L及び右制御弁177Rを含む。
左制御弁177Lは、制御弁173、175L、及び176Lのブリードオフ流量をまとめて制御できるように構成されている。図5の例では、左制御弁177Lは、左センターバイパス油路40Lにおいて、制御弁176Lと左絞り18Lとの間に配置されている。
左制御弁177Lは、左メインポンプ14Lが吐出する作動油の作動油タンクへの排出量を制御可能な2ポート2位置のスプール弁である。左制御弁177Lは、そのパイロットポートに作用するパイロット圧が所定値P1以下の場合に第1位置になり、パイロット圧が所定値P1を超えて増大するにつれて第2位置に近づき、パイロット圧が所定値P2(>P1)以上の場合に第2位置となるように構成されている。左制御弁177Lは、第1位置にある場合に開口面積(左センターバイパス油路40Lの流路面積)を最大とし、第2位置に近づくにつれてその開口面積を低減させ、第2位置にある場合に左センターバイパス油路40Lを遮断する。図5は、左制御弁177Lが第1位置にある状態を示している。
右制御弁177Rは、制御弁174、175R、及び176Rのブリードオフ流量をまとめて制御できるように構成されている。図5の例では、右制御弁177Rは、右センターバイパス油路40Rにおいて、制御弁176Rと右絞り18Rとの間に配置されている。
右制御弁177Rは、右メインポンプ14Rが吐出する作動油の作動油タンクへの排出量を制御可能な2ポート2位置のスプール弁である。右制御弁177Rは、そのパイロットポートに作用するパイロット圧が所定値P1以下の場合に第1位置になり、パイロット圧が所定値P1を超えて増大するにつれて第2位置に近づき、パイロット圧が所定値P2(>P1)以上の場合に第2位置となるように構成されている。右制御弁177Rは、第1位置にある場合に開口面積(右センターバイパス油路40Rの流路面積)を最大とし、第2位置に近づくにつれてその開口面積を低減させ、第2位置にある場合に右センターバイパス油路40Rを遮断する。図5は、右制御弁177Rが第1位置にある状態を示している。
コントローラ30は、操作装置26の操作量及び操作方向を検出する操作圧センサ29の検出値に基づき、制御弁177を制御する。具体的には、コントローラ30は、制御弁177のパイロットポートとパイロットポンプ15とを接続する油路に配置されている電磁弁55に対して指令を送信する。
電磁弁55は、コントローラ30からの指令に応じて動作するように構成されている。図5の例では、電磁弁55は、逆比例型の電磁比例減圧弁であり、電磁弁55L及び電磁弁55Rを含む。電磁弁55Lは、コントローラ30からの指令電流に対応するパイロット圧を左制御弁177Lのパイロットポートに作用させる。パイロット圧は、指令電流が大きいほど小さくなる。電磁弁55Rは、コントローラ30からの指令電流に対応するパイロット圧を右制御弁177Rのパイロットポートに作用させる。パイロット圧は、指令電流が大きいほど小さくなる。このようにして、コントローラ30は、統一ブリードオフ制御を実現できる。
絞り18は、レギュレータ13を制御するための制御圧(ネガティブコントロール圧)を発生させるように構成されている。図5の例では、絞り18は、左センターバイパス油路40Lに設けられた左絞り18Lと、右センターバイパス油路40Rに設けられた右絞り18Rとを含む。
制御圧センサ19は、制御圧を検出するためのセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力するように構成されている。制御圧センサ19は、左絞り18Lの上流で生成される制御圧を検出する左制御圧センサ19Lと、右絞り18Rの上流で生成される制御圧を検出する右制御圧センサ19Rとを含む。
圧力センサ20は、絞り18の下流における作動油の圧力を検出するためのセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力するように構成されている。圧力センサ20は、左絞り18Lの下流における作動油の圧力を検出する左圧力センサ20Lと、右絞り18Rの下流における作動油の圧力を検出する右圧力センサ20Rとを含む。
このように、図5の油圧システムは、左センターバイパス油路40Lの流路面積を調整可能な左制御弁177Lと、右センターバイパス油路40Rの流路面積を調整可能な右制御弁177Rとを制御弁177として含む。この構成により、コントローラ30は、制御弁173〜176のそれぞれがブリードオフ流量を制御する構成を有していなくても、制御弁177でブリードオフ流量をまとめて制御できる。そのため、制御弁173〜176のそれぞれがブリードオフ流量を制御する場合に比べ、センターバイパス油路40における圧力損失を低減できる。
具体的には、コントローラ30は、例えば、操作圧センサ29の出力に基づき、すなわち、1又は複数の油圧アクチュエータのそれぞれに関する操作装置26の操作量に基づき、目標制御圧を算出する。目標制御圧は、例えば、図2に示す油圧システムで同じ操作が行われたときに生成される制御圧に相当する。そして、コントローラ30は、制御圧センサ19の検出値(絞り18の上流における作動油の圧力)と圧力センサ20の検出値(絞り18の下流における作動油の圧力)との差が目標制御圧となるように制御弁177によってセンターバイパス油路40の流路面積を調整する。なお、圧力センサ20の検出値は大気圧を表す値(例えばゼロ)で代用されてもよい。この場合、圧力センサ20は省略されてもよい。
リリーフ弁50は、一次側にある作動油の圧力が所定のリリーフ弁以上になったときに開くように構成されている。図5の例では、リリーフ弁50は、左リリーフ弁50L及び右リリーフ弁50Rを含む。左リリーフ弁50Lは、左センターバイパス油路40Lにおける作動油の圧力が所定のリリーフ圧以上となったときに開いて左センターバイパス油路40Lにおける作動油を作動油タンクに排出する。右リリーフ弁50Rは、右センターバイパス油路40Rにおける作動油の圧力が所定のリリーフ圧以上となったときに開いて右センターバイパス油路40Rにおける作動油を作動油タンクに排出する。
上述のような油圧システムにおいても、コントローラ30は、例えば、第1複合操作が行われたときに調整処理を実行することで、ブームシリンダ7から流出する作動油が、より効率的に、アームシリンダ8の駆動に利用されるようにすることができる。
具体的には、コントローラ30は、操作圧センサ29RAの出力に基づいてブーム下げ操作が行われているか否かを判定し、且つ、操作圧センサ29LAの出力に基づいてアーム開き操作が行われているか否かを判定する。
そして、ブーム下げ操作とアーム開き操作とを含む第1複合操作が行われていると判定した場合、コントローラ30は、統一ブリードオフ弁としての左制御弁177Lを閉じる。この制御は、「回生時制御」とも称される。
第1複合操作が行われると、ブームシリンダ7のボトム側油室から制御弁175Lの油路CDLを通って左センターバイパス油路40Lに流入する作動油は、左メインポンプ14Lが吐出する左センターバイパス油路40Lを流れる作動油に合流する。
このとき、左制御弁177Lが閉じられると、左センターバイパス油路40Lを流れる作動油は、制御弁176LのPTポートを通って作動油タンクに向かうことができなくなる。そのため、左センターバイパス油路40Lを流れる作動油の全ては、制御弁176LのPCポートを通ってアームシリンダ8のロッド側油室に流入し、アームシリンダ8を収縮させる。
このようにして、コントローラ30は、第1複合操作が行われている場合には、左制御弁177Lを通って作動油タンクに流れる作動油の流量であるブリードオフ流量をゼロにすることで、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出して制御弁175Lの油路CDLを通過する作動油の全てをアームシリンダ8のロッド側油室に流入させることができる。すなわち、コントローラ30は、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出して制御弁175Lの油路CDLを通過する作動油が無駄に作動油タンクに排出されてしまうのを防止できる。
一方で、ブーム下げ操作が行われていないが、アーム操作が行われていると判定した場合、コントローラ30は、左センターバイパス油路40Lの流路面積が、左操作レバー26Lのアーム開閉方向におけるレバー操作量に応じた流路面積となるように統一ブリードオフ弁としての左制御弁177Lを開く。この統一ブリードオフ制御は、「通常制御」とも称される。
このように、コントローラ30は、第1複合操作が行われたときに制御弁177を閉じることで、制御弁177を閉じない場合に比べ、左操作レバー26Lのアーム開き方向におけるレバー操作量が同じであっても、アーム5の開き速度を増大させることができる。また、コントローラ30は、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出し、且つ、制御弁175Lの油路CDLを通過する作動油が、アームシリンダ8のロッド側油室に流入することなく、作動油タンクに排出されてしまうのを防止できる。すなわち、コントローラ30は、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出する作動油の油圧エネルギである回生エネルギが効率的に利用されるようにする。
また、コントローラ30は、回生時制御と通常制御とを使い分けることで、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出した作動油が制御弁175Lにおける油路CDLを通って左センターバイパス油路40Lに流入する状況のような、メインポンプ14が吐出する作動油以外の作動油がセンターバイパス油路40に流入する状況が頻繁に且つ断続的に発生する場合であっても、統一ブリードオフ制御を継続的に実行できる。そのため、コントローラ30は、回生時制御を利用する場合であっても、ショベル100の挙動を安定化させることができ、ひいては、ショベル100の作業性を向上させることができる。
なお、図5の例では、コントローラ30を含む油圧システムは、ブーム下げ操作とアーム開き操作とを含む第1複合操作が行われたときに制御弁177を閉じるように構成されているが、他の複合操作が行われたときに制御弁177を閉じるように構成されていてもよい。例えば、油圧システムは、ブーム下げ操作とアーム閉じ操作とを含む複合操作が行われたときに制御弁177を閉じるように構成されていてもよい。或いは、油圧システムは、ブーム下げ操作とバケット開き操作とを含む複合操作、又は、ブーム下げ操作とバケット閉じ操作とを含む複合操作が行われたときに制御弁177を閉じるように構成されていてもよい。この場合、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出する作動油は、右センターバイパス油路40Rに合流するように構成されていてもよい。
更に、図5の油圧システムは、旋回減速時に旋回油圧モータから流出する作動油を他の油圧アクチュエータに流入させる際に、ブリードオフ流量を低減させ或いは消失させることができるように構成されていてもよい。
上述のように、本発明の実施形態に係るショベル100は、油圧ポンプとしてのメインポンプ14の吐出口と作動油タンクとの間に配置され、作動油タンクに排出される作動油の流量を制御する弁としての制御弁177と、制御弁177の制御を、一の油圧アクチュエータ(例えばアームシリンダ8)を駆動する作動油を他の油圧アクチュエータ(例えばブームシリンダ7)にから流入させるときの第1制御(回生時制御)と、一の油圧アクチュエータ(例えばアームシリンダ8)を駆動する作動油をメインポンプ14から流入させるときの第2制御(通常制御)とで切り換える制御装置としてのコントローラ30と、を備えている。つまり、第2制御(通常制御)とは、回生動作を伴わない、一の油圧アクチュエータ(例えばアームシリンダ8)の単独操作の際に実行される制御であり、例えば、他の油圧アクチュエータ(例えばブームシリンダ7)から流出する作動油を用いることなく、メインポンプ14が吐出する作動油のみを用いて一の油圧アクチュエータ(例えばアームシリンダ8)を駆動するときの制御である。
この構成により、ショベル100は、一の油圧アクチュエータから流出する作動油が、より効率的に、他の油圧アクチュエータの駆動に利用されるようにすることができる。
一の油圧アクチュエータ(例えばブームシリンダ7)より排出される作動油は、例えば、センターバイパス油路40を介して、他の油圧アクチュエータ(例えばアームシリンダ8)に流入するように構成されてもよい。
この構成により、ショベル100は、例えば、ブーム下げ操作とアーム開き操作とを含む第1複合操作が行われた場合に、ブームシリンダ7のボトム側油室から流出し、且つ、左センターバイパス油路40Lに合流する作動油の全てを、アームシリンダ8のロッド側油室に流入させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形又は置換等が適用され得る。また、別々に説明された特徴は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合わせが可能である。