JP2021031734A - 薄膜形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メンテナンスが容易で、コストをかけることなく、成膜レートを向上させることができる薄膜形成装置を提供する。【解決手段】上記課題を解決するために本発明の薄膜形成装置は、内部に減圧環境を形成する成膜チャンバと、前記成膜チャンバ内にプラズマを発生させる電極と、基材の近傍に原料ガスを供給する原料ガス供給部と、プラズマを形成させるプラズマ形成ガスを供給するプラズマ形成ガス供給部とを有し、前記成膜チャンバの壁部には、複数の開口部を有しており、前記成膜チャンバの外部には、基材を複数の前記開口部のそれぞれに面するように配置する基材配置部を備える構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は気相成長法により薄膜を形成する薄膜形成装置に関するものである。
有機EL、太陽電池等の電子デバイスは水や酸に弱いため、その表面を封止膜で覆って
耐久性を向上させることが提案されている。このような封止膜は、たとえば、下記特許文献1に示す薄膜形成装置、いわゆるプラズマCVD装置によって基材上に形成することが可能である。具体的には、図9に示すように、薄膜形成装置は、チャンバ101内に基板102を保持する基板保持部103と、プラズマを発生させる誘導結合型の電極104を有する電極ユニット105と、原料ガスを供給する原料ガス供給部106とを備えており、互いに対向して配置される基板保持部103と電極ユニット105との間に原料ガス供給部106を配置して構成されている。そして、原料ガス供給部106の噴出口から原料ガスが供給されると、原料ガスが電極ユニット105により形成されたプラズマ環境に曝されることにより成膜粒子が形成される。そして、この成膜粒子が基板102上に堆積することにより均一な薄膜108を形成することができる。
特開2002−203841号公報
近年では、成膜コストを低減させることが要望されているため、薄膜の成膜レート(単位時間当たりの薄膜形成速度)を向上させることにより製造効率を上げて成膜コストを下げることが考えられる。しかし、上記薄膜形成装置では、成膜レートを向上させることが困難であるという問題があった。すなわち、上記薄膜形成装置の装置構成では、1つの装置に対して一度に1つの基材にしか薄膜を形成することができず、成膜レートを向上させる方法として、電極の大型化などが考えられるが、装置が大型化し、消費電力等のコストがかかってしまうことやメンテナンスが困難になるという問題があった。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、メンテナンスが容易で、コストをかけることなく、成膜レートを向上させることができる薄膜形成装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明の薄膜形成装置は、内部に減圧環境を形成する成膜チャンバと、前記成膜チャンバ内にプラズマを発生させる電極と、基材の近傍に原料ガスを供給する原料ガス供給部と、プラズマを形成させるプラズマ形成ガスを供給するプラズマ形成ガス供給部とを有し、前記成膜チャンバの壁部には、複数の開口部を有しており、前記成膜チャンバの外部には、基材を複数の前記開口部のそれぞれに面するように配置する基材配置部を備えることを特徴としている。
上記薄膜形成装置によれば、成膜チャンバの壁部には、複数の開口部と、この開口部のそれぞれに面するように基材を配置する基材配置部とを有しているため、1つの成膜チャンバによって複数か所で同時に基材へ薄膜を形成することができる。したがって、1つの電極により容易に成膜レートを向上させることができる。
また、前記電極は、第1の直線部と、第2の直線部と、前記第1の直線部と前記第2の直線部とを連結する連結部から成り、複数の前記開口部のうち少なくとも1組の前記開口部は、前記電極を挟んで対向するように配置されている構成にしてもよい。
この構成によれば、成膜チャンバの1組の開口部のそれぞれに対して電極の両側にできる高密度プラズマ領域を配置することができるので、効率よく薄膜を形成することができ、成膜レートを上げることができる。
また、前記成膜チャンバは、誘電体プレートを有しており、前記誘電体プレートは、少なくとも1つの前記開口部を含む第1の成膜領域と少なくとも1つの前記開口部を含む第2の成膜領域に前記成膜チャンバ内の空間を仕切るように配置されており、前記原料ガス供給部および前記プラズマ形成ガス供給部は、前記第1の成膜領域と前記第2の成膜領域の両方に設けられる構成としてもよい。
この構成によれば、減圧環境下で電極に電圧を印加することによって誘電体で構成される誘電体プレートを越えてプラズマが形成され、原料ガス供給部から供給されるガスは誘電体プレートに阻まれる。したがって、誘電体プレートによって、チャンバ内の空間を仕切ることで、成膜領域が2つに分けられるので、1組の開口部それぞれにおいて基材に異なる膜種の薄膜を同時に形成することができる。
また、さらに、1組の前記誘電体プレートが、前記電極を挟むように配置されている構成としてもよい。
この構成によれば、原料ガス供給部から供給される原料ガスは、誘電体プレートに阻まれて電極に到達できない。したがって、電極に膜が付着しないため、メンテナンスを容易にすることができる。
また、前記原料ガス供給部が複数設けられ、前記原料ガス供給部の原料ガスが噴射される噴出孔が基材の近傍に位置するように配置されている構成としてもよい。
この構成によれば、複数の原料ガス供給部が基材の近傍へ原料ガスを供給し、電極が形成するプラズマに曝されるため、基材上全体に亘ってほぼ一定膜厚の薄膜を形成することができる。
また、前記基材配置部は、ロールトゥロールにより前記基材を前記開口部のそれぞれに順に面するように搬送する構成としてもよい。
この構成によれば、基材をロールトゥロールにより成膜チャンバのそれぞれの開口部へと連続的に搬送して成膜するため、1つの成膜チャンバによって1つの基材に2層の薄膜を形成することができるので、薄膜を効率よく形成することができ、成膜レートを上げることができる。
また、前記基材配置部は、メインロールを有しており、前記メインロールは、その外周面が前記開口部に面するように配置されており、前記開口部の近傍では、前記基材をメインロールの外周面に沿わせた状態で搬送しつつ薄膜を形成する構成としてもよい。
この構成によれば、基材をメインロールの外周面に沿わせた状態で搬送させることにより、薄膜形成時に基材にシワが発生しないように適切な張力を与えることができる。
本発明の薄膜形成装置によれば、メンテナンスが容易で、コストをかけることなく、成膜レートを向上させることができる。
本発明の第一実施形態に係る薄膜形成装置の正面断面図である。 本発明の第一実施形態に係る薄膜形成装置の側面断面図である。 本発明の第二実施形態に係る薄膜形成装置の正面断面図である。 本発明の第三実施形態に係る薄膜形成装置の正面断面図である。 本発明の第四実施形態に係る薄膜形成装置の正面断面図である。 本発明の第五実施形態に係る薄膜形成装置の正面断面図である。 本発明の電極の1つのバリエーションを表した図である。 本発明の電極の1つのバリエーションを表した図である。 従来の薄膜形成装置を表す図である。
〔第一実施形態〕
以下、本発明の第一実施形態について図面を参照しながら説明する。薄膜形成装置1は、図1に示すように、成膜チャンバ2と基材配置部3を有している。薄膜形成装置1は、成膜チャンバ2によりプラズマCVD法によって基材配置部3で配置された基材Wに薄膜を形成させる。
成膜チャンバ2は、薄膜形成装置1の内部に設置される。図1に示すように、その成膜チャンバ2は、内部にプラズマを形成させる電極21と薄膜の原料となる原料ガスを供給する原料ガス供給部22とプラズマを形成させるプラズマ形成ガスを供給するプラズマ形成ガス供給部29とを有しており、成膜チャンバ2内にプラズマ形成ガスを供給し、電極21がプラズマを発生させた状態で成膜チャンバ2内に原料ガスが供給されると、原料ガスが励起され成膜粒子が生成される。そして、この成膜粒子が基材Wに堆積することにより、薄膜が形成される。
成膜チャンバ2は、内部に減圧環境を形成し、その内部で発生した成膜粒子を堆積させて基材Wに薄膜を形成させるための容器である。本実施形態では、この成膜チャンバ2は、六面体であり、成膜チャンバ2の壁部は、YZ平面と平行な1組の壁部に開口部23を有しており、後述のとおり基材配置部3に支持される基材Wは、これらの開口部23に面するように搬送される。
成膜粒子の形成は、成膜チャンバ2内を減圧環境にして行われる。具体的には、この成膜チャンバ2の天井部分の壁部には、成膜チャンバ2内を排気する排出部24が設けられている。この排出部24は、真空ポンプ(不図示)および圧力調整機構(不図示)と配管(不図示)で接続されており、真空ポンプを作動させることにより成膜チャンバ2内を所定の減圧度に調節できるようになっている。すなわち、成膜時には、真空ポンプを作動させることにより、成膜チャンバ2内を所定の減圧環境に調節して行われる。
電極21は、プラズマを形成させるものである。図2に示すように、電極21は、高周波電源28と接続された直線部21aとアースなどと接続された直線部21bとこれらを連結する連結部21cから成り、電気が連続して通る誘導結合型の電極である。電極21は、図2に示すように外側から成膜チャンバ2のXZ平面からなる壁部を貫通して成膜チャンバ2内に侵入し、貫通した成膜チャンバ2のXZ平面からなる壁部と対向する成膜チャンバ2のXZ平面からなる壁部を貫通するように伸び、そして、成膜チャンバ2の外側で180°向きを変えて、さらに成膜チャンバ2のXZ平面からなる壁部を貫通して成膜チャンバ2内に入り、再度成膜チャンバ2のXZ平面の壁部を貫通するように設けられている。また、電極21は、製膜チャンバ2の1組の開口部23に挟まれる位置に設けられている。すなわち、1組の開口部23が電極21を挟んで対向している。特に本実施形態では、電極部21は、成膜チャンバ2の1組の開口部23に対して、直線部21aと直線部21bの中心軸線を共に含む平面と平行に位置した状態で成膜チャンバ2内に設けられており、具体的には、直線部21aと直線部21bはY軸方向に伸び、それぞれの中心軸が1つのYZ平面に含まれている。また、電極21の折り返し部21cを含むその他の部分が成膜チャンバ2の外側に位置するように設けられている。
また、電極21は、後述のプラズマ形成ガスが供給された状況下で、高周波電源28のスイッチが入れられることにより、成膜チャンバ2内に位置する電極21の直線部21aと直線部21bの周囲にプラズマが発生するようになっている。ここでプラズマは、直線部21aと直線部21bの間で、出力が最も高くなり、そこから電極21の外側に向かって出力が小さくなるように電極21の両側に形成される。この比較的にプラズマの出力が高い一定領域のプラズマ領域を高密度プラズマ領域Pと呼び、図1に鎖線で示す。
また、本実施形態では、電極21の両側に形成される高密度プラズマ領域Pが、成膜チャンバ2に設けられるそれぞれの開口部23と面するように配置されている。具体的には、前述のとおり電極21の直線部21aと直線部21bの中心軸線を共に含む平面および成膜チャンバ2に設けられるそれぞれの開口部23がYZ平面と平行であることによりこれらが平行に配置されている。これにより、それぞれの開口部23が電極21の両側に形成される高密度プラズマ領域Pに面するように位置する。
また、原料ガス供給部22は、薄膜を形成する原料ガスを成膜チャンバ2内に供給するものである。原料ガス供給部22は、複数設けられており、それぞれが高密度プラズマ領域Pの近傍に配置されている。具体的には、原料ガス供給部22の端部にあたる噴出孔が基材Wの近傍、すなわち、それぞれの開口部23の近傍に位置するように配置されている。
また、プラズマ形成ガス供給部29は、プラズマを形成するプラズマ形成ガスを成膜チャンバ2内に供給するものである。プラズマ形成ガス供給部29は、プラズマ形成ガス供給部29の端部にあたる噴出孔が電極21の近傍に位置するように配置されている。
なお、本実施形態では、原料ガス供給部22からHMDSガス(ヘキサメチルジシラザンガス)、プラズマ形成ガス供給部29からアルゴンガス、水素ガスが供給されることにより、Si化合物が生成される。これにより、基材W上に薄膜が形成される。
また、原料ガス供給部22からHMDSガス、プラズマ形成ガス供給部29から酸素ガスが供給されることにより、SiO2が生成される。これにより、基材W上に薄膜が形成される。
また、前述したSi化合物とSiO2の生成を交互に繰り返すことにより、基材W上に複数層を備える薄膜が形成される。
基材配置部3は、基材Wを成膜チャンバ2の開口23と面するように搬送させるものである。基材配置部3により、搬送される基材Wは、帯状の部材であり、そのために薄膜形成装置1は、図1に示すように基材Wを送り出すための巻出ロール31と、薄膜を形成した基材Wを巻き取るための巻取ロール32とを有し、いわゆるロールトゥロールの構成である基材配置部3を有している。巻出ロール31から基材Wが繰り出されると、その基材Wは、搬送方向の上流側と下流側の複数の搬送ロール33を経て、巻取ロール32に巻き取られる。また、巻出ロール31と巻取ロール32と搬送ロール33によって形成される基材Wの搬送経路は、成膜チャンバ2の2つの開口部23の近傍を通過するように構成されている。また、この搬送経路は、搬送ロール33が基材Wの薄膜形成面に触れないように、すなわち基材Wの非薄膜形成面側が搬送ロール33に巻き回されるように形成されている。
薄膜形成装置1は、メインチャンバを有している。このメインチャンバは、内部に成膜チャンバ2および、基材配置部3を有し、減圧環境下で基材Wを搬送することができる構成となっている。また、このメインチャンバは、成膜チャンバ2に設けられている排出部24と接続される真空ポンプとは別の真空ポンプで接続されており、この真空ポンプを作動させることによりメインチャンバ内を所定の減圧度に調節できるようになっている。すなわち、成膜時には、メインチャンバの真空ポンプを作動させることにより、メインチャンバ内を所定の減圧環境に調整して行われる。
このように、上記第一実施形態における薄膜形成装置によれば、薄膜が、成膜チャンバ2の1組の開口部23のそれぞれに面するように基材配置部3によって搬送された基材W上に形成されるので、1つの成膜チャンバ2によって2か所で同時に基材Wへ薄膜を形成させることができるため、成膜レートを上げることができる。
また、上記第一実施形態では、電極21が直線部21aと直線部21bとこれらを連結する連結部21cから成り、電極21の両側に形成される高密度プラズマ領域Pが、成膜チャンバ2の開口部23のそれぞれに面するように配置される例について説明したが、この高密度プラズマ領域Pでは、プラズマの出力が高いため、原料ガスが高処理率で処理される。すなわち、この電極21にプラズマが発生する状態で、成膜チャンバ2内に高密度プラズマ領域Pの近傍に位置するように配置された原料ガス供給部22から原料ガスが供給されると、原料ガスが積極的にプラズマに曝されることにより単位時間当たりに効率よく成膜粒子が形成される。したがって、成膜チャンバ2の開口部23のそれぞれに対して電極21の両側に形成される高密度プラズマ領域Pを配置することによって、成膜レートを上げることが可能となっている。
また、上記第一実施形態では、原料ガス供給部22が、複数設けられており、それぞれが高密度プラズマ領域Pの近傍に配置されている例について説明したが、原料ガス供給部22が電極21が形成する高密度プラズマ領域Pの近傍にそれぞれ配置されているため、それぞれの原料ガス供給部22から噴出された原料ガスが高密度プラズマ領域Pに曝されることにより基板W上全体に亘ってほぼ一定膜厚の薄膜を形成することが可能となっている。
また、上記第一実施形態では、基材配置部3は、ロールトゥロールによるものであるという例を説明したが、その搬送経路は、巻出ロール31と巻取ロール32と搬送ロール33によって、成膜チャンバ2の2つの開口部23の近傍を通過するように構成されているので、基材Wを連続的に2つの開口部23の近傍へ搬送し、基材W上に薄膜を形成するため、1つの成膜チャンバ2によって1つの基材Wに2層の薄膜を形成することができるので、薄膜を効率よく形成することができ、成膜レートを上げることが可能となっている。また、搬送経路上で薄膜形成面が、搬送ロール33に触れないので、薄膜が傷つくことを防ぐことができる。
〔第二実施形態〕
次に、図3を参照して本発明の第二実施形態に係る薄膜形成装置1について説明する。
第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態では、成膜チャンバ2が誘電体プレート25を有していること以外は、第一実施形態と同じ構成を有している。
成膜チャンバ2は、内部に誘電体から成る誘電体プレート25が設けられている。この誘電体プレート25は、少なくとも1つの開口部23を含む第1の成膜領域R1と少なくとも1つの開口部23を含む第2の成膜領域R2とに成膜チャンバ2内の空間を分け、仕切るように配置されており、さらに、原料ガス供給部22とプラズマ形成ガス供給部29とが、それぞれの成膜領域に設けられている。具体的には、成膜チャンバ2内の空間は、誘電体プレート25によって1つの開口部23を有する第1の成膜領域R1と1つの開口部23を含む第2の成膜領域R2に分断される。誘電体プレート25が、誘電体から構成されているため、成膜チャンバ2内を減圧環境としたなかで、電極21に電圧を印加することによって、電極21は、誘電体プレート25を越えて電界を形成させ、プラズマ形成ガス供給部29によりプラズマ形成ガスを供給することで、プラズマを形成させる。具体的には、電極21は、この電極21を含む第1の成膜領域R1だけでなく、誘電体プレート25に隔てられた第2の成膜領域R2にもプラズマを形成させる。そして、原料ガス供給部22から供給される原料ガスは誘電体プレート25に阻まれる。これにより、誘電体プレート25によって、成膜チャンバ2内の空間を仕切ることで、成膜領域が2つに分けることができるので、第1の成膜領域R1に配置された原料ガス供給部22と第2の成膜領域R2に配置された原料ガス供給部22とで異なる原料ガスを供給することにより、それぞれの開口部23と面する基材Wのそれぞれに異なる膜種の薄膜を同時に形成することが可能となる。
また、それぞれのガスの流量に差異をもたせることにより、成膜領域R1と成膜領域R2とで性質が異なった薄膜を形成することができる。
また、前述した成膜領域は、誘電体の影響によりプラズマの出力が成膜領域R1が弱く、成膜領域R2が強くなる可能性がある。その場合、成膜領域R1では、低密度なプラズマでも適用できる反応プロセスを行い、成膜領域R2では、より高密度なプラズマが必要な反応プロセスを行うようにすると良い。具体的には、成膜領域R1では、原料ガス供給部22からHMDSガス、プラズマ形成ガス供給部29からアルゴンガス、水素ガスが供給されることにより、Si化合物が生成される反応プロセスが行われ、成膜領域R2では、原料ガス供給部22からHDMSガス、プラズマ形成ガス供給部29から酸素ガスが供給されることにより、SiO2が生成される反応プロセスが行われる。これにより、成膜領域R1では、フレキシブル性を付与することを目的とする低密度な薄膜が形成でき、成膜領域R2では、バリア性を目的とする緻密な薄膜が形成できるので、フレキシブル性とバリア性とを兼ね揃えた薄膜を基材W上に効率的に形成することができる。
また、このように成膜領域R1と成膜領域R2とでプラズマの出力が異なる場合、成膜領域R1と成膜領域R2に同じ種類の原料ガスとプラズマ形成ガスを同じ流量で供給する場合であっても、成膜領域R1と成膜領域R2の環境が異なるので、成膜領域R1と成膜領域R2とで性質が異なった薄膜を形成することができる。
〔第三実施形態〕
次に、図4を参照して本発明の第三実施形態に係る薄膜形成装置1について説明する。
第一実施形態もしくは第二実施形態と同様の構成については同一な符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態では、誘電体プレート25の数および配置が異なっている以外は、第二実施形態と同じ構成を有している。
成膜チャンバ2内は、内部に1組の誘電体プレート25と誘電体プレート26が設けられている。この1組の誘電体プレート25と誘電体プレート26は、電極21を挟むようにして配置され、成膜チャンバ2内の空間をそれぞれ少なくとも1つの開口部23を含む第1の成膜領域R1と第2の成膜領域R2とに仕切る。これにより、それぞれの開口部23に面する基材Wのそれぞれに異なる膜種の薄膜を同時に形成することが可能となり、かつ、電極21に膜が付着しなくなるので、清掃等のメンテナンス作業の時間を短縮することが可能となっている。
また、1組の誘電体プレート25において電極21と誘電体プレート25との間、誘電体プレート25と基材Wとの間の距離や、誘電体プレート25の材質(石英、Al2O3、AINなど)や厚みは必ずしも共通である必要はなく、適宜変更されると良い。これにより、成膜領域ごとの反応プロセスに最適な出力のプラズマを形成することが可能となる。
また、誘電体プレート25と誘電体プレート26間の空間の圧力は、成膜領域R1と成膜領域R2と同程度であると良い。これにより、誘電体プレート25と誘電体プレート26とに圧力差による応力がかからなくなるので、誘電体プレート25と誘電体プレート26の厚みが薄い場合でも、誘電体プレート25と誘電体プレート26が割れることなどなく、薄膜を形成することができる。
〔第四実施形態〕
次に図5を参照して本発明の第四実施形態に係る薄膜形成装置1について説明する。
第一実施形態、第二実施形態もしくは第三実施形態と同様の構成については同一な符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態では、基材Wを配置する基材配置部3の構成が異なっている以外は、その他の実施形態と同じ構成を有している。
基材配置部3は、図5で示すようにメインロール34を有している。メインロール34は、その外周面が開口部23に面するように配置されており、開口部23の近傍では、基材Wをメインロール34の外周面に沿わせた状態で搬送しつつ薄膜を形成する。これにより、薄膜形成時に基材Wに適切な張力を与えることができるので、シワの発生を抑制することが可能となる。
また、メインロール34は、温度調整機構(不図示)を有している。温度調整機構は、薄膜形成時に基材Wの温度が上昇している際に基材Wを冷却する。これにより、薄膜形成時に基材Wが熱膨張することを防ぐことができ、シワの発生をさらに抑制することが可能となる。
〔第五実施形態〕
次に、図6を参照して本発明の第四実施形態に係る薄膜形成装置1について説明する。
第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態もしくは第四実施形態と同様の構成については同一な符号を付し、詳細な説明を省略する。本実施形態では、基材Wの配置方法が異なっている以外は、その他の実施形態と同じ構成を有している。
基材配置部4によって配置される基材Wは、短形の平板形状を有する部材であり、基材配置部4は、図6で示すように基材Wの薄膜非形成領域を支持するように保持し、基材Wを成膜チャンバ2の開口部23のそれぞれに面するように配置する搬送ステージ41を2つ有する。これにより、基材Wを開口部23のそれぞれに面するように配置することができるので、2つの基材W上に薄膜を同時に形成することが可能となっている。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。たとえば、電極の形状はU字型に限られず、図7と図8に示すように電極の直線部の数も特に限定しない。また、開口は2つに限られず、必ずしも対向しなくても構わない。また、開口部23と基材Wとの間に基材Wへの成膜領域を制限するマスクが設けられても構わない。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、請求の範囲によってのみ限定される。
1 薄膜形成装置
2 成膜チャンバ
3 基材配置部
4 基材配置部
21 電極
21a 直線部
21b 直線部
21c 連結部
22 原料ガス供給部
23 開口部
24 排気部
25 誘電体プレート
26 誘電体プレート
27 カバー部
28 高周波電源
29 プラズマ形成ガス供給部
31 巻出ロール
32 巻取ロール
33 搬送ロール
34 メインロール
41 搬送ステージ
W 基材
R1 第1の成膜領域
R2 第2の成膜領域
P 高密度プラズマ領域

Claims (7)

  1. 内部に減圧環境を形成する成膜チャンバと、
    前記成膜チャンバ内にプラズマを発生させる電極と、
    基材の近傍に原料ガスを供給する原料ガス供給部と、
    プラズマを形成させるプラズマ形成ガスを供給するプラズマ形成ガス供給部とを有し、
    前記成膜チャンバの壁部には、複数の開口部を有しており、
    前記成膜チャンバの外部には、基材を複数の前記開口部のそれぞれに面するように配置する基材配置部を備えることを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 前記電極は、第1の直線部と、第2の直線部と、前記第1の直線部と前記第2の直線部とを連結する連結部から成り、
    複数の前記開口部のうち少なくとも1組の前記開口部は、前記電極を挟んで対向するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。
  3. 前記成膜チャンバは、誘電体プレートを有しており、
    前記誘電体プレートは、少なくとも1つの前記開口部を含む第1の成膜領域と少なくと
    も1つの前記開口部を含む第2の成膜領域に前記成膜チャンバ内の空間を仕切るように配置されており、
    前記原料ガス供給部および前記プラズマ形成ガス供給部は、前記第1の成膜領域と前記第2の成膜領域の両方に設けられていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2のいずれかに記載の薄膜形成装置。
  4. 1組の前記誘電体プレートが、前記電極を挟むように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の薄膜形成装置。
  5. 前記原料ガス供給部が複数設けられ、
    前記原料ガス供給部の原料ガスが噴射される噴出孔が基材の近傍に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の薄膜形成装置。
  6. 前記基材配置部は、ロールトゥロールにより前記基材を前記開口部のそれぞれに順に面するように搬送することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の薄膜形成装置。
  7. 前記基材配置部は、メインロールを有しており、
    前記メインロールは、その外周面が前記開口部のそれぞれに面するように配置されており、
    前記開口部の近傍では、前記基材を前記メインロールの外周面に沿わせた状態で搬送しつつ薄膜を形成させることを特徴とする請求項6に基材の薄膜形成装置。
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