JP2021031627A - 1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン化合物の重合体 - Google Patents

1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン化合物の重合体 Download PDF

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学 山崎
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仁嗣 花村
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伸哉 今富
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聖也 平床
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裕美子 小林
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Abstract

【課題】細胞培養用材料、または温度応答性ポリマー材料への応用が期待される1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン化合物の重合体の提供。【解決手段】式(1)(式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基またはオキシアルキル基。R2は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。R3は水素原子またはメチル基を表す。)で示される繰り返し単位を有する重合体。【選択図】なし

Description

本発明は、細胞培養用材料、温度応答性ポリマー材料などへの応用が期待される1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン化合物の重合体に関する。
近年、再生医療技術の開発が進み、骨芽細胞、脂肪細胞、筋細胞、軟骨細胞などへの分化能を有する間葉系幹細胞や、ヒトを構成するあらゆる組織や臓器に分化誘導することが可能とされる人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを安全に大量に効率よく培養する技術が求められている。このような細胞培養用材料として容器の表面にN−イソプロピルアクリルアミド(NIPAAM)の重合体を固定化した培養床が開発されている。NIPAAMのホモポリマーの場合、下限臨界溶液温度(LCST)は体温近傍の32℃であり、例えば細胞培養に最適な温度(36℃程度)ではNIPAAMの重合体を固定化した培養床表面は疎水的となるため細胞の接着と増殖が起こり、培養床をLCSTより低い温度に制御すると培養床表面が親水的となって培養床に接着した細胞が剥がれやすくなり、細胞へのダメージが少ない細胞回収が可能とされている(非特許文献1)。しかしNIPAAMの重合体を固定化した培養床は、細胞の培養や回収効率の点で改善の余地が有り、NIPAAMの重合体に代わる温度応答性ポリマー材料が求められている。
一方、特許文献1において1−アクリロイル−3−アルキルイミダゾリジン−2−オンをイソオキサゾリン化合物の合成原料として用いる旨の記載があるが、該1−アクリロイル−3−アルキルイミダゾリジン−2−オンから重合体を合成するという記述はない。更に特許文献2〜5において1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オンを用いた熱硬化性樹脂や水性硬化性樹脂組成物についての記載がある。しかし、本発明に係る1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン化合物の重合体の合成、更にこれらを用いた細胞培養用材料や温度応答性材料についての記述は一切無い。
特開2005−8593号公報 特公1990−16333号公報 特開1993−295280号公報 特開1995−102209号公報 特許第3419043号
高分子論文集,75巻(2号),174〜186頁(2018年).
細胞培養用材料、又は温度応答性ポリマー材料への応用が期待される1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン化合物の重合体を提供する。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、3位及び4位に特定の置換基を有する1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン化合物を単独又は複数種類用いることによって(共)重合体の親水性/疎水性を制御でき、更には(共)重合体において置換基の組み合わせ、及び/又は組成を制御することによりLCSTを制御できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記一般式(1)
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は下記一般式(2)
(式中、pは2〜4の整数を表し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、2−メトキシエチル基又はアセチル基を表す。)で示されるオキシアルキル基を表す。Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは水素原子又はメチル基を表す。)で示される繰り返し単位を有する重合体(以下、イミダゾリジノンポリマー(1)と呼ぶ)に関するものである。
以下に本発明を更に詳細に説明する。一般式(1)中のRの炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基をあげることができる。Rの炭素数1〜4のアルキル基も同様である。一般式(2)中のRの炭素数1〜4のアルキル基も同様である。
イミダゾリジノンポリマー(1)は、対応する一般式(3)
(式中、R、R及びRは前記と同じ意味を表す。)で示される1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン化合物(以下、イミダゾリジノンモノマー(3)と呼ぶ。)を用いて重合することによって製造できる。一般式(1)で示される繰り返し単位の化学構造は、重合の際用いるイミダゾリジノンモノマー(3)の化学構造によって自ずと決まる。イミダゾリジノンモノマー(3)においてR、R、R及びRの置換基の組み合わせに特に制限はないが、本発明のイミダゾリジノンポリマーの温度応答性や細胞の接着性/剥離性の制御の点で、1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−メチルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−プロピルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−シクロプロピルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−ベンジルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−(2−メトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−(3−メトキシプロピル)イミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−(4−メトキシブチル)イミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−(2−エトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−(2−プロピルオキシエチル)イミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−4−エチルイミダゾリジン−2−オン、及び1−アクリロイル−4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オンが好ましく、中でも1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−ベンジルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−(3−メトキシプロピル)イミダゾリジン−2−オン及び1−アクリロイル−4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オンが特に好ましい。
イミダゾリジノンポリマー(1)は一般式(1)で示される繰り返し単位を含有していればよく、単独又は二種類以上のイミダゾリジンモノマー(3)を重合することによって得られる。更に、単独または二種類以上のイミダゾリジンモノマー(3)の他に、疎水性、親水性、溶解性、成膜性、耐熱性、膜の耐久性、基材との密着性、細胞の接着性などの微調整のためにアクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N’−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、ビニルアセテート、スチレン、クロロメチルスチレン、2−ビニルピリジン、アクリロニトリルなどの少量のビニル系モノマーを共存させて重合して得られる共重合体であっても良い。イミダゾリジンモノマー(3)由来の性質を大きく損ねないため、ビニル系モノマーの添加量はイミダゾリジンモノマー(3)に対し、20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることが更に好ましい。
イミダゾリジノンモノマー(3)は、次式に示すように対応するイミダゾリジノン誘導体(4)にアクリル酸クロリドをbase1存在下、作用させることによって製造できる。
(式中、R1bは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は下記一般式(2b)
(式中、pは前記と同じ意味を表す。R4bは炭素数1〜4のアルキル基、又は2−メトキシエチル基を表す。)で示されるオキシアルキル基を表す。R及びRは前記と同じ意味を表す。)
このとき、base1としては第三級アミンやピリジン誘導体などを用いることが出来、具体的にはトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジプロピルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、キノリンなどを単独又は二種類以上混合して用いることが出来る。これらの中では、収率が良く、安価である点でトリエチルアミンが好ましい。前記反応は溶媒を用いると円滑に進行し、例えばn−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどを単独又は二種類以上混合して用いることが出来る。反応は通常、100℃以下の温度で実施され、生成物の分解を抑制する点で50℃以下で行うことが好ましい。
反応終了後、イミダゾリジノンモノマー(3)又は(3b)は、抽出、濾過、カラムクロマトグラフィー、再結晶、再沈殿、蒸留などの通常の精製方法を組み合わせることによって製造できる。
原料となるイミダゾリジノン誘導体(4b)は、対応するジアミン誘導体(5)と尿素を加えて100〜200℃程度に加熱することによって容易に得られる。
(式中、R1b、RおよびRは前記と同じ意味を表す。)
また、イミダゾリジノン誘導体(4c)は、イミダゾリジン−2−オンにアニオン化剤として1当量のbase2を作用させて、N原子上の水素を引き抜いてアニオン化した後、X−R1cで示されるアルキル化剤と反応させることにより製造することができる。
(式中、R1cは炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又は一般式(2b)で示されるオキシアルキル基を表す。Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はトシル基を表す。)
このとき、base2としては水素化ナトリウム、水素化カリウム、フェニルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、n−ブチルリチウムなどを例示できる。上記反応式において溶媒を用いると反応が円滑に進行し、例えばヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミドなどを単独又は二種類以上混合して用いることができる。
イミダゾリジノンモノマー(3)においてRが2−ヒドロキシエチル基又は2−アセトキシエチル基であり、R及びRが共に水素原子である場合の合成法としては、例えば次式に示すような経路で合成することが出来る。すなわち2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールに尿素を加えて100〜200℃程度に加熱して、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリジン−2−オンとした後、無水酢酸で処理することによって1−(2−アセトキシエチル)イミダゾリジン−2−オンが得られる。これにアクリロイルクロリドをbase1存在下、作用させることによって1−アクリロイル−3−(2−アセトキシエチル)イミダゾリジン−2−オンが得られる。これをbase3存在下、加水分解反応を行うことによって1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリジン−2−オンが得られる。
このとき、base3としてはアミンやピリジンの誘導体、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの弱塩基を用いることが出来、アミン誘導体としては具体的にはアンモニア、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジプロピルアミン、エチルジイソプロピルアミンなどをあげることができ、ピリジン誘導体としては具体的にはピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、キノリンなどをあげることができる。base3はこれら弱塩基を単独又は二種類以上混合して用いることが出来る。これらの中では、収率が良く、安価である点でアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムが好ましい。前記反応は溶媒を用いると円滑に進行し、例えばn−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどを単独又は二種類以上混合して用いることが出来る。反応は通常、60℃以下の温度で実施され、生成物の分解を抑制する点で30℃以下で行うことが好ましい。反応終了後、1−アクリロイル−3−(2−アセトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン及び1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリジン−2−オンは、それぞれ抽出、濾過、カラムクロマトグラフィー、再結晶、再沈殿などの通常の精製方法を組み合わせることによって製造できる。
イミダゾリジノンモノマー(3)を重合して、イミダゾリジノンポリマー(1)を製造する際、公知の方法を用いて重合できるが、中でもラジカル重合を用いると簡便に且つ効率よく重合体を得ることができる。より具体的なラジカル重合法として、フリーラジカル重合を利用したバルク重合、溶液重合、乳化重合などの公知の方法をあげることができる。ラジカル重合をより効率よく開始させるために、任意の量のラジカル開始剤を添加できる。反応に好適に用いられるラジカル開始剤として、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機過酸化物を例示でき、重合促進剤と呼ばれるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルパラトルイジンなどのアミン化合物と組み合わせて用いることによって低温で迅速な重合が可能である。更に、ラジカル開始剤としてジラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物、又は2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]n水和物、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、ジメチル2,2’−アゾビス(イソブチレート)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)などのアゾ化合物を例示することができる。また、公知のリビングラジカル重合法を用いることも可能であり、例えばニトロキシド媒介ラジカル重合、原子移動ラジカル重合、可逆的付加−解裂連鎖移動重合、二硫化炭素−ホスフィン錯体を用いた連鎖移動重合などを利用することができる。これらの重合法の詳細については株式会社エヌ・ティー・エス発行、“ラジカル重合ハンドブック”、p.161〜225(2010年)を参照すると良い。
ラジカル重合反応に利用できる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジン−2−オン、エチレングリコール、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、アンモニア、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ピコリン等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。又は、これらの溶媒を二種以上混合して用いることもできる。反応は通常0℃〜150℃の範囲内で円滑に進行する。
先に示したリビングラジカル重合を用いて、イミダゾリジノンポリマー(1)からなるブロックと、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、N−フェニルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、ビニルアセテート、スチレン、クロロメチルスチレン、2−ビニルピリジン、アクリロニトリルなどの疎水性モノマーの重合体からなるブロックで構成されるブロック共重合体を製造できる。それぞれのブロックの重合の順番やブロックの数は特に制限は無い。
ガラス容器又はポリマー容器などの表面に公知方法で導入した原子移動ラジカル重合の開始剤基などを用いてイミダゾリジノンモノマー(3)をリビングラジカル重合することによって、容器表面にイミダゾリジノンポリマー(1)をグラフトすることが出来る。更にポリマー容器などに光、電子線、ガンマ線などの電磁波を照射することによりラジカルを発生させ、これを用いてイミダゾリジノンモノマー(3)をグラフト重合することによって、容器表面にイミダゾリジノンポリマー(1)を固定することが出来る。このような表面開始グラフト重合法の詳細については株式会社エヌ・ティー・エス発行、“ラジカル重合ハンドブック”、p.757〜768(2010年)を参照すると良い。
イミダゾリジノンポリマー(1)の分子量に特に制限はなく、分子量としては重量平均分子量、数平均分子量、粘度平均分子量など測定方法に応じて用いることができる。重量平均分子量(Mw)に関しては1,000〜1,000,000であることが好ましく、重合体の性質の制御および加工性などの観点から5,000〜500,000であることがさらに好ましい。分子量分布(PD)に特に制限はないが、概ね1〜20の範囲であることが好ましく、重合体の均一性の観点から1〜5の範囲であることがさらに好ましい。分子量の算出方法として、ポリスチレンやポリエチレングリコールなどの標準試料を基準に換算するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)法、粘度法、光散乱法など公知の方法をあげることができる。基材表面にグラフト重合した場合は重合体の分子量を直接求めることが困難であるが、例えば基材表面の反応点の密度と重合転化率からグラフト鎖の数平均分子量(Mn)を見積もることができる。
イミダゾリジノンポリマー(1)を用いて、ガラス製、樹脂製など様々な材質から成るシャーレ、袋、スポンジ状の多孔質基材、粒状多孔質基材、不織布や織布など繊維基材などの種々の形状の容器の表面を被覆することによって、これらの容器材質の細胞への影響を低減し、細胞の培養、培養細胞の保存、培養細胞の回収や移送などの取扱いの便宜性が向上する。イミダゾリジノンポリマー(1)は担体となる基材に対し、物理吸着で被覆しても良いし、化学結合で被覆しても良い。物理吸着で被覆する場合は、イミダゾリジノンポリマー(1)を溶解した溶液を用いて、例えばディップ法、スプレイ法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット印刷法などの公知の方法で被覆できる。
前記培養細胞の種類に特に制限はないが、基材表面に接着する細胞であることが好ましく、一例として間葉系幹細胞や線維芽細胞を挙げることができる。培養に使用する培地は特に制限なく用いることができる。一例として間葉系幹細胞を用いる場合は、10%のウシ胎児血清を含むダルベッコ・フォークト変法イーグル最小必須培地(10vol%FBS/DMEM)を用いることができる。培地には血清と基礎培地の他に、抗生物質、フィブロネクチンやラミニンなどの細胞外マトリックスを含んでいても良い。イミダゾリジノンポリマー(1)を被覆した培養基材上での細胞培養は、イミダゾリジノンポリマー(1)のLCST以上の温度で培養できる。一般的な細胞は高温に弱いため、好ましくは45℃以下であり、さらに好ましくは37℃〜40℃である。イミダゾリジノンポリマー(1)を被覆した培養基材上で培養した接着細胞は、イミダゾリジノンポリマー(1)のLCST未満の温度に冷却することで培養基材から剥離され回収できる。冷却方法に特に制限はなく、冷却した培地で交換しても良く、冷所で冷却しても良い。
単独又は二種類以上のイミダゾリジノンモノマー(3)、更には少量の前記ビニル系モノマーの構造や組成を制御して重合することにより、得られるイミダゾリジノンポリマー(1)のLCSTを容易に制御できる。例えば、先に例示したイミダゾリジノンモノマー(3)において、1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−プロピルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−シクロプロピルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−(3−メトキシプロピル)イミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−(4−メトキシブチル)イミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−(2−エトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−(2−プロピルオキシエチル)イミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−4−エチルイミダゾリジン−2−オン、及び1−アクリロイル−4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オンなど(温度応答性イミダゾリジノンモノマーと呼ぶ)のホモポリマーはいずれもLCSTを示すが、二種類の温度応答性イミダゾリジノンモノマーをランダム共重合することによって、それぞれのホモポリマーのLCSTの間で組成に応じたLCSTの制御が可能となる。更に、1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−メチルイミダゾリジン−2−オン、1−アクリロイル−3−(2−メトキシエチル)イミダゾリジン−2−オンなど(水溶性イミダゾリジノンモノマーと呼ぶ)のホモポリマーはLCSTを示さない水溶性ポリマーであるが、温度応答性イミダゾリジノンモノマーと水溶性イミダゾリジノンモノマーとをランダム共重合することによってLCSTを高くすることが出来る。逆に、1−アクリロイル−3−ベンジルイミダゾリジン−2−オンなど(疎水性イミダゾリジノンモノマーと呼ぶ)や、ビニル系モノマーを、温度応答性イミダゾリジノンモノマーとランダム共重合することによって、LCSTを低くすることが出来る。一方、水溶性イミダゾリジノンモノマーと疎水性イミダゾリジノンモノマーとのランダム共重合によってもLCSTを示すイミダゾリジノンポリマー(1)を得ることが出来る。
本発明のイミダゾリジノンポリマーを用いることにより、親水性、疎水性、温度応答性などの特性を容易に制御できることから、生体適合性材料、細胞培養用材料さらに温度応答性ポリマーとしての応用が期待される。
以下、参考例、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
生成物の化学構造および共重合組成比はBruker−Biospin社製AVANCEIII−400を用いたH−NMR測定の結果から決定した。
得られたポリマーの分子量はSECの結果から求めた。SECシステムはGLサイエンス社製GL−7400(検出器:GL−7456、カラム(4本): TSKgel SuperH5000、H4000×2、H2000、カラム温度:40℃、展開溶媒:0.01MのLiClのDMF溶液、標準ポリスチレン換算)を用いた。
ポリマーの1.0重量%水溶液(分散液)を、恒温槽内に設置した光学セルに充填し、温度を変えたときの650nmの光の透過光強度を照度計を用いて計測した。透過光強度の温度変化が最大となる温度を下限臨界溶液温度(LCST)とした。
参考例−1
1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オンの合成
アルゴン雰囲気下、氷浴で冷却したイミダゾリジン−2−オン2.23g(25.9mmol)及びトリエチルアミン7.0mL(50mmol)のクロロホルム(60mL)溶液に、塩化アクリロイル2.2mL(27mmol)のクロロホルム(20mL)溶液を滴下し、温度を室温に戻しながら4時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣にTHFを加え、沈殿を除去した。ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製することによって、無色固体の1−アクリロイルメチルイミダゾリジン−2−オン1.18g(収率:32.6%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:3.51〜3.55(2H,m),4.01〜4.05(2H,m),5.11(1H,brs),5.80(1H,dd,J=2.0,10.4Hz),6.49(1H,dd,J=2.0,17.1Hz),7.59(1H,dd,J=10.4,17.1Hz).
参考例−2
1−アクリロイル−3−メチルイミダゾリジン−2−オンの合成
N−メチルエチレンジアミン13.0mL(149mmol)、尿素9.01g(150mmol)およびエチレングリコール10mLを加えて、130℃で8時間撹拌した。減圧下でエチレングリコールを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム/メタノール=10/1)で精製することにより、無色固体の1−メチルイミダゾリジン−2−オン10.6g(収率:71.1%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:2.79(3H,s),3.41(2H,t,J=2.6Hz),3.42(2H,J=2.6Hz),5.10(1H,brs).
アルゴン雰囲気下、氷浴で冷却した1−メチルイミダゾリジン−2−オン1.84g(18.4mmol)及びトリエチルアミン5.1mL(37mmol)のクロロホルム(62mL)溶液に、塩化アクリロイル1.5mL(18mmol)のクロロホルム(12mL)溶液を滴下し、温度を室温に戻しながら12時間撹拌した。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することによって、無色固体の1−アクリロイル−3−メチルイミダゾリジン−2−オン1.54g(収率:54.3%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:2.90(3H,s),3.45(2H,t,J=8.0Hz),3.91(2H,t,J=8.0Hz),5.78(1H,dd,J=2.0,10.5Hz),6.48(1H,dd,J=2.0,17.1Hz)7.64(1H,dd,J=10.5,17.1Hz).
参考例−3
1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オンの合成
N−エチルエチレンジアミン26.0mL(248mmol)、尿素14.4g(240mmol)およびエチレングリコール18mLを加えて、130℃で6時間撹拌した。減圧下でエチレングリコールを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム/メタノール=10/1)で精製することにより、無色固体の1−エチルイミダゾリジン−2−オン13.2g(収率:48%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:1.12(3H,t,J=3.3Hz),3.24(2H,q,J=3.3Hz),3.42(4H,s),5.38(1H,brs).
アルゴン雰囲気下、1−エチルイミダゾリジン−2−オン9.14g(80.1mmol)及びトリエチルアミン16.7mL(120mmol)のクロロホルム(180mL)溶液に、塩化アクリロイル7.2mL(88mmol)のクロロホルム(60mL)溶液を滴下し、4時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣にTHFを加え、沈殿を除去した。ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより、淡黄色液体の1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オン10.8g(収率:79.9%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:1.18(3H,t),3.36(2H,q,J=6.6Hz),3.45(2H,t,J=8Hz),3.91(2H,t,J=8Hz),5.78(1H,dd,J=2.0,10.5Hz),6.47(1H,dd,J=2.0,17.1Hz),7.64(1H,dd,J=10.5,17.1Hz).
参考例−4
1−アクリロイル−3−プロピルイミダゾリジン−2−オンの合成
N−プロピルエチレンジアミン5.9mL(48mmol)、尿素2.9g(48mmol)およびエチレングリコール3mLを加えて、130℃で6時間撹拌した。減圧下でエチレングリコールを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム/メタノール=10/1)で精製することにより、無色固体の1−プロピルイミダゾリジン−2−オン4.9g(収率:80%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:0.88(3H,t,J=7.4Hz),1.45〜1.54(2H,m),3.09(2H,t,J=7.4Hz),3.38(4H,s),5.27(1H,brs).
アルゴン雰囲気下、氷浴で冷却した1−プロピルイミダゾリジン−2−オン2.36g(18.4mmol)及びトリエチルアミン5.1mL(37mmol)のクロロホルム(62mL)溶液に、塩化アクリロイル1.5mL(18mmol)のクロロホルム(12mL)溶液を滴下し、温度を室温に戻しながら12時間撹拌した。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製することによって、淡黄色液体の1−プロピル−3−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン2.30g(収率:68.4%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:0.94(3H,t,J=8.0Hz),1.55〜1.64(2H,m),3.26(2H,t,J=8.0Hz),3.45(2H,t,J=8.0Hz),3.91(2H,t,J=8.0Hz),5.78(1H,dd,J=2.0,10.5Hz),6.48(1H,dd,J=12.0,17.1Hz),7.64(1H,dd,J=10.5,17.1Hz).
参考例−5
1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オンの合成
N−イソプロピルエチレンジアミン10mL(81mmol)、尿素4.9g(81mmol)およびエチレングリコール5.4mLを加えて、130℃で1時間、さらに180℃で4時間撹拌した。減圧下でエチレングリコールを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム/メタノール=10/1)で精製することにより、無色固体の1−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン7.7g(収率:73%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:1.13(6H,d,J=6.8Hz),3.39(4H,m),4.14(1H,sep,J=6.8Hz),5.27(1H,brs).
アルゴン雰囲気下、氷浴で冷却した1−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン10.5g(82.1mmol)及びトリエチルアミン17.0mL(122mmol)のクロロホルム(170mL)溶液に、塩化アクリロイル7.7mL(94mmol)のクロロホルム(60mL)溶液を滴下し、4時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、残渣にTHFを加え、沈殿を除去した。ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより、無色固体の1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン12.0g(収率:80.0%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:1.19(6H,d,J=6.8Hz),3.38〜3.42(2H,m),3.88〜3.92(2H,m),4.24(1H,sep,J=6.8Hz),5.77(1H,dd,J=2.0,10.5Hz),6.47(1H,dd,J=2.0,17.1Hz),7.64(1H,dd,J=10.5,17.1Hz).
参考例−6
1−アクリロイル−3−シクロプロピルイミダゾリジン−2−オンの合成
アルゴン雰囲気下、シクロプロピルアミン7.00mL(100mmol)のTHF200mL溶液にイソシアン酸2−クロロエチル8.60mL(100mmol)を滴下し、室温で6時間撹拌した。反応後、減圧下で溶媒を留去し、残渣にアセトニトリルを加え、生成した沈殿をろ過により回収することにより、無色固体の1−(2−クロロエチル)−3−シクロプロピル尿素10.9g(収率:67.2%)を得た。
H−NMR(400MHz,DMSO−d,ppm),δ:0.30〜0.34(2H,m),0.54〜0.58(2H,m),2.38(1H,m),3.28〜3.33(2H,m),3.55〜3.58(2H,m),6.13(1H,brs),6.30(1H,brs).
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(55%)3.55g(1.95g,81.2mmol)をヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥後、これを上記で合成した1−(2−クロロエチル)−3−シクロプロピル尿素10.9g(67.2mmol)のTHF200mL溶液に0℃で滴下し、室温で24時間撹拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、沈殿をろ過後、ろ液を硫酸マグネシウムで脱水し、減圧濃縮することにより、無色固体の1−シクロプロピルイミダゾリジン−2−オン8.14g(64.5mmol)(収率:96.0%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:0.67〜0.74(4H,m),2.40(1H,m),3.33〜3.43(4H,m),5.32(1H,brs).
アルゴン雰囲気下、上記で合成した1−シクロプロピルイミダゾリジン−2−オン8.14g(64.5mmol)とトリエチルアミン15.5mL(96.7mmol)のクロロホルム溶液145mLに、塩化アクリロイル5.80mL(71.1mmol)のクロロホルム溶液48mLを氷浴下で滴下し、4時間撹拌した。反応後、減圧下で溶媒を留去し、残渣にテトラヒドロフランを加え、沈殿を除去した。ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:酢酸エチル/ヘキサン=1/1)で精製することにより、無色固体の1−アクリロイル−3−シクロプロピルイミダゾリジン−2−オン7.35g(40.8mmol)(収率:63.3%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:0.74〜0.82(4H,m),2.58(1H,m),3.39〜3.43(2H,m),3.84〜3.88(2H,m),5.78(1H,dd,J=2.0,10.4Hz),6.47(1H,dd,J=2.0,17.1Hz),7.62(1H,dd,J=10.4,17.1Hz).
参考例−7
1−アクリロリル−3−(2−メトキシエチル)イミダゾリジン−2−オンの合成
エチレンジアミン37mL(0.55mol)に2−クロロエチルメチルエーテル10mL(0.11mol)を室温で滴下し、還流下で13時間撹拌した。反応溶液に飽和食塩水とジエチルエーテルを加えて有機層を抽出した。濃縮後、減圧下蒸留精製することによって無色液体のN−(2−メトキシエチル)エチレンジアミン8.79g(収率:67.6%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:1.36(3H,bs),2.69(2H,t,J=6.0Hz),2.78〜2.81(4H,m),3.37(3H,s),3.50(2H,t,J=6.0Hz).
N−(2−メトキシエチル)エチレンジアミン8.79g(74.4mmol)、尿素4.45g(74.4mmol)およびエチレングリコール5.0mLを加え、130℃で1時間、180℃で4時間撹拌した。減圧下でエチレングリコールを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム/メタノール=1/1)で精製することにより、無色固体の1−(2−メトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン10.4g(収率:96.5%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:3.36〜3.43(7H,m),3.51〜3.57(4H,m),4.90(1H,bs).
アルゴン雰囲気下、氷浴で冷却した1−(2−メトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン4.95g(34.3mmol)及びトリエチルアミン9.5mL(69mmol)のクロロホルム(115mL)溶液に、塩化アクリロイル2.8mL(34mmol)のクロロホルム(23mL)溶液を滴下し、室温に戻しながら14時間撹拌した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に投入し、クロロホルムで抽出して濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、更にヘキサン溶液から再結晶精製することにより無色固体の1−アクリロイル−3−(2−メトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン4.27g(収率:62.8%)を得た。H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:3.36(3H,s),3.46〜3.49(2H,m),3.55〜3.56(4H,m),3.90(2H,t,J=8.2Hz),5.79(1H,dd,J=2.0,10.4Hz),6.48(1H,dd,J=2.0,17.1Hz),7.64(1H,dd,J=10.4,17.1Hz).
参考例−8
1−アクリロイル−3−(3−メトキシプロピル)イミダゾリジン−2−オンの合成
エチレンジアミン60mL(0.90mol)に1−ブロモ−3−メトキシプロパン13mL(0.11mol)を室温で滴下し、2時間撹拌した。反応溶液に飽和食塩水とジエチルエーテルを加えて有機層を抽出した。濃縮後、減圧下蒸留精製することによって無色液体のN−(3−メトキシプロピル)エチレンジアミン10.9g(収率:73.9%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:1.12(3H,bs),1.78(2H,quin,J=6.4Hz),2.65〜2.72(4H,m),2.80(2H,t,J=6.0Hz),3.33(3H,s),3.45(2H,t,J=6.4Hz).
N−(3−メトキシプロピル)エチレンジアミン10.9g(81.8mmol)、尿素4.91g(81.8mmol)およびエチレングリコール5.6mLを加え、130℃で1時間、180℃で4時間撹拌した。減圧下でエチレングリコールを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム/メタノール=10/1)で精製することにより、無色固体の1−(3−メトキシプロピル)イミダゾリジン−2−オン9.97g(収率:77.3%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:1.77〜1.83(2H,m),3.26(2H,t,J=7.2Hz),3.33(3H,s),3.41〜3.45(6H,m),4.71(1H,bs).
アルゴン雰囲気下、氷浴で冷却した1−(3−メトキシプロピル)イミダゾリジン−2−オン6.33g(40.0mmol)及びトリエチルアミン11mL(80mmol)のテトラヒドロフラン(130mL)溶液に、塩化アクリロイル3.3mL(40mmol)のテトラヒドロフラン(25mL)溶液を滴下し、室温に戻しながら13時間撹拌した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に投入し、クロロホルムで抽出して濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、更にヘキサン溶液から再結晶精製することにより無色固体の1−アクリロイル−3−(3−メトキシプロピル)イミダゾリジン−2−オン5.92g(収率:69.8%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:1.83(2H,quin,J=6.8Hz),3.33(3H,s),3.37〜3.49(6H,m),3.89〜3.92(2H,m),5.79(1H,dd,J=2.0,10.4Hz),6.48(1H,dd,J=2.0,17.1Hz),7.64(1H,dd,J=10.4,17.1Hz).
参考例−9
1−アクリロイル−3−(4−メトキシブチル)イミダゾリジン−2−オンの合成
エチレンジアミン60mL(0.90mol)に1−ブロモ−4−メトキシブタン14mL(0.11mol)を室温で滴下し、2時間撹拌した。反応溶液に飽和食塩水とジエチルエーテルを加えて有機層を抽出した。濃縮後、減圧下蒸留精製することによって無色液体のN−(4−メトキシブチル)エチレンジアミン13.3g(収率:82.8%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:1.14(3H,bs),1.51〜1.66(4H,m),2.62〜2.68(4H,m),2.78〜2.81(2H,m),3.33(3H,s),3.39(2H,t,J=6.4Hz).
N−(4−メトキシブチル)エチレンジアミン13.3g(91.0mmol)、尿素5.46g(91.0mmol)およびエチレングリコール6.0mLを加え、130℃で1時間、180℃で2時間撹拌した。減圧下でエチレングリコールを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム/メタノール=10/1)で精製することにより、無色固体の1−(4−メトキシブチル)イミダゾリジン−2−オン12.4g(収率:78.9%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:1.57〜1.61(4H,m),3.18〜3.21(2H,m),3.33(3H,s),3.39〜3.43(6H,m),4.83(1H,bs).
アルゴン雰囲気下、氷浴で冷却した1−(4−メトキシブチル)イミダゾリジン−2−オン8.61g(50.0mmol)及びトリエチルアミン14mL(0.10mol)のテトラヒドロフラン(130mL)溶液に、塩化アクリロイル4.1mL(50mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を滴下し、室温に戻しながら17時間撹拌した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に投入し、クロロホルムで抽出して濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより無色液体の1−アクリロイル−3−(4−メトキシブチル)イミダゾリジン−2−オン5.44g(収率:48.1%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:1.60〜1.65(4H,m),3.30〜3.33(5H,m),3.40〜3.47(4H,m),3.90(2H,t,J=8.0Hz),5.78(1H,dd,J=2.0,10.4Hz),6.49(1H,dd,J=2.0,17.1Hz),7.64(1H,dd,J=10.4,17.1Hz).
参考例−10
1−アクリロイル−3−(2−エトキシエチル)イミダゾリジン−2−オンの合成
エチレンジアミン24mL(0.36mol)に2−ブロモエチルエチルエーテル5.0mL(0.45mol)を室温で滴下し、2時間撹拌した。反応溶液に飽和食塩水とジエチルエーテルを加えて有機層を抽出した。濃縮後、減圧下蒸留精製することによって無色液体のN−(2−エトキシエチル)エチレンジアミン3.87g(収率:64.4%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:1.21(3H,t,J=7.0Hz),1.38(3H,bs),2.68〜2.70(2H,m),2.78〜2.82(4H,m),3.48〜3.55(4H,m).
N−(2−エトキシエチル)エチレンジアミン3.87g(29.3mmol)、尿素1.76g(29.3mmol)およびエチレングリコール2.0mLを加え、130℃で1時間、180℃で6時間撹拌した。減圧下でエチレングリコールを留去し、残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム)で精製することにより、無色固体の1−(2−エトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン2.79g(収率:60.2%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:1.20(3H,t,J=7.0Hz),3.36〜3.43(4H,m),3.50(2H,q,J=7.0Hz),3.55〜3.60(4H,m),4.51(1H,bs).
アルゴン雰囲気下、氷浴で冷却した1−(2−エトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン2.50g(15.8mmol)及びトリエチルアミン4.4mL(32mmol)のテトラヒドロフラン(52mL)溶液に、塩化アクリロイル1.3mL(16mmol)のテトラヒドロフラン(11mL)溶液を滴下し、室温に戻しながら13時間撹拌した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に投入し、クロロホルムで抽出して濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製することにより淡黄色液体の1−アクリロイル−3−(2−エトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン2.98g(収率:89.1%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:1.20(3H,t、J=7.0Hz),3.36〜3.53(4H,m),3.57〜3.61(4H,m),3.88〜3.92(2H,m),5.78(1H,dd,J=2.0,10.4Hz),6.47(1H,dd,J=2.0,17.2Hz),7.63(1H,dd,J=10.4,17.2Hz).
参考例−11
1−アクリロイル−3−(2−プロポキシエチル)イミダゾリジン−2−オンの合成
エチレンジアミン60mL(0.90mol)に2−クロロエチルプロピルエーテル14mL(0.11mol)を室温で滴下し、6時間撹拌した。反応溶液に飽和食塩水とジエチルエーテルを加えて有機層を抽出した。濃縮後、減圧下蒸留精製することによって無色液体のN−(2−プロポキシエチル)エチレンジアミン8.78g(収率:54.5%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:0.92(3H,t,J=7.4Hz),1.42(3H,bs),1.60(2H,sext,J=7.4Hz),2.68〜2.71(2H,m),2.79〜2.82(4H,m),3.40(2H,t,J=6.8Hz),3.52〜3.55(2H,m).
N−(2−プロポキシエチル)エチレンジアミン8.78g(60.0mmol)、尿素3.61g(60.0mmol)およびエチレングリコール4.0mLを加え、130℃で1時間、180℃で2.5時間撹拌した。減圧下でエチレングリコールを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:クロロホルム/メタノール=10/1)で精製することにより、無色固体の1−(2−プロポキシエチル)イミダゾリジン−2−オン8.97g(収率:87.0%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:0.92(3H,t,J=7.4Hz),1.54〜1.63(2H,m),3.36〜3.42(6H,m),3.54〜3.59(4H,m),4.78(1H,bs).
アルゴン雰囲気下、氷浴で冷却した1−(2−プロポキシエチル)イミダゾリジン−2−オン8.97g(52.1mmol)及びトリエチルアミン15mL(0.10mol)のテトラヒドロフラン(170mL)溶液に、塩化アクリロイル4.2mL(52mmol)のテトラヒドロフラン(34mL)溶液を滴下し、室温に戻しながら13時間撹拌した。反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に投入し、クロロホルムで抽出して濃縮した。残渣をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=6/1)で精製することにより無色液体の1−アクリロイル−3−(2−プロポキシエチル)イミダゾリジン−2−オン4.52g(収率:38.3%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:0.91(3H,t、J=7.4Hz),1.54〜1.64(2H,m),3.40(2H,t,J=6.6Hz),3.46〜3.48(2H,m),3.57〜3.61(4H,m),3.88〜3.92(2H,m),5.78(1H,dd,J=2.0,10.4Hz),6.47(1H,dd,J=2.0,17.2Hz),7.63(1H,dd,J=10.4,17.2Hz).
参考例−12
1−アクリロイル−4−エチルイミダゾリジン−2−オンの合成
アルゴン下、(S)−アミノブチルアミド塩酸塩12.5g(90.1mmol)のメタノール70mL溶液に27wt%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液18.0g(90.0mmol)を加え、室温で1時間撹拌した後、その溶液を減圧濃縮し乾燥した。再度、残渣にTHF100mL加えたものを、水素化リチウムアルミニウム10.3g(270mmol)のTHF150mLにゆっくりと加え、0℃で1時間撹拌した後、室温で1時間、70℃で16時間加熱撹拌した。反応溶液を0℃に冷やし、水20mLを加え、セライトろ過を行った。ろ液を減圧濃縮した後、減圧蒸留により無色液体の1,2−ブタンジアミン4.62g(52.4mmol)(収率:58.2%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm):δ 0.94(3H,t,J=7.4Hz),1.21〜1.32(1H,m),1.32(4H,brs),1.41〜1.51(1H,m),2.46(1H,dd,J=7.7,12.4Hz),2.56〜2.62(1H,m),2.75(1H,dd,J=4.0,12.4Hz).
アルゴン下、1,2−ブタンジアミン4.62g(52.4mmol)と尿素3.16g(52.6mmol)をエチレングリコール7mLに溶解し、130℃で1時間撹拌した後、150℃で1時間、180℃で3時間加熱撹拌した。減圧下でエチレングリコールを留去した後、冷却し生成した沈殿をろ過し、少量の冷エタノールで洗浄することにより、無色固体の4−エチルイミダゾリジン−2−オン3.86g(33.8mmol)(収率:64.5%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm):δ 0.94(3H,t,J=7.4Hz),1.53〜1.65(2H,m),3.13〜3.17(1H,m),3.58〜3.62(1H,m),3.70〜3.77(1H,m),4.54(1H,brs),4.76(1H,brs).
アルゴン下、4−エチルイミダゾリジン−2−オン2.29g(20.0mmol)とトリエチルアミン5.60mL(40.2mmol)のクロロホルム溶液20mLに、塩化アクリロイル2.50mL(30.7mmol)のクロロホルム溶液20mLを氷浴下でゆっくりと滴下し、4時間撹拌した。反応後、減圧下で溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1)で精製することにより、無色固体の1−アクリロイル−4−エチルイミダゾリジン−2−オン1.57g(9.36mmol)(収率:46.7%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm):δ 0.97(3H,t,J=7.4Hz),1.58〜1.65(2H,m),3.60〜3.70(2H,m),4.08(1H,dd,J=8.3,11.1Hz),5.08(1H,brs),5.79(1H,dd,J=2.0,10.5Hz),6.49(1H,dd,J=2.0,17.1Hz),7.58(1H,dd,J=10.5,17.1Hz).
参考例−13
1−アクリロイル−4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オンの合成
アルゴン下、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン8.82g(100mmol)と尿素6.06g(100mmol)をエチレングリコール6mLに溶解し、130℃で1時間撹拌した後、150℃で1時間、180℃で3時間加熱撹拌した。減圧下でエチレングリコールを留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)で精製することによりにより、無色固体の4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン9.53g(83.5mmol)(収率:83.4%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm):δ 1.32(6H,s),3.25(2H,s),4.90(1H,brs),4.96(1H,brs).
アルゴン下、4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン5.74g(50.1mmol)とトリエチルアミン14.0mL(100mmol)のクロロホルム溶液50mLに、塩化アクリロイル6.00mL(73.6mmol)のクロロホルム溶液50mLを氷浴下でゆっくりと滴下し、4時間撹拌した。反応後、減圧下で溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/1)で精製することにより、無色固体の1−アクリロイル−4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン1.57g(9.36mmol)(収率:46.7%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm):δ 1.37(6H,s),3.73(2H,s),5.11(1H,brs),5.80(1H,dd,J=2.0,10.4Hz),6.49(1H,dd,J=2.0,17.1Hz),7.59(1H,dd,J=10.4,17.1Hz).
参考例−14
1−アクリロイル−3−ベンジルイミダゾリジン−2−オンの合成
アルゴン雰囲気下、N−ベンジルエチレンジアミン19.0g(132mmol)と尿素7.93g(132mmol)をエチレングリコール9mLに溶解し、130℃で2時間撹拌した後、150℃で5時間撹拌した。減圧下でエチレングリコールを留去した後、残渣に少量のクロロホルムを加え、ろ過することにより無色固体の1−ベンジルイミダゾリジン−2−オン13.4g(82.1mmol)(収率:57.6%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:3.29〜3.33(2H,m),3.38〜3.43(2H,m),4.37(2H,s),4.66(1H,brs),7.26〜7.36(5H,m).
アルゴン雰囲気下、上記で合成した1−ベンジルイミダゾリジン−2−オン9.83g(55.8mmol)とトリエチルアミン17mL(86.0mmol)のクロロホルム(125mL)溶液に、塩化アクリロイル5.00mL(61.3mmol)のクロロホルム(50mL)溶液を氷浴下で滴下し、4時間撹拌した。反応後、減圧下で溶媒を留去し、残渣にテトラヒドロフランを加え、沈殿を除去した。ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:酢酸エチル/ヘキサン=1/2)で精製することにより、黄色粘性液体の1−アクリロイル−3−ベンジルイミダゾリジン−2−オン11.5g(50.0mmol)(収率:89.6%)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl,ppm),δ:3.31〜3.35(2H,m),3.86〜3.90(2H,m),4.46(2H,s),5.81(1H,dd,J=2.0,10.5Hz),6.49(1H,dd,J=2.0,17.1Hz),7.27〜7.39(5H,m),7.68(1H,dd,J=10.5,17.1Hz).
実施例−1
ポリ(1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オン)の合成
参考例−3に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オン126mg(0.750mmol)とAIBN1.2mg(7.5μmol)をDMF1.5mLに溶解した。アルゴンガスを15分間バブリングした後密栓して、60℃で18時間撹拌した。反応溶液を過剰量のジエチルエーテルに沈殿精製することにより、無色固体のポリ(1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オン)を67mg(収率:53%)得た。数平均分子量(Mn)は26,300、重量平均分子量(Mw)は76,200であり、LCSTは41.5℃であった。
実施例−2
1−アクリロイル−3−プロピルイミダゾリジン−2−オンのフリーラジカル重合
参考例−4に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−プロピルイミダゾリジン−2−オン137mg(0.750mmol)とAIBN1.2mg(7.5μmol)をDMF1.5mLに溶解した。アルゴンガスを15分間バブリングした後密栓して、60℃で19時間撹拌した。反応溶液を過剰量のジエチルエーテルに沈殿精製することにより、無色固体のポリ(1−アクリロイル−3−プロピルイミダゾリジン−2−オン)を69mg(収率:50%)得た。Mnは32,700、Mwは144,400であり、LCSTは10.5℃であった。
実施例−3
1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オンのフリーラジカル重合
参考例−5に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン137mg(0.750mmol)とAIBN1.2mg(7.5μmol)をDMF1.5mLに溶解した。アルゴンガスを15分間バブリングした後密栓して、60℃で14時間撹拌した。反応溶液を過剰量のジエチルエーテルに沈殿精製することにより、無色固体のポリ(1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン)を73mg(収率:53%)得た。Mnは35,700、Mwは103,600であり、LCSTは18.5℃であった。
実施例−4
1−アクリロイル−3−シクロプロピルイミダゾリジン−2−オンのフリーラジカル重合
参考例−6に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−シクロプロピルイミダゾリジン−2−オン185mg(1.03mmol)とAIBN1.79mg(10.9μmol)をDMF4mLに溶解した。油拡散ポンプで凍結脱気した後、70℃で18時間撹拌した。反応溶液を過剰量のジエチルエーテルに沈殿精製することにより、無色固体のポリ(1−アクリロイル−3−シクロプロピルイミダゾリジン−2−オン)を153mg(収率:82.7%)得た。Mnは15,400、Mwは39,700であり、LCSTは12.3℃であった。
実施例−5
1−アクリロイル−3−(3−メトキシプロピル)イミダゾリジン−2−オンのフリーラジカル重合
参考例−8に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−(3−メトキシプロピル)イミダゾリジン−2−オン318mg(1.50mmol)とAIBN2.5mg(15μmol)をDMF3.0mLに溶解した。アルゴンガスを15分間バブリングした後密栓して、60℃で19時間撹拌した。反応溶液を過剰量のジエチルエーテルに沈殿精製することにより、無色固体のポリ(1−アクリロイル−3−(3−メトキシプロピル)イミダゾリジン−2−オンを173mg(収率:54.4%)得た。Mnは25,300、Mwは60,400であり、LCSTは76.6℃であった。
実施例−6
1−アクリロイル−3−(4−メトキシブチル)イミダゾリジン−2−オンのフリーラジカル重合
参考例−9に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−(4−メトキシブチル)イミダゾリジン−2−オン318mg(1.41mmol)とAIBN2.5mg(15μmol)をDMF3.0mLに溶解した。アルゴンガスを15分間バブリングした後密栓して、60℃で18時間撹拌した。反応溶液を過剰量のジエチルエーテルに沈殿精製することにより、無色固体のポリ(1−アクリロイル−3−(4−メトキシブチル)イミダゾリジン−2−オンを171mg(収率:53.8%)得た。Mnは30,900、Mwは74,800であり、LCSTは45.6℃であった。
実施例−7
1−アクリロイル−3−(2−エトキシエチル)イミダゾリジン−2−オンのフリーラジカル重合
参考例−10に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−(2−エトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン318mg(1.50mmol)とAIBN2.5mg(15μmol)をDMF3.0mLに溶解した。アルゴンガスを15分間バブリングした後密栓して、60℃で16時間撹拌した。反応溶液を過剰量のジエチルエーテルに沈殿精製することにより、無色固体のポリ(1−アクリロイル−3−(2−エトキシエチル)イミダゾリジン−2−オンを281mg(収率:88.4%)得た。Mnは18,100、Mwは45,500であり、LCSTは39.5℃であった。
実施例−8
1−アクリロイル−3−(2−プロポキシエチル)イミダゾリジン−2−オンのフリーラジカル重合
参考例−11に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−(2−プロポキシエチル)イミダゾリジン−2−オン318mg(1.41mmol)とAIBN2.5mg(15μmol)をDMF3.0mLに溶解した。アルゴンガスを15分間バブリングした後密栓して、60℃で18時間撹拌した。反応溶液を過剰量のジエチルエーテルに沈殿精製することにより、無色固体のポリ(1−アクリロイル−3−(2−プロポキシエチル)イミダゾリジン−2−オンを243mg(収率:76.4%)得た。Mnは26,400、Mwは60,400であり、LCSTは2.0℃であった。
実施例−9
1−アクリロイル−4−エチルイミダゾリジン−2−オンのRAFT重合
参考例−12に示した方法で合成した1−アクリロイル−4−エチルイミダゾリジン−2−オン332mg(1.97mmol)、4−シアノ−4−[(チオベンゾイル)スルファニル]ペンタン酸2.86mg(10.2μmol)及びV−70 1.64mg(5.32μmol)をDMF1.0mLに溶解した。油拡散ポンプを用いて凍結脱気した後、40℃で18時間撹拌した。反応溶液をメタノール100mLに沈殿精製することにより、薄桃色固体のポリ(1−アクリロイル−4−エチルイミダゾリジン−2−オン)を305mg(収率:91.9%)得た。生成物はDMFに可溶であったが、SEC測定ではピークは観測されなかった。LCSTは13.5℃であった。
実施例−10
1−アクリロイル−4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オンのフリーラジカル重合
参考例−13に示した方法で合成した1−アクリロイル−4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン336mg(2.00mmol)及びAIBN3.38mg(20.6μmol)をDMF1.0mLに溶解した。油拡散ポンプを用いて凍結脱気した後、70℃で18時間撹拌した。反応溶液をメタノール100mLに沈殿精製することにより、無色固体のポリ(1−アクリロイル−4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン)を291mg(収率:86.6%)得た。Mnは16,100、Mwは35,200であり、LCSTは29.3℃であった。
実施例−11
1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オンと1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オンとのフリーラジカル共重合
参考例−5に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン182mg(999μmol)、参考例−1に示した方法で合成した1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン140mg(999μmol)及びAIBN3.39mg(20.6μmol)をDMF2.0mLに溶解した。油拡散ポンプを用いて凍結脱気した後、70℃で18時間撹拌した。反応溶液をジエチルエーテル100mLに沈殿精製することで、無色固体のポリ[(1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン)−ran−(1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン)]を260mg(収率:80.7%)得た。H−NMRスペクトルから求めた共重合組成比は[1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン](x)/[1−アクリロイルイミダゾリジン−2−オン](y)は53/47(%)であった。Mnは19,600、Mwは38,300であり、LCSTは27.3℃であった。
実施例−12
1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オンと1−アクリロイル−3−(2−メトキシエチル)イミダゾリジン−2−オンとのフリーラジカル共重合
参考例−5に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン182mg(1.00mmol)、参考例−7に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−(2−メトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン198mg(1.00mmol)及びAIBN3.3mg(20μmol)をDMF4.0mLに溶解した。油拡散ポンプを用いて凍結脱気した後、60℃で63時間撹拌した。反応溶液を過剰量のジエチルエーテルに沈殿精製することにより、無色固体のポリ[(1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン)−ran−{1−アクリロイル−3−(2−メトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン}]を240mg(収率:63.2%)得た。H−NMRスペクトルから求めた共重合組成比は[1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン](x)/[1−アクリロイル−3−(2−メトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン](y)は45/55(%)であった。Mnは36,100、Mwは121,000であり、LCSTは41.5℃であった。
実施例−13
1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オンと1−アクリロイル−3−ベンジルイミダゾリジン−2−オンとのフリーラジカル共重合
参考例−3に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オン329mg(1.96mmol)、参考例−14の方法で合成した1−アクリロイル−3−ベンジルイミダゾリジン−2−オン23.9mg(104μmol)及びAIBN3.22mg(19.6μmol)を2−メトキシエタノール2.0mLに溶解した。油拡散ポンプを用いて凍結脱気した後、70℃で16時間撹拌した。反応溶液を過剰量のジエチルエーテルに沈殿精製することにより、無色固体のポリ[(1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オン)−ran−(1−アクリロイル−3−ベンジルイミダゾリジン−2−オン)]を325mg(収率:92.1%)得た。H−NMRスペクトルから求めた共重合組成比は[1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オン](x)/[1−アクリロイル−3−ベンジルイミダゾリジン−2−オン](y)は95/5(%)であった。Mnは43,000、Mwは201,900であり、LCSTは24.5℃であった。
参考例−15
RAFT重合によるポリメタクリル酸ブチル(PBMA(1))の合成
メタクリル酸ブチル5.68g(40.0mmol)、4−シアノ−4−(チオベンゾイル)ペンタン酸55.6mg(199μmol)及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)13.1mg(79.7μmol)をDMF2mLに溶解した。このDMF溶液を凍結脱気した後、封管し、70℃で18時間撹拌した。反応溶液をTHFで希釈し、過剰量のメタノールに沈殿精製することにより、桃色固体のポリメタクリル酸ブチル(PBMA(1))5.62g(収率:98.8%)を得た。SEC測定の結果、Mnは18,700、Mwは22,900、PDは1.23であった。
実施例−14
ポリメタクリル酸ブチル−block−ポリ[(1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン)−ran−(1−アクリロイル−3−(2−メトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン)]の合成(ブロックコポリマーA)
参考例−5の方法で合成した1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン1.50g(8.25mmol)、参考例−7の方法で合成した1−アクリロイル−3−(2−メトキシエチル)イミダゾリジン−2−オン714mg(3.60mmol)、参考例−15で合成したPBMA(1)570mg(モノマーユニット換算で4.01mmol)及び2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70)4.50mg(14.6μmol)をDMF6mLに溶解した。このDMF溶液を凍結脱気した後、封管し、40℃で18時間撹拌した。反応溶液をDMFで希釈し、過剰量のメタノール/水(=1/1)混合溶媒に沈殿精製を行った。沈殿を回収して乾燥後、ジエチルエーテルで洗浄することにより、薄桃色のブロックコポリマーAを2.21g(収率:79.3%)得た。SEC測定の結果、Mnは78,700、Mwは194,400、PDは2.47であった。H−NMRスペクトルにおける積分値からx/y=68/32(%)、m/n=31/69(%)であった。
実施例−15
ポリメタクリル酸ブチル−block−ポリ(1−アクリロイル−4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン)(ブロックコポリマーB)の合成
参考例−13の方法で合成した1−アクリロイル−4,4−ジメチルイミダゾリジン−2−オン1.35g(8.01mmol)、参考例−15で合成したPBMA(1)1.14g(モノマーユニット換算で8.02mmol)及びV−70 9.43mg(30.6μmol)をDMF6mLに溶解した。このDMF溶液を凍結脱気した後、封管して、40℃で18時間撹拌した。反応溶液をDMFで希釈し、過剰量のメタノール/水(=1/1)混合溶媒に沈殿精製を行った。沈殿を回収して乾燥後、ジエチルエーテルで洗浄することにより、薄桃色のブロックコポリマーBを2.32g(収率:93.1%)得た。SEC測定の結果、Mnは39,500、Mwは66,500、PDは1.68であった。H−NMRスペクトルにおける積分値からm/n=50/50(%)であった。
実施例−16
1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オンとメタクリル酸ベンジルとのフリーラジカル共重合
参考例−3に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オン323mg(1.92mmol)、メタクリル酸ベンジル18.0mg(102μmol)、及びAIBN3.98mg(24.2μmol)をDMF2.0mLに溶解した。油拡散ポンプを用いて凍結脱気した後、70℃で2時間撹拌した。反応溶液を過剰量のジエチルエーテルに沈殿精製することにより、ポリ[(1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オン)−ran−メタクリル酸ベンジル]を305mg(収率:89.4%)得た。H−NMRスペクトルから求めた共重合組成比は[1−アクリロイル−3−エチルイミダゾリジン−2−オン](x)/[メタクリル酸ベンジル](y)は96/4(%)であった。Mnは35,900、Mwは153,100であり、LCSTは24.8℃であった。
実施例−17
1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オンと1−アクリロイル−3−メチルイミダゾリジン−2−オンとのフリーラジカル共重合
参考例−5に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン292mg(1.60mmol)、参考例−2に示した方法で合成した1−アクリロイル−3−メチルイミダゾリジン−2−オン62.0mg(402μmol)及びAIBN3.78mg(23.0μmol)を2−メトキシエタノール2.0mLに溶解した。油拡散ポンプを用いて凍結脱気した後、70℃で12時間撹拌した。反応溶液を過剰量のジエチルエーテルに沈殿精製することにより、無色固体のポリ[(1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン)−ran−(1−アクリロイル−3−メチルイミダゾリジン−2−オン)]を317mg(収率:89.5%)得た。H−NMRスペクトルから求めた共重合組成比は[1−アクリロイル−3−イソプロピルイミダゾリジン−2−オン](x)/[1−アクリロイル−3−メチルイミダゾリジン−2−オン](y)は78/22(%)であった。Mnは54,600、Mwは274,100であり、LCSTは28.8℃であった。
実施例−18
ブロックコポリマーAを用いた細胞培養評価
実施例−13に記載のブロックコポリマーA 100mgに2−メトキシエタノールを19.900g添加し、撹拌して全て溶解させた後、孔径0.2μmの再生セルロース製フィルター(ザルトリウス製)でろ過することにより、ブロックコポリマーAの0.50wt%表面処理剤を調製した。組織培養用ディッシュ(AGCテクノグラス製、直径6cm)の中央に上記の表面処理剤を100μL加え、スピンコーター(ミカサ製、商品名MS−B200)を用いて、回転数2,000rpm、回転時間60秒の条件でスピンコートすることでブロックコポリマーAをコートした培養器材Aを調製した。
上記で得られた培養器材Aに、骨髄由来ヒト間葉系幹細胞(ロンザジャパン(株)製、Product Code:PT−2501)を1.0×10cells/dishの細胞密度で播種し、37℃、CO濃度5%で培養した[培養工程]。培地にはウシ胎児血清(BioWest製、コロンビア産)を10vol%含むダルベッコ・フォークト変法イーグル最小必須培地(DMEM:富士フイルム和光純薬製)を用いた。8日間培養後、静かに培養上清を抜き、新たに4℃に冷却した培地を加え、室温で20分間冷却した[冷却処理工程]。20分後、1mLピペッターを用いて1mLの容量で、10回培養基材の培養面の全面に培養液を当てるようにピペッティングした[細胞剥離処理工程]。ピペッティング後、細胞ごと培養液を回収した。回収した培養液を160rcf(相対遠心力)、25℃、5分の条件で遠心後、上清を除き、新しい培地を500μL加え懸濁した。得られた細胞懸濁液中から10μLを細胞数測定用スライド(Thermo Fisher Scientific製、商品名:Countess Cell Counting Chamber Slid)に添加し、自動セルカウンター(Thermo Fisher Scientific製、商品名:Countess II)を用いて、細胞数を測定したところ、冷却処理によって回収できた細胞数(冷却後回収細胞数)は1.40×10cellsであった。また、培養液を回収後の培養器材Aに残った細胞をトリプシンを用いて37℃で10分間処理することにより回収したのち細胞数を計測し、前記冷却後回収細胞数と足し合わせて全細胞数を求めたところ、1.65×10cellsであった。以上より、冷却処理による細胞回収率は84.8%であった。
実施例−17
ブロックコポリマーBを用いた細胞培養評価
実施例−14に記載のブロックコポリマーB 100mgに2−メトキシエタノールを19.900g添加し、撹拌して全て溶解させた。孔径0.2μmの再生セルロース製フィルターに通液し、ブロックコポリマーBの0.50wt%表面処理剤を調製した。IWAKI組織培養用ディッシュ(AGCテクノグラス製、直径6cm)の中央に上記の表面処理剤を100μL加え、スピンコーター(ミカサ製、商品名MS−B200)を用いて、回転数2,000rpm、回転時間60秒の条件でスピンコートすることでブロックコポリマーBをコートした培養器材Bを調製した。
培養器材Aに代えて上記で得られた培養器材Bを用いたことと、培養日数を5日間にしたことと、冷却処理工程の冷却時間を10分間にしたこと以外は実施例―16と同様の方法で細胞回収率を評価した。冷却後回収細胞数は5.30×10cellsであり、全細胞数は9.05×10cellsであった。その結果、冷却処理による細胞回収率は58.6%であった。

Claims (1)

  1. 下記一般式(1)
    (式中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基または下記一般式(2)
    (式中、pは2〜4の整数を表し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、2−メトキシエチル基またはアセチル基を表す。)で示されるオキシアルキル基を表す。Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rは水素原子またはメチル基を表す。)で示される繰り返し単位を有する重合体。
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