JP2021031132A - 飲料自動注出装置 - Google Patents

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柳田 伸也
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Abstract

【課題】飲料自動注出装置の飲料経路の構成部品が洗浄等のメンテナンスの時期となったことを受動的に取得できるようにする。【解決手段】飲料自動注出装置10の制御装置150,250は、自動注出プログラムを実行したときにカウントして累積した累積実行回数、または、自動注出プログラムを実行したときに開放させた弁機構部の開放時間を累積した累積開放時間が飲料経路の構成部品のメンテナンスの時期を規定した実行回数または開放時間となると、飲料経路の構成部品がメンテナンスの時期となったことを報知するように制御した。【選択図】図15

Description

本発明は、飲料を自動注出する飲料自動注出装置に関する。
特許文献1にはビール等の発泡性飲料を過剰に泡立つことなく自動注出する飲料自動注出装置が開示されている。この飲料自動注出装置は、装置本体の前部に設けられた注出コックと、装置本体の前部にて注出コックの上側に設けられたコック操作装置と、装置本体の前部にて注出コックの下側に設けられた容器受台装置と、装置本体の前部にて容器受台装置を起立した起立姿勢から傾斜した傾斜姿勢に傾動させる受台傾動装置と、コック操作装置と受台傾動装置との作動を制御する制御装置とを備えている。
注出コックは、筒状の本体部の内部に発泡性飲料を液状態または泡状態で注出する弁機構部と、本体部の上部にて弁機構部を操作する操作レバーとを備えている。操作レバーを前側に傾動することで弁機構部を液用開放状態で開放させると、発泡性飲料が液状態で注出ノズルから注出され、操作レバーを後側に傾動することで弁機構部を泡用開放状態で開放させると、発泡性飲料が泡状態で注出ノズルから注出される。コック操作装置は注出コックの操作レバーを前側または後側に傾動させることで弁機構部を液用開放状態または泡用開放状態で開放させて、注出コックから発泡性飲料を液状態または泡状態で注出させる。
容器受台装置は、装置本体の前部に水平軸線回りに回動可能に支持された傾動基板と、傾動基板の前側に取り付けられて注出コックから注出される飲料を受けるグラスやジョッキ等の容器を載置する受台とを備えている。容器受台装置の後側には受台傾動装置が設けられており、受台傾動装置は容器受台装置の傾動基板を起立姿勢から傾斜姿勢に傾動させ、受台に載置した容器を起立した状態から傾斜させる。
受台にジョッキ等の飲用容器を載置して自動注出スイッチを押動操作して自動注出プログラムを実行させると、制御装置は受台傾動装置によって受台に載置した飲用容器を傾斜させてから、コック操作装置により弁機構部を液用開放状態で開放させる。発泡性飲料は装置本体内の冷却水槽の飲料冷却管を通過するときに冷却された後で注出コックから受台で傾斜させた飲用容器に液状態で自動注出される。液状態で注出される発泡性飲料は傾斜させた飲用容器の周壁内面に沿って流れ落ち、発泡性飲料は飲用容器内で泡立ちが抑えられた状態で注出される。その後、受台傾動装置によって傾動基板を傾斜姿勢から起立姿勢に戻して飲用容器を起立させた後で、コック操作装置により弁機構部を泡用開放状態で開放させることで、発泡性飲料は起立させた飲用容器の上部で液状態の発泡性飲料の上側にきめ細かな泡状態で自動注出される。
特開2016−222326号公報
上述した特許文献1の飲料自動注出装置は、ビール等の発泡性飲量を自動注出するものであり、飲料が通過する飲料冷却管や注出コック等の飲料経路を衛生的に管理して清浄に保つ必要がある。このため、飲料自動注出装置を設置した飲食店に対して、飲料冷却管や注出コック等の飲料経路を毎日、週に一回のように定期的に洗浄するように推奨している。飲料自動注出装置による飲料の注出頻度(使用頻度)は設置した飲食店によって異なり、注出頻度が低いところでは通常の定期的な洗浄で十分であるものの、注出頻度が高いところでは通常の定期的な洗浄では清浄に保てないおそれがある。また、飲料経路を構成する構成部品毎に洗浄する時期が異なっており、どの構成部品を洗浄する必要があるか常に把握するのが面倒であった。さらに、飲料自動注出装置は、ビール等の発泡性飲料を自動注出するだけでなく、酎ハイやハイボール等の炭酸飲料を自動注出することもでき、飲料の種類により飲料冷却管や注出コック等の飲料経路の各構成部品を洗浄する時期が異なっており、飲料経路を洗浄する時期を把握するのがさらに面倒となっていた。本発明は、飲料自動注出装置の飲料経路の構成部品が洗浄等のメンテナンスの時期となったことを受動的に取得できるようにする。
本発明は上記課題を解決するため、装置本体の前部に設けられて、飲料が流れる飲料経路の注出部を構成し、内蔵する弁機構部を開放させて飲料を注出する注出コックと、装置本体の前部に設けられて、弁機構部を開閉操作させるコック操作装置と、注出コックの下側にて注出コックから注出される飲料を受ける飲用容器を載置する受台を有する容器受台装置と、コック操作装置により弁機構部を開放させることにより、飲用容器に飲料を自動注出するように制御する自動注出プログラムを有した制御装置とを備えた飲料自動注出装置であって、制御装置は、自動注出プログラムを実行したときにカウントして累積した累積実行回数、または、自動注出プログラムを実行したときに開放させた弁機構部の開放時間を累積した累積開放時間が飲料経路の構成部品でメンテナンスの時期を規定した実行回数または開放時間となると、飲料経路の構成部品がメンテナンスの時期となったことを報知するように制御したことを特徴とする飲料自動注出装置を提供するものである。
上記のように構成した飲料自動注出装置においては、制御装置は、自動注出プログラムを実行したときにカウントして累積した累積実行回数、または、自動注出プログラムを実行したときに開放させた弁機構部の開放時間を累積した累積開放時間が飲料経路の構成部品でメンテナンスの時期を規定した実行回数または開放時間となると、飲料経路の構成部品がメンテナンスの時期となったことを報知するように制御した。これにより、飲料経路の構成部品がメンテナンスの時期になったことを管理することなく受動的に知ることができ、飲料経路のメンテナンスをすることを適切な時期に促すことができる。特に、自動注出プログラムの累積実行回数または自動注出プログラムを実行したときに開放させた弁機構部の累積開放時間に基づいてメンテナンスの時期になったことを報知しているので、飲料の注出頻度が低いときには短い間隔で不必要にメンテナンスの時期を促すのを防ぐことができるとともに、飲料の注出頻度が高いときには注出頻度に応じた適切な時期にメンテナンスをすることを促すことができるようになる。
上記のように構成した飲料自動注出装置においては、飲料経路は複数の構成部品で構成され、複数の構成部品は各々のメンテナンスの時期を有し、制御装置は、複数の構成部品毎に累積実行回数または累積開放時間をカウントまたは計時し、飲料経路の複数の構成部品毎にメンテナンスの時期となったことを報知するように制御するのが好ましい。このようにしたときには、飲料経路の複数の構成部品毎にメンテナンスの時期になったことを管理することなく受動的に知ることができ、飲料経路の複数の構成部品毎にメンテナンスをすることを促すことができる。これにより、メンテナンスの時期となった飲料経路の構成部品を確実にメンテナンスすることができるとともに、メンテナンスの時期となっていない構成部品の不要なメンテナンスを控えることができ、メンテナンスの作業性を向上させることができる。
本発明による飲料自動注出装置の斜視図である。 左右方向の中央部の前後方向に沿った縦方向断面図である。 第1自動注出ユニットの飲料経路の概略図である。 第2自動注出ユニットの飲料経路の概略図である。 第1自動注出ユニットの前後方向に沿った縦方向断面図である。 第2自動注出ユニットの前後方向に沿った縦方向断面図である。 第2自動注出ユニットの注出コックの斜視図(a)、カバーを取り外した状態の斜視図(b)である。 第2自動注出ユニットの注出コックの平面図(a)、A−A断面図(b)、B−B断面図(c)である。 図7(b)の斜視図でスリーブと第1及び第2開閉レバーが見えるように一部を破断した斜視図(a)、操作レバーを左側に移動させた斜視図(b)、操作レバーを右側に移動させた斜視図(c)である。 C−C断面図である。 D−D断面図である。 炭酸飲料用注出ノズルの正面図(a)、右側面図(b)、左斜め上方から見た斜視図(c)、E−E断面図(d)、F−F断面図(e)、G−G断面図(f)、H−H断面図(g)である。 第2自動注出ユニットの注出コックからディフューザと炭酸飲料用注出ノズルを取り外した状態の斜め下方から見た分解斜視図である。 第1自動注出ユニットの制御装置と各機器との接続を示すブロック図(a)と、第2自動注出ユニットの制御装置と各機器との接続を示すブロック図(b)である。 メンテナンス時期報知プログラムのフローチャートである。
以下に、本発明の飲料自動注出装置の実施形態を図面を参照して説明する。この実施形態の飲料自動注出装置10は、注出コックからグラスやジョッキ等の飲用容器にビール等の発泡性飲料と、ハイボール等の炭酸飲料を自動注出するものである。図1に示したように、この実施形態の飲料自動注出装置10は、装置本体11の前部の右側に第1自動注出ユニット12Rと、左側に第2自動注出ユニット12Lとを備えている。
図1及び図3に示したように、右側に配置される第1自動注出ユニット12Rはビール等の発泡性飲料をグラスやジョッキ等の飲用容器に自動注出するものであり、注出コック(注出部)110、コック操作装置120、容器受台装置130及び受台傾動装置140を備えている。図1及び図4に示したように、左側に配置される第2自動注出ユニット12Lはビールのように発泡しないものの炭酸ガスが含まれるハイボール等の炭酸飲料をジョッキ等の飲用容器に自動注出するものであり、注出コック(注出部)210、コック操作装置220、容器受台装置230及び受台傾動装置240を備えている。特に、この第2自動注出ユニット12Lは別々に供給される飲料原液と炭酸水とを飲用容器内に炭酸飲料として注出するものであって、炭酸ガスの溶解量の多い炭酸水の泡立ちを抑えて炭酸ガスの溶解量の多い炭酸飲料を飲用容器に自動注出するものである。
図2に示したように、飲料自動注出装置10は、装置本体11内の上部に冷却水を貯えた冷却水槽13と、装置本体11の下部の機械室に冷却水槽13内の冷却水を冷却する冷凍装置14とを備えている。図2及び図3に示したように、冷却水槽13内には飲料冷却管15が設けられており、飲料冷却管15は上述した第1自動注出ユニット12Rで注出するビール等の発泡性飲料(以下、主に発泡性飲料と記載する。)を冷却する。飲料冷却管15は冷却水槽13内の冷却水に浸漬されており、発泡性飲料は飲料冷却管15を通過するときに冷却水によって冷却される。飲料冷却管15の導入端部は飲料供給管T1を介してビア樽等の発泡性飲料容器Tに接続されており、飲料冷却管15の導出端部は装置本体11の右側上部に設けた第1自動注出ユニット12Rの注出コック110に接続されている。発泡性飲料容器Tにはガス供給管G1を介してガスボンベ(ガス供給源)Gが接続されており、発泡性飲料容器T内の発泡性飲料はガスボンベGから供給される炭酸ガスの圧力によって飲料冷却管15を通って注出コック110に送られる。
図2及び図4に示したように、冷却水槽13内には炭酸水生成装置20を構成する炭酸水生成タンク21が設けられており、炭酸水生成タンク21は第2自動注出ユニット12Lにて注出するハイボール等の炭酸飲料の原料となる炭酸水を生成するものである。炭酸水生成タンク21は冷却水槽13内の冷却水に浸漬されており、炭酸水生成タンク21内にて生成された炭酸水は冷却水槽13内の冷却水によって冷却されている。炭酸水生成タンク21にはガス供給管G2を介してガスボンベGが接続されており、炭酸水生成タンク21内はガスボンベGから送られる炭酸ガスが供給されることで加圧されている。炭酸水生成タンク21内には水位センサ22が設けられており、水位センサ22は炭酸水生成タンク21内の上限水位と下限水位とを検知する。
炭酸水生成タンク21の上部には給水管23が接続され、炭酸水生成タンク21の底部には炭酸水送出管27が接続されている。給水管23は水道等の水の給水源の水を炭酸水生成タンク21に送出するものであり、炭酸水生成タンク21内に送出された水はガスボンベGから送られた炭酸ガスが溶けて炭酸水となる。給水管23には給水源側となる上流側から給水弁24と送水ポンプ25と逆止弁26が介装されている。給水管23の逆止弁26より下流側は炭酸水生成タンク21とともに冷却水槽13の冷却水に浸漬されており、給水源の水は給水管23を通過するときに冷却水槽13内の冷却水によって冷却されて炭酸水生成タンク21に送られる。給水弁24は給水管23を開閉するものであり、給水源の水は給水弁24の開放によって給水管23を通過可能となる。送水ポンプ25は炭酸ガスによって加圧状態の炭酸水生成タンク21に給水管23から供給される水を圧送する。水位センサ22により下限水位を検知すると、給水弁24が開放されるとともに送水ポンプ25が作動するように制御され、水位センサ22により上限水位を検知すると、給水弁24が閉止されるとともに送水ポンプ25の作動が停止されるように制御されている。逆止弁26は加圧状態の炭酸水生成タンク21から炭酸ガスが給水管23に流入するのを防いでいる。
また、炭酸水送出管27は炭酸水生成タンク21内にて生成した炭酸水を第2自動注出ユニット12Lの注出コック210に送出するものであり、炭酸水送出管27の導出端部は第2自動注出ユニット12Lの注出コック210に接続されている。炭酸水送出管27は炭酸水生成タンク21とともに冷却水槽13の冷却水に浸漬されており、炭酸水生成タンク21内にて生成した炭酸水は炭酸水送出管27を通過するときにも冷却水槽13内の冷却水によって冷却されて注出コック210に送られる。
冷却水槽13内には飲料原液冷却管16が設けられており、飲料原液冷却管16は第2自動注出ユニット12Lにて注出するハイボール等の炭酸飲料の原料となるウイスキー等の飲料原液(以下、主に飲料原液と記載する。)を冷却する。飲料原液冷却管16は冷却水槽13内の冷却水に浸漬されており、飲料原液は飲料原液冷却管16を通過するときに冷却水によって冷却される。飲料原液冷却管16の導入端部は飲料原液供給管B1を介してウイスキーボトル等の飲料原液容器Bに接続されており、飲料原液冷却管16の導出端部は装置本体11の左側上部に設けた第2自動注出ユニット12Lの注出コック210に接続されている。
飲料原液供給管B1にはガスポンプPが介装されており、ガスポンプPにはガス供給管G3を介してガスボンベGが接続されている。ガスポンプPは、飲料原液容器B内の飲料原液を飲料原液供給管B1に送出するものであり、ガスボンベGから供給される炭酸ガスの圧力でピストンが駆動するものである。注出コック210の後述する第1供給路開閉弁212aが閉止された状態では、ガスポンプP内のピストンは飲料原液の圧力が炭酸ガスの圧力に応じた値まで上昇して駆動停止した状態となる。注出コック210の第1供給路開閉弁212aが開放されると、ガスポンプP内の飲料原液の圧力が低下して、ガスポンプP内の飲料原液の圧力が炭酸ガスの圧力に応じた値まで上昇するまでピストンが駆動して、飲料原液容器Bの飲料原液は飲料原液供給管B1を通って飲料原液冷却管16に送られるようになる。飲料原液冷却管16に送られた飲料原液は冷却水槽13内の冷却水によって冷却されて注出コック210に送られる。
図1、図3及び図5に示したように、装置本体11の右側には第1自動注出ユニット12Rが設けられており、第1自動注出ユニット12Rは装置本体11の右側前面上部に注出コック110を備えている。第1自動注出ユニット12Rの注出コック110はグラスやジョッキ等の飲用容器(以下、主に飲用容器と記載する。)に主として発泡性飲料を注出するものである。この実施形態では、注出コック110は、飲料を注出する注出部を構成し、飲料を供給する飲料供給管T1と冷却する飲料冷却管15とともに第1自動注出ユニット12Rの飲料が流れる飲料経路を構成している。
注出コック110は、弁機構部111aを内蔵した筒状の本体部111の上部に操作レバー112と、下部に注出ノズル113(113a,113b)とを備えている。本体部111の弁機構部111aは開放状態とすることによって発泡性飲料容器T内の発泡性飲料を飲料供給管T1と飲料冷却管15とを通過させて注出ノズル113に導く。また、この注出コック110は発泡性飲料を液状態または泡状態で注出することを可能とするために、弁機構部111aを液用開放状態で開放することで発泡性飲料を液状態で液用の注出ノズル113bに導き、弁機構部111aを泡用開放状態で開放することで発泡性飲料を泡状態で泡用の注出ノズル113aに導くようになっている。
操作レバー112は弁機構部111aを閉止状態と液用または泡用開放状態との開閉操作を行うものである。操作レバー112は、垂直に起立した起立位置にあるときには弁機構部111aを閉止状態とし、前方に傾動(前傾)させると弁機構部111aを液用開放状態で開放させ、後方に傾動(後傾)させると弁機構部111aを泡用開放状態で開放させる。注出ノズル113は弁機構部111aを通過した飲料を飲用容器に注出するものであり、本体部111の下面前部に飲料を泡状態で注出する泡用の注出ノズル113aと、本体部111の下面後部に飲料を液状態で注出する液用の注出ノズル113bとを備えている。
図5に示したように、コック操作装置120は注出コック110の弁機構部111aを開閉操作するものである。コック操作装置120は装置本体11の前部で上下に移動可能に支持されている。コック操作装置120が下側位置にあるときには、注出コック110の操作レバー112を自動で操作可能な自動操作位置となっており、コック操作装置120を持ち上げて上側位置にあるときには、注出コック110の操作レバー112を手動で操作可能な手動操作位置となる。コック操作装置120は筐体121内に注出コック110の操作レバー112を前後に傾動させる操作機構部122を有しており、操作機構部122によって操作レバー112を前後に傾動させることで弁機構部111aを開閉操作させる。操作機構部122はサーボモータ123と、前後に移動可能に支持されたスライダ124とを備えている。操作機構部122は、サーボモータ123の駆動によってスライダ124を前後に移動させ、操作レバー112を前後に移動するスライダ124により前後に傾動させることで、弁機構部111aを開閉操作している。
図1及び図5に示したように、容器受台装置130は、注出コック110から注出される発泡性飲料をできるだけ泡立つことのないように飲用容器内で受けることを目的として、飲用容器を前後方向に傾斜させることを可能としている。容器受台装置130は、上端部が装置本体11の前部に設けたブラケット131aに水平軸線回りに傾動可能に軸架された傾動基板131と、傾動基板131に取り付けた受台132(132a,132b)とを備えている。受台132は傾動基板131の上下方向の中間部と下部とに上下2段に取り付けた受台132a,132bとを備えている。上段の受台132aは主としてグラス等の小型の飲用容器を載置するものであり、下段の受台132bは主としてグラスよりも容量の多いジョッキ等の大型の飲用容器を載置するものである。上段の受台132aは傾動基板131に対して水平軸線回りに回動可能に支持されており、下段の受台132bに飲用容器を載置するときには、上段の受台132aを前方に突出した使用位置から傾動基板131に沿う退避位置まで退避させる。
図5に示したように、受台傾動装置140は、傾動基板131を起立姿勢から傾斜姿勢の間で傾動させることで、受台132a,132bに載置した飲用容器を起立姿勢から傾斜姿勢に傾動させるものである。受台傾動装置140は、サーボモータ141と、サーボモータ141の駆動によって前後に回動するアーム142とを有している。受台傾動装置140は、サーボモータ141によりアーム142を前方に延びるように回動させて、容器受台装置130の傾動基板131とともに飲用容器を前方に押し出して起立姿勢から傾斜姿勢に傾動させる。受台傾動装置140は、サーボモータ141によりアーム142を後方に退避させるように回動させて容器受台装置130の傾動基板131を後方に戻して、容器受台装置130の傾動基板131とともに飲用容器を傾斜姿勢から起立姿勢に復帰させる。
受台傾動装置140はマイクロスイッチ143を備え、マイクロスイッチ143は傾動基板131が傾斜姿勢及び起立姿勢であることを検知することにより、受台132に載置した飲用容器が傾斜姿勢及び起立姿勢であることを検知する。この実施形態では、傾動基板131の傾斜姿勢は鉛直方向から40°に傾斜する角度に設定されており、マイクロスイッチ143は傾動基板131が40°に傾斜すると傾斜姿勢であると検知する。受台傾動装置140はマイクロスイッチ143による傾動基板131の傾斜姿勢の角度を40°以外の角度にも設定可能となっている。なお、マイクロスイッチ143を用いずにサーボモータ141の回動角度を制御することによって、傾動基板131及び飲用容器の傾斜姿勢の角度を制御してもよい。傾動基板131及び飲用容器の傾斜姿勢は40°に限られるものでなく、40°以外の角度であってもよい。
図1、図4及び図6に示したように、装置本体11の左側には第2自動注出ユニット12Lが設けられており、第2自動注出ユニット12Lは装置本体11の左側前面上部に注出コック210を備えている。第2自動注出ユニット12Lの注出コック210は飲用容器に主としてハイボール等の炭酸飲料を注出するものであり、特に、強炭酸飲料と呼ばれる炭酸ガスの溶解量が多い炭酸飲料を注出するのに適したものである。この実施形態では、注出コック210は、飲料を注出する注出部を構成し、炭酸飲料の原料となる炭酸水を生成する炭酸水生成装置20と、炭酸飲料の原料となる飲料原液を供給する飲料原液供給管B1と冷却する飲料原液冷却管16とともに第2自動注出ユニット12Lの飲料が流れる飲料経路を構成している。
図7及び図8に示したように、注出コック210は、ベースプレート211とカバー211aを備え、ベースプレート211の後部上面には飲料原液供給路212と炭酸水供給路213が設けられている。図8(b)、(c)に示したように、飲料原液供給路212と炭酸水供給路213の各々には第1及び第2供給路開閉弁212a,213aが左右に並んだ位置で介装されている。第1及び第2供給路開閉弁212a,213aには第1及び第2開閉レバー212b,213bが設けられており、第1及び第2供給路開閉弁212a,213aは第1及び第2開閉レバー212b,213bを前側に押動させると開放される。第1及び第2供給路開閉弁212a,213aは第2自動注出ユニット12Lの注出コック210の弁機構部を構成している。
図7〜図9に示したように、ベースプレート211の後部には第1及び第2開閉レバー212b,213bの上側にブラケット214が前後に揺動可能となるように水平軸線回りに回動可能に設けられており、ブラケット214はばね部材214aによって後側に付勢されている。ブラケット214には左右に延びるシャフト214bが設けられており、シャフト214bには第1及び第2開閉レバー212b,213bの直ぐ後側にスリーブ214cが左右に移動可能に設けられている。シャフト214bにはスリーブ214cの左右両側にばね部材214dが設けられており、スリーブ214cはばね部材214dによって左右の中央にて両方の第1及び第2開閉レバー212b,213bの直ぐ後側に位置するように付勢されている。スリーブ214cには操作レバー214eが設けられており、スリーブ214cは操作レバー214eによって前側と左右方向に移動操作される。
図9(a)に示したように、操作レバー214eを操作していないときには、スリーブ214cは、左右方向の中央の第1操作位置に位置して、第1及び第2開閉レバー212b,213bの直ぐ後側に配置されている。このとき、第1及び第2開閉レバー212b,213bが前側に押動されてないので、第1及び第2供給路開閉弁212a,213aは閉止状態が維持される。操作レバー214eを前側に傾動させると、スリーブ214cが操作レバー214eにより前側に移動し、両方の第1及び第2開閉レバー212b,213bが前側に押動され、両方の第1及び第2供給路開閉弁212a,213aが開放され、飲料原液供給路212の飲料原液と炭酸水供給路213の炭酸水が通過する。
図9(b)に示したように、操作レバー214eを左側の第2操作位置に移動させるように操作して、スリーブ214cを左側に移動させると、スリーブ214cは第2開閉レバー213bの後側に配置されずに第1開閉レバー212bの後側にだけ配置される。操作レバー214eを前側に傾動させると、スリーブ214cが操作レバー214eにより前側に移動し、第1開閉レバー212bが前側に押動され、第1供給路開閉弁212aが開放され、飲料原液供給路212の飲料原液が通過する。
図9(c)に示したように、操作レバー214eを右側の第3操作位置に移動させるように操作して、スリーブ214cを右側に移動させると、スリーブ214cは第1開閉レバー212bの後側に配置されずに第2開閉レバー213bの後側にだけ配置される。操作レバー214eを前側に傾動させると、スリーブ214cが操作レバー214eにより前側に移動し、第2開閉レバー213bが前側に押動され、第2供給路開閉弁213aが開放され、炭酸水供給路213の炭酸水が通過する。このように、注出コック210は、飲料原液と炭酸水とを同時に注出させるだけでなく、飲料原液だけを注出させたり、炭酸水だけを注出させることができる。
図10及び図11に示したように、ベースプレート211の前部には円形孔211bが形成されており、ベースプレート211の前部には円形孔211bの上側に飲料原液供給路212と炭酸水供給路213を炭酸飲料用注出ノズル218に接続する接続部215が設けられている。接続部215は下側に開口した円筒部215aと、円筒部215aの径方向の中央部で下方に延びる飲料原液供給管部215bとを備えている。図11に示したように、飲料原液供給管部215bには飲料原液供給路212と連通する連通口215b1が開口している。円筒部215aと飲料原液供給管部215bとの間には円筒状空間215cが形成されており、円筒状空間215cには炭酸水供給路213と連通する連通口215c1が開口している。
図10及び図11に示したように、円筒状空間215cには減圧機構を構成する円筒状コーン216が内装されており、円筒状コーン216は外コーン216aと、外コーン216aの内側に隙間空間を介して配置される内コーン216bを備えている。外コーン216aはOリングよりなるシール材を介して円筒部215aの内周面に嵌合されている。内コーン216bはOリングよりなるシール材を介して飲料原液供給管部215bの外周面に嵌合されている。円筒状空間215cの上部に流入した炭酸水は外コーン216aと内コーン216bの間の隙間空間を通過するときに減圧される。
図10及び図11に示したように、ベースプレート211の前部には接続部215の下側に炭酸飲料用注出ノズル218が取り付けられている。この炭酸飲料用注出ノズル218は、炭酸飲料を構成する炭酸水が泡立ちによる炭酸抜けとなりにくいようにして、飲料原液と炭酸水とを炭酸飲料として飲用容器内に注出する。特に、この炭酸飲料用注出ノズル218は、炭酸ガスの溶解量の多い炭酸飲料を注出するのに適しており、この炭酸飲料用注出ノズル218の下側に飲用容器を前後に傾動可能に載置する受台232と、受台232に載置した飲用容器の下部を前方に押し出して飲用容器の上面開口を斜め後上方に向くように傾動させる受台傾動装置240とを備えた飲料自動注出装置10の注出コック210に用いたときに、炭酸水が泡立ちにより炭酸抜けとなりにくいように注出できるようにしている。
図10〜図12に示したように、炭酸飲料用注出ノズル218は筒形をしたノズル本体218aを備えており、ノズル本体218aは下端に炭酸水注出口218cを有する鉛直方向に直線状に延びる炭酸水通路218bを備えている。炭酸水通路218b内には円筒状コーン216の下側に筒状のディフューザ217が配設されており、円筒状コーン216を通過して減圧させた炭酸水は炭酸水通路218b内を通るときにディフューザ217によって整流されて流れ落ちる。図12(d)〜(f)に示したように、炭酸水通路218bの下部は径が細くなるように形成されているが、炭酸水通路218bの下部は炭酸水注出口218cの左右の径(図12(d)に示した)に比べて前後の径(図12(e)に示した)が狭くなるように徐々に絞られている。炭酸水注出口218cから注がれる炭酸水は前後に拡がることなく飲用容器に注がれる。
図10〜図12に示したように、ノズル本体218aの上端部にはエラストマーよりなるシール部218dが一体的に設けられており、シール部218dの上面には上側に突出する2つの環状突部が形成されている。シール部218dの2つの環状突部が接続部215の円筒部215aの外周部に弾性変形して密着することにより、ノズル本体218aは接続部215に液密にシールされた状態で取り付けられている。
図12及び図13に示したように、ノズル本体218aの上端部にはシール部218dの外側に突出する3つの係合部218eが周方向に等間隔に形成されており、ベースプレート211の円形孔211bの周囲には係合部218eを通過させる凹部211cが周方向に等間隔に形成されている。凹部211cに係合部218eを通過させてから、炭酸飲料用注出ノズル218を約20°時計回りに回動させると、炭酸飲料用注出ノズル218がベースプレート211に着脱可能に取り付けられる。ノズル本体218aの上端部には係合部218eより小さな位置決め係合部218fが外側に突出して形成されており、ベースプレート211の円形孔211bの周囲には位置決め係合部218fを通過させる位置決め凹部211dが形成されている。位置決め係合部218fは後述する飲料原液注出口218iが前方に開く向きとなるように、炭酸飲料用注出ノズル218をベースプレート211に取り付けるためのものである。
図10及び図12(d),(e)に示したように、ノズル本体218aの下部には炭酸水通路218bの内部に管状の飲料原液通路218gが設けられており、飲料原液通路218gの上端は飲料原液供給管部215bに接続されている。飲料原液通路218gの上端にはエラストマーよりなるシール部218hが設けられており、シール部218hの上面には上側に突出する2つの環状突部が形成されている。シール部218hの2つの環状突部が飲料原液供給管部215bの下端に弾性変形して密着することにより、飲料原液通路218gは飲料原液供給管部215bに液密にシールされた状態で接続されている。管状の飲料原液通路218gは飲料原液供給管部215bと実質的に凹凸がない状態で接続されており、炭酸水通路218bを通過する炭酸水は飲料原液供給管部215bと飲料原液通路218gの接続部分を通過するときにも泡立ちにくくなっている。
飲料原液通路218gは炭酸水通路218b内に延びる鉛直部218g1と、鉛直部218g1の下端から斜め前下方に延びる傾斜部218g2とを備えている。鉛直部218g1はノズル本体218aの炭酸水通路218b内で上下方向の中間部より少し下側から下部まで延びている。飲料原液通路218gの傾斜部218g2の先端はノズル本体218aの外周面で開口する飲料原液注出口218iとなっており、飲料原液注出口218iは前方にて斜め下方に開くように形成されている。図12(g)に示したように、飲料原液通路218gの傾斜部218g2は飲料原液注出口218iに向けて左右方向(水平方向)に径が拡がるように形成されており、飲料原液注出口218iから注出される飲料原液の勢いが低く抑えられている。
図12(a),(b),(d),(e)及び図13に示したように、ノズル本体218aの下部には飲料原液通路218gの鉛直部218g1の下端から下方に延びるガイド突起部218jが設けられており、ガイド突起部218jは炭酸水注出口218cから下方に延びている。ガイド突起部218jは炭酸水注出口218cから注出される炭酸水を下側の飲用容器に案内するものである。図13に示したように、ガイド突起部218jには上下に延びる4本の突条218kが周方向に等間隔に形成されており、炭酸水は突条218kによって炭酸水注出口218cとガイド突起部218jとの間に表面張力によって残りにくくなっている。
図6に示したように、コック操作装置220は注出コック210の第1及び第2供給路開閉弁212a,213aを開閉操作するものである。コック操作装置220は装置本体11の前部で上下に移動可能に支持されている。コック操作装置220が下側位置にあるときには、注出コック210の操作レバー214eを自動で操作可能な自動操作位置となっており、コック操作装置220を持ち上げて上側位置にあるときには、注出コック210の操作レバー214eを手動操作可能な手動操作位置となる。コック操作装置220は筐体221内に注出コック210の操作レバー214eを前方に傾動させる操作機構部222を有しており、操作機構部222によって操作レバー214eを前後に傾動させることで第1及び第2供給路開閉弁212a,213aを開閉操作させる。操作機構部222はサーボモータ223と、前後に移動可能に支持されたスライダ224とを備えている。操作機構部222は、サーボモータ223の駆動によってスライダ224を前後に移動させ、操作レバー214eを前後に移動するスライダ224により前側に傾動させることで、飲料原液供給路212と炭酸水供給路213を開閉する第1及び第2供給路開閉弁212a,213aを開閉操作している。
図6に示したように、容器受台装置230は、注出コック210から注出されるハイボール等の炭酸飲料の原料となる炭酸水から炭酸ガスが抜けないようにすることを目的として、飲用容器を前後方向に傾斜可能としている。容器受台装置230は、上端部が装置本体11の前部に設けたブラケット231aに水平軸線回りに傾動可能に軸架された傾動基板231と、傾動基板231に取り付けた受台232とを備えている。
図6に示したように、受台傾動装置240は、傾動基板231を起立姿勢から傾斜姿勢の間で傾動させることで、受台232に載置した飲用容器を傾斜姿勢に傾動させるものである。受台傾動装置240は、サーボモータ241と、サーボモータ241の駆動によって前後に回動するアーム242とを有している。受台傾動装置240は、サーボモータ241によりアーム242を前方に延びるように回動させて、容器受台装置230の傾動基板231とともに飲用容器を前方に押し出して起立姿勢から傾斜姿勢に傾動させる。受台傾動装置240は、サーボモータ241によりアーム242を後方に退避させるように回動させて容器受台装置230の傾動基板231とともに飲用容器を後方に戻して、容器受台装置230の傾動基板231とともに飲用容器を傾斜姿勢から起立姿勢に復帰させる。
受台傾動装置240はマイクロスイッチ243を備え、マイクロスイッチ243は傾動基板231が傾斜姿勢及び起立姿勢であることを検知することにより、受台232に載置した飲用容器が傾斜姿勢及び起立姿勢であることを検知する。この実施形態では、傾動基板231の傾斜姿勢は鉛直方向から20°に傾斜する角度に設定されており、マイクロスイッチ243は傾動基板231が20°に傾斜すると傾斜姿勢であると検知する。受台傾動装置240はマイクロスイッチ243による傾動基板231の傾斜姿勢の角度を20°以外の角度にも設定可能となっている。なお、マイクロスイッチ243を用いずにサーボモータ241の回動角度を制御することによって、傾動基板231及び飲用容器の傾斜姿勢の角度を制御してもよい。傾動基板231及び飲用容器の傾斜姿勢は20°に限られるものでなく、20°以外の角度であってもよい。
装置本体11の下部には受台132,232の下側にドレンパン17が左右に設けられており、左右のドレンパン17は各受台132,232に載置した飲用容器から溢出した飲料や、注出コック110,210から垂れる飲料を受けるものである。
図14に示したように、第1及び第2自動注出ユニット12R,12Lは飲用容器に発泡性飲料と炭酸飲料を注出するのを制御する制御装置150,250を備えている。第1自動注出ユニット12Rの制御装置150は、コック操作装置120のサーボモータ123と、受台傾動装置140のサーボモータ141とマイクロスイッチ143と、に接続されている。第2自動注出ユニット12Lの制御装置250は、炭酸水生成装置20の水位センサ22と給水弁24と送水ポンプ25と、コック操作装置220のサーボモータ223と、受台傾動装置240のサーボモータ241とマイクロスイッチ243と、に接続されている。第1及び第2自動注出ユニット12R,12Lの各コック操作装置120,220の前面には操作パネル151,251が設けられており、各操作パネル151,251は各々の制御装置150,250に接続されている。
第1自動注出ユニット12Rの制御装置150のメモリにはビール等の発泡性飲料を自動注出する第1自動注出プログラムが記憶されており、第1自動注出プログラムの注出条件は飲用容器や発泡性飲料の種類に応じて設定可能となっている。操作パネル151の自動注出スイッチを操作して、第1自動注出ユニット12Rの第1自動注出プログラムを実行するときには、制御装置150は受台傾動装置140により傾動基板131を起立姿勢から傾斜姿勢に傾動させて受台132に載置した飲用容器を傾斜させ、コック操作装置120により注出コック110の操作レバー112を前側に傾動させ、弁機構部111aを液用開放状態で開放させる。発泡性飲料容器T内の発泡性飲料は飲料冷却管15を通過するときに冷却され、液用の注出ノズル113bから傾斜させた飲用容器の周壁内面に沿って注出される。このとき、液用の注出ノズル113bから注出される液状態の発泡性飲料は飲用容器の周壁内面に沿って流れ落ちるので飲用容器内で泡立たないように注出される。
傾斜させた飲用容器に約6割の発泡性飲料を注出すると、制御装置150は、受台傾動装置140により傾動基板131を傾斜姿勢から起立姿勢に戻して受台132に載置した飲用容器を起立させ、起立した飲用容器に7〜8割の液状態の発泡性飲料が注出されると、コック操作装置120により注出コック110の操作レバー112を後側に傾動させ、弁機構部111aを液用開放状態で開放させているのを閉止状態を経て泡用開放状態で開放させる。起立した飲用容器の上部に1〜2割の泡状態の発泡性飲料が注出されると、制御装置150はコック操作装置120により注出コック110の弁機構部111aを泡用開放状態から閉止状態に戻し、第1自動注出プログラムを終了する。
第2自動注出ユニット12Lの制御装置250のメモリにはハイボール等の炭酸飲料を自動注出する第2自動注出プログラムが記憶されており、第2自動注出プログラムの注出条件は飲用容器や炭酸飲料(飲料原液及び炭酸水)の種類に応じて設定可能となっている。特に、この第2自動注出プログラムは、強炭酸飲料と呼ばれる炭酸ガスの溶解量の多い炭酸飲料を飲用容器内で泡立つのを防ぐように自動注出するのに適したプログラムである。
操作パネル251の自動注出スイッチを操作して、第2自動注出ユニット12Lの第2自動注出プログラムを実行するときには、制御装置250は受台傾動装置240により傾動基板231を起立姿勢から傾斜姿勢に傾動させて受台232に載置した飲用容器を傾斜させ、コック操作装置220により注出コック210の操作レバー214eを前側に傾動させ、第1及び第2供給路開閉弁212a,213aを開放させる。第1供給路開閉弁212aの開放によって、飲料原液容器B内の飲料原液は飲料原液冷却管16を通過するときに冷却され、炭酸飲料用注出ノズル218の飲料原液注出口218iから飲用容器に注出される。また、第2供給路開閉弁213aの開放によって、炭酸水生成タンク21内にて生成された炭酸水は炭酸水送出管27を通過するときにさらに冷却され、炭酸飲料用注出ノズル218の炭酸水注出口218cから飲用容器に注出される。
炭酸水注出口218cから注出される炭酸水は飲用容器の周壁内面に沿って流れ落ちるので飲用容器内で泡立ちが抑えられた状態で注出される。また、飲料原液注出口218iから斜め前下方に注ぎ出される飲料原液は、上面開口が飲料原液注出口218i側となる斜め後上方を向くように傾斜させた飲用容器に注がれるので、飲用容器からこぼれることなく注がれる。傾斜させた飲用容器に6〜7割の飲料原液と炭酸水とからなる炭酸飲料が注出されると、制御装置250は、受台傾動装置240により傾動基板231を傾斜姿勢から起立姿勢に戻して受台232に載置した飲用容器を起立させ、起立した飲用容器に8〜9割の飲料原液と炭酸水とからなる炭酸飲料が注出されると、コック操作装置220により注出コック210の操作レバー214eを元の位置に戻し、第1及び第2供給路開閉弁212a,213aを閉止させ、第2自動注出プログラムを終了する。
この飲料自動注出装置10においては、第1及び第2自動注出ユニット12R,12Lの飲料経路を衛生的に管理して清浄に保つ必要があり、飲料経路を定期的に洗浄等のメンテナンスをするように推奨している。第1自動注出ユニット12Rでは、使用した日毎に飲料供給管T1と飲料冷却管15と注出コック110とに水を通水させる通水洗浄をし、1週間に1回、飲料供給管T1と飲料冷却管15にスポンジを通過させるスポンジ洗浄をし、注出コック110を分解洗浄するように推奨している。第1自動注出ユニット12Rでは、各構成部品の洗浄の仕方及び洗浄をする時期が一律となってなく、洗浄等のメンテナンスの実施時期の管理が面倒である。
第2自動注出ユニット12Lでは、使用した日毎に注出コック210の炭酸飲料用注出ノズル218とディフューザ217と円筒状コーン216とを取り外して分解洗浄し、1週間に1回、炭酸水生成装置20と飲料原液供給管B1と飲料原液冷却管16とに水を通水する通水洗浄をするように推奨している。このように、第2自動注出ユニット12Lでも、各構成部品の洗浄の仕方及び洗浄をする時期が一律となってなく、洗浄等のメンテナンスの実施時期の管理が面倒である。
また、飲料自動注出装置10を設置した飲食店によっては、1日当たりの注出量(注出回数)が上述した洗浄の実施時期で想定した注出量(注出回数)よりも多い場合があり、上述した洗浄等のメンテナンスの実施時期では清浄に保てないおそれもある。さらに、第1及び第2自動注出ユニット12R,12Lは互いに異なる飲料を注出するものであり、第1及び第2自動注出ユニット12R,12Lの一方が他方に比べて極端に多く注出されることもあり、少なく注出される他方を基準にして多く注出される一方を洗浄すると、多く注出される一方を清浄に保てないおそれがある。
このため、この飲料自動注出装置10は、洗浄等のメンテナンスの時期となったことを報知するメンテナンス時期報知プログラムを備えており、第1及び第2自動注出ユニット12R,12Lの各制御装置150,250は、自動注出プログラムを実行したときにカウントして累積した累積実行回数が飲料経路の構成部品でメンテナンスの時期を規定した実行回数となると、飲料経路の構成部品がメンテナンスの時期となったことを報知するように制御している。また、飲料経路の各構成部品は各々の洗浄等のメンテナンスの時期を有し、制御装置150,250は、複数の構成部品毎に累積実行回数をカウントし、飲料経路の複数の構成部品毎に洗浄等のメンテナンスの時期となったことを報知するように制御している。
図15に示したように、第1及び第2自動注出ユニット12R,12Lの各制御装置150,250は、メンテナンス時期報知プログラムを実行することにより、ステップ301にて、各自動注出プログラムを実行したか否かを判定し、操作パネル151,251の自動注出スイッチによるオン信号の入力がなければNOと判断してステップ301に戻す。制御装置150,250は、自動注出スイッチがオン操作されてオン信号が入力されるまでステップ301の処理を繰り返し実行しているなかで、自動注出スイッチのオン操作によるオン信号が入力されて自動注出プログラムを実行するとYESと判断してステップ302に進める。制御装置150,250は、ステップ302にて、飲料経路の各構成部品毎に記憶している自動注出プログラムの実行回数を加算してステップ303に進める。
制御装置150,250は、ステップ303にて、飲料経路の各構成部品毎の累積実行回数が各構成部品の洗浄等のメンテナンスの時期を規定した実行回数となったかを判定する。制御装置150,250のメモリには、1回当たりの注出量が設定されており、1回当たりの注出量と各構成部品毎の累積実行回数とを乗じて各構成部品毎の累積注出量を算出し、各構成部品の累積実行回数、すなわち累積注出量が洗浄等のメンテナンス時期を規定した注出量となったか否かを判定する。飲料経路の各構成部品毎の累積実行回数が洗浄等のメンテナンス時期を規定した実行回数となっていなければNOと判断してステップ301に戻す。
各構成部品毎の累積実行回数が洗浄等のメンテナンス時期を規定した実行回数となるまで、飲料を自動注出する自動注出プログラムを実行する度に実行回数を加算しながら、ステップ301〜303の処理を繰り返し実行している。このとき、例えば、第1自動注出ユニット12Rの注出コック110の累積実行回数が注出コック110の洗浄等のメンテナンス時期を規定する実行回数となると、制御装置150は、ステップ303にてYESと判断し、ステップ304にて、注出コック110の洗浄等のメンテナンス時期であることを例えば操作パネル151のランプを点灯させることによって表示(報知)させる。
制御装置150は、ステップ304の処理後にステップ305にて注出コック110の累積実行回数がリセットされたか否かを判定し、リセットされなければステップ304に戻して引き続き注出コック110が洗浄等のメンテナンス時期であることを表示する。飲食店の店員が注出コック110を洗浄後に例えば操作パネル151を操作して注出コック110の累積実行回数をリセットすると、制御装置150は、ステップ305にてYESと判断してステップ306に進め、ステップ306にて、洗浄等のメンテナンス時期であることを表示する操作パネル151のランプを消灯させてステップ301に戻す。
同様に、各構成部品毎の累積実行回数が洗浄等のメンテナンス時期を規定した実行回数となるまで、飲料を自動注出する自動注出プログラムを実行する度に実行回数を加算しながら、ステップ301〜303の処理を繰り返し実行している。このとき、例えば、第2自動注出ユニット12Lの注出コック210の累積実行回数が注出コック210の洗浄等のメンテナンス時期を規定する実行回数となると、制御装置250は、ステップ303にてYESと判断し、ステップ304にて、注出コック210の洗浄等のメンテナンス時期であることを例えば操作パネル251のランプを点灯させることによって表示(報知)させる。
制御装置250は、ステップ304の処理後にステップ305にて注出コック210の累積実行回数がリセットされたか否かを判定し、リセットされなければステップ304に戻して引き続き注出コック210が洗浄等のメンテナンス時期であることを表示する。飲食店の店員が注出コック210を洗浄後に例えば操作パネル251を操作して注出コック210の累積実行回数をリセットすると、制御装置250は、ステップ305にてYESと判断してステップ306に進め、ステップ306にて、操作パネル251の洗浄等のメンテナンス時期であることを表示するランプを消灯させてステップ301に戻す。
このように、第1及び第2自動注出ユニット12R,12Lの制御装置150,250は、各々の飲料経路の構成部品毎に実行回数をカウントして累積実行回数として記憶し、構成部品毎にカウントして累積した累積実行回数が飲料経路の構成部品毎の洗浄等のメンテナンス時期として規定した実行回数となると、構成部品毎に洗浄等のメンテナンスの時期となったことを操作パネル151,251に表示させている。
上記のように構成した飲料自動注出装置10においては、第1及び第2自動注出ユニット12R,12Lの制御装置150,250は、各々の自動注出プログラムを実行したときにカウントして累積した累積実行回数が各飲料経路の構成部品のメンテナンスの時期として規定した実行回数となると、飲料経路の構成部品がメンテナンスの時期となったことを報知するように制御している。
これにより、飲料経路の構成部品について洗浄等のメンテナンスの時期になったことを管理することなく受動的に知ることができ、飲料経路の洗浄等のメンテナンスをすることを促すことができる。特に、自動注出プログラムの累積実行回数に基づいて洗浄等のメンテナンスの時期になったことを表示しているので、飲料の注出頻度が低いときには短い間隔で不必要にメンテナンスの時期を促すのを防ぐことができるとともに、飲料の注出頻度が高いときには注出頻度に応じた適切な時期にメンテナンスをすることを促すことができるようになる。
飲料自動注出装置10は第1及び第2自動注出ユニット12R,12Lを備え、第1自動注出ユニット12Rの飲料経路は、この実施形態では、飲料を供給する飲料供給管T1と冷却する飲料冷却管15と飲料を注出する注出コック110とのように複数の構成部品から構成されており、各構成部品毎に洗浄等のメンテナンスの時期が規定されている。同様に、第2自動注出ユニット12Lの飲料経路は、この実施形態では、炭酸飲料の原料となる炭酸水を生成する炭酸水生成装置20と、炭酸飲料の原料となる飲料原液を供給する飲料原液供給管B1と冷却する飲料原液冷却管16と、飲料原液と炭酸水とを注出する注出コック210とのように複数の構成部品から構成されており、各構成部品毎に洗浄等のメンテナンスの時期が規定されている。
制御装置150,250は、各飲料経路の複数の構成部品毎に実行回数をカウントして累積実行回数として記憶し、累積実行回数が洗浄等のメンテナンスの時期を規定した実行回数となった構成部品について、洗浄等のメンテナンスの時期となったことを各操作パネル151,251に表示(報知)するように制御している。これにより、飲料経路の複数の構成部品毎にメンテナンスの時期になったことを管理することなく受動的に知ることができ、飲料経路の複数の構成部品毎に洗浄等のメンテナンスをすることを促すことができる。また、洗浄等のメンテナンスの時期となった飲料経路の構成部品を確実にメンテナンスすることができるとともに、洗浄等のメンテナンスの時期となっていない構成部品の不要なメンテナンスを控えることができ、洗浄等のメンテナンスの作業性を向上させることができる。
また、この飲料自動注出装置10は、第1及び第2自動注出ユニット12R,12Lで互いに異なる飲料を自動注出するものであり、第1及び第2自動注出ユニット12R,12Lで互いに飲料の注出量が異なることがある。この飲料自動注出装置10は、第1及び第2自動注出ユニット12R,12Lの制御装置150,250は、各々の自動注出プログラムを実行したときにカウントし、カウントして累積した累積実行回数が各飲料経路の構成部品のメンテナンスの時期を規定した実行回数となると、飲料経路の構成部品がメンテナンスの時期となったことを操作パネル151,251に表示(報知)するように制御している。これによって、第1及び第2自動注出ユニット12R,12Lは互いに注出量が異なっていても、各々で適切な時期に洗浄等のメンテナンスの時期を知ることができるようになる。
上述した実施形態の飲料自動注出装置10においては、制御装置150,250は、自動注出プログラムを実行したときにカウントして累積した累積実行回数が飲料経路の構成部品の洗浄等のメンテナンスの時期で規定した実行回数となると、飲料経路の構成部品が洗浄等のメンテナンスの時期となったことを表示(報知)するように制御している。本発明はこれに限られるものでなく、制御装置150,250は、自動注出プログラムを実行したときに開放させた弁機構部111a、第1及び第2供給路開閉弁212a,213aの開放時間を累積した累積開放時間が飲料経路の構成部品のメンテナンスの時期を規定した開放時間となると、飲料経路の構成部品がメンテナンスの時期となったことを表示(報知)するように制御したものであってもよい。
上述した実施形態の飲料自動注出装置10においては、制御装置150,250は、飲料経路の構成部品が洗浄等のメンテナンスの時期となったことを操作パネル151,152にランプを点灯させることで表示(報知)しているが、これに限られるものでなく、他の報知方法として、操作パネル151,152にランプを点滅させたり、液晶パネルを用いて表示させたり、警告音等の音や音声等で知らせるものであってもよい。
上述した実施形態の飲料自動注出装置10においては、メンテナンスの時期として洗浄の時期を報知するようにしているが、本発明はこれに限られるものでなく、メンテナンスの時期として飲料経路の構成部品の補修時期、交換時期を報知するようにしたものであってもよい。
10…飲料自動注出装置、11…装置本体、110…注出コック、111a…弁機構部、120…コック操作装置、130…容器受台装置、132…受台、150…制御装置、210…注出コック、212a…弁機構部(第1供給路開閉弁)、213a…弁機構部(第2供給路開閉弁)、220…コック操作装置、230…容器受台装置、232…受台、250…制御装置。

Claims (2)

  1. 装置本体の前部に設けられて、飲料が流れる飲料経路の注出部を構成し、内蔵する弁機構部を開放させて飲料を注出する注出コックと、
    前記装置本体の前部に設けられて、前記弁機構部を開閉操作させるコック操作装置と、
    前記注出コックの下側にて前記注出コックから注出される飲料を受ける飲用容器を載置する受台を有する容器受台装置と、
    前記コック操作装置により前記弁機構部を開放させることにより、前記飲用容器に飲料を自動注出するように制御する自動注出プログラムを有した制御装置とを備えた飲料自動注出装置であって、
    前記制御装置は、前記自動注出プログラムを実行したときにカウントして累積した累積実行回数、または、前記自動注出プログラムを実行したときに開放させた前記弁機構部の開放時間を累積した累積開放時間が前記飲料経路の構成部品でメンテナンスの時期を規定した実行回数または開放時間となると、前記飲料経路の構成部品がメンテナンスの時期となったことを報知するように制御したことを特徴とする飲料自動注出装置。
  2. 請求項1に記載の飲料自動注出装置において、
    前記飲料経路は複数の前記構成部品で構成され、複数の構成部品は各々のメンテナンスの時期を有し、
    前記制御装置は、前記複数の構成部品毎に前記累積実行回数または前記累積開放時間をカウントまたは計時し、
    前記飲料経路の複数の構成部品毎にメンテナンスの時期となったことを報知するように制御したことを特徴とする飲料自動注出装置。
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