JP2021029683A - 介護用椅子 - Google Patents
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Abstract
【課題】後方のスペースを確保しつつ、椅子を傾斜させることができる、介護用椅子を提供する。【解決手段】介護用椅子100は、基台3と、基台3上に支持される本体部2と、本体部2に支持される椅子ユニット1と、を備え、椅子ユニット1は、本体部2に上下動可能に支持され、水平方向に延びる第1部位111、及び第1部位111の後端部から上下方向に延びる第2部位112を有する支持体11と、支持体11に支持され、座部121及び背もたれを有する椅子12と、椅子12の背もたれ部122の上端部と支持体11の第2部位112とを連結するリンク部材127・128と、支持体11に対し、椅子12を固定する固定機構13と、を備え、椅子12の座部121は、支持体11の第1部位111に沿って水平方向に移動可能であり、リンク部材127・128は、椅子12の背もたれの上端部及び支持体11の第2部位112に対し、回動可能に連結されている。【選択図】図4
Description
本発明は、介護用椅子に関する。
従来より、被介護者の入浴を補助するための種々の介護用椅子が提案されている。例えば、特許文献1に開示された介護用椅子は、本体部と、この本体部の前面において上下動可能に取り付けられた椅子とを備えている。また、この椅子の背もたれの背面には水平方向に延びる回転軸が設けられており、この回転軸によって、椅子が本体部の前面において傾斜するようになっている。
そして、本体部を浴槽の脇に設置し、被介護者が座る椅子を傾斜させた状態で、この椅子を下降させると、被介護者の体全体を浴槽の湯に浸かられることができる。
ところが、上記のような介護用椅子は次のような問題がある。まず、椅子を傾斜させたとき、回転軸よりも上方の部分は、初期位置から後方に移動するため、椅子の後方に予めスペースを確保しておく必要がある。そのため、椅子の後方での介護者の作業スペースが制限されるとともに、浴槽を広く使えないおそれがある。本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、後方のスペースを確保しつつ、椅子を傾斜させることができる、介護用椅子を提供することを目的とする。
本発明に係る介護用椅子は、基台と、前記基台上に支持される本体部と、前記本体部に支持される椅子ユニットと、を備え、前記椅子ユニットは、前記本体部に上下動可能に支持され、略水平方向に延びる第1部位、及び前記第1部位の後端部から略上下方向に延びる第2部位を有する支持体と、前記支持体に支持され、座部及び背もたれを有する椅子と、前記椅子の背もたれ部の上端部と前記支持体の第2部位とを連結する少なくとも1つのリンク部材と、前記支持体に対し、前記椅子を固定する固定機構と、を備え、前記椅子の座部は、前記支持体の第1部位に沿って略水平方向に移動可能に構成され、前記リンク部材は、前記椅子の背もたれの上端部及び前記支持体の第2部位のそれぞれに対し、回動可能に連結されている。
上記介護用椅子において、前記背もたれ部は、前記座部と連結される背もたれ本体と、当該本体部の上端に回動可能に連結される延在部と、を備えることができ、前記リンク部材は、前記延在部と、前記支持体の第2部位とを連結することができる。
上記介護用椅子においては、第1の前記リンク部材、及び第2の前記リンク部材を備えることができ、前記背もたれ部は、前記座部と連結される背もたれ本体と、当該背もたれ本体の上端に回動可能に連結される延在部と、を備え、第1の前記リンク部材は、前記延在部と、前記支持体の第2部位とを連結し、第2の前記リンク部材は、前記延在部と前記背もたれ本体との連結部分と、前記支持体の第2部位とを連結するように構成することができる。
上記介護用椅子において、前記固定機構は、操作ハンドルを備えることができ、ユーザにより、前記操作ハンドルを略水平方向に移動させることで、前記椅子の座部が前記第1部位に沿ってスライドするように構成することができる。
上記介護用椅子において、前記支持体の第1部位は、前記座部の移動方向に沿って複数箇所に設けられた固定部を備えることができ、前記座部は、前記第1部位の各固定部に、着脱自在に固定されるように構成することができる。
上記介護用椅子において、前記固定機構は、前記操作ハンドルの操作によって、前記座部を前記固定部に対し着脱させるように構成することができる。
上記介護用椅子においては、前記基台上に配置され、前記本体部を水平方向にスライド可能に支持する第1レール部材をさらに備えることができ、前記本体部が、前記第1レール部材から、浴槽の框に設けられた第2レール部材にスライドしつつ移動するように構成することができる。
本発明に係る介護用椅子よれば、後方のスペースを確保しつつ、椅子を傾斜させることができる。
以下に、本発明に係る介護用椅子を利用した入浴介護システムの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、この入浴介護システムの側面図、図2は、図1の平面図である。図1及び図2に示すように、この入浴介護システムは、被介護者が入浴するのを介護するためのシステムであり、被介護者が座る介護用椅子100と、浴槽8に取付けられ、洗場Wにある介護用椅子100の椅子ユニットを浴槽8に案内するためのレールユニット200と、を有している。以下では、まず、介護用椅子100について説明し、その後、レールユニット200及びその使用方法について説明する。なお、以下では、説明の便宜のため、図1〜図3に示す方向にしたがって、説明を行なうこととする。
<1.介護用椅子>
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る介護用椅子100は、被介護者などの利用者を着座させる椅子ユニット1と、この椅子ユニット1を支持する本体部2と、この本体部2を移動可能に支持する基台3と、を備えている。以下、各部材について詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る介護用椅子100は、被介護者などの利用者を着座させる椅子ユニット1と、この椅子ユニット1を支持する本体部2と、この本体部2を移動可能に支持する基台3と、を備えている。以下、各部材について詳細に説明する。
<1−1.椅子ユニット>
まず、椅子ユニットについて、図3も参照しつつ説明する。図3は、支持体と椅子との分解斜視図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る椅子ユニット1は、側面視L字状に形成された支持体11と、この支持体11上で移動可能な椅子12と、椅子12を支持体11上で固定するための固定機構13と、を備えている。支持体11は、略水平方向に延びる第1部位111と、この第1部位111の後端部から略上方に延びる第2部位112と、が連結されることで構成されている。
まず、椅子ユニットについて、図3も参照しつつ説明する。図3は、支持体と椅子との分解斜視図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る椅子ユニット1は、側面視L字状に形成された支持体11と、この支持体11上で移動可能な椅子12と、椅子12を支持体11上で固定するための固定機構13と、を備えている。支持体11は、略水平方向に延びる第1部位111と、この第1部位111の後端部から略上方に延びる第2部位112と、が連結されることで構成されている。
図1及び図3に示すように、第2部位112は、板状に形成された第2部位本体113を備えており、その背面には、上下方向に延びるラック(図示省略)が固定されている。そして、このラックに、本体部2の前面から露出するピニオン(図示省略)が噛み合っている。このピニオンは、本体部2に内蔵されたモータ(図示省略)により正逆方向に回転駆動するようになっている。また、第2部位本体113の背面の両側には、上下方向に延びる一対の第1レール114が設けられており、これら第1レール114に、本体部2に設けられたローラ(図示省略)が回転可能に嵌まっている。これにより、第2部位112は、本体部2に対して上下動可能となっている。そして、本体部2のモータが駆動すると、第2部位112は、第1部位111とともに、本体部2に対して上下動するようになっている。すなわち、椅子ユニット1が、本体部2に対して上下動するように構成されている。
図3に示すように、第1部位111は、板状の第1部位本体115と、その上面の両側に設けられ、前後方向に延びる一対の第2レール116と、を備えている。これら第2レール116は、断面L字状または断面U字状に形成されており、後述するように、第1部位本体115と第2レール116との間に、椅子12に設けられたローラ126が嵌まるようになっている。また、これら一対の第2レール116には、前後方向に所定間隔をおいて3つの凹部(固定部)117a〜117cがそれぞれ形成されている。これら凹部117a〜117cには、後述するように、固定機構13の突部138が着脱自在に嵌まるようになっている。ここでは、説明の便宜のため、前方から後方へ並ぶ凹部を、この順で、第1凹部117a、第2凹部117b、及び第3凹部117cと称することとする。なお、図3及び後述する図6以外では、凹部117を省略して表示している。
次に、椅子12について説明する。図1及び図3に示すように、椅子12は、前後方向に延びる座部121と、この座部121の後端部に連結され、略上方に延びる背もたれ部122とを備えており、側面視L字状に形成されている。また、背もたれ部122は、座部121と連結される背もたれ部本体123と、その上端に回動可能に連結された延在部124とを備えており、いずれも両側が折り曲げられた断面U字型に形成されている。延在部124は、背もたれ部122の上下方向の長さの50%以下の長さに形成されており、主として、被介護者の頭部が載る部位である。延在部124の下端部の各側面は、背もたれ部本体123の各側面に対し、軸部材(図示省略)によって水平方向(左右方向)に延びる軸周りに回動可能に連結されている。これにより、延在部124は、背もたれ部本体123に対し揺動可能に連結されている。
また、延在部124と背もたれ部本体123との左右2箇所の連結部分には、第1リンク部材127の一端部が回動可能に連結されている。すなわち、延在部124と背もたれ部本体123とを連結する軸部材に、第1リンク部材127も連結されている。一方、第1リンク部材127の他端部は、支持体11の第2部位112の上端部の側面(第1レール114の側面)に回動可能に連結されている。さらに、延在部124の上端部の両側面には第2リンク部材128の一端部がそれぞれ回動可能に連結され、各第2リンク部材128の他端部は、第1リンク部材127よりも上方で、支持体11の第2部位112の上端部の各側面に回動可能に連結されている。
背もたれ部本体123の下端部には、水平方向に延びる回転軸を有するローラ126が設けられており、このローラ126が上述したように、第1部位111の第2レール116に嵌め込まれている。したがって、背もたれ部122の下端部は、第2レール116に沿って前後方向に移動可能となっている。
座部121と背もたれ部本体123とは一体的に形成されているため、例えば、座部121が前方へ引っ張られると、これにしたがって、背もたれ部本体123の下端部は、第1部位111に沿って前方に移動する。これに伴い、背もたれ部122も前方に移動するが、両リンク部材によって前方への移動が規制されつつ、下方に回動する。このとき、例えば、図4に示すように、背もたれ部122の延在部124は、両リンク部材によって第1部位と平衡状態を保ったまま下方に回動する。一方、背もたれ部本体123は、その上右端部が第1リンク部材に連結されているため、第1リンク部材に対し、前方へ揺動する。すなわち、背もたれ部本体123は、上下方向に対する傾斜角度が大きくなり、椅子に座っているユーザの主として首よりも下の胴体が傾斜するように支持される。
そして、座部121がさらに前方に引っ張られると、図5に示すように、両リンク部材127,128、延在部124、及び第2部位112が側面視において重なる状態になるまで、背もたれ部本体123が傾斜する。こうして、椅子12は全体として、支持体11上でチルトするようになっている。
次に、固定機構13について、図6A及び図6Bも参照しつつ説明する。図6A及び図6Bは、支持体の一部と固定機構との関係を示す側面図である。図6Aに示すように、固定機構13は、座部121の下面に取り付けられ、前側から後側へ並ぶ、第1連結部材131、第2連結部材132、及び第3連結部材133を備えており、これらがリンク機構を構成している。第1連結部材131は、その中間部が座部121の下面の前端付近に固定された第1軸部材134によって回転可能に固定されている。第1軸部材134は水平方向(左右方向)に延びる軸部材であり、後述する第2〜第4軸部材135〜137も同様に水平方向に延びている。また、第1連結部材131の前端には、操作ハンドル139が取り付けられている。したがって、図6Bに示すように、操作ハンドル139を上方に持ち上げると、第1連結部材131の後端部が下方に回転するようになっている。また、第1連結部材131の後端と第2連結部材132の前端とは第2軸部材135によって互いに回転可能に連結されている。さらに、第2連結部材132の後端と第3連結部材133の前端とは第3軸部材136によって互いに回転可能に連結されている。
第3連結部材133は、前端付近が上方へ凸となるように屈曲しており、この屈曲部分に第4軸部材137が取り付けられており、この第4軸部材は、座部121の下面に固定されている。したがって、図6Bに示すように、例えば、第3連結部材133の前端が後方に押し遣られて、下方に回転すると、第3連結部材133の後端は、上方に回転するようになっている。また、第3連結部材133の後端には、水平方向に延びる突部138が取り付けられており、この突部138は、上述した各第2レール116の各凹部117a〜117cに嵌まるようになっている。
以上のように構成された固定機構13は、次のように動作する。図1及び図6Aに示すように、初期状態において、突部138が第3凹部117cに嵌まっているとすると、これによって、座部121は、第1部位111上で動かないように固定される。この状態から、図6Bに示すように、操作ハンドル139を上方に持ち上げると、第1連結部材131の後端部が下方に回転し、これに伴って、第2連結部材132は、後方に押し遣られる。そして、第2連結部材132の後方への移動に伴って、第3連結部材133の先端が後方に押し遣られると、第3連結部材133は、第4軸部材137周りに回転し、後端が上方に回転するようになっている。その結果、突部138が第3凹部117cから離脱し、座部121は、第1部位111上を移動可能な状態となる。この状態で、操作ハンドル139を前方に引くと、座部121は前方に移動し、これに伴って、椅子全体が傾斜する。
そして、例えば、突部138が第1凹部117a上に配置されたときに、操作ハンドル139を下方に押し遣ると、第1〜第3連結部材131〜133は、上述したのと反対の向きに動作し、第3連結部材133の後端が、第4軸部材137周りに下方へ回転し、突部138が第1凹部117aに嵌まる。その結果、図5に示すように、椅子12は、最も傾斜した状態に保持される。なお、図4は、突部138が、第2凹部117bに嵌まっている状態を示している。
<1−2.本体部>
次に、本体部2について説明する。図1に示すように、本体部2は、直方体状のケーシング21と、このケーシング21に内蔵されているモータ(図示省略)と、を備えている。モータは、上述したようにピニオンを回転させるためのものである。ケーシング21の前面は、下方にいくにしたがって、前方に向かうように傾斜している。また、ケーシング21の前面にはガイドローラ(図示省略)が配置されており、このガイドローラが、上述した椅子ユニット1の第1レールに嵌め込まれている。これにより、椅子ユニット1は、ケーシング21の前側において上下動可能となっている。また、ケーシング21の前面が上記のように傾斜しているため、椅子ユニット1もこの傾斜に沿って上下動するように構成されている。例えば、椅子ユニット1がケーシング21に対して下方に移動すると、やや前方に向かうように移動する。
次に、本体部2について説明する。図1に示すように、本体部2は、直方体状のケーシング21と、このケーシング21に内蔵されているモータ(図示省略)と、を備えている。モータは、上述したようにピニオンを回転させるためのものである。ケーシング21の前面は、下方にいくにしたがって、前方に向かうように傾斜している。また、ケーシング21の前面にはガイドローラ(図示省略)が配置されており、このガイドローラが、上述した椅子ユニット1の第1レールに嵌め込まれている。これにより、椅子ユニット1は、ケーシング21の前側において上下動可能となっている。また、ケーシング21の前面が上記のように傾斜しているため、椅子ユニット1もこの傾斜に沿って上下動するように構成されている。例えば、椅子ユニット1がケーシング21に対して下方に移動すると、やや前方に向かうように移動する。
なお、後述するように、被介護者の入浴時には、椅子ユニット1と本体部2とが介護用椅子100から分離し、浴槽8側へ移動する。
<1−3.基台>
次に、基台3について説明する。基台3は、複数の車輪351,352が設けられた基部31と、本体部2を支持する第1レール部材32と、基部31から上方に延び、第1レール部材32を支持する支持部33と、を備えている。
次に、基台3について説明する。基台3は、複数の車輪351,352が設けられた基部31と、本体部2を支持する第1レール部材32と、基部31から上方に延び、第1レール部材32を支持する支持部33と、を備えている。
基部31は、前後方向に延びる一対の棒状の支持部材311を備えており、各支持部材311の前後の端部の下側に、それぞれ前輪351及び後輪352が取り付けられている。両支持部材311は、左右方向に所定間隔をあけて平行に配置されており、前端部側が第1連結部材312により連結されている。一方、両支持部材311の前後方向の中間付近は、第2連結部材(図示省略)によって連結されており、この第2連結部材から上述した支持部33が上方に延び、第1レール部材32を下側から支持している。
第1レール部材32は、左右方向に延びるレールを有しており、このレールにケーシング21の下端面が移動可能に嵌め込まれている。これにより、ケーシング21は、第1レール部材32に沿って左右方向に移動可能となっている。また、ケーシング21は、第1レール部材32上にあるとき、その位置をロックできるようになっている。さらに、第1レール部材32は、後述するように浴槽8の上面に設けられた第2レール部材9とほぼ同じ高さに設置されている。
<2.浴槽のレールユニット>
次に、浴槽のレールユニット200について説明する。まず、浴槽8について説明する。図2に示すように、浴槽8は、前後方向に平行に延びる第1壁部81及び第2壁部82と、左右方向に平行に延びる第3壁部83及び第4壁部84と、を有しており、平面視矩形状に形成されている。第1壁部81は左側(洗場W側)、第2壁部82は右側に配置されており、これらは浴槽8の長手方向に延びている。一方、第3壁部83は前側、第4壁部84が後側に配置されており、これらは浴槽8の短手方向に延びている。
次に、浴槽のレールユニット200について説明する。まず、浴槽8について説明する。図2に示すように、浴槽8は、前後方向に平行に延びる第1壁部81及び第2壁部82と、左右方向に平行に延びる第3壁部83及び第4壁部84と、を有しており、平面視矩形状に形成されている。第1壁部81は左側(洗場W側)、第2壁部82は右側に配置されており、これらは浴槽8の長手方向に延びている。一方、第3壁部83は前側、第4壁部84が後側に配置されており、これらは浴槽8の短手方向に延びている。
レールユニット200は、第1壁部81の上面に沿って配置される第1固定具71と、第2壁部82の上面に沿って配置される第2固定具72とを備えている。これら固定具71,72の下部には各壁部81,82を挟む挟持部材(図示省略)が取付けられており、この挟持部材によって各固定具71,72を各壁部81,82に固定している。
両固定具71,72の上面は平坦に形成されており、これら固定具71,72に跨がるように左右方向に延びる第2レール部材9が取付けられている。この第2レール部材の上面にはレールが設けられており、上述した椅子ユニットの本体部2のケーシング21がスライド可能となっている。
すなわち、第2レール部材9と、介護用椅子100の第1レール部材32とは概ね同じ高さに位置しており、第2レール部材9の左端部と、第1レール部材32の右端部とを接触させたときには、本体部2のケーシング21が、第1レール部材32と第2レール部材9とに亘ってスライドできるようになっている。また、第2レール部材9の左端部と、第1レール部材32の右端部とは、ロック可能となっている。さらに、第2レール部材9に受入れられたケーシング21は、第2レール部材9上で動かないようにロックできるようになっている。
<3.入浴介護システムの使用方法>
次に、上記のように構成された入浴介護システムの使用方法について、図7〜図9も参照しつつ説明する。ここでは、洗場Wに配置されている介護用椅子100の椅子12を浴槽8内に移動させ、椅子12に座る被介護者を浴槽8に浸からせる動作について説明する。
次に、上記のように構成された入浴介護システムの使用方法について、図7〜図9も参照しつつ説明する。ここでは、洗場Wに配置されている介護用椅子100の椅子12を浴槽8内に移動させ、椅子12に座る被介護者を浴槽8に浸からせる動作について説明する。
まず、図1に示すように、本体部2に対し椅子ユニット1を下降させ、被介護者を椅子12に座らせる。次に、固定機構13を操作し、椅子12を傾斜させた上で、図7に示すように、椅子ユニット1を第1壁部81よりも高い位置まで上昇させる。図7では、突部138を第1凹部117aに嵌め込んでいる。すなわち、椅子12を最も傾斜させている。但し、図4に示すように、突部138を第2凹部117bに嵌め込んでもよい。また、この前後に、第1レール部材32の右端部と第2レール部材9の左端部とを連結しておく。
次に、図8に示すように、本体部2を第1レール部材32から第2レール部材9へ向けてスライドさせる。こうして、本体部2とともに椅子ユニット1が浴槽8の上方に位置すると、本体部2がスライドしないように、その位置にロックする。
続いて、本体部2のモータを駆動し、図9に示すように、椅子ユニット1を浴槽8内へと降下させる。こうして、被介護者は椅子12に着座したままで、浴槽8内に入り、湯につかることができる。入浴の終了後には、これとは逆に椅子ユニット1を上昇させ、椅子ユニット1が浴槽8の上面を超える位置まで上昇すると、本体部2のスライドのロックを解除し、本体部2を洗場W側へスライドさせる。そして、本体部2が第1レール部材32上に移動すると、ロックをする。その後、椅子12を下降後、第2レール部材9と第1レール部材32とのロックを解除し、被介護者とともに介護用椅子100を移動させる。
<4.特徴>
本実施形態に係る介護用椅子によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係る介護用椅子によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)側面視L字状に形成された支持体11の前方に椅子12が設けられ、この椅子12が傾斜するように構成されているため、椅子12が大きく傾斜したとしても、支持体11よりも後方には移動しない。したがって、椅子12に座る被介護者の頭部は、支持体11より後方に倒れない。さらに、椅子12が傾斜したときには、背もたれ部122が後方に移動するので、座部121の先端位置が大きく変化しない。以上より、椅子12の変位が大きくないため、被介護者の不安を抑制することができる。
(2)椅子12の背もたれ部122が、背もたれ部本体123と延在部124とで構成され、延在部124が上下に配置された2つのリンク部材127,128によって支持体11に連結されているため、背もたれ部本体123が傾斜しても、延在部124の角度は概ね変わらない。そして、延在部124には、主として被介護者の頭部が配置されるため、頭部の角度は変わらず、頭部より下の胴体が傾斜するようになっている。したがって、被介護者の不安をさらに和らげることができる。
(3)椅子12が支持体11よりも後方に移動しないため、支持体11よりも後方には椅子12の傾斜のための動作領域を必要としない。したがって、本体部2を浴槽8の第4壁部84に近接させることができ、浴槽8を広く利用することができる。また、支持体11の後方において、介護者の動作スペースを確保することができる。
(4)椅子12は、座部121が前方に移動しつつ背もたれ部122が下方に移動することで、傾斜するため、傾斜させるために要する力を小さくすることができる。また、椅子12が傾斜したときに、支持体11と椅子12との間に大きいデッドスペースが形成されるのを抑制することができる。したがって、浴槽8を広く使用することができる。また、椅子12の傾斜によって被介護者が着座する位置が高くなるのを防止することができるため、これによっても、被介護者の不安を抑制することができる。
(5)椅子12は、座部121が前方にしつつ背もたれ部122が下方に移動することで、バランスよく椅子12が傾斜する。すなわち、従来例のように椅子全体が持ち上がるように傾斜しないため、転倒を防止することができる。さらに、椅子12を受ける支持体11や本体部2に作用する力が分散されるため、支持体11等に偏った力が作用するのを抑制することができる。その結果、介護用椅子100の損傷を防止することができる。
(6)操作ハンドル139を座部121の前方に設けているため、着座する被介護者側から椅子12の傾斜の操作を行うことができる。したがって、操作ハンドル139の操作時に、介護者が、被介護者と目線を合わす位置で作業を行うことができるため、被介護者の不安を抑制することができる。
<5.変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、いずれか1つを採用したり、あるいは複数の態様を問題なく組み合わせることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例は、いずれか1つを採用したり、あるいは複数の態様を問題なく組み合わせることができる。
<5−1>
椅子12の傾斜状態を固定するための固定機構13の構成は特には限定されず、種々の態様が可能である。すなわち、椅子12を手動で傾斜させることができれば、その構成は特には限定されない。また、傾斜位置を固定するために、突部138を凹部117に嵌め込んでいるが、これ以外の手段であっても、傾斜位置が固定できればよい。
椅子12の傾斜状態を固定するための固定機構13の構成は特には限定されず、種々の態様が可能である。すなわち、椅子12を手動で傾斜させることができれば、その構成は特には限定されない。また、傾斜位置を固定するために、突部138を凹部117に嵌め込んでいるが、これ以外の手段であっても、傾斜位置が固定できればよい。
<5−2>
上記実施形態では、椅子12と支持体11とを連結するのに、2つのリンク部材127,128を用いているが、例えば、図10Aに示すように、第2リンク部材128のみを用いてもよい。すなわち、背もたれ部本体123と延在部124との連結部分にはリンク部材を取り付けず、延在部124と支持体11とをリンク部材128で連結することができる。このように構成しても、図10Bに示すように、背もたれ部本体123が傾斜したときに、延在部124が大きく傾斜することが抑制される。したがって、被介護者の顔が上方に向くのを抑制でき、被介護者の不安を和らげることができる。
上記実施形態では、椅子12と支持体11とを連結するのに、2つのリンク部材127,128を用いているが、例えば、図10Aに示すように、第2リンク部材128のみを用いてもよい。すなわち、背もたれ部本体123と延在部124との連結部分にはリンク部材を取り付けず、延在部124と支持体11とをリンク部材128で連結することができる。このように構成しても、図10Bに示すように、背もたれ部本体123が傾斜したときに、延在部124が大きく傾斜することが抑制される。したがって、被介護者の顔が上方に向くのを抑制でき、被介護者の不安を和らげることができる。
<5−3>
また、延在部124を設けず、背もたれ部本体123のみで背もたれ部122を構成することもできる。例えば、図11Aに示すように、背もたれ部本体123の上端部と支持体11とをリンク部材127によって連結することができる。この場合、図11Bに示すように、被介護者の胴体は、背もたれ部本体123の傾斜とともに傾斜する。また、延在部124が設けられていないため、背もたれ部本体123の傾斜にかかわらず、被介護者の頭部は自由に動くことができる。したがって、被介護者の顔が強制的に上方に向くのを抑制することができる。
また、延在部124を設けず、背もたれ部本体123のみで背もたれ部122を構成することもできる。例えば、図11Aに示すように、背もたれ部本体123の上端部と支持体11とをリンク部材127によって連結することができる。この場合、図11Bに示すように、被介護者の胴体は、背もたれ部本体123の傾斜とともに傾斜する。また、延在部124が設けられていないため、背もたれ部本体123の傾斜にかかわらず、被介護者の頭部は自由に動くことができる。したがって、被介護者の顔が強制的に上方に向くのを抑制することができる。
<5−4>
上記のように、延在部の有無、リンク部材の位置、数は適宜変更することができる。すなわち、背もたれ部の少なくとも一部が、少なくとも1つのリンク部材によって支持体に連結されていればよい。その上で、椅子12の座部121が前方に移動しつつ、背もたれ部がリンク部材によって傾斜しつつ下降するように構成されていればよい。例えば、背もたれ部122(または背もたれ部本体123)の中間付近が折れ曲がるように構成し、この折れ曲がる部分にリンク部材を設けることもできる。
上記のように、延在部の有無、リンク部材の位置、数は適宜変更することができる。すなわち、背もたれ部の少なくとも一部が、少なくとも1つのリンク部材によって支持体に連結されていればよい。その上で、椅子12の座部121が前方に移動しつつ、背もたれ部がリンク部材によって傾斜しつつ下降するように構成されていればよい。例えば、背もたれ部122(または背もたれ部本体123)の中間付近が折れ曲がるように構成し、この折れ曲がる部分にリンク部材を設けることもできる。
<5−5>
上記実施形態では、手動で椅子12を傾斜させているが、電動により傾斜させることもできる。
上記実施形態では、手動で椅子12を傾斜させているが、電動により傾斜させることもできる。
<5−6>
本体部2に対して支持体11を上下動させるための手段は特には限定されず、ラック、ピニオン以外の手段でもよい。また、本体部2が基台3に対してスライドできるように構成しているが、必ずしもこの構成は必要ではなく、単に、基台3上に本体部2を固定し、本体部2に対して支持体が11上下動できるようにしてもよい。
本体部2に対して支持体11を上下動させるための手段は特には限定されず、ラック、ピニオン以外の手段でもよい。また、本体部2が基台3に対してスライドできるように構成しているが、必ずしもこの構成は必要ではなく、単に、基台3上に本体部2を固定し、本体部2に対して支持体が11上下動できるようにしてもよい。
<5−7>
基台3の構成は特には限定されず、必ずしも車輪がなくてもよい。また、車輪以外の手段で移動できるようにしてもよい。
基台3の構成は特には限定されず、必ずしも車輪がなくてもよい。また、車輪以外の手段で移動できるようにしてもよい。
100 介護用椅子
1 椅子ユニット
11 支持体
111 第1部位
112 第2部位
117a〜117c 凹部(固定部)
12 椅子
121 座部
122 背もたれ部
127 第1リンク部材
128 第2リンク部材
2 本体部
32 第1レール部材
9 第2レール部材
1 椅子ユニット
11 支持体
111 第1部位
112 第2部位
117a〜117c 凹部(固定部)
12 椅子
121 座部
122 背もたれ部
127 第1リンク部材
128 第2リンク部材
2 本体部
32 第1レール部材
9 第2レール部材
Claims (7)
- 基台と、
前記基台上に支持される本体部と、
前記本体部に支持される椅子ユニットと、
を備え、
前記椅子ユニットは、
前記本体部に上下動可能に支持され、略水平方向に延びる第1部位、及び前記第1部位の後端部から略上下方向に延びる第2部位を有する支持体と、
前記支持体に支持され、座部及び背もたれを有する椅子と、
前記椅子の背もたれ部の上端部と前記支持体の第2部位とを連結する少なくとも1つのリンク部材と、
前記支持体に対し、前記椅子を固定する固定機構と、
を備え、
前記椅子の座部は、前記支持体の第1部位に沿って略水平方向に移動可能に構成され、
前記リンク部材は、前記椅子の背もたれの上端部及び前記支持体の第2部位のそれぞれに対し、回動可能に連結されている、介護用椅子。 - 前記背もたれ部は、前記座部と連結される背もたれ本体と、当該本体部の上端に回動可能に連結される延在部と、を備え、
前記リンク部材は、前記延在部と、前記支持体の第2部位とを連結する、請求項1に記載の介護用椅子。 - 第1の前記リンク部材、及び第2の前記リンク部材を備え、
前記背もたれ部は、前記座部と連結される背もたれ本体と、当該背もたれ本体の上端に回動可能に連結される延在部と、を備え、
第1の前記リンク部材は、前記延在部と、前記支持体の第2部位とを連結し、 第2の前記リンク部材は、前記延在部と前記背もたれ本体との連結部分と、前記支持体の第2部位とを連結する、請求項1に記載の介護用椅子。 - 前記固定機構は、操作ハンドルを備え、
ユーザにより、前記操作ハンドルを略水平方向に移動させることで、前記椅子の座部が前記第1部位に沿ってスライドするように構成されている、請求項1から3のいずれかに記載の介護用椅子。 - 前記支持体の第1部位は、前記座部の移動方向に沿って複数箇所に設けられた固定部を備え、
前記座部は、前記第1部位の各固定部に、着脱自在に固定されるように構成されている、請求項4に記載の介護用椅子。 - 前記固定機構は、前記操作ハンドルの操作によって、前記座部を前記固定部に対し着脱させるように構成されている、請求項5に記載の介護用椅子。
- 前記基台上に配置され、前記本体部を水平方向にスライド可能に支持する第1レール部材をさらに備え、
前記本体部が、前記第1レール部材から、浴槽の框に設けられた第2レール部材にスライドしつつ移動するように構成されている、請求項1から6のいずれかに記載の介護用椅子。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019154119A JP2021029683A (ja) | 2019-08-26 | 2019-08-26 | 介護用椅子 |
TW109128522A TW202116275A (zh) | 2019-08-26 | 2020-08-21 | 照護用椅子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019154119A JP2021029683A (ja) | 2019-08-26 | 2019-08-26 | 介護用椅子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021029683A true JP2021029683A (ja) | 2021-03-01 |
Family
ID=74674442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019154119A Pending JP2021029683A (ja) | 2019-08-26 | 2019-08-26 | 介護用椅子 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021029683A (ja) |
TW (1) | TW202116275A (ja) |
-
2019
- 2019-08-26 JP JP2019154119A patent/JP2021029683A/ja active Pending
-
2020
- 2020-08-21 TW TW109128522A patent/TW202116275A/zh unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
TW202116275A (zh) | 2021-05-01 |
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