JP2021029178A - 起泡性粉末油脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、短時間の撹拌で起泡できる優れた起泡性を有し、風味、造花性、保型性が良好なホイップクリームを得ることができる起泡性粉末油脂を提供することである。【解決手段】上記課題を解決するために、(A)プロピレングリコール脂肪酸エステル1〜20質量%、(B)モノグリセリン不飽和脂肪酸エステル0.1〜3質量%、(C)ジグリセリン脂肪酸エステル0.01〜2質量%、及び食用油脂を含有するホイップクリーム用起泡性粉末油脂を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、起泡性食品を作ることができる起泡性粉末油脂に関する。より詳しくは、プロピレングリコール脂肪酸エステル、モノグリセリン不飽和脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステルを含む起泡性粉末油脂である。この起泡性粉末油脂は、水を加えて撹拌した時に短時間で起泡することができ、起泡後の造花性、保型性が良好なホイップクリームを得ることができる。また、本発明は、この起泡性粉末油脂を材料として含有するホイップクリームに関する。
ホイップクリームを提供するための生クリーム代替食品としては、植物性油脂や乳脂肪に乳化剤や安定剤などを添加して作った水中油型乳化物がある。これらは、生クリームに比べて起泡時の作業性、保管中における品質の安定性に優れているが、水を含んでいるために賞味期限が短くなりやすく保存性に問題がある。そこで、噴霧乾燥法や凍結乾燥法を用いて水分を除去した粉末タイプの生クリーム代替食品が開発されているが、これらは水中油型乳化物に比べて優れた保存性を有しているものの、起泡性が悪く起泡するのに時間を要する。
さらに、ホイップクリームにおいては、製造時の良好な起泡性、口金等を使用して花絞りをした際にホイップクリームのエッジに凸凹がなく均一な状態(造花性)と、絞った後に保管してもホイップクリームのエッジがダレない(保型性)が求められる。ホイップクリームは、ホイッパーなどを用いて撹拌することで、乳化液を解乳化させ、油脂を部分的に合一させることで適度な硬さや粘りを付与している。適度な硬さを有するホイップクリームは優れた造花性や保型性を示す。本願における造花性とは、起泡したホイップクリームを絞り袋に入れ、さらに口金から搾り出すといった、起泡後のホイップクリームを消泡してしまうような過酷な力がかかっても、硬さ、粘り、滑らかさのバランスが失なわれることなく維持されて達成される非常に高度な性能である。ただ単に硬さのみを付与した場合、保型性については向上するものの、花絞りをした際にエッジに凹凸ができてしまい、造花性がかえって悪化してしまう。したがって良好なホイップクリームを得るには、造花性と保型性を両立させることが必要となる。
また、ホイップクリームにおいて十分な起泡性を得るには、一定時間の撹拌作業が必要となる。一方で、昨今は労働者人口の減少に伴い、様々な業界において作業効率化、時短作業などが求められている。ホイップクリームを製造、提供するような食品製造業や外食業においても、より短い撹拌時間で作業が完了する時短性が求められる。すなわち良好な起泡性が求められている。さらに、起泡性、ホイップクリームの造花性、保型性について、ホイップクリームに使用する乳化剤を検討し上記の問題を解決する場合、その種類や添加量によっては乳化剤自体の味がホイップクリームの風味に影響することがある。そのため、起泡性、造花性、保型性といった性能とホイップクリームの風味を同時に良好に保つバランスが必要となる。
起泡性を有する粉末食品として、酢酸モノグリセリドを配合するとともに、特定のDSC曲線を示す油脂を含有した粉末油脂(特許文献1)や、炭素数20以上の飽和脂肪酸残基と炭素数18の不飽和脂肪酸残基を含む混酸基トリグリセリドを含有する粉末油脂(特許文献2)などが知られている。しかし、これらの粉末油脂では、十分な造花性、保型性が得られる硬さになるまでの撹拌時間が長く、時短性の面で課題が残る。また、十分な硬さが得られても造花性については考慮されておらず、造花性の面でも課題が残る。
特開2017−205059号公報 特開平05−236897号公報
本発明の目的は、短時間の撹拌で起泡できる優れた起泡性を有し、風味、造花性、保型性が良好なホイップクリームを得ることができる起泡性粉末油脂を提供することである。
発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の種類の乳化剤を特定の量で配合した起泡性粉末油脂を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は以下の[1]〜[2]である。
[1](A)プロピレングリコール脂肪酸エステル1〜20質量%、(B)モノグリセリン不飽和脂肪酸エステル0.1〜3質量%、(C)ジグリセリン脂肪酸エステル0.01〜2質量%、及び食用油脂を含有するホイップクリーム用起泡性粉末油脂。
[2][1]記載のホイップクリーム用起泡性粉末油脂を含有するホイップクリーム。
本発明によれば、短時間の撹拌で起泡できる優れた起泡性を有し、風味、造花性、保型性が良好なホイップクリームを得ることができる起泡性粉末油脂を提供することができる。
以下に、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の起泡性粉末油脂は、食用油に、特定量のプロピレングリコール脂肪酸エステル、モノグリセリン不飽和脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とするものである。
以下に、各成分について詳細に説明する。
[乳化剤]
(A)プロピレングリコール脂肪酸エステル
本発明に使用するプロピレングリコール脂肪酸エステルは、プロピレングリコールと脂肪酸のエステル化反応生成物である。工業的には、脂肪酸とプロピレングリコールとのエステル化による合成法と硬化パーム油、硬化大豆油、硬化菜種油などの硬化油とプロピレングリコールとのエステル交換後、分子蒸留する方法にて製造することが知られている。本発明において、プロピレングリコール脂肪酸エステルは、起泡性粉末油脂に水を加え撹拌して製造されるホイップクリームに起泡性を与え、短時間の撹拌でホイップクリームを起泡させることができる。
本発明に使用するプロピレングリコール脂肪酸エステルは、構成する脂肪酸の炭素数が12〜22、好ましくは16〜22である。脂肪酸は飽和脂肪酸であることが好ましい。プロピレングリコール脂肪酸エステルはモノエステルでもジエステルでもかまわないが、モノエステルが好ましく、ジエステルとの混合物であればモノエステルを50質量%以上であることが好ましい。
本発明の起泡性粉末油脂におけるプロピレングリコール脂肪酸エステルの含有量は、1〜20質量%であり、好ましくは5〜15質量%、さらに好ましくは7.5〜12.5質量%である。プロピレングリコール脂肪酸エステルの含有量が1質量%未満であると起泡性が不十分であり、20質量%を超えると乳化剤特有の風味が発現して好ましくない。また、20質量%を超えると起泡性粉末油脂を水に溶解したときに乳化不良となり、起泡できなくなる。
市販品としては、リケマールPP−100(プロピレングリコールモノパルミチン酸エステル、理研ビタミン(株)製)、リケマールPS−100(プロピレングリコールモノステアリン酸エステル、理研ビタミン(株)製)、カオーホモテックスPS−200V(プロピレングリコールモノステアリン酸エステル、花王(株)製)、EMP−1800(プロピレングリコールモノステアリン酸エステル、プロピレングリコールモノパルミチン酸エステル、(株)八代製)などがある。
(B)モノグリセリン不飽和脂肪酸エステル
本発明に使用するモノグリセリン不飽和脂肪酸エステルは、グリセリンと不飽和脂肪酸のエステル化反応生成物である。水を加え起泡性粉末油脂をホイップクリーム製造する際に、撹拌による乳化液の解乳化を促進する効果があり、短時間の撹拌作業でもホイップクリームに十分な保型性を付与することができる。
本発明に使用するモノグリセリン不飽和脂肪酸エステルは、構成する脂肪酸の炭素数としては、特に限定されず、好ましくは16〜22である。特に、オレイン酸、リノール酸などを構成脂肪酸とし、ヨウ素価が40以上のモノグリセリン不飽和脂肪酸エステルを用いることが好ましい。
本発明の起泡性粉末油脂におけるモノグリセリン不飽和脂肪酸エステルの含有量は、0.1〜3質量%であり、好ましくは0.5〜2.5質量%、さらに好ましくは1〜2質量%である。モノグリセリン不飽和脂肪酸エステルの含有量が0.1質量%未満では解乳化が不十分であり、短時間の撹拌において十分な造花性、保型性を得ることができず、3質量%を超えると、乳化剤特有の風味を感じるため好ましくない。さらには、3質量%を超えると、起泡性も低下する傾向が認められる。
市販品としては、エマルジーOL−100H(ヨウ素価65〜75、理研ビタミン(株)製)、エマルジーHRO(ヨウ素価75〜85、理研ビタミン(株)製)、エマルジーMO(M)(ヨウ素価80〜90、理研ビタミン(株)製)、エマルジーMU(ヨウ素価108〜120、理研ビタミン(株)製)などがある。
(C)ジグリセリン脂肪酸エステル
本発明に使用するジグリセリン脂肪酸エステルは、重合度が2のグリセリンと脂肪酸のエステル化反応生成物である。ジグリセリン脂肪酸エステルは、(B)成分のモノグリセリン不飽和脂肪酸エステルと併用することで、ホイップクリームを製造する際、撹拌による乳化液の解乳化を相乗的に促進する効果があるとともに、ホイップクリームの造花性を向上する効果があり、短時間の撹拌作業で造花性、保型性を付与することができる。
本発明に使用するジグリセリン脂肪酸エステルは、構成する脂肪酸の炭素数が12〜22、好ましくは14〜18である。飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよく、あるいは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の両方を含んでもよい。
本発明の起泡性粉末油脂におけるジグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、0.01〜2質量%であり、好ましくは0.05〜1.5質量%、さらに好ましくは0.5〜1質量%である。ジグリセリン脂肪酸エステルの含有量が0.01質量%未満ではホイップクリームの製造時の解乳化を促進できず、短時間の撹拌で十分な造花性、保型性を得ることが容易ではない。2質量%を超えると、乳化液の解乳化が過剰に促進されて、かえって造花性が低下するだけでなく、乳化剤特有の風味を感じるため好ましくない。
市販品としては、ポエムDM−100(ジグリセリンモノミリスチン酸エステル、理研ビタミン(株)製)、ポエムDP−95RF(ジグリセリンモノパルミチン酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル、理研ビタミン(株)製)、ポエムDS−100A(ジグリセリンモノステアリン酸エステル、理研ビタミン(株)製)、サンソフトQ−18D(ジグリセリンモノステアリン酸エステル、太陽化学(株)製)、サンソフトQ−18B(ジグリセリンモノ・ジステアリン酸エステル、太陽化学(株)製)、ポエムDS−80RF(ジグリセリンモノステアリン酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル、理研ビタミン(株)製)、ポエムDO−100V(ジグリセリンモノオレイン酸エステル、理研ビタミン(株)製)、サンソフトQ−17B(ジグリセリンモノ・ジオレイン酸エステル、太陽化学(株)製)などがある。
なお、本発明の起泡性粉末油脂において、(A)プロピレングリコール脂肪酸エステル、(B)モノグリセリン不飽和脂肪酸エステル及び(C)ジグリセリン脂肪酸エステルの含有量の比率は、(A)プロピレングリコール脂肪酸エステル1質量部に対して、(B)モノグリセリン不飽和脂肪酸エステル0.01〜2質量部、(C)ジグリセリン脂肪酸エステル0.001〜1質量部が好ましい。さらに、(B)モノグリセリン不飽和脂肪酸エステル1質量部に対して(C)ジグリセリン脂肪酸エステル0.005〜10質量部が好ましい。
[食用油脂]
本発明に使用する食用油脂としては特に限定されないが、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ油、綿実油、落花生油、米油、トウモロコシ油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア油、サル脂、イリッペ脂、ボルネオタロー脂、カカオ脂、ヤシ脂、パーム核油等の植物油脂ならびに、乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物性油脂、さらには、原料に応じて硬化、分別、エステル交換などの処理を施したものが使用できる。また、これらの油脂を各々単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明においては、ホイップクリームに十分な保型性を付与するという観点から、低温(10℃)で固体の油脂を使用することが好ましい。
起泡性粉末油脂中の食用油脂の含有量は、特に限定されないが、下限値として、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上であり、上限値として、好ましくは80質量%以下であり、より好ましくは70質量%以下である。この範囲とすることにより、優れた起泡性を有するという本発明の効果を一層発揮することができる。
また、本発明の起泡性粉末油脂において、食用油脂に対する(A)プロピレングリコール脂肪酸エステル、(B)モノグリセリン不飽和脂肪酸エステル及び(C)ジグリセリン脂肪酸エステルの合計〔(A)+(B)+(C)〕は特に限定されないが、食用油脂100質量部に対して、好ましくは5〜50質量部であり、より好ましくは10〜30質量部である。この範囲とすることにより、優れた起泡性を有するという本発明の効果を一層発揮することができる。
[粉末化基材]
本発明の起泡性粉末油脂における粉末化基材は、油脂の被覆剤として機能する。粉末化基材としては、従来の公知の粉末油脂に用いられる粉末化基材であれば特に限定されないが、乳蛋白、大豆蛋白、小麦蛋白、全脂粉乳、脱脂粉乳、小麦粉、澱粉、ゼラチン、増粘多糖類、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等の単糖、ラクトース、スクロース、マルトース等の二糖類、オリゴ糖、トレハロース、デキストリン、プルラン、セルロースなどの糖類を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[その他の成分]
本発明の起泡性粉末油脂は、上記で述べた成分のほか、従来の粉末油脂に用いられる公知の成分を含んでもよい。そのような成分としては、起泡性粉末油脂の製造時や再溶解したときの乳化液の安定性を高めるための乳化剤が挙げられ、例えば、前記以外のグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、有機酸グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。あるいは、酸化防止剤、香料、着色料等が挙げられる。
[起泡性粉末油脂の製造方法]
本発明の起泡性粉末油脂は、従来の公知の方法で製造できる。例えば、水、油脂、粉末化基材、乳化剤、及び必要に応じて他の成分を配合して水中油型に乳化後(乳化工程)、乳化液をホモジナイザーなどで均質化(微細化工程)して得られた水中油型乳化物を噴霧乾燥や真空乾燥、真空凍結乾燥などの方法で粉末化することによって製造することができる。乾燥後の本発明の起泡性粉末油脂は、油脂が粉末化基材で覆われた形状である。なお、乾燥後において、水分を完全に除去する必要がなく、例えば、10質量%以下の水分が残存してもかまわない。
本発明の起泡性粉末油脂に水を加えて撹拌することでホイップクリームにすることができる。加える水の量は特に限定されないが、本発明の起泡性粉末油脂100質量部に対して、好ましくは80〜300質量部であり、より好ましくは100〜200質量部である。
撹拌時の水の温度は、1〜15℃が好ましい。また、本発明の起泡性粉末油脂は、撹拌速度にもよるが、通常1〜3分で、十分に起泡することができる。
次に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
[起泡性粉末油脂の製造]
(実施例1)
表1の組成(質量%)となるように以下の方法により起泡性粉末油脂を製造した。すなわち、油相部として、食用油脂(パーム油)550g、プロピレングリコール脂肪酸エステル100g、モノグリセリン不飽和脂肪酸エステル15g、モノグリセリン飽和脂肪酸エステル5g、ジグリセリン脂肪酸エステル8gを混合し、撹拌しながら70℃に加熱して加熱溶解した。水相部として、水1011g、カゼインナトリウム60g、ラクトース251gを混合し、撹拌しながら70℃に加熱して溶解した。水相部を撹拌しながら油相部を添加した後、圧力式ホモジナイザーを用いて150kg/cmの圧力で均質化し、水中油型の乳化液を得た。得られた乳化液を回転ディスク式スプレードライヤーにて、入口温度180℃で噴霧乾燥することにより起泡性粉末油脂を得た。なお、乾燥後に、乾燥減量法(105℃、3時間)にて残留水分量を測定した。
*1:リケマールPS−100 (理研ビタミン(株)社製)
*2:エマルジーOL−100H (ヨウ素価65〜75、理研ビタミン(株)社製)
*3:エマルジーHRO (ヨウ素価75〜85、理研ビタミン(株)社製)
*4:ポエムDOV−100C (理研ビタミン(株)社製)
*5:ポエムDM−100 (理研ビタミン(株)社製)
*6:エマルジーMS (ヨウ素価2以下、理研ビタミン(株)社製)
(実施例2〜7、比較例1〜6)
実施例2〜7および比較例1〜6は、水のみ実施例1の製造時と同量配合し、その他の成分は表1および表2に示した組成となるように実施例1に準じて起泡性粉末油脂を製造した。
*1:リケマールPS−100 (理研ビタミン(株)社製)
*3:エマルジーHRO (ヨウ素価75〜85、理研ビタミン(株)社製)
*4:ポエムDOV−100C (理研ビタミン(株)社製)
*5:エマルジーMS (ヨウ素価2以下、理研ビタミン(株)社製)
[ホイップクリームの製造]
卓上ミキサー(型式:N−50、ホバートジャパン(株)社製)に、上記の方法で製造した起泡性粉末油脂200gと、冷水(5℃)400gを入れて、2速にて90秒撹拌してホイップクリームを得た。得られたホイップクリームは評価に用いた。評価項目は、「起泡性」、「造花性」、「保型性」、「風味」とし、評価結果は、表1および表2に示した。
[起泡性の評価]
起泡性は、得られたホイップクリームの比重を測定して評価した。すなわち比重が小さいほうが、ホイップクリームに多くの空気が含まれており、起泡性が優れていることを表す。
◎:0.4g/ml未満
○:0.4g/ml以上0.5g/ml未満
△:0.5g/ml以上0.6g/ml未満
×:0.6g/ml以上
[造花性の評価]
造花性は、得られたホイップクリームを星型の口金をつけた絞り袋にて搾り出し、エッジの凹凸の有無で評価した。以下の評価基準で目視評価し、搾り出したクリームのエッジに凹凸が全くなく均一であるものを造花性良好として3点、僅かに凹凸があるがほぼ均一であるものを2点、凹凸があり不均一であるものを造花性不良として1点とした。
評価を8回繰り返し、平均点が2.5点以上を◎、2.0点以上2.5点未満を○、1.5点以上2.0点未満を△、1.5点未満を×と評価した。
[保型性の評価]
保型性は、得られたホイップクリームを星型の口金をつけた絞り袋にて搾り出し、20℃の恒温槽で1時間静置したときのエッジの形状で評価した。以下の評価基準で目視評価し、搾り出したクリームにダレがなく、エッジが鮮明であるものを保型性良好として3点、一部ダレており、エッジがやや不鮮明であるものを2点、完全にダレており、エッジが不鮮明であるものを保型性不良として1点とした。
評価を8回繰り返し、平均点が2.5点以上を◎、2.0点以上2.5点未満を○、1.5点以上2.0点未満を△、1.5点未満を×と評価した。
[風味の評価]
ホイップクリームを喫食し、風味について、8名のパネラーで官能評価した。官能評価においては、異味を感じないものを3点、喉の奥でえぐみ・苦みを感じるものを2点、口に入れたらすぐにえぐみ・苦みを感じるものを1点とした。
パネラー8名の平均値が、2.5点以上を◎、2.0点以上2.5点未満を○、1.5点以上2.0点未満を△、1.5点未満を×と評価した。
表1の結果より、本発明によって特定された(A)プロピレングリコール脂肪酸エステル、(B)モノグリセリン不飽和脂肪酸エステル、(C)ジグリセリン脂肪酸エステルを特定量含む起泡性粉末油脂は、水を加えた後、短時間の撹拌で起泡できる優れた起泡性を有し、風味、造花性、保型性が良好なホイップクリームを得ることができる起泡性粉末油脂であることがわかる。表2において、(A)プロピレングリコール脂肪酸エステルの含有量が足りない場合(比較例1)、(B)モノグリセリン不飽和脂肪酸エステルの含有量が足りなかったり多過ぎる場合(比較例3、4)、(C)ジグリセリン脂肪酸エステルの含有量が足りなかったり多過ぎる場合(比較例5、6)は、起泡性、風味、造花性、保型性の全てが良好なホイップクリームを得ることが難しいことがわかる。また、(A)プロピレングリコール脂肪酸エステルの含有量が多すぎる場合(比較例2)、起泡性粉末油脂を水に溶解したときに乳化不良となり、起泡できない。

Claims (2)

  1. (A)プロピレングリコール脂肪酸エステル1〜20質量%、(B)モノグリセリン不飽和脂肪酸エステル0.1〜3質量%、(C)ジグリセリン脂肪酸エステル0.01〜2質量%、及び食用油脂を含有するホイップクリーム用起泡性粉末油脂。
  2. 請求項1記載のホイップクリーム用起泡性粉末油脂を含有するホイップクリーム。


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