JP2021029063A - Pwm信号測定装置、モータ駆動制御装置、pwm信号測定方法、およびモータ駆動制御方法 - Google Patents

Pwm信号測定装置、モータ駆動制御装置、pwm信号測定方法、およびモータ駆動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】幅広い周波数範囲のPWM信号の測定を可能にする。【解決手段】PWM信号測定装置(20)は、PWM信号(Sc)の周波数(f)およびデューティ比を測定するキャプチャ方式の第1デューティ比測定部(24)と、平滑回路(13)によって前記PWM信号を平滑化した平滑電圧(Vad)を測定する電圧測定部(23)と、前記平滑電圧の測定値(Vadm)に基づいて、前記PWM信号のデューティ比を測定する平滑化方式の第2デューティ比測定部(25)と、周波数の測定値と平滑電圧の測定値とに基づいて、前記キャプチャ方式と前記平滑化方式の何れか一方を選択する測定方式選択部(26)と、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、PWM信号測定装置、モータ駆動制御装置、PWM信号測定方法、およびモータ駆動制御方法に関し、PWM信号のデューティ比を測定するためのPWM信号測定装置に関する。
上位装置から入力される速度指令信号に応じて、モータの回転速度を制御するモータ駆動制御装置が知られている。例えば、ファンモータ等では、速度指令信号として、パルス幅変調(PWM)によりモータの目標回転速度に対応するデューティ比を有する信号(以下、単に「PWM信号」)が用いられることがよく知られている。
モータ駆動制御装置は、例えば、上位装置から速度指令信号としてのPWM信号が入力されると、そのPWM信号のデューティ比を測定し、測定したデューティ比に基づいて目標回転速度を算出し、モータが目標回転速度で回転するようにモータを制御する。
従来、PWM信号のデューティ比を測定する技術として、キャプチャ方式と平滑化方式が知られている。
キャプチャ方式は、測定対象のPWM信号(パルス)のエッジの変化に基づいて、PWM信号の周期、PWM信号がハイレベルとなるハイ期間、およびPWM信号がローレベルとなるロー期間を、PWM信号よりも周波数が高いクロックを用いて測定する方式である(特許文献1参照)。
平滑化方式は、測定対象のPWM信号をローパスフィルタ(平滑回路)で平滑化した電圧を測定することにより、PWM信号のデューティ比を測定する方式である(特許文献2参照)。
特開2010−283908号公報 特開2016−226263号公報
従来のモータ駆動制御装置では、モータを適用するアプリケーションにおいて使用されるPWM信号(速度指令信号)の周波数(周期)に応じて、キャプチャ方式を採用するか平滑化方式を採用するかを決定していた。
従来、キャプチャ方式を採用した場合、PWM信号のデューティ比の測定精度を担保するために、仕様書においてPWM信号の使用可能な周波数範囲を制限したり、デューティ比0%近傍および100%近傍におけるモータの回転速度の直線性を犠牲にしたりする必要があった。また、平滑化方式を採用した場合、PWM信号のデューティ比の測定精度を担保するために、使用されるPWM信号の周波数対応範囲毎に、ローパスフィルタ(平滑回路)の時定数を調整する必要があった。
このように、従来のモータ駆動制御装置では、モータを適用するアプリケーション等によって速度指令信号(PWM信号)の周波数範囲が異なる場合には、アプリケーション毎の速度指令信号の周波数範囲に応じて速度指令信号のデューティ比を測定するための適切な回路を設計する必要があり、モータ駆動制御装置の設計期間の長期化や製造コストの増大を招いていた。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、幅広い周波数範囲のPWM信号の測定を実現することを目的とする。
本発明の代表的な実施の形態に係るPWM信号測定装置は、PWM信号のエッジに基づく期間を測定用クロックによって測定し、前記期間の測定値に基づいて前記PWM信号の周波数およびデューティ比を測定するキャプチャ方式の第1デューティ比測定部と、平滑回路によって前記PWM信号を平滑化した平滑電圧を測定する電圧測定部と、前記平滑電圧の測定値に基づいて、前記PWM信号のデューティ比を測定する平滑化方式の第2デューティ比測定部と、前記PWM信号の周波数の測定値と前記平滑電圧の測定値とに基づいて、前記キャプチャ方式と前記平滑化方式の何れか一方を、前記PWM信号のデューティ比を測定するための測定方式として選択する測定方式選択部と、を有する。
本発明に係るPWM信号測定装置によれば、幅広い周波数範囲のPWM信号の測定が可能となる。
実施の形態1に係るモータ駆動制御装置を備えたモータユニット100の構成を示すブロック図である。 PWM入力回路および平滑回路の回路構成例を示す図である。 PWM入力回路および平滑回路の別の回路構成例を示す図である。 図2Aに示すPWM入力回路および平滑回路の信号の一例を示すタイミングチャートである。 図2Bに示すPWM入力回路および平滑回路の信号の一例を示すタイミングチャートである。 実施の形態1に係るモータ駆動制御装置の制御部の機能ブロック図である。 キャプチャ方式によるPWM信号のデューティ比の測定方法の概要を示す図である。 デューティ比が0%近傍のPWM信号をキャプチャ方式で測定する場合の概要を示す図である。 平滑化方式による周波数の高い(周期の短い)PWM信号のデューティ比の測定方法の概要を示す図である。 平滑化方式による周波数の低い(周期の長い)PWM信号のデューティ比の測定方法の概要を示す図である。 PWM信号の平滑電圧Vadの電圧測定値VadmとPWM信号のデューティ比との関係を示す図である。 実施の形態1に係るモータ駆動制御装置における、電圧測定値VadmとPWM信号のデューティ比の対応関係情報を説明するための図である。 実施の形態1に係るモータ駆動制御装置によるPWM信号のデューティ比の測定方式の選択方法を説明するための図である。 実施の形態1に係るモータ駆動制御装置によるデューティ比の測定方法の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1に係るモータ駆動制御装置による測定方式選択処理(ステップS8)の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1に係るモータ駆動制御装置による測定方式選択処理(ステップS8)の流れを示すフローチャートである。 実施の形態2に係るモータ駆動制御装置の制御部の機能ブロック図である。 実施の形態2に係るモータ駆動制御装置における、電圧測定値VadmとPWM信号のデューティ比の対応関係情報を説明するための図である。 実施の形態2に係るモータ駆動制御装置によるPWM信号のデューティ比の測定方式の選択方法を説明するための図である。 実施の形態2に係るモータ駆動制御装置による測定方式選択処理(ステップS8)の流れを示すフローチャートである。 実施の形態2に係るモータ駆動制御装置による測定方式選択処理(ステップS8)の流れを示すフローチャートである。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るPWM信号測定装置(20,20A)は、PWM信号(PWM信号Sc)のエッジに基づく期間を測定用クロック(Clk)によって測定し、前記期間の測定値に基づいて前記PWM信号の周波数(f)およびデューティ比を測定するキャプチャ方式の第1デューティ比測定部(24)と、平滑回路(13)によって前記PWM信号を平滑化した平滑電圧(Vad)を測定する電圧測定部(23)と、前記平滑電圧の測定値(Vadm)に基づいて、前記PWM信号のデューティ比を測定する平滑化方式の第2デューティ比測定部(25)と、前記PWM信号の周波数の測定値と前記平滑電圧の測定値とに基づいて、前記キャプチャ方式と前記平滑化方式の何れか一方を、前記PWM信号のデューティ比を測定するための測定方式として選択する測定方式選択部(26,26A)と、を有する。
〔2〕上記〔1〕に記載のPWM信号測定装置(20,20A)において、前記PWM信号の周波数に関する閾値(f_HP,f_AP,f_LP)と前記PWM信号を平滑化した電圧に関する閾値(VL_AP,VL_HP,VH_HP,VH_AP,VL_AP2,VL_HP2,VH_HP2,VH_AP2)とで区分される複数の区分領域(A,B,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1,F2,G1,G2,I1,I2,H)毎に、前記キャプチャ方式と前記平滑化方式の少なくとも一方が前記測定方式として割り当てられ、前記測定方式選択部は、前記平滑電圧の測定値と前記PWM信号の周波数の測定値とに基づいて前記区分領域を特定し、特定した前記区分領域に割り当てられた前記測定方式を選択してもよい。
〔3〕上記〔2〕に記載のPWM信号測定装置(20,20A)において、前記PWM信号の周波数に関する閾値は、前記キャプチャ方式によってデューティ比が測定可能な前記PWM信号の周波数の上限を規定する上限周波数(f_HP)と、前記キャプチャ方式によってデューティ比が測定可能な前記PWM信号の周波数の下限を規定する下限周波数(f_LP)と、前記上限周波数と前記下限周波数との間の、前記平滑化方式によってデューティ比が測定可能な前記PWM信号の周波数を規定する平滑化可能周波数(f_AP)とを含み、前記測定方式選択部は、前記PWM信号の周波数の測定値が前記平滑化可能周波数以下の場合に、前記キャプチャ方式を選択し、前記PWM信号の周波数の測定値が前記平滑化可能周波数よりも高い場合に、前記キャプチャ方式または前記平滑化方式を選択してもよい。
〔4〕上記〔3〕に記載のPWM信号測定装置(20,20A)において、前記PWM信号を平滑化した電圧に関する閾値は、前記測定用クロックの1周期に相当する一方のレベル期間を有する前記平滑化可能周波数のパルスのデューティ比に対応する第1低デューティ側電圧(VH_AP)と、前記測定用クロックの1周期に相当する他方のレベル期間を有する前記平滑化可能周波数のパルスのデューティ比に対応する第1高デューティ側電圧(VL_AP)と、を含み、前記測定方式選択部(26,26A)は、前記平滑電圧の測定値が前記第1低デューティ側電圧(VH_AP)、前記上限周波数(f_HP)、および前記下限周波数(f_LP)によって囲まれる領域(C1)に存在する場合、または前記平滑電圧の測定値が前記第1高デューティ側電圧(VL_AP)、前記上限周波数(f_HP)、および前記下限周波数(f_LP)によって囲まれる領域(C2)に存在する場合に、予め設定された固定デューティ比を選択してもよい。
〔5〕上記〔4〕に記載のPWM信号測定装置(20,20A)において、前記測定用クロックの1周期に相当する一方のレベル期間を有する前記上限周波数のパルスのデューティ比に対応する第2低デューティ側電圧(VH_HP)と、前記測定用クロックの1周期に相当する他方のレベル期間を有する前記上限周波数のパルスのデューティ比に対応する第2高デューティ側電圧(VL_HP)と、を含み、前記複数の区分領域は、前記平滑化可能周波数における前記第1低デューティ側電圧と前記上限周波数における前記第2低デューティ側電圧とを結ぶ第1境界線(L1)、前記第1低デューティ側電圧(VH_AP)、および前記上限周波数(f_HP)によって囲まれる第1領域(D1)と、前記平滑化可能周波数における前記第1高デューティ側電圧(VL_AP)と前記上限周波数における前記第2高デューティ側電圧とを結ぶ第2境界線(L2)、前記第1高デューティ側電圧(VL_AP)、および前記上限周波数(f_HP)によって囲まれる第2領域(D2)とを含み、前記測定方式選択部は、前記平滑電圧の測定値と前記周波数の測定値とによって特定される特定点が前記第1領域内に存在する場合または前記特定点が前記第2領域内に存在する場合に、前記平滑化方式を選択してもよい。
〔6〕上記〔5〕に記載のPWM信号測定装置(20)において、前記複数の区分領域は、前記平滑化可能周波数における前記第1低デューティ側電圧と前記上限周波数における前記第2低デューティ側電圧とを結ぶ第1境界線(L1)、前記平滑化可能周波数における前記第1高デューティ側電圧と前記上限周波数における前記第2高デューティ側電圧とを結ぶ第2境界線(L2)、前記平滑化可能周波数(f_AP)、および前記上限周波数(f_HP)によって囲まれる所定領域(E1+E2+B)を更に含み、前記測定方式選択部は、前記特定点が前記所定領域内に存在する場合に、前記キャプチャ方式を選択してもよい。
〔7〕上記〔5〕に記載のPWM信号測定装置(20)において、前記複数の区分領域は、前記第1境界線(L1)、前記第2低デューティ側電圧(VH_HP)、および前記平滑化可能周波数(f_AP)によって囲まれる第3領域(E1)と、前記第2境界線(L2)、前記第2高デューティ側電圧(VL_HP)、および前記平滑化可能周波数(f_AP)によって囲まれる第4領域(E2)とを更に含み、前記測定方式選択部は、前記特定点が前記第3領域内に存在する場合または前記特定点が前記第4領域内に存在する場合に、前記第1デューティ比測定部によるデューティ比の測定値(DR1)と前記第2デューティ比測定部によるデューティ比の測定値(DR2)との差分(|DR1−DR2|)を算出し、前記差分が所定の閾値よりも小さい場合に、前記キャプチャ方式を選択し、前記差分が前記所定の閾値以上の場合に、前記平滑化方式を選択してもよい。
〔8〕上記〔5〕または〔6〕に記載のPWM信号測定装置(20A)において、前記測定用クロックの2周期に相当する一方のレベル期間を有する前記上限周波数のパルスのデューティ比に対応する第3低デューティ側電圧(VH_HP2)と、前記測定用クロックの2周期に相当する他方のレベル期間を有する前記上限周波数のパルスのデューティ比に対応する第3高デューティ側電圧(VL_HP2)と、を含み、前記複数の区分領域は、前記第3低デューティ側電圧(VH_HP2)、前記第1境界線(L1)、前記平滑化可能周波数(f_AP)、および前記上限周波数(f_HP)によって囲まれる第3領域(F1+I1)と、前記第3高デューティ側電圧(VL_HP2)、前記第2境界線(L2)、前記平滑化可能周波数(f_AP)、および前記上限周波数(f_HP)によって囲まれる第4領域(F1+I2)とを含み、前記測定方式選択部は、前記特定点が前記第3領域内または前記第4領域内に存在する場合に、前記第1デューティ比測定部によるデューティ比の測定値(DR1)と前記第2デューティ比測定部によるデューティ比の測定値(DR2)との差分(|DR1−DR2|)を算出し、前記差分が所定の閾値よりも小さい場合に、前記キャプチャ方式を選択し、前記差分が前記所定の閾値以上の場合に、前記平滑化方式を選択してもよい。
〔9〕上記〔8〕に記載のPWM信号測定装置(20A)において、前記PWM信号を平滑化した電圧に関する閾値は、前記測定用クロックの2周期に相当する一方のレベル期間を有する前記平滑化可能周波数のパルスのデューティ比に対応する第4低デューティ側電圧(VH_AP2)と、前記測定用クロックの2周期に相当する他方のレベル期間を有する前記平滑化可能周波数のパルスのデューティ比に対応する第4高デューティ側電圧(VL_AP2)とを含み、前記複数の区分領域は、前記第1低デューティ側電圧(VH_AP)、前記第4低デューティ側電圧(VH_AP2)、前記平滑化可能周波数(f_AP)、および前記下限周波数(f_LP)によって囲まれる第5領域(G1)と、前記第1高デューティ側電圧(VL_AP)、前記第4高デューティ側電圧(VL_AP2)、前記平滑化可能周波数(f_AP)、および前記下限周波数(f_LP)によって囲まれる第6領域(G2)とを更に含み、前記測定方式選択部は、前記特定点が前記第5領域内に存在する場合、または前記特定点が前記第6領域内に存在する場合に、予め設定された固定デューティ比を選択してもよい。
〔10〕上記〔2〕乃至〔9〕の何れかに記載のPWM信号測定装置(20,20A)において、前記測定方式選択部(26,26A)は、前記第1デューティ比測定部がデューティ比の測定を一定期間行っていない場合に、前記平滑化方式を選択してもよい。
〔11〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置(1,1A)は、PWM信号(Sc)が入力されるPWM入力回路(12)と、前記PWM信号を平滑化する平滑回路(13)と、前記PWM入力回路に入力された前記PWM信号を前記PWM信号として入力するとともに、前記平滑回路によって前記PWM信号を平滑化した電圧(Vad)を前記平滑電圧として入力する、上記〔1〕乃至〔10〕の何れかに記載のPWM信号測定装置(20,20A)を含み、制御信号を生成する制御部(10)と、前記制御信号に基づいて、モータ(2)を駆動するモータ駆動部(11)と、を備える。
〔12〕本発明の代表的な実施の形態に係るPWM信号測定方法は、入力されたPWM信号のエッジに基づく期間を測定用クロックによって測定し、前記期間の測定値に基づいて前記PWM信号の周波数およびデューティ比を測定するキャプチャ方式の第1デューティ比測定ステップ(S3,S4)と、前記PWM信号を平滑回路によって平滑化した平滑電圧を測定する電圧測定ステップ(S6)と、前記平滑電圧の測定値に基づいて、前記PWM信号のデューティ比を測定する平滑化方式の第2デューティ比測定ステップ(S7)と、前記PWM信号の周波数の測定値と前記平滑電圧の測定値とに基づいて、前記キャプチャ方式と前記平滑化方式の何れか一方を、前記PWM信号のデューティ比を測定するための測定方式として選択する測定方式選択ステップ(S8)と、を含む。
〔13〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御方法は、PWM信号が入力されるPWM入力ステップと、前記PWM信号を平滑化する平滑ステップと、前記PWM信号のエッジに基づく期間を測定用クロックによって測定し、前記期間の測定値に基づいて前記PWM信号の周波数およびデューティ比を測定するキャプチャ方式の第1デューティ比測定ステップ(S3,S4)と、前記PWM信号を平滑回路によって平滑化した平滑電圧を測定する電圧測定ステップ(S6)と、前記平滑電圧の測定値に基づいて、前記PWM信号のデューティ比を測定する平滑化方式の第2デューティ比測定ステップ(S7)と、前記PWM信号の周波数の測定値と前記平滑電圧の測定値とに基づいて、前記キャプチャ方式と前記平滑化方式の何れか一方を、前記PWM信号のデューティ比を測定するための測定方式として選択する測定方式選択ステップ(S8)と、前記測定方式選択ステップによって選択された前記測定方式に基づいて制御信号を生成する制御ステップ(S10)と、前記制御信号に基づいて、モータを駆動するモータ駆動ステップと、を含む。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
≪実施の形態1≫
図1は、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置を備えたモータユニット100の構成を示すブロック図である。
モータユニット100は、例えば、インペラ(羽根車)を回転させることによって風を発生させるファン(ファンモータ)に適用される。図1に示すように、モータユニット100は、モータ2とモータ駆動制御装置1とを備えている。
モータ2は、例えば、3相のブラシレスモータである。モータ駆動制御装置1は、モータ2の回転を制御するための装置である。モータ駆動制御装置1は、例えば、上位装置3からの駆動指令に基づいて、モータ2の3相のコイルの通電状態を制御することにより、モータ2の回転および停止を制御する。
図1に示すように、モータ駆動制御装置1は、制御部10と、モータ駆動部11と、PWM入力回路12と、平滑回路13とを備えている。なお、図1に示されているモータ駆動制御装置1の構成要素は、全体の一部であり、モータ駆動制御装置1は、図1に示されたものに加えて、他の構成要素を有していてもよい。
モータ駆動部11は、モータ2の各相のコイルに通電して、モータ2を駆動する機能部である。モータ駆動部11は、後述する制御部10から出力された制御信号Sdに基づいて、モータ2に駆動信号を出力し、モータ2を駆動する。モータ駆動部11は、例えば、モータ2の各相のコイルに接続された複数のスイッチング素子(例えばトランジスタ)から成るインバータ回路(不図示)と、制御信号Sdに基づいてインバータ回路の各スイッチング素子を駆動するプリドライブ回路(不図示)とから構成されている。モータ駆動部11は、インバータ回路を構成する複数のスイッチング素子をプリドライブ回路によってスイッチングすることにより、例えば、直流電源から供給される直流電力を3相交流に変換し、3相交流の駆動電流をモータ2に流すことによって、モータ2のロータを回転させる。
制御部10は、PWM入力回路12および平滑回路13を介して入力された、上位装置3からの駆動指令としての速度指令信号Scに基づいて、モータ2の駆動を制御するための制御信号Sdを生成する。
制御部10は、例えば、CPU等のプロセッサ101、ROM102、RAM103、タイマ(カウンタ)104、A/D変換回路105、入出力I/F回路107、およびクロック生成回路108等のハードウェア要素を有し、各構成要素がバスや専用線を介して互いに接続されたプログラム処理装置(例えば、マイクロコントローラ:MCU)である。
本実施の形態において、制御部10は、一つの半導体装置(IC:Integrated Circuit)としてパッケージ化されているが、これに限られるものではない。
ここで、速度指令信号Scは、モータ2の目標回転速度を指示する信号である。例えば、速度指令信号Scは、デューティ比によってモータ2の目標回転速度を指示するパルス信号である。換言すれば、速度指令信号Scは、目標回転速度に対応したデューティ比を有するPWM信号である。以下、速度指令信号Scを「PWM信号Sc」とも称する。
PWM入力回路12は、速度指令信号としてのPWM信号Scが入力される回路である。平滑回路13は、PWM信号Scを平滑化する回路である。
図2Aは、PWM入力回路12および平滑回路13の回路構成例を示す図である。
PWM入力回路12は、上位装置3から入力される所定の電圧レベルのPWM信号Scを、制御部10としてのMCUに入力可能の電圧レベル(0−Vdd)に変換するレベルシフト回路である。例えば、速度指令信号Scがハイレベル期間の長さによってデューティ比(回転速度)を特定する信号である場合、PWM入力回路12は、PWM信号Scの電圧レベルを変換したPWM信号Scaを出力するとともに、PWM信号Scの電圧レベルを変換し且つ論理レベルを反転させたPWM信号Scbを出力する。PWM信号Scaは、制御部10に入力される。
平滑回路13は、ローパスフィルタである。例えば、平滑回路13は、キャパシタC14と抵抗R14を有するCRローパスフィルタである。平滑回路13は、PWM入力回路12によって電圧レベルが変換され且つ論理レベルが反転されたPWM信号Scbを平滑化して出力する。平滑回路13によって平滑化された平滑電圧Vadは、制御部10に入力される。
図3Aは、図2Aに示すPWM入力回路12および平滑回路13の信号の一例を示すタイミングチャートである。図3Aには、デューティ比が50%以上のPWM信号Scが入力された場合のPWM信号Sca等が示されている。図3Aの場合、PWM信号Scと同一の論理レベルのPWM信号Scaが生成され、PWM信号Scのデューティ比に応じた平均値Vaveを有する平滑電圧Vad(脈流電圧)が生成される。
なお、速度指令信号Scがローレベル期間の長さによってデューティ比(回転速度)を特定する信号である場合、図2Bに示す回路構成のPWM入力回路12を採用してもよい。また、MCUで論理レベルを反転してもよい。
図2Bは、PWM入力回路12および平滑回路13の別の回路構成例を示す図である。
図2Bに示すPWM入力回路12は、PWM信号Scの電圧レベルを変換し且つ論理レベルを反転させたPWM信号Scaを出力するとともに、PWM信号Scの電圧レベルを変換したPWM信号Scbを出力する。平滑回路13は、PMM入力回路12によって電圧レベルが変換されたPWM信号Scbを平滑化して出力する。
図3Bは、図2Bに示すPWM入力回路12および平滑回路13における信号の一例を示すタイミングチャートである。図3Bには、デューティ比が50%以上のPWM信号Scが入力された場合のPWM信号Sca等が示されている。図3Bの場合、PWM信号Scの論理レベルが反転されたPWM信号Scaが生成され、PWM信号Scのデューティ比に応じた平均値Vaveを有する平滑電圧Vad(脈流電圧)が生成される。
制御部10は、PWM入力回路12から入力されたPWM信号Scaと平滑回路13から入力された平滑電圧Vadとに基づいて、速度指令信号(PWM信号)Scのデューティ比を測定し、測定したデューティ比に対応する回転速度でモータ2が回転するように、制御信号Sdを生成する。
図4は、制御部10の機能ブロック図である。
図4に示すように、制御部10は、PWM信号としてのPWM信号Scaのエッジから周波数およびデューティ比を測定し、PWM信号の平滑電圧Vadからデューティ比を測定するデューティ比測定部20(PWM信号測定装置の一例)と、デューティ比測定部20によって測定されたデューティ比をモータの駆動状態に合わせて調整して出力するデューティ比出力部27と、出力されたデューティ比に基づいて制御信号Sdを生成する制御信号生成部21とを有している。
制御信号生成部21は、デューティ比出力部27から出力されたデューティ比に基づいて、モータ2の駆動を制御するための制御信号Sdを生成する。制御信号生成部21は、制御信号Sdとして、例えば、PWM周期が20kHzのPWM信号を出力する。
制御信号生成部21は、例えば、上述した制御部10を構成するMCUにおいて、プロセッサ101がRAM103やROM102等の記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種演算を行うとともにタイマ(カウンタ)104、A/D変換回路105、および入出力I/F回路107等の周辺回路を制御することによって、実現される。
デューティ比測定部20は、デューティ比を測定するためのデューティ比測定方式としてキャプチャ方式と平滑化方式を併用して、PWM信号Scのデューティ比を測定する。具体的に、デューティ比測定部20は、平滑回路13によってPWM信号Scを平滑化した平滑電圧Vadの測定値と、PWM信号Scの周波数f(または周期T)の測定値とに基づいて、キャプチャ方式と平滑化方式の何れか一方のデューティ比の測定方式を選択し、選択した測定方式によって算出されたデューティ比をPWM信号Scのデューティ比の測定値とする。
より具体的には、デューティ比測定部20は、PWM信号Scの周波数に関する閾値とPWM信号Scを平滑化した電圧に関する閾値とで区分される複数の区分領域を設定し、各区分領域にキャプチャ方式と平滑化方式の少なくとも一方のデューティ比測定方式を割り当てておく。デューティ比測定部20は、平滑電圧Vadの測定値と、PWM信号Scの周波数f(または周期T)の測定値とに基づいて、上記区分領域を特定し、特定した区分領域に割り当てられたデューティ比の測定方式を選択し、選択した測定方式によって算出されたデューティ比をPWM信号Scのデューティ比の測定値とする。
デューティ比測定部20によるデューティ比の測定方法の詳細について説明する前に、キャプチャ方式と平滑化方式について詳細に説明する。
先ず、キャプチャ方式について説明する。
図5Aは、キャプチャ方式によるPWM信号のデューティ比の測定方法の概要を示す図である。
図5Aに示すように、キャプチャ方式では、測定対象のPWM信号よりも周波数の高い測定用クロックClkを用いて、PWM信号を測定する。具体的には、PWM信号のエッジ(立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ)に応じて、エッジ間の時間を測定用クロックClkによって測定する。これにより、PWM信号がハイレベルとなるハイレベル期間thと、PWM信号がローレベルとなるローレベル期間tlと、PWM信号の周期Tとをそれぞれ測定することができ、これらの測定値を用いて、デューティ比を算出し、デューティ比の測定値とすることができる。
例えば、タイマを1つ有するMCUを用いてキャプチャ方式でPWM信号のデューティ比を測定する場合、PWM信号の周期T、ハイレベル期間th、およびローレベル期間tlを同時に測定することができない。そこで、図5Aに示すように、3つのパルス(PWM信号)のエッジを用いて、周期T、ハイレベル期間th、ローレベル期間tlを順次測定する。PWM信号と測定クロックのエッジが同期しにくいため、測定したハイレベル期間thとローレベル期間tlとの和が測定した周期Tと一致しないことで、算出されたデューティ比の測定値がばらつく場合がある。また、デューティ比が50%近傍のPWM信号において、ハイレベル期間thとローレベル期間tlの小さい側(大きい側)だけを使う方式では、算出されたデューティ比の測定値がばらつく場合がある。また、デューティ比が0%近傍または100%近傍において、ハイレベル期間thまたはローレベル期間tlの何れか一方だけを使う方式では、算出されたデューティ比の測定値がばらつく場合がある。
図5Bは、デューティ比が0%近傍のPWM信号をキャプチャ方式で測定する場合の概要を示す図である。
図5Bに示すように、キャプチャ方式では、PWM信号のハイレベル期間thが測定用クロックClkの1周期(1CLK)よりも短い場合(th<1CLK)、PWM信号のデューティ比を測定することはできない。また、MCUの性能によっては、PWM信号のハイレベル期間thが測定用クロックClkの1周期(1CLK)以上2周期(2CLK)未満の場合、エッジの変化を読み落として、デューティ比の測定値のばらつきが大きくなる場合がある。また、n×CLK≦th<(n+1)×CLKの場合(nは2以上の整数)には、測定されたクロック数が切り下げられて、th=n×CLKとなる。
キャプチャ方式によってデューティ比が測定可能なPWM信号の周波数の最大値(周期の最小値)は、PWM信号のデューティ比の最小分解能によって制限される。例えば、測定用クロックClkの周波数が8192kHz(1CLK=122ns)の場合に、最小分解能を1/64(=1.5625%)とした場合、128kHz(=8192000/64)より高い周波数では、分解能を満足できない。また、このとき、1.5625%未満または98.4375%を超過するデューティ比のPWM信号の測定はできない。
一方、キャプチャ方式によってデューティ比が測定可能なPWM信号の周波数の最小値(周期の最大値)は、MCUのタイマ(カウンタ)14のカウント上限値で制限される。例えば、タイマ(カウンタ)14が16ビットカウンタの場合、125Hz(=8192000/65536)以下の周波数のPWM信号の測定はできない。
このように、キャプチャ方式では、PWM信号の周波数が高くなるにしたがって、測定用クロックClkに基づく分解能が粗くなり、PWM信号のデューティ比が0%、50%または100%の各近傍の場合には、デューティ比を正確に測定できない。
次に、平滑化方式について説明する。
図6Aおよび図6Bは、平滑化方式によるPWM信号Scbのデューティ比の測定方法の概要を示す図である。図6Aは、平滑化方式による周波数の高い(周期の短い)PWM信号のデューティ比の測定方法の概要を示す図であり、図6Bは、平滑化方式による周波数の低い(周期の長い)PWM信号のデューティ比の測定方法の概要を示す図である。
図6Aおよび図6Bに示すように、平滑化方式では、測定対象のPWM信号Scbをローパスフィルタ(平滑回路13)によって平滑化した平滑電圧Vadに基づいて、PWM信号Scbのデューティ比を測定する。具体的には、平滑電圧Vadの一定周期でA/D変換して、A/D変換結果の平均値(例えば移動平均値)を算出し、その値を平滑電圧Vadの測定値とする。そして、予め設定した、平滑電圧Vadの測定値とデューティ比との対応関係情報に基づいて、平滑電圧Vadの測定値からデューティ比を算出し、デューティ比の測定値とすることができる。
図7は、PWM信号Scbの平滑電圧Vadの測定値とPWM信号Scbのデューティ比との関係を示す図である。
図7において、横軸はPWM信号Scbのデューティ比を表し、縦軸はPWM信号Scbの平滑化した平滑電圧Vadの測定値(以下、「電圧測定値Vadm」とも称する。)を表している。平滑化方式では、図7に示すような電圧測定値Vadmとデューティ比との対応関係情報を予め用意しておき、対応関係情報と実際の電圧測定値とに基づいて、デューティ比を算出する。
平滑化方式の場合、ローパスフィルタ(平滑回路13)の時定数(τ=C14×R14)に基づくカットオフ周波数fcに対してPWM信号Scの周波数fが十分に高い場合(f>>fc)には、図6Aに示すように、平滑電圧Vadの時間に対する変化は小さくなる。一方、カットオフ周波数fcに対してPWM信号Scの周波数fが近づいた場合(f>fc)には、図6Bに示すように平滑電圧Vadの時間に対する変化は大きくなる。
一般に、平滑化方式では、ローパスフィルタ(平滑回路13)の時定数τと、A/D変換周期と、移動平均期間とは、システム構成に依存する。したがって、図6Aおよび図6Bに示すように、PWM信号の周波数が低くなるほど平滑電圧Vadの変動が大きくなると、平滑電圧Vadの測定値(移動平均値)のばらつきが大きくなり、PWM信号のデューティ比の測定値のばらつきが大きくなる。
また、図7に示すように、PWM信号のデューティ比と電圧測定値とは略比例関係にある。しかしながら、PWM信号の周波数が高くなるほど、電圧測定値に対するデューティ比の線形性が悪化する。特に、デューティ比50%近傍で線形性からのずれが最も大きくなり、電圧測定値Vadmから算出されたデューティ比の測定値のばらつきが大きくなる。
以上の内容をまとめると、各測定方式について以下のことが言える。
すなわち、キャプチャ方式は、測定対象のPWM信号の周波数が高くなるほど、デューティ比の測定精度が低下する傾向がある。平滑化方式では、ローパスフィルタのカットオフ周波数fcより低い周波数のPWM信号のデューティ比は測定することができず、且つPWM信号の周波数が低くなるほど(カットオフ周波数fcに近づくほど)、デューティ比の測定精度が低下する傾向がある。更に、平滑化方式では、PWM信号の周波数が高くなるほど、デューティ比50%近傍での算出されたデューティ比の測定値のばらつきが大きくなる。
そこで、キャプチャ方式および平滑化方式の上述の欠点を補うように、デューティ比測定部20(PWM信号測定装置)は、キャプチャ方式と平滑化方式とを適宜切り替えて、速度指令信号としてのPWM信号Scのデューティ比を測定する。以下、デューティ比測定部20について具体的に説明する。
図4に示すように、デューティ比測定部20は、PWM信号Scaのデューティ比を測定するための機能部として、電圧測定部23、第1デューティ比測定部24、第2デューティ比測定部25、および測定方式選択部26を有する。
電圧測定部23は、平滑回路13から出力された平滑電圧Vadを測定する機能部である。電圧測定部23は、例えば、A/D変換回路105とプロセッサ101によるプログラム処理によって実現される。
電圧測定部23は、所定の周期で平滑電圧VadをA/D変換し、デジタル値に変換する。電圧測定部23は、平滑電圧VadのA/D変換値について、一定期間毎の平均値(例えば、移動平均値)を算出する。電圧測定部23は、算出したA/D変換値の平均値を、PWM信号Scの平滑電圧の測定値(電圧測定値)Vadmとして出力する。
第1デューティ比測定部24は、PWM信号Scのデューティ比を上述したキャプチャ方式で測定する機能部である。第1デューティ比測定部24は、例えば、タイマ(カウンタ)104とプロセッサ101によるプログラム処理によって実現される。第1デューティ比測定部24は、PWM信号Sc(PWM信号Sca)のエッジに基づく期間を、測定用クロックClkを用いて測定し、上記期間の測定値に基づいてPWM信号Scの周波数fおよびデューティ比DR1を測定する。
ここで、測定用クロックClkは、例えば、制御部10を構成するMCUのクロック生成回路108によって生成されたものである。
第1デューティ比測定部24は、上述したキャプチャ方式による測定手法により、測定用クロックClkを用いて、PWM入力回路12から出力されたPWM信号Scaの周期T、ハイレベル期間th、およびローレベル期間tlをそれぞれ測定し、それらの測定値に基づいてPWM信号Scのデューティ比DR1を算出する(図5参照)。
第2デューティ比測定部25は、PWM信号Scのデューティ比を上述した平滑化方式で測定する機能部である。第2デューティ比測定部25は、例えば、プロセッサ101によるプログラム処理によって実現される。
第2デューティ比測定部25は、電圧測定部23によって測定された平滑電圧Vadの測定値(電圧測定値Vadm)に基づいて、PWM信号Scのデューティ比を測定する。具体的には、第2デューティ比測定部25は、例えば、MCUのROM102等の記憶装置に予め記憶されている、電圧測定値VadmとPWM信号のデューティ比の対応関係情報250に基づいて、PWM信号Scのデューティ比DR2を算出する。
図8は、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置における、電圧測定値VadmとPWM信号のデューティ比の対応関係情報250を説明するための図である。
上述したように、PWM信号を平滑化した電圧とデューティ比とは略比例関係にある。そこで、予め、実際に平滑回路13(ローパスフィルタ)を用いてPWM信号を平滑化した場合の平滑電圧Vadの測定値(電圧測定値Vadm)とデューティ比の測定値とに基づいて、電圧測定値Vadmとデューティ比との関係を一次関数で表した直線補間関数800を算出しておき、対応関係情報250としてMCUのROM102等の記憶装置に予め記憶しておく。
一方で、図8に示すように、PWM信号の周波数が高くなるほど電圧測定値Vadmとデューティ比との対応関係は、線形性からのずれが大きくなる。そこで、図8における低デューティ側の範囲DL、すなわち電圧測定値Vadmが後述する第2低デューティ側電圧VH_HPから第1低デューティ側電圧VH_APまでの範囲については、関数800とは別に、電圧測定値Vadmとデューティ比との関係を一次関数で表した直線補完関数801_Lを算出し、対応関係情報250としてMCUのROM102等の記憶装置に予め記憶しておく。
同様に、図8における高デューティ側の範囲DH、すなわち電圧測定値Vadmが第1高デューティ側電圧VL_APから第2高デューティ側電圧VL_HPまでの範囲にある場合には、関数800とは別に、電圧測定値Vadmとデューティ比との関係を一次関数で表した直線補完関数801_Hを算出し、対応関係情報250としてMCUにおけるROM102等の記憶装置に予め記憶しておく。
第2デューティ比測定部25は、ROM102等の記憶装置に記憶された直線補完関数800,801_H,801_Lを用いて、電圧測定部23から取得した電圧測定値Vadmに対応するデューティ比DR2を算出する。すなわち、第2デューティ比測定部25は、VL_AP≦Vadm<VL_HPの範囲では直線補完関数801_Hを、VH_HP<Vadm≦VH_APの範囲では、直線補完関数801_Lを、VL_HP≦Vadm≦VH_HPの範囲では、直線補完関数800をそれぞれ用いて、電圧測定値Vadmに対応するデューティ比DR2を算出する。
なお、第1低デューティ側電圧VH_AP、第1高デューティ側電圧VL_AP、第2低デューティ側電圧VH_HP、および第2高デューティ側電圧VL_HPについては後述する。
デューティ比出力部27は、デューティ比測定部20(測定方式選択部26)によって選択された測定方式に対応するデューティ比の測定値、または固定デューティ比を、モータの駆動状態に合わせて調整して出力する機能である。デューティ比出力部27は、例えば、プロセッサ101によるプログラム処理によって実現される。
例えば、デューティ比出力部27は、デューティ比測定部20からの出力に応じて、第1デューティ比測定部24によるデューティ比の測定値(DR1)、第2デューティ比測定部25によるデューティ比の測定値(DR2)、または固定デューティ比を出力する。
また、デューティ比出力部27は、例えば、モータユニット100の起動時に、一時的に高いデューティ比を出力する。また、デューティ比出力部27は、例えば、デューティ比の測定値が瞬間的に大きく変化した場合に、出力するデューティ比を急峻に変化させるのではなく、緩やかに変化させて出力する。
更に、デューティ比出力部27は、例えば、モータユニット100の低電圧や過電圧、モータ2のロック等の異常状態を制御部10が検出した場合に、デューティ比の出力を停止する。
測定方式選択部26は、PWM信号Scのデューティ比を測定するための測定方式としてキャプチャ方式と平滑化方式のどちらかの方式を選択する機能部である。測定方式選択部26は、例えば、プロセッサ101によるプログラム処理によって実現される。
測定方式選択部26は、PWM信号Scの周波数に関する閾値とPWM信号Scを平滑化した電圧に関する閾値とで区分される複数の区分領域毎に割り当てられたデューティ比の測定方式を、電圧測定値VadmとPWM信号Scの周波数f(または周期T)の測定値とに基づいて、選択する。
図9は、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置によるPWM信号のデューティ比の測定方式の選択方法を説明するための図である。
同図において、縦軸は、PWM信号Sc(Sca)の周波数fを表し、横軸は、PWM信号Scのデューティ比を表している。図8に示した電圧測定値Vadmとデューティ比との関係から、横軸に示されているデューティ比は電圧測定値Vadmに読み替えることができる。そこで、図9の横軸には、電圧測定値Vadmをデューティ比と平行に表示し、ディーティ比に対応する電圧測定値Vadmの値を記載している。
図9には、PWM信号Scの周波数に関する閾値とPWM信号Scを平滑化した電圧に関する閾値とで区分された複数の区分領域A,B,C1,C2,D1,D2,E1,E2が示されている。
ここで、PWM信号Scの周波数に関する閾値は、上限周波数f_HP、平滑化可能周波数f_AP、および下限周波数f_LPを含む。
上限周波数f_HPは、キャプチャ方式によってデューティ比が測定可能なPWM信号の周波数fの上限を規定する閾値である。下限周波数f_LPは、キャプチャ方式によってデューティ比が測定可能なPWM信号の周波数fの下限を規定する閾値である。
上述したように、キャプチャ方式によってデューティ比が測定可能なPWM信号Scの周波数fの最大値(周期Tの最小値)は、PWM信号Scのデューティ比の最小分解能によって制限され、キャプチャ方式によってデューティ比が測定可能なPWM信号Scの周波数fの最小値(周期Tの最大値)は、MCUのタイマ(カウンタ)104のカウント上限値で制限される。
したがって、上限周波数f_HPおよび下限周波数f_LPは、例えば、キャプチャ方式でデューティ比を測定する第1デューティ比測定部24の分解能と、第1デューティ比測定部24によって実際に周期T,ハイレベル期間th、ローレベル期間tlを測定した時の測定値のばらつきの程度等を考慮して決定され、MCUのROM102等の記憶装置に予め記憶されている。
本実施の形態では、一例として、上限周波数f_HPを128kHz、下限周波数を250Hzとする。
平滑化可能周波数f_APは、上限周波数f_HPと下限周波数f_LPとの間の、平滑化方式によってデューティ比が測定可能なPWM信号の周波数fを規定する閾値であり、測定対象のPWM信号の平滑化の可否の判定基準となる閾値である。
上述したように、平滑回路13はローパスフィルタによって構成されているので、ローパスフィルタのカットオフ周波数fcよりも低い周波数のPWM信号を平滑化することはできない。そこで、平滑化可能周波数f_APは、平滑回路13の時定数τ(=R14×C14)と、電圧測定部23による平滑電圧Vadの測定値のばらつき等に基づいて決定される。平滑化可能周波数f_APは、MCUのROM102等の記憶装置に予め記憶される。
本実施の形態では、一例として、平滑化可能周波数f_APを2kHzとする。
PWM信号Scを平滑化した電圧に関する閾値は、上述した第1低デューティ側電圧VH_AP、第1高デューティ側電圧VL_AP、第2低デューティ側電圧VH_HP、および第2高デューティ側電圧VL_HPを含む。
図8に示すように、第1低デューティ側電圧VH_AP、第1高デューティ側電圧VL_AP、第2低デューティ側電圧VH_HP、および第2高デューティ側電圧VL_HPは、デューティ比DL_AP、DH_AP、DL_HP、およびDH_HPにそれぞれ対応する電圧である。上述したように、デューティ比と平滑電圧との対応関係は、測定値に基づいている。
第1低デューティ側電圧VH_APは、平滑化可能周波数f_APのパルスの最小デューティ比DL_APに対応する電圧である。第1低デューティ側電圧VH_APは、測定用クロックClkの1周期(1CLK)に相当するハイレベル期間を有する平滑化可能周波数f_AP(2kHz)のPWM信号Scaの最小デューティ比(DL_AP)に対応する平滑電圧Vad(電圧測定値Vadm)を表している(図5B参照)。例えば、平滑化可能周波数f_APを2kHz、測定用クロックの周波数を8192kHzとしたとき、最小デューティ比DL_APは0.024%である。
第1高デューティ側電圧VL_APは、平滑化可能周波数f_APのパルスの最大デューティ比DH_APに対応する電圧である。第1高デューティ側電圧VL_APは、測定用クロックClkの1周期(1CLK)に相当するローレベル期間を有する平滑化可能周波数f_AP(2kHz)のPWM信号Scaの最大デューティ比(DH_AP)に対応する平滑電圧Vad(電圧測定値Vadm)を表す。例えば、平滑化可能周波数f_APを2kHz、測定用クロックの周波数を8192kHzとしたとき、最大デューティ比DH_APは99.976%である。
第2低デューティ側電圧VH_HPは、上限周波数f_HPのパルスの最小デューティ比DL_HPに対応する電圧である。上述した図5Bの例において、第2低デューティ側電圧VH_HPは、測定用クロックClkの1周期(1CLK)に相当するハイレベル期間を有する上限周波数f_HP(128kHz)のパルスの最小デューティ比(DL_HP)に対応する電圧である(図5B参照)。例えば、上限周波数f_HP=128kHz、測定用クロックの周波数を8192kHzとしたとき、最小デューティ比DL_HPは1.5625%である。
第2高デューティ側電圧VL_HPは、平滑化可能周波数f_APのパルスの最大デューティ比DH_HPに対応する電圧である。上述した図5Bの例において、第2高デューティ側電圧VL_HPは、測定用クロックClkの1周期(1CLK)に相当するローレベル期間を有する上限周波数f_HP(128kHz)のパルスの最大デューティ比(DH_HP)に対応する電圧である。例えば、上限周波数f_HP=128kHz、測定用クロックの周波数を8192kHzとしたとき、最大デューティ比DH_HPは98.4375%である。
図9に示されるように、各区分領域A,B,C1,C2,D1,D2,E1,E2は、上述したPWM信号Scの周波数に関する閾値(f_HP、f_AP、およびf_LP)とPWM信号Scを平滑化した電圧に関する閾値(VL_AP、VH_AP、VL_HP、およびVH_HP)とによって定められる。以下、各区分領域について説明する。
区分領域Aは、平滑化可能周波数f_AP(2kHz)以下の領域である。より具体的には、区分領域Aは、平滑化可能周波数f_APと、第1低デューティ側電圧VH_APと、第1高デューティ側電圧VL_APと、下限周波数f_LPで囲まれる領域である。
区分領域Bは、平滑化可能周波数f_APと、第2低デューティ側電圧VH_HPと、第2高デューティ側電圧VL_HPと、上限周波数f_HPで囲まれる領域である。
区分領域C1は、下限周波数f_LPと、上限周波数f_HPと、第1低デューティ側電圧VH_APとで囲まれる領域である。区分領域C2は、下限周波数f_LPと、上限周波数f_HPと、第1高デューティ側電圧VL_APとで囲まれる領域である。なお、区分領域C1と区分領域C2とを総称して「区分領域C」と表記する場合がある。
区分領域D1は、第1境界線L1と、第1低デューティ側電圧VH_APと、上限周波数f_HPとによって囲まれる領域である。ここで、第1境界線L1は、平滑化可能周波数f_APおよび第1低デューティ側電圧VH_APによって特定される点(座標)Q1と上限周波数f_HPおよび第2低デューティ側電圧VH_HPによって特定される点(座標)P1とを結ぶ線である。第1境界線L1は、PWM信号Scaのハイレベル期間が測定用クロックClkの1周期(1CLK)に相当する場合の特性線である。
区分領域D2は、第2境界線L2と、第1高デューティ側電圧VL_APと、上限周波数f_HPとによって囲まれる領域である。ここで、第2境界線L2は、平滑化可能周波数f_APおよび第1高デューティ側電圧VL_APによって特定される点(座標)Q2と上限周波数f_HPおよび第2高デューティ側電圧VL_HPによって特定される点(座標)P2とを結ぶ線である。第2境界線L2は、PWM信号Scaのローレベル期間が測定用クロックClkの1周期(1CLK)に相当する場合の特性線を表している。なお、区分領域D1と区分領域D2とを総称して「区分領域D」と表記する場合がある。
区分領域E1は、第1境界線L1と、第2低デューティ側電圧VH_HPと、平滑化可能周波数f_APとによって囲まれる領域である。区分領域E2は、第2境界線L2と、第2高デューティ側電圧VL_HPと、平滑化可能周波数f_APとによって囲まれる領域である。なお、区分領域E1と区分領域E2とを総称して「区分領域E」と表記する場合がある。
測定方式選択部26は、電圧測定部23によって測定された平滑電圧Vadの測定値(電圧測定値Vadm)と第1デューティ比測定部24によって測定された周波数fの測定値とによって特定される特定点Xが区分領域Aに存在する場合には、測定方式として、キャプチャ方式を選択する。
上述したように、PWM信号Scの周波数fが平滑化可能周波数f_AP以下の場合には、平滑回路13によってPWM信号Scを平滑化することができないので、平滑化方式によってPWM信号Scのデューティ比を測定することはできない。そこで、特定点Xが区分領域Aに存在する場合には、測定方式選択部26は、キャプチャ方式を選択し、キャプチャ方式によって算出されたデューティ比DR1をデューティ比の測定値とする。
特定点Xが区分領域Bに存在する場合には、測定方式選択部26は、測定方式としてキャプチャ方式を選択する。
上述したように、PWM信号Scの周波数fが平滑化可能周波数f_APよりも高い場合であっても、デューティ比が50%近傍ほど平滑電圧Vadのばらつきが大きくなるので、平滑化方式ではPWM信号Scのデューティ比を精度よく測定できない。そこで、特定点Xが区分領域Bに存在する場合には、測定方式選択部26は、キャプチャ方式を選択し、キャプチャ方式によって算出されたデューティ比DR1をデューティ比の測定値とする。
特定点Xが区分領域Cに存在する場合には、測定方式選択部26は、予め設定された固定デューティ比をデューティ比の測定値とする。
上述したように、最小デューティ比DL_APおよび最大デューティ比DH_APは、測定用クロックClkの周波数によって制限される。そのため、最小デューティ比DL_APより小さいデューティ比のPWM信号Scと最大デューティ比DH_APよりも大きいデューティ比のPWM信号Scについては、キャプチャ方式では正確に測定できない。また、このようなPWM信号Scは、平滑化方式では平滑電圧Vadのばらつきが大きくなる。
そこで、特定点Xが区分領域Cに存在する場合には、測定方式選択部26は、キャプチャ方式および平滑化方式のいずれの測定方式も選択することなく、予め設定された固定デューティ比をデューティ比の測定値とする。例えば、測定方式選択部26は、特定点が区分領域C1に存在する場合にはデューティ比0%を、特定点が区分領域C2に存在する場合にはデューティ比100%を、それぞれデューティ比の測定値とする。
特定点Xが区分領域Cに存在せず、キャプチャ方式でデューティ比が測定できない場合には、特定点Xが区分領域Dに存在すると考えられる。そこで、特定点Xが区分領域Dに存在する場合には、測定方式選択部26は、測定方式として平滑化方式を選択する。
上述したように、第1境界線L1は、PWM信号Scaのハイレベル期間が測定用クロックClkの1周期(1CLK)に相当する場合の特性線である。したがって、図9における第1境界線L1の左側に特定点Xが位置している場合には、PWM信号Scaのハイレベル期間が測定用クロックClkの1周期(1CLK)よりも短いことを表しているので、キャプチャ方式ではPWM信号Scaのデューティ比を測定することはできない。
そこで、特定点Xが区分領域D1に存在する場合には、測定方式選択部26は、平滑化方式を選択し、平滑化方式によって算出されたデューティ比DR2をデューティ比の測定値とする。特定点Xが区分領域D2に存在する場合も同様である。
特定点Xが区分領域Eに存在する場合には、測定方式選択部26は、第1デューティ比測定部24によるデューティ比DR1と第2デューティ比測定部25によるデューティ比DR2とを比較し、比較結果に基づいて、キャプチャ方式または平滑化方式を選択する。
具体的には、測定方式選択部26は、特定点Xが区分領域Eに存在する場合に、第1デューティ比測定部24によるデューティ比DR1と第2デューティ比測定部25によるデューティ比DR2との差分(|DR1−DR2|)を算出する。算出した差分が所定の閾値よりも小さい場合には、測定方式選択部26は、キャプチャ方式でもデューティ比が正確に測定できていると判定して、キャプチャ方式を選択し、キャプチャ方式によって算出されたデューティ比DR1をPWM信号Scのデューティ比の測定値とする。一方、差分が所定の閾値以上の場合には、測定方式選択部26は、キャプチャ方式ではデューティ比が正確に測定できていないと判定して、平滑化方式を選択し、平滑化方式によって算出されたデューティ比DR2をPWM信号Scのデューティ比の測定値とする。
上述したように、第1境界線L1は、PWM信号Scaのハイレベル期間が測定用クロックClkの1周期(1CLK)に相当する場合の特性線である。したがって、図9における第1境界線L1の右側(区分領域E1)に特定点Xが位置している場合には、PWM信号Scaのハイレベル期間が測定用クロックClkの1周期(1CLK)よりも長いので、キャプチャ方式によってPWM信号Scaのデューティ比を測定することが可能である。しかしながら、上述したように、MCUの性能によっては、PWM信号Scaのハイレベル期間またはローレベル期間が測定用クロックClkの1周期(1CLK)以上2周期(2CLK)未満の場合、デューティ比の測定値のばらつきが大きくなる場合がある。
そこで、特定点Xが区分領域E1に存在する場合には、測定方式選択部26は、第1デューティ比測定部24によるデューティ比DR1と第2デューティ比測定部25によるデューティ比DR2との差分(|DR1−DR2|)を算出する。差分が所定の閾値よりも小さい場合には、測定方式選択部26は、キャプチャ方式でもデューティ比が正確に測定できていると判定して、キャプチャ方式を選択し、キャプチャ方式によって算出されたデューティ比DR1をデューティ比の測定値とする。
一方、差分が所定の閾値以上の場合には、測定方式選択部26は、キャプチャ方式ではデューティ比が正確に測定できていないと判定して、平滑化方式を選択し、平滑化方式によって算出されたデューティ比DR2をデューティ比の測定値とする。なお、特定点Xが区分領域E2に存在する場合も、測定方式選択部26は、特定点Xが区分領域E1に存在する場合と同様の判定処理を行って測定方式を選択する。
測定方式選択部26は、キャプチャ方式の第1デューティ比測定部24がPWM信号Scaの測定を一定期間行っていない場合には、測定方式として平滑化方式を選択する。
具体的には、測定方式選択部26は、第1デューティ比測定部24の測定値(DR1)の更新を監視し、デューティ比DR1が一定期間更新されなかった場合には、キャプチャ方式ではPWM信号測定ができてないと判定し、平滑化方式を選択し、平滑化方式によって算出されたデューティ比DR2をPWM信号Scのデューティ比の測定値とする。
次に、モータ駆動制御装置1によるデューティ比の測定の流れを説明する。
図10は、モータ駆動制御装置1によるデューティ比の測定方法の流れを示すフローチャートである。
先ず、モータ駆動制御装置1が起動すると、デューティ比測定処理に必要な各種パラメータの初期設定を行う(ステップS1)。例えば、タイマ(カウンタ)104の値をクリアするとともに、MCUのROM102に記憶されている対応関係情報250、PWM信号Scの周波数に関する閾値(f_HP、f_AP、f_LP)、およびとPWM信号Scを平滑化した電圧に関する閾値(VL_AP、VL_HP、VH_HP、VH_AP)等のデータを読み出して、RAM103や各種レジスタ等に設定し、RAM103のキャプチャ方式の測定完了フラグと更新フラグ、および平滑化方式の測定完了フラグと更新フラグをクリアする。次に、モータ駆動制御装置1は、上位装置3から入力される速度指令信号としてのPWM信号Sc(PWM信号Sca)のデューティ比のキャプチャ方式での測定を開始し、電圧測定部23がPWM信号Scの平滑電圧Vadの平滑化方式での測定を開始する。
次に、ステップS2において、モータ駆動制御装置1は、キャプチャ方式の測定完了フラグで、キャプチャ方式での測定が完了したか否かを判定する。キャプチャ方式での測定中の場合(ステップS2:NO)、先ず、第1デューティ比測定部24が、上述した手法により、PWM信号Scの周波数f(周期T)、ハイレベル期間th、およびローレベル期間tlを測定し、キャプチャ方式の測定完了フラグをセットする(ステップS3)。キャプチャ方式での測定が完了した場合(ステップS2:YES)、第1デューティ比測定部24が、ステップS3で測定した周波数f(周期T)、ハイレベル期間th、およびローレベル期間tlに基づいて、キャプチャ方式により、PWM信号Scのデューティ比DR1を算出し、キャプチャ方式の測定完了フラグをクリア、キャプチャ方式の更新フラグをセットして、次のキャプチャ方式での測定を開始する(ステップS4)。
次に、ステップS5において、モータ駆動制御装置1は、平滑化方式の測定完了フラグで、平滑化方式での測定が完了したか否かを判定する。平滑化方式での測定中の場合(ステップS5:NO)、電圧測定部23がPWM信号Scの平滑電圧Vadを測定し、平滑化方式の測定完了フラグをセットする(ステップS6)。平滑化方式での測定が完了した場合(ステップS5:YES)、第2デューティ比測定部25が、ステップS6で測定された平滑電圧Vadの測定値(電圧測定値Vadm)と、対応関係情報250とに基づいて、上述した手法により、PWM信号Scのデューティ比DR2を算出し、平滑化方式の測定完了フラグをクリア、平滑化方式の更新フラグをセットして、次の平滑化方式での測定を開始する(ステップS7)。
次に、モータ駆動制御装置1は、PWM信号Scのデューティ比の測定方式を選択するための処理(測定方式選択処理)を行う(ステップS8)。
図11Aおよび図11Bは、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置1による測定方式選択処理(ステップS8)の流れを示すフローチャートである。
先ず、ステップS80において、測定方式選択部26は、平滑化方式の更新フラグで、デューティ比DR2が更新されたか否かを判定する。デューティ比DR2が更新されていない場合(ステップS80:NO)、測定方式を選択せずステップS8を終了する。
一方で、デューティ比DR2が更新された場合(ステップS80:YES)、ステップS81において、測定方式選択部26は、電圧測定部23による電圧測定値Vadmが第1低デューティ側電圧VH_APより大きいか否かを判定する。
電圧測定値Vadmが第1低デューティ側電圧VH_APより大きい場合(ステップS81:YES)には、測定方式選択部26は、電圧測定値Vadmと周波数fの測定値とによって特定される特定点Xが区分領域C1に存在すると判定し、予め設定された固定デューティ比(例えば0%)をデューティ比の測定値とする(ステップS82)。
一方、電圧測定値Vadmが第1低デューティ側電圧VH_AP以下の場合(ステップS81:NO)には、ステップS83において、測定方式選択部26は、電圧測定値Vadmが第1高デューティ側電圧VL_APより小さいか否かを判定する。
電圧測定値Vadmが第1高デューティ側電圧VL_APより小さい場合(ステップS83:YES)には、特定点Xが区分領域C2に存在すると判定し、予め設定された固定デューティ比(例えば100%)をデューティ比の測定値とする(ステップS84)。
一方、電圧測定値Vadmが第1高デューティ側電圧VL_AP以上の場合(ステップS83:NO)には、測定方式選択部26は、キャプチャ方式の更新フラグで、キャプチャ方式の第1デューティ比測定部24によってデューティ比DR1が更新されたか否かを判定する(ステップS85)。
ステップS85において、デューティ比DR1が更新されていない場合(ステップS85:NO)には、測定方式選択部26は、デューティ比DR1が更新されていない期間(未測定期間)Txを計測(更新)する(ステップS86)。次に、ステップS87において、測定方式選択部26は、未測定期間Txが一定期間閾値Tthより大きいか否かを判定する。
未測定期間Txが一定期間閾値Tth以下の場合(ステップS87:NO)には、測定方式選択部26は、測定方式を選択せずステップS8を終了する。一方、デューティ比DR1が更新されていない未測定期間Txが一定期間閾値Tthより大きい場合(ステップS87:YES)には、未測定期間Txの測定をクリアし、測定方式選択部26は、キャプチャ方式での測定が不能で、特定点Xが区分領域D1または区分領域D2に存在すると判定し、平滑化方式を選択(ステップS88)し、平滑化方式によって算出されたデューティ比DR2をデューティ比の測定値とする。
一方、デューティ比DR1が更新された場合(ステップS85:YES)には、未測定期間Txをクリアして、ステップS89において、測定方式選択部26は、第1デューティ比測定部24によって測定されたPWM信号Scの周波数fが下限周波数f_LP以上、上限周波数f_HP以下であるか否かを判定する。
PWM信号Scの周波数fが下限周波数f_LPより低い、または、上限周波数f_HPより高い場合(ステップS89:NO)には、測定方式選択部26は、デューティ比の測定が不能と判定し(ステップS90)、測定方式を選択せずステップS8を終了する。
一方、PWM信号Scの周波数fが下限周波数f_LP以上、上限周波数f_HP以下である場合(ステップS89:YES)には、ステップS91において、測定方式選択部26は、周波数fが平滑化可能周波数f_APより高いか否かを判定する。
周波数fが平滑化可能周波数f_AP以下の場合(ステップS91:NO)には、測定方式選択部26は、特定点Xが区分領域Aに存在すると判定し、キャプチャ方式を選択(ステップS92)し、キャプチャ方式によって算出されたデューティ比DR1をデューティ比の測定値とする。
一方、周波数fが平滑化可能周波数f_APより高い場合(ステップS91:YES)には、電圧測定値Vadmが第2高デューティ側電圧VL_HP以上、且つ第2低デューティ側電圧VH_HP以下か否かを判定する(ステップS93)。
ステップS93において、電圧測定値Vadmが第2高デューティ側電圧VL_HP以上、且つ第2低デューティ側電圧VH_HP以下の場合(ステップS93:YES)には、特定点Xが区分領域Bに存在すると判定し、キャプチャ方式を選択(ステップS94)し、キャプチャ方式によって算出されたデューティ比DR1をデューティ比の測定値とする。
一方、電圧測定値Vadmが第2高デューティ側電圧VL_HPより小さい、または第2低デューティ側電圧VH_HPより大きい場合(ステップS93:NO)には、特定点Xが区分領域E1または区分領域E2に存在すると判定する。
次に、測定方式選択部26は、第1デューティ比測定部24によるデューティ比DR1と第2デューティ比測定部25によるデューティ比DR2との差分(|DR1−DR2|)を算出する(ステップS95)。ステップS96において、測定方式選択部26は、ステップS95で算出した差分が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
差分が所定の閾値よりも小さい場合(ステップS96:NO)には、測定方式選択部26は、キャプチャ方式を選択(ステップS97)し、キャプチャ方式によって算出されたデューティ比DR1をデューティ比の測定値とする。一方、差分が所定の閾値以上の場合(ステップS96:YES)には、測定方式選択部26は、平滑化方式を選択(ステップS98)し、平滑化方式によって算出されたデューティ比DR2をデューティ比の測定値とする。
上述したステップS8の処理が行われることにより、PWM信号Scのデューティ比の測定方式が決定する。ステップS9において、測定方式が選択されたかどうかを判定する。測定方式が選択された場合(ステップS9:YES)、デューティ比出力部27は、ステップS8で決定した測定方式で測定されたPWM信号Scのデューティ比をモータの駆動状態に合わせて調整して出力(ステップS10)し、セットされていた更新フラグをクリアする。一方で、一時的にキャプチャ方式の測定が更新されない場合(ステップS87:NO)や、PWM周波数の測定範囲外(ステップS90)の場合で、測定方式が選択されなかった場合(ステップS9:NO)は、デューティ比の出力は、以前の状態が維持される。その後は、制御信号生成部21がステップS10で出力されたデューティ比に基づいて制御信号Sdを生成することにより、モータ2が速度指令信号としてのPWM信号Scによって指定された回転速度で回転するように制御される。その後、プログラム処理はステップS2に戻り、上位機器3から速度指令信号としてのPWM信号Scのデューティ比の測定を再開する。
以上、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置1は、速度指令信号としてのPWM信号Scを平滑化した平滑電圧Vadの測定値(PWM信号のデューティ比に相当)と、PWM信号Scの周波数f(または周期T)の測定値とに基づいて、キャプチャ方式と平滑化方式の何れか一方を選択し、選択した測定方式によって算出されたデューティ比をPWM信号Scのデューティ比の測定値とする。
上述したように、各測定方式のデューティ比を正確に測定できる範囲は、測定対象のPWM信号の周波数およびPWM信号のデューティ比(平滑電圧Vad)に応じて決まる。したがって、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置によれば、何れか一方の測定方式でしかデューティ比を測定しない場合に比べて、幅広い周波数範囲のPWM信号について、高精度にデューティ比を測定することが可能となる。また、モータを適用するアプリケーション等によって速度指令信号の周波数が異なる場合であっても、そのアプリケーション毎にPWM信号のデューティ比を測定するための適切な回路を設計する必要はないので、従来に比べて、モータ駆動制御装置の設計期間の短縮と製造コストの低減が期待できる。
また、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置1は、PWM信号Scの周波数に関する閾値とPWM信号Scを平滑化した電圧に関する閾値とで区分される複数の区分領域A,B,C,D,E毎に、適切な測定方式を予め割り当てておく。そして、モータ駆動制御装置1は、入力されたPWM信号Scの平滑電圧Vadと周波数fを測定し、それらの測定値に基づいて上記区分領域を特定し、特定した区分領域に割り当てられた測定方式を選択する。これによれば、入力されたPWM信号に応じて、動的に最適な測定方式を選択することが容易となる。また、複雑な演算を行うのではなく、区分領域を特定するだけで適切な測定方式を選択することができるので、プロセッサの処理負荷を抑えることができる。
≪実施の形態2≫
図12は、実施の形態2に係るモータ駆動制御装置1Aにおける制御部10Aの機能ブロック図である。
実施の形態2に係るモータ駆動制御装置1Aは、PWM信号Scの周波数に関する閾値とPWM信号Scを平滑化した電圧に関する閾値とで区分される複数の区分領域をより細分化した点において、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置1と相違し、その他の点については、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置1と同様である。
上述したように、MCUの性能によっては、キャプチャ方式では、測定対象のPWM信号のハイレベル期間thが1CLK以上2CLK未満の場合、デューティ比の測定値のばらつきが大きくなる場合がある(図5B参照)。
そこで、実施の形態2に係るモータ駆動制御装置1Aでは、測定対象のPWM信号のハイレベル期間thが1CLK以上2CLK未満となる範囲を考慮して、区分領域を設定する。
具体的には、図12に示すように、モータ駆動制御装置1Aにおける制御部10Aは、電圧閾値として、第3低デューティ側電圧VH_HP2、第3高デューティ側電圧VL_HP2、第4低デューティ側電圧VH_AP2、および第4高デューティ側電圧VL_AP2を更に有する。
なお、図12には、実施の形態2に係るモータ駆動制御装置1Aの制御部10Aが図示され、その他の構成要素については、図示を省略している。
図13は、実施の形態2に係るモータ駆動制御装置1Aにおける、電圧測定値VadmとPWM信号のデューティ比の対応関係情報250Aを説明するための図である。
図13に示すように、第3低デューティ側電圧VH_HP2、第3高デューティ側電圧VL_HP2、第4低デューティ側電圧VH_AP2(不図示)、および第4高デューティ側電圧VL_AP2(不図示)は、デューティ比DL_HP2、DH_HP2、DL_AP2(不図示)、およびDH_AP2(不図示)にそれぞれ対応する電圧である。
第3低デューティ側電圧VH_HP2は、上限周波数f_HPのパルスの最小デューティ比DL_HP2に対応する電圧である。第3低デューティ側電圧VH_HP2は、測定用クロックClkの2周期(2CLK)に相当するハイレベル期間を有する上限周波数f_HP(128kHz)のPWM信号Scaの最小デューティ比(DL_HP2)に対応する平滑電圧Vad(電圧測定値Vadm)を表している(図5B参照)。例えば、上限周波数f_HPを128kHz、測定用クロックの周波数を8192kHzとしたとき、最小デューティ比DL_HP2は3.125%である。
第3高デューティ側電圧VL_HP2は、上限周波数f_HPのパルスの最大デューティ比DH_HP2に対応する電圧である。第3高デューティ側電圧VL_HP2は、測定用クロックClkの2周期(2CLK)に相当するローレベル期間を有する上限周波数f_HP(128kHz)のPWM信号Scaの最大デューティ比(DH_AP2)に対応する平滑電圧Vad(電圧測定値Vadm)を表している。例えば、上限周波数f_HPを128kHz、測定用クロックの周波数を8192kHzとしたとき、最大デューティ比DH_HP2は96.875%である。
第4低デューティ側電圧VH_AP2は、平滑化可能周波数f_APのパルスの最小デューティ比DL_AP2に対応する電圧である。第4低デューティ側電圧VH_AP2は、測定用クロックClkの2周期(2CLK)に相当するハイレベル期間を有する平滑化可能周波数f_AP(2kHz)のPWM信号Scaの最小デューティ比(DL_AP2)に対応する平滑電圧Vad(電圧測定値Vadm)を表している(図5B参照)。例えば、平滑化可能周波数f_APを2kHz、測定用クロックの周波数を8192kHzとしたとき、最小デューティ比DL_AP2は0.049%である。
第4高デューティ側電圧VL_AP2は、平滑化可能周波数f_APのパルスの最大デューティ比DH_AP2に対応する電圧である。第4高デューティ側電圧VL_AP2は、測定用クロックClkの2周期(2CLK)に相当するローレベル期間を有する平滑化可能周波数f_AP(2kHz)のPWM信号Scaの最大デューティ比(DH_AP2)に対応する平滑電圧Vad(電圧測定値Vadm)を表している。例えば、平滑化可能周波数f_APを2kHz、測定用クロックの周波数を8192kHzとしたとき、最大デューティ比DH_AP2は99.951%である。
実施の形態2に係るモータ駆動制御装置1Aのデューティ比測定部20Aは、実施の形態1で用いた直線補完関数801_H,801_Lの代わりに、直線補完関数802_H,802_Lを用いて、平滑化方式によるデューティ比DR2を算出する。
具体的には、図13における低デューティ側の範囲DL2、すなわち電圧測定値Vadmが第3低デューティ側電圧VH_HP2から第1低デューティ側電圧VH_APまでの範囲については、関数800とは別に、電圧測定値Vadmとデューティ比との関係を一次関数で表した直線補完関数802_Lを算出しておき、対応関係情報250AとしてMCUのROM102等の記憶装置に予め記憶しておく。
同様に、図13における高デューティ側の範囲DH2、すなわち電圧測定値Vadmが第1高デューティ側電圧VL_APから第3高デューティ側電圧VL_HP2までの範囲にある場合には、関数800とは別に、電圧測定値Vadmとデューティ比との関係を一次関数で表した直線補完関数802_Hを算出しておき、対応関係情報250AとしてMCUにおけるROM102等の記憶装置に予め記憶しておく。
第2デューティ比測定部25は、ROM102等の記憶装置に記憶された直線補完関数800,802_H,802_Lを用いて、電圧測定部23から取得した電圧測定値Vadmに対応するデューティ比DR2を算出する。すなわち、第2デューティ比測定部25は、VL_AP≦Vadm<VL_HP2の範囲では直線補完関数802_Hを、VH_HP2<Vadm≦VH_APの範囲では、直線補完関数802_Lを、VL_HP2≦Vadm≦VH_HP2の範囲では、直線補完関数800をそれぞれ用いて、電圧測定値Vadmに対応するデューティ比DR2を算出する。
図14は、実施の形態2に係るモータ駆動制御装置1AによるPWM信号Scのデューティ比の測定方式の選択方法を説明するための図である。
図14において、縦軸は、PWM信号Sc(Sca)の周波数fを表し、横軸は、PWM信号Scのデューティ比を表している。上述した図9と同様に、図14の横軸には、電圧測定値Vadmをデューティ比と平行に表示し、ディーティ比に対応する電圧測定値Vadmの値を記載している。
図14には、PWM信号Scの周波数に関する閾値とPWM信号Scを平滑化した電圧に関する閾値とで区分された複数の区分領域A,H,C1,C2,D1,D2,F1,F2,G1,G2,I1,I2が示されている。
図14に示されるように、各区分領域A,H,C1,C2,D1,D2,F1,F2,G1,G2,I1,I2は、上述したPWM信号Scの周波数に関する閾値(f_HP、f_AP、およびf_LP)とPWM信号Scを平滑化した電圧に関する閾値(VL_AP、VH_AP、VL_HP、VH_HP、VL_AP2、VH_AP2、VL_HP2、およびVH_HP2)とによって定められる。以下、各区分領域について説明する。
区分領域A,C1,C2,D1,D2については、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置1における区分領域と同様であるため、説明を省略する。
区分領域Hは、上限周波数f_HPと、平滑化可能周波数f_APと、第3低デューティ側電圧VH_HP2と、第3高デューティ側電圧VL_HP2とで囲まれる領域である。
区分領域G1は、下限周波数f_LPと、平滑化可能周波数f_APと、第1低デューティ側電圧VH_APと、第4低デューティ側電圧VH_AP2とで囲まれる領域である。
区分領域G2は、下限周波数f_LPと、平滑化可能周波数f_APと、第1高デューティ側電圧VL_APと、第4高デューティ側電圧VL_AP2とで囲まれる領域である。なお、区分領域G1と区分領域G2とを総称して「区分領域G」と表記する場合がある。
区分領域F1は、第3境界線L3と、第3低デューティ側電圧VH_HP2と、平滑化可能周波数f_APとによって囲まれる領域である。
ここで、第3境界線L3は、平滑化可能周波数f_APおよび第4低デューティ側電圧VH_AP2によって特定される点(座標)Q3と上限周波数f_HPおよび第3低デューティ側電圧VH_HP2によって特定される点(座標)P3とを結ぶ線である。換言すれば、第3境界線L3は、PWM信号Scaのハイレベル期間が測定用クロックClkの2周期(2CLK)に相当する場合の特性線である。
区分領域F2は、第4境界線L4と、第3高デューティ側電圧VL_HP2と、平滑化可能周波数f_APとによって囲まれる領域である。
ここで、第4境界線L4は、平滑化可能周波数f_APおよび第4高デューティ側電圧VL_AP2によって特定される点(座標)Q4と上限周波数f_HPおよび第3高デューティ側電圧VL_HP2によって特定される点(座標)P4とを結ぶ線である。換言すれば、第4境界線L4は、PWM信号Scaのローレベル期間が測定用クロックClkの2周期(2CLK)に相当する場合の特性線である。
なお、区分領域F1と区分領域F2とを総称して「区分領域F」と表記する場合がある。
区分領域I1は、第1境界線L1と、第3境界線L3と、平滑化可能周波数f_APと、上限周波数f_HPとによって囲まれる領域である。区分領域I2は、第2境界線L2と、第4境界線L4と、平滑化可能周波数f_APと、上限周波数f_HPとによって囲まれる領域である。なお、区分領域I1と区分領域I2とを総称して「区分領域I」と表記する場合がある。
測定方式選択部26Aは、電圧測定部23によって測定された平滑電圧Vadの測定値(電圧測定値Vadm)と第1デューティ比測定部24によって測定された周波数fの測定値とによって特定される特定点Xが区分領域Hに存在する場合には、測定方式としてキャプチャ方式を選択する。
上述したように、PWM信号Scの周波数fが平滑化可能周波数f_APよりも高い場合であっても、デューティ比が50%近傍ほど、平滑電圧Vadのばらつきが大きくなるので、平滑化方式ではPWM信号Scのデューティ比を精度よく測定できない。そこで、特定点Xが区分領域Hに存在する場合には、測定方式選択部26Aは、キャプチャ方式を選択し、キャプチャ方式によって算出されたデューティ比DR1をデューティ比の測定値とする。
特定点Xが区分領域Gに存在する場合には、測定方式選択部26Aは、予め設定された固定デューティ比をデューティ比の測定値とする。
上述したように、測定対象のPWM信号の周波数fが平滑化可能周波数f_AP以下の場合には、平滑化方式でデューティ比を測定することはできない。一方、キャプチャ方式では、上述したように、MCUの性能によっては、PWM信号のデューティ比が測定用クロックClkの1周期(1CLK)以上2周期(2CLK)未満の場合に、デューティ比の測定値のばらつきが大きくなる場合がある。
そこで、特定点Xが区分領域Gに存在する場合には、測定方式選択部26Aは、キャプチャ方式および平滑化方式のいずれの測定方式も選択することなく、予め設定された固定デューティ比をデューティ比の測定値とする。例えば、測定方式選択部26Aは、特定点が区分領域G1に存在する場合にはデューティ比0%を、特定点が区分領域G2に存在する場合にはデューティ比100%を、それぞれデューティ比の測定値とする。
特定点Xが区分領域Iに存在する場合には、測定方式選択部26Aは、第1デューティ比測定部24によるデューティ比DR1と第2デューティ比測定部25によるデューティ比DR2とを比較し、比較結果に基づいて、キャプチャ方式または平滑化方式を選択する。
具体的には、測定方式選択部26Aは、特定点Xが区分領域Iに存在する場合に、第1デューティ比測定部24によるデューティ比DR1と第2デューティ比測定部25によるデューティ比DR2との差分(|DR1−DR2|)を算出し、差分が所定の閾値よりも小さい場合に、キャプチャ方式を選択し、差分が所定の閾値以上の場合に、平滑化方式を選択する。
上述したように、第1境界線L1は、PWM信号Scaのハイレベル期間が測定用クロックClkの1周期(1CLK)に相当する場合の特性線を表し、第3境界線L3は、PWM信号Scaのハイレベル期間が測定用クロックClkの2周期(2CLK)に相当する場合の特性線を表している。したがって、図14における第1境界線L1と第3境界線との間(区分領域I1)に特定点Xが位置している場合には、PWM信号Scaのハイレベル期間が測定用クロックClkの1周期(1CLK)以上2周期(2CLK)未満であると言える。
また、上述したように、MCUの性能によっては、PWM信号Scaのハイレベル期間またはローレベル期間が測定用クロックClkの1周期(1CLK)以上2周期(2CLK)未満である場合には、キャプチャ方式でのデューティ比の測定値のばらつきが大きくなり、デューティ比の測定値がばらつが大きくなる場合がある。
そこで、特定点Xが区分領域I1に存在する場合には、測定方式選択部26Aは、第1デューティ比測定部24によるデューティ比DR1と第2デューティ比測定部25によるデューティ比DR2との差分(|DR1−DR2|)を算出する。差分が所定の閾値よりも小さい場合には、測定方式選択部26Aは、キャプチャ方式でもデューティ比が正確に測定できていると判定し、キャプチャ方式を選択して、キャプチャ方式によって算出されたデューティ比DR1をデューティ比の測定値とする。一方、差分が所定の閾値以上の場合には、測定方式選択部26Aは、キャプチャ方式ではデューティ比が正確に測定できていないと判定し、平滑化方式を選択して、平滑化方式によって算出されたデューティ比DR2をデューティ比の測定値とする。なお、特定点Xが区分領域I2に存在する場合も、測定方式選択部26Aは、特定点Xが区分領域I1に存在する場合と同様の判定処理を行って測定方式を選択する。
特定点Xが区分領域Fに存在する場合には、測定方式選択部26Aは、区分領域Iと同様に、第1デューティ比測定部24によるデューティ比DR1と第2デューティ比測定部25によるデューティ比DR2とを比較し、比較結果に基づいて、キャプチャ方式または平滑化方式を選択する。
図15Aおよび図15Bは、実施の形態2に係るモータ駆動制御装置1による測定方式選択処理(ステップS8)の流れを示すフローチャートである。
図15Aおよび図15Bを示すフローチャートにおいて、ステップS80からステップS90までの処理は、図11Aおよび図11Bに示すフローチャートの処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS91において、周波数fが平滑化可能周波数f_AP以下の場合(ステップS91:NO)には、ステップS100において、測定方式選択部26Aは、電圧測定値Vadmが第4低デューティ側電圧VH_AP2より大きいか否かを判定する。
電圧測定値Vadmが第4低デューティ側電圧VH_AP2より大きい場合(ステップS100:YES)には、測定方式選択部26Aは、特定点Xが区分領域G1またはC1に存在すると判定し、固定デューティ比(例えば0%)をデューティ比の測定値とする(ステップS101)。
一方、電圧測定値Vadmが第4低デューティ側電圧VH_AP2以下の場合(ステップS100:NO)には、ステップS102において、電圧測定値Vadmが第4高デューティ側電圧VL_AP2より小さいか否かを判定する。
電圧測定値Vadmが第4高デューティ側電圧VL_AP2より小さい場合(ステップS102:YES)には、特定点Xが区分領域G2またはC2に存在すると判定し、固定デューティ比(例えば100%)をデューティ比の測定値とする(ステップS103)。
一方、電圧測定値Vadmが第4高デューティ側電圧VL_AP2以上の場合(ステップS102:NO)には、測定方式選択部26Aは、特定点Xが区分領域Aに存在すると判定し、キャプチャ方式を選択(ステップS92)し、キャプチャ方式によって算出されたデューティ比DR1をデューティ比の測定値とする。
また、ステップS91において、周波数fが平滑化可能周波数f_APより高い場合(ステップS91:YES)には、ステップS104において、測定方式選択部26Aは、電圧測定値Vadmが第3高デューティ側電圧VL_HP2以上、且つ第3低デューティ側電圧VH_HP2以下か否かを判定する。
電圧測定値Vadmが第3高デューティ側電圧VL_HP2以上、且つ第3低デューティ側電圧VH_HP2以下の場合(ステップS104:YES)には、測定方式選択部26Aは、特定点Xが区分領域Hに存在すると判定し、キャプチャ方式を選択(ステップS105)し、キャプチャ方式によって算出されたデューティ比DR1をデューティ比の測定値とする。
一方、電圧測定値Vadmが第3高デューティ側電圧VL_HP2より小さい、または第3低デューティ側電圧VH_HP2より大きい場合(ステップS104:NO)には、特定点Xが区分領域F1、区分領域F2、区分領域I1、または区分領域I2に存在すると判定する(ステップS106)。
ステップS106において、特定点Xが区分領域F1、区分領域F2,区分領域I1、または区分領域I2に存在する場合には、測定方式選択部26Aは、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置1と同様に、第1デューティ比測定部24によるデューティ比DR1と第2デューティ比測定部25によるデューティ比DR2との差分(|DR1−DR2|)に基づいてキャプチャ方式を選択し、デューティ比DR1をデューティ比の測定値とし、または平滑化方式を選択し、デューティ比DR2をデューティ比の測定値とする(ステップS96〜S98)。
上述の順に各処理を実行することにより、モータ駆動制御装置1Aは、PWM信号Scのデューティ比の測定方式が決定する。ステップS9において、測定方式が選択されたかどうかを判定する。測定方式が選択された場合(ステップS9:YES)、デューティ比出力部27は、ステップS8で決定した測定方式によって測定されたデューティ比をモータの駆動状態に合わせて調整して出力(ステップS10)し、セットされていた更新フラグをクリアする。一方で、一時的にキャプチャ方式の測定が更新されない場合(ステップS87:NO)や、PWM周期の測定範囲外(ステップS90)の場合で、測定方式が選択されなかった場合(ステップS9:NO)は、デューティ比の出力は、以前の状態が維持される。その後は、制御信号生成部21が、ステップS10で出力されたデューティ比に基づいて制御信号Sdを生成することにより、モータ2は、速度指令信号としてのPWM信号Scによって指定された回転速度で回転するように制御される。その後、プログラム処理はステップS2に戻り、上位機器3から速度指令信号としてのPWM信号Scのデューティ比の測定を再開する。
以上、実施の形態2に係るモータ駆動制御装置1Aは、PWM信号Scaのハイレベル期間またはローレベル期間が測定用クロックClkの1周期(1CLK)以上2周期(2CLK)未満となる区分領域F1,F2,I1,およびI2を更に設定し、特定点Xが区分領域F1,F2,I1,またはI2に存在する場合には、第1デューティ比測定部24によるデューティ比DR1と第2デューティ比測定部25によるデューティ比DR2との差分(|DR1−DR2|)に基づいてキャプチャ方式と平滑化方式の何れか一方を選択し、選択した測定方式によって算出されたデューティ比をPWM信号Scのデューティ比の測定値とする。
これによれば、MCUの性能等により、キャプチャ方式でのデューティ比の測定が正確に行われない場合であっても、平滑化方式でのデューティ比の測定値を出力することができるので、より高精度なデューティ比の測定を実現することが可能となる。
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態では、速度指令信号としてのPWM信号のデューティ比を測定するための構成をモータ駆動制御装置1,1Aに適用する場合を例示したが、これに限られない。例えば、モータ駆動制御装置1,1Aのデューティ比測定部20,20AをPWM信号測定装置として、モータ駆動制御装置以外のアプリケーションに適用することも可能である。
また、上記実施の形態では、キャプチャ方式のPWM信号測定として、周期、ハイレベル期間、およびローレベル期間の3つの測定を行う場合を例示したが、2つの測定を行い、他の測定を計算により補完してもよい。
また、一定の期間において、複数のPWM信号の双方のレベル期間の測定を累積することにより、デューティ比を算出してもよい。
また、上記実施の形態では、電圧測定値Vadmが、PWM信号のデューティ比が0%にて最大値、および100%にて最小値になる場合を例示したが、PWM信号のデューティ比が100%にて最大値、および0%にて最小値になる場合でも、MCUの計算により適用することが可能である。
また、平滑化方式によってデューティ比が測定可能な前記PWM信号の周波数を規定する平滑化可能周波数(f_AP)は、一つの周波数に限定されず、例えば、平滑電圧に応じて切り替えてもよい。
また、上記実施の形態では、特定点が区分領域E1,E2に存在する場合に、測定方式選択部26が、差分(|DR1−DR2|)に基づいてキャプチャ方式と平滑化方式の何れか一方を選択する場合を例示したが、これに限られない。例えば、測定方式選択部26は、特定点が区分領域E1,E2に存在する場合に、区分領域Bの場合と同様に、キャプチャ方式を選択してもよい。すなわち、測定方式選択部26は、第1境界線L1、第2境界線L2、平滑化可能周波数f_AP、および上限周波数f_HPによって囲まれる所定領域(E1+E2+B)に特定点が存在するか否かを判定し、上記所定領域に特定点が存在する場合に、キャプチャ方式を選択してもよい。
また、上述のフローチャートは、動作を説明するための一例を示すものであって、これに限定されない。すなわち、フローチャートの各図に示したステップは具体例であって、このフローに限定されるものではない。例えば、一部の処理の順番が変更されてもよいし、各処理間に他の処理が挿入されてもよいし、一部の処理が並列に行われてもよい。
100…モータユニット、1,1A…モータ駆動制御装置、2…モータ、3…上位装置、10,10A…制御部、11…モータ駆動部、12…PWM入力回路、13…平滑回路、101…プロセッサ、102…ROM、103…RAM、104…タイマ(カウンタ)、105…A/D変換回路、107…入出力I/F回路、108…クロック生成回路、20,20A…デューティ比測定部(PWM信号測定装置)、21…制御信号生成部、23…電圧測定部、24…第1デューティ比測定部、25…第2デューティ比測定部、26,26A…測定方式選択部、27…デューティ比出力部、250,250A…対応関係情報、Clk…測定用クロック、A,B,C,C1,C2,D,D1,D2,E,E1,E2,F,F1,F2,G,G1,G2,H,I,I1,I2…区分領域、DR1,DR2…デューティ比の測定値、f_AP…平滑化可能周波数、f_HP…上限周波数、f_LP…下限周波数、L1…第1境界線、L2…第2境界線、L3…第3境界線、L4…第4境界線、Sc…速度指令信号(PWM信号)、Sd…制御信号、Vad…平滑電圧、Vadm…電圧測定値、VH_AP…第1低デューティ側電圧、VH_AP2…第4低デューティ側電圧、VH_HP…第2低デューティ側電圧、VH_HP2…第3低デューティ側電圧、VL_AP…第1高デューティ側電圧、VL_AP2…第4高デューティ側電圧、VL_HP…第2高デューティ側電圧、VL_HP2…第3高デューティ側電圧。

Claims (13)

  1. 入力されたPWM信号のエッジに基づく期間を測定用クロックによって測定し、前記期間の測定値に基づいて前記PWM信号の周波数およびデューティ比を測定するキャプチャ方式の第1デューティ比測定部と、
    平滑回路によって前記PWM信号を平滑化した平滑電圧を測定する電圧測定部と、
    前記平滑電圧の測定値に基づいて、前記PWM信号のデューティ比を測定する平滑化方式の第2デューティ比測定部と、
    前記PWM信号の周波数の測定値と前記平滑電圧の測定値とに基づいて、前記キャプチャ方式と前記平滑化方式の何れか一方を、前記PWM信号のデューティ比を測定するための測定方式として選択する測定方式選択部と、を有する
    PWM信号測定装置。
  2. 請求項1に記載のPWM信号測定装置において、
    前記PWM信号の周波数に関する閾値と前記PWM信号を平滑化した電圧に関する閾値とで区分される複数の区分領域毎に、前記キャプチャ方式と前記平滑化方式の少なくとも一方が前記測定方式として割り当てられ、
    前記測定方式選択部は、前記平滑電圧の測定値と前記PWM信号の周波数の測定値とに基づいて前記区分領域を特定し、特定した前記区分領域に割り当てられた前記測定方式を選択する
    PWM信号測定装置。
  3. 請求項2に記載のPWM信号測定装置において、
    前記PWM信号の周波数に関する閾値は、前記キャプチャ方式によってデューティ比が測定可能な前記PWM信号の周波数の上限を規定する上限周波数と、前記キャプチャ方式によってデューティ比が測定可能な前記PWM信号の周波数の下限を規定する下限周波数と、前記上限周波数と前記下限周波数との間の、前記平滑化方式によってデューティ比が測定可能な前記PWM信号の周波数を規定する平滑化可能周波数とを含み、
    前記測定方式選択部は、前記PWM信号の周波数の測定値が前記平滑化可能周波数以下の場合に、前記キャプチャ方式を選択し、前記PWM信号の周波数の測定値が前記平滑化可能周波数よりも高い場合に、前記キャプチャ方式または前記平滑化方式を選択する
    PWM信号測定装置。
  4. 請求項3に記載のPWM信号測定装置において、
    前記PWM信号を平滑化した電圧に関する閾値は、前記測定用クロックの1周期に相当する一方のレベル期間を有する前記平滑化可能周波数のパルスのデューティ比に対応する第1低デューティ側電圧と、前記測定用クロックの1周期に相当する他方のレベル期間を有する前記平滑化可能周波数のパルスのデューティ比に対応する第1高デューティ側電圧と、を含み、
    前記測定方式選択部は、前記平滑電圧の測定値が前記第1低デューティ側電圧、前記上限周波数、および前記下限周波数によって囲まれる領域に存在する場合、または前記平滑電圧の測定値が前記第1高デューティ側電圧、前記上限周波数、および前記下限周波数によって囲まれる領域に存在する場合に、予め設定された固定デューティ比を選択する
    PWM信号測定装置。
  5. 請求項4に記載のPWM信号測定装置において、
    前記PWM信号を平滑化した電圧に関する閾値は、前記測定用クロックの1周期に相当する一方のレベル期間を有する前記上限周波数のパルスのデューティ比に対応する第2低デューティ側電圧と、前記測定用クロックの1周期に相当する他方のレベル期間を有する前記上限周波数のパルスのデューティ比に対応する第2高デューティ側電圧と、を含み、
    前記複数の区分領域は、前記平滑化可能周波数における前記第1低デューティ側電圧と前記上限周波数における前記第2低デューティ側電圧とを結ぶ第1境界線、前記第1低デューティ側電圧、および前記上限周波数によって囲まれる第1領域と、前記平滑化可能周波数における前記第1高デューティ側電圧と前記上限周波数における前記第2高デューティ側電圧とを結ぶ第2境界線、前記第1高デューティ側電圧、および前記上限周波数によって囲まれる第2領域とを含み、
    前記測定方式選択部は、前記平滑電圧の測定値と前記周波数の測定値とによって特定される特定点が前記第1領域内に存在する場合または前記特定点が前記第2領域内に存在する場合に、前記平滑化方式を選択する
    PWM信号測定装置。
  6. 請求項5に記載のPWM信号測定装置において、
    前記複数の区分領域は、前記平滑化可能周波数における前記第1低デューティ側電圧と前記上限周波数における前記第2低デューティ側電圧とを結ぶ第1境界線、前記平滑化可能周波数における前記第1高デューティ側電圧と前記上限周波数における前記第2高デューティ側電圧とを結ぶ第2境界線、前記平滑化可能周波数、および前記上限周波数によって囲まれる所定領域を更に含み、
    前記測定方式選択部は、前記特定点が前記所定領域内に存在する場合に、前記キャプチャ方式を選択する
    PWM信号測定装置。
  7. 請求項5に記載のPWM信号測定装置において、
    前記複数の区分領域は、前記第1境界線、前記第2低デューティ側電圧、および前記平滑化可能周波数によって囲まれる第3領域と、前記第2境界線、前記第2高デューティ側電圧、および前記平滑化可能周波数によって囲まれる第4領域とを更に含み、
    前記測定方式選択部は、前記特定点が前記第3領域内に存在する場合または前記特定点が前記第4領域内に存在する場合に、前記第1デューティ比測定部によるデューティ比の測定値と前記第2デューティ比測定部によるデューティ比の測定値との差分を算出し、前記差分が所定の閾値よりも小さい場合に、前記キャプチャ方式を選択し、前記差分が前記所定の閾値以上の場合に、前記平滑化方式を選択する
    PWM信号測定装置。
  8. 請求項5または6に記載のPWM信号測定装置において、
    前記測定用クロックの2周期に相当する一方のレベル期間を有する前記上限周波数のパルスのデューティ比に対応する第3低デューティ側電圧と、前記測定用クロックの2周期に相当する他方のレベル期間を有する前記上限周波数のパルスのデューティ比に対応する第3高デューティ側電圧と、を含み、
    前記複数の区分領域は、前記第3低デューティ側電圧、前記第1境界線、前記平滑化可能周波数、および前記上限周波数によって囲まれる第3領域と、前記第3高デューティ側電圧、前記第2境界線、前記平滑化可能周波数、および前記上限周波数によって囲まれる第4領域と、を含み、
    前記測定方式選択部は、前記特定点が前記第3領域内または前記第4領域内に存在する場合に、前記第1デューティ比測定部によるデューティ比の測定値と前記第2デューティ比測定部によるデューティ比の測定値との差分を算出し、前記差分が所定の閾値よりも小さい場合に、前記キャプチャ方式を選択し、前記差分が前記所定の閾値以上の場合に、前記平滑化方式を選択する
    PWM信号測定装置。
  9. 請求項8に記載のPWM信号測定装置において、
    前記PWM信号を平滑化した電圧に関する閾値は、前記測定用クロックの2周期に相当する一方のレベル期間を有する前記平滑化可能周波数のパルスのデューティ比に対応する第4低デューティ側電圧と、前記測定用クロックの2周期に相当する他方のレベル期間を有する前記平滑化可能周波数のパルスのデューティ比に対応する第4高デューティ側電圧と、を含み、
    前記複数の区分領域は、前記第1低デューティ側電圧、前記第4低デューティ側電圧、前記平滑化可能周波数、および前記下限周波数によって囲まれる第5領域と、前記第1高デューティ側電圧、前記第4高デューティ側電圧、前記平滑化可能周波数、および前記下限周波数によって囲まれる第6領域と、を更に含み、
    前記測定方式選択部は、前記特定点が前記第5領域内に存在する場合、または前記特定点が前記第6領域内に存在する場合に、予め設定された固定デューティ比を選択する
    PWM信号測定装置。
  10. 請求項2乃至9の何れか一項に記載のPWM信号測定装置において、
    前記測定方式選択部は、前記第1デューティ比測定部がデューティ比の測定を一定期間行っていない場合に、前記平滑化方式を選択する
    PWM信号測定装置。
  11. PWM信号が入力されるPWM入力回路と、
    前記PWM信号を平滑化する平滑回路と、
    前記PWM入力回路に入力された前記PWM信号を前記PWM信号として入力するとともに、前記平滑回路によって前記PWM信号を平滑化した電圧を前記平滑電圧として入力する、請求項1乃至10の何れか一項に記載のPWM信号測定装置を含み、制御信号を生成する制御部と、
    前記制御信号に基づいて、モータを駆動するモータ駆動部と、を備える
    モータ駆動制御装置。
  12. 入力されたPWM信号のエッジに基づく期間を測定用クロックによって測定し、前記期間の測定値に基づいて前記PWM信号の周波数およびデューティ比を測定するキャプチャ方式の第1デューティ比測定ステップと、
    前記PWM信号を平滑回路によって平滑化した平滑電圧を測定する電圧測定ステップと、
    前記平滑電圧の測定値に基づいて、前記PWM信号のデューティ比を測定する平滑化方式の第2デューティ比測定ステップと、
    前記PWM信号の周波数の測定値と前記平滑電圧の測定値とに基づいて、前記キャプチャ方式と前記平滑化方式の何れか一方を、前記PWM信号のデューティ比を測定するための測定方式として選択する測定方式選択ステップと、を含む
    PWM信号測定方法。
  13. PWM信号が入力されるPWM入力ステップと、
    前記PWM信号を平滑化する平滑ステップと、
    前記PWM信号のエッジに基づく期間を測定用クロックによって測定し、前記期間の測定値に基づいて前記PWM信号の周波数およびデューティ比を測定するキャプチャ方式の第1デューティ比測定ステップと、
    前記PWM信号を平滑回路によって平滑化した平滑電圧を測定する電圧測定ステップと、
    前記平滑電圧の測定値に基づいて、前記PWM信号のデューティ比を測定する平滑化方式の第2デューティ比測定ステップと、
    前記PWM信号の周波数の測定値と前記平滑電圧の測定値とに基づいて、前記キャプチャ方式と前記平滑化方式の何れか一方を、前記PWM信号のデューティ比を測定するための測定方式として選択する測定方式選択ステップと、
    前記測定方式選択ステップによって選択された前記測定方式に基づいて制御信号を生成する制御ステップと、
    前記制御信号に基づいて、モータを駆動するモータ駆動ステップと、を含む
    モータ駆動制御方法。
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