JP2021028665A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動作時に清掃手段を回転させたとき回収トナーに作用する遠心力が回収トナーの付着力より小さい場合に比べ、清掃手段が保持する回収トナーの除去性を向上させる。【解決手段】回転する第1定着手段と、前記第1定着手段に圧接して回転しトナーからなる画像を記録媒体に定着するニップ部を形成する第2定着手段と、前記第1及び第2定着手段の少なくとも一方を加熱する加熱手段と、前記第1及び第2定着手段の少なくとも一方の表面に接触して回転しつつ清掃する清掃手段と、を備え、前記清掃手段に対する前記トナーの付着力より前記トナーに作用する遠心力が大きくなる速度で前記清掃手段を回転させる清掃動作を行う。【選択図】図10

Description

この発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
従来、定着装置に関する技術としては、例えば、クリーニング部材の汚れ具合を判定して適時の交換を可能としたり、クリーニング部材の汚れを抑制するものが既に提案されている(特許文献1、2等)。
特許文献1は、予め設定された所定のタイミングにおいて、定着ローラの回転速度を、印字処理中の回転速度より予め設定された一定速度だけ高速回転させる駆動制御手段と、定着ローラの駆動源の負荷トルクを検出する負荷トルク検出手段と、駆動制御手段による高速回転中において負荷トルク検出手段により検出された負荷トルクに基づき、クリーニング部材の汚れ具合を判定する判定手段とを備えるものである。
特許文献2は、クリーニング部材の表面に付着した付着物を掻き取ることにより除去するリフレッシュ手段を設けたものである。
特開2008−225221号公報 特開2005−017807号公報
この発明の目的は、動作時に清掃手段を回転させたとき回収トナーに作用する遠心力が回収トナーの付着力より小さい場合に比べ、清掃手段が保持する回収トナーの除去性を向上させることにある。
請求項1に記載された発明は、回転する第1定着手段と、
前記第1定着手段に圧接して回転しトナー像を記録媒体に定着するニップ部を形成する第2定着手段と、
前記第1及び第2定着手段の少なくとも一方を加熱する加熱手段と、
前記第1及び第2定着手段の少なくとも一方の表面に接触して回転しつつ清掃する清掃手段と、
を備え、
前記清掃手段に対する前記トナーの付着力より前記トナーに作用する遠心力が大きくなる速度で前記清掃手段を回転させる動作を行う定着装置である。
ここで、清掃手段に対するトナーの付着力よりトナーに作用する遠心力が大きくなる速度で清掃手段を回転させる動作を行う時期は、清掃動作モード時に限らず、画像形成時も含むものである。
請求項2に記載された発明は、前記動作は、前記清掃手段を定着時より高い温度に加熱して行う請求項1に記載の定着装置である。
請求項3に記載された発明は、前記定着時より高い温度は、前記清掃手段により清掃された前記トナーの凝集力が、前記清掃手段に対する前記トナーの付着力より小さくなる温度である請求項2に記載の定着装置である。
請求項4に記載された発明は、前記動作時における前記清掃手段の回転速度は、定着時の最も速い速度より速い速度である請求項1に記載の定着装置である。
請求項5に記載された発明は、前記定着装置を駆動する駆動源は、清掃動作時、前記定着装置以外と切り離される請求項4に記載の定着装置である。
請求項6に記載された発明は、前記清掃手段に接触して清掃する第2清掃手段を更に備え、
前記清掃手段の表面はゴム材料からなり、前記第2清掃手段の表面は金属材料からなる請求項1に記載の定着装置である。
請求項7に記載された発明は、記録媒体にトナー像を形成する画像形成手段と、
前記記録媒体に形成された前記トナー像を定着する定着手段と、
を備え、
前記定着手段として請求項1乃至6のいずれかに記載の定着装置を用いた画像形成装置である。
請求項1に記載された発明によれば、動作時に清掃手段を回転させたとき回収トナーに作用する遠心力が回収トナーの付着力より小さい場合に比べ、清掃手段が保持する回収トナーの除去性を向上させることができる。
請求項2に記載された発明によれば、動作時、清掃手段を定着時より高い温度に加熱しない場合に比べ、清掃手段が保持する回収トナーの除去性を向上させることができる。
請求項3に記載された発明によれば、定着時より高い温度は、清掃手段により清掃されたトナーの凝集力が、清掃手段に対するトナーの付着力より大きくなる温度である場合に比べ、回収トナーの除去性を向上することができる。
請求項4に記載された発明によれば、動作時の回転速度が、定着時の最も速い速度と同等かそれ以下である場合に比べ、回収トナーの除去性を向上することができる。
請求項5に記載された発明によれば、定着装置を駆動する駆動源が、動作時、定着装置以外と接続されている場合に比べ、定着装置以外に高速回転駆動の影響が及ぶのを抑制できる。
請求項6に記載された発明によれば、清掃手段に接触して清掃する第2清掃手段を備えない場合に比べ、清掃手段により除去した回収トナーを第2清掃手段で保持することができる。
請求項7に記載された発明によれば、定着部として請求項1乃至6のいずれかに記載の定着装置を用いない場合に比べ、清掃手段が保持する回収トナーの除去性を向上させることができる。
この発明の実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置を示す概略構成図である。 トナーを示す模式図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置を示す断面構成図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す断面構成図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置を示す正面構成図である。 加圧部材及び支持部材を示す斜視構成図である。 清掃装置の構成を示す断面構成図である。 加熱ロール、清掃ロール及び回収ロールの濡れ性を示すグラフである。 加熱ロールの表面から清掃装置へのトナーの回収状態を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す構成図である。 トナーの凝集力と温度の関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に係る定着装置の動作を示す構成図である。 この発明の実施の形態2に係る定着装置を示す概略断面図である。
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置の全体の概略を示している。なお、図中、矢印Xは水平方向に沿った幅方向を、Yは水平方向に沿った奥行方向を、Zは鉛直方向をそれぞれ示している。
<画像形成装置の全体の構成>
画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、図1に示されるように、現像剤を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されたトナー像をそれぞれ保持して最終的に記録媒体の一例としての記録用紙5に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置に供給すべき所要の記録用紙5を収容して搬送する給紙装置50と、中間転写装置20で二次転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる本実施の形態に係る定着手段の一例としての定着装置40等を備えている。符号1aは、支持構造部材や外装カバー等で形成される装置本体を示している。
この実施の形態1では、複数の作像装置10と中間転写装置20が、記録媒体にトナー像を形成する画像形成手段を構成している。なお、画像形成手段は、単一の作像装置を備え、中間転写装置を介さず作像装置から記録媒体にトナー像を直接形成するよう構成したものであっても良い。
作像装置10は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの作像装置10Y,10M,10C,10Kで構成されている。これらの4つの作像装置10(Y,M,C,K)は、装置本体1aの内部空間において水平方向Xに対して傾斜した状態で1列に配置されている。
各作像装置10(Y,M,C,K)は、図1に示されるように、回転する像保持手段の一例としての感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のような各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する静電潜像形成手段の一例としての露光装置13と、その静電潜像を対応する色(Y,M,C,K)の現像剤のトナーで現像してトナー像にする現像手段の一例としての現像装置14(Y,M,C,K)と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写手段の一例としての一次転写装置15と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラムクリーニング装置16等である。なお、感光体ドラム11や帯電装置12等を示す符号は、イエロー(Y)の作像装置10Yにのみ付し、他の作像装置10(M,C,K)では省略している。
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない駆動装置から駆動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するよう支持されている。
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触した状態で配置される接触型の帯電ロールで構成される。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、その現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。帯電装置12の背面側には、帯電装置12の表面を清掃するクリーニングロール121が接触した状態で配置されている。
露光装置13は、感光体ドラム11の軸方向に沿って配列された複数の発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)により感光体ドラム11に画像情報に応じた光を照射して静電潜像を形成するLEDプリントヘッド等からなるものである。露光装置13には、潜像形成時になると、画像形成装置1に任意の手段で入力される画像の情報(信号)が送信される。なお、露光装置13としては、画像形成装置1に入力される画像の情報に応じて構成されるレーザ光を、帯電された後の感光体ドラム11の周面に対して照射して静電潜像を形成するものを用いても良い。
現像装置14(Y,M,C,K)はいずれも、図1に示されるように、開口部と現像剤の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロール141と、現像剤を撹拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送するスクリューオーガー等の撹拌搬送部材142,143と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材144などを配置して構成されたものである。この現像装置14には、その現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像用電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141や撹拌搬送部材142,143は、図示しない駆動装置からの駆動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、上記4色の現像剤(Y,M,C,K)としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。
イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の各色のトナーT(Y,M,C,K)としては、例えば、図2に示されるように、内部に粒状の色材301や低融点の合成樹脂302、あるいは潤滑剤などを分散させた通常の熱溶融性樹脂303を有し、その外周を通常の熱溶融性樹脂304で被覆し、外周面に帯電性や清掃性などを調整する機能性微粒子からなる外添剤305を添加したEA(Emulsion Aggregation:乳化重合)トナーが用いられる。低融点の合成樹脂302や通常の熱溶融性樹脂303,304としては、例えば、ポリエステル樹脂が用いられる。EAトナーTは、数平均粒子径が約3〜5μm程度であり、略球形状に形成されている。潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、リシノール酸、オクチル酸などの脂肪酸と、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛などの金属との化合物である脂肪酸金属塩が用いられる。
一次転写装置15は、図1に示されるように、一次転写位置において感光体ドラム11の周面に中間転写ベルト21を介して接触し回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
ドラムクリーニング装置16は、容器状の本体160の内部に配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃するクリーニングブレード161と、クリーニングブレード161で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材162などで構成されている。
中間転写装置20は、各作像装置10(Y,M,C,K)の上方の位置に存在するよう配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印Bで示す方向に循環移動する中間転写手段の一例としての中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内周から所望の状態に保持して循環移動可能に支持する複数のベルト支持ロール22〜25と、ベルト支持ロール25に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に二次転写させる二次転写装置30と、二次転写装置30を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルトクリーニング装置26とで主に構成されている。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22は駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール23は中間転写ベルト21の走行位置を保持する面出しロールとして構成され、ベルト支持ロール24は張力付与ロールとして構成され、ベルト支持ロール25は二次転写のバックアップロールとして構成されている。
二次転写装置30は、中間転写装置20におけるベルト支持ロール25に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置において回転する二次転写ロール31を備えている。二次転写ロール31又は中間転写装置20のベルト支持ロール25には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として供給される。
定着装置40は、表面温度が予め定められた温度に保持されるよう加熱手段によって加熱される第1定着手段の一例としての加熱ロール41と、この加熱ロール41に所要の圧力で接触して回転する第2定着手段の一例としての加圧ベルト42などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱ロール41と加圧ベルト42が接触する接触部が未定着トナー像を記録用紙5に定着する所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着ニップ部Nとなる。なお、定着装置40については、後に詳述する。
給紙装置50は、作像装置10(Y,M,C,K)の下方の位置に存在するよう配置される。この給紙装置50は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載板51上に積載した状態で収容する単数(又は複数)の用紙収容体52と、用紙収容体52から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置53とで主に構成されている。用紙収容体52は、例えば、装置本体1aの正面(使用者が操作時に向き合う側面)側に引き出すことができるよう取り付けられている。
記録用紙5としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙やトレーシングペーパー等の薄紙、あるいは合成樹脂(PETなど)製の透明なフィルム状の媒体からなるOHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録用紙5の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等の坪量が相対的に大きい所謂厚紙なども好適に使用することができる。また、記録用紙5としては、表面に凹凸が形成されたエンボス紙などが用いられる。
給紙装置50と二次転写装置30との間には、給紙装置50から送り出される記録用紙5を二次転写位置まで搬送する単数(又は複数)の用紙搬送ロール対54や搬送ガイド材55,56で構成される給紙搬送路57が設けられている。給紙搬送路57において二次転写位置の直前の位置に配置される用紙搬送ロール対54は、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成される。
また、二次転写装置30と定着装置40との間には、二次転写装置30から送り出される記録用紙5を定着装置40まで搬送する搬送ガイド部材58等で構成される用紙搬送路59が設けられている。
定着装置40の下流側には、定着装置40によりトナー像が定着された記録用紙5を、装置本体1aの上部に配置された用紙排出部60に排出するための用紙搬送ロール対61及び用紙排出ロール対62や搬送ガイド材63,64等を備えた排出搬送路65が設けられている。
図1中、符号100は、画像形成装置1の動作を統括的に制御する制御手段の一例としての制御装置を示している。制御装置100は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、あるいはこれらCPUやROM等を接続するバス、通信インターフェイスなどを備えて構成されている。
<画像形成装置の基本的な動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
ここでは、前記4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成するときの画像形成動作について説明する。なお、4つの作像装置10(Y,M,C,K)のうち、いずれか1つ以上の作像装置10を使用して単色又は複数色のトナー像を組み合わせた画像を形成するときの画像形成動作も基本的には同様である。
画像形成装置1は、プリントの要求の指令情報を受けると、制御装置100の制御によって、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置30、定着装置40等が始動する。
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位に帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報を各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各現像装置14(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーをそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置まで搬送されると、一次転写装置15が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わせるような状態で一次転写させる。
また、一次転写が終了した各作像装置10(Y,M,C,K)では、ドラムクリーニング装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、各作像装置10(Y,M,C,K)は次の作像動作が可能な状態となる。
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送する。一方、給紙装置50では、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路57に送り出す。給紙搬送路57では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対54が記録用紙5を転写時期に合わせて二次転写位置に送り出して供給する。
二次転写位置においては、二次転写ロール31が、中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した後の中間転写装置20では、ベルトクリーニング装置26が、二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
続いて、トナー像が二次転写された記録用紙5は、中間転写ベルト21と二次転写ロール31から剥離された後に用紙搬送路59に沿って定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する加熱ロール41と加圧ベルト42との間の定着ニップ部Nに二次転写後の未定着のトナー像を保持した記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)を行い未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。定着が終了した後の記録用紙5は、排出搬送路65を介して用紙排出ロール対62により、装置本体1aの上部に設けられた用紙排出部60に排出される。
以上の動作により、4色のトナーT(Y,M,C,K)からなるトナー像を組み合わせて形成されるフルカラー画像が出力される。
<定着装置の構成>
図3はこの実施の形態1に係る定着装置を示す断面構成図である。
定着装置40は、図3に示されるように、断面略矩形の細長い箱体状に形成された装置ハウジング43を備える。装置ハウジング43の内部には、回転する第1定着手段の一例としての加熱ロール41と、加熱ロール41と接触して定着ニップ部Nを形成する第2定着手段の一例としての加圧ベルト42が圧接された状態で配置されている。装置ハウジング43は、その下端面に未定着トナー像Tiが転写された記録用紙5を内部へ導入する導入口431を有している。導入口431の内部には、記録用紙5を加熱ロール41と加圧ベルト42が圧接する定着ニップ部Nへと案内するガイド板432が斜め上方へ向けて傾斜した状態で配置されている。また、装置ハウジング43は、その上端面の左側端部に加熱ロール41及び加圧ベルト42によって定着処理が施された記録用紙5を外部へ排出する排出口433を有している。排出口433には、必要に応じて、記録用紙5を装置ハウジング43の外部へ排出する図示しない出口ロール対が回転可能に設けられる。なお、記録用紙5は、搬送方向と交差する方向に沿った中央を基準(所謂センターレジ)として搬送される。
定着装置40の定着ニップ部Nと排出口433の間に形成された搬送通路434には、記録用紙5の通過を検知する検知手段の一例としてのアクチュエータ435が右端部を支点として回転可能に設けられている。アクチュエータ435の回転動作は、図示しない光学センサ等によって記録用紙5の通過として検知される。
定着装置40は、図3に示されるように、大別して、加熱ロール41と、加熱ロール41に対して接離可能に設けられた加圧ベルト42を有する加圧ユニット44を備えている。
加熱ロール41は、図4に示されるように、ステンレスやアルミニウム、あるいは鉄(薄肉高張力鋼管)等の金属からなる円筒形状の芯金411と、芯金411の外周に被覆されたシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性を有する弾性体からなる弾性体層412と、弾性体層412の表面に薄く被覆されたポリテトラフロオロエチレン(PTFE)やパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)等からなる離型層413を有している。加熱ロール41の内部には、加熱手段(加熱源)の一例として外径が異なる2本のハロゲンランプ414a,414bが配置されている。
加熱ロール41は、図5に示されるように、その長手方向(軸方向)に沿った両端部が装置ハウジング43のフレーム438に軸受部材439を介して回転可能に支持されている。加熱ロール41は、軸方向に沿った一端部に取り付けられた駆動ギアGを介して駆動源の一例としての駆動モータMにより矢印C方向(図4参照)に沿って所要の速度で回転駆動される。駆動モータMは、定着装置40以外に用紙搬送装置など他の画像形成手段をも駆動する。駆動モータMと定着装置40以外の他の画像形成手段との間には、駆動モータMの回転駆動力を伝達及び遮断するクラッチCLが介在されている。なお、加圧ベルト42は、回転駆動される加熱ロール41に定着ニップ部Nにおいて圧接され従動回転する。
加熱ロール41の回転速度、すなわち定着速度は、記録用紙5の坪量などに応じて高速、中速、低速など複数の速度に設定可能である。この実施の形態1では、加熱ロール41の回転速度として一種類の定着速度のみが設定されている。この一種類の定着速度が定着装置40における最も速い速度となる。
加熱ロール41は、図3に示されるように、その表面温度が温度センサ437によって検知される。加熱ロール41は、温度センサ437の検知結果に基づいてハロゲンランプ414a,414bへの通電を図示しないトライアック等を用いた温度制御回路によって制御することにより、その表面が所要の定着温度となるよう加熱される。
この実施の形態1では、定着時における加熱ロール41の表面温度として、薄紙用の定着温度である170℃と、普通紙用の定着温度である180℃と、厚紙用の定着温度である190℃の複数(3種類)の温度が設定されている。ここで、普通紙とは、坪量が52g/m以上105g/m以下の用紙をいい、厚紙とは、坪量が105g/mを超え且つ350g/m以下の用紙をいい、薄紙とは、坪量が52g/m未満の用紙をいう。但し、記録用紙5の薄紙、普通紙及び厚紙の区分は、上記坪量に限定されるものではなく、他の坪量に基づいて区分されるものであっても勿論良い。
一方、加圧ユニット44は、図4に示されるように、加圧ベルト42と、加圧ベルト42の内部に配置され、加圧ベルト42を加熱ロール41の表面に圧接させる加圧手段の一例である加圧部材45と、同じく加圧ベルト42の内部に配置され、加圧部材45を支持するとともに加圧ベルト42の周回軌道の一部において加圧ベルト42を支持する支持手段の一例である支持部材46と、支持部材46が取り付けられる取付手段の一例としての第1及び第2の板金部材47,48と、加圧ベルト42の長手方向に沿った両端部をそれぞれ回転可能に案内する案内手段の一例としての一対のガイド部材49a,49bと、加圧ベルト42と加圧部材45及び支持部材46の間に介在されて摺動抵抗を低減するシートの一例としての摺動シートSと、加圧ベルト42の内部に配置され、加圧ベルト42の内周面に付与される潤滑剤を保持する潤滑剤保持手段の一例としてのフェルト部材Fを備えている。
加圧ベルト42は、可撓性を有する材料からなり、装着前の状態である自由形状が薄肉円筒形の無端状ベルトとして構成されている。加圧ベルト42は、基材層と、基材層の表面に被覆された弾性体層と、弾性体層の表面に被覆された離型層とを備える。また、加圧ベルト42は、基材層と、基材層の表面に直接被覆された離型層とから構成しても良い。基材層は、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性を有する合成樹脂や、ステンレス、ニッケル、銅等の金属によって形成される。弾性体層は、耐熱性を有するシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体からなる。離型層は、ポリテトラフロオロエチレン(PTFE)やパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)等によって形成される。加圧ベルト42は、例えば、その厚さが50〜200μm程度に設定可能である。
加圧部材45は、図4に示されるように、加圧ベルト42を加熱ロール41の表面に向けて加圧する加圧パッド451と、加圧パッド451を固定する固定部材452とを備えている。
加圧パッド451は、図6に示されるように、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性を有する弾性体から断面矩形の細長い直方体状に形成されている。加圧パッド451は、固定部材452の加熱ロール41側の表面に形成された凹所452aに接着等の手段により固定した状態で設けられている。
一方、固定部材452は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性及び剛性を有する合成樹脂、あるいは鉄やアルミニウム、ステンレス等の金属を材料として、加圧パッド451よりも高い剛性を有するよう構成されている。
固定部材452は、図6に示されるように、加熱ロール41側の端面が加熱ロール41と反対側の端面より長く、且つ厚さが相対的に薄い断面略台形状に形成されている。固定部材452の加熱ロール41と対向する面には、上述したように、加圧パッド451を収容するための凹所452aが略全長にわたり設けられている。固定部材452は、接着やネジを用いた締結等の手段によって支持部材46に取り付けられている。
支持部材46は、例えば、射出成形等により所要の断面形状に一体成形された耐熱性を有する合成樹脂からなる。耐熱性を有する合成樹脂としては、例えば、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、あるいはこれらの複合材料などが挙げられる。
支持部材46は、図4及び図6に示されるように、断面略H字形状の長尺な剛体として構成されている。支持部材46は、所要の厚さ及び幅を有する平板状に形成された本体461と、本体461から定着ニップ部Nの上流側及び下流側に向けてそれぞれ突出するよう一体的に設けられ、加圧ベルト42を支持する第1及び第2の支持部462,463と、本体461から定着ニップ部Nの反対側へ向けてそれぞれ突出するよう一体的に設けられ、加圧ベルト42を支持する第3及び第4の支持部464,465とを備えている。
第1及び第2の支持部462,463は、支持部材46の本体461から定着ニップ部Nの上流側及び下流側に向けて延在する先端側へ向けて厚さが徐々に薄く設定された板状に形成されている。第1の支持部462は、加圧パッド451から定着ニップ部Nの加圧ベルト42の移動方向に沿った上流側に所要の距離だけ離れて加圧ベルト42の内周面を支持し、且つ加圧ベルト42の移動方向を定着ニップ部Nの反対側から定着ニップ部Nへ向けた方向へと略90度変化させる。第1の支持部462の外側面462aは、ガイド部材49a,49bと同様に、加圧ベルト42の内周面と接触して当該加圧ベルト42を支持する。第1の支持部462の先端462bは、ガイド部材49a,49bと同じ面を形成するよう配置されている。
一方、第2の支持部463は、加圧パッド451から定着ニップ部Nの加圧ベルト42の移動方向に沿った下流側に所要の距離だけ離れて加圧ベルト42の内周面を支持し、且つ加圧ベルト42の移動方向を定着ニップ部N側から定着ニップ部Nの反対側へ向けて略90度変化させる。第2の支持部463の外側面463aは、ガイド部材49a,49bと同様に加圧ベルト42の内周面と接触して当該加圧ベルト42を支持する。
また、第3の支持部464は、第2の支持部463を通過して定着ニップ部Nの反対側へ向けて移動する途中の加圧ベルト42の内周面を部分的に支持する。第3の支持部464の先端面464aは、ガイド部材49a,49bと同様に、第2の支持部463を通過して定着ニップ部Nの反対側へ向けて移動する加圧ベルト42の内周面と部分的に接触して当該加圧ベルト42を支持する。
また、第4の支持部465は、定着ニップ部Nの反対側から第1の支持部462へ向けて移動する加圧パッド451の内周面を部分的に支持する。第4の支持部465の先端面465aは、ガイド部材49a,49bと同様に、定着ニップ部Nの反対側から定着ニップ部N側へ向けて移動する加圧ベルト42の内周面と部分的に接触して当該加圧ベルト42を支持する。
支持部材46の本体461には、図4及び図6に示されるように、定着ニップ部Nと反対側の面に、第1及び第2の板金部材47,48の先端を嵌め合わせた状態で固定する固定用凹溝466,467が全長にわたり形成されている。固定用凹溝466,467の底部には、固定用凹溝466,467の幅よりも僅かに狭く形成された凸部466a,467aが形成されている。固定用凹溝466,467の凸部466a,467aは、第1及び第2の板金部材47,48の支持力を支持部材46の本体461に確実に伝えるためのものである。支持部材46の本体461が第1及び第2の板金部材47,48を固定する位置は、図4に示されるように、第1及び第2の板金部材47,48の中間に加熱ロール41へ向けて引いた直線L1が加熱ロール41の中心Oを通る方向と平行となるよう設定されている。また、加圧パッド451は、その幅方向に沿った中心が加熱ロール41の中心Oを通る直線L1と略一致するよう配置されている。
第1及び第2の板金部材47,48は、例えば、ステンレスやアルミニウム、あるいは鉄等の金属製の板材を曲げ加工することにより構成される。第1及び第2の板金部材47,48は、図4に示されるように、加熱ロール41の表面に対して略垂直に配置される垂直板部471,481と、垂直板部471,481の基端部に対して交差する方向であって互いに逆方向である近接する方向に折り曲げられた水平板部472,482とから断面L字形状に形成されている。第1及び第2の板金部材47,48は、その垂直板部471,481が互いに平行に配置される。第2の板金部材48の垂直板部481は、第1の板金部材47の垂直板部471より長さが長く設定されている。
第2の板金部材48の水平板部482には、図4に示されるように、その外側面にフェルト部材Fが接着等の手段によって全長にわたり設けられている。フェルト部材Fは、加圧ベルト42に張力を作用させた際に弾性変形して加圧ベルト42を支持するよう比較的厚肉に形成されている。なお、図4では、便宜上、フェルト部材Fの変形前の状態を示している。
フェルト部材Fには、加圧ベルト42の内周面に塗布された状態で供給するための潤滑剤が予め定められた量だけ含浸されている。潤滑剤としては、例えば、粘度が100〜350csのアミノ変性シリコーンオイル等が用いられる。潤滑剤は、予めフェルト部材Fに含浸させることで、加圧ベルト42の内周面に塗布供給されるが、これに限定されるものではなく、初期的に加圧ベルト42の内周面に塗布した状態で供給されるよう構成しても良い。
ガイド部材49a,49bは、図5に示されるように、加圧ベルト42の長手方向に沿った両端部にそれぞれ配置される。図5中、符号71,72はガイド部材49a,49bを支持する支持レバーをそれぞれ示している。
摺動シートSは、細長い平面矩形状のシートからなる。摺動シートSとしては、例えば、ポリテトラフロオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂からなる基層と、基層の表面又は表裏両面に積層されたガラス繊維やアラミド繊維等からなる織物や編物等からなる組織を備えたものが用いられる。また、摺動シートSとしては、ガラス繊維やアラミド繊維等からなる織物や編物等からなる単層のみで構成したものであっても良い。摺動シートSは、その厚さが100〜200μm程度に設定可能である。
摺動シートSには、加圧ベルト42の回転方向に沿った上側の端部に、長手方向に沿って図示しない長円形状の係止孔が複数開口されている。摺動シートSは、図4に示されるように、図示しない複数の係止孔を支持部材46の第1の支持部462の背面に設けられた係止凸部511に係止させることで装着される。摺動シートSは、加圧ベルト42の回転方向に沿った上流側が、支持部材46の第1の支持部462の外側面462aに沿った状態で、支持部材46の第1の支持部462の先端462bを介して定着ニップ部Nへと至るよう配置されている。さらに、摺動シートSは、加圧ベルト42の回転方向に沿った下流側の端部が定着ニップ部Nを通過した後、支持部材46の第2の支持部463の外側面463aに沿って所要の長さだけ延在するよう配置されている。
ところで、この実施の形態1に係る定着装置40では、図4に示されるように、加熱ロール41の表面には、当該加熱ロール41の表面に付着したトナーや記録用紙5の紙粉等を除去する第1の清掃装置80が配置されている。第1の清掃装置80は、加熱ロール41の表面に所要の押圧力で接触する第1清掃手段の一例としての清掃ロール81と、清掃ロール81の表面に所要の押圧力で接触する第2清掃手段の一例としての回収ロール82とを備えている。第1の清掃装置80は、清掃ロール81と回収ロール82の双方を必ずしも備える必要はなく、清掃ロール81及び回収ロール82の一方のみから構成しても良い。
清掃ロール81は、加熱ロール41の外周面において、定着ニップ部N側に近い図中の下端部近傍に配置されている。ただし、清掃ロール81の位置は、定着ニップ部N側に近い下端部に限定されるものではなく、加熱ロール41の外周面における他の位置に配置しても勿論良い。
清掃ロール81は、図7に示されるように、ステンレスや鉄、アルミニウム等からなる円柱形状の金属製芯金811の外周に、シリコーンゴムやフッ素ゴム等からなるゴム材料からなる被覆層812を所要の厚さとなるよう被覆して構成されている。この実施の形態1では、清掃ロール81の被覆層812としてシリコーンゴムを用いている。
また、回収ロール82は、ステンレスや鉄、アルミニウム等の金属材料あるいはフェノール樹脂等の合成樹脂などからなる中実円柱形状に形成されている。回収ロール82の外周面82aは、トナーの回収性及び保持性を向上させるため、ブラスト加工等により粗面化処理が施されて予め定められた表面粗さを有している。この実施の形態1では、回収ロール82として外周面82aにブラスト加工を施した外径が3〜4mm程度のステンレス製の中実円柱形状の部材を用いている。なお、回収ロール82の外径は、清掃ロール81より小さく設定されている。但し、回収ロール82の外径は、清掃ロール81と同等か又は清掃ロール81より大きく設定しても良い。
加熱ロール41、清掃ロール81及び回収ロール82は、図8に示されるように、その表面の濡れ性が加熱ロール>清掃ロール>回収ロールの順に悪くなるよう設定されている。すなわち、加熱ロール41は、その表面の濡れ性が最も悪い。加熱ロール41、清掃ロール81及び回収ロール82の表面の濡れ性は、表面自由エネルギーの大きさを示す指標であり、濡れ性が良い(表面自由エネルギーが大きい)程、トナーに対する付着力が大きい。したがって、加熱ロール41、清掃ロール81及び回収ロール82のうち、トナーに対する付着力は回収ロール82が最も大きく、次に清掃ロール81が大きく、加熱ロール41のトナーに対する付着力が最も小さい。そのため、加熱ロール41の表面に付着したトナーは、より付着力の大きい清掃ロール81へと転移し、清掃ロール81に転移したトナーは、最終的に最も付着力の大きい回収ロール82へと転移して回収され蓄積される。
加熱ロール41、清掃ロール81及び回収ロール82の表面の濡れ性を水の接触角で示せば、加熱ロール41の表面層である離型層413を構成するパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)は、約109度、清掃ロール81の被覆層812を構成するシリコーンゴムは、約80〜90度、回収ロール82を形成するステンレスは、約80度である。回収ロール82は、ステンレスからなることに加えて、その外周面82aにブラスト処理が施されており更に濡れ性が向上している(水の接触角が小さい)。因みに、回収ロール82の材料として使用可能なアルミニウムは、水の接触角が約4.6度と非常に小さく濡れ性に優れている。
第1の清掃装置80は、図4に示されるように、清掃ロール81及び回収ロール82の外周を覆うトナー回収手段の一例としてのトナー回収容器83を備えている。トナー回収容器83は、加熱ロール41と対向する側に清掃ロール81が加熱ロール41の表面に接触するのを許容する開口部831を有している。トナー回収容器83は、合成樹脂等からなり、清掃ロール81及び回収ロール82の外周を覆う断面矩形状の箱体として形成されている。トナー回収容器83は、清掃ロール81及び回収ロール82の軸方向に沿って全長にわたり設けられている。
また、この実施の形態1に係る定着装置40では、加圧ベルト42の外周面を清掃する第2の清掃装置90が設けられている。第2の清掃装置90は、加圧ベルト42の表面に所要の押圧力で接触する第1清掃手段の一例としての清掃ロール91と、清掃ロール91の表面に所要の押圧力で接触する第2清掃手段の一例としての回収ロール92とを備えている。第2の清掃装置90は、清掃ロール91と回収ロール92の双方を必ずしも備える必要はなく、清掃ロール91及び回収ロール92の一方のみから構成しても良い。清掃ロール91は、加圧ベルト42の外周面において、定着ニップ部N側に近い図中の下端部近傍に配置されている。
清掃ロール91及び回収ロール92は、上述した清掃ロール81及び回収ロール82と同様に構成されている。また、第2の清掃装置90は、トナー回収容器93を備えている。トナー回収容器93は、加圧ベルト42と対向する側に清掃ロール91が加圧ベルト42の表面に接触するのを許容する開口部931を有している。
清掃ロール91は、支持部材46の第1の支持部462の外側面に加圧ベルト42を介して接触するよう配置されている。
このように、加圧ベルト42に対して第2の清掃装置90を設けることにより、加圧ベルト42の表面に付着したトナー等を加熱ロール41に一旦転移させてから、加熱ロール41の第1の清掃装置80によって除去することなく、加圧ベルト42の第2の清掃装置90により直ちに除去することができる。
ところで、定着装置40では、図3に示されるように、定着動作時、未定着トナー像Tiを保持した記録用紙5が定着ニップ部Nを通過することにより定着処理が行われる。その際、記録用紙5に保持された未定着トナー像Tiは、定着ニップ部Nにおいて加熱ロール41の表面と接触する。しかし、未定着トナー像Tiを構成するトナーのうち、加熱ロール41の表面に転移(オフセット)するトナーは、記録用紙5に対する付着力が圧倒的に大きいため、略ゼロであるか転移したとしても極僅かである。
加熱ロール41の表面に転移した極僅かなトナーは、加熱ロール41の回転に伴って清掃ロール81が接触する清掃位置へと移動する。加熱ロール41の表面に転移したトナーは、清掃位置において加熱ロール41の表面から清掃ロール81へと移行することで清掃(除去)される。清掃ロール81の表面へと移行したトナーは、回収ロール82と接触する回収位置において、清掃ロール81の表面から回収ロール82へと移行し回収される。回収ロール82により回収された回収トナーは、清掃ロール81へと再度転移することなく、そのまま回収ロール82の外周面に付着した状態で保持される。
このように、定着装置40では、通常の定着動作時、加熱ロール41の外周面に転移するトナーの量は略ゼロであるか極僅かである。そのため、定着装置40を長期間使用した場合においても第1の清掃装置80の清掃ロール81及び回収ロール82で清掃され回収される回収トナーの総量は、それ程多くない。したがって、加熱ロール41に配設された第1の清掃装置80は、清掃ロール81及び回収ロール82を交換することなく、定着装置40が寿命に達するまで使用することが可能である。
しかしながら、定着装置40では、記録用紙5の外周縁にわたってフルカラーなどの画像を形成する所謂縁なしプリントを連続して実行する場合など、図9(a)に示されるように、記録用紙5の外縁部から加熱ロール41の表面にトナーTcが付着し易い傾向がある。これは、記録用紙5の外縁部以外の領域では、トナー像の周囲に他のトナー像が存在するため、隣接するトナー像同士に吸着力が作用して加熱ロール41の表面にトナー像のトナーが付着し難い。これに対して、記録用紙5の外縁部では、当該外縁部のトナー像の外側に他のトナー像が存在しないため、隣接するトナー像同士の吸着力が作用せず、外縁部以外の領域に比べて加熱ロール41の表面にトナー像のトナーTcが付着し易い。加熱ロール41の表面に付着したトナーTcは、清掃ロール81によって清掃された後、清掃ロール81の表面から回収ロール82へと移行して回収される。その際、清掃ロール81によって一度に清掃しきれなかったトナーTcは、加熱ロール41の表面に残留する。尚、ここで、縁なしプリントとは、記録用紙5の外周端にわたりトナー像を形成する場合に限らず、記録用紙5の外周端より内側に僅かな隙間を残してトナー像を形成する場合をも含むものである。
そのため、回収ロール82の表面には、図9(b)に示されるように、記録用紙5の外縁部に対応した位置に加熱ロール41の表面から除去された回収トナーTcが清掃ロール81を介して徐々に蓄積される。そして、記録用紙5に縁なしプリントの画像を多数枚定着した場合など、回収ロール82の表面に蓄積された回収トナーTcの量が当該回収ロール82が保持可能な許容量を超えると、図9(c)に示されるように、回収トナーTcの一部が清掃ロール81へと逆転移して清掃ロール81の外周面に蓄積され始める。なお、便宜上、加熱ロール41の表面に付着したトナー及び加熱ロール41の表面から回収された回収トナーの双方に同じ符号Tcを用いている。
さらに、縁なしプリントを行う記録用紙5の数が累積的に増加し、清掃ロール81の外周面に蓄積される回収トナーTcの量が許容量を超えると、図9(c)に示されるように、清掃ロール81の外周面に保持された回収トナーTcの一部が加熱ロール41の表面へと逆転移し始める。
加熱ロール41の表面へと逆転移した回収トナーTcは、その後に定着処理を受ける記録用紙5上に転移したり、加圧ベルト42に移行した後に記録用紙5の裏面に転移して画像汚れとなって現れる。その結果、定着装置40は、第1の清掃装置80が清掃機能を果たすことができず寿命となり、定着装置40の全体を新たなものと交換する必要が生じる。なお、加圧ベルト42に設けられた第2の清掃装置90においても、加圧ベルト42上に付着する回収トナーTcの量自体が少ないものの、基本的に同様の現象が発生する。
また、定着装置40では、上述した縁なしプリント以外にも、記録用紙5の搬送不良である所謂ジャム(紙詰まり)が発生した場合など、記録用紙5上の未定着トナー像Tiを構成するトナーTが加熱ロール41の表面に多量に付着する場合がある。
更に説明すると、定着装置40の定着ニップ部Nにおいて、未定着トナー像Tiを保持する記録用紙5のジャムが発生した場合には、通常、図示しないニップ解除機構を操作して加熱ロール41と加圧ベルト42の圧接状態を解除した上で、定着ニップ部Nにおいてジャムが発生した記録用紙5の除去が行われる。この場合は、未定着トナー像Tiを保持した記録用紙5が加熱ロール41の表面に接触しないか、接触しても弱い力で接触するため、記録用紙5上に保持された未定着トナー像TiのトナーTが加熱ロール41の表面に多量に付着することはない。
しかし、ユーザによっては、定着装置40の定着ニップ部Nにおいて記録用紙5のジャムが発生した際、加熱ロール41と加圧ベルト42の圧接状態を解除せずに、装置本体1aの用紙排出ロール対62側から記録用紙5の先端を把持して引き抜くことにより、ジャムが発生した記録用紙5の除去を行う場合がある。
すると、記録用紙5上に保持された未定着トナー像Tiを構成するトナーTは、記録用紙5を引き抜く際に記録用紙5の移動と共に加熱ロール41が回転し当該加熱ロール41の表面に大量に付着する。加熱ロール41の表面に大量に付着したトナーTcは、そのまま清掃位置において清掃ロール81により清掃されて清掃ロール81の表面に転移する。そして、清掃ロール81の表面に転移した大量のトナーは、回収ロール82によって回収され、当該回収ロール82の表面に保持される。
上述したように、加熱ロール41と加圧ベルト42の圧接状態を解除せずに、記録用紙5の除去が行われると、加熱ロール41の表面に付着するトナーの量は、一度でも多量となる。そして、回収ロール82の表面に蓄積された回収トナーTcの量が当該回収ロール82が保持可能な許容量を超えると、回収トナーTcの一部が清掃ロール81の外周面へと逆転移して清掃ロール81の外周面に蓄積され始め、清掃ロール81の外周面に蓄積される回収トナーTcの量が許容量を超えると、図9(c)に示されるように、清掃ロール81の外周面に保持された回収トナーTcの一部が加熱ロール41の表面へと逆転移しはじめ、定着装置40が寿命となる。
さらに、定着装置40では、記録用紙5として表面に凹凸を有するエンボス紙が使用される場合がある。エンボス紙は、平坦な普通紙と異なり、定着装置40の定着ニップ部Nを通過する際に表面の凹部で十分な定着圧力及び熱を未定着トナー像Tiに作用させることが困難である。そのため、エンボス紙は、未定着トナー像Tiを構成するトナーTが加熱ロール41の表面に付着し易く、清掃ロール81で回収されるトナーの量が普通紙と比べて大幅に多い。
このように、定着装置40では、記録用紙5としてエンボス紙が多く使用されると、未定着トナー像TiのトナーTcが加熱ロール41の表面に付着し易く、清掃ロール81で回収される回収トナーTcが大量となり、清掃ロール81及び回収ロール82に保持される回収トナーTcの量が許容量を超える場合がある。
いずれの場合も、従来の定着装置40は、清掃ロール81及び回収ロール82から回収トナーTcを除去する手段を有していないため、清掃ロール81及び回収ロール82が寿命に達すると、定着装置40を新たなものと交換せざるを得なかった。
そこで、この実施の形態1に係る定着装置40は、第1及び第2の清掃装置80,90の回収ロール82,92に対するトナーの付着力よりトナーに作用する遠心力が大きくなる速度で回収ロール82,92を回転させる清掃動作を行うよう構成したものである。
この実施の形態1に係る定着装置40では、図10に示されるように、清掃動作時に、清掃ロール81及び回収ロール82が通常の定着動作時よりも速い速度(角速度ω)で回転駆動される。
清掃ロール81及び回収ロール82を通常の定着動作時よりも速い速度で回転駆動するには、図5に示されるように、定着装置40を駆動する駆動モータMが通常の定着動作時により速い速度で回転駆動される。その際、駆動モータMの回転駆動力を他の画像形成手段に伝達するクラッチCLは、回転駆動力の伝達が切断されて定着装置40にのみ駆動力が伝達され、定着装置40以外の画像形成手段には回転駆動力が伝達されない。
駆動モータMの回転駆動力は、駆動ギアGを介して加熱ロール41に伝達され当該加熱ロール41が回転駆動される。加熱ロール41が回転駆動されると、当該加熱ロール41に圧接されている加圧ベルト42が従動回転される。また、加熱ロール41及び加圧ベルト42の回転駆動力は、第1及び第2の清掃装置80,90に伝達される。
第1及び第2の清掃装置80,90の清掃ロール81,91には、加熱ロール41及び加圧ベルト42の回転駆動力が伝達されて、清掃ロール81,91が従動回転される。また、清掃ロール81,91の回転駆動力は、回収ロール82,92に伝達され、回収ロール82,92が従動回転される。
このとき、清掃動作時における回収ロール82,92の回転速度は、図10に示されるように、当該回収ロール82,92に対する回収トナーの付着力F4よりトナーに作用する遠心力F1が大きくなる速度に設定されている。
更に説明すると、この実施の形態1では、通常の定着動作時、回収ロール82,92は、153mm/sec程度の回転速度(周速度V=rω)で従動回転される。これに対して、清掃動作時、回収ロール82,92は、通常の定着動作時の約4倍程度の回転速度、すなわち153mm/sec×4≒600mm/sec程度の回転速度(周速度)で従動回転される。
このように、回収ロール82,92は、清掃動作時、通常の定着動作時より速い速度で回転駆動されることにより、回収ロール82,92によって回収され当該回収ロール82,92の外周面に付着され保持された回収トナーTcには、当該回収ロール82,92の回転速度に応じた遠心力F1が作用する。
回収ロール82,92の外周面に保持された回収トナーTcの微少領域ΔTに作用する遠心力F1は、次の式で表すことができる。
F1=mrω
ここで、mは回収ロール82,92の外周面に保持された回収トナーTcの微小領域ΔTcの質量、rは回収ロール82,92の半径、ωは回収ロール82,92の回転時の角速度である。トナーの質量は、体積×密度で与えられる。この実施の形態1では、例えば、イエロー(Y),マゼンタ(M)及びシアン(C)のカラートナーとして、密度が1.1(g/cm)、体積平均粒径が4.7(μm)のものを用いている。また、ブラック(K)のトナーとしては、密度が1.2(g/cm)、体積平均粒径が4.7(μm)のものを用いている。イエロー(Y),マゼンタ(M)及びシアン(C)のカラートナー(1個)の質量は、0.6×10-10(g)とされており、ブラック(K)のトナー(1個)の質量は、0.65×10-10(g)となる。
この実施の形態1では、上述したように、回収ロール82,92の外径が3〜4mmと小さく設定(小径化)されている。その結果、回収ロール82,92は、その回転速度を通常の定着時に比較して高速化されていることに加えて小径化されているため、当該回収ロール82,92の外周面に保持された回収トナーTcに作用する遠心力F1は、外径が大きい回収ロール82,92に比べて相対的に大きなものとなっている。
更に付言すると、回収ロール82,92の外周面に保持された回収トナーTcに作用する遠心力F1は、上述したように、F1=mrωで与えられる。ここで、回収ロール82,92の角速度ωは、回転速度(周速度)Vを一定とすると、外径が小さい方が大きくなる(ω=V/r)。遠心力F1は、角速度ωの二乗に比例する。そのため、回収ロール82,92は、その外径が小さい方が相対的に遠心力F1が大きくなる。
回収ロール82,92の外周面に保持された回収トナーTcには、図10(b)に示されるように、上述した遠心力F1以外に、回収トナーTcが回収ロール82,92の外周面に付着する付着力F4や、回収ロール82,92が清掃ロール81,91と接触する際における回収トナーTcが清掃ロール81,91の表面に付着する付着力F2、回収ロール82,92の外周面に保持された回収トナーTc同士に作用するトナーの凝集力F3が作用している。ただし、回収トナーTcが清掃ロール81,91の表面に付着する付着力F2は、回収ロール82,92が清掃ロール81,91と接触する際にのみ作用するものであり、しかも上述したようにF4>F2の関係を満たすよう設定されているため、特に考慮する必要はない。
そこで、回収ロール82,92の外周面に保持された回収トナーTcは、図10(c)に示されるように、当該回収ロール82,92に対する回収トナーTcの付着力F4より回収トナーTcに作用する遠心力F1が大きくなる速度で、当該回収ロール82,92を回転させることで遠心力F1によって回収トナーTcを除去することができる。
また、回収ロール82,92の外周面に保持された回収トナーTc同士に作用するトナーの凝集力F3は、温度依存性を有しており、回収ロール82,92の温度によって変化する。
回収トナーTcの凝集力F3は、回収ロール82,92の温度によって図11に示されるように変化する。そのため、回収ロール82,92の清掃動作は、当該回収ロール82,92を定着時より高い温度に加熱して行うことが望ましい。この定着時より高い温度は、回収ロール82,92により清掃された回収トナーTcの凝集力F3が、回収ロール82,92に対する回収トナーTcの付着力F4より小さくなる温度に設定される。
<定着装置の動作>
この実施の形態1に係る定着装置40を適用した画像形成装置1では、次のようにして、定着装置40における第1及び第2の清掃装置80,90の清掃動作が実行される。
すなわち、この実施の形態1に係る定着装置40を適用した画像形成装置1では、制御装置100によって定着装置40における第1及び第2の清掃装置80,90の清掃時期であるか否かが判断される。第1及び第2の清掃装置80,90の清掃時期か否かは、第1及び第2の清掃装置80,90が保持可能な回収トナーTcの許容量を超える可能性があるか否かによって判断される。制御装置100は、第1及び第2の清掃装置80,90が保持可能な回収トナーTcの許容量を超える可能性があると判断される予め定められた条件を満たすとき、第1及び第2の清掃装置80,90が清掃した回収トナーTcを飛散させて第1及び第2の清掃装置80,90を再度使用可能な状態に復帰させる清掃動作を実行する。なお、清掃動作は、例えば、予め定められた条件を満たしたときであって、前の画像形成動作が終了した後又は次の画像形成動作を開始する前に実行される。
清掃動作を実行するタイミングとしては、例えば、記録用紙5のジャムが定着装置40において発生した場合、縁なしプリントが累積的に予め定められた枚数以上の記録用紙5に対して実行された場合、あるいはエンボス紙に対して累積的に予め定められた枚数以上にわたり定着動作を実行された場合のいずれか1つ以上に該当するときが挙げられる。ただし、清掃動作は、これらに限定されるものではなく、他の条件を満たす場合に実行しても良いし、ユーザあるいはサービスエンジニアの操作により実行しても良い。なお、制御装置100は、画像形成モード(縁なしプリントか否か)、記録用紙5の種類(普通紙かエンボス紙か)及び記録用紙5の累積的な枚数などを判別し計数する機能等を有している。
制御装置100は、清掃動作を実行するタイミングであると判別すると、図3に示されるように、加熱ロール41のハロゲンランプ414a,414bに通電して加熱ロール41の表面温度が定着動作時により高い所要の温度(例えば、200℃)に達するように加熱する。その際、加熱ロール41は、通常の回転速度で回転駆動される。
制御装置100は、加熱ロール41の表面温度が所要の温度(例えば、200℃)に達したと判別すると、加熱ロール41を予め定められた時間(例えば、1〜2分間程度)だけ通常の回転速度より速い高速回転速度(周速が600mm/sec)で回転駆動する。
このとき、定着装置40では、加熱ロール41の表面温度が所要の温度(例えば、200℃)に達したとき、加熱ロール41の表面に接触する清掃ロール81及び清掃ロール81に接触する回収ロール82も熱伝導によって加熱ロール41の表面温度と同じ温度(例えば、200℃)に加熱される。
すると、回収ロール82,92の表面に保持された回収トナーTcは、図12に示されるように、当該回収ロール82,92の高速回転に伴う遠心力F1によって飛び散り除去される。回収ロール82,92の表面から飛散した回収トナーは、トナー回収容器83,93によって回収される。
その後、制御装置100は、加熱ロール41のハロゲンランプ414a,414bへの通電を制御し、加熱ロール41の表面温度が通常の定着温度(例えば、180℃)となるよう低下させる。
制御装置100は、加熱ロール41の表面温度が通常の定着温度(例えば、180℃)となったと判別すると、加熱ロール41を予め定められた時間(例えば、1分間程度)だけ通常の回転速度で回転駆動する。
この通常の回転速度で加熱ロール41を回転駆動することにより、回収ロール82,92の外周から飛散して清掃ロール81,91の表面に付着した回収トナーTcを、回収ロール82,92へと再度転移させて清掃ロール81,91の表面が清浄な状態とされる。
その後、制御装置100は、加熱ロール41のハロゲンランプ414a,414bへの通電を遮断し、加熱ロール41の表面温度を室温まで低下させる。制御装置100は、加熱ロール41の表面温度が室温まで低下した後、加熱ロール41の回転駆動を停止させ、清掃動作を終了する。
このように、上記実施の形態1に係る定着装置40によれば、清掃手段を清掃位置に移動させて清掃する場合に比べ、清掃手段を移動させることなく回収ロール82,92が保持する回収トナーTcを除去することができ、定着装置40を継続して使用することが可能となる。
また、上記実施の形態1に係る定着装置40によれば、回収ロール82,92を移動させる必要がないため、回収ロール82,92を移動させるための移動手段を新たに設ける必要がなく、装置の大型化やコストアップが生じるのを回避することができる。
本発明者は、図3に示されるような定着装置40のベンチモデルを試作し、回収ロール82の表面に回収トナーTcを所要の厚さに付着させた状態で、回収ロール82を通常の回転速度より速い高速回転速度(周速が600mm/sec)で回転駆動することにより、回収ロール82の表面に付着した回収トナーTcを実際に除去することができることを実験により確認している。
[実施の形態2]
図13は、実施の形態2に係る定着装置を示すものである。この実施の形態2に係る定着装置では、第1の定着手段として加熱ロールを用い、第2の定着手段として加圧ロールを用いるように構成したものである。
すなわち、この実施の形態2に係る定着装置40は、図13に示されるように、加熱ロール201と、加圧ロール202を備えている。加熱ロール201及び加圧ロール202の内部には、加熱手段201a,202aがそれぞれ配置されている。
加熱ロール201の外周には、第1の清掃装置80が設けられている。また、加圧ロール202の外周には、第2の清掃装置90が設けられている。第1及び第2の清掃装置80,90は、前記実施の形態1と同様に構成されている。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
1…画像形成装置
40…定着装置
41…加熱ロール
42…加圧ベルト
80,90…第1及び第2の清掃装置
81,91…清掃ロール
82,92…回収ロール

Claims (7)

  1. 回転する第1定着手段と、
    前記第1定着手段に圧接して回転しトナー像を記録媒体に定着するニップ部を形成する第2定着手段と、
    前記第1及び第2定着手段の少なくとも一方を加熱する加熱手段と、
    前記第1及び第2定着手段の少なくとも一方の表面に接触して回転しつつ清掃する清掃手段と、
    を備え、
    前記清掃手段に対する前記トナーの付着力より前記トナーに作用する遠心力が大きくなる速度で前記清掃手段を回転させる動作を行う定着装置。
  2. 前記動作は、前記清掃手段を定着時より高い温度に加熱して行う請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着時より高い温度は、前記清掃手段により清掃された前記トナーの凝集力が、前記清掃手段に対する前記トナーの付着力より小さくなる温度である請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記動作時における前記清掃手段の回転速度は、定着時の最も速い速度より速い速度である請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記定着装置を駆動する駆動源は、清掃動作時、前記定着装置以外と切り離される請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記清掃手段に接触して清掃する第2清掃手段を更に備え、
    前記清掃手段の表面はゴム材料からなり、前記第2清掃手段の表面は金属材料からなる請求項1に記載の定着装置。
  7. 記録媒体にトナー像を形成する画像形成手段と、
    前記記録媒体に形成された前記トナー像を定着する定着手段と、
    を備え、
    前記定着手段として請求項1乃至6のいずれかに記載の定着装置を用いた画像形成装置。
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