JP2021028538A - シール構造およびシール構造の施工方法、シール構造の改善方法 - Google Patents

シール構造およびシール構造の施工方法、シール構造の改善方法 Download PDF

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【課題】シール構造およびシール構造の施工方法、シール構造の改善方法において、耐火性能および難燃性能の向上を図ることで、火災後の水密性能の低下を抑制する。【解決手段】構造物の壁部に貫通孔が設けられ、前記壁部と前記貫通孔に挿通される貫通部材とを連結するシール部を有するシール構造であって、シール部は、水密性を有する水密部と、水密部における貫通孔の貫通方向の少なくとも一方側に配置されて難燃性を有する火炎遮蔽部とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、シール構造およびシール構造の施工方法、シール構造の改善方法に関するものである。
例えば、各種のプラントでは、建屋内に多数の設備が設置されており、この設備は、電力線や信号線、配水管、排気管などにより外部と接続する必要がある。そのため、建屋は、壁部に貫通孔を形成し、貫通孔に配管を挿通し、貫通孔の内面と配管の外面との空隙部にシール部を設けて密閉される。そして、配管は排水管、排気管等であり、また、力線、信号線などを挿通させる場合もある。以後、貫通孔の挿通する部材(貫通部材)を配管で代表して記載する。この場合、例えば、地震などが発生すると、配管と壁部との相対的な位置関係が変化することがあるため、シール部には、伸縮性能が求められる。また、地震後に襲来する津波から建屋を守るためには、地震で揺すられた後も、十分な耐水・止水性能が必要である。さらに、地震直後に建屋で火災が発生した場合も、火災後に襲来する可能性がある津波に耐えるためには、前記耐水・止水性能が保持されることが望まれる。すなわち、シール部には、耐火性能や難燃性能も求められる。
このような技術として、例えば、下記引用文献1に記載されたものがある。引用文献1に記載された技術は、壁部の孔部に配設部材を挿通し、孔部と配設部材との間に耐火シール材を設けたものである。
特許第6256760号公報
上述した従来技術では、壁部の孔部と配設部材との間に耐火シール材を設けたものであり、耐火シール材として、公知の建築用シール材を用いている。しかし、公知の建築用シール材は、十分な耐火性能や難燃性能を有しているか否かの記載がない。そのため、火災発生時に、火炎により耐火シール材が延焼し、十分な水密性能を維持することができない可能性がある。
本開示は、上述した課題を解決するものであり、耐火性能および難燃性能の向上を図ることで、火災後の水密性能の低下を抑制するシール構造およびシール構造の施工方法、シール構造の改善方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本開示のシール構造は、構造物の壁部に貫通孔が設けられ、前記壁部と前記貫通孔に挿通される貫通部材とを連結するシール部を有するシール構造であって、前記シール部は、水密性を有する水密部と、前記水密部における前記貫通孔の貫通方向の少なくとも一方側に配置されて難燃性を有する火炎遮蔽部と、を備える。
また、本開示のシール構造は、構造物の壁部に貫通孔が設けられ、前記壁部と前記貫通孔に挿通される貫通部材とを連結するシール部を有するシール構造であって、前記シール部は、前記貫通孔と前記貫通部材との間に配置されて水密性および難燃性を有する。
また、本開示のシール構造の施工方法は、構造物の壁部に貫通孔が設けられ、前記壁部と前記貫通孔に挿通される貫通部材とを連結するようにシール部を施工するシール構造の施工方法であって、前記シール部として水密性を有する水密部を配置する工程と、前記シール部として前記水密部における前記貫通孔の貫通方向の少なくとも一方側に難燃性を有する火炎遮蔽部を配置する工程と、を有する。
また、本開示のシール構造の改善方法は、構造物の壁部に貫通孔が設けられ、前記壁部と前記貫通孔に挿通される貫通部材とを連結するシール部を改善するシール構造の改善方法であって、前記シール部を構成する水密部における前記貫通孔の貫通方向の少なくとも一方側に難燃性を有する火炎遮蔽部を配置する工程を有する。
本開示のシール構造およびシール構造の施工方法、シール構造の改善方法によれば、耐火性能および難燃性能の向上を図ることで、地震後に火災が発生した場合も水密性能の低下を抑制することができる。
図1は、第1実施形態のシール構造を表す断面図である。 図2は、金属シートを表す正面図である。 図3は、第2実施形態のシール構造を表す断面図である。 図4は、第3実施形態のシール構造を表す断面図である。 図5は、第4実施形態のシール構造を表す断面図である。 図6は、第5実施形態のシール構造を表す断面図である。 図7は、第6実施形態のシール構造を表す断面図である。 図8は、図7のVIII-VIII断面図である。 図9は、図7のIX-IX断面図である。 図10は、シール部を表す拡大断面図である。 図11は、シール部の変形例を表す拡大断面図である。 図12は、第7実施形態のシール構造を表す断面図である。 図13は、第8実施形態のシール構造を表す断面図である。
以下に図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のシール構造を表す断面図、図2は、金属シートを表す正面図である。
第1実施形態のシール構造において、図1に示すように、構造物としての建屋は、鉛直方向に沿う壁部11を有し、壁部11は、水平方向に沿って貫通する貫通孔12が設けられる。貫通孔12は、貫通部材としての配管13が挿通されるように配置される。壁部11は、コンクリートなどによって形成され、所定の水圧に耐えられる十分な厚さ寸法が設定される。貫通孔12は、内径が配管13の外径寸法などの設計仕様に基づいて設定される断面円形状の孔であり、水平方向に沿って形成される。配管13は、貫通孔12内のほぼ中心部を水平方向に沿って貫通する円筒管である。図1では、左方が建屋内側であり、右方が建屋外側である。
第1実施形態のシール構造は、貫通孔12と配管13との間の空間部にシール部14が配置される。シール部14は、水密部21と、金属シート22と、火炎遮蔽部23とを有する。また、水密部21は、充填シール材31と、ブレーカ材32と、伸縮性部材33とを有する。
すなわち、第1実施形態のシール構造は、建屋内側(図1の左方側)から、充填シール材31、ブレーカ材32、伸縮性部材33、金属シート22、火炎遮蔽部23の順に配置される。
このとき、充填シール材31とブレーカ材32と伸縮性部材33と金属シート22と火炎遮蔽部23は、それぞれ単体で中央部に孔が設けられる円板形状をなす。そして、充填シール材31とブレーカ材32と伸縮性部材33と金属シート22と火炎遮蔽部23は、互いに密着される。但し、ブレーカ材32は、充填シール材31および伸縮性部材33の少なくとも一方、あるいは、その両者とは接着(固着)せず、それらによって動きが拘束されないことを特徴とする。伸縮性部材33と金属シート22と火炎遮蔽部23は、密着するだけでなく接着していることが好ましい。
また、充填シール材31とブレーカ材32と伸縮性部材33と金属シート22と火炎遮蔽部23は、外周部が貫通孔12の内周面12aに隙間なく密着し、内周部が配管13の外周面13aに隙間なく密着する。さらに、伸縮性部材33と火炎遮蔽部23については、地震後も、火炎遮蔽部23は、火炎、すなわち、燃焼している可燃性ガス、伸縮性部材33は、津波、すなわち、海水がシール構造内部へ侵入するのを防ぐため、地震後も外周部が貫通孔12の内周面12aに十分な強さで接着し、内周部が配管13の外周面13aに十分な強さで接着している必要がある。すなわち、貫通孔12の内周面12aと、配管13の外周面13aとのそれぞれ2つの面に、シール部14を強固に接着させる(2面接着)。なお、地震後の火災の発生や水害に限らず、別の原因で火災や水害が発生した場合であっても、同様である。ここで、十分な強さの接着とは、接着面が剥離するよりも先に、シール部14を構成する材料の方が破断する程度の強度であり、接着強度がシール部14の材料強度よりも大きければよい。
充填シール材31は、配管13の内部を通る流体の温度や建屋内の温度等に応じた耐熱性を有する粘弾性材が用いられる。充填シール材31は、貫通孔12の内周面12aと配管13の外周面13aとの間に液状で充填された後、硬化させることで貫通孔12の内周面12aと配管13の外周面13aとの間の水密性を確保する。本実施形態において、充填シール材31は、水密性の確保の観点からウレタンゴム、シリコーンゴム等の粘弾性材が用いられる。
伸縮性部材33は、充填シール材31より屋外側(図1にて、右方側)に配置され、外周側が貫通孔12の内周面12aに固定されると共に、内周側が配管13の外周面13aに固定されており、高い伸縮性を有する材料によって形成される。なお、図示しないが、伸縮性部材33は、貫通孔12の内周面12aとの間、配管13の外周面13aとの間に、プライマーを介在させてもよい。換言すれば、伸縮性部材33は、貫通孔12の内周面12aおよび配管13の外周面13aに接着性能を向上させるための下地としてのプライマーが塗布された状態で充填されてもよい。また、内周面12a、外周面13aは、表面を目荒らしすることによる下地処理を行うことでもよく、さらに、目荒らし後にプライマーを塗布することでもよい。目荒らしすることにより表面に微細な凹凸が施され、接着面積が増大することで、接着性能が向上する。
伸縮性部材33は、高い伸縮性を有するシーリング材であり、本実施形態では、シリコーンシーラントによって形成される。すなわち、伸縮性部材33は、施工後に配管13が動くことにより、貫通孔12に対する配管13の相対位置が変わって両者の距離が変化しても、配管13の動きに対して追従する性能を有する。なお、伸縮性部材33としてシリコーンシーラントを用いたが、高い伸縮性を有し、且つ、水密性を有する素材であればこれに限ることはない。例えば、伸縮性部材33として、ポリブタジエン系の液状ゴムを採用してもよい。また、伸縮性部材33として、ゴム状シートを採用し、ゴム状シートを配管13及び貫通孔12の内壁と接着させて使用してもよい。
また、プライマーは、伸縮性部材33と貫通孔12の接着性と、伸縮性部材33と配管13の接着性を向上させるために塗布される下地材である。プライマーは、伸縮性部材33が接着される対象に応じて適宜選択される。例えば、コンクリートによって形成された貫通孔12と伸縮性部材33との間に塗布するプライマーとしては、シリコーン変性ウレタン系の樹脂を酢酸ブチルの溶剤で溶解させたものが好ましい。また、金属製の配管13と伸縮性部材33との間に塗布するプライマーは、シラン系の樹脂をアセトン、IPA、トルエンからなる溶剤で溶解させたものが好ましい。
ブレーカ材32は、充填シール材31と伸縮性部材33との配管13の軸方向に直交する方向の相対移動を許容する部材である。ブレーカ材32は、充填シール材31と伸縮性部材33との間に介在する。ブレーカ材32は、充填シール材31の軸方向における建屋外側の一面を覆うと共に、伸縮性部材33の軸方向における建屋内側の一面を覆う。
ブレーカ材32は、配管13の軸方向に所定厚みを有する円板状部材である。具体的に、ブレーカ材32は、中央に配管13を挿通するための円形の孔が形成されている円板状の部材である。配管13用の孔は、配管13の外径と略同寸法か、または、配管13の外径よりもやや大きい寸法である。また、ブレーカ材32は、外径が貫通孔12の内径と略同寸法か、または、貫通孔12の内径よりもやや小さい寸法である。
ブレーカ材32は、充填シール材31と伸縮性部材33との相対移動を許容するものであればよく、発泡ポリエチレンシートによって形成される。なお、ブレーカ材32としては、充填シール材31か伸縮性部材33の少なくとも一方に対して非粘着性であり、且つ摩擦係数が小さい素材であれば、発泡ポリエチレンに限るものではない。
金属シート22は、水密部21の一部を構成する伸縮性部材33より建屋外側に設けられる。金属シート22は、配管13の軸方向に所定厚みを有する円板状部材である。図2に示すように、金属シート22は、半円形状をなす2枚のシート本体41,42により構成される。シート本体41,42は、中心側に配管13を挿通するための半円形の切欠41a,42aが形成されている半円板状の部材である。配管13用の切欠41a,42aは、配管13の外径と略同寸法か、または、配管13の外径よりもやや大きい寸法である。また、金属シート22(シート本体41,42)は、外径が貫通孔12の内径と略同寸法か、または、貫通孔12の内径よりもやや小さい寸法である。なお、金属シート22は、半円形状をなす2枚のシート本体41,42で構成されるものに限定されることはなく、3枚以上に分割したり、1枚としたりしてもよい。また、貫通孔12や配管13の断面の形状が円形ではない場合には、金属シート22は、それらの断面形状に合わせたものとすることができる。
図1及び図2に示すように、金属シート22は、水密部21側への空気(酸素)の浸入抑制することができるものであれはよく、例えば、アルミニウム、ステンレス、チタンなどによって形成されることが好適であるが、これらに限るものではない。金属シート22は、厚さが厚いほうが施工時の損傷(誤って穴を開ける、折れる・破るなど)が少なくなるが、厚すぎると、必要な形状に切り出すのに手間がかかる等の課題がある。そのため、金属シート22は、例えば、金属シート22にアルミニウムシートを適用した場合、厚さを0.02〜0.2mmの範囲とし、ステンレスシートを適用した場合、厚さを0.01〜0.1mmの範囲とし、チタンシートを適用した場合、厚さを0.01〜0.1mmの範囲とすることが好適である。金属シート22の厚さをこのような数値範囲に設定することで、施工時の作業性を向上することができる。
金属シート22は、シート本体41,42が伸縮性部材33の表面に接着される。この場合、伸縮性部材33を塗布した後、伸縮性部材33が硬化する前の粘着性状態にある伸縮性部材33にシート本体41,42を密着させる。伸縮性部材33が硬化すると、固化した伸縮性部材33にシート本体41,42が密着した状態で接着される。
火炎遮蔽部23は、金属シート22より建屋外側に設けられる。火炎遮蔽部23は、外周側が貫通孔12の内周面12aに固定されると共に、内周側が配管13の外周面13aに固定される。火炎遮蔽部23は、燃焼性UL94規格における難燃性グレードがUL94V−0相当、または、難燃性グレードがUL94V−0以上に適合した材料によって形成される。火炎遮蔽部23は、火災の際、接炎する部分であり、それ自体が延焼しにくく、且つ、焼け落ちないことにより、火炎遮蔽部23より内側に配置された水密部21と火炎との直接接触を防止し、水密部21の延焼を抑制する。
火炎遮蔽部23は、貫通孔12の内周面12aとの接着界面や配管13の外周面13aとの接着界面が地震の振動の影響で剥離すると、地震後の火災発生の際に、火炎が火炎遮蔽部23より内部の水密部21に接炎するおそれがある。そのため、火炎遮蔽部23は、貫通孔12を形成するコンクリートや配管13を形成する金属(ステンレスや炭素鋼など)に対する高い接着強さが求められる。ここで、高い接着強さとは、例えば、接着面が剥離するより先に、シール部14を構成する材料の方が破断する程度の強さであり、接着強度がシール部14の材料強度よりも大きければよい。さらに、火炎遮蔽部23は、施工後に地震等により亀裂などの損傷が生じると、火炎遮蔽効果が低下するため、可撓性を有することが望ましい。但し、垂直方向に沿う壁部11に形成された水平方向に沿う貫通孔12、また、水平方向に沿う外壁としての天井に形成された貫通孔12に対して施工するケースを考慮すると、火炎遮蔽部23は、硬化前の塗布可能な状態において、流動性が高すぎるものは好ましくない。
火炎遮蔽部23は、金属シート22の表面に金属シート22全体を覆うように塗布することから、金属シート22との親和性に配慮する必要がある。火炎遮蔽部23は、親和性が低いと、金属シート22が火炎遮蔽部23を弾き、均一な火炎遮蔽部23の形成が困難に成る懸念がある。このことを考慮すると、火炎遮蔽部23は、防火戸用指定シリコーン系シーリング材を適用することが好ましい。例えば、信越シリコーンのシーラント40N、シーラント74、ダウコーニング東レのSE5006シーラント、モメンティブ・ジャパンのトスシール64、トスシール84などが好適であるが、これらに限るものではない。これらのシリコーン系シーリング材の主剤であるシリコーンの溶解性パラメータは、7〜8(cal/cm1/2である。
[第2実施形態]
図3は、第2実施形態のシール構造を表す断面図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態のシール構造において、図3に示すように、構造物としての建屋は、鉛直方向に沿う壁部11を有し、壁部11は、水平方向に沿って貫通する貫通孔12が設けられる。貫通孔12は、貫通部材としての配管13が挿通されるように配置される。
第2実施形態のシール構造は、貫通孔12と配管13との間の空間部にシール部14Aが配置される。シール部14Aは、水密部21Aと、金属シート22a,22bと、火炎遮蔽部23a,23bとを有する。また、水密部21Aは、充填シール材31と、ブレーカ材32a,32bと、伸縮性部材33a,33bとを有する。
すなわち、第2実施形態のシール構造は、壁部11の厚さ方向(貫通孔12の軸方向)における中間部から建屋内側(図3の左側)および建屋外側(図3の右側)に向けて、水密部21A、金属シート22a,22b、火炎遮蔽部23a,23bの順に配置される。また、水密部21Aは、壁部11の厚さ方向(貫通孔12の軸方向)における中間部から建屋内側(図3の左側)および建屋外側(図3の右側)に向けて、充填シール材31、ブレーカ材32a,32b、伸縮性部材33a,33bの順に配置される。
このとき、充填シール材31とブレーカ材32a,32bと伸縮性部材33a,33bと金属シート22a,22bと火炎遮蔽部23a,23bは、それぞれ単体で中央部に孔が設けられる円板形状をなる。そして、充填シール材31の一面に対してブレーカ材32aと伸縮性部材33aと金属シート22aと火炎遮蔽部23aが互い密着される。また、充填シール材31の他面に対してブレーカ材32bと伸縮性部材33bと金属シート22bと火炎遮蔽部23bが互い密着される。充填シール材31とブレーカ材32a,32bと伸縮性部材33a,33bと金属シート22a,22bと火炎遮蔽部23a,23bは、外周部が貫通孔12の内周面12aに隙間なく密着し、内周部が配管13の外周面13aに隙間なく密着する。
このとき、充填シール材31とブレーカ材32a,32bと伸縮性部材33a,33bと金属シート22a,22bと火炎遮蔽部23a,23bの厚さを考慮することで、積層された充填シール材31とブレーカ材32a,32bと伸縮性部材33a,33bと金属シート22a,22bと火炎遮蔽部23a,23bの厚さと、貫通孔12の軸方向の長さを同じとし、火炎遮蔽部23a,23b平面部と壁部11の内面部および外面部とが、段差なく連続するように構成される。
[第3実施形態]
図4は、第3実施形態のシール構造を表す断面図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施形態のシール構造において、図4に示すように、構造物としての建屋は、鉛直方向に沿う壁部11を有し、壁部11は、水平方向に沿って貫通する貫通孔12が設けられる。貫通孔12は、貫通部材としての配管13が挿通されるように配置される。また、貫通孔12は、内周面12aにスリーブ51が固定され、スリーブ51は、軸方向の端部に蓋部52が複数のボルト53により締結される。
スリーブ51は、円筒形状をなし、本体部51aとフランジ部51bを有する。本体部51aの外周面が貫通孔12の内周面12aに密着する。本体部51aは、軸方向の一端部が壁部11の外面に一致し、他端部が壁部11の外面より突出し、フランジ部51bが一体に設けられる。フランジ部51bは、スリーブ51の内径と同じ寸法の孔が開いた円板形状をなす。蓋部52は、円板形状をなし、中心部に配管13が貫通し、外周部がフランジ部51bに密着する。複数のボルト53は、蓋部52側から蓋部52を貫通してフランジ部51bに螺合する。
第3実施形態のシール構造は、貫通孔12に設けられたスリーブ51と配管13との間の空間部にシール部14Bが配置される。シール部14Bは、水密部21と、金属シート22と、火炎遮蔽部23とを有する。また、水密部21は、充填シール材31と、ブレーカ材32と、伸縮性部材33とを有する。
すなわち、第3実施形態のシール構造は、建屋内側(図4の左方側)から、充填シール材31、ブレーカ材32、伸縮性部材33、金属シート22、火炎遮蔽部23の順に配置される。
このとき、充填シール材31とブレーカ材32と伸縮性部材33と金属シート22と火炎遮蔽部23は、それぞれ単体で中央部に孔が設けられる円板形状をなす。そして、充填シール材31とブレーカ材32と伸縮性部材33と金属シート22と火炎遮蔽部23は、互いに密着される。また、充填シール材31とブレーカ材32と伸縮性部材33と金属シート22と火炎遮蔽部23は、外周部がスリーブ51の内周面に隙間なく密着し、内周部が配管13の外周面13aに隙間なく密着する。
[第4実施形態]
図5は、第4実施形態のシール構造を表す断面図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第4実施形態のシール構造において、図5に示すように、構造物としての建屋は、鉛直方向に沿う壁部11を有し、壁部11は、水平方向に沿って貫通する貫通孔12が設けられる。貫通孔12は、貫通部材としての配管13が挿通されるように配置される。
第4実施形態のシール構造は、貫通孔12と配管13との間の空間部にシール部14Cが配置される。シール部14Cは、水密部21と、火炎遮蔽部23と、金属シート22とを有する。また、水密部21は、充填シール材31と、ブレーカ材32と、伸縮性部材33とを有する。
すなわち、第4実施形態のシール構造は、建屋内側(図5の左方側)から、充填シール材31、ブレーカ材32、伸縮性部材33、火炎遮蔽部23、金属シート22の順に配置される。
このとき、充填シール材31とブレーカ材32と伸縮性部材33と火炎遮蔽部23と金属シート22は、それぞれ単体で中央部に孔が設けられる円板形状をなす。そして、充填シール材31とブレーカ材32と伸縮性部材33と火炎遮蔽部23と金属シート22は、互いに密着される。また、充填シール材31とブレーカ材32と伸縮性部材33と火炎遮蔽部23と金属シート22は、外周部が貫通孔12の内周面12aに隙間なく密着し、内周部が配管13の外周面13aに隙間なく密着する。
また、本実施形態では、伸縮性部材33に対して火炎遮蔽部23が密着して設けられる。火炎遮蔽部23は、伸縮性部材33の表面に塗布することから、伸縮性部材33との親和性に配慮する必要がある。火炎遮蔽部23は、親和性が低いと、伸縮性部材33が火炎遮蔽部23を弾き、均一な火炎遮蔽部23の形成が困難に成る懸念がある。このことを考慮すると、親和性をFedorsの溶解性パラメータで表した場合、硬化後の伸縮性部材33の溶解性パラメータと塗布時(ペースト状)の火炎遮蔽部23との溶解性パラメータ差が3(cal/cm1/2未満、好ましくは、2(cal/cm1/2未満がよい。溶解性パラメータの数値が近いほど、親和性が高いことを意味するため、溶解性パラメータ差が3(cal/cm1/2以上では、親和性が低く、伸縮性部材33の硬化物が火炎遮蔽部23を弾くリスクが高くなる。
伸縮性部材33としてシリコーンシーラントを使用する場合は、シリコーンシーラントの主剤であるシリコーンゴムの溶解性パラメータは、7〜8(cal/cm1/2であるため、火炎遮蔽部23の主剤の硬化前の溶解性パラメータ上限は、10〜11(cal/cm1/2、好ましくは、9〜10(cal/cm1/2である。なお、溶解性パラメータが6(cal/cm1/2未満の高分子材料は見つかっていないので、火炎遮蔽部23の硬化前の溶解性パラメータ下限も、6(cal/cm1/2程度である。また、主剤と比較すると、添加剤や充填材の溶解性パラメーラの弾き有無への影響は小さいので、主剤の溶解性パラメータのみを考慮することとする。
また、金属シート22は、火炎遮蔽部23に密着するように設けられる。このとき、金属シート22と貫通孔12の内周面12aとの間に火炎遮蔽部材24が配置される。また、金属シート22と配管13の外周面13aとの間に火炎遮蔽部材25が配置される。火炎遮蔽部材24,25は、燃焼性UL94規格における燃焼性グレードがUL94V−0相当、または、燃焼性グレードがUL94V−0以上に適合した材料によって形成される。火炎遮蔽部材24,25は、火炎遮蔽部23を構成する材料と同材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。火炎遮蔽部材24,25は、金属シート22の外周部および内周部を被覆するように設けたリング形状をなすが、金属シート22の表面全体を被覆するように設けて円板形状であってもよい。
[第5実施形態]
図6は、第5実施形態のシール構造を表す断面図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第5実施形態のシール構造において、図6に示すように、構造物としての建屋は、鉛直方向に沿う壁部11を有し、壁部11は、水平方向に沿って貫通する貫通孔12が設けられる。貫通孔12は、貫通部材としての配管13が挿通されるように配置される。
第5実施形態のシール構造は、貫通孔12と配管13との間の空間部にシール部14Dが配置される。シール部14Dは、火炎遮蔽部61と、金属シート22とを有する。火炎遮蔽部61は、水密性能を有すると共に火炎遮蔽性能を有する。すなわち、第1実施形態における水密部21(充填シール材31、伸縮性部材33)と火炎遮蔽部23(いずれも図1参照)を併せ持った機能を有する。
火炎遮蔽部61は、外周側が貫通孔12の内周面12aに固定されると共に、内周側が配管13の外周面13aに固定される。火炎遮蔽部61は、燃焼性UL94規格における燃焼性グレードがUL94V−0相当、または、燃焼性グレードがUL94V−0以上に適合した材料によって形成される。火炎遮蔽部61は、火災の際、接炎する部分であり、それ自体が延焼しにくく、且つ、焼け落ちないことにより、自身が持つ水密性能を維持することができる。火炎遮蔽部61は、例えば、信越シリコーンのシーラント40N、シーラント74、ダウコーニング東レのSE5006シーラント、モメンティブ・ジャパンのトスシール64、トスシール84などが好適であるが、これらに限るものではない。
また、金属シート22は、火炎遮蔽部61に密着するように設けられる。このとき、金属シート22と貫通孔12の内周面12aとの間に火炎遮蔽部材24が配置される。また、金属シート22と配管13の外周面13aとの間に火炎遮蔽部材25が配置される。火炎遮蔽部材24,25は、燃焼性UL94規格における燃焼性グレードがUL94V−0相当、または、燃焼性グレードがUL94V−0以上に適合した材料によって形成される。火炎遮蔽部材24,25は、火炎遮蔽部61を構成する材料と同材料を用いてもよいし、異なる材料を用いてもよい。なお、金属シート22を建屋外側(図6右側)に設けたが、建屋内側(図6左側)にも設けることが好ましい。
[第6実施形態]
図7は、第6実施形態のシール構造を表す断面図、図8は、図7のVIII-VIII断面図、図9は、図7のIX-IX断面図、図10は、シール部を表す拡大断面図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第6実施形態のシール構造は、図7から図9に示すように、貫通孔12と配管13との間にシール部70が配置される。シール部70は、筒形状をなし、軸方向の一端部が壁部11に連結され、軸方向の他端部が配管13に連結される。シール部70は、水密部71と、火炎遮蔽部72とを有する。なお、本開示において、「連結」とは、シール部70の端部が直接的に壁部11や配管13に固定されている構成や、シール部70の端部が他の部材を介して間接的に壁部11や配管13に固定されている構成を含むものである。
貫通孔12は、筒形状をなす連結部材81が固定される。連結部材81は、軸方向の長さが貫通孔12における軸方向の長さより長い。連結部材81は、少なくとも第6実施形態のシール構造を設置する軸方向の端部が貫通孔12から外方に突出する。連結部材81は、外周面81aが貫通孔12の内周面12aに密着するように固定される。
水密部71は、筒形状をなし、火炎遮蔽部72も筒形状をなす。シール部70は、水密部71の外周面に火炎遮蔽部72が隙間なく密着することで構成される。シール部70は、軸方向の一端部70aの内径および外径に対して軸方向の他端部70bの内径および外径が小さいブーツ形状をなす。シール部70は、一端部70aが連結部材81を介して壁部11に連結され、他端部70bが配管13に連結される。
シール部70は、一端部70aが貫通孔12から建屋外側(図7右側)に突出した連結部材81の端部の外周面81aに嵌合する。シール部70は、一端部70aが連結部材81の外周面81aに嵌合した状態で、リング形状をなす押え金具82により連結部材81に固定される。押え金具82は、半円形状をなす一対の金具本体83,84を有する。金具本体83,84は、シール部70の一端部70aの外側にリング形状をなすように配置される。金具本体83,84は、この状態で、長手方向の各端部に設けられた一対のフランジ83a,84a同志が密着し、ボルト85およびナット86により締結される。すなわち、シール部70の一端部70aは、連結部材81と押え金具82により厚さ方向に挟持されることで、連結部材81に連結される。
また、配管13は、外周面13aに調整リング87が固定される。調整リング87は、内周面87aが配管13の外周面13aに密着する。調整リング87は、半円形状をなすリング本体を有する。シール部70は、他端部70bが調整リング87の外周面87bに嵌合する。シール部70は、他端部70bが調整リング87の外周面87bに嵌合した状態で、リング形状をなす押え金具88により配管13に固定される。押え金具88は、半円形状をなす一対の金具本体89,90を有する。金具本体89,90は、シール部70の他端部70bの外側にリング形状をなすように配置される。金具本体89,90は、この状態で、長手方向の各端部に設けられた一対のフランジ89a,90a同士が密着し、ボルト91およびナット92により締結される。すなわち、シール部70の他端部70bは、調整リング87と押え金具88により厚さ方向に挟持されることで、調整リング87を介して配管13に連結される。
以下、シール部70を構成する水密部71と火炎遮蔽部72について詳細に説明する。
水密部71は、水密性と耐水圧性(低伸縮性)を有するシールブーツであって、津波の建屋への侵入を防止することができる。また、水密部71は、ブーツシールを難燃性とすることで、第6実施形態のシール構造を構造体として難燃性とする。水密部71は、非難燃性であるが、水密部71表面または裏面に難燃性付与剤を塗布して火炎遮蔽部72を形成する。そのため、ブーツシールに難燃性を付与し、難燃性を有するシール構造とすることができる。
シール部70は、ブーツシールであって、円筒形状をなすと共に、一端部70aから他端部70bに向けて径が小さくなる円錐形状(円錐台形状)をなす。そのため、シール部70を自在に湾曲することができ、地震時に壁部11と配管13との相対的な距離の変位を吸収することが可能である。その結果、地震によるシール部70の損傷を抑制することが可能である。
シール部70は、水密部71の表面に火炎遮蔽部72が設けられて構成される。シール部70は、扇形状をなすシートを巻回することで円筒形状に形成する。巻回されたシートの両端部は、面ファスナーにより接合される。この場合、水密部71の表面に火炎遮蔽部72が設けられたシートを巻回して円筒形状のシール部70を設ける。また、シート形状の水密部71を巻回して円筒形状とし、表面に火炎遮蔽部72を貼り付けたり、塗布したりしてもよい。
シール部70は、一端部70aが壁部11(貫通孔12)に固定された連結部材80に押え金具82により固定される。シール部70は、他端部70bが配管13に固定された調整リング87に押え金具88により固定される。押え金具82,88は、金属性であり、シール部70を締め付け固定した各端部70a,70bからの海水などの漏洩を抑制する。
水密部71は、材質として、繊維が少なくとも縦方向と横方向に織り込まれたものに、粘弾性材料を含侵させて固めたものが好適である。水密部71は、粘弾性材料の粘弾性特性により高い湾曲性、配管13や調整リング87に対して高い密着性を確保することができる。すなわち、水密部71を粘弾性材料だけで構成した場合、ゴムと同様に高い伸縮性を有することとなり、水圧が作用したときに大きく膨れて裂けるなど、耐水圧性が不十分となる。そのため、繊維を縦方向と横方向に織り込んだものに粘弾性材料を含侵させて固めることで、低伸縮性を有する水密部71とすることができる。
水密部71に使用する繊維としては、機械的強度や入手性などを考慮し、ナイロン繊維が好適であるが、それに限るものではない。繊維を織ったものに含侵させて固める粘弾性材料としては、後述する火災時の耐熱性を考慮すると、シリコーンゴム類が好適であるが、それに限るものではない。また、水密部71の機械的特性としては、適度な湾曲性を有すると共に、20m相当の津波を受け止める機械的強度を確保する必要がある。一例として、水密部71の適正な破断時引張り強さ(JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」)は、10MPa以上(水圧0.2MPaに対して保守的に50倍以上の引張強さ)、破断時伸びは、30%未満であることが好ましい(0.2MPaでは伸びは、0.6%程度)。このような条件を満足する水密部71の材料としては、ニチアス製のRNU−1025(繊維:ナイロン、粘弾性材料:シリコーンゴム)が好適であるが、これに限るものではない。
図10に示すように、火炎遮蔽部72は、火炎に直接的に接触する水密部71の表面71aに設ける。このとき、水密部71の表面71aに火炎遮蔽部72の裏面72aが隙間なく密着する。シール部70は、水密部71の表面71aに火炎遮蔽部72が設けられることから、火炎が火炎遮蔽部72の表面72bに作用しても、水密部71の延焼が抑制される。なお、水密部71の表面71aに加えて、火炎が回り込んで間接的に接触する水密部71の裏面71bに火炎遮蔽部72を設けてもよい。
水密部71の表面や裏面に難燃性付与剤を塗布することで火炎遮蔽部72を設ける。難燃性付与剤は、燃焼性UL94規格における難燃性グレードがUL94V−0相当、または、難燃性グレードがUL94V−0以上に適合した材料によって形成される。この場合、水密部71に難燃性付与剤を塗布し、乾燥(または、は硬化)させて火炎遮蔽部72が形成されたシール部70として、難燃性グレードがUL94V−0相当、または、それ以上の難燃性を有する。水密部71に難燃性付与剤を塗布する厚さは、乾燥(または、硬化)後に、0.5mm〜4.0mmの範囲であることが好ましい。0.5mm未満では、難燃性付与剤の効果が不十分となる可能性がある。一方、4.0mm以上塗布しても難燃性付与材は頭打ちであり、材料のコストアップになる。
水密部71に対する火炎遮蔽部72の付着性については、JIS K 5600−5−6「塗料一般試験方法-第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)」による付着性が分類2以内、好ましくは、分類0ないし分類1で付着性良好なものが良い。地震時に、水密部71と火炎遮蔽部72が一体となって自在に湾曲できるように、難燃性付与剤が硬化(または、乾燥)した火炎遮蔽部72について、JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」の切断時伸びが150%以上、JIS K 6254「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム-応力ひずみ特性の求め方」の引張弾性率(25%伸び)が2MPa以下、圧縮弾性率(10%圧縮)が2MPa以下で適度な柔軟性を有することが好ましい。難燃性付与剤が硬化(または、乾燥)した火炎遮蔽部72の切断時伸びが150%未満、引張弾性率(25%伸び)が2MPa超え、圧縮弾性率(10%圧縮)が2MPa超えの場合、そのような難燃性硬化剤を塗布すると、シール部70に柔軟性が損なわれる懸念がある。この条件を満足する難燃性付与剤としては、シリコーン系シーラント、好ましくは、防火戸用シリコーンシーラントがふさわしく、具体的には、東レ・ダウコーニング株式会社製のSE5006シーラント、DOWSILTM SE9188 RTV(DOWSILTM は、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーまたはその関連会社の登録商標)、信越化学工業株式会社製のシーラント40N、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のトスシール84(登録商標)などがあるが、これらに限るものではない。
図11は、シール部の変形例を表す拡大断面図である。図11に示すように、シール部70Aは、水密部71と火炎遮蔽部73とを有する。火炎遮蔽部73は、複数の劣化防止片としてのフィラー74を含む。火炎遮蔽部73は、水密部71の表面71aに設ける。このとき、水密部71の表面71aに火炎遮蔽部73の裏面73aが隙間なく密着する。シール部70Aは、水密部71の表面71aに火炎遮蔽部73が設けられることから、火炎が火炎遮蔽部73の表面73bに作用しても、水密部71の延焼が抑制される。なお、水密部71の表面71aに加えて、火炎が回り込んで間接的に接触する水密部71の裏面71bに火炎遮蔽部73を設けてもよい。
さらに、シール部70、特に、水密部71の酸化劣化を抑制するため、難燃性付与剤中に劣化防止部材(劣化防止片)である粘土鉱物をフィラー74として添加することが好ましい。粘土鉱物は、原子配列が層状構造で、薄板状の粒子形状のシリカ・アルミナ系無機化合物であり、それ自体が不燃性のため、難燃性付与剤の難燃性を向上させる効果も有する。難燃性付与剤に混合する粘土鉱物粒子としては、パイロフィライト、カオリナイト、スメクタイト、バーミキュライト、雲母などが好適であるが、それらに限るものではない。
粘土鉱物を混合した難燃性付与剤を水密部71の表面に塗布すると、硬化した火炎遮蔽部73中に薄板状の粘土鉱物粒子(フィラー74)が平行に配列する。すると、大気中の酸素分子が火炎遮蔽部73を透過して水密部71に到達するためには、酸素を透過しない粘土鉱物粒子(フィラー74)を迂回しなければならず、水密部71に到達するまでに時間がかかり、水密部71の酸化劣化を遅らせることができる。また、火災発生時、シール部40Aの火炎遮蔽部73の表面73bが火炎に曝された場合でも、薄板状の粘土鉱物粒子(フィラー74)が大気中の酸素と難燃性付与剤との直接接触を抑制するため、火炎遮蔽部73の難燃性をさらに高めることができる。難燃性付与剤中の粘土鉱物含有量としては、5重量%〜30重量%が好適である。5重量%より少ないと、添加した効果が発現しにくくなる。一方、30重量%より多いと、バインダーとなるシリコーン系難燃性付与剤の量が相対的に少なくなりすぎ、水密部71への付着性、施工性が低下する可能性が高くなる。
第6実施形態のシール部70,70Aを有するシール構造では、地震時に壁部11の連結部材81と配管13との相対位置が貫通孔12の軸方向、軸方向に直交する水平方向、鉛直方向に変位しても、シール部70,70Aによるシール性能を維持することができる。また、津波襲来時、壁部11の外側または内側から海水が勢いよく作用し、シール部70,70Aに対する圧力が急速に増大しても、水密部71に織り込まれた繊維によりシール部70,70Aの膨張が抑制され、シール部70,70Aの破損を抑制してシール性能を維持することができる。すなわち、シール部70,70Aは、地震時、壁部11の連結部材81と配管13との相対位置の変位に追随して、自在に湾曲して変位を吸収する柔軟性がある一方で、低伸縮性であるため、水圧による膨張を抑制し、津波の水圧が負荷されても、膨張して損傷する可能性が低い。
壁部11の外側で地震後に火災が発生し、シール構造のシール部が火炎に曝された場合、シール部が非難燃性であれば、燃焼し、それがきっかけで、壁部11の内側まで延焼する可能性がある。その後に津波が襲来した場合、シール構造のシール部は、もはや所期の耐水圧性や水密性を維持しておらず、津波が建屋内に侵入することを防ぐことが困難となる。
しかし、第6実施形態のシール部70,70Aを有するシール構造は、水密部71の外側に火炎遮蔽部73が設けられていることから、シール部70,70Aが難燃化し、シール構造体として難燃性を実現することで、地震後に一区画で火災が発生しても、隣接する区画への延焼を防ぐことが可能となる。その後に津波が襲来した場合、シール部70,70Aは、所期の耐水圧性と水密性を維持しており、建屋を津波から守ることが可能となる。また、フィラーを含むシール部70Aを設けることで、大気中の酸素が水密部71に到達するまでの時間を延長させ、水密部71が酸素と反応する、所謂、酸化劣化反応の開始を遅らせることで、シール部70Aの劣化を抑制することができる。さらに、火炎遮蔽部73を構成する難燃性付与剤と大気中の酸素との直接接触を抑制し、火炎遮蔽部73の難燃性を向上させ、シール構造としての難燃性を向上させることができる。
下記の表1は、火炎遮蔽部を構成する難燃性付与剤として、4種類のシリコーンシーラント使用した実施例1〜5と比較例1〜2の評価を表すものである。
水密部に難燃性付与剤を塗布して火炎遮蔽部を形成したシール部の試験片を用いて、難燃性の確認試験を実施した。試験は、UL94規格に則って、スガ試験機株式会社製の燃焼性試験機UL−94V、点火器の熱源に99.9%メタンガスを使用した。また、水密性確認試験は、連結部材81の外径150mm、配管13の外径約50mmと、0.2MPaの水圧(水深20m相当)を10分間付加して、水の漏洩の有無を確認した。
実施例1〜5は、難燃性付与剤がUL94規格のV−0で難燃性であることを確認した。また、実施例1〜5は、水密性確認試験でも、所定の時間にわたって水の漏洩は認められなかった。フィラー(粘土鉱物)74を添加した効果を確認するため、実施例1の難燃性付与剤(SE5006シーラント)にカオリナイト(竹原化学工業株式会社製、商品名:RC−1、平均粒径0.4μm)を20重量%添加した難燃性付与剤(実施例5)と、添加しない難燃性付与剤を硬化させて厚さ2mmのシートを作製し、JIS K 6275−1「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-ガス透過性の求め方−第1部:差圧法」に則って25℃で、酸素透過度を測定した。測定結果は、RC−1を含有する難燃性付与剤の酸素透過度が85000ml/(m2・24h・atm)、含有しない難燃性付与剤が680000ml/(m2・24h・atm)となり、粘土鉱物添加により酸素の透過が十分抑制されることを確認した。
一方、比較例1は水密部に難燃性付与剤を塗布しなかったため、難燃性付与剤の付着性試験は実施していない。また、燃焼性確認試験で難燃性でないことが確認されたため、水密性確認試験は実施しなかった。すなわち、火災の後、津波が来る想定のため、水密部が燃えてしまったら、津波を止めることは不可能であると判断した。比較例2は、シール部の代わりにゴムブーツ(厚さ2mm、繊維補強無し)を使用したシール構造である。このシール構造では、難燃性付与剤を塗布しなかったため、難燃性付与剤の付着性試験は実施しなかった。また、ゴムブーツは非難燃性であるため、燃焼試験は実施しなかった。また、第6実施形態のシール部70,70Aとの水密性、耐水圧性の差異を確認するため、水密試験を実施した。
Figure 2021028538
[第7実施形態]
図12は、第7実施形態のシール構造を表す断面図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第7実施形態のシール構造において、図12に示すように、構造物としての建屋は、鉛直方向に沿う壁部11を有し、壁部11は、水平方向に沿って貫通する貫通孔12が設けられる。貫通孔12は、貫通部材としての配管13が挿通されるように配置される。
第7実施形態のシール構造は、貫通孔12と配管13との間の空間部にシール部14Eが配置される。シール部14Eは、水密部21と、金属シート22と、火炎遮蔽部62を有する。また、水密部21は、充填シール材31と、ブレーカ材32と、伸縮性部材33とを有する。
すなわち、第7実施形態のシール構造は、建屋内側(図12の左方側)から、充填シール材31、ブレーカ材32、伸縮性部材33、火炎遮蔽部62の順に配置される。
また、火炎遮蔽部62は、第6実施形態で説明した複数の劣化防止片としてのフィラー74を含む火炎遮蔽部73(いずれも図11参照)と同様である。すなわち、火炎遮蔽部62は、上述した第6実施形態で説明した火炎遮蔽部73を適用すればよい。
[第8実施形態]
図13は、第8実施形態のシール構造を表す断面図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第8実施形態のシール構造において、図13に示すように、構造物としての建屋は、鉛直方向に沿う壁部11を有し、壁部11は、水平方向に沿って貫通する貫通孔12が設けられる。貫通孔12は、貫通部材としての配管13が挿通されるように配置される。
第8実施形態のシール構造は、貫通孔12と配管13との間にシール部100が配置される。シール部100は、水密部101と、火炎遮蔽部102を有する。
壁部11は、貫通孔12の貫通方向における一方側である建屋外側(図13の右方側)に閉止板111が固定される。閉止板111は、一方の平面部111aが壁部11の壁面に密着した状態で、溶接やボルトなどにより固定される。閉止板111は、中心部に貫通孔112が形成される。貫通孔112は、内径が配管13の外径より大きい寸法である。そのため、配管13の外周面13aと貫通孔112との間に隙間が確保される。
水密部101は、閉止板111と配管13とを連結するように配置される。水密部101は、閉止板111の他方の平面部111bに密着すると共に、配管13の外周面13aに密着する。そのため、水密部101により配管13と貫通孔112との間の隙間が閉塞される。その結果、閉止板111と水密部101により貫通孔12が閉塞される。なお、水密部101は、上述した実施形態で説明したいずれかの水密部を適用すればよい。
火炎遮蔽部102は、水密部101より建屋外側に設けられる。火炎遮蔽部102は、水密部101に密着するように固定され、外周側が閉止板111の平面部111bに固定されると共に、内周側が配管13の外周面13aに固定される。なお、火炎遮蔽部102は、水密部101と同様に、上述した実施形態で説明したいずれかの火炎遮蔽部を適用すればよい。
なお、上述した実施形態では、シール構造の施工方法について説明したが、シール構造の改善方法にも適用することができる。すなわち、壁部11と配管(貫通部材)13との間に水密部21,71,101だけを有するシール部が配置されたシール構造に対して、水密部21,71,101における貫通孔12の貫通方向の少なくとも一方側に難燃性を有する火炎遮蔽部23,23a,23b,61,72,73,102を配置する。すると、壁部11と配管13との間に上述したシール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100が配置されたシール構造とすることができる。
[本実施形態の作用効果]
第1の態様に係るシール構造は、構造物の壁部11に貫通孔12が設けられ、壁部11と貫通孔12に挿通される配管(貫通部材)13とを連結するシール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100を有するシール構造であって、シール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100は、水密性を有する水密部21,71,101と、水密部21,71,101における貫通孔12の貫通方向の少なくとも一方側に配置されて難燃性を有する火炎遮蔽部23,23a,23b,61,72,73,102とを備える。
第1の態様に係るシール構造は、水密部21,71,101における一方側に難燃性を有する火炎遮蔽部23,23a,23b,61,72,73,102を配置することで、地震などにより火災が発生した場合に、火炎が火炎遮蔽部23,23a,23b,61,72,73,102により水密部21,71,101に直接接触することを防止する。そのため、水密部21,71,101の延焼が防止され、水密部21,71,101による水密性能が維持されることとなり、例えば、地震の発生後に襲来する津波に対して水密部21,71,101が機能し、内部への浸水を抑制することができる。すなわち、シール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100の耐火性能および難燃性能の向上を図ることで、火災後の水密性能の低下を抑制することができる。
第2の態様に係るシール構造は、火炎遮蔽部23,23a,23b,72,73,102を水密部21,71,101とは別部材として配置する。これにより、水密部21,71,101が高い水密性能を維持することができると共に、火炎遮蔽部23,23a,23b,72,73,102が高い難燃性能を維持することができる。
第3の態様に係るシール構造は、水密部21と火炎遮蔽部23,23a,23bとの間に金属シート22,22a,22bを配置する。これにより、外部からの空気(酸素)が火炎遮蔽部23,23a,23bを通過しても、金属シート22,22a,22bにより遮られて水密部21に到達することはなく、水密部21が高分子材料を含有していたとしても、水密部21の酸化劣化を抑制することができ、水密部21による高い水密性能を維持することができる。
第4の態様に係るシール構造は、水密性能および難燃性能有する火炎遮蔽部61を設ける。これにより、シール部材を一つの部材により構成することができ、構造の簡素化を図ることができる。
第5の態様に係るシール構造は、火炎遮蔽部23に対して水密部21とは反対側に金属シート22を配置する。これにより、外部からの空気(酸素)が金属シート22,22a,22bにより遮られて水密部21に到達することはなく、水密部21が高分子材料を含有していたとしても、水密部21の酸化劣化を抑制することができ、水密部21による高い水密性能を維持することができる。
第6の態様に係るシール構造は、金属シート22と貫通孔12の内周面12aとの間に火炎遮蔽部材24を配置すると共に、金属シート22と配管13の外周面13aとの間に火炎遮蔽部材25を配置する。これにより、外部からの空気(酸素)が火炎遮蔽部材24、25により遮られて、金属シート22と貫通孔12の内周面12aとの間や金属シート22と配管13の外周面13aとの間から水密部21に到達することはなく、水密部21が高分子材料を含有していたとしても、水密部21の酸化劣化を抑制することができ、水密部21による高い水密性能を維持することができる。
第7の態様に係るシール構造は、火炎遮蔽部23,23a,23b,61,62,72,73,102が、燃焼性UL94規格における燃焼性グレードがUL94V−0以上である。これにより、高い火炎遮蔽部23,23a,23b,61が高い難燃性能を維持することができる。
第8の態様に係るシール構造は、火炎遮蔽部23,23a,23b,61,62,72,73,102が可撓性を有する。これにより、地震などにより貫通孔12と配管13の相対位置が変化しても、火炎遮蔽部23,23a,23b,61が貫通孔12と配管13の相対位置の変化に追従することとなり、地震の振動による火炎遮蔽部の損傷、あるいは、貫通孔12や配管13との接着部の剥離を抑制することができる。その結果、地震後に火災が発生した場合も、水密部を火炎から護ることができる。
第9の態様に係るシール構造は、火炎遮蔽部23,23a,23b,61,62,72,73,102がシリコーン系化合物を有する。これにより、火炎遮蔽部23,23a,23b,61,62,72,73,102に高い難燃性を確保することができる。
第10の態様に係るシール構造は、金属シート22,22a,22bがステンレスとチタンとアルミニウムのいずれか一つを含む。これにより、部品コストの上昇を抑制しながら、水密部21への空気の浸入を抑制することができる。
第11の態様に係るシール構造は、シール部14,14A,14B,14C,14D,14Eを構成する部材が貫通孔12の内周面12aと配管13の外周面13aに接着する2面接着部材を含む。これにより、地震などで壁部11と配管13との位置関係が変化した場合、2面接着であることにより、隣り合う別のシール部の動きの影響を受けることなく、水密性や密閉性を確保することができる。
第12の態様に係るシール構造は、配管13は、外周面13aに下地処理が施されている。これにより、外周面13aに微細な凹凸が施され、接着面積が増大することで、接着性能を向上することができる。
第13の態様に係るシール構造は、2面接着部材の接着していない面に、隣り合う他のシール部に接着しないブレーカ材32,32a,32bが設けられる。これにより、シール部14,14A,14B,14C,14D,14Eを構成する部材の接着性能を向上することができる。
第14の態様に係るシール構造は、火炎遮蔽部62,73は、複数のフィラー(劣化防止片)74を含む。これにより、外部からの空気(酸素)がフィラー74により遮られて水密部71に到達することはなく、水密部71が高分子材料を含有していたとしても、水密部71の酸化劣化を抑制することができ、水密部71による高い水密性能を維持することができる。
第15の態様に係るシール構造は、シール部14,14A,14B,14C,14D,14Eは、貫通孔12と配管13との空間部に充填される。これにより、シール部14,14A,14B,14C,14D,14Eが貫通孔12と配管13との間を密封することとなり、シール性能の向上を図ることができる。
第16の態様に係るシール構造は、シール部70,70A,100は、筒形状をなし、軸方向の一端部が壁部11に連結され、軸方向の他端部が配管13に連結される。これにより、地震などにより壁部11や配管13が振動しても、壁部11と配管13とが筒形状をなすシール部70,70A,100により連結されていることから、壁部11と配管13との間で相対移動が可能となり、シール部70,70A,100の破損を抑制し、シール性能の低下を抑制することができる。
第17の態様に係るシール構造は、壁部11または貫通孔12に筒形状をなす連結部材81が固定され、シール部70,70A,100は、軸方向の一端部が連結部材81を介して壁部11に連結される。これにより、連結部材81を用いることで、シール部70,70A,100と壁部11との連結作業の作業性を向上することができる。
第18の態様に係るシール構造は、構造物は、原子力プラント内に設けられる。原子力プラント内に設けられる構造物としては、例えば、原子炉建屋、タービン建屋、補助建屋などである。これにより、原子力プラントの火災による延焼を抑制することができる。
第19の態様に係るシール構造は、構造物の壁部11に貫通孔12が設けられ、壁部11と貫通孔12に挿通される配管(貫通部材)13とを連結するシール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100を有するシール構造であって、シール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100は、貫通孔12と配管13の間に配置されて水密性および難燃性を有する。これにより、地震などにより火災が発生した場合に、シール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100の延焼が防止され、水密性能が維持されることとなり、例えば、地震の発生後に襲来する津波に対してシール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100の水密性が機能し、内部への浸水を抑制することができる。すなわち、シール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100の耐火性能および難燃性能の向上を図ることで、火災後の水密性能の低下を抑制することができる。
第20の態様に係るシール構造は、シール部14,14A,14B,14C,14D,14Eは、貫通孔12と内周面12aと配管13の外周面13aに強固に接着する2面接着部を有する。これにより、地震などで壁部11と配管13との位置関係が変化した場合、2面接着であることにより、シール部14,14A,14B,14C,14D,14Eの動きの影響を受けることなく、水密性や密閉性を確保することができる。
第21の態様に係るシール構造は、各面における接着強度は、14,14A,14B,14C,14D,14Eの材料強度よりも大きい。これにより、シール部14,14A,14B,14C,14D,14Eの水密性や密閉性を確保することができる。
第22の態様に係るシール構造は、2面接着部以外の部分に劣化防止剤を有する。これにより、外部からの空気(酸素)が劣化防止剤としての金属シート22により遮られ、シール部14,14A,14B,14C,14Dが高分子材料を含有していたとしても、シール部14,14A,14B,14C,14Dの酸化劣化を抑制することができ、高い水密性能を維持することができる。
第23の態様に係るシール構造は、劣化防止剤は、金属シート22である。これにより、構造の簡素化及び高コストの低減を図ることができる。
第24の態様に係るシール構造は、劣化防止剤は、複数の劣化防止片としてのフィラー74である。これにより、構造の簡素化及び高コストの低減を図ることができる。
第25の態様に係るシール構造の施工方法は、構造物の壁部11に貫通孔12が設けられ、壁部11と貫通孔12に挿通される配管(貫通部材)13とを連結するシール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100を施工するシール構造の施工方法であって、シール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100として水密性を有する水密部21,71,101を配置する工程と、シール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100として水密部21,71,101における貫通孔12の貫通方向の少なくとも一方側に難燃性を有する火炎遮蔽部23,23a,23b,61,72,73,102を配置する工程とを有する。
第25の態様に係るシール構造の施工方法は、水密部21,71,101における一方側に難燃性を有する火炎遮蔽部23,23a,23b,61,72,73,102を配置することで、地震などにより火災が発生した場合に、火炎が火炎遮蔽部23,23a,23b,61,72,73,102により水密部21,71,101に直接接触することを防止する。そのため、水密部21,71,101の延焼が防止され、水密部21,71,101による水密性能が維持されることとなり、例えば、地震の発生後に襲来する津波に対して水密部21,71,101が機能し、内部への浸水を抑制することができる。すなわち、シール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100の耐火性能および難燃性能の向上を図ることで、火災後の水密性能の低下を抑制することができる。
第26の態様に係るシール構造の施工方法は、水密部21と火炎遮蔽部23,23a,23b,61との間、または、火炎遮蔽部23,23a,23b,61より貫通孔12の貫通方向の一方側に金属シート22,22a,22bを配置する。これにより、外部からの空気(酸素)が金属シート22,22a,22bにより遮られて水密部21に到達することはなく、水密部21が高分子材料を含有していたとしても、水密部21の酸化劣化を抑制することができ、水密部21による高い水密性能を維持することができる。
第27の態様に係るシール構造の施工方法は、火炎遮蔽部73は、複数の劣化防止片としてのフィラー74を含む。これにより、外部からの空気(酸素)がフィラー74により遮られて水密部71に到達することはなく、水密部71が高分子材料を含有していたとしても、水密部71の酸化劣化を抑制することができ、水密部71による高い水密性能を維持することができる。
第28の態様に係るシール構造の改善方法は、構造物の壁部11に貫通孔12が設けられ、壁部11と貫通孔12に挿通される配管(貫通部材)13とを連結するシール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100を改善するシール構造の改善方法であって、シール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100を構成する水密部21,71,101における貫通孔12の貫通方向の少なくとも一方側に難燃性を有する火炎遮蔽部23,23a,23b,61,72,73,102を配置する工程を有する。
第28の態様に係るシール構造の施工方法は、水密部21,71,101における一方側に難燃性を有する火炎遮蔽部23,23a,23b,61,72,73,102を配置することで、地震などにより火災が発生した場合に、火炎が火炎遮蔽部23,23a,23b,61,72,73,102により水密部21,71,101に直接接触することを防止する。そのため、水密部21,71,101の延焼が防止され、水密部21,71,101による水密性能が維持されることとなり、例えば、地震の発生後に襲来する津波に対して水密部21,71,101が機能し、内部への浸水を抑制することができる。すなわち、シール部14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100の耐火性能および難燃性能の向上を図ることで、火災後の水密性能の低下を抑制することができる。
なお、上述した実施形態では、水密部21,71,101における貫通孔12の貫通方向の一方側または、両方側に火炎遮蔽部23,23a,23b,61,72,73,102を配置したが、全ての実施形態において、水密部21,71,101における貫通孔12の貫通方向の一方側だけに火炎遮蔽部を設けたり、他方側だけに火炎遮蔽部を設けたり、両方側に火炎遮蔽部を設けたりしてもよい。
また、上述した実施形態では、貫通孔12を円形断面形状とし、配管13を円筒形状としたが、この形状に限定されるものではない。例えば、貫通孔12や配管13の形状は、楕円形状、多角形状などであってもよい。また、本発明の貫通部材は、筒形状をなすものに限定されるものではなく、柱形状であってもよい。
また、上述した実施形態では、充填シール材31,31a,31b、ブレーカ材32,32a,32b、伸縮性部材33,33a,33b、火炎遮蔽部23,23a,23b,61、金属シート22,22a,22bは、それぞれ円板状であるとしたが、各部材の形状は円板状に限られるものではなく、貫通孔12や配管(貫通部材)13の形状に合わせて適宜変更することができる。
また、上述した実施形態では、水密部21を充填シール材31,31a,31bとブレーカ材32,32a,32bと伸縮性部材33,33a,33bとから構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、水密部21を充填シール材31,31a,31bだけで構成してもよい。
11 壁部
12 貫通孔
12a 内周面
13 配管(貫通部材)
13a 外周面
14,14A,14B,14C,14D,14E,70,70A,100 シール部
21,71,101 水密部
22,22a,22b 金属シート
23,23a,23b,61,62,72,73,102 火炎遮蔽部
24,25 火炎遮蔽部材
31,31a,31b 充填シール材
32,32a,32b ブレーカ材
33,33a,33b 伸縮性部材
74 フィラー
81 連結部材
81a 外周面
82,88 押え金具
85,91 ボルト
86,92 ナット
111 閉止板
112 貫通孔

Claims (28)

  1. 構造物の壁部に貫通孔が設けられ、前記壁部と前記貫通孔に挿通される貫通部材とを連結するシール部を有するシール構造であって、
    前記シール部は、
    水密性を有する水密部と、
    前記水密部における前記貫通孔の貫通方向の少なくとも一方側に配置されて難燃性を有する火炎遮蔽部と、
    を備えるシール構造。
  2. 前記火炎遮蔽部は、前記水密部とは別部材として配置される請求項1に記載のシール構造。
  3. 前記水密部と前記火炎遮蔽部との間に金属シートが配置される請求項2に記載のシール構造。
  4. 前記水密部と前記火炎遮蔽部が一体に設けられる請求項1に記載のシール構造。
  5. 前記火炎遮蔽部に対して前記水密部とは反対側に金属シートが配置される請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のシール構造。
  6. 少なくとも前記金属シートと前記貫通孔の内面との間に火炎遮蔽部材が配置されると共に前記金属シートと前記貫通部材の外面との間に火炎遮蔽部材が配置される請求項5に記載のシール構造。
  7. 前記火炎遮蔽部は、燃焼性UL94規格における燃焼性グレードがUL94V−0以上である請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のシール構造。
  8. 前記火炎遮蔽部は、可撓性を有する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のシール構造。
  9. 前記火炎遮蔽部は、シリコーン系化合物を有する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のシール構造。
  10. 前記金属シートは、少なくともステンレスとチタンとアルミニウムのいずれか一つを含む請求項3と請求項5と請求項6のいずれか一項に記載のシール構造。
  11. 前記シール部を構成する部材は、前記貫通孔の内面と前記貫通部材の外面に接着する2面接着部材を含む請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のシール構造。
  12. 前記貫通部材は、外面に下地処理が施されている請求項11に記載のシール構造。
  13. 前記2面接着部材の接着していない面に、隣り合う他のシール部に接着しないブレーカ材が設けられる請求項11または請求項12に記載のシール構造。
  14. 前記火炎遮蔽部は、複数の劣化防止片を含む請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のシール構造。
  15. 前記シール部は、前記貫通孔と前記貫通部材との空間部に充填される請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のシール構造。
  16. 前記シール部は、筒形状をなし、軸方向の一端部が前記壁部に連結され、軸方向の他端部が前記貫通部材に連結される請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のシール構造。
  17. 前記壁部または前記貫通孔に筒形状をなす連結部材が固定され、前記シール部は、軸方向の一端部が前記連結部材を介して前記壁部に連結される請求項16に記載のシール構造。
  18. 前記構造物は、原子力プラント内に設けられる請求項1から請求項17のいずれか一項に記載のシール構造。
  19. 構造物の壁部に貫通孔が設けられ、前記壁部と前記貫通孔に挿通される貫通部材とを連結するシール部を有するシール構造であって、
    前記シール部は、前記貫通孔と前記貫通部材との間に配置されて水密性および難燃性を有するシール構造。
  20. 前記シール部は、前記貫通孔と前記貫通部材との空間部に充填され、前記貫通孔の内面と前記貫通部材の外面に強固に接着する2面接着部を有する請求項19に記載のシール構造。
  21. 各面における接着強度は、前記シール部の材料強度よりも大きい請求項19または請求項20に記載のシール構造。
  22. 前記2面接着部以外の部分に劣化防止剤を有する請求項19から請求項21のいずれか一項に記載のシール構造。
  23. 前記劣化防止剤は、金属シートである請求項22に記載のシール構造。
  24. 前記劣化防止剤は、複数の劣化防止片である請求項22に記載のシール構造。
  25. 構造物の壁部に貫通孔が設けられ、前記壁部と前記貫通孔に挿通される貫通部材とを連結するようにシール部を施工するシール構造の施工方法であって、
    前記シール部として水密性を有する水密部を配置する工程と、
    前記シール部として前記水密部における前記貫通孔の貫通方向の少なくとも一方側に難燃性を有する火炎遮蔽部を配置する工程と、
    を有するシール構造の施工方法。
  26. 前記水密部と前記火炎遮蔽部との間、または、前記火炎遮蔽部より前記貫通孔の貫通方向の一方側に金属シートを配置する請求項25に記載のシール構造の施工方法。
  27. 前記火炎遮蔽部は、複数の劣化防止片を含む請求項25に記載のシール構造の施工方法。
  28. 構造物の壁部に貫通孔が設けられ、前記壁部と前記貫通孔に挿通される貫通部材とを連結するシール部を改善するシール構造の改善方法であって、
    前記シール部を構成する水密部における前記貫通孔の貫通方向の少なくとも一方側に難燃性を有する火炎遮蔽部を配置する工程を有するシール構造の改善方法。
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