JP2021028163A - 筆記具 - Google Patents

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弘壮 井澤
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Abstract

【課題】 インク流出性を損なうことなく、ペン先全体に対する筆記方向を視認することができる視認部の有効面積を最大にしたペン先を有する筆記具を提供する。【解決手段】筆記具本体10から供給されるインクを誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先20を備え、該ペン先20は、少なくとも視認部を有する保持体40と、外形がU字状又はL字状の筆記芯30を保持体40に装着する筆記部25とを有する筆記具Aであって、前記筆記芯30の保持体40側面と当接する部分を断面矩形形状とすることを特徴とする筆記具。【選択図】図1

Description

本発明は、筆記方向を視認することができるペン先を有する筆記具に関し、更に詳しくは、インク流出性を損なうことなく、ペン先全体に対する筆記方向を視認することができる視認部の有効面積を最大にしたペン先を有する筆記具に関する。
従来、ペイントマーカー、アンダーラインマーカー等と称される筆記具のペン先は、幅広のペン芯を備えることにより幅広の線引きを可能にしたものであって、マーキングの視認性や作業性に優れているため幅広く使用されている。
ラインマーカー等の筆記具におけるペン先は、一般に合成樹脂繊維等を棒状等に集束したものや、高分子の焼結体などの多孔質部材に毛細管作用を付与し、これにより筆記具本体となる軸体から供給されるインクをペン先に導出することにより筆記可能としたものである。
また、蛍光インクを筆記具本体となる軸体内に収容した筆記具の普及にともない、幅広の線引きを可能とした多くの構造、形状のペン先を用いた筆記具が市販されたことにより、使用者の用途に筆記具の広い選択が可能となり、その作業性も快適なものとなっている。応じた
本出願人は、筆記具本体となる軸体内のインク吸蔵体(中綿)から供給されるインクを誘導し、かつ保留できるペン先を有する筆記具において、ペン先に、筆記方向を視認できる視認部(可視部)を備えた筆記具を開示している(例えば、特許文献1参照)。
このタイプの筆記具のペン先は、筆記部を視認することができるため、引き終わりの止めたい部分でピタッと止めることができ、引きすぎや、はみ出しを防ぐことができるものである。
しかしながら、上記特許文献1におけるペン先は、インク誘導部と筆記部とが一体となった形状であり、その材質はポリエチレンなどの熱可塑性樹脂粒子を焼結した焼結体が使われているが、その形状が複雑であるため、保持体の長さ分、インク吸蔵体からのインク誘導が必要であるため、インク誘導部を太く設計する必要があるが、インク誘導部を太くすると、太くなったインク誘導部によって可視部が阻害され、ペン先全体に対する視認部の有効面積が低くなるという課題を生じるものである。
一方、上記構造以外の筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先の先行技術として、本出願人は、例えば、
1)ペン先が筆記部となる多孔体と該多孔体を保持し、筆記部にインクを供給するためのインク誘導芯と、インク誘導芯を保持体の内部に備え、かつ、上記保持体が、筆記方向を視認できる視認部となる筆記具であって、前記保持体の外形面にインク誘導芯を細く見せるための溝部を少なくとも1箇所以上形成したことを特徴とする筆記具(例えば、特許文献2参照)、
2)ペン先が、筆記部となる多孔体と、該多孔体を保持し、筆記部にインクを供給するためのインク誘導部を少なくとも1つ有する保持体とを備え、筆記具本体に含まれるインクを、上記保持体に設けたインク誘導部に供給するための中継多孔体を有し、かつ、上記保持体が、筆記方向を視認できる視認部となる筆記具であって、上記インク誘導部は略中央部に配置すると共に、インクを含浸させたインク供給芯を配設したことを特徴とする筆記具(例えば、特許文献3参照)、
3)筆記用インクを収容した軸筒と、前記軸筒の一端に装着された筆記部とを有する筆記具であって、前記筆記部は、前記軸筒から筆記用インクを誘導して、該筆記用インクを筆記可能な筆記体と、当該筆記体を保持する保持体とを有しており、前記保持体は視認性を有する硬質材料で形成し、前記保持体に前記筆記体が設けられ、特定の角度で見た場合にその保持体の表面積中で、前記筆記体の見える部分が50%以下になるものであることを特徴とする筆記具(例えば、特許文献4参照)などを提案している。
しかしながら、上記特許文献2〜4に記載のペン先は、従来の特許文献1よりもペン先を通して筆記面が広く見えるものであるが、未だそのペン先全体に対する筆記方向を視認することができる視認部の面積を最大化できていないのが現状であり、更なる改善が望まれていた。
特開2000−52682号公報(特許請求の範囲、図1等) 特開2018−118420号公報(特許請求の範囲、図4等) 特開2014−50970号公報(特許請求の範囲、図1等) 特開2018−30293号公報(特許請求の範囲、図4等)
本発明は、上記従来技術の課題などに鑑み、これを解消しようとするものであり、筆記方向を視認することができるペン先を有する筆記具において、インク流出性を損なうことなく、ペン先全体に対する筆記方向を視認することができる視認部の有効面積を最大にしたペン先を有する筆記具を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために鋭意検討した結果、筆記具本体から供給されるインクを誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先を備えた筆記具であって、上記ペン先を特定構造などとすることにより、上記目的の筆記具が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の筆記具は、筆記具本体から供給されるインクを誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先を備え、該ペン先は、少なくとも視認部を有する保持体と、外形がU字状又はL字状の筆記芯を保持体に装着する筆記部とを有する筆記具であって、前記筆記芯の保持体側面と当接する部分を断面矩形形状とすることを特徴とする。
前記保持体の前端部は屈折面に形成することが好ましい。
前記保持体のペン芯が接触する表面には、軸線と垂直方向のリブが形成されていること好ましい。
前記ペン芯における流通部断面の縦横比が1:1.2以上であることが好ましい。
前記先軸はペン芯外周を覆うことが好ましい。
本発明によれば、インク流出性を損なうことなく、ペン先全体に対する筆記方向を視認することができる視認部の有効面積を最大にした筆記具が提供される。
本発明の第1の実施形態の筆記具を示す図面であり、(a)は平面図、(b)正面図、(c)は正面視の縦断面図である。 図1のペン先の拡大斜視図であり、(a)は一方向から見たペン先の拡大斜視図、(b)は(a)の180°展開した方向から見たペン先の拡大斜視図である。 図1の筆記具に用いるペン先の一例を示す図面であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は正面視の縦断面図、(d)は底面図、(e)は前方側から見た斜視図、(f)は後方側から見た斜視図、(g)は左側面図、(h)は(b)のX−X線断面図、(i)は右側面図である。 図1の筆記具に用いるペン先における保持体の一例を示す図面であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は正面視の縦断面図、(d)は底面図、(e)は前方側から見た斜視図、(f)は左側面図、(g)は(f)のY−Y線断面図、(h)は右側面図、(i)は底面側を後方側から見た斜視図である。 本発明の第2の実施形態の筆記具を示す図面であり、(a)は平面図、(b)正面図、(c)は正面視の縦断面図である。 図5のペン先の拡大斜視図であり、(a)は一方向から見たペン先の拡大斜視図、(b)は(a)の180°展開した方向から見たペン先の拡大斜視図である。 図5の筆記具に用いるペン先の一例を示す図面であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は正面視の縦断面図、(d)は底面図、(e)は前方側から見た斜視図、(f)は後方側から見た斜視図、(g)は左側面図、(h)は(b)のZ−Z線断面図、(i)は右側面図である。 図5の筆記具に用いるペン先における保持体の一例を示す図面であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は正面視の縦断面図、(d)は底面図、(e)は前方側から見た斜視図、(f)は左側面図、(g)は(f)のV−V線断面図、(h)は右側面図、(i)は底面側を後方側から見た斜視図である。 (a)及び(b)は、第1の実施形態及び第2の実施形態の筆記具を傾斜して筆記している状態を示す各拡大部分側面図である。 本発明の第3の実施形態の筆記具を示す図面であり、(a)は正面図、(b)は縦断面図、(c)はペン先の拡大部分縦断面図である。 図10のペン先の拡大斜視図である。 図10の筆記具に用いるペン先の一例を示す図面であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は正面視の縦断面図である。 図10の筆記具に用いるペン先における保持体の一例を示す図面であり、(a)は前方側から見た斜視図、(b)は後方側から見た斜視図、(c)平面図、(d)左側面図、(e)は正面図、(f)は右側面図、(g)は正面視の縦断面図である。 図10の筆記具に用いるペン先における先軸の一例を示す図面であり、(a)は平面図、(b)は前方上側から見た斜視図、(c)は左側面図、(d)正面図、(e)右側面図、(f)は正面視の縦断面図、(g)〜(i)は(f)のG−G線断面図、H−H線断面図、I−I線断面図である。 図10の筆記具に用いるペン先における筆記芯の一例を示す図面であり、(a)は前方側から見た斜視図、(b)は後方側から見た斜視図、(c)平面図、(d)左側面図、(e)は正面図、(f)は右側面図、(g)は正面視の縦断面図、(h)は薄板体(シート体)部分の横断面図である。 図15に示す筆記芯の組立前を示す図面であり、(a)平面図、(b)は正面図、(c)は正面視の縦断面図である。 第3の実施形態の筆記具を傾斜して筆記している状態を示す拡大部分側面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳しく説明する。
図1〜図4は本発明の第1の実施形態の筆記具を示すものであり、ペン先が2種となるツインタイプの筆記具の各図面であり、図2は図1の筆記具に用いる各方向から見たペン先の拡大斜視図、図3及び図4はペン先を構成する各部品となる筆記芯、保持体などの各図面である。
本実施形態の筆記具Aは、図1(a)〜(c)に示すように、筆記具本体(軸筒)10から供給されるインクを誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先20を備えると共に、このペン先20の反対側にも棒状のポリアセタール製のペン先50を備えたツインタイプの筆記具となっている。また、筆記具本体10の両側には、着脱自在となるペン先20を保護するクリップ部60aを有するキャップ60と、ペン先50を保護するキャップ70とが取り付けられている。
筆記具本体10は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等で形成されるものであり、筆記具用インクを含浸したインク吸蔵体15を収容する筒状体からなると共に、図面上、右側となる一端側は細字タイプの棒状のペン先50を保持する保持具55を嵌合により固着するための嵌合部を有する保持部11となっており、左側となる他端には、筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先20を固着する先軸16が取り付けられている。
筆記具本体10は、例えば、ポリプロピレン等からなる樹脂を使用して筒状に成形され、筆記具本体(軸体)として機能する。筆記具本体10は不透明又は透明(及び半透明)に成形されるが、外観上や実用上の観点からいずれを採用しても良い。
インク吸蔵体15は、水性インク、油性インクなどの筆記具用インクを含浸したものであり、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる繊維束、フェルト等の繊維束を加工したもの、また、スポンジ、樹脂粒子、焼結体等の多孔体を含むものである。このインク吸蔵体15は、筆記具本体10内に収容保持されている。
用いる筆記具用インクの組成は、特に限定されず、筆記具の用途等に応じて、水性インク、油性インク、熱変色性インクなどの好適な配合処方とすることができ、例えば、アンダーラインペン等ではインクに蛍光色素、例えば、ベーシックバイオレット11、ベーシックイエロー40、熱変色性マイクロカプセル顔料などを含有させることできる。
これらのインクは、インク配合成分種、各配合量を調整することなどにより、インク粘度(25℃:コンプレート型粘度計)1〜5mPa・s、表面張力30〜60mN/m、ペン先20からのインク流出量Xを5〜20mg/m、ペン先50からインク流出量Yを0.1〜5mg/mとし、X>Yと設定することで筆跡の使い分けが容易となるので好ましい。インク流出量の測定は、自動筆記装置にペン体をセットして、JIS S6037に従い、上質紙面上で筆記角度65°、筆記力1N、速度7cm/sでのものである。また、ペン先50の曲げ応力をペン先20の曲げ応力よりも高くすることで、ペン先50での細かい文字の筆記に適した筆記具を提供できる。
なお、筆記具用インクを熱変色性インクとした場合は、JIS S 6050−2002に規定する鉛筆描線の消し能力(消字率)が70%未満の熱可塑性エラストマーをキャップ60の頂部に形成し、擦過動作により摩擦熱を発生容易かつ低摩耗な摩擦体とすることで、摩擦時に消しカスの発生を少なくすることで周囲への汚れを防ぐことができる。
ペン先20は、図2(a)及び(b)、並びに、図3(a)〜(i)などに示すように、少なくとも筆記部25を有する筆記芯30と、視認部を有する保持体40とにより構成されている。筆記部25を有する筆記芯30は、後述する保持体40に接着、溶着、嵌合等により取り付けられるものである。
本実施形態の筆記芯30は、図3(a)〜(i)などに示すように、筆記しやすい傾きとなるように、傾斜状(ナイフカット状)となった筆記部25と、該筆記部25以外は、筆記部25の両端部から薄板体(シート体)31、31とを有し、これらが一体に連設されており、外形が略U字状(コ字状も含む)に形成され、該薄板体31,31の断面は矩形形状となっている。
この筆記芯30は、筆記具本体10内に吸蔵されるインクを効率よく、薄板体31,31を介して筆記部25へインクを誘導(供給)するものであれば特に限定されず、例えば、不織布、織物あるいは編物などの布帛、あるいは、通液性発泡体、焼結体などの通液性を有する素材から構成されるものが挙げられる。なお、筆記部25を含む筆記芯30は、一種類の素材から構成できるが、複数の素材を積層したりするなど組み合わせることで構成したり、また、筆記部25と該筆記部25以外を別部材同士で連結や結合等して構成してもよい。
本発明において、「不織布」とは、一層以上の繊維の塊を製編織しないで布状構造としたものをいう。繊維の素材としては、合成繊維、天然繊維、獣毛繊維、無機繊維等が用いられる。用いる合成繊維の材料としては、例えば、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせなどが挙げられる。
布帛を構成する繊維は、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を吸着することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
布帛を構成する繊維は、一種類あるいは複数種類の樹脂成分から構成されてなるものでも構わず、一般的に複合繊維と称される、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型などの複合繊維を使用することができる。
布帛を構成する繊維の繊度は特に限定するものではないが、前記繊度は0.1〜500dtex(デシテックス)であるのが好ましく、2〜5dtex(デシテックス)であるのがより好ましい。また、繊維長も特に限定するものではないが、短繊維や長繊維あるいは連続繊維を使用することができる。
布帛が織物や編物である場合、上述のようにして調製した繊維を、織るあるいは編むことで調製することができる。
布帛が不織布である場合、不織布を製造可能な繊維ウェブの調製方法として、例えば、乾式法、湿式法などを用いることができる。そして、繊維ウェブを構成する繊維同士を絡合および/または一体化して不織布にする方法として、例えば、ニードルや水流によって絡合する方法、繊維同士をバインダで一体化する方法、あるいは、繊維ウェブが熱可塑性樹脂を含んでいる場合には、繊維ウェブを加熱処理することで前記熱可塑性樹脂を溶融して、繊維同士を一体化する方法を挙げることができる。なお、繊維ウェブを加熱処理する方法として、例えば、カレンダーロールにより加熱加圧する方法、熱風乾燥機により加熱する方法、無圧下で赤外線を照射して熱可塑性樹脂繊維を溶融させる方法などを用いることができる。また、直接紡糸法を用いて紡糸された繊維を捕集することで、不織布を調製してもよい。
通液性発泡体である場合、例えば、溶融状態の樹脂を型に流し込み成型、発泡処理するなど、公知の方法で調製することができる。また、焼結体では、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などのプラスチック粉末などを焼結したポーラス体(焼結芯)などから構成することができる。
筆記部25を有する筆記芯30の形状、厚さなどは、保持体40への取り付け態様、筆記部25の形状、視認部43の視認部面積の最大化、インクを効率よく筆記部へ流出(供給)せしめる点等から設定されるものであり、好ましくは、幅方向長さ、長手方向長さは筆記芯30の薄板体31、31を固着する後述する保持体40の取付面の幅方向長さ、周面の長さとなるものであり、インクを効率よく筆記部25へ流出せしめる好適な長さがそれぞれ設定される。また、筆記芯30の筆記部25以外の薄板体31、31の厚さtは、視認部43の視認部面積の最大化する点などから、0.3〜3.0mmであるのが好ましく、0.5〜1.0mmであるのが最も好ましい。
筆記部25は、本実施形態においては筆記芯30の薄板体31、31と一体に構成されるものであり、筆記しやすい傾きとなるように、傾斜状(ナイフカット状)となっており、この傾き等は、筆記等の使い勝手に合わせて適宜設定される。また、この筆記部25は、描線幅Wが太いものであり、好ましくは、描線幅Wは1mm以上、更に好ましくは、描線幅Wは2mm以上の描線幅となる筆記部が望ましい。
本実施形態の筆記部25を含む筆記芯30は、プラスチック粉末を焼結した焼結芯から一体に構成されている。
上記実施形態では、筆記芯30の筆記部25と薄板体31、31を同じ素材で一体構成したが、筆記部25と薄板体31、31とを別部材で構成し、これらを連結、結合、当接等しても良いものである。筆記部25を、例えば、気孔を有する多孔質で形成されたものが挙げられ、具体的には、スポンジ体、焼結体、繊維束体、発泡体、海綿体、フェルト体、ポーラス体などを挙げることができる。多孔体を形成する材料としては、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などを用いることができ、具体的には、筆記部25を各種のプラスチック粉末などを焼結した焼結体から構成し、薄板体31、31を、例えば、不織布、織物あるいは編物などの布帛、あるいは、通液性発泡体などの通液性を有する素材から構成してもよいものである。
保持体40は、図3(a)〜(i)、図4(a)〜(i)に示すように、上記筆記芯30の筆記部25、薄板体31、31を固定して、筆記具本体10の先軸16先端開口部に固着されるものであり、膨出状の本体部41と、該本体部41の前方側に、筆記具本体10の端面と当接するフランジ部42と、筆記方向を視認することができる視認部(可視部)43とを有すると共に、可視部43の先端側に筆記部25の先端側(端面)を保持する前方保持部44a,44bとを有するものである。
また、上記本体部41の後方側に、上記本体部41に連設される後方保持部45とを備えたものである。これらの部材から構成される保持体40の長手方向外周面全体には、視認部43の視認面積の最大化を図る点から、保持体40の外周に装着(配置)される構造、具体的には、保持体40の長手方向外周面全体には、上記筆記芯30の薄板状体31、31をU字型状に嵌入保持する保持溝46、46が形成されている。更に、本体部41の幅方向外周面には、凹状の嵌合部41aが形成されている。
また、この保持体40には、前記筆記芯30の保持体40の側面と当接する部分(薄板状体31、31)を断面矩形形状としており、該保持体40の前端部となる視認部43の外周縁を傾斜状の屈折面43a、43aに形成されている。
上記筆記芯30の保持体40の側面と当接する部分を断面矩形形状とすることにより、断面積に対する視認部43の幅を広げることができると共に、保持体40の視認部43の外周縁を傾斜状の屈折面43a、43aとすることにより、矩形断面を細く見せることができ、視認部43の面積を従来よりも更に広く見せることができることとなる。
このように構成される保持体40全体は、硬質材料で構成されており、例えば、視認性を有する硬質材料、例えば、ガラス、ゴム弾性を有しない樹脂などから構成されるものである。視認可能となるゴム弾性を有しない樹脂としては、例えば、PP、PE、PET、PEN、ナイロン(6ナイロン、12ナイロン等の一般的なナイロン以外に非晶質ナイロン等を含む)、アクリル、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ABS等の可視光線透過率が50%以上の材料から成形により構成することにより、視認部43で筆記方向に書いてある文字を有効に視認できることとなる。なお、視認部43(傾斜状の屈折面43a、43aを含む)だけを視認性を有する材料で構成してもよい。なお、可視光線透過率は多光源分光測色計〔スガ試験機社製、(MSC−5N)〕にて反射率を測定することで求めることができる。
また、保持体40は、上記各材料の一種類、または、耐久性、視認性の更なる向上の点などから、2種類以上の材料を用いて構成してもよく、射出成形、ブロー成形などの各種成形法により成形することができる。
この保持体40のコ字型状(U字型状)の保持溝46の取付面47に筆記芯30の薄板体31、31が接着剤による接着、溶着等により固着され、筆記部25に固着されている。
本実施形態では、視認部43の視認面積の最大化を図る点などから、上記薄板体31、31の厚さtは、筆記部25の厚さより薄くなっており、また、インク誘導部の幅(m)が保持体40の視認部43の幅(M)の90%未満、更に好ましくは、50〜80%であることが望ましい。更に、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、インク誘導部となる上記薄板体31、31の断面縦横比、すなわち、厚さt:幅mの比(t:m)が1:1.2以上10未満、さらに好ましくは1:2以上5未満とすることが好ましい。
この筆記具Aにおいて、上記筆記部25の保持体40への固着(装着)は、前方保持部44a,44b間に上記筆記部25を嵌入保持、更に、筆記部25の固着(抜け止め)を確実にするために、接着剤による接着、溶着などを更に用いても良いものである。
ペン先50は、図1(a)及び(b)に示すように、細字タイプの棒状のペン先であり、断面が円形形状となるものであり、ペン先50の後端部(インク吸蔵体側)がインク吸蔵体15内に挿入されており、毛管力によりインク吸蔵体のインクがペン先50に供給されるものである。
このペン先50は、多孔質部材から構成されるものであり、例えば、天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂などの1種又は2種以上の組み合わせからなる並行繊維束、フェルト等の繊維束を加工又はこれらの繊維束を樹脂加工した繊維芯、または、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の熱可塑性樹脂などのプラスチック粉末などを焼結したポーラス体(焼結芯)などからなるものである。
好ましいペン先50としては、繊維束芯、繊維芯、焼結芯、フェルト芯、スポンジ芯、無機多孔体芯であり、特に好ましくは、変形成形性の点、生産性の点から、繊維芯が望ましい。また、用いるペン先50の気孔率、大きさ、硬度などは、インク種、筆記具の種類等により、変動するものであり、例えば、気孔率では30〜60%とすることが好ましい。また、本発明において、「気孔率」は、下記のようにして算出される。まず、既知の質量及び見掛け体積を有する筆記芯を水中に浸し、十分に水を浸み込ませた後、水中から取り出した状態で質量を測定する。測定した質量から、筆記芯に浸み込ませた水の体積が導出される。この水の体積を筆記芯の気孔体積と同一として、下記式から、気孔率が算出される。
気孔率(単位:%)=(水の体積)/(ペン先50の見掛け体積)×100
このように構成される筆記具Aでは、筆記具本体10内に筆記具用インクを吸蔵したインク吸蔵体15を挿入して保持せしめ、先端側は先軸16を介して上記構成のペン先20を順次嵌合等により固着せしめ、他端側はペン先50を固着せしめた保持具55を嵌合により固着せしめることにより、簡単にツインタイプの筆記具Aを作製することができ、インク吸蔵体15に吸蔵されたインクは毛管力によりペン先20では筆記芯30の薄板体31、31を介して筆記部25、並びに、ペン先50に効率的に供給され、筆記に供されるものとなる。
この筆記具Aでは、ペン先50は従来の汎用のペン先と同様であるので、ペン先20の機能等を以下に説明する。
この筆記具Aのペン先20は、図1、図2に示すように、筆記方向を視認することができる視認部(窓部)43を有するものであり、インク吸蔵体15のインクは筆記芯30の薄板体31、31の毛細力により筆記部25に到達し、筆記に供されるものとなる。筆記の際に、視認部(窓部)43で視認側を見れば、ひき始めの位置を合わせやすくなり、また、引き終わりの止めたい部分でピタッと止めることができ、引きすぎや、はみ出しを防ぐことができるものとなる。
本発明では、ペン先20は、インク吸蔵体15からのインクの誘導を筆記部25の厚さよりも薄く、流出性のある筆記芯30の薄板体31、31を介して筆記部25まで誘導するものであり、また、この薄板体31、31はシート状の多孔体から構成されているので、インク流出性が良好であり、太く設計する必要がなく、視認部43が阻害されず、また、上記筆記芯30の保持体40の側面と当接する部分を断面矩形形状とすることにより、断面積に対する視認部43の幅を広げることができると共に、保持体40の視認部43の外周縁を傾斜状の屈折面43a、43aとすることにより、矩形断面を細く見せることができるので、右利きで左から右方向に筆記する際に、視認部43で筆記方向を視認しながら筆記部25で描線を引くことなどができ、また、ペン先全体に対する視認部の有効面積の最大化と共に、上記特性の薄板体31、31により一体構成の筆記部25へ効率よくインクが供給されるので、そのインク流出性も良好で有り、インクの流出性を損なうことなく、視認部43の有効面積の最大化を達成することができる筆記具が得られるものとなる。
また、この筆記具Aは、インク流出性が良好であるので、ペン先20の移動速度を速くして筆記しても、インクの供給は良好に追従し、筆跡のカスレ等を生じることがない筆記具が得られることとなる。
本発明の筆記具は、上記構成のペン先20を備えたことを特徴とするものであるので、ペン先20以外の構成は、特に限定されるものではない。以下に、本発明の筆記具の他の各実施形態等について説明する。
図5〜図8は、本発明の第2の実施形態の筆記具におけるペン先20の実施形態の他例を示す各図面である。なお、上記実施形態の筆記具Aと同様の構成、機能を有する場合は、以下の各実施形態において、各図面等に同一符号を付してその説明を省略する。
第2の実施形態の筆記具Bは、上記実施形態の筆記芯30の外形がU字状のものを用いたが、第2の実施形態では、図5〜図8に示すように、外形がL字状の筆記芯35を保持体40に装着した点で相違するものである。
第2の実施形態の筆記芯35の筆記部36は、上記実施形態の筆記部と同様の形状となっており、筆記しやすい傾きとなるように、傾斜状(ナイフカット状)となっている。筆記芯35では、筆記部36の端部側から薄板体37が一体に連設されており、外形がL字状に形成され、該薄板体37の断面は矩形形状となっている。
保持体40は、図5〜図8に示すように、上記筆記芯35の筆記部36、薄板体37を固定して、筆記具本体10の先軸16先端開口部に固着されるものであり、上記図1の実施形態では薄板体31、31を取り付けるための取付面47を上下に形成したものであったが、本実施形態では、外形がL字状であるので、保持体40の下側のみに取り付ける形態となっている。従って、保持体40は、図1の実施形態と同様に、膨出状の本体部41と、該本体部41の前方側に、筆記具本体10の端面と当接するフランジ部42と、筆記方向を視認することができる視認部(可視部)43とを有すると共に、可視部43の先端側に筆記部36の先端側(端面)を保持する前方保持部44a,44bとを有するものである。
また、上記本体部41の後方側の底面側に、上記本体部41に連設される後方保持部45とを備えたものである。これらの部材から構成される保持体40の長手方向の底面側全体には、視認部43の視認面積の最大化を図る点から、保持体40の底面に装着(配置)される構造、具体的には、保持体40の長手方向底面全体には、上記筆記芯35の薄板状体37をL字型状に嵌入保持する保持溝46が形成されている。更に、本体部41の幅方向外周面には、図1と同様に、凹状の嵌合部41aが形成されている。
この保持体40には、前記筆記芯35の保持体40の側面と当接する部分(薄板状体37)を断面矩形形状としており、該保持体40の前端部となる視認部43の外周縁を傾斜状の屈折面43a、43aに形成している。
この筆記具Bでは、筆記芯35は、外形がL字状であるので、図1の外形がU字状のものよりも、視認部43の上面側には薄板体31を装着しない構造となるので、遮るものはなく、その分視認部の面積を拡大でき、また、上記筆記芯35の保持体40の側面と当接する部分を断面矩形形状とすることにより、底面側は断面積に対する視認部43の幅を広げることができ、しかも、保持体40の視認部43の外周縁を傾斜状の屈折面43a、43aとすることにより、矩形断面を細く見せることができ、視認部43の面積を図1よりも更に広く見せることができることとなる。
この第2の実施形態のペン先20は、図1の筆記具と同様に取り付けられるものであり、筆記方向を視認することができる視認部(窓部)43を有するものであり、インク吸蔵体15のインクは筆記芯36の毛細力により筆記部35に到達し、筆記に供されるものとなる。筆記の際に、視認部(窓部)43で視認側を見れば、ひき始めの位置を合わせやすくなり、また、引き終わりの止めたい部分でピタッと止めることができ、引きすぎや、はみ出しを防ぐことができるものとなる。
第2の実施形態では、ペン先20は、インク吸蔵体15からのインクの誘導を筆記部35の厚さよりも薄く、流出性のある筆記芯35の薄板体37を介して筆記部36まで誘導するものであり、また、この薄板体37は上記図1の実施形態よりもインク供給力に優れた素材を用いたものから構成されているので、インク流出性が良好であり、太く設計する必要がなく、視認部43が阻害されず、また、上記筆記芯35の保持体40の側面と当接する部分を断面矩形形状とすることにより、断面積に対する視認部43の幅を広げることができると共に、保持体40の視認部43の外周縁を傾斜状の屈折面43a、43aとすることにより、矩形断面を細く見せることができるので、右利きで左から右方向に筆記する際に、視認部43で筆記方向を視認しながら筆記部36で描線を引くことなどができ、また、ペン先全体に対する視認部の有効面積の最大化と共に、上記特性の薄板体37により一体構成の筆記部36へ効率よくインクが供給されるので、そのインク流出性も良好で有り、インクの流出性を損なうことなく、図1の実施形態よりも視認部43の有効面積の最大化を達成することができる筆記具が得られるものとなる。
また、この筆記具Bは、インク流出性が良好であるので、ペン先20の移動速度を速くして筆記しても、インクの供給は良好に追従し、筆跡のカスレ等を生じることがない筆記具が得られることなる。
上記第1実施形態の筆記具A及び第2の実施形態の筆記具Bのペン先形状として、図9(a)及び(b)に示すように、限界筆記角度の時に筆記芯30の両側のガイド高さが筆記面から加わる荷重に対して圧縮の関係になるように構成することが好ましい。上記構成とすることにより更に優れた強度を発揮することができるものとなる。
図10〜図15は、本発明の第3の実施形態である筆記具を示す各図面である。
本実施形態の筆記具Cは、インク吸蔵体15、先軸16、筆記芯30、保持体40及びキャップ60の各構造がそれぞれ若干相違する点で、上記実施形態の筆記具Aと異なるものである。
具体的には、先軸16は、図14(a)〜(i)に示すように、円形状の筒状体から構成されており、少なくとも、中央部後部よりにフランジ部16aと、該フランジ部16aの後方側に嵌合段部を有する後部16bと、前方側に嵌合段部を有する前部16cと、該前部16cの先端に一体に設けられた筆記芯30外周の少なくとも一部を覆う被覆片16dと、前記筒状体内部の楕円状の外周16eに所定間隔毎に楕円形状のインク吸蔵体15を保持する保持突起部16f,16f…とから構成されている点、保持体40には、図13(a)〜(g)に示すように、筆記芯30が接触する表面に軸線と垂直方向に所定間隔毎にリブ48、48……を形成すると共に、本体部41の長手方向両量外周部に円形穴部を有する空気流通溝49、49を形成した点、先軸16と保持体40とが図10(c)に示すように、矢尻嵌合である点、キャップ60には、図10(b)に示すように、頂部の凹部61にJIS S 6050−2002に規定する鉛筆描線の消し能力(消字率)が70%未満の熱可塑性エラストマーから構成される摩擦体62を固着した点で、上記実施形態の筆記具Aと異なるものである。
このように構成される筆記具Cは、上記筆記具Aの作用効果と同様に、インク流出性も良好で有り、インクの流出性を損なうことなく、視認部43の有効面積の最大化を達成することができると共に、上述のインク吸蔵体15、先軸16、筆記芯30、保持体40及びキャップ60の各構造がそれぞれ若干相違する点で、更に以下の作用効果を発揮できるものである。
インク吸蔵体15の外形形状を楕円形状であると共に、先軸16内の外周16eには楕円形状のインク吸蔵体15を保持する保持突起部16f,16f…が形成されているのでインク吸蔵体15の回転が抑止されると共に、先軸16と保持体40とが図10(c)に示すように、矢尻嵌合により固着されているので、筆記芯30を取り付けた保持体40の筆記具への固着力が更に増強され耐久性に優れたものとなっている。
先軸16の前部16cの先端に一体に設けられた被覆片16dにより、図10(c)及び図11に示すように、一方の薄板体31が被覆されるので、薄板体31の外面が保護されると共に、定規等でラインを施す場合に、定規を汚すことがないものとなる。
インク吸蔵体15に吸蔵されるインクが熱変色性インクの場合には、その筆記描線等はキャップ60の頂部に固着した摩擦体62の擦過動作により摩擦熱を発生容易かつ低摩耗な摩擦体とすることで、摩擦時に消しカスの発生を少なくすることで周囲への汚れを防ぎながら消去されることとなる。
保持体40は図13に示されるように、筆記芯30が接触する表面に軸線と垂直方向に所定間隔毎にリブ48、48……を形成しているので、成形加工により寸法バラツキ等を起こす筆記芯30の脆い足部等を安定的に保持体40に組み付けることができるものとなる。また、筆記具内の空気圧等が膨張しても空気流通溝49、49により調整ができインクの漏れ等を解消できる。
また、本発明の第3の実施形態である筆記具Cでは、上述の第1の実施形態である筆記具Aに対して、保持体40の前端部となる視認部43の外周縁に形成した傾斜状の屈折面43a、43aを設けないことで、筆記芯30の保持体40側面と当接する部分を断面矩形形状とする構造のみでも視認部43の有効面積の最大化を達成することができる。
更に、保持体40の後端部の上下差を異ならせることで、図12に示されるような上下差が異なる筆記芯30と保持体40との距離が等しくなるため、筆記芯30を中綿に接触した際の筆記芯30の後部の片方のみの折れ曲がりを防ぐことかできる。
図15は、上記第3の実施形態の筆記具Cにおいて用いた筆記芯30を示す各図面である。
この実施形態の筆記芯30は、図15(a)〜(h)に示すように、筆記しやすい傾きとなるように、傾斜状(ナイフカット状)となった筆記部25と、該筆記部25以外は、筆記部25の両端部から傾斜部を有する薄板体(シート体)31、31とを有し、これらが一体に連設されており、外形が略U字状(コ字状も含む)に形成され、該薄板体31,31の断面は矩形形状となっている点は上記実施形態筆記具A〜Cにおいて用いた筆記芯と同様であるが、本実施形態では、インク誘導部となる薄板体(シート体)31、31と筆記部25との境界部に段差部32,32を設けた点で異なるものである。
としたものである。
また、楕円断面ような扁平形状とすることで視認部43の有効面積の最大化を達成することができるものである。
この筆記芯30では、図16にも示されたようにインク誘導部となる薄板体(シート体)31、31と筆記部25との境界部に段差部32,32を設けることにより、保持体の溝内へ筆記部25の組付け後、薄板体31を組付ける場合に、薄板体31の側面が溝部の角にあたることがなく、組み立て性が更に良好となるものである。
また、図16にも示されたようにインク誘導部となる薄板体(シート体)31、31と筆記部25との連設部の内側の付け根部33,33を図面に示されたようなR面加工又はC面加工を施すことにより、付け根部33,33箇所の強度を更に増強してもよいものである。
本発明の筆記具は、上記各実施形態などに限定されることなく、本発明の技術思想を変更しない範囲内で更に種々変更することができる。
また、ペン先形状として、図17に示すように、筆記角度をつけても線幅が増えにくいような形状とすることが好ましい。両幅より筆記接地面が短い、独自のR形状などとすることにより、ペン先部よりも幅の狭いラインを引くように設定する場合において、紙面への接地幅が筆記角度により、極端に増加することを防止することができる。
更に、保持体40と筆記芯30との固着方法は、嵌合等による固着を初め、ホットメルト型接着剤による固着、溶剤浸透による固着、超音波溶着による固着、反応系接着剤による固着(湿気硬化、UV硬化、酸素硬化、2液硬化)、溶剤系接着剤による固着(可溶型合成樹脂、エマルション、ゴム)、テープ、両面テープによる固着、により行うことができる。
筆記芯30の気孔率については、以下の範囲とすることが好ましい。
気孔率は、30〜80%とすることが好ましく、さらに好ましくは、40〜70%とすることが好ましい。上記気孔率の測定方法は、水中浸漬法により気孔の見かけ体積を求め、
(1−(気孔の見かけ体積/筆記芯の体積))×100(%)により算出した値である。
更に、上記各実施形態の筆記具A〜Cでは、ツインタイプの筆記具を示したが、ペン先50を省略(軸体を有底筒状の軸体と)して、ペン先20を備えたシングルタイプの筆記具としてもよいものであり、また、ノック式によりペン先20が出没する筆記具であってもよいものである。
上記各実施形態の筆記具A〜Cでは、筆記具本体の軸体などの断面を円形軸に形成したが、三角形状、四角形以上の方形状などの異形形状、楕円形状にしてもよいものである。また、ペン先20全体を透明な部材で構成する場合を示したが、少なくとも視認部43が透明な部材で構成され、筆記具本体内の取り付けられる本体部41側を透明な部材以外の樹脂部材で二色成形品となったものを用いてペン先20を構成してもよいものである。
更に、上記各実施形態では、筆記具用のインク(水性インク、油性インク、熱変色性インク)で説明したが、液状化粧料、液状薬剤、塗布液、修正液などの液状体としてもよいものである。
次に、実施例により、本発明を更に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
下記構成及び図1〜図4に準拠するペン先を有する筆記具、下記組成の筆記具用インクを使用した。ペン先の寸法等は下記に示す大きさ等を使用した。
(ペン先20の構成)
アクリル樹脂製、可視光線透過率85%〔スガ試験機社製、多光源分光測色計(MSC−5N)にて反射率を測定し、可視光線透過率とした。〕
視認部(窓部)43(四角形)の大きさ:9mm×8mm×5mm×4mm
視認部の幅M:3.0mm
筆記芯30:薄板体31,31の構成:ポリエチレン製焼結芯、幅方向長さm:2mm、長手方向長さ:20mm、厚さt:0.5mm、t:m=1:4、筆記部25:ポリエチレン製焼結芯、気孔率:50%、4×3×6mm、T=3mm、W=5.5mm
インク吸蔵体15:PET繊維束、気孔率85%、φ6×77mm
筆記具本体10、キャップ60、70:ポリプロピレン(PP)製
ペン先50:ポリエステル製繊維束芯、気孔率60%、φ2.0×40.0mm
(筆記具用インク組成:インク色:蛍光黄色)
筆記具用インクとして、下記組成のインク(合計100質量%)を使用した。
保湿剤:トリメチルグリシン(グリシンベタイン) 7.5質量%
ペンタエリスリトール 4.5質量%
着色剤:NKW-4805黄(日本蛍光社製) 40.0質量%
防腐剤:バイオエース(ケイアイ化成社製) 0.3質量%
pH調整剤:トリエタノールアミン 1.0質量%
フッ素系界面活性剤:サーフロン8111N(AGCセイミケミカル社製) 0.2質量%
水溶性有機溶剤:エチレングリコール 3.0質量%
水(溶媒):イオン交換水 43.5質量%
粘度(25℃):3.0mPa・s(コンプレート型粘度計、TOKIMEC社製、TV−20)
表面張力(25℃):33mN/m(自動表面張力計、協和界面科学社製、DY−300)
この図1〜図4準拠の実施例1のペン先20を用いた筆記具では、インク吸蔵体15からのインクの誘導を筆記部25の厚さよりも薄く、流出性のある薄板体31,31で筆記部25まで誘導するものであり、また、この筆記部25、薄板体31,31を含む外形がU字状の筆記芯30は上記構成のポリエチレン製焼結芯から構成されているので、気孔率に対する毛管力の強さが大きく、しかも、その厚さは極めて薄くでき、インク流出性が良好であり、インク誘導部を太く設計する必要がなく、視認部43が阻害されず、また、上記筆記芯30の保持体40の側面と当接する部分を断面矩形形状とすることにより、断面積に対する視認部43の幅を広げることができると共に、保持体40の視認部43の外周縁を傾斜状の屈折面43a、43aとすることにより、矩形断面を細く見せることができるので、右利きで左から右方向に筆記する際に、視認部43で筆記方向を視認しながら筆記部25で描線を引くことなどができ、また、ペン先全体に対する視認部の有効面積の最大化と共に、上記特性の薄板体31、31により一体構成の筆記部25へ効率よくインクが供給されるので、そのインク流出性も良好で有り、インクの流出性を損なうことなく、視認部43の有効面積の最大化を達成することができる筆記具が得られることが確認された。また、1mmの高さから落下させた後でも、掠れることなく筆記できることが確認できた。
更に、自動筆記装置にこの筆記具をセットして、JIS S6037に準拠した試験方法に従い、上質紙面上で筆記角度65°、筆記荷重1N、速度7cm/sで直線筆記後、筆記した描線状態を目視にて確認したところ、上記好ましいインク組成のものを使用しているため、ペン先20のインク流量(15mg/m)も良好で、ペン先の乾燥を抑えながらも、描線の乾燥性、インクの低温安定性に優れ、描線に滲みや裏抜けのない機能を発現することが判った。
〔実施例2〕
下記構成、図5〜図8に準拠するペン先を有する筆記具、下記組成の筆記具用インクを使用した。ペン先の寸法等は下記に示す大きさ等を使用した。
(ペン先20の構成)
筆記芯35を下記構成とした点以外は、上記実施形態の筆記具と同様であるので、その説明を省略する。
筆記具本体10、インク吸蔵体15、保持体40、インク組成等:上記実施例1と同一又は準拠して作製した。
視認部(窓部)43(四角形)の大きさ:9mm×8mm×5.2mm×4.2mm
視認部の幅M:3.0mm
筆記芯35:薄板体37の構成:ポリエチレン製焼結芯、幅方向長さm:2mm、長手方向長さ:20mm、厚さt:0.8mm、t:m=1:2.5、筆記部36:ポリエチレン製焼結芯、気孔率:50%、4×3×6mm、T=3mm、W=5.5mm
この図5〜図8準拠の実施例2のペン先20を用いた筆記具では、インク吸蔵体15からのインクの誘導を筆記部36の厚さよりも薄く、流出性のある薄板体37で筆記部36まで誘導するものであり、また、この筆記部36、薄板体37を含む外形がL字状の筆記芯35は、保持体40の視認部43のL字外周縁を傾斜状の屈折面43a、43aとすることにより、矩形断面を細く見せることができるので、右利きで左から右方向に筆記する際に、視認部43で筆記方向を視認しながら筆記部36で描線を引くことなどができ、また、上記実施例1よりもペン先全体に対する視認部の有効面積の更に最大化できると共に、上記特性の薄板体37により一体構成の筆記部36へ効率よくインクが供給されるので、そのインク流出性も良好で有り、インクの流出性を損なうことなく、視認部43の有効面積の最大化を達成することができる筆記具が得られることが確認された。また、1mの高さから落下させた後でも、掠れることなく筆記できることが確認できた。
また、本実施形態でも、インク流出性が良好であるので、ペン先20の移動速度を速くして筆記しても、インクの供給は良好に追従し、筆跡のカスレ等を生じることがない筆記具が得られることなる。
更に、自動筆記装置にこの筆記具をセットして、JIS S6037に準拠した試験方法に従い、上質紙面上で筆記角度65°、筆記荷重1N、速度7cm/sで直線筆記後、筆記した描線状態を目視にて確認したところ、上記好ましいインク組成のものを使用しているため、ペン先20のインク流量(15mg/m)も良好で、ペン先の乾燥を抑えながらも、描線の乾燥性、インクの低温安定性に優れ、描線に滲みや裏抜けのない機能を発現することが判った。
本発明のペン先では、アンダーラインペン、ペイントマーカー、油性マーカー、水性マーカーと呼ばれるタイプの筆記具に用いるペン先として好適に適用することができる。
10 筆記具本体
20 ペン先
25 筆記部
30 筆記芯
40 保持体
43 視認部

Claims (5)

  1. 筆記具本体から供給されるインクを誘導し、かつ筆記方向を視認することができる視認部を有するペン先を備え、該ペン先は、少なくとも視認部を有する保持体と、外形がU字状又はL字状の筆記芯を保持体に装着する筆記部とを有する筆記具であって、前記筆記芯の保持体側面と当接する部分を断面矩形形状とすることを特徴とする筆記具。
  2. 前記保持体の前端部を屈折面に形成したことを特徴とする請求項1記載の筆記具。
  3. 保持体の筆記芯が接触する表面に軸線と垂直方向のリブが形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具。
  4. 筆記芯における流通部断面の縦横比が1:1.2以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の筆記具。
  5. 先軸が筆記芯外周の少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の筆記具。
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