以下、本発明のマルチポート電力変換システムの複数の実施形態を図面に基づいて説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。第1〜第12実施形態を包括して「本実施形態」という。本実施形態のマルチポート電力変換システムは、電力を出力可能な外部電源と、一つ以上のバッテリとの間に設けられ、バッテリの電圧を目標電圧に近づけるように、バッテリを充放電可能なシステムである。各実施形態のマルチポート電力変換システムの符号は、「70」に続く3桁目に実施形態の番号を付す。
まず、模式的な構成図である図1を参照し、第1実施形態のマルチポート電力変換システム701を例として、各実施形態に共通する基本構成について説明する。マルチポート電力変換システム701は、電力を出力可能な外部電源150と一つ以上のバッテリBTとの間に設けられる。
ここで、本実施形態のマルチポート電力変換システム701は、バッテリBTが搭載される対象システムの内部に設けられることを想定する。また、外部電源150は、少なくとも電源自体が移動体の外部にあるものとして想定される。ただし、外部電源150のうち電源の電力を変換する回路の一部は対象システムの内部に設けられてもよい。例えば第9実施形態では、電気自動車やプラグインハイブリッド車等の車両が対象システムに相当する。
図1の例の外部電源150は、AC電源15及びAC/DC変換回路19から構成されている。AC電源15は、100V又は200Vのコンセントから供給される50Hz又は60Hzの商用電源である。AC/DC変換回路19は、例えばPFC(力率改善)回路として構成され、車両等の対象システムの内部に設けられてもよい。その他の例の外部電源150は、充電器等の直流電源であってもよい。
マルチポート電力変換システム701は、マルチポート絶縁型コンバータ30、バッテリBTに対応するバッテリ充放電回路60、及び駆動回路75を備える。マルチポート絶縁型コンバータ30は、外部電源150側に一つの一次ポートP1、バッテリBT側に二つの二次ポートP21、P22、すなわち計三つの入出力ポートを有する。
バッテリBTには、直列接続された二つのバッテリ側コンデンサCb1、Cb2が並列接続されている。高電位側のバッテリ側コンデンサCb1は、マルチポート絶縁型コンバータ30の二次ポートP21に直接接続される。低電位側のバッテリ側コンデンサCb2は、調整コンバータ62を介してマルチポート絶縁型コンバータ30の二次ポートP22に接続される。バッテリ充放電回路60は、これらの高電位側及び低電位側の回路により構成される。
バッテリ充放電回路60の高電位側の回路において「直接接続される」とは、「調整コンバータを介さないで接続される」ことを意味しており、経路途中にリレーや抵抗等の素子が設けられることを排除するものではない。要するに、バッテリ充放電回路60の低電位側の回路は調整コンバータ62によってバッテリ側の電圧を調整する調整回路であるのに対し、高電位側の回路はバッテリ側の電圧を調整しない「非調整回路」である。
また、第1実施形態等では低電位側に調整コンバータ62が設けられるが、後述する第4実施形態のように、高電位側に調整コンバータ61が設けられてもよい。ただし、低電位側(すなわちグランド側)の方がノイズの影響を受けにくく、有利なため、第4実施形態以外では低電位側に調整コンバータ62を設ける構成を基本とする。調整コンバータ62の具体的な構成及び作用効果については後述する。
マルチポート絶縁型コンバータ30を構成するトランス20は、一次ポートP1に接続される一つの一次巻線21、及び、二つの二次ポートP21、P22に接続される二つの二次巻線221、222がコア23に巻回される。一次ポートP1と一次巻線21との間には一次側スイッチング回路31が設けられる。二つの二次ポートP21、P22と二つの二次巻線221、222との間には、それぞれ二次側スイッチング回路41、42が設けられる。スイッチング回路31、41、42は、巻線211、221に流れる電流の向きを周期的に交替させる。図中、「スイッチング回路」を「SW回路」と記す。
二つの二次ポートP21、P22のうちの片側(すなわち一部)の二次ポートP22が「調整側ポート」に相当し、調整側ポートP22以外の二次ポートP21が「非調整側ポート」に相当する。なお、第1実施形態の図1には、二次ポートP21に対応する二次側スイッチング回路の符号が「41M」となっているが、さしあたり「M」を無視し、単に「二次側スイッチング回路41」として説明を進める。
駆動回路75は、電圧センサ等からバッテリBTの電圧Vbを取得する。駆動回路75は、マルチポート絶縁型コンバータ30及び調整コンバータ62を駆動し、且つ、調整コンバータ62の動作を制御してバッテリBT側の電圧を調整する。これによりマルチポート電力変換システム701は、バッテリBTの電圧Vbを目標電圧に近づけるように、バッテリBTを充放電させる。すなわち、マルチポート電力変換システム701は、双方向に電力授受可能であり、バッテリBTを充放電可能である。図1に、双方向の電力授受の作用を両方向ブロック矢印で表す。以下の図では、双方向の電力授受を表す図示を省略する。
一般にコンバータによる出力電圧の制御として、スイッチング回路のDuty比を可変に制御する構成が知られている。なお、Duty比は、各スイッチング回路を構成する複数のスイッチのON/OFF時間の比を規定する値である。例えば「スイッチング周期に対する上アームスイッチのON時間の比率」がDuty比と定義される。ここで、マルチポート絶縁型コンバータの効率は、スイッチング回路のDuty比に依存する。基本的にDuty比が0.5付近のとき効率は最大であり、0.5から離れると効率は低下する。そのため、Duty比を可変に制御する構成では、動作させるDuty比の領域によっては効率が低下する場合がある。
それに対し本実施形態では、バッテリBTの電圧変化に応じて駆動回路75が調整コンバータ62の出力電圧を調整することで、マルチポート絶縁型コンバータ30のDuty比を高効率領域の値に固定して非制御で駆動する。すなわち、駆動回路75によるマルチポート絶縁型コンバータ30の駆動において、一次側スイッチング回路31及び二次側スイッチング回路41、42のDuty比は固定値に設定されている。
具体的には、各スイッチング回路のDuty比を固定値として約0.5に設定することで、バッテリ充放電時および電圧均等化時における効率を向上させることができる。このように、スイッチング回路のDuty比を固定して駆動されるコンバータを本明細書では「非制御コンバータ」と称する。
続いて、上述の箇所で説明を飛ばしたスイッチング回路の符号「41M」の意味について補足する。この符号末尾の「M」は、「マルチレベルスイッチング回路」であることを示す。マルチレベルスイッチング回路は、複数のスイッチの動作モードを切り替えて出力電圧を複数段階に切り替え可能なスイッチング回路である。言い換えれば、動作モードを切り替えなければ、マルチレベルスイッチング回路は通常のスイッチング回路として機能する。したがって、例えば符号「41M」は「41」の中の特殊な類型であり、「41」の範疇に含まれるものと解釈する。
本実施形態では、マルチポート絶縁型コンバータ30の一次側スイッチング回路、もしくは、非調整側ポートに対応する二次側スイッチング回路の少なくとも一方がマルチレベルスイッチング回路として構成されている。駆動回路75は、バッテリBTの目標電圧に応じて、さらにマルチレベルスイッチング回路の電圧レベルを切り替える。以下の各実施形態は、主にマルチレベルスイッチング回路の構成が異なる。
最初に、マルチポート絶縁型コンバータ30の一次側又は二次側のどちらにマルチレベルスイッチング回路が設けられるかにより、3通りの構成を第1〜第3実施形態として示す。二次側にマルチレベルスイッチング回路が設けられる構成を第1実施形態とし、一次側にマルチレベルスイッチング回路が設けられる構成を第2実施形態とする。一次側及び二次側の両方にマルチレベルスイッチング回路が設けられる構成を第3実施形態とする。
(第1実施形態)
図1〜図4を参照し、第1実施形態について説明する。図1に示すように、第1実施形態のマルチポート電力変換システム701は、マルチポート絶縁型コンバータ30の二次側スイッチング回路41Mがマルチレベルスイッチング回路として構成されている。以下の実施形態を含め、図1等の模式的なブロック図では具体的な回路構成は特定されない。一方、図2、図3等の構成図で、各スイッチング回路31、41M、42や調整コンバータ62の具体的な回路構成例が示される。図2、図3中の二次ポートP21、P22及びバッテリBTの電圧値は、図4の説明に引用される。
図2、図3を参照し、先に二次側マルチレベルスイッチング回路41M以外の構成例を説明する。図2の例では、一次側スイッチング回路31はハーフブリッジ式のDC/DCコンバータ51で構成されている。図3の例では、一次側スイッチング回路31は、フルブリッジ式のDC/DCコンバータ52で構成されている。いずれの構成を採用してもよいが、フルブリッジ式ではハーフブリッジ式に対しスイッチング素子の耐圧を下げることができる。
図2、図3に共通し、調整側ポートP22に対応する二次側スイッチング回路42は、フルブリッジ式のDC/DCコンバータ(符号なし)で構成されている。また、調整コンバータ62は、マルチポート絶縁型コンバータ30からバッテリBTに充電するとき降圧回路として機能する降圧コンバータ65で構成されている。降圧コンバータ65は、上下アームのスイッチング素子及びコイルを含むチョッパ式降圧回路である。バッテリBTの充電時、降圧コンバータ65は、調整側ポートP22の入力電圧を降圧してバッテリBT側に出力する。なお、他の実施形態の調整コンバータは、降圧コンバータで構成される構成に限らず、昇圧コンバータで構成されてもよい。また、非絶縁型のチョッパ式コンバータでなく、絶縁型コンバータ等で構成されてもよい。
次に、二次側マルチレベルスイッチング回路41Mの構成例について説明する。本明細書では、この構成を、便宜上「Dタイプ」のマルチレベルスイッチング回路54という。なお、動作モードを表す記号A、B、Cとの混同を避けるため、「A、B、Cタイプ」の名称は使用しない。第5、第6実施形態では、「Dタイプ」とは別の構成例として「Eタイプ」及び「Fタイプ」の構成例を示す。ここで、スイッチの記号「SW1」等は、タイプ毎に独立して用いる。つまり、Dタイプにおける「第1スイッチSW1」と、Eタイプ又はFタイプにおける「第1スイッチSW1」とは、それぞれ構成や作用が異なる。各タイプにおける複数のスイッチの電気的特性は同等である。
Dタイプのマルチレベルスイッチング回路54は、4個のスイッチSW1−SW4、第1コンデンサCp1、第2コンデンサCp2、及び共振コンデンサCrを含む。二次側スイッチング回路41Mに適用される場合、4個のスイッチ、すなわち第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4は、二次ポートP21の両端子間に順に直列接続されている。
第1コンデンサCp1は、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2に対し並列接続されている。第2コンデンサCp2は、第2スイッチSW2及び第3スイッチSW3に対し並列接続されている。第1コンデンサCp1及び第2コンデンサCp2の電気的特性は同等である。
共振コンデンサCrは、第1スイッチSW1と第2スイッチSW2との中間点と、第3スイッチSW3と第4スイッチSW4との中間点との間において、二次巻線221と直列接続され共振回路を構成する。共振回路に励磁電流が流れたとき、共振コンデンサCrの両端に発生する電圧と、巻線221の両端に発生する電圧とが同等になるように各素子の特性が設定されている。この点に関してはEタイプ、Fタイプでも同様とする。
Dタイプのマルチレベルスイッチング回路54が一次側スイッチング回路31Mに適用される場合、上記説明中の二次ポートP21が一次ポートP1に代わり、二次巻線221が一次巻線21に代わる。Dタイプのマルチレベルスイッチング回路54は、4個のスイッチSW1−SW4の動作モードを切り替えることで、入出力の電圧比を切り替え可能である。なお、Dタイプのマルチレベルスイッチング回路54の動作モードは、第2実施形態の構成の後に説明する。
次に図4のSOC−バッテリ電圧特性図を参照し、バッテリのSOCに応じたバッテリ電圧の変化、及び、調整コンバータ62によるバッテリ側電圧の調整について説明する。以下の図2、図6、図12ではバッテリBTの最大電圧を400Vとして例示する。また、図2に示す電圧値の例では、非調整側ポートP21における二次側マルチレベルスイッチング回路41Mの出力電圧は133V、267Vの2段階で切り替えられ、調整側ポートP22の電圧は133Vに設定されている。調整コンバータ62は、入力された133Vの電圧を降圧し、0−133Vの範囲で調整して出力する。本明細書において133V、267Vは、それぞれ(400/3)V、(400×2/3)Vを意味する。同様に図16の67Vは(400/6)Vを意味する。
図4(a)に示すように、バッテリBTのSOCが0%のときの最小電圧が133Vであり、SOCが100%のときの最大電圧が400Vである。バッテリ電圧はSOCの増加に伴ってS字カーブを描いて上昇し、SOCがX%のとき、267Vになる。このような特性の場合、SOCが0−X%の範囲では、駆動回路75は、非調整側の電圧を133Vに固定し、調整側で調整コンバータ62による0−133Vの出力電圧を制御する。
SOCがX%のとき、駆動回路75は、二次側マルチレベルスイッチング回路41Mの電圧レベルを133Vから267Vに上げる。そして、SOCがX−100%の範囲では、駆動回路75は、非調整側の電圧を267Vに固定し、調整側で0−133Vの出力電圧を制御する。このように、バッテリBTへの出力電圧の増加時に調整コンバータ62の出力電圧が非調整側ポートP21の電圧以上となったとき、駆動回路75は、二次側マルチレベルスイッチング回路41Mの電圧レベルを上げる。
仮に非調整側ポートP21の電圧を133Vの一段階で固定した場合、調整コンバータ62の出力調整範囲は0−267Vとなる。これに比べ、本実施形態では、マルチレベルスイッチング回路を用いて非調整側ポートP21の電圧を複数段階に切り替えることで、調整コンバータ62による出力調整範囲を狭くし、負担を軽減することができる。
なお、一次側スイッチング回路31Mがマルチレベルスイッチング回路として構成される第2実施形態では、後述のように非調整側ポートP21及び調整側ポートP22の電圧が連動して切り替わる。そのため、図7に示すように、一次側マルチレベルスイッチング回路31Mの電圧レベルを上げたとき、調整コンバータ62の出力調整範囲も0−200Vに広がる。
それに対し、二次側スイッチング回路41Mがマルチレベルスイッチング回路として構成される第1実施形態では、調整側ポートP22の電圧は一定に維持される。すなわち、調整コンバータ62の出力調整範囲の上限は、二次側マルチレベルスイッチング回路41の電圧レベルの切り替えの影響を受けず、一定に維持される。したがって、全SOC領域で一様に調整コンバータ62の負担を軽減することができる点でより有利である。
また、図4(b)に示すように、二種類のバッテリI、IIはSOC−開回路電圧特性が異なる。バッテリI及びバッテリIIの最小電圧は、それぞれ133V及び267Vであり、最大電圧はいずれも400Vである。バッテリIに適用される場合、駆動回路75は、図4(a)と同様に出力電圧を制御する。バッテリIIに適用される場合、駆動回路75は、全SOC領域で非調整側の電圧を267Vに固定し、調整側で0−133Vの出力電圧を制御する。このように本実施形態では、バッテリのSOC−開回路特性に応じて、マルチレベルスイッチング回路の電圧レベルを切り替えられるため、バッテリ電圧仕様の変化に対する汎用性が向上する。
(第2実施形態)
図5〜図7を参照し、第2実施形態について説明する。第2実施形態のマルチポート電力変換システム702は、マルチポート絶縁型コンバータ30の一次側スイッチング回路31Mがマルチレベルスイッチング回路として構成されている。図6には、一次側マルチレベルスイッチング回路31MがDタイプで構成された例を示す。図6中の二次ポートP21、P22及びバッテリBTの電圧値は、図7の説明に引用される。
図7に、第2実施形態によるSOC−バッテリ電圧特性の例を示す。図6に示す電圧値の例では、一次側マルチレベルスイッチング回路31Mの出力電圧の切り替えにより、非調整側ポートP21及び調整側ポートP22の電圧は、100V及び100V、200V及び200Vの2段階で連動して切り替わる。調整コンバータ62は、調整側ポートP22の電圧が100Vのとき、0−100Vの範囲で調整して出力し、調整側ポートP22の電圧が200Vのとき、0−200Vの範囲で調整して出力する。
図7(a)に示すように、バッテリBTのSOCが0%のときの最小電圧が100Vであり、SOCが100%のときの最大電圧が400Vである。バッテリ電圧はSOCの増加に伴ってS字カーブを描いて上昇し、SOCがX%のとき、200Vになる。このような特性の場合、SOCが0−X%の範囲では、駆動回路75は、非調整側の電圧を100Vに固定し、調整側で調整コンバータ62による0−100Vの出力電圧を制御する。
SOCがX%のとき、駆動回路75は、一次側マルチレベルスイッチング回路41Mの電圧レベルを上げることで、非調整側ポートP21及び調整側ポートP22の電圧を200Vに上げる。そして、SOCがX−100%の範囲では、駆動回路75は、非調整側の電圧を200Vに固定し、調整側で0−200Vの出力電圧を制御する。このように、バッテリBTへの出力電圧の増加時に調整コンバータ62の出力電圧が非調整側ポートP21の電圧以上となったとき、駆動回路75は、一次側マルチレベルスイッチング回路31Mの電圧レベルを上げる。
また、図7(b)に示すように、二種類のバッテリI、IIはSOC−開回路電圧特性が異なる。バッテリI及びバッテリIIの最小電圧は、それぞれ100V及び200Vであり、最大電圧はいずれも400Vである。バッテリIに適用される場合、駆動回路75は、図7(a)と同様に出力電圧を制御する。バッテリIIに適用される場合、駆動回路75は、全SOC領域で非調整側の電圧を200Vに固定し、調整側で0−200Vの出力電圧を制御する。以上のように、第2実施形態による作用効果は、図4に示す第1実施形態の作用効果と基本的に同様である。
次に図8〜図10を参照し、Dタイプのマルチレベルスイッチング回路54が一次側に適用される構成を例として、2種類の動作モードA、Bについて説明する。図8(a)に示すように、マルチレベルスイッチング回路54に入力される電源電圧をEd、一次巻線21の巻数をN1、二次巻線221、222の巻数をN21、N22と表す。図17〜図23を含め、図中、「N1、N21、N22」の数字部分を下付文字で記す。
図8(b)、(c)のタイムチャートは、それぞれ動作モードA、Bの1サイクルを示す。動作モードAは4段階、動作モードBは2段階のモードを含む。図9、図10では、一次ポートP1等の図示を省略する。各モードにおいて、ONされるスイッチ以外のスイッチはOFFされるものとする。
図9に、動作モードAにおける各モードを示す。全モードを通じて第1コンデンサCp1及び第2コンデンサCp2には、それぞれ平均値として電源電圧Edの(1/2)が印加される。奇数モード<1>、<3>では、電源を通る回路が形成されるように各スイッチが操作されることで、一次巻線21に励磁電流が流れ、それに伴って二次巻線221、222に負荷電流が流れる。
詳しくは、モード<1>では第1スイッチSW1及び第3スイッチSW3がONされ、第1コンデンサCp1と共振コンデンサCr及び一次巻線21とを含む閉回路が形成される。モード<3>では第2スイッチSW2及び第4スイッチSW4がONされ、第2コンデンサCp2と共振コンデンサCr及び一次巻線21とを含む閉回路が形成される。こうして、モード<1>、<3>では、共振コンデンサCr及び一次巻線21に、それぞれ平均値として電源電圧Edの(1/4)、(1/4)が印加される。これにより、各二次巻線221、222に平均値として「巻数比×(1/4)×Ed」の電圧が発生する。
共通の偶数モード<2>、<4>では、第2スイッチSW2及び第3スイッチSW3がONされることで、第1コンデンサCp1及び第2コンデンサCp2との接続が遮断され、共振コンデンサCr及び一次巻線21を含む閉回路が形成される。このとき、奇数モード<1>、<3>とは逆向きの電圧が各巻線21、221、222に発生し、電流が還流する。
図10に、動作モードBにおける各モードを示す。モード<1>では、電源を通る回路が形成されるように各スイッチが操作されることで、一次巻線21に励磁電流が流れ、それに伴って二次巻線221、222に負荷電流が流れる。
モード<1>では、第1スイッチSW1及び第4スイッチSW4がONされ、共振コンデンサCr及び一次巻線21に、それぞれ平均値として電源電圧Edの(1/2)、(1/2)が印加される。これにより、各二次巻線221、222に平均値として「巻数比×(1/2)×Ed」の電圧が発生する。
モード<2>では、第2スイッチSW2及び第3スイッチSW3がONされることで、電源との接続が遮断され、共振コンデンサCr及び一次巻線21を含む閉回路が形成される。このとき、モード<1>とは逆向きの電圧が各巻線21、221、222に発生し、電流が還流する。
このように、Dタイプのマルチレベルスイッチング回路54は、動作モードA、Bを切り替えることで、相手側の巻線(この例では二次巻線221、222)に発生させる電圧レベルを2段階に切り替えることができる。
(第3実施形態)
図11〜図13を参照し、第3実施形態について説明する。第3実施形態のマルチポート電力変換システム703は、マルチポート絶縁型コンバータ30の一次側スイッチング回路31M、及び、非調整側ポートP21に対応する二次側スイッチング回路41Mの両方がマルチレベルスイッチング回路として構成されている。図12には、一次側マルチレベルスイッチング回路31M及び二次側マルチレベルスイッチング回路41MがいずれもDタイプで構成された例を示す。図12中の二次ポートP21、P22及びバッテリBTの電圧値は、図13の説明に引用される。
図13に、第3実施形態によるSOC−バッテリ電圧特性の例を示す。図13に示す電圧値の例では、一次側マルチレベルスイッチング回路31Mの出力電圧の切り替えにより、非調整側ポートP21の低レベルの電圧、及び調整側ポートP22の電圧は、67V及び133Vの2段階で連動して切り替わる。さらに、二次側マルチレベルスイッチング回路41Mの切り替えにより、非調整側ポートP21の電圧は、低レベルが67Vのとき高レベルでは133Vに切り替わり、低レベルが133Vのとき高レベルでは267Vに切り替わる。
図13(a)に示すように、バッテリBTのSOCが0%のときの最小電圧が67Vであり、SOCが100%のときの最大電圧が400Vである。バッテリ電圧は、SOCがX1%のとき133V、X2%のとき200V、X3%のとき267Vになる。このような特性の場合、SOCが0−X1%の範囲では、駆動回路75は、非調整側の電圧を67Vに固定し、調整側で0−67Vの出力電圧を制御する。
SOCがX1−X3%の範囲では、駆動回路75は、非調整側の電圧を133Vに固定し、調整側で0−133Vの出力電圧を制御する。或いは、そのうちX1−X2%の範囲では、調整側で0−67Vの出力電圧を制御してもよい。SOCがX3−100%の範囲では、駆動回路75は、非調整側の電圧を267Vに固定し、調整側で0−133Vの出力電圧を制御する。
また、図13(b)に示すように、三種類のバッテリI、II、IIIはSOC−開回路電圧特性が異なる。バッテリI、バッテリII及びバッテリIIIの最小電圧は、それぞれ67V、133V及び267Vであり、最大電圧はいずれも400Vである。バッテリIに適用される場合、駆動回路75は、図13(a)と同様に出力電圧を制御する。
バッテリIIに適用される場合、駆動回路75は、バッテリ電圧267VまでのSOC領域では非調整側の電圧を133Vに固定し、調整側で0−133Vの出力電圧を制御する。バッテリ電圧267−400VのSOC領域では非調整側の電圧を267Vに固定し、調整側で0−133Vの出力電圧を制御する。バッテリIIIに適用される場合、駆動回路75は、全SOC領域で非調整側の電圧を267Vに固定し、調整側で0−133Vの出力電圧を制御する。このように第3実施形態では三種類の特性のバッテリに対応することができるため、バッテリ電圧仕様の変化に対する汎用性が向上する。また、調整コンバータ62の出力調整範囲をさらに狭くし、負担をより軽減することができる。
(第4実施形態)
次に図14を参照し、第4実施形態について説明する。第4実施形態のマルチポート電力変換システム704は、第1実施形態のマルチポート電力変換システム701に対し、バッテリBTの高電位側に対応する二次ポートP21とバッテリ側コンデンサCb1との間に調整コンバータ61が接続される。バッテリBTの低電位側に対応する二次ポートP22とバッテリ側コンデンサCb2との間は直接接続される。つまり、二次ポートP21が調整側ポートとなり、二次ポートP22が非調整側ポートとなる。非調整側ポートP22に対応する二次側スイッチング回路42Mはマルチレベルスイッチング回路として構成される。なお、第4実施形態にのみ用いられる符号は、特許請求の範囲の参照符号として記載しない。
このようにしても第1実施形態と同様の作用効果が得られる。第2、第3、第5、第6実施形態についても同様に、高電位側の二次ポートP21が調整側ポートとなり、低電位側の二次ポートP22が非調整側ポートとなるように変更してもよい。また、第7、第8実施形態では、二つのバッテリBT1、BT2に対応する四つの二次ポートP21〜P24について、高電位側の二次ポートP21、P23が調整側ポートとなり、低電位側の二次ポートP22、P24が非調整側ポートとなるように変更してもよい。
(第5実施形態)
図15を参照し、第5実施形態のマルチポート電力変換システム705に用いられる「Eタイプ」のマルチレベルスイッチング回路について説明する。図15において一次側マルチレベルスイッチング回路31Mを構成する回路55を、本明細書では「Eタイプ」と呼ぶ。Eタイプのマルチレベルスイッチング回路55は、フライングキャパシタ方式の4スイッチのスイッチング回路にLC共振回路を組み合わせたものである。図15には、一次側スイッチング回路31Mに適用される場合を示しているが、Eタイプのマルチレベルスイッチング回路55が二次側スイッチング回路41Mに適用されてもよい。また、図15に記載した電圧値の例は、図6に準ずる。
Eタイプのマルチレベルスイッチング回路55は、4個のスイッチSW1−SW4、1個のフライングキャパシタCf、及び共振コンデンサCrを含む。一次側スイッチング回路31Mに適用される場合、4個のスイッチ、すなわち第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4は、一次ポートP1の両端子間に順に直列接続されている。
フライングキャパシタCfは、第2スイッチSW2及び第3スイッチSW3に対し並列接続されている。共振コンデンサCrは、第2スイッチSW2と第3スイッチSW3との中間点と、第4スイッチSW4と一次ポートP1の一方の端子との接続点との間において、一次巻線21と直列接続され共振回路を構成する。フライングキャパシタCfの電気的特性は、Eタイプの動作モードにおける下記の電圧比が得られるように設定されている。
Eタイプのマルチレベルスイッチング回路55が二次側スイッチング回路41Mに適用される場合、上記説明中の一次ポートP1ポートが二次ポートP21に代わり、一次巻線21が二次巻線221に代わる。Eタイプのマルチレベルスイッチング回路55は、4個のスイッチSW1−SW4の動作モードを切り替えることで、入出力の電圧比を切り替え可能である。
なお、Eタイプのマルチレベルスイッチング回路55の動作モードは、Fタイプのマルチレベルスイッチング回路56の動作モードB、Cから類推されるため、詳しい説明を省略する。Eタイプでは、Dタイプと同様に、動作モードAでは各二次巻線221、222に平均値として「巻数比×(1/4)×Ed」の電圧が発生し、動作モードBでは各二次巻線221、222に平均値として「巻数比×(1/2)×Ed」の電圧が発生する。
(第6実施形態)
図16を参照し、第6実施形態のマルチポート電力変換システム706に用いられる「Fタイプ」のマルチレベルスイッチング回路について説明する。図16において一次側マルチレベルスイッチング回路31Mを構成する回路56を、本明細書では「Fタイプ」と呼ぶ。Fタイプのマルチレベルスイッチング回路56は、フライングキャパシタ方式の6スイッチのスイッチング回路にLC共振回路を組み合わせたものである。
図16には、一次側スイッチング回路31Mに適用される場合を示しているが、Fタイプのマルチレベルスイッチング回路56が二次側スイッチング回路41Mに適用されてもよい。また、図16に記載した電圧値の例は、図6に準ずる値の他、「67V」が追加されている。
Fタイプのマルチレベルスイッチング回路56は、6個のスイッチSW1−SW6、2個のフライングキャパシタCf1、Cf2、及び共振コンデンサCrを含む。一次側スイッチング回路31Mに適用される場合、6個のスイッチ、すなわち第1スイッチSW1、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3、第4スイッチSW4、第5スイッチSW5、及び第6スイッチSW6は、一次ポートP1の両端子間に順に直列接続されている。
外側の第1フライングキャパシタCf1は、第2スイッチSW2、第3スイッチSW3、第4スイッチSW4及び第5スイッチSW5に対し並列接続されている。内側の第2フライングキャパシタCf2は、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4に対し並列接続されている。第1フライングキャパシタCf1及び第2フライングキャパシタCf2の電気的特性は、Fタイプの動作モードにおける下記の電圧比が得られるように設定されている。共振コンデンサCrは、第3スイッチSW3と第4スイッチSW4との中間点と、第6スイッチSW6と一次ポートP1の一方の端子との接続点との間において、一次巻線21と直列接続され共振回路を構成する。
Fタイプのマルチレベルスイッチング回路56が二次側スイッチング回路41Mに適用される場合、上記説明中の一次ポートP1ポートが二次ポートP21に代わり、一次巻線21が二次巻線221に代わる。Fタイプのマルチレベルスイッチング回路56は、6個のスイッチSW1−SW6の動作モードを切り替えることで、入出力の電圧比を切り替え可能である。
次に図17〜図23を参照し、Fタイプのマルチレベルスイッチング回路56が一次側に適用される構成を例として、3種類の動作モードA、B、Cについて説明する。図17(a)に示すように、マルチレベルスイッチング回路56に入力される電源電圧をEd、一次巻線21の巻数をN1、二次巻線221、222の巻数をN21、N22と表す。図17(b)、図18(a)、図18(b)のタイムチャートは、それぞれ動作モードA、B、Cの1サイクルを示す。動作モードAは6段階、動作モードBは4段階、動作モードCは2段階のモードを含む。図19〜図23では、一次ポートP1等の図示を省略する。各モードにおいて、ONされるスイッチ以外のスイッチはOFFされるものとする。
図19、図20に、動作モードAにおける各モードを示す。奇数モード<1>、<3>、<5>では、電源を通る回路が形成されるように各スイッチが操作されることで、一次巻線21に励磁電流が流れ、それに伴って二次巻線221、222に負荷電流が流れる。詳しくは、モード<1>では第1スイッチSW1、第4スイッチSW4及び第5スイッチSW5がONされ、第1フライングキャパシタCf1、共振コンデンサCr及び一次巻線21に、それぞれ平均値として電源電圧Edの(4/6)、(1/6)、(1/6)が印加される。
モード<3>では第2スイッチSW2、第4スイッチSW4及び第6スイッチSW6がONされ、第1フライングキャパシタCf1、第2フライングキャパシタCf2、共振コンデンサCr及び一次巻線21に、それぞれ平均値として電源電圧Edの(4/6)、(2/6)、(1/6)、(1/6)が印加される。モード<5>では第3スイッチSW3、第5スイッチSW5及び第6スイッチSW6がONされ、第2フライングキャパシタCf2、共振コンデンサCr及び一次巻線21に、それぞれ平均値として電源電圧Edの(2/6)、(1/6)、(1/6)が印加される。これにより、各二次巻線221、222に平均値として「巻数比×(1/6)×Ed」の電圧が発生する。
共通の偶数モード<2>、<4>、<6>では、第4スイッチSW4、第5スイッチSW5及び第6スイッチSW6がONされることで、電源との接続が遮断され、共振コンデンサCr及び一次巻線21を含む閉回路が形成される。このとき、奇数モード<1>、<3>、<5>とは逆向きの電圧が各巻線21、221、222に発生し、電流が還流する。
図21、図22に、動作モードBにおける各モードを示す。奇数モード<1>、<3>では、電源を通る回路が形成されるように各スイッチが操作されることで、一次巻線21に励磁電流が流れ、それに伴って二次巻線221、222に負荷電流が流れる。詳しくは、モード<1>では第1スイッチSW1、第4スイッチSW4及び第5スイッチSW5がONされ、第1フライングキャパシタCf1、共振コンデンサCr及び一次巻線21に、それぞれ平均値として電源電圧Edの(2/4)、(1/4)、(1/4)が印加される。
モード<3>では第2スイッチSW2、第3スイッチSW3及び第6スイッチSW6がONされ、第1フライングキャパシタCf1、共振コンデンサCr及び一次巻線21に、それぞれ平均値として電源電圧Edの(2/4)、(1/4)、(1/4)が印加される。これにより、各二次巻線221、222に平均値として「巻数比×(1/4)×Ed」の電圧が発生する。
共通の偶数モード<2>、<4>では、第4スイッチSW4、第5スイッチSW5及び第6スイッチSW6がONされることで、電源との接続が遮断され、共振コンデンサCr及び一次巻線21を含む閉回路が形成される。このとき、奇数モード<1>、<3>とは逆向きの電圧が各巻線21、221、222に発生し、電流が還流する。
図23に、動作モードCにおける各モードを示す。モード<1>では、電源を通る回路が形成されるように各スイッチが操作されることで、一次巻線21に励磁電流が流れ、それに伴って二次巻線221、222に負荷電流が流れる。モード<1>では、第1スイッチSW1、第2スイッチSW2及び第3スイッチSW3がONされ、共振コンデンサCr及び一次巻線21に、それぞれ平均値として電源電圧Edの(1/2)、(1/2)が印加される。これにより、各二次巻線221、222に平均値として「巻数比×(1/2)×Ed」の電圧が発生する。
モード<2>では、第4スイッチSW4、第5スイッチSW5及び第6スイッチSW6がONされることで、電源との接続が遮断され、共振コンデンサCr及び一次巻線21を含む閉回路が形成される。このとき、モード<1>とは逆向きの電圧が各巻線21、221、222に発生し、電流が還流する。
このように、Fタイプのマルチレベルスイッチング回路56は、動作モードA、B、Cを切り替えることで、相手側の巻線(この例では二次巻線221、222)に発生させる電圧レベルを3段階に切り替えることができる。
(第7、第8実施形態)
次に図24、図25を参照し、第7、第8実施形態について説明する。第7、第8実施形態のマルチポート電力変換システム707、708は、外部電源150と二つのバッテリBT1、BT2との間に設けられる。マルチポート電力変換システム707、708は、マルチポート絶縁型コンバータの構成が異なる以外は共通に、各バッテリBT1、BT2に対応する二つのバッテリ充放電回路601、602、及び駆動回路75を備える。図24、図25において、第2バッテリ充放電回路602には「バッテリ充放電回路」の名称の記載を省略する。第9実施形態の図26においても同様とする。
第1バッテリBT1に接続される第1バッテリ充放電回路601は、第1実施形態等のバッテリ充放電回路60と実質的に同じである。同様に第2バッテリBT2には、直列接続された二つのバッテリ側コンデンサCb3、Cb4が並列接続されている。高電位側のバッテリ側コンデンサCb3は、マルチポート絶縁型コンバータの非調整側ポートである二次ポートP23に直接接続される。低電位側のバッテリ側コンデンサCb4は、調整コンバータ64を介して、マルチポート絶縁型コンバータの調整側ポートである二次ポートP24に接続される。
図24に示す第7実施形態のマルチポート電力変換システム707は、二つのバッテリBT1、BT2に共通して対応する一台のマルチポート絶縁型コンバータ300が外部電源150に接続される。マルチポート絶縁型コンバータ300は、外部電源150側に一つ、バッテリBT1、BT2側に四つ、計五つの入出力ポートを有する。
マルチポート絶縁型コンバータ300を構成するトランス200は、一次ポートP1に接続される一つの一次巻線21、及び、四つの二次ポートP21、P22、P23、P24に接続される四つの二次巻線221、222、223、224がコア230に巻回される。一次ポートP11と一次巻線211との間には一次側スイッチング回路31が設けられる。四つの二次ポートP21、P22、P23、P24と四つの二次巻線221、222、223、224との間には、それぞれ二次側スイッチング回路41M、42、43M、44が設けられる。
図25に示す第8実施形態のマルチポート電力変換システム708は、二つのバッテリBT1、BT2に対応する二台のマルチポート絶縁型コンバータ301、302が外部電源150に対して並列接続される。各マルチポート絶縁型コンバータ301、302は、外部電源150側に一つ、バッテリBT1、BT2側に二つ、計三つの入出力ポートを有する。
第1マルチポート絶縁型コンバータ301を構成するトランス201は、一次ポートP11に接続される一つの一次巻線211、及び、二つの二次ポートP21、P22に接続される二つの二次巻線221、222がコア231に巻回される。一次ポートP11と一次巻線211との間には一次側スイッチング回路31が設けられる。二つの二次ポートP21、P22と二つの二次巻線221、222との間には、それぞれ二次側スイッチング回路41M、42が設けられる。
第2マルチポート絶縁型コンバータ302を構成するトランス202は、一次ポートP12に接続される一つの一次巻線212、及び、二つの二次ポートP23、P24に接続される二つの二次巻線223、224がコア232に巻回される。一次ポートP12と一次巻線212との間には一次側スイッチング回路32が設けられる。二つの二次ポートP23、P24と二つの二次巻線223、224との間には、それぞれ二次側スイッチング回路43M、44が設けられる。
第7、第8実施形態に共通して、非調整側ポートP21、P23に対応する二次側スイッチング回路41M、43Mは、マルチレベルスイッチング回路として構成されている。駆動回路75は、マルチポート絶縁型コンバータ300又は301、302、及び調整コンバータ62、64を駆動する。
駆動回路75は、電圧センサ等から各バッテリ電圧Vb1、Vb2を取得し、バッテリBT1、BT2の目標電圧に応じて、調整コンバータ62、64の動作を制御してバッテリBT1、BT2側の電圧を調整する。さらに駆動回路75は、マルチレベルスイッチング回路41M、43Mの電圧レベルを必要に応じて切り替える。したがって、第7、第8実施形態のマルチポート電力変換システム707、708は、二つのバッテリBT1、BT2の間で電力授受が可能である。
マルチポート電力変換システム707、708のマルチレベルスイッチング回路41M、43Mは、上述のDタイプ、Eタイプ、Fタイプ等の構成を適宜採用可能である。また、マルチポート絶縁型コンバータ300の二次側に代えて、一次側、又は、一次側と二次側との両方にマルチレベルスイッチング回路が設けられてもよい。
(第9実施形態)
次に図26〜図28を参照し、二つのバッテリBT1、BT2に接続される第7、第8実施形態の応用形態として、第9実施形態のマルチポート電力変換システム709について説明する。図26には、第7実施形態の電力変換システム707を基礎とした構成例を示すが、第8実施形態のマルチポート電力変換システム708を基礎としてもよい。
第1バッテリBT1及び第2バッテリBT2は、直並列切り替えリレーRY1−RY3により直列接続及び並列接続を切り替え可能に構成されている。詳しくは図27に示すように、直列接続時には、第2リレーRY2がON、第1リレーRY1及び第3リレーRY3がOFFされる。並列接続時には、第1リレーRY1及び第3リレーRY3がON、第2リレーRY2がOFFされる。
例えば第9実施形態のマルチポート電力変換システム709は、電気自動車やプラグインハイブリッド車等に搭載され、主機バッテリとして機能するバッテリBT1、BT2間での電力授受に用いられる。図28に、充電スタンド等の給電設備に停車した車両の充電口14に外部充電器10から給電ケーブル13が接続された状態を示す。車両の内部には、二つのバッテリBT1、BT2、直並列切り替えリレーRY1−RY3、その他の経路開閉リレーRY4−RY7、及び、マルチポート電力変換システム709等が設けられる。各リレーRY1−RY7の開閉は、短破線矢印で示すようにリレー操作部77により操作される。
第1バッテリBT1及び第2バッテリBT2は、リチウムイオン電池等の充放電可能な、例えば400Vの高圧バッテリモジュールである。以下、「バッテリモジュール」を省略して「バッテリ」という。バッテリBT1、BT2は、充電口14と負荷80との間に設けられる。負荷80には、電気自動車やプラグインハイブリッド車で一般に用いられるインバータ、モータ、DC/DCコンバータ、エアコン等が含まれる。
直並列切り替えリレーのうち第1リレーRY1は、第1バッテリBT1及び第2バッテリBT2の正極同士の間に設けられる。第2リレーRY2は、第1バッテリBT1の負極と第2バッテリBT2の正極との間に設けられる。第3リレーRY3は、第1バッテリBT1及び第2バッテリBT2の負極同士の間に設けられる。
その他の負荷リレーRY4及びRY5は、それぞれ第2バッテリBT2の正極及び負極と負荷80との間の経路を開閉する。充電口リレーRY6は、第1バッテリBT1の正極と充電口14の正極端子141との間の経路を開閉する。充電口リレーRY7は、第2バッテリBT2の負極と充電口14の負極端子142との間の経路を開閉する。
ここで、バッテリの電圧は標準的に400V級であり、外部充電器10には400V級対応及び800V級対応の2種類が存在すると仮定すると、800V級の外部充電器10を用いる場合、第1バッテリBT1及び第2バッテリBT2を二直列に接続した状態で直列充電が行われる。一方、400V級の外部充電器10を用いる場合、第1バッテリBT1及び第2バッテリBT2を二並列に接続した状態で並列充電が行われる。
ところで、二つのバッテリBT1、BT2の間に電圧差が生じていると、直列接続から並列接続へ切り替えたとき突入電流が流れ、リレー接点にアークが発生するという問題がある。そこで、直列接続から並列接続へ切り替える前に二つのバッテリBT1、BT2の電圧差を所定値以下にするように均等化することで、突入電流を回避することができる。第9実施形態のマルチポート電力変換システム709は、このような目的で用いられる。
具体的に駆動回路75は、マルチポート絶縁型コンバータ300及び調整コンバータ62、64を駆動して電力授受を行う。また、駆動回路75は、各バッテリ電圧Vb1、Vb2を取得し、バッテリ電圧Vb1、Vb2の差が所定値以内となるように、調整コンバータ62、64の動作を制御してバッテリBT1、BT2側の電圧を調整する。さらに駆動回路75は、マルチレベルスイッチング回路41M、43Mの電圧レベルを必要に応じて切り替える。これによりマルチポート電力変換システム709は、二つのバッテリBT1、BT2間での電力授受を行い、並列接続への切り替え時に、二つのバッテリBT1、BT2の電圧Vb1、Vb2を均等化することができる。
第9実施形態の変形例として、マルチポート電力変換システムは、直列接続及び並列接続を切り替え可能に構成された三つ以上のバッテリを備える車両等に適用されてもよい。その場合、三つ以上のバッテリが同時にマルチポート電力変換システムに接続されるようにしてもよい。或いは、二つずつのバッテリが逐次、マルチポート電力変換システムに接続されるようにしてもよい。
(第10実施形態)
次に図29〜図31を参照し、第10実施形態について説明する。第10実施形態のマルチポート電力変換システム710は、マルチレベルスイッチング回路として、フルブリッジ式のDC/DCコンバータ52によるフルブリッジ駆動とハーフブリッジ駆動との切り替え方式を採用する。図29には、一次側スイッチング回路31Mをこの方式のマルチレベルスイッチング回路で構成した例を示す。
図30、図31のDC/DCコンバータ52において、ブリッジ接続された一方のレッグにおける上アームスイッチを第1スイッチSW1とし、下アームスイッチを第3スイッチSW3とする。また、他方のレッグにおける上アームスイッチを第2スイッチSW2とし、下アームスイッチを第4スイッチSW4とする。各レッグの両端には電源電圧Edが印加される。
図30にフルブリッジ駆動の動作を示す。フルブリッジ駆動では、第1スイッチSW1及び第4スイッチSW4の組と第2スイッチSW2及び第3スイッチSW3の組とがスイッチング周期Tswで交互にON/OFFする。なお、デッドタイムの図示を省略する。
この動作により、共振コンデンサCrには、0[V]を基準として、スイッチング周期Tswを一周期とする正弦波状の電圧VC1が印加される。つまり、電圧VC1の平均値は0[V]となる。一次巻線21には、第1スイッチSW1及び第4スイッチSW4がONのとき、電圧Edを基準として正方向に凸となる半周期の正弦波状の電圧VL1が印加される。また、第2スイッチSW2及び第3スイッチSW3がONのとき、電圧(−Ed)を基準として負方向に凸となる半周期の正弦波状の電圧VL1が印加される。
図31にハーフブリッジ駆動の動作を示す。ハーフブリッジ駆動では、第2スイッチSW2は常時OFF、第4スイッチSW4は常時ONであり、第1スイッチSW1と第3スイッチSW3とがスイッチング周期Tswで交互にON/OFFする。或いは、第2スイッチSW2と第4スイッチSW4とのON/OFFを逆にし、第2スイッチSW2が常時ON、第4スイッチSW4が常時OFFとしてもよい。なお、デッドタイムの図示を省略する。
この動作により、共振コンデンサCrには、電圧(Ed/2)を基準として、スイッチング周期Tswを一周期とする正弦波状の電圧VC1が印加される。つまり、電圧VC1の平均値は(Ed/2)となる。一次巻線21には、第1スイッチSW1がONのとき、電圧(Ed/2)を基準として正方向に凸となる半周期の正弦波状の電圧VL1が印加される。また、第3スイッチSW3がONのとき、電圧(−Ed/2)を基準として負方向に凸となる半周期の正弦波状の電圧VL1が印加される。
このように、フルブリッジ駆動とハーフブリッジ駆動とを切り替えることで、一次巻線21に印加される電圧VL1の基準値を「2:1」に変化させ、マルチレベルスイッチング回路として機能させることができる。
(第11実施形態)
次に図32〜図38を参照し、第11実施形態について説明する。図32に示す第11実施形態のマルチポート電力変換システム711は、図11に示す第3実施形態のマルチポート電力変換システム703に対し、一次側スイッチング回路31M、及び、調整側ポートP22に対応する二次側スイッチング回路42Mがマルチレベルスイッチング回路として構成されている。なお、第11実施形態にのみ使用される符号は、[符号の説明]の欄の符号、及び、特許請求の範囲の参照符号としては記載しない。
図32に示すように、一次側マルチレベルスイッチング回路31Mでは、例えば200V又は400Vが切り替えられ、これに連動して非調整側ポートP21の電圧は、140V又は280Vで切り替わる。また、調整側ポートP22の電圧は、70V又は140Vで切り替わる。なお、原理上は、調整側ポートP22の電圧は280Vにも切り替わり可能であるが、この例では使用しない。バッテリ最大電圧は上記実施形態と同様に400Vである。
第11実施形態の構成例としては、図29に示す構成と同様に、一次側スイッチング回路31、及び、調整側ポートP22に対応する二次側スイッチング回路42を共にDC/DCコンバータ52とする構成を採用することができる。図29の構成を第11実施形態として使用する場合の動作について図33〜図37を参照する。図33では、一次側スイッチング回路、及び、調整側ポートP22に対応する二次側スイッチング回路の符号を、マルチレベルスイッチング回路として「31M」、「42M」と記す。
一次側スイッチング回路31Mは、第10実施形態と同様にフルブリッジ駆動とハーフブリッジ駆動とを切り替える動作をする。二次側スイッチング回路42Mは、以下に説明するように、全波整流駆動と半波整流駆動とを切り替える動作をする。一次側と二次側との切り替え動作を組み合わせることで、図29又は図33の構成により第11実施形態としての機能を実現可能である。
図33の調整側ポートP22に対応する二次側スイッチング回路42Mを構成するDC/DCコンバータ52において、ブリッジ接続された一方のレッグにおける上アームスイッチを第5スイッチSW5とし、下アームスイッチを第7スイッチSW7とする。また、他方のレッグにおける上アームスイッチを第6スイッチSW6とし、下アームスイッチを第8スイッチSW8とする。また、共振コンデンサCr及び二次巻線211に印加される電圧を、それぞれVC2、VL2と記す。両方のレッグの上下アームの中点同士の間に発生する電圧をV2と記し、調整側ポートP22に出力される出力電圧をVoutと記す。
全波整流駆動及び半波整流駆動は、それぞれダイオード整流又は同期整流により実現可能である。各駆動時におけるスイッチング動作及び電圧波形のタイムチャートを図34、図36に示し、電流の流れを図35、図37に示す。図35、図37では、スイッチがOFFのときダイオードを図示し、スイッチがONのとき電線のみを図示する。また、ONのスイッチのみ記号を記す。ダイオード整流でも同期整流でも電圧波形はほぼ同じであるが、同期整流ではダイオードの通電損失を軽減することができる。半波整流駆動では全波整流駆動の倍の出力電圧Voutが得られるため、「半波(倍電圧)整流駆動」と記す。
図34に示すように全波整流駆動のダイオード整流では、第5〜第8スイッチSW5、SW6、SW7、SW8を常時OFFする。全波整流駆動の同期整流では、第5スイッチSW5及び第8スイッチSW8の組と第6スイッチSW6及び第7スイッチSW7の組とがスイッチング周期Tswで交互にON/OFFする。これにより、図35の動作I及び動作IIに示すように電流が流れ、図34に示すような電圧波形が得られる。
図36に示すように半波整流駆動のダイオード整流では、第5スイッチSW5及び第7スイッチSW7を常時OFFする。また、第6スイッチSW6を常時OFFし第8スイッチSW8を常時ONするか、その逆に第6スイッチSW6を常時ONし第8スイッチSW8を常時OFFする。半波整流駆動の同期整流では、第5スイッチSW5及び第7スイッチSW7がスイッチング周期Tswで交互にON/OFFする。また、第6スイッチSW6を常時OFFし第8スイッチSW8を常時ONするか、その逆に第6スイッチSW6を常時ONし第8スイッチSW8を常時OFFする。なお、図37には、第6スイッチSW6を常時OFFし第8スイッチSW8を常時ONする場合の電流の流れを例示する。
これにより、図37の動作I及び動作IIに示すように電流が流れ、図36に示すような電圧波形が得られる。図34及び図36の出力電圧波形を比較すると、半波整流駆動時には、レッグ中点間電圧V2の最大値である出力電圧Voutが全波整流駆動時の2倍になっていることがわかる。したがって、全波整流駆動と半波整流駆動とを切り替えることでマルチレベルスイッチング回路として機能させることができる。
図38に、第11実施形態によるSOC−バッテリ電圧特性の例を示す。バッテリ電圧が140−210V、210−280V、280−400VとなるSOC領域をそれぞれ<1>、<2>、<3>と記す。領域<1>、<2>では一次側電圧が200V、固定側(非調整側)電圧が140Vである。領域<1>では、調整コンバータ62側の入力電圧が70V、出力が0−70Vである。領域<2>では、調整コンバータ62側の入力電圧が140V、出力が0−140Vである。
領域<3>では一次側電圧が400V、固定側(非調整側)電圧が280Vである。また、調整コンバータ62側の入力電圧が140V、出力が0−140Vである。固定側電圧とコンバータ出力電圧との合計がバッテリ電圧に相当する。このような電圧条件で使用する場合、調整コンバータ62の低電圧化が期待できる。
具体的に図33〜図37に示す構成例では、一次側スイッチング回路31Mがハーフブリッジ駆動時に二次巻線222に印加される電圧VL2が下がる。二次側スイッチング回路42Mが全波整流駆動の場合、出力電圧を140−210Vまで可変できる。また、半波(倍電圧)整流駆動にすると280Vまで可変できる。一次側スイッチング回路31Mがハーフブリッジ駆動時であり、二次側スイッチング回路42Mが全波整流駆動の場合、調整コンバータ62の出力電圧を0−70Vの範囲で使用できるため、スイッチングロスを少なくすることができる。
(第12実施形態)
次に図39、図40を参照し、第12実施形態について説明する。図39に示す第12実施形態のマルチポート電力変換システム712は、図1に示す第1実施形態のマルチポート電力変換システム701に対し、マルチポート絶縁型コンバータ30の二次側に三つ目の二次巻線228、補機側スイッチング回路48、及び二次ポートP28がさらに設けられる。二次ポートP28には、例えば12Vの補機バッテリBTaが接続される。なお、第12実施形態にのみ使用される符号は、[符号の説明]の欄の符号、及び、特許請求の範囲の参照符号としては記載しない。
図40に第12実施形態の構成例を示す。この例では、図2の構成例に対し補機側スイッチング回路48が追加されている。なお、一次ポートP1に接続される外部電源150の図示を省略する。図39、図40に示す構成に限らず、上記各実施形態と同様に、一次側、二次側の一方又は両方に、いずれかの構成のマルチレベルスイッチング回路が設けられればよい。
例えばマルチポート電力変換システム712が車両に搭載される場合、補機バッテリBTaは、車両の走行以外の機能を担う各種車載機器に相当する補機負荷に低圧電力を供給する。図39にブロック矢印で示すように、マルチポート絶縁型コンバータ30を介して主機バッテリBTから補機バッテリBTaに電力を供給することで、補機バッテリBTaを充電可能である。
(その他の実施形態)
(a)図1、図5、図11に示す第1、第2、第3実施形態では、マルチポート絶縁型コンバータ30の一次側スイッチング回路31M、もしくは、非調整側ポートP21に対応する二次側スイッチング回路41Mの少なくとも一方がマルチレベルスイッチング回路として構成されている。
その他の実施形態として、図41に示すマルチポート電力変換システム713は、マルチポート絶縁型コンバータ30の非調整側ポートP21に対応する二次側スイッチング回路41とバッテリBTとの間に二次側マルチレベルスイッチング回路41Mが設けられている。図42に示すマルチポート電力変換システム714は、マルチポート絶縁型コンバータ30の一次側スイッチング回路31と外部電源150との間に一次側マルチレベルスイッチング回路31Mが設けられている。図43に示すマルチポート電力変換システム715は、マルチポート電力変換システム713と同様の二次側マルチレベルスイッチング回路41M、及び、マルチポート電力変換システム714と同様の一次側マルチレベルスイッチング回路31Mの両方が設けられている。
このような構成でも上記実施形態と同様の作用効果が得られる。また、マルチレベルスイッチング回路を有さないマルチポート絶縁型コンバータを備えた既存の電力変換システムに対し、マルチレベルスイッチング回路を後付けして本実施形態の機能を追加することができる。なお、図41〜図43の構成に対し、第4実施形態と同様に、バッテリ充放電回路60における高電位側の回路と低電位側の回路とを入れ替えてもよい。
(b)上記実施形態のマルチポート電力変換システムは、マルチポート絶縁型コンバータと一つ以上のバッテリとの間で双方向に電力授受可能である。ただし、他の実施形態では、バッテリからマルチポート絶縁型コンバータへの放電を想定せず、マルチポート絶縁型コンバータからバッテリへの充電のみが可能であってもよい。
(c)上記実施形態では、マルチポート絶縁型コンバータの非調整側ポート及び調整側ポートは、対応する一つのバッテリに対し各一つ設けられている。他の実施形態では、対応する一つのバッテリに対し非調整側ポート又は調整側ポートが複数設けられてもよい。その場合を含めると、駆動回路75の作用について、「バッテリBTへの出力電圧の増加時に一つ以上の調整コンバータの合計出力電圧が一つ以上の非調整側ポートの合計電圧以上となったとき、駆動回路75は、二次側マルチレベルスイッチング回路の電圧レベルを上げる」ということができる。
(d)上記実施形態では、マルチポート絶縁型コンバータのDuty比を高効率領域の固定値としているが、他の実施形態では、マルチポート絶縁型コンバータのDuty比を可変に制御してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。