JP2021027176A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】チャンバ内壁のイオンスパッタによる消耗を防止する。【解決手段】プラズマ処理装置において、ガスの供給源と、プラズマ生成用の第1の高周波電源と、イオン引き込み用の第2の高周波電源と、前記第2の高周波電源が接続される電極に対してアノードを構成する部材とを有し、前記アノードを構成する部材の表面は、前記アノードを構成する部材の静電容量を調整する複層膜構造を有する、プラズマ処理装置が提供される。【選択図】図2

Description

本開示は、プラズマ処理装置に関する。
プラズマ処理装置は、内部を密閉可能な真空容器を有する。例えば、特許文献1は、アルミニウムから形成された真空容器の表面を陽極酸化処理することで、真空容器の表層にアルミナ(Al)の被膜を生成するアルマイト加工を施すことを提案する。
特開2019−71410号公報
真空容器の内壁への被膜が不十分であると、イオンスパッタリングにより真空容器の内壁からパーティクルが発生し、真空容器内を汚染する可能性がある。
本開示は、チャンバ内壁のイオンスパッタによる消耗を防止することができるプラズマ処理装置を提供する。
本開示の一の態様によれば、プラズマ処理装置において、ガスの供給源と、プラズマ生成用の第1の高周波電源と、イオン引き込み用の第2の高周波電源と、前記第2の高周波電源が接続される電極に対してアノードを構成する部材と、を有し、前記アノードを構成する部材の表面は、前記アノードを構成する部材の静電容量を調整する複層膜構造を有する、プラズマ処理装置が提供される。
一の側面によれば、チャンバ内壁のイオンスパッタによる消耗を防止することができる。
一実施形態に係るプラズマ処理装置の一例を示す断面模式図。 一実施形態に係るチャンバ内壁の一例を示す図。 一実施形態に係る溶射材料の比誘電率を示す図。 イオンスパッタリングを説明するための図。 一実施形態に係る複層膜構造とイオンスパッタリングを説明するための図。
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
[プラズマ処理装置]
図1は、一実施形態に係るプラズマ処理装置1を概略的に示す図である。図1に示すプラズマ処理装置1は、容量結合型の装置である。プラズマ処理装置1は、チャンバ10を有する。チャンバ10は、その中に内部空間10sを提供している。
チャンバ10は、チャンバ本体12を含んでいる。チャンバ本体12は、略円筒形状を有している。内部空間10sは、チャンバ本体12の内側に提供されている。チャンバ本体12は、例えばアルミニウムから形成されている。チャンバ本体12の内壁面上には、プラズマに対して耐腐食性を有する膜が設けられている。耐腐食性を有する膜は、酸化イットリウム、ムライトといったセラミックス、樹脂から形成された複層膜構造を有する。複層膜構造については後述する。
チャンバ本体12の側壁には、通路12pが形成されている。通路12pは、ゲートバルブ12gにより開閉可能となっている。ゲートバルブ12gは、チャンバ本体12の側壁に沿って設けられている。
チャンバ本体12の側壁に形成された通路12pは、内部空間10sにおいてシャッター57により開閉可能となっている。基板Wは、内部空間10sとチャンバ10の外部との間で搬送されるときに、ゲートバルブ12gを開き、リフター55の駆動によりシャッター57を下降させて通路12pからチャンバ10内に搬送される。
チャンバ本体12の底部上には、支持部17が設けられている。支持部17は、絶縁材料から形成されている。支持部17は、略円筒形状を有している。支持部17は、内部空間10sの中で、チャンバ本体12の底部から上方に延在している。支持部17上には、部材15が設けられている。部材15は、石英といった絶縁体から形成されている。部材15は、略円筒形状を有し得る。或いは、部材15は、環形状を有する板状体であり得る。
プラズマ処理装置1は、基板支持台、即ち一つの例示的実施形態に係る載置台14を更に備えている。載置台14は、支持部17によって支持されている。載置台14は、内部空間10sの中に設けられている。載置台14は、チャンバ10内、即ち内部空間10sの中で、基板Wを支持するように構成されている。
載置台14は、基台18及び一つの例示的実施形態に係る静電チャック20を有している。載置台14は、電極プレート16を更に有し得る。電極プレート16は、例えばアルミニウムといった導体から形成されており、略円盤形状を有している。基台18は、電極プレート16上に設けられている。基台18は、例えばアルミニウムといった導体から形成されており、略円盤形状を有している。基台18は、電極プレート16に電気的に接続されている。基台18の外周面及び電極プレート16の外周面は、支持部17によって囲まれている。
静電チャック20は、基台18上に設けられている。静電チャック20には、電極が埋め込まれている。静電チャック20の電極は、スイッチ20sを介して直流電源20pに接続されている。静電チャック20の電極に直流電源20pからの電圧が印加されると、静電チャック20と基板Wとの間に静電引力が発生する。その静電引力により、基板Wが静電チャック20に保持される。
静電チャック20のエッジ及び基台18の外周面は部材15によって囲まれている。静電チャック20は、基板W及び一つの例示的実施形態に係るエッジリング26を支持する。エッジリング26は、フォーカスリングとも呼ばれる。基板Wは、例えば略円盤形状を有し、静電チャック20上に載置される。エッジリング26は、基板Wのエッジを囲むように静電チャック20上に搭載される。エッジリング26の外縁部分は、部材15上で延在し得る。
基台18の内部には、流路18fが設けられている。流路18fには、チャンバ10の外部に設けられているチラーユニット22から配管22aを介して熱交換媒体(例えば冷媒)が供給される。流路18fに供給された熱交換媒体は、配管22bを介してチラーユニット22に戻される。プラズマ処理装置1では、静電チャック20上に載置された基板Wの温度が、熱交換媒体と基台18との熱交換により調整される。
プラズマ処理装置1には、ガス供給ライン24が設けられている。ガス供給ライン24は、伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス(例えばHeガス)を静電チャック20の上面と基板Wの裏面との間に供給する。
プラズマ処理装置1は、上部電極30を更に備えている。上部電極30は、載置台14の上方に設けられている。上部電極30は、部材32を介して、チャンバ本体12の上部に支持されている。部材32は、絶縁性を有する材料から形成されている。上部電極30と部材32は、チャンバ本体12の上部開口を閉じている。
上部電極30は、天板34及び支持体36を含み得る。天板34の下面は、内部空間10sの側の下面であり、内部空間10sを画成している。天板34は、ジュール熱の少ない低抵抗の導電体又は半導体から形成され得る。天板34には、複数のガス吐出孔34aが形成されている。複数のガス吐出孔34aは、天板34をその板厚方向に貫通している。
なお、載置台14は、第2の高周波電源62が接続される電極であり、カソード(下部電極)として機能する。上部電極30は、第2の高周波電源62が接続される電極の対向電極であり、接地されたチャンバ10の内壁はアノードとして機能する。
支持体36は、天板34を着脱自在に支持する。支持体36は、アルミニウムといった導電性材料から形成される。支持体36の内部には、ガス拡散室36aが設けられている。支持体36には、複数のガス孔36bが形成されている。複数のガス孔36bは、ガス拡散室36aから下方に延びている。複数のガス孔36bは、複数のガス吐出孔34aにそれぞれ連通している。支持体36には、ガス導入口36cが形成されている。ガス導入口36cは、ガス拡散室36aに接続している。ガス導入口36cには、ガス供給管38が接続されている。
ガス供給管38には、ガス供給部GSが接続されている。ガス供給部GSは、ガスソース群40、バルブ群41、流量制御器群42、及びバルブ群43を含む。ガスソース群40は、バルブ群41、流量制御器群42、及びバルブ群43を介して、ガス供給管38に接続されている。ガスソース群40は、複数のガスソースを含んでいる。バルブ群41及びバルブ群43の各々は、複数の開閉バルブを含んでいる。流量制御器群42は、複数の流量制御器を含んでいる。流量制御器群42の複数の流量制御器の各々は、マスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器である。ガスソース群40の複数のガスソースの各々は、バルブ群41の対応の開閉バルブ、流量制御器群42の対応の流量制御器、及びバルブ群43の対応の開閉バルブを介して、ガス供給管38に接続されている。
プラズマ処理装置1では、チャンバ本体12の内壁面に沿って、デポシールド46が着脱自在に設けられている。デポシールド46は、支持部17の外周にも設けられている。デポシールド46は、チャンバ本体12にエッチング副生物が付着することを防止する。デポシールド46は、例えば、アルミニウムから形成された部材の表面に耐腐食性を有する膜を形成することにより構成される。耐腐食性を有する膜は、酸化イットリウムといったセラミックスから形成された膜であり得る。
支持部17とチャンバ本体12の側壁との間には、バッフルプレート48が設けられている。バッフルプレート48は、例えば、アルミニウムから形成された部材の表面に耐腐食性を有する膜を形成することにより構成される。耐腐食性を有する膜は、酸化イットリウムといったセラミックスから形成された膜であり得る。バッフルプレート48には、複数の貫通孔が形成されている。バッフルプレート48の下方、且つ、チャンバ本体12の底部には、排気口12eが設けられている。排気口12eには、排気管52を介して排気装置50が接続されている。排気装置50は、圧力調整弁及びターボ分子ポンプといった真空ポンプを有している。
プラズマ処理装置1は、第1の高周波電源61を更に備えている。第1の高周波電源61は、プラズマ生成用の第1の高周波電力を発生するように構成されている。第1の高周波電力の周波数は、例えば27MHz〜100MHzの範囲内の周波数である。
第1の高周波電源61は、整合器63を介して基台18に電気的に接続されている。整合器63は、整合回路を有している。整合器63の整合回路は、第1の高周波電源61の負荷側(下部電極側)のインピーダンスを、第1の高周波電源61の出力インピーダンスに整合させるよう構成されている。別の実施形態では、第1の高周波電源61は、整合器63を介して上部電極30に電気的に接続されていてもよい。
プラズマ処理装置1は、第2の高周波電源62を更に備え得る。第2の高周波電源62は、イオン引き込み用の第2の高周波電力を発生するように構成されている。つまり、第2の高周波電力は、主として正イオンを基板Wに引き込むことに適した周波数を有する。第2の高周波電力の周波数は、例えば400kHz〜13.56MHzの範囲内の周波数である。
第2の高周波電源62は、整合器64を介して基台18に電気的に接続されている。整合器64は、整合回路を有している。整合器64の整合回路は、第2の高周波電源62の負荷側のインピーダンスを、第2の高周波電源62の出力インピーダンスに整合させるよう構成されている。
プラズマ処理装置1は、制御部80を更に備え得る。制御部80は、プロセッサ、メモリといった記憶部、入力装置、表示装置、信号の入出力インターフェイス等を備えるコンピュータであり得る。制御部80は、プラズマ処理装置1の各部を制御する。制御部80では、入力装置を用いて、オペレータがプラズマ処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うことができる。また、制御部80では、表示装置により、プラズマ処理装置1の稼働状況を可視化して表示することができる。さらに、制御部80の記憶部には、制御プログラム及びレシピデータが格納されている。制御プログラムは、プラズマ処理装置1で各種処理を実行するために、制御部80のプロセッサによって実行される。制御部80のプロセッサが、制御プログラムを実行し、レシピデータに従ってプラズマ処理装置1の各部を制御することにより、種々のプロセス、例えばプラズマ処理方法がプラズマ処理装置1で実行される。
[複層膜構造]
チャンバ10(チャンバ本体12)の内壁は、接地電位に接続され、第2の高周波電源62が接続される電極に対してアノードを構成する部材の一例である。なお、第2の高周波電源62が接続される電極に対してアノードを構成する部材の他の例としては、デポシールド46、バッフルプレート48、シャッター57が挙げられる。アノードを構成する部材の表面は、アノードを構成する部材の静電容量を調整する複層膜構造を有する。以下では、アノードを構成する部材として、チャンバ10の内壁を例に挙げて説明する。
図2は、一実施形態に係るチャンバ10の内壁の一例を示す。チャンバ10の内壁は、複層膜構造13を有する、複層膜構造13は、チャンバ10の内壁の静電容量を調整する。複層膜構造13は、酸化イットリウム(Y)膜13aとムライト膜13bとを積層させた構造である。ムライト膜13bは、チャンバ10の内壁にコーティングされ、酸化イットリウム(Y)膜13aは、ムライト膜13bの上にコーティングされている。酸化イットリウム膜13aは、アノードを構成する部材の表面にコーティングされる複層膜構造13の最表層に形成される第1の膜の一例である。ムライト膜13bは、アノードを構成する部材の表面にコーティングされる、第1の膜より比誘電率の低い第2の膜の一例である。つまり、複層膜構造13は、第1の膜と第1の膜より比誘電率の低い第2の膜で形成される。第2の膜は、第1の膜と、アノードを構成する部材の表面に挟まれる。
酸化イットリウム膜13aとムライト膜13bとは、溶射によりチャンバ10の内壁に順にコーティングしてもよい。ただし、複層膜構造13のコーティング方法は、これに限られず、蒸着又はその他の公知の方法によりコーティングしてもよい。蒸着には、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法による成膜や樹脂を塗布する方法が含まれる。
図3は、一実施形態に係る溶射材料の比誘電率を示す図である。例えば、Yの比誘電率εは「10.8」であり、ムライトの比誘電率εは「7.4」である。酸化イットリウム膜13aとムライト膜13bとの合成誘電率εの実測値は、同じ膜厚の場合には、「8.6」であった。以下の誘電率の比較は、比較する単層膜及び複層膜のいずれも同じ膜厚の場合である。
以上から、チャンバ10の内壁に複層膜構造13を形成すると、チャンバ10の内壁に酸化イットリウム膜13aのみをコーティングした場合と比較して誘電率を下げ、チャンバ10の内壁の静電容量を調整することができる。同様にして、アノードを構成する部材の一例であるデポシールド46、バッフルプレート48、シャッター57の最表層に複層膜構造13を形成してもよい。これにより、これらの部材に酸化イットリウム膜13aのみをコーティングした場合と比較して誘電率を下げ、チャンバ10の内壁のプラズマ耐性を維持しながら静電容量を調整することができる。
なお、複層膜構造13は、第1の膜と、第1の膜より比誘電率の低い第2の膜とによりアノードを構成する部材をコーティングする構造であればよく、酸化イットリウム膜13aとムライト膜13bとの組み合わせに限られない。例えば、複層膜構造13の最表層に形成された第1の膜を、イットリア、アルミニウム及び酸素の複合酸化物(YAl12)であるイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)で形成してもよい。この場合、第2の膜をイットリウム・アルミニウム・ガーネットよりも比誘電率の低い酸化イットリウム(Y)、フッ化イットリウム(YF)、アルミナ(Al)、ムライトの少なくともいずれかで形成してもよい。これにより、複層膜構造13の合成誘電率を、複層膜構造13の最表層に形成されたイットリウム・アルミニウム・ガーネットの比誘電率よりも低くすることができる。以上は一例であり、複層膜構造13の最表層に形成された第1の膜よりも比誘電率が低いいずれの材料も第2の膜に選定できる。例えば、複層膜構造13の最表層に被覆する材料をアルミナ膜とし、その下にアルミナよりも低い比誘電率の材料(例えば、ムライト)をコーティングしてもよい。なお、第1の膜は、プラズマに対して耐腐食性のある材料を選定する。また、第2の膜は第1の膜よりも比誘電率が低い複数の材料で形成された複層膜でもよい。
[イオンスパッタリング]
次に、図4及び図5を参照してイオンスパッタリングについて説明する。図4は、比較例に係るカソード及びアノード間で生じるイオンスパッタリングを説明するための図である。図5は、一実施形態に係る複層膜構造とイオンスパッタリングを説明するための図である。図4及び図5では、カソードを「K」とも示し、アノードを「A」とも示す。
カソードは第2の高周波電源62が接続される電極(載置台14)であり、アノードはチャンバ10の内壁である。第1の高周波電源61から載置台14に第1の高周波電力を印加することで、図4(a)に示すようにカソード及びアノード間に放電現象が生じ、プラズマが生成される。そして、カソードKにシース(以下、ボトムシース(BTM sheath)と呼ぶ)が形成され、アノードAにシース(以下、ウォールシース(Wall sheath)と呼ぶ)が形成される。第2の高周波電源62から載置台14に第2の高周波電力を印加することで、図4(b)に正イオンのカソードKに向かう矢印に示すように、プラズマ中の正イオンがボトムシース内で加速される。加速された正イオンは、基板Wに衝突することで基板Wにエッチング等の所定のプラズマ処理が施される。ボトムシースが厚いほどボトムシース内での正イオンの加速は大きくなるため、基板Wに正イオンが衝突する力が大きくなり、エッチングレート等が高くなり、エッチング等の加工が促進される。
このようにプラズマ中の正イオンがカソードKに向かう場合、プラズマ処理に寄与するが、正イオンがアノードを構成するチャンバ10の内壁へ向かい内壁に衝突する「イオンスパッタリング」は内壁にダメージを与え、パーティクルの要因ともなる。また、イオンスパッタリングの程度は、チャンバ10の内壁に形成されるウォールシースの厚さに比例する。
プラズマの電位と正イオンの動きについて更に説明する。図4(b)の右側の縦軸は、アノードAの電位を示し、左側の縦軸にはカソードKの電位を示す。アノードA及びカソードK間のプラズマ処理空間は、プラズマ電位を示す。カソードKに印加される第2の高周波により、いわゆる自己バイアス電圧が発生し、第2の高周波電力の平均電圧は負になる。
プラズマ電位は、チャンバ10内の最も高い電位よりもわずかに高くなる。チャンバ10の内壁は接地されているため、アノードAの電位は0である。従って、プラズマ電位とアノードAの電位差に従ってウォールシース内での正イオンは加速される。
このようにして正イオンがアノードAに入射して、内壁をスパッタリングすることで、チャンバ10の内壁から最表層の膜の成分(イットリア等)が剥がれ、基板W上に飛来し、パーティクルとなる。パーティクルは、基板処理時に配線の短絡等を生じさせ、歩留まりを低下させる。よって、チャンバ10内は極力パーティクルが発生しない環境にすることが望ましい。
これに対して、カソードに対するアノードの面積を大きくすることで、アノードにおける単位面積当たりの電位Vを下げ、これにより、イオンスパッタリングを抑制することが行われていた。
本実施形態では、アノード側のインピーダンスを大きくすることで、チャンバ10の内壁であるアノードの電位を0よりも大きくし、プラズマ電位とアノードAの電位差を小さくする。これにより、チャンバ10の内壁に対するイオンスパッタリングを抑制し、パーティクルの発生を低減する。このため、チャンバ10の内壁に第1の膜と第2の膜との複層膜構造13を形成する。これにより、複層膜構造13では内壁に第1の膜のみが形成された場合と比べて誘電率を下げ、チャンバ10の内壁の静電容量を小さくすることができる。これにより、アノード側のインピーダンスを大きくできる。
図5(c)は、本実施形態に係る複層膜構造13を用いた場合の等価回路である。図4(c)は、本実施形態に係る複層膜構造13を用いず、内壁に酸化イットリウム膜の単一被膜が形成されているときの比較例に係る等価回路である。本実施形態に係る複層膜構造13は、第1の膜と第2の膜とを有し、第2の膜の比誘電率は第1の膜の比誘電率よりも低い。図4(c)の等価回路に示すように、チャンバ10の内壁に第1の膜を被膜した場合、複層膜構造13よりも内壁の静電容量は大きい。これにより、本実施形態に係る等価回路は、比較例に係る等価回路と比べて図5(c)に示すようにアノード側にインピーダンスZの差異がある。
本実施形態に係る複層膜構造13(第1の膜及び第2の膜)を有する場合の内壁のインピーダンスをZとし、チャンバ10の内壁に第1の膜のみを被膜した場合の内壁のインピーダンスをZとし、その差をZ(=Z−Z)と表記する。
比較例の内壁にコーティングする第1の膜の静電容量をCA1(F)とし、本実施形態の内壁にコーティングする複層膜構造13の静電容量をCA2(F)とする。
このとき、CA1は式(1)にて示され、CA2は式(2)にて示される。
Figure 2021027176
Figure 2021027176
εは、真空の誘電率(8.85×10−12(F/m))であり、εA1は、第1の膜の比誘電率(F/m)であり、εA2は、複層膜構造13(第1の膜及び第2の膜)の合成誘電率(F/m)である。また、dA1は、第1の膜の膜厚(m)であり、dA2は、複層膜構造13の膜厚(m)である。第1の膜と複層膜構造13の膜厚は同じ、つまり、dA1=dA2とする。Sは、アノードの面積(m)である。式(1)、式(2)及びεA1>εA2に基づき、CA1>CA2が導かれる。
インピーダンスは式(3)で示される。
Figure 2021027176
A1>CA2より、CA2−CA1<0であるから、式(3)に基づき、Z=Z−Z>0となる。つまり、本実施形態に係る複層膜構造13がコーティングされた内壁は、比較例の第1の膜のみがコーティングされた内壁と比較して、図5(c)の等価回路に示すようにインピーダンスがZの分だけ高い。この結果、図5(b)に示すように、アノードの電位が0よりも高くなる。
これにより、本実施形態に係る複層膜構造13によれば、プラズマ電位とアノードの電位との電位差を小さくすることができる。これにより、アノードのウォールシースにて正イオンの加速を減らすことができ、チャンバ10の内壁に対するイオンスパッタリングを抑制することができることで、パーティクルの発生を低減できる。
以上に説明したように、本実施形態では、シースをコンデンサーとして扱い、チャンバ10の内壁に、第1の膜と、第1の膜よりも比誘電率の低い第2の膜との複層膜構造13を形成することで、アノードを構成する部材の静電容量を小さくする。これにより、インピーダンスを大きくすることで、アノードの電位をプラズマ電位に近づけることができる。これにより、プラズマ電位と内壁の電位との電位差を小さくすることで、イオンスパッタリングによるチャンバ内壁の消耗を低減できる。
以上、チャンバ10の内壁にコーティングする複層膜構造13について説明した。上記実施形態に係る複層膜構造13は一例であり、様々な変形例が考えられる。例えば、複層膜構造13は、アノードを構成する部材ごとに異なる膜の組合せで形成されてもよい。例えば、デポシールド46の最表層に形成する複層膜構造と、チャンバ10の内壁の最表層とに形成する複層膜構造13とで異なる膜の組合せにすることで、合成誘電率を変え、アノードにおけるインピーダンスを変えてもよい。
これにより、アノードを構成する部材のそれぞれに対するイオンのスパッタ量を変えることができる。また、アノードを構成する一つの部材内において第1の膜及び第2の膜の材料を変えてもよい。て第1の膜及び第2の膜の材料は、段階的に変えてもよいし、グラディエーション状に連続的に変えてもよい。これにより、アノードを構成する一つの部材内においてスパッタ量を変えることができる。
今回開示された一実施形態に係るプラズマ処理装置は、すべての点において例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
本開示のプラズマ処理装置1は、Atomic Layer Deposition(ALD)装置、Capacitively Coupled Plasma(CCP)、Inductively Coupled Plasma(ICP)、Radial Line Slot Antenna(RLSA)、Electron Cyclotron Resonance Plasma(ECR)、Helicon Wave Plasma(HWP)のいずれのタイプの装置でも適用可能である。
また、プラズマ処理装置1は、プラズマを用いて基板に所定の処理(例えば、成膜、エッチング等)を施す装置であれば、プラズマエッチング装置に限られない。例えば、プラズマ処理装置1は、成膜装置、アッシング装置、ドーピング装置、プラズマALD装置、プラズマCVD装置等であってもよい。
1 プラズマ処理装置
13 複層膜構造
13a 酸化イットリウム膜
13b ムライト膜
14 載置台
16 電極プレート
18 基台
18f 流路
20 静電チャック
26 エッジリング
30 上部電極
34 天板
36 支持体
38 ガス供給管
40 ガスソース群
46 デポシールド
48 バッフルプレート
57 シャッター
80 制御部
W 基板
上部電極30は、天板34及び支持体36を含み得る。天板34の下面は、内部空間10sに露出し、内部空間10sを画成している。天板34は、ジュール熱の少ない低抵抗の導電体又は半導体から形成され得る。天板34には、複数のガス吐出孔34aが形成されている。複数のガス吐出孔34aは、天板34をその板厚方向に貫通している。
図3は、一実施形態に係る溶射材料の比誘電率を示す図である。例えば、Yの比誘電率εは「10.8」であり、ムライトの比誘電率εは「7.4」である。酸化イットリウム膜13aとムライト膜13bとの合成比誘電率εの実測値は、同じ膜厚の場合には、「8.6」であった。以下の誘電率の比較は、比較する単層膜及び複層膜のいずれも同じ膜厚の場合である。
以上から、チャンバ10の内壁に複層膜構造13を形成すると、チャンバ10の内壁に酸化イットリウム膜13aのみをコーティングした場合と比較して誘電率を下げ、チャンバ10の内壁の静電容量を調整することができる。同様にして、アノードを構成する部材の一例であるデポシールド46、バッフルプレート48、シャッター57の最表層に複層膜構造13を形成してもよい。これにより、これらの部材に酸化イットリウム膜13aのみをコーティングした場合と比較して誘電率を下げ、これらの部材のプラズマ耐性を維持しながら静電容量を調整することができる。
プラズマの電位と正イオンの動きについて更に説明する。図4(b)の右側の縦軸と曲線との交点は、アノードAの電位を示し、左側の縦軸と曲線との交点はカソードKの電位を示す。アノードA及びカソードK間のプラズマ処理空間は、プラズマ電位を示す。カソードKに印加される第2の高周波により、いわゆる自己バイアス電圧が発生し、カソードKの平均電圧は負になる。
プラズマ電位は、チャンバ10内のパーツの最も高い電位よりもわずかに高くなる。チャンバ10の内壁は接地されているため、アノードAの電位は0である。従って、プラズマ電位とアノードAの電位差に従ってウォールシース内での正イオンは加速される。
これに対して、カソードに対するアノードの面積を大きくすることで、アノードにおける単位面積当たりのイオン衝突量を下げ、これにより、イオンスパッタリングを抑制することが行われていた。
Figure 2021027176
εは、真空の誘電率(8.85×10−12(F/m))であり、εA1は、第1の膜の比誘電率であり、εA2は、複層膜構造13(第1の膜及び第2の膜)の合成比誘電率である。また、dA1は、第1の膜の膜厚(m)であり、dA2は、複層膜構造13の膜厚(m)である。第1の膜と複層膜構造13の膜厚は同じ、つまり、dA1=dA2とする。Sは、アノードの面積(m)である。式(1)、式(2)及びεA1>εA2に基づき、CA1>CA2が導かれる。

Claims (4)

  1. プラズマ処理装置において、
    ガス供給部と、
    プラズマ生成用の第1の高周波電源と、
    イオン引き込み用の第2の高周波電源と、
    前記第2の高周波電源が接続される電極に対してアノードを構成する部材と、を有し、
    前記アノードを構成する部材の表面は、
    前記アノードを構成する部材の静電容量を調整する複層膜構造を有する、
    プラズマ処理装置。
  2. 前記複層膜構造は、第1の膜と、前記第1の膜より比誘電率の低い第2の膜とで覆われる
    請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記第2の膜は、前記第1の膜と前記アノードを構成する部材の表面とに挟まれている、
    請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記アノードを構成する部材は、
    チャンバの内壁、デポシールド、バッフルプレート、シャッターの少なくともいずれかである、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
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