以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。
図1は、サーバ1及び端末2の構成例を示すブロック図である。
サーバ1について説明する。
サーバ1は、試験の講座の受講の申込前または申込後に、学習者に応じた効果的な講座の受講をシミュレーションすることができる。また、サーバ1は、講座の受講を申込済みの学習者に対して、インターネットなどのネットワークを介して、講座のコンテンツを配信することもできる。サーバ1は、情報処理装置の一例である。ここでは、ある学習者を例にして説明する。以下では、ある学習者は、対象者とも称される。ここでは、中小企業診断士の一次試験を試験の例として説明するが、試験はこれに限定されない。中小企業診断士の一次試験は、7科目それぞれ100点満点の合計700点満点の試験である。
典型例では、サーバ1は、後述するように、学習効果をシミュレーションする。学習効果は、対象者が試験を受けたと想定した場合に、対象者が獲得可能と予測される学習に応じた効果である。学習効果は、試験の予測得点を含む。試験の予測得点は、対象者が試験を受けたと想定した場合に、対象者が獲得可能と予測される試験の総得点である。試験の予測得点は、講座受講後の試験の予測得点を含む。講座受講後の試験の予測得点は、対象者が講座を構成する最後のレッスン受講後に試験を受けたと想定した場合に、対象者が獲得可能と予測される試験の総得点である。講座受講後は、最後のレッスン受講後の日であればよい。例えば、講座受講後は、最後のレッスン受講後の試験日でもよい。例えば、講座受講後は、最後のレッスンの受講直後の日でもよい。例えば、講座受講後は、最後のレッスンの受講から任意に設定された日数経過後の日でもよい。試験の予測得点は、講座受講前の試験の予測得点を含んでいてもよい。講座受講前の試験の予測得点は、対象者が講座受講前に試験を受けたと想定した場合に、対象者が獲得可能と予測される試験の総得点である。講座受講前は、対象者が講座(例えば、最初のレッスン)の受講を開始する前の時点である。講座受講前は、講座の学習時間が0時間の場合に相当する。試験の予測得点は、各レッスン受講後の試験の予測得点を含んでいてもよい。レッスン受講後の試験の予測得点は、対象者がレッスン受講後に試験を受けたと想定した場合に、対象者が獲得可能と予測される試験の総得点である。学習効果は、試験の予測得点範囲を含んでいてもよい。試験の予測得点範囲は、試験の予測得点の下限値と上限値とで定められる範囲である。予測という用語は、予想を含むことを意図している。
試験は、合否を最終結果とする試験であっても、得点を最終結果とする試験であってもよく、限定されない。例えば、合否を最終結果とする試験は、資格の付与に関する試験である。資格の付与に関する試験は、国家資格の付与に関する試験であっても、民間資格の付与に関する試験であってもよい。例えば、得点を最終結果とする試験は、語学に関する試験である。試験は、テスト及び検定などを含む。
各試験の講座は、複数のレッスンで構成される。各レッスンは、それぞれ、インプット学習のレッスンまたはアウトプット学習のレッスンである。以下では、インプット学習のレッスンは、インプットレッスンとも称される。アウトプット学習のレッスンは、アウトプットレッスンとも称される。講座を構成する複数のレッスンは、複数のインプットレッスンを含む。講座を構成する複数のレッスンは、複数のアウトプットレッスンを含む。
インプットレッスンは、対象者が知識を取り込むためのレッスンである。一例では、インプットレッスンは、ウェブ上での受講形式である。インプットレッスンは、動画または音声の視聴による受講形式であってもよい。インプットレッスンは、ウェブ上の電子化されたテキストの使用による受講形式であってもよい。インプットレッスンは、動画または音声の視聴及びウェブ上の電子化されたテキストの使用を組み合わせた受講形式であってもよい。この例では、サーバ1は、対象者の受講ログを取ることにより、対象者によるインプットレッスンの受講時間を取得することができる。別の例では、インプットレッスンは、冊子などの紙媒体のテキストの使用による受講形式であってもよい。この例では、サーバ1は、対象者による入力に基づいて、対象者によるインプットレッスンの受講時間を取得することができる。
アウトプットレッスンは、対象者が問題を解くことにより知識の定着を確認するためのレッスンである。アウトプットレッスンは、部分的にインプット学習を含んでいるものであってもよい。一例では、アウトプットレッスンは、ウェブ上での問題への回答による受講形式である。この例では、サーバ1は、対象者のログを取ることにより、対象者によるアウトプットレッスンの受講時間及び対象者がアウトプットレッスンで獲得した得点を取得することができる。別の例では、アウトプットレッスンは、冊子などの実際のテキストに載っている問題への回答による受講形式である。この例では、サーバ1は、対象者による入力に基づいて、対象者によるアウトプットレッスンの受講時間及び対象者がアウトプットレッスンで獲得した得点を取得することができる。さらに別の例では、アウトプットレッスンは、記述式問題または添削課題に対する回答による受講形式である。この例では、対象者は、記述式問題または添削課題の回答を、文書データのアップロードまたはウェブのフォームへの記入によってオンラインで提出することができる。講師は、オンラインで回答を採点及び添削を行い、対象者がアウトプットレッスンで獲得した得点を含む採点結果を対象者へ返却することができる。サーバ1は、講師によるオンラインでの採点に基づいて、対象者がアウトプットレッスンで獲得した得点を取得することができる。サーバ1は、対象者による入力に基づいて、対象者によるアウトプットレッスンの受講時間を取得することができる。
各レッスンは、テーマなどの内容のまとまりに応じて構成される。講座がウェブ上での受講形式で構成されている場合、各レッスンは、学習者による1レッスンの受講時間が比較的短時間となるように構成される。これにより、対象者は、端末2を用いて、隙間時間を利用して効率よく各レッスンを受講することができる。
サーバ1は、プロセッサ11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶装置14及び通信インタフェース15を備える。プロセッサ11、ROM12、RAM13、記憶装置14及び通信インタフェース15は、データバスなどを介して互いに接続される。図1では、通信インタフェースは、「通信I/F」と記載されている。
プロセッサ11は、サーバ1全体の動作を制御する。例えば、プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)であるが、これに限定されない。プロセッサ11は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array)などを含む回路で構成されていてもよい。プロセッサ11は、ROM12または記憶装置14に予め記憶されているプログラムをRAM13に展開する。プロセッサ11は、RAM13に展開されたプログラムを実行することで、後述する各部を実装し、種々の動作を実行する。
ROM12は、予め制御用のプログラム及び制御データなどを記憶する不揮発性のメモリである。
RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する揮発性のメモリである。
記憶装置14は、データ及びプログラムなどを記憶する不揮発性メモリで構成される装置である。例えば、記憶装置14は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などで構成されるが、これらに限定されない。記憶装置14は、プロセッサ11で実行されるプログラムを記憶する。
通信インタフェース15は、有線または無線で通信するためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース15は、有線または無線の種々の規格に対応するインタフェースを含む。通信インタフェース15は、サーバ1と端末2との間の通信を可能にする。
なお、サーバ1のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。サーバ1は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
プロセッサ11に実装される各部について説明する。
プロセッサ11は、入力項目出力部111、入力情報取得部112、テスト出力部113、解答情報取得部114、テスト結果出力部115、算出部116、割当部117、取得部118、シミュレーション部119及びシミュレーション結果出力部120を実装する。
入力項目出力部111は、対象者によるシミュレーション開始の要求に応じて、通信インタフェース15を介して、入力項目に関するデータを端末2へ出力する。対象者によるシミュレーション開始の要求は、講座の受講の申込前でもよいし、講座の受講の申込後でもよい。対象者によるシミュレーション開始の要求は、講座の受講の申込後である場合、講座の受講前でもよいし、講座の受講途中でもよい。以下では、入力項目に関するデータは、入力項目データとも称される。
入力項目データは、対象者に各項目に対する情報を入力させる入力欄を含む表示に関するデータである。入力項目データは、表示データの一例である。入力項目データは、必須項目に関するデータ及び任意項目に関するデータを含む。以下では、必須項目に関するデータは、必須項目データとも称される。任意項目に関するデータは、任意項目データとも称される。
必須項目データは、必須項目の入力欄を含む表示に関するデータである。必須項目は、対象者による入力を必須とする項目である。必須項目は、「対象資格」項目、「合格目標の試験」項目及び「学習可能時間」項目を含む。「対象資格」項目は、受験予定の資格を入力する項目である。「合格目標の試験」項目は、「対象資格」項目で入力された試験の受験予定時期を入力する項目である。受験予定時期は、対象者が受験を予定している試験の開催時期である。「合格目標の試験」項目は、申込済みまたは申込予定の講座の入力を兼ねていてもよい。「学習可能時間」項目は、対象者が学習可能な時間数を入力する項目である。一例では、「学習可能時間」項目は、平日及び週末(平日以外の日)のそれぞれの学習可能な時間数を入力する項目である。別の例では、「学習可能時間」項目は、曜日毎の学習可能な時間数を入力する項目である。「学習可能時間」項目は、日毎の学習可能な時間数の変更を可能にしてもよい。
任意項目データは、任意項目の入力欄を含む表示に関するデータである。任意項目は、対象者による入力を任意とする項目である。任意項目は、対象者の属性に関する項目である。例えば、任意項目は、「以前の受験経験」項目、「以前の学習経験」項目、「勉強仲間の存在」項目、「他の取得資格」項目、「職業」項目、「生活スタイル」項目及び「性格診断」項目などであるが、これらに限定されない。
「以前の受験経験」項目は、「対象資格」項目で入力された試験の受験経験を入力する項目である。例えば、「以前の受験経験」項目は、受験経験の有無、受験時期及び受験時の科目別の点数などの項目を含む。「以前の学習経験」項目は、「対象資格」項目で入力された試験の学習経験を入力する項目である。例えば、「以前の学習経験」項目は、学習経験の有無、科目別のレベルの自己評価などの項目を含む。「勉強仲間の存在」項目は、勉強仲間の存在の有無を入力する項目である。「他の取得資格」項目は、「対象資格」項目で入力された試験以外の試験によって取得済みの資格を入力する項目である。「職業」項目は、対象者の職業を入力する項目である。「生活スタイル」項目は、対象者の生活スタイルを入力する項目である。例えば、生活スタイルは、起床時刻及び就寝時刻などである。「性格診断」項目は、対象者の性格を入力する項目である。
入力情報取得部112は、通信インタフェース15を介して、必須項目入力情報を端末2から取得する。必須項目入力情報は、必須項目データに基づいて端末2に表示される必須項目の画面で学習者によって入力された必須項目に対する入力情報である。必須項目入力情報は、「対象資格」項目に対する入力情報、「合格目標の試験」項目に対する入力情報及び「学習可能時間」項目に対する入力情報を含む。「学習可能時間」項目に対する入力情報は、対象者の学習予定ということもできる。入力情報取得部112は、必須項目入力情報を記憶装置14へ格納する。
入力情報取得部112は、通信インタフェース15を介して、任意項目入力情報を端末2から取得する。任意項目入力情報は、任意項目データに基づいて端末2に表示される任意項目の画面で学習者によって入力された任意項目に対する入力情報である。入力情報取得部112は、任意項目入力情報を記憶装置14へ格納する。
テスト出力部113は、通信インタフェース15を介して、実力診断テストに関するデータを端末2へ出力する。以下では、実力診断テストに関するデータは、実力診断テストデータとも称される。実力診断テストは、講座受講前の対象者の実力を診断するためのテストである。例えば、実力診断テストは、科目別の実力を診断するために、科目別に複数の問題を含む。なお、実力診断テストは、各科目について、実際の試験で出題される全てのテーマの問題を含んでいてもよいし、1以上のテーマの問題を省略してもよい。例えば、実力診断テストは、7科目それぞれ100点満点の合計700点満点のテストである。実力診断テストデータは、問題及び問題に対する対象者の解答を入力させる入力欄を含む表示に関するデータである。例えば、問題は、択一式である。入力欄は、問題の解答候補となる選択肢を含む。入力欄は、答えが分からない旨の選択肢を含んでいてもよい。これにより、対象者が無理に問題の解答候補となる選択肢を選択することを低減することができる。その結果、実力診断テストによる対象者の実力の診断精度は、向上する。実力診断テストデータは、表示データの一例である。実力診断テストデータは、通常版のテストのデータに加えて、通常版よりも問題数の少ない簡易版のテストのデータを含んでいてもよい。
解答情報取得部114は、通信インタフェース15を介して、解答情報を端末2から取得する。解答情報は、実力診断テストデータに基づいて端末2に表示される実力診断テストの画面で学習者によって入力された実力診断テストの解答を示す情報である。
テスト結果出力部115は、以下に例示するようにテスト結果を算出し、通信インタフェース15を介して、テスト結果に関するデータを端末2へ出力する。
テスト結果出力部115によるテスト結果の算出例について説明する。まず、テスト結果出力部115は、解答情報に基づいて対象者の解答の正誤を判断する。次に、テスト結果出力部115は、解答の正誤に基づいて、実力診断テストの結果を算出する。実力診断テストの結果は、科目別の得点(100点満点中の得点)及び科目別の得点の合計点(700点満点中の得点)を含む。次に、テスト結果出力部115は、実力診断テストの難易度と実際の試験の難易度との関係を考慮して、講座受講前の科目別の予測得点(100点満点中の予測得点)を算出する。講座受講前の科目別の予測得点は、対象者が講座受講前に試験を受けたと想定した場合に、対象者が獲得可能と予測される試験の科目別の得点である。なお、実力診断テストが各科目について実際の試験で出題される1以上のテーマの問題を含んでいない場合、テスト結果出力部115は、適宜補完しながら、講座の受講前の科目別の予測得点を算出してもよい。次に、テスト結果出力部115は、講座受講前の科目別の予測得点を合算し、講座受講前の試験の予測得点(700点満点中の予測得点)を算出する。
テスト結果は、講座受講前の試験の予測得点及び講座受講前の科目別の予測得点を含む。テスト結果は、講座受講前の試験の予測得点及び講座受講前の科目別の予測得点に代えて、実力診断テストの結果を含んでいてもよい。以下では、テスト結果に関するデータは、テスト結果データとも称される。テスト結果データは、実力診断テストの結果の表示に関するデータである。テスト結果データは、表示データの一例である。
算出部116は、以下に例示するように、「学習可能時間」項目に対する入力情報に基づいて学習開始日から学習終了日までの総学習時間を算出する。総学習時間は、学習開始日から学習終了日まで期間における日々の学習可能な時間数を合算した時間である。まず、算出部116は、学習開始日を特定する。例えば、算出部116は、現在の日付または現在の日付の翌日など予め決められた日を学習開始日とする。これに代えて、算出部116は、対象者によって設定された日を学習開始日としてもよい。次に、算出部116は、学習終了日を特定する。例えば、算出部116は、「合格目標の試験」項目で入力された情報に基づいて受験予定の試験の当日または前日などの予め決められた日を学習終了日とする。これに代えて、算出部116は、対象者によって設定された日を学習終了日としてもよい。次に、算出部116は、「学習可能時間」項目に対する入力情報に基づいて、学習開始日から学習終了日まで期間について日々の学習可能な時間数を合算し、総学習時間を算出する。算出部116で算出される総学習時間は、対象者の学習予定に基づく総学習時間である。以下では、対象者の学習予定に基づく総学習時間は、単に「総学習時間」とも称される。
割当部117は、総学習時間に基づいて、講座に含まれる複数のレッスンの各々に学習時間を割り当てる。以下では、各レッスンに割り当てられる学習時間は、割当学習時間とも称される。最終的には、割当部117は、総学習時間を各レッスンに割り振り、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間となるように、各レッスンに割当学習時間を割り当てる。典型例では、割当部117は、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間となる条件下で講座受講後の試験の予測得点が最大となるように、各レッスンに割当学習時間を割り当てる。割当部117は、取得部118及びシミュレーション部119と連携しながら動作する。割当部117による動作例については後述する。
取得部118は、各レッスンの割当学習時間に応じたレッスンの成果を取得する。レッスンの成果は、対象者によるレッスンの受講によって得られると予測される成果である。以下では、レッスンの成果は、レッスン成果とも称される。レッスン成果は、試験の予測得点のシミュレーションに用いられる。例えば、レッスン成果は、100点満点中の点数で表される。レッスンがアウトプットレッスンである場合、レッスン成果は、各アウトプットレッスンの学習時間と各アウトプットレッスンで学習者によって獲得可能と予測される得点との関係により、割当学習時間に応じた各アウトプットレッスンで獲得可能と予測される得点である。以下では、アウトプットレッスンで獲得可能と予測される得点は、アウトプットレッスンの予測得点とも称される。レッスンがインプットレッスンである場合、レッスン成果は、0点である。これは、インプット学習といった受動的な学習よりもアウトプット学習といった能動的な学習の方が、実際の試験の得点に寄与する傾向にあるからである。なお、インプットレッスンは、対象者が知識を取り込むために用いられるので、実際の試験の得点にある程度寄与する。そのため、レッスンがインプットレッスンである場合、レッスン成果は、0点以外の点数を付与されてもよい。レッスン成果として付与される点数は、インプットレッスン毎に異なっていてもよい。レッスン成果として付与される点数は、割当学習時間の長さに応じて異なっていてもよい。取得部118は、割当部117及びシミュレーション部119と連携しながら動作する。取得部118による動作例については後述する。
シミュレーション部119は、各レッスンの割当学習時間に応じて、学習効果をシミュレーションする。典型例では、シミュレーション部119は、各レッスンの割当学習時間に応じたレッスン成果に基づいて、学習効果をシミュレーションする。最終的には、シミュレーション部119は、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間となる条件下の学習効果をシミュレーションする。以下では、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間となる条件下の学習効果は、総学習時間に基づく学習効果とも称される。以下では、試験の予測得点を学習効果の一例として説明する。シミュレーション部119は、総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点をシミュレーションする。典型例では、シミュレーション部119は、総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点の最大値をシミュレーションする。シミュレーション部119は、総学習時間に基づく講座受講前の試験の予測得点をシミュレーションしてもよい。シミュレーション部119は、総学習時間に基づく各レッスン受講後の試験の予測得点をシミュレーションしてもよい。なお、シミュレーション部119は、総学習時間に基づく試験の予測得点範囲をシミュレーションしてもよい。シミュレーション部119は、総学習時間に基づく試験の予測得点から所定点数引いた得点を下限値とし、総学習時間に基づく試験の予測得点に所定点数を加えた得点を上限値としてもよい。所定点数は、任意に設定可能である。シミュレーション部119は、割当部117及び取得部118と連携しながら動作する。シミュレーション部119による動作例については後述する。
シミュレーション部119は、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間とは異なる長さの他の総学習時間となる条件下の学習効果をシミュレーションしてもよい。以下では、各レッスンの割当学習時間の合計が他の総学習時間となる条件下の学習効果は、他の総学習時間に基づく他の学習効果とも称される。例えば、シミュレーション部119は、他の総学習時間に基づく試験の予測得点をシミュレーションする。この例では、まず、割当部117は、1以上の他の総学習時間を設定する。割当部117は、総学習時間よりも長い他の総学習時間を求めてもよい。シミュレーション部119は、総学習時間よりも短い他の総学習時間を求めてもよい。次に、割当部117は、各レッスンの割当学習時間の合計が他の総学習時間となるように、各レッスンに割当学習時間を割り当てる。典型例では、割当部117は、各レッスンの割当学習時間の合計が他の総学習時間となる条件下で講座受講後の試験の予測得点が最大となるように、各レッスンに割当学習時間を割り当てる。次に、取得部118は、各レッスンの割当学習時間に応じたレッスン成果を取得する。次に、シミュレーション部119は、各レッスンの割当学習時間に応じて、他の総学習時間に基づく試験の予測得点をシミュレーションする。シミュレーション部119は、他の総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点をシミュレーションする。典型例では、シミュレーション部119は、他の総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点の最大値をシミュレーションする。シミュレーション部119は、他の総学習時間に基づく講座受講前の試験の予測得点をシミュレーションしてもよい。シミュレーション部119は、他の総学習時間に基づく各レッスン受講後の試験の予測得点をシミュレーションしてもよい。なお、シミュレーション部119は、他の総学習時間に基づく試験の予測得点範囲をシミュレーションしてもよい。
シミュレーション結果出力部120は、通信インタフェース15を介して、シミュレーション部119によるシミュレーション結果に関するデータを端末2へ出力する。シミュレーション結果は、総学習時間に基づく学習効果を含む。例えば、シミュレーション結果は、総学習時間に基づく試験の予測得点を含む。シミュレーション結果は、総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点を含む。典型例では、総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点は、総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点の最大値である。シミュレーション結果は、総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点を中心とした所定点数の増減値を含んでいてもよい。所定点数は、任意に設定可能である。シミュレーション結果は、総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点に代えて、総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点範囲を含んでいてもよい。シミュレーション結果は、総学習時間に基づく講座受講前の試験の予測得点を含んでいてもよい。シミュレーション結果は、総学習時間に基づく各レッスン受講後の試験の予測得点を含んでいてもよい。
シミュレーション結果は、総学習時間に基づく各レッスンの割当学習時間を含む。典型例では、シミュレーション結果は、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間となる条件下で講座受講後の試験の予測得点が最大となるように割り当てられた各レッスンの割当学習時間を含む。
シミュレーション結果は、他の総学習時間に基づく他の学習効果を含んでいてもよい。例えば、シミュレーション結果は、他の総学習時間に基づく試験の予測得点を含む。シミュレーション結果は、他の総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点を含む。典型例では、他の総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点は、他の総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点の最大値である。シミュレーション結果は、他の総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点を中心とした所定点数の増減値を含んでいてもよい。所定点数は、任意に設定可能である。シミュレーション結果は、他の総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点に代えて、他の総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点範囲を含んでいてもよい。シミュレーション結果は、他の総学習時間に基づく講座受講前の試験の予測得点を含んでいてもよい。シミュレーション結果は、他の総学習時間に基づく各レッスン受講後の試験の予測得点を含んでいてもよい。
シミュレーション結果は、他の総学習時間に基づく各レッスンの割当学習時間を含む。典型例では、シミュレーション結果は、各レッスンの割当学習時間の合計が他の総学習時間となる条件下で講座受講後の試験の予測得点が最大となるように割り当てられた各レッスンの割当学習時間を含む。
以下では、シミュレーション結果に関するデータは、シミュレーション結果データとも称される。シミュレーション結果データは、シミュレーション結果の表示に関するデータである。シミュレーション結果データは、表示データの一例である。
端末2について説明する。
端末2は、講座の受講の申込前または申込後に、サーバ1によるシミュレーションで用いられる情報をサーバ1へ提供することができる。端末2は、対象者による講座の受講に用いられてもよい。例えば、端末2は、PC(Personal Computer)であるが、スマートフォン及びタブレットなどであってもよく、これらに限定されない。端末2は、ウェブブラウザを用いて表示してもよいし、アプリを用いて表示してもよい。
端末2は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、記憶装置24、通信インタフェース25、入力装置26及び表示装置27を備える。プロセッサ21、ROM22、RAM23、記憶装置24、通信インタフェース25、入力装置26及び表示装置27は、データバスなどを介して互いに接続される。図1では、通信インタフェースは、「通信I/F」と記載されている。
プロセッサ21は、端末2全体の動作を制御する。プロセッサ21は、上述のプロセッサ11と同様のハードウェアで構成される。プロセッサ21は、RAM23に展開されたプログラムを実行することで、後述する各部を実装し、種々の動作を実行する。
ROM22は、上述のROM12と同様のハードウェアで構成される。
RAM23は、上述のRAM13と同様のハードウェアで構成される。
記憶装置24は、上述の記憶装置14と同様のハードウェアで構成される。プログラムは、ネットワークを介して端末2にダウンロードされてもよい。プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたものが端末2にインストールされたものでもよい。
通信インタフェース25は、上述の通信インタフェース15と同様のハードウェアで構成される。
入力装置26は、対象者による操作に基づいて指示を受け付ける装置である。例えば、入力装置26は、キーボードまたはタッチパッドなどであるが、これらに限定されない。
表示装置27は、種々の画面を表示する装置である。例えば、表示装置27は、液晶ディスプレイであるが、これに限定されない。表示装置27は、表示部の例である。
なお、端末2のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。端末2は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
プロセッサ21に実装される各部について説明する。
プロセッサ21は、プログラムを実行することで、取得部211、表示制御部212及び出力部213を実装する。
取得部211は、通信インタフェース25を介して、種々の表示データをサーバ1から取得する。例えば、取得部211は、入力項目データをサーバ1から取得する。例えば、取得部211は、実力診断テストデータをサーバ1から取得する。例えば、取得部211は、テスト結果データをサーバ1から取得する。例えば、取得部211は、シミュレーション結果データをサーバ1から取得する。
表示制御部212は、種々の表示データに基づいて種々の画面を表示装置27に表示させる。例えば、表示制御部212は、入力項目データに含まれる必須項目データに基づいて必須項目の画面を表示装置27に表示させる。必須項目の画面例については後述する。例えば、表示制御部212は、入力項目データに含まれる任意項目データに基づいて任意項目の画面を表示装置27に表示させる。任意項目の画面例については後述する。例えば、表示制御部212は、実力診断テストデータに基づいて実力診断テストの画面を表示装置27に表示させる。実力診断テストの画面例については後述する。例えば、表示制御部212は、テスト結果データに基づいてテスト結果の画面を表示装置27に表示させる。テスト結果の画面例については後述する。例えば、表示制御部212は、シミュレーション結果データに基づいてシミュレーション結果の画面を表示装置27に表示させる。シミュレーション結果の画面例については後述する。
出力部213は、通信インタフェース25を介して、学習者によって種々の画面で入力された情報をサーバ1へ出力する。例えば、出力部213は、必須項目の画面で学習者によって入力された必須項目入力情報をサーバ1へ出力する。例えば、出力部213は、任意項目の画面で学習者によって入力された任意項目入力情報をサーバ1へ出力する。例えば、出力部213は、実力診断テストの画面で学習者によって入力された解答情報をサーバ1へ出力する。
上述の必須項目の画面例について説明する。
取得部211は、サーバ1の入力項目出力部111から出力される入力項目データをサーバ1から取得する。表示制御部212は、入力項目データに含まれる必須項目データに基づいて必須項目の画面を表示装置27に表示させる。
図2は、必須項目に関する画面を例示する図である。
必須項目に関する画面は、「対象資格」項目、「合格目標の試験」項目及び「学習可能時間」の項目の入力欄を表示する。ここでは、対象者は、「対象資格」項目の入力欄に中小企業診断士を入力したものとする。対象者は、「合格目標の試験」の入力欄に2020年10月試験を入力したものとする。
「学習可能時間」の項目の入力欄の表示例について説明する。
必須項目に関する画面は、平日及び週末(平日以外の日)のそれぞれについて、朝、日中及び夜の学習可能な時間数の入力欄を表示する。これと共にまたはこれに代えて、必須項目に関する画面は、曜日毎に、朝、日中及び夜の学習可能な時間数の入力欄を表示する。
図3は、学習可能時間の詳細設定に関する画面を例示する図である。
例えば、学習可能時間の詳細設定に関する画面は、図2に例示する必須項目に関する画面での対象者による「カレンダーで詳細な予定を入力」ボタンのクリックに基づいて遷移してもよい。学習可能時間の詳細設定に関する画面は、図2に例示する「学習可能時間」の項目の入力欄に入力された情報をカレンダーの各日のセルに反映して表示する。学習者は、カレンダーの各日のセルをクリックすることで、日毎の学習可能な時間数を変更することができる。
出力部213は、必須項目に関する画面での学習者による入力の完了に基づいて、必須項目入力情報をサーバ1へ出力する。
上述の任意項目に関する画面例について説明する。
図4は、任意項目に関する画面を例示する図である。
例えば、表示制御部212は、図2に例示する必須項目に関する画面での「次に進む」ボタンのクリックに基づいて、入力項目データに含まれる任意項目データに基づいて任意項目に関する画面を表示装置27に表示させてもよい。
任意項目に関する画面は、「以前の受験経験」項目及び「以前の学習経験」項目などの入力欄を表示する。「以前の受験経験」項目の入力欄は、受験経験の有無、受験時期及び受験時の科目別の得点などの項目の入力欄を含む。任意項目に関する画面は、「以前の学習経験」項目の入力欄は、学習経験の有無、科目別のレベルの自己評価などの項目を含む。
出力部213は、任意項目に関する画面での学習者による入力の完了に基づいて、任意項目入力情報をサーバ1へ出力する。
上述の実力診断テストに関する画面例について説明する。
取得部211は、サーバ1のテスト出力部113から出力される実力診断テストデータをサーバ1から取得する。表示制御部212は、実力診断テストデータに基づいて実力診断テストに関する画面を表示装置27に表示させる。
図5は、実力診断テストに関する画面を例示する図である。
例えば、実力診断テストに関する画面は、図4に例示する任意項目に関する画面から遷移してもよい。
ここでは、実力診断テストに関する画面は、通常版のテストまたは簡易版のテストを選択可能に表示する。
出力部213は、実力診断テストに関する画面での学習者による入力の完了に基づいて、解答情報をサーバ1へ出力する。
上述のテスト結果に関する画面例について説明する。
取得部211は、サーバ1のテスト結果出力部115から出力されるテスト結果データをサーバ1から取得する。表示制御部212は、テスト結果データに基づいて実力診断テスト結果に関する画面を表示装置27に表示させる。
図6は、テスト結果に関する画面を例示する図である。
例えば、テスト結果に関する画面は、図5に例示する任意項目に関する画面から遷移してもよい。
テスト結果に関する画面は、700点満点中の講座受講前の試験の予測得点(318点)を表示する。テスト結果に関する画面は、講座受講後の試験の予測得点の内訳となる講座受講前の科目別の予測得点を表示する。テスト結果に関する画面は、講座受講前の試験の予測得点及び講座受講前の科目別の予測得点に代えて、実力診断テストの結果そのもの(科目別の得点(100点満点中の得点)及び科目別の得点の合計点(700点満点中の得点))を表示してもよい。
上述のシミュレーション結果に関する画面のいくつかの例について説明する。
取得部211は、サーバ1のシミュレーション結果出力部120から出力されるシミュレーション結果データをサーバ1から取得する。表示制御部212は、シミュレーション結果データに基づいてシミュレーション結果に関する画面を表示装置27に表示させる。
図7は、シミュレーション結果に関する画面の一例を示す図である。
例えば、図7に例示するシミュレーション結果に関する画面は、図6に例示するテスト結果に関する画面での対象者による「シミュレーション結果に進む」ボタンのクリックに基づいて遷移してもよい。
シミュレーション結果に関する画面は、総学習時間に関する「シミュレーション1」欄を表示する。「シミュレーション1」欄は、「総学習時間」、「合格目標」、「予測得点」及び「予測合格率」の各欄を含む。「総学習時間」欄は、総学習時間(780時間)を表示する。「合格目標」欄は、上述の「合格目標の試験」項目で対象者によって入力された試験の受験予定時期(2020年試験)を表示する。「予測得点」欄は、総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点(400点)を表示する。「予測得点」欄は、総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点に代えて、総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点を中心とした所定点数の増減値(例えば、400±20点)を表示してもよい。「予測得点」欄は、総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点に代えて、総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点範囲(例えば、380−420点)を表示してもよい。「予測合格率」欄は、合格率(25%)を表示する。合格率は、シミュレーション部119によって講座受講後の試験の予測得点及び試験の合格点などに基づいてシミュレーションされてもよい。対象者は、総学習時間に基づく学習効果を確認することで、総学習時間での講座の効果的な受講により得られると予測される試験結果を把握することができる。
シミュレーション結果に関する画面は、他の総学習時間に関する情報を表示することができる。図7の例では、シミュレーション結果に関する画面は、3つの他の総学習時間に関する情報を表示しているが、1、2または4以上の他の総学習時間に関する情報を表示してもよい。「シミュレーション2」欄は、「他の総学習時間」、「予測得点」及び「予測合格率」の各欄を含む。「他の総学習時間」欄は、他の総学習時間(900時間)を表示する。「予測得点」欄は、他の総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点(420点)を表示する。「予測得点」欄は、他の総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点に代えて、他の総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点を中心とした所定点数の増減値(例えば、420±20点)を表示してもよい。「予測得点」欄は、他の総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点に代えて、他の総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点範囲(例えば、400−440点)を表示してもよい。「予測合格率」欄は、合格率(35%)を表示する。「シミュレーション3」欄及び「シミュレーション4」欄は、「シミュレーション2」欄と同様である。対象者は、他の総学習時間に基づく他の学習効果を確認することで、他の総学習時間での講座の効果的な受講により得られると予測される試験結果を把握することができる。これにより、対象者は、試験に合格するために学習時間を増やすなど、適切に行動することができる。
図8は、シミュレーション結果の詳細に関する画面の例を示す図である。
例えば、図8に例示するシミュレーション結果の詳細に関する画面は、図7に例示する画面シミュレーション結果に関する画面での対象者による「選択する」ボタンのクリックに基づいて遷移してもよい。
図8に例示するシミュレーション結果に関する画面は、中小企業診断士のうち、科目1「企業経営理論」を構成するいくつかのレッスンに関する情報を表示する。各レッスンの欄は、「割当学習時間」及び「予測得点」の各欄を含む。「割当学習時間」欄は、各レッスンの割当学習時間を表示する。「予測得点」欄は、レッスン受講後の試験の予測得点である。例えば、「スマート問題集:1−1経営と戦略の全体像」のレッスンでは、「予測得点」欄は、このレッスン受講後の試験の予測得点である319点を表示する。「予測得点」欄に表示される点数は、後半のレッスンに進むにつれ高くなる。そのため、講座を構成する最後のレッスンの「予測得点」欄に表示される点数は、講座受講後の試験の予想得点に相当する。対象者は、各レッスンの割当学習時間を確認することで、講座を効果的に受講するために各レッスンにどの程度の時間を費やす必要があるのかを把握することができる。
図9は、シミュレーション結果の詳細に関する画面の別の例を示す図である。
例えば、図9に例示するシミュレーション結果の詳細に関する画面は、図8に例示する画面から遷移してもよい。
図9に例示するシミュレーション結果に関する画面は、カレンダーの各日のセルを表示し、日毎のレッスンの割当を表示する。各日のセルは、学習可能時間及びレッスン名を表示する。各日の学習可能時間は、必須入力項目の「学習可能時間」項目に対する入力情報に基づいている。各レッスンは、各日に割り当てられる1以上のレッスンの割当学習時間の合計が対応する日の学習可能時間以下となるように、予め決められた受講順番どおりに各日に割り当てられる。対象者は、いつどのレッスンを受講すればいいのかを容易に把握することができる。
サーバ1の動作例について説明する。
図10は、サーバ1の動作例を示すフローチャートである。なお、図10に示される1以上の動作は、適宜変更または省略されてもよい。
プロセッサ11は、通信インタフェース15を介して、シミュレーション開始の要求を端末2から取得する(ステップS101)。入力項目出力部111は、通信インタフェース15を介して、入力項目データを端末2へ出力する(ステップS102)。入力情報取得部112は、通信インタフェース15を介して、必須項目入力情報を端末2から取得する(ステップS103)。入力情報取得部112は、通信インタフェース15を介して、任意項目入力情報を端末2から取得する(ステップS104)。なお、任意項目が対象者によって入力されていない場合、入力情報取得部112は、ステップS104の処理を省略する。
テスト出力部113は、通信インタフェース15を介して、実力診断テストデータを端末2へ出力する(ステップS105)。解答情報取得部114は、通信インタフェース15を介して、解答情報を端末2から取得する(ステップS106)。テスト結果出力部115は、通信インタフェース15を介して、テスト結果データを端末2へ出力する(ステップS107)。算出部116は、必須項目入力情報に含まれる「学習可能時間」項目に対する入力情報に基づいて学習開始日から学習終了日までの総学習時間を算出する(ステップS108)。
割当部117は、総学習時間に基づいて、複数のレッスンの各々に割当学習時間を割り当てる(ステップS109)。取得部118は、各レッスンの割当学習時間に応じたレッスン成果を取得する(ステップS110)。シミュレーション部119は、各レッスンの割当学習時間に応じたレッスン成果に基づいて、学習効果をシミュレーションする(ステップS111)。シミュレーション結果出力部120は、通信インタフェース15を介して、シミュレーション結果データを端末2へ出力する(ステップS112)。
実施形態によれば、サーバ1は、総学習時間に基づく学習効果のシミュレーションにより、対象者の限られた時間の中での効果的な講座の受講を支援することができる。また、サーバ1は、総学習時間に基づく講座受講後の試験の予測得点(好ましくは最大値)をシミュレーションすることにより、より効果的な講座の受講を支援することができる。
試験の予測得点のシミュレーション例について説明する。
まず、シミュレーションの対象となる講座の構成例について説明する。
図11は、講座の構成例を示す図である。ここでは、中小企業診断士の講座を例にして説明する。
講座は、複数(m個)のレッスンで構成されている。図11に示す番号1〜mは、レッスンの番号を示す。レッスンの番号は、受講順に対応する。複数のレッスンは、複数のインプットレッスンを含む。複数のレッスンは、複数のアウトプットレッスンを含む。講座は、科目1〜7の7つに分けられている。各科目は、複数のレッスンで構成されている。科目1は、「1−1」〜「1−12」までの12個のレッスン単位で構成されている。レッスン単位は、科目1のテーマに応じて分けられた纏まりである。各レッスン単位は、1つのインプットレッスン及び2つのアウトプットレッスンで構成されている。図11の「I」は、インプットレッスンを示す。図11の「O」は、アウトプットレッスンを示す。図11の「O1」は、基礎問題を収録するアウトプットレッスンを示す。例えば、基礎問題は、オリジナル問題である。図11の「O2」は、過去問を収録するアウトプットレッスンを示す。「O1」と「O2」は、難易度に応じて分けられていてもよい。各レッスン単位は、2以上のインプットレッスンを含んでいてもよいし、インプットレッスンを全く含んでいなくてもよい。各レッスン単位は、1つのアウトプットレッスンを含んでいてもよいし、3以上のアウトプットレッスンを含んでいてもよい。
次に、試験の予測得点の計算式について説明する。
図12は、試験の予測得点の計算式を例示する図である。
試験の予測得点の計算式は、式(1)〜(4)で示される。
レッスン単位別の予測得点=レッスン単位に含まれる各アウトプットレッスンの予測得点の単純平均…式(1)
割合調整後の予測得点=レッスン単位別の予測得点×配点割合…式(2)
科目別の予測得点=割合調整後の予測得点の科目別合計…式(3)
試験の予測得点=科目別の予測得点の合計…式(4)
式(1)におけるアウトプットレッスンの予測得点は、アウトプットレッスンの割当学習時間と後述する習熟度曲線に基づいて決まる。アウトプットレッスンの予測得点は、後述するように、割当学習時間に応じて変化する。例えば、アウトプットレッスンの予測得点は、100点満点中の予測得点である。
式(1)及び(2)におけるレッスン単位別の予測得点は、レッスン単位に含まれる各アウトプットレッスンの予測得点を単純平均した予測得点である。例えば、レッスン単位別の予測得点は、100点満点中の予測得点である。
式(2)における配点割合は、科目の満点(100点)に対して各レッスン単位のテーマに割り当てられた配点の割合である。配点割合は、後述するレッスン別配点テーブルで管理されている。
式(2)及び(3)における割合調整後の予測得点は、レッスン単位別の予測得点を配点割合に応じて調整した後のレッスン単位別の予測得点である。
式(3)及び(4)における科目別の予測得点は、割合調整後の予測得点の合計によって得られ、対象者が獲得可能と予測される科目の予測得点である。例えば、科目別の予測点は、100点満点中の予測得点である。
式(1)〜(4)から分かるように、アウトプットレッスンの受講は、試験の予測得点に寄与する。そのため、1つのアウトプットレッスンの割当学習時間が変わると、このアウトプットレッスンの予測得点は変わり、その結果、試験の予測得点も変わる。
なお、式(1)では、レッスン単位別の予測得点は、レッスン単位に含まれる各アウトプットレッスンの予測得点を単純平均したものであるが、これに限定されない。
一例では、レッスン単位別の予測得点は、各アウトプットレッスン予測得点を係数で補正し、補正後の各アウトプットレッスンの予測得点を単純平均したものであってもよい。係数は、アウトプットレッスンの難易度と実際の試験の難易度との関係を考慮して設定される。例えば、過去問のアウトプットレッスンの係数は、基礎問題のアウトプットレッスンの係数よりも大きくてもよい。基礎問題の係数及び過去問の係数は、レッスン単位間で共通化してもよいし、レッスン単位毎に設定されてもよい。これにより、試験の予測得点のシミュレーション精度は向上する。
別の例では、レッスン単位別の予測得点は、機械学習による予測モデルを用いて、導き出されてもよい。予測モデルの説明変数は、レッスン単位に含まれる各アウトプットレッスンの予測得点であり、目的変数は、レッスン単位の得点である。例えば、プロセッサ11は、各アウトプットレッスンの予測得点及び模試の得点または実際の試験の得点などを含む複数の学習者のデータを用いて、機械学習により、予め予測モデルを生成してもよい。なお、プロセッサ11は、予測モデルを適宜更新してもよい。これにより、試験の予測得点のシミュレーション精度は向上する。
なお、式(1)では、インプットレッスンの受講は、考慮されていない。これは、インプットレッスンの受講は、アウトプットレッスンの受講よりも実際の試験の得点に反映されにくい傾向にあるからである。しかしながら、インプットレッスンは、対象者が知識を取り込むために用いられるので、実際の試験の得点にある程度寄与する。そのため、式(1)は、レッスン単位別の予測得点にレッスン単位に含まれる各インプットレッスンの受講を寄与させるように変形されてもよい。この例では、各インプットレッスンに付与される点数は、割当学習時間の長さなどに応じて適宜設定されてもよい。
次に、レッスン別配点テーブルについて説明する。レッスン別配点テーブルは、科目の満点(100点)に対して各レッスン単位のテーマに割り当てられた配点の割合を示す。以下では、配点の割合は、配点割合とも称される。記憶装置14は、科目別にレッスン別配点テーブルを記憶している。
図13は、科目1のレッスン別配点テーブルを例示する図である。
科目1のレッスン別配点テーブルは、「1−1」〜「1−12」のレッスン単位と配点割合を紐付ける。科目1のレッスン別配点テーブルは、「1−1」〜「1−12」のレッスン単位の何れでも触れられていないテーマを「その他」とし、「その他」と配点割合を紐付ける。配点割合は、過去問を参照した出題数に基づいて決定されてもよいし、過去問を参照した配点に基づいて決定されてもよい。科目1のレッスン別配点テーブルは、適宜更新されてもよい。科目1のレッスン別配点テーブルを例にして説明したが、科目2〜7のレッスン別配点テーブルは、科目1のレッスン別配点テーブルと同様に構成される。
次に、習熟度曲線について説明する。習熟度曲線は、アウトプットレッスンの学習時間とアウトプットレッスンの予測得点との関係を示す曲線である。
図14は、習熟度曲線を例示する図である。
横軸は、アウトプットレッスンの学習時間を示す。縦軸は、アウトプットレッスンの予測得点を示す。アウトプットレッスンの予測得点の上限は、100点とする。典型的な習熟度曲線では、図14に例示するように、学習開始から間もないうちの所定時間当たりの予測得点の上昇効果(伸び率)は大きい。学習開始から時間が経過するにつれて、予測得点自体は高くなるが、所定時間当たりの予測得点の上昇効果は小さくなる。最終的には、予測得点は、どれだけ学習時間を長くしてもある得点のままとなる。または、予測得点は、あるタイミングで満点となり、どれだけ学習時間を長くしても満点のままとなる。このように、予測得点の上昇効果は、学習開始からの時間の経過につれて小さくなる。
習熟度曲線は、以下で説明するように、アウトプットレッスン毎にプロセッサ11によって作成される。まず、プロセッサ11は、学習時間が0時間の場合の各アウトプットレッスンの予測得点を求める。例えば、プロセッサ11は、テスト結果に基づいて、学習時間が0時間の場合の各アウトプットレッスンの予測得点を求めることができる。この例では、プロセッサ11は、式(1)〜(4)を用いて求まる学習時間が0時間の場合の試験の予測得点が実力診断テストに基づく講座受講前の試験の予測得点と一致するように、学習時間が0時間の場合の各アウトプットレッスンの予測得点を求める。学習時間が0時間の場合の各アウトプットレッスンの予測得点は、アウトプットレッスン毎に同じこともあり得るが、異なることもあり得る。レッスン単位に含まれる複数のアウトプットレッスンについては、学習時間が0時間の場合の各アウトプットレッスンの予測得点は、同じであってもよい。
次に、プロセッサ11は、習熟度曲線の軌跡を設定する。例えば、シミュレーション部119は、任意項目入力情報に基づいて習熟度曲線の軌跡を設定してもよい。一例では、プロセッサ11は、機械学習による予測モデルを用いて、任意項目入力情報に基づいて習熟度曲線の軌跡を設定してもよい。この例では、プロセッサ11は、予め、全てまたは複数の受講者の過去の学習履歴、過去の得点履歴及び任意項目入力情報で特定される属性などに基づいて、機械学習により、学習時間の増加につれてどれくらいアウトプットレッスンの予測得点が上がるのかを予測する習熟度曲線の予測モデルを生成することができる。例えば、過去の学習履歴は、各アウトプットレッスンの学習時間などを含む。例えば、過去の得点履歴は、各アウトプットレッスンの得点などを含む。プロセッサ11は、予測モデルを適宜更新してもよい。
別の例では、プロセッサ11は、任意項目入力情報と習熟度曲線の軌跡とを紐付けるデータベースを参照し、対象者の任意項目入力情報に基づいてデータベースから習熟度曲線を選択してもよい。この例では、データベースは、アウトプットレッスン毎に用意されていてもよい。プロセッサ11は、対象者の任意項目入力情報に一致または類似する任意項目入力情報をデータベースで検索し、データベースから習熟度曲線を選択してもよい。
任意項目入力情報で特定される属性は、アウトプットレッスンの学習時間と得点との関係に影響を与える要因である。例えば、以前の受験経験または以前の学習経験がある人は、以前の受験経験または以前の学習経験がない人よりも、アウトプットレッスンの学習時間が0時間での得点が同じであっても、前者の人の伸び率が大きい可能性がある。そのため、習熟度曲線は、学習時間が0時間での得点が同じであっても、アウトプットレッスン毎に同じこともあり得るが、異なることもあり得る。これは、レッスン単位に含まれる複数のアウトプットレッスンの習熟度曲線についても同様である。
このように、プロセッサ11は、全てのアウトプットレッスンレッスンについて画一的な習熟度曲線ではなく、アウトプットレッスン毎の習熟度曲線を取得することができる。例えば、難しいアプトプットレッスンについては、プロセッサ11は、習熟の遅い(例えば、学習開始から間もないうちの所定時間当たりの予測得点の上昇効果が緩やかな)習熟度曲線を求めることができる。例えば、簡単なアプトプットレッスンについては、プロセッサ11は、習熟の早い(例えば、学習開始から間もないうちの所定時間当たりの予測得点の上昇効果が急な)習熟度曲線を求めることができる。また、プロセッサ11は、同じアウトプットレッスンであっても、受講者毎に異なる習熟度曲線を取得することができる。
次に、試験の予測得点のシミュレーション動作について説明する。
まず、割当部117は、予め定められた標準学習時間を各レッスンに割り当てる。標準学習時間は、各レッスンの受講に最低限必要とされる時間である。標準学習時間は、適宜更新可能である。標準学習時間は、レッスン毎に異なっていてもよいし、同じであってもよい。例えば、標準学習時間は、インプットレッスン毎に異なっていてもよいし、同じであってもよい。例えば、標準学習時間は、アウトプットレッスン毎に異なっていてもよいし、同じであってもよい。例えば、レッスン単位が複数のアウトプットレッスンを含んでいる場合、複数のアウトプット学習レッスンのそれぞれの標準学習時間は、異なっていてもよいし、同じであってもよい。この時点では、各レッスンの割当学習時間の合計は、各レッスンの標準学習時間の合計に相当する。
次に、シミュレーション部119は、以下に例示するように、講座を構成する複数のレッスンのうち、1回目の1単位時間の追加に適した1つのレッスンを判断する。例えば、単位時間は、10分などであるが、これに限定されない。単位時間は、適宜変更可能である。ここでは、まず、割当部117は、1番目のレッスンの割当学習時間に1単位時間を追加する。この時点では、1番目のレッスンの割当学習時間は、標準学習時間と1単位時間の合計である。取得部118は、各アウトプットレッスンの習熟度曲線を用いて、各アウトプットレッスンの予測得点を取得する。シミュレーション部119は、式(1)〜(4)を用いて、試験の予測得点をシミュレーションする。シミュレーション部119は、割当学習時間に応じた各アウトプットレッスンの予測得点を式(1)に代入し、講座受講後の試験の予測得点をシミュレーションする。この例では、取得部118は、各アウトプットレッスンの習熟度曲線を用いて、割当学習時間に応じた各アウトプットレッスンの予測得点を取得する。
なお、シミュレーション部119は、各アウトプットレッスンの学習時間が0時間の場合の各アウトプットレッスンの予測得点を式(1)に代入し、講座受講前の試験の予測得点をシミュレーションすることもできる。この例では、取得部118は、各アウトプットレッスンの習熟度曲線を用いて、各アウトプットレッスンの学習時間が0時間の場合のアウトプットレッスンの予測得点を取得している。
なお、シミュレーション部119は、レッスン受講後の試験の予測得点をシミュレーションしてもよい。
一例では、シミュレーション部119は、以下に例示するようにレッスン単位別の予測得点を求め、式(2)〜(4)に基づいてレッスン受講後の試験の予測得点をシミュレーションしてもよい。式(4)で求まる試験の予測得点は、レッスン受講後の試験の予測得点に対応する。ここでは、アウトプットレッスンA受講後のレッスン単位別の予測得点を求める例について説明する。シミュレーション部119は、あるレッスン単位に含まれるアウトプットレッスンのうち直近で受講済となるアウトプットレッスンを抽出する。シミュレーション部119は、直近で受講済となるアウトプットレッスンの習熟度曲線を用いて、割当学習時間に応じたアウトプットレッスンの予測得点を取得する。シミュレーション部119は、取得したアウトプットレッスンの予測得点を、このレッスン単位の予測得点とする。つまり、このレッスン単位に未受講となるアウトプットレッスンが含まれていても、レッスン単位の予測得点は、未受講となるアウトプットレッスンの影響を受けず、変化しない。シミュレーション部119は、全てのレッスン単位について上記同様にレッスン単位の予測得点を求める。
別の例では、シミュレーション部119は、割当学習時間に応じたアウトプットレッスンの予測得点及びアウトプットレッスンの学習時間が0時間の場合のアウトプットレッスンの予測得点を適宜式(1)に代入し、レッスン受講後の試験の予測得点をシミュレーションしてもよい。例えば、シミュレーション部119は、2番目及び3番目のレッスンの割当学習時間に応じたアウトプットレッスンの予測得点及び4番目以降のレッスンの学習時間が0時間の場合のアウトプットレッスンの予測得点を式(1)に代入し、3番目のレッスン受講後の試験の予測得点をシミュレーションすることができる。この例では、取得部118は、各アウトプットレッスンの習熟度曲線を用いて、2番目及び3番目のレッスンの割当学習時間に応じたアウトプットレッスンの予測得点を取得する。取得部118は、各アウトプットレッスンの習熟度曲線を用いて、4番目のレッスン以降のレッスンについて学習時間が0時間の場合のアウトプットレッスンの予測得点をしている。
シミュレーション部119は、試験の予測得点を、1単位時間を追加したレッスンの番号と紐付けて記憶装置14へ保存する。割当部117は、1番目のレッスンの割当学習時間から1単位時間を差し引く。この時点で、1番目のレッスンの割当学習時間は、標準学習時間に戻る。
次に、割当部117は、2番目のレッスンの割当学習時間に1単位時間を追加する。この時点では、2番目のレッスンの割当学習時間は、標準学習時間と1単位時間の合計である。取得部118は、各アウトプットレッスンの習熟度曲線を用いて、各アウトプットレッスンの予測得点を取得する。シミュレーション部119は、試験の予測得点をシミュレーションする。シミュレーション部119は、試験の予測得点を、1単位時間を追加したレッスンの番号と紐付けて記憶装置14へ保存する。割当部117は、2番目のレッスンの割当学習時間から1単位時間を差し引く。この時点で、2番目のレッスンの割当学習時間は、標準学習時間に戻る。
シミュレーション部119は、同様に、何れか1つのレッスンの割当学習時間に対する1単位時間の追加に応じて、試験の予測得点のシミュレーションを繰り返す。つまり、シミュレーション部119は、試験の予測得点のシミュレーションをm回繰り返す。
次に、シミュレーション部119は、記憶装置14を参照し、m個の講座受講後の試験の予想得点を比較する。シミュレーション部119は、m個の講座受講後の試験の予想得点のうち、最も大きい講座受講後の試験の予想得点を抽出する。シミュレーション部119は、記憶装置14を参照し、最も大きい講座受講後の試験の予想得点に紐付けられているレッスンの番号を抽出する。これにより、シミュレーション部119は、1単位時間の追加によって講座受講後の試験の予測得点を最も高くする1つのレッスンを判断する。割当部117は、講座を構成する複数のレッスンのうち、講座受講後の試験の予想得点を最も大きくするレッスンの割当学習時間に1単位時間を追加する。ここでは、割当部117は、「7−12 O2」レッスンの割当学習時間に1単位時間を追加するものとする。この時点では、各レッスンの割当学習時間の合計は、各レッスンの標準学習時間と1単位時間の合計に相当する。シミュレーション部119は、記憶装置14に保存されている試験の予測得点の中から、1単位時間を追加した「7−12 O2」レッスンに関連付けられている試験の予測得点を採用する。シミュレーション部119は、「7−12 O2」レッスン以外のレッスンに関連付けられている試験の予測得点を記憶装置14から消去する。
なお、割当部117は、インプットレッスンの割当学習時間に対する1単位時間の追加を省略してもよい。この例では、シミュレーション部119は、試験の予測得点のシミュレーション回数を減らすことができる。
次に、各レッスンの割当学習時間の合計(各レッスンの標準学習時間と1単位時間の合計)が総学習時間に到達していない場合、シミュレーション部119は、1回目の1単位時間の追加と同様に、講座を構成する複数のレッスンのうち、2回目の1単位時間の追加に適した1つのレッスンを判断する。ここでは、シミュレーション部119は、「1−12 O2」レッスンが1単位時間の追加によって講座受講後の試験の予測得点を最も高くするレッスンであると判断したものとする。割当部117は、「1−12 O2」レッスンの割当学習時間に1単位時間を追加する。この時点では、各レッスンの割当学習時間の合計は、各レッスンの標準学習時間と2単位時間の合計に相当する。シミュレーション部119は、記憶装置14に保存されている試験の予測得点の中から、1単位時間を追加した「1−12 O2」レッスンに関連付けられている試験の予測得点を採用する。シミュレーション部119は、「1−12 O2」レッスン以外のレッスンに関連付けられている試験の予測得点を記憶装置14から消去する。
割当部117は、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間に到達するまで講座を構成する複数のレッスンのうちの何れか1つのレッスンの割当学習時間への1単位時間の追加を繰り返す。例えば、当初、割当部117は、1単位時間の追加で試験の予測得点の上昇に最も効果的なアウトプットレッスンに1単位時間を連続的に割り当て得る。しかしながら、割当部117がこのアウトプットレッスンへの1単位時間の追加を繰り返すにつれ、図14の例から分かるように、このアウトプットレッスンの予測得点の上昇効果は徐々に低くなる。その結果、試験の予測得点の上昇効果も徐々に低くなる。つまり、割当部117は、このアウトプットレッスンへ1単位時間を追加するよりも、他のアウトプットレッスンへ1単位時間を追加した方が試験の予測得点の上昇効果を相対的に高くすることができる。そのため、その後、割当部117は、他のアウトプットレッスンへ1単位時間を追加する。このように、割当部117は、試験の予測得点の上昇に最も効果的なアウトプットレッスンへの1単位時間の追加を繰り返す。最終的には、割当部117は、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間となるように、各レッスンに割当学習時間を割り当てる。割当部117は、試験の予測得点が最も高くなるような各レッスンへの割当学習時間の割り当てを実現することができる。シミュレーション部119は、総学習時間に基づく試験の予測得点をシミュレーションする。
次に、図15〜17を用いて、標準学習時間合計に基づく試験の予測得点から総学習時間に基づく予測得点までの変化について説明する。
図15は、各レッスンの標準学習時間の合計に基づく試験の予測得点及び各レッスンの標準学習時間と1単位時間の合計に基づく試験の予測得点を例示する図である。
横軸は、各レッスンを示す。左側の縦軸は、学習時間を示す。右側の縦軸は、試験の予測得点を示す。棒グラフは、各レッスンの割当学習時間を示す。棒グラフの実線部分は、標準学習時間を示す。「7−12 O2」レッスンの棒グラフに付加されている破線は、1回目の1単位時間の追加を示す。
バツ印は、標準学習時間の合計に基づく試験の予測得点を示す。つまり、バツ印は、各レッスンの割当学習時間の合計が各レッスンの標準学習時間の合計に相当する場合の例である。左側の縦軸のバツ印は、各レッスンに標準学習時間が割り当てられている状態における、講座受講前の試験の予測得点を示す。各レッスンに関連付けられているバツ印は、各レッスンに標準学習時間が割り当てられている状態における、各レッスン受講後の試験の予測得点を示す。例えば、「7−12 O2」レッスンに関連付けられているバツ印は、「7−12 O2」レッスン受講後の試験の予測得点を示す。「7−12 O2」レッスン受講後の試験の予測得点は、講座受講後の試験の予測得点に対応する。
丸印は、各レッスンの標準学習時間と1単位時間の合計に基づく試験の予測得点を示す。つまり、丸印は、各レッスンの割当学習時間の合計が各レッスンの標準学習時間と1単位時間の合計に相当する場合の例である。左側の縦軸の丸印は、各レッスンに標準学習時間が割り当てられ、さらに、「7−12 O2」レッスンに1単位時間が追加されている状態における、講座受講前の試験の予測得点を示す。各レッスンに関連付けられている丸印は、各レッスンに標準学習時間が割り当てられ、さらに、「7−12 O2」レッスンに1単位時間が追加されている状態における、各レッスン受講後の試験の予測得点を示す。例えば、「7−12 O2」レッスンに関連付けられている丸印は、「7−12 O2」レッスン受講後の試験の予測得点を示す。
各レッスンの標準学習時間の合計に基づく試験の予測得点と各レッスンの標準学習時間と1単位時間の合計に基づく試験の予測得点を比較する。「1−1 I」レッスンから「7−12 O1」レッスンの割当学習時間は両ケースで同じであるので、各レッスン受講後の試験の予測得点は、両ケースで同じである。講座受講後の試験の予測得点は、「7−12 O2」レッスンの割当学習時間に対する1単位時間の追加により増加する。
図16は、各レッスンの標準学習時間と1単位時間の合計に基づく試験の予測得点及び各レッスンの標準学習時間と2単位時間の合計に基づく試験の予測得点を例示する図である。
横軸は、各レッスンを示す。左側の縦軸は、学習時間を示す。右側の縦軸は、試験の予測得点を示す。棒グラフは、各レッスンの割当学習時間を示す。棒グラフの実線部分は、標準学習時間を示す。「7−12 O2」レッスンの棒グラフに付加されている破線は、1回目の1単位時間の追加を示す。「1−12 O2」レッスンの棒グラフに付加されている一点鎖線は、2回目の1単位時間の追加を示す。
丸印は、図15と同様に、各レッスンの標準学習時間と1単位時間の合計に基づく試験の予測得点を示す。
三角印は、各レッスンの標準学習時間と2単位時間の合計に基づく試験の予測得点を示す。つまり、三角印は、各レッスンの割当学習時間の合計が各レッスンの標準学習時間と2単位時間の合計に相当する場合の例である。左側の縦軸の三角印は、各レッスンに標準学習時間が割り当てられ、さらに、「1−12 O2」レッスン及び「7−12 O2」レッスンそれぞれに1単位時間が追加されている状態における、講座受講前の試験の予測得点を示す。各レッスンに関連付けられている三角印は、各レッスンに標準学習時間が割り当てられ、さらに、「1−12 O2」レッスン及び「7−12 O2」レッスンそれぞれに1単位時間が追加されている状態における、各レッスン受講後の試験の予測得点を示す。例えば、「7−12 O2」レッスンに関連付けられている三角印は、「7−12 O2」レッスン受講後の試験の予測得点を示す。
各レッスンの標準学習時間と1単位時間の合計に基づく試験の予測得点と各レッスンの標準学習時間と2単位時間の合計に基づく試験の予測得点を比較する。「1−1 I」レッスンから「1−12 O2」レッスンの1つ前のレッスンの割当学習時間は両ケースで同じであるので、各レッスン受講後の試験の予測得点は、両ケースで同じである。「1−12 O2」レッスン受講後の試験の予測得点は、「1−12 O2」レッスンの割当学習時間に対する1単位時間の追加により増加する。「1−12 O2」レッスンの割当学習時間に対する1単位時間の追加による得点の増加幅は、「1−12 O2」レッスン以降のレッスン受講後の試験の予測得点にも寄与する。その結果、各レッスンの標準学習時間と2単位時間の合計に基づく講座受講後の試験の予測得点は、各レッスンの標準学習時間と1単位時間の合計に基づく講座受講後の試験の予測得点よりも増加する。
図17は、総学習時間に基づく試験の予測得点を例示する図である。
横軸は、各レッスンを示す。左側の縦軸は、学習時間を示す。右側の縦軸は、試験の予測得点を示す。棒グラフは、各レッスンの割当学習時間を示す。棒グラフの実線部分は、標準学習時間を示す。棒グラフに付加されている斜線のブロックは、各レッスンに追加された1単位時間を示す。このように、典型例では、各アウトプットレッスンには、標準学習時間に対して1以上の1単位時間が追加されている。また、各アウトプットレッスンに追加される1単位時間の数は、アウトプットレッスン毎に異なる。
式(1)〜(4)から分かるように、インプットレッスンの受講は、試験の予測得点に寄与しないので、各インプットレッスンには、1単位時間は追加されていない。式(1)〜(4)がインプットレッスンの受講(例えば、受講時間)を考慮するように変形される場合、各インプットレッスンには、1以上の数の1単位時間が追加され得る。
四角印は、総学習時間に基づく試験の予測得点を示す。左側の縦軸の四角印は、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間となるように各レッスンに割当学習時間が割り当てられている状態における、講座受講前の試験の予測得点を示す。各レッスンに関連付けられている四角印は、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間となるように各レッスンに割当学習時間が割り当てられている状態における、各レッスン受講後の試験の予測得点を示す。例えば、「7−12 O2」レッスンに関連付けられている四角印は、「7−12 O2」レッスン受講後の試験の予測得点を示す。
図15〜図17から分かるように、割当部117が1つのレッスンの割当学習時間への1単位時間の追加を繰り返すにつれ、講座受講後の試験の予測得点は徐々に増加する。
図18は、サーバ1によるシミュレーション動作例を示すフローチャートである。
図18に例示するフローチャートは、図10に例示するステップS109〜S111の詳細な一例を示す。
まず、割当部117は、各レッスンに、予め定められた標準学習時間を割り当てる(ステップS201)。次に、割当部117は、レッスンの番号を示す変数iに1を設定する(ステップS202)。割当部117は、1番目のレッスンの割当学習時間に1単位時間を追加する(ステップS203)。
取得部118は、各レッスンの割当学習時間に応じたレッスン成果を取得する(ステップS204)。シミュレーション部119は、各レッスンの割当学習時間に応じたレッスン成果に基づいて、試験の予測得点をシミュレーションする(ステップS205)。シミュレーション部119は、試験の予測得点を、1単位時間を追加したレッスンの番号と紐付けて記憶装置14へ保存する(ステップS206)。割当部117は、1番目のレッスンの割当学習時間から1単位時間を差し引く(ステップS207)。割当部117は、i=mか否かを判断する(ステップS208)。i=mではない場合(ステップS208、No)、割当部117は、変数iの値をインクリメントする(ステップS209)。
i=mである場合(ステップS208、Yes)、割当部117は、講座受講後の試験の予想得点の比較に基づいて、講座を構成する複数のレッスンのうちの何れか1つのレッスンの割当学習時間に1単位時間を追加する(ステップS210)。シミュレーション部119は、記憶装置14に保存されている試験の予測得点の中から、1単位時間を追加したレッスンに関連付けられている試験の予測得点を採用する(ステップS211)。
シミュレーション部119は、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間に到達したか否かを判断する(ステップS212)。各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間に到達していない場合(ステップS212、No)、プロセッサ11は、ステップS202〜S212を繰り返す。各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間に到達した場合(ステップS212、Yes)、プロセッサ11は、シミュレーション動作を終了する。最終的には、割当部117は、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間となるように、各レッスンに割当学習時間を割り当てることができる。シミュレーション部119は、総学習時間に基づく試験の予測得点をシミュレーションすることができる。
なお、図18の例では、プロセッサ11は、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間に到達するまで何れか1つのレッスンの割当学習時間への1単位時間の追加を繰り返しているが、これに限定されない。プロセッサ11は、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間に到達する前に、何れか1つのレッスンの割当学習時間への1単位時間の追加を終了してもよい。例えば、プロセッサ11は、何れか1つのレッスンの割当学習時間へ1単位時間を追加しても、講座受講後の試験の予測得点が上昇し難くなったと判断した場合に、次以降の1単位時間の追加を終了することができる。例えば、プロセッサ11は、何れか1つのレッスンの割当学習時間への1単位時間の追加前後における講座受講後の試験の予測得点の差が所定点未満の場合、次以降の1単位時間の追加を終了してもよい。例えば、プロセッサ11は、何れか1つのレッスンの割当学習時間への1単位時間の追加前後における講座受講後の試験の予測得点の伸び率が所定割合未満の場合、次以降の1単位時間の追加を終了してもよい。
プロセッサ11は、各レッスンの割当学習時間の合計が総学習時間に到達する前に1単位時間の追加を終了した場合、以下のように、処理することができる。例えば、プロセッサ11は、通信インタフェース15を介して、各レッスンの割当学習時間の合計を示す情報を端末2へ出力してもよい。これにより、端末2は、総学習時間と共に各レッスンの割当学習時間の合計を表示し、各レッスンの割当学習時間の合計を対象者へ通知することができる。例えば、プロセッサ11は、残り時間をレッスン数で割って得られる時間を、各レッスンに均等に割り当ててもよい。例えば、プロセッサ11は、残り時間を復習の時間として確保してもよい。例えば、対象者が復習の時間に受講するレッスンは、対象者の苦手な科目またはテーマのレッスン、または、対象者が点数を伸ばしたい科目またはテーマのレッスンなどである。対象者が復習の時間に受講するレッスンは、対象者によって選択されてもいいし、プロセッサ11によって推奨されてもよい。
上述のように、シミュレーション部119は、習熟度曲線のような関係を用いて試験の予測得点をシミュレーションすることで、試験の予測得点のシミュレーション精度を向上させることができる。
次に、変形例について説明する。
プロセッサ11は、忘却曲線を用いて、試験の予測得点をシミュレーションしてもよい。例えば、プロセッサ11は、上述の図18のステップS205において、講座受講後の試験の予測得点をシミュレーションする。
図19及び図20は、忘却を考慮した講座受講後の試験の予測得点のシミュレーション例を示す図である。図19は、プロセッサ11がステップS203において実力養成期の「1−1 O2」レッスンの割当学習時間に1単位時間を追加する前に、講座受講後の試験の予測得点をシミュレーションする例を示す。図20は、プロセッサ11がステップS203において実力養成期の「1−1 O2」レッスンの割当学習時間に1単位時間を追加した後に、講座受講後の試験の予測得点をシミュレーションする例を示す。
まず、シミュレーションの対象となる中小企業診断士の講座の構成例について説明する。講座は、基礎力養成期と、実力養成期の順で構成される。基礎力養成期及び実力養成期は、それぞれ、図11に示す例と同様に、科目1〜7で構成されている。各科目は、複数のレッスンで構成されている。科目1は、「1−1」〜「1−12」までの12個のレッスン単位で構成されている。各レッスン単位は、2つのアウトプットレッスンを含む。「O1」は、基礎問題を収録するアウトプットレッスンを示す。「O2」は、過去問を収録するアウトプットレッスンを示す。このように、受講者は、基礎力養成期と実力養成期の両方で同じレッスン単位のアウトプットレッスンを受講する。例えば、受講者は、基礎力養成期で科目1のレッスン単位「1−1」のアウトプットレッスンを受講し、実力養成期でも科目1のレッスン単位「1−1」のアウトプットレッスンを受講する。以下では、基礎力養成期の「1−1 O1」レッスンは、先の「1−1 O1」レッスンとも称される。基礎力養成期の「1−1 O2」レッスンは、先の「1−1 O2」レッスンとも称される。実力養成期の「1−1 O1」レッスンは、後の「1−1 O1」レッスンとも称される。実力養成期の「1−1 O2」レッスンは、後の「1−1 O2」レッスンとも称される。実力養成期の「7−12 O2」レッスンは、後の「7−12 O2」レッスンとも称される。
次に、講座受講後の試験の予測得点の計算式について説明する。
講座受講後の試験の予測得点の計算式は、式(5)〜(6)で示される。
割合調整後の予測得点=講座受講後のレッスン単位別の予測得点×配点割合…式(5) 講座受講後の試験の予測得点=割合調整後の予測得点の合計…式(6)
式(5)における講座受講後のレッスン単位別の予測得点は、講座受講後の任意のタイミングにおけるレッスン単位別の予測得点である。講座受講後のレッスン単位別の予測得点は、100点満点中の予測得点である。レッスン単位別の予測得点は、時間の経過に従い推移する。例えば、レッスン単位別の予測得点は、アウトプットレッスンの割当学習時間に応じた受講によって習熟度曲線に沿って上昇する。例えば、レッスン単位別の予測得点は、アウトプットレッスン受講後の日数に応じた忘却に伴い、忘却曲線に沿って低下する。レッスン単位別の予測得点のシミュレーション例については後述する。
式(5)における配点割合は、上述のように、科目の満点(100点)に対して各レッスン単位のテーマに割り当てられた配点の割合である。
式(5)及び(6)における割合調整後の予測得点は、講座受講後のレッスン単位別の予測得点を配点割合に応じて調整した後のレッスン単位別の予測得点である。
図19及び図20に示すように、後の「1−1 O2」レッスン受講後におけるレッスン単位「1−1」の予測得点は、後の「1−1 O2」レッスンの割当学習時間への1単位時間の追加により、58点から83点へ上昇する。レッスン単位「1−1」の予測得点は、後の「1−1 O2」レッスン受講後から最後のレッスンである後の「7−12 O2」レッスン受講後までの日数に応じて徐々に低下する。図19に示すレッスン単位「1−1」の予測得点は、58点から50点へ徐々に低下する。図20に示すレッスン単位「1−1」の予測得点は、83点から75点へ徐々に低下する。このように、講座受講後のレッスン単位「1−1」の予測得点は、後の「1−1 O2」レッスンの割当学習時間への1単位時間の追加により、50点から75点へ上昇する。その結果、講座受講後の試験の予測得点は、199点から200点へ上昇する。
レッスン単位別の予測得点のシミュレーション例について説明する。
図21は、忘却曲線を考慮したレッスン単位別の予想得点の推移を例示する図である。図21は、レッスン単位「1−1」の予測得点の推移を例示する。横軸は、基礎力養成期の「1−1 O1」レッスンの受講後からの経過日数を示す。縦軸は、レッスン単位「1−1」の予測得点を示す。ここでは、先の「1−1 O1」レッスンと先の「1−1 O1」レッスンは、間隔をあけずに受講しているものとする。後の「1−1 O1」レッスンと後の「1−1 O1」レッスンは、間隔をあけずに受講しているものとする。
まず、取得部118は、テスト結果に基づいて導き出される先の「1−1 O1」レッスン受講前のレッスン単位「1−1」の予測得点(10点)を取得する。次に、取得部118は、先の「1−1 O1」レッスンの習熟度曲線を用いて、割当学習時間に応じた先の「1−1 O1」レッスンの予測得点(30点)を取得する。割当学習時間に応じた先の「1−1 O1」レッスンの予測得点は、先の「1−1 O1」レッスン受講後のレッスン単位「1−1」の予測得点に相当する。このように、レッスン単位「1−1」の予測得点は、割当学習時間に応じた先の「1−1 O1」レッスンの受講の結果、10点から30点へ上昇する。
次に、取得部118は、先の「1−1 O2」レッスンの習熟度曲線を用いて、割当学習時間に応じた先の「1−1 O2」レッスンの予測得点(50点)を取得する。ここでは、取得部118は、対象者が先の「1−1 O2」レッスンよりも前に先の「1−1 O1」レッスンを受講していることを考慮し、先の「1−1 O2」レッスンの習熟度曲線を補正して用いてもよい。割当学習時間に応じた先の「1−1 O2」レッスンの予測得点は、先の「1−1 O2」レッスン受講後のレッスン単位「1−1」の予測得点に相当する。このように、レッスン単位「1−1」の予測得点は、割当学習時間に応じた先の「1−1 O2」レッスンの受講の結果、30点から50点へ上昇する。
次に、シミュレーション部119は、先の「1−1 O2」レッスン受講後から後の「1−1 O1」レッスン受講前までの日数に応じて、レッスン単位「1−1」の予測得点を50点から20点へ徐々に低下させる。ここでは、シミュレーション部119は、忘却曲線を用いる。忘却曲線は、時間の経過に従い、一度憶えた内容が徐々に記憶から忘れ去られる関係を示す。そのため、忘却曲線は、時間の経過に従い、レッスン単位「1−1」の予測得点を徐々に低下させる関係を示す。忘却曲線は、人によって異なっていてもよいし、同じであってもよい。忘却曲線は、レッスン単位毎に異なっていてもよいし、同じであってもよい。忘却曲線は、適宜更新されてもよい。なお、忘却曲線は、機械学習を使って求められてもよい。この例では、プロセッサ11は、予め、全てまたは複数の受講者の過去の学習履歴及び過去の得点履歴などに基づいて、時間の経過につれてどれくらいレッスン単位の点数が下がるのかを予測する忘却曲線の予測モデルを生成することができる。例えば、過去の学習履歴は、各アウトプットレッスンの学習日時及び各アウトプットレッスンの学習時間などを含む。例えば、過去の得点履歴は、各アウトプットレッスンの得点などを含む。プロセッサ11は、この予測モデルを生成する際、繰り返し回数及び受講者の属性などを説明変数に加えることができる。例えば、繰り返し回数は、レッスン単位に含まれるアウトプットレッスンを受講する回数であり、レッスン単位に含まれるアウトプットレッスンの数に対応する。これにより、プロセッサ11は、繰り返し回数別または個人別の忘却曲線の予測モデルを生成することができる。プロセッサ11は、予測モデルを適宜更新してもよい。
次に、取得部118は、後の「1−1 O1」レッスンの習熟度曲線を用いて、割当学習時間に応じた後の「1−1 O1」レッスンの予測得点(50点)を取得する。ここでは、取得部118は、対象者が後の「1−1 O1」レッスンよりも前に先の「1−1 O2」レッスンを受講していることを考慮し、後の「1−1 O1」レッスンの習熟度曲線を補正して用いてもよい。割当学習時間に応じた後の「1−1 O1」レッスンの予測得点は、後の「1−1 O1」レッスン受講後のレッスン単位「1−1」の予測得点に相当する。このように、レッスン単位「1−1」の予測得点は、割当学習時間に応じた後の「1−1 O1」レッスンの受講の結果、20点から50点へ上昇する。
次に、取得部118は、後の「1−1 O2」レッスンの習熟度曲線を用いて、割当学習時間に応じた後の「1−1 O2」レッスンの予測得点(83点)を取得する。ここでは、取得部118は、対象者が後の「1−1 O1」レッスンよりも前に後の「1−1 O1」レッスンを受講していることを考慮し、後の「1−1 O2」レッスンの習熟度曲線を補正して用いてもよい。割当学習時間に応じた後の「1−1 O2」レッスンの予測得点は、後の「1−1 O2」レッスン受講後のレッスン単位「1−1」の予測得点に相当する。このように、レッスン単位「1−1」の予測得点は、割当学習時間に応じた後の「1−1 O2」レッスンの受講の結果、50点から83点へ上昇する。
次に、シミュレーション部119は、後の「1−1 O2」レッスン受講後から後の「7−12 O2」レッスン受講後までの日数に応じて、レッスン単位「1−1」の予測得点を83点から75点へ徐々に低下させる。ここでは、シミュレーション部119は、先の「1−1 O2」レッスン受講後から後の「1−1 O1」レッスン受講前までの期間について用いた忘却曲線とは異なる忘却曲線を用いる。後の「1−1 O2」レッスン受講後から後の「7−12 O2」レッスン受講後までの期間で用いられる忘却曲線は、先の「1−1 O2」レッスン受講後から後の「1−1 O1」レッスン受講前までの期間で用いられる忘却曲線よりも予測得点が緩やかに低下する曲線である。その理由は、対象者が同じレッスン単位の内容を時間を空けて繰り返し学習することにより、このレッスン単位の内容を忘れにくくなるからである。
シミュレーション部119は、忘却曲線を考慮することで、試験の予測得点のシミュレーション精度を向上させることができる。
次に、サーバ1による講座の受講開始後の進捗管理について説明する。
サーバ1は、シミュレーション結果に基づいて、対象者による講座の受講開始後の進捗を管理する。例えば、サーバ1は、対象者による総学習時間に関するシミュレーション結果の選択に応じて、総学習時間に関するシミュレーション結果に沿って進捗を管理する。例えば、サーバ1は、対象者による他の総学習時間に関するシミュレーション結果の選択に応じて、他の総学習時間に関するシミュレーション結果に沿って進捗を管理する。
図22は、端末2に表示される進捗管理に関する画面を例示する図である。
プロセッサ11は、図22に例示する進捗管理に関するデータを生成し、通信インタフェース15を介して、進捗管理に関するデータを端末2へ出力する。
進捗管理は、「レッスン」項目、「状態」項目、「終了予定日」、「終了日」項目、「割当学習時間」項目、「実績学習時間」項目、「目標スコア」項目、「実績スコア」項目、「予測得点」項目、「実績予測得点」項目、「現在の実績予測得点」項目及び「現在の実績学習時間」項目を含む。
「レッスン」項目は、講座を構成する各レッスンのタイトルを示す。「状態」項目は、各レッスンの受講状態を示す。受講状態は、終了、学習中または未受講の何れかである。終了は、対象者がレッスンの受講を終了したことを示す。学習中は、対象者がレッスンの一部を受講中であることを示す。未受講は、対象者がレッスンの受講を開始していないことを示す。「終了予定日」項目は、サーバ1のシミュレーションによって割り当てた各レッスンの受講予定日を示す。「終了日」項目は、対象者が実際にレッスンの受講を終了した日を示す。「割当学習時間」項目は、サーバ1のシミュレーションによって各レッスンに割り当てられた割当学習時間を示す。「実績学習時間」項目は、対象者が実際にレッスンを受講した時間を示す。なお、講座がウェブ上での受講形式である場合、サーバ1は、対象者のログを取ることにより、各レッスンの実績学習時間を取得することができる。講座が冊子などの紙媒体のテキストを用いる受講形式である場合、サーバ1は、対象者による入力に基づいて、各レッスンの実績学習時間を取得することができる。「目標スコア」項目は、割当学習時間に応じた各アウトプットレッスンの予測得点を示す。「実績スコア」項目は、対象者が実際に獲得した各アウトプットレッスンの得点を示す。なお、講座がウェブ上での受講形式である場合、サーバ1は、対象者のログを取ることにより、各レッスンの実績スコアを取得することができる。講座が冊子などの紙媒体のテキストを用いる受講形式である場合、サーバ1は、対象者による入力に基づいて、各レッスンの実績スコアを取得することができる。「予測得点」項目は、サーバ1のシミュレーションによる各レッスン受講後の試験の予測得点を示す。「実績予測得点」項目は、対象者が実際に獲得した各アウトプットレッスンの得点を考慮した各レッスン受講後の試験の予測得点を示す。実績予測得点は、サーバ1によってシミュレーションされる。実績予測得点のシミュレーション例については後述する。「現在の実績予測得点」項目は、対象者が受講を終了した直近のレッスン受講後の試験の予測得点を示す。「現在の実績学習時間」項目は、対象者が受講を終了したレッスンの実績学習時間の合計を示す。
サーバ1による実績予測得点のシミュレーション例について説明する。
シミュレーション部119は、1番目のレッスンから対象者が受講を終了したレッスンについては、「実績スコア」項目で示される対象者が実際に獲得した各アウトプットレッスンの得点を式(1)に代入する。この例では、各アウトプットレッスンの得点は、レッスン成果の一例となる。シミュレーション部119は、対象者が受講を終了したレッスンの次のレッスンから最後のレッスンについては、「目標スコア」項目で示される割当学習時間に応じた各アウトプットレッスンの予測得点を式(1)に代入する。これにより、シミュレーション部119は、式(1)〜(4)を用いて、対象者が受講を終了したレッスンの実績を考慮した実績予測得点をシミュレーションすることができる。
なお、進捗管理は、図22の例に限定されるものではなく、ガントチャートなどで構成されていてもよい。
なお、学習効果は、上述の試験の予測得点または試験の予測得点範囲に限定されるものではない。学習効果は、目標点に達する可能性を含んでいてもよい。例えば、目標点は、試験の合格点などである。一例では、目標点に達する可能性は、合格率である。合格率は、目標点に対する試験の予測得点の割合である。別の例では、目標点に達する可能性は、合格判定である。合格判定は、複数段階のランクから選択されるランクである。例えば、複数段階のランクは、目標点に対する試験の予測得点の乖離または目標点に対する試験の予測得点の割合に応じて設定される。例えば、複数段階のランクは、A、B、C及びDの4段階のランクなどであるが、これに限定されない。
なお、サーバ1のプロセッサ11が実装する上述の各部は、複数のサーバに分散して実装されていてもよい。
なお、サーバ1によるシミュレーション例ついて説明したが、これに限定されない。端末2は、上述の入力項目出力部111、入力情報取得部112、テスト出力部113、解答情報取得部114、テスト結果出力部115、算出部116、割当部117、取得部118、シミュレーション部119及びシミュレーション結果出力部120を実装するようにしてもよい。この例では、端末2は、情報処理装置の一例である。
要するにこの発明は、本実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、本実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、本実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
要するにこの発明は、本実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、本実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、本実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[C1]
学習者の学習予定を取得する取得部と、
前記学習予定に基づいて学習開始日から学習終了日までの総学習時間を算出する算出部と、
前記総学習時間に基づいて、複数のレッスンの各々に割当学習時間を割り当てる割当部と、
前記割当学習時間に応じて、学習効果をシミュレーションするシミュレーション部と、
前記シミュレーション部によるシミュレーション結果を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
[C2]
前記学習効果は、試験の予測得点または前記試験の予測得点範囲を含む、[C1]に記載の情報処理装置。
[C3]
前記シミュレーション結果は、前記学習効果を含む、
[C1]に記載の情報処理装置。
[C4]
前記シミュレーション結果は、各レッスンの前記割当学習時間を含む、
[C1]に記載の情報処理装置。
[C5]
前記シミュレーション部は、前記割当学習時間に応じた各レッスンの成果に基づいて、前記学習効果をシミュレーションする、[C1]に記載の情報処理装置。
[C6]
前記複数のレッスンは、複数のアウトプット学習のレッスンを含み、
前記成果は、前記割当学習時間に応じた各アウトプット学習のレッスンで獲得可能と予測される得点である、[C5]に記載の情報処理装置。
[C7]
前記シミュレーション部は、忘却曲線を用いて、前記学習効果をシミュレーションする、[C1]に記載の情報処理装置。
[C8]
前記シミュレーション部は、前記総学習時間とは異なる長さの他の総学習時間に基づく他の学習効果をシミュレーションし、
前記シミュレーション結果は、前記総学習時間に基づく前記学習効果及び前記他の総学習時間に基づく前記他の学習効果を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
[C9]
学習者の学習予定を取得することと、
前記学習予定に基づいて学習開始日から学習終了日までの総学習時間を算出することと、
前記総学習時間に基づいて、複数のレッスンの各々に割当学習時間を割り当てることと、
前記割当学習時間に応じて、学習効果をシミュレーションすることと、
シミュレーション結果を出力することと、
を備える情報処理方法。