JP2021025242A - 優先度決定装置及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】人為的な評価を減らし道路の異常に対処する優先度の変動を抑制して、より安定した優先度の決定ができる優先度決定装置及びコンピュータプログラムを提供する。【解決手段】サーバ装置3は、対処実績DB13に記憶された過去に対処を行なった複数の道路異常(ポットホールなど)について、道路異常の発見から補修開始までの日数、及び道路異常に関する複数のパラメータ(交通量やポットホールの直径など)を取得する(S11)。サーバ装置3は、発見から補修開始までの日数を目的変数とし、複数のパラメータを説明変数として重回帰分析を実行し、複数のパラメータの各々の影響度を算出する(S13)。そして、算出した影響度に基づいて、新たな道路異常について対処を行なう優先度を決定するように構成した(S16、S17)。【選択図】図6
Description
本発明は、道路の異常に対処する優先度を決定する優先度決定装置及びコンピュータプログラムに関する。
従来より、道路の補修の優先度を決定することが行われている。例えば、特開2016−89593号公報に開示される道路維持管理システムは、道路の属性を示す属性情報、公共機関によって取得される道路の状態を示す状態情報、公共機関とは異なる主体によって取得される道路に関する情報を示す入力情報に基づいて道路の補修の優先度を決定する。具体的には、道路維持管理システムは、道路に関する投稿を受け付けるWEBサイトにおいて、投稿者(公共機関とは異なる主体)から入力情報を受け付ける(段落0014、0025、図5)。
道路維持管理システムは、入力情報ごとに重要度を算出する。道路維持管理システムは、入力情報に対する道路管理者や他のユーザによる評価、入力情報に含まれているキーワードなどに基づいて、入力情報の重要度を算出する(段落0029、0031,0033、図6)。道路維持管理システムは、重要度の値に基づいて、補修の優先度を決定する(段落0048、図7)。
上記した特許文献1に開示された技術では、道路管理者や他のユーザによる投稿者の評価や、投稿者が入力したキーワードによって重要度が変わり、重要度に基づく補修の優先度が変動する。このため、道路管理者や他のユーザによる評価の質、投稿者のキーワードのセンスなどによって、補修の優先度が変動する。従って、入力情報に係わる人のノウハウや経験などによって、優先度が変動することが問題となる。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、人為的な評価を減らし道路の異常に対処する優先度の変動を抑制して、より安定した優先度の決定ができる優先度決定装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明に係る優先度決定装置は、過去に対処を行なった複数の道路異常について、対処が必要な前記道路異常を発見してから対処を開始するまでの日数、及び前記道路異常に関する複数のパラメータを取得するパラメータ取得手段と、前記日数に対する複数の前記パラメータの影響度を算出する影響度算出手段と、前記影響度に基づいて、対処が必要な新たな道路異常について対処を行なう優先度を決定する決定手段と、を有する。
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、優先度を決定するコンピュータプログラムであって、コンピュータを、過去に対処を行なった複数の道路異常について、対処が必要な前記道路異常を発見してから対処を開始するまでの日数、及び前記道路異常に関する複数のパラメータを取得するパラメータ取得手段と、前記日数に対する複数の前記パラメータの影響度を算出する影響度算出手段と、前記影響度に基づいて、対処が必要な新たな道路異常について対処を行なう優先度を決定する決定手段と、して機能させる。
前記構成を有する本発明に係る優先度決定装置及びコンピュータプログラムによれば、過去に対処した道路異常について、道路異常を発見してから対処を開始するまでの日数と、道路異常に関する複数のパラメータを取得し、日数に与える各パラメータの影響度を算出する。ここで、過去の実績において、例えば、対処すべき優先度が高ければ、対処を開始するまでの日数が短くなる可能性がある。また、対処すべき優先度が低ければ、対処を開始するまでの日数が長くなる可能性がある。従って、日数に与える各パラメータの影響度は、対処の優先度と相関関係にある。そこで、算出した影響度に基づいて、新たな道路異常について対処を行なう優先度を決定する。これにより、過去の実績を分析し、日数に影響を与えるパラメータの影響度を算出しておくことで、新たな道路異常について、算出しておいた影響度に基づいて機械的に優先度を設定することができる。このため、人為的な評価を減らし道路異常に対処する優先度を、より安定的に決定ができる。
尚、「道路異常」とは、ポットホールや道路のひび割れなど、道路自体の補修や工事が必要な事象だけでなく、落下物が道路上に存在する場合など、道路の使用に異常を及ぼす様々な事象を含む概念である。
尚、「道路異常」とは、ポットホールや道路のひび割れなど、道路自体の補修や工事が必要な事象だけでなく、落下物が道路上に存在する場合など、道路の使用に異常を及ぼす様々な事象を含む概念である。
以下、本発明に係る優先度決定システムについて具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係る優先度決定システム1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態に係る優先度決定システム1を示した概略構成図である。図2は本実施形態に係る優先度決定システム1の構成を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る優先度決定システム1は、プローブセンタ2が備えるサーバ装置(本願の優先度決定装置の一例)3と、ユーザにより操作されるパーソナルコンピュータ(以下PCという)4と、車両5に搭載された通信(案内)端末であるナビゲーション装置6と、を基本的に有する。また、サーバ装置3、PC4、及びナビゲーション装置6は通信ネットワーク網7を介して互いに電子データを送受信可能に構成されている。尚、ナビゲーション装置6の代わりに、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータを用いても良い。
ここで、本実施形態に係る優先度決定システム1は、所謂プローブカーシステムを構成する。プローブカーシステムとは、車両5をセンサとして情報を収集するシステムである。具体的には、車両5に設けられたセンサ8等を用いて、道路異常の情報をはじめ、速度データ、ステアリング操作やシフト位置等の各システムの作動状況をGPSの位置情報とともに予め車両5に搭載された通信装置を介してプローブセンタ2に送信し、センタ側でその収集データを様々な情報として再利用するシステムをいう。
そして、プローブセンタ2が備えるサーバ装置3は、全国を走行する車両5から道路異常の情報等を含むプローブ情報(材料情報)を適宜収集して蓄積するとともに、蓄積されたプローブ情報から道路に関する各種支援情報(例えば、ポットホールや道路のひび割れの情報、路面に落下した障害物の情報等)を登録する情報管理サーバである。特に、本実施形態では、サーバ装置3は、例えば、車両5のセンサ8により検出した道路異常を登録し、登録した道路異常について対処する優先度を設定する。サーバ装置3は、優先度を設定した情報に対して外部端末からアクセスされた場合、対応する情報を応答する。ここでいう外部端末とは、例えば、道路の補修を管理する道路管理者が操作するPC4である。また、PC4を操作するユーザは、道路の補修を管理する道路管理者の他に、例えば、国土交通省、地方整備局、NEXCO(登録商標)などの一般道や高速道路を管理する省庁、団体、民間企業等でも良い。尚、道路異常の情報を収集する方法は、道路を走行する車両5のセンサ8を用いる方法に限らない。例えば、道路を走行する点検車の作業員が、目視や検査装置を用いて発見した道路異常の情報を、サーバ装置3へ登録しても良い。
また、PC4は、CPU、ROM、RAM等を中心に構成された制御部、キーボードやポインティングデバイスなどで構成される入力部、ディスプレイやスピーカなどの出力部、ハードディスクなどの不揮発性記憶手段からなる補助記憶部等を備えている。また、PC4にはOS(Operating System)としてWindows(登録商標)、Linux(登録商標)、MacOS(登録商標)などが搭載され、キーボード入力や画面出力といった入出力機能、主記憶部であるメモリや補助記憶部であるハードディスクに対するアクセス機能など、アプリケーションから共通して利用される基本機能は、OSによって提供されている。なお、これら各OSによって提供される各種機能そのものは公知なので、ここでの詳細な説明は省略する。
更に、PC4は、モデム等の通信機器9(図2参照)を介して通信ネットワーク網7に接続され、サーバ装置3と双方向通信可能に構成されている。そして、PC4は、サーバ装置3から取得したデータに基づいて、各種情報をディスプレイに表示等する。特に本実施形態に係るPC4では、道路異常の位置(以下、道路異常位置という場合がある)や道路異常に対処する優先度をサーバ装置3から取得し、ディスプレイに表示する。尚、本実施形態では、道路異常位置や優先度などを取得し出力する装置として、PC4を用いた例を説明しているが、PC4の代わりに、携帯電話機、PDA等の通信端末を用いても良い。
一方、ナビゲーション装置6は、全国の各道路を走行する車両5に搭載され、格納する地図データに基づいて自車位置周辺の地図を表示したり、地図画像上において車両5の現在位置を表示したり、設定された案内経路に沿った移動案内を行う車載機である。また、ナビゲーション装置6は、通信モジュールを介して通信ネットワーク網7に接続され、プローブセンタ2と双方向通信可能に構成されている。ナビゲーション装置6は、車両5に搭載されたセンサ8の検出情報に基づいて道路異常を検出し、検出した道路異常の情報を、サーバ装置3へ送信することも行う。センサ8の種類は、特に限定されず、車両5に搭載可能な各種のセンサを採用できる。具体的には、センサ8としては、車速センサ、ステアリングセンサ、車載カメラ、上下加速度センサ、赤外線センサなどを採用できる。また、車両5が備えるセンサ8の数は、1つでも良く、複数個でも良い。
また、通信ネットワーク網7は、全国各地に配置された多数の基地局と、各基地局を管理及び制御する通信会社とを含み、基地局及び通信会社を有線(光ファイバー、ISDN等)又は無線で互いに接続することにより構成されている。ここで、基地局はナビゲーション装置6との通信をするトランシーバー(送受信機)とアンテナを有する。そして、基地局は通信会社の間で無線通信を行う一方、通信ネットワーク網7の末端となり、基地局の電波が届く範囲(セル)にあるナビゲーション装置6の通信をサーバ装置3との間で中継する役割を持つ。
続いて、優先度決定システム1を構成するサーバ装置3の構成について図2を用いてより詳細に説明する。サーバ装置3は、図2に示すようにサーバ制御ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)11と、サーバ制御ECU11に接続された工事予定情報DB(データベース)12と、対処実績DB13と、地図情報DB14と、センタ通信装置15とから基本的に構成されている。
サーバ制御ECU11は、サーバ装置3の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM22、制御用のプログラムのほか、後述の各種プログラム等が記録されたROM23、ROM23から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ24等の内部記憶装置を備えている。尚、サーバ制御ECU11は、後述の処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、パラメータ取得手段は、過去に対処を行なった複数の道路異常について、対処が必要な道路異常を発見してから対処を開始するまでの日数、及び道路異常に関する複数のパラメータを取得する。影響度算出手段は、日数に対する複数のパラメータの影響度を算出する。決定手段は、影響度に基づいて、対処が必要な新たな道路異常について対処を行なう優先度を決定する。表示手段は、対処が必要な新たな道路異常が発生している道路と、新たな道路異常の優先度を関連付けて地図上に表示する。道路異常取得手段は、車両に取り付けられたセンサの検出情報に基づいて検出した新たな道路異常を取得する。
また、工事予定情報DB12は、全国を走行する車両5から取得した道路異常に係わる情報や、対処する優先度を記憶する記憶手段である。また、対処実績DB13は、道路異常に係わる情報や、対処の実績を記憶する記憶手段である。工事予定情報DB12及び対処実績DB13の詳細については、後述する。
また、地図情報DB14は、例えば、外部からの入力データやサーバ装置3の入力操作に基づいて登録された地図情報であり、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、施設に関する施設データ、経路の探索に係る処理に用いられる探索データ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
また、センタ通信装置15は、PC4、車両5やVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の外部の交通情報センタと通信ネットワーク網7を介して通信を行う為の通信装置である。本実施形態では、サーバ装置3は、センタ通信装置15を介してプローブ情報等を車両5との間で送受信する。また、サーバ装置3は、センタ通信装置15を介してPC4等の外部機器との間で情報の送受信を行なう。例えば、サーバ装置3は、PC4からの問い合わせに対して、工事予定情報DB12に記憶された道路異常位置や優先度、地図情報DB14の地図情報を応答する。
次に、工事予定情報DB12について説明する。
図3は、工事予定情報DB12に記憶される情報の一例を示した図である。図3に示すように、本実施形態においては、工事予定情報DB12は、車両5から収集されるプローブ情報として、例えば、(a)走行するリンクID、(b)道路異常を検出した道路異常位置の位置座標、(c)リンクへの進入時刻、(d)送信元の車両を識別する車両IDに関する情報、(e)異常の種類の情報が記憶されている。また、工事予定情報DB12には、サーバ装置3によって付与・判定等された情報として、(f)道路異常を識別するための道路異常ID、(g)道路異常に対処する優先を判定した結果である優先度が含まれる。
図3は、工事予定情報DB12に記憶される情報の一例を示した図である。図3に示すように、本実施形態においては、工事予定情報DB12は、車両5から収集されるプローブ情報として、例えば、(a)走行するリンクID、(b)道路異常を検出した道路異常位置の位置座標、(c)リンクへの進入時刻、(d)送信元の車両を識別する車両IDに関する情報、(e)異常の種類の情報が記憶されている。また、工事予定情報DB12には、サーバ装置3によって付与・判定等された情報として、(f)道路異常を識別するための道路異常ID、(g)道路異常に対処する優先を判定した結果である優先度が含まれる。
図3に示すように、以下の説明では、説明を分かり易くするため、優先度決定システム1が、道路異常として、ポットホールを処理する場合について説明する。ポットホールとは、例えば、道路の路面に形成された凹凸、道路の穴、アスファルトの剥がれなどである。以下の説明では、一例として、ポットホールを、道路に形成された凹部や穴として説明する。尚、本願の道路異常としては、ポットホールに限らず、道路のひび割れや道路上の落下物など、道路の正常な使用に異常を及ぼす様々な現象を採用できる。従って、本願の優先度決定システム1は、ポットホール以外の種類の道路異常や、複数の種類の道路異常について優先度の決定等を実行しても良い。
図3に示す道路異常の情報(プローブ情報)の1行目は、例えば、ID“11”の車両5が、ID“100001”のリンクに2019年X月X日のX時X分X秒に進入した場合において、当該リンクを走行する車両5が位置座標(x1,y1)でセンサ8により検出したポットホール(道路異常)が記憶されている。車両5のナビゲーション装置6は、センサ8の検出情報に基づいてポットホールを検出し、ポットホールを検出した道路の情報を含む道路異常の情報をサーバ装置3へ送信する。サーバ装置3は、ナビゲーション装置6から受信した道路異常の情報に道路異常ID(例えば、ER10008)を付与し工事予定情報DB12に記憶する。また、サーバ装置3は、ポットホールの対処の優先度を決定し、決定した優先度を工事予定情報DB12に記憶する。ポットホールの検出方法や、優先度の決定方法の詳細については後述する。
次に、対処実績DB13について説明する。
図4は、対処実績DB13に記憶される情報の一例を示した図である。図4に示すように、本実施形態においては、対処実績DB13は、例えば、(a)道路異常ID、(b)対処の有無、(c)発見から補修を開始するまでの日数が記憶されている。また、対処実績DB13は、道路異常が発生した道路に関する情報として、例えば、(d)その道路の1時間当たりの交通量、(e)道路の車線数、(f)道路の道幅が記憶されている。また、対処実績DB13は、道路異常に関する情報として、例えば、(g)ポットホールの直径、(h)ポットホールの深さの情報が記憶されている。この(d)から(h)の値は、過去に対処を行ったポットホールの情報であり、後述するように、優先度を算出するパラメータとして用いられるものである。
図4は、対処実績DB13に記憶される情報の一例を示した図である。図4に示すように、本実施形態においては、対処実績DB13は、例えば、(a)道路異常ID、(b)対処の有無、(c)発見から補修を開始するまでの日数が記憶されている。また、対処実績DB13は、道路異常が発生した道路に関する情報として、例えば、(d)その道路の1時間当たりの交通量、(e)道路の車線数、(f)道路の道幅が記憶されている。また、対処実績DB13は、道路異常に関する情報として、例えば、(g)ポットホールの直径、(h)ポットホールの深さの情報が記憶されている。この(d)から(h)の値は、過去に対処を行ったポットホールの情報であり、後述するように、優先度を算出するパラメータとして用いられるものである。
尚、図4に示す情報は、一例である。例えば、道路異常として道路のひび割れを採用した場合、対処実績DB13は、道路異常に関する情報として、ひび割れの長さ、ひび割れの幅、ひび割れの深さ等を記憶しても良い。この場合、ひび割れの長さ等を、優先度を算出するパラメータとして用いても良い。また、例えば、道路異常として道路上の落下物を採用する場合、対処実績DB13は、道路異常に関する情報として、落下物の大きさ、重さ、堅さ等を記憶しても良い。この場合、落下物の大きさ等を、優先度を算出するパラメータとして用いても良い。
続いて、前記構成を有する優先度決定システム1に含まれるサーバ装置3において実行する登録処理プログラムについて図5に基づき説明する。図5は本実施形態に係る登録処理プログラムのフローチャートである。ここで、登録処理プログラムは、例えば、車両5のナビゲーション装置6から道路異常の情報を受信したタイミングで開始される。登録処理プログラムは、車両5から受信した道路異常の情報を、工事予定情報DB12及び対処実績DB13に登録するプログラムである。尚、以下の図5にフローチャートで示すプログラムは、例えば、サーバ装置3が備えているRAM22やROM23等に記憶されており、CPU21により実行される。
先ず、図5に示すステップ(以下、Sと略記する)1において、サーバ装置3のCPU21は、道路を走行する車両5のナビゲーション装置6から道路異常の情報を受信する。例えば、センサ8として車速センサを採用した場合、ナビゲーション装置6は、車速センサで検出した車輪速度の変動に基づいて、ポットホールがあるか検出することができる。
例えば、ナビゲーション装置6は、車両5の駆動輪の回転に応じて車速センサが発生させたパルス信号を入力する。ナビゲーション装置6は、車速センサから入力したパルス信号のパルスを計数することにより駆動輪の車輪速度(回転速度)や移動距離を算出することができる。ナビゲーション装置6は、例えば、車輪速度の変動等に基づいて、ポットホールの発生を推定し、ポットホールの有無を判定する。ポットホールの発生の推定方法としては、公知の技術を用いることができる。例えば、ナビゲーション装置6は、車速センサの出力から特定周波数の大きさを振動度合として計算し、計算結果のパラメータに基づいてファジー推論によりポットホールの発生を推定できる。
尚、ポットホールの検出方法は、車速センサを用いた方法に限らない。例えば、センサ8として上下加速度センサを採用し、ナビゲーション装置6は、上下加速度センサ(センサ8)で検出した上下加速度の変動に基づいて、ポットホールを検出しても良い。あるいは、ナビゲーション装置6は、車載カメラ(センサ8)の画像データを画像処理することによって、ポットホールを検出しても良い。
ナビゲーション装置6は、ポットホールの発生を検出すると、工事予定情報DB12や対処実績DB13の登録に必要な情報(走行中のリンクID、車両5の位置情報、リンクの進入時間、車両ID、異常の種類など)を、道路異常の情報としてサーバ装置3へ送信する。ナビゲーション装置6は、例えば、ポットホールを検出した際に車両5が走行していた走行リンクID、車両5のGPS情報(位置情報、時間情報)をサーバ装置3へ送信する。また、ナビゲーション装置6は、ポットホールの発生を検出すると、異常の種類の情報としてポットホールであることを示す情報をサーバ装置3へ送信する。また、ナビゲーション装置6は、ポットホールを検出した際の車載カメラの画像データを、道路異常の情報としてサーバ装置3へ送信する。この画像データは、後述するように、ポットホールの直径や深さの検出処理、図8及び図9に示す表示処理に用いられる。
CPU21は、S1において道路異常の情報を受信すると、受信した道路異常の情報から工事予定情報DB12と対処実績DB13の登録に必要な情報を抽出・生成する(S2)。CPU21は、S2を実行し後、S3を実行する。CPU21は、S2で生成した情報に基づいて、工事予定情報DB12及び対処実績DB13を更新する(S3)。CPU21は、S3を実行すると、図5に示す処理を終了する。
例えば、CPU21は、受信した道路異常の情報から走行リンクIDを抽出し(S2)、工事予定情報DB12(図3参照)の「走行リンクID」として記憶する(S3)。同様に、CPU21は、受信した道路異常の情報から車両5の位置情報(GPS情報)を抽出し(S2)、工事予定情報DB12の「道路異常の検出時の位置座標」として記憶する(S3)。また、CPU21は、受信した道路異常の情報から時間情報(GPS情報)を抽出し、工事予定情報DB12の「リンク進入時間」として記憶する。また、CPU21は、受信した道路異常の情報から車両IDを抽出し、工事予定情報DB12の「車両ID」として記憶する。また、CPU21は、受信した道路異常の情報から道路異常の種類の情報を抽出し、工事予定情報DB12の「異常の種類」として記憶する。また、CPU21は、新たな道路異常の情報を工事予定情報DB12に登録するに際に、新たな道路異常の情報を識別するための道路異常IDを付与し、工事予定情報DB12に登録する。
また、CPU21は、新たな道路異常の情報を識別するための道路異常IDを、対処実績DB13(図4参照)に登録する。CPU21は、対処実績DB13の「対処の有無」の情報として未実施であることを示す情報を登録する。また、CPU21は、「発見から補修開始までの日数」として、該当するデータがないことを示す情報(図4ではハイフンで示す)を登録する。また、CPU21は、例えば、工事予定情報DB12において道路異常IDに関連付けられた「走行リンクID」や「道路異常の検出時の位置座標」の位置情報、即ち、新たな道路異常の位置情報と、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の交通情報センタから取得した渋滞情報に基づいて、道路異常を検出した道路の「交通量」を検出する。交通量とは、例えば、道路異常を検出した道路を、単位時間当たりに通過する車両5の台数である。また、CPU21は、例えば、上記した新たな道路異常の位置情報と、地図情報DB14に登録された情報に基づいて、道路異常を検出した道路の「車線数」、「道幅」を検出する。CPU21は、検出した「交通量」、「車線数」、「道幅」を、対処実績DB13に登録する(S3)。
また、CPU21は、例えば、ナビゲーション装置6から受信した車載カメラの画像データから、ポットホールの直径、深さを検出する。ナビゲーション装置6は、例えば、連続的に道路を撮像しており、ポットホールを検出した時間を基準として、前後所定時間の間に撮像した画像データをサーバ装置3へ送信する。そして、CPU21は、ナビゲーション装置6から受信した画像データを画像処理することにより、ポットホールの直径や深さを検出する。CPU21は、検出した直径や深さの数値を、対処実績DB13に登録する。これにより、工事予定情報DB12及び対処実績DB13に、ポットホールを検出した新たな道路異常の情報が登録される。
なお、上記した工事予定情報DB12や対処実績DB13の更新方法は、一例である。例えば、上記した道路異常の発生を判定する処理の全部又は一部を、サーバ装置3が実行しても良い。サーバ装置3は、ナビゲーション装置6から受信した車速センサの検出情報に基づいて、ポットホールの発生を判定しても良い。また、対処実績DB13の交通量、車線数、道幅、ポットホールの直径、ポットホールの深さの情報を、道路管理者等のユーザが手動で入力しても良い。ユーザは、工事予定情報DB12の「道路異常検出時の位置座標」に基づいて、該当する道路の交通量等を調査し、対処実績DB13に登録しても良い。また、ユーザが、車載カメラの画像データを目視で確認し、ポットホールの直径や深さを判断して対処実績DB13に登録しても良い。
また、CPU21は、ポットホール以外の道路異常についても、上記した登録処理を同様に実施することができる。例えば、道路異常として道路のひび割れを採用した場合、ナビゲーション装置6は、上下加速度センサ(センサ8)に基づく振動や、車載カメラ(センサ8)の画像データに基づいて、ひび割れの発生を検出することが可能である。また、サーバ装置3のCPU21は、ナビゲーション装置6から受信した車載カメラから画像データを画像処理し、ひび割れの長さや深さを検出して対処実績DB13に登録しても良い。
また、道路異常として道路上の落下物を採用した場合、ナビゲーション装置6は、車載カメラ(センサ8)の画像データに基づいて落下物を検出することが可能である。あるいは、ドライバが、急操舵や急減速を行う場合、走行する路面に落下物がある可能性が高い。そこで、ナビゲーション装置6は、ステアリングセンサ(センサ8)に基づいて車両5の急操舵を検出した場合や、車速センサ(センサ8)に基づいて急減速を検出した場合に、落下物が存在すると判定しても良い。また、CPU21は、ナビゲーション装置6から受信した車載カメラの画像データを画像処理し、落下物の大きさや重さ等を推定し対処実績DB13に登録しても良い。また、ユーザが、画像データを目視で確認して落下物の大きさ、重さ、堅さ、危険度などを判断して対処実績DB13に登録しても良い。そして、これらの対処実績DB13の登録情報は、後述する優先度の決定に用いることができる。
ここで、後述するように、CPU21は、工事予定情報DB12に記憶した道路異常に対して対処を行なう優先度を決定する。CPU21は、PC4等の外部機器からの問い合わせに対して、決定した優先度の情報等を送信する。これにより、PC4を操作する道路管理者等は、発生している道路異常の位置や優先度を把握でき、道路異常位置へ道路を補修する点検車等を派遣し、道路の補修や走行車両の誘導などの適切な対応を迅速且つ的確に行うことができる。
また、車両5が備えるセンサ8は、車両5ごとに種類や数が異なっており、道路異常を検出するセンサ8の精度も異なっている。ここでいう「センサの精度」とは、例えば、同一種類のセンサの性能の高さを示す値に限らず、種類の異なるセンサであっても、ある道路異常(ポットホールなど)を検出する手段として用いた場合において、その道路異常を検出できる精度の高さをいう。従って、高精度のセンサ8は、低精度のセンサ8に比べて、例えば、ポットホールを検出する手段として用いた場合(検出信号を利用した場合)に、より高い精度でポットホールを検出できるセンサである。
一般的に、高い精度で道路異常を検出可能な高精度のセンサ8の価格は、低精度のセンサ8の価格に比べて高くなる。従って、高精度なセンサ8を搭載する車両5の価格は、低精度なセンサ8を搭載する車両5の価格に比べて高くなる可能性が高い。このため、高精度なセンサ8を搭載する車両5の総数は、低精度なセンサ8を搭載する車両5の総数に比べて少なくなる。そこで、CPU21は、上記した道路異常の登録処理において、例えば、低精度のセンサ8により検出した道路異常を仮登録しておき、仮登録した道路異常位置へ車両5を誘導し、高精度のセンサ8によっても道路異常を検出した場合に本登録を行なっても良い。CPU21は、例えば、仮登録した道路異常の位置に近い車両5がその道路異常の位置を通過する案内経路を車両5へ送信し、高精度のセンサ8を備える車両5を、仮登録の道路異常の位置へ誘導しても良い。これにより、工事予定情報DB12に登録する道路異常の信頼性を高めることができる。
ここで、図4に示すように、対処実績DB13の「発見から補修開始までの日数」には、道路異常が発見された日から補修が開始された日までの日数が記憶されている。ここでいう「道路異常が発見された日」とは、例えば、車両5によってポットホールが検出され対処実績DB13に登録された日である。また「補修が開始された日」とは、例えば、ポットホールの確認・補修等を行なう作業員が、ポットホールが発見されてから、最初に道路異常位置に行って、確認・補修等の作業を行なった日である。作業員は、例えば、道路異常位置に到着すると通信端末を用いて作業の開始情報をサーバ装置3へ送信する。この開始情報は、例えば、道路異常IDや位置情報など、工事予定情報DB12や対処実績DB13から道路異常の情報を検索するための情報と、時間や日付けの情報を含む情報である。サーバ装置3のCPU21は、作業員から受信した開始情報に含まれる日付けから、「対処実績DB13に道路異常の情報を登録した日付け」を減算することで、「発見から補修開始までの日数」を算出することができる。CPU21は、算出した日数を対処実績DB13へ記憶する。尚、「発見から補修開始までの日数」を登録する方法は、上記した方法に限らない。例えば、道路管理者が、作業員から受領した報告書の日付けを確認し、「発見から補修開始までの日数」を計算し、対処実績DB13へ手動で入力しても良い。
また、図4に示すように、対処実績DB13の「対処の有無」の情報には、実施済み、実施中、又は未実施の情報が記憶されている。CPU21は、例えば、作業員から開始情報を受信し、「発見から補修開始までの日数」を対処実績DB13へ記憶すると、「対処の有無」の情報を、「未実施」から「実施中」に変更する。また、作業員は、例えば、ポットホールの補修が完了すると、通信端末を用いて終了情報をサーバ装置3へ送信する。CPU21は、作業員から終了情報を受信すると、「対処の有無」の情報を、「実施中」から「実施済み」に変更する。これにより、CPU21は、補修作業の進行に合わせて、「対処の有無」の情報を更新できる。CPU21は、後述する優先度決定処理プログラムにおいて、上記した対処実績DB13の情報を用いて、新たな道路異常に対処する優先度を決定する。尚、「対処の有無」の情報を更新する方法は、上記した通信端末を用いる方法に限らない。例えば、道路管理者が、作業員から受領した補修作業の完了報告書を確認し、サーバ装置3を操作して「対処の有無」の情報を「実施済み」に変更しも良い。
続いて、前記構成を有する優先度決定システム1に含まれるサーバ装置3において実行する優先度決定処理プログラムについて図6に基づき説明する。図6は本実施形態に係る優先度決定処理プログラムのフローチャートである。ここで、優先度決定処理プログラムは、例えば、上記した登録処理プログラムによって工事予定情報DB12及び対処実績DB13に新たな道路異常(ポットホール)の情報が登録されると実行される。優先度決定処理プログラムは、対処実績DB13に記憶された過去に対処を行なったデータに基づいて、新たに登録された道路異常について対処を行なう優先度を決定するプログラムである。尚、優先度決定処理プログラムが実行される条件は、上記した新たな道路異常が登録される条件に限らない。例えば、サーバ装置3は、定期的に優先度決定処理プログラムを実行し、前回プログラムを実行した後から新たに登録された道路異常の情報を対象に、優先度を決定する処理を実行しても良い。また、以下の図6にフローチャートで示すプログラムは、例えば、サーバ装置3が備えているRAM22やROM23等に記憶されており、CPU21により実行される。
図6に示すように、先ず、S11において、サーバ装置3のCPU21は、対処実績DB13からデータを取得する。CPU21は、例えば、対処実績DB13に登録された全データを取得する。尚、例えば、ポットホール、道路のひび割れ、落下物などの各種の道路異常の情報が対処実績DB13にまとめて登録されている場合、CPU21は、S11において、新たに登録した道路異常と同種類、即ち、これから優先度を判定する道路異常と同種類のデータだけを対処実績DB13から取得しても良い。また、後述するように、本実施形態では、CPU21は、「発見から補修開始までの日数」の情報を優先度の決定に用いる。このため、CPU21は、「発見から補修開始までの日数」が記憶された、即ち、「対処の有無」の情報が「実施済み」又は「実施中」のデータだけを対処実績DB13から取得しても良い。あるいは、CPU21は、「対処の有無」の情報が「実施済み」(補修が完了済み)のデータだけを取得しても良い。
CPU21は、S11を実行した後、S12を実行する。S12において、CPU21は、S11で取得した対処実績DB13について、対処実績DB13に記憶されたレコードのうち、「発見から補修開始までの日数」が設定されたレコードが一定件数以上存在するか否かを判定する。ここでいうレコードとは、図4における1行分のデータであり、1件の道路異常に関連付けられたデータ群をいう。
本実施形態のCPU21は、次のS13において、図4に示す対処実績DB13の「異常発見から補修開始までの日数」を目的変数として、対処実績DB13に登録されたレコードごとのデータ(交通量、車線数など)をパラメータ(説明変数)として重回帰分析を実行し、分析した結果に基づいて優先度を決定する。このため、優先度の判定精度を確保するためには、一定件数以上のレコード数が必要となる。
そこで、CPU21は、S12において、「発見から補修開始までの日数」が設定されたレコードが一定件数以上存在するか否かを判定する。一定件数とは、上記したように優先度の判定精度を確保するための件数であり、要求される精度に応じて変更される値である。一定件数は、例えば、数十件である。
尚、CPU21は、S12の判定において、対処実績DB13に記憶されたレコードのうち、過去の一定期間だけのレコードを判定対象としても良い。例えば、CPU21は、現在から数年前までのレコードだけを対象とし、その中に、「異常発見から補修開始までの日数」が設定されているレコードが一定件数以上存在するか否かを判定しても良い。そして、CPU21は、後述するS13以降において、この過去数年間のレコードに基づいて影響度を算出し優先度を決定しても良い。例えば、ポットホールを発見した場合の補修を行なう優先度を決定する場合に、どのようなポットホールの補修を優先すべきかが、数十年前の傾向と、近年の傾向とで異なる可能性がある。このような場合に、S12でレコードを参照する期間を限定し、S13以降においてこの限定したレコードだけを分析対象とすることで、近年の傾向に合わせた分析を行なうことができる。
CPU21は、S12において、対処実績DB13に記憶されたレコードのうち、「発見から補修開始までの日数」が設定されたレコードが一定件数以上存在すると判定すると(S12:YES)、S13を実行し、否定判定すると(S12:NO)、S14を実行する。S13において、「異常発見から補修開始までの日数」を目的変数として重回帰分析を行なって、優先度を決定する各パラメータの影響度を算出する。ここで、重回帰分析とは、目的変数とパラメータ(説明変数)との関係を関係式にし、関係式を用いて目的変数を予測する統計分析手法である。重回帰分析の手法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、次式(式1)を用いて各パラメータの影響度や定数項を算出する。
(目的変数)=(パラメータ1の影響度×パラメータ1)+(パラメータ2の影響度×パラメータ2)+(パラメータ3の影響度×パラメータ3)・・・+定数項 ・・・(式1)
(目的変数)=(パラメータ1の影響度×パラメータ1)+(パラメータ2の影響度×パラメータ2)+(パラメータ3の影響度×パラメータ3)・・・+定数項 ・・・(式1)
パラメータは、目的変数に影響を及ぼす変数である。本実施形態では、上記(式1)のパラメータとして、図4に示す対処実績DB13の交通量、車線数、道幅、ポットホールの直径、ポットホールの深さを用いる。交通量、車線数、道幅は、道路異常が発生していた道路に関する情報であり、目的変数(日数)に影響を及ぼすパラメータである。例えば、道路は、交通量が多いほど、車線数が多いほど、あるいは道幅が大きいほど、幹線道路などの重要度の高い道路である可能性が高く、補修を優先されるべきである。このため、補修の優先度は、交通量が多いほど、車線数が多いほど、あるいは道幅が大きいほど高くすることが好ましい。同様に、ポットホールの直径、及びポットホールの深さは、道路異常に関する情報であり、目的変数に影響を及ぼす可能性があるパラメータである。ポットホールの直径が長いほど、ポットホールの深さが深いほど、交通への影響が大きくなる。このため、補修の優先度は、ポットホールの直径が長いほど、深さが深いほど高くすることが好ましい。そこで、本実施形態のCPU21は、これらのパラメータを説明変数として、各パラメータの影響度を算出する。
尚、上記した目的変数や、説明変数(パラメータ)の数や種類は、一例である。例えば、CPU21は、道路異常が発生していた道路に関する情報(交通量、車線数、道幅)のうち少なくとも1つと、道路異常に関する情報(ポットホールの直径、及びポットホールの深さ)のうち少なくとも1つをパラメータとして用いても良い。あるいは、CPU21は、前回補修を行なってからの経過日数を、道路異常が発生していた道路に関する情報(パラメータ)として用いても良い。これは、前回の補修からの日数が経過している道路ほど、早急な補修が必要となる可能性があるからである。また、ポットホールの数を、道路異常に関する情報(パラメータ)として用いても良い。これは、同一の道路において発生しているポットホールの数が多いほど、早急な補修が必要となる可能性があるからである。また、上記したように、例えば、道路異常として道路のひび割れを採用した場合には、パラメータとしてひび割れの幅や深さを採用できる。また、道路異常として落下物を採用した場合には、落下物の大きさ、重さ、堅さ等を採用できる。また、落下物の場合、落下物が発生してから数日たって対処する可能性が低いため、目的変数として、「異常発見から補修開始までの日数」に替えて、「異常発見から補修開始までの時間」を採用しても良い。
対処実績DB13のパラメータを(式1)に当てはめた場合、以下の(式2)となる。
(発見から補修開始までの日数)=(交通量の影響度A1×交通量)+(車線数の影響度A2×車線数)+(道幅の影響度A3×道幅)+(ポットホールの直径の影響度A4×ポットホールの直径)+(ポットホールの深さの影響度A5×ポットホールの深さ)+定数項C1 ・・・・・(式2)
(発見から補修開始までの日数)=(交通量の影響度A1×交通量)+(車線数の影響度A2×車線数)+(道幅の影響度A3×道幅)+(ポットホールの直径の影響度A4×ポットホールの直径)+(ポットホールの深さの影響度A5×ポットホールの深さ)+定数項C1 ・・・・・(式2)
CPU21は、S13において、例えば、対処実績DB13に記憶されたレコードのうち、「発見から補修開始までの日数」が設定された(補修が開始された)全レコードの各々について、「発見から補修開始までの日数」を上記(式2)の目的変数(日数)に代入し、交通量等の値を上記(式2)の各パラメータに代入して重回帰分析を実施し、影響度A1〜A5と、定数項C1を算出する。尚、CPU21は、「発見から補修開始までの日数」が設定された全レコードを対象とせずに、過去の一定期間や、「対処の有無」の情報が実施済みのものだけを対象に(式2)を適用しても良い。
CPU21は、S13を実行した後、S15を実行する。S15において、CPU21は、S13で算出した影響度A1〜A5を、(式2)のパラメータの係数(影響度)として設定する。CPU21は、S5を実行した後、S16を実行する。上記したように、図6に示す優先度決定処理プログラムは、図5の登録処理プログラムによって工事予定情報DB12及び対処実績DB13に新たな道路異常(ポットホール)の情報が登録されると実行される。CPU21は、S15で設定した係数の値と、この新たなポットホールのレコードのパラメータの値を、上記式(2)に代入し、日数(目的変数)を算出する。例えば、図4の8行目に示す道路異常ID「ER10008」の各パラメータを(式2)に代入すると次式となる。
(発見から補修開始までの日数)=(交通量の影響度A1×1000)+(車線数の影響度A2×1)+(道幅の影響度A3×6)+(ポットホールの直径の影響度A4×30)+(ポットホールの深さの影響度A5×5)+定数項C1
(発見から補修開始までの日数)=(交通量の影響度A1×1000)+(車線数の影響度A2×1)+(道幅の影響度A3×6)+(ポットホールの直径の影響度A4×30)+(ポットホールの深さの影響度A5×5)+定数項C1
これにより、S15で設定した係数の値と、新たにポットホールが発見されたレコードのパラメータに基づいて、目的変数の日数が算出される。この日数は、パラメータが補修開始までの日数(目的変数)にどの程度影響を与えているのかを、過去の補修の実績から分析し、その分析結果、即ち、過去の傾向(影響度A1〜A5、係数)と、新たな道路異常のパラメータに基づいて算出された補修開始までの予想日数である。CPU21は、S16を実行した後、S17を実行する。S17において、CPU21は、S16で算出した「発見から補修開始までの日数」に基づいて、新たな道路異常に対処する優先度を決定する。
図7は、発見から補修を開始するまでの日数と、優先度の関係を示す図である。例えば、図7に示すデータは、サーバ装置3のROM23に予め記憶されている。図7に示す例では、CPU21は、S16で算出した日数が「0〜3日」である場合、優先度を最も高い「高」に設定する。また、CPU21は、S16で算出した日数が「4〜6日」である場合、優先度を中間の「中」に設定する。また、CPU21は、S16で算出した日数が「6日以上」である場合、優先度を最も低い「低」に設定する。即ち、予想される補修開始までの日数が少ないほど優先度を高くする。尚、図7に示すデータは一例である。例えば、CPU21は、「高」、「低」の2段階や、4段階以上の優先度の振分けを実行しても良い。
CPU21は、図6のS17を実行した後、S18を実行する。S18において、CPU21は、S17で決定した優先度を、工事予定情報DB12に記憶する。図3に示すように、CPU21は、新たなポットホールのレコードの「優先度の判定結果」の情報に、決定した優先度の情報を記憶する。これにより、過去の実績を重回帰分析し、新たな道路異常について優先度を適切に設定することができる。
ここで、上記した補修開始までの日数(目的変数)を算出する具体的な計算例について記載する。例えば、図4は、対処実績DB13に記憶されたレコードの一部を示しており、その図4に図示されているレコードにさらに他のレコードを過去の実績として加えて重回帰分析を行なった結果、下記の影響度A1〜A5が算出されたとする。
交通量の影響度A1=−0.00900953346119439、車線数の影響度A2=−0.89098662080394、道幅の影響度A3=0.484316045132092、ポットホールの直径の影響度A4=−0.00819803801500664、ポットホールの深さの影響度A5=−0.0699418270706724、とする。また、定数項C1=8.9832628006853とする。
交通量の影響度A1=−0.00900953346119439、車線数の影響度A2=−0.89098662080394、道幅の影響度A3=0.484316045132092、ポットホールの直径の影響度A4=−0.00819803801500664、ポットホールの深さの影響度A5=−0.0699418270706724、とする。また、定数項C1=8.9832628006853とする。
また、新たにポットホールが発見されたレコードのパラメータの値を、以下の値とする。交通量=500台/時間、車線数=2車線、道幅=6m、ポットホールの直径=30cm、ポットホールの深さ=3cm、とする。この場合、上記した影響度A1〜A5、定数項C1、新たにポットホールが発見されたレコードのパラメータ、(式2)を用いて、補修開始までの日数(目的変数)を算出すると、以下の値となる。
補修開始までの日数=(−0.00900953346119439×500)+(−0.89098662080394×2)+(0.484316045132092×6)+(−0.00819803801500664×30)+(−0.0699418270706724×3)+8.9832628006853=5.146652478
この場合、CPU21は、図7のデータに基づいて、補修開始までの日数を4〜6の範囲と判定し、新たなポットホールの優先度を「中」と判定する。
補修開始までの日数=(−0.00900953346119439×500)+(−0.89098662080394×2)+(0.484316045132092×6)+(−0.00819803801500664×30)+(−0.0699418270706724×3)+8.9832628006853=5.146652478
この場合、CPU21は、図7のデータに基づいて、補修開始までの日数を4〜6の範囲と判定し、新たなポットホールの優先度を「中」と判定する。
尚、優先度を決定する方法は、上記した重回帰分析に限らず、例えば、応答曲面法、機械学習などの他の分析手法を用いても良い。また、道路異常の検出に用いた車両5のセンサ8は、車両5ごとに種類や数が異なっており、道路異常を検出できる精度も異なっている。そこで、CPU21は、例えば、車両5のセンサ8の種類(精度)に応じて、センサ8で検出した異常情報(レコード)に優先度を設定しも良い。例えば、CPU21は、より高精度のセンサ8で検出された道路異常(レコード)の情報の重要度を高くし、精度の低いセンサ8で検出された道路異常(レコード)の情報の優先度を低くするように、定数項C1を調整し、分析を実施しても良い。具体的には、高精度のセンサ8で検出された道路異常(レコード)に対する定数項C1を小さくし、優先度を高くしても良い。これにより、高精度のセンサ8で検出された情報(日数やパラメータ)が、分析により反映され、分析精度を高めることができる。
また、CPU21は、S12で否定判断した場合(S12:NO)、S14を実行する。CPU21は、S14において、初期値をパラメータの係数(式2の影響度A1〜A5)に設定する。S14が実行される場合、重回帰分析を実行するのに十分な件数のレコードが蓄積されていない状態となる。そこで、CPU21は、重回帰分析を実行せずに、影響度A1〜A5として初期値を用いる。この初期値は、予めシミュレーション等により決定した値を用いることができる。
CPU21は、S14を実行した後、上記した重回帰分析を実行した場合と同様に、S16以降の処理を実行する。CPU21は、初期値を設定した(式2)により日数(目的変数)を算出し(S16)、算出した日数に基づいて優先度を決定する(S17)。CPU21は、決定した優先度を工事予定情報DB12に記憶する(S18)。CPU21は、S18を実行すると、図6に示す処理を終了する。
尚、上記した図6の処理では、新たなポットホールが発生するごとに、重回帰分析を実行し、影響度A1〜A5を算出した。しかしながら、CPU21は、例えば、同種類の道路異常についは、過去に算出した影響度A1〜A5の値を用いて、目的変数を算出しても良い。即ち、CPU21は、新たな道路異常が発生するごとに重回帰分析を実行しなくとも良く、複数の道路異常が発生するごとに1回だけ重回帰分析を実行し、算出した係数(影響度A1〜A5)を流用しても良い。また、CPU21は、複数の道路異常が発生するごとに、まとめて優先度を判定しても良い。
続いて、前記構成を有する優先度決定システム1に含まれるサーバ装置3において実行する表示処理プログラムについて図8に基づき説明する。図8は本実施形態に係る表示処理プログラムのフローチャートである。ここで、表示処理プログラムは、例えば、サーバ装置3が表示するWEBページへPC4からアクセスがあり、WEBページ上において所定の操作入力を受け付けると実行される。表示処理プログラムは、工事予定情報DB12に基づいて、道路異常位置や優先度を地図上に表示するプログラムである。尚、以下の図8にフローチャートで示すプログラムは、例えば、サーバ装置3が備えているRAM22やROM23等に記憶されており、CPU21により実行される。
先ず、図8のS21において、サーバ装置3のCPU21は、WEBページ上において、位置情報を受け付ける。例えば、PC4を操作するユーザは、WEBページ上において、表示させたい位置の位置情報を入力する。位置情報は、経度や緯度などの数値情報でも良く、地名や施設名などの文字情報でも良い。CPU21は、PC4から入力された情報に基づいて、地図情報を表示する位置を決定する。
CPU21は、S21を実行した後、S22を実行する。S22において、CPU21は、S21で決定した位置に基づいて表示する地図の位置を決定し、決定した位置の地図に対応する地図情報を地図情報DB14から取得する。
CPU21は、S22を実行した後、S23を実行する。S23において、CPU21は、S22において取得し表示する地図に含まれる道路異常位置、その道路異常位置で発生している道路異常の種類、及びその道路異常に対する優先度の情報を、対処実績DB13から取得する。CPU21は、例えば、対処実績DB13に含まれるレコードのうち、表示する地図の経度や緯度の範囲に「道路異常時の位置座標」が含まれるレコードを抽出する。CPU21は、抽出した各レコードの「道路異常時の位置座標」、「異常の種類」、及び「優先度の判定結果」を取得する。
CPU21は、S23を実行した後、S24を実行する。S24において、CPU21は、例えば、S22で取得した地図情報の地図に、S23で取得した道路異常位置、異常の種類、及び優先度の情報を表示するデータを生成し、生成したデータをPC4へ送信する。PC4は、サーバ装置3から受信した情報に基づいて、画面表示を行なう。CPU21は、S24を実行すると、図8に示す処理を終了する。
図9は、PC4に表示される表示画面の一例を示している。図9に示すように、CPU21は、地図情報31に道路異常位置を示すマーク32を重ねて、PC4の表示画面33に表示させる。また、CPU21は、マーク32ごとに吹き出し34を表示する。CPU21は、マーク32で発生している道路異常の種類(図示例では、ポットホール)、及び優先度を吹き出し34内に表示する。これにより、PC4のユーザは、表示画面33を確認することで、どの位置でどのような種類の道路異常が発生し、その道路異常の優先度がどの程度であるかを、視覚的に容易に確認できる。ユーザは、より優先度の高い道路異常位置へ補修の作業員を優先的に派遣するなど、適切な対応を実施することができる。
また、図9に示すように、CPU21は、吹き出し34の中に、画像データを表示しても良い。この画像データは、例えば、道路異常を検出した車両5で撮像した画像データであり、ポットホール等が撮像された画像データである。CPU21は、例えば、図5に示す登録処理の際に、工事予定情報DB12のレコードに関連付けて画像データを記憶しておくことで、図8の表示処理において画像データを表示することができる。これにより、ユーザは、現状の道路の状況を、画像データにより確認することができ、画像データに基づいて対処の優先度を判断することができる。なお、表示する画像データは、道路異常の発見時の画像に限らず、補修中の道路の画像データでも良い。
また、図9に示すように、CPU21は、優先度の高さに応じて、マーク32や吹き出し34の表示態様を変更しても良い。例えば、CPU21は、優先度の高い道路異常位置のマーク32や吹き出し34を、他の優先度のマーク32や吹き出し34とは異なる表示にしても良い。これにより、優先度の高い道路異常位置を、ユーザが認識し易くし、優先度の判断ミスを防ぐことが可能となる。
また、図9に示す表示画面33の構成は、一例である。例えば、CPU21は、地図情報31の上にマーク32だけを表示し、マーク32がクリックされた場合に、吹き出し34を表示しても良く、あるいは別ウィンドウに吹き出し34の内容を表示しても良い。また、CPU21は、道路異常IDなどの他の情報を表示画面33に表示しても良い。また、CPU21は、補修が完了した道路異常の情報も、表示画面33に表示しても良い。この場合、補修前、補修中、補修完了のそれぞれの情報の表示態様を異なる態様にしも良い。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るサーバ装置3のCPU21は、図6に示す優先度決定処理において、対処実績DB13に記憶された過去に対処を行なった複数の道路異常(ポットホール)について、道路異常の発見から補修開始までの日数、及び道路異常に関する複数のパラメータ(交通量やポットホールの直径など)を取得する(S11)。CPU21は、発見から補修開始までの日数を目的変数とし、複数のパラメータを説明変数として重回帰分析を実行し、複数のパラメータの各々の影響度を算出する(S13)。CPU21は、算出した影響度に基づいて、新たな道路異常について対処を行なう優先度を決定する(S16、S17)。
これによれば、過去に対処した道路異常について、道路異常を発見してから対処を開始するまでの日数と、道路異常に関する複数のパラメータを取得し、日数に与える各パラメータの影響度を重回帰分析により算出する。算出した影響度に基づいて、新たな道路異常について対処を行なう優先度を決定する。これにより、過去の実績を分析し、日数に影響を与えるパラメータの影響度を算出しておくことで、新たな道路異常について、算出しておいた影響度に基づいて機械的に優先度を設定することができる。このため、人為的な評価を減らし道路異常に対処する優先度を、より安定的に決定ができる。
また、CPU21は、目的変数として、補修が必要な道路異常を発見してから、実際に補修を開始するまでの日数を用いる。過去の実績において、優先度が高ければ、補修開始までの日数が短くなる傾向がある。また、優先度が低ければ、補修開始までの日数が長くなる傾向がある。一方で、補修が完了するまでの日数は、道路異常の規模によって変動する。このため、優先度の決定に用いる日数として、道路異常の発見から補修開始までに絞った日数を用いることで、優先度をより適切に決定できる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、図5の登録処理、図6の優先度決定処理、図8の表示処理をサーバ装置3が実行したが、他の装置が実行しても良い。例えば、ナビゲーション装置6が、工事予定情報DB12や対処実績DB13に登録する処理、優先度を判定して工事予定情報DB12へ登録する処理を実行しても良い。この場合、ナビゲーション装置6は、本願の優先度決定装置の一例である。同様に、PC4が、サーバ装置3から対処実績DB13のデータを取得して優先度を決定しても良い。この場合、PC4は、本願の優先度決定装置の一例である。また、PC4が、地図情報を備えており、地図情報に基づいて表示した地図上に、サーバ装置3から取得した道路異常の位置情報や優先度の情報を表示しても良い。また、サーバ装置3は、図5の登録処理、図6の優先度決定処理、図8の表示処理の一部のみを実行しても良い。
例えば、上記実施形態では、図5の登録処理、図6の優先度決定処理、図8の表示処理をサーバ装置3が実行したが、他の装置が実行しても良い。例えば、ナビゲーション装置6が、工事予定情報DB12や対処実績DB13に登録する処理、優先度を判定して工事予定情報DB12へ登録する処理を実行しても良い。この場合、ナビゲーション装置6は、本願の優先度決定装置の一例である。同様に、PC4が、サーバ装置3から対処実績DB13のデータを取得して優先度を決定しても良い。この場合、PC4は、本願の優先度決定装置の一例である。また、PC4が、地図情報を備えており、地図情報に基づいて表示した地図上に、サーバ装置3から取得した道路異常の位置情報や優先度の情報を表示しても良い。また、サーバ装置3は、図5の登録処理、図6の優先度決定処理、図8の表示処理の一部のみを実行しても良い。
また、サーバ装置3は、図8に示す表示処理を実行しなくとも良い。例えば、サーバ装置3は、決定した優先度の情報を、工事予定情報DB12へ蓄積し表示しなくとも良い。この場合、PC4が、工事予定情報DB12へアクセスし、優先度の情報を取得し、表示や出力をしてデータを活用しても良い。
また、CPU21は、優先度の決定において、道路異常に関する情報(ポットホールの直径、ポットホールの深さ)を少なくとも1つと、道路異常が発生していた道路に関する情報(交通量、車線数、道幅)を少なくとも1用いても良い。
また、CPU21は、優先度の決定において、道路異常に関する情報(ポットホールの直径、ポットホールの深さ)を少なくとも1つと、道路異常が発生していた道路に関する情報(交通量、車線数、道幅)を少なくとも1用いても良い。
また、本発明に係る優先度決定システムを具体化した実施例について上記に説明したが、優先度決定システムは以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
過去に対処を行なった複数の道路異常について、対処が必要な前記道路異常を発見してから対処を開始するまでの日数、及び前記道路異常に関する複数のパラメータを取得するパラメータ取得手段(21、13)と、前記日数に対する複数の前記パラメータの影響度を算出する影響度算出手段(21、S13)と、前記影響度に基づいて、対処が必要な新たな道路異常について対処を行なう優先度を決定する決定手段(21、S16、S17)と、を有する優先度決定装置(3)。
上記構成を有する優先度決定装置によれば、過去に対処した道路異常について、道路異常を発見してから対処を開始するまでの日数と、道路異常に関する複数のパラメータを取得し、日数に与える各パラメータの影響度を算出する。ここで、過去の実績において、例えば、対処すべき優先度が高ければ、対処を開始するまでの日数が短くなる可能性がある。また、対処すべき優先度が低ければ、対処を開始するまでの日数が長くなる可能性がある。従って、日数に与える各パラメータの影響度は、対処の優先度と相関関係にある。そこで、算出した影響度に基づいて、新たな道路異常について対処を行なう優先度を決定する。これにより、過去の実績を分析し、日数に影響を与えるパラメータの影響度を算出しておくことで、新たな道路異常について、算出しておいた影響度に基づいて機械的に優先度を設定することができる。このため、人為的な評価を減らし道路異常に対処する優先度を、より安定的に決定ができる。
尚、「道路異常」とは、ポットホールやひび割れなど、道路自体の補修や工事が必要な事象だけでなく、落下物が道路上に存在する場合など、道路の使用に異常を招く様々な事象を含む概念である。
過去に対処を行なった複数の道路異常について、対処が必要な前記道路異常を発見してから対処を開始するまでの日数、及び前記道路異常に関する複数のパラメータを取得するパラメータ取得手段(21、13)と、前記日数に対する複数の前記パラメータの影響度を算出する影響度算出手段(21、S13)と、前記影響度に基づいて、対処が必要な新たな道路異常について対処を行なう優先度を決定する決定手段(21、S16、S17)と、を有する優先度決定装置(3)。
上記構成を有する優先度決定装置によれば、過去に対処した道路異常について、道路異常を発見してから対処を開始するまでの日数と、道路異常に関する複数のパラメータを取得し、日数に与える各パラメータの影響度を算出する。ここで、過去の実績において、例えば、対処すべき優先度が高ければ、対処を開始するまでの日数が短くなる可能性がある。また、対処すべき優先度が低ければ、対処を開始するまでの日数が長くなる可能性がある。従って、日数に与える各パラメータの影響度は、対処の優先度と相関関係にある。そこで、算出した影響度に基づいて、新たな道路異常について対処を行なう優先度を決定する。これにより、過去の実績を分析し、日数に影響を与えるパラメータの影響度を算出しておくことで、新たな道路異常について、算出しておいた影響度に基づいて機械的に優先度を設定することができる。このため、人為的な評価を減らし道路異常に対処する優先度を、より安定的に決定ができる。
尚、「道路異常」とは、ポットホールやひび割れなど、道路自体の補修や工事が必要な事象だけでなく、落下物が道路上に存在する場合など、道路の使用に異常を招く様々な事象を含む概念である。
また、第2の構成は以下のとおりである。
対処が必要な前記新たな道路異常が発生している道路と、前記新たな道路異常の前記優先度を関連付けて地図上に表示する表示手段(21)を有する。
上記構成を有する優先度決定装置によれば、道路管理者等のユーザは、地図上の表示を確認することで、新たな道路異常が発生している道路と、その道路異常の優先度を視覚的に容易に確認できる。ユーザは、新たな道路異常が発生している道路の位置や、優先度に基づいて、対処を行なう作業員の派遣などを迅速且つ適切に実行できる。
対処が必要な前記新たな道路異常が発生している道路と、前記新たな道路異常の前記優先度を関連付けて地図上に表示する表示手段(21)を有する。
上記構成を有する優先度決定装置によれば、道路管理者等のユーザは、地図上の表示を確認することで、新たな道路異常が発生している道路と、その道路異常の優先度を視覚的に容易に確認できる。ユーザは、新たな道路異常が発生している道路の位置や、優先度に基づいて、対処を行なう作業員の派遣などを迅速且つ適切に実行できる。
また、第3の構成は以下のとおりである。
複数の前記パラメータは、過去に対処を行なった前記道路異常に関する情報(ポットホールの直径、ポットホールの深さ)を少なくとも1つと、前記道路異常が発生していた道路に関する情報(交通量、車線数、道幅)を少なくとも1つ含む。
上記構成を有する優先度決定装置によれば、道路異常の規模などの道路異常に関する情報と、交通量などの道路に関する情報をそれぞれパラメータとして用いることで、影響度、即ち、優先度を機械的に決定できる。
複数の前記パラメータは、過去に対処を行なった前記道路異常に関する情報(ポットホールの直径、ポットホールの深さ)を少なくとも1つと、前記道路異常が発生していた道路に関する情報(交通量、車線数、道幅)を少なくとも1つ含む。
上記構成を有する優先度決定装置によれば、道路異常の規模などの道路異常に関する情報と、交通量などの道路に関する情報をそれぞれパラメータとして用いることで、影響度、即ち、優先度を機械的に決定できる。
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記道路異常に関する情報は、道路に発生したポットホール又はひび割れのうち、少なくとも一方の形状に基づく情報であり、前記道路異常が発生していた道路に関する情報は、前記道路異常が発生していた道路の交通量、車線数、及び道幅のうち、少なくとも1つの情報である。
上記構成を有する優先度決定装置によれば、ポットホールや道路のひび割れの大きさ、深さなどを道路異常に関する情報として用い、交通量、車線数、道幅などを道路に関する情報として用いて、優先度を機械的に決定できる。
前記道路異常に関する情報は、道路に発生したポットホール又はひび割れのうち、少なくとも一方の形状に基づく情報であり、前記道路異常が発生していた道路に関する情報は、前記道路異常が発生していた道路の交通量、車線数、及び道幅のうち、少なくとも1つの情報である。
上記構成を有する優先度決定装置によれば、ポットホールや道路のひび割れの大きさ、深さなどを道路異常に関する情報として用い、交通量、車線数、道幅などを道路に関する情報として用いて、優先度を機械的に決定できる。
また、第5の構成は以下のとおりである。
車両(5)に取り付けられたセンサ(8)の検出情報に基づいて検出した前記新たな道路異常を取得する道路異常取得手段(21)を有し、前記決定手段は、前記影響度に基づいて、前記道路異常取得手段により取得された対処が必要な前記新たな道路異常の優先度を決定する。
上記構成を有する優先度決定装置によれば、道路を走行する車両のセンサを利用して、対処な必要な新たな道路異常を発見し取得できる。そして、取得した新たな道路異常について優先度を自動で決定することができる。
車両(5)に取り付けられたセンサ(8)の検出情報に基づいて検出した前記新たな道路異常を取得する道路異常取得手段(21)を有し、前記決定手段は、前記影響度に基づいて、前記道路異常取得手段により取得された対処が必要な前記新たな道路異常の優先度を決定する。
上記構成を有する優先度決定装置によれば、道路を走行する車両のセンサを利用して、対処な必要な新たな道路異常を発見し取得できる。そして、取得した新たな道路異常について優先度を自動で決定することができる。
3 サーバ装置
5 車両
6 ナビゲーション装置
8 センサ
13 対処実績DB
15 センタ通信装置
21 CPU
5 車両
6 ナビゲーション装置
8 センサ
13 対処実績DB
15 センタ通信装置
21 CPU
Claims (6)
- 過去に対処を行なった複数の道路異常について、対処が必要な前記道路異常を発見してから対処を開始するまでの日数、及び前記道路異常に関する複数のパラメータを取得するパラメータ取得手段と、
前記日数に対する複数の前記パラメータの影響度を算出する影響度算出手段と、
前記影響度に基づいて、対処が必要な新たな道路異常について対処を行なう優先度を決定する決定手段と、
を有する優先度決定装置。 - 対処が必要な前記新たな道路異常が発生している道路と、前記新たな道路異常の前記優先度を関連付けて地図上に表示する表示手段を有する請求項1に記載の優先度決定装置。
- 複数の前記パラメータは、
過去に対処を行なった前記道路異常に関する情報を少なくとも1つと、前記道路異常が発生していた道路に関する情報を少なくとも1つ含む、請求項1又は請求項2に記載の優先度決定装置。 - 前記道路異常に関する情報は、
道路に発生したポットホール又はひび割れのうち、少なくとも一方の形状に基づく情報であり、
前記道路異常が発生していた道路に関する情報は、
前記道路異常が発生していた道路の交通量、車線数、及び道幅のうち、少なくとも1つの情報である、請求項3に記載の優先度決定装置。 - 車両に取り付けられたセンサの検出情報に基づいて検出した前記新たな道路異常を取得する道路異常取得手段を有し、
前記決定手段は、
前記影響度に基づいて、前記道路異常取得手段により取得された対処が必要な前記新たな道路異常の優先度を決定する、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の優先度決定装置。 - 優先度を決定するコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
過去に対処を行なった複数の道路異常について、対処が必要な前記道路異常を発見してから対処を開始するまでの日数、及び前記道路異常に関する複数のパラメータを取得するパラメータ取得手段と、
前記日数に対する複数の前記パラメータの影響度を算出する影響度算出手段と、
前記影響度に基づいて、対処が必要な新たな道路異常について対処を行なう優先度を決定する決定手段と、
して機能させる為のコンピュータプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019141887A JP2021025242A (ja) | 2019-08-01 | 2019-08-01 | 優先度決定装置及びコンピュータプログラム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6906271B1 (ja) * | 2021-03-18 | 2021-07-21 | 日本電気株式会社 | 道路劣化診断装置、道路劣化診断方法、及び、プログラム |
WO2022195956A1 (ja) * | 2021-03-17 | 2022-09-22 | 株式会社アイシン | 路面異常検出システム |
JP7151010B1 (ja) | 2022-03-25 | 2022-10-11 | 株式会社 日立産業制御ソリューションズ | 路面監視システム |
-
2019
- 2019-08-01 JP JP2019141887A patent/JP2021025242A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022195956A1 (ja) * | 2021-03-17 | 2022-09-22 | 株式会社アイシン | 路面異常検出システム |
JP7424330B2 (ja) | 2021-03-17 | 2024-01-30 | 株式会社アイシン | 路面異常検出システム |
JP6906271B1 (ja) * | 2021-03-18 | 2021-07-21 | 日本電気株式会社 | 道路劣化診断装置、道路劣化診断方法、及び、プログラム |
WO2022195812A1 (ja) * | 2021-03-18 | 2022-09-22 | 日本電気株式会社 | 道路劣化診断装置、道路劣化診断方法、及び、記録媒体 |
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JP2023143227A (ja) * | 2022-03-25 | 2023-10-06 | 株式会社 日立産業制御ソリューションズ | 路面監視システム |
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