JP2021024819A - トリメチロールプロパン環状ホルマールの製造方法 - Google Patents

トリメチロールプロパン環状ホルマールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 効率的にCTFを得る製造方法を提供すること。【解決手段】 塩基性触媒存在下、ノルマルブチルアルデヒドとホルムアルデヒドとを反応させてトリメチロールプロパン(TMP)を含む反応生成液を得る工程、前記反応生成液から蒸留によりTMPを含む留出液Iと高沸成分とを分離する工程、前記留出液Iを酸処理した後、蒸留により留出液IIとTMPを含む高沸成分とを分離する工程、及び前記留出液IIをアセタール化反応にて処理した後、蒸留精製にてトリメチロールプロパン環状ホルマール(CTF)を回収する工程を含む、CTFの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、トリメチロールプロパン環状ホルマールの製造方法に関する。
トリメチロールプロパン環状ホルマール(以下、CTFともいう)は、光硬化性樹脂や潤滑油原料として利用される。特に、CTFは光硬化性樹脂原料として、低皮膚刺激性、高密着性、高ガラス転移温度といった特徴を持ち、需要は拡大傾向にある。
CTFの製造方法としては、トリメチロールプロパン(以下、TMPともいう)製造の副生物から回収する方法の他、TMPとホルムアルデヒドのアセタール化反応を行って得る方法が報告されている。特許文献1には、TMPとホルムアルデヒドを反応させてCTFを製造する方法が記載されている。
CTFはTMP合成の副生物として生成するが、TMP合成時には同時に様々な副生化合物が生じ、それらとCTFの分離が困難である。また、CTFの生成量はTMP合成条件によって異なり、条件によってはCTFがほとんど生成しない。したがって、TMP合成時に副生するCTFを直接回収することは行われず、同じくTMP合成時の副生物であるトリメチロールプロパントリメチロールプロパンビス−単一線状ホルマール(以下、Bis−TMP)の熱分解によってCTFを生成させ回収するという方法が一般的である。特許文献2及び3には、TMP製造時の最終残渣中に含まれるBis−TMPの熱分解によりCTFを製造する方法が記載されている。
特開2002−226426号公報 特表2003−500463号公報 特公昭42−14605号
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、有価物であるTMPを原料に用いてさらに反応を行ってCTFを製造するため、コスト面で劣り、製造の効率性の点で課題がある。
また、特許文献2及び3に記載の方法は、TMP製造時の最終残渣を原料とし、強酸性又は強塩基性条件下、高温で加熱する反応を行う必要がある。また、最終残渣は様々な高沸点化合物の混合物であるため高粘性であり、ハンドリングが難しいという課題がある。さらに、触媒由来の塩基性化合物も含んでいるため、製品への灰分の混入も懸念される。
以上の理由から、特許文献2及び3に記載の方法は、製造の効率性の点で課題がある。
そこで、本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、効率的にCTFを得る製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、TMP製造の際に副生するCTFを、TMP精製時の低沸不純物として留出させ、アセタール反応条件で処理を行った後に、蒸留精製にて回収することにより、効率的にCTFを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
塩基性触媒存在下、ノルマルブチルアルデヒドとホルムアルデヒドとを反応させてトリメチロールプロパン(TMP)を含む反応生成液を得る工程、
前記反応生成液から蒸留によりTMPを含む留出液Iと高沸成分とを分離する工程、
前記留出液Iを酸処理した後、蒸留により留出液IIとTMPを含む高沸成分とを分離する工程、及び
前記留出液IIをアセタール化反応にて処理した後、蒸留精製にてトリメチロールプロパン環状ホルマール(CTF)を回収する工程
を含む、CTFの製造方法。
[2]
前記CTFが、前記留出液IIに含まれるCTFである、
[1]に記載の製造方法。
[3]
前記アセタール化反応にて処理することにより、CTFと沸点が近接する成分を別の化合物に転換する、
[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]
前記CTFと沸点が近接する成分が、ジメチロールプロパン(DMP)を含む、
[3]に記載の製造方法。
[5]
前記アセタール化反応に、共沸溶媒が使用される、
[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
前記アセタール化反応に、ホルムアルデヒドが使用される、
[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
前記アセタール化反応に使用されるホルムアルデヒドが、前記留出液II中に含まれるアルコール成分に対して0.1〜1.8当量である、
[6]に記載の製造方法。
[8]
前記アセタール化反応により、前記留出液II中に含まれるTMPをCTFに転換させる、
[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9]
TMP、ジメチロールプロパン(DMP)、トリメチロールプロパンモノメチルホルマール(MMF)、及びトリメチロールプロパンモノメチルジホルマール(MDF)を少なくとも含み、DMPの含有量に対するMMF及びMDFの含有量の比が、0.50以上である、溶液を準備する工程、
前記溶液から蒸留によりTMPを含む留出液Iと高沸成分とを分離する工程、及び
前記留出液Iを酸処理した後、蒸留により留出液IIとTMPを含む高沸成分とを分離する工程、及び
前記留出液IIをアセタール化反応にて処理した後、蒸留精製にてトリメチロールプロパン環状ホルマール(CTF)を回収する工程
を含む、CTFの製造方法。
[10]
前記DMPの含有量に対するMMF及びMDFの含有量の比が、0.50以上10.00未満である、
[9]に記載の製造方法。
[11]
前記CTFが、前記留出液II中に含まれるCTFである、
[9]又は[10]に記載の製造方法。
[12]
前記アセタール化反応にて処理することにより、CTFと沸点が近接する成分を別の化合物に転換する、
[9]〜[11]のいずれかに記載の製造方法。
[13]
前記CTFと沸点が近接する成分が、ジメチロールプロパン(DMP)を含む、
[12]に記載の製造方法。
[14]
前記アセタール化反応に、共沸溶媒が使用される、
[9]〜[13]のいずれかに記載の製造方法。
[15]
前記アセタール化反応に、ホルムアルデヒドが使用される、
[9]〜[14]のいずれかに記載の製造方法。
[16]
前記アセタール化反応に使用されるホルムアルデヒドが、前記留出液II中に含まれるアルコール成分に対して0.1〜1.8当量である、
[15]に記載の製造方法。
[17]
前記アセタール化反応により、前記留出液II中に含まれるTMPをCTFに転換させる、
[9]〜[16]のいずれかに記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、効率的にCTFを提供することが可能である。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。なお、本明細書において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いる。例えば「1〜100」との数値範囲の表記は、その上限値「100」及び下限値「1」の双方を包含するものとする。また、他の数値範囲の表記も同様である。
本実施形態の製造方法は、
塩基性触媒存在下、ノルマルブチルアルデヒド(以下、NBALとも記載する)とホルムアルデヒドとを反応させてトリメチロールプロパン(以下、TMPとも記載する)を含む反応生成液を得る工程(以下、工程Iともいう)、
前記反応生成液から蒸留によりTMPを含む留出液Iと高沸成分とを分離する工程(以下、工程IIともいう)、
前記留出液Iを酸処理した後、蒸留により留出液IIとTMPを含む高沸成分とを分離する工程(以下、工程IIIともいう)、及び
前記留出液IIをアセタール化反応にて処理した後、蒸留精製にてトリメチロールプロパン環状ホルマール(以下、CTFとも記載する)を回収する工程(以下、工程IVともいう)
を含む、CTFの製造方法である。
留出液I及び留出液IIは、それぞれ低沸成分ともいうことができる。なお、ここでいう高沸成分とはTMPよりも沸点の高い成分を指す。
本実施形態の製造方法は、TMP製造時の副生液である、多様な成分を含む混合物からCTFを容易に回収することができ、効率的にCTFを得ることができる製造方法である。
本実施形態におけるCTFとは、以下の構造を有する化合物である。
(工程I)
本実施形態の製造方法における工程Iは、塩基性触媒存在下、NBALとホルムアルデヒドとを反応させてTMPを含む反応生成液を得る工程である。
工程IにおけるNBALとホルムアルデヒドとの反応は、以下に示されるスキームで表される。
NBALとホルムアルデヒドとの反応は、具体的には、NBALとホルムアルデヒドとのアルドール縮合反応及び交差カニッツァロー(Cannizzaro)反応の2段の反応である。NBALとホルムアルデヒドとの反応は、具体的には、以下のA及びB(アルドール縮合反応)、並びにC(交差カニッツァロー反応)の反応により進行する。
本実施形態で使用されるホルムアルデヒドはホルムアルデヒド水溶液であってもよく、固形のパラホルムアルデヒドであってもよい。ホルムアルデヒドの使用量は、3当量以上であれば特に制限されない。ホルムアルデヒドの使用量は、NBALに対して3〜10当量であることが好ましく、3〜6当量であることがより好ましい。
本実施形態で使用される塩基性触媒は、特に制限されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムの水酸化物塩、又は炭酸塩、炭酸水素塩、或いはトリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、又は、その混合物等が挙げられる。これらの中でも塩基性触媒は、炭酸塩を含むことが好ましい。塩基性触媒が炭酸塩を含む場合、交差カニッツァロー反応で消費されるのは炭酸塩であり、当該炭酸塩は反応によりギ酸塩と炭酸水素塩となる。カニッツァロー反応で生成した炭酸水素塩は再び炭酸塩に変わる。
塩基性触媒としての炭酸塩は、一般的に工業薬品として市販されている炭酸塩若しくは炭酸水素塩との混合物を用いてもよく、また、ギ酸塩を酸化または加水分解して生成された炭酸水素塩から出発したものを用いてもよい。炭酸塩としては、具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、及び炭酸アンモニウム等が挙げられる。これらの中でも工業的に実施する観点から、炭酸ナトリウムが好ましい。
塩基性触媒の使用量は、適宜調整すればよい。塩基性触媒の使用量は、副生物を抑えて高選択率に目的のTMPを得る観点から、NBALに対するモル比で1〜2倍モルであることが好ましく、1.0〜1.5倍モルであることがより好ましい。
工程Iの反応の反応温度は、通常45〜120℃であり、好ましくは60〜110℃であり、より好ましくは65〜110℃である。A及びB(アルドール縮合反応)、並びにC(交差カニッツァロー反応)の反応の進行に応じて、反応温度は調節することが好ましい。反応温度の調節方法としては、具体的には、副生する2−エチルアクロレイン(以下、ECRとも記載する)を反応系から留去した後、95〜110℃で10〜30分間ほど熟成し、交差カニッツァロー反応を完結させることが好ましい。またこの場合、反応系内を所定の反応温度に保つため、反応系内を窒素ガス等の不活性ガスで加圧することが好ましい。
工程Iは、触媒として炭酸塩を含む塩基触媒を用い、反応途中に主反応(ここで主反応とは、アルドール縮合反応)と並行させながら又は単独に反応系外に、アルドール縮合反応で副生したECRを分離回収した後、交差カニッツァロー反応を完結させる工程ともいうことができる。本実施形態において、反応第1段階のアルドール縮合反応と反応第2段階の交差カニッツァロー反応とを、区分した反応系で行なってもよく、また、区分することなく同一反応器内で逐次的に行なってもよい。
ECRは、アルドール縮合段階でNBALに1モル量のホルムアルデヒドが付加したアルカナールからの脱水反応により生成する。ECRは脂肪族アルデヒドの添加後に反応系から交差カニッツァロー反応が完結する前に分離回収することが好ましい。すなわちECRの分離は、NBALに対する塩基触媒の消費モル比が0.50から0.95の間に行うことが好ましい。この分離回収は、減圧、常圧又は加圧条件での蒸留により容易に行える。交差カニッツァロー反応が完了しない条件で副生したECRを反応系外に除去することによりECRの副反応による損失を防ぐことができる。なお、塩基触媒はカニッツァロー反応においてギ酸塩となるので、塩基触媒の消費モル比はギ酸塩の生成モル比に相当する。
本実施形態において使用される塩基触媒が炭酸塩を含む場合、反応により生成する炭酸水素塩が炭酸塩となる反応が同時に起こるため、反応第2段階の交差カニッツァロー反応時に炭酸ガスの発生を伴う。したがって、工程Iは、低沸点物であるECRと炭酸ガスとを系外に放出させながら非連続的または連続的に行うことが好ましい。
NBALとホルムアルデヒドとの反応でTMPを製造する場合、先ずホルムアルデヒド水溶液と炭酸塩を含む塩基触媒の水溶液とを混合し、この中にNBALを一定の速度で滴下する方法や、ホルムアルデヒド水溶液中にNBALと塩基触媒を添加する方法が好適に用いられる。
回収されたECRは、反応形式が多段連続反応では2〜3段目反応缶から回収した後、1段目反応缶へ循環し、また回分式の場合は次回の反応系へ循環させることができる。ECRの添加方法は、例えば、原料のNBALを添加する前に、前回の反応で回収したECRを塩基触媒及びホルムアルデヒドと共にアルドール縮合反応器に添加してもよい。このような添加方法とすることにより、NBALに比べて反応性の劣るECRが大過剰の塩基触媒及びホルムアルデヒドと反応することになるので、ECRが選択性よく反応させることができる。すなわち、ECRを、原料のNBALを添加する前に反応させるようにして、アルドール縮合反応系に循環使用することによって、TMPが高選択率で製造される。このような反応に用いられるECRには、上記のアルドール縮合反応の過程で分離回収されるECRの他に、製品の多価アルコールの蒸留精製工程で回収されるECRを用いることもできる。
工程Iの反応は、溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては特に制限されないが、例えば、水等が挙げられる。
得られた反応生成液から目的のTMPを得るために、先ずは反応液中に残存する過剰の塩基触媒を、ギ酸を用いて中和し、次に残存するホルムアルデヒドを0.5〜2.5kg/cm2Gの加圧下で蒸留して留去した後、反応生成液を得てもよい。
また、反応生成液を得る方法としては、例えば、溶媒抽出によって目的のTMPとギ酸塩とを分離してもよい。抽出溶媒としては、例えば、反応原料でもあるNBALでもよく、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸ブチルエステル等のエステル類であってもよい。これらの抽出溶媒は1種単独であってもよく、2種以上の混合物であってもよい。
一方、水相中に分離したギ酸塩は、そのまま又は前処理として活性炭処理をして、ギ酸塩以外の有機不純物を除去した後、濃縮し常法によってギ酸塩を副製品として回収するか、又は酸素分子存在下又は不存在下に貴金属触媒又はニッケル触媒下で、このギ酸塩を、炭酸水素塩を主成分とした塩基化合物に転換した後に回収してもよい。
さらに、反応生成液を得る方法として、反応生成液から脱溶媒を行ってもよい。ここで脱溶媒により、少なくとも水及びNBALが除かれることが好ましい。脱溶媒は、蒸留塔により行うことができる。
工程Iは、例えば、特開平11−49708号公報を参照して行うことができる。
工程Iにより反応生成液を得ることができるが、本実施形態の製造方法は、TMPを含む溶液を入手して準備し、これを用いて工程II、III及びIVを行ってもよい。本実施形態の製造方法に供される溶液(CTFの回収のために供される溶液)は、TMP製造時の副生液である、多様な成分を含む混合物を用いることができる。本実施形態の製造方法に用いられる溶液としては、具体的には、TMP、ジメチロールプロパン(DMP)、トリメチロールプロパンモノメチルホルマール(MMF)、及びトリメチロールプロパンモノメチルジホルマール(MDF)を少なくとも含み、DMPの含有量に対するMMF及びMDFの含有量の比が、0.50以上である、溶液を用いることができる。
すなわち、本実施形態の製造方法は、
トリメチロールプロパン(TMP)、ジメチロールプロパン(DMP)、トリメチロールプロパンモノメチルホルマール(MMF)、及びトリメチロールプロパンモノメチルジホルマール(MDF)を少なくとも含み、DMPの含有量に対するMMF及びMDFの含有量の比が、0.50以上である、溶液を準備する工程(以下、工程I’ともいう)、
前記溶液から蒸留によりTMPを含む留出液Iと高沸成分とを分離する工程(以下、工程IIともいう)、
前記留出液Iを酸処理した後、蒸留により留出液IIとTMPを含む高沸成分とを分離する工程(以下、工程IIIともいう)、及び
前記留出液IIをアセタール化反応にて処理した後、蒸留精製にてトリメチロールプロパン環状ホルマール(CTF)を回収する工程(以下、工程IVともいう)
を含む、CTFの製造方法でもある。
工程I’の溶液において、DMPの含有量に対するMMF及びMDFの含有量の比が0.50以上であることにより、回収により得られるCTFが十分な量となり、効率的にCTFを得ることができる。
上記含有量の比の上限は、含有量の比が大きいほどCTFの回収量が多くなるため、特に制限されない。上記含有量の比の上限は、製品TMPの収量を減少させることなくCTFも十分に取得する観点から、通常10.0未満であり、好ましくは5.00未満であり、より好ましくは3.00未満である。
DMP、MMF及びMDFは、塩基性触媒存在下でNBALとホルムアルデヒドとを反応させてTMPを生成する際に副生する副生成物である。副生成物の中でも、MMF及びMDFは、反応後の処理や反応後の工程において、CTFに変換されると考えられる。したがって、副生成物の量比である、上記DMPの含有量に対するMMF及びMDFの含有量の比は、CTF回収の可否の指標となる。
本明細書において工程I’の溶液を、反応生成液ともいう。
本実施形態におけるCTFの回収量をより高める観点から、上記DMPの含有量に対するMMF及びMDFの含有量の比は、0.50以上10.00未満であることが好ましく、1.00以上5.00未満であることがより好ましく、1.30以上3.00未満であることがさらに好ましく、2.00以上3.00未満であることがよりさらに好ましい。
DMPの含有量に対するMMF及びMDFの含有量の比は、DMP、MMF及びMDFを溶液中に添加して適宜調整することができる。また、DMPの含有量に対するMMF及びMDFの含有量の比は、上述した工程Iにおいて、回収されたECRの反応器への添加時期を調節することにより制御することができる。反応器において、原料のノルマルブチルアルデヒドを添加する前に、前回の反応で回収したECRを塩基触媒及びホルムアルデヒドと共に添加することにより、上記DMPの含有量に対するMMF及びMDFの含有量の比が大きくなるように制御される。
DMPの含有量に対するMMF及びMDFの含有量の比は、溶液をガスクロマトグラフィー(GC)により測定することにより成分組成を求め、(MMFの含有量(面積%)+(MDFの含有量(面積%))/(DMPの含有量(面積%))から算出することができる。DMP、MMF及びMDFの含有量(面積%)は、具体的には実施例に記載の方法によって測定することができる。
(工程II)
本実施形態の製造方法における工程IIは、工程Iにより得られた反応生成液又は工程I’の溶液から蒸留により、TMPを含む低沸成分と、TMPよりも高い沸点を持つ成分である高沸成分とを分離する工程である。
本明細書における蒸留とは、反応生成液(工程I’の溶液も含む)中の対象成分を少なくとも一度蒸発させ、再度濃縮させることにより、沸点の異なる成分を分離及び濃縮することを指す。工程IIでは、成分の沸点に応じて適宜温度又は圧力を調整することにより、少なくとも、TMPが分離されると同時に、低沸留分が分離される。
工程IIでは、まず、蒸留により、工程Iにより得られた反応生成液又は工程I’の溶液より、TMP及び低沸不純物を含む留分(すなわち、留出液I)と、高沸成分とを分離する。ここでいう高沸成分は、TMPの沸点よりも高い沸点を持つ成分を指す。ここで留出液Iは、温度155〜170℃、圧力0.9〜1.2kPaで取得される留分を含むことが好ましい。
(工程III)
工程IIIでは、留出液Iを酸処理した後、蒸留により留出液IIとTMPを含む高沸成分とに分離する。留出液IIは、TMPの沸点未満で取得される留分であることが好ましい。本実施形態における留出液IIは、任意の圧力下におけるTMPの沸点未満で取得される留分ともいうことができる。
なお、工程II及び工程IIIの蒸留は、特開2000−191568号公報を参照して実施することができる。
工程IIにおける蒸留により得られた留出液Iを酸処理する。酸処理をすることにより、TMP及びCTFと分離することが困難な成分(例えば、DMP等)を他の化合物へ転換することができる。
また、酸処理をすることにより、CTFの生成が促進すると考えられる。これは、MMF及びMDF等のエーテル結合が切断されて生成したTMP、若しくは反応液中に含まれていたTMPとホルムアルデヒドとがホルマールを形成する反応、すなわち、CTFへの変換を進行させるためであると考えられる。したがって、本実施形態の製造方法により回収されるCTFは、留出液II中に含まれることが好ましい。
酸処理に使用される酸としては、特に制限されないが、例えば、リン酸、硫酸等の鉱酸類;パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸類;ゼオライト、アルミナ等の固体酸;等が挙げられる。これらの中でも、リン酸、硫酸が好ましく、リン酸がより好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸の添加量は、加熱条件によって異なるが、留出液Iの質量に対し、通常10ppmから5質量%であり、好ましくは50ppmから5000ppmである。10ppm未満では不純物の分解が起こり難く、5質量%超過では着色や、TMPの分解が起こりやすい。
酸処理は酸処理槽で行うことができ、当該酸処理槽は、工程IIを行う蒸留塔の後、工程IIIを行う蒸留塔の前に設けることが好ましい。
また、酸処理は、MMF及びMDFを分解し、CTFの生成を促進する観点から、加熱して行うことが好ましい。加熱温度は、通常140〜200℃、好ましくは160〜180℃である。加熱時間は、通常10分から300分、好ましくは50分から150分である。加熱雰囲気は大気下でも不活性ガス下でもよい。圧力は、常圧や加圧、減圧下の何れでもよい。
酸処理は、例えば、特開2000−191568号公報を参照して行うことができる。
工程II及びIIIにおける蒸留は、少なくとも1つの蒸留塔により行うことができる。また、反応生成液からの蒸留は、分離する対象の留分に応じて複数の蒸留塔を用いてもよい。上記工程II及びIIIの一連の蒸留は、1つの蒸留塔で行ってもよく、2つ以上の蒸留塔で行ってもよい。効率よく各分画を得る観点から、上記工程II及びIIIは、それぞれ別個の蒸留塔によって行うことが好ましい。
(工程IV)
本実施形態の製造方法における工程IVは、工程IIIの蒸留にて留去した留出液IIをアセタール化反応にて処理した後、蒸留精製にてトリメチロールプロパン環状ホルマール(CTF)を回収する工程である。また、留出液IIは、好ましくは上記工程IIIにおいてTMPの沸点未満で取得される分画であって、少なくとも、CTF、及びDMPを含むことが好ましく、さらにTMP、MME(5−エチル−5−(メトキシメチル)−1,3−ジオキサン)、MMF、MDF等を含んでいてもよい。
工程IIIにおける「アセタール化反応にて処理」とは、留出液II中に含まれるアルコール化合物をアセタール化合物に誘導することを指す。アセタール化反応にて処理することにより、CTFとの分離が困難なアルコール化合物が、蒸留精製によって分離容易な成分(アセタール化合物)となる。すなわち、アセタール化反応にて処理することにより、CTFと沸点が近接する成分を別の化合物に転換する。CTFと沸点が近接する成分としては、例えば、DMP等が挙げられる。
アセタール化反応は、溶媒の存在下又は非存在下、必要に応じて触媒を用いて、留出液IIとアセタール化試薬とを反応させることにより行うことが好ましい。アセタール化反応は、反応器で行うことができる。アセタール化反応は、副生水を円滑に除去するために、共沸溶媒を用いることが好ましい。副生水を円滑に除去することにより、平衡反応であるアセタール化において生成物側に平衡を偏らせることができる。
アセタール化反応に用いる溶媒としては、水と共沸し、反応に対して不活性な化合物であれば制限はないが、トルエンを好適に挙げられる。
アセタール化反応に用いるアセタール化試薬としては、留出液II中に含まれるアルコール化合物をアセタール化合物に変換する化合物であれば特に制限されない。アセタール化試薬としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、へプタナール、オクタナール、ベンズアルデヒド等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのアセタール化試薬の中でも、留出液II中に少量含まれるTMPをCTFへ誘導しCTFの収量を向上させるために、ホルムアルデヒドを用いることが好ましい。本実施形態の製造方法は、アセタール化反応により、留出液II中に含まれるTMPをCTFに転換させることが好ましい。
触媒の使用の有無、及び種類は、アセタール化試薬に応じて適宜選択すればよい。例えば、アセタール化試薬としてホルムアルデヒド、2,2−ジメトキシプロパン、2,2−ジエトキシプロパン、2−メトキシプロペン、ベンズアルデヒドジメチルアセタール、ベンズアルデヒドジエチルアセタールを用いる場合、酸触媒を用いることが好ましい。酸触媒としては、特に制限されないが、例えば、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸類;リン酸、塩酸、硫酸、酢酸、硝酸等の鉱酸類;及び、各種固体酸触媒;等が挙げられる。
アセタール化試薬の使用量は、留出液II中に含まれるアルコール成分の量に応じて適宜調整すればよく、通常留出液II中に含まれるアルコール成分に対して0.1〜1.8当量である。なお、本明細書において、反応生成液、及び低沸留分(留出液I、II)等の各分画等に含まれる成分の量は、例えば、ガスクロマトグラフィー(GC)により測定することができ、具体的には実施例に記載の方法によって測定することができる。
工程IVにおけるCTFの回収は蒸留精製により行われる。蒸留精製は、反応後の混合物を原料に、蒸留塔で減圧蒸留によって行うことが好ましい。
本実施形態の製造方法で行われる蒸留は、通常使用されている蒸留塔を用いることができる。蒸留塔の段数は特に制限されないが、通常10〜100の範囲である。
以下、本発明につき、実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。また、実施例、比較例における、反応生成液及び低沸留分等における各成分の組成は、以下のとおり測定した。
[反応生成液及び留出液IIにおける各成分の組成の測定]
反応生成液及び留出液IIより測定用にサンプルを取得し、ガスクロマトグラフィー(GC)測定に供した。なお、GCの測定条件は以下のとおりであった。
装置名:島津製作所製 島津GC2010plus
カラム:Agilent製DB−1
キャリアガス:ヘリウム
検出器:FID
[実施例1]
<TMPを含む反応生成液を得る工程>
特開平11−49708号公報に記載された実施例1に準じて、NBALとホルムアルデヒドよりTMPを合成した。具体的には、以下のとおり合成した。
(初回反応)
容量積30L反応槽に40質量%ホルムアルデヒド水溶液8200g(109.2モル)と炭酸水素ナトリウム換算濃度で33質量%の塩基性水溶液(炭酸水素ナトリウム/炭酸ナトリウムのモル比:2/98)9548g(37.5モル)を混合し、窒素ガスで1kg/cm2Gまで昇圧した後、撹拌下に温度を80℃まで昇温した。この中にNBAL 2464g(34.1モル)を一定速度45分間かけて添加した。この間の温度は80℃から徐々に上昇させ最高温度90℃に制御した。その後圧力1kg/cm2G、温度98℃に昇温して15分間反応を継続した。反応によって発生するCO2は随時系外に放出させた。次に、温度、圧力を徐々に降温、降圧させ、反応槽上部から発生するCO2ガスと共に低沸留分であるECRと一部共沸する水を蒸留法でNBALに対する塩基触媒の消費モル比で0.5から0.95の間に回収しながら、反応を10分間継続した。その留出量は620gで、この内ECRは水中の溶解分を含めて495.6g(5.90モル)であった。ECR回収後98〜100℃で30分間反応を継続した。また反応を通して放出されたCO2ガス量は820g(18.63モル)であった。残存した反応生成液18772gを分析した結果、TMPを17.07質量%含んでおり、TMP選択率(消費アルデヒド基準)は84.7モル%であった。
(2回目反応)
40質量%ホルムアルデヒド水溶液6775g(90.24モル)と33質量%(炭酸水素ナトリウム換算濃度)の塩基性水溶液7896g(31.02モル)を混合し、窒素ガスで1kg/cm2Gまで昇圧した後、撹拌下に80℃に昇温した。この中に、初回反応で回収したECR相と水相の全量620gを添加した後に、NBAL 2035g(28.2モル)を一定速度45分間掛けて添加した。この間の温度は80℃から徐々に上昇させ最高温度98℃に制御させた。NBAL添加後、圧力1kg/cm2G、温度98℃を保ちながら10分間反応を継続した。この間、反応によって発生するCO2ガスは随時系外に放出した。次に圧力を徐々に降圧させながら反応槽上部から発生するCO2ガスと共にECRおよび共沸する水をNBALに対する塩基触媒の消費モル比で0.5から0.95の間に留出させながら30分間反応を継続した。この留出量は654gでこの内ECRは水中に溶解した分を含めて498.8g(5.94モル)であった。ECR回収後更に98〜100℃で30分間反応を継続した。残存した反応生成液16003gを分析した結果、TMPを20.88質量%含んでおり、TMP選択率(消費アルデヒド基準)は88.4モル%であった。
(3回目反応)
40質量%ホルムアルデヒド水溶液6775g(90.24モル)と33質量%(炭酸水素ナトリウム換算濃度)の塩基性水溶液(炭酸水素ナトリウム/炭酸ナトリウムのモル比:2/98)7896g(31.02モル)を混合し、窒素ガスで1kg/cm2Gまで昇圧した後、撹拌下に温度を80℃まで昇温した。この中に、2回目反応で回収したECR相と水相の全量654g(ECR5.94モル)を添加した後に、NBAL 2035g(28.2モル)を一定速度45分間かけて添加した。以下2回目反応と同様に行った。この反応で回収したECRは水中の溶解分を含めて496.5g(5.91モル)であった。また反応を通して放出されたCO2ガス量は675gであった。残存した反応生成液16080gを分析した結果、TMPを21.20質量%含んでおり、TMP選択率(消費アルデヒド基準)は90.0モル%であった。
反応終了後、水蒸気蒸留にて未反応のホルムアルデヒドを除去した後、溶媒にNBALを用いてTMPを抽出し、副生物や触媒を水層へ分配除去し、抽出溶媒のNBALと水を除去し、反応生成液を得た。
反応生成液の分析し、反応生成液中の各成分の組成比を表1に示した。
<蒸留によりTMPを分離する工程>
次に、<TMPを含む反応生成液を得る工程>にて得られた反応生成液を蒸留し、TMPと低沸成分を留出させて(温度155〜170℃、圧力0.9〜1.2kPa)、高沸成分を除去した。TMPと低沸成分を含む留出液(留出液I)に、特開2000−191568号公報に記載の方法を参考にリン酸処理することによりMMF、MDF等を分解させた。また、特開2000−191568号公報に記載の蒸留方法を参考に、分解により生じた不純物を除去した後、TMPを含む高沸成分と留出液IIとを分離した。この時の蒸留により得られた留出液IIの組成を表2に示した。留出液II中にはCTFが約48%含まれていた。
<アセタール化反応にて処理した後、CTFを回収する工程>
得られた留出液II 120g、40質量%ホルムアルデヒド水溶液30g、パラトルエンスルホン酸1.1g、トルエン200gを1Lの容器に仕込み、還流条件下、反応副生水を留出させながら、副生水がなくなるまで反応させた。生成液組成を表3に示した。
反応後、ジメチロールプロパン(DMP)が消失した。DMPはCTFとの分離が困難な物質であるが、アセタール処理によりDMPを低減できることが示された。また、低沸留分中のTMPとホルムアルデヒドとのアセタール反応により、CTFの収支が向上した。
表中、DMPホルマールとはDMPとホルムアルデヒドとのアセタール化合物を指し(以下、DMP−Fとも記載する)、MMEホルマールとはMMEとホルムアルデヒドとのアセタール化合物を指し(以下、MME−Fとも記載する)、TMP−CTFとはTMPとCTFとの縮合物を指し、CTF−CTFとはCTF2分子の縮合物を指す。
得られた釜液を原料に、段数50段、還流比1〜10の条件で、減圧蒸留を実施した。留分の組成を表4に示した。蒸留前にアセタール反応を行い、DMPを低減させたことにより、高純度のCTFが得られた。
[実施例2]
初回反応で回収したECR相及び水相を、(2回目反応)及び(3回目反応)において40質量%ホルムアルデヒド水溶液6775g(90.24モル)と33質量%(炭酸水素ナトリウム換算濃度)の塩基性水溶液7896g(31.02モル)、及びNBAL 2035g(28.2モル)を含む混合物中に添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。
反応生成液の分析し、反応生成液中の各成分の組成比を表5に示した。また、低沸留分の組成を表6に示した。低沸留分中にはCTFが約33%含まれていた。
[実施例3]
特許6270479号公報に記載の方法にしたがって、TMPを含む反応生成液を取得した。
反応生成液の分析し、反応生成液中の各成分の組成比を表7に示した。また、低沸留分の組成を表8に示した。低沸留分中にはCTFが約17%含まれていた。
[比較例1]
<低沸不純物の蒸留>
実施例1で得られた低沸留分を原料に、窒素でバブリングしながら真空蒸留を実施した。留出液の組成を表9に示した。DMPとCTFは沸点が近いため蒸留精製では分離できなかった。

Claims (17)

  1. 塩基性触媒存在下、ノルマルブチルアルデヒドとホルムアルデヒドとを反応させてトリメチロールプロパン(TMP)を含む反応生成液を得る工程、
    前記反応生成液から蒸留によりTMPを含む留出液Iと高沸成分とを分離する工程、
    前記留出液Iを酸処理した後、蒸留により留出液IIとTMPを含む高沸成分とを分離する工程、及び
    前記留出液IIをアセタール化反応にて処理した後、蒸留精製にてトリメチロールプロパン環状ホルマール(CTF)を回収する工程
    を含む、CTFの製造方法。
  2. 前記CTFが、前記留出液IIに含まれるCTFである、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記アセタール化反応にて処理することにより、CTFと沸点が近接する成分を別の化合物に転換する、
    請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記CTFと沸点が近接する成分が、ジメチロールプロパン(DMP)を含む、
    請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記アセタール化反応に、共沸溶媒が使用される、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記アセタール化反応に、ホルムアルデヒドが使用される、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記アセタール化反応に使用されるホルムアルデヒドが、前記留出液II中に含まれるアルコール成分に対して0.1〜1.8当量である、
    請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記アセタール化反応により、前記留出液II中に含まれるTMPをCTFに転換させる、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. TMP、ジメチロールプロパン(DMP)、トリメチロールプロパンモノメチルホルマール(MMF)、及びトリメチロールプロパンモノメチルジホルマール(MDF)を少なくとも含み、DMPの含有量に対するMMF及びMDFの含有量の比が、0.50以上である、溶液を準備する工程、
    前記溶液から蒸留によりTMPを含む留出液Iと高沸成分とを分離する工程、及び
    前記留出液Iを酸処理した後、蒸留により留出液IIとTMPを含む高沸成分とを分離する工程、及び
    前記留出液IIをアセタール化反応にて処理した後、蒸留精製にてトリメチロールプロパン環状ホルマール(CTF)を回収する工程
    を含む、CTFの製造方法。
  10. 前記DMPの含有量に対するMMF及びMDFの含有量の比が、0.50以上10.00未満である、
    請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記CTFが、前記留出液II中に含まれるCTFである、
    請求項9又は10に記載の製造方法。
  12. 前記アセタール化反応にて処理することにより、CTFと沸点が近接する成分を別の化合物に転換する、
    請求項9〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 前記CTFと沸点が近接する成分が、ジメチロールプロパン(DMP)を含む、
    請求項12に記載の製造方法。
  14. 前記アセタール化反応に、共沸溶媒が使用される、
    請求項9〜13のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. 前記アセタール化反応に、ホルムアルデヒドが使用される、
    請求項9〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
  16. 前記アセタール化反応に使用されるホルムアルデヒドが、前記留出液II中に含まれるアルコール成分に対して0.1〜1.8当量である、
    請求項15に記載の製造方法。
  17. 前記アセタール化反応により、前記留出液II中に含まれるTMPをCTFに転換させる、
    請求項9〜16のいずれか一項に記載の製造方法。
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