JP2021024803A - クエン酸第二鉄水和物を含む固形製剤 - Google Patents

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健太 藤沼
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Abstract

【課題】高含量のクエン酸第二鉄水和物を含む、硬度が増強された固形製剤を提供する。【解決手段】高含量のクエン酸第二鉄水和物及び崩壊剤を含む固形製剤を調製する。【選択図】なし

Description

本発明は、クエン酸第二鉄水和物を含む固形製剤、クエン酸第二鉄水和物を含む固形製剤の硬度増強方法等に関する。
腎臓は、体内の水分バランスを保ち、血液中の電解質の濃度を調節する。慢性腎臓病等で腎臓の機能が低下すると、電解質異常が生じる。高リン血症は、このような腎機能が低下により惹起される電解質異常の1つであり、血清PO濃度が4.5mg/dLを上回る状態を言う。
クエン酸第二鉄水和物は、消化管内でリン酸と結合し、消化管からリンが体内へ吸収されるのを抑制することにより血液中のリン濃度を低下させ、慢性腎臓病患者における高リン血症を改善させる。
慢性腎臓病患者には、水分摂取が厳しく管理されている患者が存在し、嚥下障害を有する患者が存在するので、水なしで服用可能な口腔内崩壊錠や、できるだけ小型化された高含量製剤の開発は、慢性腎臓病患者における高リン血症の治療に有益である。
しかしながら、慢性腎臓病患者における高リン血症の治療には、クエン酸第二鉄水和物は高用量の投与が必要である。一般に高用量の有効成分を含む製剤は体積が大きくなる傾向があるので、小型化は困難である。特に錠剤の場合は、有効成分同士を接着させるための結合剤等の添加剤が含まれるので、体積が大きくなり、小型化は難しく(特許文献1)、その中でも口腔内崩壊錠の場合、通常、優れた崩壊性を担保した高含量の有効成分を含む口腔内崩壊錠の開発は一般に困難である(特許文献1)。
国際公開2017/170763号公報
本発明の課題の一つは、高含量のクエン酸第二鉄水和物を含む医薬組成物を提供することである。本発明の課題の一つは、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤に用いる硬度増強剤を提供することである。本発明の課題の一つは、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤の硬度増強方法を提供することである。
本発明者らは、高含量のクエン酸第二鉄水和物を含む医薬組成物を検討した結果、クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上含有する医薬組成物が調製できることを見出した。また、クロスポビドン及び/又はD−マンニトールを使用することにより、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤の硬度が増強されることを見出した。これら知見に基づき、本発明を完成させた。
本発明は、一つの側面において、クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上含有する医薬組成物を提供する。
本発明は、一つの側面において、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤に用いる為の、クロスポビドン及び/又はD−マンニトールを含む硬度増強剤を提供する。
本発明は、一つの側面において、クエン酸第二鉄水和物とクロスポビドン及び/又はD−マンニトールを含む混合物を打錠する工程を含む、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤の硬度増強方法を提供する。
本発明は、一つの側面において、クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上含有する医薬組成物の製造方法を提供する。
図1は、実施例1−1〜実施例1−5Bの錠剤の処方(質量%)、1錠の重量(mg)、錠剤製造時の打圧(kN)、錠剤の硬度(N)、口腔内崩壊時間(秒)を示す。 図2は、実施例2−1、2−2、2−4及び1−1の錠剤の処方(質量%)、1錠の重量(mg)、錠剤製造時の打圧(kN)、錠剤の硬度(N)、口腔内崩壊時間(秒)を示す。 図3は、実施例3−1、3−2、3−3及び1−1の錠剤の処方(質量%)、1錠の重量(mg)、錠剤製造時の打圧(kN)、錠剤の硬度(N)、口腔内崩壊時間(秒)を示す。 図4は、実施例4−1、4−3、4−4及び1−1の錠剤の処方(質量%)、1錠の重量(mg)、錠剤製造時の打圧(kN)、錠剤の硬度(N)、口腔内崩壊時間(秒)を示す。 図5は、実施例5−2、5−3、5−4及び1−1の錠剤の処方(質量%)、1錠の重量(mg)、錠剤製造時の打圧(kN)、錠剤の硬度(N)、口腔内崩壊時間(秒)を示す。 図6は、実施例6−2、6−3、6−4及び1−1の錠剤の処方(質量%)、1錠の重量(mg)、錠剤製造時の打圧(kN)、錠剤の硬度(N)、口腔内崩壊時間(秒)を示す。 図7は、実施例1−1、2−1、2−2、2−4、3−1、3−2及び3−3のクエン酸第二鉄水和物に対するクロスポビドンの割合(質量%)、クエン酸第二鉄水和物に対するD−マンニトールの割合(質量%)、錠剤製造時の打圧(kN)、錠剤の硬度(N)、口腔内崩壊時間(秒)を示す。 図8は、実施例4−1、4−3、4−4、5−2、5−3、5−4、6−2、6−3及び6−4のクエン酸第二鉄水和物に対するクロスポビドンの割合(質量%)、クエン酸第二鉄水和物に対するD−マンニトールの割合(質量%)、錠剤製造時の打圧(kN)、錠剤の硬度(N)、口腔内崩壊時間(秒)を示す。 図9は、製造したクロスポビドン及びD−マンニトールを含有する錠剤について、クエン酸第二鉄水和物に対するクロスポビドンの割合(質量%)と約60Nの硬度の錠剤を製造する時の打圧(kN)の関係を示す。クエン酸第二鉄水和物に対するクロスポビドンの量を増加させると、低い打圧で約60Nの錠剤硬度が得られることが理解できる。クエン酸第二鉄水和物に対するクロスポビドンの量を増加させると、錠剤硬度が高くなる傾向があることが理解できる。 図10は、製造したクロスポビドン及びD−マンニトールを含有する錠剤について、クエン酸第二鉄水和物に対するD−マンニトールの割合(質量%)と約60Nの硬度の錠剤を製造する時の打圧(kN)の関係を示す。クエン酸第二鉄水和物に対するD−マンニトールの量を増加させると、低い打圧で約60Nの錠剤硬度が得られることが理解できる。クエン酸第二鉄水和物に対するD−マンニトールの量を増加させると、錠剤硬度が高くなる傾向があることが理解できる。 図11は、実施例1−1、7−2、7−3及び7−4の錠剤の処方(質量%)、1錠の重量(mg)、錠剤製造時の打圧(kN)、錠剤の硬度(N)、口腔内崩壊時間(秒)を示す。
本発明が提供する医薬組成物は、クエン酸第二鉄水和物を含む。
本発明が提供する医薬組成物におけるクエン酸第二鉄水和物の含有量は、医薬組成物に対し50質量%以上であり、例えば、50質量%以上98質量%以下、50質量%以上95質量%以下、50質量%以上90質量%以下、50質量%以上85質量%以下、50質量%以上80質量%以下、50質量%以上75質量%以下、70質量%以上97質量%以下、70質量%以上98質量%以下、70質量%以上95質量%以下、70質量%以上90質量%以下、70質量%以上85質量%以下、70質量%以上80質量%以下、86%質量%以上97質量%以下、86%質量%以上98質量%以下、86%質量%以上95質量%以下、88質量%以上97質量%以下、88質量%以上95質量%以下、90%質量%以上97質量%以下、90%質量%以上98質量%以下、90%質量%以上95質量%以下、95%質量%以上97質量%以下であり得る。本発明が提供する医薬組成物が固形製剤(例えば、フィルムコーティング錠又は口腔内崩壊錠)の場合、1錠あたり、250mg、300mg、400mg又は500mgのクエン酸第二鉄を含んでもよく、好ましくは1錠あたり、250mgのクエン酸第二鉄を含んでもよい。
本発明が提供する医薬組成物に使用できるクエン酸第二鉄水和物は、日本においてリオナ(登録商標)錠250mgとして上市されている製剤において有効成分として含まれているクエン酸第二鉄水和物であってもよく、それと等価なものであってもよい。
本発明が提供する医薬組成物に使用するクエン酸第二鉄水和物は、当業者が公知技術を参考にして適宜製造できる。例えば、国際公開第2004/07444号パンフレットに記載された方法、又はこれに準じた方法により製造することができる。
本発明が提供する医薬組成物は、固形製剤であり得、例えば、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、ドライシロップ剤である。好ましくは、錠剤(例えば、フィルムコーティング錠、素錠)であり、より好ましくは、口腔内崩壊錠(例えば、素錠である口腔内崩壊錠、フィルムコーティングされた口腔内崩壊錠)である。
本発明が提供する医薬組成物が口腔内崩壊錠である場合、崩壊時間は60秒以内であってもよく、好ましくは50秒以内であり、より好ましくは30秒以内であり、更により好ましくは20秒以内である。崩壊時間の測定方法は特に限定されないが、例えば、第十七改正日本薬局方に定められた崩壊試験法に従い、崩壊試験器を用いて測定してもよく、また、実際にヒト口腔内で舌を動かさずに錠剤が崩壊する時間を測定してもよい。
本発明が提供する医薬組成物が錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)である場合、その硬度は20N以上(例えば20〜70N、20〜100N、20N〜200N)、又は30N以上(例えば、30〜70N、30〜100N、30N〜200N)、好ましくは50N以上(例えば50〜70N、50〜100N、50N〜200N)、より好ましくは60N以上(例えば60〜80N、60〜100N、60N〜200N)であり得る。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は錠剤であり、既存の錠剤(長径 約14.9mm、短径 約6.9mm、厚さ 約4.6mm)よりも小さな剤形である。この場合、高齢者や嚥下障害を有する者などの嚥下困難な者や、体格が小さく食道がそれほど太くない人が服用するのに特に適している。このような本発明が提供する小型化錠のサイズは、本発明所望の目的を達成することができる限り特段限定されるものではないが、例えば、直径が好ましくは5〜10mm程度、更に好ましくは6〜8mm程度、厚さが2.5mm〜3.5mmの小型の錠剤とすることができる。
本発明が提供する医薬組成物は、高リン血症の改善に用いられ得る。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は口腔内崩壊錠であり、本発明が提供する口腔内崩壊錠は優れた崩壊性と適切な硬度を有し、例えば、崩壊時間は60秒以内、好ましくは50秒以内、より好ましくは30秒以内、更により好ましくは20秒以内であり、硬度は20N以上(例えば20〜70N、20〜100N、20N〜200N)、又は30N以上(例えば、30〜70N、30〜100N、30N〜200N)、好ましくは50N以上(例えば50〜70N、50〜100N、50N〜200N)、より好ましくは60N以上(例えば60〜80N、60〜100N、60N〜200N)である。
本発明が提供する医薬組成物は、製剤技術分野において慣用の添加剤を含んでもよい。このような添加剤の例としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、流動化剤、甘味剤、滑沢剤、pH調整剤、界面活性剤及び香料が挙げられる。
本発明が提供する医薬組成物に使用することができる賦形剤の例には、乳糖(例えば、乳糖水和物、無水乳糖)、グルコース、ショ糖、果糖、マルトース等の糖類、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、D−マンニトール等の糖アルコール類、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、コムギデンプン)、結晶セルロース、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水リン酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、乳酸カルシウム及びエチルセルロースが挙げられる。本発明が提供する医薬組成物に使用される好ましい賦形剤の例には、D−マンニトールが挙げられる。
本発明が提供する医薬組成物における賦形剤(例えば、D−マンニトール)の含量は、医薬組成物に対し1〜50質量%であってもよく、例えば、1〜40質量%、1〜30質量%、1〜20質量%、1〜15質量%、1〜10質量%、1〜5質量%、3〜40質量%、3〜30質量%、3〜20質量%、3〜15質量%、3〜10質量%、5〜40質量%、5〜30質量%、5〜20質量%、5〜15質量%、5〜10質量%、8.9〜40質量%、8.9〜30質量%、8.9〜20質量%、8.9〜15質量%、8.9〜10質量%、10〜40質量%、10〜30質量%、10〜20質量%、10〜15質量%であってもよい。
また、本発明が提供する医薬組成物における賦形剤(例えば、D−マンニトール)の含量は、クエン酸第二鉄水和物100質量部に対し1〜50質量部であってもよく、例えば、1〜40質量部、1〜30質量部、1〜20質量部、1〜15質量部、1〜10質量部、1〜5質量部、3〜40質量部、3〜30質量部、3〜20質量部、3〜15質量部、3〜10質量部、5〜40質量部、5〜30質量部、5〜20質量部、5〜15質量部、5〜10質量部、10〜40質量部、10〜30質量部、10〜20質量部、10〜15質量部であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物には、賦形剤は使用されない。
本発明が提供する医薬組成物に使用することができる結合剤の例には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デキストリン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリエチレングリコール、α化デンプン、寒天及びゼラチンが挙げられる。本発明が提供する医薬組成物に使用される好ましい結合剤の例には、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物には、プルラン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー及びポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体からなる群から選択される少なくとも1つの結合剤を使用しない。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物には、結合剤は使用されない。
本発明が提供する医薬組成物における結合剤の含量は、医薬組成物に対し0.1〜30質量%、0.3〜10質量%又は1〜10質量%であってもよく、より好ましくは1〜5質量%であってもよく、更により好ましくは1〜3質量%であってもよい。
本発明が提供する医薬組成物に使用することができる崩壊剤の例には、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン及びカルメロースが挙げられる。本発明が提供する医薬組成物に使用される好ましい崩壊剤の例には、クロスポビドンが挙げられる。
本発明が提供する医薬組成物における崩壊剤(例えば、クロスポビドン)の含量は、医薬組成物に対し0.1〜40質量%であってもよく、例えば、1〜30質量%、1〜20質量%、1〜15質量%、1〜10質量%、1〜8.5質量%、1〜8質量%、1〜5質量%、3〜40質量%、3〜30質量%、3〜20質量%、3〜15質量%、3〜10質量%、3〜8.5質量%、3〜8質量%、4〜40質量%、4〜30質量%、4〜20質量%、4〜15質量%、4〜10質量%、4〜8.5質量%、4〜8質量%、5〜40質量%、5〜30質量%、5〜20質量%、5〜15質量%、5〜10質量%、8.6〜30質量%、8.6〜20質量%、8.6〜15質量%、8.6〜10質量%、10〜40質量%、10〜30質量%、10〜20質量%、10〜15質量%、15〜30質量%、15〜20質量%、0.1〜20質量%、0.1〜15質量%、0.1〜10質量%、0.1〜8.5質量%であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は、クエン酸第二鉄水和物597.4mgを含む700.9mgの錠剤中に、クロスポビドン60mgを含まない。
また、本発明が提供する医薬組成物における崩壊剤(例えば、クロスポビドン)の含量は、クエン酸第二鉄水和物100質量部に対し1〜60質量部であってもよく、例えば、1〜50質量部、1〜30質量部、1〜20質量部、1〜15質量部、1〜10質量部、1〜5質量部、3〜40質量部、3〜30質量部、3〜20質量部、3〜15質量部、3〜10質量部、5〜40質量部、5〜30質量部、5〜20質量部、5〜15質量部、5〜10質量部、10〜40質量部、10〜30質量部、10〜20質量部、10〜15質量部であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は、崩壊剤としてクロスポビドンを、賦形剤としてD−マンニトールを使用する。この実施態様において、クロスポビドンに対するD−マンニトールの含量は、クロスポビドン100質量部に対し0〜200質量部であってもよく、例えば、0〜150質量部、0〜100質量部、0〜50質量部、0〜20質量部、0〜10質量部、1〜150質量部、1〜100質量部、1〜50質量部、1〜20質量部、1〜10質量部、10〜200質量部、10〜100質量部、30〜200質量部、30〜100質量部、50〜200質量部、50〜100質量部であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は、クロスポビドンを唯一の崩壊剤として含む。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は、崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを、賦形剤としてD−マンニトールを使用する。この実施態様において、クエン酸第二鉄水和物に対する低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含量は、例えば、1〜50質量部、1〜30質量部、1〜20質量部、1〜15質量部、1〜10質量部又は1〜5質量部であってもよく、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースに対するD−マンニトールの含量は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース100質量部に対し1〜300質量部であってもよい。この実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は結合剤を含んでも含まなくてもよく、結合剤を含む場合は、その結合剤は、部分アルファー化デンプン及びアルファー化デンプン以外の結合剤であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを唯一の崩壊剤として含む。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は、崩壊剤としてデンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム又はカルボキシメチルスターチナトリウムを、賦形剤としてD−マンニトールを使用する。この実施態様において、クエン酸第二鉄水和物に対するデンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム又はカルボキシメチルスターチナトリウムの含量は、例えば、1〜50質量部、1〜30質量部、1〜20質量部、1〜15質量部、1〜10質量部又は1〜5質量部であってもよく、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム又はカルボキシメチルスターチナトリウムに対するD−マンニトールの含量は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース100質量部に対し1〜300質量部であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム又はカルボキシメチルスターチナトリウムを唯一の崩壊剤として含む。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含まない。
本発明が提供する医薬組成物に使用することができる流動化剤の例には、軽質無水ケイ酸、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、含水二酸化ケイ素、合成ケイ酸アルミニウム、重質無水ケイ酸、水酸化アルミナマグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム及びタルクが挙げられる。本発明が提供する医薬組成物に使用される好ましい流動化剤の例には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが挙げられる。
本発明が提供する医薬組成物における流動化剤の含量は、医薬組成物に対し0.03〜3質量%、好ましくは0.1〜3質量%以上であってもよく、より好ましくは0.3〜3質量%であってもよく、更により好ましくは1〜3質量%であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物には、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸及びタルクからなる群から選択される少なくとも1つの流動化剤が使用される。一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物には、流動化剤は使用されない。
本発明が提供する医薬組成物に使用することができる甘味剤の例には、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム(登録商標)、ステビア、ソーマチン及びスクラロースが挙げられる。本発明が提供する医薬組成物に使用される好ましい甘味剤の例には、アスパルテーム(登録商標)、ステビア、スクラロースが挙げられる。
本発明が提供する医薬組成物における甘味剤の含量は、医薬組成物に対し0.03〜3質量%、好ましくは0.1〜3質量%以上であってもよく、より好ましくは0.3〜3質量%であってもよく、更により好ましくは1〜3質量%であってもよい。
本発明が提供する医薬組成物に使用することができる滑沢剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、軽質無水ケイ酸、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル及びフマル酸ステアリルナトリウムが挙げられる。本発明が提供する医薬組成物に使用される好ましい滑沢剤の例には、ステアリン酸マグネシウムが挙げられる。
本発明が提供する医薬組成物における滑沢剤の含量は、医薬組成物に対し0.1〜30質量%、好ましくは0.1〜10質量%以上であってもよく、より好ましくは0.1〜3質量%であってもよく、更により好ましくは0.3〜2質量%であってもよい。
一つの実施態様において、外部滑沢法を採用する場合、本発明が提供する医薬組成物における滑沢剤の含量は、微量となる。
本発明が提供する医薬組成物に使用することができるpH調整剤の例には、クエン酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、酢酸塩及びアミノ酸塩が挙げられる。
本発明が提供する医薬組成物におけるpH調整剤の含量は、医薬組成物に対し0.1〜30質量%、好ましくは0.3〜10質量%以上であってもよく、より好ましくは1〜5質量%であってもよい。
本発明が提供する医薬組成物に使用することができる界面活性剤の例には、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシル及びポロクサマーが挙げられる。
本発明が提供する医薬組成物における界面活性剤の含量は、医薬組成物に対し0.01〜3質量%、好ましくは0.03〜1質量%以上であってもよく、より好ましくは0.03〜0.5質量%であってもよい。
本発明が提供する医薬組成物に使用することができる香料の例には、レモン、オレンジ、グレープフルーツ等の柑橘系香料、ペパーミント、スペアミント及びメントールが挙げられる。
本発明が提供する医薬組成物は、さらに、無機物を含むことができる。無機物の例には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、タルク、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられる。本発明が提供する医薬組成物に使用される好ましい無機物の例には、酸化チタン、タルクが挙げられる。 本発明が提供する医薬組成物における無機物の含量は、当業者が適宜設定でき、例えば、医薬組成物に対し0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜3質量%以上であってもよく、より好ましくは0.1〜1質量%であってもよい。
本発明が提供する医薬組成物において、クエン酸第二鉄水和物、クエン酸第二鉄水和物を含む造粒物、素錠は、それぞれコーティングを施してもよい。コーティング層の含量は、当業者が適宜設定できるが、例えば、医薬組成物に対して、0.01〜10質量%であってもよい。コーティング層には、コーティング基剤の他、可塑剤、着色剤、光沢化剤等を適宜含めることができる。
コーティング基剤の例には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、メタクリル酸コポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマー等が挙げられ、特にヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトコポリマーが好ましい。本発明が提供する医薬組成物におけるコーティング基剤の含量は、医薬組成物に対し0.01〜10質量%、好ましくは0.3〜3質量%であってもよい。
コーティングに使用できる可塑剤の例には、クエン酸トリエチル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トリアセチン、グリセリン、プロピレングリコール及びポリエチレングリコール(例えば、マクロゴール6000)が挙げられ、特にポリエチレングリコールが好ましい。コーティングに使用する可塑剤の含量は、医薬組成物に対し0.01〜1質量%、好ましくは0.03〜3質量%であってもよい。
コーティングに使用できる着色剤としては、前述の本発明が提供する医薬組成物に使用することができる着色剤を適宜使用することができる。コーティングに使用することができる好ましい着色剤の例には、酸化鉄、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄が挙げられる。コーティングに使用する着色剤の含量は、医薬組成物に対し0.001〜1質量%、好ましくは0.01〜0.1質量%であってもよい。
コーティングに使用することができる光沢化剤の例には、カルナウバロウが挙げられる。コーティングに使用する光沢化剤の含量は、医薬組成物に対し0.0001〜0.1質量%、好ましくは0.001〜0.01質量%であってもよい。
本発明が提供する医薬組成物は、製薬分野において公知の方法により製造することができる。例えば、錠剤とする場合、製造方法には、クエン酸第二鉄水和物と、賦形剤、更に任意にその他添加物を混合する混合工程、造粒工程、打錠工程及び/又はコーティング工程を含み得る。
混合工程は、製薬分野において公知の方法により行うことができ、例えば、V型混合機、W型混合機、コンテナミキサー、タンブラー混合機、撹拌混合機等を用いて行うことができる。
造粒工程は、製薬分野において公知の造粒方法により行うことができる。造粒方法の例には、乾式造粒法、湿式造粒法、流動層造粒法が挙げられる。クエン酸第二鉄水和物を含む造粒物を調製した後、打錠前に造粒物に添加剤(例えば、D−マンニトール等の賦形剤、クロスポビドン等の崩壊剤、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の流動化剤及び/又はステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤)を添加し混合してもよい。
一つの実施態様として、混合工程で得られた混合物や造粒工程で得られた造粒物は、適宜粉砕及び/又は篩分けすることにより、所望の粒子径を有する混合物や造粒物とされ得る。粉砕は、例えば、ボールミル、ジェットミル、ハンマーミル等の製薬分野において公知の粉砕機で行うことができる。篩分けは、16mesh篩(目開き1000μm)〜32mesh篩(目開き500μm)等を用いて行うことができる、
打錠工程は、製薬分野において公知の打錠方法により行うことができる。打錠方法の例には、直接打錠法、乾式打錠法、湿式打錠法、外部滑沢打錠法が挙げられる。例えば、単発式打錠機やロータリー式打錠機等の製薬分野において公知の打錠機を用いて、上記の工程で得られた混合物や造粒物を打錠することができる。単発式打錠機、ロータリー式打錠機等を用いる場合は、1kN〜30kN、1〜20kN、10〜30kN又は10〜20kNの打錠圧を採用することができる。
コーティング工程は、製薬分野において公知の方法により行うことができる。例えば、コーティング基剤と、可塑剤、着色剤や光沢化剤等を適宜含めたコーティング液をクエン酸第二鉄水和物原薬、造粒物又は素錠の外側にスプレーコーティングすることにより行うことができる。
本発明が提供する医薬組成物は、湿式造粒法又は乾式造粒法によりクエン酸第二鉄水和物を含む造粒物を調製することができる。よって、本発明が提供する医薬組成物の製造方法は、湿式造粒法又は乾式造粒法によりクエン酸第二鉄水和物を含む造粒物を調製する工程を含んでもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する高含量のクエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)は、
i)クエン酸第二鉄水和物、賦形剤及び結合剤を混合して、造粒する工程;及び
ii)得られた造粒物、崩壊剤及び滑沢剤を混合して、打錠する工程
を含む方法により、製造される。
上記実施態様において、賦形剤はD−マンニトールであってもよく、崩壊剤はクロスポビドンであってもよい。また、上記実施態様において、結合剤は使用しなくてもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する高含量のクエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)は、
i)クエン酸第二鉄水和物及び崩壊剤を混合する工程;及び
ii)得られた混合物及び滑沢剤を混合して、打錠する工程
を含む方法により、製造される。上記実施態様のii)において、i)で得られた混合物に滑沢剤を混合せず、外部滑沢法により打錠してもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は高含量のクエン酸第二鉄水和物を含む口腔内崩壊錠(例えば、クエン酸第二鉄水和物の含量が、50質量%以上98質量%以下、50質量%以上97質量%以下、50質量%以上95質量%以下、50質量%以上90質量%以下、50質量%以上85質量%以下、50質量%以上80質量%以下、50質量%以上75質量%以下、70質量%以上98質量%以下、70質量%以上97質量%以下、70質量%以上95質量%以下、70質量%以上90質量%以下、70質量%以上85質量%以下、70質量%以上80質量%以下、86%質量%以上98質量%以下、86%質量%以上97質量%以下、86%質量%以上95質量%以下、90%質量%以上98質量%以下、90%質量%以上97質量%以下、又は90%質量%以上95質量%以下である口腔内崩壊錠)であり、本発明が提供する口腔内崩壊錠は、クロスポビドンとD−マンニトールを含有させることにより、適切な硬度(例えば、20N以上、30N以上、50N以上(例えば、20N以上150N以下、20N以上100N以下、20N以上70N以下、30N以上150N以下、30N以上100N以下、30N以上70N以下、50N以上150N以下、50N以上100N以下、50N以上70N以下))及び適切な崩壊時間(例えば、50秒以内、30秒以内、20秒以内)を達成する。この実施態様において、クロスポビドンは、上記口腔内崩壊錠に含まれる唯一の崩壊剤であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物はクエン酸第二鉄水和物を含む口腔内崩壊錠であり、本発明が提供する口腔内崩壊錠は、結合剤として、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つの結合剤を使用してもよく、結合剤を使用しなくてもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は高含量のクエン酸第二鉄水和物を含む口腔内崩壊錠(例えば、クエン酸第二鉄水和物の含量が、50質量%以上98質量%以下、50質量%以上97質量%以下、50質量%以上95質量%以下、50質量%以上90質量%以下、50質量%以上85質量%以下、50質量%以上80質量%以下、50質量%以上75質量%以下、70質量%以上98質量%以下、70質量%以上97質量%以下、70質量%以上95質量%以下、70質量%以上90質量%以下、70質量%以上85質量%以下、70質量%以上80質量%以下、86%質量%以上98質量%以下、86%質量%以上97質量%以下、86%質量%以上95質量%以下、90%質量%以上98質量%以下、90%質量%以上97質量%以下、又は90%質量%以上95質量%以下である口腔内崩壊錠)であり、本発明が提供する口腔内崩壊錠は、プルラン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー及びポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体のいずれの結合剤を使用しなくても、適切な崩壊剤(例えば、クロスポビドン)及び/又はD−マンニトールを含ませることにより、適切な硬度(例えば、20N以上、30N以上、50N以上(例えば、20N以上150N以下、20N以上100N以下、20N以上70N以下、30N以上150N以下、30N以上100N以下、30N以上70N以下、50N以上150N以下、50N以上100N以下、50N以上70N以下))及び適切な崩壊時間(例えば、50秒以内、30秒以内、20秒以内)を達成する。この実施態様において、クロスポビドンは、上記口腔内崩壊錠に含まれる唯一の崩壊剤であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は高含量のクエン酸第二鉄水和物を含む口腔内崩壊錠(例えば、クエン酸第二鉄水和物の含量が、50質量%以上98質量%以下、50質量%以上97質量%以下、50質量%以上95質量%以下、50質量%以上90質量%以下、50質量%以上85質量%以下、50質量%以上80質量%以下、50質量%以上75質量%以下、70質量%以上98質量%以下、70質量%以上97質量%以下、70質量%以上95質量%以下、70質量%以上90質量%以下、70質量%以上85質量%以下、70質量%以上80質量%以下、86%質量%以上98質量%以下、86%質量%以上97質量%以下、86%質量%以上95質量%以下、90%質量%以上98質量%以下、90%質量%以上97質量%以下、又は90%質量%以上95質量%以下である口腔内崩壊錠)であり、本発明が提供する口腔内崩壊錠は、プルラン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー及びポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体のいずれの結合剤を使用しなくても、適切な結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つの結合剤)と適切な崩壊剤(例えば、クロスポビドン)、及び/又はD−マンニトールを含ませることにより、適切な硬度(例えば、20N以上、30N以上、50N以上(例えば、20N以上150N以下、20N以上100N以下、20N以上70N以下、30N以上150N以下、30N以上100N以下、30N以上70N以下、50N以上150N以下、50N以上100N以下、50N以上70N以下))及び適切な崩壊時間(例えば、50秒以内、30秒以内、20秒以内)を達成する。この実施態様において、クロスポビドンは、上記口腔内崩壊錠に含まれる唯一の崩壊剤であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は高含量のクエン酸第二鉄水和物を含む口腔内崩壊錠(例えば、クエン酸第二鉄水和物の含量が、50質量%以上98質量%以下、50質量%以上97質量%以下、50質量%以上95質量%以下、50質量%以上90質量%以下、50質量%以上85質量%以下、50質量%以上80質量%以下、50質量%以上75質量%以下、70質量%以上98質量%以下、70質量%以上97質量%以下、70質量%以上95質量%以下、70質量%以上90質量%以下、70質量%以上85質量%以下、70質量%以上80質量%以下、86%質量%以上98質量%以下、86%質量%以上97質量%以下、86%質量%以上95質量%以下、90%質量%以上98質量%以下、90%質量%以上97質量%以下、又は90%質量%以上95質量%以下である口腔内崩壊錠)であり、本発明が提供する口腔内崩壊錠は、結合剤を使用せずに、適切な崩壊剤(例えば、クロスポビドン)及び/又はD−マンニトールを含ませることにより、適切な硬度(例えば、20N以上、30N以上、50N以上(例えば、20N以上150N以下、20N以上100N以下、20N以上70N以下、30N以上150N以下、30N以上100N以下、30N以上70N以下、50N以上150N以下、50N以上100N以下、50N以上70N以下))及び適切な崩壊時間(例えば、50秒以内、30秒以内、20秒以内)を達成する。この実施態様において、クロスポビドンは、上記口腔内崩壊錠に含まれる唯一の崩壊剤であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する医薬組成物は高含量のクエン酸第二鉄水和物を含む口腔内崩壊錠(例えば、クエン酸第二鉄水和物の含量が、50質量%以上98質量%以下、50質量%以上97質量%以下、50質量%以上95質量%以下、50質量%以上90質量%以下、50質量%以上85質量%以下、50質量%以上80質量%以下、50質量%以上75質量%以下、70質量%以上98質量%以下、70質量%以上97質量%以下、70質量%以上95質量%以下、70質量%以上90質量%以下、70質量%以上85質量%以下、70質量%以上80質量%以下、86%質量%以上98質量%以下、86%質量%以上97質量%以下、86%質量%以上95質量%以下、90%質量%以上98質量%以下、90%質量%以上97質量%以下、又は90%質量%以上95質量%以下である口腔内崩壊錠)であり、本発明が提供する口腔内崩壊錠は、プルランを含まない。
一つの実施態様において、本発明は、クエン酸第二鉄水和物を70〜95質量%、クロスポビドンを4〜20質量%及びD−マンニトールを1〜20質量%で含む口腔内崩壊錠を提供する。
一つの実施態様において、本発明は、クエン酸第二鉄水和物を70〜80質量%、クロスポビドンを0.1〜15質量%及びD−マンニトールを8.9〜11質量%で含む口腔内崩壊錠を提供する。
一つの実施態様において、本発明は、クエン酸第二鉄水和物を87〜96質量%、クロスポビドンを0.1〜6質量%及びD−マンニトールを1〜6質量%で含む口腔内崩壊錠を提供する。
一つの実施態様において、本発明は、クエン酸第二鉄水和物、クロスポビドン及び滑沢剤のみを含む口腔内崩壊錠を提供する。
一つの実施態様において、本発明は、クエン酸第二鉄水和物を95〜97質量%及びクロスポビドンを3〜5質量%で含む口腔内崩壊錠を提供する。
一つの実施態様において、本発明は、賦形剤を含まず、クエン酸第二鉄水和物及び崩壊剤を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)を提供する。
一つの実施態様において、本発明は、賦形剤を含まず、クエン酸第二鉄水和物及び崩壊剤(例えば、クロスポビドン)を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)であって、クエン酸第二鉄水和物を87〜97質量%含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)を提供する。
一つの実施態様において、本発明は、賦形剤を含まず、クエン酸第二鉄水和物、崩壊剤(例えば、クロスポビドン)及び滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)であって、クエン酸第二鉄水和物を87〜97質量%含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)を提供する。
一つの実施態様において、本発明は、賦形剤、結合剤、流動化剤及び甘味剤からなる群から選択される少なくとも1つの薬剤を含まず、クエン酸第二鉄水和物、崩壊剤(例えば、クロスポビドン)及び滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)であって、クエン酸第二鉄水和物を87〜97質量%含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)を提供する。
本発明は、一つの側面において、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)に用いる為の、クロスポビドン及び/又はD−マンニトールを含む硬度増強剤を提供する。本発明が提供する硬度増強剤は、硬度増強剤がクエン酸第二鉄水和物と共に本発明が提供する医薬組成物である錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)を形成できるように適宜設計され得る。よって、本発明が提供する硬度増強剤は、上記で説明した本発明が提供する医薬組成物である錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)を参考に適宜設計され得る。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強剤は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)に用いる為の硬度増強剤であり、硬度増強剤中に含まれるクロスポビドンの含量は、クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して1〜60質量部、1〜50質量部、3〜50質量部、5〜50質量部、1〜30質量部、3〜30質量部、5〜30質量部であってもよく、D−マンニトールの含量は、クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して1〜50質量部、1〜40質量部、1〜20質量部であってもよい。上記実施態様において、本発明が提供する硬度増強剤がクロスポビドン及びD−マンニトールを含む場合は、D−マンニトールの含量は、クロスポビドン100質量部に対して、1〜200質量部、50〜100質量部であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強剤は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)に用いる為の硬度増強剤であり、硬度増強剤中に含まれるクロスポビドンの含量は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤に対して0.1〜40質量%、1〜30質量%、1〜20質量%、1〜15質量%、1〜10質量%、1〜8.5質量%、1〜8質量%、1〜5質量%、3〜40質量%、3〜30質量%、3〜20質量%、3〜15質量%、3〜10質量%、3〜8.5質量%、3〜8質量%、4〜40質量%、4〜30質量%、4〜20質量%、4〜15質量%、4〜10質量%、4〜8.5質量%、4〜8質量%、5〜40質量%、5〜30質量%、5〜20質量%、5〜15質量%、5〜10質量%、8.6〜30質量%、8.6〜20質量%、8.6〜15質量%、8.6〜10質量%、10〜40質量%、10〜30質量%、10〜20質量%、10〜15質量%、15〜30質量%、15〜20質量%、0.1〜20質量%、0.1〜15質量%、0.1〜10質量%、又は0.1〜8.5質量%である。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強剤は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)に用いる為の硬度増強剤であり、硬度増強剤中に含まれるマンニトールの含量は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤に対して、1〜50質量%、1〜40質量%、1〜30質量%、1〜20質量%、1〜15質量%、1〜10質量%、1〜5質量%、3〜40質量%、3〜30質量%、3〜20質量%、3〜15質量%、3〜10質量%、5〜40質量%、5〜30質量%、5〜20質量%、5〜15質量%、5〜10質量%、8.9〜40質量%、8.9〜30質量%、8.9〜20質量%、8.9〜15質量%、8.9〜10質量%、10〜40質量%、10〜30質量%、10〜20質量%、又は10〜15質量%である。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強剤は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)に用いる為の硬度増強剤であり、硬度増強剤中に含まれるクロスポビドンの含量は、クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して1〜60質量部、1〜50質量部、3〜50質量部、5〜50質量部、1〜30質量部、3〜30質量部、5〜30質量部又は1〜10質量部であってもよく、D−マンニトールの含量は、クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して1〜50質量部、1〜40質量部、1〜20質量部又は0〜10質量部であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強剤は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)に用いる為の硬度増強剤であり、硬度増強剤中に含まれるクロスポビドンの含量は、クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して1〜60質量部、1〜50質量部、3〜50質量部、5〜50質量部、1〜30質量部、3〜30質量部、5〜30質量部又は1〜10質量部であってもよく、錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)は、クエン酸第二鉄水和物、クロスポビドン及び滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)のみを含む。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強剤には、プルラン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー及びポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体のいずれの結合剤も含まれない。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強剤には、賦形剤、結合剤及び/又は流動化剤が含まれない。
一つの実施態様において、本発明が提供するクロスポビドン及び/又はD−マンニトールを含む硬度増強剤を、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)に使用するとき、本発明が提供する硬度増強剤を使用しない場合に比較し、使用する場合の方がクエン酸第二鉄水和物を含む錠剤の硬度が高くなる。
一つの実施態様において、本発明は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)の硬度増強の為の、クロスポビドン及び/又はD−マンニトールの使用を提供する。
本発明は、一つの側面において、クエン酸第二鉄水和物とクロスポビドン及び/又はD−マンニトールを含む混合物を打錠する工程を含む、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)の硬度増強方法を提供する。本発明が提供する硬度増強方法は、クロスポビドン及び/又はD−マンニトールがクエン酸第二鉄水和物と共に本発明が提供する医薬組成物である錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)を形成できるように適宜設計され得る。よって、本発明が提供する硬度増強方法は、上記で説明した本発明が提供する医薬組成物である錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)を参考に適宜設計され得る。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強方法は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)の硬度増強方法であり、錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)中に含まれるクロスポビドンの含量は、クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して1〜60質量部、1〜50質量部、3〜50質量部、5〜50質量部、1〜30質量部、3〜30質量部、5〜30質量部であってもよく、D−マンニトールの含量は、クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して1〜50質量部、1〜40質量部、1〜20質量部であってもよい。上記実施態様において、本発明が提供する硬度増強剤がクロスポビドン及びD−マンニトールを含む場合は、D−マンニトールの含量は、クロスポビドン100質量部に対して、1〜200質量部、50〜100質量部であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強方法は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)の硬度増強方法であり、錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)に含まれるクロスポビドンの含量は、錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)に対して、0.1〜40質量%、1〜30質量%、1〜20質量%、1〜15質量%、1〜10質量%、1〜8.5質量%、1〜8質量%、1〜5質量%、3〜40質量%、3〜30質量%、3〜20質量%、3〜15質量%、3〜10質量%、3〜8.5質量%、3〜8質量%、4〜40質量%、4〜30質量%、4〜20質量%、4〜15質量%、4〜10質量%、4〜8.5質量%、4〜8質量%、5〜40質量%、5〜30質量%、5〜20質量%、5〜15質量%、5〜10質量%、8.6〜30質量%、8.6〜20質量%、8.6〜15質量%、8.6〜10質量%、10〜40質量%、10〜30質量%、10〜20質量%、10〜15質量%、15〜30質量%、15〜20質量%、0.1〜20質量%、0.1〜15質量%、0.1〜10質量%、又は0.1〜8.5質量%である。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強方法は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)の硬度増強方法であり、錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)に含まれるマンニトールの含量は、錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)に対して、1〜50質量%、1〜40質量%、1〜30質量%、1〜20質量%、1〜15質量%、1〜10質量%、1〜5質量%、3〜40質量%、3〜30質量%、3〜20質量%、3〜15質量%、3〜10質量%、5〜40質量%、5〜30質量%、5〜20質量%、5〜15質量%、5〜10質量%、8.9〜40質量%、8.9〜30質量%、8.9〜20質量%、8.9〜15質量%、8.9〜10質量%、10〜40質量%、10〜30質量%、10〜20質量%、又は10〜15質量%である。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強方法は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)の硬度増強方法であり、錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)に含まれるクロスポビドンの含量は、クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して1〜60質量部、1〜50質量部、3〜50質量部、5〜50質量部、1〜30質量部、3〜30質量部、5〜30質量部又は1〜10質量部であってもよく、D−マンニトールの含量は、クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して1〜50質量部、1〜40質量部、1〜20質量部又は0〜10質量部であってもよい。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強方法は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)の硬度増強方法であり、錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)に含まれるクロスポビドンの含量は、クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して1〜60質量部、1〜50質量部、3〜50質量部、5〜50質量部、1〜30質量部、3〜30質量部、5〜30質量部又は1〜10質量部であってもよく、錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)は、クエン酸第二鉄水和物、クロスポビドン及び滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)のみを含む。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強方法は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)の硬度増強方法であり、錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)には、プルラン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー及びポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体のいずれの結合剤も含まれない。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強方法は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)の硬度増強方法であり、錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)には、賦形剤、結合剤及び/又は流動化剤が含まれない。
一つの実施態様において、本発明が提供する硬度増強方法は、クエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)の硬度増強方法であり、錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)は、クエン酸第二鉄水和物、クロスポビドン及び滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)のみを含む。
一つの実施態様において、本発明が提供するクエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)の硬度増強方法は、クエン酸第二鉄水和物とクロスポビドン及び/又はD−マンニトールを含む混合物を打錠しないときに比較し、クエン酸第二鉄水和物とクロスポビドン及び/又はD−マンニトールを含む混合物を打錠するときの方がクエン酸第二鉄水和物を含む錠剤(例えば、口腔内崩壊錠)の硬度が高くなる。
本発明が提供する他の実施態様の例としては、以下が挙げられる。
(1)
クエン酸第二鉄水和物及び崩壊剤を含み、クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上含有する固形製剤;
(2)
クエン酸第二鉄水和物を70質量%以上含有する、(1)に記載の固形製剤;
(3)
クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上97質量%以下含有する、(1)又は(2)に記載の固形製剤;
(4)
クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上85質量%以下含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の固形製剤;
(5)
クエン酸第二鉄水和物を90質量%以上97質量%以下含有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の固形製剤;
(6)
固形製剤が口腔内崩壊錠である、(1)〜(5)のいずれかに記載の固形製剤;
(7)
口腔内崩壊時間が50秒以下である、(1)〜(6)のいずれかに記載の固形製剤;
(8)
口腔内崩壊時間が30秒以下である、(1)〜(7)のいずれかに記載の固形製剤;
(9)
固形製剤が錠剤であり、1錠当たりクエン酸第二鉄を250mg含む、(1)〜(8)のいずれかに記載の固形製剤;
(10)
固形製剤が錠剤であり、1錠当たりクエン酸第二鉄を500mg含む、(1)〜(9)のいずれかに記載の固形製剤;
(11)
崩壊剤が、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種の崩壊剤である、(1)〜(10)のいずれかに記載の固形製剤;
(12)
崩壊剤として、クロスポビドンを含む、(1)〜(11)のいずれかに記載の固形製剤;
(13)
崩壊剤として、クロスポビドンのみを含む、(1)〜(12)のいずれかに記載の固形製剤;
(14)
クロスポビドンの含量が、1質量%以上20質量%以下である、(12)又は(13)に記載の固形製剤;
(15)
クロスポビドンの含量が、4質量%以上15質量%以下であって、60/700.9×100質量%を除く含量(例えば、4質量%以上8.5質量%以下又は8.6質量%以上15質量%以下)である、(12)〜(14)のいずれかに記載の固形製剤;
(16)
崩壊剤として、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む、(1)〜(12)のいずれかに記載の固形製剤;
(17)
崩壊剤として、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースのみを含む、(1)〜(11)のいずれかに記載の固形製剤;
(18)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含量が、1質量%以上20質量%以下である、(16)又は(17)に記載の固形製剤;
(19)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含量が、1質量%以上8.5質量%以下である、(16)〜(18)のいずれかに記載の固形製剤;
(20)
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含量が、1質量%以上7.3質量%以下である、(16)〜(18)のいずれかに記載の固形製剤;
(21)
崩壊剤として、デンプングリコール酸ナトリウムを含む、(1)〜(12)及び(16)のいずれかに記載の固形製剤;
(22)
崩壊剤として、デンプングリコール酸ナトリウムのみを含む、(1)〜(11)のいずれかに記載の固形製剤;
(23)
デンプングリコール酸ナトリウムの含量が、1質量%以上20質量%以下である、(21)又は(22)に記載の固形製剤;
(24)
デンプングリコール酸ナトリウムの含量が、1質量%以上8.5質量%以下である、(21)〜(23)のいずれかに記載の固形製剤;
(25)
崩壊剤として、クロスカルメロースナトリウムを含む、(1)〜(12)、(16)及び(21)のいずれかに記載の固形製剤;
(26)
崩壊剤として、クロスカルメロースナトリウムのみを含む、(1)〜(11)のいずれかに記載の固形製剤;
(27)
クロスカルメロースナトリウムの含量が、1質量%以上20質量%以下である、(25)又は(26)に記載の固形製剤;
(28)
クロスカルメロースナトリウムの含量が、1質量%以上8.5質量%以下である、(25)〜(27)のいずれかに記載の固形製剤;
(29)
崩壊剤として、カルボキシメチルスターチナトリウムを含む、(1)〜(12)、(16)、(21)及び(25)のいずれかに記載の固形製剤;
(30)
崩壊剤として、カルボキシメチルスターチナトリウムのみを含む、(1)〜(11)のいずれかに記載の固形製剤;
(31)
カルボキシメチルスターチナトリウムの含量が、1質量%以上20質量%以下である、(29)又は(30)に記載の固形製剤;
(32)
カルボキシメチルスターチナトリウムの含量が、1質量%以上8.5質量%以下である、(29)〜(31)のいずれかに記載の固形製剤;
(33)
更に、D−マンニトールを含む、(1)〜(32)のいずれかに記載の固形製剤;
(34)
D−マンニトールの含量が、1質量%以上20質量%以下(例えば、8.9質量%以上20質量%以下)である、(33)に記載の固形製剤;
(35)
賦形剤(例えば、D−マンニトール)を含まない、(1)〜(32)のいずれかに記載の固形製剤;
(36)
硬度が20N以上である、(1)〜(35)のいずれかに記載の固形製剤;
(37)
硬度が30N以上である、(1)〜(36)のいずれかに記載の固形製剤;
(38)
硬度が30N以上100N以下である、(1)〜(37)のいずれかに記載の固形製剤;
(39)
硬度が50N以上である、(1)〜(38)のいずれかに記載の固形製剤;
(40)
プルランを含まない、(1)〜(39)のいずれかに記載の固形製剤;
(41)
ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーを含まない、(1)〜(40)のいずれかに記載の固形製剤;
(42)
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体を含まない、(1)〜(41)のいずれかに記載の固形製剤;
(43)
部分アルファー化デンプン又はアルファー化デンプンを含まない、(1)〜(42)のいずれかに記載の固形製剤;
(44)
更に、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン又はヒプロメロースを含む、(1)〜(43)のいずれかに記載の固形製剤;
(45)
結合剤を含まない、(1)〜(44)のいずれかに記載の固形製剤;
(46)
更に、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸又はタルクを含む、(1)〜(45)のいずれかに記載の固形製剤;
(47)
流動化剤を含まない、(1)〜(45)のいずれかに記載の固形製剤;
(48)
更に、甘味剤を含む、(1)〜(47)のいずれかに記載の固形製剤;
(49)
更に、滑沢剤を含む、(1)〜(48)のいずれかに記載の固形製剤;
(50)
クロスポビドン及びD−マンニトールからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含む、クエン酸第二鉄水和物含有錠剤に用いる硬度増強剤又はクエン酸第二鉄水和物含有錠剤の硬度増強の為のクロスポビドン及びD−マンニトールからなる群から選択される少なくとも1つの物質の使用;
(51)
クロスポビドンを含む、(50)に記載の硬度増強剤又は使用;
(52)
クロスポビドンを、クエン酸第二鉄水和物の量の1/20〜1/2の含量で含む、(50)又は(51)に記載の硬度増強剤又は使用;
(53)
D−マンニトールを含む、(50)〜(52)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(54)
D−マンニトールを、クエン酸第二鉄水和物の量の1/100〜1/2の含量で含む、(50)〜(53)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(55)
クロスポビドン及びD−マンニトールを含む、(50)〜(54)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(56)
D−マンニトールを含まない、(50)〜(52)のいずれかに記載の硬度増強剤;
(57)
錠剤が、口腔内崩壊錠である、(50)〜(56)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(58)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上含有する、(50)〜(57)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(59)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、クエン酸第二鉄水和物を70質量%以上含有する、(50)〜(58)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(60)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上95質量%以下含有する、(50)〜(59)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(61)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上85質量%以下含有する、(50)〜(60)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(62)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、クエン酸第二鉄水和物を90質量%以上95質量%以下含有する、(50)〜(61)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(63)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、口腔内崩壊錠であり、口腔内崩壊時間が50秒以下である、(50)〜(62)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(64)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、口腔内崩壊錠であり、口腔内崩壊時間が30秒以下である、(50)〜(63)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(65)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、口腔内崩壊錠であり、1錠当たりクエン酸第二鉄を250mg含む、(50)〜(64)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(66)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、口腔内崩壊錠であり、1錠当たりクエン酸第二鉄を500mg含む、(50)〜(65)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(67)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、プルランを含まない、(50)〜(66)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(68)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーを含まない、(50)〜(67)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(69)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体を含まない、(50)〜(67)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(70)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、部分アルファー化デンプン又はアルファー化デンプンを含まない、(50)〜(69)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(71)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、更に、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン又はヒプロメロースを含む、(50)〜(70)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(72)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、結合剤を含まない、(50)〜(70)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(73)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、更に、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸又はタルクを含む、(50)〜(72)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(74)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、流動化剤を含まない、(50)〜(71)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(75)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、更に、甘味剤を含む、(50)〜(74)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(76)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、更に、滑沢剤を含む、(50)〜(75)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(77)
クロスポビドン及びD−マンニトールからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含まないときに比較し、クロスポビドン及びD−マンニトールからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含むときの方が、クエン酸第二鉄水和物含有錠剤の硬度が高くなる(50)〜(76)のいずれかに記載の硬度増強剤又は使用;
(78)
クエン酸第二鉄水和物と、クロスポビドン及びD−マンニトールからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含む混合物を打錠する工程を含む、クエン酸第二鉄水和物含有錠剤の硬度増強方法;
(79)
クエン酸第二鉄水和物とクロスポビドンを含む混合物を打錠する工程を含む、(78)に記載の硬度増強方法;
(80)
錠剤中に、1質量%以上20質量%以下(例えば、1質量%以上15質量%以下)のクロスポビドンを含む、(78)又は(79)に記載の硬度増強方法;
(81)
クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して、1質量部以上60質量部以下のクロスポビドンを含む、(78)〜(80)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(82)
D−マンニトールを含む混合物を打錠する工程を含む、(78)〜(81)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(83)
錠剤中に、1質量%以上20質量%以下(例えば、8.9質量%以上20質量%以下)のD−マンニトールを含む、(82)に記載の硬度増強方法;
(84)
クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下のD−マンニトールを含む、(82)又は(83)に記載の硬度増強方法;
(85)
クロスポビドン及びD−マンニトールを含む混合物を打錠する工程を含む、(78)〜(84)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(86)
D−マンニトールを含まない混合物を打錠する工程を含む、(78)〜(81)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(87)
錠剤が、口腔内崩壊錠である、(78)〜(86)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(88)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上含有する、(78)〜(87)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(89)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、クエン酸第二鉄水和物を70質量%以上含有する、(78)〜(88)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(90)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上95質量%以下含有する、(78)〜(89)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(91)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上85質量%以下含有する、(78)〜(90)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(92)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、クエン酸第二鉄水和物を90質量%以上95質量%以下含有する、(78)〜(91)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(93)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、口腔内崩壊錠であり、口腔内崩壊時間が50秒以下である、(78)〜(92)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(94)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、口腔内崩壊錠であり、口腔内崩壊時間が30秒以下である、(78)〜(93)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(95)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、口腔内崩壊錠であり、1錠当たりクエン酸第二鉄を250mg含む、(78)〜(94)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(96)
クエン酸第二鉄水和物含有錠剤が、口腔内崩壊錠であり、1錠当たりクエン酸第二鉄を500mg含む、(78)〜(95)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(97)
プルランを含まない、(78)〜(96)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(98)
ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーを含まない、(78)〜(97)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(99)
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体を含まない、(78)〜(98)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(100)
部分アルファー化デンプン又はアルファー化デンプンを含まない、(78)〜(99)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(101)
更に、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン又はヒプロメロースを含む、(78)〜(100)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(102)
結合剤を含まない、(78)〜(100)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(103)
更に、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸又はタルクを含む、(78)〜(102)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(104)
流動化剤を含まない、(78)〜(102)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(105)
更に、甘味剤を含む、(78)〜(104)のいずれかに記載の硬度増強方法;及び
(106)
更に、滑沢剤を含む、(78)〜(105)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(107)
クエン酸第二鉄水和物を含み、クロスポビドン及びD−マンニトールからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含まない混合物を打錠するときに比較し、クエン酸第二鉄水和物と、クロスポビドン及びD−マンニトールからなる群から選択される少なくとも1つの物質を含む混合物を打錠するときの方が、クエン酸第二鉄水和物含有錠剤の硬度が高くなる、(78)〜(106)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(108)
賦形剤(ただし、D−マンニトールを除く)を含まない、(78)〜(107)のいずれかに記載の硬度増強方法;
(109)
クエン酸第二鉄水和物、クロスポビドン及び滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸)のみを含み、クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上含有する固形製剤;
(110)
クエン酸第二鉄水和物及びクロスポビドンのみを含む混合物を外部滑沢法により打錠して製造される、クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上含有する固形製剤;
(111)
クエン酸第二鉄水和物を70質量%以上含有する、(109)又は(110)に記載の固形製剤;
(112)
クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上97質量%以下含有する、(109)又は(110)に記載の固形製剤;
(113)
クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上85質量%以下含有する、(109)〜(112)のいずれかに記載の固形製剤;
(114)
クエン酸第二鉄水和物を90質量%以上97質量%以下含有する、(109)〜(112)のいずれかに記載の固形製剤;
(115)
固形製剤が口腔内崩壊錠である、(109)〜(114)のいずれかに記載の固形製剤;
(116)
口腔内崩壊時間が50秒以下である、(109)〜(115)のいずれかに記載の固形製剤;
(117)
口腔内崩壊時間が30秒以下である、(109)〜(116)のいずれかに記載の固形製剤;
(118)
固形製剤が錠剤であり、1錠当たりクエン酸第二鉄を250mg含む、(109)〜(117)のいずれかに記載の固形製剤;
(119)
固形製剤が錠剤であり、1錠当たりクエン酸第二鉄を500mg含む、(109)〜(118)のいずれかに記載の固形製剤;
(120)
硬度が20N以上である、(109)〜(119)のいずれかに記載の固形製剤;
(121)
硬度が30N以上である、(109)〜(120)のいずれかに記載の固形製剤;
(122)
硬度が30N以上100N以下である、(109)〜(121)のいずれかに記載の固形製剤;
(123)
硬度が50N以上である、(109)〜(122)のいずれかに記載の固形製剤。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下のように錠剤を調製した。
実施例1−1:口腔内崩壊錠
乳鉢乳棒を用いて、クエン酸第二鉄水和物(31.8g)、ヒドロキシプロピルセルロース(0.8g、HPC-SL、日本曹達(株)製)を混合し、混合物に精製水16.4gを添加して造粒した。造粒後、乾燥機を用い50℃で乾燥した。乾燥後、28号の篩を通し、整粒顆粒とした。得られた整粒顆粒をビニールに入れ、整粒顆粒100質量部に対して、D-マンニトール(ParteckM200、メルク(株))を12.3質量部、クロスポビトン(コリドンCL−F、BASFジャパン(株)製)を20.7質量部、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリン、富士化学工業(株)製)を1.5質量部入れ、混合する。これにステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)を1.4質量部入れ混合することにより、打錠用顆粒を得た。打錠機(HANDTAB-200、市橋精機(株))を用いて、得られた打錠用顆粒を製錠することにより、素錠(錠剤質量:450mg、錠剤の形状:オブロング錠(17.1×7.25mm))を得た。

実施例1−1〜6−4の製剤:口腔内崩壊錠
実施例1−1と同様にして、図1〜6に記載の処方に従い、各口腔内崩壊錠を得た。

実施例7−2:口腔内崩壊錠
乳鉢乳棒を用いて、クエン酸第二鉄水和物(127.2g)に精製水63.5gを添加して造粒した。造粒後、乾燥機を用い50℃で乾燥した。乾燥後、28号の篩を通し、整粒顆粒とした。得られた整粒顆粒をビニールに入れ、整粒顆粒100質量部に対して、クロスポビトン(コリドンCL−F、BASFジャパン(株)製)を5.2質量部入れ、混合ことにより、打錠用顆粒を得た。打錠機(HANDTAB-200、市橋精機(株))を用いて、得られた打錠用顆粒を製錠することにより、素錠(錠剤質量:450mg、錠剤の形状:オブロング錠(17.1×7.25mm))を得た。また、打錠の際に打錠用臼及び杵にステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)を塗布し、外部滑沢法にて打錠した。

実施例7−3〜7−4:口腔内崩壊錠
実施例7−2と同様にして、図11に記載の処方に従い、各口腔内崩壊錠を得た。
得られた錠剤につき、ロードセル式錠剤硬度計PC−30(岡田精工株式会社製)を用いて硬度を測定し、口腔内で崩壊するまでの崩壊時間を測定した。
崩壊剤の種類を変えて口腔内崩壊錠の硬度及び崩壊時間を検討したところ、崩壊剤としてクロスポビドンを用いた場合に、50N以上の十分高い錠剤硬度と20秒以内という優れた口腔内崩壊時間を有する口腔内崩壊錠が得られた(図1)。崩壊剤として、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを用いた場合にも、50N以上の十分高い錠剤硬度と50秒以内の口腔内崩壊時間を有する口腔内崩壊錠が得られたが、クロスポビドンに比較し、口腔内崩壊時間が延長した(図1)。
クロスポビドンの含有量と口腔内崩壊錠の硬度及び口腔内崩壊時間を検討したところ、クロスポビドンの含有量が15質量%以上では錠剤硬度及び口腔内崩壊時間に大きな相違は見られなかった(図2)。一方、クロスポビドンの含有量が15質量%の錠剤と9.9質量%の錠剤を比較すると、後者より前者の方が錠剤硬度及び口腔内崩壊時間に改善が見られた(図2)。これにより、クロスポビドンの含量を、15質量%を超える含量としても、錠剤硬度及び口腔内崩壊時間の改善が得られないことが示唆された。
D−マンニトールの含有量と口腔内崩壊錠の硬度及び口腔内崩壊時間を検討したところ、D−マンニトールが6質量%以下では、錠剤硬度及び口腔内崩壊時間に大きな相違は見られなかった(図3)。一方、D−マンニトールの含有量が8.9質量%の錠剤と6質量%の錠剤を比較すると、後者より前者の方が錠剤硬度及び口腔内崩壊時間に改善が見られた(図3)。これにより、D−マンニトールの含量が8.9質量%未満であれば、D−マンニトールによる錠剤硬度及び口腔内崩壊時間の改善効果が得られないことが示唆された。
クエン酸第二鉄水和物の含量を50質量%〜90.9質量%まで変えて口腔内崩壊錠を製造したところ、上記含量の範囲内で錠剤硬度が50N以上で口腔内崩壊時間が30秒以内の口腔内崩壊錠を製造することができた(図4)。
結合剤の種類を変えて口腔内崩壊錠の硬度及び崩壊時間を検討したところ、検討した結合剤全てが50N以上の錠剤硬度を有し、十分に優れた口腔内崩壊時間(30秒以内)を有する錠剤を得たが、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロースの順で口腔内崩壊時間が長くなった(図5)。結合剤を使用しない錠剤の錠剤硬度と口腔内崩壊時間は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース又はヒプロメロースを使用した錠剤と同等であった(図5)。
流動化剤の種類を変えて口腔内崩壊錠の硬度及び崩壊時間を検討したところ、検討した錠剤は全て50N以上の錠剤硬度と十分に優れた口腔内崩壊時間(30秒以内)を有する錠剤を得たが、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを使用した場合が最も優れた硬度と崩壊時間を示した(図6)。流動化剤を使用しない錠剤も、50N以上の錠剤硬度と十分に優れた口腔内崩壊時間(30秒以内)を示した(図6)。
クロスポビドンとD−マンニトールを使用して得られた実施例1−1〜6−4の錠剤につき、クエン酸第二鉄水和物に対するクロスポビドンの質量%及びクエン酸第二鉄水和物に対するD−マンニトールの質量%の数値を求め(図7、図8)、硬度と口腔内崩壊時間との関係を検討した。
その結果、クエン酸第二鉄水和物に対するクロスポビドンの質量%が増加するに従い、約60Nの錠剤硬度を得るために必要な打圧が低下した。これにより、クエン酸第二鉄水和物に対するクロスポビドン量を増加させると、錠剤硬度が増加することが示唆された(図9)。
また、クエン酸第二鉄水和物に対するD−マンニトールの質量%が増加するに従い、約60Nの錠剤硬度を得るために必要な打圧が低下した。これにより、クエン酸第二鉄水和物に対するD−マンニトール量を増加させると、錠剤硬度が増加することが示唆された(図10)。
崩壊時間は、クエン酸第二鉄水和物に対するクロスポビドンの含量が30質量%以上であると低下しないことが示唆された。
クエン酸第二鉄水和物の含量を95.1質量%、97.0質量%、98.0質量%まで変えて口腔内崩壊錠を製造したところ、クエン酸第二鉄水和物の含量が95.1質量%及び97.0質量%の場合、錠剤硬度が50N以上で口腔内崩壊時間が30秒以内の口腔内崩壊錠を製造することができた(図11)。
図11より、実施例7−2の錠剤は、クエン酸第二鉄水和物に対するクロスポビドンの質量%が5.2%であって、打圧25kNで打錠した結果、硬度55N、口腔内崩壊時間8秒の錠剤が作製され、実施例7−3の錠剤は、クエン酸第二鉄水和物に対するクロスポビドンの質量%が3.1%であって、打圧27kNで打錠した結果、硬度50N、口腔内崩壊時間8秒の錠剤が作製されたと理解できる。これらの結果は、クエン酸第二鉄水和物に対するクロスポビドン量を増加させると、錠剤硬度が増加することを支持するものである。
D−マンニトールについて、図11の結果は、図10の結果を支持するものであった。
実施例7−2及び実施例7−3は、クエン酸第二鉄水和物、クロスポビドン及びステアリン酸マグネシウムのみを含む口腔内崩壊錠であり、小型化された口腔内崩壊錠である。
本発明が提供する医薬組成物は、高リン血症の治療に有用であり得る。



Claims (52)

  1. クエン酸第二鉄水和物及び崩壊剤を含み、クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上含有する固形製剤。
  2. クエン酸第二鉄水和物を70質量%以上含有する、請求項1に記載の固形製剤。
  3. クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上97質量%以下含有する、請求項1又は請求項2に記載の固形製剤。
  4. クエン酸第二鉄水和物を50質量%以上85質量%以下含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の固形製剤。
  5. クエン酸第二鉄水和物を90質量%以上97質量%以下含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の固形製剤。
  6. 固形製剤が口腔内崩壊錠である、請求項1〜5のいずれかに記載の固形製剤。
  7. 口腔内崩壊時間が50秒以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の固形製剤。
  8. 口腔内崩壊時間が30秒以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の固形製剤。
  9. 固形製剤が錠剤であり、1錠当たりクエン酸第二鉄を250mg含む、請求項1〜8のいずれかに記載の固形製剤。
  10. 固形製剤が錠剤であり、1錠当たりクエン酸第二鉄を500mg含む、請求項1〜9のいずれかに記載の固形製剤。
  11. 崩壊剤が、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される少なくとも1種の崩壊剤である、請求項1〜10のいずれかに記載の固形製剤。
  12. 崩壊剤として、少なくともクロスポビドンを含む、請求項1〜11のいずれかに記載の固形製剤。
  13. 崩壊剤として、クロスポビドンのみを含む、請求項1〜12のいずれかに記載の固形製剤。
  14. クロスポビドンの含量が、1質量%以上20質量%以下である、請求項12又は請求項13に記載の固形製剤。
  15. クロスポビドンの含量が、4質量%以上8.5質量%以下である、請求項12〜14のいずれかに記載の固形製剤。
  16. 更に、D−マンニトールを含む、請求項1〜15のいずれかに記載の固形製剤。
  17. D−マンニトールの含量が、1質量%以上20質量%以下である、請求項16に記載の固形製剤。
  18. 賦形剤を含まない、請求項1〜15のいずれかに記載の固形製剤。
  19. 硬度が50N以上である、請求項1〜18のいずれかに記載の固形製剤。
  20. プルランを含まない、請求項1〜19のいずれかに記載の固形製剤。
  21. ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマーを含まない、請求項1〜20のいずれかに記載の固形製剤。
  22. ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体を含まない、請求項1〜21のいずれかに記載の固形製剤。
  23. 部分アルファー化デンプン又はアルファー化デンプンを含まない、請求項1〜22のいずれかに記載の固形製剤。
  24. 更に、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン又はヒプロメロースを含む、請求項1〜23のいずれかに記載の固形製剤。
  25. 結合剤を含まない、請求項1〜23のいずれかに記載の固形製剤。
  26. 更に、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含む、請求項1〜25のいずれかに記載の固形製剤。
  27. 流動化剤を含まない、請求項1〜25のいずれかに記載の固形製剤。
  28. 更に、甘味剤を含む、請求項1〜27のいずれかに記載の固形製剤。
  29. クロスポビドンを含む、クエン酸第二鉄水和物含有錠剤の硬度増強剤。
  30. 錠剤が、口腔内崩壊錠である、請求項29に記載の硬度増強剤。
  31. クロスポビドンを、クエン酸第二鉄水和物の量の1/20〜1/2の含量で含む、請求項29又は請求項30に記載の硬度増強剤。
  32. クエン酸第二鉄水和物とクロスポビドンを含む混合物を打錠する工程を含む、クエン酸第二鉄水和物含有錠剤の硬度増強方法。
  33. 錠剤が、口腔内崩壊錠である、請求項32に記載の硬度増強方法。
  34. 錠剤中に、1質量%以上20質量%以下のクロスポビドンを含む、請求項32又は請求項33に記載の硬度増強方法。
  35. クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して、1質量部以上60質量部以下のクロスポビドンを含む、請求項32〜34のいずれかに記載の硬度増強方法。
  36. D−マンニトールを含む、クエン酸第二鉄水和物含有錠剤の硬度増強剤。
  37. 錠剤が、口腔内崩壊錠である、請求項36に記載の硬度増強剤。
  38. D−マンニトールを、クエン酸第二鉄水和物の量の1/100〜1/2の含量で含む、請求項36又は請求項37に記載の硬度増強剤。
  39. クエン酸第二鉄水和物とD−マンニトールを含む混合物を打錠する工程を含む、クエン酸第二鉄水和物含有錠剤の硬度増強方法。
  40. 錠剤が、口腔内崩壊錠である、請求項39に記載の硬度増強方法。
  41. 錠剤中に、1質量%以上20質量%以下のD−マンニトールを含む、請求項39又は請求項40に記載の硬度増強方法。
  42. クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下のD−マンニトールを含む、請求項39〜41のいずれかに記載の硬度増強方法。
  43. クロスポビドン及びD−マンニトールを含む、クエン酸第二鉄水和物含有錠剤の硬度増強剤。
  44. 錠剤が、口腔内崩壊錠である、請求項43に記載の硬度増強剤。
  45. クロスポビドンを、クエン酸第二鉄水和物の量の1/20〜1/2の含量で含む、請求項43又は請求項44に記載の硬度増強剤。
  46. D−マンニトールを、クエン酸第二鉄水和物の量の1/100〜1/2の含量で含む、請求項43〜45のいずれかに記載の硬度増強剤。
  47. クエン酸第二鉄水和物、クロスポビドン及びD−マンニトールを含む混合物を打錠する工程を含む、クエン酸第二鉄水和物含有錠剤の硬度増強方法。
  48. 錠剤が、口腔内崩壊錠である、請求項47に記載の硬度増強方法。
  49. 錠剤中に、1質量%以上20質量%以下のクロスポビドンを含む、請求項47又は請求項48に記載の硬度増強方法。
  50. 錠剤中に、1質量%以上20質量%以下のD−マンニトールを含む、請求項47〜49のいずれかに記載の硬度増強方法。
  51. クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して、1質量部以上60質量部以下のクロスポビドンを含む、請求項47〜50のいずれかに記載の硬度増強方法。
  52. クエン酸第二鉄水和物100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下のD−マンニトールを含む、請求項47〜51のいずれかに記載の硬度増強方法。



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