JP2021024780A - 水酸化マグネシウム懸濁液、マグネシウム反応液、pH上昇剤、水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法、マグネシウム反応液の製造方法、入浴剤および化粧品 - Google Patents

水酸化マグネシウム懸濁液、マグネシウム反応液、pH上昇剤、水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法、マグネシウム反応液の製造方法、入浴剤および化粧品 Download PDF

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Abstract

【課題】水酸化マグネシウム水中に溶出させやすい水酸化マグネシウム懸濁液および水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法を提供する。【解決手段】水酸化マグネシウムの粒子Sが水W中に懸濁した水酸化マグネシウム懸濁液K1であって、水酸化マグネシウムの粒子Sは、面積を基準とした積算粒度分布が99%(D99)となる粒径が、1μm以下である水酸化マグネシウム懸濁液K1。この水は、ファインバブルを含むようにすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、水酸化マグネシウム懸濁液、マグネシウム反応液、pH上昇剤、水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法、マグネシウム反応液の製造方法、入浴剤、化粧品に関する。
従来、水酸化マグネシウムが溶出した水を、例えば、洗濯水として利用したり、植物栽培用の肥料として利用することが行われている。
特許文献1には、複数個の、金属マグネシウム(Mg)単体を50重量%以上含有する粒子(マグネシウム粒子)を、水を透過する網体で封入してなる本件発明の洗濯用洗浄補助用品を、洗濯用洗剤とともに洗濯機の洗濯槽に投入し被洗濯物を洗濯することが記載されている。
特許文献2には、洗濯物を水及び金属マグネシウム(Mg)を主成分として含有するマグネシウム材料を用いて洗濯した後の、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]を含有する洗濯廃水を水酸化マグネシウム[Mg(OH)]肥料として利用することが記載されている。
特開2014−90895号公報 国際公開第WO2018/154720号
ところが、洗濯等の際にマグネシウムのペレットを水中で撹拌して水酸化マグネシウムを含む水とする場合、ペレット同士の接触回数が短時間では多くならないため、溶出する水酸化マグネシウムの量が不足する場合が生じる。また、水酸化マグネシウムの粉体を水に投入する方法は、水酸化マグネシウムは、水に難溶性であることから、溶出する水酸化マグネシウムの量が、同様に不足しやすい。
本発明では、水酸化マグネシウム水中に溶出させやすい水酸化マグネシウム懸濁液および水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法を提供しようとするものである。
かくして本発明によれば、水酸化マグネシウムの粒子が水中に懸濁した水酸化マグネシウム懸濁液であって、水酸化マグネシウムの粒子は、面積を基準とした積算粒度分布が99%(D99)となる粒径が、1μm以下である水酸化マグネシウム懸濁液が提供される。
ここで、水は、酸化還元電位が、0mV以上200mV以下とすることができる。この場合、水酸化マグネシウム懸濁液が還元性の性質を備えやすくなる。
また、水は、分散剤を含まないようにすることができる。この場合、水酸化マグネシウム懸濁液を使用する用途が限定されにくくなる。
さらに、水は、ファインバブルを含むようにすることができる。この場合、水酸化マグネシウム懸濁液を洗浄剤として使用した場合に、洗浄効果が増大する。
また、本発明によれば、水酸化マグネシウムの飽和溶液と、飽和溶液に懸濁した水酸化マグネシウムの粒子と、を含み、粒子は、面積を基準とした積算粒度分布が99%(D99)となる粒径が、1μm以下である水酸化マグネシウム懸濁液が提供される。
さらに、本発明によれば、水酸化マグネシウムの粒子が水中に懸濁した水酸化マグネシウム懸濁液であって、水酸化マグネシウムの粒子は、400メッシュのふるいを全量通過する粒度を有する水酸化マグネシウム懸濁液が提供される。
またさらに、本発明によれば、マグネシウム単体からなる複数のペレットを、水中で互いに接触させつつ撹拌し、複数のペレットの表面を研磨することで生成する、水酸化マグネシウムの粒子および水酸化マグネシウム飽和水溶液を含む水酸化マグネシウム懸濁液が提供される。
また、本発明によれば、マグネシウムを含む複数のペレットを、水中で互いに接触させつつ撹拌することで生成した水酸化マグネシウム懸濁液から、水酸化マグネシウムの沈殿物を除去した上澄み液であるマグネシウム反応液が提供される。
そして、本発明によれば、面積を基準とした積算粒度分布が99%(D99)となる粒径が1μm以下である水酸化マグネシウムの粒子を、水中に懸濁した水酸化マグネシウム懸濁液を含むpH上昇剤が提供される。
また、本発明によれば、マグネシウム単体からなる複数のペレットと水とを混合し混合物とする混合工程と、混合物を、互いに接触させつつ撹拌する撹拌工程と、を含む水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法が提供される。
ここで、混合物を入れる容器は、円筒形状をなし、撹拌工程は、混合物を容器の周方向に生じる水流により撹拌するようにすることができる。この場合、水流が生じれば、撹拌する手段は、自由とすることができる。
また、撹拌工程は、容器中に配される複数の羽根板を回転させることで撹拌し、複数の羽根板は、円筒形状の直径方向の異なる位置に配されるとともに、円周方向で互いに位相をずらして配されるようにすることができる。この場合、直径方向で撹拌のむらが生じにくくなる。
さらに、撹拌工程は、モルタルミキサーを使用することで撹拌するようにすることができる。この場合、より容易に水酸化マグネシウム懸濁液を製造することができる。
またさらに、容器は、鉄を主成分とする材料からなるようにすることができる。この場合、マグネシウムが水中に溶出しやすくなる。
そして、撹拌工程の後に一部の水を分離する分離工程をさらに含むようにすることができる。この場合、水酸化マグネシウムの濃度を大きくすることができる。
また、本発明によれば、マグネシウム単体からなる複数のペレットと水とを混合する混合工程と、複数のペレットの表面を、水流により互いに研磨する研磨工程と、を含む水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法が提供される。
そして、本発明によれば、マグネシウム単体からなる複数のペレットと水とを混合し混合物とする混合工程と、混合物を、互いに接触させつつ撹拌する撹拌工程と、撹拌した後の液を静置することで、水酸化マグネシウムの粒子の沈殿物を分離し、上澄み液を生成する静置工程と、を含むマグネシウム反応液の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、マグネシウム単体からなる複数のペレットと水とを混合する混合工程と、複数のペレットの表面を、水流により互いに研磨する研磨工程と、研磨した後の液を静置することで、水酸化マグネシウムの粒子の沈殿物を分離し、上澄み液を生成する静置工程と、を含むマグネシウム反応液の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記水酸化マグネシウム懸濁液、上記マグネシウム反応液、上記水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法により製造された水酸化マグネシウム懸濁液または上記マグネシウム反応液の製造方法により製造されたマグネシウム反応液を含む入浴剤が提供される。
さらに、本発明によれば、上記水酸化マグネシウム懸濁液、上記マグネシウム反応液、上記水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法により製造された水酸化マグネシウム懸濁液または上記マグネシウム反応液の製造方法により製造されたマグネシウム反応液を含む化粧品が提供される。
本発明によれば、水酸化マグネシウム水中に溶出させやすい水酸化マグネシウム懸濁液および水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法を提供することができる。
(a)〜(d)は、本実施の形態が適用される水酸化マグネシウム懸濁液について示した図である。 (a)〜(b)は、本実施の形態が適用される水酸化マグネシウム懸濁液のさらに別の例について示した図である。 (a)〜(b)は、水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法について説明したフローチャートである。 (a)〜(b)は、撹拌工程で用いられる撹拌装置について示した図である。 第1の方法による水酸化マグネシウムの粒子の粒度分布を示した図である。 第2の方法による水酸化マグネシウムの粒子の粒度分布を示した図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
以下、図面に基づき、本実施の形態が適用される水酸化マグネシウム懸濁液等について説明を行なう。
<水酸化マグネシウム懸濁液の全体説明>
本実施の形態で、水酸化マグネシウム懸濁液とは、水酸化マグネシウムの粒子が水中に懸濁した懸濁液である。即ち、固体粒子である水酸化マグネシウム(Mg(OH))粒子が、液体である水中に分散したものである。よって、本実施の形態の水酸化マグネシウム懸濁液は、水酸化マグネシウムスラリー、あるいは、水酸化マグネシウムサスペンジョンであると言うこともできる。
図1(a)〜(d)は、本実施の形態が適用される水酸化マグネシウム懸濁液について示した図である。
このうち、図1(a)〜(b)は、本実施の形態の水酸化マグネシウム懸濁液の第1の形態を示した図である。
図1(a)は、槽T内に水酸化マグネシウム懸濁液K1を貯留した状態を示している。また、図1(b)は、図1(a)の部分拡大図である。
図1(b)に示すように、水酸化マグネシウム懸濁液K1は、水酸化マグネシウムの粒子Sが、水W中に分散し、混合した状態となっている。
水Wは、水酸化マグネシウムの飽和水溶液である。この場合、水酸化マグネシウム懸濁液K1は、水酸化マグネシウムの飽和溶液である水Wと、この飽和溶液に懸濁した水酸化マグネシウムの粒子Sとからなる、と言うことができる。なお、ここで飽和水溶液とは、水酸化マグネシウムが過飽和の状態となる過飽和状態も含む概念である。
水酸化マグネシウムの粒子Sは、水酸化マグネシウムの微粒子である。詳しくは後述するが、本実施の形態の水酸化マグネシウムの粒子Sは、面積を基準とした積算粒度分布が99%(D99)となる粒径が、1μm以下である。つまり、水酸化マグネシウムの粒子Sとして、粒度が1μmを超えるものは、ほとんど含まれない。
また、本実施の形態の水酸化マグネシウムの粒子Sは、400メッシュのふるいを全量通過する粒度を有する。なお、ここで、「全量」とは、100%である場合の他に、不純物等が残存する状態である、「ほぼ全量」の状態も含む概念である。また、ここでメッシュ(mesh)とは、1インチ(25.4mm)上に網目がいくつあるかを表す単位であり、400メッシュは、1インチ上に網目が400箇所あることを表す。網を構成する線材は、特に限られるものではなく、ステンレス、ナイロン、不織布等である。また、400メッシュのふるいの目開きは、30μm以上40μm以下である。
また、図1(c)〜(d)は、本実施の形態の水酸化マグネシウム懸濁液の第2の形態を示した図である。
図1(c)は、槽T内に水酸化マグネシウム懸濁液K2が沈殿した状態を示している。つまり、図1(a)の状態から水酸化マグネシウムの粒子Sが沈殿すると、図1(c)の状態になる。この場合、槽T内では、沈殿物である水酸化マグネシウム懸濁液K2と、上澄み液である水Wが分離する状態となっている。
また、図1(d)は、図1(c)の部分拡大図である。図示するように、水酸化マグネシウム懸濁液K2は、水W中に水酸化マグネシウムの粒子Sが分散する状態となっている。つまり、水酸化マグネシウム懸濁液K2も、水酸化マグネシウム懸濁液K1と同様に、水酸化マグネシウムの飽和溶液である水Wと、この飽和溶液に懸濁した水酸化マグネシウムの粒子Sとからなる。
なお、水W中には、マグネシウムの反応物が含まれる。この水Wは、マグネシウムまたはマグネシウムの化合物、もしくはこれらのイオンが水中に分散する溶液である。マグネシウムの反応物は、例えば、水酸化マグネシウムである。また、イオンは、例えば、マグネシウムイオン(Mg2+)である。
図1(d)の水酸化マグネシウム懸濁液K2中の水酸化マグネシウムの粒子Sは、凝集することで大きくなり、水W中の水酸化マグネシウムの粒子Sに比較して、より大きい状態となる。また、粒子Sの濃度もより大きい。ただし、この凝集は、弱い凝集である。
一方、水W中の水酸化マグネシウムの粒子Sは、水酸化マグネシウム懸濁液K2中の水酸化マグネシウムの粒子Sよりも粒子が小さく、光との干渉が生じにくい。さらに水酸化マグネシウムの粒子Sの濃度も小さい。そのため、白色に着色しにくい。
なお、粒子Sは、水酸化マグネシウムである場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、粒子Sは、後述するマグネシウムを含むペレットが研磨することにより生じ、水と反応を生じていないマグネシウム粒子であってもよい。またマグネシウム粒子と水との水和物であってもよい。さらに、マグネシウムイオンであってもよい。またさらに、粒子Sがほとんど存在しなくてもよい。
この場合、水Wは、マグネシウムを含む複数のペレットを、水中で互いに接触させつつ撹拌することで生成した水酸化マグネシウム懸濁液から、水酸化マグネシウムの沈殿物を除去した上澄み液である。そして、水Wは、マグネシウムの反応物が水中に分散したマグネシウム反応液と捉えることもできる。
図2(a)〜(b)は、本実施の形態が適用される水酸化マグネシウム懸濁液のさらに別の例について示した図である。
図2(a)〜(b)は、本実施の形態の水酸化マグネシウム懸濁液の第3の形態を示した図である。
図2(a)は、槽T内に水酸化マグネシウム懸濁液K3を貯留した状態を示している。また、図2(b)は、図2(a)の部分拡大図である。
図2(b)に示すように、水酸化マグネシウム懸濁液K3も、水酸化マグネシウム懸濁液K1と同様に、水酸化マグネシウムの飽和溶液である水Wと、この飽和溶液に懸濁した水酸化マグネシウムの粒子Sとからなる。この水酸化マグネシウム懸濁液K3は、図1(a)と同様に水酸化マグネシウムの粒子Sが、水中に分散し、混合した状態となっている。ただし、水酸化マグネシウム懸濁液K3は、図1(a)の水酸化マグネシウム懸濁液K1に比較して、水の含有量が少なくなっている。即ち、図1(a)の水酸化マグネシウム懸濁液K1に比較して、水酸化マグネシウムの粒子Sの濃度が大きい。
水酸化マグネシウム懸濁液K3は、例えば、図1(a)に示した水酸化マグネシウム懸濁液K1や図2(a)に示した水酸化マグネシウム懸濁液K2を脱水することにより、製造することができる。
<水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wの性質>
図1および図2に挙げた水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、以下の性質を有することが好ましい。
(pH)
水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、アルカリ性である。さらに詳しくは、pHが、約10.5である。つまり、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wに含まれる水Wは、水酸化マグネシウムの飽和水溶液であり、この飽和水溶液のpHが、約10.5であるため、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、pHが、約10.5となる。
そのため、詳しくは後述するが、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水W等を添加液などの用途として使用した場合、添加液が添加される対象である対象物をアルカリ性とすることができる。
(酸化還元電位)
水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、酸化還元電位が、0mV以上200mV以下である。さらに詳しくは、酸化還元電位は、例えば、約75mVである。一般的な水道水や井水の酸化還元電位は、例えば、500mV〜600mV程度である。また、湧き水などの酸化還元電位は、例えば、100mV〜200mV程度である。よって、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wの酸化還元電位は、還元電位にはならないものの一般的な水道水や井水の酸化還元電位より小さい。また、湧き水などの酸化還元電位に近い。これにより、一般的な水である水道水や井水よりも、還元性の性質を有する。
(分散剤)
水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、分散剤を含ませる必要はない。即ち、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wに含まれる水酸化マグネシウムの粒子Sは、分散剤を含まない状態でも、容易にほぐすことができ、凝集状態から分散状態に移行させることができる。
(添加剤)
一方、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wには、その用途により、添加剤を添加することができる。例えば、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを洗浄剤として使用する場合、消臭作用を有する添加剤として、重曹、ミョウバン等を添加することができる。また、アロマオイルなどの匂い成分を添加することもできる。さらに、洗濯物として衣類をソフトに仕上げるグリセリン等の柔軟剤を添加してもよい。またさらに、洗濯物の汚れ落ちを向上させる酵素、洗剤を添加してもよい。
<水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wの製造方法>
次に、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wの製造方法について説明する。
図3(a)〜(b)は、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wの製造方法について説明したフローチャートである。
このうち、図3(a)は、水酸化マグネシウム懸濁液K1の製造方法について説明した図である。
まず、マグネシウム(Mg)単体からなる複数のペレットと水とを混合し混合物とする(ステップ101:混合工程)。
この場合、ペレットの形状や大きさは、特に限られるものではない。例えば、ペレットの形状として、楕円形状、円筒形状、棒形状、不定形状等としてもよい。また、稠密である必要はなく、内部に空隙を有するポーラス状としてもよい。
またここで、「マグネシウム単体」とは、ペレット中のマグネシウムの含有率が100%である場合に限られるものではない。即ち、不純物が少なく、ほぼマグネシウムからなるものであれば、マグネシウム単体の概念に含まれる。よって、本実施の形態で使用されるペレットは、例えば、重量比でマグネシウムが90%以上であることが好ましく、99%以上であることがさらに好ましく、99.9%以上であることが特に好ましい。本実施の形態では、ペレットに含まれるマグネシウムは、重量比で例えば、99.95%以上である。
マグネシウム単体以外の成分として含まれてよい成分としては、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン等が挙げられる。
本実施の形態で使用する水は、含まれる不純物が少ないことが好ましい。本実施の形態では、例えば、水道水を使用することができる。また、フィルタにより懸濁物質を除去した後の井水や工業用水を使用することもできる。さらに、水中に含まれるイオンを除去した脱イオン水や蒸留水を使用することもできる。ただし、含まれる不純物が少ないという観点からは、脱イオン水や蒸留水を使用することが、より好ましい。
ペレットと水とを混合する方法としては、特に限られるものではなく、予めペレットと水とを混合した後に容器に移してもよく、ペレットおよび水の一方を予め容器中に投入し、その後で、他方を投入することで混合してもよい。
ステップ101の後は、ペレットと水との混合物を、互いに接触させつつ撹拌する(ステップ102:撹拌工程)。この撹拌工程において、ペレットに含まれるマグネシウムを水中に溶出させ、水酸化マグネシウムの粒子Sを生成する。
図4(a)〜(b)は、撹拌工程で用いられる撹拌装置について示した図である。
このうち図4(a)は、撹拌装置の上面図である。また、図4(b)は、撹拌装置の側面図であり、図4(a)のIVb方向から見た図である。
図示する撹拌装置100は、例えば、モルタルミキサーと呼ばれる装置である。よって、この撹拌装置100は、モルタルを製造するために使用することができるが、本実施の形態では、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3を製造するための装置として好適に使用することができる。
撹拌装置100は、ペレットと水との混合物を入れるドラム110と、ドラム110の中心軸Cを中心に回転する撹拌翼120と、撹拌翼120を回転させるモータ130と、を備える。
ドラム110は、ペレットと水との混合物を入れる容器の一例であり、図示するように、円筒形状をなす。ドラム110は、鉄を主成分とする材料からなり、例えば、ステンレスからなる。この撹拌装置100では、混合物とドラム110の内壁とが接触する。そして、ドラム110を、鉄を主成分とする材料とすることで、マグネシウムを含むペレットと、鉄を含むドラム110の内壁との間で、異種金属接触(ガルバニック)腐食が生じ、その電極電位差により酸化還元反応が生じ、マグネシウムが水中に溶出しやすくなる。
撹拌翼120は、撹拌翼120を回転させる回転軸121と、ドラム110中に配される3つの羽根板122a、122b、122cと、回転軸121と羽根板122a、122b、122cとをそれぞれ接続する接続部123a、123b、123cと、を備える。
回転軸121は、中心軸Cに沿い鉛直方向に配される。また、回転軸121は、モータ130の回転軸と接続する。そのため、回転軸121は、モータ130が回転することにより、中心軸Cを中心として、図中A方向に回転する。
羽根板122a、122b、122cは、円筒形状のドラム110の直径方向の異なる位置に配されるとともに、円周方向で互いに位相をずらして配される。
羽根板122a、122b、122cが回転することで、ドラム110の周方向に水流が生じる。そして、ペレットと水との混合物をこの水流により撹拌すると、複数のペレット同士が、接触し、擦れ合うことになる。その結果、複数のペレットの表面を、水流により互いに研磨することができる。よって、ステップ102の撹拌工程は、複数のペレットの表面を、水流により互いに研磨する研磨工程であると捉えることもできる。
複数のペレットの表面を、水流により互いに研磨することで、ペレットの成分であるマグネシウムが水中に溶出する。このとき、以下の(1)式の反応が生じ、水中に水素(H)と水酸化マグネシウム(Mg(OH))が生成する。
Mg+2HO→H+Mg(OH) …(1)
水酸化マグネシウムは、水に対し難溶性であるため、水中で析出し、水酸化マグネシウムの粒子Sとなる。その結果、水酸化マグネシウム懸濁液K1が生成する。
また、(1)式の反応では、水素が発生し、ファインバブルが生成する。ここで、「ファインバブル」とは、直径が100μm以下の気泡である。また、1μm以下のファインバブルをウルトラファインバブルと呼ぶこともあるが、本実施の形態のファインバブルは、ウルトラファインバブルも含む概念である。本実施の形態では、発生した水素の気泡が撹拌されつつ、ペレットにより粉砕される。そして、水酸化マグネシウム懸濁液K1中にファインバブルが生じる。このファインバブルは、脱泡しにくく、水酸化マグネシウム懸濁液K1中に残存しやすい。また、このファインバブルは、水W中に含まれ分散する。よって、水酸化マグネシウム懸濁液K1を構成する水Wは、水酸化マグネシウムの飽和水溶液である。
なお、水流が生じることで、ペレットと水との混合物を撹拌することができれば、図示するような撹拌翼120である必要はない。例えば、回転軸121に羽根板を直接取り付け、これを回転させる撹拌翼であってもよい。
また、撹拌翼120を使用する代わりに、ポンプ等を利用して水を加圧し、加圧した水を噴射することで水流を生じさせることもできる。
羽根板122a、122b、122cもドラム110と同様に、鉄を主成分とする材料からなり、例えば、ステンレスからなる。ただし、これに限られるものではなく、例えば、銅、金、銀を含む材料からなっていてもよい。また、これらを複数種含んでいてもよい。この撹拌装置100では、混合物と羽根板122a、122b、122cとが接触する。そして、羽根板122a、122b、122cを、鉄を主成分とする材料とすることで、マグネシウムを含むペレットと、鉄を含む羽根板122a、122b、122cとの間で、異種金属接触(ガルバニック)腐食が生じ、その電極電位差により酸化還元反応が生じ、マグネシウムが水中に溶出しやすくなる。
なお、図4では、羽根板は、羽根板122a、122b、122cの3つであったが、その数はいくつであってもよい。ただし、撹拌をより均一に行う観点からは、複数であることが好ましい。
モータ130は、回転軸121を回転させる動力源である。回転軸121とモータ130の回転軸とは、直接接続してもよいが、ギヤ等を介することで接続してもよい。また、モータ130は、一定の回転数で回転するものであってもよく、可変抵抗やインバータを利用して回転数を可変としてもよい。また、図中A方向に回転するだけでなく、A方向と逆方向に回転するようにしてもよい。即ち、正転、逆転を切り換えられるようにしてもよい。
図3(a)に戻り、ステップ102の後は、ペレットと生成した水酸化マグネシウム懸濁液K1とを分離して取り出す(ステップ103:取出工程)。これにより、水酸化マグネシウム懸濁液K1を製造することができる。また、分離したペレットは、再利用することができるため、さらに、水酸化マグネシウム懸濁液K1を製造するために使用することができる。
また、水酸化マグネシウム懸濁液K2、水Wを製造するには、水酸化マグネシウム懸濁液K1を静置すればよい。これは、水酸化マグネシウム懸濁液K1を静置する静置工程であると捉えることもできる。この場合、水酸化マグネシウム懸濁液K2、水W中にファインバブルが含まれることは、水酸化マグネシウム懸濁液K1の場合と同様である。
この静置工程は、撹拌した後の液を静置することで、水酸化マグネシウムの粒子Sの沈殿物を分離し、上澄み液を生成する工程である。そしてこれにより、マグネシウム反応液である水Wを製造することができる。
また、図3(b)は、水酸化マグネシウム懸濁液K3の製造方法について説明した図である。
図3(b)において、ステップ201〜ステップ203は、図3(a)で説明したステップ101〜ステップ103と同様である。
ステップ203の後は、生成した水酸化マグネシウム懸濁液K1から一部の水を分離する(ステップ204:分離工程)。これにより、水酸化マグネシウム懸濁液K3を製造することができる。分離工程は、例えば、脱水を行う脱水工程とすることができる。なお、水酸化マグネシウム懸濁液K2の脱水等を行ない一部の水を分離しても、同様に水酸化マグネシウム懸濁液K3を製造することができる。
脱水の方法は、特に限られるものではなく、既存の手法を用いることができる。例えば、濾紙や濾布等の濾材を使用し、重力を利用した自然濾過により脱水を行うことができる。また、濾材の下方を減圧して濾過を行う減圧濾過により脱水を行うことができる。さらに、遠心分離により濾過を行う遠心濾過により脱水を行うことができる。
なお、水酸化マグネシウム懸濁液K3中にファインバブルが含まれることは、水酸化マグネシウム懸濁液K1の場合と同様である。また、脱水を行うときに分離した脱水液は、水Wであり、これをマグネシウム反応液として扱うこともできる。
また、以上の方法で製造した水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3は、マグネシウム単体からなる複数のペレットを、水中で互いに接触させつつ撹拌し、複数のペレットの表面を研磨することで生成する、水酸化マグネシウムの粒子Sおよび水酸化マグネシウム飽和水溶液である水Wを含む水酸化マグネシウム懸濁液であると捉えることもできる。
<水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wの用途>
以上説明した水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K、水Wは、以下に例示する用途に使用することができる。これらの用途では、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、主に、添加液として使用する。
(pH上昇剤)
水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを添加することで、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3を添加する対象物のpHを上昇させることができる。そのため、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、pH上昇剤として使用することができる。例えば、水に水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを添加すると、水のpHが上昇する。この場合、例えば、水のpHを8〜10とすることができる。また、土壌に水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを散布すると、土壌のpHが上昇する。
(洗浄剤)
水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを添加し、pHが上昇することで、洗浄作用が生じる。そのため、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、衣類の洗濯等を含む洗浄剤として使用することができる。この場合、洗濯物等の対象物の汚れを除去することができる。また、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、洗剤等と併用してもよいが、単に添加するだけでも洗浄作用を得ることができる。また、pHが上昇することで、通常の水に比較して、還元作用が期待でき、これにより、洗浄作用がさらに増大する。実際の用途の具体例としては、キッチン周りの油汚れの除去、トイレの洗浄剤、野菜の洗浄剤、排水溝のクリーナー、シミ取り剤等として利用する場合が挙げられる。
なお、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、特に衣服の襟や袖に塗布して洗浄する部分洗い洗浄剤として好適に使用することができる。
さらに、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、ファインバブルを含む。そのためこのファインバブルにより洗浄作用がさらに増大する。
(菌の増殖抑制剤)
水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを添加し、pHが上昇することで、菌の増殖抑制作用が生じる。そのため、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、菌の増殖抑制剤として使用することができる。また、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、衣類の洗濯に使用する際に、衣類の菌の増殖抑制を併せて行うことができる。
さらに、プールの菌の増殖抑制剤として使用する塩素の代わりに、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを使用することができる。水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、人体の目に微量入っても有害でなく、塩素に比較して目に炎症を生じさせにくい。また、実際の用途の具体例をさらに挙げれば、手などの除菌剤、加湿器用の除菌剤、排水溝のヌメリ取りなどとして利用する。
(防カビ剤)
水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wが、菌の増殖抑制作用を有することで、防カビ剤として使用することができる。よって、エアコンディショナー、空気清浄機、加湿器のフィルタ等に含ませることで、防カビ作用が得られる。
(消臭剤)
水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを添加することで、菌の増殖抑制作用が生じる結果、消臭作用が生じる。つまり、臭いの元となる菌類を菌の増殖抑制作用により増殖させないことができる。そのため、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、消臭剤として使用することができる。実際の用途の具体例としては、ペット・畜産用の消臭剤、靴の消臭剤、ラーメン店、焼き肉店などの飲食店の消臭剤、足や脇を消臭するデオドランドスプレー、消臭クリーム、消臭シート等として利用する場合が挙げられる。消臭シートには、例えば、汗拭きシート、身体拭きシートなどが含まれる。消臭剤として使用する場合、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを、そのまま使用することができる。また、香料など他の添加物が含まれていてもよい。
(化粧品)
水酸化マグネシウムは、上述したように菌の増殖抑制効果、消臭効果があり、人体に対し、毒性が非常に低い。また、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、乾燥すると、サラサラした手触りとなる。そのため、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、化粧品に含ませることができる。ここで、化粧品とは、例えば、薬事法の規定により分類される化粧品のことである。化粧品としては、育毛剤、口腔用組成物、メイク落とし、洗顔料、シートマスク、美容液、ボディ用石鹸、化粧水、乳液、保湿クリーム、導入美容液(ブースター)、保湿パック(練り状)、シミ消しクリーム、ファンデーション、アイシャドウなどが該当する。
このうち、口腔用組成物は、練り歯磨き、液体歯磨きなどの歯磨き剤、洗口剤、うがい液、マウススプレー、歯面や歯科用補綴物へのコーティング剤や貼付け剤、知覚過敏抑制剤、歯周病治療剤などが該当する。また、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを、練り歯磨きに含ませた場合は、水酸化マグネシウムは、歯を研磨する研磨剤としての作用も有する。
(医薬部外品、医薬品)
水酸化マグネシウムは、上述したように菌の増殖抑制効果、消臭効果があり、人体に対し、毒性が非常に低い。そのため、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、医薬部外品、医薬品に含ませることができる。ここで、医薬部外品、医薬品とは、例えば、薬事法の規定により分類される医薬部外品、医薬品のことである。
医薬部外品としては、例えば、歯周病・虫歯予防の歯磨き、口中清涼剤、制汗剤、薬用化粧品、ヘアカラー、生理用品などが該当する。医薬品としては、例えば、筋肉痛の緩和剤、代謝の促進を促す発汗剤、水虫治療薬等が挙げられる。使用形態としては、例えば、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを、スプレー容器に入れて、スプレーすることで使用することができる。また、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを、シートに含ませることで使用することができる。さらに、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを、クリーム状にすることで使用することができる。この場合、例えば、皮膚疾患の治療に使われる医薬品である皮膚外用剤として使用できる。
(入浴剤)
水酸化マグネシウムは、水に溶け込むことにより、アルカリ性に傾き美肌効果やピーリング効果を有するため、入浴剤としても使用することができる。ここで、入浴剤には、例えば、温浴効果や血行促進が得られる薬用入浴剤や、クレンジング効果が得られるクレンジング入浴剤等が含まれる。入浴剤として使用する場合、例えば、浴槽に、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wをそのまま投入することで使用することができる。また、香料など他の添加物が含まれていてもよい。
(還元剤)
水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、強い還元性はない。ただし、一般的な水に比較して、還元性を有するため、弱い還元剤として使用することができる。
(肥料、栄養剤)
水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを散布することで、植物にとって必要なマグネシウムの供給をすることができる。そのため、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、肥料として使用することができる。また、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを洗浄剤として使用した後の洗浄廃液を、肥料として再利用することができる。このとき、廃液単独であってもよいが、植物にとって有用な他の成分を混合することもできる。
また、植物に対する栄養剤として、使用することもできる。この場合、土壌に対し散布してもよく、植物の葉に散布してもよい。
(花粉の不活性化)
水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、花粉に作用することで、花粉を不活性化させることができる。そのため、花粉症の予防、低減などの効果が期待できる。花粉としては、特に限られるものではなく、例えば、スギ花粉、ヒノキ花粉、ブタクサ花粉、シラカンバ花粉、イネ科花粉、ヨモギ花粉などが挙げられる。
(虫除け剤)
水酸化マグネシウムは、虫を忌避する効果がある、よって、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、虫除け剤として使用することができる。この場合、土壌や植物に対し散布することで、虫がよりつきにくくなる。また、特にうどん粉病の防止に効果がある。さらに、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを人体に直接塗布することで、虫除け剤として使用することができる。
(除菌剤)
水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、上述したように菌の増殖抑制効果があるため、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを、除菌剤として使用することができる。除菌剤として使用する場合、例えば、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを、スプレー容器に入れて、スプレーすることで使用することができる。また、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを、シートに含ませることで使用することができる。この場合、例えば、除菌スプレーや除菌シートが該当する。また用途としては、例えば、手拭き用、足拭き用、顔面拭き取り用、掃除用、おしりふき用、ペット用汚れ取りシート等が考えられる。この場合、災害や入院の際に使用する場合や入浴が苦手な子供に対し使用する場合に、特に有効である。
以上説明した水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、これに含まれる水Wが水酸化マグネシウムの飽和水溶液である。そのため、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを、添加液とする場合、水Wに既に溶出している水酸化マグネシウムを利用することができる。さらに、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wは、水酸化マグネシウムの粒子Sを含み、この水酸化マグネシウムの粒子Sは、非常に微細な粒子である。よって、その表面積も大きく、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを、添加液とする場合、対象物となる水に対し、容易に水酸化マグネシウムを溶出させることができる。そのため、水Wに既に溶出している水酸化マグネシウムのみならず、さらに溶出する水酸化マグネシウムを利用することができる。
よって、これらの作用により、水酸化マグネシウムを対象物により多く溶出させることができ、上述したpH上昇作用、洗浄作用、菌の増殖抑制作用等を発揮させやすくなる。
また、以上説明した水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wの製造方法では、マグネシウム単体からなるペレットを水中で撹拌するだけで、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを製造することができる。そのため、非常に簡易な方法で、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wを製造することができる。また、これにより生成する水酸化マグネシウムは、ペレット同士の衝突により、微細化され、さらに凝集しにくい。そのため、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wには、非常に微細な水酸化マグネシウムの粒子Sが含まれることになる。
そして、水酸化マグネシウムとともに水素が生成する。そのため、水酸化マグネシウム懸濁液K1〜K3、水Wには、非常に微細な水素の気泡が含まれることになる。そして、ファインバブルにより、上述した洗浄作用を発揮させやすくなる。
以下、本発明を実施例を用いて、より詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例により限定されるものではない。
(水酸化マグネシウム懸濁液K1の製造)
マグネシウムのペレットを用意した。そして図4に図示した撹拌装置100に、このペレットと、蒸留水を投入し、混合した。
そして、撹拌装置100を動作させ、撹拌を行なうことで、水酸化マグネシウム懸濁液K1を製造した。
(評価)
水酸化マグネシウム懸濁液K1中の水酸化マグネシウムの粒子Sの粒度測定を、以下に説明する第1の方法および第2の方法の2通りで行った。
第1の方法として、リオン株式会社製の液中パーティクルカウンタKS−418を用いた粒度測定を行った。この装置は、光源が波長532nmの半導体レーザであり、光学系方式として側方散乱方式を用いている。また、測定方法として、光遮断方式を用いている。この場合、粒径は、面積基準として算出される。
結果を、表1および図5に示す。
表1では、粒径に対するカウント数を示している。この場合、0.3μm、0.5μm、1μm、2μm、5μm、10μmの各粒径におけるカウント数を示している。なお、0.3μm未満の粒子については、本装置では測定限界以下であり、カウントしていない。
図5は、第1の方法による水酸化マグネシウムの粒子Sの粒度分布を示した図である。
図中、横軸は、粒径(μm)を表し、縦軸は、カウント数を表す。
表1および図5によれば、ほとんどの水酸化マグネシウムの粒子Sは、粒径が、1μm以下であることがわかる。さらに詳しくは、水酸化マグネシウムの粒子Sは、粒径が、1μm以下のものが、99.99%以上である。よって、水酸化マグネシウムの粒子Sは、面積を基準とした積算粒度分布が99%(D99)となる粒径が、1μm以下である、と言うことができる。
第2の方法として、株式会社島津製作所製のナノ粒子径分布測定装置SALD−7500を用いた粒度測定を行った。この装置は、光源が波長405nmの半導体レーザであり、測定方法として、レーザ回折・散乱法を用いている。この場合、粒径は、体積基準として算出される。
結果を、図6に示す。
図6は、第2の方法による水酸化マグネシウムの粒子Sの粒度分布を示した図である。
図中、横軸は、粒径(μm)を表し、縦軸は、相対粒子量(%)を表す。
第2の方法による粒度測定では、0.1μm付近にピークが見られる、また、ほとんどの水酸化マグネシウムの粒子Sは、粒径が、1μm以下であることがわかる。なお、この測定では、メディアン径(D50)は、0.11μmであり、平均粒径は、0.16μmであった。
(化粧品の製造1)
以下の表2に示す組成にて化粧品として、ファンデーションを製造した。なおここで、ナイロンパウダーとしては、アトケム社の長球状のポリアミド粒子であるオルガソールを使用した。また、BY−29−119は、ダウケミカル社製のシリコンエマルションである、DOWSIL BY−29−119である。
(化粧品の製造2)
以下の表3に示す組成にて化粧品として、育毛剤を製造した。なおここで、ユーカリエキスは、育毛剤の有効成分である。また、グリセリンは、有効成分の可溶化と組成物の安定性向上のために配合される。さらに、センブリエキスは、血行促進剤であり、頭皮の血行を促進して毛髪の成長を促すために配合される。またさらに、アデノシンは、毛包賦活剤であり、毛包を活性化して毛髪の成長を促すために配合される。
(化粧品の製造3)
以下の表4に示す組成にて化粧品として、口腔用組成物を製造した。このうち、口腔用組成物1は、例えば、練り歯磨きとして用いられる。また、口腔用組成物1は、例えば、口腔内を洗浄する洗浄剤として用いられる。ここで、水酸化マグネシウムとしては、水酸化マグネシウム懸濁液K1に含まれるものを使用した。
100…撹拌装置、110…ドラム、120…撹拌翼、130…モータ、K1、K2、K3…水酸化マグネシウム懸濁液、S…水酸化マグネシウムの粒子、W…水

Claims (20)

  1. 水酸化マグネシウムの粒子が水中に懸濁した水酸化マグネシウム懸濁液であって、
    前記水酸化マグネシウムの粒子は、面積を基準とした積算粒度分布が99%(D99)となる粒径が、1μm以下である水酸化マグネシウム懸濁液。
  2. 前記水は、酸化還元電位が、0mV以上200mV以下であることを特徴とする請求項1に記載の水酸化マグネシウム懸濁液。
  3. 前記水は、分散剤を含まないことを特徴とする請求項1に記載の水酸化マグネシウム懸濁液。
  4. 前記水は、ファインバブルを含むことを特徴とする請求項1に記載の水酸化マグネシウム懸濁液。
  5. 水酸化マグネシウムの飽和溶液と、
    前記飽和溶液に懸濁した水酸化マグネシウムの粒子と、
    を含み、
    前記粒子は、面積を基準とした積算粒度分布が99%(D99)となる粒径が、1μm以下である水酸化マグネシウム懸濁液。
  6. 水酸化マグネシウムの粒子が水中に懸濁した水酸化マグネシウム懸濁液であって、
    前記水酸化マグネシウムの粒子は、400メッシュのふるいを全量通過する粒度を有する水酸化マグネシウム懸濁液。
  7. マグネシウム単体からなる複数のペレットを、水中で互いに接触させつつ撹拌し、当該複数のペレットの表面を研磨することで生成する、水酸化マグネシウムの粒子および水酸化マグネシウム飽和水溶液を含む水酸化マグネシウム懸濁液。
  8. マグネシウムを含む複数のペレットを、水中で互いに接触させつつ撹拌することで生成した水酸化マグネシウム懸濁液から、水酸化マグネシウムの沈殿物を除去した上澄み液であるマグネシウム反応液。
  9. 面積を基準とした積算粒度分布が99%(D99)となる粒径が1μm以下である水酸化マグネシウムの粒子を、水中に懸濁した水酸化マグネシウム懸濁液を含むpH上昇剤。
  10. マグネシウム単体からなる複数のペレットと水とを混合し混合物とする混合工程と、
    前記混合物を、互いに接触させつつ撹拌する撹拌工程と、
    を含む水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法。
  11. 前記混合物を入れる容器は、円筒形状をなし、
    前記撹拌工程は、前記混合物を前記容器の周方向に生じる水流により撹拌することを特徴とする請求項10に記載の水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法。
  12. 前記撹拌工程は、前記容器中に配される複数の羽根板を回転させることで撹拌し、
    前記複数の羽根板は、円筒形状の直径方向の異なる位置に配されるとともに、円周方向で互いに位相をずらして配されることを特徴とする請求項11に記載の水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法。
  13. 前記撹拌工程は、モルタルミキサーを使用することで撹拌することを特徴とする請求項10に記載の水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法。
  14. 前記容器は、鉄を主成分とする材料からなることを特徴とする請求項11に記載の水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法。
  15. 前記撹拌工程の後に一部の水を分離する分離工程をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法。
  16. マグネシウム単体からなる複数のペレットと水とを混合する混合工程と、
    前記複数のペレットの表面を、水流により互いに研磨する研磨工程と、
    を含む水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法。
  17. マグネシウム単体からなる複数のペレットと水とを混合し混合物とする混合工程と、
    前記混合物を、互いに接触させつつ撹拌する撹拌工程と、
    撹拌した後の液を静置することで、水酸化マグネシウムの粒子の沈殿物を分離し、上澄み液を生成する静置工程と、
    を含むマグネシウム反応液の製造方法。
  18. マグネシウム単体からなる複数のペレットと水とを混合する混合工程と、
    前記複数のペレットの表面を、水流により互いに研磨する研磨工程と、
    研磨した後の液を静置することで、水酸化マグネシウムの粒子の沈殿物を分離し、上澄み液を生成する静置工程と、
    を含むマグネシウム反応液の製造方法。
  19. 請求項1〜7の何れか1項に記載の水酸化マグネシウム懸濁液、請求項8に記載のマグネシウム反応液、請求項10〜16の何れか1項に記載の水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法により製造された水酸化マグネシウム懸濁液または請求項17〜18の何れか1項に記載のマグネシウム反応液の製造方法により製造されたマグネシウム反応液を含む入浴剤。
  20. 請求項1〜7の何れか1項に記載の水酸化マグネシウム懸濁液、請求項8に記載のマグネシウム反応液、請求項10〜16の何れか1項に記載の水酸化マグネシウム懸濁液の製造方法により製造された水酸化マグネシウム懸濁液または請求項17〜18の何れか1項に記載のマグネシウム反応液の製造方法により製造されたマグネシウム反応液を含む化粧品。
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