JP2021024468A - 補助ブレーキ制御装置、補助ブレーキ制御方法、及び補助ブレーキ制御プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
また、ドライバによっては、補助ブレーキスイッチを作動位置に設定した状態でのラフアクセル操作が好ましくないことを十分に認識していない場合がある。よって、ラフアクセル操作に対しては、燃費の悪化及び駆動系の劣化を抑制しながら、ドライバに適切な運転(具体的には、アクセルペダル及び補助ブレーキスイッチの適切な操作)をするよう、促すことが望ましい。
(1)本適用例に係る補助ブレーキ制御装置は、加速するためのアクセルペダルと補助ブレーキを操作するためのスイッチとが設けられた車両の補助ブレーキ制御装置であって、前記アクセルペダルの操作頻度が所定頻度以上であることを含む禁止条件の成否を判定する判定部と、前記判定部で前記禁止条件が成立したと判定された場合に、前記スイッチが前記補助ブレーキを作動させる作動位置にあっても、前記補助ブレーキの作動を禁止するとともにドライバに警告する禁止制御を実施する制御部と、を備えている。
禁止制御により補助ブレーキの作動が禁止されることで、燃費の悪化及び駆動系の劣化が抑制される。また、禁止制御によりドライバに警告が出されることで、ドライバが不適切な運転をしていることに気づきやすくなる。
このような構成によれば、ドライバがスイッチを操作し忘れている可能性が高い場合に限って、禁止制御が実施される。このため、ドライバへの警告がより的確な状況で実施される。
このような構成によれば、ドライバに加速又は減速の意図がない可能性が高い場合に限って、禁止制御が実施される。このため、ドライバへの警告がより的確な状況で実施される。
このような構成によれば、アクセルペダルの操作頻度が増加しやすい特殊モードを除く走行モードの選択中に限って、禁止制御が実施される。このため、ドライバに不便や無用な違和感を与えにくくなる。
このような構成によれば、通常段と比べて補助ブレーキの作動による影響が大きい特定段の選択中に限って、禁止制御が実施される。このため、駆動系の劣化が抑制されつつも、ドライバに不便を与えにくくなる。
このような構成によれば、ドライバがスイッチを作動位置から非作動位置に操作したことを条件として、禁止制御が終了する。このため、ドライバが不適切な運転に気づいてスイッチを非作動位置に戻した後は、ドライバに不便を与えにくくなる。
アクセルペダルの操作傾向は、ドライバが替わらない限り同様である可能性が高いため、このような構成によれば、禁止条件の成否が精度よく判定される。また、アクセルペダルの操作頻度が所定頻度以上であると判定した以降は、車両の走行が終了するまでこの判定処理を省略可能となるため、制御負荷の低減に寄与する。
[1−1.装置構成]
第一実施形態の制御装置1は、図1に示す車両2に設けられた補助ブレーキ3を制御する。車両2は、例えば、エンジン(図示略)を駆動源とするトラックである。
補助ブレーキ3は、車両2に設けられた主ブレーキ(図示略)とは別の機構で車両2を制動させる制動装置である。補助ブレーキ3は、具体的には、排気ブレーキや圧縮開放ブレーキ(パワータードブレーキ)やリターダなどである。補助ブレーキ3の作動状態は、制御装置1で制御される。
また、本実施形態の車両2には、エンジンから出力された回転を所定の変速比に応じた回転に変更する変速機7と、ドライバへの警告を行うランプ8とが設けられている。
変速機7は、例えば、車両2の走行状態や負荷要求等に応じて変速比(ギア段)を自動で変更する機能をもつ自動変速機である。ここでは、前進12段の変速機7を例示する。変速機7のギア段の情報は、制御装置1に伝達される。
禁止制御は、ドライバが補助ブレーキスイッチ4を作動位置に設定した状態で、急加速を繰り返すようにアクセルペダル5を頻繁に操作する行為(以下、「ラフアクセル操作」という)に対して実施される。
このように、補助ブレーキ3が作動しうる状態でラフアクセル操作が行われた場合、車両2が補助ブレーキ3の作動によって無用に減速することで、燃費の悪化を招く虞がある。また、この場合、車両2の駆動系(例えば出力軸)は、アクセルペダル5の踏み込みに応じた正のトルクと、補助ブレーキ3の作動に応じた負のトルクとを交互に印加されることで、劣化が促進される虞がある。
したがって、禁止制御の実施中は、補助ブレーキスイッチ4が作動位置にあるにも関わらず補助ブレーキ3が作動しなくなる。これにより、補助ブレーキ3の作動に起因した燃費の悪化及び駆動系の劣化を抑制できる。また、ドライバがスイッチ位置を認識している(補助ブレーキスイッチ4を意図的に作動位置に設定している)場合には、ドライバにあえて違和感を与えられる。
禁止制御及び通常制御は、車両2が走行中である場合に択一的に実施される。一方、車両2が停止中である(走行中でない)場合は、補助ブレーキ3を作動させる必要がないため、禁止制御及び通常制御がいずれも実施されない。
条件A1:スイッチ位置が作動位置である。
条件A2:ラフアクセル操作が行われた。
条件A3:スイッチ位置に変更がない。
条件A4:変速機7のギア段に変更がない。
条件A2は、具体的には、アクセルペダル5の操作頻度が所定頻度以上であることに対応する。判定部11は、アクセルペダル5から伝達される情報に基づいて、条件A2の成否を判定する。
したがって、スイッチ位置に変更がない(条件A3が成立する)場合は、補助ブレーキ3を操作する意図がドライバにない可能性が高い。また、この場合は、ドライバが補助ブレーキスイッチ4を操作し忘れている(怠っている)可能性もある。よって、条件A3が成立する場合は、禁止制御を実施してもドライバに不便を与えにくい。
一方で、スイッチ位置に変更がある(条件A3が成立しない)場合は、補助ブレーキ3を操作する意図がドライバにある可能性が高いため、ドライバの要求に応じて補助ブレーキ3の作動状態を制御することが望ましい。
一方で、変速機7のギア段に変更がある(条件A4が成立しない)場合は、加速や減速の意図がドライバにある可能性が高いため、ドライバの要求に応じて補助ブレーキ3の作動状態を制御することが望ましい。
=解除条件=
条件B1:スイッチ位置が作動位置から非作動位置に切り替わった。
一方、制御部12は、通常制御では、スイッチ位置に応じて補助ブレーキ3の作動状態を制御するとともに、補助ブレーキ3の作動中はランプ8を点灯させ、補助ブレーキ3の非作動中はランプ8を消灯させる。
図2は、制御装置1で実施される制御の手順(制御方法)を示すフローチャートである。このフローは、車両2が走行中である場合に所定の演算周期で繰り返し実施される。
なお、フロー中で使用されるフラグFは、現在の走行サイクルにおいて、ラフアクセル操作が行われたと判定されたか否か表す変数である。フラグFは、現在の走行サイクルでラフアクセル操作が行われたと判定されるまで0にセットされ、ラフアクセル操作が行われたと判定された後は1にセットされる。フラグFは、現在の走行サイクルの終了に伴って(車両2の走行が終了した場合に)、0にリセットされる。フローの開始時点では、フラグFが0であるものとする。
図2のフローにおいて、ステップS20〜S25は判定部11で実施される処理(判定工程)であり、ステップS30,S40は制御部12で実施される処理(制御工程)である。
上記の制御装置1、制御方法、及び制御プログラム10によれば、ラフアクセル操作が行われたこと(条件A2の成立)を含む禁止条件が成立した場合に、補助ブレーキスイッチ4が作動位置にあっても補助ブレーキ3の作動を禁止してドライバに警告する禁止制御が実施される。このように、アクセルペダル5の操作と補助ブレーキ3の作動とで、車両2の駆動系に正のトルクと負のトルクとが交互に繰り返し印加されうる状況では、補助ブレーキ3の作動を禁止する(補助ブレーキ3を作動させない)ことにより、燃費の悪化及び駆動系の劣化を抑制できる。
さらに、禁止制御ではドライバに警告が出されるため、アクセルペダル5及び補助ブレーキスイッチ4が不適切に操作されていることをドライバに知らせる(教える)ことができる。このように、禁止制御では、ドライバにあえて違和感を与えることや警告することにより、適切な運転(具体的には、アクセルペダル5及び補助ブレーキスイッチ4の適切な操作)をするよう、ドライバに促すことができる。
また、上記のようにラフアクセル操作の判定結果を維持する場合、ラフアクセル操作が行われたか否かの判定処理を省略できる。このため、制御負荷の低減を図ることができる。
[2−1.装置構成]
図3に示すように、第二実施形態の制御装置1′は、第一実施形態の制御装置1に対して、モードスイッチ6が設けられた車両2′に適用されている点と、判定部11′で成否が判定される禁止条件の内容とが異なる。以下、第一実施形態で説明した要素と同一又は対応する要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
なお、ここでいう影響とは、作動ブレーキ3が作動した場合に、駆動系の劣化を促進させる度合いに対応する。したがって、上記の特定段は、通常段と比べて、作動ブレーキ3が作動した場合に駆動系の劣化をより促進させるギア段であるといえる。
本実施形態の判定部11′及び制御部12も、コンピュータプログラムである制御プログラム10′の機能として設けられている。制御装置1′は、この制御プログラム10′を実行することによって禁止制御及び通常制御を実施する。
=禁止条件=
条件A5:特殊モード以外の走行モードが選択されている。
条件A6:特定段が選択されている。
判定部11′は、モードスイッチ6から伝達される情報に基づいて、条件A5の成否を判定する。具体的には、判定部11′は、モードスイッチ6がオフ状態である場合に条件A5が成立したと判定し、モードスイッチ6がオン状態である場合に条件A5が成立しないと判定する。
図4は、本実施形態の制御装置1′で実施される制御の手順(制御方法)を示すフローチャートである。このフローは、車両2′が走行中である場合に所定の演算周期で繰り返し実施される。なお、図4では、第一実施形態で図2を用いて説明した手順と同一又は対応する手順(ステップ)に同一の符号を付している。
なお、図4のフローでは、ステップS20〜S27が、判定部11′で実施される処理(判定工程)である。
オフロード走行用の特殊モードが選択されている場合、悪路を走行することが想定されるため、ドライバが適切な運転をしていても、ラフアクセル操作が行われやすくなる。この点、本実施形態の禁止条件には、特殊モード以外の走行モードが選択されていることが含まれるため、ドライバが適切な運転をしていればラフアクセル操作が行われない場合に限って、禁止制御を実施できる。したがって、より的確な状況で、燃費の悪化及び駆動系の劣化を抑制しながらドライバに適切な運転を促すことができる。
なお、本実施形態の制御装置1′、制御方法、及び制御プログラム10′によれば、第一実施形態のものと同様の構成からは同様の作用及び効果を得ることができる。
上記の禁止条件及び解除条件はいずれも一例である。禁止条件には、少なくとも条件A2が含まれていればよい。また、解除条件には、上記の条件B1に加えて他の条件が含まれてもよい。例えば、車両2,2′の走行が終了したことを解除条件に含ませてもよい。この場合、禁止制御が車両2,2′の走行終了時点まで継続して実施されることから、燃費の悪化及び駆動系の劣化をより抑制できる。
禁止制御におけるドライバへの警告は、上記のランプ8を用いたものに限定されない。例えば、ランプ8に代えて(あるいは加えて)、音声を出力するスピーカが適用されてもよい。この場合、スピーカからの音声によってドライバに警告することで、適切な運転をドライバに促すことができる。
制御装置1,1′は、上記の判定部11,11′及び制御部12に加えて、エンジンを制御するエンジンECUとしての機能を兼ね備えていてもよいし、エンジンECUに指令を出す他のECU(例えばPowertrain Controller)としての機能を兼ね備えていてもよい。
2,2′ 車両
3 補助ブレーキ
4 補助ブレーキスイッチ(スイッチ)
5 アクセルペダル
7 変速機
10,10′ 制御プログラム(補助ブレーキ制御プログラム)
11,11′ 判定部
12 制御部
Claims (9)
- 加速するためのアクセルペダルと補助ブレーキを操作するためのスイッチとが設けられた車両の補助ブレーキ制御装置であって、
前記アクセルペダルの操作頻度が所定頻度以上であることを含む禁止条件の成否を判定する判定部と、
前記判定部で前記禁止条件が成立したと判定された場合に、前記スイッチが前記補助ブレーキを作動させる作動位置にあっても、前記補助ブレーキの作動を禁止するとともにドライバに警告する禁止制御を実施する制御部と、を備えている
ことを特徴とする、補助ブレーキ制御装置。 - 前記禁止条件には、前記スイッチが第一所定時間以上操作されていないことが含まれる
ことを特徴とする、請求項1に記載の補助ブレーキ制御装置。 - 前記禁止条件には、前記車両に搭載された変速機のギア段が第二所定時間以上変更されていないことが含まれる
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の補助ブレーキ制御装置。 - 前記車両は、オフロード走行用の特殊モードを含む複数の走行モードから一つを選択可能であり、
前記禁止条件には、前記特殊モード以外の前記走行モードが選択されていることが含まれる
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の補助ブレーキ制御装置。 - 前記車両に搭載された変速機のギア段には、通常段と、前記通常段と比べて前記補助ブレーキの作動による影響の大きい特定段とが含まれ、
前記禁止条件には、前記特定段が選択されていることが含まれる
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の補助ブレーキ制御装置。 - 前記判定部は、前記スイッチが前記作動位置から前記補助ブレーキを作動させない非作動位置に操作されたことを含む解除条件の成否を判定し、
前記制御部は、前記判定部で前記解除条件が成立したと判定された場合に、実施中の前記禁止制御を終了する
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の補助ブレーキ制御装置。 - 前記判定部は、前記操作頻度が前記所定頻度以上であると判定した場合、前記車両の走行が終了するまで、前記操作頻度が前記所定頻度以上であると見做す
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の補助ブレーキ制御装置。 - 加速するためのアクセルペダルと補助ブレーキを操作するためのスイッチとが設けられた車両の補助ブレーキ制御方法であって、
前記アクセルペダルの操作頻度が所定頻度以上であることを含む禁止条件の成否を判定する判定工程と、
前記判定工程で前記禁止条件が成立したと判定された場合に、前記スイッチが前記補助ブレーキを作動させる作動位置にあっても、前記補助ブレーキの作動を禁止するとともにドライバに警告する禁止制御を実施する制御工程と、を備えている
ことを特徴とする、補助ブレーキ制御方法。 - 加速するためのアクセルペダルと補助ブレーキを操作するためのスイッチとが設けられた車両の補助ブレーキ制御プログラムであって、 前記アクセルペダルの操作頻度が所定頻度以上であることを含む禁止条件の成否を判定する判定工程と、
前記判定工程で前記禁止条件が成立したと判定された場合に、前記スイッチが前記補助ブレーキを作動させる作動位置にあっても、前記補助ブレーキの作動を禁止するとともにドライバに警告する禁止制御を実施する制御工程と、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする、補助ブレーキ制御プログラム。
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