JP2021023862A - 焼却灰からの貴金属回収方法 - Google Patents

焼却灰からの貴金属回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021023862A
JP2021023862A JP2019142419A JP2019142419A JP2021023862A JP 2021023862 A JP2021023862 A JP 2021023862A JP 2019142419 A JP2019142419 A JP 2019142419A JP 2019142419 A JP2019142419 A JP 2019142419A JP 2021023862 A JP2021023862 A JP 2021023862A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle size
specific gravity
incineration ash
magnetic
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019142419A
Other languages
English (en)
Inventor
洸 瀧澤
Akira Takizawa
洸 瀧澤
智典 竹本
Tomonori Takemoto
智典 竹本
恭宗 武藤
Yasumune Muto
恭宗 武藤
吉川 知久
Tomohisa Yoshikawa
知久 吉川
泰之 石田
Yasuyuki Ishida
泰之 石田
文勝 佐野
Fumikatsu Sano
文勝 佐野
佳昭 今井
Yoshiaki Imai
佳昭 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ECONECOL Inc
Rever Holdings Corp
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
ECONECOL Inc
Rever Holdings Corp
Taiheiyo Cement Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ECONECOL Inc, Rever Holdings Corp, Taiheiyo Cement Corp filed Critical ECONECOL Inc
Priority to JP2019142419A priority Critical patent/JP2021023862A/ja
Publication of JP2021023862A publication Critical patent/JP2021023862A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Abstract

【課題】焼却灰から高品位の貴金属を効率的に回収する方法を提供すること。【解決手段】焼却灰を粒径40mm未満に分級する第1の分級工程と、粒径40mm未満の焼却灰を破砕する破砕工程と、破砕された焼却灰からダストを風力によって除去する風力選別工程と、ダストを除去した焼却灰を、粒径20mm未満に分級する第2の分級工程と、粒径20mm未満の焼却灰を、高比重物と低比重物とに分離する比重選別工程と、比重選別によって回収された高比重物を、非磁着性の貴金属を含む粒子と、磁着性の金属を含む粒子とに分離する磁力選別工程と、非磁着性の貴金属を含む粒子を回収する貴金属回収工程を含む、焼却灰からの貴金属回収方法。【選択図】図1

Description

本発明は、焼却灰からの貴金属回収方法に関する。
都市ごみ等の廃棄物は焼却処理されているが、焼却によって生ずる焼却灰には一般的な金属の他、金、銀及び銅等の貴金属も含まれている。従来、焼却灰は、埋立処分場に埋立処分されてきたが、近年埋立処分場が枯渇する虞があることに鑑み、焼却灰を有効利用する試みがなされている。
例えば、焼却灰からの貴金属の効率的な回収や焼却灰から金属を回収した後の灰分の利用が検討され、特許文献1には、低磁力選別で粗大な磁着物を除去した焼却灰をインパクトミルで破砕してから篩で分級し、分級により得られた粒子を比重選別に供して貴金属を回収するとともに、灰分から金属をある程度まで除去した微粒子をセメント原料として有効利用することが提案されている。
特開2017−140556号公報
しかしながら、焼却灰には低磁力選別によって除去できない金属ガラや金属線材等の粗大な異物が含まれているため、搬送部での閉塞、インパクトミルの磨耗や異物噛み込みによる過負荷が懸念される。更に、焼却灰を直接低磁力選別に供すると、磁着物に水分を含んだ灰が付着し、鉄スクラップとしての品位も低下する。また、焼却灰に多量に含まれる貴金属を含まないダスト分がそのまま分級・選別されるため、分級時に篩目の目詰まりが起こりやすいだけでなく、後段の比重選別での負荷も大きい。
本発明の課題は、焼却灰から高品位の貴金属を効率的に回収する方法を提供することにある。
本発明者らは、焼却灰を分級して粗大な異物を除去しつつ、粒径を制御し、次いで所定の粒径に調整した焼却灰を破砕し、破砕後の焼却灰からダストを風力選別によって除去し、次いでダスト除去後の焼却灰を分級して所定の粒径に調整した焼却灰を比重選別によって高比重物と低比重物とに分離し、そして高比重物から磁着物を高磁力選別によって取り除くことで、焼却灰から高品位の貴金属を効率よく回収できることを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔6〕を提供するものである。
〔1〕焼却灰を粒径40mm未満に分級する第1の分級工程と、
粒径40mm未満の焼却灰を破砕する破砕工程と、
破砕された焼却灰からダストを風力によって除去する風力選別工程と、
ダストを除去した焼却灰を、粒径20mm未満に分級する第2の分級工程と、
粒径20mm未満の焼却灰を、高比重物と低比重物とに分離する比重選別工程と、
比重選別によって回収された高比重物を、非磁着性の貴金属を含む粒子と、磁着性の金属を含む粒子とに分離する磁力選別工程と、
非磁着性の貴金属を含む粒子を回収する貴金属回収工程
を含む、焼却灰からの貴金属回収方法。
〔2〕第2の分級工程において、ダストを除去した焼却灰を4以上の粒径群に分級する、前記〔1〕記載の貴金属回収方法。
〔3〕比重選別工程において、粒径群ごとに比重選別し、高比重物と低比重物とに分離する、前記〔2〕記載の貴金属回収方法。
〔4〕磁力選別工程において、粒径群ごとに回収された高比重物を磁力選別し、非磁着性の貴金属を含む粒子と、磁着性の金属を含む粒子とに分離する、前記〔3〕記載の貴金属回収方法。
〔5〕貴金属が金、銀、銅、白金及びパラジウムから選択される1以上を含む、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか一に記載の貴金属回収方法。
〔6〕焼却灰を粒径40mm未満に分級する第1の分級装置と、
粒径40mm未満の焼却灰を破砕する破砕装置と、
破砕された焼却灰からダストを風力によって除去する風力選別装置と、
ダストを除去した焼却灰を、粒径20mm未満に分級する第2の分級装置と、
粒径20mm未満の焼却灰を、高比重物と低比重物とに分離する比重選別装置と、
比重選別によって回収された高比重物を、非磁着性の貴金属を含む粒子と、磁着性の金属を含む粒子とに分離する磁力選別装置と、
非磁着性の貴金属を含む粒子を回収する貴金属回収装置
を備える、焼却灰からの貴金属回収装置。
本発明によれば、焼却灰から高品位の貴金属を効率的に回収可能な貴金属回収方法を提供することができる。また、焼却灰から高品位の貴金属を効率的に回収可能な貴金属回収装置を提供することができる。
本発明に係る貴金属回収方法の一実施形態を示すフローチャートである。 本発明に係る貴金属回収方法の他の実施形態を示すフローチャートである。 本発明に係る貴金属回収装置の一実施形態を示す全体構成図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
〔貴金属回収装置〕
図3は、本発明に係る貴金属回収装置の一実施形態を示す全体構成図である。貴金属回収装置10は、図3に示すように、焼却灰A1を、粒径40mm未満の焼却灰A2と、粗大な異物D1とに分離する第1の分級装置1、粒径40mm未満の焼却灰A2を破砕する破砕装置2、破砕された焼却灰A3からダストD2を風力によって除去する風力選別装置3、ダストD2を除去した焼却灰A4を、粒径20mm未満の焼却灰A5と、粒径20mm以上の焼却灰D3とに分離する第2の分級装置4、粒径20mm未満の焼却灰A5を、高比重物A6と低比重物D4とに分離する比重選別装置5、比重選別によって回収された高比重物A6を、非磁着性の貴金属を含む粒子A7と、磁着性の金属を含む粒子D5とに分離する磁力選別装置6、及び非磁着性の貴金属を含む粒子A7を回収する貴金属回収装置7を備えるものである。ここで、本明細書において「粒径40mm未満」とは、目開き40mmの篩を用いたときに篩を通過する粒子の粒径をいい、また「粒径20mm未満」とは、目開き20mmの篩を用いたときに篩を通過した粒子の粒径をいう。なお、他の粒径についても同様に解釈するものとする。
焼却灰A1としては、例えば、都市ごみを、ストーカ式焼却炉又は流動床式焼却炉で焼却した際に発生する灰が挙げられ、より具体的には、焼却炉の底に残留する主灰(ボトムアッシュ)、焼却炉の排ガスに含まれる飛灰(フライアッシュ)、又はこれらの混合灰を挙げることができる。また、溶融炉で溶融して得られる溶融灰を使用してもよい。
第1の分級装置1は、焼却灰A1から粗大な異物D1を除去しつつ、粒径40mm未満の焼却灰A2を得るために備えられる。なお、第1の分級装置1への焼却灰A1の供給は、例えば、産業廃棄物等の廃棄物を焼却設備で焼却して得られた焼却灰を、ベルトフィーダ等の定量供給機(図示せず)に投入し、定量供給機から搬送コンベヤ(図示せず)に定量供給された焼却灰A1を、第1の分級装置1に投入すればよい。
第1の分級装置1としては公知のものを使用できるが、例えば、スタースクリーンを用いることができる。スタースクリーンは、星型形状のブレードがデッキ上にそろばん状に配置されているため、篩上回収物の金属ガラへの灰の付着や、水分を含みかつ団粒化した灰の篩上回収物への移行を抑制できる点で好ましい。また、ブレードにより灰を叩きほぐす効果も期待できる。
第1の分級装置1の分級点は、粒径40mm未満の焼却灰A2を得ることができれば特に限定されないが、例えば、15〜40mmとすることが作業効率、高品位の貴金属回収の観点から好ましい。
第1の分級装置1の篩下から得られた焼却灰A2は、その粒径を、好ましくは35mm未満、より好ましくは30mm未満、更に好ましくは25mm未満とすることができる。
粒径40mm未満の焼却灰A2は、例えば、搬送コンベヤ(図示せず)により破砕装置2に投入される。破砕装置2は、粒径40mm未満の焼却灰A2を破砕し、焼却灰A2中の貴金属付着粒子の表面から貴金属部分を含む貴金属濃縮粒子を削り取るために備えられる。ここで、本明細書において「焼却灰中の貴金属付着粒子」とは、焼却灰中に何らかの形態で存在するに至った貴金属付着粒子であれば何でもよいが、特に、廃棄物の焼却過程で溶融した該廃棄物中の貴金属が焼却前には分離状態にあった該廃棄物中の鉄、陶土等の他の物質に溶着して生成されたものをいう。
破砕後の焼却灰A3の粒径は、作業効率、高品位の貴金属回収の観点から、20mm未満が好ましく、15mm未満がより好ましく、10mm未満が更に好ましい。
破砕装置2としては公知のものを使用できるが、インパクトミルが好ましく、ロータリーインパクトミルが更に好ましい。ロータリーインパクトミルは、低速で回転するドラムと、該ドラムと同軸をなして高速で回転するローターとを有する。ドラムの内周には複数の反撥板が着脱可能に設けられており、反撥板の間には送り羽根がスパイラル状に取付けられている。ドラムを回転させると、原料投入部から投入された焼却灰A2がドラム内で落下上昇運動を繰り返しながら原料排出部へ移送される。また、ローターの外周には打撃板が傾斜して等間隔で取付けられている。原料投入部から投入された焼却灰A2が高速回転するローターの打撃板に落下するとともに、飛び跳ねてくる焼却灰A2が低速回転するドラムの反撥板に衝突することで、更に細かく粉砕される。
破砕装置2は、焼却灰A2が破砕される際に発生する粉塵を含む排ガスを集塵するためのバグフィルタ9を備えていてもよい。
破砕装置2により破砕された焼却灰A3は、例えば、搬送コンベヤ(図示せず)により風力選別装置3に投入される。風力選別装置3は、破砕装置2により破砕された焼却灰A3を、風力によって重量物A4と、軽量物(ダスト)D2に分離するために備えられる。
風力選別装置3としては公知のものを使用できるが、壁面への衝突や渦流による粒子の再分散により分級精度を高めることができる点で、ジグザグ式風力選別装置が好ましい。
風力選別装置3は、焼却灰A3から風力によってダストD2を除去する際に発生する粉塵を含む排ガスを集塵するためのサイクロン8と、サイクロン8の排ガスを集塵するためのバグフィルタ9を備えていてもよい。
ダストD2が除去された焼却灰A4は、例えば、搬送コンベヤ(図示せず)により第2の分級装置4に投入される。第2の分級装置4は、ダストD2が除去された焼却灰A4を、粒径20mm未満の焼却灰A5と、粒径20mm以上の焼却灰D3とに分離するために備えられる。
第2の分級装置4としては公知のものを使用できるが、例えば、篩を使用することができる。篩は、焼却灰A4を粒径20mm未満に分級することができれば特に限定されないが、連続式の振動式篩や旋回式篩が好ましい。なお、分級後の焼却灰A5の粒径は、作業効率、高品位の貴金属回収の観点から、15mm未満が好ましく、10mm未満が更に好ましい。
粒径20mm未満の焼却灰A5は、例えば、搬送コンベヤ(図示せず)により比重選別装置5に投入される。比重選別装置5は、粒径20mm未満の焼却灰A5を、高比重物A6と低比重物D4とに分離するために備えられる。
比重選別装置5としては公知のものを使用することが可能であり、乾式及び湿式のいずれでも構わないが、乾式のテーブル式比重選別機が好ましく、エアテーブルが更に好ましい。エアテーブルは、所定の角度で傾斜すると共に空気流を通過させる複数の小通気口を有する振動式テーブルと、回転することで振動式テーブルの下面から上面に空気を供給する吹上送風機等を備える。振動式テーブルの上面に供給された焼却灰A5は、振動式テーブルを通過する空気流によって振動式テーブルの上面から浮上した状態となり、振動式テーブルの傾斜方向に付与された振動により、比重の大きい高比重物A6が下層に、比重の小さい低比重物D4が上層に移動する。下層の高比重物A6は振動式テーブルの上面から摩擦力と振動力とを受けて斜め上方へ移動し、上層の低比重物D4は振動式テーブルの上面から摩擦力と振動力とを受けずに斜め下方へ押し流され、高比重物A6と低比重物D4とは振動式テーブルから別々に排出される。
比重選別装置5には、比重選別の際に発生する粉塵を集塵するためのバグフィルタ9を備えていてもよい。
高比重物A6は、例えば、搬送コンベヤ(図示せず)により磁力選別装置6に投入される。磁力選別装置6は、比重選別工程で選別された貴金属濃縮粒子を含む高比重物A6を高磁力選別装置によって高磁力選別し、この高比重物A6に含まれている非磁着性の貴金属を含む粒子A7と、磁着性の金属を含む粒子D5とを分離するために備えられる。
磁力選別装置6は、公知のものを使用することができる。例えば、高磁力の磁場が存在するマグネットドラムと、マグネットドラムに巻き回されたベルトコンベヤ(移動式ベルト)と、ベルトコンベヤのベルト面上に試料を供給するフィーダとを有する磁力選別装置を挙げることができる。この磁力選別装置においては、フィーダに供給された高比重物A6をベルトコンベヤにより搬送し、マグネットドラム上を通過させ、非磁着性の貴金属を含む粒子A7と、磁着性の金属を含む粒子D5とに分離することができる。
即ち、フィーダにより高比重物A6(例えば、金、銀、銅等の非磁着性の貴金属と、ニッケル、クロム等の磁着性の金属が混在)をベルトコンベヤに供給して搬送させると、ニッケル、クロム等の磁着性の金属は、マグネットドラムの強力な磁場(例えば、1000〜12000ガウス)により磁着され、マグネットドラムの磁場の影響がなくなるまでベルトコンベヤ上にはり付いた状態で流れ、その磁場の影響がなくなった位置で自重により落下する。一方、金、銀、銅等の非磁着性の貴金属は、マグネットドラムの磁場に対する反撥力と回転するベルトコンベヤによる慣性力により、早い時期においてベルトコンベヤから落下し、ニッケル、クロム等の磁着性の金属と選別される。
磁力選別装置6によって選別された非磁着性の貴金属を含む粒子A7は、例えば、搬送コンベヤ(図示せず)により貴金属回収装置7に投入される。貴金属回収装置7としては、非磁着性の貴金属を含む粒子A7を収容できれば、特に限定されない。
このようにして、焼却灰から高品位の貴金属を効率的に回収することができる。なお、回収される貴金属は、金、銀、銅、白金及びパラジウムから選択される1以上を含むものである。
本発明の貴金属回収装置は、後述する貴金属回収方法に好適に使用することができる。
〔貴金属回収方法〕
本発明の貴金属回収方法は、図1に示されるように、焼却灰A1を、第1の分級工程、風力選別工程、第2の分級工程、比重選別工程、磁力選別工程、及び貴金属回収工程に供するものである。なお、本発明の貴金属回収方法は、必要に応じてその他の工程を有していてもよく、前述した各工程を繰り返し行っても、間欠的に行ってもよい。以下、各工程について説明する。
(第1の分級工程)
第1の分級工程は、焼却灰A1を、粒径40mm未満の焼却灰A2と、粗大な異物D1とに分離する工程である。これにより、金属ガラ等の粗大な異物D1を事前に除去できるため、次工程での破砕機の磨耗や異物の噛み込み等が防止され、作業効率を向上できる。
焼却灰A1としては、前述と同様のものを挙げることができる。
本工程では、分級装置を使用することができる。分級装置として公知のものを使用できるが、篩上回収物の金属ガラへの灰の付着や、水分を含みかつ団粒化した灰の篩上回収物への移行を抑制できる点で、スタースクリーンが好ましい。なお、スタースクリーンの具体的構成は、前述したとおりである。なお、分級装置の分級点は、通常15〜40mmである。
本工程により得られる焼却灰A2の粒径は40mm未満であるが、作業効率、高品位の貴金属回収の観点から、35mm未満が好ましく、30mm未満がより好ましく、25mm未満が更に好ましい。
(破砕工程)
破砕工程は、第1の分級工程によって得られた粒径40mm未満の焼却灰A2を破砕する工程である。これにより、焼却灰A2中の貴金属付着粒子の表面から貴金属部分を含む貴金属濃縮粒子を削り取ることができるため、高品位の貴金属を効率的に回収することができる。
本工程では、破砕装置を使用することができる。破砕装置としては公知のものを使用できるが、焼却灰を細かく粉砕できる点で、インパクトミルが好ましく、ロータリーインパクトミルが更に好ましい。なお、ロータリーインパクトミルの具体的構成は、前述したとおりである。
本工程は、高品位の貴金属回収の観点から、破砕後の焼却灰A3の粒径が、好ましくは20mm未満、より好ましくは15mm未満、更に好ましくは10mm未満となるまで行うことができる。
(風力選別工程)
風力選別工程は、破砕工程により得られた焼却灰A3からダストD2を風力によって除去する工程である。これにより、焼却灰A3から軽量の異物を除去できるため、高品位の貴金属を効率的に回収することができる。
本工程では、風力選別装置を使用することができる。風力選別装置としては公知のものを使用できるが、壁面への衝突や渦流による粒子の再分散により分級精度を高めることができる点で、ジグザグ式風力選別装置が好ましい。
本工程は、ダストがなくなるまで行っても構わないが、生産効率の観点から、ダストの除去率が、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上になるまで行えばよい。
(第2の分級工程)
第2の分級工程は、ダストを除去した焼却灰A4を、粒径20mm未満の焼却灰A5と、粒径20mm以上の焼却灰D3とに分離する工程である。
本工程は、篩を使用することができる、篩としては所望の粒径の焼却灰A5を得ることができれば特に限定されないが、連続式の振動式篩や旋回式篩が好ましく、篩目の異なる篩を2以上組み合わせて使用することもできる。
本工程により得られる焼却灰A5の粒径は20mm未満であるが、作業効率、高品位の貴金属回収の観点から、15mm未満が好ましく、10mm未満が更に好ましい。
本工程においては、焼却灰A4を所定の粒径を有する複数の粒径群に細分化してもよく、例えば、焼却灰A4を、好ましくは4以上の粒径群、より好ましくは5以上の粒径群、更に好ましくは6以上の粒径群に細分化することができる。具体的には、図2に示すように、先ず、焼却灰A4を目開きEmmの篩を用いて分級し、粒径Emm以上の焼却灰と、粒径Emm未満の焼却灰に分離する。次に、粒径Emm未満の焼却灰を、目開きDmmの篩を用いて分級し、粒径Dmm以上Emm未満の焼却灰と、粒径Dmm未満の焼却灰に分離する。次に、粒径Dmm未満の焼却灰を、目開きCmmの篩を用いて分級し、粒径Cmm以上Dmm未満の焼却灰と、粒径Cmm未満の焼却灰に分離する。次に、粒径Cmm未満の焼却灰を、目開きBmmの篩を用いて分級し、粒径Bmm以上Cmm未満の焼却灰と、粒径Bmm未満の焼却灰に分離する。次に、粒径Bmm未満の焼却灰を、目開きAmmの篩を用いて分級し、粒径Amm以上Bmm未満の焼却灰と、粒径Amm未満の焼却灰に分離する。このようにして、焼却灰A4を、6つの粒径群に細分化することができるが、所望により、粒径Amm未満の焼却灰を更に篩を用いて分級しても、粒径Emm以上の焼却灰を更に篩を用いて分級してもよく、これらの操作を繰り返し行っても構わない。
使用する篩の目開きは所望の粒径の焼却灰が得られるように適宜選択可能であるが、例えば、目開きAは0.2〜1mmが好ましく、目開きBは1〜2mmが好ましく、目開きCは2〜3mmが好ましく、目開きDは3〜6mmが好ましく、目開きEは6〜10mmが好ましい。なお、焼却灰A4を複数の粒径群に細分化する場合、篩目の大きい方から順に篩分けしても、篩目の小さい方から順に篩分けしてもよく、適宜選択することが可能である。
焼却灰A4を複数の粒径群に細分化する場合、高品位の貴金属を回収する観点から、次の組み合わせの粒径群とすることが好ましい。
(1)粒径0.5mm以上2mm未満の焼却灰と、粒径2mm以上3mm未満の焼却灰と、粒径3mm以上6mm未満の焼却灰と、粒径6mm以上10mm以下の焼却灰、粒径10mm以上20mm以下の焼却灰との組み合わせ
(2)粒径0.5mm以上1.2mm未満の焼却灰と、粒径1.2mm以上2mm未満の焼却灰と、粒径2mm以上4mm未満の焼却灰と、粒径4mm以上8mm以下の焼却灰との組み合わせ
〔比重選別工程〕
比重選別工程は、粒径20mm未満の焼却灰A5を、高比重物A6と低比重物D4とに分離する工程である。即ち、比重選別工程では、比重選別された焼却灰のうち、比重の大きい重量灰A6が貴金属濃縮粒子を多く含み、比重の小さい軽量灰D4はその他の粒子を多く含むため、比重の大きい重量灰A6を回収する。これにより、焼却灰A5中の貴金属濃縮粒子と、その他の粒子とを選別することができるため、より高品位の貴金属を回収することができる。
なお、第2の分級工程において焼却灰A5を複数の粒径群に細分化した場合には、図2に示すように、粒径群の焼却灰を個々に比重選別することができる。
本工程では、比重選別装置を使用することができる。比重選別装置としては公知のものを使用できるが、乾式のテーブル式比重選別機が好ましく、エアテーブルが更に好ましい。なお、エアテーブルの具体的構成は、前述したとおりである。
(磁力選別工程)
磁力選別工程は、高比重物A6を、非磁着性の貴金属を含む粒子A7と、磁着性の金属を含む粒子D5とに分離する工程である。これにより、高比重物A6中の貴金属を含む粒子と、その他の粒子とを選別することができるため、より高品位の貴金属を回収することができる。
比重選別工程において、粒径群ごとに比重選別した場合には、図2に示すように、粒径群の高比重物を個々に磁力選別することができる。
本工程においては、磁力選別装置を使用することができる。磁力選別装置としては、前述したものを挙げることができる。なお、マグネットドラムの磁場強度は、高品位の貴金属回収の観点から、1000〜12000ガウスが好ましい。
(貴金属回収工程)
貴金属回収工程は、非磁着性の貴金属を含む粒子を回収する工程である。これにより、焼却灰A1から高品位の貴金属を効率的に回収することができる。なお、本工程により回収される貴金属は、金、銀、銅、白金及びパラジウムから選択される1以上を含むものである。
磁力選別工程において、粒径群ごとに磁力選別した場合には、図2に示すように、粒径群の非磁着性の貴金属を含む粒子を個々に回収することができる。
また、風力選別工程により除去されたダストD2、及び比重選別工程で選別された低比重物D4は、セメント原料として使用することができる。また、第1の分級工程により分級された粗大な異物D1、及び第2の分級工程で分級された粒径20mm以上の焼却灰D3は、鉄やアルミニウム等の金属を含むため、製錬原料として再利用することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
実施例1
図1に示したフローへ水分16%の都市ごみ焼却主灰を処理能力6t/hに合わせ、運転を4回(運転No.1〜4)行い、計36t処理した。焼却灰をスタースクリーンに供給して金属ガラ等の粗大な異物を除去し、スタースクリーンを通過した粒径25mm未満の焼却灰を回収した。得られた焼却灰を破砕機で処理した後、ジグザグ式風力選別機に供給してダストを除去した。ダストを除去した焼却灰を図2に示す第2の分級工程に供した。すなわち、篩目が8mm、4mm、2mm、1.2mm、0.5mmの5つの篩い目を有す旋回式篩に、篩目が大きい方から順に供給し、6つの粒径群の焼却灰を回収した。そして、粒径8mm以上の粒径群、及び粒径0.5mm未満の粒径群以外の焼却灰を、エアテーブルで比重選別して重産物(高比重物)と軽産物(低比重物)とに分離した。各粒径群の重産物(高比重物)を磁力選別機(2800ガウス)に通過させて磁着物(磁着性の金属を含む粒子)を除去し、粒径群ごとに非磁着重産物(非磁着性の貴金属を含む粒子)を回収した。そして、得られた各粒径群の回収物の回収率(重量割合)、各粒径群の非磁着重産物の貴金属含有成分を分析した。各粒径群の回収物の回収率の分析結果を表2に示し、各粒径群の貴金属の品位の評価結果を表3に示す。なお、粒径0.5mm未満の粒径群の焼却灰は、集塵ダストとして回収した。
貴金属の分析
貴金属の分析はマット融解による前処理を行った分析対象物を100μm以下に粉砕したものに対し、表1に示す方法で分析を行った。
Figure 2021023862
比較例1
図1に示したフローにおいて、スタースクリーンを用いた第1の分級工程に代えて、低磁力選別機を用いた低磁力選別工程を行ったこと以外は、水分16%の都市ごみ焼却主灰を6t/hずつ計36t投入した運転を試みた。しかし、低磁力選別機で回収された磁着物は、目視で鉄くずと共に団粒化した灰の混入が見られた。また、破砕工程において、破砕機の投入部に低磁力選別で回収できなかった金属線材による搬送系での噛み込みによる過負荷停止、シュート閉塞が発生したため、運転を停止し、貴金属の回収を断念した。
比較例2
図1に示したフローにおいて、風力選別工程を行わなかったこと以外は、水分16%の都市ごみ焼却主灰を6t/hずつ計36t投入した運転を試みた。しかし、第2の分級工程で水分を含んだダストによる篩目の目詰まりが発生し、所定の粒群に分級できなかったため、貴金属の回収を断念した。
Figure 2021023862
Figure 2021023862
本実施例では、第1の分級工程により回収された粗大な異物(粒径25mm以上のガラ)には団粒化した灰やダストの付着が少なく、また破砕工程により得られた焼却灰から風力選別によって平均84.2%のダストを除去できた。そのため、第2の分級工程において篩目の目詰りは確認されなかった。更に、比重選別工程、高磁力選別工程を経ることで、非磁着性の貴金属を含む粒子を平均0.9%の回収率で回収でき、しかも回収された貴金属は、表3に示されるように、平均して銅33%、銀1852g/t、金72g/t、白金15g/t、パラジウム20g/tの品位を有していた。
これに対し、比較例1では、破砕工程において破砕機の過負荷停止やシュート閉塞が発生し、また比較例2では、第2の分級工程で篩目の目詰まりが発生したため、貴金属の回収に至らなかった。
以上から、本発明の貴金属回収方法によれば、製錬用原料として資源化することが可能な高品位の貴金属を効率的に回収できることがわかる。
1 第1の分級装置
2 破砕装置
3 風力選別装置
4 第2の分級装置
5 比重選別装置
6 磁力選別装置
7 貴金属回収装置
8 サイクロン
9 バグフィルタ
10 貴金属回収装置
A1 焼却灰
A2 粒径40mm未満の焼却灰
A3 破砕された焼却灰
A4 ダストを除去した焼却灰
A5 粒径20mm未満の焼却灰
A6 高比重物
A7 非磁着性の貴金属を含む粒子
D1 粗大な異物
D2 ダスト(軽量物)
D3 粒径20mm以上の焼却灰
D4 低比重物
D5 磁着性の金属を含む粒子

Claims (6)

  1. 焼却灰を粒径40mm未満に分級する第1の分級工程と、
    粒径40mm未満の焼却灰を破砕する破砕工程と、
    破砕された焼却灰からダストを風力によって除去する風力選別工程と、
    ダストを除去した焼却灰を、粒径20mm未満に分級する第2の分級工程と、
    粒径20mm未満の焼却灰を、高比重物と低比重物とに分離する比重選別工程と、
    比重選別によって回収された高比重物を、非磁着性の貴金属を含む粒子と、磁着性の金属を含む粒子とに分離する磁力選別工程と、
    非磁着性の貴金属を含む粒子を回収する貴金属回収工程
    を含む、焼却灰からの貴金属回収方法。
  2. 第2の分級工程において、ダストを除去した焼却灰を4以上の粒径群に分級する、請求項1記載の貴金属回収方法。
  3. 比重選別工程において、粒径群ごとに比重選別し、高比重物と低比重物とに分離する、請求項2記載の貴金属回収方法。
  4. 磁力選別工程において、粒径群ごとに回収された高比重物を磁力選別し、非磁着性の貴金属を含む粒子と、磁着性の金属を含む粒子とに分離する、請求項3記載の貴金属回収方法。
  5. 貴金属が金、銀、銅、白金及びパラジウムから選択される1以上を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の貴金属回収方法。
  6. 焼却灰を粒径40mm未満に分級する第1の分級装置と、
    粒径40mm未満の焼却灰を破砕する破砕装置と、
    破砕された焼却灰からダストを風力によって除去する風力選別装置と、
    ダストを除去した焼却灰を、粒径20mm未満に分級する第2の分級装置と、
    粒径20mm未満の焼却灰を、高比重物と低比重物とに分離する比重選別装置と、
    比重選別によって回収された高比重物を、非磁着性の貴金属を含む粒子と、磁着性の金属を含む粒子とに分離する磁力選別装置と、
    非磁着性の貴金属を含む粒子を回収する貴金属回収装置
    を備える、焼却灰からの貴金属回収装置。
JP2019142419A 2019-08-01 2019-08-01 焼却灰からの貴金属回収方法 Pending JP2021023862A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019142419A JP2021023862A (ja) 2019-08-01 2019-08-01 焼却灰からの貴金属回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019142419A JP2021023862A (ja) 2019-08-01 2019-08-01 焼却灰からの貴金属回収方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021023862A true JP2021023862A (ja) 2021-02-22

Family

ID=74662641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019142419A Pending JP2021023862A (ja) 2019-08-01 2019-08-01 焼却灰からの貴金属回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021023862A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6465825B2 (ja) 焼却灰からの貴金属回収方法及び装置
JP6375205B2 (ja) 有価金属回収方法及び有価金属回収システム
JP4272617B2 (ja) 軽量搬送物の選別装置
JP6502274B2 (ja) 焼却灰選別方法及び装置
JPS63116794A (ja) 塵芥燃料アッシュからの有用物質の回収方法
JP2018058059A (ja) 焼却灰の処理装置及び処理方法
JP4001194B2 (ja) 建設混合廃棄物の選別処理設備
US4337900A (en) Method of recovery of aluminum from waste material
JP3664586B2 (ja) 固形廃棄物からの金属回収法および装置
JP2020069406A (ja) 金属含有廃棄物の処理装置及び処理方法
JP2007289930A (ja) 破砕残渣からの有価物の回収方法および回収システム
US5901910A (en) Metal recovery from salt cake and other compositions
JP2021023862A (ja) 焼却灰からの貴金属回収方法
JP2019055407A (ja) 焼却灰からの貴金属回収方法及び装置
CN112221712B (zh) 一种从生活垃圾焚烧炉渣中回收金属的生产系统
JP4964178B2 (ja) シュレッダダストの処理方法及びそのシステム
JP3564035B2 (ja) 金属含有原料の金属とスラグの分離回収方法及び装置
JP6938414B2 (ja) 部品屑の処理方法
JPH0975853A (ja) シュレッダーダスト焼却灰の処理方法
JPH1024282A (ja) 廃棄物焼却灰及びシュレッターダストに含まれる細粒非鉄金属等の回収方法
CZ289384B6 (cs) Způsob mechanického čiątění práąku a zařízení k provádění tohoto způsobu
CN216297481U (zh) 一种垃圾焚烧渣的精细化处置装置
CN111940125B (zh) 一种回收低品位金尾矿中贵金属的方法及系统
JP2659319B2 (ja) 廃棄物焼却残渣の再利用化処理方法及び処理装置
JP2023034387A (ja) 廃棄物の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20190826