JP2021022749A - 複合ラインフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気飽和の発生を抑え、特性を向上させた複合ラインフィルタを提供する。【解決手段】複合ラインフィルタは、磁気コア300Bを備える。磁気コア300Bは、閉磁路部を構成する環状部310Bと、副磁路部を構成する突起部340Bとを有する。突起部340Bは、互いに向かって突き出している。突起部340Bの先端同士の間には隙間(ギャップ幅Wg3)が形成されている。突起部340Bの突出方向と直交するX方向における寸法(厚さt3)の下限は0.5mmである。【選択図】図23

Description

本発明は、複合ラインフィルタに関する。
特許文献1に記載されたラインフィルタは、ギヤ付きボビンの略中央部分に挿入孔を形成し、その挿入孔に磁性体を入れ、さらにボビンを回転させて挿入孔に挿入された磁性体と外側の磁性体とが略日の字形になるように構成されている。二つの磁性体を組み合わせることで、このラインフィルタは、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズのいずれにも対応する複合ラインフィルタとして機能する。
実登録3074742号公報
特許文献1のラインフィルタにおいて、二つの磁性体の相対位置はボビンによって規定される。二つの磁性体及びボビンは夫々公差を有するため、これらの組み合わせにおける各部の寸法のばらつきは、単体の場合に比べて大きくなり、特性低下を招きやすい。また、磁気コアを一体成形すると、複数の部品で磁気コアを構成する場合に比べて公差を低減できるが、それによってギャップがなくなると、磁気飽和し易くなる。特許文献1は、このようなギャップと磁気飽和との関係について何ら開示していない。よって、磁気飽和の発生を抑え、複合ラインフィルタの特性を向上させることが望まれている。
本発明は、特性を向上させた複合ラインフィルタを提供することを目的とする。
本発明は、第1の複合ラインフィルタとして、磁気コアと二つのコイルとを備える複合ラインフィルタであって、
前記磁気コアは、一体に形成され、且つ閉磁路部と、副磁路部とを有しており、
前記閉磁路部は、環状部により構成されており、
前記コイルは、前記閉磁路部に互いに離間された状態で巻回されており、
前記副磁路部は、前記コイルの一方の端部同士の間に位置する前記閉磁路部の第1部分と、前記コイルの残りの一方の端部同士の間に位置する前記閉磁路部の第2部分との間に位置しており、
前記副磁路部は、前記第1部分及び前記第2部分の夫々から他方に向かって突き出しており、
前記副磁路部の先端同士の間には隙間が形成されており、
前記副磁路部が突き出した突出方向と直交する第1方向における前記副磁路部の寸法の下限が0.5mmである
複合ラインフィルタを提供する。
また、本発明は、第2の複合ラインフィルタとして、第1の複合ラインフィルタであって、
前記副磁路部の先端同士の間の距離の下限が0.1mmである
複合ラインフィルタを提供する。
また、本発明は、第3の複合ラインフィルタとして、第1又は第2の複合ラインフィルタであって、
前記第1方向における前記閉磁路部の内径をDmmとして、
前記第1方向における前記副磁路部の前記寸法の上限がD/2mmである
複合ラインフィルタを提供する。
また、本発明は、第4の複合ラインフィルタとして、第1から第3の複合ラインフィルのうちのいずれか一つであって、
前記副磁路部の先端同士の間の距離の上限が2.0mmである
複合ラインフィルタを提供する。
本発明の複合ラインフィルタにおいて、磁気コアは一体に形成され、副磁路部は、閉磁路部の第1部分及び第2部分の夫々から他方に向かって突き出している。換言すると、閉磁路部と副磁路部とはボビンを介することなく相互に固定されている。そのため、本発明の複合ラインフィルタは、寸法のばらつきを抑えることができ、特性のばらつきが抑えられる。また、本発明の複合ラインフィルタにおいて、副磁路部が突き出した突出方向と直交する第1方向における副磁路部の寸法の下限は0.5mmである。副磁路部の第1方向における寸法を0.5mm以上としたことで、本発明の複合ラインフィルタは、磁気飽和の発生を抑えるとともに、特性(ノーマルモードインダクタンス)の向上を図ることができる。
第1の参考例による複合ラインフィルタを示す斜視図である。 図1の複合ラインフィルタを示す平面図である。 図2の複合ラインフィルタをA−A線に沿って示す断面図である。但し、コイルは省略されている。 図1の複合ラインフィルタを示す底面図である。 図1の複合ラインフィルタを示す右側面図である。 図1の複合ラインフィルタに含まれる磁気コアを示す斜視図である。 図6の磁気コアを示す平面図である。 図6の磁気コアを示す右側面図である。見えていない突起部の一部と中脚とが破線で示されている。 図1の複合ラインフィルタに含まれるボビンを示す斜視図である。 図1の複合ラインフィルタに含まれる端子台を示す斜視図である。 突起部の厚さとノーマルモードインダクタンスとの関係を示すグラフである。 ギャップ幅とノーマルモードインダクタンスとの関係を示すグラフである。 第2の参考例による複合ラインフィルタを示す斜視図である。 図13の複合ラインフィルタを示す平面図である。 図13の複合ラインフィルタをB−B線に沿って示す断面図である。但し、コイルは省略されている。 図13の複合ラインフィルタを示す底面図である。 図13の複合ラインフィルタを示す右側面図である。 図13の複合ラインフィルタに含まれる磁気コアを示す斜視図である。 図18の磁気コアを示す平面図である。 図18の磁気コアを示す右側面図である。見えていない突起部の一部と中脚とが破線で示されている。 図13の複合ラインフィルタに含まれる端子台を示す斜視図である。 本発明の実施の形態による複合ラインフィルタに含まれる磁気コアを示す斜視図である。 図22の磁気コアを示す平面図である。
(第1の参考例)
図1から図5を参照すると、第1の参考例による複合ラインフィルタ10は、ボビン100と、二つのコイル210,220と、磁気コア300と、端子台400とを有している。コイル210、220は、ボビン100に巻回されている。詳しくは、コイル210,220は、軸方向において互いに離間された状態で、ボビン100に巻回されている。ボビン100は、磁気コア300に取り付けられており、磁気コア300は、端子台400に取り付けられている。
図6及び図7に示されるように、磁気コア300は、中脚(巻芯部)310と、二つの外脚320と、二つの連結部330と、二つの突起部340とを有している。第1の参考例において、中脚310、外脚320、連結部330及び突起部340は、一体に形成されている。但し、磁気コア300は、複数の部品を接合して構成されたものであってもよい。しかしながら、一体に形成された磁気コア300を用いることで、部品点数及び組立工程数を削減するとともに、組立精度に依存する品質低下を回避することができる。
図6から理解されるように、中脚310は、略円柱形状を有し(図3及び図8参照)、第1方向(X方向、軸方向)に延びている。外脚320は、両端部を除いて偏平の四角柱形状を有し、中脚310と平行に配置されてX方向に延びている。外脚320と中脚310とは、X方向と直交する方向(Y方向)に所定の距離だけ離れている。連結部330は、中央部がくびれた四角柱形状を有し、Y方向に延びている。換言すると、連結部330は、図8に示されるように、Y方向において、両端部の高さが最も高く、中央部に向かって次第に低くなる形状を有している。また、突起部340の高さHp1は、中脚310の高さHm1よりも高い。なお、高さ方向は、X方向(第1方向)及びY方向(突起部340の突出方向と平行な方向)の双方と直交するZ方向(第2方向)である。したがって、突起部340の第2方向における寸法(高さHp1)は、中脚310の第2方向における寸法(高さHm1)よりも長いともいえる。このように、副磁路部(突起部340)の寸法は、突出方向及び第1方向の双方と直交する第2方向において、巻芯部(中脚310)の寸法よりも長い。これにより、副磁路部の断面積が大きくなり、より磁気飽和しにくくなり、所望のノーマルモードインダクタンスを得ることができる。
図6及び図7に示されるように、連結部330は、二つの外脚320と中脚310の両端部を夫々連結している。詳しくは、一方の連結部330は、各外脚320の一方の端部と中脚310の一方の端部とを連結し、他方の連結部330は、各外脚320の他方の端部と中脚310の他方の端部とを連結している。こうして、連結部330と外脚320とは相互に連続し、中脚310の両端を二つの経路で連結する主磁路部を形成している。また、各外脚320は、中脚310と連結部330の一部とともに、閉磁路部を形成している。なお、中脚310、外脚320及び連結部330が上記のように連結された磁気コア300は、日の字型コアと呼ばれることがある。
図1、図2、図4、図6及び図7から理解されるように、突起部340は、外脚320のX方向における中央部からX方向と交差する方向に突き出している。第1の参考例では、突起部340は、外脚320からY方向に沿って中脚310に向かって突き出している。二つの外脚320から突き出す二つの突起部340は、互いに向き合う方向(+Y方向及び−Y方向)へ突き出している。突起部340は、外脚320から中脚310に向かって突き出すことにより副磁路部を形成する。中脚310は、各突起部340の先端に対向する対向部312を有している。突起部340の先端と中脚310の対向部312との間には所定のギャップ(隙間)が設けられている。なお、第1の参考例において、各外脚320のX方向の中央部であって、中脚310に対向する部分が閉磁路部の第1部分である。また、中脚310のX方向における中央部であって、各外脚320に対向する部分が閉磁路部の第2部分である。但し、副磁路部は、軸方向においてコイルの間に位置し、巻芯部及び主磁路部の一方の一部から残りの一方の対向部へ向かって、軸方向と交差する方向へ突出していればよい。
図7に示されるように、突起部340は、厚さt1を有している。突起部340の厚さt1は、図1から理解されるように、コイル210,220の軸を含む平面に平行で且つ突出方向と直交する方向(X方向)の寸法である。第1の参考例において、突起部340の厚さt1は、0.5mm以上に設定される。換言すると、突起部340の厚さt1の下限は、0.5mmである。図11から理解されるように、突起部340の厚さt1とノーマルモードにおけるノーマルモードインダクタンスLnとは比例関係にあり、厚さt1が0.5mmを下回ると必要なノーマルモードインダクタンスLnが得られなくなるからである。これは、突起部340の厚さt1の減少に伴い磁気コア300のインダクション係数ALが低下することに起因する。インダクション係数ALの低下に対して、コイル210,220の巻数を増加させることでノーマルモードインダクタンスLnを上昇させることが考えられるが、その場合、抵抗Rdcが増加してしまう。また、突起部340の厚さt1が減少すると磁気飽和し易くなる。
また、第1の参考例において、突起部340の厚さt1は、D1/2mm以下に設定される。換言すると、突起部340の厚さt1の上限は、D1/2mmである。ここで、D1は、図7に示されるように、突起部340の突出方向と直交するX方向における閉磁路部の内法である。磁気コア300の外形サイズが規定されている場合、突起部340の厚さt1の増加は、コイル210,220を巻回せるスペースの減少、即ち、コイル210,220の巻数Nの減少を意味する。ノーマルモードインダクタンスLnは、コイル210,220の巻数Nの二乗に比例するため、巻数Nの減少はノーマルモードインダクタンスLnに大きく影響する。よって、突起部340の厚さt1は、D1/2mm以下である必要がある。但し、磁気コアの形状に応じて閉磁路の内法に代えて内径が採用される場合もある。即ち、第1方向における副磁路部の寸法の上限は、第1方向における閉磁路部の内法又は内径をDmmとして、D/2mmであればよい。突起部340の厚さt1は、3.0mm以下であればなおよい。
また、第1の参考例において、突起部340と対向部312との間の距離(ギャップ幅)Wg1(図7参照)は、0を含まず、対向部312と突起部340の根元(第1部分)までの距離よりも短ければよい。ギャップ幅Wg1は、磁気コアの材料や所望のノーマルモード特性に応じて設定される。例えば、ギャップ幅Wg1は、0.1mm以上、2.0mm以下に設定することができる。この場合、ギャップ幅Wg1の下限は0.1mmであり、上限は2.0mmである。このように、副磁路部(突起部340)と対向部(中脚310)との間の距離の下限を0.1mmとし、上限を2.0mmとすることができる。このように、ギャップ幅Wg1を制限するのは次の理由による。即ち、ギャップ幅Wg1が減少すると、漏れ磁束が増加して磁気飽和を引き起こすため直流重畳特性が悪化するからである。また、図12から理解されるように、ギャップ幅Wg1が広くなりすぎると必要なノーマルモードインダクタンスLnが得られなくなるからである。
上述したように、第1の参考例による複合ラインフィルタ10において、副磁路部(突起部340)は閉磁路(中脚310及び外脚320)の第1部分及び第2部分から突き出すように構成されているため、二つの部品を組み合わせる場合に比べて寸法のばらつきを抑えることができ、特性のばらつきを抑えることができる。また、寸法のばらつきが抑えられるので、突起部340の厚さt1とギャップ幅Wg1とを夫々所定の範囲内に収めることが容易になる。さらに、突起部340の厚さt1とギャップ幅Wg1とを夫々所定の範囲内に収めることができるので、ノーマルモードインダクタンスLnを始めとする特性を向上させることができる。
なお、第1の参考例において、突起部340は、外脚320から中脚310に向かって突き出しているが、突起部340は、中脚310から外脚320に向かって突き出すように形成されてもよい。但し、中脚310の太さに比べると外脚320の厚さの方が設計の自由度が高いため、突起部340を外脚320に設けた方が、突起部340の突き出し寸法を大きくすることができるという利点がある。また、突起部340を中脚310に設けた場合は、ボビン100を軸方向に二分割しなければ回転不能になるため、部品点数の増加を招く。
図9に示されるように、ボビン100は、円筒部110と、複数の鍔部120と、二つの歯車130とを有している。円筒部110は、第1方向(X方向、軸方向)に延びる中心軸を有している。円筒部110の外周面上にコイル210,220が巻回されることにより、コイル210の軸は円筒部110の中心軸に一致する。鍔部120は、中心軸に直交する径方向において、円筒部110の外周面から外側へ向かって広がっている。鍔部120には、その目的に応じて、いくつかの切り欠きが形成されている。図1、図2及び図4から理解されるように、X方向において中央寄りの六つの鍔部120は、円筒部110に巻回されるコイル210,220のX方向の位置を規定する。特に、X方向において最も内側に位置する二つの鍔部120、即ち、内側鍔122は、X方向において、コイル210,220の間の距離を規定する。
図9に示されるように、二つの歯車130は、内側鍔122の互いに対向する面上に形成されている。換言すると、歯車130は、X方向において、内側鍔122の間に位置する。二つの歯車130は、同一形状を有し、X軸に垂直な面に関して、鏡面対称となるように配置されている。図1、図2及び図4から理解されるように、ボビン100にコイル210,220が巻回された状態で、歯車130は、コイル210,220の間に位置する。
図9から理解されるように、ボビン100は、二つの巻枠部品102で構成されている。各巻枠部品102は、中心軸を含む平面でボビン100を二分割したものに略等しい。二つの巻枠部品102は、同一形状に形成されてもよいし、異なる形状部分を含んでいてもよい。いずれにしても、各巻枠部品102は、ハーフパイプ状の円筒部110の一部を含んでいる。二つの巻枠部品102の間に磁気コア300の中脚310を挟むようにこれら巻枠部品102を組み合わせ、互いに固定することによって、ボビン100は、磁気コア300の中脚310に取り付けられる。ボビン100は、中脚310に取り付けられた状態で、中脚310の周りを回転することが可能である。
図10を参照すると、端子台400は、基部410と、二対の壁部420と、二対のピン430(図4参照)とを有している。各壁部420は、主部422と仕切板424とを有している。このように、第1の参考例では、仕切板424は、端子台400の一部である。基部410は、概ね四角形の枠形状を有している。壁部420は、基部410のY方向において互いに対向する二つの内側縁に沿って設けられ、基部410から上方(+Z方向)へ突き出している。詳しくは、壁部420の主部422は、基部410の内側縁に沿って形成されている。対をなす壁部420の主部422は、互いに異なる基部410の内側縁に形成され、Y方向において互いに対向している。X方向に並ぶ主部422は、互いに異なる壁部420の対に属する。X方向に並ぶ主部422は、所定の距離だけ互いに離れている。仕切板424は、X方向に並ぶ二つの主部422のX方向における内側の端部に夫々設けられている。対をなす壁部420の仕切板424は、互いに向き合うように、Y方向に沿って突き出している。基部410と壁部420とは、樹脂を用いて一体に成型することができる。ピン430は、基部410の四隅付近に設けられ、基部410から下方(−Z方向)に向かって突き出している。対をなすピン430は、Y方向に並んでいる。ピン430は、金属製であり、インサート成型により基部410及び壁部420と一体に成型することができる。図4に示されるように、ピン430には、コイル210,220を構成する巻線の端部が巻きつけられ接続される。各コイル210,220の巻線の端部は対をなすピン430に夫々接続される。
第1の参考例による複合ラインフィルタ10は、概略、次の工程により製造される。まず、図9のボビン100を図6の磁気コア300に取り付ける。次に、ボビン100が取り付けられた磁気コア300を図10の端子台400に取り付ける。次に、ボビン100にコイル210、220の巻線を巻回し、その端部を端子台400のピン430に固定(接続)する。こうして、複合ラインフィルタ10が完成する。
コイル210,220の巻線をボビン100に巻回す工程において、歯車130が利用される。詳しくは、図示しない駆動モータ等により駆動される駆動歯車の歯(図示せず)を歯車130の歯と噛み合わせ、中脚310を軸としてボビン100を回転させる。第1の参考例において、二つの歯車130は、単一の駆動歯車によって駆動される。詳しくは、二つの歯車130の歯幅(X方向の厚さ)は、駆動歯車の歯幅に比べてかなり狭い。そして、二つの歯車130は、駆動歯車の歯幅方向(X方向)の両端部において、駆動歯車と噛み合うよう配置される。この構成により、駆動歯車の歯幅に対応する(同程度のサイズの)歯幅の歯車をボビン100に設けた場合と同等の駆動安定性と信頼性を実現できる。なお、歯車130の強度が確保できるならば、歯車130の数は一つでもよい。
図9から理解されるように、ボビン100単体において、二つの歯車130の間には何も存在しない。一方、図1、図2及び図4に示されるように、ボビン100が磁気コア300に取り付けられた状態で、歯車130の間には、突起部340が配置される。即ち、第1の参考例では、X方向において、駆動歯車(図示せず)の歯幅に対応する範囲内に、その駆動歯車と噛み合う歯車130のみならず突起部340が設けられている。これにより、第1の参考例では、駆動歯車の歯幅に対応する歯幅を持つ歯車をボビン100に設けた場合に比べて、軸方向のサイズを小さくすることができる。
図1から図4までの図から理解されるように、第1の参考例では、X方向に沿って見た場合に、歯車130と突起部340とは部分的に重なっている。即ち、歯車130の径は、突起部340の存在によって制限されることはない。そして、歯車130の径を大きくすることで、小さな駆動力でも巻線をしっかりと巻き取ることができる。また、小さな駆動力で巻線を巻き取れるので、歯車130に要求される強度も小さくて済む。
図1、図2及び図4を参照すると、突起部340は、X方向において、コイル210,220の間に位置し、且つ歯車130の間に位置している。また、突起部340は、Y方向において、外脚320の一部と中脚310の対向部312(図6参照)との間に位置している。仕切板424は、X方向において、突起部340の両脇に設けられており、且つコイル210,220の間に位置している。歯車130もまた、X方向において、コイル210,220の間に位置している。歯車130は、また、X方向において、突起部340の外側に位置している。つまり、各歯車130は、X方向において、突起部340と内側鍔122のいずれか一方との間に位置している。そして、歯車130は、Y方向に沿って見た場合、少なくとも部分的に仕切板424と重なっている。ここで、仕切板424は、コイル210,220と突起部340との間に必要な絶縁距離(沿面距離)を確保するためのものであり、必要不可欠なものである。歯車130の少なくとも一部は、この仕切板424と重なるように配置されているため、その部分に関しては、X方向において設置のための特別なスペースを必要としない。第1の参考例では、歯車130の大部分が仕切板424と重なっており、歯車130を設置するための特別なスペースをほとんど必要としない。よって、第1の参考例では、外鍔部の一方に歯車を設ける特許文献1のラインフィルタに比べて、軸方向の寸法を小さくすることができる。
(第2の参考例)
図13から図17を参照すると、第2の参考例による複合ラインフィルタ10Aは、第1の参考例による複合ラインフィルタ10における磁気コア300の外脚320の一方と連結部330の一部を取り除いたような構成を有している。以下、複合ラインフィルタ10Aの複合ラインフィルタ10と異なる点ついて説明する。
第2の参考例による複合ラインフィルタ10Aの磁気コア300Aは、図18及び図19に示されるように、中脚(巻芯部)310Aと、一つ外脚320Aと、二つの連結部330Aと、一つ突起部340Aとを有している。連結部330Aと外脚320Aとは相互に連続しており、中脚310Aの両端を連結して主磁路部を形成している。また、中脚310A、外脚320A及び連結部330Aは、閉磁路部を形成している。中脚310A、外脚320A及び連結部330Aがこのように連結された磁気コア300Aは、ロの字型コアと呼ばれることがある。突起部340Aは、外脚320AのX方向における中央部から中脚310Aに向かって、Y方向に沿って突き出している。第1の参考例と同様に、突起部340Aの先端と中脚310Aの対向部312Aとの間には所定のギャップ(隙間)が設けられている。第2の参考例において、磁気コア300Aは、図20から理解されるように、上下対称の形状に形成されている。
図19に示されるように、突起部340Aは、X方向の寸法である厚さt2を有している。厚さt2は、第1の参考例の厚さt1と同様、0.5mm以上、D2/2mm以下(D2:閉磁路部のX方向における内法)に設定される。また、突起部340Aと対向部312Aとの間の距離(ギャップ幅)Wg2は、0.1mm以上、2.0mm以下に設定される。いずれも第1の参考例と同様の理由による。第2の参考例においても、突起部340Aの厚さt2とギャップ幅Wg2とを夫々所定の範囲内に収めるようにしたことで、ノーマルモードインダクタンスLnを始めとする特性の向上が実現される。
図21を参照すると、端子台400Aは、基部410Aと、二つの壁部420Aと、二対のピン430A(図16参照)とを有している。各壁部420Aは、主部422Aと仕切板424Aとを有している。基部410Aは、概ね四角形の枠部412と、枠部412の中央に設けられた梁部414とを有している。枠部412の上面の一部には、図17に示されるように、磁気コア300Aの形状に対応する傾斜が設けられている。また、図21に示されるように、梁部414には、ボビン100の歯車130(図9及び図13参照)の一部を収容する凹所416が形成されている。各壁部420Aは、基部410AのY方向において互いに対向する二つの内側縁の一方に沿って設けられている。二つの壁部420Aの主部422Aは、梁部414を挟んでX方向に並んでおり、基部410Aから上方(+Z方向)へ突き出している。また、二つの壁部420Aの仕切板424Aは、二つの主部422のX方向における内側の端部からY方向に沿って突き出している。ピン430Aは、基部410Aの四隅から若干離れた位置に設けられている。
第2の参考例においても、図9に示されるボビン100を用い、図13及び図14に示されるように、歯車130の間に突起部340Aを配置するようにしたので、駆動歯車の歯幅に対応する歯幅を持つ歯車をボビン100に設けた場合に比べて、軸方向のサイズを小さくすることができる。
また、第2の参考例においても、図13から図15までの図から理解されるように、X方向に沿って見た場合に、歯車130と突起部340Aとは部分的に重なっている。よって、歯車130の径は、突起部340Aの存在によって制限されず、歯車130の径を大きくすることで、小さな駆動力でも巻線をしっかりと巻き取ることができる。
また、図13及び図14から理解されるように、第2の参考例においても、突起部340Aは、X方向において、コイル210,220の間であって、歯車130の間に位置している。また、突起部340Aは、Y方向において、外脚320Aの一部と中脚310Aの対向部312Aとの間に位置している。仕切板424Aは、X方向において、突起部340Aの両脇に設けられており、且つコイル210,220の間に位置している。歯車130もまた、X方向において、コイル210,220の間に位置している。つまり、各歯車130は、X方向において、突起部340Aと内側鍔122のいずれか一方との間に位置している。そして、歯車130は、Y方向に沿って見た場合、少なくとも部分的に仕切板424Aと重なっている。第2の参考例においても、第1の参考例と同様に、歯車130の少なくとも一部は、仕切板424Aと重なっているため、その部分に関しては、X方向において、設置のための特別なスペースを必要としない。よって、第2の参考例の複合ラインフィルタ10Aは、外鍔部に歯車を設ける特許文献1のラインフィルタに比べて、軸方向の寸法を小さくすることができる。
(実施の形態)
本発明の実施の形態による複合ラインフィルタは、図22及び図23に示される磁気コア(トロイダルコア)300Bを含んでいる。図示の磁気コア300Bは、環状部310Bと、二つの突起部340Bとを有している。環状部310Bは、閉磁路部を形成し、突起部340Bは、副磁路部を形成する。環状部310Bには、ボビンを用いることなく二つのコイル(図示せず)が巻回される。二つのコイルは、二つの突起部340Bを挟むように、その両側に離間されて配置される。突起部340Bは、二つのコイルの端部同士の間に位置する第1部分314Bと第2部分316Bの双方から突き出している。二つの突起部340Bの先端は、互いに対向しており、一方の先端が他方の先端の対向部312Bを形成している。また、二つの突起部340Bの先端同士の間には、ギャップ(隙間)が設けられている。
本実施の形態においても、突起部340Bの厚さt3は、二つのコイル(図示せず)の軸を含む平面に平行で且つ突出方向と直交する方向の寸法である。この厚さt3もまた、0.5mm以上、D3/2mm以下に設定される。ここで、D3は、図23に示されるように、突起部340Bの突出方向と直交するX方向における閉磁路部の内径である。また、図23に示される突起部340Bの先端同士の間(対向部312B間)の距離(ギャップ幅)Wg3は、0.1mm以上、2.0mm以下に設定される。いずれも第1の参考例と同様の理由による。本実施の形態においても、突起部340Bの厚さt3とギャップ幅Wg3とを夫々所定の範囲内に収めるようにしたことで、ノーマルモードインダクタンスLnを始めとする特性の向上が実現される。
以上、本発明について実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、一体に形成された磁気コア300Bを用いたが、磁気コア300Bは、複数のコア部品をギャップが形成されないように組み合わせて構成されてもよい。また、磁気コア300Bは、所定の特性を実現できる限りにおいて、その形状を変更することが可能である。
10,10A 複合ラインフィルタ
100 ボビン
102 巻枠部品
110 円筒部
120 鍔部
122 内側鍔
130 歯車
210,220 コイル
300,300A 磁気コア
300B 磁気コア(トロイダルコア)
310,310A 中脚(巻芯部)
310B 環状部
312,312B 対向部
314B 第1部分
316B 第2部分
320,320A 外脚
330,330A 連結部
340,340A,340B 突起部
400,400A 端子台
410,410A 基部
412 枠部
414 梁部
416 凹所
420,420A 壁部
422,422A 主部
424,424A 仕切板
430,430A ピン

Claims (4)

  1. 磁気コアと二つのコイルとを備える複合ラインフィルタであって、
    前記磁気コアは、一体に形成され、且つ閉磁路部と、副磁路部とを有しており、
    前記閉磁路部は、環状部により構成されており、
    前記コイルは、前記閉磁路部に互いに離間された状態で巻回されており、
    前記副磁路部は、前記コイルの一方の端部同士の間に位置する前記閉磁路部の第1部分と、前記コイルの残りの一方の端部同士の間に位置する前記閉磁路部の第2部分との間に位置しており、
    前記副磁路部は、前記第1部分及び前記第2部分の夫々から他方に向かって突き出しており、
    前記副磁路部の先端同士の間には隙間が形成されており、
    前記副磁路部が突き出した突出方向と直交する第1方向における前記副磁路部の寸法の下限が0.5mmである
    複合ラインフィルタ。
  2. 請求項1に記載の複合ラインフィルタであって、
    前記副磁路部の先端同士の間の距離の下限が0.1mmである
    複合ラインフィルタ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の複合ラインフィルタであって、
    前記第1方向における前記閉磁路部の内径をDmmとして、
    前記第1方向における前記副磁路部の前記寸法の上限がD/2mmである
    複合ラインフィルタ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載の複合ラインフィルタであって、
    前記副磁路部の先端同士の間の距離の上限が2.0mmである
    複合ラインフィルタ。
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