JP2021020349A - 植物由来の破砕片の固化材および形成方法 - Google Patents

植物由来の破砕片の固化材および形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】植物由来の破砕片と主に固化材として無機塩類の例えば、酸化マグネシウムを使用する固化材および形成方法において、製造期間を短縮し、安価で強固なアグリボードを製造する、植物由来の破砕片の固化材および形成方法である。【解決手段】アグリボードの素材である破砕片等の植物由来の破砕片1の固化材として、主固化材の酸化マグネシウム2と破砕片1の均一撹拌混合物3に、水で加水分解し前記無機塩と化学反応し固着反応を生じる反応促進剤としての副固化材のリン酸二水素カリウムを溶解した溶解水4を添加し、加圧保持して短時間にアグリボードを製造するする植物由来の破砕片の固化材および形成方法を提供する。ここで、難溶性のリン酸二水素カリウムを添加前に、約10時間をかけて水に溶解させた溶解水を使用する。【選択図】図1

Description

本発明は、間伐材等の破砕木片のチップや、藪竹の破砕チップや、サトウキビ等の搾りかすのバガスや、樹木の樹皮の破砕片であるバーク等の植物由来の破砕片を、自然由来の接着材でボード状に短時間に低価格で成形できる、植物由来の破砕片の固化材および形成方法に関するものである。
植物由来の破砕片を、接着する固化材で平板状に成形し、本構造により保湿性、遮光性、肥料の含有性を有したボードは、乾燥地域の農耕地等に雨水保留、水分蒸発抑制、雑草抑制、作物の育成促進のために敷設するボード(以下、アグリボードと称す)として、開発が進められている。アグリボードは、食料となる作物を育成する農耕地で使用するため、前記接着剤は、自然由来の固化材が好ましく、用途は別であるが遊歩道の舗装用として、樹皮破砕片のバークと自然由来の固化材を使用して、遊歩道等のバーク舗装が行われている。前記自然由来の固化材として、海水から生産される酸化マグネシウム粉末が使用されている。酸化マグネシウムは肥料としても使用されている薬剤であるので、農耕地で使用しても全く支障がない固化材であることが、特許文献1に公開されている。
当該固化材の使用例として代表されるバーク舗装の舗装工法では、まずバークと酸化マグネシウムとを十分撹拌し両者を均一に混合し、次にセメントを捏ねるように十分な水を加えて撹拌処理して、バーク舗装構造用の湿潤撹拌混合物を製造し、この湿潤撹拌混合物を、道路、公園敷地等の被敷設場所に厚さ5〜10cmで表面が平らになるように敷設し、その上から例えば重いローラ等で転圧し、バーク相互を密に接触させる。湿潤撹拌混合物はセメント施工時と同様に数日間湿潤の状態で養生処理し、その後4〜5日間天日乾燥して水分を蒸発させ、緩やかに固化処理を行う。したがって、湿潤撹拌混合物を敷設してから固化処理が終了するまで約7日間必要で、その間敷設場所に歩行者等の通行により外力がかかると固化する前の接合強度が弱い敷設物が剥がれて破損してしまう。固化処理時間を短縮するために、養生処理終了後にヒータ等の外部からの高い熱量を加えると、セメントの乾燥処理の場合と同様に部分的な収縮差が生じて、ひび割れの欠陥が生じる。このように、従来の工法では、約7日間の長い製造期間が必要となる問題があった。
一方、対象土である水分を多く含む廃棄用の軟弱土を中性領域で固化する土壌改良工事現場で使用される固化材として、無水石膏と水に難溶性のリン酸二水素カリウムを使用することが特許文献2に公開されている。固化材の主材は無水石膏で、これを軟弱土に80重量%以上添加すると軟弱土は無水石膏と軟弱土中の水分が化学反応して高いアルカリ性を示す。これを中性域に代えるため、副材のリン酸二水素カリウムを15重量%以下加える。リン酸二水素カリウムは軟弱土中の水分中に徐々に溶解し、酸性を示す。これにより、軟弱土内で中和化学反応が生じ中性領域に移動することが記述されている。しかし、前記中和化学反応は溶解しイオン化したリン酸二水素カリウムから数分程度の短時間で生じ始め、軟弱土の固化処理は徐々に進行し、固化処理が完了するのに10時間以上かかる。
しかし、特許文献2では、前記軟弱土を舗装工法で使用する分野での記述は無いが、軟弱土に固化材を添加撹拌すると舗装面に敷設する前の撹拌時の短時間内に固化し始めるため、前記バーク舗装の様なかなりの敷設時間がかかり、舗装工法には適用できない。
また、無水石膏と難溶性のリン酸二水素カリウムは、添加前は固体紛状であり、軟弱土に添加後、両固化材が混ざり合う過程において、土中の水分と両固化材が化学反応する反応速度が異なる。すなわち溶解イオン化して数分以内に終える化学反応時間も軟弱土内で全体的に一致しないので、軟弱土内で固化する時間も一致しないと考えるのが妥当である。このため、前記バーク舗装のような舗装工法に適用すると、湿潤撹拌時に固化反応進み湿潤撹拌物を敷設した敷設舗装面に、短時間内に部分的固着ムラが生じたまま固化処理が終了するので強度が低下し、その部分から剥離して破損する問題がある。これは、本技術でアグリボードを製造する場合においても、同様にアグリボードの強度が低下する問題が生じる。
特許公開2017−160675公報 特許公開平7−179854公報
発明が解決しようとする問題点は、植物由来の破砕片を無機塩の固化材として、例えば酸化マグネシウムを使用して、アグリボードを製造する従来の技術の場合において、破砕片と酸化マグネシウムとを十分撹拌して両者を均一に混合し、次に十分な水を加えて撹拌混合処理して、アグリボード用の湿潤撹拌混合物を作成し、この湿潤撹拌混合物を、所定の寸法、形状に合わせた凹型の下部金型内に敷き詰め、凸型で嵌合する上部押し面体の治具でプレスし、湿潤撹拌混合物を密に接触させてアグリボードを製造する際に、プレスを維持したままの状態で、数日間湿潤の状態で養生処理し、その後プレスを維持したまま4〜5日間天日乾燥して水分を蒸発させるので、計約7日間の長い製造期間が必要であることにある。
また、作成したアグリボードには、カビ等の雑菌や昆虫の卵等が生きた状態で存在できるので、製造したアグリボードを室内や倉庫に保管している間に、カビが繁殖したり、前記破砕片に残存していた卵がふ化し昆虫が生育してしまう問題がある。
また、従来技術において、プレス力を維持して乾燥させるためには、加圧保持のための専用の治具が必要であり、連続して製造するためには、長い固化処理期間の間、アグリボードの製作枚数と製造期間に比例した台数の治具が必要となり、治具費用がかさんで、製造コストが高価になる問題が生じる。
本発明は、植物由来の破砕片と固化材として無機塩類の例えば、酸化マグネシウムを使用する固化材および形成方法において、製造期間を短縮し、安価で強固で良質なアグリボードを製造する、植物由来の破砕片の固化材および形成方法である。
本発明は、植物由来の破砕片の固化材であって、前記破砕片と主固化材の無機塩類の例えば、酸化マグネシウムを例えば14重量%(前記破砕片重量基準)以上、水で加水分解し前記無機塩と化学反応し固着反応を生じる反応促進剤としての副固化材、例えばリン酸二水素カリウムを例えば340重量%(前記酸化マグネシウム重量基準)以下を含有し、455重量%(前記リン酸二水素カリウム重量基準)以上の水を添加し、撹拌混合後、酸化マグネシウムとリン酸二水素カリウムを短時間内に化学反応させ、前記破砕片を固着させる固化処理を短時間で終了させるものである。
本発明は、前記破砕片の固化材および形成方法であって、前記破砕片の主固化材として前記酸化マグネシウムと、副固化材の前記リン酸二水素カリウムを含有し、前記破砕片と両固化材を撹拌混合後、前記の水を添加して撹拌混合した湿潤撹拌混合物を、加圧保持手段で加圧保持して固化処理し、高強度に固化処理を終了させるものである。
また、前記破砕片と、主固化材の前記酸化マグネシウムを撹拌混合した固化材撹拌混合物に、副固化材の難溶性の前記リン酸二水素カリウムを水に事前に十分溶解させた固化反応用の溶解水を添加し、撹拌混合した湿潤撹拌混合物を加圧保持手段で加圧保持して、さらに短時間内に固化化学反応させ、かつ高強度に固化処理を終了させるものである。
前記破砕片と、主固化材の前記酸化マグネシウムの固化材撹拌混合物に、副固化材の前記リン酸二水素カリウムを溶解した溶解水を全量添加し、撹拌混合せずに加圧保持手段で加圧保持して、さらに短時間内に固化化学反応させ、かつ高強度に固化処理を終了させるものである。
前記固化材撹拌混合物または湿潤撹拌混合物の外部を防水シート覆い、前記固化材撹拌混合物の上部は漏水量を極小にするように防水シートを重ねあわせ、防水シート外から押し面体で固化材撹拌混合物の全面を段加圧保持手段で加圧保持して、さらに固化材全量を固化反応させ、高強度に固化処理を行う。
前記破砕片と、主固化材の前記酸化マグネシウムの固化材撹拌混合物に、副固化材の前記リン酸二水素カリウムを溶解した溶解水を、スプレーガン等の噴霧発生手段で全量噴霧添加し、その後、押し面体で固化材撹拌混合物の全面を加圧保持手段で加圧保持して固化処理を終了させ、さらに短時間内に固化化学反応させ、かつ高強度に固化処理を終了させるものである。
前記破砕片と、主固化材の前記酸化マグネシウムの固化材撹拌混合物に、副固化材の前記リン酸二水素カリウムを溶解した溶解水を、加圧する押し面体に設けた1個以上の放水孔から、加圧前に全量噴霧添加し、その後、当該押し面体で加圧保持して固化処理を終了し、さらに短時間内に固化化学反応させ、かつ高強度に固化処理を終了させるものである。
前記破砕片と主固化材の前記酸化マグネシウムの固化材撹拌混合物に副固化材の前記リン酸二水素カリウムの溶解水を添加した湿潤撹拌混合物を加圧保持手段で加圧保持した後、少なくとも室温以上もしくは湿度が低い加圧空気を当該湿潤撹拌混合物内に通気させて、固化処理後の乾燥処理を短時間に終了させるものである。
前記破砕片と主固化材の前記酸化マグネシウムの固化材撹拌混合物に副固化材の前記リン酸二水素カリウムの溶解水を添加した湿潤撹拌混合物を加圧保持手段で加圧保持した後、90℃以上の蒸気を前記湿潤撹拌混合物内に供給して、固化処理後の乾燥処理を短時間に、さらに殺菌して終了させるものである。
請求項1に係る上記破砕片は、破砕された杉樹皮のバーク、間伐材等の樹木の破砕チップ、藪竹の破砕チップやファイバー、サトウキビ等の搾りかすのバガスや、油ヤシの搾りかすや、ココナッツの繊維の素材等が好ましい。
材料の破砕片が9mmの目開きのふるいを通過したバガスを使用する場合、バガス片が相互に固着したアグリボードを得るためには、主固化材の酸化マグネシウムの添加量は、バガスに対し10重量%以上となる。添加量を増やすほど固化強度は上昇するが、破砕片間の空隙は少なくなり、製作したアグリボードの保水性は低下する。
酸化マグネシウム対する固化反応促進剤となる副固化材のリン酸二水素カリウムの添加量は、添加した酸化マグネシウムの何割を短時間で固化化学反応させるかで定まる。酸化マグネシウム全量を短時間で固化化学反応させる場合、次の化学反応式(1)基準で酸化マグネシウムと同じモル数が必要で、リン酸二水素カリウムの添加量は350重量%(前記酸化マグネシウム重量基準)となる。
MgO+KH2PO4+5H2O → MgOKPO4・6H2O ・・(1)
アグリボードの所定の設計強度を得るために必要な主固化材の添加量は、目標の強度、破砕片の種類、形状、破砕片の表面積等によって異なる。また、加圧保持する際の加圧力が大きいほどアグリボードの密度が増して強度が増加するが、破砕片間の空隙は小さくなり保水できる性能は低下する。よって、主硬化材を少なくすると接合力は低下するが、破砕片間の空隙は大きくなり保水性能は向上する。
固化反応用の水の添加量は、少なくともリン酸二水素カリウムを飽和溶解するために必要な水量は455%(前記リン酸二水素カリウム重量基準)で、それ以上が好ましい。また、リン酸二水素カリウムの添加不足で未反応の酸化マグネシウムが残った場合、酸化マグネシウムが固化するに必要な水量、すなわち主固化材が破砕片を接合するための養生ができる量が必要で、養生時間中主硬化材の周りに必ず水分が存在するように、破砕片と固化材と水を撹拌混合した湿潤攪拌混合物を加圧保持する際に、水が滴る程度の水が必要となる。一方、固化材の化学反応に必要な水量の他に、破砕片素材の吸水量、加圧保持時の破砕片間の空隙を充填するに必要な水量によって異なる水量値となる。
また、主固化材としての酸化マグネシウムの含水率は低めで微粉化され、破砕片と混合する場合、破砕片表面に均一に酸化マグネシウムを付着させるため、破砕片の含水率は高めの方が好ましい。
また、接合強度を増すためには、破砕片の他に細かい砂や土を混ぜて接合してもよい。さらに、複数のサイズの異なる破砕片を組み合わせて接合してもよい。この場合、固化材の添加量を増やす必要がある。
請求項2に係る前記湿潤攪拌混合物は、固化接合する際に加圧保持して固着され、接合後加圧を解除して前記湿潤攪拌混合物が外気と触れる外表面を増やして乾燥し、乾燥処理時間を短縮される。
前記破砕片に添加する主固化材の微細粉体の酸化マグネシウムは、ほとんど水に溶解しないので、破砕片とは物理的な混合を十分行って、破砕片表面に均一に付着することが好ましい。
一方、副固化材のリン酸二水素カリウムは、水に溶解するが、難溶性なので水中でイオン化して酸化マグネシウムと化学反応し固化処理して接合する時間に差異が生じる。室温で全量飽和溶解するには約10時間必要である。このため、接合固化反応後の乾燥を早めるためには、添加する水は少ない方がよく、リン酸二水素カリウムの飽和水とすることが好ましい。
前述したように、全量のリン酸二水素カリウムが水に溶解し酸化マグネシウムと化学反応し固化接合するには約10時間必要なので、高い接合強度を得るための接合方法は、湿潤撹拌混合物を少なくとも10時間以上加圧保持する方法である。
請求項3に係るリン酸二水素カリウムにおいて、リン酸二水素カリウムと固化反応用の水とを、事前に例えば10時間以上をかけて完全溶解させたリン酸二水素カリウムの溶解水を副固化材として用いる。
すなわち、これは前記破砕片と、主固化材の酸化マグネシウムと、副固化材のリン酸二水素カリウムの溶解水を撹拌混合した湿潤撹拌混合物を固化する方法である。ここで、前記溶解水の中ではリン酸二水素カリウムがイオン化しているので、溶解水内に均一に存在し、前記溶解水が酸化マグネシウムと接触した時点から一斉に固化反応が始まる。撹拌混合を短時間内に、例えば10分以内に終了させて、撹拌混合後の湿潤撹拌混合物を素早く凹型金型に投入し、凸型治具で加圧保持することが好ましく、このまま数時間加圧保持して固化処理して接合が終了する。その後、加圧を解除し残った水分を天日処理や、温風乾燥機等で脱水乾燥処理して、短時間内にアグリボードが成形できる。
請求項4に係る前記破砕片と主固化材の酸化マグネシウムの固化材撹拌混合物の形成方法は、当該固化材撹拌混合物を、凹型の金型に投入し、軽く例えば手の力で加圧して形を整えた仮成形後の仮成形体に、副固化材のリン酸二水素カリウムを溶解した固化反応用の溶解水を全量均一に、例えば噴霧状で上部より添加し、添加後直ちに凸型の押し面体で加圧保持する形成方法である。
請求項5に係る前記湿潤撹拌混合物の形成方法において、前記固化材撹拌混合物もしくは湿潤撹拌混合物の外周面を例えば食品用のラップ等の防水シートで覆い、前記固化材撹拌混合物や湿潤撹拌混合物を投入後、前記防水シートを上面部で重ね合わせ、凸型の押し面体で加圧保持して固化処理する形成方法である。
請求項6に係る前記固化材撹拌混合物の形成方法において、前記仮成形上面にリン酸二水素カリウムを溶解した溶解水を、加圧する前に、凸型治具の押し面体とほぼ同じ幅や面積の面に設けた複数のノズルを有する噴霧ノズル群を移動させながら、もしくは静止させた状態で各ノズルから全量噴霧添加し、その後、噴霧ノズル群を退避させ、凸型治具の押し面体で加圧保持して固化処理する形成方法である。
請求項7に係る前記固化材撹拌混合物の形成方法において、加圧保持する加圧保持手段の金型もしくは冶具に、前記溶解水を仮成形体に添加する複数のノズルを備える。
請求項8に係る前記湿潤撹拌混合物の形成方法において、湿潤撹拌混合物を加圧保持した後、前記凹型の金型や凸型の押し面体に、もしくは前記凹型の金型や凸型の押し面体を加圧するプレス手段に電気ヒータ等の加熱手段を備える。
請求項9に係る前記湿潤撹拌混合物の形成方法において、加圧保持した湿潤撹拌混合物に、外気よりも湿度が低い加圧流体を供給する乾燥空気供給手段を備える。
請求項10に係る前記湿潤撹拌混合物の形成方法において、前記湿潤撹拌混合物を加圧保持し、湿潤撹拌混合物内での固化反応が終了した後、加熱流体、例えば90℃以上の蒸気を前記湿潤攪拌混合物内に流動させる蒸気発生手段を備える。
請求項11に係る前記湿潤撹拌混合物の形成方法において、前記破砕片と主固化材と副固化材を均一に撹拌混合した固化材湿潤撹拌混合物を仮に加圧成形した仮形成体に、固化処理用の水を添加し、加圧保持する形成方法である。
本発明では、植物由来の破砕片と、主固化材の無機塩類の例えば、酸化マグネシウムを例えば14重量%(前記破砕片重量基準)以上と、水で加水分解し前記無機塩と化学反応し固着反応を生じる反応促進剤としての副固化材、例えばリン酸二水素カリウムを例えば340重量%(前記酸化マグネシウム重量基準)以下とを均一撹拌混合後、455重量%(前記リン酸二水素カリウム重量基準)以上の水を添加して撹拌混合し、湿潤撹拌混合物にすることにより、酸化マグネシウムを全量リン酸二水素カリウムで短時間内に化学反応で固化する固化処理を終了できるので、製造期間を短縮し、安価なアグリボードを製造できる効果がある。
本発明に係る請求項2において、酸化マグネシウムと全量の難溶性のリン酸二水素カリウムの固化処理が終了する時間、例えば10時間の間、前記湿潤撹拌混合物を加圧保持手段で加圧保持することで、前記破砕片を高い密度で密着状態を維持して固化処理が終了するので、この密着状態での固化処理が前記破砕片の接合強度を向上させるため、強固なアグリボードを製造できる効果がある。
本発明に係る請求項3において、本発明に係る植物由来の破砕片の固化材において、主固化材である酸化マグネシウムに固化反応する反応促進剤の副固化材としてリン酸二水素カリウム予め溶解させた溶解水を用いることにより、固化時間を画期的に短縮できる効果がある。すなわち、アグリボードの製造期間を短縮化するためは、まず副固化材が化学反応するために水に溶解してイオン化する必要があるが、水への溶解に長時間を要する難溶性の副固化材を予め時間をかけて固化処理用の水に溶解させておき、この溶解水を前記破砕片と酸化マグシウムの固化材撹拌混合物に添加させることで、酸化マグシウムと全量のリン酸二水素カリウムの化学反応を短時間に終了することができるためである。
本発明に係る請求項4において、前記破砕片と主固化材の酸化マグネシウムを撹拌混合した主固化材撹拌混合物を、例えば製造する長尺な面積が広いアグリボードの形状を形成する凹型の金型に投入し、時間をかけて軽く加圧して形を整える仮成形した後に、副固化材のリン酸二水素カリウムを溶解した前記溶解水を全量均一に上部より短時間に添加し、直ちに加圧保持手段を構成する凸型の押し面体で加圧保持するので、加圧力により溶解水が凹型の金型の底部に向かって全域に流れ、破砕片外面に付着した酸化マグネシウムと数分以内に全面に亘って同時に固化反応を開始でき、固化処理時間をさらに短縮するとともに、前記破砕片が高密度状態で固化処理が始まるので、さらに高い接合強度を有するアグリボードを形成することができる効果が生じる。
また、凹型の金型内に破砕片と主固化材の酸化マグネシウムの撹拌混合物を乾燥状態で仮成形する間は固化せず、長尺で広い面積のアグリボードでも十分時間をかけて均一な密度で仮成形ができるので、長尺で広い面積のアグリボードを短時間で、かつ高強度のアグリボードを形成することができる効果が生じる。
さらに、前記溶解水を均一に仮成形の上部より噴霧添加する際は、圧縮空気を用いた塗装用噴霧機等を使用することで、短時間に均一噴霧できより短時間内に植物由来の破砕片の固化材および形成方法でアグリボードを形成できる効果が生じる。
本発明に係る請求項5に係る構成は、必要とするアグリボードの寸法、形状に合わせた凹型の金型内に、まず食品用ラップ等の上記防水シートを端部に余裕をもって敷き詰め、次に固化材撹拌混合物や湿潤撹拌混合物を投入して成形した仮成形体に、固化材撹拌混合物の場合では、リン酸二水素カリウムの溶解水を噴霧添加して、前記余裕部の防水シートを上面部で重ね合わせ、凸型の押し面体で加圧保持して固化処理する形成方法である。本構成により、水中でイオン化したリン酸二水素カリウムが加圧時に外部に漏れることなく、全量酸化マグネシウムと化学反応するので、より接合強度が高いアグリボードを形成できる効果が生じる。
本発明に係る請求項6に係る構成では、前記固化材撹拌混合物の例えば幅広で長尺の仮成形体に複数のノズルで前記溶解水を噴霧するので、さらに短時間内に面積が広い仮成形体に全量噴霧添加して、凸型の押し面体で加圧保持して固化処理でき、短時間内にアグリボードを形成できる効果が生じる。
本発明に係る請求項7に係る構成において、前記固化材撹拌混合物の例えば幅広で長尺の仮成形体に複数のノズルで前記溶解水を全量噴霧し、そのまま凸型の押し面体で加圧保持して固化処理でき、複数のノズルを退避させる必要がないので、前記さらに短時間でアグリボードが形成できる効果が生じる。
本発明に係る請求項8に係る形成方法では、前記湿潤撹拌混合物を加圧保持する前記凹型の金型や凸型の押し面体から、もしくは介して、前記湿潤撹拌混合物を加圧保持して加熱できるので、前記湿潤撹拌混合物の固化処理後の水分を短時間で乾燥処理できるので、さらに短時間でアグリボードが形成できる効果が生じる。
本発明に係る請求項9に係る形成方法では、加圧保持を維持しながら、少なくとも外気より温度が高いか、湿度が低い加圧空気を前記湿潤撹拌混合物に供給でき、固化処理後の前記湿潤撹拌混合物内の水分を輩出できるので、加圧保持で乾燥ムラの歪を拘束して固化処理後の水分を蒸発乾燥することで、乾燥処理のさらに短縮化し歪の少ない良質のアグリボードを形成できる効果が生じる。
本発明に係る請求項10に係る形成方法では、加圧保持を維持しながら、前記湿潤撹拌混合物内での固化反応が終了した後、加熱流体として、例えば90℃以上の蒸気を前記湿潤攪拌混合物内に供給できるので、前記湿潤攪拌混合物内の残りの水分の温度を蒸発させ、前記治具外に排出し乾燥処理時間を大幅に短縮し、さらに破砕片を殺菌、殺卵できるので、さらに乾燥処理時間を短縮し、雑菌が少なく、昆虫の発生が少ない良質のアグリボードを形成できる効果が生じる。なお、本形成方法では、上記蒸気の代わりに例えば90℃以上の加圧空気であっても良い。
本発明に係る請求項11に係る形成方法では、前記破砕片と主固化材と副固化材を均一に撹拌混合した固化材湿潤撹拌混合物を仮に加圧した仮成形体は、固化反応を起こさない状態で成形できるので、例えば製造する長尺な面積が広いアグリボードの形状を得る凹型の金型に投入し、時間をかけて軽く加圧して形を整えた仮成形した後に、固化反応用の水を全量均一に上部より短時間に添加し、撹拌せずに直ちに凸型の押し面体で加圧保持するので、加圧力により水が凹型の金型の底部に向かって全域に流れて・供給され、破砕片外面に付着したと主固化材の酸化マグネシウムと副固化材のリン酸二水素カリウムが数分以内に全面に亘って同時に固化反応を開始でき、前記破砕片が高密度状態で固化処理が始まるので、高い接合強度を有するアグリボードを形成することができる効果が生じる。
本発明の第2実施形態に係る、湿潤固化材撹拌混合物の形成方法を説明する図。 本発明の第2実施形態に係る、湿潤固化材撹拌混合物を投入した凹型の金型の側方断面図。 本発明の第2実施形態に係る、湿潤固化材撹拌混合物を凸型の押し面体で加圧保持した金型の側方断面図。 本発明の第2実施形態に係る、固化処理した湿潤固化材撹拌混合物の天日乾燥処理の説明図。 本発明の第3実施形態に係る、湿潤固化材撹拌混合物を投入した凹型の金型の側方断面図。 本発明の第3実施形態に係る、湿潤固化材撹拌混合物を凸型の治具で加圧保持を開始した状態の金型の側方断面図。 本発明の第3実施形態に係る、副固化材の溶融水を固化材撹拌混合物に添加する状態の凹型の金型の側方断面図。 本発明の第3実施形態に係る、副固化材の溶融水を添加後の加圧保持状態の金型の側方断面図。 本発明の第3実施形態に係る、副固化材の溶融水を添加状態の凹型の金型の側方断面図。 本発明の第4実施形態に係る、固化材撹拌混合物を仮成形する金型の側方断面図。 本発明の第4実施形態に係る、仮成形体に溶解水を添加する状態の金型の側方断面図。 本発明の第4実施形態に係る、溶解水添加後の仮成形体を加圧保持する状態の金型の側方断面図。 本発明の第5実施形態に係る、加圧保持した湿潤アグリボードを強制乾燥する状態の金型の側方断面図。 本発明の第7実施形態に係る、湿潤固化材撹拌混合物の形成方法を説明する図。 本発明の第7実施形態に係る、固化材撹拌混合物の仮成形体の作成方法を説明する金型の側方断面図。 本発明の第7実施形態に係る、仮成形体に固着用の水を添加する状態を説明する金型の側方断面図。 本発明の第7実施形態に係る、湿潤固化材撹拌混合物を加圧保持する状態を説明する金型の側方断面図。 本発明の第8実施形態に係る、仮成形体に固着用の溶解水もしくは水を添加する状態を説明する金型の側方断面図。
<第1実施形態>
固化反応促進剤である副固化材のリン酸二水素カリウムが水に溶解する溶解時間を試験した。リン酸二水素カリウム50グラムを透明ペットボトル内の室温の水260グラムに溶解させる場合の溶解状況の試験結果を表1の状況写真に示す。溶解開始1分後のペットボトル底部に沈殿したリン酸二水素カリウムの外観写真を示す。沈殿厚さは目視で15mmであった。溶解開始後1時間後の外観写真では目視でかなりのリン酸二水素カリウム結晶が依然残留している。溶解開始後9時間後の外観写真では目視で約1mmのリン酸二水素カリウム結晶が残留している。溶解開始後10時間後でリン酸二水素カリウムは完全溶解し、外観写真では目視でリン酸二水素カリウム結晶は認められなかった。
本試験の結果、表中の室温条件でリン酸二水素カリウムを水に添加した後の経過時間と、底部の沈殿結晶の目視状況、沈殿結晶の外観写真より、リン酸二水素カリウムが水に完全に溶解する溶解時間は10時間程度必要であることが分かる。したがって、主固化材の酸化マグネシウムと副固化材のリン酸二水素カリウムの混合物に固化反応用の水を加えて混合する場合、リン酸二水素カリウム全量が主固化材の酸化マグネシウムと固化反応を完了するには、10時間程度が必要である。しかし、副固化材のリン酸二水素カリウムを固化反応用の水に混合し、予め10時間かけて完全溶解させた溶解水を使用すれば、植物由来の破砕片と主固化材である酸化マグネシウム粉末の均一撹拌混合物に前記溶解水を添加すれことにより、全量のリン酸二水素カリウムが酸化マグネシウムと直ちに化学反応を始め、短時間で固着化学反応を終了させることができる、植物由来の破砕片の固化材および形成方法を提供できる。
なお、表1の試験結果は溶解水をほぼ静止状態で行った試験であり、これは前記加圧保持状態では溶解水は室温で静止しており、これを模擬したものである。したがって、溶解水を機械的に振とうさせ、かつ加温すれば溶解時間はさらに短縮される。
<第2実施形態>
図1に示すように、植物由来の破砕片である例えばサトウキビの搾り粕であるバガス1と主固化材である酸化マグネシウム粉末2の均一撹拌混合物3に、副固化材であるリン酸二水素カリウムの完全溶解水4を添加して、急速に撹拌混合した均一湿潤撹拌混合物5は、撹拌後直ぐに図2に示すように加圧保持手段を構成する底板6を有する凹型の金型7に投入する。均一湿潤撹拌混合物5内ではすでに均一撹拌混合物3中の酸化マグネシウム粉末2と副固化材のリン酸二水素カリウムの完全溶解水4が接触し、すぐに化学反応して固化を始めるので、短時間内に加圧保持手段を構成する凹型の金型7に投入した後、図3に示すように短時間内に凸型の押し面体8で図中の矢印方向に加圧し、その加圧力を保持してバガス1が密着状態で固着反応が終了する数十分後に湿潤固着アグリボード9が形成、製造される。
湿潤固着アグリボード9は、主固化材の酸化マグネシウム粉末2と副固化材のリン酸二水素カリウムの固化化学反応は終了し、固着されたアグリボードが水を吸った状態と同じ状態となっている。すなわち、乾燥させて製造したアグリボードが、敷設された農耕地等で雨水を吸収した状態と同等である。
次に図4に示すように湿潤固着アグリボード9は金型から取り出され、加圧無しで、乾燥手段の1つである屋外での天日10の乾燥等で乾燥処理され、乾燥後の乾燥アグリボード11が製造される。この場合、天日の状態でも異なるが数日間の乾燥時間を要する。
本実施形態によれば、副固化材のリン酸二水素カリウムの溶解水を予め時間をかけて用意できるので、湿潤固着アグリボード9の固化処理時間を大幅に短縮でき、製造時間を短縮した低コストの植物由来の破砕片の固化材および形成方法を提供できる。
さらに本実施形態では、湿潤固着アグリボード9は金型から取り出され、加圧無しで、屋外での天日10の乾燥等で乾燥処理して乾燥アグリボード11が製造された場合について説明したが、加圧保持したままの状態で乾燥させても金型の隙間から水分の蒸発分は排出されるので、同様な効果が生じる。
<第3実施形態>
本発明になる他の実施形態を図5から図9に示す。図5に示すように、図1に示すバガス1と主固化材である酸化マグネシウム粉末2の均一撹拌混合物3を金型7内に投入し、図6に示すように押し面体8で軽く抑えながら均一な形を整えた仮成形体12を作製する。次に、溶解水添加手段である例えば、図7に示すように空気圧縮機13から供給される高圧ホース14内の圧縮空気でスプレーガン15内の溶解水4を、図中矢印方向に動かしながら、紙面奥方向にも噴霧状態で散布し、仮成形体12の大気開放の上面から均一に添加する。溶解水4を添加された仮成形体12は直ちに凸型の押し面体8で図8の矢印方向に加圧し、その加圧力を保持してバガス1が密着した状態で固着反応が終了する数十分後に湿潤固着アグリボード9が製造される。
本実施形態によれば、植物由来の破砕片と固化材の酸化マグネシウムを均一に撹拌混合して仮成形した撹拌混合物は、加圧圧縮前の破砕片間に空隙が多い状態であり、そこに前記溶解水を上部から均一に散布することにより、溶解水が前記空隙に染み込み、さらに押し面体8で加圧保持することにより、溶解水が破砕片間に滲みわたり、酸化マグネシウムと溶解水中のリン酸二水素カリウムイオンが一気に化学反応して、固化処理が進むので短時間で湿潤固着アグリボード9の固化処理が終了することができる。さらに、固化反応が開始する前に仮成形体12が得られるので、仮成形に時間を要する面積が広い大型の仮成形体が成形でき、大型のアグリボードを短時間にかつ強固に固化処理を終えることができる、植物由来の破砕片の固化材および形成方法を提供できる。
本実施形態では、溶解水4を散布するためにスプレーガン15を用いる場合について説明したが、スプレーガン15の代わりに他の溶解水添加手段である例えば、図9に示すように、円管16の内空間17に導通し一列に設けた複数の噴霧ノズル18の噴霧器19にポンプ27で加圧された溶解水4を管20で供給し、噴霧ノズル18から溶解水4を仮成形体12に供給し、この際、噴霧器19を固定し、仮成形体12を移動させて仮成形体12全面に散布するか、その逆でもよい。短時間の散布後、図8のように加圧保持することで、同様に大型のアグリボードを短時間に固化処理を終えることができる植物由来の破砕片の固化材および形成方法を提供できる。
また、本実施形態では室温の溶解水4を使用した場合について説明したが、温度を40℃以上に加温された溶解水を用いてもよい。この場合は、温度が高いため固着化学反応がさらに短時間で終了できるので、大型のアグリボードをさらに短時間に固化処理を終えることができる植物由来の破砕片の固化材および形成方法を提供できる。
<第4実施形態>
本発明になる他の実施形態を図10〜図12に示す本実施形態では、図1に示すバガス1と主固化材である酸化マグネシウム粉末2の均一撹拌混合物3を金型7内に投入し、図10に示すように加圧手段であるノズル付の押し面体21で軽く抑えながら均一な形を整えた仮成形体12を作製する。ここでノズル付の押し面体21には、幅広の空間22とこれに連通する多数の孔23を備え、空間22は加圧溶解水を供給する管24備えている。多数の孔23からの加圧溶解水の噴霧の範囲は仮成形体12の大気開放面をカバーしている。金型7はプレス底板25とプレス頂板26の間に設置され、プレス底板25とプレス頂板26を接近させながらノズル付の押し面体21を軽く抑えて、仮成形体12を作製する。
次に、図11に示すように、いったんプレス頂板26とノズル付押し面体21を上昇させ、管24から加圧溶解水を供給し孔23から噴射させて、仮成形体12の上面から適量の溶解水4を供給する。供給後、溶解水4の供給を停止し、直ちに図12に示すように、加圧保持手段を構成するプレス頂板26とノズル付の押し面体21を降下させ、加圧保持して湿潤固着アグリボード9を製造する。
本実施形態によれば、溶解水4の供給からノズル付の押し面体21による加圧保持するまでの処理をさらに短時間で行い、湿潤固着アグリボード9の固化処理が短時間で終了することができ、大型のアグリボードも短時間に固化処理を終えることができる植物由来の破砕片の固化材および形成方法を提供できる。
<第5実施形態>
本発明になる他の実施形態を図13に示す。本実施形態において、実施形態1と異なる点は、前記実施形態の図12に示した湿潤固着アグリボード9の上部に連通する、乾燥手段として、殺菌できる温度約60℃以上の加温加圧空気を供給する加温加圧空気発生装置28を備えたことである。実施形態1では、図3で加圧保持して固着した湿潤固着アグリボード9を、図4に示すように加圧解放して天日で時間をかけて乾燥し、乾燥アグリボード11を製造するのに対し、本実施形態では固着処理後に、前記加温加圧空気を導管29よりノズル付押し面体21に導入し孔23から湿潤固着アグリボード9内に供給する。湿潤固着アグリボード9の余分な水分を蒸発させた湿潤空気は金型の嵌合隙間から大気に排気され、殺菌された乾燥アグリボード11が短時間で製造される。したがって、大型のアグリボードもさらに短時間に乾燥処理を終えることができ、製造品の室温保管時にバガスに残存していたカビや昆虫の卵がふ化して幼虫等が発生し難い、植物由来の破砕片の固化材および形成方法を提供できる。
なお、前記乾燥処理時に加圧保持を開放し、金型7を若干上部に上昇させ底板6と湿潤固着アグリボード9間に隙間を設ければ前記湿潤空気はさらに排気され易くなり、さらに乾燥処理時間が短縮される。
また、本実施形態では乾燥手段として、温度約60℃の加温加圧空気発生装置28を備える場合について説明したが、代わりに温度約90℃の加温加圧蒸気発生装置を用いても良い。
また、上記の乾燥手段の代わりに、プレス手段を構成するプレス底板25とプレス頂板26の少なくとも一方に電気ヒータ(図示せず)を備え、温度を50℃以上に加温して、その熱で加圧保持手段を構成する底板6、金型7、押し面体8を通じて加熱し、殺菌して、乾燥したアグリボード11を得てもよい。
<第6実施形態>
本発明になる他の実施形態では、実施形態4で使用する副固化材であるリン酸二水素カリウムの溶解量を例えば前記実施形態の例えば、半分に低減した低濃度溶解水を用いる。本低濃度溶解水で第4実施形態と同様の処理作業で低濃度溶解水を添加すると、湿潤固着アグリボード9内の主固化材である酸化マグネシウムの約半分がリン酸二水素カリウムと化学反応できずに残留し、水との反応速度が遅い化学反応を開始する。残留した酸化マグネシウムの固化に約1日の養生期間が必要であるが、半分の酸化マグネシウムはリン酸二水素カリウムと化学固着反応が終了しており、加圧保持された破砕片の接触部の半分は固着状態にあり、半固着湿潤アグリボードとなる。
したがって、この状態で加圧保持を解除してもその接合密度は殆ど維持されているので、加圧保持を解除して約24時間乾燥せずに養生させ、その後天日もしくは強制乾燥させても、前記実施形態と同様の乾燥アグリアットを製造できる。したがって、本実施形態によれば、リン酸二水素カリウムを減量して乾燥アグリアットを製造できるので、低コストのアグリボードを提供できる。
<第7実施形態>
図14〜図17に本発明になる他の実施形態を示す。図14に示すように、バガス1と主固化材である酸化マグネシウム粉末2と副固化材であるリン酸二水素カリウム30の均一撹拌混合物31を作成する。均一撹拌混合物31は無水状態なので固化反応は生じない。図15に示すように、この均一撹拌混合物31を、凹型の金型7に投入し、凸型の押し面体21で図中の矢印方向に軽く加圧して仮成形した均一撹拌混合物32を形成する。その後、図16に示すように、いったんプレス頂板26とノズル付押し面体21を上昇させ、水加圧装置33から管34を通じて加圧水35を供給し孔23から適量噴射させて、仮成形体32の上面から供給する。供給後、加圧水の供給を停止し、直ちに図17に示すように、プレス頂板26とノズル付押し面体21を降下させ、加圧保持して湿潤固着アグリボード36を製造する。
本実施形態によれば、図16、図17の処理で初期の固化処理を数十分間以内に終了するので、その後は加圧保持を開放して約1日間の放置で残りの酸化マグネシウムとリン酸二水素カリウが全量固化化学反応を終了する。その後は、強制乾燥で乾燥アグリボードを製造できる。
したがって、本実施形態においてはリン酸二水素カリウ溶解水を準備せずに、大型の均一撹拌混合物32を作成できるので、大型のアグリボードの固化処理を短期間に終えることができる植物由来の破砕片の固化材および形成方法を同様に提供できる。
<第8実施形態>
図18に本発明になる他の実施形態を示す。本形態では、図18に示すように、金型7の内側に嵌合する、孔37を底部に均一な分布で有する溶解水添加手段である箱状の溶解水受け38に溶解水4を添加し、溶解水受け38の内側に嵌合する押し面体39を備える。まず、溶解水4添加前に溶解水受け38で軽く加圧して仮成形体40を作成し、その後いったん押し面体39を上昇させて溶解水4を溶解水受け38の内側に注ぎ、漏れ防止用の例えばゴム製の弾性シート41を配置し、再び押し面体39を降下させ溶解水4を前記孔37群から均等に仮形成体40上面に押し出して添加し、そのまま加圧保持して、湿潤固着アグリボードを製造し、固化処理を行う。弾性シート41を配置することで、溶解水受け38と押し面体39との隙間から溶解水4が上部に漏れることを防止し、溶解水4全量を仮成形体40に添加できる。
本実施形態によれば、簡単な構造の安価な溶解水受け38を用いることで、溶解水4の供給から溶解水受け38と押し面体39による加圧保持するまでの処理を短時間で行うことができるので、湿潤固着アグリボードの固化処理を短時間で終了することができ、さらに安価なアグリボードを製造できる、植物由来の破砕片の固化材および形成方法を提供できる。
以上説明したように、本発明によれば、植物由来の破砕片と主な固化材として無機塩類の例えば、酸化マグネシウムを使用する固化材の撹拌混合物に、副固化材のリン酸二水素カリウムの溶解水を添加して短時間に固化処理を終了できるので、製造期間を短縮し、安価で強固なアグリボードを製造する、植物由来の破砕片の固化材および形成方法を提供できる。さらに、固化処理後室温を超える加圧流体を前記湿潤撹拌混合物に供給できるので、乾燥時間がさらに短縮されたカビや昆虫等の発生がない良質なアグリボードが提供できる。
なお、以上説明した実施形態では、主固化材として無機塩類の例えば、酸化マグネシウムを、副固化材としてリン酸二水素カリウムの溶解水を使用した場合について説明したが、酸化マグネシウムとリン酸二水素カリウムの組合せ以外で、主固化材と副固化材と水の組合せで固化反応が促進する固化材を使用しても、同様な効果が生じる。
なお、以上説明した実施形態において、加圧手段、加圧保持手段、溶解水受けの材質は、木製、アルミニウム、ステンレス鋼およびプラスチック等の高分子材料であっても良い。
なお、以上説明した実施形態において、植物由来の破砕片として乾燥した破砕片を使用した場合において説明したが、主硬化材の酸化マグネシウムと混合するまえに、前記破砕片を1時間ほど水に漬けて吸水させた湿った破砕片を使用して固化材撹拌混合物としてもよい。この場合、次に前記溶解水を添加した際、リン酸二水素カリウムの溶解水が乾燥した破砕片内に吸収され、酸化マグネシウムと未反応のリン酸二水素カリウムが破砕片内に残存することを防止でき、破砕片表面に付着した酸化マグネシウムとリン酸二水素カリウムの全量が反応して固化処理を終了できるので、さらに強固なアグリボードを提供できる。
1・・・バガス、2・・・酸化マグネシウム粉末、3・・・均一撹拌混合物、4・・・溶解水、5・・・均一湿潤撹拌混合物、6・・・底板、7・・・金型、8・・・押し面体、9・・・湿潤固着アグリボード、11・・・乾燥アグリボード、12・・・仮成形体、13・・・空気圧縮機、14・・・高圧ホース、15・・・スプレーガン、16・・・円管、18・・・噴霧ノズル、19・・・噴霧器、21・・・ノズル付押し面体、21・・・下端拘束板、22・・・空間、23・・・孔、25・・・プレス底板、26・・・プレス頂板、28・・・加温加圧空気発生装置、29・・・導管、30・・・リン酸二水素カリウム、31・・・均一撹拌混合物、32・・・仮成形した均一撹拌混合物、33・・・水加圧装置、34・・・管、35・・・湿潤固着アグリボード、36・・・孔、37・・・溶解水受け、38・・・押し面体、39・・・仮形成体、40・・・弾性シート

Claims (12)

  1. 植物由来の破砕片の接合用の固化材であって、
    無機塩類の例えば、酸化マグネシウムの主固化材と、
    加水分解し前記無機塩と化学反応し固化反応を生じるリン酸二水素カリウムの350重量%(前記酸化マグネシウム重量基準)以下の副固化材と、
    水を前記破砕片に添加する
    ことを特徴とする植物由来の破砕片の固化材および形成方法。
  2. 植物由来の破砕片と
    前記破砕片の接合用の固化材としての無機塩類の例えば、酸化マグネシウムの主固化材と、
    加水分解し前記無機塩と化学反応し固化反応を生じるリン酸二水素カリウムの350重量%(前記酸化マグネシウム重量基準)以下の副固化材と水を添加して、
    撹拌混合した湿潤撹拌混合物を加圧保持して固化する加圧保持手段を備えた
    ことを特徴とする、植物由来の破砕片の固化材および形成方法。
  3. 植物由来の破砕片と接合用の固化材を、
    無機塩類の例えば、酸化マグネシウムの主固化材と、
    加水分解し前記無機塩と化学反応し固化反応を生じるリン酸二水素カリウムの副固化材を水に溶解した溶解水とする
    ことを特徴とする、植物由来の破砕片の固化材および形成方法。
  4. 植物由来の破砕片と無機塩類の例えば、酸化マグネシウムの主固化材を撹拌混合した固化材撹拌混合物に、
    加水分解し前記無機塩と化学反応し固化反応を生じるリン酸二水素カリウムの溶解した溶解水を添加し、
    加圧保持して固化する加圧保持手段を備えた
    ことを特徴とする、植物由来の破砕片の固化材および形成方法。
  5. 前記固化材撹拌混合物または湿潤撹拌混合物の少なくとも底面や側面の外部を防水シートで覆い加圧保持して固化する加圧保持手段を備えた
    ことを特徴とする、少なくとも特許請求項2〜4記載の植物由来の破砕片の固化材および形成方法。
  6. 前記固化材撹拌混合物に前記溶解水を添加する溶解水添加手段に孔を複数個有し、
    前記溶解水添加後、当該溶解水添加手段を退避し、
    当該湿潤撹拌混合物を加圧保持して固化する加圧保持手段を備えた
    ことを特徴とする、少なくとも特許請求項2〜5記載の植物由来の破砕片の固化材および形成方法。
  7. 前記固化材撹拌混合物に前記溶解水を添加する前記溶解水添加手段の
    少なくとも添加用の孔を前記加圧保持手段内に備え、
    前記溶解水を当該孔から添加した湿潤撹拌混合物を、
    当該加圧手段で加圧保持して固化する加圧保持手段を備えた
    ことを特徴とする、特許請求項4もしくは5記載の植物由来の破砕片の固化材および形成方法。
  8. 前記固化材撹拌混合物と前記溶解水の湿潤撹拌混合物を加圧保持した後、加温加圧流体を当該湿潤撹拌混合物内に供給する
    ことを特徴とする、少なくとも特許請求項2〜7記載の植物由来の破砕片の固化材および形成方法。
  9. 前記固化材撹拌混合物と前記溶解水の湿潤撹拌混合物を加圧保持した後、外気よりも湿度が低い加圧流体を当該湿潤撹拌混合物内に供給する、
    ことを特徴とする、少なくとも特許請求項2〜8記載の植物由来の破砕片の固化材および形成方法。
  10. 前記溶解水の湿潤撹拌混合物を加圧保持した後、90℃以上の加圧蒸気を当該湿潤撹拌混合物内に供給する、
    ことを特徴とする、少なくとも特許請求項2〜6記載の植物由来の破砕片の固化材および形成方法。
  11. 植物由来の破砕片と
    前記破砕片の接合用の固化材としての無機塩類の例えば、酸化マグネシウムの主固化材と、
    加水分解し前記無機塩と化学反応し固化反応を生じるリン酸二水素カリウムの350重量%(前記酸化マグネシウム重量基準)以下の副固化材を撹拌混合した撹拌混合物を所定の形に仮成形した仮成形体に、
    前記仮成形体に455重量%(前記リン酸二水素カリウム重量基準)以上の水を添加した湿潤撹拌混合物を、
    撹拌混合せずに加圧保持して固化する加圧保持手段を備えた
    ことを特徴とする、植物由来の破砕片の固化材および形成方法。
  12. 前記固化材撹拌混合物に前記溶解水を添加する溶解水添加手段として、
    前記固化材撹拌混合物の押し面に合わせ、底部に添加用の孔を備えた、前記溶解水を短時間留める箱状の溶解水保持手段と、
    当該溶解水保持手段の内側に嵌合する加圧手段を備え、
    当該加圧手段で加圧して前記溶解水を当該孔から前記固化材撹拌混合物に添加し、
    そのまま当該加圧手段で加圧保持する加圧保持手段を備えた
    ことを特徴とする、少なくとも特許請求項3〜5、8〜10記載の植物由来の破砕片の固化材および形成方法。
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