今日では、生理変数の侵襲的測定が、益々求められている。例えば、心臓血管の疾患を調べるとき、測定中の測定対象者の状態を評価する手段として、血圧および血流の局所測定値を得ることが強く求められる。したがって、患者の体内に、測定を実行すべき部位に小型センサーを配置し、その小型センサーと通信するための方法と機器とが、開発されてきた。一般に、小型センサーを技術的に広く知られているガイドワイヤの末端に配置して、例えば、冠動脈疾患の治療に関連して使用する。
ガイドワイヤの末端を患者の体内、例えば、大腿動脈の開口部内に挿入して所望の部位に置く。医者がガイドワイヤを一旦適切な部位に置くと、小型センサーは、血圧および血流の両方または一方の測定が可能になる。血圧測定は、狭窄度の深刻さなどを診断するための一つの方法である。さらに、適切なタイプのカテーテルをガイドワイヤで誘導できる。次に、バルーン拡張を実行できる。末梢の血圧(Pd)を測定するとき、センサーは狭窄部の末梢の血管に挿入する必要がある。明白な理由から、センサーおよびガイドワイヤのサイズは相当小さく、ガイドワイヤの直径は通常0.35mmである。
病院または診療所で狭窄度の深刻さを診断するとき、第1のセンサーの付いたカテーテルを患者の狭窄の可能性のある所(通常、蛍光透視法により視覚化)の近位部に挿入する。センサーを電気導線経由で中央監視機器に接続する。第1のセンサーを介して測定された血圧を含む、患者の生命維持の状態を監視するのに使用される中央監視機器は、カテラボモニターと呼ばれる。狭窄症の場合、血管は正常より狭くなっており、狭窄箇所で血流が妨げられている。血管の狭小化が血管造影図に見られたとき、狭窄部の近位部および遠位部の血圧差の程度を見極めるために冠血流予備量比(FFR)を測定することが推奨されている。
FFRは、Pd/Paで概算される。FFRは、狭窄部の近位部の圧力に対する狭窄部の遠位部の圧力の尺度である。このように、FFRは、狭窄のある所の血管血流を狭窄がないと推測される所の血管血流と比較して表したものである。他の生理パラメータをさらに測定して、カテラボモニターに伝送することも可能である。血管に大きな圧力低下があることが、FFR測定値で分かった場合、例えば、バルーンまたはステントで血管を広げる手段による、または冠状動脈バイパス手術による患者の治療が必要となる。
従来技術では、末梢の血圧を測定するために、大動脈血圧センサーを患者とカテラボモニターとから切り離す。このとき、第2のセンサーが(上述した)Pdを測定するのに用いられる。この第2のセンサーを患者の狭窄の可能性のある所の遠位部に挿入する。第2のセンサーと第1のセンサーとを、追加の機能性を有する小型で使いやすい監視機器に接続する。したがって、図3から分かるように、圧力信号を小型の監視機器304に接続し、その次にカテラボモニター305に中継する。
この方法には、欠点がある。例えば、稼働中のシステムに小型の監視機器を接続する場合、カテラボモニターに圧力信号を伝えているコネクタを切断し、小型の監視機器を介在させてカテラボモニターにコネクタを再接続することが必要になる。さらに、手動切断操作が明らかに冗長であることに加えて、圧力信号のコネクタの切断はモニターを再較正することを意味するもので、この手順は望ましくない。
本発明の目的は、従来技術における上述の問題を解決すること、または少なくとも緩和することである。
本発明により上記の目的は、請求項1に記載した特徴を備える本発明により達成される。好ましい実施態様を従属請求項に記載した。
この目的を達成するために、測定された患者の生理変数を取得するための傍受装置を提供する。傍受装置は、受信器と通信インタフェースとを含む。
傍受装置は、通常、大動脈の血圧Paを測定するために患者の体内に配置されように構成された第1のセンサーと、末梢の血圧Pdを測定するように構成された第2のセンサーとを含むシステムで利用される。さらに、システムは、測定された生理変数を監視するための中央監視機器と、センサーと中央監視機器との間で、測定された生理変数を示す信号をセンサーから中央監視機器へ伝達するための通信リンクとを含む。
傍受装置は、少なくとも大動脈の血圧を示す信号を傍受装置の受信器に伝達するために通信インタフェースを通信リンクに配置するように構成されている。さらに、傍受装置の受信器は、中央監視機器と並列に通信リンクに接続して、少なくとも1つの高インピーダンスの入力部を備えるように構成されている。大動脈の血圧Paを示す信号は、通信インタフェース経由で高インピーダンスの入力部に伝えられる。傍受装置の受信器は、さらに、測定された末梢の血圧Pdを示す信号を通信リンクから受信できるように構成されている。各センサーからの血圧信号を用いて、FFRを計算できる。
本発明は、中央監視機器、例えば、いわゆるカテラボモニターを適切な接続手段を用いてセンサーに直接接続できる点で有利である。接続された後、センサーと中央監視機器とはバランスをとられる。すなわち、正確な圧力基準レベルが測定システムに導入されるように、大動脈の血圧と末梢の血圧とは、それぞれゼロ点調整される。一旦、バランスをとられると、例えば、ラディアナライザ(登録商標)などの傍受装置を、傍受装置の受信器と通信インタフェースとで形成される高インピーダンスのインタフェースを介して、中央監視機器と並列に、センサーを中央監視機器に接続している通信リンクに接続できる。つまり、傍受受信器は、通信リンク上で「傍受」でき、したがって、圧力信号に顕著な影響を及ぼすことなく、測定された大動脈の血圧にアクセスして監視できる。従来技術では、第2の監視機器がセンサーと中央監視機器との間に接続されると直ちに、中央監視機器に圧力信号を伝えているコネクタを切り離して、第2の監視機器に接続しなければならない。その後、圧力信号は第2の監視機器から中央監視機器に伝えられる。この従来技術の手順では、さらにバランスをとるステップを行う必要がある。まず、センサーと第2の監視機器とのバランスをとり、次に、第2の監視機器と中央監視機器とのバランスをとる。
実施態様では、測定された大動脈圧力を示す信号を、有線接続を経由して中央監視機器へ、かつ通信インタフェースにより形成される無線接続を経由して傍受受信器へ伝送するように通信リンクを配置する。測定された末梢の血圧を示す信号を、中央監視機器へ有線か無線かのチャネルを使って伝達し、傍受受信器へは無線チャネルを使用して伝達するが、有線チャネルももちろん使用できる。明らかに、幾多の組合せが可能である。測定された血圧信号の一方または両方を、有線接続を使用して傍受受信器へ伝達することもまた想定できる。
末梢の血圧の信号は望ましくは無線チャネルを使って傍受受信器へ伝送する。一方、大動脈の血圧の信号を有線接続経由で傍受受信器へ伝送することも従来技術に対して依然として有利であるが、更なるケーブルの配置を回避するために、無線チャネルで傍受受信器へ伝送することが望ましい。
しかし、どんな特定の組み合わせであっても、傍受受信器は、傍受装置の高インピーダンスの通信インタフェースを介して中央監視機器へ並列に接続される。このように、有線および無線の両方または一方のチャネルを適切に使用することにより、中央監視機器は2つのセンサーに接続されてバランスをとられる。さらに、傍受受信器は、伝達された大動脈の血圧の信号に影響を及ぼすことなく、高インピーダンスのインタフェース経由で中央監視機器と並列に接続される。それゆえに、これらの実施態様では、較正やケーブルの再接続を含む必要なステップ数が低減される。傍受受信機を高インピーダンスの通信インタフェース経由で中央監視機器と並列に接続することで、明らかに、いくつかの従来技術における問題点が解決され得る。
更なる実施態様では、中央監視機器が、通信インタフェースに電力を供給する。更なる実施態様では、通信インタフェースは、電力供給用バッテリーを備える。さらに別の実施態様では、中央監視機器からバッテリーの充電ができる。
これらの実施態様では、ユーザーは、通信インタフェースの電力を考慮する必要がなく、容易に(無線または有線の)通信インタフェースを適切なコネクタを用いて大動脈のセンサーの機器と中央監視機器とに接続できる。ユーザーの観点から、電力供給は、完全に自動化される。より効果的な構成として、通信インタフェースをセンサーケーブルに事前搭載すると、ユーザーは、測定手順を開始しながら、そのケーブルを簡単かつ直接的に中央監視機器に接続できる。
傍受受信機を中央監視機器と並列に無線で通信リンクに接続することの更なる利点は、傍受受信器にケーブルを必要としないということである。
また、この特許明細書には、幾多の方法のステップまたは動作を記載する。
本発明の更なる特徴および利点は、添付の請求の範囲および以下の説明を検討すると、明白となるであろう。本発明のさまざまな特徴は、組み合わせることにより、以下に記載の実施態様以外の実施態様を作り出すことが可能であることは当業者には自明のことである。
本発明の好ましい実施形態を、添付の図面を参照しながら説明する。
従来技術では、ガイドワイヤにセンサーを取り付けること、および血圧または体温などの物理的パラメータを検出するために生体の血管内にガイドワイヤを介してセンサーを配置することが周知である。センサーは、直接または間接的にパラメータを感知する素子を含む。生理パラメータを測定するための様々な種類のセンサーを記述している多数の特許が、本譲受人に付与されている。例えば、米国特許第6,615,067号に記載されたように、温度は温度感知抵抗がある導体の抵抗を観察することにより測定できる。別の範例となるセンサーは、米国特許第6,167,763号および第6,615,667号に見ることができ、これらは、血流によりセンサーに圧力がかかり、センサーはその圧力を示す信号を出す。その中に記述されている、物理的パラメータを測定するための機器および方法を含むすべての機器および方法が、これらの米国特許を参照することにより本明細書中に取り込まれている。
センサーに電力を供給し、身体の外側に配置された、インタフェース機器として動作する制御ユニットに、測定された生理変数を示す信号を伝達するために、1本または複数本の信号送信用ケーブルが、センサーに接続されている。また、ケーブルは、血管からコネクタアセンブリを介して外部制御ユニットへ引き出されるために、ガイドワイヤに沿って通される。制御ユニットは、前述の信号変換器の機能を実行するように、すなわち、センサー信号をANSI/AAMI BP22−1994規格で認められているフォーマットに変換するように構成できる。そのうえ、ガイドワイヤは、通常、センサー用支持物として利用される中心金属線(芯線)を備えている。
図1は、ガイドワイヤに取り付けられた例示のセンサー、すなわち、センサーガイド構造物101を示す図である。説明のために、図中では、センサーガイド構造物を5つの部分102〜106に分けた。部分102は、最遠位部分、すなわち、血管の中に最も深く挿入される部分である。部分106は、最近位部分、すなわち、不図示の制御ユニットの最も近くに位置している部分である。部分102は、円弧状の先端107を備えた、例えば、白金製の放射線不透過性のコイル108を含む。白金コイルおよびその先端に、ステンレス中実金属ワイヤ109も取り付ける。部分102内の金属線は、細い円錐状先端を形成し、白金コイル108のための安全細線として機能する。部分102において金属ワイヤ109は、円弧状先端107に向けて徐々にテーパーが付けられているため、センサーガイド構造物の前方部分は、徐々により軟質となっている。
部分102と103との間の移行部分では、コイル108の下端が接着剤、代替的にはんだ付けによりワイヤ109に取り付けられて接合部110が形成されている。例えば、ポリイミドのような生体親和性材料で作られた細い外管111は、接合部110から始まり、部分106まで全長にわたって下方に伸びている。外管111は、センサーガイド構造物に対して摩擦の少ない滑らかな外面となるように、処理が施されている。金属ワイヤ109は部分103で著しく広げられ、この広げられた部分にスロット112が設けられてそこに、例えば、圧力計のようなセンサー素子114を配置されている。センサーが動作するためには電気エネルギーが必要となる。センサー素子114が取り付けられた金属ワイヤ109が広がっていることによって、鋭角に曲がる血管部分にてセンサー素子114にかかる応力が減少する。
センサー素子114からは、信号送信ケーブル116が設けられており、信号送信ケーブル116は、通常、1本または複数本の電気ケーブルを含む。信号送信ケーブル116はセンサー素子114から部分106の下方、本体の外側に位置するインタフェース機器(不図示)まで伸びている。電圧は信号送信ケーブル116(または複数のケーブル)を経由してセンサーに供給される。測定された生理変数を示す信号もまた、信号送信ケーブル116に沿って送信される。センサーガイド構造物の前方部分の良好な柔軟性を得るために、金属ワイヤ109は部分104の始端で実質的により細くなっている。センサーガイド構造物101を血管内に押し進め易くするために、部分104の終端および部分105の全体において、金属ワイヤ109はより太くなっている。部分106において、金属ワイヤ109を扱い易くするためにできるだけきめを粗くし、ここにスロット120を設けて、ケーブル116を、例えば、接着剤で取り付ける。
図1に示したようなガイドワイヤ201の使用状態を図2に模式的に示す。ガイドワイヤ201は患者225の大腿動脈内に挿入されている。ガイドワイヤ201およびセンサー214の体内での位置を点線で示す。ガイドワイヤ201、およびより詳細にはその電気送信ケーブル211もまた、ワニ口クリップコネクタや他の既知のコネクタなどの任意の好適な接続手段(不図示)を用いてケーブル211に接続されているワイヤ226を介して制御ユニット222に接続されている。ワイヤ226を、ガイドワイヤ201の取り扱いを容易にするために、できるだけ短くすることが望ましい。ワイヤ226を省略し、その結果、制御ユニット222を適切なコネクタを介して直接ケーブル211に取り付けることが望ましい。制御ユニット222は、ワイヤ226、ガイドワイヤ201のケーブル211、およびセンサー214を含む回路に電圧を供給する。さらに、測定された生理変数を示す信号をケーブル211を介してセンサー214から制御ユニット222へ伝送する。ガイドワイヤ201を導入する方法は、当業者にとって周知である。センサー214で測定された末梢の血圧を示す信号は、無線通信によるか、有線接続によるかのいずれかの方法で、制御ユニット222から1つ以上の監視機器に伝達されるが、ANSI/AAMI BP22−1994規格を用いることが望ましい。
制御ユニットからセンサーに供給する電圧は、交流(AC)または直流(DC)電圧とすることができる。一般に、AC電圧を印加する場合、調査対象の物理的パラメータを感知するために選択されたセンサーを駆動するために、AC電圧をDC電圧に変換する整流器を含む回路にセンサーを接続するのが普通である。
図3は、図1および2に関連して述べたセンサーを使って、今日FFRの測定がどのように行われているかを示した図である。第1のセンサー308(患者の体内に配置されていない)によって、既知の方法で大動脈の血圧Paを測定する。第2のセンサー309は、末梢の血圧Pdを測定するために患者301の体内に挿入される。末梢の血圧を伝えるためのチャネル302と大動脈の血圧を伝えるためのチャネル303とを含む通信リンクは、センサーと第2の監視機器304、例えば、ラディアナライザ(登録商標)との間に構成される。なお、当該技術分野では周知のとおり、ラディアナライザ(登録商標)は、一方または両方のセンサーから受信したデータを解析した後、データをユーザーに対して表示するために使用される。本発明の受信機能は、そのようなユニットに結びつけ、または組み込むことが可能である。第2の監視機器304から、それぞれのチャネルがカテラボモニターとも呼ばれる中央監視機器305に接続されている。一方または両方の監視機器で、2種類の圧力をPd/PaとしてFFRを計算するのに用いる。さて、前述したように、従来技術の方法には欠点がある。第2の小型の監視機器を稼働中のシステムに接続することは、圧力信号をカテラボモニターに伝えているコネクタを切断して、小型の監視器を介してこれらのコネクタをカテラボモニターに再接続することが必要になる。さらに、圧力信号のコネクタを切断することは、望ましくない手順である監視機器の再較正を意味する。最初に、第2の監視機器304を末梢の血圧のチャネル302に対して較正しなければならない。次に、第2の監視機器304を大動脈の血圧のチャネル303に対して較正しなければならない。最後に、第2の監視機器304と第1の監視機器305とのバランスをとらなければならないが、これは監視機器間に延びている両血圧のチャネル302、303のゼロ点調整をすることを意味する。これは、合計4つの較正/バランスステップとなる。
図4は、従来技術で言及した問題を緩和する本発明の実施形態を示した図である。図4では、末梢の血圧のチャネル402は、内蔵センサー409が患者401内で測定した信号を有線接続経由で制御ユニット406に伝える。制御ユニット406は、(以下で記述する)信号調整を実行して、末梢の血圧信号を傍受受信器404と中央監視機器405とに送信できる。別の実施形態では、信号調整は、傍受受信器404によって実行可能である。(そのような実施形態では、制御ユニット406の機能は、傍受受信器に組み込まれる。したがって、チャネル402は、患者から傍受受信器へ、次に、傍受受信器から中央監視機器405へと接続される)。適切な制御ユニットは、プレッシャワイヤ(登録商標)用のメスコネクタなどのセンサーガイドワイヤアセンブリ用のコネクタであるが、他の制御ユニットもまた使用可能である。このように、測定された末梢の血圧を示す信号を有線の末梢の血圧のチャネル402を使って傍受受信器404と中央監視機器405とに送信する。この特定の実施形態では、外部のセンサー408により測定された大動脈の血圧を示す信号を有線のチャネル403経由で傍受受信器404と中央監視機器405との両方に送信する。大動脈のチャネル403に沿った適切な位置、例えば、中央監視機器405の入力側に、傍受装置の有線通信のインタフェース407を配置する。傍受用のインタフェース407は、測定された大動脈の血圧を示す信号を傍受受信器404へ送信する。インタフェース407は、高インピーダンスの機器(例えば、抵抗器)を介してチャネル403内の導電体に電気的に取り付けることができる。あるいは、インタフェース407は、チャネル403内の導電体を通過する電気信号が作り出す、チャネル403近傍の磁場および電場の両方または一方を感知することによって、チャネル403内の電気信号を感知できる。傍受用のインタフェース407は、高インピーダンスの入力部を備えて配置されるので、傍受装置は、大動脈のチャネル403上に伝わる信号に影響を及ぼさない。このように、本実施形態の傍受装置を用いると、3つの較正/バランスステップしか必要としないので、傍受信号の較正は不要である。さらに、カテラボモニターが稼働中の場合、傍受監視機器(すなわち、通常、ラディアナライザ(登録商標))を中央監視機器(カテラボモニター)に接続するために、どの機器とも切断する必要がない。図4から分かるように、傍受受信器404は末梢のチャネル402と大動脈のチャネル403とを含む通信リンクに中央監視機器405と並列に接続される。これにより、医療関係者は、非常に操作が容易になる。
大動脈圧力のセンサー408を中央監視機器405に接続するための標準の通信ケーブル上に、有線通信のインタフェース407を事前に搭載することが望ましい。そのようなケーブルおよびコネクタは、当該技術分野では周知であるが、例えば、好適なコネクタおよび送信ユニットを含むアセンブリを準備することによって、そのようなケーブルに容易に接続できるように設計することも可能である。後者の場合、中央監視機器405への大動脈のチャネル403のコネクタを切断して、準備されたアセンブリを介して再接続する。そのような手順では、ケーブルの再接続が必要であるが、新たな較正は不要である。
図5は、従来技術で言及した問題を緩和する本発明の実施形態を示した図である。図5では、末梢の血圧のチャネル502は、内蔵のセンサー509が患者501内で測定した信号を有線接続経由で制御ユニット506に伝える。このように、測定された末梢の血圧を示す信号を有線の末梢の血圧のチャネル502を使って傍受受信器504と中央監視機器505とに送信する。この特定の実施形態では、外部のセンサー508が測定した大動脈の血圧を示す信号を有線のチャネル503経由で中央監視機器505に送信する。大動脈のチャネル503に沿った適切な位置、例えば、中央監視機器505の入力側に、本発明の傍受装置の無線通信のインタフェース507を配置する。無線の傍受用のインタフェース507は、測定された大動脈の血圧を示す信号を無線通信可能な傍受受信器504へ送信する。傍受用のインタフェース507は、高インピーダンスの入力部を備えるように構成されるので、傍受は、大動脈のチャネル503上に伝わる信号に影響を及ぼさない。このように、本実施形態の傍受装置を用いると、3つの較正/バランスステップしか必要としないので、傍受信号の較正は不要である。さらに、カテラボモニターが稼働中の場合、傍受受信器(すなわち、一般に、ラディアナライザ(登録商標))を中央監視機器(カテラボモニター)に接続するために、どんな切断もする必要がない。図5から分かるように、傍受監視機器504を、末梢のチャネル502と大動脈のチャネル503とを含む通信リンクに、中央監視機器505と並列に接続する。これにより、医療関係者は、非常に操作が容易になる。
図6は、従来技術で言及した問題を緩和する本発明の別の実施形態を示した図である。図6では、患者601の体内で内蔵センサー609が測定した信号を伝える末梢の血圧のチャネル602は、無線である。このチャネルは、ANSI/AAMI BP22−1994に準拠して送信する制御ユニット606によって有効にされる。適切な制御ユニットは、プレッシャーワイヤーエアリス(登録商標)用の制御ユニットであるが、他の制御ユニットを使用してもよい。このように、測定された末梢の血圧を示す信号を無線の末梢の血圧としてチャネル602を使って傍受受信器604と中央監視機器605とに送信する。それと同時に、この特定の実施形態では、外部センサー608が測定した大動脈の血圧を示す信号を有線のチャネル603経由で中央監視機器605に送信する。図6から分かるように、中央監視機器は、場合によっては中央監視機器入力に装着されたドングルを使って、制御ユニット606との通信に適合させられて無線通信可能である。大動脈チャネル603に沿った適切な位置、例えば、中央監視機器605の入力側に、本発明の傍受装置の無線通信のインタフェース607を配置する。無線の傍受用のインタフェース607は、測定された大動脈の血圧を示す信号を無線通信可能な傍受受信器604へ送信する。傍受用のインタフェース607は、高インピーダンスの入力部を備えるように構成されるので、傍受は、大動脈チャネル603上に伝わる信号に影響を及ぼさない。このように、本実施形態の傍受装置を用いると、3つの較正/バランスステップしか必要としないので、傍受信号の較正は不要である。さらに、カテラボモニターが稼働中の場合、傍受受信器(すなわち、一般に、ラディアナライザ(登録商標)を中央監視機器(カテラボモニター)に接続するために、どの機器も切断する必要がない。図6から分かるように、末梢のチャネル602と大動脈のチャネル603とを含む通信リンクに傍受受信器604を中央監視機器605と並列に接続する。これにより、医療関係者は、非常に操作が容易になる。
図7は、従来技術で言及した問題を緩和する本発明のさらなる実施形態を示した図である。図7では、患者701の体内で内蔵センサー709が測定した信号を伝える末梢の血圧のチャネル702は、無線である。このチャネルは、ANSI/AAMI BP22−1994に準拠して送信する制御ユニット706によって有効にされる。このように、測定された末梢の血圧を示す信号を末梢の血圧チャネル702の無線部分を使って傍受受信器704と中央監視機器705とに送信する。それと同時に、この特定の実施形態では、外部センサー708が測定した大動脈の血圧を示す信号を有線のチャネル703経由で中央監視機器705並びに傍受受信器704に送信する。大動脈のチャネル703に沿った適切な位置、例えば、中央監視機器705の入力側に、傍受装置の有線通信のインタフェース707を配置する。傍受用のインタフェース707は、測定された大動脈の血圧を示す信号を傍受受信器704へ送信する。傍受インタフェース707は、高インピーダンスの入力部を備えて配置されるので、傍受は、大動脈チャネル703上に伝わる信号に影響を及ぼさない。このように、本実施形態の傍受装置を用いると、3つの較正/バランスステップしか必要としないので、傍受信号の較正は不要である。さらに、カテラボモニターが稼働中の場合、傍受受信器を中央監視機器に接続するために、どんな切断もする必要がない。図7から分かるように、末梢のチャネル702と大動脈のチャネル703とを含む通信リンクに傍受受信器704を中央監視機器705と並列に接続する。これにより、医療関係者は、非常に操作が容易になる。
図4〜図7に示した本発明の実施形態では、通信インタフェースには、中央監視機器からの電源を供給することができる。したがって、医療関係者は、通信インタフェースが配置されているケーブルを中央監視機器に接続できるので、通信インタフェースに外部電源をつなぐことを考えずに済む。あるいは、通信インタフェースを電源用バッテリーとともに配置する。さらに、中央監視機器により充電できる充電式バッテリーとともに通信インタフェースを配置してもよい。
図8は、従来技術で言及した問題を緩和する本発明のさらに追加的な実施形態を示した図である。図8では、患者801の体内で内蔵センサー809により測定された信号を伝える末梢の血圧のチャネル802は、無線であり、ANSI/AAMI BP22−1994に準拠して送信する制御ユニット806によって有効にされる。このように、末梢の血圧のチャネル802の無線部分を使って、測定された末梢の血圧を示す信号を、傍受受信器804と中央監視機器805とに送信する。特定の実施形態では、大動脈のチャネル803の無線部分を使って、外部のセンサー808で測定された大動脈の血圧を示す信号を、傍受受信器804と中央監視機器805とに送信する。大動脈のチャネル803に沿った適切な位置に、傍受装置の無線通信のインタフェース807を配置する。無線の傍受用のインタフェース807は、測定された大動脈の血圧を示す信号を、無線通信可能な傍受受信器804および同じく無線通信可能な中央監視機器805へ送信する。傍受受信器および中央監視機器はそれぞれ、それぞれの入力部に装着されたドングルを使い、通信用のインタフェース807との無線通信に適合させることができる。傍受インタフェース807は、高インピーダンスの入力部を備えるように設けられるので、傍受は、大動脈のチャネル803上に伝わる信号に影響を及ぼさない。このように、本実施形態の傍受装置を用いると、繰り返すが、3つの較正/バランスステップのみを必要とするので、傍受信号を較正する必要はない。さらに、前述したように、カテラボモニターが稼働中の場合、傍受受信器を中央監視機器に接続するために、どの機器も接続を切る必要がない。図8から分かるように、末梢のチャネル802と大動脈のチャネル803とを含む通信リンクに傍受受信器804が接続され、中央監視機器805が並列に接続される。これにより、医療関係者は、非常に操作が容易になる。
患者の体内に挿入されるセンサーが、実際に現在はそうであるように、FFR測定に関連して使用されるカテラボモニターや他の設備によって使用される通信規格と互換性がない場合、変換された信号、すなわち、信号変換ユニットの出力が、使用される通信規格に準拠するように、末梢の血圧信号を、通信リンクの末梢の血圧のチャネルに配置された信号変換ユニットによって変換する。このことは上述したが、このタイプの設備で使用される規格は、通常、ANSI/AAMI BP22−1994である。信号変換ユニットは、通常、ガイドワイヤコネクタに設けられる。
このように、末梢の血圧を示す測定信号を受信するためには、有線か無線かのいずれかによって、通常、傍受受信器を信号変換ユニットに接続する。これは、較正を必要とする。大動脈の血圧の場合、傍受受信器を傍受用のインタフェースへの高インピーダンスの入力部を介して通信リンクの大動脈の血圧のチャネルに接続し、それによって、傍受受信器は、大動脈の血圧のチャネルの傍受が可能になる。傍受は、較正を必要としない。
将来的に、患者の体内に挿入されるセンサーが、FFR測定に関連して使用されるカテラボモニターや他の設備により使用される通信規格と互換性を持つようになった場合、末梢の血圧信号を信号変換ユニットによって変換する必要はなくなる。そのような場合には、傍受受信器を、有線接続か無線接続かのどちらかによって、それぞれの高インピーダンスの入力部を介して大動脈の血圧のチャネルと末梢の血圧のチャネルとの両方に接続できる。したがって、傍受装置の受信器は、大動脈の血圧のチャネルと末梢の血圧のチャネルとを傍受することが可能になる。繰り返すが、傍受は、較正を必要としない。そのような構成により、本発明の傍受装置は、2つの較正ステップ、すなわち、中央監視機器に対する末梢の血圧のチャネルと大動脈の血圧のチャネルとの較正しか必要としないであろう。
本発明の特定の範例となる実施形態に関して説明してきたが、多くの様々な変更や修正などが、当業者には明らかとなるであろう。したがって、記載した実施形態は、添付の特許請求の範囲によって定義した本発明の範囲を制限するものではない。