JP2021017711A - 作業機械 - Google Patents

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展弘 福尾
Nobuhiro Fukuo
展弘 福尾
山▲崎▼ 洋一郎
Yoichiro Yamazaki
洋一郎 山▲崎▼
耕治 山下
Koji Yamashita
耕治 山下
佑介 上村
Yusuke Kamimura
佑介 上村
徳雄 高木
Norio Takagi
徳雄 高木
高幸 飯野
Takayuki Iino
高幸 飯野
快右 曽我
Kaisuke Soga
快右 曽我
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Abstract

【課題】運搬物を運搬するために必要な作業を減らし、アタッチメントが検出部に接触することを抑制する。【解決手段】先端アタッチメント30は、回転装置31と、把持装置33と、検出部45と、を備える。把持装置33は、回転装置31に取り付けられ、回転装置31の作動により基端側アタッチメント23に対して回転可能である。検出部45は、把持装置33に把持された運搬物11の座標および姿勢を検出するためのものである。コントローラ(80)は、検出部45を用いて検出された値に基づいて、目標位置(P1)に対する検出位置(P2)の偏差である位置偏差を演算する。【選択図】図2

Description

本発明は、運搬物を運搬する作業機械に関する。
例えば特許文献1に、作業機械により運搬物を目標位置に運搬するための技術が記載されている。同文献に記載の技術では、運搬物の位置を検出するための検出装置(同文献におけるプリズム付きブラケット)が、運搬物に取り付けられる。そして、運搬物が、作業機械により吊り上げられた状態で運搬される。
特開2017−25633号公報
同文献に記載の技術では、運搬物を運搬するのに必要な作業が多く、手間がかかる。具体的には、運搬物に検出装置を着脱する作業が必要である。また、運搬物(吊り荷)の位置を、介錯ロープなどを用いて操作する作業が必要である。また、同文献に記載の技術では、作業機械の誤操作により、作業機械のアタッチメントが検出装置に接触し、検出装置が破損するおそれがある。
そこで、本発明は、運搬物を運搬するために必要な作業を減らすことができ、アタッチメントが検出部に接触することを抑制できる、作業機械を提供することを目的とする。
作業機械は、作業機械本体と、前記作業機械本体に取り付けられたアタッチメントと、コントローラと、を備える。前記アタッチメントは、前記作業機械本体に取り付けられた基端側アタッチメントと、前記基端側アタッチメントの先端部に取り付けられた先端アタッチメントと、を備える。前記先端アタッチメントは、回転装置と、把持装置と、検出部と、を備える。前記回転装置は、前記基端側アタッチメントの先端部に取り付けられたものである。前記把持装置は、前記回転装置に取り付けられ、前記回転装置の作動により前記基端側アタッチメントに対して回転可能であり、運搬物を把持する。前記検出部は、前記把持装置に把持された前記運搬物の座標および姿勢を検出するためのものである。前記コントローラには、前記運搬物の目標位置の情報が設定される。前記コントローラは、前記検出部を用いて検出された値に基づいて前記運搬物の現在の位置である検出位置を演算し、前記目標位置に対する前記検出位置の偏差である位置偏差を演算する。
上記構成により、運搬物を運搬するために必要な作業を減らすことができ、アタッチメントが検出部に接触することを抑制できる。
運搬システム1を上から見た図である。 図1に示す作業機械20などを横から見た図である。 図1に示す運搬システム1のブロック図である。 図2に示す運搬物11および先端アタッチメント30を示す斜視図である。 図4に示す治具40などを示す斜視図である。 図2に示す運搬物11および治具40を上側Z1から見た図であり、検出部45の構成例1を示す図である。 図6に示す運搬物11および治具40を幅方向Yから見た図である。 図6に示す運搬物11および治具40を前後方向Xから見た図である。 図6相当図であり、図6に示す検出部45の構成例2を示す図である。 図6相当図であり、図6に示す検出部45の構成例3を示す図である。 図5に示す治具40の先端表示部90tを示す斜視図である。 図2に示す作業機械20などを上から見た図であり、制御実行領域A1を示す図である。
図1〜図12を参照して、図1に示す作業機械20を含む運搬システム1について説明する。
運搬システム1は、目標位置P1に運搬物11を運搬するためのシステムである。運搬システム1は、運搬物11と、トータルステーション15と、作業機械20と、表示部90と、を備える。
運搬物11は、図2に示すように、作業機械20に運搬される物(運搬対象物、構造物)である。運搬物11は、例えば、道路、駐車場、住宅などに設けられる構造物などである。運搬物11は、例えばコンクリート製などであり、例えばプレキャスト材などであり、例えばU字溝などである。図4に示すように、運搬物11の配置の基準となる線を、基準線11aとする。基準線11aは、運搬物11の長手方向に延びる線であり、運搬物11の幅方向Y(方向については後述)における中央部を通る線である。基準線11aは、例えば、運搬物11の底部(下側Z2部分)を通ってもよく、運搬物11の高さ方向Zにおける中央部を通ってもよい。なお、運搬物11の配置の基準は、様々に設定されてよい。例えば、運搬物11の幅方向Yに延びる線が、運搬物11の配置の基準となる線として設定されてもよい。例えば、運搬物11の特定の一点が、基準点として設定されてもよい。
(方向)
図5に示す運搬物11に関する方向、および、運搬物11に取り付けられる治具40に関する方向を、次のように定義する。基準線11aが延びる方向(例えば運搬物11の長手方向)を、前後方向Xとする。前後方向Xにおける一方側を前側X1とし、その逆側を後側X2とする。基準線11aに直交する方向であって、運搬物11が水平面に置かれた場合に水平方向となる方向を、幅方向Yとする。図6に示すように、幅方向Yにおいて、運搬物11の幅方向Y中央に近付く側を幅方向内側Yiとし、運搬物11の幅方向Y中央から遠ざかる側を幅方向外側Yoとする。幅方向Yにおいて、前側X1を向いたときの右を右側Yrとし、前側X1を向いたときの左を左側Ylとする。図5に示すように、前後方向Xおよび幅方向Yのそれぞれに直交する方向を、高さ方向Zとする。高さ方向Zにおいて、運搬物11が水平面に置かれた場合に上となる側を上側Z1とし、その逆側を下側Z2とする。
電子タグ13は、図7に示す運搬物11の情報を記憶および送信する。電子タグ13は、運搬物11に設けられる。電子タグ13は、運搬物11に埋め込まれてもよく、運搬物11に貼り付けられてもよい。電子タグ13は、例えばRFID(Radio Frequency Identifier)タグなどである。
トータルステーション15は、図1に示すプリズム45a(後述)の位置を検出する装置である。トータルステーション15は、トータルステーション15からプリズム45aまでの距離、および、トータルステーション15に対するプリズム45aの方向を検出する。トータルステーション15は、プリズム45aを自動的に追尾し続ける機能(自動追尾機能)を有する。トータルステーション15の座標(機械点)は、2か所の測量基準点16(既知の座標)を基準として、後方交会法により求められる。これにより、トータルステーション15の座標が、作業現場の座標系に関連付けられる。
(運搬物11の位置)
作業現場の座標系(測量基準点16に関連付けられた3次元座標系)における運搬物11の位置を、単に「運搬物11の位置」などという。「運搬物11の位置」には、運搬物11の座標と、運搬物11の姿勢と、が含まれる。運搬物11の座標は、作業現場の座標系における、運搬物11の位置を示す座標(位置座標)である。運搬物11の姿勢は、作業現場の座標系における運搬物11の回転角度である。運搬物11の姿勢は、水平面に対する運搬物11の傾斜(傾斜の角度、傾斜の向き)と、上から見たときの運搬物11の向き(例えば基準線11aの向き)と、を含む。例えば、運搬物11の姿勢は、ヨー方向、ピッチ方向、およびロール方向のそれぞれの方向における角度(ヨー角、ピッチ角、ロール角)で示される。図4に示す運搬物11の高さ方向Zに延びる軸回りの運搬物11の回転方向をヨー方向、幅方向Yに延びる軸回りの運搬物11の回転方向をピッチ方向、前後方向Xに延びる軸回りの運搬物11の回転方向をロール方向とする。
作業機械20は、図2に示すように、運搬物11を運搬する作業を行う機械である。作業機械20は、例えば建設作業を行う建設機械であり、例えばショベルなどである。作業機械20は、作業機械本体21と、アタッチメント22と、図3に示すセンサ類50と、操作ガイダンス部61と、駆動部63と、コントローラ80と、を備える。
作業機械本体21(機体)は、図2に示すように、下部走行体21aと、上部旋回体21bと、を備える。下部走行体21aは、作業機械20を走行させる。上部旋回体21bは、下部走行体21aに旋回可能に搭載される。
アタッチメント22(作業アタッチメント)は、運搬物11を運搬する作業(運搬作業)を行う装置である。アタッチメント22は、作業機械本体21に取り付けられ、上部旋回体21bに取り付けられる。アタッチメント22は、基端側アタッチメント23と、先端アタッチメント30と、を備える。
基端側アタッチメント23は、アタッチメント22のうち、基端側(上部旋回体21bに取り付けられる側)に配置される部分である。基端側アタッチメント23は、ブーム23aと、アーム23bと、を備える。ブーム23aは、上部旋回体21bに起伏可能(上下に回転可能)に取り付けられる。上部旋回体21bに対するブーム23aの回転軸が延びる方向を、「横方向」とする。アーム23bは、ブーム23aに、横方向に延びる回転軸を中心に回転可能に取り付けられる。
先端アタッチメント30は、基端側アタッチメント23の先端部(上記「基端側」とは反対側の部分)に取り付けられ、アーム23bの先端部に取り付けられる。先端アタッチメント30は、アタッチメント22の先端部に配置される。先端アタッチメント30は、回転装置31と、把持装置33と、を備える。
回転装置31(チルトローテータ)は、基端側アタッチメント23の先端部に取り付けられ、アーム23bの先端部に取り付けられる。回転装置31は、アーム23bに対して把持装置33を回転(例えば任意の方向に回転)させる。回転装置31は、アーム23bに対して、互いに直交する3軸を中心に把持装置33を回転させる。回転装置31は、取付部31aと、チルト部31bと、回転部31cと、を備える。取付部31aは、横方向に延びる回転軸を中心に回転可能にアーム23bに取り付けられる。チルト部31bは、取付部31aに回転可能に取り付けられる。チルト部31bは、アーム23bの長手方向に対して横方向に傾くように、アーム23bに対して回転(チルト動作)可能である(図4参照)。回転部31cは、チルト部31bに回転可能に取り付けられる。回転部31cは、チルト部31bの中心軸を中心に、チルト部31bに対して回転(ローテート動作)可能である(図4参照)。その結果、回転部31cは、アーム23bに対して、互いに直交する3軸を中心に回転可能である。
把持装置33は、運搬物11を把持する。把持装置33は、回転装置31に取り付けられる。把持装置33は、回転装置31の作動により、基端側アタッチメント23(さらに詳しくはアーム23b)に対して回転可能(例えば任意の方向に回転可能)である。把持装置33は、アーム23bに対する取付部31aの回転、取付部31aに対するチルト部31bの回転(チルト動作)、およびチルト部31bに対する回転部31cの回転(ローテート動作)のそれぞれに連動する。図4に示すように、把持装置33は、把持装置基部33aと、把持部33bと、を備える。把持装置基部33aは、回転部31cに固定される。把持部33bは、運搬物11に接触し、運搬物11を把持する部分である。例えば、把持部33bは、2つ設けられる。2つの把持部33b・33bは、把持装置基部33aに対して開閉(回転)し、幅方向外側Yoから挟むように運搬物11を把持する(掴む)。なお、把持部33bは、運搬物11の内側から運搬物11を押し拡げる(伸張する、突っ張る)ように運搬物11を把持してもよい(図示なし)。以下では、運搬物11が把持部33bに把持された状態(図2参照)について説明する。
治具40は、運搬物11に取り付けられる装置である。治具40は、フレーム部41と、図6に示す位置決め部43と、検出部45と、読取装置47と、を備える。
フレーム部41は、図5に示すように、運搬物11に取り付け(接触)可能である。フレーム部41は、運搬物11の、例えば上側Z1部分に取り付け可能である。フレーム部41は、検出部45を支持する。フレーム部41は、フレーム本体部41aと、幅方向ストッパ部41bと、前後方向ストッパ部41cと、を備える。
フレーム本体部41aは、図4に示すように、把持装置基部33aに固定される。フレーム本体部41aは、把持装置基部33aに直接固定されてもよく、回転部31cに固定される結果として把持装置基部33aに対して固定されてもよい。フレーム本体部41aは、例えば板状などであり、直方体状などでもよい。フレーム本体部41aは、把持装置基部33aに対して前後方向Xに突出する。フレーム本体部41aは、把持装置基部33aから、前側X1および後側X2の少なくともいずれかに突出する。フレーム本体部41aは、例えば前側X1および後側X2のそれぞれに突出する。この場合、フレーム本体部41aは、把持装置基部33aから前側X1に突出する前側フレーム本体部41a1と、把持装置基部33aから後側X2に突出する後側フレーム本体部41a2と、を備える。
幅方向ストッパ部41bは、図5に示すように、運搬物11に対する治具40の幅方向Yの移動を制限する。図6に示すように、幅方向ストッパ部41bは、運搬物11の幅方向外側Yoの面に接触可能(例えば面接触可能)である。幅方向ストッパ部41bは、運搬物11の幅方向外側Yoの両面(左側Ylおよび右側Yrの面)のうち一方の面(例えば左側Ylの面)に接触する。運搬物11の幅方向外側Yoの他方の面(例えば右側Yrの面)に接触する幅方向ストッパ部41bは、設けられてもよく、設けられなくてもよい。図5に示すように、幅方向ストッパ部41bは、フレーム本体部41aの幅方向外側Yo部分から下側Z2に突出する。幅方向ストッパ部41bは、例えば板状などである。幅方向ストッパ部41bは、フレーム本体部41aに対して固定される。幅方向ストッパ部41bは、前側フレーム本体部41a1に固定されてもよく、後側フレーム本体部41a2に固定されてもよい(図示なし)。
前後方向ストッパ部41cは、運搬物11に対する治具40の前後方向Xの移動を制限する。図6に示すように、前後方向ストッパ部41cは、運搬物11の前側X1の面(前後方向Xの一方側の面)に接触可能である。前後方向ストッパ部41cは、前側フレーム本体部41a1の前側X1端部に設けられる。運搬物11の後側X2の面(前後方向Xの他方側の面)に接触可能な前後方向ストッパ部41c(図示なし)は、設けられてもよく、設けられなくてもよい。図7に示すように、前後方向ストッパ部41cは、フレーム本体部41aの前後方向Xの外側部分(具体的には前側X1部分)から下側Z2に突出する。前後方向ストッパ部41cは、例えば板状などである。前後方向ストッパ部41cは、フレーム本体部41aに対して固定される。
位置決め部43は、図5に示す把持装置33に対する、運搬物11(さらに詳しくは把持装置33に把持された運搬物11)の相対位置を位置決めする。位置決め部43(図6参照)は、把持装置基部33aに対する運搬物11の相対位置を位置決めする。位置決め部43(図6参照)は、フレーム部41に対する運搬物11の相対位置を位置決めする。位置決め部43は、基準線位置決め部43bと、長手方向位置決め部43cと、を備える。
基準線位置決め部43b(図8参照)は、把持装置33に対する、把持装置33に把持された運搬物11の基準線11aの相対位置を位置決めする。図8に示すように、基準線位置決め部43bは、治具40に対する、運搬物11の基準線11aの相対位置を位置決めする。基準線位置決め部43bは、治具40と基準線11aとの相対位置が所定の許容範囲に収まるようにする。基準線位置決め部43bは、具体的には例えば、運搬物11の上側Z1の面に接触するフレーム本体部41aの下側Z2の面と、運搬物11の幅方向外側Yoの面に接触する幅方向ストッパ部41bの幅方向内側Yiの面と、により構成される。フレーム本体部41aの下側Z2の面は、治具40に対する基準線11aの、高さ方向Zにおける位置決めを行う。幅方向ストッパ部41bの幅方向内側Yiの面は、治具40に対する基準線11aの、幅方向Yおける位置決めを行う。
長手方向位置決め部43c(図6参照)は、図5に示す把持装置33に対する、把持装置33に把持された運搬物11の相対位置であって、運搬物11の長手方向(前後方向X)における相対位置を位置決めする。図6に示すように、長手方向位置決め部43cは、前後方向Xにおける、治具40に対する運搬物11の相対位置を位置決めする。長手方向位置決め部43cは、治具40と運搬物11との前後方向Xにおける相対位置が所定の許容範囲に収まるようにする。長手方向位置決め部43cは、具体的には例えば、運搬物11の前側X1の面に接触する前後方向ストッパ部41cの後側X2の面により構成される。
検出部45は、図5に示すように、把持装置33に把持された運搬物11の位置(座標および姿勢)を検出するための部分である。検出部45は、先端アタッチメント30の一部である(先端アタッチメント30に搭載される)。検出部45は、把持装置基部33aと一体的に設けられ、把持装置基部33aの移動に連動する。検出部45は、フレーム部41に設けられ、フレーム部41に固定される。検出部45は、フレーム部41の上側Z1の面に取り付けられる。検出部45は、プリズム45aを備え、角度センサ45bを備える場合がある。プリズム45a(視準プリズム)の座標は、トータルステーション15(図1参照)により検出される。なお、トータルステーション15を、検出部45の一部としてもよい。角度センサ45bは、運搬物11の姿勢を検出する。フレーム部41におけるプリズム45aの位置、およびプリズム45aの個数によって、角度センサ45bが必要であるか否かが相違し、角度センサ45bが回転角度を検出する必要のある軸の数が相違する。検出部45は、具体的には例えば、次の[構成例1]〜[構成例3]のように構成される。
[構成例1]図6に示すように、構成例1(検出部45−1)では、プリズム45aが2個設けられる。2個のプリズム45aは、前後方向Xに互いに離れた位置(ずれた位置)に配置される。2個のプリズム45aの幅方向Yにおける位置は同じである。すなわち、上側Z1から見たとき、2個のプリズム45aは、前後方向Xに延びる線(例えば基準線11a)を通る。この場合、2個のプリズム45aの座標に基づいて、運搬物11のヨー角およびピッチ角を算出することができる。一方、2個のプリズム45aの座標からは、運搬物11のロール角(前後方向Xに延びる軸回りの回転角度)を算出することができない。そこで、角度センサ45bは、1軸(具体的には運搬物11のロール角)の回転角度を検出する必要がある。
プリズム45aが2個設けられる場合、2個のプリズム45aが、前側フレーム本体部41a1および後側フレーム本体部41a2のいずれか一方のみに配置されてもよい。また、図5に示すように、2個のプリズム45aが、前側フレーム本体部41a1と後側フレーム本体部41a2とに分かれて配置されてもよい。
[構成例2]図9に示すように、構成例2(検出部45−2)では、プリズム45aが2個設けられる。2個のプリズム45aは、前後方向Xに互いに離れた位置に配置され、かつ、幅方向Yに互いに離れた位置に配置される。この場合、2個のプリズム45aの座標に基づいて、運搬物11のヨー角、ピッチ角、およびロール角を算出することができる。そのため、この例では、角度センサ45b(図6参照)は不要である。なお、図9および図10では、図6に示す幅方向ストッパ部41bおよび前後方向ストッパ部41cの図示を省略している。
[構成例3]図10に示すように、構成例3(検出部45−3)では、プリズム45aが1個設けられる。このプリズム45aは、運搬物11に対する相対位置が既知の位置(例えば、高さ方向Zから見て運搬物11の中央の位置など)に配置される。この場合、プリズム45aの座標からは、運搬物11の姿勢を算出することはできない。そこで、角度センサ45bは、3軸、具体的には運搬物11のヨー角、ピッチ角、およびロール角を検出する必要がある。
なお、検出部45は、運搬物11の座標および姿勢を検出できれば、上記の[構成例1]〜[構成例3]以外の構成でもよい。また、運搬物11の種類や形状などによっては、座標(x軸、y軸、z軸)および姿勢(ヨー角、ピッチ角、ロール角)のうちの一部の情報のみが検出部45により検出できてもよい。具体的には例えば、運搬物11が円筒状の場合など、運搬物11を任意のロール角で配置してよい場合は、検出部45でロール角を検出できなくてもよい。
読取装置47は、図7に示すように、運搬物11の情報(後述)を、電子タグ13から読み取り、コントローラ80(図3参照)に送信する。読取装置47は、フレーム部41に設けられる。読取装置47は、アンテナなどを備える。読取装置47のアンテナは、例えば、フレーム部41の面であって電子タグ13を向いた面(具体的には下側Z2の面)に設けられる。
センサ類50(図3参照)は、図2に示す作業機械20に関する状態を検出する。図3に示すように、センサ類50は、機械位置検出部51と、姿勢検出部53と、を備える。
機械位置検出部51は、図2に示す作業機械本体21の位置(座標、方向)を検出し、さらに詳しくは上部旋回体21bの位置を検出する。機械位置検出部51は、作業現場の座標系における作業機械本体21の位置を検出する。機械位置検出部51は、衛星測位システム(例えばGNSS(Global Navigation Satellite System))を用いたものでもよく、トータルステーション15とは別に設けられるトータルステーションを用いたものでもよい。
姿勢検出部53(図3参照)は、アタッチメント22の姿勢を検出する。姿勢検出部53に検出されるアタッチメント22の姿勢は、作業機械本体21に対する、把持装置33の位置(運搬物11の位置)の演算に用いられる。図3に示す姿勢検出部53は、例えば角度センサなどを備える。具体的には、姿勢検出部53は、ブーム角度センサ53aと、アーム角度センサ53bと、先端アタッチメント角度センサ53cと、を備える。ブーム角度センサ53aは、図2に示す上部旋回体21bに対するブーム23aの回転角度(起伏角度)を検出する。アーム角度センサ53b(図3参照)は、ブーム23aに対するアーム23bの回転角度を検出する。先端アタッチメント角度センサ53c(図3参照)は、アーム23bに対する先端アタッチメント30の(取付部31aの)回転角度を検出する。先端アタッチメント角度センサ53c(図3参照)は、アーム23bに対するチルト部31bの回転角度、および、チルト部31bに対する回転部31cの(把持装置基部33aの)回転角度を検出する。
操作ガイダンス部61(図3参照)は、ガイダンスを出力することで、作業機械20の操作者(機械オペレータ)が行うべき操作を示す(指示する)。操作ガイダンス部61は、運搬物11を目標位置P1(図1参照)に運搬させるように、ガイダンスを行う(詳細は後述)。操作ガイダンス部61は、光によるガイダンスを出力してもよく、音声によるガイダンスを表示してもよい。光によるガイダンスは、画面表示によるものでもよく、LED(light emitting diode)ライトなどのライトによるものでもよい。具体的には例えば、操作ガイダンス部61は、アーム23bを押し側に操作すべき旨を出力する場合、「アームを押してください」という表示や音声出力を行う。
駆動部63(図3参照)は、作業機械20を駆動させる部分である。駆動部63は、例えば油圧回路を備えてもよく、電気回路を備えてもよい。
コントローラ80(図3参照)は、信号の入出力、演算、および記憶などを行う。コントローラ80は、作業機械20に設けられてもよく(図3参照)、図1に示すように、作業機械20の外部に設けられてもよい。コントローラ80は、表示部90と一体的に設けられてもよく、表示部90と別体でもよい。図3に示すように、コントローラ80は、角度センサ45bから、検出された情報(方向の情報)を受信する。コントローラ80は、トータルステーション15から、検出された情報(プリズム45aの座標)を受信する。例えば、コントローラ80は、受信部80rを介して、トータルステーション15から情報を受信する。コントローラ80は、位置偏差(後述)に関する情報を表示部90に送信する。コントローラ80は、目標位置記憶部81と、検出位置演算部82と、位置偏差演算部83と、ログ部85と、自動制御部86と、把持解除禁止部87と、を備える(各部の詳細は後述)。
表示部90(偏差表示部、偏差表示器)は、位置偏差(後述)に関する情報を表示する。表示部90は、操作ガイダンス部61と兼用されてもよい。表示部90は、図1に示す作業機械20の外部に配置されてもよく、例えば運搬物11の近傍の作業員に持たれる携帯可能な物(ハンディタイプのもの)などでもよい。表示部90(図3参照)は、図2に示す作業機械20に含まれてもよく、例えば作業機械20の運転室内などに設けられてもよい。表示部90は、先端アタッチメント30に設けられてもよく、具体的には例えば、図11に示す先端表示部90tを備えてもよい。
先端表示部90tは、先端アタッチメント30に設けられる。先端表示部90tは、フレーム部41に設けられ、フレーム部41に取り付けられてもよく、フレーム部41と一体化されてもよい。先端表示部90tは、位置偏差に関する情報を、先端表示部90tの周囲に視覚的に通知する。先端表示部90tは、運搬物11(図5参照)の近傍の作業者から容易に視認可能な位置に配置される。先端表示部90tは、作業機械20(図2参照)の操作者から容易に視認可能な位置に配置される。例えば、先端表示部90tは、図5に示す把持装置33の外部(把持装置33によって隠されることがないような位置)に配置される。図11に示すように、先端表示部90tは、例えば、フレーム部41の上側Z1の面に配置され、運搬物11(図5参照)の上側Z1の面と平行に配置される。先端表示部90tは、運搬物11の上側Z1の面以外の面(前後方向Xおよび幅方向Yの少なくともいずれかの方向における外側の面)と平行に配置されてもよい(図示なし)。先端表示部90tは、発光可能な部分を備え、例えばLED(light emitting diode)などを備える。
(作動)
図1に示す運搬システム1は、次のように作動するように構成される。
(運搬物11の把持)
図2に示す作業機械20が作動することで、把持装置33が、運搬物11に近づけられる。そして、治具40が、運搬物11に取り付けられる(嵌め込まれる)。このとき、図8に示す位置決め部43が、運搬物11に接触させられる。具体的には、フレーム本体部41aの下側Z2の面が、運搬物11の上側Z1の面に接触させられる。また、幅方向ストッパ部41bの幅方向内側Yiの面が、運搬物11の幅方向外側Yoの面に接触させられる。また、図6に示すように、前後方向ストッパ部41cが、運搬物11の前側X1の面に接触させられる。その結果、運搬物11に対して治具40が位置決めされる(相対位置が一意に決まる)。その結果、図5に示す運搬物11に対して検出部45(プリズム45aなど)が位置決めされる。これにより、検出部45の検出結果から、運搬物11の位置を演算可能な状態になる。また、把持装置33が、運搬物11を把持する。位置決め部43が運搬物11に接触するタイミングと、把持装置33が運搬物11の把持を開始するタイミングとは、互いに同時でもよく、一方が先でもよい。
(運搬物11の配置の例)
図1に示す運搬物11は、目標位置P1に運搬され、配置(設置、敷設)される。例えば、運搬物11がU字溝の場合、運搬物11は、次のように配置される場合がある。まず、「1個目の運搬物11」が、目標位置P1に配置される。このとき、1個目の運搬物11の座標および姿勢が、目標とする座標および姿勢と一致するように配置される。その後、「2個目以降の運搬物11」が、通り線P1a(目標とする基準線11aの位置)に沿って、互いに直列的に、互いに接するように、互いに連続するように配置される。2個目以降の運搬物11は、既に配置された運搬物11に連続するように配置される。また、2個目以降の運搬物11は、運搬物11の基準線11aの方向と通り線P1aの方向とが一致するように配置される(運搬物11の姿勢が目標とする姿勢に合わせられる)。その結果、2個目以降の運搬物11の座標は、目標とする座標と一致する。このように、1個目の運搬物11を配置する際には座標および姿勢の情報が必要であり、2個目以降の運搬物11を配置する際には姿勢の情報があれば足りる。なお、上記の運搬物11の配置の手順は一例であり、運搬物11は様々な手順で配置可能である。
(コントローラ80などの作動)
コントローラ80(図3参照)の作動などの概要は、次の通りである。目標位置記憶部81(図3参照)には、図5に示す運搬物11の目標位置P1の情報が設定されている。検出位置演算部82(図3参照)は、検出部45を用いて検出された値に基づいて、運搬物11の現在の位置である検出位置P2を演算する。なお、図5には、高さ方向Zに投影した目標位置P1および現在の検出位置P2を記載した。位置偏差演算部83(図3参照)は、目標位置P1に対する検出位置P2の偏差である位置偏差を演算する。図3に示すコントローラ80は、位置偏差を減らす側への操作のガイダンスを、操作ガイダンス部61に出力させてもよい。また、自動制御部86は、位置偏差を減らす側に自動的にアタッチメント22(図2参照)を作動させてもよい。コントローラ80は、位置偏差の情報を表示部90に表示させてもよい。コントローラ80の作動などの詳細は、次の通りである。
(目標位置P1の設定)
目標位置記憶部81(図3参照)には、図5に示す運搬物11の目標位置P1の情報が、予め(下記の各演算が行われる前に)設定されている。目標位置P1の情報は、目標とする運搬物11の位置の情報(設置位置計画情報、設計情報、3次元情報)である。目標位置P1には、目標とする運搬物11の座標(目標座標)と、目標とする運搬物11の姿勢(目標姿勢)と、がある。例えば、上記「1個目の運搬物11」を配置する際に必要な情報は、目標座標の情報、および目標姿勢の情報である。上記「2個目以降の運搬物11」を配置する際に必要な情報は、目標姿勢の情報である。2個目以降の運搬物11の目標座標の情報は、目標位置記憶部81に設定されていなくてもよい。
(検出位置P2の演算)
検出位置演算部82(図3参照)は、検出部45を用いて検出された値に基づいて、検出位置P2を演算する。検出位置P2は、検出部45およびトータルステーション15(図1参照)により検出された値に基づいて演算される、現在の(現時点での、実際の)運搬物11の位置である。検出位置P2には、現在の運搬物11の座標(検出座標)と、現在の運搬物11の姿勢(検出姿勢)と、がある。例えば、上記「1個目の運搬物11」を配置する際に必要な情報は、検出座標の情報、および検出姿勢の情報である。上記「2個目以降の運搬物11」を配置する際に必要な情報は、検出姿勢の情報である。検出位置演算部82は、運搬しようとしている運搬物11が2個目以降である場合は、検出座標を演算しなくてもよい。
(運搬物11の情報の取得)
コントローラ80(図3参照)は、運搬物11の運搬に必要な情報(以下「運搬物11情報」ともいう)を取得する。運搬物11情報は、運搬物11の種類(例えばU字溝であるか、ブロックであるかなど)の情報を含んでもよい。運搬物11情報は、運搬物11の寸法の情報を含んでもよい。コントローラ80が取得する運搬物11の寸法の情報は、例えば、運搬物11のうち、治具40に対する位置が決まっている部分から、そうでない部分までの、寸法の情報などである。具体的には例えば、運搬物11情報は、運搬物11のうち、前後方向ストッパ部41cが接触している前側X1の面から、後側X2の面までの、寸法の情報(すなわち、運搬物11の長手方向の長さの情報)などを含んでもよい。運搬物11情報は、前後方向X以外の方向の寸法の情報を含んでもよい。
コントローラ80(図3参照)に取得される運搬物11情報は、様々な方法により取得され得る。例えば、運搬物11情報は、運搬物11に設けられたもの(貼り付け、取り付け、埋め込みなどされたもの)から取得されてもよく、例えば電子タグ13(図7参照)から取得されてもよい。運搬物11情報は、運搬物11とは別の物(例えば記憶媒体など)から取得されてもよい。運搬物11情報は、作業者による入力により取得されてもよい。運搬物11情報が、運搬物11の寸法の情報である場合、運搬物11の寸法を測定する装置により運搬物11情報が取得されてもよい。具体的には例えば、運搬物11の前側X1の面と後側X2の面とを挟むことで、前側X1の面から後側X2の面までの寸法を測定する装置により、運搬物11の前後方向Xの長さの情報が取得されてもよい。
(目標位置P1に対する検出位置P2の位置偏差の演算)
位置偏差演算部83(図3参照)は、目標位置P1に対する検出位置P2の偏差である位置偏差を演算する。位置偏差には、座標偏差と、姿勢偏差と、がある。座標偏差は、目標座標に対する検出座標の偏差である。姿勢偏差は、目標姿勢に対する検出姿勢の偏差である。姿勢偏差は、通り線P1aが延びる方向に対する、基準線11aが延びる方向の偏差である。例えば、上記「1個目の運搬物11」を配置する際に必要な情報は、座標偏差の情報、および姿勢偏差の情報である。上記「2個目以降の運搬物11」を配置する際に必要な情報は、姿勢偏差の情報である。位置偏差演算部83(図3参照)は、運搬しようとしている運搬物11が2個目以降である場合は、座標偏差を演算しなくてもよい。
図3に示す位置偏差演算部83に演算された位置偏差は、様々に利用可能である。例えば、演算された位置偏差は、操作ガイダンス部61によるガイダンスに用いられてもよく、自動制御部86による自動制御に用いられてもよい。
(操作ガイダンス部61によるガイダンス)
コントローラ80は、機械位置検出部51と姿勢検出部53とに検出された値に基づいて、位置偏差を減らす側への操作のガイダンスを、操作ガイダンス部61に出力させる。操作ガイダンス部61は、位置偏差を減らすために操作者が行うべき操作の内容(「操作ガイダンス情報」)を、操作者に示す(指示する)。操作者が操作ガイダンス情報に従って作業機械20を操作するだけで、図2に示す運搬物11を目標位置P1に高精度に設置することが可能となる。
操作ガイダンス情報の内容は、位置偏差を減らすことができるように、適切に選択される。操作ガイダンス情報の内容は、例えば下記の[例1A]〜[例1F]の少なくともいずれかを含む。[例1A]下部走行体21aの走行(前進、後進)。[例1B]下部走行体21aに対する上部旋回体21bの旋回(右旋回、左旋回)。[例1C]上部旋回体21bに対するブーム23aの回転(上げ、下げ)。[例1D]ブーム23aに対するアーム23bの回転(押し、引き)。[例1E]アーム23bに対する先端アタッチメント30の回転。さらに詳しくは、下記の[例1Ea]〜[例1Ec]。[例1Ea]アーム23bに対する取付部31aの回転(押し、引き)。[例1Eb]取付部31aに対するチルト部31bの回転(右傾、左傾)。[例1Ec]チルト部31bに対する回転部31cの回転(右回転、左回転)。すなわち、チルト部31bに対する把持装置33の回転。[例1F]把持装置基部33aに対する把持部33bの回転(把持、把持解除)。
(ガイダンスが行われる条件)
図3に示す操作ガイダンス部61によるガイダンスは、運搬物11(図2参照)の運搬作業中に常に行われてもよく、所定条件が満たされた場合にのみ行われてもよい。操作ガイダンス部61によるガイダンスが行われるか否かは、操作者の操作(例えばスイッチを押す操作など)により切り換えられてもよい。操作ガイダンス部61によるガイダンスは、図12に示す運搬物11の検出位置P2が、制御実行領域A1の内部にある場合にのみ行われてもよい。具体的には例えば、制御実行領域A1の外部に置かれている運搬物11(作業前の運搬物11B)を把持部33bが把持し、運搬物11の運搬を開始する際には、操作ガイダンス部61(図3参照)は、ガイダンスを行わない。制御実行領域A1は、コントローラ80(図3参照)に設定され、目標位置P1および目標位置P1の周囲の領域である。例えば、制御実行領域A1は、位置偏差が所定値以下となる領域である。コントローラ80(図3参照)は、制御実行領域A1の範囲を、何らかの条件に応じて(手動または自動で)変化させてもよい。
(ガイダンスの内容の変化)
図3に示すコントローラ80は、姿勢検出部53に検出されたアタッチメント22の姿勢の変化に応じて、操作ガイダンス部61に出力させる操作のガイダンスの内容を変化させる。さらに詳しくは、コントローラ80は、運搬物11(図2参照)の運搬作業中、姿勢検出部53(図3参照)に検出されたアタッチメント22の姿勢を把握し続ける。コントローラ80は、アタッチメント22の姿勢が変化したとき、変化後のアタッチメント22の姿勢に基づいて、位置偏差を減らすのに適した操作ガイダンス情報の内容を選択する。そして、コントローラ80は、選択した操作ガイダンス情報の内容を、操作ガイダンス部61に出力させる。これにより、より確実に、図5に示す運搬物11を目標位置P1に移動させるようなガイダンスが可能となる。
(自動制御部86による制御)
自動制御部86(図3参照)は、運搬物11を目標位置P1に運搬させるように、作業機械20(図1参照)を自動的に作動させる。さらに詳しくは、自動制御部86(図3参照)は、機械位置検出部51と姿勢検出部53とに検出された値に基づいて、位置偏差を減らす側にアタッチメント22を自動的に作動させる。自動制御部86は、駆動部63に指令を出力することで、アタッチメント22を自動的に作動させる。自動制御部86による自動制御の内容は、位置偏差を減らすことができるように、適切に選択される。自動制御部86による自動制御の内容は、上記の操作ガイダンス情報の内容と同様、上記の[例1A]〜[例1F]の少なくともいずれかを含む。例えば、自動制御部86は、アタッチメント22の各回転軸の回転角度を、自動的に制御する。なお、自動制御部86が「位置偏差を減らす側にアタッチメント22を自動的に作動させる」ことには、下部走行体21aを自動的に走行させる結果として、アタッチメント22を自動的に作動(移動)させることが含まれる。自動制御部86による自動制御には、下部走行体21aに対して上部旋回体21bを自動的に旋回させる結果として、アタッチメント22を自動的に作動させることが含まれる。
(自動制御が行われる条件)
図3に示す自動制御部86による自動制御は、運搬物11(図2参照)の運搬作業中に常に行われてもよく、所定条件が満たされた場合にのみ行われてもよい。自動制御部86による自動制御は、図12に示す運搬物11の検出位置P2が制御実行領域A1に含まれた場合にのみ行われてもよい。なお、図3に示す操作ガイダンス部61によるガイダンスと、自動制御部86による自動制御と、が両方行われてもよい。この場合、ガイダンスが行われる制御実行領域A1(図12参照)と、自動制御が行われる制御実行領域A1とは、互いに同じでもよく、相違してもよい。
(把持装置33の把持解除の禁止)
図3に示す把持解除禁止部87は、図5に示す運搬物11の検出位置P2が、目標位置P1と略一致するまで(位置偏差が略ゼロになるまで)、把持装置33による運搬物11の把持の解除を禁止する。具体的には、把持解除禁止部87(図3参照)には、位置偏差の大きさに関する閾値である位置偏差閾値が設定される。把持解除禁止部87は、位置偏差(把持装置33に把持されている運搬物11の位置偏差)が、位置偏差閾値よりも大きい場合は、把持装置33による運搬物11の把持の解除を禁止する。この場合、把持解除禁止部87(図3参照)は、把持装置33による運搬物11の把持を解除する操作が操作者により行われても、この操作を無効にする。この場合、例えば、把持部33b・33bが開かない。把持解除禁止部87(図3参照)は、位置偏差が位置偏差閾値以下の場合は、把持装置33による運搬物11の把持の解除を許可する。この場合、把持装置33による運搬物11の把持を解除する操作が操作者により行われると、この操作に従って、把持装置33による運搬物11の把持が解除される(例えば把持部33b・33bが開く)。
上記のように、位置偏差には、座標偏差と、姿勢偏差と、がある。そこで、把持解除禁止部87(図3参照)は、座標偏差が略ゼロになるまで把持装置33による運搬物11の把持の解除を禁止してもよい(下記[例2A])。また、把持解除禁止部87(図3参照)は、姿勢偏差が略ゼロになるまで把持装置33による運搬物11の把持の解除を禁止してもよい(下記[例2B])。[例2A]図3に示す把持解除禁止部87には、座標偏差の大きさに関する閾値である座標偏差閾値が設定される。把持解除禁止部87は、座標偏差が、座標偏差閾値よりも大きい場合は、図5に示す把持装置33による運搬物11の把持の解除を禁止する。把持解除禁止部87(図3参照)は、座標偏差が座標偏差閾値以下の場合は、把持装置33による運搬物11の把持の解除を許可する。この例では、例えば上記「1個目の運搬物11」の検出座標が、目標座標と一致または略一致した状態で、把持装置33による運搬物11の把持の解除が許可される。[例2B]図3に示す把持解除禁止部87には、姿勢偏差の大きさに関する閾値である姿勢偏差閾値が設定される。把持解除禁止部87は、姿勢偏差が、姿勢偏差閾値よりも大きい場合は、図5に示す把持装置33による運搬物11の把持の解除を禁止する。把持解除禁止部87(図3参照)は、姿勢偏差が姿勢偏差閾値以下の場合は、把持装置33による運搬物11の把持の解除を許可する。この例では、例えば上記「2個目以降の運搬物11」の検出姿勢が、目標姿勢と一致または略一致した状態で、把持装置33による運搬物11の把持の解除が許可される。
(ログ部85)
図3に示すコントローラ80は、運搬物11(図4参照)の運搬作業の状況(例えば進捗状況など)をログ部85に記憶する。コントローラ80は、ログ部85に記憶された情報を、表示部90に表示させてもよい。
(位置偏差に関する情報の表示)
コントローラ80は、位置偏差の情報(さらに詳しくは、位置偏差に関する情報)を表示部90に表示させる。例えば、コントローラ80は、図11に示す先端表示部90tに位置偏差の情報を表示させる。先端表示部90tが位置偏差の情報を表示する場合、作業者(運搬物11の近傍の作業者、および作業機械20の操作者の少なくともいずれか)は、先端表示部90tに表示された位置偏差の情報と、運搬物11と、を同時に目視しながら作業することができる。
表示部90(例えば先端表示部90t)が表示する位置偏差の情報の例は、次の通りである。表示部90が表示する位置偏差の情報には、位置偏差の向きの情報が含まれてもよい。さらに詳しくは、表示部90が表示する位置偏差の情報には、図5に示す目標位置P1に対して検出位置P2がどの向きにずれているかに関する情報、すなわち、運搬物11をどの向きに移動させるべきかに関する情報が含まれてもよい。図11に示す表示部90が表示する位置偏差の情報には、位置偏差の大きさに関する情報が含まれてもよい。表示部90が表示する位置偏差の情報には、図5に示す目標位置P1に対して検出位置P2が一致状態(一致または略一致している状態)であることが含まれてもよい。
(トータルステーション15を使用する利点)
図3に示す機械位置検出部51および姿勢検出部53が検出した値から、図1に示す把持装置33に把持された運搬物11の位置(検出位置P2)を演算すると、アタッチメント22の可動軸が多いため、運搬物11の位置の誤差が大きくなる。一方、本実施形態では、運搬物11の検出位置P2は、プリズム45aおよびトータルステーション15を用いて演算される。よって、運搬物11の検出位置P2の誤差を小さくすることができる。
(効果)
図1に示す作業機械20による効果は次の通りである。
(第1の発明の効果)
作業機械20は、作業機械本体21と、作業機械本体21に取り付けられたアタッチメント22と、コントローラ80と、を備える。アタッチメント22は、作業機械本体21に取り付けられた基端側アタッチメント23と、基端側アタッチメント23の先端部に取り付けられた先端アタッチメント30と、を備える。図2に示すように、先端アタッチメント30は、回転装置31と、把持装置33と、を備える。回転装置31は、基端側アタッチメント23の先端部に取り付けられる。把持装置33は、回転装置31に取り付けられ、回転装置31の作動により基端側アタッチメント23に対して回転可能であり、運搬物11を把持する。
[構成1−1]図1に示すように、先端アタッチメント30は、検出部45を備える。検出部45は、把持装置33に把持された運搬物11の座標および姿勢を検出するためのものである。
[構成1−2]コントローラ80(図3参照)には、運搬物11の目標位置P1の情報が設定される。コントローラ80は、検出部45を用いて検出された値に基づいて運搬物11の現在の位置である検出位置P2を演算する。コントローラ80は、目標位置P1に対する検出位置P2の偏差である位置偏差を演算する。
上記[構成1−2]では、コントローラ80は、運搬物11の目標位置P1に対する、運搬物11の現在の検出位置P2の、位置偏差を演算する。よって、この位置偏差を様々な用途(例えばガイダンスや自動制御など)に用いることができる。
上記[構成1−1]では、検出部45は、先端アタッチメント30に備えられたものである。よって、先端アタッチメント30が運搬物11を把持すれば、運搬物11に検出部45が取り付けられることになる。よって、先端アタッチメント30とは別に設けられる検出装置(検出部45と同様の機能を有するもの)を、運搬物11に対して着脱する作業を不要にできる。よって、運搬物11を運搬するために必要な作業を減らすことができる。先端アタッチメント30とは別に設けられる検出装置を運搬物11に着脱する作業(着脱作業)を不要にできるので、この着脱作業を行う作業者を不要にできる(省人化できる)。
また、上記[構成1−1]では、検出部45は、先端アタッチメント30に備えられたものであるため、誤操作により先端アタッチメント30が検出部45に接触することがない。よって、誤操作によりアタッチメント22が検出部45に接触することを抑制できる。その結果、アタッチメント22が検出部45に接触することによる検出部45(例えばプリズム45a)の破損を抑制できる。その結果、検出部45が破損し、運搬物11の位置を正確に検出できなくなる問題を抑制できる。
上記[構成1−1]では、運搬物11は、基端側アタッチメント23に対して回転可能な把持装置33に把持される。ここで、運搬物11がクレーンで吊り上げられて運搬される場合(吊り作業の場合)は、次の問題が生じる場合がある。作業者が吊り荷(ここでは運搬物11)に直接触れる事は、法令により禁止されている。そのため、複数(例えば2人程度)の玉掛作業者が、介錯ロープなどを介して吊り荷を引っ張りながら、吊り荷のバランスを取りながら作業する場合がある。一方、上記[構成1−1]では、運搬物11を、把持装置33により把持された状態で運搬することができる。よって、吊り作業において玉掛作業者が行う必要のあった作業を不要にできる。よって、運搬物11を運搬するために必要な作業を減らすことができる。その結果、運搬物11の運搬作業に必要な作業者の数を削減することができる(省人化できる)。
(第2の発明の効果)
[構成2]作業機械20は、図8に示すように、基準線位置決め部43bを備える。基準線位置決め部43bは、図1に示す把持装置33に対する、把持装置33に把持された運搬物11の基準線11aの相対位置を位置決めする。
上記[構成2]では、把持装置33が運搬物11を把持すれば、基準線位置決め部43b(図8参照)により、把持装置33に対する運搬物11の基準線11aの相対位置が決まる。よって、把持装置33に対する運搬物11の基準線11aの相対位置を、別途(把持装置33による運搬物11の把持とは異なる作動や作業により)設定する必要がない。
(第3の発明の効果)
[構成3]作業機械20は、図8に示すように、位置決め部43を備える。位置決め部43は、図1に示す把持装置33に対する、把持装置33に把持された運搬物11の相対位置を位置決めする。
上記[構成3]では、把持装置33が運搬物11を把持すれば、位置決め部43(図8参照)により、把持装置33に対する運搬物11の位置が決まる。よって、把持装置33に対する運搬物11の位置を、別途(把持装置33による運搬物11の把持とは異なる作動や作業により)設定する必要がない。
(第4の発明の効果)
図3に示すように、作業機械20は、機械位置検出部51と、姿勢検出部53と、操作ガイダンス部61と、を備える。機械位置検出部51は、作業機械本体21(図2参照)の位置を検出する。姿勢検出部53は、アタッチメント22(図2参照)の姿勢を検出する。
[構成4]図3に示す操作ガイダンス部61は、ガイダンスを出力する。コントローラ80は、機械位置検出部51と姿勢検出部53とに検出された値に基づいて、位置偏差を減らす側への操作のガイダンスを操作ガイダンス部61に出力させる、
上記[構成4]により、操作者は、操作ガイダンス部61の出力に従って操作することで、位置偏差を減らす側への操作を容易に行える。よって、図1に示す運搬物11を運搬する操作に操作者が慣れていない場合でも、運搬物11を目標位置P1に精度よく運搬することができる。
(第5の発明の効果)
[構成5]図3に示すコントローラ80は、姿勢検出部53に検出されたアタッチメント22の姿勢の変化に応じて、操作ガイダンス部61に出力させる操作のガイダンスの内容を変化させる。
上記[構成5]により、アタッチメント22の姿勢の変化に応じて、適切な操作のガイダンスを、操作ガイダンス部61が出力できる。
(第6の発明の効果)
作業機械20は、機械位置検出部51と、姿勢検出部53と、を備える。機械位置検出部51は、作業機械本体21(図2参照)の位置を検出する。姿勢検出部53は、アタッチメント22(図2参照)の姿勢を検出する。
[構成6]コントローラ80は、機械位置検出部51と姿勢検出部53とに検出された値に基づいて、位置偏差を減らす側にアタッチメント22を自動的に作動させる。
上記[構成6]により、図1に示す作業機械20を操作者が操作しなくても、運搬物11を目標位置P1に運搬することができる。そのため、運搬物11を精度よく目標位置P1に運搬する操作に操作者が慣れる必要がない、または、操作者を不要にすることができる(省人化できる)。
(第7の発明の効果)
[構成7]コントローラ80には、位置偏差の大きさに関する閾値である位置偏差閾値が設定される。コントローラ80は、位置偏差が位置偏差閾値よりも大きい場合は、把持装置33による運搬物11の把持の解除を禁止する。コントローラ80は、位置偏差が位置偏差閾値以下の場合は、把持装置33による運搬物11の把持の解除を許可する。
上記[構成7]により、位置偏差が位置偏差閾値よりも大きい場合に、誤操作により、把持装置33から運搬物11が落下することを抑制できる。
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、上記実施形態の各構成要素の配置や形状が変更されてもよい。例えば、図3に示すブロック図の接続は変更されてもよい。例えば、閾値や範囲(例えば制御実行領域A1)などは、一定でもよく、手動操作により変えられてもよく、何らかの条件に応じて自動的に変えられてもよい。例えば、構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。例えば、互いに異なる複数の部材や部分として説明したものが、一つの部材や部分とされてもよい。例えば、一つの部材や部分として説明したものが、互いに異なる複数の部材や部分に分けて設けられてもよい。
11 運搬物
11a 基準線
20 作業機械
21 作業機械本体
22 アタッチメント
23 基端側アタッチメント
30 先端アタッチメント
31 回転装置
33 把持装置
43 位置決め部
43b 基準線位置決め部
45 検出部
51 機械位置検出部
53 姿勢検出部
61 操作ガイダンス部
80 コントローラ
90t 先端表示部
P1 目標位置
P2 検出位置

Claims (7)

  1. 作業機械本体と、
    前記作業機械本体に取り付けられたアタッチメントと、
    コントローラと、
    を備え、
    前記アタッチメントは、
    前記作業機械本体に取り付けられた基端側アタッチメントと、
    前記基端側アタッチメントの先端部に取り付けられた先端アタッチメントと、
    を備え、
    前記先端アタッチメントは、
    前記基端側アタッチメントの先端部に取り付けられた回転装置と、
    前記回転装置に取り付けられ、前記回転装置の作動により前記基端側アタッチメントに対して回転可能であり、運搬物を把持する把持装置と、
    前記把持装置に把持された前記運搬物の座標および姿勢を検出するための検出部と、
    を備え、
    前記コントローラには、前記運搬物の目標位置の情報が設定され、
    前記コントローラは、前記検出部を用いて検出された値に基づいて前記運搬物の現在の位置である検出位置を演算し、前記目標位置に対する前記検出位置の偏差である位置偏差を演算する、
    作業機械。
  2. 請求項1に記載の作業機械であって、
    前記把持装置に対する、前記把持装置に把持された前記運搬物の基準線の相対位置を位置決めする基準線位置決め部を備える、
    作業機械。
  3. 請求項1に記載の作業機械であって、
    前記把持装置に対する、前記把持装置に把持された前記運搬物の相対位置を位置決めする位置決め部を備える、
    作業機械。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業機械であって、
    前記作業機械本体の位置を検出する機械位置検出部と、
    前記アタッチメントの姿勢を検出する姿勢検出部と、
    ガイダンスを出力する操作ガイダンス部と、
    を備え、
    前記コントローラは、前記機械位置検出部と前記姿勢検出部とに検出された値に基づいて、前記位置偏差を減らす側への操作のガイダンスを前記操作ガイダンス部に出力させる、
    作業機械。
  5. 請求項4に記載の作業機械であって、
    前記コントローラは、前記姿勢検出部に検出された前記アタッチメントの姿勢の変化に応じて、前記操作ガイダンス部に出力させる操作のガイダンスの内容を変化させる、
    作業機械。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業機械であって、
    前記作業機械本体の位置を検出する機械位置検出部と、
    前記アタッチメントの姿勢を検出する姿勢検出部と、
    を備え、
    前記コントローラは、前記機械位置検出部と前記姿勢検出部とに検出された値に基づいて、前記位置偏差を減らす側に前記アタッチメントを自動的に作動させる、
    作業機械。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の作業機械であって、
    前記コントローラには、前記位置偏差の大きさに関する閾値である位置偏差閾値が設定され、
    前記コントローラは、
    前記位置偏差が前記位置偏差閾値よりも大きい場合は、前記把持装置による前記運搬物の把持の解除を禁止し、
    前記位置偏差が前記位置偏差閾値以下の場合は、前記把持装置による前記運搬物の把持の解除を許可する、
    作業機械。
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