JP2021017283A - ブロー成形法により製造された樹脂ボトル - Google Patents
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Abstract
Description
このような樹脂ボトルの製造方法として、本願出願人により出願されて出願公開された特開2017−140731号公報(特許文献1)に開示されるように、押出機から押し出された筒状のパリソン(略中空円筒形状のチューブ)を、ブロー金型の一対の割り金型で挟み込み、この挟み込んだパリソンの内部(中空円筒形状の中空円筒部)に圧縮空気を吹き込んで中空品を成形する。
すなわち、本発明に係る樹脂ボトルは、ブロー成形法により製造された樹脂ボトルであって、前記樹脂ボトルは、第1の成形材料から構成された本体と、前記第1の成形材料の色彩とは異なる色彩を備えた第2の成形材料から構成された加飾部とを含み、前記本体は、底部が閉じられて前記底部以外に開口部を備えた形状を備え、前記第1の成形材料により前記本体が前記形状に成形され、前記加飾部は前記本体の内周面に形成された模様を備え、前記本体の内周面において、前記加飾部がある部分と前記加飾部がない部分とで段差が実質的に存在しないことを特徴とする。
さD部分における内周面において、前記加飾部がある部分と前記加飾部がない部分との段差が前記最大長さDの1/100以下であることを特徴とする。
さらに好ましくは、前記加飾部は、上下方向に対して捻れたらせん模様を備えるように構成することができる。
また、本実施の形態に係る樹脂ボトルPBは、特許文献1に開示されたブロー成形装置およびブロー成形法(特に限定的には特許文献1に開示された変形例)を用いて樹脂ボトルPBを製造するものであるが、押出ユニットのダイスヘッドのコアにスリットを入れてパリソンの内筒面に縦溝を設けるのではなく、本実施の形態に係る樹脂ボトル用のパリソンPは第1の成形材料Bを加熱溶融させた略中空円筒形状の内周面から出っ張らないように(樹脂ボトルPBにおいて加飾部22を形成することになる)第2の成形材料Cが加熱溶融されて押出装置により形成された略円環断面形状(第2の成形材料Cが第1の成形材料Bにより形成された内周面から出っ張っていない形状)を備える点が異なる。このことに起因して、加飾部がある部分と加飾部22がない部分とで内周面に段差が実質的に存在しないという樹脂ボトルの特徴を実現している。なお、押出ユニットのダイスヘッドのコアの形状については、後述するパリソンPを形成できるものであれば特に限定されない。
図1を参照して、本実施の形態に係る(ブロー成形法により製造された)樹脂ボトルPBについて説明する。図1(A)はこの樹脂ボトルPB用のパリソンPの斜視図であって、図1(B)はこの樹脂ボトルPB用のパリソンPをブロー成形前に捻ったパリソンPの斜視図であって、図1(C)は樹脂ボトルPBの斜視図であって、図1(D)はパリソンPの断面図である。
張らないように(樹脂ボトルPBにおいて加飾部22を形成することになる)第2の成形材料Cを加熱溶融させて押出装置により形成された(第2の成形材料Cが第1の成形材料Bにより形成された内周面から出っ張っていない形状を備える)略円環断面形状であるために、図1(D)において中央には空間Sを備えることになる。
図2に樹脂ボトル100を、図3に樹脂ボトル200を、図4に樹脂ボトル300を、図5に樹脂ボトル400を、図6に樹脂ボトル500を、図7に樹脂ボトル600を、図8に樹脂ボトル700を、それぞれ示す。なお、樹脂ボトルにおける本体20の内周面において、加飾部22がある部分と加飾部22がない部分とで段差が実質的に存在しないことを表す樹脂ボトルの拡大断面図は図2(C)に樹脂ボトル100についてのみ示すが、他の図3〜図8に示す樹脂ボトル300〜樹脂ボトル700も同じであるために繰り返して図示していない。また、図2〜図8においては、図1と同じ構成については同じ符号を付しており、それらの構成は同じであるために繰り返して説明していない。また、図2〜図8の各図(A)に示す3面図は、上から上面図、正面図、底面図である。
まず、この樹脂ボトル自体の大きさに関係させて、段差を数値的に限定すると、指先で触認してわずかな段差(たとえば、本体20の最大内径φDが50mm程度の化粧料等のボトルにおいて最大内径部分における内周面の段差がφDの1/100程度である0.5mm程度)を感じる場合であっても、それが特許文献1に開示された凸部Gではなく内容物が固着することが抑制できて汚れのように見えることを抑制することができていれば、段差が実質的に存在しないことを意味する。
(1)たとえば、粘度の高い乳液(一般には水に油が微細なミセルとして分散している不透明な液体)等が収納される化粧料用の樹脂ボトルにおいては、高い粘度のために(ドロドロであるために)わずかな段差であっても固着しやすい。このため、本体20の内周面において、加飾部22がある部分と加飾部22がない部分とで段差が実質的に存在しないとは、おおよそ0.25mm以下であることを意味する。このような乳液の粘度としては、50cP〜2000cP(0.05Pa・S〜2Pa・S)程度である。
(2)たとえば、粘度の低い化粧水(一般には80%程度の水および10%程度のアルコールにグリセリンなどの保湿成分を数%に乳化剤、香料、防腐剤などを配合した液体)等
が収納される化粧料用の樹脂ボトルにおいては、低い粘度のために(サラサラであるために)わずかな段差では固着しにくい。このため、本体20の内周面において、加飾部22がある部分と加飾部22がない部分とで段差が実質的に存在しないとは、段差がおおよそ0.5mm以下であることを意味する。このような化粧水の粘度としては、1cP〜50cP(0.001Pa・S〜0.05Pa・S)程度である。
なお、従来技術として、以下のような技術を開示するたとえば特許第5947987号公報(以下、公知文献と記載する)がある。
より認識可能である点について説明する。以下においては、加飾部22がない部分(透明部分)を通して樹脂ボトルに収納された内容物Lの量を目視により認識可能であるものとして説明する。また、この場合には、第2の成形材料Cとして不透明な樹脂を採用して、第1の成形材料Bとして有色でも構わないが透明な樹脂を採用することになる。ここで、逆に、第1の成形材料Bとして不透明な樹脂を採用して、第2の成形材料Cとして有色でも構わないが透明な樹脂を採用すると、加飾部22がある部分(透明部分)を通して樹脂ボトルに収納された内容物Lの量を目視により認識可能となる。なお、第1の成形材料Bおよび第2の成形材料Cとして色彩が異なる透明な樹脂を採用すると、加飾部22がある部分(透明部分)および加飾部22がない部分(透明部分)の両方において、樹脂ボトルに収納された内容物Lの量を目視により認識可能となる。いずれの場合においても、ボトルの内周面に模様が形成されている樹脂ボトルにおいて、加飾部22がある部分および加飾部22がない部分の少なくともいずれかを通して、樹脂ボトルに収納された内容物Lの量を目視により認識することができる。
上述したように、本実施の形態に係る樹脂ボトルは、ダイスヘッドから下方へ押し出された略円環断面形状のパリソンPを金型で挟み込んでブロー成形するブロー成形法により製造される。このパリソンPは、第1の成形材料Bを加熱溶融させた略中空円筒形状の内周面から出っ張らないように(樹脂ボトルPBにおいて加飾部22を形成することになる)第2の成形材料Cが加熱溶融されて押出装置により形成された略円環断面形状(第2の成形材料Cが第1の成形材料Bにより形成された内周面から出っ張っていない形状)であることに起因して、製造された樹脂ボトルの本体20の内周面において加飾部22がある部分と加飾部22がない部分とで段差が実質的に存在しない。
みt(1)よりも薄い。
D(たとえば最大内径φD30mm〜φD60mm)の化粧料等のボトルにおいて最大内径φD部分における内周面の段差がφDの約1/100以下、より好ましくは、φDの約1/200以下であること、(3)段差がおおよそ0.5mm以下、より好ましくは、おおよそ0.25mm以下を満足すること、の少なくとも1つを満たす。
上述したように、本実施の形態に係る樹脂ボトル用のパリソンPは、第1の成形材料Bを加熱溶融させた略中空円筒形状の内周面から出っ張らないように(樹脂ボトルPBにおいて加飾部22を形成することになる)第2の成形材料Cが加熱溶融されて押出装置により形成された略円環断面形状であること(円環内面に第2の成形材料Cが凸状に出っ張っていないこと)に起因して、製造された樹脂ボトルにおいて加飾部22がある部分と加飾部22がない部分とで段差が実質的に存在しない。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100、200、300、400、500、600、700 樹脂ボトル
10 開口部
20 (ボトル)本体
22 加飾部
30 底部
32 接合線
P パリソン
B 第1の成形材料
C 第2の成形材料
Claims (7)
- ブロー成形法により製造された樹脂ボトルであって、
前記樹脂ボトルは、
第1の成形材料から構成された本体と、
前記第1の成形材料の色彩とは異なる色彩を備えた第2の成形材料から構成された加飾部とを含み、
前記本体は、底部が閉じられて前記底部以外に開口部を備えた形状を備え、
前記第1の成形材料により前記本体が前記形状に成形され、
前記加飾部は前記本体の内周面に形成された模様を備え、
前記本体の内周面において、前記加飾部がある部分と前記加飾部がない部分とで段差が実質的に存在しないことを特徴とする樹脂ボトル。 - ブロー成形法により製造された樹脂ボトルであって、
前記樹脂ボトルは、
第1の成形材料から構成された本体と、
前記第1の成形材料の色彩とは異なる色彩を備えた第2の成形材料から構成された加飾部とを含み、
前記本体は、底部が閉じられて前記底部以外に開口部を備えた形状を備え、
前記第1の成形材料により前記本体が前記形状に成形され、
前記加飾部は前記本体の内周面に形成された模様を備え、
前記本体の内部における前記底部に平行な方向の最大長さをDとして、最大長さD部分における内周面において、前記加飾部がある部分と前記加飾部がない部分との段差が前記最大長さDの1/100以下であることを特徴とする樹脂ボトル。 - ブロー成形法により製造された樹脂ボトルであって、
前記樹脂ボトルは、
第1の成形材料から構成された本体と、
前記第1の成形材料の色彩とは異なる色彩を備えた第2の成形材料から構成された加飾部とを含み、
前記本体は、底部が閉じられて前記底部以外に開口部を備えた形状を備え、
前記第1の成形材料により前記本体が前記形状に成形され、
前記加飾部は前記本体の内周面に形成された模様を備え、
前記本体の内周面において、前記加飾部がある部分と前記加飾部がない部分とで段差が0.5mm以下であることを特徴とする樹脂ボトル。 - 前記加飾部がある部分および前記加飾部がない部分の少なくともいずれかを通して、前記樹脂ボトルに収納された内容物の量を目視により認識可能なことを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の樹脂ボトル。
- 前記加飾部は、上下方向に対して捻れたらせん模様を備えることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の樹脂ボトル。
- 前記ブロー成形法は、ダイスヘッドから下方へ押し出された略円環断面形状のパリソンを金型で挟み込んでブロー成形する方法であって、
前記パリソンは、前記第1の成形材料を加熱溶融させた略中空円筒形状の内周面から出っ張らないように前記第2の成形材料が加熱溶融されて形成された略円環断面形状を備えることに起因して、前記段差が実質的に存在しない、前記段差が前記最大長さDの1/100以下である、または、前記段差が0.5mm以下である、ことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の樹脂ボトル。 - 前記パリソンにおける前記第1の成形材料の厚みが、前記第2の成形材料がある部分と前記第2の成形材料がない部分とで略同じになる部位を備えることを特徴とする、請求項6に記載の樹脂ボトル。
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5411171A (en) * | 1977-06-29 | 1979-01-27 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | Method of producing hollow moldings having embossment like pattern |
JPH07165225A (ja) * | 1993-12-08 | 1995-06-27 | Kao Corp | 光沢を有する成形体及びその製造方法 |
JP2015131492A (ja) * | 2015-03-05 | 2015-07-23 | 株式会社吉野工業所 | プリフォームの射出成形方法及び合成樹脂製壜体 |
JP2017140731A (ja) * | 2016-02-09 | 2017-08-17 | ジェーシーシー株式会社 | ブロー成形装置、ブロー成形品およびブロー成形方法 |
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2019
- 2019-07-23 JP JP2019135328A patent/JP2021017283A/ja active Pending
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