JP2021017228A - 車両用照明装置 - Google Patents

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富晴 平野
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Abstract

【課題】所要の領域の照明を実現する一方で、照明装置が車両の外面から突出する寸法を抑制して車両の見栄えを改善する。【解決手段】照明装置1は、光源(赤外LED)51と、光源51の光が入射されかつ内部を導光した上で出射する照射レンズ6を備える光源ユニット4を含む。照射レンズ6は車両の一部(サイドミラーSMのミラーケース100)に開口された開口部102に臨んで取り付けられ、開口部102を通して車両の外部に向けて光を照射する。照射レンズ6のレンズ部61は錘状部67を備え、レンズ部61の凹部65(第2入射部)に入射された光源51の光を錘状部67の錐面(第2反射部)において内面反射し、反射した光を錘状部67の錐面(第2出射部)から出射する。【選択図】 図5

Description

本発明は車両の周囲を照明するための照明装置に関し、特に自動車の側方の路面を照明するのに好適な車両用照明装置に関する。
自動車の安全運転のためには、自動車の左右側方領域を照明することが好ましく、特に左右側方の路面を照明することが好ましい。近年では自動車の運転支援のために、自動車に配設した照明装置により左右側方の路面を照明するとともに、照明した路面を撮像装置により撮像し、撮像した画像をモニターに表示し、あるいは自動操舵に利用する技術も提案されている。
また、照明装置を自動車の左右のサイドミラーに照明装置を組み込むことが考えられている。例えば、図1(a),(b)の平面図と側面図に示すように、自動車CARの左右のサイドミラーSMの一部に光照射方向を下方に向けて照明装置1を取り付け、照明装置1を点灯したときにサイドミラーSMの下方に向けて光を照射し、サイドミラーSMの前後領域を含む自動車CARの側方の路面を照明する。なお、図示の照明領域Aは概略形状の領域である。また、この照明装置1において、照明光として赤外光あるいは近赤外光も利用される。
このような照明装置では、サイドミラーSMに取り付けられた照明装置1の高さHに対して照明領域の前後、左右方向の寸法Lが大きいため、照明装置1の光照射角度を大きくする必要がある。特に、光源にLED(発光ダイオード)等の半導体発光素子を用いた照明装置では、発光素子の光照射角度が限られているため、光照射角度を大きくすることが難しい。
発光素子の光照射光照を制御する技術として、特許文献1では、複数の近赤外レーザ素子の光を拡散部材により拡散して光照射する技術が提案されている。また、特許文献2では、発光素子の光を照射するレンズを非球面レンズで構成して所要の光照射領域を確保する技術が提案されている。
国際公開WO2016/163216号 特開2013−257996公報
前記したようなサイドミラーに組み込む照明装置として、特許文献1,2の技術を採用することが考えられる。しかし、特許文献1の技術は複数の発光素子と拡散部材が必要であり、照明装置の小型化が難しくなるとともに高コストになる。一方、特許文献2の技術は小型化、低コスト化の点では有利であるが、広い領域を光照射するためには、照射される光がサイドミラーの一部によって遮光されないように、レンズの大部分をサイドミラーの外面から突出させる必要があり、自動車の外観上の見栄えから好ましくない。
本発明の目的は、所要の領域の照明を実現する一方で、車両の外面からの突出寸法を抑制して車両の見栄えを改善した車両用照明装置を提供する。
本発明は、光源と、当該光源の光が入射されかつ内部を導光した上で出射する照射レンズを備える光源ユニットを含み、光源ユニットが車両の一部に開口された開口部に臨んで取り付けられ、当該開口部を通して車両の外部に向けて光を照射する照明装置であって、照射レンズは錘状部を備え、入射された光源の光を錘状部の錐面において内面反射し、反射した光を錘状部の錐面から出射する構成である。
本発明の好ましい形態として、照射レンズの入射光部には凹部が設けられており、この凹部の内周面が第1入射部として構成され、当該凹部の内底面が第2入射部として構成され、凹部の外周面が第1反射部として構成され、照射レンズの出射光部は、錘状部の裾面が第1出射部として構成され、当該錘状部の錘面が第2反射部及び第2出射部として構成される。その上で、第1入射部に入射された光は第1反射部で内面反射されて第1出射部から出射され、第2入射部に入射された光は第2反射部で内面反射されて第2出射部から出射される構成である。
また、本発明の好ましい形態として、照明装置は車両の左右のサイドミラーに対してそれぞれ異なる角度姿勢で取り付けが可能に構成される。すなわち、照明装置は、運転席側のサイドミラーに取り付けられた照明装置と、反対側のサイドミラーに取り付けられた照明装置とでそれぞれのサイドミラーに対する角度姿勢が相違される構成であることが好ましい。
本発明によれば、照射レンズに錘状部を備え、この錘状部において入射された光を反射し、かつ出射するので、照射レンズを車両の開口部から突出させなくても所要の領域の照明を実現することができ、車両の見栄えを改善した車両用照明装置が得られる。また、左右のサイドミラーに取り付けた場合において所要の領域を照明することができる。
本発明が適用される照明装置の概略を説明する自動車の平面図と側面図。 右側サイドミラーの分解概略斜視図。 実施形態1の照明装置の外観斜視図。 実施形態1の照明装置の部分分解斜視図。 実施形態1の照明装置を組み立てた状態の断面図。 レンズ部の概略の拡大断面図。 サイドミラーの角度調整を説明するための概念図。 右ハンドル自動車における好適な照明状態を示す模式図。 左ハンドル自動車における好ましくない照明状態を説明する模式図。 左ハンドル自動車における改善された照明状態を説明する模式図。 実施形態1の照明装置の変形例の部分分解斜視図。 実施形態2の照明装置の断面図。 透光レンズの比較例を説明する部分断面図。 実施形態2の照明装置の照明状態を示す模式図。 実施形態2の要部の斜視図。 実施形態2の変形例の要部の分解斜視図。 実施形態2の他の変形例の要部の斜視図。 実施形態2の照明装置の角度調整を説明する模式図。
(実施形態1)
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1に示したように、自動車CARの左右の各サイドミラーSMにそれぞれ照明装置1が組み込まれており、この照明装置1によって自動車CARの左右の側方の路面を照明するようになっている。また、この実施形態では、図示は省略するが、各サイドミラーSMには照明装置1と共に撮像装置が組み込まれており、照明装置1で照明した路面を撮像するようになっている。この撮像装置で撮像した画像は自動車CARに装備されているモニターに表示され、表示された画像を運転者が視認することにより自動車の運転が支援される。あるいは、撮像した画像に基づいて自動車CARの自動運転制御が行われる。この支援技術や自動運転技術についての説明はここでは省略する。
図2は図1の右側サイドミラーSMの一部を分解した概略斜視図である。サイドミラーSMは自動車CARの車体右側部に取り付けられたミラーケース100を備えており、このミラーケース100の後方に向けられた開口部にミラー(反射鏡)101が取り付けられている。また、前記ミラーケース100の下側面の一部に所要形状、ここでは円形ないし楕円形をした開口部102が設けられている。前記照明装置1はこのミラーケース100に内装され、詳細を後述するように当該開口部102を挟んで設けられた2つの埋込ナット103に螺合される取付ネジ104により前記下側面に取り付けられている。
図3は前記照明装置1の外観斜視図であり、図4はその部分分解斜視図である。また、図5は照明装置1を組み立ててミラーケース100に内装した状態の断面図である。これらの図において、前記照明装置1は、四角容器状をしたランプケース2と、このランプケース2に内装された光源ユニット4を備えている。
前記ランプケース2は樹脂成形により透光カバー3と一体成形されている。このランプケース2は四角筒状をした本体21を有しており、この本体21の下面開口部を塞ぐように透光カバー3が一体成形されている。この下面開口部の四隅にはそれぞれ取付タブ22が一体に形成されており、各取付タブ22にはそれぞれ取付穴22aが形成されている。照明装置1はこの取付タブ22を利用して前記ミラーケース100に取り付けられる。この4つの取付タブ22について、ここでは便宜的に図3,4に示すように第1取付タブ22−1〜第4取付タブ〜22−4と称する。
前記本体21の内部には複数個所、ここでは筒内の対角位置に2つの支持ボス24が一体に形成されている。この支持ボス24は本体21の下面開口部に近接した位置に形成されており、後述するように本体21の他方の開口部(以下、上面開口部)から内挿される前記光源ユニット4を本体21内にネジ止めして支持することが可能とされている。
前記透光カバー3は前記ランプケース2と共にアクリル等の透光性樹脂で形成されており、前記ランプケース2の本体21の下面開口部に対応した四角形状の板部の中央領域には球面状をした透光ドーム部31が形成されている。
前記光源ユニット4は、図4に示すように、光源部5を備えており、この光源部5は光源としての発光素子、ここでは赤外光を発光する赤外LED51と、この赤外LED51を搭載した長方形の光源基板52を備えている。また、光源ユニット4は、前記光源基板52に支持されて赤外LED51から出射された赤外光を屈折して照射する照射レンズ6を備えている。前記光源基板52には前記赤外LED51を冷却するためのヒートシンク7が搭載されている。
前記光源基板52は下面となる一方の面に前記赤外LED51が搭載されるとともに、当該赤外LED51に電気接続する導電パターン(図示せず)が形成されている。また、上面となる他方の面には、前記ヒートシンク7と共に前記導電パターンに電気接続されるコネクタ53が搭載されており、外部電源に接続されるようになっている。前記光源基板52には2隅にネジ挿通穴54が開口されており、このネジ挿通穴54を挿通させたネジ55を前記支持ボス24に螺合させることにより、当該光源基板52が前記ランプケース2に内装された状態で支持される。したがって、この実施形態1においては、ランプケース2は本発明における光源を支持する支持部材となる。
前記赤外LED51は、所要の光照射パターンを得るために発光面が長方形に形成されており、光源基板52が前記ランプケース2に内装支持されたときに、当該発光面の長辺が前記光源基板52の長手方向(図4のY方向)に向けられるように搭載されている。
前記ヒートシンク7はアルミダイカスト等の熱伝導性の高い部材で形成されており、前記光源基板52の上面側に密接した状態で取着される。例えば、熱伝導性の高い接着剤により接着される。このヒートシンク7は赤外LED51で発生した熱を放熱するために設けられる。
前記照射レンズ6は、図4に示すように、正面視が円形をしたレンズ部61と、このレンズ部61の両側から延長された一対の板片状の固定部62を備えており、これらレンズ部61と固定部62は透光性樹脂の一体成形により全体として一方向に細長い形状に形成されている。一対の固定部62にはそれぞれ固定穴63が設けられている。
前記照射レンズ6は、図5に示すように、固定部62の固定穴63を挿通されるネジ64により前記光源基板52の下面に固定される。照射レンズ6が光源基板52に固定されたときには、前記レンズ部61は前記赤外LED51の正面に対向配置され、レンズ部61のレンズ軸Lxは赤外LED51の発光面のほぼ中心に対向配置される。
前記レンズ部61は、図6にレンズ軸Lxに沿った概略の拡大断面図を示すように、前記光源基板52に固定されたときに前記赤外LED51に対向する側のレンズ面に構成された入射光部61Iと、その反対側のレンズ面に構成された出射光部61Oを備えている。
前記入射光部61Iはレンズ軸Lxを中心にした円形の凹部65を備えており、この凹部65の内周面65aはほぼ円筒面からなる第1入射部I1として構成されている。また、当該凹部65の内底面65bは径方向の断面形状が凸状の円弧状とされ、第2入射部I2として構成されている。さらに、前記凹部65の外周面、ここでは凹部65を囲む環状壁66の外周面66aは幾分外側に曲面状に膨らんだ円錐面に形成されており、第1反射部R1として構成されている。
前記出射光部61Oはレンズ軸Lx上の頂部が球面に形成され、この頂部から裾部に向けて広がる錘面を有する円錐状部67を備えている。この円錐状部67の裾面67aは幾分凹んだ凹面として構成され、第1出射部O1として構成されている。また、当該円錐状部67の錐面67bは、その内面が第2反射部R2として構成され、その外面は第2出射部O2として構成されている。
このように構成された光源ユニット4は前記ランプケース2の本体21の上面開口部から内挿され、光源基板52の2隅においてネジ55により支持ボス24に支持される。光源ユニット4がランプケース2に内装支持されると、照射レンズ6は透光カバー3に臨む位置に配置される。特に、照射レンズ6のレンズ部61は透光ドーム部31の内側に位置される。
以上の構成の照明装置1は、前記したようにサイドミラーSMのミラーケース100に内装され、当該ミラーケース100の下側面に開口されている開口部102に臨む位置に取り付けられる。この開口部102は照明装置1の透光ドーム部31よりも一回り程度大きな開口寸法を有しており、透光ドーム部31はこの開口部102を通してミラーケース100の外部に露呈される。
前記したようにミラーケース100の内部には、開口部102を挟む2個所にそれぞれ取付ナット103がインサート成形されている。照明装置1の取り付けに際しては、ランプケース2の取付タブ22の上側から取付穴22aに挿通させた取付ネジ104(図5参照)を取付ナット103に螺合させる。このとき、照明装置1は赤外LED51の長辺方向(Y方向)が自動車CARの前後方向に向けられるように取り付けられる。
サイドミラーSMの内部に取り付けられた照明装置1は、透光カバー3の透光ドーム部31のみがミラーケース100の開口部102から突出されるが、その突出量は僅かであり、外部からの見栄えが損なわれることはない。
この照明装置1では、自動車CARの乗員が側方領域を確認する時、あるいは自動運転時に赤外LED51に対して給電が行われ、赤外LED51が発光されて発光面から赤外光が出射される。図6に赤外光の光路を模式的に示すように、出射された赤外光は、照射レンズ6のレンズ部61の入射光部61I、すなわち凹部65に入射される。入射された赤外光のうち、第1入射部I1(65a)に入射された光はほぼそのままレンズ部61内に入射され、第1反射部R1において内面反射(全反射)される。反射された光はさらにレンズ部61内を導光された上で第1出射部O1から出射される。
この出射された光L1は透光ドーム部31を透過されてミラーケース100の開口部102から外部に照射される。第1出射部O1は凹面であるので、出射された光L1は発散されながらレンズ軸Lxに沿った方向に出射される。したがって、照明装置1の直下領域とその周囲領域の路面を照明する。
一方、照射レンズ6の凹部65に入射された赤外光のうち、第2入射部I2(65b)に入射された光は屈折により幾分集束されて略平行光束とされる。そして、レンズ部61内を導光された上で円錐面部67の第2反射部R2(67bの内面)において内面反射され、さらに円錘状部67の反対側の第2出射部O2(67bの外面)から出射される。
この出射された光L2は透光ドーム部31を透過されてミラーケース100の開口部102から外部に照射される。第2反射部R2は円錐面であり、ここで反射された光を出射する第2出射部O2も同じ円錐面であるので、この反射されかつ出射された光L2はレンズ軸Lxに対して大きな角度をもって出射されることになる。したがって、照明装置1の下方の周囲の広い領域の路面を照明する。
このように、照明装置1は透光ドーム部31がミラーケース100の下面から突出されている寸法が小さくても、照射レンズ6のレンズ部61に設けられた円錐状部67の裾面67aに形成された第1出射部O1から出射された光L1による照明装置1の直下及びその周囲領域の照明と、円錐状部67の錐面67bに形成された第2出射部O2から出射された光L2による照明装置1の下方の広い領域の照明とが合成されるため、自動車CARの側方の広い領域を照明することができる。
また、この実施形態1では、赤外LED51は発光面が長方形に構成されており、照明装置1は発光面の長辺方向(Y方向)が自動車CARの前後方向に向くようにしてミラーケース100に取り付けられるので、図1に示したように、自動車CARの側方領域において、左右方向よりも前後方向に広い領域Aを照明することができる。したがって、自動車CARの側方から後方領域に渡る広い路面を照明することができる。
したがって、例えば、自動車CARに撮像装置が装備されている場合には、照明装置1で照明された領域Aについて赤外画像を好適に撮像することができるようになる。撮像した画像は自動車CARに装備されているモニターに表示され、表示された画像を運転者が視認することにより自動車の運転が支援される。あるいは、撮像した画像に基づいて自動車の自動運転制御が行われる。
ここで、サイドミラーSMに取り付けられる照明装置1の角度の調整について説明する。自動車に装備される左右のサイドミラーとして、ミラーケース内に可動式ミラー機構が備えられているサイドミラーでは、当該可動式ミラー機構によって運転者に対する視野角度の調整が自在であるので、左右のミラーケースは自動車の前後方向に対して同じ角度に配設される。したがって、左右のサイドミラーにおいて、各照明装置がそれぞれのミラーケースに対して同じ角度姿勢で取り付けられても、自動車の左右の側方領域をほぼ同等に照明することが可能となる。
一方、ミラーがミラーケースに一体的に配設されているミラー固定型サイドミラーでは、運転者に対して好適な視野を確保するためにサイドミラーの角度を調整すると、左右のサイドミラーは異なる角度で取り付けられることになる。そのため、左右の照明装置がそれぞれのミラーケースに対して同じ角度で取り付けられていると、各照明装置は自動車の前後方向に対しては異なる角度に向けられることになり、好適な照明を行うことができなくなる。
例えば、図7に右側サイドミラーSMの場合の模式図を示すように、図示実線のように運転者Mが右運転席に着座している右ハンドルの自動車CARにおける右側サイドミラーSM(R)は運転者Mが右側後方を好適に視認できる角度θRに設定される。この角度θRは自動車CARの前後方向に対するサイドミラーのミラー面の角度である。しかし、図示鎖線のように運転者Mが左運転席に着座する左ハンドルの自動車では、右側サイドミラーSM(L)の角度θLは、前記角度θRよりも大きくなる。
図8(a)は右ハンドルの自動車の右側サイドミラーSMが前記角度θRに設定されているときの状態を示しており、照明装置1はサイドミラーSM内に所定の角度姿勢に取り付けられている。すなわち、2つの取付タブ22−1と22−2を選択し、これら取付タブ22−1,22−2を取付ネジ104によりミラーケース100の埋込ナット103に取り付けている。この取り付けでは、照明装置1の赤外LED51の発光面の長辺の方向が自動車CARの前後方向に向けられている状態である。この場合には、図8(b)のように、自動車CARの右側領域を好適な照明領域Aとして照明することができる。
図9(a)は、このように構成された右側サイドミラーSMが左ハンドルの自動車に装備され、運転者が右側方を好適に視認できる角度θLにサイドミラーSMが設定された状態を示している。このようにすると、角度θLは角度θRよりも小さいため、サイドミラーSMに取り付けられている照明装置1は赤外LED51の長辺の方向が角度差(θR−θL)だけ傾けられる。ここでは照明装置1の後側部位が自動車CARの車幅方向内側に傾けられる。そのため、図9(b)のように、照明装置1により照明される領域A’は自動車CARの前後方向に対して傾いた領域となり、特に自動車CARの右側後方領域の照明が不十分なものになってしまう。
本発明の実施形態1においては、照明装置1のランプケース2の四隅に4つの取付タブ22(22−1〜22−4)が設けられているので、これら4つの取付タブ22のうち2つの取付タブを選択してサイドミラーSMのミラーケース100に取り付けることができる。すなわち、図8(a)では、前記したようにサイドミラーSMの角度θRに対応してランプケース2に対して互いに平行位置にある2つの取付タブ22−1と22−2を選択し、これら取付タブ22−1,22−2を取付ネジ104によりミラーケース100の埋込ナット103に取り付けている。これにより、照明装置1を好適な角度に取り付けることができる。
一方、図10(a)のように、サイドミラーSMが角度θLに設定されたときには、取付タブ22の選択を変更し、ここではランプケース2の対角位置にある2つの取付タブ22−4と22−2を選択し、これらの取付タブ22−4,22−2を取付ネジ104によりミラーケース100の埋込ナット103に取り付ける。このようにすることで、ミラーケース100に対する照明装置1の角度姿勢が変更され、照明装置1の赤外LED51の長辺方向を自動車CARの前後方向ないしはこれに近い方向に調整することができる。
したがって、図10(b)に示すように、サイドミラーSMが左ハンドル自動車に対応した角度θLに設定された場合でも、照明装置1により自動車CARの右側領域を好適な照明領域Aで照明することができる。
以上の説明は右側サイドミラーの例を説明したが、左側サイドミラーについても同様である。なお、第1〜第4の取付タブの形態は適宜に変更することが可能である。すなわち、自動車の車種によって自動車の車体に対する左右のサイドミラーの設定角度が相違するので、ランプケースにおける取付タブの配設位置を適宜に設計することが好ましい。
以上説明した照明装置1における照射レンズ6は一例であり、適宜の変更が可能である。すなわち、本発明においては、照射レンズ1のレンズ部61が錐状部67を備えており、光源の光がこの錐状部67に形成された反射部において内面反射され、かつ内面反射された光が錐状部に形成された出射部から出射されるように構成されればよい。したがって、錐状部は楕円型の円錐状であってもよい。あるいは四角錘等の多角錐状であってもよい。
照射レンズ6は、レンズ部61に設けられた円錐状部67によって第2反射部と第2出射部が構成され、これら第2反射部と第2出射部により広い範囲を照明することが可能になる。したがって、照明領域のうち中央領域に高い明るさが要求されないような場合には、第1入射部、第1反射部、第1出射部を省略することも可能である。
また、照明装置1のランプケース2と透光カバー3の構造は実施形態の構成に限られるものではない。例えば、図11に示すように、ランプケース2と透光カバー3を別体に形成してもよい。ランプケース2は不透光性樹脂で形成され、透光カバー3はアクリル等の透光性樹脂で形成される。透光カバー3はランプケース2の開口部に対応した形状とされており、締結部材によりランプケース2に締結される。
ランプケース2の本体21の開口部の一方向(図11のX方向)に沿った両側に固定穴23aが開口された2つの固定タブ23が一体に形成されている。一方透光カバー3のX方向の両側にはそれぞれ固定穴32aが開口された固定タブ32が一体に形成されている。
この透光カバー3は、前記ランプケース2の本体21の開口部を覆うように配置される。そして、互いに重畳されたランプケース2の固定タブ23と、透光カバー3の固定タブ32は、各固定穴23a,32aを挿通されたボルト33と、これに螺合されるナット34とで締結される。これにより透光カバー3はランプケース2に一体化される。
(実施形態2)
図12は実施形態2の照明装置1Aの縦断面図である。実施形態1と等価な部位については同一符号を付して詳細な説明は省略する。実施形態2では、光源ユニット4Aは光源部5の赤外LED51の放熱効果を高めるために、ヒートシンク7は平板状に構成されており、このヒートシンク7の主面部71の表面に赤外LED51を搭載した搭載基板52が図示を省略した固定手段、例えば接着剤やビス(小ネジ)により固定されている。また、この赤外LED51を覆うように照射レンズ6がネジ64により主面部71に固定されている。さらに、前記ヒートシンク7の周縁部の複数箇所には固定タブ72が設けられており、この固定タブ72に固定ネジ73が挿通可能とされている。この実施形態2においては、ヒートシンク7は本発明における光源を支持する支持部材となる。
一方、前記照射レンズ6を覆うように配設されている透光カバー3Aには、前記ヒートシンク7の主面部71の周縁に沿って延びる周壁部35が一体に形成され、この周壁部35において前記ネジ73により当該ヒートシンク7に結合された状態で固定されている。すなわち、透光カバー3Aの周壁部35には厚肉に形成された部位が設けられ、この部位に外面から内方に向けて凹設された間隙36が形成され、この間隙36にナット74が内挿されている。そして、前記固定ネジ73は周壁部35の一部を挿通された上で、当該ナット74に螺合されている。これら固定ネジ73とナット74の螺合により周壁部35は固定タブ72に締結され、透光カバー3Aとヒートシンク7は一体化される。
透光カバー3Aとヒートシンク7を一体化するに際しては、例えば、前記固定ネジ73を直接透光カバー3の周壁部35に螺合させることが考えられる。しかし、透光カバー3Aを構成しているアクリル樹脂の機械的強度はそれほど高くないために、固定ネジ73を螺合させた部位における固定の信頼性の点で問題が生じることがある。この場合、図13(a)に示すように、二色成形等によって透光カバー3Aの周壁部35を機械的な強度の高い樹脂35Aで構成することが考えられる。しかし、二色成形は製造コストがかかり、低コストの照明装置を得る上での障害になる。
実施形態2では、前記したように、透光カバー3Aを固定ネジ73とナット74とでヒートシンク7に固定することで、実施形態1と同様に透光カバー3Aを低コストに製造できる。また、周壁部35には固定ネジ73による螺合部が生じないので、機械的強度の問題が生じることは少なく、光源ユニット4Aの信頼性が向上する。
なお、図13(b)に示すように、透光カバー3Aの周壁部35にナット74をインサート成形してもよい。この構成においては、ヒートシンク7の固定タブ72を挿通させた固定ネジ73を、周壁部35を通してナット74に螺合させることにより、周壁部32は固定タブ72に締結される。インサート成形は二色成形よりも低コストに製造できる。
この実施形態2の照明装置1Aによる配光の特性は、図14のように、自動車CARの後方側の領域において車幅方向の照明領域Aが外側から狭くなる配光特性とされている。すなわち、右側のサイドミラーSMに取り付けられる照明装置1Aと、左側のサイドミラーSMに取り付けられる照明装置1Aは、自動車CARの後方側の照明領域の形状が左右対称になるように構成されている。
実施形態2においても、サイドミラーSMに取り付けられる照明装置1Aの角度の調整が可能とされている。図15に透光レンズ3Aの一部の外観を示すように、透光ドーム部31の両側、すなわち周壁部35に一対、すなわち2つの取付タブ37が一体に形成され、各取付タブ37にそれぞれ2つのネジ挿通穴37−1〜37−4が開設された構成とされている。各ネジ挿通穴37−1〜37−4は前記赤外LED51又は前記照射レンズ6の透光ドーム部31の中心を挟んで点対称となるように互いに対をなす位置に開設されている。
すなわち、前記4つのネジ挿通穴37−1〜37−4は、実施形態1における4つの取付タブ22(22−1〜22−4)と等価な位置に設定されている。したがって、互いに対をなすネジ挿通穴37−1と37−3を結ぶ線は、他方の対をなすネジ挿通穴37−2と37−4を結ぶ線に対して、前記した角度差(θR−θL)となるように構成されている。なお、実施形態1の照明装置1は左右のサイドミラーSMのいずれにも適用できるが、実施形態2の照明装置1Aは照明領域Aの配光特性が対称であるので左右のサイドミラーSMのそれぞれに固有の照明装置として構成される場合がある。この場合には、前記角度差(θR−θL)は実施形態1の場合よりも小角度になることもある。
図12に示したように、照明装置1AをサイドミラーSMのミラーケース100に取り付ける際には、対をなすネジ挿通穴37−1と37−3、あるいはネジ挿通穴37−2と36−4を選択して取付ネジ104により取り付ける。これにより、照明装置1Aは左右のサイドミラーSMのそれぞれに対応した角度に設定されることになり、照明装置1Aにより自動車CARの右側領域と左側領域を好適に照明することができる。
あるいは、アダプターを利用して照明装置1Aを取り付けるようにしてもよい。図16に示すように、透光レンズ3Aの表面にはビス穴38が開口されており、ビス39によりアダプター8が着脱可能とされている。アダプター8は透光ドーム部31を挿通させる窓81を有する矩形の板状に形成されており、その両辺の辺方向に沿ったほぼ中間位置に一対の取付タブ82aが設けられた第1アダプター8Aと、対角位置に一対の取付タブ82bが設けられた第2アダプター8Bが用意されている。第1アダプター8Aの取付タブ82aと、第2アダプター8Bの取付タブ82bは、それぞれ透光レンズ3Aに固定されたときに、それぞれの取付タブ82a,82bが透光ドーム部31に対して異なる角度位置、すなわち両者が角度差(θR−θL)となるように設定されている。
したがって、例えば第1アダプター8Aを透光レンズ3Aに固定し、その取付タブ82aを利用して図12に示したように取付ネジ104によりミラーケース100に固定すれば、照明装置1Aを所定の角度方向に向けた状態に取り付けることができる。第2アダプター8Bを透光レンズ3Aに固定し、その取付タブ82bを利用してミラーケース100に固定すれば、照明装置1Aを第1のアダプター8Aによる場合とは異なる角度方向に向けた状態に取り付けることができる。このようにしてもサイドミラーSMに対する照明装置1Aの角度位置を適切に設定することができる。
さらに、取付タブを利用した角度の調整を微細調整できるように構成してもよい。図17に示すように、透光レンズ3Aの両側に対をなして形成されている2つの取付タブ37には、それぞれ前記赤外LED51又は照射レンズ3Aの透光ドーム部31の中心部を中心とする所要長さの円弧状をした円弧ネジ挿通穴37−5,37−6が開口されている。この円弧ネジ挿通穴37−5,37−6の円弧が前記中心に対してなす角θcは前記した角度差(θR−θL)に等しいか、これよりも大きな角度である。
この構成により、図18(a),(b)に示すように、取付タブ37の円弧ネジ挿通穴37−5,37−6に取付ネジ104を挿通させ、図12に示したようにミラーケース100に対して締結することにより取り付けが行われる。取付ネジ104の締結を緩めることにより、円弧ネジ挿通穴37−5,37−6内における取付ネジ104の円弧方向に沿った相対位置が変化され、照明装置1Aの角度を任意の方向に設定することができる。したがって、左右のサイドミラーSMに対する照明装置1Aの角度位置を適切に設定することができる。
また、この実施形態2では、透光レンズ3Aの側辺の一部、ここでは照明装置1Aの照明領域の中心に向けられた位置に位置決め部が形成されている。この位置決め部として、ここでは当該側辺の一部に凹部30が形成されている。一方、ミラーケース100には、左右の各サイドミラーSMにおける照明領域の中心の方向に向けられた位置に基準部としての凸部105が形成されている。すなわち、この凸部105は左右のサイドミラーSMにおいて異なる角度位置に形成されている。
これにより、照明装置1Aをミラーケース100に取り付ける際に、位置決め部としての凹部30を、左右のサイドミラーSMのそれぞれ所定の位置に形成されている基準部としての凸部105に係合させることにより、照明装置1Aの照明領域Aの中心を左右の各サイドミラーSMのそれぞれに要求されている照明領域の中心に向けた角度に設定できる。
また、この実施形態2では、照明装置1Aを角度調整したときに、その一部、特に透光レンズ3Aやヒートシンク7の角部がミラーケース100の内部構造物と接触ないし衝突等の干渉することを防止するために、透光レンズ3Aやヒートシンク7の角部はテーパ状に削除された異形状に設計されている。これにより、照明装置1Aの角度調整に際して、透光レンズ3Aやヒートシンク7が回動されてもミラーケース100に対して照明装置1Aの一部が干渉することがなく、照明装置1Aを好適な角度位置に設定することができる。
本発明において、実施形態2で説明した取付タブの構成、アダプターの構成、位置決めの構成、ミラーケースとの干渉を防止する構成については、実施形態1のランプケースをミラーケースに取り付ける構成にも適用できる。
1,1A 照明装置
2 ランプケース(支持部材)
3,3A 透光カバー
4 光源ユニット
5 光源部
6 照射レンズ
7 ヒートシンク(支持部材)
8(8A,8B) アダプター
21 本体
22(22−1〜22−4) 取付タブ(取付部)
30 位置決め部
31 透光ドーム部
35 周壁部
36 間隙
37 取付タブ
37−1〜37−4 ネジ挿通穴
37−5,37−6 円弧ネジ挿通穴
51 赤外LED(光源)
52 光源基板
61 レンズ部
61I 入射光部
61O 出射光部
62 固定部
65 凹部
65a 内周面(I1:第1入射部)
65b 内底面(I2:第2入射部)
66 環状壁(R1:第1反射部)
67 円錐状部(錘状部)
67a 裾面(O1:第1出射部)
67b 錘面(O2:第2出射部,R2:第2反射部)
72 固定タブ
73 固定ネジ
74 ナット
100 ミラーケース
102 開口部
104 取付ネジ
105 基準部
CAR 自動車
SM サイドミラー

Claims (15)

  1. 光源と、当該光源の光が入射されかつ内部を導光した上で出射する照射レンズを備える光源ユニットを含み、前記光源ユニットが車両の一部に開口された開口部に臨んで取り付けられ、当該開口部を通して車両の外部に向けて光を照射する照明装置であって、前記照射レンズは錘状部を備え、入射された前記光源の光を当該錘状部の錐面において内面反射し、反射した光を当該錘状部の錐面から出射する構成であることを特徴とする車両用照明装置。
  2. 前記照射レンズは前記錘状部が形成された一方の面が出射光部として構成され、他方の面が入射光部として構成され、当該入射光部が前記光源に対向配置され、前記出射光部が前記開口部に臨んで配置される請求項1に記載の車両用照明装置。
  3. 前記照射レンズの入射光部には凹部が設けられており、この凹部の内周面が第1入射部として構成され、当該凹部の内底面が第2入射部として構成され、前記凹部の外周面が第1反射部として構成され、前記照射レンズの出射光部は、前記錘状部の裾面が第1出射部として構成され、当該錘状部の錘面が第2反射部及び第2出射部として構成され、前記第1入射部に入射された光は第1反射部で内面反射されて第1出射部から出射され、前記第2入射部に入射された光は第2反射部で内面反射されて第2出射部から出射される構成である請求項2に記載の車両用照明装置。
  4. 前記第1出射部から出射される光は前記錘状部の錘軸に沿った方向に向けて出射され、前記第2出射部から出射される光は当該錘軸に対してより大きな角度方向に向けて出射される構成である請求項3に記載の車両用照明装置。
  5. 前記照明装置は自動車のサイドミラーのミラーケースに内装され、当該ミラーケースの下側面に開口された開口部に臨んで配設され、当該開口部を通して自動車の側方の下方領域に向けて光を出射する請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用照明装置。
  6. 前記光源を支持する支持部材と、この支持部材に固定された透光カバーを備え、前記透光カバーは照明装置が車両に取り付けられたときに前記開口部から車両の外部に露呈される請求項1ないし5のいずれかに記載の車両用照明装置。
  7. 前記支持部材はランプケースとして構成され、前記透光カバーは前記ランプケースと一体成形される請求項6に記載の車両用照明装置。
  8. 前記透光カバーと前記支持部材は別体に形成され、締結部材により前記透光カバーと前記支持部材が一体化される請求項6に記載の車両用照明装置。
  9. 前記透光カバーは固定ネジにより前記支持部材に固定され、前記透光カバーは前記固定ネジが螺合されるナットが内挿される間隙を備え、前記固定ネジが前記間隙に内挿されたナットに螺合されて前記透光カバーが前記支持部材に固定される請求項8に記載の車両用照明装置。
  10. 前記透光カバーは固定ネジにより前記支持部材に固定され、前記透光カバーは前記固定ネジが螺合されるナットがインサート成形され、前記固定ネジが前記ナットに螺合されて前記透光カバーが前記支持部材に固定される請求項8に記載の車両用照明装置。
  11. 前記照明装置は、左右のサイドミラーに対してそれぞれ異なる角度姿勢で取り付けが可能である請求項5ないし10のいずれかに記載の車両用照明装置。
  12. 前記照明装置は、運転席側のサイドミラーに取り付けられた照明装置と、反対側のサイドミラーに取り付けられた照明装置とでそれぞれのサイドミラーに対する角度姿勢が相違される請求項11に記載の車両用照明装置。
  13. 前記照明装置は、異なる角度位置に設けられた複数の挿通穴を有し、これら複数の挿通穴から選択された異なる角度位置の挿通穴を挿通される取付部材により前記サイドミラーに取り付けられて前記照明装置の角度姿勢が変化される請求項11又は12に記載の車両用照明装置。
  14. 前記照明装置は、円弧状の挿通穴を有し、当該挿通穴の異なる円弧方向の位置において挿通される取付部材により前記サイドミラーに取り付けられて前記照明装置の角度姿勢が変化される請求項11又は12に記載の車両用照明装置。
  15. 前記照明装置は前記サイドミラーに設けられた基準部に係合する位置決め部を備え、これら基準部と位置決め部が係合して前記照明装置の角度姿勢が決定される請求項14に記載の車両用照明装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023199739A1 (ja) * 2022-04-15 2023-10-19 株式会社小糸製作所 車輌用灯具
WO2024062910A1 (ja) * 2022-09-22 2024-03-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 発光装置、光源ユニット、および、車両

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