JP2021015710A - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】着火性を向上することができるスパークプラグを提供する。【解決手段】スパークプラグ1は、ハウジング2と絶縁碍子3と中心電極4と接地電極5とプラグカバー6と低熱伝導部材8とを備える。ハウジング2は、筒状を呈している。絶縁碍子3は、ハウジング2の内側に保持されており、筒状を呈している。中心電極4は、絶縁碍子3の内側に保持されている。接地電極5は、中心電極4との間に放電ギャップGを形成している。プラグカバー6は、放電ギャップGが配される副燃焼室7をハウジング2と共に構成している。プラグカバー6は、その内外に貫通する噴孔611を備える。低熱伝導部材8は、プラグカバー6の内面60に対向配置されている。低熱伝導部材8は、プラグカバー6よりも熱伝導率が小さい。【選択図】図1

Description

本発明は、スパークプラグに関する。
スパークプラグは、車両用エンジン、コージェネレーション等の内燃機関における着火手段として用いられる。特許文献1には、火花放電を発生させる放電ギャップをプラグカバーで覆い、プラグカバーの内側に副燃焼室を形成したスパークプラグが開示されている。
かかるスパークプラグにおいては、プラグカバーに形成された噴孔を介して内燃機関の燃焼室内の混合気を副燃焼室に導入すると共に、放電ギャップにおいて火花放電を行うことにより混合気に着火し、副燃焼室において火炎を発生させる。そして、噴孔から副燃焼室外の燃焼室に火炎ジェットを噴出させ、燃焼室全体に火炎を広げる。これにより、燃焼速度の大きい内燃機関を得ることができる。
ここで、特許文献1に記載のスパークプラグにおいて、プラグカバーは、内層及び外層と、これらよりも熱伝導率の高いコア層とから構成されている。これにより、特許文献1のスパークプラグは、プラグカバーの熱引きを良くしようとしている。
特開2012−199236号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスパークプラグにおいては、副燃焼室内における火炎の成長時に、プラグカバーが火炎から熱を奪い、火炎の成長を阻害するおそれがある。それゆえ、特許文献1に記載のスパークプラグは、着火性向上の観点から改善の余地がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、着火性を向上することができるスパークプラグを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、筒状のハウジング(2)と、
前記ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(3)と、
前記絶縁碍子の内側に保持された中心電極(4)と、
前記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(5)と、
前記放電ギャップが配される副燃焼室(7)を前記ハウジングと共に構成しており、かつ、内外に貫通する噴孔(611)を備えたプラグカバー(6)と、
前記プラグカバーの内面(60)に対向配置されるとともに、前記プラグカバーよりも熱伝導率が小さい低熱伝導部材(8)と、を備えるスパークプラグ(1)にある。
前記態様のスパークプラグは、プラグカバーの内面に対向配置されるとともに、プラグカバーよりも熱伝導率が小さい低熱伝導部材を備える。それゆえ、副燃焼室内に生じる火炎の熱が、プラグカバーに奪われることを抑制しやすい。これにより、スパークプラグの着火性の向上を図りやすい。
以上のごとく、前記態様によれば、着火性を向上することができるスパークプラグを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、スパークプラグの一部断面正面図。 図1の、II−II線矢視断面図。 実施形態1における、副燃焼室内での火炎の成長の様子を説明するための、スパークプラグの一部断面正面図。 実施形態2における、スパークプラグの一部断面正面図。 実施形態3における、スパークプラグの一部断面正面図。 実験例1における、スパークプラグを取り付けたエンジンヘッドを燃焼室側から見た図であって、火炎到達距離を説明するための模式図。 実験例1における、点火からの時間と、火炎到達距離との関係を示すグラフ。 実験例2における、低熱伝導部材を備えない比較試料と、低熱伝導部材を備える試料1とのそれぞれのA/F限界を示すグラフ。 実験例3における、スパークプラグの一部断面正面図。 実験例3における、角度θと点火から9ms後の火炎到達距離との関係を示すグラフ。
(実施形態1)
スパークプラグの実施形態につき、図1〜図3を用いて説明する。
本形態のスパークプラグ1は、図1に示すごとく、ハウジング2と絶縁碍子3と中心電極4と接地電極5とプラグカバー6と低熱伝導部材8とを備える。
ハウジング2は、筒状を呈している。絶縁碍子3は、ハウジング2の内側に保持されており、筒状を呈している。中心電極4は、絶縁碍子3の内側に保持されている。接地電極5は、中心電極4との間に放電ギャップGを形成している。
プラグカバー6は、放電ギャップGが配される副燃焼室7をハウジング2と共に構成している。また、プラグカバー6は、その内外に貫通する噴孔611を備える。低熱伝導部材8は、プラグカバー6の内面60に対向配置されている。低熱伝導部材8は、プラグカバー6よりも熱伝導率が小さい。
以後、本形態につき詳説する。
以後、スパークプラグ1の中心軸を、プラグ中心軸Cという。また、プラグ中心軸Cが延びる方向を、軸方向Zという。軸方向Zにおけるスパークプラグ1の副燃焼室7が位置する側を先端側、その反対側を基端側という。また、単に「径方向」といったときは、スパークプラグ1の径方向を意味するものとする。単に「周方向」といったときは、スパークプラグ1の周方向を意味するものとする。
スパークプラグ1は、例えば、自動車、コージェネレーション等の内燃機関における着火手段として用いることができる。スパークプラグ1の基端部は、図示しない点火コイルと接続され、スパークプラグ1の先端部は内燃機関の燃焼室内に配される。
ハウジング2は、鉄、ニッケル、鉄ニッケル合金、ステンレス等の耐熱性金属材料を筒状に形成してなる。ハウジング2の外周部には、取付ネジ部21が形成されている。スパークプラグ1は、取付ネジ部21において、図示しないシリンダヘッドに設けられた雌ネジ穴に螺合され、シリンダヘッドに取り付けられる。スパークプラグ1がシリンダヘッドに取り付けられた状態においては、スパークプラグ1における取付ネジ部21よりも先端側の部位が燃焼室に曝される。
ハウジング2における取付ネジ部21の先端側には、プラグカバー6が取り付けられたハウジング先端部22が形成されている。ハウジング先端部22の外周面は、ハウジング凹面部221を有する。ハウジング凹面部221は、基端側に隣接する部位よりも内周側に凹むよう形成されているとともに、先端側が開放されている。そして、ハウジング先端部22のハウジング凹面部221に挿入するよう、プラグカバー6が取り付けられている。
プラグカバー6は、基端側が開放されたカップ状を呈している。また、プラグカバー6は、プラグ中心軸Cを回転軸とした回転体形状を有する。プラグカバー6は、カバー底壁61と、カバー底壁61の全周端縁から基端側に向かって延設されたカバー周壁62とを備える。図1、図2に示すごとく、カバー底壁61は、円板状に形成されている。カバー周壁62は、円筒状に形成されている。図1に示すごとく、カバー周壁62は、その基端部の全周においてハウジング先端部22のハウジング凹面部221に接合されている。プラグカバー6及びハウジング2によって、副燃焼室7が形成されている。
カバー底壁61には、カバー底壁61を貫通し、副燃焼室7をスパークプラグ1の外部の空間に連通する噴孔611が複数形成されている。複数の噴孔611は、プラグ中心軸Cよりも径方向の外周側に配されている。複数の噴孔611は、周方向に等間隔に形成されている。各噴孔611は、軸方向Zの先端側へ向かうにつれて径方向の外周側に向かうよう傾斜して形成されている。なお、噴孔611の数、形状、配置箇所等は、要請に応じて適宜決定される。プラグカバー6の内面60に対向するよう、低熱伝導部材8が配されている。
低熱伝導部材8は、プラグカバー6よりも熱伝導率が小さい材料からなる。例えば、プラグカバー6を鉄、ニッケル、鉄ニッケル合金、ステンレス等の耐熱性金属材料から構成し、低熱伝導部材8を、プラグカバー6よりも熱伝導率が小さいセラミックによって形成することができる。低熱伝導部材8は、例えば溶接により、プラグカバー6に対して固定されている。低熱伝導部材8は、プラグカバー6よりも厚みが小さくなるよう形成されている。
低熱伝導部材8は、プラグカバー6の内面60における副燃焼室7に面する部位の略全体に沿うよう形成されている。すなわち、低熱伝導部材8は、プラグカバー6と同様、基端側が開放されたカップ状に形成されている。低熱伝導部材8は、カバー底壁61に対向する部材底壁81と、カバー周壁62に対向する部材周壁82とを備える。
部材底壁81は、カバー底壁61と同様、円板状に形成されている。また、部材底壁81には、噴孔611に連通する連通孔811が貫通形成されている。すなわち、部材底壁81には、各噴孔611の基端側端部に繋がるよう、複数の連通孔811が形成されている。
部材周壁82は、部材底壁81の全周端縁から基端側に向かって延設されており、円筒状を呈している。これにより、低熱伝導部材8は、図2に示すごとく、周方向の全周に形成されている。そして、図1に示すごとく、部材周壁82は、放電ギャップGを外周側から覆うよう形成されている。すなわち、部材周壁82は、軸方向Zの放電ギャップGが形成された全領域に、少なくとも形成されている。部材周壁82の基端は、ハウジング先端部22の先端面まで形成されており、当該先端面と近接対向している。
カバー底壁61及び部材底壁81には、軸方向Zから見た中央部に、軸方向Zに貫通する電極配置孔Hが形成されている。電極配置孔Hに、接地電極5が挿入されている。
接地電極5は、その中心軸をプラグ中心軸Cに一致させるよう形成されている。接地電極5は、略円柱状に形成されている。接地電極5は、電極配置孔Hから基端側に向かって突出するよう配されている。接地電極5の基端側の端面は、中心電極4の先端面と軸方向Zに対向しており、中心電極4の先端面との間に放電ギャップGを形成している。
中心電極4は、その中心軸をプラグ中心軸Cに一致させるよう形成されている。絶縁碍子3の内側に挿入保持されており、先端部を絶縁碍子3から突出させている。
絶縁碍子3は、アルミナ等を筒状に形成してなる。絶縁碍子3は、ハウジング2の内側に保持されている。絶縁碍子3の先端部は、ハウジング先端部22の先端面よりも先端側に突出している。
次に、本形態の作用効果につき説明する。
本形態のスパークプラグ1は、プラグカバー6の内面60に対向配置されるとともに、プラグカバー6よりも熱伝導率が小さい低熱伝導部材8を備える。それゆえ、副燃焼室7内に生じる火炎の熱が、プラグカバー6に奪われることを抑制しやすい。これにより、スパークプラグ1の着火性の向上を図りやすい。
また、低熱伝導部材8は、スパークプラグ1の周方向における全周に形成されている。それゆえ、全周において、副燃焼室7内に生じる火炎の熱がプラグカバー6に奪われることを抑制することができる。
また、低熱伝導部材8は、少なくとも、軸方向Zにおける放電ギャップGが形成された領域に配されている。これにより、副燃焼室7内における火炎の成長を一層促進しやすい。これにつき、以下で説明する。
図3に示すごとく、放電ギャップGにおいて火花放電Sを行うことにより、噴孔611を介して副燃焼室7内に導入された混合気に着火し、副燃焼室7において火炎Fが発生する。かかる火炎は、略同心円状に広がっていく。そのため、低熱伝導部材8を軸方向Zの放電ギャップGが形成された領域に配することにより、火炎が早期にプラグカバー6に衝突することを防ぐことができる。これにより、早期に火炎の熱がプラグカバー6に奪われ、火炎の成長が阻害されることを防止することができ、副燃焼室7内における火炎の成長を一層促進しやすい。なお、図3においては、火炎の成長の様子を、符号F1〜F5にて表している。符号F1〜F5は、時間別の火炎の外郭位置を示しており、符号F1からF5の順に、時間が進んでいる。また、図3においては、火炎Fの輪郭を模式的に線で示しているが、実際は火炎の伝播と共に火炎周囲の混合気が圧縮されるため、火炎が到達していない混合気の温度も上昇する。
以上のごとく、本形態によれば、着火性を向上することができるスパークプラグを提供することができる。
(実施形態2)
本形態は、図4に示すごとく、実施形態1に対して、低熱伝導部材8の構成を変更した実施形態である。
本形態において、低熱伝導部材8は、軸方向Zの両側に開口を有する筒状に形成されている。すなわち、低熱伝導部材8は、カバー周壁62の内面を覆う部材周壁82のみからなり、カバー底壁61の内面を覆う部材底壁(図1の符号81参照)は備えていない。本形態においても、低熱伝導部材8は、軸方向Zの放電ギャップGが形成された領域に少なくとも配されており、放電ギャップG全体を全周において囲っている。
図4に示すごとく、プラグ中心軸Cを含むスパークプラグ1の断面において、放電ギャップGの中央部GCと低熱伝導部材8の先端とを結ぶ直線を第一仮想直線VL1とする。また、当該断面において、放電ギャップGの中央部GCと低熱伝導部材8の基端とを結ぶ直線を第二仮想直線VL2とする。放電ギャップGの中央部GCは、プラグ中心軸Cにおける中心電極4の先端と接地電極5との間の中央部である。
このとき、第一仮想直線VL1とプラグ中心軸Cとがなす鋭角側の角度θ1は、75°以下であり、かつ、第二仮想直線VL2とプラグ中心軸Cとがなす鋭角側の角度θ2は、75°以下である。本形態において、低熱伝導部材8の軸方向Zの中心は、放電ギャップGの中央部GCよりも基端側に位置するよう偏心して配されており、角度θ2の方が角度θ1よりも小さくなっている。
その他は、実施形態1と同様である。
なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本形態において、低熱伝導部材8は、軸方向Zの両側に開口を有する筒状に形成されている。それゆえ、低熱伝導部材8をプラグカバー6内に挿入しやすい。また、プラグカバー6の噴孔611と連通する孔や接地電極5を配置するための孔を形成する必要もなく、スパークプラグ1の生産性を向上させやすい。
さらに、プラグ中心軸Cを含む断面において、角度θ1は、75°以下であり、かつ、角度θ2は75°以下である。これにより、低熱伝導部材8を軸方向Zの両側に開口する筒状に形成した場合であっても、放電ギャップGを広く覆うように低熱伝導部材8を配することができ、副燃焼室7内の火炎がプラグカバー6に熱を奪われ、成長が阻害されることを防止できる。その結果、噴孔611から燃焼室に向けて火炎を噴射しやすく、燃焼室内における混合気への着火性を向上させやすい。この数値については、後述の実験例において裏付けられる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態3)
本形態は、図5に示すごとく、実施形態2と基本構造を同様としつつ、プラグカバー6に、低熱伝導部材8を配置する凹部600を形成した形態である。
低熱伝導部材8は、軸方向Zにおける少なくとも放電ギャップGの形成された領域に形成されており、放電ギャップG全体を外周側から囲っている。本形態において、軸方向Zの低熱伝導部材8の長さは、軸方向Zのカバー周壁62の長さの半分以下の長さに形成されている。また、本形態において、低熱伝導部材8の軸方向Zの中心は、放電ギャップGの中央部GCと同位置にある。これに伴い、角度θ1と角度θ2とは、互いに同じになっている。
そして、プラグカバー6における低熱伝導部材8に対向する面には、周囲よりも外周側に凹む凹部600が形成されている。凹部600の径方向の深さは、低熱伝導部材8の厚みと同等である。そして、凹部600に低熱伝導部材8が配置されている。低熱伝導部材8の内径φ1は、プラグカバー6における凹部600に隣接する部位の内径φ2と同等である。これにより、低熱伝導部材8の内面80とプラグカバー6の内面60とは面一に形成されている。
その他は、実施形態2と同様である。
本形態において、プラグカバー6は、低熱伝導部材8を配置する凹部600を有する。それゆえ、低熱伝導部材8とプラグカバー6との間に段差が形成されることを防止しやすい。これにより、前記段差が形成されて副燃焼室7を囲む壁面の面積が増えることに起因して燃焼室内の火炎の熱が奪われやすくなり、かつ、前記段差周辺に未燃の混合気が残存することを防止することができる。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
(実験例1)
本例は、低熱伝導部材を備えるスパークプラグと、低熱伝導部材を備えないスパークプラグとにおいて、スパークプラグの点火からの時間と、後述の火炎到達距離との関係を測定した例である。
本例においては、基本構造を実施形態1と同様としたスパークプラグである試料1と、実施形態1のスパークプラグから低熱伝導部材を排除したスパークプラグである比較試料とを準備した。試料1において、低熱伝導部材は、熱伝導率が1.6[W/mK]のセラミックとした。試料1の低熱伝導部材の厚さは、500μmとした。また、各試料において、プラグカバーの熱伝導率は、90[W/mK]とした。
そして、各試料を内燃機関に取り付け、燃焼室の空燃比(A/F)を20とし、スパークプラグの点火時から、時間別の火炎到達距離を測定した。火炎到達距離Dは、図6に示すごとく、内燃機関のシリンダヘッド11に取り付けたスパークプラグ1を軸方向の先端側から見たときの、噴孔611から火炎の先端までの直線距離である。
結果を図7に示す。なお、図7において、横軸の時間は、点火からの時間を意味する。すなわち、横軸0[ms]は、点火時である。また、図7においては、試料1の結果を四角記号「□」でプロットしており、比較試料の結果をひし形記号「◇」でプロットしている。
図7から、低熱伝導部材を備える試料1は、低熱伝導部材を備えない比較試料に比べ、火炎が噴孔から噴き出すタイミングが早まる傾向があることが分かる。これは、比較試料に比べ、試料1は、低熱伝導部材を備えることにより、副燃焼室内での火炎の成長が阻害され難くなった結果であると考えられる。そして、スパークプラグの点火から、火炎が噴孔から噴き出すまでの時間が短くなることによって、低熱伝導部材を備えるスパークプラグは、よりTDC(すなわちtop dead center)に近いクランク角度で噴孔から燃焼室に火炎を噴射することができる。これにより、低熱伝導部材を備えるスパークプラグは、TDCに近いクランク角度であって、筒内温度が高い状態において、燃焼室内に火炎を噴射することができ、着火性を高めることができるとともに各サイクルにおいて変動が少ない燃焼を実現しやすい。
また、図7から、低熱伝導部材を備える試料1は、比較試料に比べ、プロットの傾きが大きいことが分かる。つまり、低熱伝導部材を備えるスパークプラグは、比較試料に比べ、噴孔から噴出される火炎の速度が高いことが分かる。これにより、低熱伝導部材を備えるスパークプラグは、燃焼室内の気流の流動性を高くし(すなわち、気流の乱れを強くし)、燃焼速度を早くしやすい。これにより、低熱伝導部材を備えるスパークプラグにおいては、比較試料と比べ、EGR導入やリーン運転状況での燃焼の安定化や高負荷のノック抑制に有効である。
(実験例2)
本例は、図8に示すごとく、低熱伝導部材を備えるスパークプラグと、低熱伝導部材を備えないスパークプラグとのそれぞれの着火性を評価した例である。各スパークプラグの着火性は、A/F限界の値の測定によって調べた。ここで、A/F限界とは、正常な燃焼が行われるための限界の空燃比をいい、A/F限界の値が大きいほど、燃焼性能に優れていると言える。なお、本例において、正常な燃焼とは、燃焼変動率が3%以下であることを意味する。燃焼変動率とは、図示平均有効圧Pmiの(標準偏差/平均)×100%で示されるものである。
本例において、低熱伝導部材を備えるスパークプラグとして、実験例1で示した試料1と同様のものを使用し、低熱伝導部材を備えないスパークプラグとして、実験例1で示した比較試料と同様のものを使用した。
そして、本例では、A/Fの値を変化させながら燃焼圧センサーの出力により、燃焼変動率を測定し、A/F限界の値を調べた。各試料における各サイクルの燃焼条件は、同じとした。すなわち、各サイクルにおける吸気量、燃料噴射量、吸排気バルブの開閉タイミングを一定とし、エンジン回転数が2000回転/分、図示平均有効圧Pmiが600kPaとなる条件の下で試験を行った。結果を、図8に示す。
図8から分かるように、低熱伝導部材を備える試料1は、低熱伝導部材を備えない比較試料と比べ、高いA/F限界を得られており、着火性が向上することが分かる。
(実験例3)
本例は、図9に示すごとく基本構造を実施形態2と同様とするスパークプラグ1において、第一仮想直線VL1とプラグ中心軸Cとがなす鋭角側の角度θ1、及び、第二仮想直線VL2とプラグ中心軸Cとがなす鋭角側の角度θ2を種々変更したときの、点火9ms後の火炎到達距離を測定した例である。
本例においては、軸方向Zの低熱伝導部材8の中心位置を、軸方向Zの放電ギャップGの中央部GCと一致させつつ、低熱伝導部材8の軸方向Zの長さを種々変更することで、角度θ1、角度θ2を変更した。この場合、幾何学的に角度θ1と角度θ2とは同値になるため、以後、これらをまとめて角度θという。
本例においては、各試料を内燃機関に取り付けエンジン回転数が2000回転/分、図示平均有効圧Pmiが600kPaとなる条件で運転をし、点火から9[ms]後の火炎到達距離を測定した。結果を図10に示す。
図10から分かるよう、角度θを75°以下とすることにより、点火9ms後の火炎到達距離が長くなる。すなわち、角度θを75°以下とすることにより、点火後早期に火炎を燃焼室内に広げやすく、火炎噴射を強めやすい。また、角度θを65°以下にすると、かかる効果が更に得やすいことが図10から把握できる。
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、低熱伝導部材はセラミックである例を示したが、これに限られず、プラグカバーよりも熱伝導率が低ければ、その他の種々の材料を採用することが可能である。
1 スパークプラグ
2 ハウジング
3 絶縁碍子
4 中心電極
5 接地電極
6 プラグカバー
60 プラグカバーの内面
611 噴孔
7 副燃焼室
8 低熱伝導部材

Claims (5)

  1. 筒状のハウジング(2)と、
    前記ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(3)と、
    前記絶縁碍子の内側に保持された中心電極(4)と、
    前記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(5)と、
    前記放電ギャップが配される副燃焼室(7)を前記ハウジングと共に構成しており、かつ、内外に貫通する噴孔(611)を備えたプラグカバー(6)と、
    前記プラグカバーの内面(60)に対向配置されるとともに、前記プラグカバーよりも熱伝導率が小さい低熱伝導部材(8)と、を備えるスパークプラグ(1)。
  2. 前記低熱伝導部材は、前記スパークプラグの周方向における全周に形成されている、請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記低熱伝導部材は、少なくとも、前記スパークプラグの軸方向(Z)における前記放電ギャップが形成された領域に配されている、請求項2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記低熱伝導部材は、前記軸方向の両側に開口を有する筒状に形成されており、
    前記スパークプラグの中心軸(C)を含む断面において、前記放電ギャップの中央部(GC)と前記低熱伝導部材の先端とを結ぶ直線を第一仮想直線(VL1)とし、前記放電ギャップの前記中央部と前記低熱伝導部材の基端とを結ぶ直線を第二仮想直線(VL2)としたとき、前記第一仮想直線と前記中心軸とがなす鋭角側の角度(θ1)は、75°以下であり、かつ、前記第二仮想直線と前記中心軸とがなす鋭角側の角度(θ2)は、75°以下である、請求項3に記載のスパークプラグ。
  5. 前記プラグカバーは、前記低熱伝導部材を配置する凹部(600)を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
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JP2007138909A (ja) * 2005-11-23 2007-06-07 Nissan Motor Co Ltd 副室式内燃機関

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