JP2021014314A - 脱臭方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内容物充填システムに残存するフレーバーを効率良く除去することが可能な脱臭方法を提供する。【解決手段】脱臭方法は、製品加熱殺菌機3を含む第1循環系25aのCIPを行う第1CIP工程と、第1循環系25aのSIPを行う第1SIP工程と、充填装置6を含む第2循環系25bのCIPを行う第2CIP工程と、第2循環系25bのSIPを行う第2SIP工程と、第1循環系25aおよび第2循環系25bの脱臭処理を施す脱臭処理工程とを備えている。脱臭処理工程は、第1循環系25aに水を供給する工程と、第1循環系25aに供給された水を加熱殺菌機3により加熱する工程と、第2循環系25bに、加熱された水を供給する工程とを有している。【選択図】図6

Description

本発明は、内容物充填システムを脱臭する脱臭方法に関する。
従来から、飲料をボトル等の容器に充填するシステムとして、飲料自体を殺菌するとともに、サージタンク、配管、充填ノズル等を殺菌して無菌状態にする内容物充填システムが知られている。このような内容物充填システムでは、例えば飲料の種類を切り替える際に、CIP(Cleaning in Place)処理をし、さらに、SIP(Sterilizing in Place)処理をしている(例えば、特許文献1)。
CIPは、飲料の流路やタンクに付着した前回の飲料の残留物等を除去するためのものであり、飲料の流路に、例えば水に苛性ソーダ等のアルカリ性薬剤を添加した洗浄液を流した後に、水に酸性薬剤を添加した洗浄液を流すことにより行われる。
SIPは、飲料の流路やタンクを殺菌処理し、無菌状態にするためのものであり、例えば、CIPで洗浄した流路内に加熱蒸気または熱水を流すことによって行われる。
しかしながら、近年、このような内容物充填システムでは、例えばミネラルウォーター、炭酸飲料、茶系飲料、果実飲料、コーヒー飲料、乳飲料、機能性飲料、アルコール入り飲料、カフェインやアルギニンを含むいわゆるエナジードリンク等の多様な飲料が充填されるようになっている。また、このような多様な飲料には、多くのフレーバーが含有している飲料も存在する。さらに、フレーバーを多く含有する飲料の次回に、例えばミネラルウォーター等のフレーバーを含まない飲料を充填する場合もある。このため、CIPおよびSIP後に、飲料の流路にフレーバーが残存していた場合、残存するフレーバーが次回の飲料に入り込み、前回の飲料の香りが次回の飲料に付着してしまう問題がある。前回の飲料の香りが次回の飲料に付着していた場合、再度CIPおよびSIPを行う必要があり、生産性が著しく悪化する。
特開2007−22600号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、内容物充填システムに残存するフレーバーを効率良く除去することが可能な脱臭方法を提供することを目的とする。
本発明は、内容物充填システムを脱臭する脱臭方法において、飲料を加熱する製品加熱殺菌機を含む第1循環系のCIPを行う第1CIP工程と、前記第1循環系のSIPを行う第1SIP工程と、容器に内容物を充填する充填装置を含む第2循環系のCIPを行う第2CIP工程と、前記第2循環系のSIPを行う第2SIP工程と、前記第1循環系および前記第2循環系の脱臭処理を施す脱臭処理工程とを備え、前記脱臭処理工程において、加熱された水を少なくとも前記第2SIPが行われた後の前記第2循環系に供給する、脱臭方法である。
前記脱臭処理工程は、前記第1SIPが行われた後の前記第1循環系に水を供給する工程と、前記第1循環系に供給された前記水を前記製品加熱殺菌機により加熱する工程と、前記第2SIPが行われた後の前記第2循環系に、前記製品加熱殺菌機により加熱された前記水を供給する工程とを有する、脱臭方法である。
本発明は、前記第1循環系に供給された前記水を前記製品加熱殺菌機により加熱する工程において、前記水は、70℃以上100℃以下の温度に加熱される、脱臭方法である。
本発明は、前記第1SIPが行われた前記第1循環系に水を供給する工程において、前記水を前記第1循環系に供給する時間は、5分以上120分以下である、脱臭方法である。
本発明は、前記第2SIPが行われた前記第2循環系に、前記製品加熱殺菌機により加熱された前記水を供給する工程において、前記水を前記第2循環系に供給する時間は、5分以上120分以下である、脱臭方法である。
本発明は、前記第2循環系は、殺菌された飲料を貯留するタンクと、前記タンクの下流側に接続され、無菌水を作製する無菌水作製用加熱殺菌機とを含み、前記脱臭処理工程は、前記無菌水作製用加熱殺菌機に水を供給して加熱する工程と、前記第2SIPが行われた後の前記第2循環系に、前記無菌水作製用加熱殺菌機により加熱された前記水を供給する工程とを有する、脱臭方法である。
本発明は、前記無菌水作製用加熱殺菌機に水を供給して加熱する工程において、前記水は、70℃以上100℃以下の温度に加熱される、脱臭方法である。
本発明は、前記第2SIPが行われた後の前記第2循環系に、前記無菌水作製用加熱殺菌機により加熱された前記水を供給する工程において、前記水を前記第2循環系に供給する時間は、5分以上120分以下である、脱臭方法である。
本発明によれば、内容物充填システムに残存するフレーバーを効率良く除去することができる。
図1は、本発明の一実施の形態による脱臭方法が適用される内容物充填システムを示すブロック図である。 図2は、本発明の一実施の形態による脱臭方法を示すブロック図である。 図3は、本発明の一実施の形態による脱臭方法を示すブロック図である。 図4は、本発明の一実施の形態による脱臭方法を示すブロック図である。 図5は、本発明の一実施の形態による脱臭方法を示すブロック図である。 図6は、本発明の一実施の形態による脱臭方法を示すブロック図である。 図7は、本発明の一実施の形態による脱臭方法を示すブロック図である。 図8は、本発明の一実施の形態による脱臭方法が適用される内容物充填システムの変形例を示すブロック図である。 図9は、本発明の一実施の形態による脱臭方法の変形例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1乃至図7は本発明の一実施の形態を示す図である。
まず、図1により、本実施の形態による脱臭方法が適用される内容物充填システムの概要について説明する。
図1に示すように、内容物充填システム100は、調合装置1と、バランスタンク2と、加熱殺菌機(製品加熱殺菌機)(Ultra High−temperature、以下UHTと記す)3と、サージタンク(タンク)4と、ヘッドタンク5と、充填装置(フィラー)6とを備えている。調合装置1、バランスタンク2、UHT3、サージタンク4、ヘッドタンク5、および充填装置6は、飲料の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配置されている。また、調合装置1、バランスタンク2、UHT3、サージタンク4、ヘッドタンク5、および充填装置6は、後述するように、飲料が通過する製品供給系配管20によってそれぞれ連結されている。なお、サージタンク4およびヘッドタンク5は、少なくとも一方が設けられていれば良い。
このうち、調合装置1は、製品である飲料を所望の配合割合で調合するものである。製品としては、例えばミネラルウォーター、炭酸飲料、茶系飲料、果実飲料、コーヒー飲料、乳飲料、機能性飲料、アルコール入り飲料、カフェインやアルギニンを含むいわゆるエナジードリンク等が挙げられる。
バランスタンク2は、調合装置1によって調合された飲料を貯留することにより、飲料の流れを円滑にするものである。なお、図1に示すように、このバランスタンク2の下流側にヒータH1が設けられ、後述するCIPの際にヒータH1により薬剤を加熱する。
UHT3は、バランスタンク2から供給された飲料を加熱し殺菌するものである。このUHT3は、第1段加熱部31と、第2段加熱部32と、ホールディングチューブ33と、第1段冷却部34と、第2段冷却部35とを有している。UHT3に供給された飲料は、第1段加熱部31および第2段加熱部32によって徐々に加熱され、ホールディングチューブ33内で目標温度まで加熱されるようになっている。この場合、例えば飲料は、第1段加熱部31によって60℃以上80℃以下に加熱され、第2段加熱部32によって60℃以上150℃以下に加熱される。また、ホールディングチューブ33内で一定時間温度が保持される。さらに、ホールディングチューブ33内を通過した飲料は、第1段冷却部34および第2段冷却部35によって徐々に冷却されるようになっている。なお、加熱部や冷却部の段数は必要に応じて増減される。
サージタンク4は、UHT3によって殺菌された飲料を貯留するものである。
ヘッドタンク5は、充填装置6に供給する、殺菌された飲料を貯留するものである。
充填装置6は、容器9の口部から容器9内へ、予め殺菌処理された内容物を充填するものである。この充填装置6において、空の状態の容器9に対して内容物が充填される。この充填装置6において、充填ノズル6aとともに複数の容器9が回転(公転)されながら、容器9の内部へ内容物が充填される。この内容物は常温で容器9内に充填されても良い。内容物は予め加熱等により殺菌処理され、3℃以上かつ40℃以下の常温まで冷まされた上で容器9内に充填される。
また、内容物充填システム100は、無菌チャンバ10を有している。無菌チャンバ10の内部に、上述した充填装置6が収容されている。この場合、無菌チャンバ10の内部が無菌状態に保持されている。
上述した調合装置1、バランスタンク2、UHT3、サージタンク4、ヘッドタンク5、および充填装置6は、飲料が通過する製品供給系配管20によってそれぞれ連結されている。この製品供給系配管20は、UHT3とサージタンク4との間に配置されたマニホルドバルブ21の上流側に位置する上流側供給配管20aと、マニホルドバルブ21の下流側に位置する下流側供給配管20bとを含んでいる。ここで、マニホルドバルブ21は、流路の切り換えを行うためのものである。図1の太線に示すように、マニホルドバルブ21は、容器9に飲料を充填する際には、上流側供給配管20aと下流側供給配管20bとを連通させる。一方、マニホルドバルブ21は、CIPおよびSIP(以下、CIP等とも記す)を行う際には、上流側供給配管20aと後述する上流側帰還配管22aとを連通させ(図2および図3参照)、下流側供給配管20bと後述する下流側帰還配管22bとを連通させる(図4乃至図6参照)。
このマニホルドバルブ21には、上流側帰還配管22aが接続されており、上流側帰還配管22aの下流側には、上流側帰還配管22aとバランスタンク2とを連結するバイパス配管23aが接続されている。また、上流側帰還配管22aのうち、バイパス配管23aの下流側には、CIP等を行う際に薬剤等を供給するための上流側供給機構24aが設けられている。この上流側供給機構24aには、上流側供給機構24aとバイパス配管23aとを連結する上流側導入配管26aが接続されており、上流側導入配管26aを介して、バイパス配管23aに薬剤等を供給するように構成されている。このような構成により、上流側供給配管20aと、上流側帰還配管22aと、バイパス配管23aとによって、CIP等を行うための上流側循環系(第1循環系)25aが形成されている。なお、上流側循環系25aにおいては、各配管や各部材の接続箇所等に、例えばパッキンからなるシール部材が設けられており、飲料等が漏れ出さないように構成されている。この場合、上流側循環系25aにおいては、シール部材として、例えばフッ素樹脂(PTFE)やEPDM、NBR、H−NBR、シリコーン製、フッ素系のゴムパッキンやPTFEで被覆された各種ゴムが使用され得る。
なお、CIPの際に、上述した上流側供給機構24aによってバイパス配管23aに供給される薬剤としては、アルカリ性洗浄液を用いることができる。アルカリ性洗浄液は、アルカリ成分として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素化アルカリ等のうち所望のものを含んでいる。また、アルカリ性洗浄液は、クエン酸、コハク酸、グルコン酸などの有機酸、またはリン酸及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、エチレンジアミン四酢酸などのアルカノールアミン塩等のヒドロキシカルボン酸化合物などの金属イオン封鎖剤、また、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類などの非イオン系界面活性剤、クメンスルホン酸ナトリウムなどの可溶化剤、ポリアクリル酸などの酸系高分子またはこれらの金属塩、腐食抑制剤、防腐剤、酸化防止剤、分散剤、消泡剤などを含んでいても良い。これらを溶解する水は純水、イオン交換水、蒸留水、水道水などが使用される。また、アルカリ性洗浄液は、次亜塩素酸塩、過酸化水素、過酢酸、過炭酸ナトリウム、二酸化チオ尿素等の各種漂白剤を含んでいても良い。
このようなアルカリ性洗浄液としては、例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを0.1質量%以上10質量%以下程度含んだものであっても良い。また、アルカリ性洗浄液として、塩素濃度が100〜3,000ppmの次亜塩素酸ナトリウムを含んだものであっても良い。アルカリ性洗浄液として、塩素濃度が100〜3,000ppmの次亜塩素酸ナトリウムを含んだ洗浄液を用いた場合、水酸化ナトリウムを含んだ洗浄液を用いた場合よりも殺菌性を高めることができる。
また、マニホルドバルブ21には、後述するCIP等の際に薬剤等を加熱するヒータH2が設けられた下流側帰還配管22bが接続されている。下流側帰還配管22bの上流には、CIP等を行う際に薬剤等を供給するための下流側供給機構24bが設けられている。この下流側供給機構24bには、下流側供給機構24bと下流側帰還配管22bとを連結する下流側導入配管26bが接続されており、下流側導入配管26bを介して、下流側帰還配管22bに薬剤等を供給するように構成されている。また、下流側帰還配管22bには、CIP等の際に上述した充填装置6の充填ノズル6aを通過した薬剤等を受けるドレン配管27bが接続されている。このドレン配管27bには、各充填ノズル6aに対して取り外し可能に構成されたカップ11が取り付けられている。このカップ11は、CIP等を行う際に図示しないアクチュエータによって充填ノズル6aに被せられる。これにより、ドレン配管27bが充填ノズル6aに接続されるようになっている。このような構成により、下流側供給配管20bと、下流側帰還配管22bと、ドレン配管27bとによって、CIP等を行うための下流側循環系(第2循環系)25bが形成されている。なお、下流側循環系25bにおいても、各配管や各部材の接続箇所には、例えばパッキンからなるシール部材が設けられており、飲料等が漏れ出さないように構成されている。この場合、下流側循環系25bにおいても、シール部材として、例えばフッ素樹脂(PTFE)やEPDM、NBR、H−NBR、シリコーン製、フッ素系のゴムパッキンやPTFEで被覆された各種ゴムが使用され得る。
なお、CIP等の際に、上述した下流側供給機構24bによって下流側帰還配管22bに供給される薬剤としては、上流側供給機構24aによってバイパス配管23aに供給される薬剤と同様のアルカリ性洗浄液を用いることができる。
また、上述した上流側供給配管20a、上流側帰還配管22a、下流側供給配管20b、下流側帰還配管22b、ドレン配管27bには、温度センサ12が接続されている。この温度センサ12は、例えば、その中に熱水等が供給された際に温度が上昇しにくい箇所に配置されていても良い。例えば、図1に示すように、温度センサ12は、UHT3のホールディングチューブ33と第1段冷却部34との間等に配置されている。なお、温度センサ12は、上流側供給配管20a、上流側帰還配管22a、下流側供給配管20b、下流側帰還配管22b、ドレン配管27b以外の場所に設けられていても良い。例えば、温度センサ12は、充填装置6のうち内容物が通過する流路に設けられていても良い。これらの温度センサ12によって測定された温度の情報は、図示しない制御装置へ送信される。
なお、上述した製品供給系配管20等には、上述したマニホルドバルブ21、図示しないアクチュエータのほか、各種切換え弁、ポンプ等が設けられており、これらも図示しない制御装置からの信号によって制御される。
なお、上述した内容物充填システム100は、85℃以上かつ100℃未満の高温下で内容物を充填する高温充填システムであっても良い。また、55℃以上かつ85℃未満の中温下で内容物を充填する中温充填システムであっても良い。
次に、本実施の形態による作用について説明する。ここでは、内容物充填システム100を脱臭する脱臭方法について、図2乃至図7により説明する。なお、図2乃至図7において、水、薬剤および蒸気が通る配管は、太線で示している。
まず、内容物充填システム100における飲料の充填が終了した後、図示しない制御装置の操作ボタンを操作する。これにより、後述するように、上流側循環系25aおよび下流側循環系25bにおいて、CIPおよびSIPが各々所定の手順で実行される(図2乃至図5参照)。この際、マニホルドバルブ21が切り替えられ、上流側供給配管20aと上流側帰還配管22aとが連通し(図2および図3参照)、下流側供給配管20bと下流側帰還配管22bとが連通する(図4および図5参照)。なお、上流側循環系25aのCIPおよびSIP、並びに下流側循環系25bのCIPおよびSIPは、互いに順を追って行っても良く、または並行して行っても良い。ここでは、まず、上流側循環系25aのCIP工程(第1CIP工程)およびSIP工程(第1SIP工程)について説明する。
CIP工程
(第1すすぎ工程)
まず、図2に示すように、上流側循環系25aに水が供給される。この際、まず、上流側供給機構24aから上流側導入配管26aを介してバランスタンク2内に水が供給される。この際、水は、例えば10℃以上40℃以下の温度、一例として15℃の温度で上流側循環系25aに供給される。なお、この際、上流側供給機構24aを使用することなく、図示しない配管等からバランスタンク2内に水が供給されても良い。
次に、上流側循環系25aに供給された水は、上流側供給配管20aを通りマニホルドバルブ21を通過する。続いて、水は、上流側帰還配管22aに供給され、上流側帰還配管22aを通り、上流側供給機構24aから廃液として外部に排出される。この際、上流側供給機構24aにおいて、供給する水と外部に排出される水との間で熱交換が行われても良い。
上述したように上流側循環系25aに水を供給する場合、水を上流側循環系25aに供給する時間は、5分以上30分以下、一例として5分であっても良い。
(薬剤循環工程)
次いで、図3に示すように、上流側循環系25aに薬剤を供給して循環させる。この際、まず、上流側供給機構24aから上流側導入配管26aを介してバランスタンク2内に薬剤が供給される。この場合、薬剤としては、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを0.1〜10質量%含んだアルカリ性洗浄液や、塩素濃度が100〜3000ppmの次亜塩素酸ナトリウムを含んだアルカリ性洗浄液を用いることができる。なお、この際、上流側供給機構24aを使用することなく、図示しない配管等からバランスタンク2やヒータH1内に薬剤が供給されても良い。
バランスタンク2に供給された薬剤は、バランスタンク2を通過し、バランスタンク2の下流側に設けられたヒータH1によって加熱される。また、ヒータH1によって加熱された薬剤は、上流側供給配管20aを通りUHT3に送られ、UHT3によって更に加熱される。この際、薬剤は、例えば70℃以上150℃以下の温度、一例として80℃に加熱される。
次に、加熱された薬剤は、上流側供給配管20aを通りUHT3およびマニホルドバルブ21を通過する。続いて、加熱された薬剤は、上流側帰還配管22aに供給され、上流側帰還配管22aに接続されたバイパス配管23aに供給される。そして、薬剤は、バイパス配管23aを介してバランスタンク2内に供給される。このようにして、薬剤が上流側循環系25aを循環する。なお、薬剤は、図示しない配管等により、バイパス配管23aを介してヒータH1に供給され上流側循環系25aを循環しても良い。その後、薬剤は、上流側循環系25a内を所定の時間循環した後に、上流側供給機構24aから廃液として外部に排出される(図2参照)。この場合、薬剤を上流側循環系25a内に供給して循環させる時間は、5分以上60分以下、一例として15分であっても良い。
なお、必要に応じて、アルカリ性洗浄液による浄化の前後に、酸性洗浄液による洗浄が行われても良い。また、例えば、酸性洗浄液による浄化の後にアルカリ性洗浄液による浄化を行い、その後更に酸性洗浄液による浄化を行っても良い。また、アルカリ性洗浄液による浄化の後に酸性洗浄液による浄化を行い、その後更にアルカリ性洗浄液による浄化を行っても良い。
(第2すすぎ工程)
次に、図2に示すように、上流側循環系25aに水が供給される。この際、上述した第1すすぎ工程と同様に、上流側循環系25aに水が供給される。この場合、水は、例えば10℃以上40℃以下の温度、一例として15℃の温度で上流側循環系25aに供給される。また、水を上流側循環系25aに供給する時間は、5分以上60分以下、一例として10分であっても良い。なお、この場合においても、上流側供給機構24aを使用することなく、図示しない配管等からバランスタンク2内に水が供給されても良い。
(第3すすぎ工程)
また、必要に応じて、上述した第2すすぎ工程の後に、上流側循環系25aに水が供給されても良い。この際、上述した第1すすぎ工程および第2すすぎ工程と同様に、上流側循環系25aに水が供給される。この場合、水は、上流側循環系25a内において、例えば10℃以上40℃以下の温度、一例として15℃の温度で上流側循環系25aに供給される。また、水を上流側循環系25aに供給する時間は、5分以上60分以下、一例として10分であっても良い。なお、この場合においても、上流側供給機構24aを使用することなく、図示しない配管等からバランスタンク2内に水が供給されても良い。
このようにして、上流側循環系25aのCIPが行われる。
そして、上流側循環系25aのCIPが行われた後に、上流側循環系25aのSIPが行われる。
SIP工程
まず、図3に示すように、上流側循環系25aに水を供給して循環させる。この際、まず、上流側供給機構24aから上流側導入配管26aを介してバランスタンク2内に水が供給される。バランスタンク2に供給された水は、上流側供給配管20aを通りUHT3に送られ、UHT3によって加熱されて殺菌される。この際、水は、例えば90℃以上150℃以下の温度、一例として95℃に加熱される。なお、この際、上流側供給機構24aを使用することなく、図示しない配管等からバランスタンク2やヒータH1内に水が供給されても良い。
次に、UHT3で加熱された水は、上流側供給配管20aを通りマニホルドバルブ21を通過する。続いて、加熱された水は、上流側帰還配管22aに供給され、上流側帰還配管22aに接続されたバイパス配管23aに供給される。そして、水は、バイパス配管23aを介してバランスタンク2内に供給される。このようにして、水が上流側循環系25aを循環する。なお、水は、図示しない配管等により、バイパス配管23aを介してヒータH1に供給され上流側循環系25aを循環しても良い。その後、水は、上流側循環系25a内を所定の時間循環した後に、上流側供給機構24aから廃液として外部に排出される(図2参照)。
上述したように上流側循環系25aに水を供給して循環する場合、水を上流側循環系25aに供給し、循環する時間は、5分以上60分以下、一例として5分であっても良い。
なお、上流側循環系25aに水ではなく、蒸気等の殺菌用作業流体や上述の薬剤を供給しても良い。
このようにして、上流側循環系25aのSIPが行われる。
その後、無菌状態を維持したまま、SIPのために加熱したUHT3等を所望の設定温度まで冷却する。
次に、下流側循環系25bのCIP工程(第2CIP工程)およびSIP工程(第2SIP工程)について説明する。
CIP工程
まず、図4に示すように、カップ11が、充填ノズル6aに被せられる。これにより、ドレン配管27bが充填ノズル6aに接続される。
(第1すすぎ工程)
次に、下流側循環系25bに水が供給される。この際、まず、下流側供給機構24bから下流側導入配管26bを介して下流側帰還配管22bに水が供給される。この際、水は、例えば5℃以上40℃以下の温度、一例として15℃の温度で下流側循環系25bに供給される。
次いで、供給された水は、下流側帰還配管22bを通りマニホルドバルブ21を通過する。この際、水は、下流側供給配管20bに供給され、下流側供給配管20b、サージタンク4、ヘッドタンク5、充填装置6およびドレン配管27bを通り、下流側供給機構24bから廃液として外部に排出される。
上述したように下流側循環系25bに水を供給する場合、水を下流側循環系25bに供給する時間は、5分以上30分以下、一例として5分であっても良い。
(薬剤循環工程)
次に、図5に示すように、下流側循環系25bに薬剤を供給して循環させる。この際、まず、下流側供給機構24bから下流側導入配管26bを介して下流側帰還配管22bに薬剤が供給される。薬剤としては、上流側循環系25aをCIPした際に使用した薬剤と同様のアルカリ性洗浄液を用いることができる。下流側帰還配管22bに供給された薬剤は、ヒータH2により加熱される。この際、薬剤は、例えば70℃以上150℃以下の温度、一例として80℃に加熱される。
次いで、加熱された薬剤は、マニホルドバルブ21を通過し、下流側供給配管20b、サージタンク4、ヘッドタンク5および充填装置6を通過する。そして、ドレン配管27bを介して下流側帰還配管22bに供給される。このようにして、薬剤が下流側循環系25bを循環する。その後、薬剤は、下流側循環系25b内を所定の時間循環した後に、下流側供給機構24bから廃液として外部に排出される(図4参照)。この場合、薬剤を下流側循環系25b内に供給して循環させる時間は、5分以上60分以下、一例として15分であっても良い。
なお、必要に応じて、上流側循環系25aと同様に、アルカリ性洗浄液による浄化の前後に、酸性洗浄液による洗浄が行われても良い。また、例えば、酸性洗浄液による浄化の後にアルカリ性洗浄液による浄化を行い、その後更に酸性洗浄液による浄化を行っても良い。また、アルカリ性洗浄液による浄化の後に酸性洗浄液による浄化を行い、その後更にアルカリ性洗浄液による浄化を行っても良い。
(第2すすぎ工程)
次に、図4に示すように、下流側循環系25bに水が供給される。この際、上述した下流側循環系25bにおける第1すすぎ工程と同様に、下流側循環系25bに水が供給される。この場合、水は、下流側循環系25b内において、例えば10℃以上40℃以下の温度、一例として15℃の温度で下流側循環系25bに供給される。また、水を下流側循環系25bに供給する時間は、5分以上60分以下、一例として10分であっても良い。
(第3すすぎ工程)
また、必要に応じて、上述した下流側循環系25bにおける第2すすぎ工程の後に、下流側循環系25bに水が供給されても良い。この際、上述した下流側循環系25bにおける第1すすぎ工程および第2すすぎ工程と同様に、下流側循環系25bに水が供給される。この場合、水は、下流側循環系25b内において、例えば10℃以上40℃以下の温度、一例として15℃の温度で下流側循環系25bに供給される。また、水を下流側循環系25bに供給する時間は、5分以上120分以下、一例として10分であっても良い。
このようにして、下流側循環系25bのCIPが行われる。
そして、下流側循環系25bのCIPが行われた後に、下流側循環系25bのSIPが行われる。
SIP工程
まず、図6に示すように、下流側循環系25bに蒸気が供給される。この際、まず、マニホルドバルブ21から蒸気が供給される。この際、蒸気は、例えば90℃以上150℃以下の温度、一例として135℃の温度で下流側循環系25bに供給される。なお、蒸気は、各タンク4、5の上部から供給しても良い。
次いで、マニホルドバルブ21に供給された蒸気は、下流側供給配管20b、サージタンク4、ヘッドタンク5、充填装置6およびドレン配管27bを通り外部に排出される。
上述したように下流側循環系25bに蒸気を供給する場合、蒸気を下流側循環系25bに供給する時間は、5分以上60分以下、一例として5分であっても良い。
なお、下流側循環系25bに蒸気ではなく、水等の殺菌用作業流体やCIP洗浄に使用した前述の薬剤を供給しても良い。
このようにして、下流側循環系25bのSIPが行われる。
その後、下流側循環系25bを無菌エアにより冷却する。この際、下流側供給配管20b内に無菌エアが送り込まれ、下流側供給配管20b、サージタンク4、充填装置6等が冷却される。この際、例えば、充填装置6のうち内容物が通過する流路の温度が60℃以上100℃以下になるまで無菌エアによる冷却が行われる。なお、その後、下流側循環系25bに無菌水が供給されることにより下流側循環系25bの冷却が行われても良い。
脱臭処理工程
次に、上流側循環系25aおよび下流側循環系25bの脱臭処理を施す脱臭処理工程について説明する。
まず、上流側循環系25aおよび下流側循環系25bのSIPが終了した後、図示しない制御装置の操作ボタンを操作する。これにより、マニホルドバルブ21が切り替えられ、上流側供給配管20aと下流側供給配管20bとが連通する(図7参照)。
次に、SIPが行われた上流側循環系25aに水が供給される。この際、図7に示すように、上流側供給機構24aから上流側導入配管26aを介してバランスタンク2内に水が供給される。バランスタンク2に供給された水は、上流側供給配管20aを通りUHT3に送られる。なお、この場合においても、上流側供給機構24aを使用することなく、図示しない配管等からバランスタンク2内に水が供給されても良い。
次いで、上流側循環系25aに供給された水をUHT3により加熱して殺菌する。供給された水をUHT3によって加熱して殺菌することにより無菌状態を維持したままで、内容物充填システム100の脱臭処理を行うことができる。この際、水は、次に製造する製品殺菌条件以上の殺菌価以上の熱負荷がかかる条件で殺菌した後、UHT3の出口における温度が、例えば70℃以上100℃以下の温度、一例として90℃となるように加熱される。水を90℃以上の温度に加熱することにより、上流側循環系25aに残存するフレーバー、とりわけ水溶性のフレーバーを効率良く除去することができる。このため、脱臭効果を向上させることができる。また、水の温度を90℃以下とすることにより、各タンク4、5等を第一種圧力容器ではなく、第二種圧力容器として取り扱うことができるため、脱臭処理工程を低コストで実施することができる。なお、脱臭効果をあげるために、高コストではあるが、各タンク4、5等を第一種圧力容器に変更して、100℃以上の水で脱臭しても良い。この場合、水を各循環系25a、25b外に排液する際、100℃未満に温度を下げてから排液しても良い。
また、水を上流側循環系25aに供給する時間は、5分以上120分以下、一例として30分であっても良い。上流側循環系25aに水を供給する時間を5分以上とすることにより、上流側循環系25aに残存するフレーバーを効果的に除去することができる。また、上流側循環系25aに水を供給する時間を120分以下とすることにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
次に、SIPが行われた下流側循環系25bに、UHT3により加熱された水が供給される。この際、UHT3で加熱された水は、上流側供給配管20aを通りマニホルドバルブ21を通過する。続いて、下流側供給配管20bに供給される。
次いで、下流側供給配管20bに供給された水は、サージタンク4、ヘッドタンク5、充填装置6およびドレン配管27bを通り、下流側供給機構24bから廃液として外部に排出される。なお、この際、ドレン配管27bを充填ノズル6aから取り外し、無菌チャンバ10内に水を排出しても良い。この場合、水は、無菌チャンバ10に接続された図示しない排出配管から廃液として外部に排出される。
上述したように下流側循環系25bに、UHT3により加熱された水を供給する場合、水を下流側循環系25bに供給する時間は、5分以上120分以下、一例として30分であっても良い。下流側循環系25bに水を供給する時間を5分以上とすることにより、下流側循環系25bに残存するフレーバーを効果的に除去することができる。また、下流側循環系25bに水を供給する時間を120分以下とすることにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
脱臭確認工程
また、脱臭効果が十分であったか、脱臭確認工程を設けても良い。この脱臭確認工程は、まず、内容物充填システム100に水を送液する。この際、水は、UHT3の出口における温度が、脱臭処理工程時の温度(例えば90℃)から30℃以上40℃以下程度まで下げた状態で、送液される。そして、充填装置6の出口のドレン配管27bから水をサンプリングし、臭いが除去されているか否かを確認することにより行うことが出来る。この際、臭いを分別できるセンサーを設けても良い。また、充填装置6で水を容器に充填し、臭いを確認しても良い。そして、この脱臭確認工程で結果がNGであった場合、再度脱臭処理工程を行う。
ところで、上述したように、調合装置1では、例えば果実飲料等が飲料として調合される。このような飲料には、多くのフレーバーが含有している飲料も存在する。フレーバーとしては、酪酸エチル、2−メチル酪酸エチル、酢酸イソアミル、リモネン、カプロン酸エチル、酪酸イソアミル、酢酸ヘキシル、カプロン酸アリル、オクチルアルデヒド、デシルアルデヒド等が挙げられる。とりわけ、代表的なフレーバーとして、酪酸エチル、2−メチル酪酸エチルおよびリモネンが挙げられる。また、このようなフレーバーを多く含有する飲料の次回に、例えばミネラルウォーターや緑茶等のフレーバーを含まない飲料を充填する場合もある。この際、上流側循環系25aおよび下流側循環系25bにフレーバーが残存していると、残存するフレーバーが次回の飲料に入り込んでしまい、前回の飲料の香りが次回の飲料に付着してしまう問題がある。
とりわけ、上述したように、上流側循環系25aにおいては、各配管や各部材の接続箇所等には、シール部材として、例えばフッ素樹脂製のパッキンが設けられている。また、上述したように、下流側循環系25bにおいては、各配管や各部材の接続箇所等には、シール部材として、例えばエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)製のパッキンが設けられている。さらに、上述したように、飲料を容器9(図1参照)に充填する際には、飲料は、UHT3によって60℃以上150℃以下程度の温度に加熱される。この際、例えば各配管の接続箇所に設けられたパッキンが熱膨張し、各配管とパッキンとの間に隙間が生じるおそれがある。このように、各配管とパッキンとの間に隙間が生じると、当該隙間にフレーバーが入り込んでしまう場合がある。この場合、パッキンが冷却され収縮した際に、当該隙間に入り込んだフレーバーが、パッキンに付着した状態で、各配管とパッキンとの間に介在する可能性がある。また、各配管とパッキンとの間に介在するフレーバーについては、上流側循環系25aおよび下流側循環系25bに水を供給したり、薬剤を循環させたとしても、当該フレーバーを除去することが困難な場合がある。そして、このような隙間に入り込んだフレーバーは、次回の飲料の充填時に、パッキンが熱膨張することにより生じる、各配管とパッキンとの間の隙間から、次回の飲料内に入り込む可能性がある。
これに対して本実施の形態によれば、脱臭処理工程において、水を60℃以上150℃以下の温度に加熱することにより、上流側循環系25aおよび下流側循環系25bに残存するフレーバーを効率良く除去することができる。すなわち、水を60℃以上150℃以下の温度に加熱することにより、パッキンに生じる熱膨張量を、飲料を充填する際に生じたパッキンの熱膨張量に近づけることができる。これにより、パッキンが熱膨張した際に生じた隙間に入り込んだフレーバーを効果的に取り除くことができる。このため、次回の飲料に前回の飲料の香りが付着する不具合を抑制することができる。とりわけ、下流側循環系25bにおいては、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)製のパッキンが使用され得る。このエチレンプロピレンジエンゴムにはフレーバーが付着しやすく、下流側循環系25bには、フレーバーが残存しやすい傾向がある。これに対して、水を60℃以上150℃以下の温度に加熱することにより、パッキンに付着したフレーバーを効果的に取り除くことができる。この場合、より高い脱臭効果を得るには、前の製品の殺菌温度と同等以上の温度の水ですすぐことが有効である。また、上述したフレーバーには、例えば、酪酸エチルおよび2−メチル酪酸エチルのように、水溶性のフレーバーが存在する。この場合、水を60℃以上150℃以下の温度に加熱することにより、上流側循環系25aおよび下流側循環系25bに残存する水溶性のフレーバーを効率良く除去することができる。このため、脱臭効果を向上させることができる。
以上のように本実施の形態によれば、脱臭処理工程が、SIPが行われた上流側循環系25aに水を供給する工程と、上流側循環系25aに供給された水をUHT3により加熱する工程と、SIPが行われた下流側循環系25bに、UHT3により加熱された水を供給する工程とを有している。このように、SIP処理が行われた上流側循環系25aに水を供給して加熱し、加熱された水を下流側循環系25bに供給することにより、無菌状態を維持したままで、上流側循環系25aおよび下流側循環系25bに残存するフレーバーを除去することができる。
また、本実施の形態によれば、脱臭処理工程において、水は、70℃以上の温度に加熱される。これにより、上流側循環系25aおよび下流側循環系25bに残存するフレーバー、とりわけ水溶性のフレーバーを効率良く除去することができる。また、水の温度は、100℃以下になっている。これにより、省エネルギー化および低コスト化を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、脱臭処理工程において、水を上流側循環系25aに供給する時間は、5分以上である。これにより、上流側循環系25aに残存するフレーバーを効果的に除去することができる。また、水を上流側循環系25aに供給する時間は、120分以下である。これにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、脱臭処理工程において、UHT3により加熱された水を下流側循環系25bに供給する時間は、5分以上である。これにより、下流側循環系25bに残存するフレーバーを効果的に除去することができる。また、下流側循環系25bに水を供給する時間は、120分以下である。これにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
なお、上述した実施の形態においては、下流側循環系25bのSIPが行われた後に、充填装置6のうち内容物が通過する流路の温度が60℃以上100℃以下になるまで、無菌エアにより冷却が行われる例について説明したが、これに限られることはない。例えば、下流側循環系25bの充填装置6のうち内容物が通過する流路の温度が、無菌エアにより80℃以上100℃以下の温度に冷却された後、UHT3により加熱された水を上流側循環系25aから下流側循環系25bに供給することが好ましい。下流側循環系25bにおいて、無菌エアによる冷却後の充填装置6の温度が、80℃以上であることにより、下流側循環系25bのパッキンが熱膨張している状態において、UHT3により加熱された水(70以上100℃以下)を上流側循環系25aから下流側循環系25bに供給することができる。このため、パッキンが熱膨張した際に生じた隙間に入り込んだフレーバーを効果的に取り除くことができ、次回の飲料に前回の飲料の香りが付着する不具合を抑制することができる。
また、上述した実施の形態においては、内容物充填システム100にマニホルドバルブ21が設けられている例について説明したが、これに限られることはない。例えば、マニホルドバルブ21を設けることなく、UHT3から充填装置6までのCIPおよびSIPを同時に行っても良い。
また、上述した実施の形態においては、上流側循環系25aおよび下流側循環系25bにおいて、CIPの後にSIPを行う例について説明したが、これに限られることはない。例えば、CIPの薬剤循環工程において、薬剤を70℃以上の温度に加熱するとともに、上流側循環系25aおよび下流側循環系25b内に薬剤を供給して循環させる時間を5分以上とすることにより、上流側循環系25aおよび下流側循環系25bの各配管および各部材を殺菌しても良い。これにより、通常はCIPの後に行われるSIPを省略することができる。このため、ダウンタイムを短縮することができる。
また、図8に示すように、内容物充填システム100が、飲料に炭酸を添加する炭酸添加装置41が設けられた炭酸ライン40を更に備えていても良い。この場合、炭酸ライン40は、サージタンク4とヘッドタンク5との間に設けられたマニホルドバルブ21bを介して下流側供給配管20bに接続されている。これにより、図8の太線に示すように、飲料は、下流側供給配管20bを通過して炭酸ライン40に供給され、炭酸添加装置41によって炭酸が添加される。そして、炭酸が添加された飲料は、炭酸ライン40からマニホルドバルブ21bを通過して下流側供給配管20bおよびヘッドタンク5に供給され、充填装置6により容器9に充填される。
また、上述した実施の形態においては、脱臭処理工程において、UHT3により水を加熱する例について説明したが、これに限られることはない。例えば、図9に示すように、下流側循環系25bが、サージタンク4の下流側に接続され、無菌水を作製する加熱殺菌機(無菌水作製用加熱殺菌機)(以下、UHTと記す)3bを含み、脱臭処理工程において、UHT3bに水を供給して加熱し、SIPが行われた後の下流側循環系25bに、UHT3bにより加熱された水を供給しても良い。
この場合、UHT3bで加熱された水は、無菌水供給配管28bを通りマニホルドバルブ21bを通過する。続いて、炭酸ライン40を循環した後に、マニホルドバルブ21bを通過し、下流側供給配管20bに供給される。なお、UHT3bで加熱された水は、炭酸ラインを経由せずに直接充填装置6に送液しても良い。
次いで、下流側供給配管20bに供給された水は、ヘッドタンク5、充填装置6およびドレン配管27bを通り、下流側供給機構24bから廃液として外部に排出される。なお、この際、ドレン配管27bを充填ノズル6aから取り外し、無菌チャンバ10内に水を排出しても良い。この場合、水は、無菌チャンバ10に接続された図示しない排出配管から廃液として外部に排出される。
この際、水は、UHT3bの出口における温度が、70℃以上100℃以下の温度、一例として90℃となるように加熱されても良い。水を90℃以上の温度に加熱することにより、下流側循環系25bに残存するフレーバー、とりわけ水溶性のフレーバーを効率良く除去することができる。このため、脱臭効果を向上させることができる。また、水の温度を90℃以下とすることにより、ヘッドタンク5等を第一種圧力容器ではなく、第二種圧力容器として取り扱うことができるため、脱臭処理工程を低コストで実施することができる。
また、水を下流側循環系25bに供給する時間は、5分以上120分以下、一例として30分であっても良い。下流側循環系25bに水を供給する時間を5分以上とすることにより、下流側循環系25bに残存するフレーバーを効果的に除去することができる。また、下流側循環系25bに水を供給する時間を120分以下とすることにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
このように、本変形例によれば、下流側循環系25bが、サージタンク4の下流側に接続されたUHT3bを含み、脱臭処理工程において、UHT3bに水を供給して加熱し、SIPが行われた後の下流側循環系25bに、UHT3bにより加熱された水を供給する。これにより、図9の太線に示すように、下流側循環系25bの脱臭処理工程を行っている際に、SIPが終了した上流側循環系25aにおいて、次回の製品の調合を行い、サージタンク4に貯留しておくこともできる。これにより、ダウンタイムを大幅に短縮することができる。
なお、内容物充填システム100において、各タンク4、5の一方が設けられることなく、ヘッドタンクが1つの場合、上述したマニホルドバルブ21bは、ヘッドタンクの下流側に設けられていることが好適である。
なお、脱臭処理工程において、水を加熱する加熱装置は、例えば、ボトルリンス、キャップリンス等のために無菌充填機で使用する無菌水殺菌装置でも良く、他の製品加熱殺菌機でも良い。
また、UHT3、3bはインジェクション方式でもインフュージョン方式でも良く、UHT3、3bの熱交換器等、内容物充填システム100において熱交換を行うために使用される熱交換機はプレート式でもシェル&チューブ式でも良い。
上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
3 UHT
6 充填装置
9 容器
25a 上流側循環系
25b 下流側循環系
100 内容物充填システム

Claims (1)

  1. 内容物充填システムを脱臭する脱臭方法において、
    飲料を加熱する製品加熱殺菌機を含む第1循環系のCIPを行う第1CIP工程と、
    前記第1循環系のSIPを行う第1SIP工程と、
    容器に内容物を充填する充填装置を含む第2循環系のCIPを行う第2CIP工程と、 前記第2循環系のSIPを行う第2SIP工程と、
    前記第1循環系および前記第2循環系の脱臭処理を施す脱臭処理工程とを備え、
    前記脱臭処理工程において、加熱された水を少なくとも前記第2SIPが行われた後の前記第2循環系に供給する、脱臭方法。
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