JP2021014141A - 情報処理装置、車両および情報処理装置の制御方法 - Google Patents

情報処理装置、車両および情報処理装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レベル3の自動運転の機能を備える車両において安全性を向上させる。【解決手段】情報処理装置(1)は、車両(2)を手動運転するための所定位置に存在する着座シート(C1)に着座する第1乗員の生体情報を取得する生体情報取得部(101)と、該生体情報から第1乗員の異常状態が検知されたとき、レベル3の自動運転に切り替える運転切替部(103)と、切り替えに伴い、着座シート(C1)に代えて第2乗員が着座している着座シート(C2〜C4)のいずれかを所定位置に移動させるシート移動部(104)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、自動運転レベルのうちのレベル3の機能を備えた車両を制御する情報処理装置に関する。
下記の特許文献1には、心房細動の発生および基準を満たさない血圧変化が発生した場合、自動運転に切り替えることが開示されている。
特開2018−194961号公報
レベル3の自動運転においては、緊急時には人が運転を担うことが求められる。しかしながら、特許文献1に記載の発明では、自動運転中の緊急事態の発生について何ら想定していない。従って、特許文献1に記載の発明では、自動運転中に緊急事態が発生した場合、人が運転を担うことができない。
本発明の一態様は、レベル3の自動運転の機能を備える車両において安全性を向上させる情報処理装置、車両などを実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る情報処理装置は、自動運転レベルのうちのレベル3の機能を備えた車両を手動運転するための所定位置に存在する第1シートに着座する第1乗員の生体情報を取得する生体情報取得部と、手動運転のときに取得された前記生体情報から前記第1乗員の異常状態が検知されたとき、前記レベル3の自動運転に切り替える運転切替部と、前記切り替えに伴い、前記第1シートを前記所定位置と異なる前記車両内の位置に移動させるとともに、前記第1乗員と異なる第2乗員が着座している第2シートを前記所定位置に移動させるシート移動部と、を備える。
上記の構成によれば、車両を手動運転している第1乗員に異常が発生した場合、レベル3の自動運転に切り替えると共に、第1乗員が着座している第1シートを所定位置から移動させ、第2乗員が着座している第2シートを所定位置に移動させる。これにより、レベル3の自動運転中に何らかの緊急事態が発生した場合に、第2乗員が着座している第2シートが所定位置にあるので、第2乗員が運転を担う、すなわち手動運転を行うことができる。よって、レベル3の自動運転の機能を備える車両において安全性を向上させることができる。
本発明の態様2に係る情報処理装置は、上記態様1において、前記運転切替部は、前記第2シートの前記所定位置への移動が完了した後、前記自動運転を手動運転に戻してもよい。
上記の構成によれば、レベル3の自動運転の時間を短くすることができるので、自動運転中の緊急事態の発生の可能性を低減させることができる。また、第2乗員が手動運転を行うので、第1乗員の状態に応じた行先へ車両を向かわせることができる。
本発明の態様3に係る情報処理装置は、上記態様2において、前記生体情報取得部は、前記第2シートに着座する前記第2乗員の生体情報を取得し、前記運転切替部は、前記第2乗員の前記生体情報から前記第2乗員が運転に適さない精神状態であることが検知されたとき、前記自動運転を手動運転に戻す処理を中止し、前記自動運転を維持してもよい。
上記の構成によれば、第2乗員の精神状態が運転に適さない状態であることが検知された時は、自動運転を維持する。これにより、第2乗員が運転に適さない精神状態で手動運転を行うことを防ぐことができる。なお、運転に適さない精神状態とは、例えば、動揺や緊張の発生である。
本発明の態様4に係る情報処理装置は、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記生体情報は、前記第1乗員の心臓の活動電位を含み、前記運転切替部は、前記活動電位に基づき不整脈の発生または兆候が検知されたとき、前記自動運転に切り替えてもよい。
上記の構成によれば、第1乗員に不整脈が発生したときに自動運転に切り替えるので、不整脈の発生により車両が制御できない、という危険な状況の発生を防ぐことができる。また、第1乗員に不整脈の兆候が見られたときに自動運転に切り替える構成とすれば、不整脈の発生時に操作を誤る、という状況を回避することができるので、安全性をより向上させることができる。
本発明の態様5に係る情報処理装置は、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記生体情報は、前記第1乗員の皮膚電位を含み、前記運転切替部は、前記皮膚電位に基づきてんかんの発生または兆候が検知されたとき、前記自動運転に切り替えてもよい。
上記の構成によれば、第1乗員にてんかんが発生したときに自動運転に切り替えるので、てんかんの発生により車両が制御できない、という危険な状況の発生を防ぐことができる。また、第1乗員にてんかんの兆候が見られたときに自動運転に切り替える構成とすれば、てんかんの発生時に操作を誤る、という状況を回避することができるので、安全性をより向上させることができる。
本発明の態様6に係る情報処理装置は、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記第1乗員と異なる乗員の各々について、運転適性に関する適性情報を取得する適性情報取得部をさらに備え、前記シート移動部は、前記適性情報に基づき運転に適すると判定された乗員が着座しているシートを前記第2シートとして決定してもよい。
上記の構成によれば、乗員の各々の適性情報に基づいて、第1乗員に代わり運転を担うこととなる乗員を決定する。これにより、運転に適さない乗員が運転を担うこととなる状況を回避することができる。適性情報は、例えば年齢である。これにより、子どもや老人が運転を担うこととなる状況を回避することができる。
本発明の態様7に係る情報処理装置は、上記態様1から6のいずれかにおいて、前記第1シートの移動が完了した場合、前記第1乗員のシートベルトを緩めるとともに、前記第1シートの背もたれを後倒させるシート制御部をさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、第1シートの移動の完了後、第1乗員のシートベルトを緩め、第1シートの背もたれを後倒させるので、異常が発生した第1乗員を安静にさせることができる。
本発明の態様8に係る車両は、上記態様1から7のいずれかに係る情報処理装置と、前記車両内の各シートの位置を移動させるために前記車両に配設された複数のレールと、を備え、前記複数のレールは、少なくとも、前記第1シートを前記車両の進行方向に対して斜め後方に移動させるレールを含んでもよい。
上記の構成によれば、複数のレールが第1シートを車両の進行方向に対して斜め後方に移動させるレールを含むので、シートの移動のバリエーションを増やすことができる。
本発明の態様9に係る情報処理装置の制御方法は、自動運転レベルのうちのレベル3の機能を備えた車両を手動運転するための所定位置に存在する第1シートに着座する第1乗員の生体情報を取得する生体情報取得ステップと、手動運転のときに取得された前記生体情報から前記第1乗員の異常状態が検知されたとき、前記レベル3の自動運転に切り替える運転切替ステップと、前記切り替えに伴い、前記第1シートを前記所定位置と異なる前記車両内の位置に移動させるとともに、前記第1乗員と異なる第2乗員が着座している第2シートを前記所定位置に移動させるシート移動ステップと、を含む。
上記の構成によれば、上記態様1と同様の効果を奏する。
また、本発明の各態様に係る情報処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記情報処理装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記情報処理装置をコンピュータにて実現させる制御プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明の一態様によれば、レベル3の自動運転において安全性を向上させることができる。
本発明の実施形態1に係る情報処理装置の要部構成の一例を示すブロック図である。 図1に示す情報処理装置によって制御される車両の要部構成の一例を示すブロック図である。 図2に示す車両内の配置の一具体例を示す図である。 図2に示す車両に配設された着座シートの移動の一具体例を示す図である。 図4に示す移動の後の着座シートの配置を示す図である。 図2に示す車両に配設された着座シートの移動の一具体例を示す図である。 図6に示す移動の後の着座シートの配置を示す図である。 図2に示す車両に配設された着座シートの移動の一具体例を示す図である。 図8に示す移動の後の着座シートの配置を示す図である。 図1に示す情報処理装置の制御部が実行するシート移動処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る車両の要部構成の一例を示すブロック図である。 図11に示す車両に備えられた、図1に示す情報処理装置の制御部が実行するシート移動処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態3に係る情報処理装置の要部構成の一例を示すブロック図である。 図13に示す情報処理装置の制御部が実行するシート移動処理の流れの一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態4に係る情報処理装置の要部構成の一例を示すブロック図である。 図15に示す情報処理装置によって制御される車両の要部構成の一例を示すブロック図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
<情報処理装置1の概要>
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置1は、自動運転レベルのうちのレベル3の機能を備えた車両を制御する。ここで、自動運転レベルとは、SAE(Society of Automotive Engineers) Internationalが策定した自動運転の定義に基づくものであり、SAEが発行したJ3016に記載されたものである。レベル3とは、「限定された条件のもとでシステムが全ての運転タスクを実施するが、緊急時などシステムからの要請があれば運転者が操作を行う必要がある」というものである。つまり、レベル3の機能を備えた車両では、限定された条件のもとで自動運転が実行されるが、該条件を満たさない場合(例えば、緊急時)には運転者が操作、すなわち手動運転を行わなければならない。
詳細については後述するが、情報処理装置1は、レベル3の機能を備えた車両を手動運転するための所定位置に存在する第1シートに着座する第1乗員の生体情報を取得する。また、情報処理装置1は、手動運転のときに取得された該生体情報から第1乗員の異常状態が検知されたとき、レベル3の自動運転に切り替える。そして、情報処理装置1は、該切り替えに伴い、第1シートを所定位置と異なる車両内の位置に移動させるとともに、第1乗員と異なる第2乗員が着座している第2シートを所定位置に移動させる。すなわち、情報処理装置1は、運転者(第1乗員)の異常状態が検知されたとき、手動運転を自動運転に切り替える。そして、情報処理装置1は、運転者が着座しているシートを別の位置に移動させるとともに、運転者とは異なる乗員(第2乗員)が着座しているシートを、運転者が着座しているシートがあった位置へ移動させる。これにより、該乗員が新たな運転者となる。なお、以降、単に「自動運転」と記載した場合は、レベル3の自動運転を意味する。
<車両2>
図2は、情報処理装置1によって制御される車両2の要部構成の一例を示すブロック図である。図3は、車両2内の配置の一具体例を示す図である。本発明の一態様に係る車両2は、図2に示すように、情報処理装置1、心電計3、着座シートC、シートベルトB、レールLを備えている。なお、車両2は、本実施形態では四輪の自動車であるものとして説明するが、これは一例であり、車両2を四輪の自動車に限定する意図はない。また、本実施形態に係る車両2は、自動運転の機能を備えた自動車が通常備えている部材も備えているが、図2では、本発明と関連性の低い該部材の記載を省略している。
着座シートCは、車両2に設けられた着座シートの総称である。本実施形態では、図3に示すように、車両2は一例として、進行方向に向かって前側に2つ、後側に2つの計4つの着座シートC1〜C4を備えている。前側の着座シートC1およびC2のうち、着座シートC1の前にはハンドル、並びに、アクセルおよびブレーキ(共に不図示)などが備えられている。すなわち、図3の例において、着座シートC1はいわゆる運転席、着座シートC2はいわゆる助手席である。着座シートC1の位置が、上述した「所定位置」に相当する。また、図3の例において、着座シートC3およびC4は、いわゆる後部座席である。以降、図3における着座シートC1の位置を「運転位置」と称する。
なお、本実施形態では、図3は、第1乗員の異常状態が検知される前のシートレイアウトを示す図であるとして説明する。つまり、着座シートC1は、上述した第1シートに相当し、着座シートC1に着座している乗員は、上述する第1乗員に相当する。以降の説明において着座シートC1の移動を分かりやすくするために、図3では、着座シートC1にハッチングを施している。
レールLは、着座シートCの位置を移動させるために車両2に配設されたレールの総称である。車両2には一例として、図3に示すようにレールL1〜L5が配設されている。なお、レールLの配置および数は、図3の例に限定されない。シートベルトBは、着座シートC1〜C4に配設されたシートベルトである。
心電計3は、第1乗員の心臓の活動電位の経時変化(以下、単に「活動電位」と記載)を測定し、測定結果を情報処理装置1へ送信する。心電計3の電極は、一例として、着座シートC1、ハンドル、着座シートC1の肘置き、着座シートC1のシートベルトBに設けられている。心電計3は、一例として、車両2のエンジンがかかったときに通電し、第1乗員の活動電位の測定を開始する。心電計3は、一例として、車両2のエンジンがかかっている間、第1乗員の活動電位を継続して測定し、測定結果を情報処理装置1へ送信する。
<情報処理装置1の要部構成>
図1を参照して、情報処理装置1の要部構成の一例を説明する。情報処理装置1は、制御部10、記憶部11および通信部12を備えている。制御部10は、情報処理装置1を統括的に制御する。記憶部11は、情報処理装置1が使用するプログラムおよびデータを永続的に保持するハードウェアであり、ストレージと表現することもできる。記憶部11は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、ハードディスク装置、フラッシュメモリ、その他の不揮発性記憶装置として実現される。通信部12は、有線または無線通信により、情報処理装置1の外部の装置と情報の送受信を行うハードウェアである。外部の装置は、例えば、上述した心電計3である。通信部12による通信の方式は、特に限定されない。
(記憶部11)
記憶部11は、図1に示すように、少なくとも不整脈推定情報111を記憶している。不整脈推定情報111は、制御部10が、心電計3から取得した活動電位に基づいて、不整脈の発生を検知するために使用する情報である。一例として、不整脈推定情報111は、不整脈発生時の活動電位のパターンであってもよい。該パターンは、不特定多数の不整脈発生時の活動電位のパターン(ビッグデータ)を情報処理装置1に学習させること(機械学習)により生成されてもよい。あるいは、情報処理装置1は、別の装置が機械学習によって生成した不整脈発生時の活動電位のパターンを取得し、不整脈推定情報111としてもよい。
図示してはいないが、情報処理装置1は、一例として、制御部10を実現するためのハードウェア構成として、さらに、プロセッサおよびメモリを備えている。プロセッサは、情報処理装置1に与えられる信号に基づいて、あるいは、予め定められた条件が成立したことに基づいて、メモリまたは記憶部11に格納されているプログラムに含まれる一連の命令を実行する。プロセッサは、一例として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)その他のデバイスとして実現される。メモリは、プログラムおよびデータを一時的に保存する。プログラムは、例えば、記憶部11からロードされる。データは、コンピュータに入力されたデータと、プロセッサによって生成されたデータとを含む。メモリは、一例として、RAM(Random Access Memory)その他の揮発メモリとして実現される。
一例として、プロセッサは、記憶部11にアクセスし、記憶部11に格納されているプログラムをメモリにロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行する。これにより、制御部10に含まれている各部が構成される。
記憶部11は、メモリカードのように着脱可能な記憶装置として実現されてもよい。また、情報処理装置1に内蔵されたストレージ(記憶部11)の代わりに、外部の記憶装置に保存されているプログラムおよびデータを使用する構成が使用されてもよい。
(制御部10)
制御部10は、生体情報取得部101、異常検知部102、運転切替部103、シート移動部104およびシート制御部105を含む。
生体情報取得部101は、運転位置に存在する第1シートに着座する第1乗員の生体情報を取得する。すなわち、本実施形態に係る生体情報取得部101は、着座シートC1に着座する第1乗員の活動電位を取得する。具体的には、生体情報取得部101は、心電計3から送信された活動電位を、通信部12を介して取得し、異常検知部102へ出力する。
異常検知部102は、取得した生体情報に基づいて、着座シートC1に着座する第1乗員が異常状態にあることを検知する。本実施形態では、異常検知部102は、第1乗員における不整脈の発生を検知する。異常検知部102は、一例として、取得した活動電位と不整脈推定情報111との類似度が所定値以上である場合、第1乗員の不整脈の発生を検知する。異常検知部102は、第1乗員に不整脈が発生したことを検知した場合、その旨を運転切替部103へ通知する。
情報処理装置1のプロセッサは、記憶部11に記憶されている、不整脈推定アルゴリズムに基づくプログラム(不図示)をメモリにロードし、該プログラムに含まれる一連の命令を実行することにより、上述した異常検知部102を実現する。すなわち、本発明は、不整脈推定アルゴリズムに基づいて、第1乗員に不整脈が発生したことを検知する、と表現することもできる。情報処理装置1は、該プログラムとして、既存の不整脈推定アルゴリズムに基づくプログラムを用いてもよい。
運転切替部103は、第1乗員の異常状態が検知されたとき、手動運転をレベル3の自動運転に切り替える。本実施形態に係る運転切替部103は、異常検知部102から、第1乗員の不整脈の発生を検知したことを通知された場合、レベル3の自動運転に切り替え、該自動運転に切り替えたことをシート移動部104へ通知する。
シート移動部104は、自動運転への切り替えに伴い、第1シートを運転位置と異なる車両内の位置に移動させるとともに、第1乗員と異なる第2乗員が着座している第2シートを運転位置に移動させる。具体的には、シート移動部104は、着座シートC1を運転位置から車両2内の別の位置へ移動させ、着座シートC2〜C4のいずれかを運転位置へ移動させる。
シート移動部104は、一例として、着座シートCの移動の前に、第2乗員が着座している着座シートC、すなわち第2シートを特定する。換言すれば、シート移動部104は、着座シートC2〜C4のいずれかを特定する。なお、本実施形態では、第1乗員の他に車両2に乗車している乗員は1名であるものとして説明する。
例えば、シート移動部104は、各着座シートCに備えられている重量センサ(不図示)の検出結果に基づき、第2乗員が着座している着座シートCとして、着座シートC2〜C4のいずれかを特定してもよい。あるいは、第2乗員は、例えば車両2に乗車したときに、入力装置(不図示)を操作して自身が着座する着座シートCとして、着座シートC2〜C4のいずれかを示す情報を入力してもよい。入力装置は、該情報を情報処理装置1へ送信し、情報処理装置1は該情報を、例えば記憶部11へ記憶する。この例の場合、シート移動部104は、記憶部11に記憶された該情報を参照し、着座シートC2〜C4のいずれかを特定する。
(シート移動の例1)
図4は、着座シートCの移動の一具体例を示す図である。具体的には、図4は、第2乗員が着座シートC2に着座している場合の、着座シートCの移動の一例を示す図である。図5は、図4に示す移動後の着座シートCの配置を示す図である。
図4の例において、シート移動部104は、着座シートC1を、レールL1に沿って運転位置から着座シートC3の位置へ移動させる。シート移動部104は、この移動に伴い、着座シートC3を、レールL2に沿って着座シートC4の位置へ移動させ、着座シートC4を、レールL3に沿って着座シートC2の位置へ移動させる。そして、シート移動部104は、第2乗員が着座する着座シートC2を、レールL4に沿って運転位置へ移動させる。この結果、図5に示すように、第2乗員が着座している着座シートC2が運転席となり、第1乗員が着座している着座シートC1は後部座席となる。
この例のように、第1乗員が着座している着座シートC1は、車両の進行方向に対して後方に移動させることが好ましい。詳細については後述するが、第2乗員は第1乗員に代わり、以降の手動運転を担うこととなる。仮に、第1乗員が着座シートCの移動により助手席に移動した場合、不整脈の発生により予期せぬ動きをし、第2乗員の手動運転に支障をきたすおそれがある。着座シートC1を車両の進行方向に対して後方に移動させることにより、この問題を回避することができる。
(シート移動の例2)
図6は、着座シートCの移動の一具体例を示す図である。具体的には、図6は、第2乗員が着座シートC3に着座している場合の、着座シートCの移動の一例を示す図である。図7は、図6に示す移動後の着座シートCの配置を示す図である。
図6の例において、シート移動部104は、着座シートC1を、レールL5に沿って運転位置から着座シートC4の位置へ移動させる。シート移動部104は、この移動に伴い、着座シートC4を、レールL2に沿って着座シートC3の位置へ移動させる。そして、シート移動部104は、第2乗員が着座する着座シートC3を、レールL1に沿って運転位置へ移動させる。この結果、図7に示すように、第2乗員が着座している着座シートC3が運転席となり、第1乗員が着座している着座シートC1は後部座席となる。
レールLが、着座シートC1を車両2の進行方向に対して斜め後方に移動させるレールL5を含むことにより、着座シートC1の後方への移動と、着座シートC3の運転位置への移動とを1回の移動で実現することができる。これにより、着座シートCの移動にかかる時間を短縮することができる。
レールLは、着座シートC2を車両2の進行方向に対して前方に移動させるレールを含んでいてもよい。この例において、シート移動部104は、着座シートC1をレールL5に沿って着座シートC4の位置へ移動させるときに、着座シートC2を車両2の進行方向に対して前方に移動させてもよい。これにより、着座シートC1がレールL5に沿って移動する際に、着座シートC2と接触することを回避することができる。
(シートの移動例3)
図8は、着座シートCの移動の一具体例を示す図である。具体的には、図8は、第2乗員が着座シートC4に着座している場合の、着座シートCの移動の一例を示す図である。図9は、図8に示す移動後の着座シートCの配置を示す図である。
図8の例において、シート移動部104は、着座シートC1を、レールL1に沿って運転位置から着座シートC3の位置へ移動させる。シート移動部104は、この移動に伴い、着座シートC3を、レールL2に沿って着座シートC4の位置へ移動させる。そして、シート移動部104は、第2乗員が着座する着座シートC4を、レールL5に沿って運転位置へ移動させる。この結果、図9に示すように、第2乗員が着座している着座シートC4が運転席となり、第1乗員が着座している着座シートC1は後部座席となる。
このように、レールLがレールL5を含むことにより、着座シートC1の後方への移動と、着座シートC4の運転位置への移動とについても、1回の移動で実現することができる。
シート移動部104は、着座シートCの移動が完了すると、その旨を運転切替部103およびシート制御部105に通知する。運転切替部103は、該通知に基づき、自動運転を手動運転に切り替える。これにより、車両2の以降の運転は、第2乗員が担うこととなる。着座シートCの移動が完了した場合に自動運転を手動運転に切り替えることにより、レベル3の自動運転の時間を短くすることができる。よって、自動運転中の緊急事態の発生の可能性を低減させることができる。また、第2乗員が手動運転を行うので、第1乗員の状態に応じた行先へ車両2を向かわせることができる。
なお、シート移動部104は、着座シートCの移動が完了してから所定時間が経過した後に、運転切替部103に通知することが好ましい。これにより、第2乗員が運転位置に移動してから手動運転を開始するまでに、時間的な余裕を確保することができ、第2乗員による手動運転を安全なものとすることができる。
シート制御部105は、第1シートの移動が完了した場合、第1乗員のシートベルトを緩め、第1シートの背もたれを後倒させる。本実施形態に係るシート制御部105は、着座シートC1の移動が完了すると、着座シートC1のシートベルトBを緩める。さらに、シート制御部105は、着座シートC1の背もたれを後倒させる。これにより、不整脈が発生した第1乗員を安静にさせることができる。
以上、着座シートCの移動例を3つ説明したが、着座シートCの移動はこの例に限定されない。
(シート移動処理の流れ)
図10は、本実施形態に係る制御部10が実行するシート移動処理の流れの一例を示すフローチャートである。
生体情報取得部101は、第1乗員の心臓の活動電位を取得する(ステップS1、生体情報取得ステップ、以下、「ステップ」を省略)。生体情報取得部101は、取得した活動電位を異常検知部102へ出力する。
異常検知部102は、取得した活動電位に基づき不整脈の発生を検知する(S2)。不整脈の発生を検知した場合(S2でYES)、異常検知部102は、その旨を運転切替部103へ通知する。
運転切替部103は、異常検知部102からの通知を受け、手動運転からレベル3の自動運転に切り替える(S3、運転切替ステップ)。そして、運転切替部103は、自動運転に切り替えたことをシート移動部104へ通知する。
シート移動部104は、運転切替部103からの通知を受け、第2乗員の着座する着座シートCを特定する(S4)。そして、シート移動部104は、特定した着座シートCが運転席になるように着座シートCを移動させる(S5、シート移動ステップ)。すなわち、シート移動部104は、着座シートC1を運転位置から移動させるとともに、特定した着座シートCを運転位置へ移動させる。
シート移動部104は、着座シートCの移動が完了するまで待機し(S6)、移動が完了すると(S6でYES)、その旨を運転切替部103およびシート制御部105へ通知する。
運転切替部103は、シート移動部104からの通知を受け、自動運転から手動運転に切り替える(S7)。
シート制御部105は、シート移動部104からの通知を受け、第1乗員のシートベルトB、すなわち着座シートC1のシートベルトBを緩め、着座シートC1の背もたれを後へ倒す(S8)。
なお、S7およびS8の処理の実行順序は、図10の例に限定されない。例えば、S8の処理がS7の処理の前に実行されてもよいし、S7およびS8の処理が同時に実行されてもよいし、一方の処理の実行中に他方の処理が開始されてもよい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
第2乗員は、第1乗員の不整脈という緊急事態の発生において、第1乗員の代わりに車両の運転を担うこととなる。このような緊急事態において、第2乗員の精神状態が、運転に適しているとは限らない。仮に、第2乗員が運転に適さない精神状態で車両の運転を担った場合、事故を起こす危険性もある。
このため、本実施形態に係る情報処理装置1は、第2シートに着座する第2乗員の生体情報を取得し、第2乗員の生体情報から第2乗員が運転に適さない精神状態であることが検知されたとき、自動運転を手動運転に戻す処理を中止し、自動運転を維持する。これにより、第2乗員が運転に適さない精神状態で手動運転を行うことを防ぐことができる。
<車両2A>
図11は、本実施形態に係る車両2Aの要部構成を示すブロック図である。車両2Aが、実施形態1で説明した車両2と異なる点は、心拍センサ4を備えている点である。
心拍センサ4は、第2乗員の心拍数を測定し、測定結果を情報処理装置1へ送信する。心拍数の多さは、第2乗員の動揺や緊張の度合いを示す。つまり、心拍数の測定結果を情報処理装置1へ送信することで、情報処理装置1は、第2乗員が運転に適した精神状態であるか否かを判定することができる。
心拍センサ4は例えば、着座シートC2〜C4の背もたれまたはハンドルに設けられているが、設置位置はこの例に限定されない。なお、本実施形態に係る「心拍数」とは、単位時間あたり(例えば、1分間)の心拍数のことである。心拍センサ4は、例えば、着座シートCの移動が発生したことをトリガとして、心拍数の測定を開始してもよい。具体的には、心拍センサ4は、情報処理装置1から着座シートCの移動が発生したことを通知された場合、心拍数の測定を開始する。心拍センサ4は、一例として、測定を開始してから、車両2のエンジンがかかっている間、第2乗員の心拍数を継続して測定し、測定結果を情報処理装置1へ送信する。
なお、車両2Aが備える、第2乗員の生体情報を測定する装置は、心拍センサ4に限定されない。該装置は、精神状態が運転に適しているか否かを示す生体情報を測定する装置であればよい。例えば、該装置は、ハンドルの把持部分に設けられた圧力センサであってもよい。この例の場合、圧力センサが測定する値はすなわち、ハンドルを握る強さを示す。換言すれば、該値は、第2乗員の緊張の度合いを示す。つまり、圧力センサの測定結果を情報処理装置1へ送信することでも、情報処理装置1は、第2乗員が運転に適した精神状態であるか否かを判定することができる。
<情報処理装置1>
本実施形態に係る生体情報取得部101は、実施形態1で説明した機能に加え、運転位置に移動した後の着座シートCに着座する第2乗員の心拍数を取得する。具体的には、生体情報取得部101は、心拍センサ4から送信された心拍数を、通信部12を介して取得し、異常検知部102へ出力する。
本実施形態に係る異常検知部102は、実施形態1で説明した機能に加え、取得した心拍数の異常を検知する。例えば、異常検知部102は、取得した心拍数が、記憶部11に記憶されている閾値(不図示)以上である場合、心拍数の異常を検知する。異常検知部102は、心拍数の検知結果、すなわち、心拍数が正常であるか、または異常であるかを示す情報を、運転切替部103へ出力する。
本実施形態に係る運転切替部103は、シート移動部104から、シートの移動が完了したことを通知されると、異常検知部102からの、心拍数の検知結果を待機する。運転切替部103は、異常検知部102から取得した心拍数の検知結果が、心拍数が正常であることを示している場合、自動運転を手動運転に切り替える。一方、該検知結果が、心拍数が異常であることを示している場合、自動運転を手動運転に切り替えず、自動運転を継続させる。
(シート移動処理の流れ)
図12は、本実施形態に係る制御部10が実行するシート移動処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図12のS11〜S16およびS20の処理は、それぞれ、図10のS1〜S6およびS8の処理と同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
生体情報取得部101は、第2乗員の心拍数を取得する(S17)。生体情報取得部101は、取得した心拍数を異常検知部102へ出力する。
異常検知部102は、取得した心拍数が異常であることを検知する(S18)。心拍数が異常であることを検知した場合(S18でYES)、異常検知部102は、その旨を示す検知結果を運転切替部103へ出力し、シート移動処理はS17の処理に戻る。すなわち、情報処理装置1は、自動運転を手動運転に切り替えず、自動運転を継続させる。
一方、心拍数が正常である場合(S18でNO)、異常検知部102は、その旨を示す検知結果を運転切替部103へ出力する。運転切替部103は該検知結果を取得すると、自動運転を手動運転に切り替える(S19)。
〔実施形態3〕
本発明のさらなる別の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図13は、本実施形態に係る情報処理装置1Aの要部構成を示すブロック図である。本実施形態では、第1乗員の他に、複数名の乗員が車両2に乗車している例を説明する。この場合、情報処理装置1Aは、いずれの乗員を第2乗員、すなわち、第1乗員に代わり運転を担う乗員とするかを決定する必要がある。
このため、情報処理装置1Aは、第1乗員と異なる乗員の各々について、運転適性に関する適性情報を取得する。そして、情報処理装置1Aは、適性情報に基づき運転に適すると判定された乗員が着座しているシートを第2シートとして決定する。これにより、運転に適さない乗員が運転を担うこととなる状況を回避することができる。
<情報処理装置1Aの要部構成>
情報処理装置1Aが、実施形態1で説明した情報処理装置1と異なる点は、制御部10に代えて制御部10Aを備える点である。制御部10Aが制御部10と異なる点は、適性情報取得部106を備えている点である。
適性情報取得部106は、第1乗員と異なる乗員の各々について、運転適性に関する適性情報を取得する。一例として、適性情報取得部106は、適性情報として、各着座シートCに備えられている重量センサ(不図示)から、検出結果、すなわち検出した重量の値を取得してもよい。また、別の例として、適性情報取得部106は、適性情報として、各着座シートCに着座した乗員の顔を撮影可能な撮影装置(不図示)から、乗員の顔を撮影した画像を取得してもよい。適性情報取得部106は、取得した適性情報をシート移動部104へ出力する。
本実施形態に係るシート移動部104は、運転切替部103からの通知を受けると、適性情報取得部106から取得した適性情報に基づき、第2乗員を決定する。例えば、シート移動部104は、適性情報として重量の値を取得した場合、該値が閾値以上である着座シートCに着座する乗員を、第2乗員として決定する。つまり、シート移動部104は、重量の値から大人と推定される乗員を第2乗員として決定する。該閾値は、例えば、大人と推定することが妥当な値の最小値であればよい。
また、例えば、シート移動部104は、適性情報として乗員の顔を撮影した画像を取得した場合、該画像に含まれる顔から年齢を推定し、該年齢が閾値以上である乗員を、第2乗員として決定する。該閾値は、大人と判断してよい年齢であればよく、例えば「18」であってもよい。あるいは、シート移動部104は、推定した年齢が所定の数値範囲内に含まれる乗員を、第2乗員として決定してもよい。該数値範囲は、例えば、「25〜60」であってもよい。これにより、運転免許を取って日が浅い若者や、加齢により運転技術に不安のある老人が第2乗員となることを防ぐことができる。
シート移動部104は、第2乗員として決定することができる乗員が複数存在する場合、これらの乗員からランダムに1名を選択し、第2乗員として決定してもよい。あるいは、シート移動部104は、より運転に適していると推定できる1名を選択してもよい。例えば、シート移動部104は、重量の値が最も大きい乗員を第2乗員として決定してもよい。
(シート移動処理の流れ)
図14は、本実施形態に係る制御部10Aが実行するシート移動処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図14のS21〜S23およびS26〜S30の処理は、それぞれ、図10のS1〜S3およびS4〜S8の処理と同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
適性情報取得部106は、各乗員の適性情報を取得する(S24)。適性情報取得部106は、取得した適性情報をシート移動部104へ出力する。シート移動部104は、取得した適性情報に基づき第2乗員とする乗員を特定する(S25)。
なお、S24の処理は、図14に示すシート移動処理の実行前に行われていてもよい。例えば、適性情報取得部106は、車両2が走行を開始したときに適性情報を取得してもよい。
また、本実施形態では、シート移動部104は、運転に適するか否かの判定として、「大人であるか否か」を判定していたが、運転に適するか否かの判定はこの例に限定されない。例えば、該判定は、「運転に適した精神状態であるか否か」であってもよい。この例の場合、適性情報取得部106は、適性情報として、着座シートC2〜C4に設置された心拍センサから心拍数を取得する。シート移動部104は、心拍数が正常である乗員を第2乗員として決定する。
また、本実施形態は、実施形態2と組み合わせることも可能である。すなわち、情報処理装置1Aは、適性情報に基づいて選択された第2乗員が、運転に適した精神状態でない場合、自動運転を手動運転に切り替えず、自動運転を継続してもよい。
〔実施形態4〕
本発明のさらなる別の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図15は、本実施形態に係る情報処理装置1Bの要部構成を示すブロック図である。図16は、情報処理装置1Bによって制御される車両2Bの要部構成を示すブロック図である。
情報処理装置が検知する第1乗員の異常は、不整脈の発生に限定されない。一例として、情報処理装置1Bは、第1乗員の皮膚電位の経時変化を取得し、該皮膚電位に基づきてんかんの発生が検知されたとき、手動運転を自動運転に切り替える。
<車両2B>
図16を参照して、車両2Bの要部構成について説明する。車両2Bが、実施形態1で説明した車両2と異なる点は、情報処理装置1および心電計3に代えて、情報処理装置1Bおよび皮膚電位計5を備えている点である。
皮膚電位計5は、第1乗員の皮膚電位の経時変化(以下、単に「皮膚電位」と記載)を測定し、測定結果を情報処理装置1Bへ送信する。皮膚電位計5の電極は、一例として、着座シートC1、ハンドル、着座シートC1の肘置き、着座シートC1のシートベルトBに設けられている。皮膚電位計5は、一例として、車両2Bのエンジンがかかったときに通電し、第1乗員の皮膚電位の測定を開始する。皮膚電位計5は、一例として、車両2Bのエンジンがかかっている間、第1乗員の皮膚電位を継続して測定し、測定結果を情報処理装置1へ送信する。
<情報処理装置1Bの要部構成>
図15を参照して、情報処理装置1Bの要部構成の一例を説明する。情報処理装置1Bが、実施形態1で説明した情報処理装置1と異なる点は、記憶部11に代えて記憶部11Bを備えている点である。
(記憶部11B)
記憶部11Bは、図15に示すように、少なくともてんかん推定情報112を記憶している。てんかん推定情報112は、制御部10が、皮膚電位計5から取得した皮膚電位に基づいて、てんかんの発生を検知するために使用する情報である。一例として、てんかん推定情報112は、てんかん発生時の皮膚電位のパターンであってもよい。該パターンは、不特定多数のてんかん発生時の皮膚電位のパターン(ビッグデータ)を情報処理装置1Bに学習させること(機械学習)により生成されてもよい。あるいは、情報処理装置1Bは、別の装置が機械学習によって生成したてんかん発生時の活動電位のパターンを取得し、てんかん推定情報112としてもよい。
(制御部10)
本実施形態に係る生体情報取得部101は、皮膚電位計5から送信された皮膚電位を、生体情報として取得し、異常検知部102へ出力する。本実施形態に係る異常検知部102は、取得した皮膚電位に基づいて、第1乗員におけるてんかんの発生を検知する。異常検知部102は、一例として、取得した皮膚電位とてんかん推定情報112との類似度が所定値以上である場合、第1乗員のてんかんの発生を検知する。異常検知部102は、第1乗員にてんかんが発生したことを検知した場合、その旨を運転切替部103へ通知する。
情報処理装置1Bのプロセッサは、記憶部11Bに記憶されている、てんかん推定アルゴリズムに基づくプログラム(不図示)をメモリにロードし、該プログラムに含まれる一連の命令を実行することにより、本実施形態に係る異常検知部102を実現する。すなわち、本発明は、てんかん推定アルゴリズムに基づいて、第1乗員にてんかんが発生したことを検知する、と表現することもできる。情報処理装置1Bは、該プログラムとして、既存のてんかん推定アルゴリズムに基づくプログラムを用いてもよい。
なお、本実施形態に係るシート移動処理は、図10に示すシート移動処理のS1において、活動電位に代えて皮膚電位を取得し、S2においててんかんの発生を検知する他は、該シート移動処理と同一であるため、ここでは説明を繰り返さない。
また、本実施形態は、実施形態2および3の少なくとも一方と組み合わせることも可能である。すなわち、実施形態2、実施形態3、または、実施形態2および3を組み合わせた実施形態において、情報処理装置は、取得した皮膚電位とてんかん推定情報112とに基づき、第1乗員におけるてんかんの発生を検知する構成であってもよい。
また、本発明に係る情報処理装置は、不整脈およびてんかんの両方を検知可能であってもよい。すなわち、本発明に係る情報処理装置は、実施形態1にて説明した不整脈推定情報111と、実施形態4にて説明したてんかん推定情報112とを記憶部に記憶しており、心臓の活動電位および皮膚電位を取得して、第1乗員における不整脈の発生およびてんかんの発生を検知してもよい。この例の場合、本発明に係る車両は、実施形態1にて説明した心電計3と、実施形態4にて説明した皮膚電位計5とを備えている。
〔変形例〕
上述した実施形態では、情報処理装置1、1Aおよび1Bは、不整脈やてんかんといった異常の発生を検知していたが、本発明に係る情報処理装置の検知対象はこれに限定されない。例えば、本発明に係る情報処理装置は、心筋梗塞、脳梗塞などの発生を検知してもよい。これらの異常の発生を検知する場合、本発明に係る情報処理装置は、心筋梗塞、脳梗塞の発生を推定するための推定情報を記憶部に記憶している。なお、該推定情報は、不整脈推定情報111およびてんかん推定情報112と同様の方法で生成されてもよい。
また、情報処理装置1、1Aおよび1Bの異常検知部102は、異常の発生に代えて、異常の兆候を検知する構成であってもよい。この例の場合、不整脈推定情報111およびてんかん推定情報112などの各種推定情報は、例えば、異常の兆候が見られるときの生体情報のパターンであればよい。また、該推定情報は、異常の発生時の生体情報のパターンと同様に、ビッグデータの機械学習により生成されてもよい。以上の兆候を検知することにより、第1乗員が手動運転をできない状態になる前に運転者を第2乗員に交代することができるので、車両の運転において安全性をより向上させることができる。
また、情報処理装置1、1Aおよび1Bは、異常の発生時の生体情報のパターンと、異常の兆候が見られるときの生体情報のパターンとの両方を記憶部に記憶している構成であってもよい。この例において、情報処理装置の異常検知部102は、一例として、取得した生体情報と、異常の兆候が見られるときの生体情報のパターンとの類似度が所定値以上である場合、車両の乗員に対して警告を行なってもよい。該警告は、音声の出力など、乗員が認識できるものであればその方法は特に限定されない。
また、この例において、車両2は、着座シートCの移動のための操作を入力する入力部(不図示)を備えていてもよい。情報処理装置1、1Aおよび1Bの運転切替部103は、入力部への操作入力に基づく信号を受け付けると、手動運転を自動運転に切り替え、その旨をシート移動部104へ通知してもよい。これにより、シート移動部104は、着座シートC1を運転位置から車両2内の別の位置へ移動させ、着座シートC2〜C4のいずれかを運転位置へ移動させる。また、該入力部は、上記警告を行った後に操作可能となる、あるいは、上記警告を行った後の操作の入力の場合のみ、情報処理装置へ信号を送信する構成であってもよい。これにより、乗員が意図しないシートの移動を防ぐことができる。
また、車両は、着座シートCの再移動が可能な構成であってもよい。具体的には、情報処理装置1、1Aおよび1Bは、着座シートCの移動が完了した後に、上記入力部への操作入力に基づく信号を受け付けると、手動運転を自動運転に切り替え、着座シートCの再移動を実行する。ここで、1回目の移動において、着座シートC2が運転位置に移動した場合を例に挙げて説明する。この例において、シート移動部104は、運転切替部103からの通知に基づき、着座シートC2を車両内の別の位置へ移動させ、着座シートC3またはC4を運転位置へ移動させる。これにより、代替の運転手として望ましくない乗員の着座する着座シートCが運転位置へ移動した場合でも、迅速に、より望ましい乗員を代替の運転手とすることができる。
また、情報処理装置1、1Aおよび1Bは、異常の発生を検知した場合、その旨を外部に通知する構成を備えていてもよい。外部とは、例えば、近隣の病院、近隣の消防署であるが、この例に限定されない。
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置1、1A、1Bの制御ブロック(特に制御部10および10A)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、情報処理装置1、1A、1Bは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1、1A、1B 情報処理装置
2、2A、2B 車両
101 生体情報取得部
103 運転切替部
104 シート移動部
105 シート制御部
106 適性情報取得部
B シートベルト
C、C1〜C4 着座シート
L、L1〜L5 レール
S1 生体情報取得ステップ
S3 運転切替ステップ
S5 シート移動ステップ

Claims (9)

  1. 自動運転レベルのうちのレベル3の機能を備えた車両を手動運転するための所定位置に存在する第1シートに着座する第1乗員の生体情報を取得する生体情報取得部と、
    手動運転のときに取得された前記生体情報から前記第1乗員の異常状態が検知されたとき、前記レベル3の自動運転に切り替える運転切替部と、
    前記切り替えに伴い、前記第1シートを前記所定位置と異なる前記車両内の位置に移動させるとともに、前記第1乗員と異なる第2乗員が着座している第2シートを前記所定位置に移動させるシート移動部と、を備えることを特徴とする、情報処理装置。
  2. 前記運転切替部は、前記第2シートの前記所定位置への移動が完了した後、前記自動運転を手動運転に戻す、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記生体情報取得部は、前記第2シートに着座する前記第2乗員の生体情報を取得し、
    前記運転切替部は、前記第2乗員の前記生体情報から前記第2乗員が運転に適さない精神状態であることが検知されたとき、前記自動運転を手動運転に戻す処理を中止し、前記自動運転を維持する、請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記生体情報は、前記第1乗員の心臓の活動電位を含み、
    前記運転切替部は、前記活動電位に基づき不整脈の発生または兆候が検知されたとき、前記自動運転に切り替える、請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  5. 前記生体情報は、前記第1乗員の皮膚電位を含み、
    前記運転切替部は、前記皮膚電位に基づきてんかんの発生または兆候が検知されたとき、前記自動運転に切り替える、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記第1乗員と異なる乗員の各々について、運転適性に関する適性情報を取得する適性情報取得部をさらに備え、
    前記シート移動部は、前記適性情報に基づき運転に適すると判定された乗員が着座しているシートを前記第2シートとして決定する、請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  7. 前記第1シートの移動が完了した場合、前記第1乗員のシートベルトを緩めるとともに、前記第1シートの背もたれを後倒させるシート制御部をさらに備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
    前記車両内の各シートの位置を移動させるために前記車両に配設された複数のレールと、を備え、
    前記複数のレールは、少なくとも、前記第1シートを前記車両の進行方向に対して斜め後方に移動させるレールを含む、車両。
  9. 自動運転レベルのうちのレベル3の機能を備えた車両を手動運転するための所定位置に存在する第1シートに着座する第1乗員の生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
    手動運転のときに取得された前記生体情報から前記第1乗員の異常状態が検知されたとき、前記レベル3の自動運転に切り替える運転切替ステップと、
    前記切り替えに伴い、前記第1シートを前記所定位置と異なる前記車両内の位置に移動させるとともに、前記第1乗員と異なる第2乗員が着座している第2シートを前記所定位置に移動させるシート移動ステップと、を含むことを特徴とする、情報処理装置の制御方法。
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