JP2021012104A - レーダ装置、ゴースト判定方法、およびプログラム - Google Patents

レーダ装置、ゴースト判定方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】送受信部から電磁波を対象物へ向けて発射し、その対象物による反射波を観測することにより、送受信部から対象物までの距離および方向を測定するレーダ装置において、観測された対象物候補がゴーストであるか否かを判定すること。【解決手段】この発明のレーダ装置では、ゴースト判定部は、送受信部10に対して第1の対象物候補P1と第2の対象物候補P2とが同じ方向θにある、という第1条件が満たされているか否かを判定する。第1、第2の対象物候補P1,P2のうち、送受信部10に対してより近くに位置する第2の対象物候補P2からの反射パワーに比して、送受信部10に対してより遠くに位置する第1の対象物候補P1からの反射パワーが小さい、という第2条件が満たされているか否かを判定する。第1条件および第2条件が満たされているときに限り、第1の対象物候補P1がゴーストであると判定する。【選択図】図10

Description

この発明はレーダ装置に関し、より詳しくは、電磁波を対象物へ向けて発射し、上記対象物による反射波を観測することにより、上記対象物までの距離および方向を測定する装置に関する。また、この発明は、そのようなレーダ装置によって観測された対象物(対象物候補)がゴーストであるか否かを判定するゴースト判定方法に関する。また、この発明は、そのようなゴースト判定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
従来、この種のレーダ装置としては、例えば特許文献1(特開2013−167554号公報)に開示されているように、レーダ波を発射し、該レーダ波の対象物による反射波を受信することによって該対象物の位置を特定するものが知られている。
特開2013−167554号公報
上記対象物からの反射波がマルチパス(反射壁などの存在によって生ずる。)を経てレーダ装置に達する場合、上記レーダ装置によって観測された対象物として、ゴーストが含まれることがある。ここで、ゴーストとは、対象物(物体)が存在しないにもかかわらず、あたかも存在しているように誤って検出してしまった結果(または、その誤検出データ)を意味する(以下では、観測された対象物がゴーストである可能性を考慮して、観測された対象物を適宜「対象物候補」と呼ぶ。)。このため、レーダ装置の検出精度を高めるために、観測された各対象物候補がゴーストであるか否かを判定できるのが望ましい。
そこで、この発明の課題は、観測された対象物候補がゴーストであるか否かを判定できるレーダ装置を提供することにある。また、この発明の課題は、そのようなレーダ装置によって観測された対象物候補がゴーストであるか否かを判定できるゴースト判定方法を提供することにある。また、この発明の課題は、そのようなゴースト判定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するため、この開示のレーダ装置は、
送受信部から電磁波を対象物へ向けて発射し、上記対象物による反射波を観測することにより、上記送受信部から上記対象物までの距離および方向を測定するレーダ装置であって、
上記反射波に基づいて、上記送受信部に対する各対象物候補の距離、方向、および反射パワー、を求める候補特定部と、
上記各対象物候補がゴーストであるか否かを判定するゴースト判定部と
を備え、
上記ゴースト判定部は、
上記送受信部に対して第1の対象物候補と第2の対象物候補とが同じ方向にある、という第1条件が満たされているか否かを判定する第1判定部と、
上記第1、第2の対象物候補のうち、上記送受信部に対してより近くに位置する上記第2の対象物候補からの反射パワーに比して、上記送受信部に対してより遠くに位置する上記第1の対象物候補からの反射パワーが小さい、という第2条件が満たされているか否かを判定する第2判定部とを含み、
上記第1条件および上記第2条件が満たされているときに限り、上記第1の対象物候補がゴーストであると判定する
ことを特徴とする。
本明細書で、「レーダ装置」とは、一般的に、電磁波を対象物へ向けて発射し、上記対象物による反射波を観測することにより、上記対象物までの距離や方向を測定する装置を意味する。本発明では、電磁波は、典型的にはミリ波ないしマイクロ波であるが、これに限られるものではなく、より長波長、または、より短波長(例えば光)であってもよい。
「ゴースト」とは、対象物(物体)が存在しないにもかかわらず、あたかも存在しているように誤って検出してしまった結果(または、その誤検出データ)を意味する。例えば、対象物からの反射波がマルチパス(反射壁などの存在によって生ずる。)を経てレーダ装置に達する場合などに、ゴーストが生ずる。
この開示のレーダ装置では、送受信部は、電磁波を対象物へ向けて発射し、上記対象物による反射波を観測する。候補特定部は、上記反射波に基づいて、上記送受信部に対する各対象物候補の距離、方向、および反射パワー、を求める。上記ゴースト判定部に含まれた第1判定部は、上記送受信部に対して第1の対象物候補と第2の対象物候補とが同じ方向にある、という第1条件が満たされているか否かを判定する。第2判定部は、上記第1、第2の対象物候補のうち、上記送受信部に対してより近くに位置する上記第2の対象物候補からの反射パワーに比して、上記送受信部に対してより遠くに位置する上記第1の対象物候補からの反射パワーが小さい、という第2条件が満たされているか否かを判定する。上記ゴースト判定部は、上記第1条件および上記第2条件が満たされているときに限り、上記第1の対象物候補がゴーストであると判定する。上記ゴースト判定部は、上記各対象物候補が、それぞれ上記第1の対象物候補としてゴーストに該当するか否かを判定する。このようにして、このレーダ装置によれば、観測された対象物候補がゴーストであるか否かを判定できる。
一実施形態のレーダ装置では、
上記ゴースト判定部は、
上記送受信部に対して上記第1、第2の対象物候補とは別の方向に第3の対象物候補が存在し、かつ、上記第2の対象物候補から上記第1の対象物候補までの距離と、上記第2の対象物候補から上記第3の対象物候補までの距離とが等しい、という第3条件が満たされているか否かを判定する第3判定部を含み、
上記第1、第2条件に加えて、上記第3条件が満たされているときに限り、上記第1の対象物候補がゴーストであると判定する
ことを特徴とする。
上記第1の対象物候補がゴーストであるとき、上記第2の対象物候補は、第3の対象物候補から入射した電磁波を上記送受信部へ向けて反射する反射壁である可能性が高い。そこで、この一実施形態のレーダ装置では、上記ゴースト判定部に含まれた第3判定部は、上記送受信部に対して上記第1、第2の対象物候補とは別の方向に第3の対象物候補が存在し、かつ、上記第2の対象物候補から上記第1の対象物候補までの距離と、上記第2の対象物候補から上記第3の対象物候補までの距離とが等しい、という第3条件が満たされているか否かを判定する。この第3条件が満たされている場合、ゴーストとしての上記第1の対象物候補は、上記第3の対象物候補の存在に由来していることが、裏付けられる。したがって、観測された対象物候補がゴーストであるか否かの判定精度が高まる。
一実施形態のレーダ装置では、上記候補特定部によって求められた対象物候補から、上記ゴースト判定部によってゴーストであると判定された対象物候補を除去する処理を行うゴースト除去部を備えたことを特徴とする。
この一実施形態のレーダ装置では、ゴースト除去部は、上記候補特定部によって求められた対象物候補から、上記ゴースト判定部によってゴーストであると判定された対象物候補を除去する処理を行う。したがって、このレーダ装置は、本来の対象物を示すデータのみを出力することができる。
一実施形態のレーダ装置では、上記候補特定部によって求められた対象物候補のうち、上記ゴースト判定部によってゴーストであると判定された対象物候補についての表示態様を、残りの対象物候補についての表示態様に対して変えて表示するための表示データを作成する表示処理部を備えたことを特徴とする。
一実施形態のレーダ装置では、ユーザは、上記表示データによる表示を見ることによって、上記候補特定部によって求められた対象物候補のうち、上記ゴースト判定部によってゴーストであると判定された対象物候補を、残りの対象物候補に対して直感的に区別して把握できる。
別の局面では、この開示のゴースト判定方法は、
送受信部から電磁波を対象物へ向けて発射し、上記対象物による反射波を観測することにより、上記送受信部から上記対象物までの距離および方向を測定するレーダ装置のためのゴースト判定方法であって、
上記レーダ装置は、上記反射波に基づいて、上記送受信部に対する各対象物候補の距離、方向、および反射パワー、を求める候補特定部を含み、
上記ゴースト判定方法は、
上記送受信部に対して第1の対象物候補と第2の対象物候補とが同じ方向にある、という第1条件が満たされているか否かを判定し、
上記第1、第2の対象物候補のうち、上記送受信部に対してより近くに位置する上記第2の対象物候補からの反射パワーに比して、上記送受信部に対してより遠くに位置する上記第1の対象物候補からの反射パワーが小さい、という第2条件が満たされているか否かを判定し、
上記第1条件および上記第2条件が満たされているときに限り、上記第1の対象物候補がゴーストであると判定する、
ことによって、上記各対象物候補が、それぞれ上記第1の対象物候補としてゴーストに該当するか否かを判定する
ことを特徴とする。
予め、上記レーダ装置の送受信部は、電磁波を対象物へ向けて発射し、上記対象物による反射波を観測する。候補特定部は、上記反射波に基づいて、上記送受信部に対する各対象物候補の距離、方向、および反射パワー、を求める。この開示のゴースト判定方法は、まず、上記送受信部に対して第1の対象物候補と第2の対象物候補とが同じ方向にある、という第1条件が満たされているか否かを判定する。次に、上記第1、第2の対象物候補のうち、上記送受信部に対してより近くに位置する上記第2の対象物候補からの反射パワーに比して、上記送受信部に対してより遠くに位置する上記第1の対象物候補からの反射パワーが小さい、という第2条件が満たされているか否かを判定する。そして、上記第1条件および上記第2条件が満たされているときに限り、上記第1の対象物候補がゴーストであると判定する。このようにして、上記各対象物候補がそれぞれ上記第1の対象物候補としてゴーストに該当するか否かを判定する。これにより、このゴースト判定方法によれば、上記レーダ装置によって観測された対象物候補がゴーストであるか否かを判定できる。
さらに別の局面では、この開示のプログラムは、上記ゴースト判定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
この開示のプログラムをコンピュータに実行させることによって、上記ゴースト判定方法を実施することができる。
以上より明らかなように、この開示のレーダ装置、ゴースト判定方法、およびプログラムによれば、観測された対象物候補がゴーストであるか否かを判定できる。
この発明の一実施形態のレーダ装置のブロック構成を示す図である。 図2(A)、図2(B)は、上記レーダ装置がレーダ送受信部から対象物までの距離を測定する原理を説明する図である。図2(C)は、上記レーダ装置がレーダ送受信部に対する対象物の方向を測定する原理を説明する図である。 上記レーダ装置の候補特定部としてのレーダデータ処理部による通常の(ゴーストを含まない)観測結果を示す図である。 図3の観測結果が得られた場合の、レーダ送受信部からの距離に応じて観測された反射パワー(角度方向に合算されたパワー)を示す図である。 上記レーダ装置によって観測された対象物候補がゴーストを含むような、実験的な測定環境を示す図である。 図5の測定環境の場合の、上記レーダ装置のレーダデータ処理部による観測結果を示す図である。 図6の観測結果が得られた場合の、レーダ送受信部からの距離に応じて観測された反射パワー(角度方向に合算されたパワー)を示す図である。 図8(A)は、図7の観測結果が得られた場合の、レーダ送受信部とリフレクタとを結ぶ方向に関する、レーダ送受信部からの距離に応じて観測された反射パワーを示す図である。図8(B)は、図7の観測結果が得られた場合の、レーダ送受信部と反射壁とを結ぶ方向に関する、レーダ送受信部からの距離に応じて観測された反射パワーを示す図である。 図9(A)は、上記レーダ装置のゴースト処理部によって実行されるゴースト処理方法の概略フローを示す図である。図9(B)は、上記ゴースト処理方法に含まれたゴースト判定方法のフローを具体的に示す図である。 図10(A)、図10(B)は、それぞれ、ゴースト判定の仕方を模式的に例示して説明する図である。 図6においてゴーストが除去された場合の、上記レーダ装置による出力例を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(レーダ装置の構成)
図1は、この発明の一実施形態のレーダ装置(符号1で示す。)のブロック構成を示している。このレーダ装置1は、送受信部としてのレーダ送受信部10と、候補特定部としてのレーダデータ処理部20と、ゴースト判定部およびゴースト除去部としてのゴースト処理部30と、後段処理部40と、データ出力部50とを備えている。
レーダ送受信部10は、チャープ信号(後述する)を生成するシンセサイザ11と、シンセサイザ11によって生成されたチャープ信号を電磁波EM1として対象物90へ向けて発射(送信)する送信アンテナ12と、対象物90による反射波EM2を受信する受信アンテナ13と、送信アンテナ12によって送信された送信信号EM1(理解の容易のため、送信される電磁波と同じ符号で表す。)と受信アンテナ13によって受信された受信信号EM2(理解の容易のため、反射波と同じ符号で表す。)とを混合して中間周波数の信号IFSを生成するミキサ14とを含んでいる。
図2(A)に示すように、この例では、送信信号(チャープ信号)EM1は、或る持続時間Tc(この例では、Tc=40μs)の間、周波数fが単調に増加する信号である。この例では、送信信号EM1の周波数fは、開始周波数77GHzから変化レート100MHz/μsで81GHzまで増加する。受信信号EM2は、この例では、送信信号EM1の送信開始から遅延時間τだけ遅れて立ち上がっている。この遅延時間τは、レーダ送受信部10と対象物90との間の距離(dとする。)によって、τ=2d/cと表される。ここで、cは光の速さである。つまり、レーダ送受信部10と対象物90との間の距離dは、
d=τc/2 …(Eq.1)
として求められる。受信信号EM2の周波数fは、送信信号EM1の周波数fと同様に、開始周波数77GHzから変化レート100MHz/μsで81GHzまで増加する。送信信号EM1と受信信号EM2との間の周波数差Sτは、遅延時間τに比例した値となる。
図2(B)に示すように、ミキサ14は、送信信号EM1と受信信号EM2とを混合して、中間周波数の信号IFSを生成する。信号IFSの周波数(中間周波数)は、送信信号EM1と受信信号EM2との間の周波数差Sτに相当し、したがって、遅延時間τに比例した値となっている。なお、信号IFSが得られる期間は、送信信号EM1と受信信号EM2とが重畳している期間(図2(B)では、2本の垂直破線の間にある期間)である。
図1中に示す送信アンテナ12と受信アンテナ13は、レーダ送受信部10に対する対象物90の水平面内での方向を検出するために、この例では、それぞれ複数設けられている。簡単な例で説明すると、例えば図2(C)に示すように、1個の送信アンテナ12と、2個の受信アンテナ13(それぞれ符号13−1、13−2で示す。)とが、共通の基板2上に水平方向に関して互いに離間して配置されているものとする。2個の受信アンテナ13−1、13−2は、水平方向に関して距離Lだけ互いに離間している。対象物90と受信アンテナ13−1との距離はd、対象物90と受信アンテナ13−2との距離は(d+Δd)として、それぞれ表される。この距離の差Δdによって、受信アンテナ13−1によって得られる受信信号EM2−1と、受信アンテナ13−2によって得られる受信信号EM2−2との間に、位相差ΔΦが生ずる。受信信号EM2として平面の波面(波長λ)を想定すると、位相差ΔΦ=2πΔd/λと表される。レーダ送受信部10に対する対象物90の水平面内での方向(レーダ送受信部10の正面に対する角度)をθとすると、Δd=Lsin(θ)であることから、方向θは、
θ=sin−1(λΔΦ/2πL) …(Eq.2)
として求められる。
この例では、実際には、基板2上に、水平方向に関して互いに離間して、送信アンテナ12が3個、受信アンテナ13が4個配置されている。これにより、レーダ送受信部10に対する対象物90の水平面内での方向θを、広い範囲(この例では、±90°の視野)で精度良く求めるようになっている。
図1中に示すレーダデータ処理部20は、ミキサ14の出力から中間周波数の信号IFSを取り出すローパスフィルタ(図示せず)と、取り出された信号IFSをアナログ信号からデジタル信号へ変換するAD(アナログ・ツー・デジタル)変換部21と、フーリエ変換処理を行うFFT(高速フーリエ変換)処理部22とを含んでいる。レーダデータ処理部20は、レーダ送受信部10に対する各対象物(対象物候補)90の距離d、方向θ、および反射パワーPW、を求める。なお、観測された対象物90がゴーストである可能性を考慮して、観測された対象物90を適宜「対象物候補」と呼ぶ。
具体的には、ミキサ14の出力から取り出された信号IFSは、レーダ送受信部10の視野に複数の対象物90が存在すれば、レーダ送受信部10とそれらの対象物90との間の距離d毎に、互いに異なる周波数(周波数差Sτ。これを「トーン」と呼ぶ。)を示す。FFT処理部22は、それらの信号IFSをフーリエ変換して、異なるトーン毎に個別のピーク(反射パワー)をもつ周波数スペクトルを求める。各ピークは、そのピークが示す周波数に応じた距離dに対象物90が存在することを示す。したがって、レーダ送受信部10に対する対象物90の距離dが求められる。
例えば、図4は、レーダ送受信部10の前方で約4mの距離に対象物90としてのリフレクタ90A(後述の図5参照)が置かれた場合の、FFT処理部22によって求められた周波数スペクトル、すなわち、レーダ送受信部10からの距離dに応じて観測された反射パワーPWのデータ(相対値で単位dB)を示している。図4に現れたピークP10は、レーダ送受信部10の前方で約4mの距離に置かれたリフレクタ90Aによる反射パワーのピークを示している。リフレクタ90Aは、正四面体の3面をなす金属板からなり、残りの1面(レーダ送受信部10に対向する前面)が省略されて凹状に形成された標準品である。距離ゼロに現れたピークP0は、送信アンテナ12から受信アンテナ13へ直接入射した信号成分を示している。なお、この図4では、反射パワーPWは、θ方向に関して最大範囲(この例では、±90°の視野)にわたって合算されたパワーを示している。レーダ送受信部10とリフレクタ90Aとを結ぶ方向θに関する、距離dに応じて観測された反射パワーPWのデータでは、この図4と同様に、レーダ送受信部10の前方で約4mの距離にリフレクタ90Aによる反射パワーのピークP10が現れる。それ以外の方向θでは、リフレクタ90AによるピークP10は現れず、ピークP0以外にはノイズのみが観測される。このように、レーダ送受信部10に対する方向θ毎に反射パワーのピークを観測することによって、レーダ送受信部10に対する対象物90の方向θが求められる。
図3は、図4の計算結果が得られた場合の、レーダデータ処理部20による観測結果を総合的に示している。この図3では、レーダ送受信部10から見て水平面内で奥行き方向をY方向、左右方向をX方向、鉛直方向をZ方向として、XYZ直交座標系が設定されている。レーダ送受信部10はXYZ直交座標系の原点に、+Y方向を正面として配置されている。図3において、略中央(レーダ送受信部10の正面で約4mの距離)に現れたデータ点P10(理解の容易のため、図4中のピークと同じ符号で表す。)は、対象物90としてのリフレクタ90Aを示している。この図3中のデータ点は、反射パワーPWが予め定められた閾値(この例では、60dB)以上であるデータ点をプロットしたものである(後述の図6,図11において同様。)。XYZ直交座標系の原点に現れたデータ点P0は、送信アンテナ12から受信アンテナ13へ直接入射した信号成分を示している。
このように、レーダデータ処理部20は、レーダ送受信部10に対する各対象物(対象物候補)90の距離d、方向θ、および反射パワーPW、を求める。
図1中に示すゴースト処理部30は、この例では、レーダデータ処理部20によって求められた各対象物候補90がゴーストであるか否かを判定し(図9(A)のステップS1)、観測された対象物候補からゴーストであると判定された対象物候補を除去する処理を行う(図9(A)のステップS2)。このゴースト処理部30の動作については、後に詳述する。
図1中に示す後段処理部40は、ゴースト処理部30による処理後のデータを、後段に必要な情報へ変換する公知の処理を行う。例えば、後段処理部40は、検出点(互いに近接して検出された複数のデータ点)を塊(クラスタ)としてまとめるクラスタリング処理、対象物90を追跡するトラッキング処理などを行う。
データ出力部50は、後段処理部40による処理後のデータを、外部の装置(例えば、表示装置、または、表示装置を含むコンピュータ装置など)へ出力する。
なお、このレーダ装置1における、ゴースト処理部30以外の要素、すなわち、レーダ送受信部10、レーダデータ処理部20、後段処理部40、およびデータ出力部50は、例えばテキサス・インスツルメント社製のミリ波センサデバイスにおいて実現されている。そのミリ波センサデバイスの例では、レーダ送受信部10、レーダデータ処理部20、後段処理部40、およびデータ出力部50は、共通の基板2上に搭載されている。この例では、このレーダ装置1における、ゴースト処理部30以外の要素については、上記ミリ波センサデバイスのものを用いている。ゴースト処理部30は、この例では、ソフトウェア(コンピュータプログラム)に従って動作するマイクロプロセッサによって構成されている。
(ゴースト処理)
ゴースト処理部30によって実行されるゴースト処理方法を説明するために、図5は、レーダ装置1によって観測された対象物候補がゴーストを含むような、実験的な測定環境を示している。
図5の例では、床面99上で、レーダ送受信部10を搭載した基板2が、手前に配置されている。基板2上のレーダ送受信部10から見て水平面内で奥行き方向をY方向、左右方向をX方向、鉛直方向をZ方向として、XYZ直交座標系が設定されている。レーダ送受信部10はXYZ直交座標系の原点に、+Y方向を正面として配置されている。また、基板2(レーダ送受信部10)の略正面(+Y方向)で約4mの距離に相当する位置に、対象物90としてのリフレクタ90Aが置かれている。既述のように、リフレクタ90Aは、正四面体の3面をなす金属板からなり、残りの1面(レーダ送受信部10に対向する前面)が省略されて凹状に形成された標準品である。また、基板2(レーダ送受信部10)の前方(+Y方向)へ約2m、そこから左方向(−X方向)へ約1.5mの距離に相当する位置に、平面状のアルミニウム板からなる反射壁80が立設されている。反射壁80の壁面(反射面)は、概ねY方向と平行に向けられている。なお、この例では、簡単のため、基板2(レーダ送受信部10)、リフレクタ90A、および、反射壁80は、鉛直方向に関して略同一の高さレベルにあるものとする。
この図5の測定環境では、リフレクタ90Aは、レーダ送受信部10から送信された電磁波EM1を反射して、レーダ送受信部10へ向かう反射波EM2を生ずるとともに、反射壁80へ向かう別の反射波EM2″を生ずる。反射壁80は、それ自身が対象物90として、レーダ送受信部10から送信された電磁波EM1′を反射して、レーダ送受信部10へ向かう反射波EM2′を生ずる。それとともに、反射壁80は、リフレクタ90Aからの反射波EM2″を反射して、レーダ送受信部10へ向かう別のパスによる反射波EM3″を生ずる。この反射波EM3″がゴースト81を生じさせる。
図7は、図5の測定環境の場合に、レーダデータ処理部20のFFT処理部22によって求められた周波数スペクトル、すなわち、レーダ送受信部10からの距離dに応じて観測された反射パワーPWのデータ(相対値で単位dB)を示している。図7に現れたピークP3は、レーダ送受信部10の前方で約4mの距離に置かれたリフレクタ90Aによる反射パワーのピークを示している。距離ゼロに現れたピークP0は、送信アンテナ12から受信アンテナ13へ直接入射した信号成分を示している。なお、この図7では、反射パワーPWは、図4におけるのと同様に、θ方向に関して最大範囲(この例では、±90°の視野)にわたって合算されたパワーを示している。このため、レーダ送受信部10から約2.5mの距離に反射壁80によるピークP2が現れている。また、レーダ送受信部10から約5mの距離に、ゴースト81によるピークP1が現れている。
レーダ送受信部10とリフレクタ90Aとを結ぶ方向θに関する、距離dに応じて観測された反射パワーPWのデータでは、図8(A)に示すように、ピークP0に加えて、レーダ送受信部10から約4mの距離にリフレクタ90AによるピークP3のみが現れる。また、レーダ送受信部10と反射壁80とを結ぶ方向θに関する、距離dに応じて観測された反射パワーPWのデータでは、図8(B)に示すように、ピークP0に加えて、レーダ送受信部10から約2.5mの距離に、反射壁80によるピークP2が現れ、また、レーダ送受信部10から約5mの距離に、ゴースト81によるピークP1が現れる。それ以外の方向θでは、ピークP1〜P3は現れず、ピークP0以外にはノイズのみが観測される。
図6は、図5の測定環境の場合の、レーダ装置1のレーダデータ処理部20による観測結果を総合的に示している。この図6において、略中央(レーダ送受信部10の正面で約4mの距離)に現れたデータ点P3(理解の容易のため、図7中のピークと同じ符号で表す。)は、対象物90としてのリフレクタ90Aを示している。図6において、データ点P3よりもXYZ直交座標系の原点に接近した位置に現れたデータ点P2は、反射壁80が対象物90として観測されたデータ点を示している。図6において、データ点P3から横方向(−X方向)に離れた位置(レーダ送受信部10から見てデータ点P2と同じ方向にある位置)に現れたデータ点P1は、ゴースト81によるデータ点を示している。この例では、これらのデータ点P1,P2,P3が、それぞれ対象物候補となる。
レーダデータ処理部20によって図6に示すような観測結果が得られる場合、ゴースト処理部30はゴースト判定部として働いて、各対象物候補P1,P2,P3がゴースト81であるか否かを、図9(B)に示すゴースト判定方法のフローによって判定する。
まず、図9(B)のステップS11で、ゴースト処理部30は第1判定部として働いて、レーダ送受信部10に対して第1の対象物候補と第2の対象物候補とが同じ方向θにある、という第1条件(後掲の表1参照)が満たされているか否かを判定する。
この第1条件を設けた理由は、図10(A)に模式的に示すように、レーダ送受信部10から見て、ゴースト81によるデータ点P1は、必ず、反射壁80によるデータ点P2の後方に現れるからである。つまり、レーダ送受信部10に対して第1の対象物候補としてのデータ点P1と第2の対象物候補としてのデータ点P2とが同じ方向θに現れる。そこで、この例では、各対象物候補P1,P2,P3がゴースト81であるか否かを判定するために、まず、レーダ送受信部10に対して第1の対象物候補と第2の対象物候補とが同じ方向θにある、という第1条件が満たされているか否かを判定する。
図10(A)の例では、対象物候補P1,P2,P3のうち、レーダ送受信部10から見て対象物候補P1,P2が同じ方向θにある。したがって、対象物候補P1,P2については、第1条件が満たされていると判定される。一方、対象物候補P3は、対象物候補P1,P2とは別の方向に単独で存在する。したがって、対象物候補P3については、第1条件が満たされていないと判定される。
上記第1条件が満たされているとき、図9(B)のステップS12で、ゴースト処理部30は第2判定部として働いて、上記第1、第2の対象物候補のうち、レーダ送受信部10に対してより近くに位置する第2の対象物候補からの反射パワーに比して、レーダ送受信部10に対してより遠くに位置する第1の対象物候補からの反射パワーが小さい、という第2条件(後掲の表1参照)が満たされているか否かを判定する。
この第2条件を設けた理由は、図5中に示すように、反射壁80からの直接的な反射波EM2′の光路長に比して、リフレクタ90Aから反射壁80を介した間接的な反射波EM2″〜EM3″の光路長が長いこと、および、反射壁80からの直接的な反射波EM2′の反射回数(1回)に比して、リフレクタ90Aから反射壁80を介した間接的な反射波EM2″〜EM3″の反射回数(2回)が多いことに起因して、反射壁80からの直接的な反射波EM2′の反射パワーに比して、リフレクタ90Aから反射壁80を介した間接的な反射波EM3″の反射パワーは、必ず、小さくなるからである。
図6に示す観測結果が得られた例では、図8(B)によって分かるように、第1、第2の対象物候補P1,P2のうち、レーダ送受信部10に対してより近くに位置する第2の対象物候補P2からの反射パワーに比して、レーダ送受信部10に対してより遠くに位置する第1の対象物候補P1からの反射パワーが小さい。したがって、図6中のデータ点P1を第1の対象物候補、データ点P2を第2の対象物候補として、第2条件が満たされていると判定される。
上記第1、第2条件が満たされているとき、図9(B)のステップS13で、ゴースト処理部30は第3判定部として働いて、レーダ送受信部10に対して上記第1、第2の対象物候補とは別の方向に第3の対象物候補が存在し、かつ、第2の対象物候補から第1の対象物候補までの距離と、第2の対象物候補から第3の対象物候補までの距離とが等しい、という第3条件(後掲の表1参照)が満たされているか否かを判定する。
この第3条件を設けた理由は、図10(A)に模式的に示すように、リフレクタ90Aによる第3の対象物候補P3と、それに由来したゴースト81による第1の対象物候補P1とは、第2の対象物候補P2をなす反射壁80に関して、必ず面対称に現れるからである(反射壁80の反射面は、概ねY方向と平行に向けられている。)。このような面対称の配置では、第2の対象物候補P2から第1の対象物候補P1までの距離d21と、第2の対象物候補P2から第3の対象物候補P3までの距離d23とが等しくなる。そこで、この例では、そのような第3の対象物候補P3が存在するか否かを判定する。これにより、ゴーストとしての第1の対象物候補P1は、第3の対象物候補P3の存在に由来していることが、裏付けられる。したがって、観測された対象物候補がゴーストであるか否かの判定精度が高まる。
図10(A)の例では、第1、第2の対象物候補P1,P2とは別の方向に第3の対象物候補P3が存在し、かつ、第2の対象物候補P2から第1の対象物候補P1までの距離d21と、第2の対象物候補P2から第3の対象物候補P3までの距離d23とが等しい。つまり、d21=d23である。したがって、第3条件が満たされていると判定される。
(表1)判定条件テーブル
Figure 2021012104
上記第1、第2、および第3条件が満たされているときに限り、図9(B)のステップS14に示すように、ゴースト処理部30はゴースト判定部として働いて、第1の対象物候補P1がゴースト81であると判定する。一方、上記第1、第2、第3条件のいずれかが満たされていなければ、図9(B)のステップS15に示すように、ゴースト処理部30は、第1の対象物候補P1が本来の対象物である(ゴーストではない)と判定する。
また、レーダデータ処理部20によって観測された各対象物候補P1,P2,P3が群(データ点群)をなす場合には、ゴースト処理部30は、それらがゴースト81に該当するか否かを、次のようにして判定する。
例えば、図10(B)に示すように、対象物候補P1から少しだけ右方向へ離間した位置に対象物候補P1′が存在し、また、対象物候補P2,P3からそれぞれ少しだけ右方向へ離間した位置に対象物候補P2′,P3′が存在するものとする。この場合、レーダ送受信部10から見て対象物候補P1′,P2′が同じ方向θ′にある。したがって、対象物候補P1′,P2′については、第1条件が満たされていると判定される(図9(B)のステップS11でYES)。また、図示を省略しているが、第1、第2の対象物候補P1′,P2′のうち、レーダ送受信部10に対してより近くに位置する第2の対象物候補P2′からの反射パワーに比して、レーダ送受信部10に対してより遠くに位置する第1の対象物候補P1′からの反射パワーが小さいものとする。これにより、第2条件が満たされていると判定される(図9(B)のステップS12でYES)。また、図10(B)に示すように、第1、第2の対象物候補P1′,P2′とは別の方向に第3の対象物候補P3′が存在し、かつ、第2の対象物候補P2′から第1の対象物候補P1′までの距離d21′と、第2の対象物候補P2′から第3の対象物候補P3′までの距離d23′とが等しい。つまり、d21′=d23′である。したがって、第3条件が満たされていると判定される(図9(B)のステップS13でYES)。この結果、対象物候補P1′はゴースト81に該当すると判定される(図9(B)のステップS14)。
一方、図10(B)中に示すように、対象物候補P2′と対象物候補P1′とを結ぶ線状で、対象物候補P2′と対象物候補P1′との中間に相当する位置に、別の対象物候補P4が存在するものとする。この場合、レーダ送受信部10から見て対象物候補P4,P2′が同じ方向θ′にある。したがって、対象物候補P4,P2′については、第1条件が満たされていると判定される(図9(B)のステップS11でYES)。また、図示を省略しているが、第1、第2の対象物候補P4,P2′のうち、レーダ送受信部10に対してより近くに位置する第2の対象物候補P2′からの反射パワーに比して、レーダ送受信部10に対してより遠くに位置する第1の対象物候補P4からの反射パワーが小さいものとする。これにより、第2条件が満たされていると判定される(図9(B)のステップS12でYES)。しかしながら、図10(B)の例では、第2の対象物候補P2′から第1の対象物候補P4までの距離d24′と等しい距離を与えるべき第3の対象物候補が存在しない。このため、第3条件が満たされていないと判定される(図9(B)のステップS13でNO)。この結果、対象物候補P4は本来の対象物である(ゴーストに該当しない)と判定される(図9(B)のステップS15)。
このようにして、このレーダ装置1のゴースト処理部30によれば、観測された各対象物候補P1,P1′,…;P2,P2′,…;P3,P3′,…がゴースト81であるか否かを判定できる。
なお、図9(B)のフローで、第1条件が満たされているか否かの判定(ステップS11)を第2条件が満たされているか否かの判定(ステップS12)よりも先に行う理由は、第1条件が満たされているか否かの判定(方向θだけによるの判定)の方が第2条件が満たされているか否かの判定(距離dと反射パワーPWとによる判定)に比して演算処理量が少ないからである。つまり、先に第1条件が満たされているか否かの判定を行って処理対象を減らせば、全体としてマイクロプロセッサの処理負荷を低減できるからである。同様に、第1、第2条件が満たされているか否かの判定(ステップS11,S12)を第3条件が満たされているか否かの判定(ステップS13)よりも先に行う理由は、第1、第2条件が満たされているか否かの判定の方が第3条件が満たされているか否かの判定(第2の対象物候補から第1の対象物候補までの距離の計算と、第2の対象物候補から第3の対象物候補までの距離の計算とを含む。)に比して演算処理量が少ないからである。つまり、先に第1、第2条件が満たされているか否かの判定を行って処理対象を減らせば、全体としてマイクロプロセッサの処理負荷を低減できるからである。
この例では、ゴースト処理部30は、観測された各対象物候補(簡単のため、図6中に示したP1,P2,P3とする。)がゴースト81であるか否かを判定した後、ゴースト除去部として働いて、観測された各対象物候補P1,P2,P3からゴースト81であると判定された対象物候補(上の例では、P1)を除去する処理を行う(図9(A)のステップS2)。
具体的には、ゴースト処理部30は、図6に対応した図11に示すように、観測された各対象物候補P1,P2,P3からゴースト81であると判定された対象物候補P1を除去したデータDoutを作成し、図1中に示した後段処理部40、データ出力部50を介して外部の表示装置(または、表示装置を有する実質的なコンピュータ装置)へ出力する。
図11の例では、図6に比して、破線の楕円DGで示す領域に現れていたゴースト81によるデータ点P1が除去されている。したがって、このレーダ装置1は、本来の対象物90を示すデータ(この例では、リフレクタ90Aによるデータ点P3、反射壁80によるデータ点P2)のみを出力することができる。
(変形例)
上の例では、観測された各対象物候補P1,P2,P3からゴースト81であると判定された対象物候補P1を除去したが、これに限られるものではない。例えば、ゴースト処理部30が表示処理部として働いて、本来の対象物90を示すデータ点P2,P3を青色で表示する一方、ゴースト81であると判定されたデータ点P1を赤色(または灰色)で表示するなど、本来の対象物90を示すデータ点P2,P3の表示態様に対して、ゴースト81であると判定されたデータ点P1の表示態様を変えて表示するための表示データを作成してもよい。そのようにした場合、ユーザは、上記表示データによる表示を見ることによって、観測された対象物候補P1,P2,P3のうち、ゴースト81であると判定された対象物候補P1を、残りの対象物候補P2,P3に対して直感的に区別して把握できる。
上述のゴースト処理部30は、ソフトウェア(コンピュータプログラム)に従って動作するマイクロプロセッサによって構成された。しかしながら、これに限るものではなく、ゴースト処理部30は、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの、論理回路(集積回路)によって構成されてもよい。また、ゴースト処理部30は、例えば市販のミリ波センサデバイスに組み込まれてもよい。
上述のゴースト判定方法(またはゴースト処理方法)を、ソフトウェア(コンピュータプログラム)として、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル万能ディスク)、フラッシュメモリなどの非一時的(non-transitory)にデータを記憶可能な記録媒体に記録してもよい。このような記録媒体に記録されたソフトウェアを、パーソナルコンピュータ、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタンツ)、スマートフォンなどの実質的なコンピュータ装置にインストールすることによって、それらのコンピュータ装置に、上述のゴースト判定方法(またはゴースト処理方法)を実行させることができる。
以上の実施形態は例示であり、この発明の範囲から離れることなく様々な変形が可能である。上述した複数の実施の形態は、それぞれ単独で成立し得るものであるが、実施の形態同士の組みあわせも可能である。また、異なる実施の形態の中の種々の特徴も、それぞれ単独で成立し得るものであるが、異なる実施の形態の中の特徴同士の組みあわせも可能である。
1 レーダ装置
10 レーダ送受信部
20 レーダデータ処理部
30 ゴースト処理部
40 後段処理部
50 データ出力部
80 反射壁
81 ゴースト
90 対象物
90A リフレクタ

Claims (6)

  1. 送受信部から電磁波を対象物へ向けて送信し、上記対象物による反射波を観測することにより、上記送受信部から上記対象物までの距離および方向を測定するレーダ装置であって、
    上記反射波に基づいて、上記送受信部に対する各対象物候補の距離、方向、および反射パワー、を求める候補特定部と、
    上記各対象物候補がゴーストであるか否かを判定するゴースト判定部と
    を備え、
    上記ゴースト判定部は、
    上記送受信部に対して第1の対象物候補と第2の対象物候補とが同じ方向にある、という第1条件が満たされているか否かを判定する第1判定部と、
    上記第1、第2の対象物候補のうち、上記送受信部に対してより近くに位置する上記第2の対象物候補からの反射パワーに比して、上記送受信部に対してより遠くに位置する上記第1の対象物候補からの反射パワーが小さい、という第2条件が満たされているか否かを判定する第2判定部とを含み、
    上記第1条件および上記第2条件が満たされているときに限り、上記第1の対象物候補がゴーストであると判定する
    ことを特徴とするレーダ装置。
  2. 請求項1に記載のレーダ装置において、
    上記ゴースト判定部は、
    上記送受信部に対して上記第1、第2の対象物候補とは別の方向に第3の対象物候補が存在し、かつ、上記第2の対象物候補から上記第1の対象物候補までの距離と、上記第2の対象物候補から上記第3の対象物候補までの距離とが等しい、という第3条件が満たされているか否かを判定する第3判定部を含み、
    上記第1、第2条件に加えて、上記第3条件が満たされているときに限り、上記第1の対象物候補がゴーストであると判定する
    ことを特徴とするレーダ装置。
  3. 請求項1または2に記載のレーダ装置において、
    上記候補特定部によって求められた対象物候補から、上記ゴースト判定部によってゴーストであると判定された対象物候補を除去する処理を行うゴースト除去部
    を備えたことを特徴とするレーダ装置。
  4. 請求項1または2に記載のレーダ装置において、
    上記候補特定部によって求められた対象物候補のうち、上記ゴースト判定部によってゴーストであると判定された対象物候補についての表示態様を、残りの対象物候補についての表示態様に対して変えて表示するための表示データを作成する表示処理部
    を備えたことを特徴とするレーダ装置。
  5. 送受信部から電磁波を対象物へ向けて送信し、上記対象物による反射波を観測することにより、上記送受信部から上記対象物までの距離および方向を測定するレーダ装置のためのゴースト判定方法であって、
    上記レーダ装置は、上記反射波に基づいて、上記送受信部に対する各対象物候補の距離、方向、および反射パワー、を求める候補特定部を含み、
    上記ゴースト判定方法は、
    上記送受信部に対して第1の対象物候補と第2の対象物候補とが同じ方向にある、という第1条件が満たされているか否かを判定し、
    上記第1、第2の対象物候補のうち、上記送受信部に対してより近くに位置する上記第2の対象物候補からの反射パワーに比して、上記送受信部に対してより遠くに位置する上記第1の対象物候補からの反射パワーが小さい、という第2条件が満たされているか否かを判定し、
    上記第1条件および上記第2条件が満たされているときに限り、上記第1の対象物候補がゴーストであると判定する、
    ことによって、上記各対象物候補が、それぞれ上記第1の対象物候補としてゴーストに該当するか否かを判定する
    ことを特徴とするゴースト判定方法。
  6. 請求項5に記載のゴースト判定方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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