JP2021011380A - 画像形成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】除電装置の下流側に後処理装置が接続される場合でも、用紙に対する適切な除電を行うことが可能な画像形成システムを提供する。【解決手段】画像形成システムは、用紙にトナー像を形成する画像形成部と、用紙の搬送方向における画像形成部の下流側に設けられ、用紙に電荷を付与する電荷付与部と、用紙の搬送方向における電荷付与部の下流側に設けられ、用紙に後処理を行う後処理部と、を備え、電荷付与部は、用紙の搬送方向における電荷付与部の上流側および下流側で用紙に発生する静電気量に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する。【選択図】図8

Description

本発明は、画像形成システムに関する。
従来、画像形成装置により画像が形成されている用紙は、後処理装置により後処理が行われることがある。この場合、画像形成装置と後処理装置とが直列的に連結接続されて、一つの画像形成システムとして構成されることが多い。ここで、後処理装置に搬送される各用紙は、静電気に起因して互いに貼り付くことがあり、このような場合に後処理の品質が低下するおそれがある。
用紙が搬送されるとき、用紙の静電気は、ガイド部材などを有する搬送経路に配置されたローラーニップから用紙が剥離される(分離する)ときの剥離帯電、ローラーニップが用紙にマイクロスリップすることによる摩擦帯電、あるいはガイド部材への電荷移動等により発生する。
ここで、用紙に発生する静電気の量は、用紙が搬送される温湿度環境、用紙の種類(紙種)、カバレッジすなわち用紙へのトナー付着量、ガイド部材の蓄電量、等によって変化する。また、静電気を帯びている用紙は、用紙表裏面の電位差が大きくなるにつれ、用紙間に働く引力が大きくなる。
総じて、用紙間の引力により用紙同士が貼り付いている状態で後処理が実行される場合、後処理の品質が低下する可能性が高くなる。
後処理の具体例としては、積載される用紙をスタック(整列)する処理として、用紙の先後端を整える整合処理、排紙積載時に用紙の整列性を高める用紙側端整合処理、用紙の表裏を反転させて積載する反転積載処理など、種々のものがある。
また、用紙を加工する処理として、積載される用紙を中綴じしてステイプルを打つステイプル処理、用紙に穴を開けるパンチ処理、用紙を分割する或いは余白部分を落とす裁断処理、用紙に折り線やミシン目(切り取り線)を形成する処理など、種々のものがある。
総じて、用紙に静電気が発生した場合、上述の整列やステイプルなどの後処理の品質が低下し、さらには用紙の搬送時にジャムや用紙ダメージが発生するおそれがある。したがって、後処理の品質を下げないようにするためには、搬送方向における後処理装置の上流側に、用紙の静電気を除電する除電装置を配置する必要がある(例えば、特許文献1を参照)。
特開2018−43868号公報
ところで、上記のような後処理装置および除電装置を使用する画像形成システムでは、一般に、搬送方向における除電装置の上流側で帯電した用紙の電荷が、除電装置によって完全に除去されるようになっている。
しかしながら、実際には、除電装置の下流側に後処理装置が接続されるケースがあり得る。また、後処理装置内の用紙搬送路の構成によっては、除電装置を後処理装置の上流側に配置せざるを得ないケースが発生し得る。このようなケースでは、用紙は、除電装置によって電荷が除電された後に、下流側の後処理装置によって再び電荷を帯びた状態となる。この場合、排出後の用紙束のハンドリング性が悪化する、あるいは後処理工程での処理の品質が下がる、さらには後処理工程において搬送不良が生じて生産性が低下する、といった種々の問題が発生し得る。
本発明の目的は、除電装置の下流側に後処理装置が接続される場合でも、用紙に対し適切な除電を行うことが可能な画像形成システムを提供することである。
本発明に係る画像形成システムは、
用紙にトナー像を形成する画像形成部と、
前記用紙の搬送方向における前記画像形成部の下流側に設けられ、前記用紙に電荷を付与する電荷付与部と、
前記用紙の搬送方向における前記電荷付与部の下流側に設けられ、前記用紙に後処理を行う後処理部と、を備え、
前記電荷付与部は、前記用紙の搬送方向における前記電荷付与部の上流側および下流側で前記用紙に発生する静電気量に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する。
本発明によれば、除電装置の下流側に後処理装置が接続される場合でも、用紙に対する適切な除電を行うことができる。
従来の画像形成システムの一構成例を示す概要図である。 図1に示す画像形成システムの変形例であり、電荷調整装置の下流側に3台の後処理装置を配置する場合の概要図である。 本実施の形態における画像形成システムの第1の構成例を示す概要図である。 本実施の形態における画像形成システムの第2の構成例を示す概要図である。 本実施の形態における画像形成システムの第3の構成例を示す概要図である。 本実施の形態の画像形成システムにおける制御系の構成を説明するブロック図である。 図3に示す画像形成システムの変形例を示す概要図である。 電荷調整装置から用紙に付与される電荷量を設定する処理を説明するフローチャートである。
以下、本開示の画像形成システムについて、図面を参照して詳細に説明する。最初に、本実施の形態の前提として、従来の画像形成システムの一例およびその発展例について、図1および図2を参照して説明する。
なお、特記しない限り、単に「上流(下流)」または「上流側(下流側)」という場合、用紙が搬送される方向における上流(下流)または上流側(下流側)を意味する。
図1に示す従来例の画像形成システムは、給紙装置2、画像形成装置3、複数の後処理装置4,5,6,8、及び電荷調整装置7を備える。画像形成システムは、これら各装置によって通紙経路10が形成される。この例では、通紙経路10は、搬送方向の上流側から、給紙装置2、画像形成装置3、後処理装置4,5,6,電荷調整装置7、および後処理装置8の順に用紙を通過させる。
なお、図1では、分かりやすくするため、電荷調整装置7のブロックを太い枠で示しており、この点、後述する図2〜図5,図7でも同様である。
給紙装置2は、様々な種類(サイズ、斤量、紙種など)の用紙を収容し、指定された用紙を画像形成装置3に給紙する。画像形成装置3は、給紙装置2から給紙された用紙に画像を形成し、画像が形成された用紙を印刷物(出力紙)として出力する。
一具体例では、画像形成装置3は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置3は、感光体上に形成されたC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)およびK(ブラック)の各色トナー像を中間転写体に一次転写し、中間転写体上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙に二次転写することにより画像を形成する画像形成部を備える。
また、画像形成装置3は、用紙に形成されたトナー像を熱および圧力によって定着させる定着部、用紙の両面にトナー像を形成するために用紙の表裏を反転させて画像形成部に再度搬送するための両面搬送路、定着部によりトナー像が定着された用紙を機外に排出する排出部、などを備える。これらの構成は公知のものであるため、図示および詳細な説明を省略し、実施の形態の説明の際に図6を参照して適宜後述する。
後処理装置4,5,および6は、上述したスタック(整列)、ステイプル、パンチ(穴開け)、裁断、などの種々の後処理を行う。最下流に配置された後処理装置8は、排紙トレイ81およびステイプラー82を備え、電荷調整装置7から搬送された用紙をそのまま排紙トレイ81に排出する、あるいはステイプラー82でステイプル処理を行った後に排紙トレイ81に排出する。
電荷調整装置7は、図1に示す例では、後処理装置6および後処理装置8の間に配置されている。電荷調整装置7は、後処理装置6から送られてきた用紙に対して、当該用紙に帯電している電荷を打ち消す(静電気を除電する)ように電圧を印加(電荷を付与)する電圧印加部70(図6参照)を備える。
電荷調整装置7は、例えば、用紙を上流側から下流側へと搬送するための複数の搬送ローラー対、電圧印加部70の一部をなし、搬送ローラー対によって搬送されている用紙を除電する除電部材としての除電ローラー対、用紙の位置を検出するセンサーなどを備える。これら搬送ローラー対および除電ローラー対は、電荷調整装置7内の図示しない制御部(プロセッサー等)によって、回転速度および印加電圧等が制御される。
給紙装置2内に収容されている用紙は、最上部から一枚ずつ画像形成装置3に送り込まれてトナー像が形成、定着された後、適宜、後処理装置4,5,および6によって所定の後処理が施された後に電荷調整装置7を通過する。このとき、電荷調整装置7は、用紙の電荷が除去される(ゼロになる)ように、画像形成装置3に設定されたジョブ内容(例えばカバレッジなど)や画像形成条件(例えば用紙の斤量など)に応じた電荷量の電圧を用紙に印加する。
かくして、電荷調整装置7により除電された用紙は、後処理装置8に搬送され、必要に応じてステイプラー82によるステイプル処置が実行された後に、上述した排紙トレイ81上に排紙される。
ところで、従来の画像形成システムでは、電荷調整装置7は、図1に示すように、通紙経路10中のできるだけ下流側に配置されることが一般的であり、通紙経路10の上流側で発生した用紙の電荷(静電気)を除電して、用紙の電荷をゼロにして排出していた。
一方で、従来の画像形成システムでは、例えば図2に示すように、電荷調整装置7の下流側に複数ないし多数の後処理装置が配置される形態を想定していなかった。ここで、図2は、図1で上述した従来の画像形成システムの構成の変形例であり、電荷調整装置7の下流かつ後処理装置8の上流に、2台の後処理装置9および11を追加して設置した画像形成システムを示す。
図2に示す事例では、電荷調整装置7の下流側に3台の後処理装置9,11,および8が直列的に配置されており、電荷調整装置7の下流側の通紙経路10が図1の構成例と比較すると格段に長くなっていることが分かる。このため、図2に示す事例では、上流側の通紙経路10で発生した用紙の電荷(静電気)を電荷調整装置7によってゼロに除電した場合でも、電荷調整装置7の下流側で用紙に再び静電気が発生する可能性が高くなり、かかる下流側で排紙不良等の不具合が発生するおそれがある。
なお、図2に示す構成例でも、電荷調整装置7をあくまでも後処理装置8の直近上流に配置すればよいとも考えられる。一方で、後処理装置の構成、例えば後処理装置内の用紙搬送路の態様等によっては、電荷調整装置7を複数または多数の後処理装置の上流側に配置した方が望ましい場合がある。
具体的には、後処理装置は、図3〜図5で後述するように、用紙の搬送路を通紙経路10から分岐させて、用紙を自機内で(すなわち下流側の装置に渡すことなく)排出させる構成のものがある。かかる後処理装置が電荷調整装置7の上流に複数ないし多数配置された場合、除電されない用紙がそのまま排出および積載されて、当該用紙のハンドリング性が悪くなる。また、電荷調整装置7の上流側で多数の後処理工程が遂行される場合、静電気を帯びたままの用紙が後処理されることになるため、当該後処理工程における搬送や加工等の不具合が発生しやすくなる。
さらには、電荷調整装置7の下流側に配置される後処理装置が1台だけの場合であっても、当該後処理装置の構造(例えば用紙搬送路の分岐の態様や後処理の種類など)によっては、電荷調整装置7の下流側で排紙不良等が発生するおそれがある。
そこで、本実施の形態では、電荷調整装置7の下流側に後処理装置が配置される構成である場合、電荷調整装置7は、用紙の電荷をゼロにして下流に排出するのではなく、当該下流側の後処理装置で用紙に帯電する電荷(静電気量)を考慮して、用紙の電荷を調整する。すなわち、本実施の形態の画像形成システムにおいて、電荷調整装置7は、用紙の搬送方向における電荷調整装置7の上流側および下流側で用紙に発生する静電気量に応じて、用紙に付与する電荷量を変更する。
以下、図3〜図5を参照して、電荷調整装置7の下流側に後処理装置が配置される代表的な構成例(典型例1〜3)、および電荷調整装置7が行う用紙に対する電荷調整の概要を説明する。なお、図1および図2で説明した構成と同等の構成要素には、同一の符号を付して、適宜その説明を省略する。
(典型例1)
図3に示す本実施の形態の画像形成システム1は、電荷調整装置7の下流側に4台の後処理装置(4,9,11,8)が配置された例である。以下に説明する実施の形態では、画像形成装置3が本発明の「画像形成部」に、電荷調整装置7が本発明の「電荷付与部」にそれぞれ対応し、この点は後述する図4等の例でも同様である。
また、図3に示す画像形成システム1では、後処理装置4,9,11,8が本発明の「後処理部」に対応する。このうち、電荷調整装置7の下流に連結される後処理装置4は、次の後処理装置9に用紙を送り込む中継装置として機能する。以下は、用紙に対して後処理(すなわち用紙の整列や加工等)を行わずに下流側の装置に排紙する場合、「連結排紙」と称する。なお、後処理装置4は、図4で後述する反転搬送の機能や、用紙に穴を開けるパンチ、またはステイプルの機能を備えていても構わないが、簡明のため、ここでは単に連結排紙を行う場合を仮定する。
この例では、後処理装置4の下流に配置される後処理装置9は、用紙の仕分けを行う機能を有する。すなわち、後処理装置9は、他の後処理を行う用紙を通紙経路10に連結排紙し、一方、他の後処理を行う必要のない用紙を装置上方の排紙トレイ(サブトレイ)91に排出する。
また、後処理装置9の下流に配置される後処理装置11は、用紙の仕分けおよび整列を行う機能を有する。すなわち、後処理装置11は、他の後処理を行う用紙を通紙経路10から下流側に連結排紙し、整列対象となる用紙を、自機内の積載トレイ(図3参照)上に積載し、スタッカー12によって整列する。
さらに、後処理装置11の下流に配置される最下流の後処理装置8は、用紙の仕分けと綴じ(ステイプル)を行う機能を有する。すなわち、後処理装置8は、綴じるべき用紙については自機内のトレイ(図3参照)上に積載し、ステイプラー82によって綴じ処理を行った後に排紙トレイ81から排紙し、綴じる必要のない用紙については排紙トレイ81から排紙する。
ここで、図3に示す画像形成システム1では、電荷調整装置7は、用紙に帯電した静電気の電荷(ひいては用紙に付与する電荷量)を、当該用紙が排出される「排出先」に応じて調整(変更)する。
一具体例では、後処理装置9のサブトレイ91、後処理装置11のスタッカー12、あるいは後処理装置8の排紙トレイ81に排出される用紙については、静電気が発生していないとみなして、電荷調整装置7によって用紙の静電気量をゼロにするように、電圧印加部70(図6参照)から用紙に電荷を付与する。一方、後処理装置8のステイプラー82のトレイ上に積載され綴じ処理が行われる用紙については、曲率が大きい搬送経路(図3参照)の通過時に静電気が発生すると判断する。この場合、当該発生する静電気の電荷を打ち消すような極性および電荷量の電荷を、電荷調整装置7の電圧印加部70から用紙に付与する。
このように、本実施の形態の画像形成システム1では、電荷調整装置7は、通過する用紙の電荷を一律にゼロにして下流に渡すのではなく、下流側の後処理装置の配置態様および「排出先」に応じて、当該用紙に付与する電荷量を調整(変更)する。このような構成とすることにより、電荷調整装置7の下流側で排出される用紙について、当該排出先に排出する段階で電荷をゼロにすることができ、電荷調整装置7の下流側で発生し得る排紙不良等の不具合を防止ないし大幅に抑制することができる。
(典型例2)
次に、図4を参照して、本実施の形態における第2の構成例(典型例2)としての画像形成システム1Aについて説明する。この画像形成システム1Aでは、電荷調整装置7の下流側に2台の後処理装置4および8が配置されている。
このうち、後処理装置4は、上述した連結排紙の機能の他に、用紙の裏表を反転させて排出する反転搬送の機能を有している。すなわち、後処理装置4は、通紙経路10から下方に分岐する反転搬送路410(図4参照)および図示しないローラー等を備え、反転搬送路410に送られた用紙の表裏を逆にして下流の後処理装置8に排紙する。
一方、最下流の後処理装置8は、図3の例と同じであり、綴じるべき用紙については下方のトレイ(図3参照)上に積載してステイプラー82で綴じ処理を行った後に排紙トレイ81から排紙し、綴じる必要のない用紙は、通紙経路10を通して排紙トレイ81から排紙する。
ここで、図4に示す画像形成システム1Aでは、搬送される複数の用紙につき、その排出先は同一であって、後処理装置4内の反転搬送路410を通るか否か、後処理装置8内のステイプラー82に連なる経路を通るか、が異なる。したがって、用紙は、電荷調整装置7の下流での搬送経路によって、排出された際の帯電量が異なるものとなる。
このため、図4に示す画像形成システム1Aでは、電荷調整装置7は、用紙に帯電した静電気の電荷(ひいては用紙に付与する電荷量)を、当該用紙が使用される「搬送経路(の種類)」に応じて調整(変更)する。
一具体例では、後処理装置4内の反転搬送路410および後処理装置8内のステイプラー82に連なる経路のいずれも通らずに、通紙経路10を通してそのまま排出される用紙については、静電気発生のおそれが少ないと判断する。この場合、電荷調整装置7で用紙の電荷をゼロにする(静電気を完全に除電する)ように処理を行う。
一方、後処理装置4内の反転搬送路410を通って表裏が反転されて排出される用紙については、当該反転搬送路410を通る際に比較的大きな静電気が発生すると判断する。この場合、電荷調整装置7によって、当該発生する静電気の電荷を打ち消すような極性および電荷量の電荷を付与する。同様に、後処理装置8内のステイプラー82に連なる経路を通って排出される用紙については、当該経路を通る際に静電気が発生すると判断し、電荷調整装置7によって、当該発生する静電気の電荷を打ち消すような極性および電荷量の電荷を付与する。
このように、本実施の形態の画像形成システム1Aでは、電荷調整装置7は、通過する用紙の電荷を一律にゼロにするのではなく、下流側の後処理装置の配置態様および排出されるまでの搬送経路(の種類)に応じて、当該用紙に付与する電荷量を調整(変更)する。このような構成とすることにより、電荷調整装置7の下流側で排出される用紙について、当該排出先に排出する段階で電荷をゼロにすることができ、電荷調整装置7の下流側で発生し得る排紙不良等の不具合を防止ないし大幅に抑制することができる。
(典型例3)
次に、図5を参照して、本実施の形態における第3の構成例(典型例3)としての画像形成システム1Bについて説明する。この画像形成システム1Bでは、電荷調整装置7の下流に1台の後処理装置8Aが配置されている。一方、この後処理装置8Aは、3つの搬送経路および排出先を有しており、各々の搬送経路で処理内容が異なっている。
すなわち、後処理装置8Aは、そのまま排出する用紙については、通紙経路10から上方に分岐する搬送経路を使用して、装置上部のサブトレイ83に排紙する。また、後処理装置8Aは、穴開けの対象となる用紙については、通紙経路10の搬送中にパンチ84による穴開けを行った後に、装置中段の排紙トレイ81に排紙する。
さらに、後処理装置8Aは、綴じるべき用紙については、図3の場合と同様に、通紙経路10から下方に分岐する搬送経路を使用してトレイ(図5参照)上に積載してステイプラー82により綴じ処理を行った後に、排紙トレイ81から排紙する。
総じて、図5に示す画像形成システムでは、後処理装置8Aに搬送される複数の用紙につき、同一の排出先(この例では排紙トレイ81)であっても、後処理装置8Aによる加工の態様(処理内容)が異なり得る。そして、図5に示すような例では、用紙は、後処理装置8Aで行われる処理内容によって、排出される際の帯電量が異なるものとなる。
したがって、図5に示す画像形成システムでは、電荷調整装置7は、用紙に帯電した静電気の電荷(ひいては用紙に付与する電荷量)を、当該用紙が下流側で行われる処理内容(後処理ジョブすなわち後処理の種類)に応じて調整する。
一具体例では、サブトレイ83に排出される用紙については、静電気発生のおそれが少ないと判断し、電荷調整装置7で電荷をゼロにするように調整する。一方、ステイプラー82のトレイ上に積載され綴じ処理が行われる用紙については、搬送経路の大きな曲がりにより静電気が発生すると判断し、電荷調整装置7で、当該発生する静電気の電荷を打ち消すような極性および電荷量の電荷を付与する。
また、一具体例では、穴開け(パンチ84)の処理対象となる用紙については、パンチ84による穴開け処理の際に、用紙に若干の静電気が発生すると判断し、電荷調整装置7で、当該発生する静電気の電荷を打ち消すような極性および電荷量の電荷を付与する。
このように、本実施の形態の画像形成システム1Bでは、電荷調整装置7は、通過する用紙の電荷を一律にゼロにするのではなく、下流側で行われる処理の内容(後処理の種類)に応じて、当該用紙に付与する電荷量を調整(変更)する。このような構成とすることにより、電荷調整装置7の下流側で排出される用紙について、当該排出先に排出する段階で電荷をゼロにすることができ、電荷調整装置7の下流側で発生し得る排紙不良等の不具合を防止ないし大幅に抑制することができる。
なお、図3〜図5では、理解の容易化のために、電荷調整装置7の下流側の後処理装置の構成や後処理の内容を出来るだけ単純化して説明した。しかしながら、実際の画像形成システムでは、後処理装置の配置や後処理の内容は、より複雑または複合的になり得る(例えば図2を参照)。
また、図3〜図5で上述した画像形成システム(1,1A,1B)の構成例では、電荷調整装置7の下流に配置された後処理装置により用紙への処理(加工や整列など)を行わないで排紙する場合には、用紙の電荷を電荷調整装置7によってゼロにする例を仮定した。しかしながら、実際の画像形成システムでは、搬送路の材質や隙間、あるいは用紙の種類などによっては、電荷調整装置7の下流で後処理を行わない場合であっても、かかる下流での搬送中に、搬送路との摩擦により用紙に静電気(電荷)が発生することもあり得る。
いずれにしても、電荷調整装置7の下流側に後処理装置が配置された場合、当該下流側で搬送不良や整列不足などの不具合が生じないように、電荷調整装置7によって用紙の電荷(静電気量)を調整する必要がある。特に、電荷調整装置7の下流に、複数の後処理装置が設けられる場合(図2〜図4参照)や、一台であっても用紙に静電気が生じ得る1以上の搬送経路を備えた後処理装置が設けられる場合(図5参照)、電荷調整装置7によって電荷調整の処理を行うことが重要となる。
一具体例では、電荷調整装置7の下流に、図3〜図5で上述したような種々の後処理装置を配置して、予め実験により、電荷調整装置7の下流で用紙に実際に発生する静電気(極性や電荷量など)を検査しておくとよい。この検査では、帯電していない用紙、例えば画像形成装置3によりトナー像が印刷された後に電荷調整装置7で電荷がゼロに除電された用紙を用いるとよい。
上記のような検査結果すなわち用紙に実際に発生した静電気(極性や電荷量など)のデータは、上述した後処理装置の構成(すなわち「排出先」、「排出されるまでの搬送経路」、「後処理の種類」)と対応付けてテーブル化しておくとよい。このようなテーブルは、例えば、使用する用紙の種類(サイズ、斤量、紙種など)毎、画像形成条件(片面印刷/両面印刷の別、カバレッジ、温湿度など)毎に作成しておくと、より好ましい。
また、一具体例では、電荷調整装置7は、上流側の印刷等の工程で用紙に発生する静電気量(電荷量および極性、以下同じ)と、下流側の後処理等の工程で用紙に発生する静電気量と、の合算された値を用いて、電荷調整装置7に送られてきた用紙の電荷量を調整する。
このため、電荷調整装置7によって調整され用紙に付与される電荷量は、上流側で実行されるジョブの内容、特に、画像形成装置3によって実行される印刷ジョブの内容によって異なる。例えば、画像形成装置3によって片面印刷が行われる場合と、両面印刷用の搬送路を通って両面印刷が行われる場合とでは、多くの場合、用紙に発生する静電気量が異なるものとなる。このため、画像形成装置3の下流側での後処理の内容が同一であっても、電荷調整装置7による用紙への電荷調整量が異なるものとなる。
また、特許文献1に記載のように、電荷調整装置7の上流に画像読取装置が配置されている場合には、当該画像読取装置による画像読み取りの際にも用紙に無視できない量の電荷(静電気)が発生し得る。さらに、図2等で説明したように、電荷調整装置7の上流に後処理装置が配置されるケースもあり得る。
総じて、電荷調整装置7の上流側の印刷等の工程で用紙に発生する静電気量は、電荷調整装置7の上流側で実行される全てのジョブの内容を考慮して特定(算出ないし推定)されることが望ましい。そして、このように全てのジョブ内容を考慮して特定された静電気量は、電荷調整装置7の上流側で用紙に発生する静電気量(帯電量ないし電荷量CA1)となる(図8のステップS20を参照)。
同様に、電荷調整装置7の下流側の後処理の工程で用紙に発生する静電気量は、電荷調整装置7の下流側で実行される全ての後処理の内容を考慮して特定(算出ないし推定)されることが望ましい。そして、このように全ての後処理の内容を考慮して特定された静電気量は、電荷調整装置7の下流側で用紙に発生する静電気量(帯電量ないし電荷量CA2)となる(図8のステップS30を参照)。
これら、上流側および下流側における用紙の帯電量(CA1,CA2)は、合算されることで、画像形成システム全体により当該用紙に発生する静電気量(CA)として特定される(CA=CA1+CA2)。言い換えると、静電気量CAは、画像形成システムにおいて電荷調整装置7で用紙に対する電荷調整(除電等)を行わなかった場合に、当該用紙が排出されるタイミングで帯電している電荷の量に相当する。
そして、本実施の形態では、上記のように特定された静電気量CAに対応する値、すなわち用紙の電荷量がゼロになる値を、当該用紙に付与する電荷量として電荷調整装置7に設定する。一具体例では、特定された静電気量CAにおける電荷の±の極性が逆になるように、電荷調整装置7における電圧印加部70の出力値が設定される。
印刷および後処理のジョブ開始に先立って、電荷調整装置7の出力値が上記のように設定されることから、本実施の形態では、電荷調整装置7から排出される用紙は、従来のように電荷ゼロの状態となるのではなく、下流での後処理を考慮した電荷状態となる。そして、本実施の形態によれば、電荷調整装置7から排出される用紙をこのような電荷状態とすることにより、電荷調整装置7幾つかの後処理を経て排出先に到達した当該用紙の帯電電荷をゼロにすることができる。
図6に、画像形成装置3の内部に設けられ画像形成装置3の各部を制御する制御部100を示す。なお、図6に示す例は、図3で上述した画像形成システム1のシステム構成を前提としている。
本実施の形態では、制御部100は、画像形成装置3内の上述した各部の制御を行うとともに、電荷調整装置7(電圧印加部70)から用紙に付与(出力)される電荷量(CA)の設定に関する処理を行う。この意味で、制御部100は、本発明における「電荷付与部」の一部をなす。
但し、電荷調整装置7から用紙に出力される電荷量(CA)の設定に関する処理を行う主体は、特に限定されるものではない。他にも例えば、電荷調整装置7内の図示しないプロセッサーが主体となって、画像形成装置3内の制御部100と協働して、電荷量(CA)の設定に関する処理を行ってもよい。
図6に示すように、画像形成装置3は、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、通信部71、記憶部72、および制御部100等を備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置3の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙Sにトナー像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21および操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態表示、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定またはユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための図示しない各々の画像形成ユニットおよび中間転写ユニット等を備える。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙を定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙にトナー像を定着させる装置である。定着部60は、用紙の定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材を有する上側定着部、用紙の裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部、及び加熱源等を備える。
また、制御部100は、図示しないI/Oインターフェースを介して上述した給紙装置2および後処理装置4と接続されている(図6参照)。また、制御部100は、図示しないケーブルやバス等を通じて、後処理装置4の下流側の各々の後処理装置(図3に示す例では後処理装置9,11および8)とも通信可能に接続されている。
本実施の形態では、制御部100は、CPU101がROM102または不図示の記憶部から処理内容に応じた各種プログラムを読み出してRAM103に展開し、展開した各種プログラムと協働することにより、電荷調整装置7の電荷の設定に関する処理を行う。
以下、制御部100が行う電荷調整装置7の電荷の設定に関する処理について、より具体的に説明する。
制御部100は、画像形成システム1に形成された通紙経路10を用紙が通過することに起因する用紙の帯電量に基づき、電荷調整装置7により付与される電荷の付与量を調整する。一例では、制御部100は、画像形成システム1を構成する各装置の配置態様を特定し、用紙が実際に搬送される搬送路の長さに応じて、電荷調整装置7から用紙に付与する電荷量を変更する。
例えば、図2に示すシステム構成において電荷調整装置7から用紙に付与する電荷量と、図2に示す構成から後処理装置4,5,6を除去したシステム構成において電荷調整装置7から用紙に付与する電荷量とでは、電荷調整装置7の上流側で用紙に発生する静電気量が異なり得る。すなわち、図2に示す構成から後処理装置4,5,6を除去したシステム構成では、電荷調整装置7の上流側で用紙に発生する静電気量が、図2の場合よりも少なくなると考えられる。したがって、制御部100は、画像形成システムを構成する各装置の配置態様を特定し、用紙が実際に搬送される搬送路の長さに応じて、電荷調整装置7から用紙に付与する電荷量を変更する処理を行う。
さらに、制御部100は、電荷調整装置7の下流に一つ以上の後処理装置が配置されているか否かを判定し、かかる判定結果に応じて、電荷調整装置7により用紙に出力(付与)される電荷の付与量を調整(変更)する。
より具体的には、制御部100は、電荷調整装置7の下流に一つ以上の後処理装置が配置されていないと判定した場合、電荷調整装置7によって用紙に付与される電荷の付与量を、デフォルトすなわち基準電荷量とするように設定する。
一具体例では、基準電荷量は、画像形成装置3で印刷ジョブが実行され、用紙が出力紙として排出される際に発生している静電気量の平均値に相当する値が用いられる。
なお、実際の画像形成システムの装置構成としては、図1および図2で説明したように、電荷調整装置7の上流側に後処理装置が配置されるケースも考えられる。また、給紙装置2による給紙時に、用紙に静電気が発生するケースも考えられる。さらに、特許文献1に記載のように、電荷調整装置7の上流側に画像読取装置が配置されることも有り得る。
上記のようなケースを考慮すると、ユーザーの設定操作により基準電荷量を調整できるように構成することが望ましい。一具体例では、画像形成装置3の操作表示部20の表示部21に表示された図示しない設定画面に基準電荷量のデフォルト値を表示し、かかるデフォルト値を操作部22の操作により変更できるようにするとよい。
また、制御部100は、印刷ジョブおよび後処理ジョブの設定情報から、電荷調整装置7から排出先までの用紙の搬送に使用される搬送経路(図3等の例では、通紙経路10の一部と排出先までの経路、または通紙経路10の全部)の長さを特定する。そして、制御部100は、当該特定された搬送経路の長さに応じて、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷量を変更する。より詳しくは、制御部100は、電荷調整装置7から排出先までの搬送経路の長さ(搬送される用紙の搬送長)が長くなるほど、用紙の帯電量が多くなるものと判断して、電荷調整装置7によって用紙に付与される電荷の付与量を増加させる。
加えて、制御部100は、用紙が搬送される搬送経路に設けられるガイド部(部材)の材質に応じて、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷量を変更する。具体的には、画像形成装置や後処理装置等において、搬送経路(ガイド部)に使用される一般的な材料は、樹脂または金属に大別することができる。
また、一般に、用紙と接触した際に静電気によって用紙に発生する電荷量は、金属製のガイド部よりも樹脂製のガイド部の方が多い。このため、制御部100は、用紙が樹脂製のガイド部を通じて搬送される場合、用紙の帯電量が多くなるものと判断して、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷の付与量を増加させる。
さらにまた、制御部100は、用紙が搬送される搬送経路(ガイド部材)の曲率に応じて、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷量を変更する。
すなわち、一般に、搬送経路(ガイド部)の曲率すなわち曲がり方が大きくなるほど、搬送される用紙との摩擦が増大するため、用紙と接触した際に静電気によって用紙に発生する電荷量が多くなる。したがって、制御部100は、用紙が搬送される搬送経路(ガイド部)の曲率が大きくなるほど、用紙の帯電量が多くなるものと判断して、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷の付与量を増加させる。
さらに、制御部100は、用紙が搬送される搬送経路に設けられるガイド部材間の隙間に応じて、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷量を変更する。
すなわち、一般に、搬送経路における隙間、例えば対向する一対のガイド部材の隙間(部材同士の間隔ないし距離)が狭くなるほど、搬送される用紙との摩擦が大きくなるため、用紙と接触した際に静電気によって用紙に発生する電荷量が多くなる。このため、制御部100は、用紙が搬送される搬送経路(ガイド部)の曲率が大きくなるほど、用紙の帯電量が多くなるものと判断して、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷の付与量を増加させる。
さらにまた、制御部100は、用紙が搬送される搬送速度に応じて、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷量を変更する。
すなわち、一般に、用紙の搬送速度が速くなるほど、搬送される用紙と搬送経路等との摩擦が大きくなるため、静電気によって用紙に発生する電荷量が多くなる。このため、制御部100は、用紙が搬送される搬送速度が速くなるほど、用紙の帯電量が多くなるものと判断して、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷の付与量を増加させる。
さらに、制御部100は、画像形成装置3に設定された印刷ジョブの内容に応じて、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷量を変更する。より詳しくは、制御部100は、画像形成装置3のジョブ内容に関する画像形成条件を特定し、該特定された画像形成条件に基づき、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷の付与量を変更する。
ここで、「画像形成条件」には、用紙に形成されるトナー像のカバレッジ(印字率)、使用される用紙の斤量、種類(紙種)、環境条件(主に温湿度、特に湿度)などが含まれる。すなわち、制御部100は、カバレッジ、使用される用紙の斤量、紙種、および湿度に応じて、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷の付与量を変更する。
詳細には、制御部100は、用紙に形成されるトナー像のカバレッジ(印字率)が増加するほど、用紙の帯電量が多くなるものと判断して、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷の付与量を増加させる。
また、制御部100は、用紙の斤量が大きくなるほど、用紙の帯電量が多くなるものと判断して、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷の付与量を増加させる。
さらに、制御部100は、使用される用紙の種類(紙種)がコート紙または厚紙である場合、用紙の帯電量が多くなるものと判断して、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷の付与量を増加させる。また、制御部100は、使用される用紙の種類(紙種)が厚紙である場合、用紙の厚さが大きくなるほど、用紙の帯電量が多くなるものと判断して、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷の付与量を増加させる。
また、制御部100は、画像形成装置3の周囲の湿度が低くなるほど、用紙の帯電量が多くなるものと判断して、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷の付与量を増加させる。なお、湿度の情報は、画像形成装置3内の既存の温湿度センサーの検出値から取得すればよい。
また、制御部100は、例えば画像形成装置3において印刷ジョブと併せて設定された後処理ジョブの内容に応じて、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷量を変更する。一具体例では、制御部100は、中綴じ等のステイプル処理を行う場合(図4,図5参照)、用紙の帯電量が多くなるものと判断して、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷の付与量を増加させる。
また、本実施の形態では、制御部100は、電荷調整装置7の下流側における後処理装置の「所定位置」に到達した際の用紙の電荷量がゼロになるように、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷量を調整(変更)する。
ここで「所定位置」とは、デフォルト(初期設定)では、後処理装置において最終的に当該用紙が排出される排出先の位置すなわち、実際に用紙が排出または積載(スタック)される位置である。このような位置が基準とされることにより、排出後における用紙のハンドリング性を確保することができる。
「所定位置」の他の設定例として、後処理装置の「後処理部」すなわち用紙に後処理(加工や整列など)を実行する位置であってもよい。これは、後処理部で用紙に後処理を遂行する際にハンドリング性の低下が発生していると、後処理の品質低下が生じ得る場合(例えばステイプルの際に用紙同士にズレが生じること等)を考慮したものである。
上述した説明からも分かるように、搬送時の静電気により用紙に電荷(静電電荷)が発生する現象は、その要因が複合的かつ多面的であり、また、用紙の搬送中において、当該用紙に帯電する電荷の量が随時変化し得る。加えて、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷量は、実際に用紙に帯電する電荷の極性(±)をも考慮して調整(変更)する必要がある。
このため、図7に示すように、用紙の搬送経路の途中あるいは排出先に、用紙に帯電した電荷を検出する表面電位センサーなどの検知部を設けて、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷量の値を、かかる検知部の検知結果に応じて補正する構成としてもよい。
ここで、図7は、図3で説明した画像形成システム1に設けられた後処理装置9,11,8の搬送経路に、用紙に帯電した電荷を検出し、検出結果を制御部100に出力する検知部94〜98を付加した例を示している。
すなわち、図7に示す例では、後処理装置9内の通紙経路10の出口付近に検知部94を、後処理装置11内のスタッカー12の近傍に検知部95を、後処理装置11内の通紙経路10に沿った出口付近に検知部96を、各々配置している。また、図7に示す例では、後処理装置8内のステイプラー82の近傍に検知部97を、後処理装置8内の通紙経路10に沿った出口付近に検知部98を、各々配置している。
これら検知部94〜98は、各々、対応する搬送経路を通過する用紙の電荷(極性を含む電荷量)を検出し、かかる検出値を制御部100に出力する。このような構成によれば、制御部100は、電荷調整装置7から用紙に付与する電荷量の設定値を、検知部94〜98の検出値に応じて、補正する、または設定値にフィードバックすることができる。
このように、本実施の形態では、制御部100は、電荷調整装置7の上流側および下流側において用紙に発生する静電気量(CA)を、上述のような種々の観点から特定し、当該特定値に対応した電荷量を電荷調整装置7から用紙に出力させるように、電荷調整装置7(電圧印加部70)の出力を設定する。このような処理ないし制御を行う本実施の形態によれば、電荷調整装置7の下流側で後処理される用紙に対して、当該後処理の内容に応じた適切な除電を行うことができる。
さらに、本実施の形態によれば、電荷調整装置7の配置の自由度を確保しつつ、用紙に対する適切な除電を行うことが可能な画像形成システムを実現できる。
具体的には、例えば図2に示すようなシステム構成において、電荷調整装置7を後処理装置4および5の間に配置した方が好都合な場合には、そのように電荷調整装置7の配置を変更する、といったこともできる。この場合、制御部100の設定処理は、電荷調整装置7の下流側に設けられる後処理装置の配置に応じて、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷量を変更する。
以下、図8のフローチャートを参照して、電荷調整装置7から用紙に付与される電荷量(電荷出力)の設定に関して制御部100が行う処理の一例を説明する。なお、図8に示す処理は、一連のジョブ(すなわち印刷および後処理)の実行前に行われるものであり、また、簡明化のため、図3で上述した画像形成システム1の装置構成を前提として説明する。
ステップS10において、制御部100は、一連のジョブにおいて用紙が排出される後処理装置の排出先や搬送経路など、用紙に発生する静電気量を特定するために必要な事項を特定する。
一具体例では、制御部100は、画像形成システム1を構成している各々の装置の識別情報や配列順を示す装置情報から、画像形成システム1に形成された通紙経路10の長さを特定する。
また、制御部100は、上記の装置情報および一連のジョブにおける設定情報に基づいて、電荷調整装置7の上流の用紙経路、すなわち用紙が電荷調整装置7に到達するまでに搬送される経路(上述した経路長、隙間、材質、曲率など)を特定する。また、制御部100は、印刷ジョブのユーザー設定情報から、使用する用紙の紙種、サイズ、斤量などを示す用紙情報を取得する。
また、制御部100は、上記の装置情報および一連のジョブにおける設定情報に基づいて、電荷調整装置7の下流の用紙経路、すなわち用紙が電荷調整装置7に到達してから後処理装置の排出先に排出されるまで搬送される経路(経路長、隙間、材質、曲率など)を特定する。
さらに、制御部100は、上述したトナー像のカバレッジ、画像形成装置3の周囲の湿度などの情報を取得する。
ステップS20において、制御部100は、上述した基準電荷量を適宜補正することにより、電荷調整装置7の上流側で発生する静電気量(CA1)、すなわち用紙が電荷調整装置7に到達する際に帯電している電荷量(理論値)を特定(算出ないし推定)する。
続くステップS30において、制御部100は、上述した種々の観点から、電荷調整装置7の下流側で発生する静電気量(CA2)、すなわち用紙が電荷調整装置7を抜けてから後処理装置の排出先に排出される際に帯電している電荷量(理論値)を特定(算出ないし推定)する。
ステップS40において、制御部100は、ステップS20で特定された上流側の静電気量(CA1)とステップS30で特定された下流側の静電気量(CA2)とを合算して(CA1+CA2)、給紙から排紙先までの間で用紙に帯電する静電気量(CA)を求める。
ステップS50において、制御部100は、ステップS40で算出された静電気量(CA)に基づいて、電荷調整装置7の電圧印加部70(図6参照)から用紙に出力される電荷量(極性および帯電量)を設定する。
このような前処理を行う本実施の形態によれば、後の一連のジョブの実行時に使用される用紙は、電荷調整装置7を通過する際に、当該印刷および後処理の内容に応じた電荷調整が行われ、電荷ゼロなどの適切な除電状態で排出先に排出される。
以上、詳細に説明したように、本実施の形態によれば、電荷調整装置7の下流側に後処理装置が接続され、下流側で後処理工程が実行される用紙に対して、当該後処理の内容に応じた適切な除電を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、電荷調整装置7の配置の自由度を確保しつつ、用紙に対する適切な除電を行うことが可能な画像形成システムを実現できる。
上述した実施の形態では、簡明化および理解を容易にするため、出来るだけ単純化した構成例を仮定して説明した。これに対して、実際の画像形成システムは、より複雑な構成ないし多彩な変形例とされ得る。例えば、図3〜図5で上述した各々の技術思想および構成は、必要に応じて適宜組み合わせることができる。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1,1A,1B 画像形成システム
2 給紙装置
3 画像形成装置(画像形成部)
4,5,6,8,9,11 後処理装置(後処理部)
7 電荷調整装置(電荷付与部)
10 通紙経路
12 スタッカー
20 操作表示部
21 表示部
22 操作部
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
60 定着部
70 電圧印加部
71 通信部
72 記憶部
81 排紙トレイ
82 ステイプラー
83 サブトレイ
84 パンチ
91 サブトレイ
94〜98 検知部
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
410 反転搬送路

Claims (20)

  1. 用紙にトナー像を形成する画像形成部と、
    前記用紙の搬送方向における前記画像形成部の下流側に設けられ、前記用紙に電荷を付与する電荷付与部と、
    前記用紙の搬送方向における前記電荷付与部の下流側に設けられ、前記用紙に後処理を行う後処理部と、を備え、
    前記電荷付与部は、前記用紙の搬送方向における前記電荷付与部の上流側および下流側で前記用紙に発生する静電気量に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    画像形成システム。
  2. 前記電荷付与部は、前記用紙の排出先に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項1に記載の画像形成システム。
  3. 前記電荷付与部は、前記電荷付与部から前記後処理部までの前記用紙の搬送経路に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項1に記載の画像形成システム。
  4. 前記後処理部は、前記後処理が行われた前記用紙を排出する排出部を有し、
    前記電荷付与部は、前記電荷付与部から前記排出部までの前記用紙の搬送経路に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項3に記載の画像形成システム。
  5. 前記電荷付与部は、前記電荷付与部から前記後処理部にて前記後処理が行われる位置までの前記用紙の搬送経路に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項3に記載の画像形成システム。
  6. 前記電荷付与部は、前記後処理の種類に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項1に記載の画像形成システム。
  7. 前記用紙の搬送方向における前記電荷付与部の下流側には、複数の前記後処理部が設けられる、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  8. 前記電荷付与部は、前記画像形成部のジョブ内容に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  9. 前記電荷付与部は、前記用紙の斤量に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  10. 前記電荷付与部は、前記用紙に形成される前記トナー像のカバレッジに応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  11. 前記電荷付与部は、前記用紙の紙種に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  12. 前記電荷付与部は、前記画像形成部の周囲の湿度に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  13. 前記電荷付与部は、複数の前記後処理部の配置に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  14. 前記電荷付与部は、前記用紙が搬送される搬送経路に設けられるガイド部の材質に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  15. 前記電荷付与部は、前記用紙が搬送される搬送経路の曲率に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  16. 前記電荷付与部は、前記用紙が搬送される搬送経路に設けられるガイド部材間の隙間に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  17. 前記電荷付与部は、前記用紙の搬送速度に応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  18. 前記電荷付与部は、前記用紙が搬送される搬送経路の長さに応じて、前記用紙に付与する電荷量を変更する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  19. 前記電荷付与部は、前記用紙の搬送方向における前記電荷付与部の上流側で前記用紙に発生する静電気量に応じて、前記用紙に付与する基準電荷量が予め設定されている、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の画像形成システム。
  20. 前記基準電荷量は、ユーザーにより調整可能である、
    請求項19に記載の画像形成システム。
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