JP2021011342A - 給紙装置、画像形成装置及び給紙方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】適切な浮上エアー量を供給して、未吸着ジャムの発生を抑える。【解決手段】用紙を浮上させて搬送ベルト34の吸着面34aに近づけるためのエアーを供給する浮上エアー機構45と、用紙が吸着面に吸着されたことを検知する検知センサ6と、浮上エアー機構45によるエアー供給開始時刻から最上位の用紙が吸着面34aに吸着されるまでの時間を計測する時間計測部47と、時間計測部47の計測時間に基づいて、浮上エアー機構45によるエアー供給を制御する制御部25と、を備える。【選択図】図4
Description
本発明は、エアー給紙方式を用いた給紙装置、画像形成装置及び給紙方法に関する。
近年、複写機やプリンタ等の画像形成装置には、積載された用紙に空気を吹き付けて用紙を浮上させ、空気が吸引される吸気口が形成された搬送ベルト等の吸着面に用紙を吸着させた状態で、搬送ベルトを回転駆動させて用紙を搬送するエアー給紙方式を採用した給紙装置が用いられている。
このような給紙装置には、用紙を浮上させるための浮上エアー及び浮上させた用紙を捌くための分離エアーの供給を交互に切り換えて、用紙の搬送性を高めたものが知られている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、上記特許文献1の給紙装置では、エアーの供給を切り換える際に、浮上エアーの量が適切でない(足りない)と、用紙の浮上力が足りず、搬送ベルトが用紙を搬送するタイミングまでに用紙を吸着面に吸着させることができない未吸着ジャムが生じてしまうことがある。
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、未吸着ジャムの発生を抑えることを課題とする。
上記課題を解決し、本発明の課題を解決するため、本発明の給紙装置は、用紙載置台に積載された最上位の用紙を搬送ベルトの吸着面に吸着させて用紙搬送路に搬送するものであって、用紙を浮上させて前記吸着面に近づけるためのエアーを供給するエアー供給部と、用紙が前記吸着面に吸着されたことを検知する検知部と、エアー供給部によるエアー供給開始時刻から最上位の用紙が吸着面に吸着されるまでの時間を計測する時間計測部と、記計測部の計測時間に基づいて、エアー供給部によるエアー供給を制御する制御部と、を備える。
なお、上記の給紙装置は本発明の一態様であり、本発明の一側面を反映した画像形成装置及び給紙方法についても、本発明の一側面を反映した給紙装置と同様の構成を有する。
本発明によれば、適切な浮上エアーを供給するので、未吸着ジャムの発生を抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態例(以下、「本例」という。)について、図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
図1は、本例の画像形成装置1の概略構成図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像形成装置本体10、給紙装置20、排紙装置30等を備える。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像形成装置本体10、給紙装置20、排紙装置30等を備える。
画像形成装置本体10は、操作部11,表示部12,画像読取部13,画像形成部40を備える。
操作部11は、表示部12の表示画面上を覆うように形成されたタッチパネルや、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ユーザーの操作に基づく操作信号を本体制御部70(図5参照)に出力する。
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、本体制御部70から入力される表示信号の指示に従って各種画面を表示する。
画像読取部13は、ADF(自動原稿給紙装置)、スキャナー等を備え、原稿の画像を読み取って得られた画像データを本体制御部70に出力する。
画像形成部40は、画像読取部13により読み取られた画像データ、又は、外部装置から受信した画像データに基づいて、給紙装置20から給紙された用紙に対して画像形成を行う。
画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応する感光体ドラム41Y,41M,41C,41K、中間転写ベルト42、2次転写ローラ43、定着部44等を備え、画像形成を行う。
感光体ドラム41Yは、一様に帯電された後、イエロー色の画像データに基づいてレーザービームにより走査露光され、静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム41Y上の静電潜像にイエロー色のトナーが付着され、現像が行われる。
感光体ドラム41M,41C,41Kについても、扱う色が異なることを除いて、感光体ドラム41Yと同様であるため、説明を省略する。
感光体ドラム41M,41C,41Kについても、扱う色が異なることを除いて、感光体ドラム41Yと同様であるため、説明を省略する。
感光体ドラム41Y,41M,41C,41K上に形成された各色のトナー像は、回転する中間転写ベルト42上に逐次転写される(1次転写)。すなわち、中間転写ベルト42上には、4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。
中間転写ベルト42上のカラートナー像は、2次転写ローラ43により、搬送路80を通って搬送されてきた用紙上に一括して転写される(2次転写)。
中間転写ベルト42上のカラートナー像は、2次転写ローラ43により、搬送路80を通って搬送されてきた用紙上に一括して転写される(2次転写)。
定着部44は、カラートナー像が転写された用紙を加熱する加熱ローラ、当該用紙を加圧する加圧ローラを備え、加熱・加圧によりカラートナー像を用紙に定着させる。
給紙装置20は、用紙格納部50を備える。
給紙装置20の用紙格納部50は、給紙トレイ84、給紙トレイ85、給紙トレイ86を備えている。給紙トレイ84、給紙トレイ85、給紙トレイ86は、収納した用紙を搬送路80に給紙するためのエアー搬送部60をそれぞれ備えている。エアー搬送部60は、エアー吸引力を利用して各給紙トレイに収納された用紙を給紙するエアー吸引方式を採用する。なお、給紙トレイ84〜86には、給紙トレイ毎に予め定められた種類(サイズ、紙種、坪量等)の用紙が収納されている。
給紙装置20の用紙格納部50は、給紙トレイ84、給紙トレイ85、給紙トレイ86を備えている。給紙トレイ84、給紙トレイ85、給紙トレイ86は、収納した用紙を搬送路80に給紙するためのエアー搬送部60をそれぞれ備えている。エアー搬送部60は、エアー吸引力を利用して各給紙トレイに収納された用紙を給紙するエアー吸引方式を採用する。なお、給紙トレイ84〜86には、給紙トレイ毎に予め定められた種類(サイズ、紙種、坪量等)の用紙が収納されている。
排紙装置30は、画像形成部40により画像形成が行われた用紙に対して、必要に応じてソート処理、ステープル処理、パンチ穴開け処理、折り処理、製本処理等の用紙処理を行う。また、排紙装置30は、メイン排紙トレイ87とサブ排紙トレイ88を備え、画像が形成された用紙をいずれかの排紙トレイ87,88に排出する。
つぎに、給紙装置20が備える給紙トレイの構成について、図2及び図3を用いて説明する。なお、給紙トレイ84〜86は同様の構成であり、ここでは給紙トレイ84を用いて説明する。
図2は、本例の給紙装置20の給紙トレイ84の上部構成の側面図であり、図3は、本例の給紙装置20の給紙トレイ84の上部構成の正面図である。
図2に示すように、給紙トレイ84の上部には、エアー搬送部60が配置されている。
また、給紙トレイ84は、所定枚数の用紙Pが積載された形態で収納可能な空間が形成される用紙収納部22に用紙載置台2を備える。用紙載置台2は、図示しない昇降機構によって用紙Pの積載方向に沿って昇降する。用紙収納部22は、用紙載置台2に積載される用紙Pの先端位置を保持する用紙先端突き当て面21が、用紙載置台2の昇降方向に沿って形成される。
図2に示すように、給紙トレイ84の上部には、エアー搬送部60が配置されている。
また、給紙トレイ84は、所定枚数の用紙Pが積載された形態で収納可能な空間が形成される用紙収納部22に用紙載置台2を備える。用紙載置台2は、図示しない昇降機構によって用紙Pの積載方向に沿って昇降する。用紙収納部22は、用紙載置台2に積載される用紙Pの先端位置を保持する用紙先端突き当て面21が、用紙載置台2の昇降方向に沿って形成される。
給紙トレイ84は、用紙載置台2に積載された用紙Pがエアー搬送部60に繰り出されて、用紙載置台2上における用紙Pの積載高さが減少すると、用紙載置台2を上昇させて、用紙載置台2に積載された用紙Pがエアー搬送部60に吸着できる高さに移動させる。
エアー搬送部60は、用紙収納部22の上部に搬送ベルト34を備える。また、エアー搬送部60は、搬送ベルト34が巻きつけられる駆動ローラ31と、従動ローラ32と、2個の従動ローラを有した従動ローラ群33を備える。搬送ベルト34は無端状で、図3に示すように、搬送ベルト34を貫通する吸気口34aが、搬送ベルト34の幅方向に並列され、搬送ベルト34の幅方向と直交する長さ方向の全体に形成される。
駆動ローラ31は、矢印Fで示す用紙Pの搬送方向に対して直交する方向に軸を有し、図4にて後述するモータM1により回転駆動される。従動ローラ32及び従動ローラ群33は、駆動ローラ31の軸と略平行な軸を有し、駆動ローラ31が回転駆動されることによる搬送ベルト34の回転に従動する回転自在な構成である。
エアー搬送部60は、矢印Fで示す用紙Pの搬送方向に対して、用紙先端突き当て面21より前側に従動ローラ群33が配置される。また、用紙載置台2の上部に駆動ローラ31が配置される。さらに、従動ローラ群33と駆動ローラ31の間で用紙載置台2の上部に従動ローラ32が配置される。
エアー搬送部60は、駆動ローラ31と従動ローラ群33との間で、搬送ベルト34が用紙Pの搬送方向に沿って張られる。また、エアー搬送部60は、搬送ベルト34を2本有する。図3に示すように、2本の搬送ベルト34が、用紙Pの搬送方向に対して左右に並列して設けられる。駆動ローラ31が矢印で示す方向に回転駆動されることで各搬送ベルト34が回転し、搬送ベルト34の用紙載置台2に面した側が、矢印Fで示す用紙Pの搬送方向に移動する。なお、本例では、搬送ベルトの数を2本としたが、搬送ベルトの数はこれに限らない。
駆動ローラ31の円周面における下端位置と、従動ローラ32の円周面における下端位置は、略同一の高さとなるように構成される。これにより、搬送ベルト34の用紙載置台2に面した側で、駆動ローラ31と従動ローラ32との間に形成される面は、用紙載置台2に積載された用紙Pの面と略平行となる。
エアー搬送部60は、搬送ベルト34に用紙Pを吸着する空気が吸い込まれる吸着室29を備える。吸着室29は、図示しないファンにより空気が吸い込まれる空間が、搬送ベルト34の内側に形成され、用紙載置台2に面した側に位置する搬送ベルト34に対向する下側が開口し、用紙載置台2に面した側の搬送ベルト34の吸気口34aから空気が吸い込まれる。
エアー搬送部60において、吸着室29の空気が図示しないファンにより吸い込まれると、吸着室29が負圧となることで、用紙載置台2に面した側に位置する搬送ベルト34の吸気口34aから空気が吸い込まれ、用紙載置台2に面した側の搬送ベルト34に用紙Pを吸着する空気の流れが発生する。これにより、吸気口34aから吸着室29に空気が吸い込まれる用紙載置台2に面した側の搬送ベルト34で、用紙Pを吸着する吸着面34bが構成される。
給紙トレイ84は、エアー搬送部60で繰り出される用紙Pが搬送される用紙搬送路35を備える。用紙搬送路35は、エアー搬送部60で吸着されて繰り出される用紙Pの搬送をガイドするガイド部材等を備え、用紙載置台2に面した側の搬送ベルト34と、用紙先端突き当て面21の上端との間に、用紙Pが進入する用紙進入口36が形成される。
給紙トレイ84は、用紙搬送路35に搬送ローラ37及び搬送ローラ37に対向する従動ローラ38を備える。搬送ローラ37は、図4にて後述するモータM2により回転駆動され、エアー搬送部60で繰り出された用紙Pを従動ローラ38との間に挟持して搬送する。
給紙トレイ84は、用紙搬送路35に給紙検知センサ39を備える。給紙検知センサ39は、搬送ローラ37及び従動ローラ38の上流側に検知位置が形成される例えば一対の光学センサで構成され、エアー搬送部60で繰り出され、搬送ローラ37で搬送される用紙Pを検知する。給紙検知センサ39は、エアー搬送部60で繰り出された用紙Pの先端が到達すると、例えば出力がONになり、搬送ローラ37で搬送されて用紙Pの後端が抜けると出力がOFFになる。なお、用紙搬送路35は、下流側で搬送路80に接続している。
用紙載置台2の側面には側面ガイド4が設けられる。側面ガイド4は、矢印Fで示す用紙Pの搬送方向と直交する幅方向に移動自在で、用紙載置台2に積載された用紙Pの側面を当接して用紙Pが動かないように支持する。また、用紙載置台2の後面には図示しない後面ガイドが設けられる。後面ガイドは矢印Fで示す用紙Pの搬送方向に移動自在で、用紙載置台2に積載された用紙Pの後面を当接して用紙Pが動かないように支持する。
側面ガイド4にはエアー供給部としての浮上エアー機構45が設けられる。浮上エアー機構45には、用紙収納部22の側方に浮上エアー吹出口(以下、吹出口65という)が形成される。浮上エアー機構45では、浮上送風ファン66で吸い込まれた空気が、ダクト67を介して吹出口65から浮上エアーとして吹き出される。吹出口65から吹き出された浮上エアーは、用紙載置台2に積載された用紙Pの側面に空気を吹き付ける。
用紙載置台2の前面には分離エアー機構5が設けられる。分離エアー機構5は、用紙収納部22の前方に分離エアー吹出口(以下、吹出口55という)が形成される。分離エアー機構5では、送風ファン51で吸い込まれた空気が、吹出口55から用紙Pの先端面に向けて分離エアーとして吹き出される。吹出口55から吹き出された分離エアーは、用紙載置台2に面した側の搬送ベルト34に沿うような向きとなり、搬送ベルト34に吸着された用紙Pの前方から用紙Pに吹き付けられる。
給紙トレイ84は、エアー搬送部60で搬送ベルト34に吸着される用紙Pの有無を検知する吸着検知センサ6を備える。検知部としての吸着検知センサ6は、例えば一対の光学センサで構成され、エアー搬送部60で搬送ベルト34に吸着される用紙Pに押し上げられて変位する検出子64の有無を検知する。すなわち、エアー搬送部60で搬送ベルト34に用紙Pが吸着されると、搬送ベルト34で構成される吸着面34bから突出した検出子64を押し上げる力が加わる。検出子64を押し上げる力が加わると、バネ61が弾性変形して検出子64は軸62を支点に回転し、吸着面34bに対して格納される方向に変位する。
また、搬送ベルト34に吸着される用紙Pがなくなると、検出子64を押し上げる力が加わらなくなり、バネ61の弾性力で検出子64は軸62を支点に回転し、吸着面34bに対して突出する方向に変位する。このように、搬送ベルト34への用紙Pの吸着の有無で、検出子64は回転動作を行って変位する。吸着検知センサ6は、搬送ベルト34に用紙Pが吸着されていない状態では、例えば出力がOFFになり、搬送ベルト34に用紙Pが吸着された状態では出力がONになる。これにより、吸着検知センサ6の出力から、搬送ベルト34に用紙Pが吸着されたか否かが判断できる。
次に給紙装置20の制御系の構成例について説明する。
図4は、本例の給紙装置20の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、給紙装置20は、各センサの出力等に基づいて、用紙載置台2に積載された用紙Pを1枚ずつ繰り出す給紙制御を行う制御部としての給紙制御部25を備える。給紙制御部25には、吸着検知センサ6、給紙検知センサ39、上限検知センサ26、時間計測部47が接続される。給紙制御部25には記憶手段の一例であるRAM18が設けられる。RAM18には用紙サイズ、坪量及び紙種に対応する最適な浮上エアー及び分離エアーの風量に関する初期設定値が予め記憶される。初期設定値には、用紙サイズ、坪量及び紙種に応じて定められた、浮上エアー機構45の浮上送風ファン66がONした時刻から吸着検知センサ6がONするまでの最適時間である閾値も含まれる。また、RAM18には、給紙装置20の生産性を決める搬送ベルト34の起動タイミングも記憶されている。
図4は、本例の給紙装置20の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、給紙装置20は、各センサの出力等に基づいて、用紙載置台2に積載された用紙Pを1枚ずつ繰り出す給紙制御を行う制御部としての給紙制御部25を備える。給紙制御部25には、吸着検知センサ6、給紙検知センサ39、上限検知センサ26、時間計測部47が接続される。給紙制御部25には記憶手段の一例であるRAM18が設けられる。RAM18には用紙サイズ、坪量及び紙種に対応する最適な浮上エアー及び分離エアーの風量に関する初期設定値が予め記憶される。初期設定値には、用紙サイズ、坪量及び紙種に応じて定められた、浮上エアー機構45の浮上送風ファン66がONした時刻から吸着検知センサ6がONするまでの最適時間である閾値も含まれる。また、RAM18には、給紙装置20の生産性を決める搬送ベルト34の起動タイミングも記憶されている。
本例では、吸着検知センサ6により搬送ベルト34に用紙Pが吸着されたことを検知し、その検知結果を給紙制御部25に出力することで、時間計測部47により、浮上エアー機構45の浮上送風ファン66がONした時刻から吸着検知センサ6がONするまでの時間が計測される。
給紙制御部25は、RAM18に記憶された搬送ベルトの起動タイミングに基づいて、搬送ベルト34を駆動するモータM1を制御する。
給紙検知センサ39は、搬送ベルト34で搬送された用紙Pの先端及び後端が所定の位置に到達したことを検知し、その検知結果を給紙制御部25に出力する。給紙制御部25は、給紙検知センサ39で検知された用紙Pの搬送位置により、搬送ローラ37を駆動するモータM2を制御する。
上限検知センサ26は、用紙載置台2に積載された用紙Pの上面位置を検知し、その検知結果を給紙制御部25に出力する。給紙制御部25は、上限検知センサ26で検知された用紙Pの上面位置に基づいて、用紙載置台2を昇降させるモータM3を制御する。
時間計測部47は、用紙Pに対する浮上エアー機構45によるエアー供給の開始時刻から用紙Pが搬送ベルト34に吸着されるまでの時間を計測した計測時間(到達時間)を給紙制御部25に出力する。給紙制御部25は、計測部47で計測された到達時間とRAM18に記憶された閾値Xとに基づいて、浮上エアー機構45の浮上送風ファン66を駆動させるモータM4と分離エアー機構5の送風ファン51を駆動させるモータM5を制御して、用紙Pに吹き付けられる浮上エアーの風量(用紙浮上ファンの駆動開始タイミング)を調整する。なお、到達時間と閾値の比較は、画像形成装置1の制御部である本体制御部70で実施するようにしてもよい。
次に画像形成装置1の制御系の構成例について説明する。
図5は、本例の画像形成装置1の機能的構成を示すブロック図である。
図5に示すように、画像形成装置1は、操作部11、表示部12、画像読取部13、画像形成部40、用紙格納部50、用紙処理部60、本体制御部70、記憶部72、通信部73、搬送部74、用紙有無検知部78、用紙サイズ検知部79等を備える。
図5は、本例の画像形成装置1の機能的構成を示すブロック図である。
図5に示すように、画像形成装置1は、操作部11、表示部12、画像読取部13、画像形成部40、用紙格納部50、用紙処理部60、本体制御部70、記憶部72、通信部73、搬送部74、用紙有無検知部78、用紙サイズ検知部79等を備える。
本体制御部70は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。CPUは、操作部11から入力される操作信号又は通信部73により受信される指示信号に応じて、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って、画像形成装置1の各部の動作を集中制御する。
記憶部72は、ハードディスクやフラッシュメモリー等により構成され、各種データを記憶する。記憶部72には、上述した閾値Xを格納してもよい。なお、ユーザーは、操作部11を介して任意の閾値を入力することもできる。
通信部73は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部装置との間でデータの送受信を行う。
搬送部74は、用紙を搬送するための搬送ローラ等を備え、画像形成装置1内において用紙を搬送する。
用紙有無検知部78は、用紙格納部50の各給紙トレイ84〜86に設けられ、各給紙トレイ84〜86に収納されている用紙の有無や搬送路上の用紙の有無を検知し、検知結果を本体制御部70に出力する。
用紙サイズ検知部79は、用紙格納部50の各給紙トレイ84〜86に設けられ、各給紙トレイ84〜86に収納されている用紙のサイズを検知し、検知結果を本体制御部70に出力する。
つぎに、図6を用いて、本例の給紙装置20によるエアー給紙方式による用紙の搬送について説明する。
図6Aは、用紙が浮上する前の給紙トレイ84内の状態を表している図である。このとき、用紙載置台2の上に最上位の用紙P1を含む用紙束Pが載置されており、用紙浮上ファン66はOFF状態である。また、吸着検知センサ6もOFF状態である。
図6Aは、用紙が浮上する前の給紙トレイ84内の状態を表している図である。このとき、用紙載置台2の上に最上位の用紙P1を含む用紙束Pが載置されており、用紙浮上ファン66はOFF状態である。また、吸着検知センサ6もOFF状態である。
図6Bは、用紙P1が浮上して搬送ベルト34に吸着している状態を表している。
用紙浮上ファン66をON状態にすることで浮上エアーが供給され、給紙トレイ84の用紙束Pの上部の用紙が浮上して、最上位の用紙P1が搬送ベルト34に吸着する。このとき、吸着検知センサ6はON状態となり、給紙制御部25は1枚目の用紙(最上位の用紙)の吸着が完了したことを検知する。ここで、吸着検知センサ6がONした時刻をT_ON1とする。なお、用紙の吸着(浮上)が完了した後、用紙浮上ファン66はOFF状態に切り替わる。その後、用紙を捌く分離エアーを供給する送風ファン51がONする。
用紙浮上ファン66をON状態にすることで浮上エアーが供給され、給紙トレイ84の用紙束Pの上部の用紙が浮上して、最上位の用紙P1が搬送ベルト34に吸着する。このとき、吸着検知センサ6はON状態となり、給紙制御部25は1枚目の用紙(最上位の用紙)の吸着が完了したことを検知する。ここで、吸着検知センサ6がONした時刻をT_ON1とする。なお、用紙の吸着(浮上)が完了した後、用紙浮上ファン66はOFF状態に切り替わる。その後、用紙を捌く分離エアーを供給する送風ファン51がONする。
図6Cは、搬送ベルト34を起動して用紙を搬送している状態を表している。
搬送ベルト34を駆動することにより、1枚目の用紙P1を図中の矢印方向に搬送する。1枚目の用紙P1の後端が吸着検知センサ6を通過することにより、吸着検知センサ6がOFF状態に切り替わる。ここで、吸着検知センサがOFFに切り替わった時刻をT_OFF1とする。なお、図に示すように、給紙トレイ84の用紙束Pの上部の用紙は、分離エアーにより浮上した状態に保たれており、用紙P2が最上位用紙となる。なお、用紙が吸着検知センサ6を通過してセンサがOFFになると、用紙浮上ファン66をONに切り替えるとともに、送風ファン51をOFFにする。
搬送ベルト34を駆動することにより、1枚目の用紙P1を図中の矢印方向に搬送する。1枚目の用紙P1の後端が吸着検知センサ6を通過することにより、吸着検知センサ6がOFF状態に切り替わる。ここで、吸着検知センサがOFFに切り替わった時刻をT_OFF1とする。なお、図に示すように、給紙トレイ84の用紙束Pの上部の用紙は、分離エアーにより浮上した状態に保たれており、用紙P2が最上位用紙となる。なお、用紙が吸着検知センサ6を通過してセンサがOFFになると、用紙浮上ファン66をONに切り替えるとともに、送風ファン51をOFFにする。
図6Dは、最上位の用紙P2(2枚目)が浮上して搬送ベルト34に吸着している状態を表している。
用紙浮上ファン66をON状態にすることで浮上用のエアーが供給され、最上位の用紙P2が搬送ベルト34に吸着する。このとき、吸着検知センサ6はON状態となり、2枚目の用紙P2の吸着が完了したことを検知する。ここで、吸着検知センサ6がONした時刻をT_ON2とする。なお、用紙の吸着が完了した後、用紙浮上ファン66はOFF状態に切り替わる。その後、ONした送風ファン51から供給される分離エアーにより給紙トレイ84の用紙束Pの上部の用紙は浮上した状態に保たれ、用紙P3(3枚目)が最上位用紙となる。
用紙浮上ファン66をON状態にすることで浮上用のエアーが供給され、最上位の用紙P2が搬送ベルト34に吸着する。このとき、吸着検知センサ6はON状態となり、2枚目の用紙P2の吸着が完了したことを検知する。ここで、吸着検知センサ6がONした時刻をT_ON2とする。なお、用紙の吸着が完了した後、用紙浮上ファン66はOFF状態に切り替わる。その後、ONした送風ファン51から供給される分離エアーにより給紙トレイ84の用紙束Pの上部の用紙は浮上した状態に保たれ、用紙P3(3枚目)が最上位用紙となる。
給紙制御部25の時間計測部47は、T_ON2 − T_OFF1を2枚目の用紙P2の到達時間T2として計算する。すなわち、本例では、n枚目の到達時間をT_ONn −T_OFFn-1 = Tnと定義する。ここで到達時間とは、浮上エアー機構45の浮上送風ファン66がONした時刻から吸着検知センサ6がONするまでに要した時間であり、本例では、計測した到達時間に基づいて、浮上送風ファン66の制御を行い、浮上エアーの供給量を制御する。
到達時間Tnが大きくなると、用紙Pが搬送ベルト34に到達するまでに時間がかかることになり、用紙が搬送ベルト34の駆動タイミングに間に合わない未吸着ジャムが発生して、装置の生産性が低下する可能性が高くなる。例えば、用紙を浮上させる浮上エアーの量が足りないと、浮上力が弱まり、用紙が搬送ベルト34に到達するまでの到達時間が長くなり、用紙の浮上遅れの発生が発生する。本例では、浮上エアー機構45により浮上エアーの供給量を増やすことで、用紙の浮上力を大きくして到達時間が短くなるように改善を図る。
つぎに、図7及び図8を用いて、本例による浮上エアーの供給量を増やすことによる到達時間の改善について具体的に説明する。
図7及び図8は、本例の用紙の搬送における吸着検知センサ6と用紙浮上ファン66との関係を示すタイミングチャートである。
図7及び図8は、本例の用紙の搬送における吸着検知センサ6と用紙浮上ファン66との関係を示すタイミングチャートである。
図7の場合は、2枚目の用紙の到達時間T2に比べ、3枚目の用紙の到達時間T3が大きくなり、未吸着ジャムが生じる可能性が高くなっている。上述したように、このような場合には、浮上エアー機構45による浮上エアーの供給量を増やす必要がある。そこで、本例では、3枚目の用紙を搬送ベルト34に吸着させた後であっても、用紙浮上ファン66をOFF状態に切り替えずにそのままON状態を維持して、用紙浮上ファン66を停止させない。これにより、浮上エアーの供給量を増やして、4枚目の用紙に対する浮上力を大きくすることで、4枚目の用紙の到達時間T4が短くなるように改善する。
図8の場合は、2枚目の用紙の到達時間T2に比べ、3枚目の用紙の到達時間T3が大きくなり、未吸着ジャムが生じる可能性が高くなっている。上述したように、このような場合には、浮上エアーの供給量を増やす必要がある。本例では、4枚目の用紙を搬送ベルト34に吸着させる際に、用紙浮上ファン66をOFF状態からON状態に切り替えるタイミングを早くする。これにより、用紙浮上ファン66の駆動時間を長くすることにより、浮上エアーの供給量を増やして、4枚目の用紙の到達時間T4が短くなるよう改善する。
本例によれば、浮上エアーが不足して到達時間Tが大きくなってしまった場合であっても、当初設定されている到達時間に戻すことにより、未吸着ジャムの発生を軽減し、給紙装置の生産性の低下を防ぐことができる。
また、用紙の到達時間が長くなり閾値よりも大きくなったと判断された場合には、その後の用紙の搬送については浮上遅れが発生しているものとみなして、浮上エアー量を増やすように用紙浮上ファン66を制御するようにしてもよい。すなわち、上述したように用紙浮上ファン66を停止させない又は用紙浮上ファン66をOFF状態からON状態に切り替えるタイミングを早くする制御を行う。
また、用紙のジャム処理を実施した場合や、給紙トレイを開閉して用紙を補給した場合のように、用紙の搬送がいったん中止された場合には、用紙の浮上遅れが発生していると判断した時から、用紙の状態・条件などが変更されている可能性がある。この場合には、エアー供給部によるエアー供給のタイミングを元のタイミングに戻して、用紙の浮上遅れの判断を最初からやり直すようにしてもよい。
つぎに、図9を用いて、本例における閾値の設定について説明する。
ここで閾値Xは、用紙の特性に基づいて、未吸着ジャムを発生させないためのエアー供給開始時刻から用紙が吸着面に吸着されるまでの時間を定めたものである。
ここで閾値Xは、用紙の特性に基づいて、未吸着ジャムを発生させないためのエアー供給開始時刻から用紙が吸着面に吸着されるまでの時間を定めたものである。
図9は、例えば、用紙の坪量に基づいて閾値Xを設定する際の説明図である。
図9に示すように、用紙の坪量が小さい場合に比べて、用紙の坪量が大きい場合の方が、一般的に用紙を吸着面に到達させるまでに時間を要するため、到達時間Tが長くなる。このため、本例では、坪量が大きい用紙を使用する場合の閾値X_bigは、坪量が小さい用紙を使用する場合の閾値X_smallよりも大きく設定する(X_small <X_big)。従って、坪量が大きい用紙を使用している場合は、到達時間T2 <閾値 X_bigとなるため用紙の浮上遅れは発生していないものと判断する。一方で、坪量が小さい用紙を使用している場合は、到達時間T2 >閾値X_smallとなるため、用紙の浮上遅れが発生していると判断して、浮上エアーの供給量を増やして到達時間Tの改善を図るようにする。
図9に示すように、用紙の坪量が小さい場合に比べて、用紙の坪量が大きい場合の方が、一般的に用紙を吸着面に到達させるまでに時間を要するため、到達時間Tが長くなる。このため、本例では、坪量が大きい用紙を使用する場合の閾値X_bigは、坪量が小さい用紙を使用する場合の閾値X_smallよりも大きく設定する(X_small <X_big)。従って、坪量が大きい用紙を使用している場合は、到達時間T2 <閾値 X_bigとなるため用紙の浮上遅れは発生していないものと判断する。一方で、坪量が小さい用紙を使用している場合は、到達時間T2 >閾値X_smallとなるため、用紙の浮上遅れが発生していると判断して、浮上エアーの供給量を増やして到達時間Tの改善を図るようにする。
同様にして、用紙の紙サイズに基づいて閾値を設定する場合は、用紙の紙サイズが小さい場合の閾値はX_smallとし、用紙の紙サイズが大きい場合の閾値はX_bigとする。また、用紙の種類に基づいて閾値を設定する場合は、用紙を浮上させるのに時間が掛かる種類の用紙(例えば厚紙)の閾値はX_bigとし、用紙を浮上させるのに時間が掛からない種類の用紙(例えばコート紙)閾値はX_smallと設定する。なお、ユーザーは操作部11を介して閾値Xを適宜変更することができる。
つぎに、図10を用いて、所定枚数連続して計測した用紙の計測時間と閾値Xとを比較して、エアー供給部によるエアー供給を制御する場合について説明する。
図10は、吸着検知センサ6の検知状態を示すタイミングチャートである。
図10に示すように、本例では、2枚目の用紙の到達時間T2比べて、3枚目の用紙の到達時間T3及び4枚目の用紙の到達時間T4が長くなり、用紙の浮上遅れが発生している可能性がある。なお、本例では、所定枚数を2枚とした場合について説明する。
図10に示すように、本例では、2枚目の用紙の到達時間T2比べて、3枚目の用紙の到達時間T3及び4枚目の用紙の到達時間T4が長くなり、用紙の浮上遅れが発生している可能性がある。なお、本例では、所定枚数を2枚とした場合について説明する。
本来であれば、閾値Xよりも大きい到達時間T3を計測した時点で、用紙の浮上遅れが発生していると判断して浮上エアーの供給量を増やす制御を行う。しかしながら、本例では、この時点で用紙の浮上遅れが生じていると判断した用紙の枚数が3枚目の用紙の1枚だけであり、所定枚数(2枚)に達していない。そのため、到達時間T3を計測した時点では用紙の浮上遅れが発生しているものと判断しない。そして、4枚目の用紙の到達時間T4が閾値Xよりも大きいことを計測すると、浮上遅れと判断した用紙の枚数が所定枚数(2枚)に達するので、用紙の浮上遅れが発生しているものと判断し、浮上エアーの供給量を増やす制御を行う。
本例では、所定枚数連続して計測した用紙の到達時間と閾値とを比較することにより、連続して到達時間の遅れが発生した場合にのみ浮上エアーの供給量を増やす制御を実施する。これにより、突発的に到達時間の遅れが発生した場合などにおいて、必要のないエアー供給量の制御が行われることを防止できる。
つぎに、図11を用いて、搬送ベルト34を起動するタイミングに基づいて設定される閾値Xについて説明する。
図11は、吸着検知センサ6と搬送ベルト34との関係を示すタイミングチャートである。
図11の上側のタイミングチャートは、吸着検知センサのタイミングチャートを示し、中側(a)のタイミングチャートは、給紙装置の生産性が低い場合の搬送ベルトのタイミングチャートであり、下側(b)のタイミングチャートは、給紙装置の生産性が高い場合の搬送ベルトのタイミングチャートである。
図11の上側のタイミングチャートは、吸着検知センサのタイミングチャートを示し、中側(a)のタイミングチャートは、給紙装置の生産性が低い場合の搬送ベルトのタイミングチャートであり、下側(b)のタイミングチャートは、給紙装置の生産性が高い場合の搬送ベルトのタイミングチャートである。
図11(a)に示すように、給紙装置の生産性が低い場合には、搬送ベルト34の起動タイミングの間隔が長くなるように設定されている。このため、吸着検知センサ6が2枚目の用紙の吸着を検知してから、この用紙を搬送するためのベルト起動タイミングまでの時間T_Lowが大きくなる。すなわち、用紙が吸着してから搬送ベルト34で搬送されるまでの時間が長く、余裕があるため、用紙の浮上遅れと判断するための到達時間Tを長くすることができるため、閾値Xを大きく設定する。
一方、給紙装置の生産性が高い場合には、搬送ベルト34の起動タイミングの間隔が短く設定されているため、吸着検知センサ6が2枚目の用紙の吸着を検知してから、この用紙を搬送するためのベルト起動タイミングまでの時間T_Hiが小さくなる。すなわち、用紙が吸着してから搬送ベルト34で搬送されるまでの時間が短く、余裕がない。従って、用紙の浮上遅れと判断する到達時間を長くすると未吸着ジャムが発生する可能性が高くなってしまうため、給紙装置の生産性が高い場合には、閾値Xは小さく設定する。
このように、本例では、吸着検知センサ6のOFF/ONタイミングによらず、搬送ベルト34の起動タイミング(給紙装置の生産性)に応じて、閾値Xを設定するようにする。すなわち、装置の生産性の高い場合には閾値Xを小さくし、装置の生産性が低い場合には閾値Xを大きく設定する。
つぎに、図12を用いて、所定枚数おきに計測した用紙の計測時間と閾値とを比較して用紙の浮上遅れを判断して、エアー供給部によるエアー供給を制御することについて説明する。本例では、2枚おきに計測した計測時間を用いて、閾値との比較を行う。
図12は、吸着検知センサ6の検知状態を示すタイミングチャートである。
図12に示すように、本例では、2枚目の用紙の到達時間T2及び4枚目の用紙の到達時間T4が、3枚目の用紙の到達時間T3よりも短くなっている。
図12に示すように、本例では、2枚目の用紙の到達時間T2及び4枚目の用紙の到達時間T4が、3枚目の用紙の到達時間T3よりも短くなっている。
本例の場合は、浮上遅れの判断対象となる用紙は、2枚目と4枚目の用紙である。逆に浮上遅れの判断対象とならないのは3枚目の用紙である。すなわち、2枚目は浮上遅れを判断する対象用紙であるが、到達時間T2が閾値よりも小さいため、用紙浮上の遅れは生じていないと判断される。4枚目の用紙についても到達時間T4が小さいため、用紙の浮上遅れは生じていないと判断される。本例では3枚目の用紙は浮上遅れの判断対象ではないため、用紙の浮上遅れの判断は行わない。なお、3枚目の用紙が浮上遅れの判断対象となっている場合は、用紙の浮上遅れが発生していると判断して浮上エアーの供給量を増やす制御を行う。
このように、所定枚数おきに計測した用紙の計測時間と閾値とを比較することで、用紙の浮上遅れの判断を行う頻度を少なくして、制御の負荷を減らすことができる。
つぎに、本例の画像形成装置1において実行されるプリント処理について説明する。
図13は、本例の画像形成装置1において実行されるプリントジョブの処理を示すフローチャートである。
図13は、本例の画像形成装置1において実行されるプリントジョブの処理を示すフローチャートである。
図13に示すように、画像系形成装置1でプリントジョブが開始されると、まず、プリントジョブで指定された給紙トレイに収納されている用紙について、エアー給紙方式による搬送が開始される(ステップS1)。
つぎに、時間計測部47により、浮上エアー機構45による浮上エアーの供給開始時刻から、用紙が搬送ベルト34の吸着面に吸着されるまでに要した時間(到達時間)の計測が行われる(ステップS2)。
つぎに、時間計測部47により計測した到達時間Tと閾値Xとの比較を行う(ステップS3)。到達時間Tが閾値Xよりも大きい場合には(ステップS3のYES)、用紙の浮上遅れが発生しているものとして、浮上エアーの供給量を増やす制御を行う(ステップS4)。 時間計測部47により計測した到達時間Tが閾値Xよりも小さい場合には(ステップS3のNO)、浮上エアーの供給量を変えずにステップS5に戻む。
ステップS4では、上述したように、浮上エアーの供給量を増やすため、用紙を搬送ベルト34に吸着させた後であっても、用紙浮上ファン66をOFF状態に切り替えずにそのままON状態として、用紙浮上ファン66を停止させない制御を行う。または、用紙を搬送ベルト34に吸着させる際に、用紙浮上ファン66をOFF状態からON状態に切り替えるタイミングを早くする制御を行う。
ステップS4において浮上エアーの供給量を増やす制御が実行された後、次に搬送する用紙の有無が判断される(ステップS5)。次に搬送する用紙が無い場合には(ステップS5のNO)、プリントジョブを終了する。次に搬送する用紙が有る場合には(ステップS5のYES)、ステップS2に戻り、次に搬送する用紙の到達時間Tの計測が行われる。
以上説明したように、本例の給紙装置20もしくは画像形成装置1によれば、適切な浮上エアーを供給することができるので、未吸着ジャムの発生を抑えることができる。
また、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、画像形成装置は、画像形成装置本体と給紙装置とがそれぞれ独立した装置として構成される以外にも、画像形成装置本体の一機能として、エアー給紙部を有する給紙装置を備えていてもよい。
なお、本例では、検出子を用いた機構で、搬送ベルトへの用紙の吸着を検出しているが、用紙の吸着を検出するできる機構であればよい。
また、本例において、用紙としては、パルプを主たる原料として製造される記録媒体のみならず、画像形成装置により画像を形成することができ、エアー給紙方式で搬送できる記録媒体を広く含むものである。
1・・・画像形成装置
2・・・用紙載置台
3・・・吸着搬送機構
5・・・分離エアー機構
6・・・吸着検知センサ(検知部)
10・・・画像形成装置本体
11・・・操作部
12・・・表示部
13・・・画像読取部
18・・・RAM
20・・・給紙装置
22・・・用紙収納部
25・・・給紙制御部
26・・・上限検知センサ
29・・・吸着室
30・・・排紙装置
31・・・駆動ローラ
32・・・従動ローラ
33・・・従動ローラ群
34・・・搬送ベルト
34a・・・吸気口
34b・・・吸着面
35・・・用紙搬送路
36・・・用紙進入口
37・・・搬送ローラ
38・・・従動ローラ
39・・・給紙検知センサ
40・・・画像形成部
41・・・感光体ドラム
42・・・中間転写ベルト
43・・・2次転写ローラ
45・・・浮上エアー機構(エアー供給部)
47・・・時間計測部
50・・・用紙格納部
51・・・送風ファン
55・・・吹出口
60・・・エアー給紙部、
65・・・吹出口
66・・・浮上送風ファン
67・・・ダクト
70・・・本体制御部、
80・・・搬送路
84〜86・・・給紙トレイ
P・・・用紙
2・・・用紙載置台
3・・・吸着搬送機構
5・・・分離エアー機構
6・・・吸着検知センサ(検知部)
10・・・画像形成装置本体
11・・・操作部
12・・・表示部
13・・・画像読取部
18・・・RAM
20・・・給紙装置
22・・・用紙収納部
25・・・給紙制御部
26・・・上限検知センサ
29・・・吸着室
30・・・排紙装置
31・・・駆動ローラ
32・・・従動ローラ
33・・・従動ローラ群
34・・・搬送ベルト
34a・・・吸気口
34b・・・吸着面
35・・・用紙搬送路
36・・・用紙進入口
37・・・搬送ローラ
38・・・従動ローラ
39・・・給紙検知センサ
40・・・画像形成部
41・・・感光体ドラム
42・・・中間転写ベルト
43・・・2次転写ローラ
45・・・浮上エアー機構(エアー供給部)
47・・・時間計測部
50・・・用紙格納部
51・・・送風ファン
55・・・吹出口
60・・・エアー給紙部、
65・・・吹出口
66・・・浮上送風ファン
67・・・ダクト
70・・・本体制御部、
80・・・搬送路
84〜86・・・給紙トレイ
P・・・用紙
Claims (12)
- 用紙載置台に積載された最上位の用紙を搬送ベルトの吸着面に吸着させて用紙搬送路に搬送する給紙装置において、
前記用紙を浮上させて前記吸着面に近づけるためのエアーを供給するエアー供給部と、
前記用紙が前記吸着面に吸着されたことを検知する検知部と、
前記エアー供給部によるエアー供給開始時刻から前記最上位の用紙が前記吸着面に吸着されるまでの時間を計測する時間計測部と、
前記計測部の計測時間に基づいて、前記エアー供給部によるエアー供給を制御する制御部と、を備えた
給紙装置。 - 前記用紙の特性に基づいて、前記エアー供給部によるエアー供給開始時刻から前記吸着面に吸着されるまでの時間を定めた閾値を備え、
前記制御部は、前記計測時間と前記閾値とを比較して、前記エアー供給部によるエアー供給を制御する
請求項1に記載の給紙装置。 - 前記制御部は、前記計測時間が前記閾値よりも大きい場合には、前記エアー供給部によるエアー供給量を増やす
請求項2に記載の給紙装置。 - 前記閾値は、前記用紙の坪量、サイズ、種類のいずれかに基づいて設定される
請求項2に記載の給紙装置。 - 前記閾値は、操作部を介して、任意の値に設定される
請求項2に記載の給紙装置。 - 前記閾値は、前記搬送ベルトを駆動するタイミングに基づいて設定される
請求項2に記載の給紙装置。 - 前記制御部は、連続して計測した複数の用紙の計測時間と前記閾値とを比較して、前記エアー供給部によるエアー供給を制御する
請求項2に記載の給紙装置。 - 前記制御部は、所定枚数おきに計測した用紙の計測時間と前記閾値とを比較して、前記エアー供給部によるエアー供給を制御する
請求項2に記載の給紙装置。 - 前記制御部は、前記用紙の計測時間が前記閾値よりも大きい場合には、次以降に計測する用紙の計測時間に関わらず前記エアー供給部によるエアー供給のタイミングを早くする
請求項2に記載の給紙装置。 - 前記制御部は、前記エアー供給部によるエアー供給のタイミングを早くした場合において、用紙の搬送が中止された場合には、前記エアー供給部によるエアー供給のタイミングを元のタイミングに戻す
請求項3に記載の給紙装置。 - 用紙載置台に積載された最上位の用紙を搬送ベルトの吸着面に吸着させて用紙搬送路に搬送する給紙装置と、前記給紙装置により搬送された用紙に画像を形成する画像形成部と、を有する画像形成装置において、
前記給紙装置は、
前記用紙を浮上させて前記吸着面に近づけるためのエアーを供給するエアー供給部と、
前記用紙が前記吸着面に吸着されたことを検知する検知部と、
前記エアー供給部によるエアー供給開始時刻から前記最上位の用紙が前記吸着面に吸着されるまでの時間を計測する時間計測部と、
前記計測部の計測時間に基づいて、前記エアー供給部によるエアー供給を制御する制御部と、を備えた
画像形成装置。 - 用紙載置台に積載された最上位の用紙を搬送ベルトの吸着面に吸着させて用紙搬送路に給紙する給紙方法であって、
給紙装置が備えるエアー供給部により、前記用紙を浮上させて前記吸着面に近づけるためのエアーを供給するステップと、
給紙装置が備える検知部により、前記用紙が前記吸着面に吸着されたことを検知するステップと、
給紙装置が備える時間計測部により、前記エアー供給部によるエアー供給開始時刻から前記最上位の用紙が前記吸着面に吸着されるまでの時間を計測するステップと、
給紙装置が備える制御部により、前記計測部の計測時間に基づいて、前記エアー供給部によるエアー供給を制御するステップと、を含む
給紙方法。
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