以下、図面を用いて、本発明の実施形態を説明する。
●第1の実施形態●
〔全体概略〕
以下、図面を用いて、本発明の第1の実施形態の全体の概略について説明する。本実施形態は、一つ以上の機能ユニットが画像形成装置と通信可能な情報処理システムにおいて、各機能ユニットのプログラムの更新を実現する情報処理システムの一例である画像形成システムを開示している。即ち、本実施形態は、プログラムの更新対象となる画像形成装置及び各機能ユニットの更新可否に応じたプログラムの更新を実現する発明を開示している。
〔実施形態の全体構成〕
図1は、情報処理システムの一例である画像形成システム1の機器構成を示す図である。図1に示されているように、画像形成システム1(情報処理システム)は、情報処理装置の一例である画像形成装置4、表示装置の一例である操作部11、並びに画像形成装置4に搭載又は接続可能な機能ユニットとしての給紙ユニットA12、給紙ユニットB13、製本ユニット14、パンチ/ステープルユニット15及び排紙スタッカーユニット16を含む機能ユニットにより構成される。画像形成装置4を含むこれらの機能ユニットは、画像形成や印刷に関わる機能を実現するユニットである。なお、画像形成装置4の一例として、MFP(Multifunction Peripheral)、産業用印刷機、商用印刷機等が挙げられる。
また、画像形成装置4は、上述したように給紙ユニットA12及び製本ユニット14と直接に接続可能である。製本ユニット14は、パンチ/ステープルユニット15と接続可能である。さらにパンチ/ステープルユニット15は、排紙スタッカーユニット16と接続可能である。なお、本実施形態において上述の機能ユニットは、各機能ユニットと呼ぶ場合もある。
なお、画像形成装置4と給紙ユニットA12の間、給紙ユニットA12と給紙ユニットB13との間、画像形成装置4と製本ユニット14との間、製本ユニット14とパンチ/ステープルユニット15との間及びパンチ/ステープルユニット15と排紙スタッカーユニット16との間は、ユニット間I/Fによって接続される。すなわち、本実施の形態では、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13の順でこれらの機能ユニットが画像形成装置4に直列的に接続され、製本ユニット14、パンチ/ステープルユニット15、排紙スタッカーユニット16の順でこれらの機能ユニットが画像形成装置4に直列的に接続される例が示される。但し、直列的な接続順は、図1に示されるものに限定されない。
なお、画像形成システム1の各種情報を表示する操作部11は、画像形成装置4に搭載されていても良く、画像形成装置4に対して着脱可能なものでも良い。さらに、操作部11は、Webサーバを介してPCのWebブラウザに表示させて利用される形態のものでも良い。
また、画像形成前処理システム2(情報処理前処理システム)は、画像形成装置4に搭載又は接続可能な機能ユニットとしての給紙ユニットA12及び給紙ユニットB13を含む。画像形成前処理システム2は、画像形成装置4の本体に給紙搬送されるさまざまなサイズや種類の用紙を給紙ユニットA12及び給紙ユニットB13に積載し、画像形成時に操作部11に表示された用紙のサイズや種類等の設定及び操作者による操作部11への操作に基づいて、画像形成装置4の本体に供給するシステムである。
また、画像形成後処理システム3(情報処理後処理システム)は、画像形成装置4と通信可能な機能ユニットとしての製本ユニット14、パンチ/ステープルユニット15及び排紙スタッカーユニット16を含む。画像形成後処理システム3は、操作部11に表示された「製本」、「パンチ」及び「ステープル」等の後処理に関する各種設定及び操作者による操作部11への操作に基づいて、画像形成装置4で画像形成が行われた後の複数の用紙を所定の形式で製本加工し、製本加工された複数の用紙にパンチ穴を開けたり、ステープル加工を施した後、所定の排紙トレイや排紙ビンに排紙するシステムである。
なお、表示装置としての操作部11は、画像形成装置4の動作状態を含む各種情報の表示や、操作者による各種操作を受け付ける機能を持つ。
本実施形態では、画像形成システム1において、以下の順で画像形成処理が行われる。具体的には、画像形成装置4に搭載又は接続可能な給紙ユニットA12又は給紙ユニットB13から所定の用紙が画像形成装置4に給紙され、画像形成装置4によって所定の画像形成処理が実行される。その後、画像形成処理及び定着処理が施された転写紙が画像形成装置4に接続された製本ユニット14に送られ、製本処理が実行される。製本ユニット14によって製本処理された用紙は、製本ユニット14に接続されたパンチ/ステープルユニット15に送られ、パンチ/ステープルユニット15によって用紙の所定の位置に対してパンチ処理やステープル処理が行われる。その後、パンチ処理やステープル処理が行われた用紙は、パンチ/ステープルユニット15に接続された排紙スタッカーユニット16に送られ、所定の排紙トレイや排紙ビンに排紙され、一連の画像形成処理が完了する。
〔ハードウェア構成〕
図2は、画像形成装置4のハードウェア構成図である。画像形成装置4は、コントローラ100、近距離無線通信回路120、エンジン制御部130、操作パネル140、ネットワークI/F150を備えている。
これらのうち、コントローラ100は、例えば、描画、通信、操作パネル140からの入力等を制御する。また、コントローラ100は、画像形成装置4の全体制御を行う制御部であるCPU101、システムメモリ(MEM−P)102、ノースブリッジ(NB)103、サウスブリッジ(SB)104、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)106、記憶部であるローカルメモリ(MEM−C)107、HDDコントローラ108及び記憶部であるHDD109を有する。さらに、NB103とASIC106との間は、AGP(Accelerated Graphics Port)バス121で接続される。
NB103は、CPU101と、MEM−P102、SB104及びASIC106とを接続するためのブリッジ回路である。NB103は、MEM−P102に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
MEM−P102は、コントローラ100の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM102a、プログラムやデータの展開及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM102bを備える。なお、RAM102bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、CD−ROM、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。
SB104は、NB103とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジ回路である。
ASIC106は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)である。その役割は、AGPバス121、PCIバス122、HDDコントローラ108及びMEM−C107をそれぞれ接続するブリッジ回路である。また、ASIC106は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC106に接続される他のデバイスの動作やタイミングを調停するアービタ(ARB)、MEM−C107を制御するメモリコントローラ、DMA制御を司るDMAC(Direct Memory Access Controller)、スキャナ部131及びプリンタ部132との間でPCIバス122を介したデータ転送を行うPCIユニットを有する。
なお、ASIC106には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしても良い。
MEM−C107は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。
HDD109は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HDDコントローラ108は、CPU101の制御にしたがってHDD109に対するデータの読出し又は書込みを制御する。
AGPバス121は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースである。AGPバス121は、MEM−P102に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
近距離無線通信回路120は、近距離無線通信を行うための回路であり、近距離無線通信回路用アンテナ120aを備える。近距離無線通信回路120は、例えば、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信回路である。
エンジン制御部130は、スキャナ部131及びプリンタ部132によって構成される。スキャナ部131又はプリンタ部132には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
操作部11の一部である操作パネル140は、画像形成装置4に搭載又は接続可能であり、パネル表示部140a及びパネル操作部140bを含む。図2の実施形態では、画像形成装置4に接続可能な状態を示している。パネル表示部140aは、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等を備える。また、パネル操作部140bは、濃度の設定条件などの画像形成に関する各種条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等を備える。
ネットワークI/F150は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離無線通信回路120及びネットワークI/F150は、PCIバス122を介して、ASIC106に電気的に接続される。
なお、画像形成装置4は、パネル表示部140aに表示される又はパネル操作部140bが備えるアプリケーション切替キーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能及びファクシミリ機能を切り替えて選択することが可能となる。つまり、画像形成装置4は、ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリ機能の選択時にはファクシミリモードとなる。
〔ソフトウェア構成〕
図3は、本実施形態に係る画像形成装置4及び画像形成装置4に搭載又は接続可能な各機能ユニットのソフトウェア構成図である。
図3に示されているように、画像形成装置4は、更新管理部310、更新データ受信部320、更新関連情報記憶部325、更新可否判断部330a、更新処理部340a及び送受信部350a等を有する。これらは、画像形成装置4にインストールされたプログラムが、図2のCPU101又は制御デバイス等によって実行させる処理により実現される。さらに、操作部11は、送受信部350b、操作制御部370、表示制御部380等を有する。さらに各機能ユニットは、更新可否判断部330b、330c、330d、330e、330f、更新処理部340b、340c、340d、340e、340f及び送受信部350c、350d、350e、350f、350g等を有する。上述した各部の処理は、各機能ユニットにインストールされたプログラムが、各機能ユニットのそれぞれに備えられたCPUもしくはそれに代わる制御デバイス等によって実行させる処理により実現される。
また、送受信部350a、350b、350c、350d、350e、350f及び350gについては、信号送受信に係る機能を実現するために、有線もしくは無線を利用した通信で実現されてもよく、例えば、上述のようにBluetooth等の無線通信回路を利用して構成されても良い。
さらに、各機能ユニットのうち、例えば、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13のそれぞれの機能が、画像形成装置4のCPU101によって実行されるようにシステムが構築されても良い。
更新管理部310は、プログラムの更新可否についての画像形成装置4の本体及び各機能ユニットに対する問合せ、更新プログラムの取得制御、プログラムの更新処理の開始や終了等を統合的に制御する。
更新データ受信部320は、外部記憶手段やWebサーバ装置から取得可能な更新プログラム等のデータを取得する。
更新関連情報記憶部325には、例えば、プログラムの更新処理に関する各種情報が記憶される。プログラムの更新処理に関する各種情報として、後述にて詳細を説明する更新対象の候補となる機能ユニット又は更新除外ユニットのユニット名、各機能ユニットの現在のプログラムバージョン、更新後のプログラムバージョン、等が記憶される。また、更新関連情報記憶部325には、プログラムの更新対象外の機能ユニットに関する各種情報が記憶されても良い。なお、更新関連情報記憶部325は、例えば、図2に示したMEM−P102等によって実現されても良い。さらに、更新関連情報記憶部325は、更新関連情報記憶手段の一例である。
更新可否判断部330は、更新管理部310からの更新可否問合せに応じて各機能ユニットにおけるプログラムの更新可否を判断する。当該更新可否判断部330では、他の機能ユニットとの通信経路の関係やプログラムバージョンの組合せに関する判断も行われる。
更新処理部340は、更新管理部310及び更新可否判断部330と連携して、画像形成装置4の本体及び各機能ユニットにおけるプログラムの更新を行う。
送受信部350は、画像形成装置4と各機能ユニット間で行われる通信におけるデータ送受信を行う。
操作制御部370は、操作部11単独、又は画像形成装置4のCPU101と連携して操作部11を制御する。具体的には、操作制御部370は、画像形成装置4の特定の機能を実行するための機能選択画面や画像形成装置4の各種状態を表示した画面の操作に関する制御を行う。
表示制御部380は、操作制御部370と連携して操作部11の操作パネル140に表示される情報やデータを処理する。さらに、表示部の光量設定や文字、イメージの濃度設定も当該表示制御部380で行われる。
なお、画像形成装置4の更新管理部310が、操作部11の表示制御部380と同様の機能を備えるように構成されても良い。この場合、更新管理部310が、表示制御手段として操作部11に表示される情報やデータの処理を行うほか、表示部の光量設定や文字、イメージの濃度設定も行うようにしても良い。
画像形成装置4と通信可能な製本ユニット14、パンチ/ステープルユニット15、及び排紙スタッカーユニット16は、画像形成後の「用紙束揃え」、「糊付け」、「製本」、「断裁」「パンチ」及び「ステープル」処理を含む各処理を行うためのさまざまなメカ構造を備える。そのため、これらの各機能ユニットは、上述のメカ構造を制御するためのメカ制御部も備える。
以下、画像形成システム1において実行される処理手順について説明する。
図4は、第1の実施形態におけるプログラムの更新処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図4におけるプログラムの更新処理は、画像形成装置4、操作部11、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13、製本ユニット14、パンチ/ステープルユニット15及び排紙スタッカーユニット16の間で行われる。
まず、操作制御部370は、操作者によるプログラムの更新開始の指示として操作部11に配置された所定のボタンやキーの操作を受け付ける(ステップS101)。
操作制御部370は、所定のボタンやキーの操作を受け付けると、それらのボタンやキーの操作に対応したプログラムの更新開始要求としてのデータを生成し、画像形成装置4の更新管理部310に当該データを送信する(ステップS102)。なお、この更新開始操作の受付は、画像形成装置4の起動中に、操作者が操作部11の所定のボタンやキーに対する操作(又はサービスモードへの設定操作等)で実現されても良い。
更新管理部310は、プログラムの更新開始要求としてのデータを送受信部350aを介して受信すると、後述する画像形成装置4の本体に対するプログラム更新可否問合せ処理を開始する。なお、プログラムの更新開始要求としてのデータはプログラムの更新可否問合せを示すデータを含み、更新可否問合せ要求を示すデータは、一般的に画像形成装置等の内部ユニット間で使用されるようなデータフォーマットであれば、その種類は問わない。
<プログラム更新可否問合せ処理>
更新管理部310は、まず、送受信部350aを介して受信したプログラムの更新可否問合せを示すデータを、画像形成装置4の更新可否判断部330aに送り、画像形成装置4の本体の更新可否を問い合わせる(ステップS201)。
続いて、更新管理部310は、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13、製本ユニット14、パンチ/ステープルユニット15及び排紙スタッカーユニット16のそれぞれに対して送受信部350aを介して更新可否問合せを示すデータを送る(ステップS202〜S206)。
ステップS201で更新可否問合せを示すデータを取得した更新可否判断部330aは、画像形成装置4における現在のバージョンのプログラムの実行状態からプログラムの更新可否を判断して、その判断結果を更新管理部310に返す(ステップS301)。プログラムの実行状態とは、例えば、画像形成装置4で行われる画像形成の状態や他の機能ユニットとの間の通信におけるエラー発生の状態等を含む。
さらに、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13、製本ユニット14、パンチ/ステープルユニット15及び排紙スタッカーユニット16の更新可否判断部330(330b、330c、330d、330e又は330f)は、それぞれの機能ユニットにおいて自らのプログラム更新が可能か否かを判断する。プログラム更新が可能か否かの判断は、例えば、プログラム更新前のバージョンでの動作不具合が一定期間内で所定回数以上発生した履歴がある場合などは、各更新可否判断部330は更新後の動作にも影響があると判断し、更新不可であると判断しても良い。なお、更新管理部310が更新可否判断部330の機能を兼用しても良い。
続いて、更新可否問合せを受けた各機能ユニットの更新可否判断部330b、330c、330d、330e又は330fは、プログラム更新が可能か否かの判断結果を示す更新可否応答のデータを送受信部350c、350d、350e、350f又は350gを介して画像形成装置4の送受信部350aに返す(ステップS302〜S306)。プログラムの更新が可能であると判断された場合、「プログラム更新可」の応答を示すデータが返され、プログラムの更新が不可能であると判断された場合、「プログラム更新不可」の応答を示すデータが返される。上述の「プログラム更新可」及び「プログラム更新不可」の応答を示すデータは、機能ユニットがプログラムの更新が可能な状態であるか否かを示す情報の一例である。さらに、送受信部350aは、受信手段の一例である。
なお、更新管理部310が更新可否判断部330aの機能を兼用して、表示制御部380に対して送受信部350a及び350bを介してプログラムの更新が可能か否かの判断結果を示す更新可否応答のデータを送信しても良い。
更新管理部310が、画像形成装置4の更新可否判断部330a及び各機能ユニットの更新可否判断部330b、330c、330d、330e又は330fからの更新可否応答を示すデータを受信すると、更新データ受信部320は、予め操作者によって画像形成装置4に装着された着脱可能な記憶媒体やインターネットを介したサーバ装置等から、更新可を示す更新可否応答のデータを返した機能ユニットを動作させる更新プログラムを取得し、画像形成装置4の更新関連情報記憶部325に記憶させる(ステップS401)。すなわち、画像形成装置4の更新データ受信部320は、プログラムの更新が可能な機能ユニットの更新データ(更新プログラム)を取得して更新関連情報記憶部325に記憶させる。
続いて、更新管理部310は、更新可否判断部330a及び各機能ユニットからの更新可否応答に基づいて、プログラム更新開始画面510を構成するデータを生成し、表示制御部380に対して、送受信部350a及び350bを介して、当該データを送る(ステップS402)。
続いて、操作部11の表示制御部380は、当該データに基づいて、プログラム更新開始画面510を操作パネル140のパネル表示部140aに表示する(ステップS403)。このとき、更新管理部310が操作部11の表示制御部380を直接制御して、プログラム更新開始画面510を操作パネル140のパネル表示部140aに表示するようにしても良い。
図5は、第1の実施形態におけるプログラム更新開始画面の表示例を示す図である。図5に示されるように、プログラム更新開始画面510は、領域511を有する。領域511の更新対象の欄に表示された●は、プログラムの更新対象の候補であることを示す。プログラムの更新対象の候補とは、操作者がプログラム更新開始画面510を操作することによってプログラムの更新対象として選択することが可能な対象のことである。一方、プログラムの更新対象とは、プログラム更新開始画面510で操作者によって選択され、実際に各更新処理部340でプログラムの更新が実行される対象(対象の機能ユニットを動作させる更新プログラム)のことである。
なお、更新対象の欄の●表示は、画像形成装置4の更新管理部310と操作部11(操作パネル140)の操作制御部370との連携により、特定の発光色による点灯状態や点滅状態等で区別されるようにしても良い。また、●表示については、それぞれの実施対象の●に画像形成装置4の操作者の指など体の一部が触れる度に、●と更新対象外であることを示す〇とがトグル表示されるようにしても良い。例えば、表示制御部380は、更新対象の機能ユニットについて、操作者の操作に応じて〇を●になるようにトグル表示すれば良い。なお、上記の●、〇の点灯色や点滅色の意味付けをそれぞれ逆の定義(〇:点灯状態や点滅状態、●:消灯状態)としても良い。
図5では、画像形成装置4の本体と、パンチ/ステープルユニット15を除いた各機能ユニットと、が「プログラム更新可」の応答を返し、パンチ/ステープルユニット15が「プログラム更新不可」の応答を返した例が示されている。したがって、図5では、画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13、製本ユニット14及び排紙スタッカーユニット16がプログラムの更新対象として選択可能とされている(更新対象の候補とされている)。一方、パンチ/ステープルユニット15については、更新対象欄には何も表示がされず、ユニット名、現在のバージョン及び更新後のバージョンの欄がグレーアウトされて表示される。その結果、パンチ/ステープルユニット15は、更新対象として選択不可とされている(更新対象の候補から除外されている。)。なお、画像形成装置4及び各機能ユニットのプログラムの現在のバージョンは、更新可否の問い合わせに対して各機能ユニットから行われる応答に含まれるようにしてもよい。各機能ユニットの更新後のバージョンの一覧は、ステップS401において取得される更新プログラムと共に取得されるようにしてもよい。そうすることで、表示制御部380は、現在のバージョン及び更新後のバージョンをプログラム更新開始画面510に表示することができる。
なお、更新不可と判断された機能ユニット(本実施形態のパンチ/ステープルユニット15)については、表示制御部380は、図5のプログラム更新開始画面510から消去するようにしても良い。具体的には、表示制御部380は、パンチ/ステープルユニット15について、更新対象、ユニット名、現在のバージョン及び更新後のバージョンの各欄の表示内容又は各欄そのものを、プログラム更新開始画面510から消去してもよい。
また、図5のプログラム更新開始画面510には、領域511の下部に詳細ボタン(キー)512、実行ボタン(キー)513及びキャンセルボタン(キー)514も含まれる。
詳細ボタン(キー)512は、プログラムの更新可否問合せが実行された結果の詳細を確認するためのボタン(キー)である。
キャンセルボタン(キー)514は、各処理を中断又は中止するためのボタン(キー)である。
図5において、詳細ボタン(キー)512、実行ボタン(キー)513及びキャンセルボタン(キー)514が太枠の四角で表示されているが、これは、それぞれのボタン(キー)が操作者によって操作可能な状態である一例を示している。
詳細ボタン(キー)512が操作者によって押下されると、表示制御部380は、プログラム更新可否画面610をパネル表示部140aに表示する。その結果、パネル表示部140aにおける表示対象は、プログラム更新開始画面510からプログラム更新可否画面610に切り替わる。
図6は、第1の実施形態におけるプログラム更新可否画面の表示例を示す図である。図6aに示したプログラム更新可否画面610の領域611には、画像形成システム1を構成する画像形成装置4、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13、製本ユニット14、パンチ/ステープルユニット15及び排紙スタッカーユニット16の各イメージが表示され、そのうちのパンチ/ステープルユニット15のみが他の機能ユニットと表示形態を分けるためにグレーアウトや白黒反転表示される。これは、更新可否問合せを示すデータを受けた各機能ユニットのうち、パンチ/ステープルユニット15が何らかの原因により現在のバージョンVer.1.00から更新後のバージョンVer.1.03へのプログラムの更新が不可であることを意味する。さらに、領域612には、「パンチ/ステープルユニットはプログラムを更新できません。」等のメッセージも表示される。
一方、図6bに示したプログラム更新可否画面610は、プログラムの更新が不可である機能ユニットが無い場合の表示画面の一例である。この場合は、図6bのように、グレーアウトされて表示される機能ユニットは無く、例えば、「全ての機能ユニットがプログラムを更新できます。」等のメッセージが領域612に表示される。
図6a及び図6bにおいて、戻るボタン(キー)613が太枠の四角で表示されているが、これは、この戻るボタン(キー)613が操作者によって操作可能な状態である一例を示している。
図6aの状態で操作者によって戻るボタン(キー)613が押下されると、表示制御部380は、パネル表示部140aの表示対象を図5のプログラム更新開始画面510に戻す。
続いて、操作制御部370は、プログラム更新開始画面510の更新対象欄に対する操作者の操作によって、更新対象の候補の中から更新対象としない機能ユニットの選択を受け付ける(ステップS501)。操作制御部370が更新対象としない機能ユニットの選択を受け付ける理由は、図5のプログラム更新開始画面510の初期状態では、更新不可の機能ユニットであるパンチ/ステープルユニット15以外の機能ユニットは、全て更新対象の候補として●が付与されて表示されるように構成されているためである。したがって、本実施の形態では、更新対象としない機能ユニットの選択操作によって、実質的に、更新対象の機能ユニットが選択される。
表示制御部380は、更新対象の選択に応じ、プログラム更新開始画面510の表示状態を図7に示されるように変更する(ステップS502)。
図7は、第1の実施形態におけるプログラム更新開始画面の更新対象を選択した場合の表示例を示す図である。図7では、図5の状態から、操作者によってプログラム更新対象外として選択された後のプログラム更新開始画面510が示されている。
表示制御部380は、予めプログラム更新対象とされた画像形成装置4の本体及び給紙ユニットB13を●表示のままとし、操作者によってプログラムの更新対象外として選択された給紙ユニットA12、製本ユニット14及び排紙スタッカーユニット16を●表示から○表示に変更する。
この状態で、操作制御部370は、操作者による実行ボタン(キー)513等の押下を待機する。
<プログラム更新処理>
図4に戻り、各機能ユニットに対するプログラムの更新処理について説明する。操作制御部370は、操作者による実行ボタン(キー)513の押下によって、更新対象として選択された画像形成装置4、及び給紙ユニットB13に対するプログラムの更新指示を受け付ける(ステップS601)。
操作制御部370は、実行ボタン(キー)513の押下を検出すると、更新実行要求に対応するデータを操作部11の送受信部350bを介して画像形成装置4の送受信部350aに送信する(ステップS602)。この場合の更新実行要求に対応するデータとは、画像形成装置4の本体及び給紙ユニットB13の各プログラムの更新の実行要求を示すデータである。すなわち、当該データには、プログラムの更新対象となる装置の識別情報が含まれている。ここでは、画像形成装置4の本体及び給紙ユニットB13のそれぞれの識別情報が含まれている。なお、識別情報には、プログラムの更新対象となる装置の名称、型番、シリアル番号等が含まれても良い。
更新管理部310は、送受信部350aを介して更新実行要求に対応するデータを取得し、そのデータに含まれる識別情報に係る画像形成装置4の本体及び給紙ユニットB13を更新対象として認識する。
なお、ステップS401で更新可と判断された機能ユニットを動作させる更新プログラムを取得し、画像形成装置4の更新関連情報記憶部325に記憶させる処理を、更新管理部310が更新対象を認識した後に実行するようにシステムを構築しても良い。この場合更新対象に対応するプログラムが取得されるようにすればよい。これは、他の実施形態でも同様である。
なお、表示制御部380は、プログラム更新開始画面510の実行ボタン(キー)513の押下に応じ、プログラムの更新が開始されたこと又はプログラムが更新中であることがわかるように実行ボタン(キー)513をグレーアウト表示、点灯表示又は点滅表示等をしても良い。これは、他の実施形態でも同様である。
また、表示制御部380は、キャンセルボタン(キー)514を選択又は操作が可能な状態で表示する。このように表示することで、操作制御部370は、操作者によるキャンセルボタン(キー)514の押下待ちの状態になる。この状態において操作者によってキャンセルボタン(キー)514が押下されると、更新処理部340aは、プログラムの更新を中断する。さらに、操作者によって詳細ボタン(キー)512や実行ボタン(キー)513が押下される前にキャンセルボタン(キー)514が押下された場合は、プログラム更新開始画面510から別の画面に遷移するようにしても良い。
一方、更新処理部340aによってプログラムの更新が実行されている間、表示制御部380は、詳細ボタン(キー)512に対して操作無効になるように詳細ボタン(キー)512をグレーアウトで表示しても良い。表示制御部380によるグレーアウト表示にあわせて、操作制御部370は、詳細ボタン(キー)512に対しては操作者による操作を受け付けないように制御しても良い。
続いて、更新管理部310は、ステップS401で取得したプログラムのうち、画像形成装置4を動作させる更新後の更新プログラム(Ver1.03)を更新処理部340に送る。その後、更新処理部340は、図7のプログラム更新開始画面510に表示されたようにバージョンVer1.02からバージョンVer1.03にプログラムを更新し、その結果を更新管理部310に応答する(ステップS603)。
ステップS603で実行される画像形成装置4の本体に対するプログラム更新と並行して、画像形成装置4の送受信部350aは、ほかにプログラム更新対象として選択された給紙ユニットB13の更新プログラム及び更新要求を含むデータを給紙ユニットB13に送る(ステップS606)。
給紙ユニットB13の送受信部350dが当該データを受信すると、給紙ユニットB13の更新処理部340cは、送受信部350dで受信した更新プログラム(Ver1.02)に基づいてプログラムを更新する。
画像形成装置4の更新処理部340及び給紙ユニットB13の更新処理部340cは、それぞれのプログラムの更新が完了したら、プログラム更新完了を示すプログラム更新応答データを画像形成装置4の更新管理部310に送る(ステップS607)。
プログラム更新完了を示すプログラム更新応答データの受信に応じて、画像形成装置4の更新管理部310は、各機能ユニットの更新結果を示すデータを含む更新完了を示すデータを操作部11に送る(ステップS701)。
図8は、第1の実施形態におけるプログラム更新開始画面の更新実行後の表示例を示す図である。操作部11におけるプログラムの更新完了を示すデータの受信に応じて、操作部11の表示制御部380は、図8に示すように、「プログラム更新が完了しました。」等のメッセージを含むようにプログラム更新開始画面510を更新する(ステップS702)。図8のプログラム更新開始画面510では、さらに、プログラムの更新が成功した画像形成装置4の本体及び給紙ユニットB13が、更新後のバージョンを含めて他の機能ユニットと区別可能なように表示される。
操作者は、この画面を確認した後、『確認』ボタン(キー)515を押下してプログラムの更新処理を終了させることができる。
以上説明したように第1の実施形態によれば、プログラムの更新が不可能な機能ユニットを認識し、その機能ユニットを選択不可としたうえでプログラムの更新が可能で且つ更新対象として選択された機能ユニットに対してプログラムの更新を行うようにした(図4のステップS501〜S608)。つまり、画像形成システム1を構成する機能ユニットのうち、どれか一つでもプログラムの更新が不可能な機能ユニットが存在した場合は、画像形成システム1は、プログラムの更新が不可能な機能ユニットを更新対象から除く。このようにすることで、プログラム更新が不可能な機能ユニットが存在しても、プログラムの更新が可能な他の機能ユニットに対して更新対象を選択させることを可能にした上で、プログラムの更新を行うことができる。
なお、第1の実施形態では、プログラムの更新対象として画像形成装置4の本体及び給紙ユニットBを選択した例を示したが、図5や図7に示したとおり、更新対象はプログラムの更新が可能な機能ユニットであれば操作者が自由に選択できる構成であるため、その選択内容は上述した内容に限らない。これは、他の実施形態でも同様である。
さらに、第1の実施形態では、画像形成システム1に対して説明したが、画像形成前処理システム2や画像形成後処理システム3に対して適用しても良い。
●第2の実施形態●
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では第1の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第1の実施の形態と同様でもよい。
<プログラム更新対象ユニット(更新除外ユニット)選択処理>
図9は、第2の実施の形態におけるプログラム更新処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図9中、図4と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。
第1の実施形態との相違点は、第2の実施の形態では、プログラムの更新を行わない機能ユニットについては、画像形成装置4の操作者が予め更新除外ユニットとして設定可能なプログラム更新開始画面510が提供される点である。
まず、プログラムの更新を行わない機能ユニットを予め更新除外ユニットとして設定する処理について説明する。
操作部11の操作制御部370は、画像形成装置4の起動中に、操作部11に配置されたプログラム更新対象選択のための所定のボタンやキーに対する操作(又はサービスモードへの設定操作等)を受け付ける(ステップS51)。
操作制御部370は、それらのボタンやキーの操作に対応したプログラム更新対象選択画面の表示要求を示すデータを生成し、画像形成装置4の更新管理部310に当該データを送信する(ステップS52)。
更新管理部310は、当該データを受信後、操作部11のプログラム更新対象選択画面を表示させるためのデータを表示制御部380に送信する(ステップS53)。
表示制御部380は、当該データを受信すると、当該データに基づいて、更新除外ユニットの選択操作を受け付けるための更新対象選択画面710を操作パネル140のパネル表示部140aに表示する(ステップS54)。
図10は、第2の実施形態におけるプログラム更新対象選択画面の表示例を示す図である。図10において、更新対象選択画面710は、領域711及び領域712を有する。領域711には、プログラムの更新の『対象』及び『対象外』の選択ボタン(キー)が機能ユニット毎にそれぞれ横に並べて表示される。
また、領域712には、領域711に表示されたプログラムの更新の『対象』及び『対象外』の選択ボタン(キー)に対応するように、プログラムの更新対象の候補であるユニット名が表示される。
図10では、領域712の上から、画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13、製本ユニット14、パンチ/ステープルユニット15、排紙スタッカーユニット16の順で各ユニット名が表示される例が示されている。また、図10では、『対象』及び『対象外』の選択ボタン(キー)について、白い状態が選択されている状態、グレーアウトの状態が選択されていない状態を示す。したがって、図10は、パンチ/ステープルユニット15がプログラムの更新が行われない更新除外ユニットとして選択され、画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13、製本ユニット14及び排紙スタッカーユニット16がプログラムの更新が行われる更新候補ユニットとして選択された例を示す。この場合、更新除外ユニットとして設定されたパンチ/ステープルユニット15は、グレーアウト等で表示される。なお、『対象』及び『対象外』の選択ボタン(キー)の表示色については、上述した白とグレーアウトの定義を逆(白:非選択、グレーアウト:選択)となるように構成されても良い。
さらに、更新対象選択画面710において、領域712の下部には、更新除外対象を選択した後に設定する設定ボタン(キー)713、各操作を中止するキャンセルボタン(キー)714が横に並べて表示される。
操作制御部370は、図10の更新対象選択画面710を介して、操作者による『対象』又は『対象外』の選択ボタン(キー)の選択を受け付けた後に、設定ボタン(キー)713の押下を受け付ける(ステップS55)。
なお、図10の更新対象選択画面710で設定ボタン(キー)713の押下により設定された更新対象ユニットを示すデータ及び更新除外ユニットを示すデータは、画像形成装置4の送受信部350aによって受信される。その後、更新対象ユニットを示すデータ及び更新除外ユニットを示すデータは、送受信部350aから更新管理部310に転送された後、更新関連情報記憶部325に記憶され管理される(ステップS56)。上述した更新対象ユニットを示すデータ及び更新除外ユニットを示すデータも、プログラムの更新が可能な状態であるか否かを示す情報の一例である。
ステップS56の処理において、更新管理部310は、更新関連情報記憶部325に記憶された更新候補ユニットに対しては、例えば「1」のフラグを関連付けて更新関連情報記憶部325に記憶させるようにしても良い、一方、更新除外ユニットに対しては、更新管理部310は、例えば「0」のフラグを関連付けて更新関連情報記憶部325に記憶させるようにしても良い。また、特に指定等が無い場合は、上述のフラグの「1」、「0」の意味付けをそれぞれ入れ替えて記憶させるようにしても良い。さらに、これらのフラグ「1」、「0」は、例えば、プログラムの更新可否を示す情報として更新管理部310や更新可否判断部330等で用いられても良い。
ステップS51〜S56までの処理を経て、プログラムの更新除外ユニット選択の処理は終了する。
その後の任意のタイミングで、操作制御部370は、操作者によるプログラムの更新開始の指示として操作部11に配置された所定のボタンやキーの操作を受け付ける(ステップS101)。この後、第1の実施形態と同様に、操作制御部370から更新管理部310に対して更新可否問合せ要求を示すデータが送信され、プログラムの更新可否問合せに係る処理が実行される。
ここで、更新問合せに係る処理は、第1の実施形態で説明した図4のステップS201〜S306までの処理とほぼ同様であるため、相違点のみ説明する。
なお、図4のステップS201〜S306までにおける処理との相違点は、ステップS51〜S56までの処理で予め更新除外対象として設定されたパンチ/ステープルユニット15の更新可否判断部330eに対しては、更新管理部310から更新可否問合せ要求が送信されない点である。さらに、パンチ/ステープルユニット15の更新可否判断部330eからは、更新管理部310に対して更新可否応答が返信されない点である。
このような相違点が生じる理由は、図10で示した更新対象選択画面710にて、予めプログラムの更新から除外される機能ユニット(更新除外ユニット)を操作者による選択入力として受け付ける機能を備えるからである。更新除外ユニットとして選択された機能ユニット以外の機能ユニットのそれぞれの更新可否判断部330は、画像形成装置4の更新可否判断部330aと連動してプログラム更新可否の問合せ処理を行う。
この選択入力の受付は操作部11の操作制御部370にて行われ、選択された更新除外ユニットを示すデータ(例えば、更新除外ユニットの識別データ等)は、更新管理部310によって、区別されて更新関連情報記憶部325に記憶される。
この場合、更新管理部310は、ステップS102で実行された更新開始処理要求を示すデータを受け取ると、所定の記憶部に記憶された更新除外ユニットを示すデータを読み出す。更新管理部310は、当該データに基づいて、更新除外ユニット以外の機能ユニット(画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13、製本ユニット14、及び排紙スタッカーユニット16)をプログラムの更新可否問合せ先として決定し、更新可否問合せ先の各更新可否判断部330に対して更新可否問合せに関するデータを送受信部350aを介して各機能ユニットに送信する。
更新可否問合せに関するデータを受信した各更新可否判断部330は、各機能ユニットにおいてプログラムの更新可否問合せ処理を行う(ステップS201〜S206)。
さらに、更新可否判断部330によって実行されるステップS301〜S306までの更新可否応答処理が終了すると、表示制御部380は、更新管理部310から送信されたプログラムの更新対象の候補を示すデータに基づいて、図11のプログラム更新開始画面510を操作パネル140のパネル表示部140aに表示する(ステップS403)。但し、当該データには、更新除外ユニットを示す情報は、更新対象の候補として含まれていない。
なお、第1の実施形態と同様に、ステップS403のプログラム更新開始画面510を表示する処理の前に、更新データ受信部320によって実行される、機能ユニットを動作させる更新プログラムの取得及び画像形成装置4の更新関連情報記憶部325に記憶させる処理(ステップS401)と、更新管理部310によって実行される、プログラム更新開始画面510を構成するデータの表示制御部380に対する送信処理(ステップS402)が実行される。
第2の実施形態では、更新対象選択画面710で更新除外ユニットとして選択されたパンチ/ステープルユニット15以外は、画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13、製本ユニット14及び排紙スタッカーユニット16が更新問合せにより更新対象の候補となっている。したがって、各機能ユニットで更新される更新プログラムも第1の実施形態と同様の方法で取得されている。
図11は、第2の実施形態におけるプログラム更新開始画面の表示例を示す図である。なお、図11のプログラム更新開始画面510は、第1の実施形態の図5のプログラム更新開始画面510に対応する。但し、図10の更新対象選択画面710でパンチ/ステープルユニット15が予め更新対象外として設定されているため、図11のプログラム更新開始画面510では、表示制御部380は、パンチ/ステープルユニット15をグレーアウト表示する。又は、表示制御部380は、パンチ/ステープルユニット15に関する表示(更新対象、ユニット名、現在のバージョン及び更新後のバージョンの欄)をプログラム更新開始画面510から消去するか、パンチ/ステープルユニット15の枠そのものを削除するようにしても良い。
なお、第2の実施形態では、図11にてすでに更新対象ユニット及び更新除外ユニットが選択されているため、図4で実行されたステップS501,S502の処理は省略されても良い。
<プログラム更新処理>
続いて、図9のステップS601〜S702までの処理の説明をする。
更新対象の選択結果が図11の通りであれば、画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13、製本ユニット14及び排紙スタッカーユニット16の各機能ユニットに対して、以下のステップでプログラム更新が行われる。
第1の実施形態と同様に、プログラム更新開始画面510の実行ボタン(キー)513が操作者によって押下されることで、操作制御部370は、プログラムの更新操作が受け付けられたことを検出する(ステップS601)。
操作制御部370は、実行ボタン(キー)513の押下を検出すると、更新実行要求に対応するデータを操作部11の送受信部350bを介して画像形成装置4の送受信部350aに送信する(ステップS602)。この場合の更新実行要求に対応するデータとは、画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13、製本ユニット14及び排紙スタッカーユニット16の各プログラムの更新の実行要求を示すデータである。
更新管理部310は、送受信部350aを介して更新実行要求に対応するデータを取得し、そのデータに含まれる更新対象として選択された画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13、製本ユニット14及び排紙スタッカーユニット16を更新対象として認識する。
画像形成装置4の更新処理部340aは、プログラムの更新を行い、その結果を更新管理部310に応答する(ステップS603)。
続いて、各機能ユニットの更新処理部340(更新処理部340b、340c、340d、340f)は、それぞれの更新実行要求に対応するデータを画像形成装置4の更新管理部310に送信し(ステップS604、S606、S608及びS610)、更新が完了したら、更新管理部310にプログラム更新完了を示すプログラム更新結果応答データを送信する(ステップS605、S607、S609及びS611)。
プログラム更新結果応答データを取得した画像形成装置4の更新管理部310は、操作部11に更新完了を示すデータを送る(ステップS701)。
図12は、第2の実施形態におけるプログラム更新開始画面の更新実行後の表示例を示す図である。ステップS701の実行により、操作部11の表示制御部380は、図12に示すように、「プログラム更新が完了しました。」等のメッセージを含むプログラム更新開始画面510を表示する(ステップS702)。図12のプログラム更新開始画面510では、プログラムの更新が成功した画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13、製本ユニット14及び排紙スタッカーユニット16が、更新後のバージョンを含めて他の機能ユニットと区別されて表示される。
操作者は、図12のプログラム更新開始画面510を確認した後、確認ボタン(キー)315を押下してプログラムの更新処理を終了することができる。
以上説明したように第2の実施形態によれば、更新除外ユニットを操作者が予め設定できる。なお、更新可否の問合せでは、「プログラム更新不可」の応答を返さないが、プログラムの更新が成功しない場合(プログラム更新失敗)があり得る。そのような場合でも、該当する機能ユニットをプログラムの更新対象から除く設定をしておけば、画像形成システムとしてプログラムの更新を実行することができる。
本実施形態では、画像形成システム1に対して説明したが、画像形成前処理システム2や画像形成後処理システム3に対して適用しても良い。
●第3の実施形態●
続いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態について、第1の実施形態及び第2の実施形態との相違点は、画像形成システム1を構成する各機能ユニットのうち、通信経路上で影響を受ける互いのユニットに対して、プログラム更新の可否を判断し、必要に応じてプログラムの更新を不可とする点である。
図13は、第3の実施形態におけるプログラム更新処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図13のシーケンスにおいて、ステップS101〜S306は第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
<通信経路における更新可否判断処理>
図13において、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる処理は、画像形成装置4の更新管理部310にて実行されるステップS351の通信経路における更新可否判断の処理である。この処理は、画像形成装置4の更新管理部310が、画像形成システム1の全ての機能ユニットに対して行うもので、例えば、図2で示した画像形成装置4内部のコントローラ100等が、画像形成システム1を構成する各機能ユニットの通信経路を、一元管理することで実現される。
具体的には、更新管理部310は、ステップS301〜S306の更新可否問合せに係る処理結果及びステップS351の処理において、パンチ/ステープルユニット15から更新不可の応答が返された場合、パンチ/ステープルユニット15だけでなく、通信経路においてパンチ/ステープルユニット15の後段の排紙スタッカーユニット16に対するプログラムの更新をも不可と判断する(ステップS351)。換言すれば、更新管理部310は、通信経路において画像形成装置4との間にパンチ/ステープルユニット15が介在する機能ユニットについてもプログラムの更新が不可であると判断する。
すなわち、第3の実施形態では、画像形成システム1において、画像形成装置4に直接的に接続されていない機能ユニットと画像形成装置4との通信は、当該機能ユニットと画像形成装置4との間に介在する機能ユニットを介して行われるといった事情が考慮される。なお、第1及び第2の実施の形態においても、斯かる事情は同じであるが、当該事情は考慮されていない。
このような事情において、画像形成システム1を構成する機能ユニットの通信経路の途中にプログラム更新の不可能な機能ユニットが存在すると、その後段の機能ユニットのプログラム更新に影響が出ることがあり、画像形成システム1としての動作の保証ができなくなる。
したがって、更新管理部310が、パンチ/ステープルユニット15からプログラムの更新不可の応答が返された場合に通信経路上の後段にある排紙スタッカーユニット16のプログラムの更新も不可と判断する。
画像形成システム1では、プログラムの更新以外の通常の画像形成処理において、画像形成装置4の本体を含めて、どの機能ユニットが画像形成処理に関与しているかを示す情報を、例えば、画像形成装置4のコントローラ100(更新管理部310)が管理している。電子写真方式を利用した画像形成装置や画像形成システムでは、一般的に、帯電、露光、現像、転写及び定着の各プロセスからなり、後処理としての製本処理や排紙処理を経る。そのため、コントローラなどによって、どの機能ユニットがどの通信経路(機能ユニット)に接続され、どの順番で画像形成処理に関与するかを判断することは比較的容易である。そのため、例えば、更新管理部310は、通信経路上で影響のある機能ユニットに対して、プログラムの更新を不可と判断することが可能である。
続いて、更新管理部310は、プログラムの更新対象として判断した画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13及び製本ユニット14の各プログラムを更新対象のプログラムとして取得する(ステップS401)。
その後、更新管理部310は、操作部11の表示制御部380に対して、送受信部350a及び350bを介して、プログラム更新開始画面510及びプログラム更新可否画面610を構成するデータを送る(ステップS402)。
これを受けて、表示制御部380は、図14のプログラム更新開始画面510を操作パネル140のパネル表示部140aに表示する(ステップS403)。
図14は、第3の実施形態におけるプログラム更新開始画面の表示例を示す図である。図14に示されるプログラム更新開始画面510では、画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13及び製本ユニット14が、プログラムの更新対象として選択可能であること(画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13及び製本ユニット14が、プログラムの更新対象の候補であること)が示されている。換言すれば、パンチ/ステープルユニット15及び排紙スタッカーユニット16が、更新対象としての選択が不可であることが示されている。
プログラム更新開始画面510において、操作制御部370は、操作者による更新対象の欄の操作を検出し、表示制御部380と連動して操作対象とされた更新対象の欄の●又は〇の表示を切り替える(ステップS501及びステップS502)。これは、第1の実施形態及び第2の実施形態のステップS501及びステップS502と同様の処理である。
このプログラム更新開始画面510において操作者は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様にプログラムの更新対象として選択可能な機能ユニットの中から任意に更新対象の候補を選択し、実行ボタン(キー)513を押下してプログラムの更新処理を開始することができる。
一方、操作者は詳細ボタン(キー)512を押下して図15のプログラム更新可否画面610を表示させることもできる。
図15は、第3の実施の形態におけるプログラム更新可否画面の表示例を示す図である。
図15には、例えば、「パンチ/ステープルユニットがプログラムを更新できないため、通信経路の後段にある排紙スタッカーユニットもプログラムの更新を中止します。」等のメッセージが操作パネル140のパネル表示部140aに表示される例が示されている。また、その表示方法の例としては、図15の領域611に示すように、表示制御部380がパンチ/ステープルユニット15及び排紙スタッカーユニット16をグレーアウトや白黒反転等で表示することで、他の機能ユニットと表示形態を分ける。
操作制御部370は、図15のプログラム更新可否画面610において、操作者による戻るボタン(キー)613の押下を検出すると、表示制御部380を制御して図14のプログラム更新開始画面510を再表示する。この再表示処理は、図13のシーケンス図では、ステップS403の処理の後に実行される。なお、図14のプログラム更新開始画面510における詳細ボタン(キー)512、実行ボタン(キー)513及びキャンセルボタン(キー)514の機能は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様である。
<プログラム更新処理>
続いて、プログラム更新開始画面510の実行ボタン(キー)513が操作者によって押下されることで、操作制御部370は、プログラムの更新操作が受け付けられたことを検出する(ステップS601)。
操作制御部370は、ステップS601において操作者による実行ボタン(キー)513の押下を検出すると、更新実行要求に対応するデータを操作部11の送受信部350bを介して画像形成装置4の送受信部350aに送信する(ステップS602)。この場合の更新実行要求に対応するデータとは、画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13及び製本ユニット14の各プログラムの更新を実行するためのデータである。
更新管理部310は、送受信部350aを介して更新実行要求に対応するデータを取得し、そのデータに含まれる更新対象として選択された画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13及び製本ユニット14を更新対象として認識する。
続いて、更新処理部340aは、画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13及び製本ユニット14の各機能ユニットを動作させるプログラムを更新する(ステップS602〜S609)。
更新対象の機能ユニットの更新処理部340により各プログラムの更新が完了すると、画像形成装置4の更新管理部310は、各機能ユニットから受信したプログラム更新完了を示すプログラム更新応答データに応じて、操作部11に更新完了を示すデータを送る(ステップS701)。
操作部11におけるプログラムの更新完了を示すデータの受信に応じて、操作部11の表示制御部380は、第1の実施形態で示した図8に示すように、「プログラム更新が完了しました。」等のメッセージを含むようにプログラム更新開始画面510を更新する(ステップS702)。
以上説明したように第3の実施形態によれば、通信経路の途中にプログラム更新の不可能な機能ユニットが存在した場合に、その機能ユニットを除いた機能ユニットに対してプログラムの更新を行うようにした。つまり、画像形成システムを構成する各機能ユニットのうち、プログラムの更新が不可能な機能ユニットが存在した場合は、その機能ユニットの通信経路上の後段に配置される機能ユニットのプログラムの更新も不可とした。このようにすることで、画像形成システム1のうち、更新が可能な機能ユニットに対してプログラム更新を行うことができ、さらに更新後の画像形成システム1の動作も保証することが可能になる。
本実施形態では、画像形成システム1に対して説明したが、画像形成前処理システム2や画像形成後処理システム3に対して適用しても良い。
●第4の実施形態●
続いて、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、各機能ユニット間でプログラムバージョンの組合せに制限(斯かる制限を、以下「組合せ条件」という。)がある場合に、プログラム更新可否を判断する例について説明する。各機能ユニット間でプログラムバージョンの組合せ条件がある場合とは、例えば、機能が密接に関連する機能ユニット同士や、物理的に隣接する機能ユニット同士の各プログラムバージョンが所定の値以内であることなどが挙げられる。つまり、ある範囲や閾値以上に互いのプログラムバージョンの値に差異がある場合は、組合せ条件が満たされないと判定される。
第1の実施形態〜第3の実施形態との相違点は、画像形成システム1を構成する各機能ユニットのうち、プログラムバージョンの組合せが存在する互いのユニットに対して、プログラム更新の可否を判断し、必要に応じてプログラムの更新を不可とするようにした点である。
図16は、第4の実施形態におけるプログラムの更新処理の処理手順の一例を説明するためのシーケンス図である。図16のシーケンスにおいて、ステップS101〜S306は第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図16では、ある機能ユニットのプログラムが更新不可になった場合に、組合せ条件が適用される機能ユニットで実行されるプログラムもあわせて更新不可とする処理(組合せ条件による更新可否判断)が追加されている(ステップS361)。当該処理では、予め設定されている組合せ条件が参照される。
<組合せ条件による更新可否判断処理>
次に、プログラムバージョンの組合せが存在する場合に、画像形成装置4の更新管理部310が実行する更新可否判断の具体例について図17及び図18を用いて説明する。なお、以下に説明する内容は、図16のシーケンス図のステップS361において更新管理部310によって実行される処理の詳細である。
図17は、第4の実施形態におけるプログラムの更新可否判断の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
更新管理部310は、画像形成装置4の本体を含むすべての機能ユニットへの更新可否問合せの要求に対する各機能ユニットからの応答を受信すると(図16のステップS301〜S306)、組合せ条件による更新可否判断を開始する(ステップS3611、すなわち図16のステップS361)。
続いて、更新管理部310は、組合せ条件による更新可否判断で更新可と応答した機能ユニット(すなわち、更新対象の候補の機能ユニット)ごとにステップS3613〜S3617を含むループ処理L1を実行する(ステップS3612)。以下、ループ処理L1において処理対象とされている機能ユニットを「対象ユニット」という。
続いて、更新管理部310は、更新可と応答した機能ユニットのうち、更新対象の機能ユニットに対して、組合せ条件が設定されているか否かを判定する(ステップS3613)。
図18は、第4の実施形態におけるプログラムの更新処理に係る組合せ条件の一例を示す図である。図18に示されるように、組合せ条件は、適用対象、適用バージョン、条件ユニットバージョン等の項目を含む。
適用対象は、当該組合せ条件が適用される機能ユニットを示す。適用バージョンは、当該機能ユニットについて、当該組合せ条件が適用されるバージョンを示す。条件ユニットバージョンは、当該機能ユニットが適用バージョンに更新された場合に、バージョンに条件が課せられる他の機能ユニット(以下、「条件ユニット」という。)と、当該条件ユニットが満たすべきバージョン(以下、「条件バージョン」という。)を示す。
図18では、製本ユニット14のプログラムバージョンを1.04に更新するためには、パンチ/ステープルユニット15のバージョンが1.02以上であることを条件とする組合せ条件が示されている。このように指定されている理由のひとつは、互いに関連する機能ユニット間においては、それぞれのバージョンの番号(版)が所定の値以内に収まっていないと互いの機能の保証ができなくなる(互換性が維持できなくなる)場合があるからである。
対象ユニットに対して組合せ条件が設定されていない場合(すなわち、「適用対象」が対象ユニットを示す組合せ条件が無い場合)(ステップS3613でNo)、更新管理部310は、対象ユニットについてステップ3614以降は実行しない。
一方、対象ユニットに対して組合せ条件が設定されている場合(すなわち、「適用対象」が対象ユニットを示す組合せ条件が有る場合)(ステップS3613でYes)、更新管理部310は、当該組合せ条件(以下、「対象組合せ条件」という。)に係る条件ユニットの現在のバージョンが条件バージョン以上であるか否かを判断する(ステップS3614)。
条件ユニットの現在のバージョンが条件バージョン以上である場合(ステップS3614でYes)、更新管理部310は、対象ユニットについてステップ3615以降は実行しない。
一方、条件ユニットの現在のバージョンが条件バージョン未満である場合(ステップS3614でNo)、更新管理部310は、条件ユニットがプログラム更新可能であるか否か(すなわち、条件ユニットが更新可の応答をしたか否か)を判定する(ステップS3615)。
条件ユニットがプログラム更新可能である場合(ステップS3615でYes)、更新管理部310は、条件ユニットの更新後のバージョンが条件バージョン以上であるか否かを判定する(ステップS3616)。
条件ユニットの更新後のバージョンが条件バージョン以上である場合(ステップS3616でYes)、更新管理部310は、対象ユニットについてステップS3617は実行しない。
一方、条件ユニットがプログラム更新可能でない場合(ステップS3615でNo)、又は条件ユニットの更新後のバージョンが条件バージョン以上でない場合(ステップS3616でNo)、更新管理部310は、対象ユニットを更新対象の候補から除外する(ステップS3617)。
更新可能な全ての機能ユニットについてループ処理L1が実行されると、図17の処理(すなわち、図16のステップS361)は終了する。
なお、組合せ条件が存在する機能ユニットのプログラム更新については、画像形成装置4の更新管理部310によって、更新後のプログラムの動作が所定の条件を満たし、プログラム更新後の画像形成システム1の動作に影響がないと判断される場合は、更新管理部310は、プログラム更新の対象となる機能ユニット間において、プログラム更新を可能と判断するようにしても良い。
例えば、更新後のプログラムのバージョンでも更新対象の更新後のバージョンと組合せ条件を満たさないが、画像形成システム1の動作上問題にならない程度の影響であると判断された場合は、更新管理部310は、対象機能ユニットのプログラム更新を可能として更新処理を実行する。但し、その場合はプログラム更新後に画像形成システム1の操作者やユーザ等に、その旨を知らせる機能と併用する方が望ましい。
ここでは、更新管理部310は、ステップS361での処理結果に基づいて、製本ユニット14がプログラムの更新対象の候補から除外されたこととする。したがって、ステップS401では、製本ユニット14と更新可否問合せにおいて更新不可となったパンチ/ステープルユニット15以外の機能ユニットを動作させる各更新プログラムが、更新データ受信部320を介して取得される。
続いて、更新管理部310は、第3の実施形態と同様に、ステップS402及びステップS403の処理を実行し、図19に示すようにプログラム更新開始画面510を表示する。
図19は、第4の実施形態におけるプログラム更新開始画面の表示例を示す図である。
図19では、更新管理部310によってステップS361が実行された後、ステップS403で操作部11の表示制御部380によって表示されるプログラム更新開始画面510が示されている。パンチ/ステープルユニット15が更新可否の問合せで更新不可を応答し、その結果として、製本ユニット14の組合せ条件が満たされないため、図19のプログラム更新開始画面510では、これら双方の機能ユニットがグレーアウト表示される。
より詳細には、プログラム更新対象の候補としての選択が不可となる製本ユニット14及びパンチ/ステープルユニット15を除いた画像形成装置4の本体、給紙ユニットA12、給紙ユニットB13及び排紙スタッカーユニット16が更新対象の候補として●表示される。
ここで、操作者によってプログラム更新開始画面510の詳細ボタン(キー)512が押下されると、表示制御部380は、操作パネル140のパネル表示部aに図20のプログラム更新可否画面610を表示する。
図20は、第4の実施形態におけるプログラム更新可否画面の表示例を示す図である。図20のプログラム更新可否画面610では、製本ユニット14及びパンチ/ステープルユニット15のイメージ並びに関連するメッセージの一例がそれぞれグレーアウト表示される。
操作者によって、プログラム更新可否画面610の戻るボタン(キー)613が押下されると、表示制御部380は、パネル表示部140aの表示対象を図19のプログラム更新開始画面510に戻す。
その後、表示制御部380は、プログラム更新開始画面510に対して、操作者によって更新対象の候補として選択された画像形成装置4の本体及び給紙ユニットB13を●表示し、他に選択可能で且つ更新対象の候補として選択されなかった給紙ユニットA12、排紙/ステープルユニットを○表示する(図7と同様)(ステップS501、S502)。
<プログラム更新処理>
その後、操作制御部370は、操作者によるプログラム更新開始画面510の実行ボタン(キー)513の押下を受け付け、検出する(ステップS601)。
操作制御部370は、ステップS601において操作者による実行ボタン(キー)513の押下を検出すると、更新実行要求に対応するデータを生成し、操作部11の送受信部350bを介して画像形成装置4の送受信部350aに送信する(ステップS602)。この場合の更新実行要求に対応するデータとは、画像形成装置4の本体及び給紙ユニットB13の各プログラムの更新を実行するためのデータである。
更新管理部310は、送受信部350aを介して更新実行要求に対応するデータを取得し、そのデータに含まれる更新対象として選択された画像形成装置4の本体及び給紙ユニットB13を更新対象として認識する。
これにより、更新処理部340a及び更新処理部340cは、画像形成装置4の本体及び給紙ユニットB13の各機能ユニットを動作させるプログラムを更新する(ステップS602〜S607)。
プログラム更新の終了処理は、第1〜第3の実施形態のステップS701、S702と同様である。
以上説明したように第4の実施形態によれば、組合せ条件が設定された機能ユニットに対して、当該組合せ条件の充足の有無が判定され、当該組合せ条件が充足されない場合には当該機能ユニットについてプログラムの更新を不可とするようにした。このようにすることで、画像形成システム1において、プログラムバージョンの組合せ条件に依存しない機能ユニットに対してプログラム更新を行うことができ、さらに更新後の画像形成システム1の動作も保証することが可能になる。
●第5の実施形態●
これまでの実施形態では、画像形成システム1の各機能ユニットに対するプログラム更新について説明したが、これに限るものではなく、画像形成前処理システム2や画像形成後処理システム3における各機能ユニット間だけでプログラム更新処理が実行されるケースが適用されても良い。
このように、各機能ユニット間だけでプログラム更新の可否判断や更新処理を行うようにする狙いは以下のとおりである。画像形成システム1、画像形成前処理システム2又は画像形成後処理システム3のいずれかのシステムで本実施形態におけるプログラム更新が行われる場合、画像形成装置4の更新管理部310は、他の機能ユニットの更新可否判断部330や更新処理部340に比べて処理負荷が大きくなる。それは、画像形成装置4の更新管理部310の機能を担うCPU101は、画像形成装置4のみならず、システム全体を制御する制御ユニットとしても機能するためである。この傾向は、商用・産業用印刷機など一般的なMFPと比べて大きな構造のシステムの下ではさらに顕著になると考えられる。
そこで、画像形成装置4の更新管理部310の負荷を軽減するために、各機能ユニットにも更新管理部310に相当する機能を持たせるか、又は、例えば更新可否判断部330と更新処理部340が協働することで画像形成装置4の本体の制御(CPU101による制御)に依存せず、それぞれのシステムにおいてプログラム更新処理を実行可能とする実施形態が提案されても良い。
上述したように、画像形成装置4の本体の制御に依存しないいくつかのケースを考える。以下に例示するケースは、画像形成前処理システム2において、それぞれの機能ユニット(給紙ユニットA12及び給紙ユニットB)に、第4の実施形態で説明した画像形成装置4の更新管理部310と同等の機能を持つことを前提としている。
第4の実施形態で説明したように、プログラムバージョンの組合せ条件が設定されている場合を考える。その一つ目として、例えば以下の条件で、給紙ユニットA12に設けられた更新管理部310aが給紙ユニットB13の現在のプログラムバージョンを給紙ユニットBの更新処理部340cから取得して確認し、給紙ユニットB13のプログラムバージョンが1.00だから、給紙ユニットA12は更新可能であると判断しても良い。
現在 更新データ(条件)
給紙ユニットA12 1.00 1.01(給紙ユニットB13のバージョンが1.00以上であること)
給紙ユニットB13 1.00 1.01(条件なし)
なお、上述した実施形態における各種の処理は、第1〜第4の実施形態におけるシーケンスチャートと共通な部分はそのまま流用可能であるとする。
また、プログラムバージョンの組合せ条件が設定されている場合の二つ目として、画像形成前処理システム2において、以下の条件では給紙ユニットA12に設けられた更新管理部310aは更新可能と判断するべきであるが、それを判断するには、給紙ユニットA12は給紙ユニットB13の現在のプログラムバージョンを見ただけでは不十分で、給紙ユニットB13の更新後のプログラムバージョンが必要となる。
現在 更新データ(条件)
給紙ユニットA12 1.00 1.01(給紙ユニットB13のバージョンが1.01以上であること)
給紙ユニットB13 1.00 1.01(条件なし)
上記のような条件の場合、第4の実施形態で説明したように画像形成装置4の本体に設けられた更新管理部310は給紙ユニットB13の状態を知り得るが、給紙ユニットA12は給紙ユニットB13の状態を知り得ないという状況が発生する。そのため、給紙ユニットA12にも更新管理部310aを設け、給紙ユニットB13の現在及び更新後のプログラムのバージョンを把握できるような仕組みを設ける。例えば、給紙ユニットA12の更新管理部310aは、給紙ユニットB13の更新処理部340cと独立して通信を行い、給紙ユニットB13の現在、及び更新後のプログラムのバージョンを把握できるようにしておく。
このような仕組みにより、上記のような条件でも給紙ユニットA12と給紙ユニットB13のみでプログラムの更新における更新可否の判断及び更新処理が可能となる。
なお、上述した実施形態における各種の処理は、第1〜第4の実施形態におけるシーケンスチャートと共通な部分はそのまま流用可能であるとする。
さらに、プログラムバージョンの組合せ条件が設定されている場合の三つ目として、以下の条件では、プログラムの更新対象が自身の更新条件とは関係ない第3の機能ユニットを更新しようとしているバージョンまで考えなければならない。ここでの機能ユニットは、画像形成後処理システム3の製本ユニット14、パンチ/ステープルユニット15及び排紙スタッカーユニット16である。
現在 更新データ(条件)
製本ユニット14 1.00 1.01(パンチ/ステープルユニット15のバージョンが1.01以上であること)
パンチ/ステープルユニット15 1.00 1.01(排紙スタッカーユニット16のバージョンが1.01以上であること)
排紙スタッカーユニット16 1.00 1.01(製本ユニット14のバージョンが1.01以上であること)
上記のような場合、プログラムバージョンの組合せ条件がある場合の二つ目の例に加えて、製本ユニット14,パンチ/ステープルユニット15及び排紙スタッカーユニット16、すなわち全ての機能ユニットに画像形成装置4の更新管理部310に相当する更新管理部310c、310d、310eを設け、互いの機能ユニットの現在及び更新後のプログラムのバージョンが把握できるような仕組みを設けておく。
このような仕組みにより、上記のような条件でもそれぞれの機能ユニット間のみでプログラムの更新における更新可否の判断及び更新処理が可能となる。
なお、上述した実施形態における各種の処理は、第1〜第4の実施形態におけるシーケンスチャートと共通な部分はそのまま流用可能であるとする。
以上説明したように第5の実施形態によれば、画像形成装置4の本体を含まない画像形成前処理システム2又は画像形成後処理システム3において、プログラムバージョンの組合せ条件が設定されている機能ユニットに対してプログラムの更新可否を判断し、必要に応じてプログラムの更新を不可とするようにした。このようにすることで、画像形成前処理システム2又は画像形成後処理システム3において、プログラムバージョンの組合せ条件に依存しない機能ユニットに対して画像形成装置4に依存せずにプログラム更新を行うことができ、さらに更新後の画像形成前処理システム2又は画像形成後処理システム3の動作も保証することが可能になる。
<本実施形態の主な効果>
以上説明したように本実施形態によれば、情報処理装置と通信可能な各機能ユニットを動作させるためのプログラムの更新可否を把握しやすくすることができる。
〔補足〕
上述した各実施形態では、情報処理装置として電子写真方式を利用した画像形成装置(MFP)、産業用印刷機、商用印刷機、等を例にして説明したが、これらに限定されない。本実施形態の情報処理装置は、画像形成システム1に示したように、機能ユニットと通信が可能な構成を備えるものであればその種類を問わず、パーソナルコンピュータ(PC)と接続して通信を行うインタラクティブホワイトボード(IWB)やプロジェクタ等の通信機器(装置)でも良い。
また、上述した各実施形態における機能ユニットについても、画像形成処理に係るものに限定されず、例えば、互いの機器(装置)との間で通信や認証等が実行される機能ユニットでも良い。
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
なお、表示制御部380は、表示制御手段の一例である。
以上、各実施形態に基づき本実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。