JP2021009972A - 熱伝導成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸方向に対して交差する向き、すなわち径方向の優れた熱伝導性を有する熱伝導成形体を提供することを目的とする。【解決手段】厚み方向yの熱伝導率に対して主面方向x,zの熱伝導率が高い帯状の膨張黒鉛シート10を主面10aが径方向に積層されるように巻き回すとともに、少なくとも軸方向cに圧縮形成された平面視円環状の熱伝導成形体1であって、帯状の膨張黒鉛シート10に形成された長手方向xに沿う曲げ誘導部11,12によって屈曲し、主面10aが軸方向cに対して交差する向きに配置されたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

この発明は、膨張黒鉛シートで構成した熱伝導成形体に関し、詳しくは、厚み方向の熱伝導率に対して主面方向の熱伝導率が高いシート状の膨張黒鉛シートを主面が径方向に積層されるように巻き回すとともに、少なくとも軸方向に圧縮形成された平面視円環状の熱伝導成形体に関する。
従来より、例えば、インジェクタ装置やインバータ制御部品などにおける加熱部分を冷却する冷却部等には、放熱性の高い熱伝導成形体が放熱体として用いられる。
一方、熱伝導性に優れている膨張黒鉛は、例えば、電子部品からの発熱を拡散するための放熱シートの材料としても利用される(特許文献1参照)。
しかしながら、このようなシート状の膨張黒鉛は、厚み方向の熱伝導性が主面方向の熱伝導性に比べておよそ1/25程度しかない異方性を有する。例えば、帯状の膨張黒鉛シートを渦巻き状に巻き回して、所定の高さを有する熱伝導成形体を構成すると、熱伝導成形体を構成する膨張黒鉛シートの主面が高さ方向(軸方向)に向くため、高さ方向(軸方向)の熱伝導性は確保できる。しかしながら、高さ方向(軸方向)に交差する径方向がシート状の膨張黒鉛の厚み方向となるため、径方向の熱伝導性を確保できず、熱伝導成形体の要求を満足することができなかった。
特開2005−229100号公報
そこで、本発明は、軸方向に対して交差する向き、すなわち径方向の優れた熱伝導性を有する熱伝導成形体を提供することを目的とする。
この熱伝導成形体は、厚み方向の熱伝導率に対して主面方向の熱伝導率が高いシート状の膨張黒鉛シートを主面が径方向に積層されるように巻き回すとともに、少なくとも軸方向に圧縮形成された平面視円環状の熱伝導成形体であって、前記膨張黒鉛シートに形成された長手方向に沿う曲げ誘導部によって屈曲し、前記主面が前記軸方向に対して交差する向きに配置されたことを特徴とする。
この熱伝導成形体によれば、軸方向に対して交差する向き、すなわち径方向において優れた熱伝導性を発揮することができる。
詳述すると、厚み方向の熱伝導率に対して主面方向の熱伝導率が高い膨張黒鉛シートを、主面が径方向に積層されるように巻き回すとともに、少なくとも軸方向に圧縮形成して平面視円環状の熱伝導成形体を構成する。
また、軸方向に圧縮する際に、前記膨張黒鉛シートに形成された長手方向に沿う曲げ誘導部によって、前記膨張黒鉛シートは曲げが誘発されて円滑に屈曲し、熱伝導率が高い主面が軸方向に対して交差する向きである径方向に配置されることとなる。そのため、熱伝導成形体は径方向の熱伝導性を確保することができる。
本発明により、軸方向に対して交差する向き、すなわち径方向の優れた熱伝導性を有する熱伝導成形体を提供することができる。
膨張黒鉛シート及び熱伝導成形体についての説明図 膨張黒鉛シートの斜視図 図2の部分拡大斜視図 曲げ誘導部を示す膨張黒鉛シートの幅方向断面図 膨張黒鉛シートの渦巻き状の巻き回し状態を示す概略斜視図 図5の片側縦断面図 熱伝導成形体の成形金型を示す断面図 熱伝導成形体の製造方法についての説明図 熱伝導成形体の製造方法についての説明図 他の実施形態の曲げ誘導部及び可撓性向上部を示す断面図
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は膨張黒鉛シート10及び熱伝導成形体1についての説明図を示し、図2は膨張黒鉛シート10の斜視図を示し、図3は図2の部分拡大斜視図を示している。また、図4は曲げ誘導部11,12が形成された膨張黒鉛シート10の幅方向断面図を示し、図5は渦巻き状に巻き回された膨張黒鉛シート10の概略斜視図を示し、図6は図5の軸方向断面図を示している。
さらに、図7は熱伝導成形体1の成形金型90の断面図を示し、図8,図9は熱伝導成形体1の製造方法についての説明図を示し、図10は他の実施形態の曲げ誘導部及び可撓性向上部の断面図を示している。
詳述すると、図1(a)は熱伝導成形体1を構成する膨張黒鉛シート10の斜視図を示し、図1(b)は熱伝導成形体1の一部を切り欠いた状態の一部断面斜視図を示している。図2は曲げ誘導部11,12及び可撓性向上部20が形成された膨張黒鉛シート10の斜視図を示し、図3は図2の部分拡大斜視図を示している。
図4(a)は三角波形状の曲げ誘導部11,12が形成された膨張黒鉛シート10の幅方向断面図を示し、図4(b)は正弦波形状の曲げ誘導部11,12が形成された膨張黒鉛シート10の幅方向断面図を示している。
図5は帯状の膨張黒鉛シート10を主面10aが径方向に積層されるように渦巻き状に巻き回した状態の概略斜視図を示し、図6は図5の片側縦断面図を示している。
図7は熱伝導成形体1を成形する成形金型90の断面図を示し、図8は図7の成形金型90における成形空間96に渦巻き状に巻き回した膨張黒鉛シート10をセットした状態の断面図を示している。また、図9(a)は成形空間96内にセットした膨張黒鉛シート10の圧縮中途状態の断面図を示し、図9(b)は成形空間96内にセットした膨張黒鉛シート10の圧縮完了状態の断面図を示している。
図10(a)は台形波形状の曲げ誘導部の断面図を示し、図10(b)は図10(a)のA−A線矢視断面図を示し、図10(c)は溝部15,16による曲げ誘導部の断面図を示し、図10(d)は図10(c)のB−B線矢視断面図を示している。
また、図10(e)は径方向内方に形成したスリット17による曲げ誘導部の断面図を示し、図10(f)は図10(e)のC−C線矢視断面図を示している。図10(g)は径方向外方に形成したスリット18による曲げ誘導部の断面図を示し、図10(h)は図10(g)のD−D線矢視断面図を示している。
なお、図2、図3においては図示の便宜上、膨張黒鉛シート10の厚みを省略した状態で示している。また、図5においては膨張黒鉛シート10の厚み、曲げ誘導部11,12及び可撓性向上部20の図示を省略した状態で示している。
熱伝導成形体1は、例えば、インジェクタ装置における冷却部に用いられ、径方向の熱伝導性が高い成形体であり、図1(b)に示すように、所定の高さhを有する平面視円環状に形成されている。
なお、本実施形態における一例として、熱伝導成形体1は、高さhが約13mm、径方向の内径が約7mm、外径が約13mmの円環状に形成されている。
このように形成される熱伝導成形体1は、図1(a)に図示する膨張黒鉛シート10を、図5に示すように渦巻き状に巻き回すとともに、軸方向cに圧縮され、一体化されている。
なお、熱伝導成形体1を構成する膨張黒鉛シート10には、後述する曲げ誘導部11,12及び可撓性向上部20が形成されている(図2、図3参照)。
膨張黒鉛シート10は、主面10aに対して適宜の厚みt(本実施形態では、t=約0.4mm)を有し、後述する主面方向x,zに所定の長さを有する帯状のシートである。本実施形態において、図1(a)に図示するように、膨張黒鉛シート10の厚みtに沿う方向を厚み方向yとし、厚み方向yに直交するとともに、互いに直交する二方向を主面方向x,zとしている。
これら主面方向x,zのうちの一方の主面方向xは帯状の膨張黒鉛シート10の長手方向であり、他方の主面方向zは帯状の膨張黒鉛シート10の幅方向である。なお、以下の説明では、主面方向xを長手方向xとし、主面方向zを幅方向zとする場合もある。
このような膨張黒鉛シート10は、厚み方向yの熱伝導率が、主面方向x,zの熱伝導率に対して約1/25以下であり、熱伝導率に関して異方性を有している。
なお、本実施形態で用いる厚みtが約0.4mmの膨張黒鉛シート10では、21℃の環境において主面方向x,zの熱伝導率が約138W/m・Kであるのに対し、厚み方向yの熱伝導率は約5W/m・Kであり、1/25以下でとなる。
次に、このように主面方向x,zの熱伝導率に対して厚み方向yの熱伝導率が低い帯状の膨張黒鉛シート10を用いることによって、径方向の伝導性が高い熱伝導成形体1の製造方法について図2乃至図9とともに説明する。
まず、図2、図3、及び図4(a)に示すように、帯状の膨張黒鉛シート10に長手方向xに沿う曲げ誘導部11,12を形成するとともに、帯状の膨張黒鉛シート10の幅方向zに沿う可撓性向上部20を形成する。
図4(a)に示すように、曲げ誘導部11,12は、膨張黒鉛シート10の幅方向zの断面形状において、曲げ誘導部11,12を断面変化部とする三角波形状の波形に形成される。また、曲げ誘導部11,12は、膨張黒鉛シート10において、長手方向xに沿ってそれぞれ平行となるとともに、幅方向zにおいて等間隔で複数形成されている。
可撓性向上部20は、帯状の膨張黒鉛シート10の幅方向zに沿って形成されるとともに、膨張黒鉛シート10の長手方向xに複数連続的に設けられている。なお、本実施形態では、各可撓性向上部20は断面三角波形状に形成されている。
曲げ誘導部11,12及び可撓性向上部20は、帯状の膨張黒鉛シート10を、ロール成形金具を用いて、同時または別時に形成することができる。なお、膨張黒鉛シート10を成形する際に曲げ誘導部11,12及び可撓性向上部20を形成してもよい。
詳しくは、図4(a)に示すように、膨張黒鉛シート10の幅方向zにおいて三角波のピッチをPzとするとき、半ピッチ(Pz/2)毎に曲げ誘導部11,12を形成する。なお、このように曲げ誘導部11,12が形成された膨張黒鉛シート10を用いた熱伝導成形体1では、一方の曲げ誘導部11が平面視円環状の熱伝導成形体1(図1(b)参照)の径方向内方に位置し、他方の曲げ誘導部12が径方向外方に位置するようになる。
また、一方の曲げ誘導部11が三角波の波高点に位置し、他方の曲げ誘導部12が三角波の波底点に位置するように形成している。
なお、図1(b)で示す熱伝導成形体1の径方向の幅寸法をVとするとき、Pz/2=V/2からV、すなわち、ピッチPz=幅寸法Vから幅寸法Vの2倍の範囲内に収まるように形成している。
詳述すると、膨張黒鉛シート10の幅方向zにおける三角波の半ピッチ(Pz/2)がV/2未満の場合には、主面10aが軸方向に対して配置されることとなり、充分な熱伝導性が確保できない。三角波の半ピッチ(Pz/2)がVを超過する場合には、圧縮成形時に曲げ誘導部11,12間の主面10aが、図7で示す成形金型90の成形空間96における径方向の幅寸法Vo(但し、Vo=V)に収まらなくなる。そのため、膨張黒鉛シート10において半ピッチ(Pz/2)をV/3からV/2とする。なお、本実施形態では、三角波のピッチPzを例えば、3.0mmから3.5mmに設定している。
また、曲げ誘導部11,12を構成する三角波の振幅は膨張黒鉛シート10の厚みt程度に形成する。
なお、図4(a)においては、曲げ誘導部11,12を断面変化部とする波形として、三角波を例示したが、図4(b)に示すように正弦波の波形であってもよい。図4(b)において図4(a)と同一の作用、効果を奏する部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。また、波形は三角波、正弦波の他に方形波、半円波、半長円波や放物線波などの波形であってもよい。
可撓性向上部20は、長手方向xに対する膨張黒鉛シート10の可撓性を向上するためのもので、可撓性向上部20を膨張黒鉛シート10の長手方向xに複数連続的に設けている。このように、可撓性向上部20を膨張黒鉛シート10の長手方向xに複数設けることで、膨張黒鉛シート10の長手方向xの伸縮性が確保でき、膨張黒鉛シート10の長手方向xに対する可撓性を向上することができる。
図3に示すように、可撓性向上部20は、三角波形状に形成されており、この可撓性向上部20は、膨張黒鉛シート10の長手方向xに連続して複数連続的に設けられている。同図に示すように、膨張黒鉛シート10の長手方向xにおいて三角波のピッチをPxとするとき、ピッチPxは可能な限り細かいことが好ましい。本実施形態では、厚みtが約0.4mmの膨張黒鉛シート10においてピッチPx=1mmに設定している。
なお、本実施形態では、図2に示すように、曲げ誘導部11,12及び可撓性向上部20が形成された膨張黒鉛シート10は、幅方向zの幅Wを約26mm、膨張黒鉛シート10の長手方向の長さLを約155mmの帯状に形成している。
上述のように、曲げ誘導部11,12及び可撓性向上部20が形成された膨張黒鉛シート10を、図5に示すように、主面10aが径方向に積層されるよう渦巻き状に巻き回す。本実施形態では、図5に示すように、膨張黒鉛シート10を径方向に5層構造となるよう巻き回して、平面視円環状を形成している。
渦巻き状に巻き回した膨張黒鉛シート10の断面構造は、図6に示すように、径方向に積層された内外各層の一方の曲げ誘導部11,11同士が、軸方向cに対して直交する径方向において一致する。また、内外各層の他方の曲げ誘導部12,12同士が、軸方向cに対して直交する径方向において一致する。
また、膨張黒鉛シート10には可撓性向上部20が複数設けられているため、膨張黒鉛シート10の長手方向xの伸縮性が向上し、伸縮性の向上に伴って長手方向xに対する可撓性が向上している。
このため、図2で示す帯状の膨張黒鉛シート10を、図5に示すように渦巻き状に巻き回す時、膨張黒鉛シート10に割れや折れが発生することを防止することができる。
図7において断面図を示すように、熱伝導成形体1を成形する成形金型90は、中央上部に平面視円環状のボス部91を備えた底型92と、円柱状の芯型93と、底型92の上部に設けられた外型94と、断面円環状の押型95とを備えている。芯型93の外周と外型94の内周との間には、平面視円環状の成形空間96が形成されている。
円柱状に形成された芯型93は、底型92のボス部91に保持されて上方に延びている。
底型92の上部に設けられた外型94は、芯型93の外周に所定の空間を隔てて配置されている。
断面円環状の押型95は、芯型93の外周と外型94の内周との間に形成された成形空間96において上下動可能に設けられている。
このように構成された成形金型90において、芯型93の外径は熱伝導成形体1の内径に相当する。同様に、外型94の内径は熱伝導成形体1の外径に相当し、成形空間96の径方向の幅寸法Voは熱伝導成形体1の径方向の幅寸法Vと一致する。
なお、本実施形態の一例としては、芯型93の外径は約7mmに形成されており、外型94の内径は約13mmに形成されており、成形空間96の径方向の幅寸法Voは約3mmに形成されている。
図7に示す成形金型90において、押型95を一旦上方に離型させ、成形空間96の上方を開放した状態で、成形空間96内に渦巻き状に巻き回された膨張黒鉛シート10(図5、図6参照)をセットする。
膨張黒鉛シート10は可撓性向上部20により可撓性が向上しているため、渦巻き状に巻き回された膨張黒鉛シート10は、図8に示すように、成形空間96内において片寄ることなく、各層間のクリアランスが略均等な状態で分散配置することができる。
図8に示すように、渦巻き状に巻き回された5層構造の膨張黒鉛シート10が成形金型90の成形空間96にセットされた状態では、上下方向に指向して配設された膨張黒鉛シート10の幅方向zの幅Wは、そのままの状態(圧縮されていない状態)である。
図8に示すセット状態から図9(a)に示すように、押型95を成形空間96の上方から成形空間96内に挿入し、押型95を下動させて、膨張黒鉛シート10を軸方向cに圧縮する。
膨張黒鉛シート10は、押型95の圧縮により、曲げ誘導部11,12によって略ジグザグ状に屈曲し、曲げ誘導部11,12同士の間の主面10aが軸方向cに対して交差する向きに配置される。
図9(a)に示す圧縮中途状態から図9(b)に示すように、押型95をさらに下動させ、熱伝導成形体1の高さhが所定高さ(本実施形態では約13mm)になるよう圧縮形成する。
図9(b)に示す膨張黒鉛シート10の圧縮完了時には、ジグザグ状に屈曲された上下のシート間(各層間)の隙間がなくなるとともに、各層の膨張黒鉛シート10は軸方向cに圧縮され一体化される。
また、図1(b)に示すように、曲げ誘導部11,12同士の間の主面10aが軸方向cに対して45度以上90度未満、好ましくは45度以上75度以下となる向きで配置され、熱伝導性に優れる主面方向x,zを、熱伝導成形体1の径方向に配置することができる。
図1(b)に示すように、本実施形態においては、径方向内方から径方向外方にかけて下方に傾斜する主面10aと軸方向cとの成す角度θ1が70〜75度となるように配置されている。また、同様に、径方向内方から径方向外方にかけて上方に傾斜する主面10aと軸方向cとの成す角度θ2も70〜75度となるように配置される。
本実施形態では、膨張黒鉛シート10の幅方向zの幅Wを、熱伝導成形体1の高さhで除した値である圧縮比率W/hは1.5から3.0の範囲が好ましい。本実施形態では、圧縮比率W/hを約2に設定している。
詳述すると、圧縮比率W/hが1.5未満の場合には、膨張黒鉛シート10の充分な圧着状態が確保できず、ジグザグ状に屈曲された上下のシート間に隙間が残って、熱伝導性が低下する。圧縮比率W/hが3を超過する場合には、圧縮比率が過大となって、圧縮時に膨張黒鉛シート10に割れが発生し、熱伝導性が低下する。このため、圧縮比率W/hを1.5から3.0の範囲内とすることで、熱伝導性を確保している。
このように、熱伝導成形体1は、厚み方向yの熱伝導率に対して主面方向x,zの熱伝導率が高い帯状の膨張黒鉛シート10を主面10aが径方向に積層されるように巻き回すとともに、少なくとも軸方向cに圧縮形成されて平面視円環状に形成されている。
また、熱伝導成形体1は、帯状の膨張黒鉛シート10に形成された長手方向xに沿う曲げ誘導部11,12によって屈曲し、主面10aが軸方向cに対して交差する向きに配置されている。そのため、熱伝導成形体1は、軸方向cに対して交差する向き、すなわち径方向において優れた熱伝導性を発揮することができる。
詳述すると、厚み方向yの熱伝導率に対して主面方向x,zの熱伝導率が高い帯状の膨張黒鉛シート10を、主面10aが径方向に積層されるように巻き回すとともに、少なくとも軸方向cに圧縮形成して平面視円環状の熱伝導成形体1を構成している。そのため、膨張黒鉛シート10の主面10aは軸方向cに対して交差する向き、すなわち径方向に向くこととなり、熱伝導成形体1は、径方向において優れた熱伝導性を発揮することができる。
また、帯状の膨張黒鉛シート10に形成された長手方向xに沿う曲げ誘導部11,12によって、膨張黒鉛シート10はその圧縮形成時に、曲げが誘発されて円滑に屈曲することができる。そのため、熱伝導成形体1において、熱伝導率が高い主面10aが軸方向cに対して交差する向きである径方向に配置され、熱伝導成形体1は径方向の熱伝導性を確保することができる。
また、膨張黒鉛シート10を平面視円環状となるように渦巻き状に巻き回して熱伝導成形体1を形成しているため、膨張黒鉛シート10を同心円状に配置して熱伝導成形体1を構成する構造と比べて、熱伝導成形体1の製造性の向上を図ることができる。
さらに、膨張黒鉛シート10が幅方向zの断面形状において曲げ誘導部11,12を断面変化部とする波形に形成されているため、曲げ誘導部を厚み方向yに凹む溝部やノッチ部またはスリット部とし、当該曲げ誘導部11,12と異なる構成の曲げ誘導部に構成する場合と比べて、膨張黒鉛シート10の厚みtが部分的に薄くなることがない。そのため、膨張黒鉛シート10の厚みtを一定に保ったままで曲げ誘導部11,12を形成することができる。
さらにまた、複数の曲げ誘導部11,12が長手方向xに平行で、かつ幅方向zに等間隔で形成されるため、膨張黒鉛シート10の圧縮成形時の規則性が確保でき、熱伝導成形体1の断面の均一化と、熱伝導特性の安定化とを図ることができる。
また、熱伝導成形体1の径方向に沿う断面において、曲げ誘導部11,12同士の間の主面10aが軸方向cに対して45度以上となる向きで配置されるため、厚み方向yの熱伝導率に対して主面方向x,zの熱伝導率が高い主面10aを略径方向に配置することができる。これにより、熱伝導成形体1は径方向への熱伝導性を確保することができる。
ちなみに、曲げ誘導部11,12同士の間の主面10aが軸方向cに対して45度未満となる向きに配置された場合には、主面の主たる向きが略軸方向となり、膨張黒鉛シートの厚み方向の主たる向きが径方向がとなる。そのため、熱伝導成形体1は、径方向の熱伝導率が低下し、熱伝導成形体1の要求を満たすことができなくなる。
加えて、帯状の膨張黒鉛シート10に、幅方向zに沿って形成されるとともに、長手方向xに対する膨張黒鉛シート10の可撓性を向上する可撓性向上部20が長手方向xに複数設けられている。そのため、膨張黒鉛シート10の長手方向xの伸縮性が確保でき、膨張黒鉛シート10の長手方向xに対する可撓性が向上する。
したがって、帯状の膨張黒鉛シート10をその主面10aが径方向に積層されるように巻き回す際、膨張黒鉛シート10が座屈することなく、均一な積層状態を確保することができる。
続いて、帯状の膨張黒鉛シート10に形成された長手方向xに沿う曲げ誘導部の他の実施形態について図10とともに説明する。
図10(a),(c),(e),(g)は、帯状の膨張黒鉛シート10に形成された長手方向xに沿う曲げ誘導部の他の実施形態を示している。図10(a),(c),(e),(g)はそれぞれ膨張黒鉛シート10の幅方向zの断面形状を示している。
図10(a)に示す膨張黒鉛シート10は、幅方向zの断面形状において波底部の主面10aと波高部の主面10aとを連結する立上り部13と、波高部の主面10aと波底部の主面10aとを連結する立上り部14とを幅方向zの半ピッチ(Pz/2)毎に交互に一体形成し、これら立上り部13及び立下り部14を曲げ誘導部としたものである。
図10(b)は図10(a)のA−A線矢視断面図であって、正弦波形状の可撓性向上部20が膨張黒鉛シート10の長手方向xに連続して複数設けられている。
図10(c)に示す膨張黒鉛シート10は、幅方向zの断面形状において、渦巻き状に巻き回した状態における径方向の内側に位置するV字形状の溝部15と、渦巻き状に巻き回した状態における径方向の外側に位置するV字形状の溝部16とを、幅方向zの半ピッチ(Pz/2)毎に交互に凹設形成し、これら溝部15,16を曲げ誘導部としたものである。
図10(d)は図10(c)のB−B線矢視断面図であって、正弦波形状の可撓性向上部20が膨張黒鉛シート10の長手方向xに連続して複数設けられている。
図10(e)に示す膨張黒鉛シート10は、幅方向zの断面形状において、渦巻き状に巻き回した状態における径方向の内側に位置するスリット17を、幅方向zの半ピッチ(Pz/2)毎に形成し、これらの各スリット17を曲げ誘導部としたものである。
図10(f)は図10(e)のC−C線矢視断面図であって、正弦波形状の可撓性向上部20が膨張黒鉛シート10の長手方向xに連続して複数設けられている。
図10(g)に示す膨張黒鉛シート10は、幅方向zの断面形状において、渦巻き状に巻き回した状態における径方向の外側に位置するスリット18を、幅方向zの半ピッチ(Pz/2)毎に形成し、これらの各スリット18を曲げ誘導部としたものである。
図10(h)は図10(g)のD−D線矢視断面図であって、正弦波形状の可撓性向上部20が膨張黒鉛シート10の長手方向xに連続して複数設けられている。
図10(a),(c),(e),(g)に示す膨張黒鉛シート10において、曲げ誘導部となる立上り部13、立下り部14、溝部15,16、スリット17,18の幅方向zの形成ピッチをPz/2とし、熱伝導成形体1の径方向の幅寸法をVとするとき、Pz/2=V/3からV/2の範囲内に収まるように形成している。
図10(c),(e),(g)に示す溝部15,16、スリット17,18の深さは、膨張黒鉛シート10の強度を考慮して、曲げ誘導部として機能する範囲で、膨張黒鉛シート10の厚みtの1/5以下のできるだけ浅く形成することが好ましい。
図10(a),(c),(e),(g)に示す膨張黒鉛シート10を、主面10aが径方向に積層されるよう渦巻き状に巻き回すとともに、少なくとも軸方向cに圧縮比率W/hが1.5から3.0の範囲で圧縮形成された平面視円環状の熱伝導成形体1を構成しても、図1〜図9で示した先の実施形態とほぼ同様の作用、効果を奏するため、図10において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
以上、本発明の構成と前述の実施態様との対応において、
本実施形態の厚み方向は厚み方向yに対応し、
以下同様に、
主面方向は、主面方向x,zに対応し、
膨張黒鉛シートは膨張黒鉛シート10に対応し、
軸方向は軸方向cに対応し、
長手方向は長手方向xに対応し、
曲げ誘導部は曲げ誘導部11,12、立上り部13、立下り部14、溝部15,16、スリット17,18に対応し、
軸方向に対して交差する向きは径方向に対応し、
幅方向は幅方向zに対応し、
可撓性向上部は可撓性向上部20に対応し、
熱伝導成形体は熱伝導成形体1に対応するも、
上記実施形態に限定するものではない。
上述の説明においては、可撓性向上部20を膨張黒鉛シート10の長手方向に複数連続して形成したが、間欠的に形成してもよい。また、帯状の膨張黒鉛シート10が平面視円環状となるように渦巻き状に巻き回される場合、その径方向内側に対して径方向外側は曲率半径が漸次大きくなるため、可撓性向上部20の長手方向xのピッチPxは径方向内側から径方向外側にかけて漸次または段階的に大きくなるように形成してもよい。さらに、可撓性向上部20は膨張黒鉛シート10にエンボス加工により形成された複数の凹凸部にて構成してもよい。
さらにまた、熱伝導成形体1は、熱を伝達して放熱するための放熱材であってもよく、吸熱体や熱を積極的に伝達するための熱伝達体など、用途に応じた熱伝導性を利用可能な成形体として用いてもよい。
1…熱伝導成形体
10…膨張黒鉛シート
10a…主面
11,12…曲げ誘導部
13…立上り部(曲げ誘導部)
14…立下り部(曲げ誘導部)
15,16…溝部(曲げ誘導部)
17,18…スリット(曲げ誘導部)
20…可撓性向上部
c…軸方向
x…長手方向(主面方向)
y…厚み方向
z…幅方向(主面方向)

Claims (6)

  1. 厚み方向の熱伝導率に対して主面方向の熱伝導率が高いシート状の膨張黒鉛シートを主面が径方向に積層されるように巻き回すとともに、少なくとも軸方向に圧縮形成された平面視円環状の熱伝導成形体であって、
    前記膨張黒鉛シートに形成された長手方向に沿う曲げ誘導部によって屈曲し、前記主面が前記軸方向に対して交差する向きに配置された
    熱伝導成形体。
  2. 前記膨張黒鉛シートが、平面視円環状となるように、渦巻き状に巻き回された
    請求項1に記載の熱伝導成形体。
  3. 前記膨張黒鉛シートは、幅方向の断面形状において前記曲げ誘導部を断面変化部とする波形に形成された
    請求項1又は2に記載の熱伝導成形体。
  4. 前記曲げ誘導部が、前記長手方向に沿ってそれぞれ平行となるとともに、幅方向において等間隔で複数形成された
    請求項1乃至3のうちいずれかひとつに記載の熱伝導成形体。
  5. 前記径方向に沿う断面において、
    前記曲げ誘導部同士の間の前記主面が前記軸方向に対して45度以上となる向きで配置された
    請求項3又は4に記載の熱伝導成形体。
  6. 前記膨張黒鉛シートに、幅方向に沿って形成されるとともに、前記長手方向に対する前記膨張黒鉛シートの可撓性を向上する可撓性向上部が長手方向に複数設けられた
    請求項1乃至5のうちいずれかひとつに記載の熱伝導成形体。
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