JP2021009115A - 内径測定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ただ、これら内径測定器の使用にあたっては、測定子を進退させたり、内径測定器を穴に挿入した状態である程度求心したりする作業などが必要になるので、どうしても人手による手動測定ということになる。そのため、このような内径測定器で穴の加工精度を確認するためには人手と時間がかかっていた。
まず、空気マイクロメータは、その仕組み上、非常に高価なものになってしまう。また、エアコンプレッサを用意したり整備したりしなければならない。測定能力の面でも、その仕組み上、空気マイクロメータの繰り返し精度には限界があり、また、測定範囲が極めて短い(数100マイクロメートル程度)ものとなってしまう。
軸方向に進退するロッドと、前記ロッドに連動して前記ロッドとは直交する方向に進退する測定子と、を有し、測定対象である穴の内部に挿入された状態で前記穴の内壁に前記測定子を当接させて穴の内径を測定する内径測定部と、
アクチュエータによって前記ロッドを軸方向に移動させる電動機構部と、
前記内径測定部を測定対象物に対して相対移動させて、前記内径測定部を穴に出し入れさせる移動手段と、を備える
ことを特徴とする。
前記電動機構部は、
前記ロッドの軸線と平行に設けられ、前記アクチュエータによって前記ロッドの軸線と平行に駆動させられるピストンと、
前記ロッドの軸線と平行に設けられたガイドレールにガイドされて、前記ロッドの軸線と平行に移動するスライダと、
前記ロッドの軸線と直交する方向に設けられ、前記ロッドと、前記ピストンと、前記スライダと、に接続された連結バーと、を備える
ことが好ましい。
前記移動手段は、多関節ロボットアームであって、前記多関節ロボットアームの先端に前記内径測定部が取り付けられている
ことが好ましい。
前記多関節ロボットアームと前記内径測定部との間は継手部によって連結されており、
前記継手部は、前記内径測定部が測定対象である穴の内部に挿入された状態で前記ロッドの軸線に直交する面内での前記多関節ロボットアームの先端部と前記内径測定部との相対変位を許容する
ことが好ましい。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を説明する。
本実施形態は、測定対象である穴の内径(穴径)の測定を自動化する内径測定装置100である。
図1は、内径測定装置100の全体外観図である。
内径測定装置100は、対象の穴径を自動的に測定する内径測定ユニット部110と、内径測定ユニット部110を移動させる移動手段としての多関節ロボットアーム部120と、を備える。
図2は、内径測定ユニット部110の拡大図である。
図3は、外カバー112を外して、内径測定ユニット部110の内部構造を示す図である。
内径測定部200は、筒ケース部210と、ロッド220と、測定子230と、変位検出部240と、表示ユニット部250と、を備える。
筒ケース部210の内部をロッド220が軸方向に進退する。
筒ケース部210は、上部パートを構成する上筒ケース部211と、中間パートを構成する中間筒ケース部212と、下部パートを構成する下筒ケース部213と、からなる。上筒ケース部211の下端に中間筒ケース部212が螺合され、中間筒ケース部212の下端に下筒ケース部213が螺合されている。
ロッド220は、3つのパートからなり、上段ロッド221と、中段ロッド222と、下段ロッド223と、からなる。
上段ロッド221の下端部にはバネ受け224が固定的に取り付けられている。ブッシュ214とバネ受け224との間に押しバネ225が介装されており、押しバネ225は上段ロッド221を下方に押している。
測定子230は、下筒ケース部213において120°間隔で3つ配設されている。
各測定子230は、その外端に超硬で形成された細い丸軸状の丸軸チップ231を有する。各測定子230が突出方向に前進したとき、丸軸チップ231が測定対象の内壁に当接する(例えば図5参照)。
板バネ233により、各測定子230は下筒ケース部213の内側に没入する方向に付勢されている。板バネ233の付勢力と押しバネ225の付勢力とは、変位方向変換手段を間にして、互いに反対向きである。
ただし、板バネ233の付勢力は比較的弱く、押しバネ225の力よりも弱くなるように設定されている。
ロッド220を引き上げる力を解除すると、ロッド220は押しバネ225の付勢力および自重によって下方に下がる。
このとき、測定子230はロッド220(下段ロッド223の円錐面226)に押されて、下筒ケース部213から突き出る方向に移動する。下筒ケース部213が測定対象である穴の内部に挿入されていれば、測定子230の先端の丸軸チップ231が穴の内壁に当接する(例えば図5参照。)。
変位検出部240は、メインスケール241と、検出ヘッド部242と、からなる。
メインスケール241は、中段ロッド222の側面に固定されている。
検出ヘッド部242は、検出器243と、支持基板244と、演算回路部245と、を有する。
検出器243は、メインスケール241に対向するように配置されている。検出器243は、支持基板244に支持され、支持基板244は中間筒ケース部212に固定されている。支持基板244の背面には、演算回路部245が設けられている。
例えば、光電式エンコーダであれば、検出ヘッド部242は、光源と受光素子アレイとで構成され、メインスケール241は回折格子である。
演算回路部245は、受光素子アレイで光電変換された電気信号からメインスケール241と検出器243との相対変位量を求める。
蓋部251は、中間筒ケース部212の側面の開口部に螺合して前記開口部を閉塞する。
表示部252は、蓋部251の中央領域にはめ込まれたデジタル表示式の表示部252(例えば液晶表示パネルや有機EL表示パネル)である。表示部252には、演算回路部245で求められた測定値などが表示される。
本実施例では、外カバー112に無線通信機253を付設しており、ケーブル254で無線通信機253と内径測定部200とを電気的に繋いでいる。そして、無線通信機253から測定値を外部のコンピュータ等に送信できるようになっている。
支持支柱部310のおもて面側に二つのホールドリング311が取り付けられていて、このホールドリング311が上筒ケース部211に外嵌している。これにより、支持支柱部310が内径測定部200を吊り下げるように保持している。
直動電動機構部400は、リニアアクチュエータ410と、連結バー430と、を備える。
リニアアクチュエータ410は、支持支柱部310のうら面に取り付けられ、ピストン411の移動方向はロッド220の軸線方向と平行である。リニアアクチュエータ410には、ピストン411の移動方向をガイドする案内機構部420が付設されている。
リニアアクチュエータ410の筐体において、支持支柱部310の取り付け面とは反対の面にレール421があり、このレール421にガイドされるようにスライダ422が設けられている。スライダ422とピストン411とは互いの上端が補助連結バー423によって連結されている。
リニアアクチュエータ410のピストン411が動力で押し上げられると、連結バー430とともに内径測定部200のロッド220が引き上げられる。
フローティング継手(継手部)500は、固定板510と、接続板520と、中間板530と、平行バネ540、550と、を備える。
フローティング継手500は、釣り合い位置に復帰させる付勢手段を介して固定板510と接続板520とを連結し、固定板510と接続板520との相対変位をある程度許容する。
固定板510と中間板530とは、一対の平行バネによって連結されている。固定板510と中間板530とを連結する平行バネを第1平行バネ540とする。
中間板530と接続板520とは、一対の平板状の平行バネによって連結されている。中間板530と接続板520とを連結する平行バネを第2平行バネ550とする。
第1平行バネ540の対向方向と第2平行バネ550の対向方向とは平行ではなく、ここでは、平面視したときに互いに直交する方向である。
固定板510は、支持脚部320に固定的に取り付けられている。
あるいは、内径測定装置100を加工機械のなかに組み入れてしまい、ワークにバイトで穴をあけたらすぐに内径測定部で内径を測定するようにしてもよい。穴径が設計値より小さいことがわかれば、すぐに穴をもう少し削るなどの微調整もできるようになる。
測定対象である穴を有するワーク(測定対象物)が製造ラインのコンベアベルトやレールによって搬送されてきて、内径測定装置100の正面の所定位置に運ばれてくる。
まず、リニアアクチュエータ410を作動させて、ピストン411を上方に持ち上げる。すると、ピストン411の上昇とともにロッド220が引き上げられ、測定子230が下筒ケース部213に引き込まれる方向に移動する。
ロッド220の移動に連動して測定子230がロッド220(下段ロッド223)の円錐面226に押され、測定子230が下筒ケース部213から突出する方向に移動する。
測定子230の先端の丸軸チップ231が穴の内壁に当接する(例えば図5参照)。
このとき、フローティング継手500は、ロボットアーム部120の先端と支持台座部300とがある程度相対変位することを許容するので、内径測定部200が自動求心することを妨げない。さらに、内径測定部200が穴の中心にきて、三つの測定子230が等しく内壁に当たることを確実にするため、ロボットアーム部120の先端を微小振動させて、求心を促すようにしてもよい。
リニアアクチュエータ410を再度作動させてピストン411を上昇させる。これにより、測定子230を後退させ、内壁と測定子230とを離間させる。多関節ロボットアーム部120を作動させて(例えば上昇)、内径測定ユニット部110を穴から出し、次の測定に備える。
測定子が内壁に当接するタイプの内径測定器は、比較的安価であるとともに、取り扱いやメンテナンスも容易である。これにより、小規模な加工工場などにも穴径の自動インライン測定を導入することができるようになり、大幅な生産効率の向上が期待できる。
一次元駆動装置は、コラムと、コラムに沿ってスライドするスライダと、スライダを駆動させるモータと、モータとスライダとを繋ぐ動力伝達機構(ボールネジやベルト・プーリなど)と、があればよい。さらに、求心を促すため、振動を促すような例えば振動モータ(偏心モータ)がスライダかフローティング継手(継手部)に付設されているとよい。
110…内径測定ユニット部、
112…外カバー、
120…多関節ロボットアーム部、
200…内径測定部、
210…筒ケース部、
211…上筒ケース部、212…中間筒ケース部、213…下筒ケース部、
214…ブッシュ、
220…ロッド、
221…上段ロッド、222…中段ロッド、223…下段ロッド、
224…バネ受け、225…押しバネ、
226…円錐面、
230…測定子、231…丸軸チップ、232…テーパ面、233…板バネ、
240…変位検出部、
241…メインスケール、
242…検出ヘッド部、
243…検出器、244…支持基板、245…演算回路部、
250…表示ユニット部、251…蓋部、252…表示部、
253…無線通信機、254…ケーブル、
300…支持台座部、
310…支持支柱部、311…ホールドリング、
320…支持脚部、
400…直動電動機構部(電動機構部)、
410…リニアアクチュエータ、411…ピストン、
420…案内機構部、
421…レール、422…スライダ、423…補助連結バー、
430…連結バー、
500…フローティング継手(継手部)、
510…固定板、520…接続板、530…中間板、
540…第1平行バネ
550…第2平行バネ。
Claims (4)
- 軸方向に進退するロッドと、前記ロッドに連動して前記ロッドとは直交する方向に進退する測定子と、を有し、測定対象である穴の内部に挿入された状態で前記穴の内壁に前記測定子を当接させて穴の内径を測定する内径測定部と、
アクチュエータによって前記ロッドを軸方向に移動させる電動機構部と、
前記内径測定部を測定対象物に対して相対移動させて、前記内径測定部を穴に出し入れさせる移動手段と、を備える
ことを特徴とする内径測定装置。 - 請求項1に記載の内径測定装置において、
前記電動機構部は、
前記ロッドの軸線と平行に設けられ、前記アクチュエータによって前記ロッドの軸線と平行に駆動させられるピストンと、
前記ロッドの軸線と平行に設けられたガイドレールにガイドされて、前記ロッドの軸線と平行に移動するスライダと、
前記ロッドの軸線と直交する方向に設けられ、前記ロッドと、前記ピストンと、前記スライダと、に接続された連結バーと、を備える
ことを特徴とする内径測定装置。 - 請求項1または請求項2に記載の内径測定装置において、
前記移動手段は、多関節ロボットアームであって、前記多関節ロボットアームの先端に前記内径測定部が取り付けられている
ことを特徴とする内径測定装置。 - 請求項3に記載の内径測定装置において、
前記多関節ロボットアームと前記内径測定部との間は継手部によって連結されており、
前記継手部は、前記内径測定部が測定対象である穴の内部に挿入された状態で前記ロッドの軸線に直交する面内での前記多関節ロボットアームの先端部と前記内径測定部との相対変位を許容する
ことを特徴とする内径測定装置。
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