JP2021008871A - 熱サイクルシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの廃熱回収とバッテリの温調との両方を効率的に行うことができる熱サイクルシステムを提供すること。【解決手段】熱サイクルシステム1は、エンジン2及びその排気と熱交換を行う冷却水が循環するエンジン冷却回路3と、バッテリ81と熱交換を行う作動媒体が循環するバッテリ冷却回路4と、絶縁性の有機媒体が循環するランキンサイクル回路5と、を備える。ランキンサイクル回路5の主循環流路50には、有機媒体の流れに沿って順に、有機媒体を減圧する膨張機55と、有機媒体を外気によって冷却する凝縮器56と、有機媒体を圧縮する第1ポンプ51と、有機媒体とバッテリ81の作動媒体との間で熱交換を行うチラー52と、有機媒体とエンジン2の冷却水との間で熱交換を行う熱交換器53及び蒸発器54と、が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、熱サイクルシステムに関する。より詳しくは、内燃機関の冷却回路と、ランキンサイクル回路と、を備える熱サイクルシステムに関する。
近年、ランキンサイクルを利用して、車両の内燃機関の廃熱から機械エネルギや電気エネルギを取り出す廃熱回収システムの開発が進められている。このような廃熱回生システムにおいて、廃熱からエネルギを取り出すランキンサイクルは、作動媒体を圧送するポンプと、作動媒体を内燃機関の廃熱で加熱する熱交換器と、熱交換器によって加熱された作動媒体を膨張させることにより機械エネルギや電気エネルギを発生する膨張機と、膨張機によって膨張された作動媒体を凝縮させるコンデンサと、を備えるランキンサイクル回路によって実現される(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−118754号公報
ところで駆動力発生源として内燃機関の他、電動機を備える所謂ハイブリッド車両には、電動機に電力を供給するバッテリを好ましい温度に維持するバッテリ温調システムが搭載される。しかしながら従来では、内燃機関の廃熱回収とバッテリの温調との両方を効率的に行うためには、バッテリ温調システムとランキンサイクル回路とをどのように組み合わせればよいか十分に検討されていなかった。
本発明は、内燃機関の廃熱回収とバッテリの温調との両方を効率的に行うことができる熱サイクルシステムを提供することを目的とする。
(1)本発明に係る熱サイクルシステム(例えば、後述の熱サイクルシステム1,1A)は、内燃機関(例えば、後述のエンジン2)及びその排気と熱交換を行う冷却水が循環する内燃機関冷却回路(例えば、後述のエンジン冷却回路3)と、絶縁性の有機媒体が循環するランキンサイクル回路(例えば、後述のランキンサイクル回路5,5A)と、を備えるものであって、前記ランキンサイクル回路の循環流路(例えば、後述の主循環流路50,50A)には、有機媒体の流れに沿って順に、有機媒体を減圧する膨張機(例えば、後述の膨張機55、圧縮膨張機59)と、有機媒体を外気によって冷却する凝縮器(例えば、後述の凝縮器56)と、有機媒体と電気装置(例えば、後述のバッテリ81)又は当該電気装置と熱交換可能な作動媒体との間で熱交換を行う第1熱交換部(例えば、後述のチラー52及びバッテリ容器65)と、有機媒体と冷却水との間で熱交換を行う第2熱交換部(例えば、後述の熱交換器53及び蒸発器54)と、が設けられていることを特徴とする。
(2)この場合、前記熱サイクルシステムは、前記ランキンサイクル回路を操作する制御装置(例えば、後述の制御装置7,7A)をさらに備え、前記循環流路のうち前記凝縮器と前記第1熱交換部との間には有機媒体を圧縮するポンプ(例えば、後述の第1ポンプ51及び第2ポンプ64)が設けられ、前記制御装置は、前記電気装置又は作動媒体が前記第1熱交換部において有機媒体の顕熱によって冷却されかつ冷却水が前記第2熱交換部において有機媒体の潜熱によって冷却されるように前記ポンプを操作することが好ましい。
(3)この場合、前記熱サイクルシステムは、前記電気装置と熱交換を行う作動媒体が循環する電気装置冷却回路(例えば、後述のバッテリ冷却回路4)を備え、前記電気装置冷却回路を循環する作動媒体は、前記第1熱交換部において有機媒体と熱交換可能であることが好ましい。
(4)この場合、前記熱サイクルシステムは、前記膨張機に接続されたモータジェネレータ(例えば、後述のモータジェネレータ57)をさらに備えることが好ましい。
(1)本発明の熱サイクルシステムは、内燃機関及びその排気と熱交換を行う冷却水が循環する内燃機関冷却回路と、絶縁性の有機媒体が循環するランキンサイクル回路と、を備える。またランキンサイクル回路の循環流路には、有機媒体の流れに沿って順に、有機媒体を減圧する膨張機と、有機媒体を外気によって冷却する凝縮器と、有機媒体と電気装置又はこの電気装置と熱交換可能な作動媒体との間で熱交換を行う第1熱交換部と、有機媒体と冷却水との間で熱交換を行う第2熱交換部と、が設けられている。例えば電気装置と内燃機関との両方を搭載する車両では、多くの状況において温度帯は電気装置よりも内燃機関の方が高い。そこで本発明では、内燃機関よりも温度帯が低い電気装置又はその作動媒体と熱交換を行う第1熱交換部を、内燃機関の冷却水と熱交換を行う第2熱交換部よりも凝縮器に近い方に設ける。よって本発明によれば、膨張機、凝縮器、第1熱交換部、及び第2熱交換部の順で有機媒体を循環させることにより、第1熱交換部においてより温度帯の低い電気装置又はその作動媒体を冷却した後、第1熱交換部における熱交換によって加温された有機媒体でより温度帯の高い内燃機関の冷却水をさらに冷却できる。よって本発明によれば、ランキンサイクル回路を循環する有機媒体で、温度帯が異なる電気装置と内燃機関との両方を効率的に冷却できる。
(2)本発明の熱サイクルシステムにおいて、制御装置は、電気装置又はその作動媒体が第1熱交換部において有機媒体の顕熱によって冷却されかつ内燃機関の冷却水が第2熱交換部において有機媒体の潜熱によって冷却されるようにポンプを操作する。ここで有機媒体の潜熱によって冷却する場合、有機媒体の温度を所定の目標温度で一定に維持できるため、顕熱によって冷却する場合よりも効率的に冷却することができる。よって本発明によれば、循環流路を循環する有機媒体によって、電気装置と、これより温度帯が高い内燃機関との両方を効率的に冷却することができる。
(3)本発明の熱サイクルシステムは、電気装置と熱交換を行う作動媒体が循環する電気装置冷却回路を備える。また本発明において、電気装置冷却回路を循環する作動媒体は、第1熱交換部において有機媒体と熱交換可能とする。これにより、例えばランキンサイクル回路において有機媒体を循環させながら電気装置冷却回路における作動媒体の循環を停止することにより、内燃機関のみを積極的に冷却することができる。
(4)本発明の熱サイクルシステムは、膨張機に接続されたモータジェネレータをさらに備える。これにより、膨張機、凝縮器、第1熱交換部、及び第2熱交換部の順で有機媒体を循環させながらモータジェネレータをジェネレータとして機能させることにより、第1及び第2熱交換部における熱交換によって加温された有機媒体を膨張機において減圧する過程で、電気装置及び内燃機関の廃熱の一部を電気エネルギとして回収することができる。また本発明の熱サイクルシステムによれば、第1及び第2熱交換部において有機媒体と電気装置や冷却水との間で効果的な熱交換が行われるように、モータジェネレータを用いて第1及び第2熱交換部における有機媒体の圧力を制御することもできる。
本発明の第1実施形態に係る熱サイクルシステムの構成を示す図である。 ハイブリッド冷却モードで実現される有機媒体の流れを示す図である。 ハイブリッド冷却モードの実行時にランキンサイクル回路において実現される熱サイクルのモリエル線図である。 本発明の第2実施形態に係る熱サイクルシステムの構成を示す図である。 ハイブリッド冷却モードで実現される有機媒体の流れを示す図である。 ハイブリッド冷却モードの実行時にランキンサイクル回路において実現される熱サイクルのモリエル線図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る熱サイクルシステム1の構成を示す図である。熱サイクルシステム1は、内燃機関2(以下、「エンジン2」という)及び駆動モータ(図示せず)を駆動発生源とするハイブリッド車両に搭載される。
熱サイクルシステム1は、エンジン2を冷却する冷却水が循環するエンジン冷却回路3と、上述の駆動モータに電力を供給するバッテリ81を冷却する作動媒体が循環するバッテリ冷却回路4と、絶縁性の有機媒体が循環するランキンサイクル回路5と、これらエンジン冷却回路3、バッテリ冷却回路4及びランキンサイクル回路5を操作する制御装置7と、を備える。
エンジン冷却回路3は、エンジン2及びその排気と熱交換を行う冷却水が循環する冷却水の循環流路33と、この循環流路33に設けられた複数の装置によって構成される。より具体的には、エンジン冷却回路3は、ランキンサイクル回路5に設けられる後述の熱交換器53及び蒸発器54を流路に含む循環流路33と、この循環流路33の一部である第1冷却水流路31と、循環流路33の一部である第2冷却水流路32と、循環流路33において冷却水を圧送する第1ウォータポンプ35及び第2ウォータポンプ36と、循環流路33を流れる冷却水によってキャビンを加温するヒータコア37と、循環流路33のうち第2冷却水流路32、第2ウォータポンプ36、及びヒータコア37を迂回するバイパス流路34と、を備える。
第1冷却水流路31は、エンジン2のシリンダブロックに形成された冷却水の流路であり、冷却水とエンジン2との間の熱交換を促進する。第2冷却水流路32は、冷却水と排気との間の熱交換を促進する冷却水の流路である。この第2冷却水流路32は、排気管のうち排気浄化触媒21よりも下流側に形成される。熱交換器53及び蒸発器54は、感情の循環流路33において、第1ウォータポンプ35及び第2ウォータポンプ36で冷却水を循環させた場合に第2冷却水流路32及びヒータコア37より下流側でありかつ第1冷却水流路31より上流側であるような位置に設けられる。
第1ウォータポンプ35は、循環流路33のうち熱交換器53及び蒸発器54と第1冷却水流路31との間に設けられる。第1ウォータポンプ35は、制御装置7からの制御信号に応じて作動し、循環流路33内において熱交換器53及び蒸発器54側から第1冷却水流路31側へ冷却水を圧送する。
バイパス流路34は、循環流路33のうち、第1冷却水流路31と第2冷却水流路32との間の第1分岐部38と、熱交換器53及び蒸発器54の間の第2分岐部39とを接続する。このため第1冷却水流路31から流出する冷却水の一部は、このバイパス流路34を介して熱交換器53へ還流される。
第2ウォータポンプ36は、循環流路33のうち第1分岐部38と第2冷却水流路32との間に設けられる。第2ウォータポンプ36は、制御装置7からの制御信号に応じて作動し、循環流路33内において第1冷却水流路31側から第2冷却水流路32側へ冷却水を圧送する。
バッテリ冷却回路4は、バッテリ81と熱交換を行う作動媒体が循環する作動媒体の循環流路41と、この循環流路41に設けられた複数の装置によって構成される。より具体的には、バッテリ冷却回路4は、ランキンサイクル回路5に設けられる後述のチラー52を流路に含む循環流路41と、この循環流路41に設けられた熱交換器42、第2ポンプ43、及びバッテリ容器45と、を備える。なお以下では、循環流路41を循環する作動媒体としてオイルや有機媒体等の絶縁性の流体を用いた場合について説明するが、本発明はこれに限らない。循環流路41を循環する作動媒体には、エンジン冷却回路3の循環流路33を循環する冷却水を用いてもよい。
循環流路41には、図1における時計回りの順で、チラー52と、外気と作動媒体との間で熱交換を行う熱交換器42と、作動媒体を圧縮する第2ポンプ43と、バッテリ81を収容するバッテリ容器45と、が設けられている。
第2ポンプ43は、循環流路41のうち熱交換器42とバッテリ容器45との間に設けられている。第2ポンプ43は、熱交換器42側を入口としかつバッテリ容器45を出口として循環流路41に設けられている。第2ポンプ43は、制御装置7からの制御信号に応じて作動し、熱交換器42から供給される作動媒体を圧縮し、これをバッテリ容器45へ供給する。第2ポンプ43の回転数は、制御装置7によって調整される。
熱交換器42は、循環流路41のうちチラー52と第2ポンプ43との間に設けられている。熱交換器42は、作動流体が通流する作動媒体流路と、この作動媒体流路に外気を供給するファンと、を備え、作動媒体と外気との間で熱交換を行う。
バッテリ容器45は、循環流路41のうち第2ポンプ43とチラー52との間に設けられる。バッテリ容器45の内部には、作動媒体が通流する。またバッテリ容器45の内部には、作動流体に浸漬するようにバッテリ81が設けられている。このためバッテリ81は、バッテリ容器45内を通流する作動媒体との間で熱交換が可能となっている。
なお上述のように作動媒体として絶縁性を有しない冷却水を用いる場合、この冷却水とバッテリ81とが接触しないように、バッテリ容器45内に設けられたバッテリ81と接触するウォータジャケット内に冷却水を通流させることが好ましい。これにより、バッテリ81と冷却水との間の絶縁性を確保しながら、バッテリ81と冷却水との間で熱交換を行うことができる。
制御装置7は、バッテリ81を冷却する必要がある場合には、第2ポンプ43を駆動することにより、チラー52、熱交換器42、第2ポンプ43、及びバッテリ容器45の順で所定の流量で作動媒体を循環させる。循環流路41を循環する作動媒体は、チラー52においてランキンサイクル回路5を循環する有機媒体との熱交換によって冷却され、熱交換器42において外気との熱交換によって冷却され、バッテリ容器45においてバッテリ81との熱交換によって加温される。よって制御装置7は、第2ポンプ43を用いて循環流路41を循環する作動媒体の流量を調整することにより、バッテリ81の温度を使用に適した所定の目標温度で維持することができる。
ランキンサイクル回路5は、冷却水より低沸点かつ低比熱でありさらに絶縁性の有機媒体が循環する環状の主循環流路50と、この主循環流路50に設けられた第1ポンプ51と、チラー52と、熱交換器53と、蒸発器54と、膨張機55と、凝縮器56と、を備える。
主循環流路50には、図1における時計回りの順で、有機媒体を圧縮する第1ポンプ51と、バッテリ冷却回路4の作動媒体と有機媒体との間で熱交換を行うチラー52と、エンジン冷却回路3の冷却水と有機媒体との間で熱交換を行う熱交換器53及び蒸発器54と、蒸発器54を経た有機媒体を減圧させる膨張機55と、外気と有機媒体との間で熱交換を行う凝縮器56と、が設けられている。
第1ポンプ51は、主循環流路50のうち凝縮器56とチラー52との間に設けられる。第1ポンプ51は、凝縮器56側を入口としかつチラー52側を出口として主循環流路50に設けられている。第1ポンプ51は、制御装置7からの制御信号に応じて作動し、凝縮器56から供給される有機媒体を圧縮し、これをチラー52へ供給する。第1ポンプ51の回転数は、制御装置7によって調整される。
チラー52は、主循環流路50のうち第1ポンプ51と熱交換器53との間に設けられる。チラー52は、第1ポンプ51の出口に接続される。チラー52は、有機媒体が通流する有機媒体流路と、バッテリ冷却回路4の作動媒体が通流する作動媒体流路とを備え、有機媒体と作動媒体との間で熱交換を行う。
熱交換器53は、主循環流路50のうちチラー52と蒸発器54との間に設けられる。熱交換器53は、有機媒体が通流する有機媒体流路と、エンジン冷却回路3の冷却水が通流する冷却水流路とを備え、有機媒体と冷却水との間で熱交換を行う。
蒸発器54は、主循環流路50のうち熱交換器53と膨張機55との間に設けられる。蒸発器54は、有機媒体が通流する有機媒体流路と、エンジン冷却回路3の冷却水が通流する冷却水流路とを備え、有機媒体と冷却水との間で熱交換を行う。
凝縮器56は、第1ポンプ51の入口に接続される。凝縮器56は、有機媒体が通流する有機媒体流路と、この有機媒体流路に外気を供給するファンと、を備え、有機媒体と外気との間で熱交換を行う。
膨張機55は、蒸発器54と凝縮器56との間に設けられている。膨張機55は、蒸発器54から凝縮器56へ流れる有機媒体を減圧する。膨張機55の駆動軸55aには、モータジェネレータ57が接続されている。このモータジェネレータ57は、制御装置7からの制御信号に応じてバッテリ81との間で電気エネルギの授受が可能となっている。このためモータジェネレータ57は、バッテリ81から供給される電力を用いて膨張機55を回転させたり、膨張機55において有機媒体を減圧させる過程で回収した機械エネルギで発電し、この発電電力でバッテリ81を充電したりすることが可能となっている。
以上のような熱サイクルシステム1によれば、制御装置7によってランキンサイクル回路5の第1ポンプ51、及びモータジェネレータ57を操作することにより、バッテリ81及びその作動媒体並びにエンジン2及びその冷却水を冷却するとともに、バッテリ81やエンジン2の廃熱の一部を回収することができる。
図2は、バッテリ81及びエンジン2の両方を冷却するハイブリッド冷却モードの実行時においてエンジン冷却回路3、バッテリ冷却回路4、及びランキンサイクル回路5において実現される冷却水等の流れを示す図である。制御装置7は、ハイブリッド冷却モードでは、図2において太矢印で示すように、第1ポンプ51、チラー52、熱交換器53、蒸発器54、膨張機55、及び凝縮器56の順で有機媒体が循環するようにランキンサイクル回路5を操作する。制御装置7は、ハイブリッド冷却モードでは、図2において太矢印で示すように、第2ポンプ43、バッテリ容器45、チラー52、及び熱交換器42の順で作動媒体が循環するようにバッテリ冷却回路4を操作する。また制御装置7は、ハイブリッド冷却モードでは、図2において太矢印で示すように、第1ウォータポンプ35、第1冷却水流路31、バイパス流路34、及び熱交換器53の順で構成される第1循環流路に沿って冷却水が循環するようにエンジン冷却回路3を操作する。また制御装置7は、ハイブリッド冷却モードにおいてエンジン2の排気の熱を回収する際には、上記第1循環流路に加えて、第1ウォータポンプ35、第1冷却水流路31、第2ウォータポンプ36、第2冷却水流路32、ヒータコア37、蒸発器54、及び熱交換器53の順で構成される第2循環流路に沿って冷却水が循環するようにエンジン冷却回路3を操作する。ハイブリッド冷却モードでは、制御装置7によって上述のようにエンジン冷却回路3、バッテリ冷却回路4、及びランキンサイクル回路5を操作することによって、図3に示すような熱サイクルが実現される。
図3は、ハイブリッド冷却モードの実行時にランキンサイクル回路5において実現される熱サイクルを示すモリエル線図である。図3に示すように、ハイブリッド冷却モードの実行時には、有機媒体は、第1ポンプ51によって圧縮され、過冷却液の状態でチラー52に供給される。第1ポンプ51によって圧縮された有機媒体は、チラー52を流れる過程でバッテリ冷却回路4の循環流路41を循環する作動媒体との熱交換によって加温され、熱交換器53へ供給される。チラー52から過冷却液の状態で流出した有機媒体は、熱交換器53及び蒸発器54を流れる過程で、エンジン冷却回路3の第1及び第2循環流路を循環する冷却水との熱交換によって加温され、これにより沸騰し、さらに過熱蒸気の状態となる。蒸発器54から過熱蒸気の状態で流出した有機媒体は、膨張機55において減圧され、過熱蒸気の状態で凝縮器56に供給される。膨張機55から供給された有機媒体は、凝縮器56を流れる過程で外気との熱交換によって冷却され、過冷却液の状態で第1ポンプ51に供給される。
ここで制御装置7は、ハイブリッド冷却モードでは、膨張機55において有機媒体を減圧させる過程で駆動軸57aにおいて生じる機械エネルギを利用することによってモータジェネレータ57によって発電させ、これによって得られる電力でバッテリ81を充電する。このためハイブリッド冷却モードの実行時には、バッテリ81の作動媒体の熱エネルギの一部及びエンジン2の冷却水の熱エネルギの一部が、外気に放出されるとともにモータジェネレータ57によって電気エネルギとして回収されるため、これによりバッテリ81及びその作動媒体並びにエンジン2及びその冷却水の温度が低下する。
ここで制御装置7は、ハイブリッド冷却モードでは、チラー52からは沸点又は沸点よりもやや低い温度で有機媒体が流出し、かつ熱交換器53及び蒸発器54内において有機媒体が沸騰した状態で維持されるように、換言すれば、バッテリ81の作動媒体がチラー52において有機媒体の顕熱によって冷却され、かつエンジン2の冷却水が熱交換器53及び蒸発器54内において有機媒体の潜熱によって冷却されるように、第1ポンプ51、及びモータジェネレータ57を操作する。
ところで熱交換器53及び蒸発器54における有機媒体の沸点は、これら熱交換器53及び蒸発器54内における有機媒体の量及び圧力によって変化する。そこで制御装置7は、ハイブリッド冷却モードでは、チラー52から流出する有機媒体の温度が沸点又は沸点よりもやや低い温度で流出し、かつ熱交換器53及び蒸発器54における有機媒体の沸点が冷却水の目標温度で維持されるように第1ポンプ51及びモータジェネレータ57を用いて熱交換器53及び蒸発器54における有機媒体の量及び圧力を制御する。より具体的には、制御装置7は、チラー52からは有機媒体が沸点又は沸点よりもやや低い温度で流出しかつ熱交換器53及び蒸発器54における有機媒体の沸点が上記目標温度で維持されるように、熱交換器53及び蒸発器54における有機媒体の目標量及び目標圧を算出するとともに、これら目標量及び目標圧が実現するように第1ポンプ51の回転数及びモータジェネレータ57における発電量を調整する。
本実施形態の熱サイクルシステム1によれば、以下の効果を奏する。
(1)熱サイクルシステム1は、エンジン2及びその排気と熱交換を行う冷却水が循環するエンジン冷却回路3と、絶縁性の有機媒体が循環するランキンサイクル回路5と、を備える。またランキンサイクル回路5の主循環流路50には、有機媒体の流れに沿って順に、有機媒体を減圧する膨張機55と、有機媒体を外気によって冷却する凝縮器56と、有機媒体とバッテリ81の作動媒体との間で熱交換を行うチラー52と、有機媒体と冷却水との間で熱交換を行う熱交換器53及び蒸発器54と、が設けられている。例えばバッテリ81とエンジン2との両方を搭載するハイブリッド車両では、多くの状況において温度帯はバッテリ81よりもエンジン2の方が高い。そこで熱サイクルシステム1では、エンジン2よりも温度帯が低いバッテリ81の作動媒体と熱交換を行うチラー52を、エンジン2の冷却水と熱交換を行う熱交換器53及び蒸発器54よりも凝縮器56に近い方に設ける。よって熱サイクルシステム1によれば、膨張機55、凝縮器56、チラー52、熱交換器53及び蒸発器54の順で有機媒体を循環させることにより、チラー52においてより温度帯の低いバッテリ81の作動媒体を冷却した後、チラー52における熱交換によって加温された有機媒体でより温度帯の高いエンジン2の冷却水をさらに冷却できる。よって熱サイクルシステム1によれば、ランキンサイクル回路5を循環する有機媒体で、温度帯が異なるバッテリ81とエンジン2との両方を効率的に冷却できる。
(2)熱サイクルシステム1において、制御装置7は、バッテリ81の作動媒体がチラー52において有機媒体の顕熱によって冷却されかつエンジン2の冷却水が熱交換器53及び蒸発器54において有機媒体の潜熱によって冷却されるように第1ポンプ51を操作する。ここで有機媒体の潜熱によって冷却する場合、有機媒体の温度を所定の目標温度で一定に維持できるため、顕熱によって冷却する場合よりも効率的に冷却することができる。よって熱サイクルシステム1によれば、循環流路を循環する有機媒体によって、バッテリ81と、これより温度帯が高いエンジン2との両方を効率的に冷却することができる。
(3)熱サイクルシステム1は、バッテリ81と熱交換を行う作動媒体が循環するバッテリ冷却回路4を備える。また熱サイクルシステム1において、バッテリ冷却回路4を循環する作動媒体は、チラー52において有機媒体と熱交換可能とする。これにより、例えばランキンサイクル回路5において有機媒体を循環させながらバッテリ冷却回路4における作動媒体の循環を停止することにより、エンジン2のみを積極的に冷却することができる。
(4)熱サイクルシステム1は、膨張機55に接続されたモータジェネレータ57をさらに備える。これにより、膨張機55、凝縮器56、チラー52、熱交換器53及び蒸発器54の順で有機媒体を循環させながらモータジェネレータ57をジェネレータとして機能させることにより、チラー52、熱交換器53、及び蒸発器54における熱交換によって加温された有機媒体を膨張機55において減圧する過程で、バッテリ81及びエンジン2の廃熱の一部を電気エネルギとして回収することができる。また熱サイクルシステム1によれば、チラー52、熱交換器53及び蒸発器54において有機媒体とバッテリ81の作動媒体やエンジン2の冷却水との間で効果的な熱交換が行われるように、モータジェネレータ57を用いてチラー52、熱交換器53及び蒸発器54における有機媒体の圧力を制御することもできる。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態に係る熱サイクルシステム1Aの構成を示す図である。熱サイクルシステム1Aは、第1実施形態に係る熱サイクルシステム1と、ランキンサイクル回路5Aの構成が異なる。なお以下の熱サイクルシステム1Aの説明において、熱サイクルシステム1と同じ構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
ランキンサイクル回路5Aは、冷却水より低沸点かつ低比熱でありさらに絶縁性の有機媒体が循環する主循環流路50Aと、この主循環流路50Aに設けられた第1ポンプ51A、電子膨張弁58、バッテリ容器65、熱交換器53、蒸発器54、圧縮膨張機59、及び凝縮器56と、主循環流路50Aに設けられた複数の装置の一部を迂回するバイパス流路60と、このバイパス流路60に設けられた第2ポンプ64と、を備える。
圧縮膨張機59は、主循環流路50Aのうち蒸発器54と凝縮器56との間に設けられる。圧縮膨張機59は、主循環流路50Aを蒸発器54側から凝縮器56側へ流れる有機媒体を減圧し(以下、この流れ方向を「第1の流れ方向F1」ともいう)、主循環流路50Aを凝縮器56側から蒸発器54側へ流れる有機媒体を圧縮する(以下、この流れ方向を「第2の流れ方向F2」ともいう)。圧縮膨張機59は、主循環流路50Aを有機媒体が第1の流れ方向F1に沿って流れる正転時には、蒸発器54を経た有機媒体を減圧して凝縮器56へ供給する。また圧縮膨張機59は、主循環流路50Aを有機媒体が第2の流れ方向F2に沿って流れる逆転時には、凝縮器56を経た有機媒体を圧縮して蒸発器54へ供給する。
また圧縮膨張機59の駆動軸59aには、モータジェネレータ57が接続されている。このモータジェネレータ57は、制御装置7Aからの制御信号に応じて、バッテリ81との間で電気エネルギの授受が可能となっている。このためモータジェネレータ57は、バッテリ81から供給される電力を用いて圧縮膨張機59を正転又は逆転させたり、圧縮膨張機59において有機媒体を減圧させる過程で回収した機械エネルギで発電し、この発電電力でバッテリ81を充電したりすることが可能となっている。
凝縮器56は、主循環流路50Aにおいて第1の流れ方向F1に沿って圧縮膨張機59の下流側に設けられる。蒸発器54は、主循環流路50Aにおいて第1の流れ方向F1に沿って圧縮膨張機59の上流側に設けられる。熱交換器53は、主循環流路50Aにおいて第1の流れ方向F1に沿って蒸発器54の上流側に設けられる。
バッテリ容器65は、主循環流路50Aにおいて第1の流れ方向F1に沿って熱交換器53の上流側に設けられる。バッテリ容器65の内部には、有機媒体が通流する。またバッテリ容器65の内部には、有機媒体に浸漬するようにバッテリ81が設けられている。このためバッテリ81は、バッテリ容器65内を通流する有機媒体との間で熱交換が可能となっている。
主循環流路50Aのうち凝縮器56とバッテリ容器65との間の部分は、第1分岐路501と第2分岐路502とに枝分かれしている。また第1分岐路501には第1ポンプ51Aが設けられ、第2分岐路502には電子膨張弁58が設けられている。すなわちこれら第1ポンプ51A及び電子膨張弁58は、主循環流路50Aにおいて並列に設けられている。
第1ポンプ51Aは、第1分岐路501において第1の流れ方向F1に沿って凝縮器56の下流側かつバッテリ容器65の上流側に設けられている。第1ポンプ51Aは、制御装置7Aからの制御信号に応じて作動し、第1分岐路501において第1の流れ方向F1に沿って流れる有機媒体を圧縮する。第1ポンプ51Aの回転数は、制御装置7Aによって調整される。
電子膨張弁58は、第2分岐路502において第2の流れ方向F2に沿ってバッテリ容器65の下流側かつ凝縮器56の上流側に設けられている。電子膨張弁58は、絞り弁であり、第2分岐路502において第2の流れ方向F2に沿って流れる有機媒体を減圧する。電子膨張弁58の開度は、制御装置7Aからの制御信号に応じて調整される。
以上より、第1の流れ方向F1に沿った順では、主循環流路50Aには、圧縮膨張機59と、凝縮器56と、第1ポンプ51Aと、バッテリ容器65と、熱交換器53と、蒸発器54と、が設けられている。また第2の流れ方向F2に沿った順では、主循環流路50Aには、圧縮膨張機59と、蒸発器54と、熱交換器53と、バッテリ容器65と、電子膨張弁58と、凝縮器56と、が設けられている。
バイパス流路60は、主循環流路50Aのうち凝縮器56及び分岐路501,502の間と、バッテリ容器65及び熱交換器53の間とを接続する。すなわちバイパス流路60は、主循環流路50Aにおいて第1ポンプ51A、電子膨張弁58、及びバッテリ容器65を迂回する流路を形成する。
第2ポンプ64は、制御装置7Aからの制御信号に応じて作動し、主循環流路50Aにおいて第1の流れ方向F1に沿って流れる有機媒体を圧縮する。第2ポンプ64の回転数は、制御装置7Aによって調整される。すなわちこの第2ポンプ64をオンにすることにより、凝縮器56から第1の流れ方向F1に沿って流出する有機媒体の一部を第1ポンプ51A、電子膨張弁58、及びバッテリ容器65から迂回して熱交換器53へ還流させる。
以上のような熱サイクルシステム1Aによれば、制御装置7Aによってランキンサイクル回路5Aの第1ポンプ51A、モータジェネレータ57、電子膨張弁58、及び第2ポンプ64等を操作することにより、様々な制御モードでランキンサイクル回路5Aを作動させることができる。
図5は、バッテリ81及びエンジン2の両方を冷却するハイブリッド冷却モードの実行時においてエンジン冷却回路3及びランキンサイクル回路5Aにおいて実現される冷却水等の流れを示す図である。制御装置7Aは、ハイブリッド冷却モードでは、図5において太矢印で示すように、第1ポンプ51A、バッテリ容器65、熱交換器53、蒸発器54、圧縮膨張機59、及び凝縮器56の順で構成される第1循環流路と、第2ポンプ64、熱交換器53、蒸発器54、圧縮膨張機59、及び凝縮器56の順で構成される第2循環流路と、の2つの循環流路に沿って有機媒体が循環するように、ランキンサイクル回路5Aを操作する。また制御装置7Aは、ハイブリッド冷却モードでは、図5において太矢印で示すように、第1ウォータポンプ35、第1冷却水流路31、バイパス流路34、及び熱交換器53の順で構成される第3循環流路に沿って冷却水が循環するようにエンジン冷却回路3を操作する。また制御装置7Aは、ハイブリッド冷却モードにおいてエンジン2の排気の熱を回収する際には、上記第3循環流路に加えて、第1ウォータポンプ35、第1冷却水流路31、第2ウォータポンプ36、第2冷却水流路32、ヒータコア37、蒸発器54、及び熱交換器53の順で構成される第4循環流路に沿って冷却水が循環するようにエンジン冷却回路3を操作する。ハイブリッド冷却モードでは、制御装置7Aによって上述のようにエンジン冷却回路3及びランキンサイクル回路5Aを操作することによって、図6に示すような熱サイクルが実現される。
図6は、ハイブリッド冷却モードの実行時にランキンサイクル回路5Aにおいて実現される熱サイクルを示すモリエル線図である。図6に示すように、ハイブリッド冷却モードの実行時には、有機媒体は、第1ポンプ51Aによって圧縮され、過冷却液の状態でバッテリ容器65に供給される。第1ポンプ51Aによって圧縮された有機媒体は、バッテリ容器65を流れる過程でバッテリ81との熱交換によって加温され、液体の状態で熱交換器53に供給される。バッテリ容器65から液体の状態で流出した有機媒体は、熱交換器53及び蒸発器54を流れる過程で冷却水との熱交換によってさらに加温され、過熱蒸気又は沸騰した状態で圧縮膨張機59に供給される。蒸発器54から過熱蒸気の状態で流出した有機媒体は、圧縮膨張機59において減圧され、過熱蒸気の状態で凝縮器56に供給される。圧縮膨張機59から供給された有機媒体は、凝縮器56を流れる過程で外気との熱交換によって冷却され、過冷却液の状態で第1ポンプ51Aに供給される。また上述のようにハイブリッド冷却モードでは、第1ポンプ51Aに加えて第2ポンプ64をオンにする。このため、凝縮器56から過冷却液の状態で流出する有機媒体の一部は、第2ポンプ64によって圧縮され、過冷却液の状態で熱交換器53及び蒸発器54に供給される。
ここで制御装置7Aは、ハイブリッド冷却モードでは、圧縮膨張機59において有機媒体を減圧させる過程で駆動軸59aにおいて生じる機械エネルギを利用することによってモータジェネレータ57によって発電させ、これによって得られる電力でバッテリ81を充電する。このためハイブリッド冷却モードの実行時には、バッテリ81の熱エネルギの一部及びエンジン2の冷却水の熱エネルギの一部が、外気に放出されるとともにモータジェネレータ57によって電気エネルギとして回収されるため、これによりバッテリ81及び冷却水及びエンジン2の温度が低下する。
ここで制御装置7Aは、ハイブリッド冷却モードでは、バッテリ容器65からは沸点よりもやや低い温度で有機媒体が流出し、かつ熱交換器53及び蒸発器54内において有機媒体が沸騰した状態で維持されるように、換言すれば、バッテリ81がバッテリ容器65内において有機媒体の顕熱によって冷却され、かつ冷却水が熱交換器53及び蒸発器54内において有機媒体の潜熱によって冷却されるように、第1ポンプ51A、第2ポンプ64、及びモータジェネレータ57を操作する。
また制御装置7Aは、ハイブリッド冷却モードでは、バッテリ容器65から流出する有機媒体の温度が沸点よりもやや低い温度で流出し、かつ熱交換器53及び蒸発器54における有機媒体の沸点が冷却水の目標温度で維持されるように、第1ポンプ51A、第2ポンプ64、及びモータジェネレータ57を用いて熱交換器53及び蒸発器54における有機媒体の量及び圧力を制御する。より具体的には、制御装置7Aは、バッテリ容器65からは有機媒体が沸点よりもやや低い温度で流出しかつ熱交換器53及び蒸発器54における有機媒体の沸点が上記目標温度で維持されるように、バッテリ容器65における有機媒体の目標量並びに熱交換器53及び蒸発器54における有機媒体の目標量及び目標圧を算出するとともに、バッテリ容器65における有機媒体の量が上記目標量になるように第1ポンプ51Aの回転数を調整し、熱交換器53及び蒸発器54における有機媒体の量が上記目標量になるように第2ポンプ64の回転数を調整し、さらに熱交換器53及び蒸発器54における有機媒体の圧力が上記目標圧になるようにモータジェネレータ57における発電量を調整する。
本実施形態の熱サイクルシステム1Aによれば、以下の効果を奏する。
(5)熱サイクルシステム1Aは、内燃機関及びその排気と熱交換を行う冷却水が循環するエンジン冷却回路3と、絶縁性の有機媒体が循環するランキンサイクル回路5Aと、を備える。またランキンサイクル回路5Aの主循環流路50Aには、有機媒体の流れに沿って順に、有機媒体を減圧する圧縮膨張機59と、有機媒体を外気によって冷却する凝縮器56と、有機媒体とバッテリ81との間で熱交換を行うバッテリ容器65と、有機媒体とエンジン2の冷却水との間で熱交換を行う熱交換器53及び蒸発器54と、が設けられている。また熱サイクルシステム1Aでは、エンジン2よりも温度帯が低いバッテリ81と熱交換を行うバッテリ容器65を、エンジン2の冷却水と熱交換を行う熱交換器53及び蒸発器54よりも凝縮器56に近い方に設ける。よって熱サイクルシステム1Aによれば、圧縮膨張機59、凝縮器56、バッテリ容器65、熱交換器53及び蒸発器54の順で有機媒体を循環させることにより、バッテリ容器65においてより温度帯の低いバッテリ81を冷却した後、バッテリ容器65における熱交換によって加温された有機媒体でより温度帯の高いエンジン2の冷却水をさらに冷却できる。よって本発明によれば、ランキンサイクル回路5Aを循環する有機媒体で、温度帯が異なるエンジン2との両方を効率的に冷却できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
1,1A…熱サイクルシステム
2…エンジン(内燃機関)
3…エンジン冷却回路(内燃機関冷却回路)
4…バッテリ冷却回路(電気装置冷却回路)
5,5A…ランキンサイクル回路
50,50A…主循環流路(循環流路)
51,51A…第1ポンプ(ポンプ)
52…チラー(第1熱交換部)
53…熱交換器(第2熱交換部)
54…蒸発器(第2熱交換部)
55…膨張機
56…凝縮器
59…圧縮膨張機(膨張機)
57…モータジェネレータ
65…バッテリ容器(第1熱交換部)
7,7A…制御装置
81…バッテリ(電気装置)

Claims (4)

  1. 内燃機関及びその排気と熱交換を行う冷却水が循環する内燃機関冷却回路と、絶縁性の有機媒体が循環するランキンサイクル回路と、を備える熱サイクルシステムであって、
    前記ランキンサイクル回路の循環流路には、有機媒体の流れに沿って順に、
    有機媒体を減圧する膨張機と、
    有機媒体を外気によって冷却する凝縮器と、
    有機媒体と電気装置又は当該電気装置と熱交換可能な作動媒体との間で熱交換を行う第1熱交換部と、
    有機媒体と冷却水との間で熱交換を行う第2熱交換部と、が設けられていることを特徴とする熱サイクルシステム。
  2. 前記ランキンサイクル回路を操作する制御装置をさらに備え、
    前記循環流路のうち前記凝縮器と前記第1熱交換部との間には有機媒体を圧縮するポンプが設けられ、
    前記制御装置は、前記電気装置又は作動媒体が前記第1熱交換部において有機媒体の顕熱によって冷却されかつ冷却水が前記第2熱交換部において有機媒体の潜熱によって冷却されるように前記ポンプを操作することを特徴とする請求項1に記載の熱サイクルシステム。
  3. 前記電気装置と熱交換を行う作動媒体が循環する電気装置冷却回路を備え、
    前記電気装置冷却回路を循環する作動媒体は、前記第1熱交換部において有機媒体と熱交換可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱サイクルシステム。
  4. 前記膨張機に接続されたモータジェネレータをさらに備えることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の熱サイクルシステム。
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