JP2021008017A - ハンドツールのアシストホルダー - Google Patents

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Abstract

【課題】 シンプルな構造でありながらも多様化する整備環境に対応できるハンドツールの新規なアシストホルダーの開発を課題とする。【解決手段】 本発明のアシストホルダー1は、メインポスト7と吊り下げアーム8とキャスターフレーム6とを具えたスタンド本体2と、キャスターフレーム6に支持される三輪以上のキャスター3と、メインポスト7に案内されて昇降するカウンタウェイト51と、カウンタウェイト51から上方に延びるように案内された後、吊り下げアーム8に沿って延び、先端側をツール支持端としてハンドツールHTまで垂下するように張設された吊持ワイヤー52とを具え、ハンドツールHTの見かけ重量を軽減するものであり、且つメインポスト7と、カウンタウェイト51とは、その重心位置を、平面から視てキャスター3の接地点で囲まれる範囲を基準とした安定接地輪郭AL内に設けることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や他の機械設備等を整備するためのハンドツール(特に大型のインパクトレンチ、トルクセッター、トルクレンチなど特に重量が嵩むハンドツール)の見かけ重量を軽くして、作業者の負担を大幅に軽減するようにした新規なハンドツールのアシストホルダーに関するものである。
例えば、自動車整備工場等では、車輛点検として頻繁に車輪の取り外し・取り付け作業が行われる。この作業にあたっては、車輪をネジ止めしている固定ナットをインパクトレンチ等のハンドツールで緩める(または締め付ける)が、対象車輛が大型トラック等であると、ナットの締付トルクも大きく、使用するインパクトレンチもこれに応じて大出力の大型のものが必要となる。このような大型のインパクトレンチは当然ながら自重も相応に重く(例えば5kg〜15kgほど)、これを扱う作業者に大きな負担を強いることとなる。
このため従来から大型のインパクトレンチを支承して作業者の負担を軽減する装置等が案出されていた(例えば特許文献1〜3参照)。しかしながら、このような従来装置にあっては、総合的な使い勝手の点で、まだ改良の余地があった。
例えば、大型車輛の車輪の取外し作業は、車輪を工場床面から幾分か浮かせて行う状況から、更に作業負担を軽減すべく、車輪が立ち姿勢の作業者の手元高さ(手許高さ)に臨むように、車輛を高くリフトアップして行う状況も多く出現している。
このような高さ方向での作業位置が多様化する状況の下では、重量のある大型のインパクトレンチをアシスト保持する位置も上下方向に広範囲に及ぶことが要求される。加えて、このような要請に応えるにしても、機械的にはシンプルなもの、使い勝手に優れたものであることが大前提となる。
しかしながら、現状で市販されているもの、あるいはアイデアとして提案されているものについては、前記要請に総合的に応え得るものは見られない。
実全昭48−008802号公報 実全昭49−103098号公報 実全昭57−197473号公報
本発明は、このような背景を認識してなされたものであって、シンプルな構造ながらも多様化する整備環境に対応できるハンドツールの新規なアシストホルダーを開発することを技術的課題としたものである。
まず請求項1記載の、ハンドツールのアシストホルダーは、
メインポストと、その上方前方に張り出すように設けられた吊り下げアームと、メインポストの下方に設けられるキャスターフレームとを具えたスタンド本体と、
スタンド本体におけるキャスターフレームに支持される少なくとも三輪以上のキャスターと、
前記メインポストに案内されて昇降するカウンタウェイトと、
このカウンタウェイトから上方に延びるように案内された後、吊り下げアームでは吊り下げアームに沿って延び、吊り下げアームの先端側をツール支持端としてハンドツールまで垂下するように張設された吊持ワイヤーとを具え、前記カウンタウェイトにより吊持ワイヤーの他端側に取り付けられるハンドツールの見かけ重量を軽減するものであり、
且つ前記メインポストと、カウンタウェイトとは、その重心位置を、平面から視てキャスターの接地点で囲まれる範囲を基準とした安定接地輪郭内に設けていることを特徴として成るものである。
また請求項2記載の、ハンドツールのアシストホルダーは、前記請求項1記載の要件に加え、
前記スタンド本体におけるメインポストは、中空パイプにより構成され、この内部にカウンタウェイトが昇降自在に収められることにより、メインポストに案内されたカウンタウェイトの昇降動を実現することを特徴として成るものである。
また請求項3記載の、ハンドツールのアシストホルダーは、前記請求項1または2記載の要件に加え、
前記スタンド本体におけるメインポストと、吊り下げアームとは、別体に構成され、旋回構造を介して吊り下げアームが、その回動中心をメインポスト中心に合致させて水平回動自在に設けられていることを特徴として成るものである。
また請求項4記載の、ハンドツールのアシストホルダーは、前記請求項3記載の要件に加え、
前記キャスターフレームは、メインポストの下部から前方側に斜めに張り出す二本の前方張出ロッドを具え、この前方張出ロッドの先端部下側に、前輪となるキャスターが取り付けられるものであり、
前記吊り下げアームの水平回動範囲は、これら二本の前方張出ロッドが成す角度を基準とした安定維持範囲内であることを特徴として成るものである。
また請求項5記載の、ハンドツールのアシストホルダーは、前記請求項2から4のいずれか1項記載の要件に加え、
前記吊り下げアームには、メインポストの直上部に、案内溝付のガイドローラが設けられ、
前記カウンタウェイトを吊る吊持ワイヤーは、このガイドローラの案内によって垂下方向から吊り下げアームに沿う方向に張設方向が変更されるものであり、
更に当該ガイドローラは、平面から視て、カウンタウェイトを吊る吊持ワイヤーの中心位置が、メインポストの中心位置と合致するように設定されることを特徴として成るものである。
また請求項6記載の、ハンドツールのアシストホルダーは、前記請求項1から5のいずれか1項記載の要件に加え、
前記キャスターは、スタンド本体を偏向移動自在とするために、その一部または全部を自在キャスターとすることを特徴として成るものである。
また請求項7記載の、ハンドツールのアシストホルダーは、前記請求項1から6のいずれか1項記載の要件に加え、
前記吊持ワイヤーには、カウンタウェイト側の端部またはハンドツール側の端部に、サブウェイトを取り付け、カウンタウェイト側とハンドツール側との重量バランスを調整自在としたことを特徴として成るものである。
また請求項8記載の、ハンドツールのアシストホルダーは、前記請求項1から7のいずれか1項記載の要件に加え、
前記吊持ワイヤーの両端部に固定されたカウンタウェイトとハンドツールとの重量バランスは、カウンタウェイト側の重量がわずかに重くなるように設定され、この重量差によって作業者がハンドツールを離した際、自動的にハンドツールが上昇し、最上昇位置で格納されることを特徴として成るものである。
また請求項9記載の、ハンドツールのアシストホルダーは、前記請求項1から8のいずれか1項記載の要件に加え、
前記キャスターフレームは、メインポストの下部から後方に張り出す後方張出ロッドを具えるとともに、この後方張出ロッドの後端部に、左右に延びる後方シャフトを具え、この後方シャフトの両端下部に、後輪となるキャスターを設けるものであり、
前記後方シャフトの取り付けにあたっては、後方張出ロッドの後端が、後方シャフトよりも後方に突出するように取り付けられることを特徴として成るものである。
また請求項10記載の、ハンドツールのアシストホルダーは、前記請求項1から9のいずれか1項記載の要件に加え、
前記ハンドツールには、動力を供給するための動力供給ラインが接続されるものであって、
前記吊り下げアームには、この動力供給ラインを吊り下げ支持する吊持ローラが吊持ローラブラケットによって取り付けられ、且つ吊持ローラブラケットは、吊り下げアームに対し水平旋回自在に設けられていることを特徴として成るものである。
これら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
まず請求項1記載の発明によれば、メインポスト及びカウンタウェイトの重心位置が、安定接地輪郭内(平面から視て、概ねキャスターの接地点で囲まれる範囲内)に設けられるため、アシストホルダー全体が安定する。
また、両端にハンドツールとカウンタウェイトとが連結された吊持ワイヤーを、吊り下げアームに沿って、両側が垂下状態となるように吊り下げる構造であるため、作業者がハンドツールを保持(ホールド)する際、ほぼ無重量感覚で(極めて軽い力で)保持することができ、作業者の体に掛かる負担を大幅に低減させることができる。また、例えば作業者がハンドツールを引いた場合には、同じ距離だけカウンタウェイトが上昇する等、吊持ワイヤーの繰出し・繰入れが自動的に行われるため(しかも極めて軽い力で)、作業者がハンドツールを動かす動作も極めて楽に行え、作業の可動域も拡がり、作業者の意図した自由なハンドリングが容易に行い得る。
また請求項2記載の発明によれば、カウンタウェイトが、中空パイプで形成されたメインポスト内に収められるため、カウンタウェイトの昇降動作がハンドツールを扱う作業者の邪魔になることがない。また、平面から視て、メインポストとカウンタウェイトとの重心位置が重なり、アシストホルダー全体の安定化に大きく寄与する。
また請求項3記載の発明によれば、吊り下げアームはメインポストを回動中心として旋回自在(水平回動自在)に設けられるため、作業者がハンドツールを移動させる可動域を、より拡大させることができる。また、旋回自在の吊り下げアームは、適宜の旋回角で固定した状態で用いることもできるが、固定せず自由に旋回できる状態で用いることもでき、後者の場合には、例えば作業者がハンドツールを移動させた場合、この移動に追従するように吊り下げアームを自動的に旋回させる形態も採り得る。
また請求項4記載の発明によれば、吊り下げアームの水平回動範囲は、二本の前方張出ロッドが成す角度を基準とした安定維持範囲内、すなわち概ねキャスターフレームの前方張出ロッドが成す角度の範囲内に収められるため、例えば吊り下げアームを左または右に最大限振った場合でも、アシストホルダー全体が安定して正立状態を維持でき、作業者も目的の作業に専念することができる。
また、メインポストの下部から前方側に斜めに張り出す前方張出ロッドが二本であるため、前方張出ロッド同士の間(扇形)がスペース上、大きく獲得でき、ここを作業者の足の踏み場(置き場)として自由に使用することができる。すなわち、上記構成により、作業者の足の踏み場の自由度を向上させることができる。
また請求項5記載の発明によれば、吊り下げアームにおいて旋回中心側(メインポストの直上部)に設けられるガイドローラは、平面から視て、カウンタウェイトを吊っている吊持ワイヤーの中心位置(垂直案内中心位置)がメインポストの中心位置と合致するように、設定されているため、メインポスト内でカウンタウェイトを安定して吊持することができ、カウンタウェイトのスムーズな昇降動を実現する。
また請求項6記載の発明によれば、キャスターの一部または全部が自在キャスターであるため、スタンド本体(アシストホルダー)を停止した状態からでも自由に移動方向を決定することができ、作業者の意思通りにスタンド本体(アシストホルダー)を移動させることができる。
また請求項7記載の発明によれば、目的の作業に応じて使用するハンドツールを変更した場合、変更したハンドツールの重量に応じて、所望の重量バランスを得ることができる。
なお、カウンタウェイト側とハンドツール側との重量バランスについては、例えば両者を完全均衡させることや、カウンタウェイト側の重量をわずかに重くすること等が可能である。因みに、前者の場合には、作業者がハンドツールから静かに手を離すと、ハンドツールをその位置で停止させておくことができる。また後者の場合には、作業者がハンドツールから静かに手を離すと、ハンドツールを自動的に緩やかに上昇させ、最上昇位置で格納することができる。
また請求項8記載の発明によれば、ハンドツールは常に最上昇位置で格納されるため、作業者がハンドツールを使用する際、立ち姿勢のままハンドツールを保持(ホールド)することができ、作業者の体に掛かる負担を軽減することができる。なお、ハンドツールは、カウンタウェイト側との重量バランスによって自動的に下降させ、下方位置に格納することも可能であるが、この場合には、作業者はハンドツールを使用する度に、腰を折ってかがむ姿勢をとらなければならず、ハンドツールの見かけ重量が軽いとは言え、このような作業姿勢をとること自体、作業者の体にとって大きな負担となる。
また、ハンドツールを自動的に上昇格納することによって、ハンドツール側の吊持ワイヤーの吊り下げ長が短くなり、この状態でアシストホルダーを移動させても、ハンドツールが大きく揺れないことも利点である。また、ハンドツールHTを格納するための場所や機構を別途設ける必要もなくなり、アシストホルダーをシンプルに構成することができる。
また請求項9記載の発明によれば、工場のフロア面に溝や段差などの凹凸が形成されている場合でも、アシストホルダーを前後に傾斜させることで、このような凹凸を越えて移動させることができる。すなわち、アシストホルダーの移動中(前進中)、段差が前輪の直前に位置した状態で、後方からアシストホルダーを押している作業者が、後方張出ロッドの後端(突出端)を片足で踏みながら、アシストホルダーを手前側(作業者側)に引いて、アシストホルダー全体を後方に少し傾け(後傾させ)、前輪をフロアから浮き上がらせる。そして、この状態のままアシストホルダーを前進させて、前輪が凹凸を越えたところで、前輪をフロアに降ろしアシストホルダーの後傾姿勢を元に戻す。このような操作を後輪についても行うことで、フロア面に形成された凹凸を容易に乗り越えることができる。
また請求項10記載の発明によれば、吊持ローラブラケットが吊り下げアームに対し水平旋回自在に取り付けられるため、例えば作業者が、ハンドツールを大きく三次元的に移動させた場合でも、吊持ローラブラケット(吊持ローラ)が自由に水平旋回して、動力供給ラインをハンドツールの動きに追従させることができ、動力供給ラインに無理をかけることなく、ハンドツールまで案内することができる。
本発明のアシストホルダー(ハンドツールのアシストホルダー)の一例を、ハンドツールとともに示す斜視図である。 本発明のアシストホルダーの使用例(作業者による使用例)を示す斜視図である。 フロアに溝や段差などの凹凸が形成されている場合、アシストホルダーを後方に傾けて、前輪を上げるようにし、凹凸を乗り越えるようにした様子を示す斜視図である。 本発明のアシストホルダーを示す側面図(a)、背面図(b)、平面図(c)である。 メインポストに内蔵されるカウンタウェイトを拡大して示す縦断面図、並びに斜視図である。 メインポストの上端部において適宜の角度旋回自在に設けられる吊り下げアームを拡大して三面図(平面図(a)、側面図(b)、背面図(c))である。 メインポストの下端部に設けられるキャスターフレームを拡大して示す平面図(a)、並びに側面図(b)である。 吊持ワイヤーの一端をハンドツールに連結固定する際の取付状況を示す斜視図、並びにハンドツール側にサブウェイトを設ける様子を併せて示す斜視図である。 キャスターフレーム(YT形)においてY形を成す前方張出ロッドの間(Y形の内側)に作業者が足(右足)を置いて作業を行う様子を示す斜視図である。 HT形のキャスターフレームを示す平面図である。
本発明を実施するための形態は、以下の実施例に述べるものをその一つとするとともに、更にその技術思想内において改良し得る種々の手法をも含むものである。
本発明の、ハンドツールのアシストホルダー1(以下、単にアシストホルダー1とする)は、大型のインパクトレンチやトルクセッター等の重いハンドツールHTを保持し、ハンドツールHTの見かけ重量を軽くして、作業者MがハンドツールHTをホールドする際の負担を軽減し、作業を行い易くした装置である。
ここで「ハンドツールHTの見かけ重量(を軽くする)」という記載は、装置たるアシストホルダー1によってハンドツールHTを保持することにより、作業者Mが実際の作業にあたりハンドツールHTをホールドする際には、実際の重量よりも極めて軽く感じられるためである(ハンドツールHTの実際の重量が減るわけではないため、見かけ重量と称したものである)。
また、本発明のアシストホルダー1は、ハンドツールHTを吊持ワイヤー52で吊る形態を採り、且つハンドツールHTとカウンタウェイト(バランスウェイト)51とをほぼバランスさせて両者とも垂下状態に吊り下げることが大きな特徴の一つである。
以下、本発明のアシストホルダー1について更に説明する。
本発明のアシストホルダー1は、一例として図1・2・4に示すように、スタンド本体2の下部にキャスター3を設けて成る移動式の形態を基本とする。
アシストホルダー1の移動にあたっては、作業者Mがアシストホルダー1を手で押しながら移動させるものであり、この際の押す方向(アシストホルダー1を押す作業者Mの正面側)を「前方」とし、その反対側を「後方」とする。また、作業者Mが「前方」を向いた状態を基準に「左」、「右」を定義する。
なお、キャスター3は、スタンド本体2を安定して立設させるため、少なくとも三輪以上設けられるものであり、前後で区別する場合には、前方側のものを前輪3Fとし、後方側のものを後輪3Bとする。
次にスタンド本体2について説明する。
スタンド本体2は、前記キャスター3によって整備工場の床面などを接地走行するキャスターフレーム6と、その上方に立ち上げ状態に設けられるメインポスト7と、メインポスト7の上端部から前方側に張り出すように形成される吊り下げアーム8とを具えて成る。なお、ハンドツールHTを吊る吊持ワイヤー52は、吊り下げアーム8の張出先端部から垂下状態に吊り下げられており、このため張出先端(側)をツール支持端(側)と称することもある。
ここで、本実施例では、例えばメインポスト7を中空状に設けておき、その内部に昇降自在に構成されたカウンタウェイト51を内蔵しておく。そして、このカウンタウェイト51とハンドツールHTとを吊持ワイヤー52(一例として直径2mmほどのステンレス製)の両端部に連結するものである。また、この吊持ワイヤー52を、両側が垂下状態となるように、二つの定滑車たるガイドローラ54に架け渡す吊持形態を採る。換言すれば、吊持ワイヤー52によってカウンタウェイト51とハンドツールHTとを離れた位置で垂下状態に吊り下げるために二つのガイドローラ54を設けたものである。また、カウンタウェイト51は、ハンドツールHTとほぼバランスさせているため、作業者MがハンドツールHTをホールドしながらこのものを所望位置に移動させる動作(三次元的に移動させる動作)において、ほとんど力を要しないものであり(言わば無重量感覚)、作業者Mの負担が大幅に軽減される。
また、二つのガイドローラ54は吊り下げアーム8に設けられる(特にここで吊り下げアーム8の内部に設けられる)。このため吊持ワイヤー52は、メインポスト7内で垂下状態のカウンタウェイト51から上方に延びるように案内された後、吊り下げアーム8内では吊り下げアーム8に沿って前方に向かうように案内され、更に吊り下げアーム8の先端部からハンドツールHTを垂下するように張設され、吊持ワイヤー52全体として略コ字状を描くように張設されている(「コ」の字の開口部を下方に向けた張設形態となっている)。
なお、カウンタウェイト51は、必ずしもメインポスト7内に収容される必要はないし、二つのガイドローラ54も、必ずしも吊り下げアーム8内に設けられる必要はないが、カウンタウェイト51は昇降動する部材であり、ガイドローラ54に架けられる吊持ワイヤー52も繰出し・繰入れする部材(一種の移動部材)であるため、例えばこれらが作業者Mの着衣と触れないように、被覆する上記構造が望ましい。
以下、スタンド本体2を構成する各部材を更に詳細に説明する。
まずキャスターフレーム6について説明する。
キャスターフレーム6は、スタンド本体2(アシストホルダー1)、特に重いハンドツールHTを吊持した状態でも安定的に保持でき、且つ円滑な走行を可能とするフレーム部材である。
キャスターフレーム6は、一例として図1・4・7に示すように、メインポスト7の下部から斜め前方側に放射状に張り出す二本の前方張出ロッド61と、メインポスト7の下部から直後方に張り出す一本の後方張出ロッド62とを具えて成る。
ここで二本の前方張出ロッド61が成す角度(平面から視てメインポスト7を中心とした角度)は、例えば左右に約35度ずつの計70度ほどに形成される。なお後述するが、吊り下げアーム8は、旋回自在に構成されるものであり、この旋回角度は、二本の前方張出ロッド61が成す角度を基準とした安定維持範囲内に設定されることが好ましい。より詳細には概ね前方張出ロッド61が成す角度内に収めることが望ましく、具体的には、左右に約30度ずつの計60度ほどに設定される。
また後方張出ロッド62の後端部には左右に延びる後方シャフト63が取り付けられ、特にここでは後方張出ロッド62の後端が後方シャフト63よりも後方に突出するように両者の取り付けが図られる。そして、本実施例では前記キャスター3が、二本の前方張出ロッド61の先端下部と、後方シャフト63の両端に設けられ、計四輪で構成される。すなわち、本実施例では、前輪3F・後輪3Bとも二輪ずつ設けられている。なお、前輪3Fの二輪は、スタンド本体2(アシストホルダー1)の進行方向を自在に変更できるように(偏向移動自在とするために)自在キャスターとし、後輪3Bの二輪を固定キャスターとしている。もちろん計四輪のキャスター3は、全てを自在キャスターとすることも可能である。
またキャスターフレーム6の前方側は、二本の前方張出ロッド61と、一本の後方張出ロッド62とによって平面視Y形に形成される(図7(a)参照)。また、キャスターフレーム6の後方側は、一本の後方張出ロッド62と、左右に延びる後方シャフト63とによって、前記Y形とは上下方向が異なるが、平面視T形に形成される(上記図7(a)参照)。このため、本実施例のキャスターフレーム6を「YT形」と称することがある。
このような構成によりにキャスター3は、メインポスト7から外周側に張り出すように設けられる。特に平面視では前輪3Fが、後輪3Bよりも大きく張り出すように設けられ(図7(a)参照)、これはハンドツールHTの吊持が、メインポスト7から前方側に張り出して成されるためである。
なお、メインポスト7とカウンタウェイト51とは、その重心位置が、平面から視てキャスター3の接地点で囲まれる範囲を基準とした安定接地輪郭AL内に設けられる。ここで安定接地輪郭ALとは、アシストホルダー1を安定して支持するためのエリアであり、概ね複数のキャスター3の接地点で囲まれる領域(エリア)となる。ただし、安定接地輪郭ALは、必ずしも当該領域(複数のキャスター3の接地点で囲まれた領域)と一致する必要はなく、幾らか当該領域よりも広くなっても構わない。因みに、本実施例では、安定接地輪郭ALは、ほぼ矩形状のエリアとなる。より詳細には、平面から視てハンドツールHTの垂下位置とカウンタウェイト51の垂下位置との中間(平面から視た吊持ワイヤー52の中間)となる吊持中央53を安定接地輪郭AL内に収めるものであり(図4(c)参照)、これによりアシストホルダー1の安定性を向上させるものである。
またキャスターフレーム6には、例えば図1・7に示すように、左側の前方張出ロッド61の途中にフロアロック64が設けられる。
このフロアロック64は、バネ等の弾性により突出自在に構成された突出片64Aをフロア面(接地面)に押し付けるように飛び出させて、アシストホルダー1(スタンド本体2)の移動を阻止するものであり、ここでは特にロック操作及びその解除操作が、作業者Mの足踏み操作で行えるものが適用される。このため作業者Mは、アシストホルダー1を作業開始位置まで移動させた後、立ち姿勢のまま、足踏み操作を行ってフロアロック64を掛け(ロック操作を行い)、アシストホルダー1を固定することができる。
なお、フロアロック64が設けられる位置は、キャスターフレーム6の前方側であり、ここは作業中の作業者Mが居るエリアである。そのためアシストホルダー1の位置を少しだけ変えたい場合や微調整が必要であった場合、作業途中の作業者Mが容易に操作できる範囲となる。因みに、キャスターフレーム6の前方側をY形に形成したのは、ここが作業者Mの足の踏み場となるため、この空間を広く獲得するためである(足の踏み場の自由度を向上させるためである)。
また、自在キャスターは、ブレーキ付きであっても旋回位置がキャスターブレーキとキャスターフレーム6が重なった場合には、ブレーキ操作が困難となる。これに対し、本実施例のように、キャスター3が位置しない前方張出ロッド61の途中に一カ所のフロアロック64を設けることにより、確実に且つ簡単にアシストホルダー1をフロア面に固定したり、解除したりすることができるものである。
次にメインポスト7について説明する。
メインポスト7は、一例として図1・2・4に示すように、前記キャスターフレーム6から上方に立設された支柱を主な構成部材とし、この支柱は内部が空洞の円筒状であり(一例として外径76.3mm(内径70.7mm)、厚さ2.8mm)、内部に円柱状の充実体として形成されたカウンタウェイト51が昇降動自在に内蔵される。
またメインポスト7は、人の背丈程の高さを有した背高状に形成され(一例として吊り下げアーム8まで含めて1600mmほどの高さ)、これは作業者Mが立ち作業で作業することを考慮した高さである。すなわち、メインポスト7を背高状に形成することによって、作業者Mは「しゃがみ姿勢」から「立ち姿勢」までどの様な高さ(ストローク位置)でも作業が行えるものである。
また、このためハンドツールHTの上下ストロークも人の背丈範囲となり、必然的に前記キャスター3の取り付けピッチもそれほど大きく必要としなくなり、コンパクトな設計が行える。
ここで上記メインポスト7内に収められるカウンタウェイト51について説明する。
カウンタウェイト51は、一例として図5に示すように、円柱状の充実体として形成され(一例として直径約70mm、長さ約460mm)、メインポスト7の内壁と適宜のクリアランスを持って形成される。すなわち、収容状態でカウンタウェイト51の中心位置と、メインポスト7の中心位置とが合致するように構成されており、またカウンタウェイト51を吊るす(垂下する)吊持ワイヤー52は、カウンタウェイト51の中心位置に連結されている。
これによりメインポスト7内でカウンタウェイト51を安定して吊持することができ、カウンタウェイト51は、メインポスト7をガイドとしてスムーズに昇降動することができる構成となっている。
またメインポスト7には、例えば上記図1に示すように、手押しハンドル71が後方に張り出すように適宜のブラケット等を利用して固定される。これは、上述したようにアシストホルダー1を移動させる際の手押し操作用のハンドルである。具体的には、実作業を行う前に作業者Mがアシストホルダー1の後方側に立ち、手押しハンドル71を握って、アシストホルダー1全体を押すようにしながら、このものを目的の作業場所に移動させるものである(図3参照)。もちろん、作業場所に到着したら、足踏み操作で上記フロアロック64をロックし、アシストホルダー1が移動しないようにフロア面に固定するものである。
更にまた、メインポスト7には、例えば上記図1に示すように、ツールトレー72とツールカップ73とが適宜取り付けられる。
ツールトレー72は、底の浅い皿状に形成され、例えば作業対象となる車輛から取り外したホイールナットや、ハンドツールHTの先端に適宜嵌め替えて用いるソケットなどを仮置きする場所に利用でき、これらの細かい部材の紛失を防止することができる。
また、ツールカップ73は、やや底の深いカップ状に形成され、スパナやメガネレンチ等の小さい手工具やパーツクリーナー缶、潤滑剤スプレー缶などを収容するのに適しており、ツールトレー72とともに多目的に使用可能である。
なお、ツールトレー72やツールカップ73は、メインポスト7に対し、適宜の配管バンド等で取り付けられるようにしておき、取り付け高さや取り付け方向が自在に調整できるようにしておくことが好ましい。
またメインポスト7には、例えば上記図1に示すように、動力中継器(動力源接続器)74が設けられる。この動力中継器74は、ハンドツールHTへの動力源(コンプレッサーエアー・電源など)を大もとのエアタンクやコンセントなどから中継する取り合い器具である。
ここで大もとのエアタンクやコンセントなどから動力中継器74まで接続される動力供給ラインを一次側動力供給ラインL1とし、動力中継器74からハンドツールHTまで接続される動力供給ラインを二次側動力供給ラインL2とし、これらを総称して動力供給ラインとする。
なお、動力中継器74には、作業者Mが必要とする表示機能や操作機能、具体的にはエアの場合はフィルターレギュレターや圧力計などであり、電動の場合は電源ランプやスイッチなどが付属される。
因みに、この動力中継器74は、手押しハンドル71よりメインポスト7に寄った位置に設けられるものであり、これは外部の物体に干渉して、動力中継器74が損傷するのを防止するためである。
なお、本実施例では、回転しない(非旋回の)メインポスト7に動力中継器74を取り付けたが、旋回する吊り下げアーム8の旋回基部81(これについては後述)に取り付けることも可能である。
次に、吊り下げアーム8について説明する。
吊り下げアーム8は、一例として図1・6に示すように、メインポスト7の上端部から前方側に張り出すように設けられるアーム部材であり、ハンドツールHTをメインポスト7から適宜の距離、離して吊持するための部材である。
また吊り下げアーム8は、上記メインポスト7に対し、適宜の角度、旋回自在に構成されており、メインポスト7の上部に外嵌め状に設けられる旋回基部81と、この旋回基部81から前方側に張り出す吊り下げアーム本体82とを具えて成り、これらは溶接等で適宜一体化されて成る。このため吊り下げアーム8は、旋回基部81と、吊り下げアーム本体82とを一体化状態に組み付けたユニット構造となっている。
以下、旋回基部81と吊り下げアーム本体82とについて更に説明する。
旋回基部81は、メインポスト7よりも幾らか大きな内径寸法を有する円筒状に形成され(例えば外径80mm(内径76.8mm)、厚さ1.6mm)、メインポスト7に対し適度なクリアランスをもって、外嵌めできるように形成される。すなわち旋回基部81は、メインポスト7に対し同心円状の嵌合(外嵌め)を実現するように形成され、このため外筒となる旋回基部81は、メインポスト7をガイドにして、吊り下げアーム本体82とともにスムーズに水平回動できる構造となっており、これを本明細書では旋回構造4と称している。因みに、この旋回構造4によって、吊り下げアーム8の張出先端側(ツール支持端側)から吊持されたハンドツールHTは、適宜の角度範囲で自由に使用することができるようになっている(使用範囲に適度な自由度を持たせている)。
なお旋回基部81は、吊り下げアーム本体82とともにメインポスト7から、上方に引き抜くことができ、メンテナンスや組み立て作業が容易に行える構造となっている。
また、吊り下げアーム本体82は、一例として図6に示すように、中空の角パイプ状(いわゆるボックス形)に形成され、張出先端側(ツール支持端側)の下部には、ワイヤー導出口82A(一例として直径20mmほどの円孔)が開口され、ここからハンドツールHTを吊った吊持ワイヤー52を外部に導出する構成となっている。
また、吊り下げアーム本体82の内部には、旋回中心側(メインポスト7の直上部)とツール支持端側(ワイヤー導出口82Aの直上部)とに、案内溝付きのガイドローラ54が設けられ(計二個)、この二個のガイドローラ54の案内溝に、吊持ワイヤー52(両端にハンドツールHTとカウンタウェイト51を連結した吊持ワイヤー52)を、その両側が垂下状態となるように架け渡して(各ガイドローラ54に1/4周ほど巻回)、両端のハンドツールHTとカウンタウェイト51とを吊持している。このため二個のガイドローラ54に架け渡された吊持ワイヤー52を全体的に見ると、下向きコ字状の折り返し吊持(「コ」の字の開口を下方に向けた折り返し吊持)となっており、これを吊持構造5とする。
このように、吊持構造5は、吊持ワイヤー52で吊ったハンドツールHTとカウンタウェイト51の両方の荷重が真下方向に(装置の重量含め)掛かる構成となっており、このため必然的にアシストホルダー1の安定性が良くなる。より詳細には、平面から視て、吊持ワイヤー52で吊られたハンドツールHTとカウンタウェイト51の吊持中央53を、安定接地輪郭AL内に収めるようにしており、これによりアシストホルダー1の安定性を向上させている(図4(c)参照)。
なお吊持構造5には、カウンタウェイト51、ハンドツールHT、吊持ワイヤー52、吊持中央53、ガイドローラ54等、ハンドツールHTを吊持するための種々の部材が含まれる。
因みに、吊持ワイヤー52で吊られたハンドツールHTの最上昇位置を、立ち姿勢の作業者Mの手元高さに設定すると(図2・4(a)参照)、メインポスト7は、人の背丈程となり、アシストホルダー1全体として形状的に背高感を伴うが、上記のように安定性を確保した状態でアシストホルダー1を使用することができる。また、キャスター3の取り付けピッチもコンパクトな配置が採り得る。
また吊り下げアーム本体82において旋回中心側(メインポスト7の直上部)に設けられるガイドローラ54は、一例として図6に示すように、平面から視て、カウンタウェイト51を吊っている吊持ワイヤー52の中心位置(垂直案内中心位置)がメインポスト7の中心位置と合致するように、吊り下げアーム本体82に取り付けられる。
なお吊り下げアーム本体82において張出先端側(ツール支持端側)に設けられるガイドローラ54についても、平面から視て、ハンドツールHTを吊っている吊持ワイヤー52の中心位置が、概ね下方のワイヤー導出口82Aの中心位置に合致するように、吊り下げアーム本体82に取り付けることができる。しかしながら、実際の作業にあっては、作業者MがハンドツールHTを取り扱う際、ハンドツールHT(吊持ワイヤー52)を前方に引き出すことが多いことから、本実施例では、平面から視て、ワイヤー導出口82Aの中心位置を、ガイドローラ54による吊り下げ位置よりも幾分(例えば3mmほど)前方にずらすようにしている(図6(c)参照)。
また吊り下げアーム8(吊り下げアーム本体82)の中央部下側には、一例として図1・2・6(b)に示すように、前記動力中継器74からハンドツールHTに接続される二次側動力供給ラインL2(途中)を吊り下げる吊持ローラ83が、吊持ローラブラケット84によって設けられる。この吊持ローラ83は、吊持ローラブラケット84に対し、フリー回転できるように取り付けられ、例えば作業者MがハンドツールHTを引き出すような動作を行った場合、吊持ローラ83がフリー回転することで、前記動作に追従して二次側動力供給ラインL2がスムーズに繰り出される構成となっている。
また、吊持ローラブラケット84は、吊り下げアーム8に対し、水平旋回自在(水平回転自在)に設けられることが好ましく、これにより例えば作業者Mが、ハンドツールHTを三次元的に大きく移動させた場合でも、この動きに追従するように、吊持ローラブラケット84が自在に水平旋回し、二次側動力供給ラインL2に無理をかけることなく、ハンドツールHTまで二次側動力供給ラインL2を案内することができる。
なお、二次側動力供給ラインL2は、例えば図1に示すように、まず動力中継器74から下方に向かって垂れ下げるように取り回した後、ここからU字を描くように上昇させ、その後、吊持ローラ83に架け、ここを頂点とするように再度、逆U字を描くように下向きに配設して、ハンドツールHTに接続する配索形態が採り得る。
また吊り下げアーム本体82の内部では、一例として図6(c)に示すように、吊り下げアーム本体82の内壁(ここでは矩形状の内壁)とガイドローラ54との縦横のクリアランスが小さく設定されており、これにより吊持ワイヤー52がガイドローラ54の案内溝(V溝)から外れることを防止している。
また、上記ワイヤー導出口82Aについては、吊持ワイヤー52の太さ寸法に対し、充分に大きな開口として形成するようにしており、これは作業者MがハンドツールHTを斜めに引いた場合、これを吊った吊持ワイヤー52も斜めに引き出され、その際、この吊持ワイヤー52が吊り下げアーム本体82(ワイヤー導出口82A)に接触しにくいようにするためである。因みに、ワイヤー導出口82Aの大きさは、上記のように吊持ワイヤー52が直径2mmほどであるのに対し、直径20mmほどの円孔である。
また、吊り下げアーム8(吊り下げアーム本体82)は、上述したようにメインポスト7の上部で旋回するように構成され、上方空間で最も張り出す部材であることから、吊り下げアーム本体82の先端には、ゴム素材や合成樹脂素材などの柔らかい材質で形成された打ち込み栓を取り付け、対象物と接触した際に相手側にできるだけ損傷を与えないようにするものである。もちろん、打ち込み栓を取り付ける思想は、前方張出ロッド61や後方張出ロッド62等、他の部材においても同様に適用できる思想である。
なお吊り下げアーム8を旋回自在とすることで、ハンドツールHTの操作範囲(可動範囲)が拡がり、作業がやり易くなるが、その一方で、吊り下げアーム8を旋回させ過ぎると、重心移動やハンドツールHTとともに吊持ワイヤー52を斜めに引くことも相まって、アシストホルダー1全体の安定性が確保し難くなる(最悪の場合、倒れることが懸念される)。このため吊り下げアーム8の旋回角度は、一定範囲に規制するものであり、特にここでは二本の前方張出ロッド61が成す角度を基準とした安定維持範囲内に設定される。より詳細には、概ねキャスターフレーム6の二本の前方張出ロッド61が成す角度(例えば70度)内に収めるものであり、具体的な旋回角度(吊り下げアーム8の旋回角度)としては例えば60度前後となる。
吊り下げアーム8の旋回角度を規制する具体的構成としては、例えば図6(c)に仮想線で示すように、メインポスト7の上端後方側に、適宜の角度範囲(例えば80度)で切欠き41を形成しておくとともに、回転する旋回基部81(外筒)において内側に突出するストッパー42を取り付けておき(ここではボルト・ナットを適用)、旋回基部81の旋回に伴い回転するストッパー42を、切欠き41の端部に当接させることにより、それ以上の旋回を阻み、切欠き41の形成範囲内に旋回角度を規制する構成となっている。
また外筒となる旋回基部81には、一例として図6(b)・(c)に示すように、外周面に、吊り下げアーム8を適宜の旋回位置で固定するための固定ノブ43が設けられる(ここでは前方側に設置)。この操作は、例えば作業者Mが手動操作でねじ込むことにより、固定ノブ43の先端をメインポスト7に押し当てて、吊り下げアーム8の旋回を阻止(固定)するものである。
なお、固定ノブ43は、図示のように、旋回基部81の前方側に設けられることが好ましく、これは作業中、当該部位に常に作業者Mが居るためである。
また固定ノブ43で旋回基部81を固定した状態では、作業者Mが手に持ったハンドツールHTを動かしても、吊り下げアーム8は回動しないが(固定されたままであるが)、作業によっては、固定ノブ43で固定せず、ハンドツールHTの動き(位置)に追従させて、吊り下げアーム8を自動的に旋回させ、常に作業者Mの方向に吊り下げアーム8を指向させるような使い方もでき、このような使い分けも、固定ノブ43が常に作業者M側(前方側)にあることで行い易くなる。因みに、上記切欠き41、ストッパー42、固定ノブ43も上記旋回構造4に含まれる。
以上、述べたようにメインポスト7内でカウンタウェイト51を垂下している吊持ワイヤー52は、上部の吊り下げアーム8(吊り下げアーム本体82)内に設けられた二個のガイドローラ54に案内されて最終的に180度方向が変換されて、吊り下げアーム本体82(ワイヤ導出口82A)の下方で、ハンドツールHTを吊持しており、ハンドツールHTは、カウンタウェイト51に対し、対称的に垂下された状態となっている。また、メインポスト7内のカウンタウェイト51は、その重量がハンドツールHTの重量とほぼバランスするように設定されている。
このためハンドツールHTをホールドした作業者Mは、ハンドツールHTを、所望位置に三次元的に移動させる場合、極めて容易に移動させることができるとともに、ハンドツールHTを移動させた距離と同じ距離だけカウンタウェイト51が上昇または下降する。
なお、旋回基部81(メインポスト7の上端部に外嵌めされる旋回基部81)の上端には、円形のプレート81Aが嵌められるものであり、このプレート81Aは、吊り下げアーム本体82の下面にかかる重量(吊り下げアーム8、ハンドツールHT、カウンタウェイト51の総重量)と荷重を平均的にメインポスト7の上面に伝える作用を担っている。また、当該円形のプレート81Aには、センターに直径10mmほどの小さな孔が開口され、カウンタウェイト51を垂下する吊持ワイヤー52をこの孔に通すことで、吊持ワイヤー52のガイド機能(センター合わせ機能)も担っている。
次に、吊持ワイヤー52の端部をカウンタウェイト51に連結する取り付け方や、カウンタウェイト51の昇降動作に関与する部材について説明する。
吊持ワイヤー52の一端をカウンタウェイト51に取り付けるにあたっては、一例として図5に示すように、円柱状を成すカウンタウェイト51の上端中心部にアイボルト511を螺設しておき(ロックナットの並設が好ましい)、このアイボルト511のアイ(リング部)に吊持ワイヤー52の先端を通して折り返した後、先端折り返し部を吊持ワイヤー52とともに、ワイヤークリップなど適宜の固定金具RL1で固定することが可能である。ここで、本実施例ではハンドツールHT側にも固定金具を適用するものであり、これらの固定金具を区別する場合、本明細書ではカウンタウェイト51側の固定金具に「RL1」の符号を付し、ハンドツールHT側の固定金具に「RL2」の符号を付すものであり、ハンドツールHT側の固定金具RL2については後述する。なお、双方の固定金具RL1・RL2は、同じ金具の適用が可能である。
因みに、前記カウンタウェイト51側の固定金具RL1の上部には、一例として図5に示すように、偏平円柱状の緩衝体521(一例としてゴム製)を設けることが好ましく、緩衝体521の取り付けにあたっては、このものの中央部に開口された孔に、吊持ワイヤー52を貫通させて取り付けるものである。
ここでハンドツールHTの最下降位置は、カウンタウェイト51の最上昇位置であり、それは当該緩衝体521が前記円形のプレート81A(旋回基部81の上端に設けられたプレート81A)に当接した位置となる。このためプレート81Aは、カウンタウェイト51の上昇ストッパーの役目も兼ねるものであり、緩衝体521は、この際の当接を緩和する機能を担っている。なお、固定金具RL1と緩衝体521との間には、上記図5の拡大図に示すように、例えば金属ワッシャーWを設けることが好ましく、これは緩衝体521を固定金具RL1上部で安定的に載置するとともに、固定金具RL1や吊持ワイヤー52の端部から緩衝体521を保護するためである。
またカウンタウェイト51の底部には、重量調整用のサブウェイトA512が、例えばボルト締め等により取り付けられる。なお、サブウェイトA512は、一例として図5に示すように、カウンタウェイト51と同じ直径でありながら、薄板状のものを一個〜複数個、重ねて取り付けることができるようにしておき(ここではカウンタウェイト51の下に取り付けたが、上に取り付けることも可能)、その取付数の増減によって、理想的な重量バランスを実現することができるものである。因みに、一個のサブウェイトA512の重量を250g程度に設定しておけば、重量バランスの設定を微調整することができる。もちろん、このようなサブウェイトは、ハンドツールHT側に設けることも可能であり、これについては後述する。
またメインポスト7の底部には、最下降位置に達したカウンタウェイト51を受けるストッパー75が設けられ、本実施例では、一例として図5・7に示すように、ストッパー75として複数のボルト・ナットが取り付けられている。すなわち、このストッパー75は、カウンタウェイト51の最下降位置を規制するものであり、ここでは平面視120度ずつの角度差で三つのボルト・ナットがメインポスト7の径方向に取り付けられている。なお、このストッパー75としてのボルト・ナットは、メインポスト7から取り外すことができ、このようにすることでカウンタウェイト51をメインポスト7の下側から抜き取り、メンテナンス作業等が容易に行える。
またメインポスト7の底部には、前記ストッパー75の上部に、例えばゴム製の緩衝体76が設けられ、これはカウンタウェイト51が最下降位置に達した際の衝撃や音を緩和するための部材である。なお実際には、カウンタウェイト51が最下降位置に達した際、カウンタウェイト51または、カウンタウェイト51の底部に設けられたサブウェイトA512が、ストッパー75の上部に設けられた緩衝体76と当接する構造となっている。
次に、吊持ワイヤー52のもう一端をハンドツールHTに連結する取り付け方について説明する。
吊持ワイヤー52の他端側をハンドツールHTに取り付けるにあたっては、一例として図1・8に示すように、回動リングを有するカラビナ55(いわゆるキーリングカラビナ)と、ハンドツールHTの持ち手Gに取り付けられたブラケット56を利用する。
具体的には、まず吊持ワイヤー52の先端を、カラビナ55に設けられた回動リングに固定しておくものであり、上述したカウンタウェイト51側の固定と同様に、先端折り返し部を吊持ワイヤー52とともに、固定金具RL2で固定する。
なお、この際の固定金具RL2としては、例えば株式会社ニッサチェイン社のリーズロック(商品名)が適用でき、このものは吊持ワイヤー52の取り付け・取り外しが容易に行え(いわゆるワンタッチ操作)、固定の際の折り返し長さ、つまり吊持ワイヤー52の作用長(垂下する長さ)の調整が行える点で優れている。また、上述したように、この固定金具RL2は、カウンタウェイト51側の取り付けにも適用できる。
因みに、ハンドツールHT側の固定金具RL2は、作業者Mの手が触れることを考慮して、例えば図8に示すように、固定後に樹脂カバー等、柔らかい素材で被覆しておくことが好ましい。また同様に、ハンドツールHT側の吊持ワイヤー52(直径2mmほどのステンレス製)も、ハンドツールHTから数十センチの直近部分(折り返し部分を含む)は、ウレタンチューブ(例えば外径6mm、内径4mm)内を通すなどして露出させないことが好ましい。
また、本発明では、特に重いハンドツールHTを想定しており、この種のハンドツールHTには通常、ハンドツールHTの中央部と後部との二カ所に、持ち手Gが設けられている。そこで、特に本実施例では、ハンドツールHTの中央部に設けられた持ち手Gに、ブラケット56を取り付け、このブラケット56の側方突出部にアイボルト57を取り付けておき(螺設しておき)、このアイボルト57のアイ(リング部)に、前述したカラビナ55を掛け止めして吊持ワイヤー52をハンドツールHTに連結するものである。
次にハンドツールHTとカウンタウェイト51との重量バランスについて説明する。
ハンドツールHTとカウンタウェイト51との重量バランスは、完全均衡させること(いわゆるフリー設定)が可能であり、この場合には、作業者MがハンドツールHTから静かに手を離すと、ハンドツールHTをその位置で停止させておくことができる。
しかしながら、重量バランスには、わずかな差を設けることも可能であり、例えばカウンタウェイト51側の重量をハンドツールHT側の重量よりもわずかに重くすることが考えられる。この場合、作業者MがハンドツールHTから手を離した場合、ハンドツールHTは、自動的に上昇して行き、最終的には例えば図1に示すように、最上昇位置(ストローク上限位置)に格納される(自動的な上昇格納)。なおハンドツールHTを最上昇位置に格納するのは、この位置が、立ち姿勢をとることが多い作業者Mの手元高さに当たる位置であり、立ち姿勢の作業者Mがそのまま(しゃがむことなく)ハンドツールHTをホールドできるためである。因みに、ハンドツールHTが最上昇位置(ストローク上限位置)に達した際には、反対側のカウンタウェイト51は、下限着座位置に達している。
もちろん前記重量バランスとしては、例えばカウンタウェイト51側の重量をハンドツールHT側の重量よりもわずかに軽くすることも考えられる。この場合には、作業者MがハンドツールHTから手を離せば、ハンドツールHTは自動的に下降して行く。このため例えばアシストホルダー1の下部に受け台を設けておき、自動的に当該受け台に向けて下降させて行くことが可能となる。しかし、この場合には、見かけ上の重量が軽いとはいえ、作業者Mは使用時にハンドツールHTを持ち上げて使用しなければならず、また取り上げ時や、使用後の格納時(最終的に受け台に格納する際)に、腰を折ってかがむ姿勢をとることになり、これは作業者Mの体にとって大きな負担となる。
なお、ハンドツールHTを自動的に上昇格納することによって、ハンドツールHT側の吊持ワイヤー52の吊り下げ長が短くなり、この状態でアシストホルダー1を移動させても、ハンドツールHTが大きく揺れないことも利点である。もちろん、上記のようにハンドツールHTを上昇格納するようにした場合には、ハンドツールHTを使用する際、作業者Mは常にハンドツールHTを軽く持ち降ろして使用する形になり、作業者Mの負担は極めて軽くなる(持ち上げて使用するより体への負担が極めて少なくなる)。また、上記のような構造であれば、ハンドツールHTを格納するための場所や機構が不要となり、アシストホルダー1をシンプルに形成することができる。
また使用するハンドツールHTは、いつも同じとは限らない。すなわちハンドツールHTは、変更することがあり得、その場合には、当然、ハンドツールHTの垂下重量も変わる。そのため、カウンタウェイト51とハンドツールHTとの重量バランスは、適宜調整できるようにしておくことが好ましい。とりわけ、露出しているハンドツールHT側にも重量調整用の錘(サブウェイト)を取り付けられるようにしておくことが望ましく、これをカウンタウェイト51側のサブウェイトA512と区別するために、サブウェイトBと称し、符号「58」を付すものである。
ハンドツールHT側のサブウェイトB58は、一例として図8に示すような、釣り具の錘のような形態が採り得る。具体的には、このようなサブウェイトB58を、固定金具RL2によって吊持ワイヤー52の先端部を折り返したために形成されたループ状部分に1個〜複数個、着脱できるようにするものである。特にハンドツールHT側へのサブウェイトB58の着脱は、露出部分であるため、カウンタウェイト51への着脱に比べ、容易に行える。もちろん、ハンドツールHT側に設けるサブウェイトB58としては、必ずしも釣り具の錘である必要はなく、丸鋼や角鋼のコマを用いることもできる。また取り付け場所も、ブラケット56等にボルト締めで固定することも可能である。
本発明のアシストホルダー1は、以上のような基本構造を有するものであって、以下、このアシストホルダー1を使用した作業状況について説明しながら、アシストホルダー1の作動態様について説明する。
なお、ハンドツールHTは、基本的に非使用時には自動的に上昇し、最上昇位置に格納されるものとして説明する(例えばサブウェイトA512を使って、カウンタウェイト51側が、わずかに重くなるように設定しておく)。因みに、ハンドツールHTの最上昇位置(ストローク上限位置)は、作業者Mの手元高さか、それよりも少し上の高さに相当するものである(そのように設定されているものとする)。
(1)アシストホルダーの移動
実際の作業、例えば大型車輛の整備点検を行うにあたっては、実際に作業を行う場所となる大型車輛のタイヤ付近に、まずアシストホルダー1を移動させる。この際、作業者Mが手押しハンドル71を押して目的の場所にアシストホルダー1を移動させる。もちろん、このような移動中は、当然ながら、フロアロック64は、フロア面(接地面)への固定が解除された状態で移動させるものである。
(2)移動中の溝や段差について
工場のフロア面には細い排水溝や、運搬台車用の走行レール溝などが設けられていることがある。その場合、そのままアシストホルダー1を移動させると、これらの溝にキャスター3が落ちてしまい、移動が困難になってしまうことが考えられる。
そのため、このような場合には、移動の途中で、アシストホルダー1を前後に傾けることでキャスター3を浮き上がらせ、溝を越えることができる。具体的には、一例として図3に示すように、まず後方張出ロッド62の先端(突出端)を作業者Mが片足で踏みながら、手押しハンドル71を手前側(作業者Mから視て手前側)に引いて、アシストホルダー1を後方に少し傾け(後傾させ)、前輪3Fをフロアから浮き上がらせる。そして、この状態のままアシストホルダー1を前進させて、前輪3Fが溝を越えたところで、前輪3Fをフロアに降ろしアシストホルダー1の後傾姿勢を元に戻す。
次いで、再び、手押しハンドル71を持ち上げて、今度はアシストホルダー1を前方に少し傾け(前傾させ)、後輪3Bをフロアから浮き上がらせる。そして、この状態のままアシストホルダー1を前進させ、後輪3Bが溝を越えたところで、後輪3Bをフロアに降ろしアシストホルダー1の前傾姿勢を元に戻すものである。この操作で前輪3Fと後輪3Bの軸距以内の幅の溝を越えることができる。また、同様の操作で、溝だけでなく、段差(50mmほど)も乗り越えることができる。
このようにフロアに形成された溝や段差を越えるには、アシストホルダー1を適宜傾斜させるものであり、キャスターフレーム6のYT形のT形、特に後方張出ロッド62の後端を後方シャフト63から突出させたT形のフレーム構造は、このような傾斜容易性を考慮したものである。
そして、アシストホルダー1が目的の作業場所に到着したら、フロアロック64を掛け、アシストホルダー1が移動しないようにする。
(3)実作業
目的の作業場所に到着後、作業者M自身がアシストホルダー1の前方側、すなわちハンドツールHTを自由に操作できる位置に移動し、最上昇位置に吊持されているハンドツールHTをホールドして、例えばタイヤのホイールナットの取り外しなどの実質的な作業を行う。
この際、ハンドツールHTはカウンタウェイト51とほぼバランスしているので(厳密にはカウンタウェイト51側の重量がわずかに重い)、ハンドツールHTは見かけ重量が軽くなっており、これを引き出す作業(引き降ろす作業)が極めて容易に行える。また、ハンドツールHTの最上昇位置は、立ち姿勢の作業者Mの手元高さか、それよりも少し上の高さとなるため、ハンドツールHTをホールドする際、作業者Mは、かがむ姿勢をとる必要がなく、また軽く引き降ろすような作業で、目的の作業位置へハンドツールHTを容易に移動させることができ、作業者Mの体に掛かる負担を極めて軽減することができる。
なお、このような実作業を行うにあたり、吊り下げアーム8の旋回基部81に設けられた固定ノブ43を回して固定しておけば、実作業中、吊り下げアーム8はハンドツールHTを斜めに引いても旋回することはない。もちろん、固定ノブ43を固定せず、ハンドツールHTの動き(位置)に追従させて、吊り下げアーム8を自動的に旋回させ、常に作業者Mの方向に指向させるような使い方もできる。
また、実作業中、ハンドツールHTを斜め下方(前方)に引くと、メインポスト7直上部のガイドローラ54には、吊持ワイヤー52から横方向の力(ベクトル)が作用することになり、この力は厳密にはアシストホルダー1を転倒させる方向となる。しかしながら、この力も必然的にハンドツールHTとカウンタウェイト51の重量差内(バランス)に抑え込まれることになり、転倒は防止される。
(4)二次側動力供給ラインの取り合い
また、このような実作業中は、作業者MによるハンドツールHTの三次元的な操作(移動)に伴い、二次側動力供給ラインL2(前記動力中継器74からハンドツールHTまで接続されたエアホースや電源コードなど)も自由に追従する必要がある。
このため二次側動力供給ラインL2は、一例として図1に示すように、動力中継器74からメインポスト7の背後を回りながら一旦垂れ下がるように配設され、その後、上向きにUターンさせてから、吊り下げアーム8の吊持ローラ83に吊り下げられて(逆U字状を描くような吊り下げ)、上方からハンドツールHTに接続される。
このように、二次側動力供給ラインL2は、動力中継器74からハンドツールHTに至るまで、下向きと上向きとの二回の折り返し部を経るような取り合いで配索されており、このため例えばハンドツールHTの全ストロークが1mであっても、二次側動力供給ラインL2の垂れ下げ位置(動力中継器74から吊持ローラ83に向かうUターン状の垂れ下げ位置)の昇降量は約半分の50cmほどで済むことになり、Uターン状の垂れ下げ位置をそれほど低くしなくても済むものである。
また、上述したように、吊持ローラブラケット84(吊持ローラ83を吊り下げアーム8に取り付けるブラケット)は、吊り下げアーム8に対して水平旋回自在(水平回転自在)に設けられることが好ましく、これによって例えば、作業者MがハンドツールHTを三次元的に大きく移動させても、この動きに追従して、吊持ローラブラケット84が水平方向に自在に旋回し、二次側動力供給ラインL2をハンドツールHTまで無理無く案内することができる。
なお、二次側動力供給ラインL2は、吊り下げアーム8(吊り下げアーム本体82)にコイル(スパイラル)状に取り付けておき、ここからハンドツールHTに接続するような取り合いも可能である。
(5)作業後(または作業中断時)
そして、上記のような実作業後、または作業中断時(例えばハンドツールHT先端のソケットを付け替えるための中断)等には、作業者MがハンドツールHTから一旦、手を離すものであり、これによりハンドツールHTは、作業者Mによるホールドが解除され、わずかに重く設定されたカウンタウェイト51側に引っ張られるようにして、自動的に上昇し、最上昇位置で停止する(格納される)。
(6)実作業とキャスターフレームのYT形のYについて
なお、カウンタウェイト51によるハンドツールHTとの重量バランスの効率は、ハンドツールHTの吊持ワイヤー52が垂直に近づくほどアップする(ハンドツールHTを斜めに引き出すよりも)。このため作業者Mは、実作業中、必然的にカウンタウェイト51が内蔵されたメインポスト7に、自身の体を寄せる姿勢をとることになる。
この際、作業者Mは自由に足の踏み場が選択できることが好ましく(足の踏み場の自由度が高いことが好ましく)、足の踏み場としてメインポスト7の近くまで確保できた方が作業者Mとして作業が行い易い。このようなことからキャスターフレーム6の前方張出ロッド61をY形(YT形のY)に配置したものである。すなわち、前方張出ロッド61を後方張出ロッド62に対しY形に配置したことにより、実作業中、作業者Mは自身の足をメインポスト7の近くに位置させることができ、カウンタウェイト51によるハンドツールHTとの重量バランスを効率的に作業に利用することができるものである。
因みに実作業中の作業者Mの姿勢は、例えば図2に示すように、非旋回状態の吊り下げアーム8(吊り下げアーム本体82)に対し、作業者Mの上体は、やや前方を向きながら、作業者Mの下体は、吊り下げアーム8とほぼ平行になるような姿勢となる(これは言わば、野球でバッターがバッターボックスに立つような足の置き方に似ている)。このため作業者Mの足は、上記図2に示すように、Y形を成す前方張出ロッド61の外側前方(Yの外側前方)に置かれ、これが足の踏み場(置き場)となる。
しかし、作業者Mの姿勢(足の位置)としては他にも考えられる。具体的には、例えば図9に示すように、吊り下げアーム8を、平面視、時計回り(右回り)に振って、固定ノブ43でこの旋回状態をロックしておくものであり、この際、アシストホルダー1はフロアロック64によってフロアに固定しておく。この場合、作業者Mは自身の片足(右足)を、Y形を成す前方張出ロッド61の間(内側)に置いた姿勢をとることが考えられる。
このような作業姿勢(足の置き方)により、ハンドツールHTを前方または斜め左方向に振った場合でも、アシストホルダー1全体の転倒に対する安定性が増し、アシストホルダー1をより対象物に近づけることができる。
〔他の実施例〕
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
上述した基本の実施例では、基本的にはYT形のキャスターフレーム6について説明した。しかし、キャスターフレーム6としては、例えば図10に示すように、HT形のものも適用できる。
このHT形のキャスターフレーム6は、前方側において左右方向に延びる前方ロッド65を設け、その両端下部に前輪3Fとしての自在キャスターを取り付ける。また後方側において左右方向に延びる後方シャフト63を設け、その両端部に後輪3Bとしての固定キャスターを取り付ける。そして、メインポスト7の前方側、すなわちメインポスト7と前方ロッド65との間を接続杆66によって接続する一方、メインポスト7の後方側、すなわちメインポスト7と後方シャフト63との間を後方張出ロッド62で接続する。なお、接続杆66と後方張出ロッド62とは、図10に示すように、平面視、ほぼ一直線上に設けられ、このため両者を一体の部材で構成することも可能である。
そして、これら前方ロッド65、後方シャフト63、接続杆66、後方張出ロッド62によって平面視H形を構成する。
なお、ここでも後方張出ロッド62の後端は、後方シャフト63の後方から突出させることが好ましく、これはアシストホルダー1の傾斜容易性を確保するためである。その意味で、このキャスター形状はHT形となる。すなわち、後方張出ロッド62と後方シャフト63とによって平面視T形を構成する。
因みに、前方ロッド65、接続杆66、後方張出ロッド62は、角パイプ材で形成することができ、この場合も、各部材の開口部に、ゴム製や合成樹脂製などの柔らかい材質の打ち込み栓を嵌め込んで、塞いでおくことが望ましい。
1 アシストホルダー(ハンドツールのアシストホルダー)
2 スタンド本体
3 キャスター
3F 前輪
3B 後輪
4 旋回構造
5 吊持構造

6 キャスターフレーム
7 メインポスト
8 吊り下げアーム

41 切欠き
42 ストッパー
43 固定ノブ

51 カウンタウェイト
511 アイボルト
512 サブウェイトA
52 吊持ワイヤー
521 緩衝体
53 吊持中央
54 ガイドローラ(溝付き)
55 カラビナ
56 ブラケット
57 アイボルト
58 サブウェイトB

61 前方張出ロッド
62 後方張出ロッド
63 後方シャフト
64 フロアロック
64A 突出片
65 前方ロッド
66 接続杆

71 手押しハンドル
72 ツールトレー
73 ツールカップ
74 動力中継器
75 ストッパー
76 緩衝体

81 旋回基部
81A プレート
82 吊り下げアーム本体
82A ワイヤー導出口
83 吊持ローラ
84 吊持ローラブラケット

AL 安定接地輪郭
HT ハンドツール
G 持ち手(ハンドツールの持ち手)
M 作業者
L1 一次側動力供給ライン
L2 二次側動力供給ライン
RL1 固定金具(カウンタウェイト側)
RL2 固定金具(ハンドツール側)
W 金属ワッシャー

Claims (10)

  1. メインポストと、その上方前方に張り出すように設けられた吊り下げアームと、メインポストの下方に設けられるキャスターフレームとを具えたスタンド本体と、
    スタンド本体におけるキャスターフレームに支持される少なくとも三輪以上のキャスターと、
    前記メインポストに案内されて昇降するカウンタウェイトと、
    このカウンタウェイトから上方に延びるように案内された後、吊り下げアームでは吊り下げアームに沿って延び、吊り下げアームの先端側をツール支持端としてハンドツールまで垂下するように張設された吊持ワイヤーとを具え、前記カウンタウェイトにより吊持ワイヤーの他端側に取り付けられるハンドツールの見かけ重量を軽減するものであり、
    且つ前記メインポストと、カウンタウェイトとは、その重心位置を、平面から視てキャスターの接地点で囲まれる範囲を基準とした安定接地輪郭内に設けていることを特徴とする、ハンドツールのアシストホルダー。

  2. 前記スタンド本体におけるメインポストは、中空パイプにより構成され、この内部にカウンタウェイトが昇降自在に収められることにより、メインポストに案内されたカウンタウェイトの昇降動を実現することを特徴とする請求項1記載の、ハンドツールのアシストホルダー。

  3. 前記スタンド本体におけるメインポストと、吊り下げアームとは、別体に構成され、旋回構造を介して吊り下げアームが、その回動中心をメインポスト中心に合致させて水平回動自在に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の、ハンドツールのアシストホルダー。

  4. 前記キャスターフレームは、メインポストの下部から前方側に斜めに張り出す二本の前方張出ロッドを具え、この前方張出ロッドの先端部下側に、前輪となるキャスターが取り付けられるものであり、
    前記吊り下げアームの水平回動範囲は、これら二本の前方張出ロッドが成す角度を基準とした安定維持範囲内であることを特徴とする請求項3記載の、ハンドツールのアシストホルダー。

  5. 前記吊り下げアームには、メインポストの直上部に、案内溝付のガイドローラが設けられ、
    前記カウンタウェイトを吊る吊持ワイヤーは、このガイドローラの案内によって垂下方向から吊り下げアームに沿う方向に張設方向が変更されるものであり、
    更に当該ガイドローラは、平面から視て、カウンタウェイトを吊る吊持ワイヤーの中心位置が、メインポストの中心位置と合致するように設定されることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項記載の、ハンドツールのアシストホルダー。

  6. 前記キャスターは、スタンド本体を偏向移動自在とするために、その一部または全部を自在キャスターとすることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の、ハンドツールのアシストホルダー。

  7. 前記吊持ワイヤーには、カウンタウェイト側の端部またはハンドツール側の端部に、サブウェイトを取り付け、カウンタウェイト側とハンドツール側との重量バランスを調整自在としたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の、ハンドツールのアシストホルダー。

  8. 前記吊持ワイヤーの両端部に固定されたカウンタウェイトとハンドツールとの重量バランスは、カウンタウェイト側の重量がわずかに重くなるように設定され、この重量差によって作業者がハンドツールを離した際、自動的にハンドツールが上昇し、最上昇位置で格納されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の、ハンドツールのアシストホルダー。

  9. 前記キャスターフレームは、メインポストの下部から後方に張り出す後方張出ロッドを具えるとともに、この後方張出ロッドの後端部に、左右に延びる後方シャフトを具え、この後方シャフトの両端下部に、後輪となるキャスターを設けるものであり、
    前記後方シャフトの取り付けにあたっては、後方張出ロッドの後端が、後方シャフトよりも後方に突出するように取り付けられることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の、ハンドツールのアシストホルダー。

  10. 前記ハンドツールには、動力を供給するための動力供給ラインが接続されるものであって、
    前記吊り下げアームには、この動力供給ラインを吊り下げ支持する吊持ローラが吊持ローラブラケットによって取り付けられ、且つ吊持ローラブラケットは、吊り下げアームに対し水平旋回自在に設けられていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の、ハンドツールのアシストホルダー。
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