JP2021007527A - 母指用装具 - Google Patents

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近代 松村
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裕亮 椎名
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Abstract

【課題】物を掴む等の手、指及び手関節の基本動作を妨げず、かつ母指を良肢位で固定することができる母指用装具を提供する。【解決手段】母指用装具1は、母指球及び母指第1中手骨を少なくとも被覆する本体2と、母指球を押圧する母指球パッド31と、前記本体に固定され前記母指球パッドを押圧する母指球ベルト4と、を少なくとも備える。前記母指用装具は、前記本体の母指第1中手骨に当たる位置に中手骨ステー51を備えていてよい。また、前記母指用装具は、前記本体に一端が固定され、手首を被覆しないように手首より上部に巻回される巻回ベルト6を備えていてもよい。【選択図】図2

Description

本発明は、母指用装具に関する。
手の変形性関節症は、手の酷使や加齢による関節軟骨の老化や摩耗によって、関節部位に腫れや痛みが生じる疾患である。手の変形性関節症の一つとして、母指の付け根にあるCM関節(指先から3番目の関節、母指手根中手関節)に腫れや痛みが生じる母指CM関節症が挙げられる。母指CM関節症は、特に中高年の女性に多くみられ、物を掴んだり、字を書いたりする母指の動作により関節に強い痛みが生じる。
母指CM関節症の治療及び/又は予防のために、母指CM関節の動きを制限する装具が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、先端は露出させた状態で母指をそのMP関節近傍からCM関節を越えた部位までを包み込む母指キャップと、手関節を周回させて係止することで該母指キャップを固定するベルトとにより構成されるものであって、該母指キャップは母指外側に相当する部分に補強布を内包するシリコーンラバーにより形成されるものであることを特徴とする母指関節装具が提案されている。
また、特許文献2には、母指の関節を固定する関節固定具において、手首回りに沿って巻回される帯状のリストベルトと、一端が上記リストベルトの手首側の側辺から延設され、他端がほぼ180°折り返された状態で上記手首側の同じ側辺から上記リストベルトに着脱自在に係止されるループベルトと、上記リストベルトの巻回方向の一端側から延設され、先端が上記巻回方向の他端側から上記リストベルトに着脱自在に係止される固定ベルトとを備え、上記固定ベルトには、上記リストベルトの巻回方向の一端側に並設される少なくとも2本の固定ベルトメンバーが含まれ、上記ループベルトにより、上記母指が挿入可能なループ(輪)が形成されることを特徴とする関節固定具が提案されている。
特開2001−218781号公報 特開2004−298355号公報
整形外科分野において、患部に負荷を掛けずに安静に固定できる装具が求められている。一方で、母指は五指の中でも特に動きが多い指であるため、装具を装着しても手、指及び手関節の基本動作を妨げないことが好ましい。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、物を掴む等の手、指及び手関節の基本動作を妨げず、かつ母指を良肢位で固定することができる母指用装具を提供することを目的とする。
本発明者らは、母指用装具の本体で母指球及び母指第1中手骨を少なくとも被覆し、母指球を押圧するパッドと、当該パッドをさらに押圧するベルトとを設けることで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、母指球及び母指第1中手骨を少なくとも被覆する本体と、母指球を押圧する母指球パッドと、前記本体に一端が固定され、前記母指球パッドを押圧する母指球ベルトと、を少なくとも備える母指用装具である。
本発明に係る母指用装具は、本体が母指球及び母指第1中手骨を少なくとも被覆する構成であることにより、手、指及び手関節の基本動作を妨げないようにすることができる。また、母指球パッドで母指球を押圧し、当該母指球パッドをさらに母指球ベルトで押圧するため、母指を良肢位で固定することができる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
右手の概略図である。 本発明の第1の実施形態に係る母指用装具の開いた状態の外側面を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る母指用装具の開いた状態の内側面を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る母指用装具の装着手順を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る母指用装具の装着後の状態を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る母指用装具の開いた状態の外側面を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態に係る母指用装具の開いた状態の外側面を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が限定されることはない。また、本発明は、下記の実施例及びその変形例のいずれかを組み合わせることもできる。
<1.本発明の概要>
まず、本発明の概要について図1を用いて説明する。
図1は右手RHの概略図である。図1に示すように、右手RHには、指の付け根にあるCM関節(指先から3番目の関節、母指手根中手関節)と、MP関節(指先から2番目の関節、中手指節間関節)とがある。
母指CM関節に腫れや痛みが生じると、痛みを回避するための代償動作として母指MP関節が過伸展位になる傾向にある。そして、当該母指MP関節の過伸展位が続くと、母指CM関節の亜脱臼肢位を助長するため、母指MP関節及び母指CM関節の変形が進行したり、さらに痛みが生じたりする。本発明者らは、母指CM関節症の進行を予防する又は母指CM関節の痛みを軽減するために、母指球を圧迫することを検討した。これは、母指CM関節の過伸展を抑制するためにはMP関節掌側近傍にある母指球を圧迫することが有効と考えたためである。しかしながら、単に母指用装具に母指球を圧迫するパッドを設けるだけでは押圧力が弱く、母指を良肢位で固定することができない場合があった。
以上のような状況に鑑み、本発明者らは本発明を完成した。本発明者らは、母指用装具の本体を、母指球及び母指第1中手骨を少なくとも被覆する構成にすることにより、手、指及び手関節の基本動作を妨げないようにすることができることを見出した。また、母指球パッドで母指球を押圧し、当該母指球パッドをさらに母指球ベルトで押圧することによって、母指を良肢位で固定することができることを見出した。
なお、本明細書において「良肢位」とは、母指CM関節への負担が少なくなるような最適な肢位のことをいう。本発明における良肢位は、例えば母指が掌側外転位かつ橈側外転位をとるような状態であってよい。
<2.第1の実施形態>
(1)母指用装具1の構成
図2及び図3を用いて、本発明の第1の実施形態に係る母指用装具1の構成について説明する。なお、各図面において共通する符号については、特に必要のない限り説明を省略する。
図2は、本実施形態に係る母指用装具1の開いた状態の外側面を示す模式図である。ここで、外側面とは、母指用装具1を装着したときに母指に接しない外側の面である。図3は、本実施形態に係る母指用装具1の開いた状態の内側面を示す模式図である。ここで、内側面とは、母指用装具1を装着したときに母指に接する内側の面である。
本実施形態に係る母指用装具1は、本体2と、母指球パッド31及び32と、母指球ベルト4と、を少なくとも備える。本実施形態に係る母指用装具1は、さらに中手骨ステー51及び/又は巻回ベルト6を備えていてもよい。以下、各部についてより詳細に説明する。
(1−1)本体2について
本体2は、母指球及び母指第1中手骨を少なくとも被覆する部材である。
本体2の形状は、母指球及び母指第1中手骨を被覆できる形状であれば特に限定されず、例えば横長の帯状体や、チューブ状の筒状体、手の外形状にそのままフィットするグローブ状の形態等であってよいが、図2及び図3に示すように、母指球を被覆する部材21と、母指第1中手骨を被覆する部材22とを含んでいることが好ましい。母指球を被覆する部材21と、母指第1中手骨を被覆する部材22とが別々の部材であることによって、母指用装具1と母指との間に隙間や浮きが発生することを抑え、母指用装具1による固定性が向上する。また、母指用装具1が母指の形状や動きに追従してフィットすることで、後述する母指球パッド31及び32、中手骨ステー51等の部材の効果がより発揮される。
母指球を被覆する部材21及び母指第1中手骨を被覆する部材22は、装着時に母指が良肢位となる状態、例えば母指が掌側外転位かつ橈側外転位をとる状態になるように構成されていることが好ましい。
本体2は、母指を挿入する開口部23を有し、手掌皮線を被覆しないように構成されることが好ましい。このような構成にすることで、母指のMP関節より上部の動作や、母指以外の指(示指、中指、薬指及び小指)のMP関節の屈曲を妨げることなく装着することができる。当該開口部23は、母指球を被覆する部材21に穴を開けることによって形成されてもよいが、図2及び図3に示すように、母指球を被覆する部材21を筒状に縫い合わせることによって形成することが好ましい。このような構成にすることで、本体2が母指の形状により追従するため、母指用装具1による固定性がより向上する。
本体2は、例えば母指と示指との間の水かきから、母指球までを被覆するように構成される。このような構成にすることで、母指と示指との間隔を広くし、母指の橈側外転位を保持することができる。
本体2を構成する糸素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれでもよく、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、セルロース系繊維(綿、レーヨン、ポリノジック、リヨセル等)、ポリウレタン系繊維、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン,ポリプロピレン等)、アセテート系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、毛(羊毛、獣毛等)などを単独で用いた糸、又はこれら繊維を混用した糸を用いることができる。糸の種類としては、モノフィラメント、マルチフィラメント、撚糸、カバードヤーン、コアヤーン等が利用でき、伸縮加工や嵩高加工等を施したものを用いてもよい。
また、本体2の編成としては、経編又は緯編の各種編組織が利用でき、例えば、ダブルラッセル生地、平編生地、ゴム編(リブ編)生地、パール編生地、タック編生地、丸編生地、横編生地、トリコット生地、ラッセル生地、パイル編生地、添え糸編生地等を用いることができる。
本体2は、クッション性及び/又は伸縮性を有することが好ましい。このような構成にすることでフィット感が良好になり、手、指及び手関節の基本動作を妨げずに母指用装具1を装着することができる。
また、本体2は通気性を有することが好ましい。このような構成にすることで、蒸れにくく、快適に母指用装具1を装着することができる。
本体2は、手、指及び手関節の基本動作を妨げないようにする観点から、厚さが3mm以下であることが好ましい。
本体2は、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル等の繊維素材からなり、フレンチパイル生地、圧縮ウレタン、ジャージ生地の3層で構成されることが好ましい。このような構成にすることで、モジュラス(荷重変化による伸張力の変化)及びクリープ(荷重を加えたときの伸張力の経時変化)が小さくなるため、装着中のフィット感の劣化を抑えることができる。
本体2の外側面は、後述する母指球ベルト4や巻回ベルト6を係着させるために、糸状素材がループ状に起毛されている面ファスナとすることが好ましい。なお、当該係着手段は面ファスナに限らず、面ファスナ以外の公知の係着手段を採用することができ、例えばバックル、スナップボタン、紐等を用いてもよい。
(1−2)母指球パッド31及び32について
母指球パッド31及び32は、母指球を押圧する部材である。母指球パッド31及び32は、母指が良肢位となる状態、例えば母指が掌側外転位かつ橈側外転位をとる状態になるように母指球を押圧する。
なお、以下では母指用装具1に2つの母指球パッド31及び32が設けられる場合を説明するが、母指球パッドは1つであってもよい。この場合、母指球パッドは母指球に当たるように掌側に設けられる。母指用装具1を左右兼用で使うことができるため、母指球パッドは2つ設けられることが好ましい。また、母指球パッドを2つ設けることによって、一方の母指球パッドで母指球を押圧し、他方の母指球パッドが母指と示指の間の背側第一指間腔に当たる位置に配置されることによって、装着時のフィット感がより向上する。
本実施形態に係る母指球パッド31及び32は、母指用装具1を装着したときに本体2の母指球に当たる位置に設けられる。2つの母指球パッド31及び32は、母指第1中手骨を挟むように設けられ、例えば母指第1中手骨幹部から骨頭付近に当たる位置にそれぞれ配置される。このような構成にすることで、母指第1中手骨幹部から骨頭付近にある筋肉や腱の収縮及び/又は滑走を妨げ、母指MP関節の伸展を抑え、過伸展変形を防ぐことができる。
母指球パッド31及び32の形状は、母指球を押圧できる形状であれば特に限定されないが、母指球の形状に合わせた形状であることが好ましく、例えば図2及び図3に示すような角丸の矩形状としてもよい。このような構成にすることで、母指球の一部が局所的に圧迫されることを防ぐことができ、違和感なく母指用装具1を装着することができる。
母指球パッド31及び32を構成する素材としては、ポリウレタン、クロロプレンゴム、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル等の樹脂素材、発泡体素材等を用いることができる。母指球パッド31及び32は、上述した樹脂素材又は発泡体素材と、上記本体2を構成する糸素材により構成されたクッション性材料との2層で構成されて、本体2に縫製又は熱溶着されてもよい。
母指球パッド31及び32は、手、指及び手関節の基本動作を妨げず、母指球に痛みを生じさせないようにするため、厚さが5.0mm以下であることが好ましい。
母指球パッド31及び32は、軟質ポリエチレン等の剛性を有する材料と、上述したクッション性材料との2層で構成され、クッション性材料が内側面になるように本体2に設けられることが好ましい。また、軟質ポリエチレンを用いる場合は、厚さが1.0〜2.0mmであることが好ましい。クッション性材料の厚さは2.0〜3.0mmであることが好ましい。このような構成にすることで、肌を傷つけることなく、母指球を押圧する力を逃がさずに伝達することができる。
(1−3)母指球ベルト4について
母指球ベルト4は、本体2に一端が固定され、母指球パッド31又は32を押圧する部材である。
母指球ベルト4は、一端が本体2に縫製又は熱溶着により固定され、他端が本体2と着脱自在であることが好ましい。また、母指球ベルト4の一端は、本体2において母指と示指との間の水かきに当たる位置に固定されることが好ましく、母指球ベルト4の他端は、本体2において母指CM関節の近傍に当たる位置で本体2と着脱自在であることが好ましい。このような構成にすることで、母指が掌側外転位をとるため、良肢位で固定することができる。また、母指球ベルト4が母指球パッド31又は32の上を通る構成にすることで、母指球パッド31又は32を上から押圧し、母指球パッド31又は32が母指MP関節の過伸展を抑制する効果をより発揮させることができる。
母指球ベルト4は、手の曲面形状にフィットし、手の動作に追従させるために、柔軟性及び/又は伸縮性を有することが好ましい。母指球ベルト4を構成する素材としては、上述した本体2を構成する糸素材、塩化ビニル系樹脂等の樹脂シート、ゴム等を用いることができる。
母指球ベルト4は、母指球パッド31又は32を上から押圧するために、幅が10〜25mmであることが好ましく、15〜20mmであることがより好ましい。
また、母指CM関節の近傍に当たる位置で母指球ベルト4を係着させるために、母指球ベルト4の長さは40〜80mmであることが好ましく、50〜60mmであることがより好ましい。
母指球ベルト4の厚さは、特に限定されないが、例えば0.1mm以下でありうる。
母指球ベルト4の、本体2に固定されていない側の端部には、本体2の外側面と着脱自在な係着手段が設けられていることが好ましい。当該係着手段は、公知の係着手段を採用することができ、例えば面ファスナ、ボタン、フック、紐等であってもよい。これらの中で、本体2に固定する際に嵩張らず、外観を損なわない係着手段が好ましく、その中でも特に面ファスナであることが好ましい。
母指球ベルト4は、ベルト部41と、係着部42とを有していてもよい。この場合、ベルト部41の一端が、本体2において母指と示指との間の水かきに当たる位置に固定され、ベルト部41の他端が、上述した係着手段を有する係着部42に固定され、当該係着部42により、本体2における母指CM関節の近傍に当たる位置で本体2と着脱自在であることが好ましい。
ベルト部41は、係着部42の中央に固定されていることが好ましい。ベルト部41と係着部42との連結部を基点として係着部42を折り返し可能な構成にすることにより、母指用装具1を右手にも左手にも使用することができる。
(1−4)中手骨ステー51について
本実施形態に係る母指用装具1は、中手骨ステー51を備えていてもよい。中手骨ステー51は、本体2の母指第1中手骨に当たる位置に設けられる部材である。
中手骨ステー51は、母指用装具1を装着したときに本体2の母指第1中手骨に当たる位置に設けられ、母指第1中手骨を支持する。また、中手骨ステー51の下端は後述する巻回ベルト6で押圧されるので、母指第1中手骨底が亜脱臼方向に動いてしまうことを抑えることができる。
中手骨ステー51の形状は、母指第1中手骨を支持できる形状であれば特に限定されないが、例えば母指第1中手骨に合わせた縦長の板形状としてもよい。このような構成にすることで、第1中手骨が局所的に圧迫されることを防ぐことができ、違和感なく母指用装具1を装着することができる。
中手骨ステー51は、第1中手骨を支持するために、可撓性及び/又は剛性を有することが好ましい。中手骨ステー51を構成する素材としては、ポリエチレン等の樹脂素材が好ましい。
また、かさばらず、肌を傷つけないようにするため、中手骨ステー51の厚さは3.0mm以下であることが好ましい。中手骨ステー51として軟質ポリエチレンを用いる場合は、厚さは1.0〜2.0mmであることがより好ましい。
(1−5)巻回ベルト6について
本実施形態に係る母指用装具1は、巻回ベルト6を備えていてもよい。巻回ベルト6は、本体2に一端が固定され、手首を被覆しないように手首より上部に巻回される部材である。ここで、本明細書において「手首より上部」とは、手首より遠位側のことをいう。巻回ベルト6が手首を被覆しない構成であることにより、手関節の基本動作(掌屈、背屈、橈屈、尺屈等)を妨げることなく、母指用装具1を装着することができる。
巻回ベルト6は、一端が本体2に固定され、他端が本体2と着脱自在であることが好ましい。巻回ベルト6は、図2及び図3に示すように、本体2と一体に形成されていてもよい。
巻回ベルト6の前記他端は、中手骨ステー51の下端に当たる位置で本体2と着脱自在であることが好ましい。このような構成にすることで、中手骨ステー51を上から押圧し、中手骨ステー51が母指第1中手骨をより強く支持し、母指第1中手骨底が亜脱臼方向に動いてしまうことをより抑えることができる。
巻回ベルト6は、肌に痛みを生じさせないようにしつつ、手関節の動作に追従するようにする観点から、柔軟性及び/又はクッション性を有することが好ましい。また、巻回ベルト6は、伸縮性を有していてもよい。巻回ベルト6を構成する素材としては、上述した本体2を構成する糸素材を用いることができる。
巻回ベルト6は、手関節の基本動作を妨げないようにするために、幅が20〜30mmであることが好ましい。
巻回ベルト6の厚さは、特に限定されないが、例えば1〜4mmでありうる。
巻回ベルト6は、ベルト部61と、係着部62とを有していてもよい。ベルト部61の外側面は、巻回ベルト6を固定するために、糸状素材がループ状に起毛されている面ファスナとすることが好ましい。ここで、ベルト部61の外側面とは、ベルト部61が本体2に接しない面である。
ベルト部61の先端の内側面に設けられる係着部62は、フック状に起毛されている面ファスナ部とすることが好ましい。巻回ベルト6を手首より上部に巻回した後、ベルト部61の外側面と係着部62とを係着させることで、任意の強さで巻回ベルト6を固定することができる。ここで、ベルト部61の内側面とは、ベルト部61が本体2に接する面である。
なお、巻回ベルト6における係着手段は面ファスナに限らず、面ファスナ以外の公知の係着手段を採用することができ、例えばバックルやスナップボタン等を用いてもよい。
(2)母指用装具1の装着手順の一例
本実施形態に係る母指用装具1の装着手順の一例について、図4及び図5を参照しながら説明する。各図面において共通する符号については、特に必要のない限り説明を省略する。以下では、着用者の右手RHに装着する手順の一例について説明する。なお、本実施形態に係る母指用装具は、母指球ベルト4を右手着用時と反対側に折り曲げることで装着者の左右どちらの手にも装着することができる。
まず、右手母指RFを開口部23に挿入し、中手骨ステー51が母指第1中手骨に当たるように本体2を装着する。次に、図4に示すように巻回ベルト6を右手RHの掌側から背側に回して右手首RWより上部に巻き付け、係着部62を本体2の外側面に係着させる。
そして、図5(a)に示すように、母指球ベルト4の係着部42を、本体2の母指CM関節の近傍に当たる位置で係着させる。このとき、母指球パッド32を上から押圧するようにして、母指球ベルト4が本体2に係着されることが好ましい。
図5(a)及び図5(b)に示すように、本実施形態に係る母指用装具1は、母指球パッド32で母指球を押圧し、当該母指球パッド32をさらに母指球ベルト4で押圧することによって、母指CM関節を押さえ、母指MP関節の過伸展を抑えることができ、母指を良肢位で固定することができる。また、本実施形態に係る母指用装具1は、開口部23を有し、手掌皮線を被覆しないように構成されていることによって、母指のMP関節より上部の動作や、母指以外の指(示指、中指、薬指及び小指)のMP関節の屈曲を妨げることなく装着できる。
<3.第2の実施形態>
(1)母指用装具10の構成
図6を用いて、本発明の第2の実施形態に係る母指用装具10の構成について説明する。本実施形態に係る母指用装具10は、本体2と、母指球パッド33と、母指球ベルト4と、を少なくとも備え、母指球パッド33が、母指球ベルト4に設けられている。本実施形態に係る母指用装具10は、さらに中手骨ステー51及び/又は巻回ベルト6を備えていてもよい。これらのうち、本体2、中手骨ステー51及び巻回ベルト6の構成は、上述した第1の実施形態と同じものを用いることができるため、説明を省略する。
母指球パッド33は、母指球ベルト4のベルト部41に縫製又は熱溶着により固定され、母指用装具1を装着したときに母指球に当たる位置に設けられてよい。母指球パッド33の形状や素材は、上述した第1の実施形態の母指球パッド31及び32と同じものであってよい。
(2)母指用装具10の装着手順の一例
本実施形態に係る母指用装具10の装着手順の一例について説明する。
まず、上述した第1の実施形態と同様に、開口部23を右手母指RFに装着し、中手骨ステー51が母指第1中手骨に当たるように本体2を装着する。次に、巻回ベルト6を右手RHの掌側から背側に回して右手首RWより上部に巻き付け、係着部62を本体2の外側面に係着させる。
そして、母指球ベルト4の係着部42を、本体2の母指CM関節の近傍に当たる位置で係着させる。このとき、母指球パッド33が母指球に当たるようにして、母指球ベルト4が本体2に固定されることが好ましい。
本実施形態に係る母指用装具10は、母指球パッド33が母指球ベルト4に設けられているため、装着者の手の大きさに応じて、母指球パッド33の当たる位置を調節することができる。
<4.第3の実施形態>
(1)母指用装具100の構成
図7を用いて、本発明の第3の実施形態に係る母指用装具100の構成について説明する。本実施形態に係る母指用装具100は、本体2と、母指球パッド34と、母指球ベルト4と、を少なくとも備え、母指球パッド34が、母指球ベルト4に設けられている。本実施形態に係る母指用装具100は、さらに中手骨ステー51及び/又は巻回ベルト6を備えていてもよい。これらのうち、本体2、中手骨ステー51及び巻回ベルト6の構成は、上述した第1の実施形態と同じものを用いることができるため、説明を省略する。
母指球パッド34は、母指球ベルト4のベルト部41に着脱自在に取り付けられてよい。母指球パッド34の形状や素材は、上述した第1の実施形態の母指球パッド31及び32と同じものであってよい。母指球パッド34及びベルト部41は、公知の係着手段を設けていてもよい。
(2)母指用装具100の装着手順の一例
本実施形態に係る母指用装具100の装着手順の一例について説明する。
まず、上述した第1の実施形態と同様に、開口部23を右手母指RFに装着し、中手骨ステー51が母指第1中手骨に当たるように本体2を装着する。次に、巻回ベルト6を右手RHの掌側から背側に回して右手首RWより上部に巻き付け、係着部62を本体2の外側面に係着させる。
そして、母指球ベルト4の係着部42を、本体2の母指CM関節の近傍に当たる位置で係着させる。このとき、母指球パッド34が母指球に当たるようにして、母指球ベルト4が本体2に固定されることが好ましい。
本実施形態に係る母指用装具100は、母指球パッド34のベルト部41に着脱自在に取り付けられているため、装着者の手の大きさに応じて、母指球パッド34の位置を調節することができる。
1 母指用装具
2 本体
31、32 母指球パッド
4 母指球ベルト
51 中手骨ステー
6 巻回ベルト
RH 右手
MP MP関節
CM CM関節
RF 右手母指
RW 右手首

Claims (11)

  1. 母指球及び母指第1中手骨を少なくとも被覆する本体と、
    母指球を押圧する母指球パッドと、
    前記本体に一端が固定され、前記母指球パッドを押圧する母指球ベルトと、を少なくとも備える母指用装具。
  2. 前記本体が、母指球を被覆する部材と、母指第1中手骨を被覆する部材と、を少なくとも含む、請求項1に記載の母指用装具。
  3. 前記本体が、母指を挿入する開口部を有し、手掌皮線を被覆しないように構成されている、請求項1又は2に記載の母指用装具。
  4. 前記母指球パッドが、前記本体の母指球に当たる位置に設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の母指用装具。
  5. 前記母指球パッドが、前記母指球ベルトに設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の母指用装具。
  6. 前記母指球パッドが、母指第1中手骨を挟むように2つ設けられている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の母指用装具。
  7. 前記母指球ベルトの一端が前記本体に固定され、前記母指球ベルトの他端が前記本体と着脱自在である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の母指用装具。
  8. 前記母指球ベルトの一端が前記本体の母指と示指との間の水かきに当たる位置に固定され、前記母指球ベルトの他端が前記本体の母指CM関節の近傍に当たる位置と着脱自在である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の母指用装具。
  9. 前記本体の母指第1中手骨に当たる位置に中手骨ステーを備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の母指用装具。
  10. 前記本体に一端が固定され、手首を被覆しないように手首より上部に巻回される巻回ベルトを備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の母指用装具。
  11. 前記巻回ベルトの一端が前記本体に固定され、前記巻回ベルトの他端が前記本体と着脱自在である、請求項10に記載の母指用装具。
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