JP6993553B2 - 関節用装具 - Google Patents

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Description

本発明は、関節用装具に関し、特に、固定材を収容した本体部を用いて手首等の関節を固定する関節用装具に関する。
近年、整形外科領域の医療現場においては、患者の患部に合った形状に形成したキャストステーを装具に備え付け、患者の患部を迅速に固定することが求められている。このような関節用装具として、例えば、特許文献1には、整形外科的治療段階において四肢に適用する耐湿性の取外し可能なギプスであって、内側面と外側面を有するギプス本体と、前記本体に備わっていると共に、患者の皮膚から大気中へと外に湿気の移動を促す開放的な構造を有し、耐湿性で単層の3次元的なダブルニット生地で形成され、開いた位置と、前記四肢の治療領域に適用される前記ギプス本体の部分を覆う閉じた位置との間で移動可能なフラップ部であって、初期治療段階において患者の装着した副木を、前記ギプス本体と前記フラップ部との間で覆って保持するように適合させた前記フラップ部と、を含む、耐湿性の取外し可能なギプスが開示されている。
ところが、特許文献1に記載のギプスを用いて拳の関節を固定する場合、手指には多数の腱が複雑に関与しているため、基節骨骨折では掌側凸の典型的な転位パターンを呈する。また、基節骨の周囲3/4は腱によって覆われているので、骨折部で腱との癒着をつくり易い。そのため治療中にIP関節を自動運動することにより、腱を滑走させ癒着を防止する必要がある。
また、MP関節の側副靱帯は中手骨頚部の関節軸の背側から基節骨基部掌側面に向かって走行しているため、伸展時には緩み、屈曲時に緊張する。腫脹のある時には指が伸展位をとり易いので、他動的にでもMP関節を屈曲位に保持して側副靱帯の短縮を予防する必要がある。
これは、転移ある基節骨骨折、中手骨骨折で伸展位に固定をして、治療をした場合に起こり易い。また、屈曲時に隣接指と重ならないように固定をする必要がある。そこで、現在は、ナックルキャストという医療上のギブス処置でのキャスティング手法が存在している。
特表2014-518526号公報
しかしながら、手指という構造が複雑な部位において上記要件を満たしたキャスティング固定は難しく、そのギブス処置は長く時間がかかったり、複数人による施行が必要になったり、思った固定が得られないなどの問題があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、患部の治療と関節の固定とを早く簡便に行うことができる関節用装具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態である関節用装具は、芯材を有する固定材と、固定材を収容する本体部と、本体部を患部に固定する固定部と、を備え、固定材および本体部は、患部に当接する部分が所定の角度に屈曲する。
本発明によれば、患部の治療と関節の固定とを早く簡便に行うことができる関節用装具を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る関節用装具を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る関節用装具の装着側を示す平面模式図である。 本発明の第1実施形態に係る関節用装具の背面側を示す平面模式図である。 本発明の第1実施形態に係る関節用装具の装着状態を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る関節用装具を示す模式図である。 採型前のキャストステーの一実施形態を示す平面模式図である。 採型後のキャストステーの一実施形態を示す模式図である。 本体部にキャストステーを挿入する様子を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る関節用装具の装着状態を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る関節用装具の装着状態を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る関節用装具の装着状態を示す模式図である。 Aは、本発明の第2実施形態に係る関節用装具に甲部パッドを取り付けた状態を示す模式図である。Bは、甲部パッドを示す模式図である。 Aは、本発明の第2実施形態に係る関節用装具に掌部パッドを取り付けた状態を示す模式図である。Bは、掌部パッドを示す模式図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。また、本発明は、下記の各実施例及びその変形例のいずれかを互いに組み合わせることもできる。
<1.第1実施形態に係る関節用装具>
図1から図4を用いて、本発明の第1実施形態に係る関節用装具について説明する。本実施形態に係る関節用装具は、拳の関節を固定する装具(ナックルキャスト)である。図1は、本実施形態に係る関節用装具の掌ベルトを開いた状態を示す模式図である。図2は、本実施形態に係る関節用装具の掌ベルトを閉じた状態を示す装着側の平面模式図である。図3は、本実施形態に係る関節用装具の掌ベルトを閉じた状態を示す背面側の平面模式図である。図4は、本実施形態に係る関節用装具の装着状態を示す模式図である。
(1-1)関節用装具の構成例
本実施形態に係る関節用装具1は、本体部2と、掌ベルト3および4と、固定ベルト5と、を備えている。以下に、各部について詳細に説明する。
本体部2は、平面形状が略矩形で、装着時に拳に接する内側面と、その反対側の外側面と、を有している。本体部2の内側面と外側面との間は開閉可能なフラップ部に形成され、その間に、例えば固定材である水硬化性ステー(キャストステー)9を収容することができる。本体部2は、線分L1で指のMP関節に沿って所定の角度αに曲げることができる。所定の角度αは、70°~120°の範囲であることが好ましく、80°~100°の範囲がより好ましい。さらに、所定の角度αは、90°であることが最適である。角度αが90°であると日常行動の中で示指から小指が最も曲がりやすくなるからである。これにより、関節用装具1は、拳に装着時にMP関節を所定の角度αに維持することができる。また、指の先から手首に向かう方向において、外側面の長さは、内側面の長さよりも長く形成されている。これにより、所定の角度αに屈曲したキャストステー9が本体部2に挿入しやすくなっている。
本体部2を構成する糸素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれでもよく、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、セルロース系繊維(綿、レーヨン、ポリノジック、リヨセル等)、ポリウレタン系繊維、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン,ポリプロピレン等)、アセテート系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、毛(羊毛、獣毛等)などを単独で用いた糸、又はこれら繊維を混用した糸を用いることができる。糸の種類としては、モノフィラメント、マルチフィラメント、撚糸、カバードヤーン、コアヤーン等が利用でき、伸縮加工や嵩高加工等を施したものを利用してもよい。
また、本体部2の編成としては、経編又は緯編の各種編組織が利用でき、例えば、ダブルラッセル生地、平編生地、ゴム編(リブ編)生地、パール編生地、タック編生地、丸編生地、横編生地、トリコット生地、ラッセル生地、パイル編生地、添え糸編生地等が利用できる。これらの中で、保持率を上記範囲内とすることができ、且つ、通気性を確保して装着感を向上させることができる生地が好ましく、ダブルラッセル生地とすることが好ましい。
ここで、ダブルラッセル生地は一本の糸から編目を作りながらループと呼ばれる輪をつなぎ合わせて作り、ループがもつ弾力性で伸長力に寄与することができ、このループから空気を透過させる事が出来る。このため、ダブルラッセル生地を用いることにより、通気性を確保することができる。
掌ベルト3は、図1において、本体部2の右側下端から延在しており、その先端に面ファスナ部6が形成されている。同様に、掌ベルト4は、図1において、本体部2の左側下端から延在しており、その先端に面ファスナ部7が形成されている。掌ベルト3および4は、本体部2を拳の甲に押しあてて、拳を所定の角度αで固定するために用いられる。
固定ベルト5は、図1において、本体部2の左側側辺下方から水平方向に延在しており、その先端に面ファスナ部8が形成されている。固定ベルト5は、本体部2を手の指と密着させるために用いられる。
なお、本実施形態では掌ベルトが2本形成され、固定ベルトが1本形成されているが、ベルトの本数はこれに限られない。また、本実施形態に係る関節用装具1では、面ファスナ部6、7および8に、それぞれ面ファスナが設けられ、本体部2の外側面に糸素材がループ状に起毛されて、係着させる構造となっているが、係着させる構造はこれに限定されず、本体部2の外側面に面ファスナを設け、掌ベルト3および4、ならびに固定ベルト5の端部を糸素材がループ状に起毛された構成としてもよい。また、これらを係着させる構造は、面ファスナに限らず、公知の係着構造を採用することができ、例えばバックルやスナップボタンを用いてもよい。
図1において破線で示すように、本体部2の内側面と外側面との間には、拳の形に合わせて所定の角度αに採型したキャストステー9が収容されている。本体部2に収容されたキャストステー9、掌ベルト3および4、ならびに固定ベルト5で患部である拳の関節を線分L1の周りに所定の角度αで固定することができる。
キャストステー9は、含水させた後に乾かして固めるものであり、強度を出すために、一例として、シート状の芯材を備えている。特に、芯材の厚みおよび材質によってキャストステー9の強度を出している。芯材の素材は、例えば、プラスチック線維、ガラス繊維等の基布(基材)およびウレタン樹脂を用いることができる。これにより、ガラス繊維等の基布およびウレタン樹脂は共に安価であるため、キャストステー9を低コストで製造することが可能となる。なお、基布は、強度を出すための部材であり、ウレタン樹脂は水硬化させるための部材である。
キャストステー9は、芯材の基布にガラス繊維を採用しているため、芯材の厚みを薄くして患部の形にしやすくすることができるので、ステーの固定力を向上させることができる。また、キャストステー9は、薄型化が達成できると装具の設計自由度を向上させることもできる。
また、芯材の材料は、織布、編布、不織布等を使用することができ、これらを単独又は任意に選択組合せて形成してもよい。さらに、芯材には、天然繊維、化学繊維等の繊維を使用することができ、この繊維には、例えば、綿、毛、レーヨン、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、その他の繊維がある。
(1-2)関節用装具の装着手順の一例
次に、本実施形態に係る関節用装具1の装着手順の一例について、図1から図4を参照しながら説明する。本実施形態では、着用者の右手の拳N1に装着する手順の一例について説明する。なお、本発明に係る関節用装具は、装着者の左右どちらの拳にも装着することができる。
始めに、関節用装具1に収納されるキャストステー9の準備を行う。まず、アルミパウチから硬化前のキャストステー9を取り出し、取り出したキャストステー9を含水させる。そして、含水させたキャストステー9の余分な水分を除去してから、患部の右手の拳N1に余分な水分を除去したキャストステー9を押し当てて、キャストステー9を採型する。
そして、採型後のキャストステー9を、図3の本体部2の右側面方向から本体部2の内側面と外側面との間のポケットに収納し、例えば面ファスナ等でポケットを閉じる。
関節用装具1にキャストステー9を収納した後、関節用装具1を着用者の患部である右手の拳N1に装着する。具体的には、図1に示すように、関節用装具1の各ベルトを開いた状態にし、装着者の右手の拳N1を本体部2の線分L1に合せながら、右手の拳N1全体を本体部2の内側面に乗せる。
次に、図2および図3に示すように、掌ベルト3を親指の付け根下方から小指の付け根下方に向けて巻き付け、面ファスナ部6を拳側の上方まで回して本体部2の外側面に斜めに係着させる。今度は、掌ベルト4を小指の付け根下方から人差し指と親指との間を通して巻き付け、面ファスナ部7を拳側の上方まで回して本体部2の外側面に斜めに係着させる。
そして、図4に示すように、固定ベルト5を小指の付け根下方から人差し指と親指との間を通して巻き付け、面ファスナ部8を拳側まで回して本体部2の外側面に係着させる。
以上のように、本実施形態に係る関節用装具1は、所定の角度αに採型された後に本体部2に収容されたキャストステー9を備えることにより、関節の固定を早く簡便に行うことができる。さらに、本実施形態の関節用装具1は、第2指から第5指のMP関節だけを約90°に固定してIP関節をフリーの状態にしているため、MP関節の拘縮、骨折面での腱との癒着、回旋変形および偽関節を予防しつつ、骨折等の患部の治療を行うことができる。
<2.第2実施形態に係る関節用装具>
図5から図13を用いて、本発明の第2実施形態に係る関節用装具について説明する。本実施形態が第1実施形態と相違する点は、本体部に取り付けられた拳や手首等を固定するベルトの位置および本数が異なる点である。図5は、本実施形態に係る関節用装具の各ベルトを開いた状態を示す外側面の模式図である。図6は、本実施形態に係る採型前のキャストステーを示す平面模式図である。図7は、本実施形態に係る採型後のキャストステーを示す模式図である。図8は、本実施形態に係る関節用装具の本体部にキャストステーを挿入する様子を示す模式図である。図9から図11は、本実施形態に係る関節用装具の装着状態を示す模式図である。
(2-1)関節用装具の構成例
図5に示すように、本実施形態に係る関節用装具21は、本体部22と、掌ベルト23と、手首ベルト24と、周回ベルト25と、甲ベルト26と、を備えている。以下に、各部について詳細に説明する。なお、第1実施形態と同様の点については説明を省略する。
本体部22は、平面形状が縦長の略長方形で、図8に示すように、装着時に拳および手首に接するベース部32と、その反対側のカバー部33と、を有している。ベース部32とカバー部33との間は開閉可能なフラップ部に形成され、その間に、例えば図6に示すようなキャストステー31を収容することができる。本体部22は、長手方向上部の拳に接する部分の幅が、長手方向下部の手首に接する部分の幅よりも狭く形成されている。また、本体部22の長手方向の長さは、カバー部33の方がベース部32よりも長く形成されている。これにより、所定の角度αに屈曲したキャストステー31が本体部22に挿入しやすくなっている。なお、キャストステー31は、使用者の個人にあったステーを即時に作ることができ、副木固定ができるという特徴がある。
掌ベルト23は、図5において、本体部22の右側中央付近から延在しており、その先端に面ファスナ部27が形成されている。掌ベルト23は、本体部22を拳の甲に固定するために用いられる。
手首ベルト24は、図5において、本体部22の右側下端から延在しており、その先端に図示していないが面ファスナ部が形成されている。手首ベルト24は、本体部22を手首に固定するために用いられる。
周回ベルト25は、図5において、本体部22のカバー部33の下方から右側方向に延在しており、その先端に面ファスナ部28が形成されている。周回ベルト25には、カバー部33との接合付近に、面ファスナ部28を挿入可能なリング状の固定具29が設けられている。周回ベルト25は、手首ベルト24で本体部22を手首に固定した後に、さらに本体部22を手首に固定するために用いられる。
甲ベルト26は、帯状に形成され、図5において、本体部22の左右水平方向に延在するように、本体部22の上端に取り付けられている。甲ベルト26の左右先端には、面ファスナ部30Lおよび30Rが形成されている。甲ベルト26は、本体部22を手の指と密着させ、拳を所定の角度αで固定するために用いられる。
ここで、水硬化性のキャストステー31は、完全硬化前の副木効果は薄く、完全硬化するために約24時間を要することが特徴として挙げられる。そこで、本実施形態に係る関節用装具21は、基節骨をMP関節屈曲方向に圧迫する甲ベルト26を設けている。これにより、完全硬化する前のキャストステー31を補助し、対象の指に屈曲方向に強く力をかけることができる。なお、キャストステー31が完全硬化した後は、甲ベルト26を切り取ることができる。ただし、キャストステー31が完全硬化した後も引き続き甲ベルト26を使用することで、キャストステー31のフィット性を向上させることができる。
(2-2)関節用装具の装着手順の一例
次に、本実施形態に係る関節用装具21の装着手順の一例について、図5から図11を参照しながら説明する。本実施形態では、着用者の右手の拳N2に装着する手順の一例について説明する。なお、本発明に係る関節用装具は、装着者の左右どちらの拳にも装着することができる。
始めに、関節用装具21に収納されるキャストステー31の準備を行う。まず、図6に示すように、アルミパウチから採型前のキャストステー31を取り出し、取り出したキャストステー31を含水させる。そして、含水させたキャストステー31の余分な水分を除去する。
次に、図7に示すように、対象者の患部である右手の拳N2に余分な水分を除去したキャストステー31を押し当てて、キャストステー31を採型する。
次に、図8に示すように、採型後のキャストステー31を、本体部22の右側面方向からベース部32とカバー部33との間ポケットに収納し、例えば面ファスナ等でポケットを閉じる。
関節用装具21にキャストステー31を収納した後、関節用装具21を着用者の患部である右手の拳N2に装着する。具体的には、図5に示すように、関節用装具21の各ベルトを開いた状態にし、装着者の右手の拳N2を採型したキャストステー31の型通りに合せながら、右手の拳N2全体を本体部22のベース部32に乗せる。
次に、図9に示すように、掌ベルト23を小指の付け根付近から人差し指と親指との間を通して巻き付け、面ファスナ部27を拳側まで回して本体部22のカバー部33に係着させる。手首ベルト24を小指の付け根下方から手首に巻き付け、手首ベルト24の面ファスナ部を拳側まで回してカバー部33に係着させる。その後、周回ベルト25を手首に巻き付けた手首ベルト24の上から巻き付け、拳側まで回した面ファスナ部28を固定具29の輪の中に差し込んで折り返して周回ベルト25の表面に係着させる。
そして、図9から図11に示すように、甲ベルト26を所定の角度αで固定された拳N2の甲から手の両側面を通して手首方向に引っ張り、面ファスナ部30Lおよび30Rを周回ベルト25の表面に係着させる。
(2-3)変形例1
次に、図12を用いて、本実施形態に係る関節用装具21の変形例1について説明する。図12Aは、関節用装具21に甲部パッドを取り付けて拳N2に関節用装具21を装着している状態を示す模式図である。図12Bは、関節用装具21に取り付ける甲部パッドを示す模式図である。
図12Aに示すように、甲部パッド41は、本体部22のベース部32上方に、例えば面ファスナ等で取り付けられている。変形例1では、関節用装具21を拳N2に装着した際に、甲部パッド41の表面が右手の環指および小指の甲側に密着している。
図12Bに示すように、甲部パッド41は、平面形状が略矩形の四隅を切り取った八角形状を成している。甲部パッド41の素材はウレタンフォーム材、ポリエチレン系フォーム材、アクリル系フォーム材であり、例えば、伸縮性のあるスポンジ等を用いることができる。
環指及び小指は、MP関節の屈曲方向の可動域が人差し指および中指に比べて大きく、指の径が細い。そのために、キャストステー31を用いても完全にフィットさせることや、整復維持のための圧迫をかけることが難しい。そして、治療に伴い、患部腫脹が引くとさらにその傾向は強くなる。そこで、環指及び小指用の甲部パッド41を用いることにより、小指及び環指に対してのみパットを付与しキャストステー31に対して段差をつけることで、任意にその2指に対する圧力を強くすることができる。その結果、拳N2と関節用装具21との密着性を高めることができる。
(2-4)変形例2
次に、図13を用いて、本実施形態に係る関節用装具21の変形例2について説明する。図13Aは、関節用装具21に掌部パッドを取り付けて拳N2に関節用装具21を装着している状態を示す模式図である。図13Bは、関節用装具21に取り付ける掌部パッドを示す模式図である。
図13Aに示すように、掌部パッド42は、掌ベルト23の掌と接する内側面に、例えば面ファスナ等で取り付けられている。変形例2では、関節用装具21を拳N2に装着した際に、掌部パッド42の表面が右手の掌中央のくぼみに接触している。
図13Bに示すように、掌部パッド42は、平面形状が略円形形状を成している。掌部パッド42の素材はウレタンフォーム材、ポリエチレン系フォーム材、アクリル系フォーム材であり、例えば、伸縮性のあるスポンジ等を用いることができる。
掌部には凹み部があるため、キャストステー31の掌ベルト23が完全にフィットせず、キャストステー31の副木硬化を下げてしまうおそれがある。そこで、掌部パッド42を用いることにより、任意に掌部への圧力を強くすることができる。その結果、拳N2と関節用装具21との密着性を高めることができる。
上記構成により、本実施形態に係る関節用装具21は、第1実施形態に係る関節用装具1と同様の効果を有するとともに、拳や手首等の患部に固定する強度をより高めることができる。さらに、関節用装具21は、甲ベルト26を備えることにより、拳N2を種々の所望の角度で固定することができる。
<3.所定の角度αの実験結果>
次に、表1を用いて、キャストステー31の好適な所定の角度αの範囲についての実験方法および実験結果について説明する。下記の表1は、5人の被験者に対し種々の所定の角度αで関節用装具21を装着した実験1から4を示している。
Figure 0006993553000001
実験1は、5人の被験者に対し、示指を曲げて指先と掌の間で紙を挟むことができるMP関節の角度を測定した。その結果、5人の平均値が67.2°であった。「指先を掌に着ける」という行為を実験で用いたのは、把持行為で行動する時に行う基本的な行動だからである。この実験結果から、芯材の屈曲角度の範囲下限を70°に設定するのが好ましいと考えられる。
実験2は、5人の被験者に対し、小指でMP関節の最大屈曲角度を測定した。その結果、5人を測定した最大値が120°であった。小指を選択したのは、示指から小指の中で最も柔らかく指が曲がり易いのが小指だったからである。この実験結果から、芯材の屈曲角度の範囲上限を120°に設定するのが好ましいと考えられる。
実験3は、5人の被験者に対し、IP関節を伸展した状態にて500mlのペットボトルが握ることができるMP屈曲角度を測定した。その結果、5人の平均値が81.6°であった。ペットボトルを握る行為を実験で用いたのは、これが日常行動で行われる行為で、指のリハビリにも使える行為だからである。この実験結果から、芯材の屈曲角度の好適範囲下限を80°に設定するのが好ましいと考えられる。
実験4は、5人の被験者に対し、IP関節を伸展した状態にて500mlのペットボトルが握れなくなるときの小指のMP屈曲角度を測定した。その結果、5人を測定した最大値が100°であった。ペットボトルを握れなくなるときの小指の角度を選択したのは、ペットボトルを握る行為が日常行動で行われる行為で、示指から小指の中で最も柔らかく指が曲がり易いのが小指だからである。この実験結果から、結果から芯材の屈曲角度の好適範囲上限を100°に設定するのが好ましいと考えられる。
以上の実験1から4の実験結果より、所定の角度αは、70°~120°の範囲が適していることが分かった。また、所定の角度αは、80°~100°の範囲が好適であることが分かった。
1、21 関節用装具
2、22 本体部
3、4、23 掌ベルト
5 固定ベルト
6、7、8、27、28、30R、30L 面ファスナ部
9、31 固定材(キャストステー)
24 手首ベルト
25 周回ベルト
26 甲ベルト
29 固定具
32 ベース部
33 カバー部
41 甲部パッド
42 掌パッド
N1、N2 拳

Claims (10)

  1. 芯材を有する固定材と、
    前記固定材を収容する本体部と、
    MP関節を含む患部に前記本体部を固定する固定部と、を備え、
    前記固定部は、前記MP関節を所定の角度に屈曲させて保持し、IP関節を固定しない、関節用装具。
  2. 前記所定の角度は、70°~120°である請求項1に記載の関節用装具。
  3. 前記本体部は、内側面と外側面とを有し、
    前記外側面の屈曲方向の長さは、前記内側面の屈曲方向の長さ以上である請求項1または2のいずれか一項に記載の関節用装具。
  4. 前記本体部は、開閉可能なフラップ部が形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の関節用装具。
  5. 前記患部は、拳または手指の関節である請求項1から4のいずれか一項に記載の関節用装具。
  6. 前記固定部は、前記本体部を手指に固定する固定ベルトと、前記本体部を掌に固定する掌ベルトと、を有する請求項5に記載の関節用装具。
  7. 前記固定部は、手指の関節を屈曲方向に圧迫する甲ベルトを有する請求項に記載の関節用装具。
  8. 前記本体部と環指および小指との間には、甲部パッドが配置されている請求項5から7のいずれか一項に記載の関節用装具。
  9. 該掌ベルトと掌の凹みとの間には、掌部パッドが配置されている請求項6または7に記載の関節用装具。
  10. 前記芯材は、水硬化性樹脂を含浸させたガラス基材を含む請求項1から9のいずれか一項に記載の関節用装具。
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