JP2021006348A - プレス用鋼板およびプレス成形品、並びにプレス用鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】板長方向に板厚分布を有するプレス用鋼板を低コストにかつ精度良く製造可能とする【解決手段】板長方向Xに板厚分布を有するプレス用鋼板1であって、一定板厚の平鋼板10の裏面10bを表面10a側に加圧することで成形された板幅方向Yに延びる山部4と、平鋼板10の表面10aを裏面10b側に加圧することで成形された板幅方向Yに延びる谷部5と、山部4および谷部5を接続する接続部6とを一体に有する波型形状部3で薄肉部Bを構成する。波型形状部3のうち、接続部6は、平鋼板10に山部4および谷部5を成形するのに伴って平鋼板10の一部が板長方向Xに伸長変形することで形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、プレス用鋼板およびプレス成形品、並びにプレス用鋼板の製造方法に関する。
近年、自動車においては、必要とされる車体剛性や衝突強度等を確保しつつ、低燃費化(軽量化)を図ることが強く求められている。このような要請に応えるため、例えば自動車の構成部材を得るために使用されるプレス用鋼板(プレス加工を施すことで所定形状に成形される鋼板)に、板厚分布を有するいわゆる差厚鋼板を採用する場合がある。すなわち、差厚鋼板であれば、その特性を部分的に変えることができるので、例えば高い強度が必要とされる部位は厚肉にする一方、高い強度を必要としない部位は薄肉にして軽量化に寄与することができる。
差厚鋼板としては、板長方向(長辺方向)に沿って板厚分布を有するものがある。この種の差厚鋼板は、例えば、個別に作製した薄板と厚板とを突き合わせ溶接することにより(特許文献1)、あるいは、板厚一定の帯状鋼板を板長方向に搬送しながらその板長方向所定部位を圧延して薄肉化することにより(特許文献2)、得ることができる。なお、複数の鋼板を溶接することで得られる差厚鋼板はテーラーウエルドブランクとも称され、圧延により部分的な薄肉化が行われた差厚鋼板はテーラーロールドブランクとも称される。
ところで、例えば自動車の構成部材の仕様を変更する必要が生じた場合、プレス用鋼板(差厚鋼板)の仕様も変更する必要が生じる可能性がある。このとき、所定仕様の差厚鋼板を内製できれば、構成部材の仕様変更に容易にかつ迅速に、しかも低コストに対応することができる。しかしながら、上述した既存の差厚鋼板(テーラーウエルドブランクやテーラーロールドブランク)には、以下のような問題がある。
まず、テーラーウエルドブランクの品質は、鋼板同士を接合してなる溶接部の品質に大きく左右されるが、溶接部の品質を均一にするのは容易ではない。仮に、溶接部の品質が十分でないテーラーウエルドブランクにプレス加工を施すと、プレス加工の応力によって溶接部に割れ等の欠陥が生じるおそれがある。
一方、テーラーロールドブランクは、板厚一定の帯状鋼板を部分的に圧延することで得られるため、テーラーウエルドブランクに比べて量産性に優れ、かつ品質のばらつきが少ない、という利点を有する。しかしながら、テーラーロールドブランクを得るためには、大型の設備(圧延設備)が必要である。そのため、テーラーロールドブランクを内製するのは、コストや設置スペースの観点から見ても現実的ではない。
以上の実情に鑑み、本発明は、板長方向に板厚分布を有するプレス用鋼板を低コストにかつ精度良く製造可能とすることを目的とする。
上記の目的を達成するために創案された本発明は、板長方向の両端部に設けられた厚肉部と、両厚肉部の間に設けられ、厚肉部よりも板厚が小さい薄肉部とを有するプレス用鋼板であって、一定板厚の平鋼板の裏面を表面側に加圧することで成形された板幅方向に延びる山部と、上記平鋼板の表面を裏面側に加圧することで成形された板幅方向に延びる谷部と、山部と谷部を接続する接続部とを一体に有する波型形状部で薄肉部が構成され、上記接続部は、上記平鋼板に山部および谷部を成形するのに伴って平鋼板が板長方向に伸長変形することで形成されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、波型形状部のうち、山部と谷部を接続する接続部の板厚は、山部および谷部の板厚よりも小さくなる。そのため、プレス用鋼板のうち、波型形状部の板厚は、全体として波型形状部以外の部分の板厚よりも小さくすることができるので、波型形状部で薄肉部を構成することができる。そして、波型形状部を構成する山部および谷部は、それぞれ、一定板厚の平鋼板をその板厚方向に加圧する、いわゆるプレス加工によって成形される。プレス加工は、再現性に優れた加工方法であり、また例えば、プレス用鋼板にプレス加工を施す際に使用するプレス設備を流用して実施することができるので、圧延設備のような大型の設備を別途必要となく、高精度・高品質の薄肉部(波型形状部)を有するプレス用鋼板を低コストに得ることができる。
なお、接続部を、平鋼板がどの程度伸長変形した部位とするかは、山部および谷部の成形時における平鋼板の板厚方向への加圧量等を調整することによってコントロールすることができる。そのため、薄肉部の厚み変更の要請にも容易に対応することができる。
本発明に係るプレス用鋼板にプレス加工を施すことで得られたプレス成形品は、本発明に係るプレス用鋼板の板厚分布に倣い、板長方向の両端部よりも板長方向中央部の板厚が薄いものとなる。このようなプレス成形品は、例えば、自動車のルーフパネル(の基材)として使用することができる。
また、上記の目的を達成するため、本発明では、板長方向に板厚分布を有するプレス用鋼板の製造方法であって、一定板厚の平鋼板の裏面を表面側に加圧可能な板幅方向に延びる第1加圧面を先端部に有する第1パンチと、上記平鋼板の表面を裏面側に加圧可能な板幅方向に延びる第2加圧面を先端部に有する第2パンチとを板長方向に間隔をもって交互に配置し、上記平鋼板を定位置に保持した状態で平鋼板の裏面を第1加圧面で表面側に加圧すると共に平鋼板の表面を第2加圧面で裏面側に加圧し、この加圧に伴い、上記平鋼板のうちで第1加圧面との接触部と第2加圧面との接触部の間に介在する第1加圧面および第2加圧面との非接触部を板長方向に伸長変形させることを特徴とするプレス用鋼板の製造方法を提供する。
このような製造方法によれば、上述した本発明に係るプレス用鋼板と同様の作用効果を享受することができる。
以上より、本発明によれば、板長方向に板厚分布を有するプレス用鋼板を低コストにかつ精度良く製造することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)(b)に、本発明の一実施形態に係るプレス用鋼板1の側面図および平面図を示す。同図に示すプレス用鋼板1は、その板長方向Xに沿って板厚分布を有する差厚鋼板、より具体的には、板長方向Xの両端部に厚肉部Aが配置されると共に、板長方向Xの中間部(両厚肉部Aの間)に厚肉部Aよりも板厚(複数箇所で測定した値の平均値。以下同様。)が小さい薄肉部Bが配置された差厚鋼板とされ、例えば自動車の車幅方向に沿って配置されるルーフパネルの成形用鋼板として使用される。このプレス用鋼板1において、厚肉部Aは凹凸のない平坦部2で構成され、薄肉部Bは波型形状部3で構成される。
波型形状部3は、板幅方向Yに延びる凸円弧状の山部4と、板幅方向Yに延びる凹円弧状の谷部5と、隣り合う山部4と谷部5を接続する接続部6とを一体に有し、本実施形態では谷部5が平坦部2と同一レベルにある。山部4および谷部5の板厚は、平坦部2の板厚よりも僅かに小さく、接続部6の板厚よりも大きくなっている。本実施形態では、山部4の曲率半径が板幅方向Yの各部で同一とされ、谷部5の曲率半径も板幅方向Yの各部で同一とされる。
上記構成のプレス用鋼板1(特に波型形状部3)は、一定板厚の平鋼板(例えばJIS G 3141に規定の冷間圧延鋼板)にプレス加工を施すことで得られる。以下、プレス用鋼板1の製造方法について詳細に説明する。
図2(a)(b)に示すプレス用鋼板1の製造装置11は、横姿勢(水平姿勢)で配置された加工対象の平鋼板10を定位置に保持する保持部12と、保持部12で保持された平鋼板10に波型形状部3を成形する成形部13とを備える。
保持部12は、相対的に接近および離反移動可能に設けられた下側拘束型12aおよび上側拘束型12bを有し、両拘束型12a,12bで平鋼板10の板長方向Xの端部を挟持することにより、平鋼板10を定位置に保持(平鋼板10がその表面10aに沿う方向に移動するのを規制)する。
成形部13は、横姿勢で配置された平鋼板10の裏面10bを表面10a側に加圧可能な板幅方向Yに延びる第1加圧面14が先端部に設けられた複数(図示例では5つ)の第1パンチ15と、平鋼板10の表面10aを裏面10b側に加圧可能な板幅方向Yに延びる第2加圧面16が先端部に設けられた複数(図示例では4つ)の第2パンチ17とを備え、第1パンチ15と第2パンチ17は平鋼板10の板長方向Xに間隔をもって交互に配置されている。第1パンチ15および第2パンチ17は、それぞれ、相対的に接近および離反移動可能に設けられた下型18および上型19に保持されている。
図3(a)〜(c)のそれぞれに、第1パンチ15の平面図、側面図および正面図を示し、図3(d)に図3(a)のC−C線矢視断面図を示す。第1パンチ15は、基端側から先端側に向けて板長方向Xの寸法が漸次縮小した断面略三角形状をなし、先端部に、成形すべき山部4の形状に対応した凸円弧状の第1加圧面14が設けられている。本実施形態において、第1加圧面14の曲率半径および面幅は、板幅方向Yの全域で同一とされ、また、第1パンチ15の高さ寸法(第1加圧面14の先端位置)は、板幅方向Yの全域で同一とされる。第2パンチ17は、先端部に、成形すべき谷部5の形状に対応した凸円弧状の第2加圧面16を有するものであるが、ここでは、第1パンチ15の上下を反転させたものを使用しているので、詳細説明を省略する。
以上の構成を有する製造装置11において、まず、図2(a)に示すように、下側拘束型12aと上側拘束型12bを相対的に接近移動させることにより、横姿勢で配置された平鋼板10の板長方向Xの両端部を挟持し、平鋼板10を定位置に保持する。
次いで、図2(b)に示すように、平鋼板10の下側に配置された下型18および平鋼板10の上側に配置された上型19を相対的に接近移動させ、下型18に保持された各第1パンチ15の第1加圧面14で平鋼板10の裏面10bを表面10a側に加圧すると共に、上型19に保持された各第2パンチ17の第2加圧面16で平鋼板10の表面10aを裏面10b側に加圧する。ここでは、第1加圧面14が平鋼板10の板長方向Xの端部(保持部12により保持された部分)よりも所定量上側に位置すると共に、第2加圧面16が平鋼板10の板長方向Xの端部と同一平面上に位置するように、下型18と上型19を相対的に接近移動させる。これにより、平鋼板10のうち、第1加圧面14との接触部C1[図4(a)参照]および第2加圧面15との接触部が第1加圧面14および第2加圧面15に倣って変形し、その結果、凸円弧状の山部4および凹円弧状の谷部5が平鋼板10に成形される。
上記態様で平鋼板10の裏面10bを第1パンチ15で表面10a側に加圧すると共に、平鋼板10の表面10aを第2パンチ17で裏面10b側に加圧する時、第1パンチ15のうち第1加圧面14を除く領域は平鋼板10の裏面10bと接触させず、また、第2パンチ17のうち第2加圧面16を除く領域は平鋼板10の表面10aと接触させない。これにより、平鋼板10のうち、第1パンチ15および第2パンチ17との非接触部C2が図4(b)中に矢印Gで示す方向(平鋼板10の板長方向X)に伸長変形し、接続部6が形成される。
以上のようにして、平鋼板10に山部4および谷部5を成形すると共に接続部6を形成した後、型開きを行って(下型18および上型19を相対的に離反移動させると共に、両拘束型12a,12bを相対的に離反移動させて)プレス完了品を製造装置11から取り出す。これにより、板長方向Xの両端部に平坦部2が設けられると共に、板長方向Xの中間部に山部4、谷部5および接続部6を一体に有する波型形状部3が設けられた図1に示すプレス用鋼板1が得られる。
以上のようにして得られたプレス用鋼板1のうち、平坦部2は、拘束型12a,12bによる平鋼板10の板長方向Xの端部の拘束が解除された結果得られる部位であることから、その板厚は、平鋼板10の板厚と同じである。これに対し、波型形状部3の接続部6は、平鋼板10の一部、詳細には、平鋼板10のうち第1パンチ15(第1成形面14)および第2パンチ17(第2成形面16)との非接触部C2が、平鋼板10の板長方向Xに伸長変形することで形成された部位であることから、その板厚は、平鋼板10の板厚よりも小さくなる。より具体的には、図4(c)に模式的に示すように、接続部6の板厚tは、その板長方向Xの端部から中央部6aに向けて徐々に小さくなっており、中央部6aで最も小さくなっている。また、波型形状部3の山部4および谷部5は、定位置に保持された平鋼板10を板厚方向に加圧することで成形された部位であり、成形時には、平鋼板10のうち第1パンチ15との接触部C1および第2パンチ17との接触部C1が、図4(a)中に矢印Gで示す方向(平鋼板10の板長方向X)に僅かに伸長変形する。そのため、山部4および谷部5の板厚は、平鋼板10の板厚よりも僅かに小さくなっている。
以上により、プレス用鋼板1のうち、波型形状部3の板厚は、全体として波型形状部3以外の部分(平坦部2)よりも小さくなるので、波型形状部3で薄肉部Bを、また平坦部2で厚肉部Aを構成することができる。そして、波型形状部3を構成する山部4および谷部5は、それぞれ、一定板厚の平鋼板10をその板厚方向に加圧する、いわゆるプレス加工によって成形され、接続部6は、上記プレス加工に付随して(山部4および谷部5を成形するのに伴って平鋼板10が板長方向Xに伸長変形することにより)形成される。プレス加工は、再現性に優れた加工方法であり、また例えば、プレス用鋼板1にプレス加工を施す際に使用するプレス設備を流用して実施することができるので、圧延設備のような大型の設備を別途必要となく、高精度・高品質の薄肉部Bを有するプレス用鋼板1を低コストに得ることができる。
図示は省略するが、以上のようにして得られたプレス用鋼板1は、別途のプレス工程(最終プレス工程)に投入されてプレス加工が施されることにより、所定の完成品形状(例えば、自動車の車幅方向に沿って配置されるルーフパネルの形状)に成形される。最終プレス工程を経て得られるプレス成形品は、プレス用鋼板1の板厚分布に倣い、板長方向両端部の板厚よりも板長方向中間部の板厚が小さいものとなる。なお、プレス用鋼板1は、そのまま最終プレス工程に投入することもできるが、成形精度を考慮すると、図5に示すように、波型形状部3を平坦化させる平伸ばし工程を経てから、最終プレス工程に投入するのが好ましい。図示は省略するが、波型形状部3の平坦化はプレス加工で行うことができる。図5の下側の図に示す、平伸ばし工程を経て得られる平坦なプレス用鋼板1は、平鋼板10の一部が板長方向Xに伸長変形することで形成された接続部6を含む波型形状部3を平坦化したものであることから、上記の製造装置11に投入される平鋼板10よりも板長方向Xの寸法が拡大したものとなる。
以上、本発明の第1実施形態に係るプレス用鋼板1およびその製造方法について説明を行ったが、本発明の実施の形態は、以上で説明したものに限定されるわけではない。
例えば、平鋼板10に山部4を成形するために使用する第1パンチ15としては、図7(a)〜(e)に示すものを使用することも可能である。なお、谷部5を成形するために使用する第2パンチ17としては、以上で説明した第1実施形態と同様に、図7(a)〜(e)に示す第1パンチ15の上下を反転させたものが使用されるので、詳細説明を省略する。
図7に示す変形例に係る第1パンチ15が、図3等に示す第1実施形態に係る第1パンチ15と異なる主な点は、その先端部に設けられる凸円弧状の第1加圧面14の曲率半径が板幅方向Yの各部で異なると共に、その高さ寸法(第1加圧面14の頂点位置)が板幅方向Yの各部で異なる点にある。詳細に説明すると、図7(a)に示すように、第1加圧面14の曲率半径は板幅方向Yの中央部14aから板幅方向Yの端部14bに向けて徐々に拡大し、第1パンチ15の高さ寸法は、図7(b)〜(e)に示すように、板幅方向Yの端部14bから板幅方向Yの中央部14aに向けて徐々に大きくなっている。
ところで、上述したプレス加工により山部4および谷部5が成形されるのに伴って、平鋼板10のパンチ15,17との非接触部C2が板長方向Xに伸長変形したとき、その伸長変形量は、板幅方向Yの端部で最も大きくなる。これは、図3等に示す第1パンチ15(および第2パンチ17)を用いて波型形状部3を形成した場合、図6に模式的に示すように、接続部6の板幅方向Yの寸法が板長方向Xの端部から板長方向Xの中央部に向けて徐々に小さくなっている点から理解される。この場合、山部4および谷部5に作用する引張応力は、板幅方向Yの端部で最も大きくなる。そのため、山部4および谷部5の板幅方向Yの端部には、板割れ(裂け)等の欠陥が生じる可能性がある。
これに対し、図7に示す変形例に係る第1パンチ15を用いて山部4を成形すると共に、この第1パンチ15の上下を反転させた第2パンチ17を用いて谷部5を成形した場合、図3等に示すパンチ15,17を用いて波型形状部3を形成した場合よりも、山部4や谷部5の板幅方向Yの端部で板割れ等の欠陥が生じる可能性を減じることができる。すなわち、第1パンチ15の先端部に設けられる第1加圧面14の曲率半径を板幅方向Yの中央部14aから板幅方向Yの端部14bに向けて徐々に大きくすると共に、第1パンチ15の高さ寸法を板幅方向Yの端部14bから板幅方向Yの中央部14aに向けて徐々に大きくしておけば、山部4および谷部5の成形に伴って、平鋼板10のパンチ15,17との非接触部C2において、その板幅方向Yの端部で生じる伸長変形量とその板幅方向Yの中央部で生じる伸長変形量の差を小さくすることができるからである。
また、例えば、平鋼板10に山部4を成形するために使用する第1パンチ15としては、図8(a)〜(e)に示すものを使用することも可能である。なお、この場合も、谷部5を成形するために使用する第2パンチ17としては、図8(a)〜(e)に示す第1パンチ15の上下を反転させたものが使用されるので、詳細説明を省略する。
図8に示す第1パンチ15は、板幅方向Yの端部付近の形状(横断面形状)が、図7に示す第1パンチ15と大きく異なる。具体的には、図8(c)および図8(e)に示すように、この実施形態の第1パンチ15の板幅方向Yの端部付近では、第1成形面14に繋がる第1パンチ15の側面が第1パンチ15の高さ方向と平行な面(垂直面)に形成されている。これに伴い、第1成形面14の板幅方向Yの端部14bにおける面幅(板長方向Xの寸法)が、図7に示す第1パンチ15の第1成形面14の板幅方向Yの端部14bにおける面幅よりも大きくなっている。このような構成によれば、山部4および谷部5を成形するのに伴って、平鋼板10のパンチ15,17との非接触部C2において、その板幅方向Yの端部で生じる伸長変形量とその板幅方向Yの中央部で生じる伸長変形量の差を一層小さくすることができる。そのため、山部4や谷部5の板幅方向Yの端部で板割れ等の欠陥が生じる可能性をより効果的に減じることができる。
図1に示すプレス用鋼板1では、波型形状部3を構成する複数の山部4の全てを同一高さに位置させているが、複数の山部4の全てが同一高さに位置するとは限らない。図示は省略するが、例えば、複数の山部4のうち、最も平坦部2の近くに位置する山部4の高さは、その他の山部4よりも低くすることもできる。また、図1に示すプレス用鋼板1では、波型形状部3を構成する複数の谷部5の全てを同一高さに位置させているが、複数の谷部5の全てが同一高さに位置するとは限らない。
本発明に係るプレス用鋼板1に設けられる波型形状部3の形態(山部4および谷部5の数や曲率半径、隣り合う山部4と谷部5の高低差等)は、必要とされる機械的強度等に応じて適宜変更することができる。要するに、本発明は、以上で説明した実施形態に限定適用されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々の形態で実施することができる。
1 プレス用鋼板
2 平坦部
3 波型形状部
4 山部
5 谷部
6 接続部
10 (一定板厚の)平鋼板
11 製造装置
12 拘束部
13 成形部
14 第1加圧面
15 第1パンチ
16 第2加圧面
17 第2パンチ
18 下型
19 上型
A 厚肉部
B 薄肉部
C1 接触部
C2 非接触部
X 板長方向
Y 板幅方向
2 平坦部
3 波型形状部
4 山部
5 谷部
6 接続部
10 (一定板厚の)平鋼板
11 製造装置
12 拘束部
13 成形部
14 第1加圧面
15 第1パンチ
16 第2加圧面
17 第2パンチ
18 下型
19 上型
A 厚肉部
B 薄肉部
C1 接触部
C2 非接触部
X 板長方向
Y 板幅方向
Claims (3)
- 板長方向の両端部に設けられた厚肉部と、両厚肉部の間に設けられ、前記厚肉部よりも板厚が小さい薄肉部とを有するプレス用鋼板であって、
一定板厚の平鋼板の裏面を表面側に加圧することで成形された板幅方向に延びる山部と、前記平鋼板の表面を裏面側に加圧することで成形された板幅方向に延びる谷部と、前記山部および前記谷部を接続する接続部とを一体に有する波型形状部で前記薄肉部が構成され、
前記接続部は、前記平鋼板に前記山部および前記谷部を成形するのに伴って前記平鋼板が板長方向に伸長変形することで形成されていることを特徴とするプレス用鋼板。 - 請求項1に記載のプレス用鋼板にプレス加工を施すことで得られたプレス成形品。
- 板長方向に板厚分布を有するプレス用鋼板を製造するための方法であって、
一定板厚の平鋼板の裏面を表面側に加圧可能な板幅方向に延びる第1加圧面を先端部に有する第1パンチと、前記平鋼板の表面を裏面側に加圧可能な板幅方向に延びる第2加圧面を先端部に有する第2パンチとを板長方向に間隔をもって交互に配置し、
前記平鋼板を定位置に保持した状態で前記平鋼板の裏面を前記第1加圧面で表面側に加圧すると共に前記平鋼板の表面を前記第2加圧面で裏面側に加圧し、この加圧に伴い、前記平鋼板のうちで前記第1加圧面との接触部と前記第2加圧面との接触部の間に介在する前記第1加圧面および前記第2加圧面との非接触部を板長方向に伸長変形させることを特徴とするプレス用鋼板の製造方法。
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CN113134537A (zh) * | 2021-04-21 | 2021-07-20 | 哈尔滨工业大学 | 一种超薄金属瓦楞板成型装置及成型方法 |
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