JP2021005702A - 陽イオン性フルオロポリマー複合研磨パッド - Google Patents

陽イオン性フルオロポリマー複合研磨パッド Download PDF

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Abstract

【課題】半導体基板、光学基板および磁性基板の少なくとも1つの基板を研磨または平坦化するのに有用なポリマー−ポリマー複合研磨パッドを提供する。【解決手段】ポリマー−ポリマー複合研磨パッドは、研磨面を有する研磨層と、研磨層を形成するポリマーマトリックスとを含む。ポリマーマトリックスは、蒸留水中で5分間浸漬した後、10μmのrms面粗度で、pH7の蒸留水を用いて測定された場合に親水性である。窒素含有末端基を有する陽イオン性フルオロポリマー粒子が、ポリマーマトリックス中に埋め込まれている。陽イオン性フルオロポリマー粒子は、陰イオン性コロイド状シリカを含有するスラリーで研磨したときに、パターン化されたウェーハ上での基板の研磨除去速度を増加させることができる。【選択図】なし

Description

発明の背景
化学機械平坦化(CMP)は、多層3次元電気回路を正確に構築するために集積回路構造層を平らにするかまたは平坦化するのに広く使用されている研磨プロセスの一種である。研磨しようとする層は、通常、基礎となる基板上に堆積されている薄膜(10,000オングストローム未満)である。CMPの目的は、ウェーハ表面上の過剰の材料を取り除いて、均一な厚さの極めて平坦な層を生産することであり、前記均一性は、ウェーハ全域にわたって延在する。除去速度および除去の均一性の制御が最も重要である。
CMPは、ナノサイズの粒子を含有する液体(しばしば、スラリーと呼ばれる)を利用する。これは、回転するプラテン上に搭載されている、回転する多層ポリマーシートまたはパッドの表面上に供給される。ウェーハは、独立した回転手段を有する独立した材料固定具またはキャリアに搭載されて、制御された負荷下でパッドの表面に押し付けられる。これは、ウェーハと研磨パッドとの間で高い相対運動速度を導く(すなわち、基板とパッド表面の両方において高い剪断速度がある)。パッド/ウェーハ接合部で捕捉されたスラリー粒子は、ウェーハ表面を摩耗させ、除去を導く。速度を制御し、ハイドロプレーニングを防止し、かつ、ウェーハ下にスラリーを効率良く運搬するために、様々なタイプのテクスチャが研磨パッドの上面に組み込まれる。各種の微細ダイヤモンドでパッドを摩耗することによって、微細スケールのテクスチャが生産される。これは、除去速度を制御および増加させるために行われ、一般に、コンディショニングと称される。また、スラリー輸送調節のために、様々なパターンおよび寸法(例えば、XY、円形、放射状)のより大きなスケールの溝が組み込まれる。
CMP中の除去速度は、プレストン式(速度=K*P*V、式中、Pは圧力であり、Vは速度であり、そして、Kは、いわゆるプレストン係数である)に従うと広く観測されている。プレストン係数は、使用されている消耗品セットに特徴的である総合集中定数(lumped sum constant)である。Kに寄与する最も重要な効果のいくつかは、以下の通り提供される:
(a)パッド接触面積(パッドテクスチャおよび表面機械特性に主に由来する);
(b)作業を行うのに利用可能な接触領域面のスラリー粒子の濃度;および
(c)表面粒子と研磨しようとする層の表面との間の反応速度。
効果(a)は、主に、パッドの性質およびコンディショニングプロセスによって決まる。効果(b)は、パッドとスラリーの両方によって決まる一方で、効果(c)は、主に、スラリーの性質によって決まる。
大容量多層メモリ素子(例えば、3D NANDフラッシュメモリ)の出現は、さらなる除去速度の増加の必要性を導くに至った。3D NAND製造プロセスの重要な部分は、交互にピラミッド状の階段形式で、SiOおよびSi膜の多層堆積体を組み立てることからなる。完成したら、堆積体は、厚いSiO被覆層でキャッピングされ、該SiO被覆層は、素子構造の完成の前に平坦化されなければならない。この厚膜は、一般に、プリメタル誘電体(PMD)と称される。素子容量は、層化堆積体中の層の数に比例する。現在の市販されている素子は、32層および64層を使用しており、産業界は、128層へと急速に進展している。堆積体中の各酸化物/窒化物対の厚さは、約125nmである。したがって、堆積体の厚さは、層の数に正比例して増加する(32=4,000nm、64=8,000nm、128=16,000nm)。PMD工程について、除去しようとするキャッピング誘電体の総量は、PMDの共形堆積と仮定して、スタックの厚さの約1.5倍にほぼ等しい。
従来の誘電体CMPスラリーは、約250nm/minの除去速度を有する。これは、PMD工程にとって不必要に長いCMPプロセス時間をもたらし、これは、現在、3D NAND製造プロセスの主要な障壁となっている。その結果として、より速いCMPプロセスを開発しようとする多くの取り組みがある。大部分の改良は、プロセス条件(より高いPおよびV)、パッドコンディショニングプロセスの変更、およびスラリー設計の改良(特にセリア系スラリーにおける改良)に焦点を当ててきた。いかなる負の効果の導入もなしに、既存のプロセスおよびセリア・スラリーと組み合わして、より高い除去速度を達成することができる改良されたパッドが開発できたならば、CMP技術の大幅改良をもたらすだろう。
Hattori等(Proc. ISET07, p.953-4 (2007))は、セリアを含めた様々なランタノイド粒子分散液についてのゼータ電位 対 pHの比較プロットを開示している。ゼロ電荷のpH(しばしば、等電pHと呼ばれる)は、約6.6と測定された。このpHを下回ると、粒子は正電位を有し;このpHを上回ると、粒子は負電位を有する。シリカおよびセリアなどの無機粒子について、等電pHならびに等電pHを上回るおよび下回るpHでの表面電荷は、表面ヒドロキシル基の酸/塩基平衡によって決まる。
市販のセリア・スラリーおよび従来のパッドで誘電体を研磨する場合、粒子とパッドとの間の静電引力は、スラリー中の粒子濃度に対する特徴的な速度依存性を生じさせる。Li等(Proceedings of 2015 Intl. Conf. on Planarization, Chandler, AZ, p. 273-27 (2015))によって議論されているように、スラリーの等電pHを下回るpHでの誘電体研磨速度に対するコロイド状セリア粒子の濃度依存性は、非常に低い粒子濃度(約1%)で飽和挙動を示す。この濃度を上回ると、より多くの粒子を添加しても研磨速度に影響を及ぼさない。粒子/パッド相互作用が反発的である系では、そのような飽和挙動は見られない。誘電体研磨についての低粒子濃度セリア・スラリーの経済的利点は、その比較的高い価格にもかかわらず、その商業的使用への主な原動力となっている。
シリカ系スラリーを使用した誘電体CMPについて、使用されるスラリーの大部分は、アルカリ性であり、通常、pH10以上である。シリカ粒子は、約2.2の等電pHを有するので;結果として、これらは、そのスラリーpHで高い負電荷を有する。
先行技術のパッド設計は、概して、速度の増加を達成する手段としてのパッドのポリマー改変を放置してきた。CMPパッドにおいて速度の増加を達成するために使用される主要な方法は、以下の通りである:
a)上部パッド層の組成を変えずに溝設計を最適化すること;
b)上部パッド層の組成を変えずにコンディショニングプロセスを変更すること;
c)上部パッド層のコンディショニング応答を変えることによって、より望ましいコンディショニング応答を備えたパッドを提供すること;および
d)より高い硬度または改変された弾性を有する上部パッド層を備えたパッドを提供すること。
これらのあらゆる解決策にもかかわらず、陰イオン性および陽イオン性の両方の粒子スラリーによる研磨に対して、研磨欠陥の大幅な増加なしに除去速度を増加させる、平坦化研磨パッドを開発する必要性が依然として存在する。
発明の声明
本発明のある局面では、半導体基板、光学基板および磁性基板の少なくとも1つの基板を研磨または平坦化するのに有用なポリマー−ポリマー複合研磨パッドを提供し、該ポリマー−ポリマー複合研磨パッドは以下のものを含む。すなわち、
基板を研磨または平坦化するための研磨面を有する研磨層と;
研磨層を形成するポリマーマトリックスであって、該ポリマーマトリックスが第一のポリマーであり、該第一のポリマーが、蒸留水中で5分間浸漬した後、10μmのrms面粗度で、pH7の蒸留水を用いて測定された場合に親水性であり、そして、該第一のポリマーがフルオロポリマーではない、ポリマーマトリックスと;
前記ポリマーマトリックス中に埋め込まれた陽イオン性フルオロポリマー粒子であって、該陽イオン性フルオロポリマー粒子は窒素含有末端基を有し、該窒素含有末端基は前記陽イオン性フルオロポリマー粒子の表面に集中し、該陽イオン性フルオロポリマー粒子はpH7の蒸留水中で測定された場合に陽イオン性ゼータ電位を有し、該陽イオン性フルオロポリマー粒子が、陰イオン性コロイド状シリカを含有するスラリーで研磨したときに、パターン化されたウェーハ上での基板の研磨除去速度を増加させることができる、陽イオン性フルオロポリマー粒子と;を含む。
本発明の別の局面は、半導体基板、光学基板および磁性基板の少なくとも1つの基板を研磨または平坦化するのに有用なポリマー−ポリマー複合研磨パッドを提供し、該ポリマー−ポリマー複合研磨パッドは以下のものを含む。すなわち、
基板を研磨または平坦化するための研磨面を有する研磨層と;
研磨層を形成するポリマーマトリックスであって、該ポリマーマトリックスは第一のポリマーであり、該第一のポリマーが、蒸留水中で5分間浸漬した後、10μmのrms面粗度で、pH7の蒸留水を用いて測定された場合に親水性であり、そして、該第一のポリマーがフルオロポリマーではない、ポリマーマトリックスと;
ポリマーマトリックス中に埋め込まれた陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子であって、該陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子は窒素含有末端基を有し、該窒素含有末端基は前記陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子の表面に集中し、該陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子はpH7の蒸留水中で測定された場合に陽イオン性ゼータ電位を有し、該陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子が、陰イオン性コロイダルシリカを含有するスラリーで研磨したときに速度を増加させることができる、陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子と;を含む。
ポリウレタン研磨パッドについての接触角 対 PTFE添加率のプロットである。 コロイド状シリカ・スラリーおよびコロイド状セリア・スラリーを用いて生成された場合の、高強度ポリウレタン研磨パッド 対 PTFE含有バージョンについての摩擦係数データの計測である。 高強度ポリウレタン研磨パッド 対 PFAおよびPTFE添加で得られたものについてのコンディショナ・デブリ・サイズのプロットである。 PFAおよびPTFE粒子とセリア結晶との間の相互作用を示しているQCMプロットである。 PTFE粒子を添加しなかった軟質ポリウレタン研磨パッドについてのTEOS除去速度(Å/min単位)のプロットである。 PTFE粒子を添加した軟質ポリウレタン研磨パッドについてのTEOS除去速度(Å/min単位)のプロットである。 PTFE粒子を添加した軟質ポリウレタン研磨パッド、および添加しなかった軟質ポリウレタン研磨パッドについての面粗度のプロットである。
発明の詳細な説明
本発明は、半導体基板、光学基板および磁性基板の少なくとも1つの基板を研磨または平坦化するのに有用なポリマー−ポリマー複合研磨パッドを提供する。本発明は、陽イオン性砥粒粒子を含有するスラリーによるパターン化されたシリコンウェーハの平坦化に特に有益である。本発明の重要な要素は、研磨パッドのマトリックス中へのフルオロポリマー粒子の組み込みによる、上面へのスラリー粒子の吸着増強を促進するための上部パッド表面特性の改変である。本発明のパッドにおける予想外で新規な効果は、総ポリマー濃度に対しておよそ1〜20wt%の比較的低い濃度の低引張強度フルオロポリマー粒子の添加により、改善された除去速度および望ましく高い負または正の表面ゼータ電位をもたらすことである。具体的に別途記載のない限り、本明細書は、すべての濃度を重量パーセントで提供する。通常、フルオロポリマーのゼータ電位は、pH7の蒸留水中で測定された場合にマトリックスよりも負の程度が大きい。この負値性の増加は、研磨中の研磨パッドの研磨面に位置する研磨凹凸への正に荷電した粒子の優先的誘引を促進することができる。本明細書の目的のために、正に荷電した粒子は、セリア、チタニア、窒素ドープシリカ、アミノシランコーティングシリカおよび陽イオン性界面活性剤で改変された粒子などの陽イオン性粒子を含む。特に、フルオロポリマーで改変されたパッドは、セリア含有スラリーによる研磨に非常に有効である。研磨面は、蒸留水中で5分間浸漬した後、10μmのrms面粗度で、pH7の蒸留水を用いて測定された場合に親水性である。例えば、pH7では、ポリウレタンは、一般に、−5mV〜−15mVの範囲のゼータ電位を有するだろう。ポリウレタンのゼータ電位は、通常、低いpHレベルで正であり、pHレベルの上昇と共に負になる。しかしながら、ほとんどのフルオロポリマーは、疎水性であり、pH7で−20mV〜−50mVのゼータ電位を有する。フルオロポリマーのゼータ電位は、pHレベルの変化に伴う変動はポリウレタンよりも小さい傾向にある。
研磨中、ダイヤモンドコンディショニングディスクなどのコンディショナは、研磨パッドを切削し、表面に新鮮なフルオロポリマーを露出させる。このフルオロポリマーの部分は、上方へ伸び、研磨パッド上に隆起した表面領域を形成する。次いで、ウェーハとフルオロポリマーが擦り合って、研磨パッド表面上に薄膜が形成される。この膜は、10以下の原子層厚など、かなり薄い傾向にある。これらの薄膜は、とても薄いので、これらは、通常、標準的な走査型電子顕微鏡では視認できない。しかしながら、この膜のフッ素濃度は、X線光電子分光装置によって視認可能である。この装置は、フッ素および炭素濃度を侵入深さ1〜10nmで測定することができる。この膜が研磨面の一部しか覆わないことが重要である。フルオロポリマー膜が表面全体を覆う場合、研磨パッドは、研磨中、疎水性のままである。残念ながら、これらの疎水性パッドは、不十分な研磨除去速度を提供する傾向にある。その上、ポリマーマトリックス上へのフルオロポリマーの塗り込みを促進することができるようにするために、ポリマーマトリックスが十分な機械的完全性を維持することも重要である。例として、かつ、最も有利なことに、研磨パッドを研磨面の下で、かつ研磨層と平行にスライシングすることで、ポリマーマトリックス中に固着されたフルオロポリマー粒子の一方の端が残り、もう一方の端が伸び率で少なくとも100%可塑的に変形させることができる。
研磨面は、研磨中のパッドを湿らすのに十分なマトリックスポリマーを研磨面に含まなければならない。研磨パッドとスラリーとの間のこの親水性相互作用は、効率的なスラリー分配および研磨を維持するために重要である。本明細書の目的のために、親水性研磨面は、研磨パッドが、蒸留水(pH7)中に5分間浸漬した後、10μmのrms面粗度を持つことを指す。ダイヤモンドコンディショニングは、表面テクスチャを生じる。いくつかの状況下で、紙やすりなどの砥粒布でダイヤモンドコンディショニングを模倣することが可能である。通常、フルオロポリマー膜は、研磨パッド表面の20〜80パーセントを覆う。X線光電子分光法で測定された場合のフッ素濃度と、侵入深さ1〜10μmの深部透過型エネルギー分散型X線分光法で測定された場合のフッ素濃度との比較は、この膜の決定的な証拠を提供する。パッドは、侵入深さ1〜10nmの測定で、侵入深さ1〜10μmで測定されたマトリックスのバルクにおいてよりも少なくとも10原子百分率高いフッ素濃度を生成することができる。好ましくは、パッドは、侵入深さ1〜10nmの測定で、侵入深さ1〜10μmで測定されたマトリックスのバルクにおいてよりも少なくとも20原子百分率高いフッ素濃度を生成することができる。
さらに、総ポリマー濃度に対しておよそ1〜20wt%の比較的低い濃度の低引張強度フルオロポリマーの添加の別の不測の効果は、パッドコンディショニング・デブリのサイズの大幅な低下をもたらすことである。しかしながら、フルオロポリマー粒子は、これらがポリマー−ポリマー複合パッドの2〜30体積パーセントを含むときに有効に機能することができる。これは、観察された欠陥性の低減の要因であると考えられる。本発明のパッドにおける更に別の予想外で新規な効果は、親ポリマーに添加される特定のフルオロポリマーを変えることによって、パッドの表面ゼータ電位が改変される可能性があることである。このことは、望ましく小さいパッドコンディショニング・デブリサイズを維持しながら、パッドが、複数のタイプのスラリーに対して増強された研磨速度を生み出すことを可能にし、結果として、欠陥レベルを改善し、かつ、平坦化に関して親パッドの望ましい特性を維持する。加えて、負のゼータ電位は、スラリーを安定化させて、有害なウェーハの引掻き傷形成をもたらし得る有害な粒子沈降を抑制する助けにもなり得る。したがって、この粒子沈降の抑制は、しばしば、より低い研磨欠陥をもたらすことができる。
ポリウレタンブロックコポリマーなどの親ポリマーへのフルオロポリマー粒子の添加は、マルチポリマー複合物を形成する。好ましくは、マトリックスは、硬質および軟質セグメントを含有するポリウレタンブロックコポリマーである。多くの他の材料とは異なり、フルオロポリマーは、ポリウレタンマトリックスと結合も連結も形成することなく、独立したポリマーまたは相として存在する。このマトリックスは、多孔性か非多孔性かのいずれであってもよい。フルオロポリマーが周囲のマトリックスよりも、顕著により軟質でより展延性であることが好ましい。この低引張強度によって、フルオロポリマーの塗り込みおよびマトリックスを覆う薄膜の形成が可能になることが発見された。低引張強度を塗り込みと組み合わせることは、優れた研磨結果を達成することに不可欠である。その上、フルオロポリマーの添加は、研磨パッドを弱くするが、研磨中に形成される1〜10μmのデブリ粒子の量を減少させる。少量(1〜20重量%)が添加されたときに、得られた材料は、依然として、研磨パッドとしての使用に適した機械特性を持つ。しかし、パッドコンディショニングプロセスに対する応答は、全く異なる。実際に、フルオロポリマーは、研磨マトリックス中の一端に捕捉されたときに100%の伸びが可能である。これらのフルオロポリマーは、表面凹凸間の間隙を埋め、面粗度を低下させる傾向にある。
フッ素化ポリマー粒子(PTFE、PFA)は、市販のパッド配合物中に粉末として使用されたとき、陽イオン性砥粒による半導体基板の研磨時に、欠陥の改善および研磨除去速度の改善を示す。許容されるフッ素化添加物の化学構造は、以下の通りである:
(a)PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)
Figure 2021005702

(b)PFA(テトラフルオロエチレン(TFE)とペルフルオロアルキルビニルエーテル(PFAVE)のコポリマー)
Figure 2021005702

(c)FEP(テトラフルオロエチレン(TFE)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)のコポリマー)
Figure 2021005702

(d)PVF(ポリフッ化ビニル)
Figure 2021005702
追加の許容されるフルオロポリマーの例は、ETFE(エチレン テトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)およびECTFE(エチレン クロロトリフルオロエチレン)である。好ましくは、フルオロポリマーは、PTFE、PFA、FEP、PVF、ETFE、ECTFEおよびそれらの組み合わせから選択される。
フッ素で末端キャップされたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの多くの疎水性炭化水素ポリマーは、水中で、高い負のゼータ電位、通常−20mV未満の高い負のゼータ電位を有し、そして、かなり疎水性であり、静水接触角が100°を上回る。しかしながら、接触角ヒステリシスは、極めて低い。通常の水中での前進、静止および後退接触角は、それぞれ、110°、110°および95°であり、すなわち、材料表面は、高度に疎水性のままである。PTFEの高い負のゼータ電位は、ポリマー表面での水双極子の高い配向度と低い表面極性とに起因すると単純に説明できる。ポリフッ化ビニル(PVF)などの他の疎水性フルオロポリマーは、類似の静水接触角を有するが、水中で高い正のゼータ電位、通常+30mVを超える高い正のゼータ電位を有することができる。PVFは、それがはるかに高い極性であるという点でPTFEと異なる。正のゼータ電位は、末端キャップする窒素含有重合開始剤の存在に起因するものであり、開始剤が分かれてフルオロポリマーを末端キャップする。例えば、アゾ開始剤は、PTFE、PFA、FEP、PVF、ETFE、ECTFEおよびそれらの組み合わせを含めた複数のフルオロポリマーに対して、陽イオン性フルオロポリマー粒子を形成することができる。最も好ましくは、陽イオン性フルオロポリマーは、PVFである。
コンディショニングプロセスでは、金属またはセラミックマトリックス中に埋め込まれたダイヤモンド結晶が、切削ツールとして作用し、パッドに切り込みを入れて、材料を除去し、結果として表面テクスチャを形成する。ダイヤモンドコンディショニング相互作用には、塑性変形および破断の2つの基本的な様式がある。ダイヤモンド粒子のタイプ、サイズおよび単位面積当たりの数が一定の効果を持ち得る一方で、研磨パッドの構造は、材料除去の様式に対してはるかに大きな影響を有する。極端な一例として、固体の高靱性ポリマーは、主に塑性様式のコンディショニング摩耗をもたらすと予想され、細い溝を作るが必ずしも大量除去にはならない。他の極端な一例として、脆性のガラス状ポリマーは、破断を介したパッド除去に有利に働き、パッド表面の大きな塊がスラリー中に放出される。ポリマー複合物またはポリマーフォームについて、その隙間または添加物の体積分率は、コンディショニング様式を破断にシフトさせる傾向にあり、それは、前記隙間間の介在空間または第二の相とほぼ等価な体積を放出するために破壊されるパッドポリマー結合がより少なくて済むからである。CMPパッドに現在使用されている独立気泡ポリウレタンフォームについて、これらの破断断片のサイズは非常に大きく、通常数十ミクロンのサイズである。これらのパッドは、比較的硬いポリマーであるので、このサイズ範囲の粒子は、これらがCMP中に圧力下でスラリー膜に捕捉された場合に、研磨されるウェーハに引掻き損傷を引き起こすことが示されている。本発明のパッドについて、フルオロポリマー粒子の添加は、とりわけ小さい直径について、コンディショニング・デブリのサイズを顕著に低下させる。セル状隙間間の介在空間中の材料の引張強度をさらに弱らせるように作用するからである。これは、研磨中の引掻き傷密度の低下に寄与する。
本発明のパッド中のフルオロポリマー粒子が研磨中にパッド表面に露出すると、パッドとウェーハの相対運動から生じる高剪断速度は、フルオロポリマー粒子の低剪断強度と共に、パッド表面の隣接部分へのフルオロポリマーの塑性流動をもたらす。時間と共に、これは、ウェーハ表面上に薄い不連続のフルオロポリマー膜をもたらす。低レベルの粒子添加では、これは、ウレタンの多い領域とフルオロポリマーの多い領域からなる不均質表面をもたらす。このタイプの不均質表面を有する研磨パッドは、反対荷電粒子による研磨について顕著な研磨速度増強を有する。この不均質表面の有効ゼータ電位は、使用されるフルオロポリマーおよび相対被覆面積によって制御される。例えば、負のゼータ電位を有するPTFE粒子の使用は、親ポリマーと比べて増強された負のゼータ電位を有するパッド表面をもたらす。
同様に、本発明のパッドが使用されたときに生成されるコンディショニング・デブリもスラリー粒子に引きつけられるだろう。これらのデブリ粒子は小さいので、スラリー粒子の吸着は、スラリー粒子/パッド粒子凝集物の形成を導くと予想される。これらの凝集体を形成する研磨操作は、2つの理由で従来のパッドよりもはるかに害が少ない。第一に、親デブリははるかにより小さいので、得られる凝集物も相応により小さいだろう。第二に、凝集物は、それらの表面の不均質性に起因して、低い結合強度を有すると予想される。最後に、フルオロポリマーは、スラリーを安定化させ、粒子沈降を遅らせることができる。これは、セリア含有スラリーおよび他の陽イオン性スラリーにとって重要であり得る。例えば、フルオロポリマー粒子は、以下のように、陽イオン性粒子を含有するスラリー中で沈降感受性を有する:a)スラリーについての沈降勾配(%/時間)を決定する;b)0.1wt%フルオロポリマー粒子を加えたスラリーについての沈降勾配(%/時間)を決定する;そして、c)勾配a)−勾配b)が≧5%/時間である。スラリーは、研磨パッド上に限られた時間しか滞在しないので、勾配の小さな変化が研磨欠陥の顕著な減少を提供することができる。
本発明のパッドは、組み込むべきフルオロポリマー添加物を選択し、それをスラリー粒子およびpHと適合させる新規の手段により、多種多様なスラリーに使用して、増強された研磨速度および低減された欠陥性を達成することができる。
本発明に従うCMP研磨パッドは、以下の工程を含む方法によって製造され得る。すなわち、イソシアネート末端化ウレタンプレポリマーを提供する工程;硬化性成分を別々に提供する工程;および、イソシアネート末端化ウレタンプレポリマーと硬化性成分とを合わせて、組み合わせ物を形成し;組み合わせ物を反応させて生成物を形成する工程;生成物から研磨層を形成し(例えば生成物をスカイビング加工して所望の厚さの研磨層を形成)、研磨層に溝付けする(例えばそれを機械加工する)工程;そして、研磨層を備えた化学機械研磨パッドを形成する工程である。
本発明の化学機械研磨パッドの研磨層の形成において使用されるイソシアネート末端化ウレタンプレポリマーは、好ましくは、多官能性イソシアネートおよび1つがフルオロポリマー粉末である2以上の成分を含有するプレポリマーポリオール混合物を含む成分の反応生成物を含む。フルオロポリマー粉末は、イソシアネートと反応しない。むしろ、フルオロポリマー粉末は、最終重合工程の前に均一な分散を生じさせるためにプレポリマーに加えられる。
本発明の化学機械研磨パッドの研磨層の形成において使用されるイソシアネート末端化ウレタンプレポリマーは、好ましくは、多官能性イソシアネートおよび1つがフルオロポリマー粉末である2以上の成分を含有するプレポリマーポリオール混合物を含む構成要素の反応生成物を含む。フルオロポリマー粉末は、イソシアネートと反応しない。むしろ、フルオロポリマー粉末は、最終重合工程の前に均一な分散を生じさせるためにプレポリマーに加えられる。
本発明は、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリスルホンおよびポリカーボネートなどの様々なポリマーマトリックスと共に機能する。好ましくは、マトリックスは、ポリウレタンである。本明細書の目的のために、「ポリウレタン」は、二官能性または多官能性のイソシアネートに由来する生成物、例えば、ポリエーテルウレア、ポリイソシアヌレート、ポリウレタン、ポリウレア、ポリウレタンウレア、それらのコポリマーおよびそれらの混合物である。したがって、CMP研磨パッドは、以下の工程を含む方法によって製造され得る:イソシアネート末端化ウレタンプレポリマーを提供する工程;硬化性成分を別々に提供する工程;および、イソシアネート末端化ウレタンプレポリマーと硬化性成分とを合わせて、組み合わせ物を形成し、次いで、組み合わせ物を反応させて生成物を形成する工程である。鋳造ポリウレタン固形物を所望の厚さまでスカイビング加工し、研磨層を溝付けまたは孔開けすることによって、研磨層を形成することが可能である。任意で、固形物鋳型をIR照射、誘導または直接電流で予熱すると、多孔質ポリウレタンマトリックスを鋳造する際の生成物変動性を低下させることができる。任意で、熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーのいずれかを使用することが可能である。最も好ましくは、ポリマーは、架橋熱硬化性ポリマーである。
好ましくは、本発明の化学機械研磨パッドの研磨層の形成において使用される多官能性イソシアネートは、脂肪族多官能性イソシアネート、芳香族多官能性イソシアネートおよびそれらの混合物からなる群より選択される。より好ましくは、本発明の化学機械研磨パッドの研磨層の形成において使用される多官能性イソシアネートは、2,4−トルエンジイソシアネート;2,6−トルエンジイソシアネート;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート;ナフタレン−1,5−ジイソシアネート;トリジンジイソシアネート;パラ−フェニレンジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート;およびそれらの混合物からなる群より選択されるジイソシアネートである。さらにより好ましくは、本発明の化学機械研磨パッドの研磨層の形成において使用される多官能性イソシアネートは、ジイソシアネートとプレポリマーポリオールとの反応によって形成されるイソシアネート末端化ウレタンプレポリマーである。
好ましくは、本発明の化学機械研磨パッドの研磨層の形成において使用されるイソシアネート末端化ウレタンプレポリマーは、2〜12wt%の未反応イソシアネート(NCO)基を有する。より好ましくは、本発明の化学帰化し研磨パッドの研磨層の形成において使用されるイソシアネート末端化ウレタンプレポリマーは、2〜10wt%(さらにより好ましくは、4〜8wt%;最も好ましくは、5〜7wt%)の未反応イソシアネート(NCO)基を有する。
好ましくは、多官能性イソシアネート末端化ウレタンプレポリマーを形成するために使用されるプレポリマーポリオールは、ジオール、ポリオール、ポリオールジオール、それらのコポリマーおよびそれらの混合物からなる群より選択される。より好ましくは、プレポリマーポリオールは、ポリエーテルポリオール(例えば、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコールおよびそれらの混合物);ポリカーボネートポリオール;ポリエステルポリオール;ポリカプロラクトンポリオール;それらの混合物;ならびに、1つまたは複数の低分子量ポリオールとのそれらの混合物からなる群より選択され、前記低分子量ポリオールは、エチレングリコール;1,2−プロピレングリコール;1,3−プロピレングリコール;1,2−ブタンジオール;1,3−ブタンジオール;2−メチル−1,3−プロパンジオール;1,4−ブタンジオール;ネオペンチルグリコール;1,5−ペンタンジオール;3−メチル−1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;ジエチレングリコール;ジプロピレングリコール;およびトリプロピレングリコールからなる群より選択される。さらにより好ましくは、プレポリマーポリオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG);エステル系ポリオール(アジピン酸エチレン、アジピン酸ブチレンなど);ポリプロピレンエーテルグリコール(PPG);ポリカプロラクトンポリオール;それらのコポリマー;およびそれらの混合物からなる群より選択される。最も好ましくは、プレポリマーポリオールは、PTMEGおよびPPGからなる群より選択される。
好ましくは、プレポリマーポリオールがPTMEGであるとき、イソシアネート末端化ウレタンプレポリマーは、2〜10wt%(より好ましくは、4〜8wt%;最も好ましくは、6〜7wt%)の未反応イソシアネート(NCO)濃度を有する。市販のPTMEG系イソシアネート末端化ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から入手可能、例えば、PET−80A、PET−85A、PET−90A、PET−93A、PET−95A、PET−60D、PET−70D、PET−75D);Adiprene(登録商標)プレポリマー(Chemturaから入手可能、例えば、LF800A、LF900A、LF910A、LF930A、LF931A、LF939A、LF950A、LF952A、LF600D、LF601D、LF650D、LF667、LF700D、LF750D、LF751D、LF752D、LF753DおよびL325);Andur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから入手可能、例えば、70APLF、80APLF、85APLF、90APLF、95APLF、60DPLF、70APLF、75APLF)を含む。
好ましくは、プレポリマーポリオールがPPGであるとき、イソシアネート末端化ウレタンプレポリマーは、3〜9wt%(より好ましくは、4〜8wt%、最も好ましくは、5〜6wt%)の未反応イソシアネート(NCO)濃度を有する。市販のPPG系イソシアネート末端化ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から入手可能、例えば、PPT−80A、PPT−90A、PPT−95A、PPT−65D、PPT−75D);Adiprene(登録商標)プレポリマー(Chemturaから入手可能、例えば、LFG963A、LFG964A、LFG740D);および、Andur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから入手可能、例えば、8000APLF、9500APLF、6500DPLF、7501DPLF)を含む。
好ましくは、本発明の化学機械研磨パッドの研磨層の形成において使用されるイソシアネート末端化ウレタンプレポリマーは、0.1wt%未満の遊離トルエンジイソシアネート(TDI)モノマー含量を有する低遊離イソシアネート末端化ウレタンプレポリマーである。
非TDI系イソシアネート末端化ウレタンプレポリマーも使用することができる。例えば、イソシアネート末端化ウレタンプレポリマーは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)およびポリテトラメチレングリコール(PTMEG)などのポリオールとの反応によって形成されるものを含み、1,4−ブタンジオール(BDO)などの任意のジオールも許容される。そのようなイソシアネート末端化ウレタンプレポリマーが使用されるとき、未反応イソシアネート(NCO)濃度は、好ましくは、4〜10wt%(より好ましくは、4〜10wt%、最も好ましくは、5〜10wt%)である。このカテゴリーの市販のイソシアネート末端化ウレタンプレポリマーの例は、Imuthane(登録商標)プレポリマー(COIM USA, Inc.から入手可能、例えば、27−85A、27−90A、27−95A);Andur(登録商標)プレポリマー(Anderson Development Companyから入手可能、例えば、IE75AP、IE80AP、IE85AP、IE90AP、IE95AP、IE98AP);および、Vibrathane(登録商標)プレポリマー(Chemturaから入手可能、例えば、B625、B635、B821)を含む。
本発明の化学機械研磨パッドの研磨層はさらに、複数の微小構成要素を含有してもよい。好ましくは、複数の微小構成要素は、研磨層全体に均一に分散されている。好ましくは、複数の微小構成要素は、閉じ込められた気泡、中空コアポリマー材料、液体充填中空コアポリマー材料、水溶性材料および不溶性相材料(例えば、鉱油)から選択される。より好ましくは、複数の微小構成要素は、研磨層全体に均一に分布している閉じ込められた気泡および中空コアポリマー材料から選択される。好ましくは、複数の微小構成要素は、150μm未満(より好ましくは、50μm未満;最も好ましくは、10〜50μm)の重量平均径を有する。好ましくは、複数の微小構成要素は、ポリアクリロニトリルまたはポリアクリロニトリルコポリマーのいずれかの殻壁を有するポリマーマイクロバルーン(例えば、Akzo Nobel製のExpancel(登録商標)ミクロスフェア)を含む。好ましくは、複数の微小構成要素は、研磨層中に、多孔率0〜50体積%(好ましくは、多孔率10〜35体積%)で組み込まれる。多孔率体積%は、無充填研磨層の比重と微小構成要素を含有する研磨層の比重との間の差を、無充填研磨層の比重で割ることによって決定される。ポリマー微小構成要素の平均間隔より小さい平均粒径を有するフルオロポリマー粒子は、粒子分布を改善し、粘度を低減し、鋳造を容易にするので好ましい。
本発明のCMP研磨パッドの研磨層は、多孔性および非多孔性(すなわち、無充填)の両方の構成で提供することができる。好ましくは、本発明の化学機械研磨パッドの研磨層は、0.4〜1.15g/cm3(より好ましくは、0.70〜1.0;ASTM D1622 (2014)に従って測定された場合)の密度を示す。
好ましくは、本発明の化学機械研磨パッドの研磨層は、ASTM D2240 (2015)に従って測定された場合に28〜75のショアD硬度を示す。
好ましくは、研磨層は、20〜150ミル(510〜3,800μm)の平均厚を有する。より好ましくは、研磨層は、30〜125ミル(760〜3200μm)、さらにより好ましくは、40〜120ミル(1,000〜3,000μm);最も好ましくは、50〜100ミル(1300〜2500μm)の平均厚を有する。
好ましくは、本発明のCMP研磨パッドは、研磨機のプラテンと結合するように適合される。好ましくは、CMP研磨パッドは、研磨機のプラテンに固定されるように適合される。好ましくは、感圧接着剤および真空の少なくとも1つを使用して、CMP研磨パッドをプラテンに固定することができる。
本発明のCMP研磨パッドは、任意で、研磨層と結合する少なくとも1つの追加の層をさらに含む。好ましくは、CMP研磨パッドは、任意で、研磨層に付着された圧縮性の基層をさらに含む。圧縮性の基層は、好ましくは、研磨される基板の表面への研磨層の適合性を改善する。
最終形態の本発明のCMP研磨パッドはさらに、その上面への1つまたは複数の寸法のテクスチャの組み込みを含む。これらは、それらのサイズによってマクロテクスチャまたはマイクロテクスチャに分類され得る。CMPに用いられる一般的なタイプのマクロテクスチャは、流体力学的応答および/またはスラリー輸送を制御し、非限定的に、環状、放射状およびクロスハッチングなどの多くの構成および設計の溝を含む。これらは、機械加工を介して薄い均一なシートに形成してもよいし、ネットシェイプ成形加工を介してパッド表面上に直接形成してもよい。一般的なタイプのマイクロテクスチャは、研磨が行われる基板ウェーハとの接触点である表面凹凸の集団を生み出す、精細なスケールの形状である。一般的なタイプのマイクロテクスチャは、非限定的に、ダイヤモンド(しばしば、パッドコンディショニングと称される)などの硬質粒子配列による摩耗によって使用前、使用中または使用後のいずれかに形成されるテクスチャ、およびパッド製作プロセスの間に形成されるマイクロテクスチャを含む。
基板研磨操作における重要な工程は、プロセスの終点を決定することである。終点検出のための1つの人気のある現場決定法は、選択された波長の光に対して透過性であるウィンドウを研磨パッドに設けることを含む。研磨中、光ビームが、そのウィンドウを通って基板表面に送られ、そこで反射し、ウィンドウを反対に通過して検出器(例えば、分光光度計)に達する。戻り信号に基づいて、終点検出の目的のために基板表面の特性(例えば、その上の膜の厚さ)を判定することができる。そのような光に基づいた終点法を容易にするために、本発明の化学機械研磨パッドは、任意で、終点検出ウィンドウをさらに含む。好ましくは、終点検出ウィンドウは、研磨層に組み込まれた一体型ウィンドウ;および、化学機械研磨パッドに組み込まれたプラグ配置済み終点検出ウィンドウブロックから選択される。十分な透過率を有する本発明の無充填パッドについて、上部パッド層それ自体を、ウィンドウ開口部として使用することができる。本発明のパッドのポリマー相が相分離を示す場合、相分離を局所的に抑制するために、製作中の冷却速度を局所的に増加させることによって上部パッド材料の透過性領域を作り、終点決定ウィンドウ(endpointing window)としての使用に適したより透過性の領域をもたらすこともできる。
CMP研磨パッドは、本発明の背景に記載の通り、研磨スラリーと共に使用される。本発明のパッドは、多種多様なスラリーに対して使用することができ、組み込むべきフルオロポリマー添加物を選択し。それをスラリー粒子およびpHと適合させる新規の手段によって、増強された研磨速度および低減された欠陥性を達成することができる。
本発明のCMP研磨パッドは、そのpHが使用される粒子の等電pHを上回るか下回るかのいずれかであるスラリーと共に使用するために設計される。フルオロポリマーを単純な基準に基づいて選ぶことによって、最大速度を選択することができる。例えば、CeOは、約6.5の等電pHを有する。このpHを下回ると、粒子表面は、正味正電荷を有する。このpHを上回ると、粒子は、正味負電荷を有する。スラリーのpHがスラリー粒子の等電pHを下回る場合、そのpHで負のゼータ電位を有するフルオロポリマー粒子添加物(例えば、PTFEまたはPFA)を含有するパッドを選択することは、除去速度の最大の改善をもたらすだろう。同様に、高いpH(例えば、10)を有するコロイド状シリカまたはヒュームドシリカ粒子を使用したスラリーについて、最大研磨速度は、そのpHで正のゼータ電位を有するフルオロポリマー粒子添加物(すなわち、PVF)を含有するパッドを選択することによって達成されるだろう。これは、事実上あらゆるスラリーについて速度増強を可能にするので、非常に魅力的な性能である。
シリカスラリーと共に使用したときの本発明のパッドについての重大な新規の利点は、本発明の背景に記載の通り、本発明のパッドとシリカ粒子との間の静電引力の追加的効果が、先行技術のパッドで達成された研磨速度をもたらすための、スラリー中使用粒子量の大幅削減に作用できるということである。これは、ユーザーに対してコストの面で重大な利点を提供する。
本発明のCMPパッドは、熱硬化性ウレタンと適合性である様々なプロセスによって製造され得る。これらは、上記のような成分を混合して鋳型に流し込み、焼鈍し、所望の厚さのシートにスライスすることを含む。あるいは、これらは、より正確なネットシェイプ成形で製造してもよい。本発明に従う好ましいプロセスは、以下を含む。すなわち、1.熱硬化性射出成形(しばしば、「反応射出成形」または「RIM」と称される)、2.熱可塑性または熱硬化性射出吹込成形、3.圧縮成形、または4.流動性材料が配置されて固化されることで、パッドのマクロテクスチャまたはマイクロテクスチャの少なくとも一部を作り出す、任意の類似のタイプのプロセス、である。本発明のある好ましい成形実施態様では、1.流動性材料が構造物または基材中に、またはその上に送られ;2.材料が固化するにつれて、構造物または基材が材料に表面テクスチャを付与し、そして、3.構造物または基材がその後に固化した材料から分離される。
これ以降、本発明のいくつかの実施態様を以下の実施例において詳細に記載する。
実施例:試料調製
研磨パッドの試料、高強度ポリウレタン(試料A)、40μmの孔径を有する中多孔性ポリウレタン(試料B)および20μmの孔径を有する低多孔性ポリウレタン(試料C)を、4種の異なる市販のフルオロポリマー粉末PTFE−1(Chemours Zonyl(商標)MP-1000粒子)、PTFE−2(Chemours Zonyl(商標)MP-1200粒子)、PFA(Solvay P-7010、テトラフルオロエチレン(TFE)とペルフルオロアルキルビニルエーテル(PFAVE)のコポリマー粒子)、およびPVF(窒素末端化ポリフッ化ビニル粒子)を上部パッド材料に、種々添加することで生産した。製造業者のデータから、表面加重平均粒径は、MP-1000が1.6μm、MP-1200が1.7μmに対して、PFA試料は8.9μmであった。硬化性成分およびパッド中に存在する気体または液体が充填されたポリマー微小構成要素成分と混合する前に、フルオロポリマー粉末をポリウレタン配合物のプレポリマー成分に加えて、最終硬化ポリウレタン中での均一な分布を確保した。調製後、フルオロポリマー粒子有り、または無しの等価なパッドを調製し、試験した。
実施例1
10重量パーセントのPTFE−1およびPFAを添加または無添加で製造された一組の試料Aの物性を調べた。以下の表に示すように、注目すべき変化は、引張強度、硬度および大半の機械特性の低下であった。特に興味深いことは、弾性挙動に特徴的であった剪断貯蔵弾性率(G’)に対する添加の効果と、試料中の消散されたエネルギーの量を表す剪断損失弾性率(G’’)に対する効果との差であった。40℃での剪断貯蔵弾性率G’は、対照と比べて大幅な低下を示した(PFAについて−31%およびPTFEについて−45%)。剪断損失弾性率G’’は、類似の傾向を示した(PFAについて−26%およびPTFEについて−37%)。試料はすべて、主に弾性ポリマーであったが、G’に対するG’’の比であるtanδは、PFA添加およびPTFE添加についてそれぞれ6%および14%増加した。これは、フルオロポリマー添加によってもたらされたエネルギー消散の増加の直接的な尺度であった。引張強度について、PFA添加では6%およびPTFE添加では14%減少した類似の傾向が観察された。
Figure 2021005702
データは、フルオロポリマーをドープした材料が、親材料と比べて減少した物性を有することを示している。この物性の減少は、フルオロポリマーの引張強度が、試料Aのマトリックスの引張強度よりも小さいことを示した。引張強度は、ASTM D412に従って測定された。
フルオロポリマーをドープしたパッドの顕微鏡分析は、孤立性のフルオロポリマー粒子の存在を明らかにし、EDS分析で確認した。該フルオロポリマー粒子は、ポリマーマトリックス内にランダムに分布していた。フルオロカーボン粒子は、同じく存在していた柔軟なポリマー微小構成要素への誘引の証拠もそれとの相互作用の証拠も示さなかった。
実施例2
製造中に様々な量のPTFE−2を加えた試料Bの一組の中多孔性ポリウレタンパッドに対して、脱イオン水接触角を測定した。図1に示すように、接触角は、PTFE含量の増加に正比例して、7.5%のPTFE含量で140°前後の定常値まで増加した。PTFEとPFAの両方を添加したパッドはすべて、見るからに親パッドよりも疎水性であった。これにもかかわらず、研磨面は、蒸留水中で5分間浸漬した後、10μmのrms面粗度で、pH7の蒸留水を用いて測定された場合に親水性である。
実施例3
本発明の有益な効果を実証するために、PTFEおよびPFAの添加および無添加の高強度試料Aパッドの一組に対して研磨試験を実施した。添加した各フルオロポリマーの濃度は、8.1%であった。Applied Materials Mirra CMP研磨ツール上、1試験当たり60個の200mmのTEOSモニタウェーハを使用して、各パッド組に対して3種のスラリーを試験した。使用したスラリーは、2種のセリア・スラリー(Asahi CES333F2.5およびDA Nano STI2100F)およびヒュームドシリカスラリー(Cabot SS25)であった。使用した条件は、ダウンフォース3psi(20.7kPa)、プラテン速度93rpm、キャリア速度87rpm、およびスラリー流量150ml/分であった。コンディショナは、スラリーのタイプによって変更した。セリア・スラリーについて、Saesol LPX-C4ダイヤモンドコンディショナ・ディスクを使用した。シリカスラリーについて、Saesol AK45コンディショナ・ディスクを使用した。すべてのコンディショナを7lbの力(3.2kgf)での研磨と同時に使用した。各研磨試験運転について、パッド慣らし運転コンディショニング工程を、7lbの力(3.2kgf)で20分間使用して、均一な初期パッドテクスチャを確保した。研磨除去速度および欠陥性をまとめたものを、以下の表2および2Aに示す。実施例3における研磨は、AsahiおよびDaNanoスラリーについてはセリアの等電点を下回るpHで、そして、SS25スラリーではシリカの等電点を上回るpHで行った。
Figure 2021005702
Figure 2021005702
本発明のフルオロポリマー粒子を含有するパッドを、陽イオン性セリア含有スラリーと共に使用したときに、研磨速度が実質的に増加し、欠陥レベル、特に引掻き傷およびびびりマークが実質的に減少した。陰イオン性シリカ含有スラリーを使用したとき、そのような改善は得られなかった。速度を増加させ欠陥を低減させるセリアを用いたこの電荷特異的応答は、予想外のことであった。
観察された改善についてさらに理解を深めるために、いくつかの試験を実行した。PFA添加物有りの試料Aについての研磨後のパッドの粗度を比較すると、対照と比べて粗度が低下した(ナノフォーカスレーザー・プロフィロメーターによって測定された場合に、rms粗度の18%の低下)。加えて、8.1wt%のPTFEの添加および無添加の高強度パッドについて、セリア含有スラリー(CES333F2.5)およびシリカ系スラリー(Klebosol 1730)による研磨中に、摩擦係数(COF)測定を行った。研磨条件は、表2および2Aに記載の試験に使用したものと同じであった。図2に示すように、シリカスラリーについて、試験したダウンフォース範囲にわたって、対照とPTFE試料との間でCOFの有意差はなかった。セリア・スラリーについて、対照とPTFE試料の両方でより高いCOFが観察された。より高いダウンフォースでは、COFの有意差は観察されなかったが、このことは、PTFEパッド添加物が潤滑剤として作用しなかったことを示している。PTFE試料は、試験したダウンフォース範囲全体にわたってほぼ一定のCOFを有していた一方で、対照パッドは、2psi(13.8kPa)を下回るダウンフォースでCOFの上昇を示した。その差は、PTFEを含有するパッドで観察されたより低い粗度によるものであった。
コンディショニングプロセスに対するフルオロポリマー添加の効果についてさらに理解を深めるために別の試験を実行した。この試験では、Buehler卓上研磨機を使用して、コンディショニングプロセスの効果を模倣した。パッド試料を搭載し、10lbの力(4.5kgf)でSaesol AK45コンディショナ・ディスクを使用し、脱イオン水でコンディショニングして、パッド慣らし運転の効果を模倣した。流出した試料を慣らし運転サイクルの開始時および終了時に採取し、粒子のサイズ分布をAccusizer粒子分析ツールで測定した。図3に示すように、対照パッドと比べて、PTFE含有パッドとPFA含有パッドの両方で、パッドデブリサイズ分布の大幅な低下が観察された。1〜10ミクロン範囲の粒子について最も大幅なサイズ低下が生じた。これは、2種のフルオロポリマーを親パッドに加えたときの引掻き欠陥の低減と一致した。
上に概説した試験は、本発明の欠陥性改善のある局面を説明することができる一方で、観察された研磨速度の増加を解明できなかった。したがって、追加の試験を実行した。
セリア(酸化セリウム)とパッド試料に使用したフルオロポリマー添加物との間の相互作用を、水晶振動子微量天秤(QCM)測定を使用して調べた。QCM測定の間、脱イオン水(pH6)中のPTFEおよびPFA粒子の希釈分散物を、セリア結晶を含有するフローセルに通した。高感度微量天秤によって測定された質量の増加によって、セリア結晶への粒子の吸着が実証された。図4に示すように、セリア結晶と数種の異なるサイズのPTFE/PFA粒子との間の誘引相互作用が観察された。試験pHでのセリア結晶のゼータ電位が正であったので、結果は、フルオロポリマー粒子が負のゼータ電位を有することを示している。これは、極めて高い負のゼータ電位を示したが、それは、疎水性表面およびその水双極子配向に対する効果によって駆動される。この効果は、ポリウレタンの(負の)ゼータ電位とは大きく異なり、それは、ポリマー鎖中に存在する構造ヒドロキシル基によって駆動される。
この試験および提示された他のデータからの結論は、パッド表面でのフルオロポリマー粒子の存在が、パッド表面へのセリア粒子の全体的誘引を増加させ、それゆえに、研磨中の単位時間当たりの粒子/ウェーハ相互作用の全体数を上昇させることによって、研磨速度の増加を助けることである。この効果は、負に荷電したシリカ粒子がスラリー中に使用されたときには生じない。静電反発が粒子の望ましく高い表面濃度が生じるのを防止するからである。
加えて、Lumisizer分散分析装置による沈降研究を使用してスラリーの安定性を評価した。分散分析装置は、ISO/TR 1309、ISO/TR 18811、ISO18747-1およびISO13318-2に従って操作された。フルオロポリマー添加物有り、および無しのスラリーの試料を遠心分離し、試料の光透過を測定して、スラリー粒子がどれほど素早く沈降したかを判定した。これは、スラリーの安定性、したがって凝集の尺度である。0.1wt%の添加物有り、および添加物無しでの測定の勾配を表3に示す。フルオロポリマー粒子が湿潤でない場合、粒子を水溶性にするために、必要に応じて粒子を湿潤させる最少量の界面活性剤(例えば、Stepan Company製のMerpol(商標)A アルコールフォスフェート非イオン性界面活性剤)が必要となる。
Figure 2021005702
添加物有りの試料についての勾配は、添加物無しの勾配よりも一貫して低かったが、このことは、これらが、よりゆっくりと沈降し、したがってより安定であったことを示している。これは、欠陥の低減が、DANanoおよびAsahiなどのセリア粒子を含有するスラリーについてセリア粒子凝集を防止することからも起こり得ることを示した。SS25などのシリカスラリーの相対的安定性は、フルオロポリマー添加物有りで見られた、限定された欠陥性改善を説明することができる。セリアが凝集をより起こしやすいからである。
実施例4
研磨中のパッド表面の特性に対するフルオロポリマー添加の役割をさらに例証するために、基準として試料Cの低多孔性ポリウレタンを使用し、PTFE−2粒子の添加を変更しながら一連のパッドを調製した。実施例3に記載したプロセスおよびスラリーを使用して各々の試料を研磨した。研磨試験に続いて、X線光電子分光法(XPS)およびエネルギー分散型X線分光法(EDS)を介して各パッドの研磨された試料を分析し、研磨の効果についての組成情報を得た。XPSは、約1〜10nmの表面侵入深さを有しており、それによって、表面領域の組成を決定する極めて高感度な方法である一方で、EDSは、約1〜10umの侵入深さを有しており、バルク濃度についての情報を提供する。
Figure 2021005702
表4に示すように、フルオロポリマーを含有する使用されたパッドの表面は、バルクと比べて、外面でフッ素の実質的な富化を示した。これは、研磨中のパッド表面上のフルオロカーボン膜の存在を示す強い証拠である。
実施例5
本発明のパッドの研磨されたパッド表面層の特徴についてより多くの情報を得るために、対照パッド、および10wt%のPTFEを含有する本発明のパッドに対して研磨試験を実施した。全体のプロセスおよびスラリーは実施例3に記載したもので、実施例4の研磨パッドを使用した。この試験については、3種の異なるコンディショナを使用して、研磨速度およびテクスチャに対するそれらの効果を評価した。コンディショナAB45は、セリア・スラリーと共に使用するために開発されたコンディショナであり、低粗度のパッド表面をもたらす。コンディショナAK45は、より高い密度のより大きなダイヤモンドを備えたより強度の高いコンディショナである。コンディショナLPX−V1は、大きなダイヤモンドと小さなダイヤモンドの組み合わせを用いた非常に強度の高いコンディショナである。研磨後、使用されたパッドの表面テクスチャを、ナノフォーカス非接触レーザープロフィロメーターを使用して調べた。
図5Aは、3種の異なる研磨圧力(2、3および4psi、13.8、20.7および27.6kPa)で試験した3種のコンディショナの各々についての先行技術対照パッドのTEOS除去速度を示す。低粗度コンディショナは、最高の除去速度をもたらし、他の2種のコンディショナでは速度効果の差はほとんどなかった。本発明のパッド(図5B)について、3種すべてのコンディショナについての研磨速度は、対照と比べて、3種すべてのコンディショナで大幅に高かった。
ナノフォーカス共焦点3D表面計測ツールを使用して、研磨領域の中心で形状測定を実施した。各パッドおよびコンディショナについて、ISO 25178に従って測定された二乗平均平方根(rms)粗度の比較を図6に示す。先行技術対照パッドについて、RMS粗度は、コンディショナの強度に比例して増加した。対照的に、本発明のパッドのRMS粗度は、すべてのコンディショナで大幅により低かった。
実施例6
フルオロポリマー添加の速度に対するゼータ電位の重要性をさらに例証するために、実施例3で使用した同じシリカ系およびセリア系の市販のスラリーを用いて、PVFの粒子添加によって調製したパッドを、ゼータ電位および研磨性能について評価した。以下の表5に示すように、実施例3のパッドで使用した添加物と窒素末端化PVFについてのゼータ電位は、大きく異なる。
Figure 2021005702
PTFEおよびPFAのゼータ電位は、負の程度が大きかった一方で、使用されたPVFのゼータ電位は、強い程度で正であった。本発明のパッドへの陽イオン性PVFの添加は、正および負の表面電荷の領域を含有する不均質表面をもたらした。全体のパッド表面が負電荷性であるにもかかわらず、得られたパッド表面は、負電荷のスラリー粒子を誘引し、例えば、コロイダルシリカには対応する研磨速度の増加を提供した。同様に、セリアなどの正電荷を有するスラリー粒子に対する電荷反発は、pHが粒子の等電pHを下回るスラリーにおいて、パッド表面上の誘引面積の減少およびパッド接触面上の対応する活性スラリー粒子の低減に起因して、低減された除去速度をもたらした。
したがって、試料製造の間に10wt%のPVFの添加および無添加の試料Cの低多孔性ポリウレタン研磨パッドの試料を使用して、比較研磨試験を実行した。これらのパッドを使用し、実施例3で使用したものと同一の条件を使用してTEOSウェーハを研磨した。
Figure 2021005702
表6から明らかなように、研磨速度の結果は、実施例4とは反対の傾向を示した。すなわち、陽イオン性添加物を有する本発明のパッドは、負に荷電したシリカスラリーの速度を増強させた一方で、正に荷電した粒子を有するスラリーと共に使用したときの速度は低下した。
本発明のポリマー−ポリマー複合研磨パッドは、研磨欠陥の大きな減少と共に、研磨除去速度の予想外の大きな増加を提供する。比較的少ない量のフルオロポリマー粒子が全体表面よりも小さい表面を覆うことで、効率的なスラリー分配に必要な研磨パッドの親水性表面を損なうことなしに、研磨効率を増加させる。

Claims (10)

  1. 半導体基板、光学基板および磁性基板の少なくとも1つの基板を研磨または平坦化するのに有用なポリマー−ポリマー複合研磨パッドであって、
    該ポリマー−ポリマー複合研磨パッドは以下のもの、すなわち
    基板を研磨または平坦化するための研磨面を有する研磨層と;
    研磨層を形成するポリマーマトリックスであって、該ポリマーマトリックスは第一のポリマーであり、該第一のポリマーが、蒸留水中で5分間浸漬した後、10μmのrms面粗度で、pH7の蒸留水を用いて測定された場合に親水性であり、そして、前記第一のポリマーがフルオロポリマーではない、ポリマーマトリックスと;
    ポリマーマトリックス中に埋め込まれた陽イオン性フルオロポリマー粒子であって、該陽イオン性フルオロポリマー粒子は窒素含有末端基を有し、該窒素含有末端基は陽イオン性フルオロポリマー粒子の表面に集中しており、該陽イオン性フルオロポリマー粒子はpH7の蒸留水中で測定された場合に、陽イオン性ゼータ電位を有し、該陽イオン性フルオロポリマー粒子が、陰イオン性コロイダルシリカを含有するスラリーで研磨したときに、パターン化されたウェーハ上での基板の研磨除去速度を増加させることができる、陽イオン性フルオロポリマー粒子と;
    を含む、ポリマー−ポリマー複合研磨パッド。
  2. ポリマーマトリックスカバー中に埋め込まれた陽イオン性フルオロポリマーが、ポリマー−ポリマー複合研磨パッドの2〜30体積パーセントに相当する、請求項1に記載のポリマー−ポリマー複合物。
  3. 陽イオン性フルオロポリマー粒子が、研磨面においてpH7で負に荷電した砥粒粒子を誘引する、請求項1に記載のポリマー−ポリマー複合物。
  4. 陽イオン性フルオロポリマー粒子が、全研磨面積よりも小さい研磨面積を覆う、請求項1に記載のポリマー−ポリマー複合物。
  5. 研磨パッドを、研磨層の下でかつ研磨層と平行にスライシングすることで、ポリマーマトリックス中に固着された陽イオン性フルオロポリマー粒子の一方の端を残し、もう一方の端が伸び率で少なくとも100%可塑的に変形することができる、請求項1に記載のポリマー−ポリマー複合物。
  6. 半導体基板、光学基板および磁性基板の少なくとも1つの基板を研磨または平坦化するのに有用なポリマー−ポリマー複合研磨パッドであって、
    該ポリマー−ポリマー複合研磨パッドは以下のもの、すなわち
    基板を研磨または平坦化するための研磨面を有する研磨層と;
    研磨層を形成するポリマーマトリックスであって、該ポリマーマトリックスは第一のポリマーであり、該第一のポリマーが、蒸留水中で5分間浸漬した後、10μmのrms面粗度で、pH7の蒸留水を用いて測定された場合に親水性であり、そして、該第一のポリマーがフルオロポリマーではない、ポリマーマトリックスと;
    ポリマーマトリックス中に埋め込まれた陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子であって、該陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子は窒素含有末端基を有し、該窒素含有末端基は陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子の表面に濃縮されており、該陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子はpH7の蒸留水中で測定された場合に陽イオン性ゼータ電位を有し、該陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子が、陰イオン性コロイダルシリカを含有するスラリーで研磨したときに速度を増加させることができる、陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子と;
    を含むポリマー−ポリマー複合研磨パッド。
  7. ポリマーマトリックスカバー中に埋め込まれた陽イオン性ポリフッ化ビニルが、ポリマー−ポリマー複合研磨パッドの2〜30体積パーセントに相当する、請求項6に記載のポリマー−ポリマー複合物。
  8. 陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子が、研磨面においてpH7で負に荷電した砥粒粒子を誘引する、請求項6に記載のポリマー−ポリマー複合物。
  9. 陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子が、全研磨面積よりも小さい研磨面積を覆う、請求項6に記載のポリマー−ポリマー複合物。
  10. 研磨パッドを、研磨層の下で、かつ研磨層と平行にスライシングすることで、ポリマーマトリックス中に固着された陽イオン性ポリフッ化ビニル粒子の一方の端を残し、もう一方の端が伸び率で少なくとも100%可塑的に変形することができる、請求項6に記載のポリマー−ポリマー複合物。
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