JP2021005541A - 有機elデバイスの製造方法 - Google Patents

有機elデバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021005541A
JP2021005541A JP2019120216A JP2019120216A JP2021005541A JP 2021005541 A JP2021005541 A JP 2021005541A JP 2019120216 A JP2019120216 A JP 2019120216A JP 2019120216 A JP2019120216 A JP 2019120216A JP 2021005541 A JP2021005541 A JP 2021005541A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic layer
organic
bank
light emitting
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019120216A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7250633B2 (ja
Inventor
昭雄 海保
Akio Kaiho
昭雄 海保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2019120216A priority Critical patent/JP7250633B2/ja
Priority to PCT/JP2020/023585 priority patent/WO2020262113A1/ja
Publication of JP2021005541A publication Critical patent/JP2021005541A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7250633B2 publication Critical patent/JP7250633B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/11OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/10Apparatus or processes specially adapted to the manufacture of electroluminescent light sources
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/22Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the chemical or physical composition or the arrangement of auxiliary dielectric or reflective layers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】年輪状のムラを抑制しながら塗布法により有機層を形成することができる有機ELデバイスの製造方法を提供する。【解決手段】基板に設けられており発光領域を規定するための厚み及び幅を有するバンクを備える有機ELデバイスの製造方法であり、バンクは少なくとも上面が撥液性を有し、発光領域は面積が1mm2以上であり、発光領域上に有機溶媒を含む塗布液を塗布して第1塗布膜を形成する塗布工程と、該膜を加熱して第1有機層を形成する乾燥工程とを含み、塗布工程は、第1有機層が発光領域内に配置される部分(A1)と、長さLB1を有してバンク上に配置される部分(B1)とを有するように実施され、乾燥工程はその開始段階において、第1塗布膜の加熱温度を乾燥雰囲気温度に到達させるための昇温工程を含み、昇温工程において加熱温度が乾燥雰囲気温度の80%に到達するまでの平均昇温速度が1℃/秒以上である製造方法が提供される。【選択図】図2

Description

本発明は、有機ELデバイスの製造方法に関する。
有機EL(エレクトロルミネッセンス)デバイスは、有機化合物の電界発光を利用した発光素子を含むデバイスである。
特開2009−164113号公報(特許文献1)には、溶剤を含有する塗布膜に対して、第1の加熱工程、第1の冷却工程及び第2の加熱工程を施して正孔注入層及び/又は正孔輸送層を形成することが記載されている。
特開2009−164113号公報
特許文献1に記載されるような、塗布法(塗布液の塗布による塗布膜の形成及び塗布膜の乾燥を含む方法)によって有機ELデバイスの有機層を形成すると、形成される有機層に、図5に示されるような年輪状のムラが発生するという問題があった。この年輪状のムラは、有機層の厚みムラを伴っている。
本発明の目的は、年輪状のムラを抑制しながら塗布法により有機層を形成することができる有機ELデバイスの製造方法を提供することにある。
本発明は、以下に示す有機ELデバイスの製造方法を提供する。
[1] 発光領域を有する有機ELデバイスの製造方法であって、
前記有機ELデバイスは、基板と、前記基板に設けられており前記発光領域を規定するための厚み及び幅を有するバンクとを備え、
前記バンクは、少なくとも上面が撥液性を有し、
前記発光領域は、その面積が1mm以上であり、
前記製造方法は、
前記発光領域上に、有機溶媒を含む塗布液を塗布して第1塗布膜を形成する塗布工程と、
前記第1塗布膜を加熱して第1有機層を形成する乾燥工程と、
を含み、
前記第1塗布膜を形成する塗布工程は、前記第1有機層が、前記発光領域内に配置される部分(A1)と、前記バンクの幅方向における長さLB1を有して前記バンク上に配置される部分(B1)とを有するように実施され、
前記乾燥工程は、その開始段階において、前記第1塗布膜の加熱温度を乾燥雰囲気温度に到達させるための昇温工程を含み、
前記昇温工程において、前記加熱温度が前記乾燥雰囲気温度の80%に到達するまでの平均昇温速度が1℃/秒以上である、有機ELデバイスの製造方法。
[2] 前記塗布工程は、前記第1有機層の全ての端部が前記バンク上に位置するように実施される、[1]に記載の有機ELデバイスの製造方法。
[3] 前記塗布工程の前に、第2有機層を形成する工程をさらに含む、[1]又は[2]に記載の有機ELデバイスの製造方法。
[4] 第2有機層を形成する工程は、前記第2有機層が、前記発光領域内に配置される部分(A2)と、前記バンクの幅方向における長さLB2を有して前記バンク上に配置される部分(B2)とを有するように実施される、[3]に記載の有機ELデバイスの製造方法。
[5] 前記LB1が前記LB2と同じか又はそれよりも大きい、[4]に記載の有機ELデバイスの製造方法。
[6] 前記第1有機層が発光層である、[1]〜[5]のいずれかに記載の有機ELデバイスの製造方法。
年輪状のムラを抑制しながら塗布法により有機層を形成することができる有機ELデバイスの製造方法を提供することができる。
本発明に係る有機ELデバイスの製造方法に用いることができるバンク付き基板の一例を示す概略平面図である。 本発明に係る製造方法によって得られる有機ELデバイスの一例におけるバンク周辺を一部拡大して示す概略断面図である。 本発明に係る製造方法によって得られる有機ELデバイスの他の一例におけるバンク周辺を一部拡大して示す概略断面図である。 実施例1及び比較例1における昇温工程の基板の温度プロファイルを示す図である。 比較例1で得られた第1有機層1に対して紫外線を照射することによって第1有機層1を発光させたときに確認された、発光領域における年輪状のムラの状態を示す図である。
以下、実施形態を示しながら本発明について説明する。同一の要素には同一符号を付する。重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない場合がある。
本発明に係る有機ELデバイス(以下、単に「有機ELデバイス」ともいう。)は、基板と、該基板上に配置されるバンクと、第1有機層とを含む。バンクは、有機ELデバイスの発光領域を規定するものであり、該発光領域を取り囲むように基板上に配置される。有機ELデバイスの発光領域とは、電圧の印加によって発光する二次元的な区域のうち、上記バンクによって取り囲まれた区域を意味する。
有機ELデバイスは、発光領域を1つのみ有していてもよいし、2以上有していてもよい。
例えば、2以上の発光領域は、基板上に二次元配列(又はマトリックス状)に配置されていてもよい。各列における発光領域の間の間隔、各行における発光領域の間の間隔、発光領域の配置例及び発光領域の数等は、有機ELデバイスの仕様等に応じて適宜設定される。
有機ELデバイスは、トップエミッション型のデバイスでもよいし、ボトムエミッション型のデバイスでもよい。
有機ELデバイスの発光領域には、発光を生じさせるための構造部である発光部が設けられている。発光部は、少なくとも、基板側から順に、第1電極(例えば、陽極)と、第1有機層と、第2電極(例えば、陰極)とを含む。第1電極と第2電極との間に、第1有機層以外の有機層が1層又は2層以上設けられていてもよい。第1有機層及び他の有機層は、有機ELデバイスの発光に寄与する層である。
本発明に係る有機ELデバイスの製造方法(以下、単に「有機ELデバイスの製造方法」ともいう。)は、第1有機層を形成する工程(第1有機層形成工程)を含み、第1有機層形成工程は、下記の工程を含む。
発光領域上に、有機溶媒を含む第1有機層形成用塗布液を塗布して第1塗布膜を形成する塗布工程(第1塗布工程)、
第1塗布膜を加熱して第1有機層を形成する乾燥工程(第1乾燥工程)。
有機ELデバイスの製造方法は、第1塗布工程の前、すなわち、第1有機層形成工程の前に、上記他の有機層の1つである第2有機層を形成する工程(第2有機層形成工程)をさらに含んでいてもよい。有機ELデバイスの製造方法は、第2有機層形成工程をさらに含むことが好ましい。
有機ELデバイスの製造方法が第2有機層形成工程をさらに含む場合、得られる有機ELデバイスの発光部は、基板側から順に、第1電極と、第2有機層と、第1有機層と、第2電極とを含む。
発光部は、3以上の有機層を含むことができる。この場合、有機ELデバイスの製造方法は、第3有機層を形成する工程(第3有機層形成工程)、あるいはこれに加えてさらなる有機層形成工程を含む。
有機ELデバイスの構成及び有機ELデバイスの製造方法についてより詳細に説明する。
<有機ELデバイスの構成>
(1)基板
図1は、有機ELデバイスの製造方法に用いることができるバンク付き基板の一例を示す概略平面図である。図1に示されるバンク付き基板10は、基板11と、第1電極12(例えば、陽極)と、バンク13とを有する。
基板11は、第1電極12及びバンク13を支持する支持体であり、例えば、可視光(波長400nm〜800nmの光)に対して透光性を有する板状の透明部材である。
基板11の厚みは、例えば30μm以上1100μm以下である。基板11は、例えばガラス基板又はシリコン基板等のリジッド基板であってもよいし、プラスチック基板又は高分子フィルム等の可撓性基板であってもよい。可撓性基板を用いることで、有機ELデバイスが可撓性を有し得る。
基板11には発光部を駆動させるための回路が予め形成されていてもよい。基板11には、例えばTFT(Thin Film Transistor)やキャパシタ等があらかじめ形成されていてもよい。
(2)第1電極
第1電極12は、例えば陽極である。ただし、第1電極12が陰極であり、第2電極が陽極であってもよい。
第1電極12の平面視形状(基板11の厚み方向から見た形状)としては、例えば、長方形、正方形等の四角形、他の多角形、及び、四角形や他の多角形において角部に丸味を付けた形状等が挙げられる。第1電極12の平面視形状は、円形又は楕円形でもよい。また、第1電極12の平面視形状は、四角形や他の多角形において、少なくとも1辺を弧状(例えば円弧状)にした形状でもよい。
本明細書において、平面視とは、層等の厚み方向から見ることを意味する。
第1電極12は、金属酸化物、金属硫化物又は金属等からなる薄膜を用いることができ、具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、又は銅等からなる薄膜が用いられる。
有機ELデバイスが基板11側から光を出射する場合、光透過性を示す第1電極12が用いられる。
第1電極12の厚みは、光透過性、電気伝導度等を考慮して適宜決定することができる。第1電極12の厚みは、例えば10nm以上10μm以下であり、好ましくは20nm以上1μm以下であり、より好ましくは50nm以上500nm以下である。
一実施形態において、第1電極12と基板11との間には、絶縁層等で構成される層が設けられてもよい。絶縁層等で構成される層を基板11の一部とみなすこともできる。
(3)バンク
バンク13は、有機ELデバイスの発光領域14を規定するための厚み及び幅を有する隔壁であり、換言すれば、発光領域14を取り囲むように配置される厚み及び幅を有する隔壁である。バンク13は、基板11上、より具体的には、基板11上に形成された第1電極12上に配置される。この際、第1電極12と第2電極との短絡防止の観点から、図1に示されるように、第1電極12の周縁部の少なくとも一部の直上に配置されるようにバンク13を配置することが好ましい。
基板11上にバンク13を設置することによって発光領域14を規定し、そこに発光部を構成する有機層を形成することが、該有機層に生じ得る年輪状のムラの抑制に有利であることが本発明者の検討により明らかとなった。
バンク13で規定されていない発光領域に塗布法により有機層を形成する場合には、たとえ、本発明に従って乾燥工程の条件を適切に制御した場合であっても年輪状のムラの抑制は困難である。
バンク13は、基板11の表面上において予め設定されている発光領域14を区画するために、開口を有するようなパターンで基板11上に設けられる。
図1に示される例において、バンク13の平面視形状は四角枠形状を有しているが、これに限定されるものではなく、バンク13が有する開口形状及び外形形状(いずれも平面視形状)は、所望する発光領域14の形状や基板11の形状(いずれも平面視形状)等に応じて適宜選択される。
バンク13が有する開口形状(すなわち、発光領域14の形状)は通常、その面積が1mm以上であり、好ましくは5mm以上であり、また、通常1m以下である。
一実施形態において、バンク13が有する開口形状(すなわち、発光領域14の形状)は、図1に示されるように、正方形、長方形等の方形形状である。
バンク13が有する開口形状が方形形状を有する場合、その少なくとも1辺の長さは、通常1mm以上であり、2以上の辺又はすべての辺の長さが1mm以上であってもよい。辺の長さは、5mm以上であってもよく、10mm以上であってもよく、さらには20mm以上であってもよい。バンク13が有する開口形状が方形形状である場合において、1辺の長さは、通常1000mm以下である。
面発光の有機ELデバイスにおいて発光領域14の面積が大きいほど、年輪状のムラが視認されやすい傾向にあることから、本発明は、発光領域14の面積が1mm以上である場合のように発光領域14の面積が大きい場合にとりわけ有利である。
バンク13は、例えば、1種類以上の樹脂組成物から構成することができる。
塗布法によって発光部を構成する第1有機層等の有機層を形成する場合、バンク13は、年輪状のムラを抑制する観点、該バンクによって発光領域14を好適に規定(区画)できるようにする観点、及びバンク13よりも外側に有機層が濡れ広がらないようにする観点から、少なくともその上面(基板11とは反対側の面)が撥液性を有しており、好ましくは、その上面及びその側面が撥液性を有している。
バンク13の少なくとも上面が撥液性を有していることは、バンク13の少なくとも上面に接するように形成した塗布膜を加熱して有機層を形成する乾燥工程において、塗布膜の収縮ムラを抑制するうえでも有利である。
本明細書における撥液性とは、塗布法で使用する有機層形成用の塗布液に対する撥液性である。「有機層形成用の塗布液に対する撥液性」における有機層は通常、第1電極12上に最初に形成される有機層(最も第1電極12寄りの有機層)である。第1電極12上に最初に形成される有機層は、第1有機層又は第2有機層等であり得る。
少なくともその上面が撥液性を有するバンク13としては、撥液剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなる層、撥液剤を含む感光性樹脂組成物の硬化物からなる層、又は撥液剤を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層等であるバンク、熱可塑性樹脂からなる層、感光性樹脂組成物の硬化物からなる層又は熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層等の少なくとも上面に撥液処理を施してなるバンク等が挙げられる。
撥液処理としては、フッ素樹脂等を含有する撥液剤を塗布する処理、撥液剤の塗布後に、塗布面に紫外線等の活性エネルギー線を照射する処理等が挙げられる。
UVオゾン処理によってバンク13の少なくとも上面の撥液性を制御してもよい。
撥液剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなる層、撥液剤を含む感光性樹脂組成物の硬化物からなる層、又は撥液剤を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層の少なくとも上面に上記撥液処理をさらに施してもよい。
第1有機層に生じる年輪状のムラを抑制するために、後述するように、第1有機層1は、発光領域14内に配置される部分(A1)と、バンク13上に配置される部分(B1)とを有するように形成される。この場合において、第1有機層に生じる年輪状のムラを抑制するために、第1有機層を形成する第1塗布膜は、バンク13の少なくとも上面に接して形成され、第1塗布膜を形成するための塗布液に対するバンク13の少なくとも上面の接触角は、好ましくは、30度以上35度以下である。同様の理由で、第1塗布膜がバンク13の側面に接して形成される場合、第1塗布膜を形成するための塗布液に対するバンク13の側面の接触角は、好ましくは、30度以上35度以下である。後述するように、第1有機層は、好ましくは発光層等である。
上記接触角は、後述する[実施例]に記載の方法に従って測定される。
バンク13は、単層構造であってもよいし、厚み方向に2以上の層を積層した多層構造をあってもよい。バンク13の作製がより容易であることから、バンク13は、好ましくは単層構造である。
バンク13の断面形状は特に制限されず、例えば、バンク13の発光領域14に望む側面は、基板11の表面に対して直交していてもよいし、鋭角をなすように傾斜していてもよい(順テーパ型)。
バンク13の厚み(高さ)は、例えば0.3μm以上10μm以下程度であり、好ましくは0.5μm以上5μm以下である。
バンク13の幅(図1に示されるW)は、例えば0.5mm以上20mm以下程度であり、好ましくは1mm以上10mm以下である。
バンク13の外形形状(平面視形状)が方形形状である場合、その1辺の長さは、例えば0.5mm以上1000mm以下程度であり、好ましくは1mm以上1000mm以下程度である。
バンク付き基板10は、例えば、基板11に予め設定される発光領域14上に第1電極12を形成した後、バンク13を形成することで製造することができる。
バンク13は、例えば、塗布法を利用して形成することができる。具体的には、バンク13の材料を含む塗布液を、第1電極12が形成された基板11に塗布してなる塗布膜を乾燥させ、必要に応じて硬化処理を施した後、その塗布膜を所定の形状にパターニングすることで形成できる。塗布法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法等が挙げられる。バンク13の材料を含む塗布液の溶媒は、バンク13の材料を溶解できる溶媒であればよい。
また、バンク13は、例えばインクジェット塗布法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンサー塗布法、ノズルコート法等によりパターニングされた塗布膜を形成し、必要に応じて硬化処理を施す直描方式によって形成することもできる。
(4)有機層
上述のように、有機ELデバイスの発光領域には発光部が設けられ、発光部は、基板側から順に、第1電極(例えば、陽極)と、第1有機層等の1層又は2層以上の有機層と、第2電極(例えば、陰極)とを含む。発光部には、通常は、第1有機層以外の有機層が設けられる。
第1有機層は、第1電極12上に最初に形成される有機層(最も第1電極12寄りの有機層)であってもよいし、他の有機層を介して第1電極12上に積層される有機層であってもよい。第1有機層は、例えば正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層又は電子注入層等であり得るが、好ましくは発光層である。
第1有機層が正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層又は電子注入層である場合、発光部は、第1有機層以外の有機層として、少なくとも発光層をさらに有する。
第1有機層が発光層である場合、発光部は有機層として第1有機層のみを有していてもよいが、1層又は2層以上の他の有機層をさらに含むことが好ましい。
正孔注入層は、陽極(例えば、第1電極12)から発光層への正孔注入効率を改善する機能を有する有機層である。
正孔注入層の材料は公知の正孔注入材料が用いられ得る。正孔注入材料としては、例えば、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム及び酸化アルミニウム等の酸化物;フェニルアミン化合物;スターバースト型アミン化合物;フタロシアニン化合物;アモルファスカーボン;ポリアニリン;ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等のポリチオフェン誘導体が挙げられる。
正孔注入層の厚みは、用いる材料によって最適値が異なり、求められる特性及び層の形成し易さ等を勘案して適宜決定される。正孔注入層の厚みは、例えば1nm以上1μm以下であり、好ましくは2nm以上500nm以下であり、より好ましくは5nm以上200nm以下である。
正孔輸送層は、陽極又は正孔注入層等から発光層への正孔注入を改善する機能を有する層である。
正孔輸送層の材料には、公知の正孔輸送入材料が用いられ得る。正孔輸送層の材料としては、例えば、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン若しくはその誘導体、ピラゾリン若しくはその誘導体、アリールアミン若しくはその誘導体、スチルベン若しくはその誘導体、トリフェニルジアミン若しくはその誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、及びポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等が挙げられる。また、特開2012−144722号公報に開示されている正孔輸送材料も挙げることができる。
正孔輸送層の厚みは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように適宜設定される。正孔輸送層の厚みは、例えば1nm以上1μm以下であり、好ましくは2nm以上500nm以下であり、より好ましくは5nm以上200nm以下である。
発光層は、所定の波長の光を発光する機能を有する有機層である。
発光層は通常、主として蛍光及び/又はりん光を発光する有機物、あるいは、該有機物とこれを補助するドーパントとから形成される。ドーパントは、例えば発光効率の向上や、発光波長を変化させるために加えられる。
発光層に含まれる有機物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよい。発光層を構成する発光材料としては、例えば、下記の色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料、ドーパント材料が挙げられる。
色素系の発光材料としては、例えば、シクロペンダミン若しくはその誘導体、テトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体、トリフェニルアミン若しくはその誘導体、オキサジアゾール若しくはその誘導体、ピラゾロキノリン若しくはその誘導体、ジスチリルベンゼン若しくはその誘導体、ジスチリルアリーレン若しくはその誘導体、ピロール若しくはその誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、オリゴチオフェン若しくはその誘導体、オキサジアゾールダイマー若しくはその誘導体、ピラゾリンダイマー若しくはその誘導体、キナクリドン若しくはその誘導体、クマリン若しくはその誘導体等が挙げられる。
金属錯体系の発光材料としては、例えば、Tb、Eu、Dy等の希土類金属、又はAl、Zn、Be、Pt、Ir等を中心金属に有し、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を配位子に有する金属錯体が挙げられる。金属錯体としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミニウムキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、フェナントロリンユーロピウム錯体等が挙げられる。
高分子系の発光材料としては、例えば、ポリパラフェニレンビニレン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリパラフェニレン若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、ポリアセチレン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体の他、上記色素材料、金属錯体材料を高分子化した材料等が挙げられる。
上記発光材料のうち、赤色に発光する材料(以下、「赤色発光材料」ともいう。)としては、例えば、クマリン若しくはその誘導体、チオフェン環化合物、及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が挙げられる。赤色発光材料としては、特開2011−105701号公報に開示されている材料も挙げられる。
緑色に発光する材料(以下、「緑色発光材料」ともいう。)としては、例えば、キナクリドン若しくはその誘導体、クマリン若しくはその誘導体、及びそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が挙げられる。緑色発光材料としては、特開2012−036388号公報に開示されている材料も挙げられる。
青色に発光する材料(以下、「青色発光材料」ともいう。)としては、例えば、ジスチリルアリーレン若しくはその誘導体、オキサジアゾール若しくはその誘導体、及びそれらの重合体、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリパラフェニレン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が挙げられる。青色発光材料としては、特開2012−144722号公報に開示されている材料も挙げられる。
ドーパント材料としては、例えば、ペリレン若しくはその誘導体、クマリン若しくはその誘導体、ルブレン若しくはその誘導体、キナクリドン若しくはその誘導体、スクアリウム若しくはその誘導体、ポルフィリン若しくはその誘導体、スチリル色素、テトラセン若しくはその誘導体、ピラゾロン若しくはその誘導体、デカシクレン若しくはその誘導体、フェノキサゾン若しくはその誘導体等が挙げられる。
発光層の厚みは、用いる材料によって最適値が異なり、求められる特性及び層の形成し易さ等を勘案して適宜決定される。発光層の厚みは、例えば1nm以上1μm以下であり、好ましくは2nm以上500nm以下であり、より好ましくは5nm以上200nm以下である。
電子輸送層は、陰極又は電子注入層等からの電子注入を改善する機能を有する層である。電子輸送層には公知の電子輸送材料を用いることができる。
電子輸送層の厚みは、用いる材料等によっても異なるが、例えば1nm以上1μm以下であり、好ましくは2nm以上500nm以下であり、より好ましくは5nm以上200nm以下である。
電子注入層は、陰極から発光層への電子注入効率を改善する機能を有する層である。
電子注入層には公知の電子注入材料を用いることができる。
電子注入層の厚みは、用いる材料等によっても異なるが、例えば1nm以上50nm以下である。
(5)第2電極
第2電極は、例えば陰極である。
陰極は、発光部に含まれる1又は2以上の有機層の上に設けられる。
陰極の材料としては、仕事関数が小さく、発光層への電子注入が容易で、電気伝導度の高い材料が好ましい。有機ELデバイスが陽極側から光を取り出す場合には、発光層から放射される光を陰極で陽極側に反射するために、陰極の材料としては可視光反射率の高い材料が好ましい。
具体的には、陰極には、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属又は周期表の13族金属等を用いることができる。また、陰極として、導電性金属酸化物又は導電性有機物等からなる透明導電性陰極を用いることもできる。
陰極の厚みは、電気伝導度、耐久性を考慮して適宜設定される。陰極の厚みは、例えば10nm以上10μm以下であり、好ましくは20nm以上1μm以下であり、より好ましくは50nm以上500nm以下である。
有機ELデバイスが2以上の発光領域14(したがって、2以上の発光部)を有する場合、発光領域ごとに陰極を設けてもよいし、バンク13を跨いで、すべての発光領域14に共通の陰極を1つ設けてもよい。
なお、有機ELデバイスの第2電極上には、通常、封止基板が設けられる。その他、有機ELデバイスは、例えば、有機EL照明デバイスや有機ELディスプレイが備える公知の他の要素を備え得る。
<有機ELデバイスの製造方法>
本発明の一実施形態に係る有機ELデバイスの製造方法は、下記の工程を下記の順で含む。
発光領域14を規定するための、厚み及び幅を有するバンク13を基板11上に形成する工程(バンク形成工程)、
第1有機層を形成する工程(第1有機層形成工程)。
本発明の一実施形態に係る有機ELデバイスの製造方法において、第1有機層形成工程は、下記の工程を含む。
発光領域14上に、有機溶媒を含む第1有機層形成用塗布液を塗布して第1塗布膜を形成する塗布工程(第1塗布工程)、
第1塗布膜を加熱して第1有機層を形成する乾燥工程(第1乾燥工程)。
一実施形態において、有機ELデバイスの製造方法は、第1塗布工程の前、すなわち、第1有機層形成工程の前に、上記他の有機層の1つである第2有機層を形成する工程(第2有機層形成工程)をさらに含んでいてもよい。
一実施形態において、有機ELデバイスの製造方法は、第3有機層を形成する工程(第3有機層形成工程)、あるいはこれに加えてさらなる有機層形成工程を含んでいてもよい。
(1)バンク形成工程
バンク形成工程は通常、例えば図1に示されるようなバンク付き基板10を作製する工程である。バンク付き基板10を構成する基板11、第1電極12及びバンク13、並びに、バンク付き基板10の作製方法については上述の記載が引用される。
上述のように、年輪状のムラを抑制する観点、バンク13によって発光領域14を好適に規定(区画)できるようにする観点、及びバンク13よりも外側に有機層が濡れ広がらないようにする観点から、バンク13の少なくとも上面(基板11とは反対側の面)は撥液性を有しており、好ましくは、上面及び側面が撥液性を有している。このために、バンク形成工程は、バンク13の上面の撥液性を制御する撥液性制御工程を含んでいてもよい。撥液性制御工程は、バンク13の少なくとも上面の撥液性を調整する工程である。
バンク13の少なくとも上面が撥液性を有していることは、バンク13の少なくとも上面に接するように形成した塗布膜を加熱して有機層を形成する乾燥工程において、塗布膜の収縮ムラを抑制するうえでも有利である。
バンク13の少なくとも上面の撥液性を調整(制御)する方法としては、撥液剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなる層、撥液剤を含む感光性樹脂組成物の硬化物からなる層、又は撥液剤を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層等としてバンク13を形成する方法、熱可塑性樹脂からなる層、感光性樹脂組成物の硬化物からなる層又は熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層等としてバンク13を形成した後、バンク13の少なくとも上面に撥液処理を施す方法が挙げられる。
撥液処理としては、フッ素樹脂等を含有する撥液剤を塗布する処理や、撥液剤の塗布後に、塗布面に紫外線等の活性エネルギー線を照射する処理等が挙げられる。
UVオゾン処理によってバンク13の少なくとも上面の撥液性を制御してもよい。
撥液剤を含む熱可塑性樹脂組成物からなる層、撥液剤を含む感光性樹脂組成物の硬化物からなる層、又は撥液剤を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層の少なくとも上面に上記撥液処理をさらに施してもよい。
第1塗布膜を形成するための塗布液に対するバンク13の上面及び側面の接触角については上述のとおりである。
(2)第1有機層形成工程
バンク付き基板10の発光領域14上(バンク13の開口部)に、有機溶媒を含む第1有機層形成用の塗布液を塗布して第1塗布膜を形成し(第1塗布工程)、次いで第1塗布膜を加熱して乾燥処理を施すことにより(第1乾燥工程)、第1有機層を形成することができる。
第1有機層形成用の塗布液は、例えば、正孔注入材料を含む塗布液、正孔輸送材料を含む塗布液、発光材料を含む塗布液、電子輸送材料を含む塗布液、電子注入材料を含む塗布液等の機能材料を含む塗布液であり、好ましくは、発光材料を含む塗布液である。
塗布液に含まれる有機溶媒は、塗布液に含まれる機能材料を溶解できるものであり、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩化物溶媒;テトラヒドロフラン、ブチルセロソルブ等のエーテル溶媒;トルエン、キシレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、乳酸ブチル等のエステル溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、2−エチルヘキサノール等のアルコール溶媒等が挙げられる。
有機溶媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、塗布液の塗布性、とりわけインクジェット塗布法での塗布液の塗布性の観点から、有機溶媒は、大気圧で、160℃以上240℃以下の沸点を有することが好ましい。
2種以上の有機溶媒を併用する場合、少なくとも1種の有機溶媒が上記範囲内の沸点を有することが好ましく、すべての有機溶媒が上記範囲内の沸点を有することがより好ましい。
第1塗布工程における第1有機層形成用の塗布液の塗布法としては、例えば、インクジェット印刷法が挙げられる。ただし、バンク13の開口部に層を形成可能な塗布法であれば他の公知の塗布法、例えば、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、又はノズルプリント法を用いてもよい。
第1塗布工程は、年輪状のムラを抑制する観点から、第1乾燥工程を経て得られる第1有機層が、発光領域14内に配置される部分(A1)と、バンク13上に配置される部分(B1)とを有するように実施される。
図2は、本発明に係る製造方法によって得られる有機ELデバイスの一例におけるバンク周辺を一部拡大して示す概略断面図である。
図2に示される例において、第1有機層1は、発光領域14内に配置される部分(A1)と、バンク13上に配置される部分(B1)とを有する。第1有機層1が発光領域14を越えてバンク13上にまで延在している部分、すなわち部分(B1)の長さは、バンク13の幅W方向における長さで、長さLB1であり、LB1はゼロより大きく、また、好ましくはバンク13の幅Wよりも小さい。
部分(B1)を有するように、すなわち、端部がバンク13上に位置するように第1有機層1を形成することは、第1有機層に生じる年輪状のムラの抑制に有利であるとともに、発光領域14内での発光輝度のムラの低減にも有利である。
年輪状のムラの抑制及び/又は発光輝度のムラの低減の観点から、長さLB1は、好ましくは2.5mm以上であり、より好ましくは3mm以上である。
長さLB1は、形成した第1有機層について、精密測長機を用いて測定される。
年輪状のムラをより効果的に抑制する観点及び/又は発光領域14内のできるだけ広い領域にわたって発光輝度のムラを低減する観点から、第1塗布工程は、第1乾燥工程を経て得られる第1有機層1におけるできるだけ多くの端部がバンク13上に位置するように実施されることが好ましく、第1有機層1の全ての端部がバンク13上に位置するように実施されることがより好ましい。
年輪状のムラの抑制及び/又は発光輝度のムラの低減の観点から、第1塗布膜は、第1有機層1の部分(B)に相当する部分がバンク13の少なくとも上面に接するように形成されることが好ましい。同様の理由で、第1有機層1と第1電極12との間に第2有機層等の他の有機層が形成される場合においても、第1塗布膜は、第1有機層1の部分(B)に相当する部分がバンク13の少なくとも上面に接するように形成されることが好ましい。
第1乾燥工程は、第1塗布工程によって形成された第1塗布膜を加熱して、第1塗布膜中の有機溶媒を除去する乾燥処理を施すことにより第1有機層1を形成する工程である。
第1乾燥工程は、その開始段階において、第1塗布膜の加熱温度を乾燥雰囲気温度に到達させるための昇温工程を含む。
「第1塗布膜の加熱温度」とは、第1乾燥工程に供されている第1塗布膜の温度をいうが、第1乾燥工程に供されている第1塗布膜を有する基板11(第1塗布膜を有するバンク付き基板10の基板11)の温度をもって、第1乾燥工程に供されている第1塗布膜の温度とみなすこととする。第1乾燥工程に供されている第1塗布膜を有する基板11の温度と、第1乾燥工程に供されている第1塗布膜の温度とは実質的に同温度である。
「乾燥雰囲気温度」とは、第1塗布膜を有する基板11(第1塗布膜を有するバンク付き基板10の基板11)が第1乾燥工程時に置かれる雰囲気の温度をいう。
乾燥雰囲気温度は、第1乾燥工程全体にわたって、通常は一定又は実質的に一定(例えば±2℃程度の振れはあり得る。)である。
昇温工程において、第1塗布膜の加熱温度が乾燥雰囲気温度の80%に到達するまでの平均昇温速度は、1℃/秒以上とされる。基板11上に、少なくともその上面が撥液性を有するバンク13を設置することによって発光領域14を規定し、そこに、発光領域14内に配置される部分(A1)と、バンク13上に配置される部分(B1)とを有するように第1有機層1を形成する方法を採用したうえで、上記平均昇温速度を1℃/秒以上とすることにより、第1有機層1に生じる年輪状のムラを効果的に抑制又は解消することができる。
年輪状のムラを効果的に抑制する観点から、上記平均昇温速度は、2℃/秒以上であってもよく、5℃/秒以上であってもよく、10℃/秒以上であってもよい。
上記平均昇温速度は、通常150℃/秒以下であり、好ましくは100℃/秒以下であり、より好ましくは50℃/秒以下であり、さらに好ましくは30℃/秒以下である。
上記平均昇温速度が150℃/秒を超えると、第1有機層1の表面が荒れ、これに伴って第1有機層1に厚みムラが生じることがある。
昇温工程(第1乾燥工程)開始時における第1塗布膜の温度(基板11の温度)は、通常15℃以上50℃以下であり、好ましくは15℃以上40℃以下であってよい。
第1乾燥工程における乾燥雰囲気温度は、第1有機層形成用の塗布液に含まれる有機溶媒の種類やその沸点にもよるが、通常40℃以上200℃以下であり、好ましくは50℃以上180℃以下であり、より好ましくは60℃以上150℃以下である。
第1乾燥工程及びそれに含まれる昇温工程は、第1塗布膜を有する基板11(第1塗布膜を有するバンク付き基板10の基板11)を、大気圧下で加熱する工程であってもよく、減圧下で加熱する工程であってもよい。
加熱方法としては、熱風乾燥炉に投入する方法、ホットプレートで加熱する方法、赤外線ヒータによる加熱、マイクロ波照射による加熱、及びこれらの2以上の組み合わせ等が挙げられる。
第1乾燥工程の時間(加熱開始から終了までの時間)は、通常0.5分以上60分以下であり、好ましくは1分以上30分以下である。
(3)第2有機層形成工程
一実施形態において、有機ELデバイスの製造方法は、第1塗布工程の前、すなわち、第1有機層形成工程の前に、第2有機層を形成する工程(第2有機層形成工程)をさらに含んでいてもよい。この場合、バンク付き基板10の発光領域14上(バンク13の開口部)に、有機溶媒を含む第2有機層形成用の塗布液を塗布して第2塗布膜を形成し(第2塗布工程)、次いで第2塗布膜を加熱して乾燥処理を施すことにより(第2乾燥工程)、第2有機層を形成することができる。第2有機層を形成した後、上記に従って第1有機層1が形成される。
第2有機層形成用の塗布液は、例えば、正孔注入材料を含む塗布液、正孔輸送材料を含む塗布液、発光材料を含む塗布液、電子輸送材料を含む塗布液、電子注入材料を含む塗布液等の機能材料を含む塗布液であり得るが、好ましくは、正孔注入材料を含む塗布液又は正孔輸送材料を含む塗布液である。
一実施形態において、第2有機層は正孔注入層又は正孔輸送層であり、第1有機層1は発光層である。第1有機層1と第2有機層とは接していてもよいし、接していなくてもよい。
第2塗布工程、第2乾燥工程の条件及び第2有機層形成用の塗布液等の詳細については、それぞれ、第1塗布工程、第1乾燥工程及び第1有機層形成用の塗布液等についての上記記述が引用される。第2乾燥工程の開始段階における、第2塗布膜の加熱温度を乾燥雰囲気温度に到達させるための昇温工程は、第2塗布膜の加熱温度が乾燥雰囲気温度の80%に到達するまでの平均昇温速度が必ずしも1℃/秒以上でなくてもよいが、第1有機層1及び第2有機層に生じ得る年輪状のムラを抑制する観点からは、上記平均昇温速度は、1℃/秒以上であることが好ましい。
本発明に係る製造方法によって得られる有機ELデバイスの他の一例におけるバンク周辺を一部拡大して示す概略断面図である図3を参照して、第1有機層1及び第2有機層に生じ得る年輪状のムラをより効果的に抑制する観点並びに/又は発光領域14内での発光輝度のムラを低減する観点から、第2塗布工程は、第2乾燥工程を経て得られる第2有機層2が、発光領域14内に配置される部分(A2)と、バンク13の幅W方向における長さLB2を有してバンク13上に配置される部分(B2)とを有するように実施されることが好ましい。長さLB2はゼロより大きく、また、好ましくはバンク13の幅Wよりも小さい。
長さLB2の測定方法は、長さLB1の測定方法と同様である。
第1有機層1及び第2有機層2に生じ得る年輪状のムラをより効果的に抑制する観点並びに/又は発光領域14内での発光輝度のムラを低減する観点から、第1有機層1の部分(B1)の長さLB1は、第2有機層2の部分(B2)の長さLB2と同じか又はそれよりも大きいことが好ましい。
長さLB1と長さLB2との差は、第1有機層1及び第2有機層2に生じ得る年輪状のムラをより効果的に抑制する観点並びに/又は発光領域14内での発光輝度のムラを低減する観点から、好ましくは0mm以上1mm以下である。
第1有機層1及び第2有機層2に生じ得る年輪状のムラをより効果的に抑制する観点並びに/又は発光領域14内のできるだけ広い領域にわたって発光輝度のムラを低減する観点から、第2塗布工程は、第2乾燥工程を経て得られる第2有機層2におけるできるだけ多くの端部がバンク13上に位置するように実施されることが好ましく、第2有機層2の全ての端部がバンク13上に位置するように実施されることがより好ましい。
(4)第3有機層形成工程
一実施形態において、有機ELデバイスの製造方法は、第3有機層を形成する工程(第3有機層形成工程)、あるいはこれに加えてさらなる有機層形成工程を含んでいてもよい。
バンク付き基板10の発光領域14上(バンク13の開口部)に、有機溶媒を含む第3有機層形成用の塗布液を塗布して第3塗布膜を形成し(第3塗布工程)、次いで第3塗布膜を加熱して乾燥処理を施すことにより(第3乾燥工程)、第3有機層を形成することができる。
第3有機層の位置は任意である。ただし、本明細書において第2有機層2は、第3有機層よりも下(基板11側)に配置されるものとする。
例えば、第3有機層の位置は、第2有機層2と第1有機層1との間、又は、第1有機層1の上(基板11とは反対側)であってよい。
第3有機層形成用の塗布液は、例えば、正孔注入材料を含む塗布液、正孔輸送材料を含む塗布液、発光材料を含む塗布液、電子輸送材料を含む塗布液、電子注入材料を含む塗布液等の機能材料を含む塗布液であり得るが、好ましくは、正孔輸送材料を含む塗布液又は電子輸送材料を含む塗布液である。
一実施形態において、第2有機層は正孔注入層であり、第3有機層は正孔輸送層であり、第1有機層1は発光層である。
第3塗布工程、第3乾燥工程の条件及び第3有機層形成用の塗布液等の詳細については、それぞれ、第1塗布工程、第1乾燥工程及び第1有機層形成用の塗布液等についての上記記述が引用される。第3乾燥工程の開始段階における、第3塗布膜の加熱温度を乾燥雰囲気温度に到達させるための昇温工程は、第3塗布膜の加熱温度が乾燥雰囲気温度の80%に到達するまでの平均昇温速度が必ずしも1℃/秒以上でなくてもよいが、第1有機層1(第3有機層が第1有機層1の下に配置される場合)及び第3有機層に生じ得る年輪状のムラを抑制する観点からは、上記平均昇温速度は、1℃/秒以上であることが好ましい。
第1有機層1(第3有機層が第1有機層1の下に配置される場合)及び第3有機層に生じ得る年輪状のムラを抑制する観点並びに/又は発光領域14内での発光輝度のムラを低減する観点から、第3塗布工程は、第3乾燥工程を経て得られる第3有機層が、発光領域14内に配置される部分(A3)と、バンク13の幅W方向における長さLB3を有してバンク13上に配置される部分(B3)とを有するように実施されることが好ましい。長さLB3はゼロより大きく、また、好ましくはバンク13の幅Wよりも小さい。
長さLB3の測定方法は、長さLB1の測定方法と同様である。
発光領域14内での発光輝度のムラを低減する観点から、第3有機層の部分(B3)の長さLB3は、第2有機層2の部分(B2)の長さLB2と同じか又はそれよりも大きいことが好ましい。長さLB3と長さLB2との差は、発光領域14内での発光輝度のムラを低減する観点から、好ましくは0mm以上1mm以下である。
同様の観点から、第3有機層が第1有機層1の下に配置される場合、第1有機層1の部分(B1)の長さLB1は、第3有機層の部分(B3)の長さLB3と同じか又はそれよりも大きいことが好ましい。長さLB1と長さLB3との差は、発光領域14内での発光輝度のムラを低減する観点から、好ましくは0mm以上1mm以下である。
同様の観点から、第3有機層が第1有機層1の上に配置される場合、第3有機層の部分(B3)の長さLB3は、第1有機層1の部分(B1)の長さLB1と同程度であることが好ましい。長さLB3と長さLB1との差は、発光領域14内での発光輝度のムラを低減する観点から、好ましくは0mm以上0.5mm以下である。
第1有機層1(第3有機層が第1有機層1の下に配置される場合)及び第3有機層に生じ得る年輪状のムラを抑制する観点並びに/又は発光領域14内での発光輝度のムラを低減する観点から、第3塗布工程は、第3乾燥工程を経て得られる第3有機層におけるできるだけ多くの端部がバンク13上に位置するように実施されることが好ましく、第3有機層の全ての端部がバンク13上に位置するように実施されることがより好ましい。
所望の1又は2以上の有機層を形成した後、第2電極(例えば、陰極)を形成する工程を実施することにより有機ELデバイスを得ることができる。第2電極の形成方法としては、例えば、第1電極12の場合と同様の蒸着法及び塗布法が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
下記項目についての測定方法は次のとおりである。
〔a〕バンク上面及び側面の接触角
第1有機層形成用の塗布液に対するバンク13上面及び側面の接触角は、「オートディスペンサシステム AD−31S」(協和界面科学(株)製)を用いて、温度23℃の環境下で測定した。
〔b〕膜厚及び層部分の長さ
第1有機層の部分(A1)における中心膜厚は、作製した有機ELデバイスを注意深く切断することによって露出した断面について、走査型透過電子顕微鏡を用いて画像を取得し、この画像から任意で選択した1点について測定した。中心膜厚とは、部分(A1)の中心点での膜厚をいう。
第1有機層1のバンク13の幅W方向における長さLB1は、第1塗布膜乾燥後に精密測長機を用いて測定した。LB2、LB3についても同様の方法で測定した。下記の例に示されるLB1、LB2及びLB3の値は、正方形形状に形成された有機層の各辺の中心位置での測定値の平均(4点の平均)である。
<実施例1>
図1に示される構成のバンク付き基板10を用意した。
基板11の外形形状は、1辺の長さが約50mmの正方形であった。基板11の材質はガラスである。
バンク13の外形形状は1辺の長さが約34mmの正方形であり、バンク13の開口形状は1辺の長さが約22mmの正方形であり、バンク13の幅Wは約6mmであった。バンク13は、撥液剤を含有する感光性樹脂組成物を硬化させてなる層(単層構造)であり、該層を形成後、表面(上面及び側面)をUVオゾン処理することによって、第1有機層形成用の塗布液に対するバンク13上面及び側面の接触角を約30度程度まで低下させた。
バンク13は、第1電極12(陽極)の周縁部の一部の直上に配置されるように位置合わせされている。
上記バンク付き基板10の発光領域14(バンク13の開口部)に、次の手順で第1有機層1(発光層)を形成した。
発光材料を含有する第1有機層形成用の塗布液を用意した。発光材料には、白色発光材料を用いた。塗布液に含まれる有機溶媒としては、シクロヘキシルベンゼンと4−メチルアニソールとの混合溶媒を用いた。回転粘度計を用いて測定した25℃における塗布液の粘度は、2mPa・sであった。
この塗布液を用いてインクジェット印刷法により発光領域14に第1塗布膜を形成した。引き続き、第1塗布膜を有するバンク付き基板10を搬送しながら赤外線ヒータ加熱式の乾燥炉に導入する乾燥工程を行い、第1塗布膜を乾燥させて第1有機層1(発光層)を形成した。第1塗布膜を有するバンク付き基板10の搬送速度は2m/分、乾燥炉内の乾燥雰囲気温度は100℃とした。乾燥時間は、4分とした。
乾燥工程の開始段階における昇温工程の基板の温度プロファイルを図4に示す。この温度プロファイルから求められる、第1塗布膜の加熱温度が乾燥雰囲気温度の80%に到達するまでの平均昇温速度は1.0℃/秒であった。昇温工程(第1乾燥工程)開始時における第1塗布膜の温度は23℃であった。図4における縦軸である温度は、乾燥工程に供されている第1塗布膜の温度(乾燥工程に供されている第1塗布膜を有するバンク付き基板10の基板11の温度)である。
得られた第1有機層1は、その全ての端部がバンク13上に位置していた。すなわち、第1有機層1は、そのすべての端部について、バンク13上に配置される部分(B1)を有していた。得られた第1有機層1の発光領域14内に配置された部分(A1)の中心膜厚は75nmであり、部分(B1)の長さLB1は3mmであった。上述のとおり、このLB1の値は、正方形形状に形成された第1有機層の各辺の中心位置での測定値の平均(4点の平均)である。第1有機層は、バンク13の全周にわたって形成された部分(B1)のいずれの位置においても、上記平均とほぼ同等の長さを有していた。
第1有機層1に対して紫外線を照射することによって第1有機層1を発光させ、年輪状のムラの有無を目視で確認したところ、年輪状のムラは確認されなかった。
<比較例1>
昇温工程において、第1塗布膜の加熱温度が乾燥雰囲気温度の80%に到達するまでの平均昇温速度を0.6℃/秒としたこと以外は実施例1と同様にして第1有機層1を形成し、年輪状のムラの有無を確認した。発光領域にて確認された年輪状のムラの状態を図5に示す。図5に示されるとおり、年輪状のムラが明確に認められた。
乾燥工程の開始段階における昇温工程の基板の温度プロファイルを図4に示す。昇温工程(第1乾燥工程)開始時における第1塗布膜の温度は23℃であった。
<実施例2>
乾燥工程のために乾燥炉の代わりにホットプレートを用い、乾燥雰囲気温度を40℃としたこと、乾燥時間を20分としたこと以外は実施例1と同様にして第1有機層1を形成し、年輪状のムラの有無を確認した(第1塗布膜の加熱温度が乾燥雰囲気温度の80%に到達するまでの平均昇温速度は1.0℃/秒)。年輪状のムラは確認されなかった。
<実施例3>
乾燥雰囲気温度を80℃としたこと、第1塗布膜の加熱温度が乾燥雰囲気温度の80%に到達するまでの平均昇温速度を8.7℃/秒としたこと以外は実施例2と同様にして第1有機層1を形成し、年輪状のムラの有無を確認した。年輪状のムラは確認されなかった。
<比較例2>
発光領域14を取り囲むバンク13を設けなかったこと以外は実施例2と同様にして有機ELデバイスを作製し、年輪状のムラの有無を確認した。年輪状のムラが明確に認められた。
<比較例3>
発光領域14を取り囲むバンク13を設けなかったこと以外は実施例3と同様にして有機ELデバイスを作製し、年輪状のムラの有無を確認した。年輪状のムラが明確に認められた。
<実施例4>
実施例1で用いたものと同じバンク付き基板10を用意した。
上記バンク付き基板10の発光領域14(バンク13の開口部)に、次の手順で第2有機層(正孔注入層)、第3有機層(正孔輸送層)及び第1有機層(発光層)をこの順に形成した。
正孔注入材料を含有する第2有機層形成用の塗布液を用意した。この塗布液を用いてインクジェット印刷法により発光領域14に第2塗布膜を形成し、次いで第2塗布膜をホットプレートで乾燥させることによって第2有機層を形成した。第2有機層は、その全ての端部がバンク13上に位置していた。
次に、正孔輸送材料を含有する第3有機層形成用の塗布液を用意し、この塗布液を用いてインクジェット印刷法により第2有機層上に第3塗布膜を形成し、次いで第3塗布膜をホットプレートで乾燥させることによって第3有機層を形成した。第3有機層は、その全ての端部がバンク13上に位置していた。
次に、実施例1で用いたものと同じ第1有機層形成用の塗布液を用意し、実施例1と同じ条件で、第3有機層上に第1塗布膜を形成した後に乾燥工程を実施して、第1有機層を形成した。
第2有機層の部分(B2)の長さLB2及び第3有機層の部分(B3)の長さLB3は、第1有機層の部分(A1)の長さLB1と同じ3mmとした。上述のとおり、これらのLB1、LB2及びLB3の値は、それぞれ、正方形形状に形成された第1有機層、第2有機層及び第3有機層の各辺の中心位置での測定値の平均(4点の平均)である。第1有機層は、バンク13の全周にわたって形成された部分(B1)のいずれの位置においても、上記平均とほぼ同等の長さを有していた。同様に、第2有機層は、バンク13の全周にわたって形成された部分(B2)のいずれの位置においても、上記平均とほぼ同等の長さを有しており、第3有機層は、バンク13の全周にわたって形成された部分(B3)のいずれの位置においても、上記平均とほぼ同等の長さを有していた。
第1塗布膜、第2塗布膜、及び第3塗布膜の加熱温度が乾燥雰囲気温度の80%に到達するまでの平均昇温速度は、1.0℃/秒とした。
第1有機層上に、電子輸送層及び第2電極(陰極)を形成して、有機ELデバイスを得た。
有機ELデバイスに電流を印加して発光領域を発光させ、年輪状のムラの有無を目視で確認したところ、年輪状のムラは確認されなかった。
1 第1有機層、2 第2有機層、10 バンク付き基板、11 基板、12 第1電極、13 バンク、14 発光領域。

Claims (6)

  1. 発光領域を有する有機ELデバイスの製造方法であって、
    前記有機ELデバイスは、基板と、前記基板に設けられており前記発光領域を規定するための厚み及び幅を有するバンクとを備え、
    前記バンクは、少なくとも上面が撥液性を有し、
    前記発光領域は、その面積が1mm以上であり、
    前記製造方法は、
    前記発光領域上に、有機溶媒を含む塗布液を塗布して第1塗布膜を形成する塗布工程と、
    前記第1塗布膜を加熱して第1有機層を形成する乾燥工程と、
    を含み、
    前記第1塗布膜を形成する塗布工程は、前記第1有機層が、前記発光領域内に配置される部分(A1)と、前記バンクの幅方向における長さLB1を有して前記バンク上に配置される部分(B1)とを有するように実施され、
    前記乾燥工程は、その開始段階において、前記第1塗布膜の加熱温度を乾燥雰囲気温度に到達させるための昇温工程を含み、
    前記昇温工程において、前記加熱温度が前記乾燥雰囲気温度の80%に到達するまでの平均昇温速度が1℃/秒以上である、有機ELデバイスの製造方法。
  2. 前記塗布工程は、前記第1有機層の全ての端部が前記バンク上に位置するように実施される、請求項1に記載の有機ELデバイスの製造方法。
  3. 前記塗布工程の前に、第2有機層を形成する工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の有機ELデバイスの製造方法。
  4. 第2有機層を形成する工程は、前記第2有機層が、前記発光領域内に配置される部分(A2)と、前記バンクの幅方向における長さLB2を有して前記バンク上に配置される部分(B2)とを有するように実施される、請求項3に記載の有機ELデバイスの製造方法。
  5. 前記LB1が前記LB2と同じか又はそれよりも大きい、請求項4に記載の有機ELデバイスの製造方法。
  6. 前記第1有機層が発光層である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機ELデバイスの製造方法。
JP2019120216A 2019-06-27 2019-06-27 有機elデバイスの製造方法 Active JP7250633B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019120216A JP7250633B2 (ja) 2019-06-27 2019-06-27 有機elデバイスの製造方法
PCT/JP2020/023585 WO2020262113A1 (ja) 2019-06-27 2020-06-16 有機elデバイスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019120216A JP7250633B2 (ja) 2019-06-27 2019-06-27 有機elデバイスの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021005541A true JP2021005541A (ja) 2021-01-14
JP7250633B2 JP7250633B2 (ja) 2023-04-03

Family

ID=74061973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019120216A Active JP7250633B2 (ja) 2019-06-27 2019-06-27 有機elデバイスの製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7250633B2 (ja)
WO (1) WO2020262113A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023053451A1 (ja) * 2021-10-01 2023-04-06 シャープディスプレイテクノロジー株式会社 発光素子、表示装置、および発光素子の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009038171A1 (ja) * 2007-09-21 2009-03-26 Toppan Printing Co., Ltd. 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法
WO2009084209A1 (ja) * 2007-12-28 2009-07-09 Panasonic Corporation 有機elデバイスおよび有機elディスプレイパネル、ならびにそれらの製造方法
WO2010038356A1 (ja) * 2008-09-30 2010-04-08 パナソニック株式会社 有機elデバイスおよびその製造方法
JP2017216251A (ja) * 2012-05-28 2017-12-07 三菱ケミカル株式会社 導電性薄膜積層体の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009038171A1 (ja) * 2007-09-21 2009-03-26 Toppan Printing Co., Ltd. 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ及びその製造方法
WO2009084209A1 (ja) * 2007-12-28 2009-07-09 Panasonic Corporation 有機elデバイスおよび有機elディスプレイパネル、ならびにそれらの製造方法
WO2010038356A1 (ja) * 2008-09-30 2010-04-08 パナソニック株式会社 有機elデバイスおよびその製造方法
JP2017216251A (ja) * 2012-05-28 2017-12-07 三菱ケミカル株式会社 導電性薄膜積層体の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023053451A1 (ja) * 2021-10-01 2023-04-06 シャープディスプレイテクノロジー株式会社 発光素子、表示装置、および発光素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020262113A1 (ja) 2020-12-30
JP7250633B2 (ja) 2023-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5192828B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示素子及びその製造方法
US20120062108A1 (en) Light-emitting device
WO2012081550A1 (ja) 表示装置
WO2020262113A1 (ja) 有機elデバイスの製造方法
JP2007250718A (ja) エレクトロルミネッセント素子およびその製造方法
JP6814742B2 (ja) 有機elデバイスの製造方法及び有機elデバイス
US9923164B2 (en) Method for manufacturing transparent electrode, transparent electrode, and organic electroluminescence device provided with the same
JP2010129345A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2010147180A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP5155085B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、およびその製造方法
WO2020262112A1 (ja) 有機elデバイス及びその製造方法
JP2012216810A (ja) 有機el素子及びその製造方法
JP2010160946A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法
JP2010160945A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法
JP6711105B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP6582896B2 (ja) 発光パネルモジュール、発光装置、及びその製造方法
WO2011158799A1 (ja) 発光装置の製造方法
JP6387602B2 (ja) 透明電極、透明電極の製造方法、透明電極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP7193953B2 (ja) 有機elデバイスの製造方法及び有機elデバイス
JP2014067868A (ja) 有機elパネル及びその製造方法
JP2012209464A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法
JP2020167023A (ja) 有機elデバイス用隔壁付基板の製造方法及び有機elデバイスの製造方法
JP2010129346A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP6945983B2 (ja) 有機elデバイス、表示素子及び有機elデバイスの製造方法
JP2012074237A (ja) 有機el素子及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7250633

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150