JP2021005492A - 端子付き電線、及び、端子付き電線の製造装置 - Google Patents

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紘也 ▲高▼坂
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Abstract

【課題】製造コストを低減でき、且つ、生産性の高さと電気的接続の信頼性の維持とを両立可能な端子付き電線を提供すること。【解決手段】端子付き電線1の端子金具20は、電線10から露出した導体芯線11に圧着されるバレル部41を備える。バレル部41は、圧着後に一端と他端とが重なった筒状形状をなす板状体であって、電線10が載せ置かれる板状の載置部41aと、電線10の被覆体12を覆う基端部46と、基端部46から離れて導体芯線11を覆う先端部45と、を有し、先端部45と基端部46との間において導体芯線11を外部から隔離するように覆うように構成される、板状体を有する。バレル部41の先端部45は、開口端45aに近付くにつれて、先端部45が載置部41aから離れるように湾曲した形状を有する。導体芯線11の端末11aは、バレル部41の開口端45aよりも筒内側に位置する。【選択図】図3

Description

本発明は、端子付き電線、及び、端子付き電線の製造装置に関する。
近年、例えば、車両に配索されるワイヤハーネスには、軽量化などの観点から、アルミニウムやアルミニウム合金から形成された導体芯線を有する電線(以下「アルミニウム電線」という。)に銅や銅合金から形成された端子金具が取り付けられた端子付き電線が使用される場合がある。この種の端子付き電線では、異種金属である電線の芯線と端子金具との間で付着した水が電解液となってガルバニック腐食(異種金属接触腐食)が生じるおそれがある。なお、周知のように、ガルバニック腐食は異種金属間における標準電極電位の相違に起因して生じる。
そこで、アルミニウム電線を用いた従来の端子付き電線の一つでは、端子金具のバレル部の端面(即ち、端子金具の母材が露出している箇所)に防食用のメッキを設けるようになっている。これにより、導体芯線のガルバニック腐食が抑制され、端子金具と導体芯線との電気的接続の信頼性を長期間にわたって維持できることになる(例えば、特許文献1を参照)。
特開2016−172014号公報
しかし、上述した従来の端子付き電線では、実際に端子付き電線を大量に生産するにあたり、ひとつひとつの端子金具のバレル部の端面にメッキを設けることが求められ、端子付き電線の生産性を向上させ難いと考えられる。また、メッキを要する分、端子付き電線の製造コストが増すと考えられる。このように、従来の端子付き電線は、電気的接続の信頼性を維持し得るものの、実際の生産の上で更なる改善の余地がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造コストを低減でき、且つ、生産性の高さと電気的接続の信頼性の維持とを両立可能な端子付き電線、及び、そのような端子付き電線の製造装置、を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る端子付き電線、及び、端子付き電線の製造装置は、下記[1]〜[3]を特徴としている。
[1]
電線と、前記電線に取り付けられる端子金具と、を備えた端子付き電線であって、
前記端子金具は、
前記電線に圧着されるバレル部と、前記バレル部の先端側において相手側端子に接続される接点部と、を備え、
前記バレル部は、
圧着後に一端と他端とが重なった筒状形状をなす板状体であって、前記電線が載せ置かれる板状の載置部と、前記電線の被覆体を覆う基端部と、前記基端部から離れて前記電線の導体芯線を覆う先端部と、を有し、前記先端部と前記基端部との間において前記導体芯線を外部から隔離するように覆うように構成される、板状体を有し、
前記バレル部の前記先端部は、
当該先端部の開口端に近付くにつれて、当該先端部が前記載置部から離れるように湾曲した形状を有し、
前記導体芯線の端末は、
前記バレル部の前記開口端よりも筒内側に位置する、
端子付き電線であること。
[2]
上記[1]に記載の端子付き電線において、
前記載置部の厚さ方向における、前記載置部と前記導体芯線の前記端末との最大距離よりも、前記載置部と前記バレル部の前記開口端との最大距離の方が、長い、
端子付き電線であること。
[3]
電線に端子金具が取り付けられた端子付き電線の製造装置であって、
前記端子金具は、
前記電線に圧着されるバレル部と、前記バレル部の先端側において相手側端子に接続される接点部と、を有し、
当該製造装置は、
前記バレル部の載置部に載せ置かれた前記電線に前記バレル部が有する板状体を圧着するための圧着金型、を備え、
前記圧着金型は、
前記板状体によって前記電線を取り囲みながら前記板状体の一端と他端とが重なった筒状形状をなすように、前記板状体を湾曲させながら圧着する作業面を有し、
前記作業面は、
前記バレル部の先端部に対応する箇所において、前記先端部の開口端に近付くにつれて前記先端部が前記載置部から離れるように湾曲した形状をなすように傾斜した面形状を有する、
端子付き電線の製造装置であること。
上記[1]の構成の端子付き電線によれば、バレル部を構成する板状体が、一端と他端とが重なった筒状形状をなすように導体芯線に圧着される。よって、導体芯線の外周面がバレル部に覆われて外部から隔離されるため、導体芯線の外周面に水が接触することを抑制できる。一方、導体芯線の端末(先端側の端部)には水が接触する可能性があるものの、バレル部の先端部は、その開口端に近付くにつれて載置部から離れるように湾曲した形状を有する。そのため、バレル部の先端部と導体芯線の端末とが離れているため、バレル部の先端部と導体芯線の端末とに同時に水が接触し難いことになる。よって、仮に端子金具と導体芯線とが異種金属であっても、ガルバニック腐食の発生を抑制できる。その結果、端子付き電線としての機能が維持(延命)されることになる。
このように、本構成の端子付き電線は、従来の端子付き電線のように防食用のメッキを設けなくても、実用的な耐水性を有する。したがって、本構成の端子付き電線は、製造コストを低減でき、且つ、生産性の高さと電気的接続の信頼性の維持とを両立可能である。
上記[2]の構成の端子付き電線によれば、載置部の厚さ方向における、載置部と導体芯線の端末との最大距離よりも、載置部とバレル部の開口端の最大距離の方が、長い。よって、バレル部の端末と導体芯線の端末とを防食性の観点から十分に離すことができ、ガルバニック腐食の発生を更に適正に抑制できる。
上記[3]の構成の端子付き電線の製造装置によれば、圧着金型(例えば、クリンパ)の作業面の面形状が、バレル部の先端部に対応する箇所において、先端部の開口端に近付くにつれて先端部が載置部から離れるように湾曲した形状をなすように傾斜した形状となっている。これにより、バレル部の先端部と導体芯線の端末とが離れることで、バレル部の先端部と導体芯線の端末とに同時に水が接触し難くなる。よって、本構成の端子付き電線の製造装置を用いれば、従来の端子付き電線のように防食用のメッキを設けなくても、実用的な耐水性を有する端子付き電線を製造できる。したがって、本構成の製造装置は、端子付き電線の製造コストを低減でき、且つ、生産性の高さと電気的接続の信頼性の維持とを両立可能である。
このように、本発明によれば、製造コストを低減でき、且つ、生産性の高さと電気的接続の信頼性の維持とを両立可能な端子付き電線、及び、そのような端子付き電線の製造装置を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る端子付き電線を示し、図1(a)は、その斜視図であり、図1(b)は、その平面図である。 図2は、電線に端子金具を圧着する前の状態を示す斜視図である。 図3は、図1(b)のA−A断面図である。 図4は、図3に示すバレル部の先端側開口端の周囲を拡大して示す図である。 図5は、クリンパの下方に位置するアンビルに端子付き電線を載置した状態を示す斜視図である。 図6(a)は、図5のB−B断面図であり、図6(b)は、図6(a)のC−C断面図であり、図6(c)は、図6(a)のD−D断面図であり、図6(d)は、図6(a)のE−E断面図である。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、電線10に本発明の実施形態に係る端子金具20を取り付けた端子付き電線1について説明する。以下、説明の便宜上、端子金具20の軸方向(嵌合方向)において、相手側端子(図示省略)が嵌合する側(図1、図2及び図3において左側)を先端側(前方側)とし、その反対側(図1、図2及び図3において右側)を基端側(後方側)と称呼する。また、図1、図2及び図3において上側及び下側をそれぞれ、上側及び下側と称呼する。
図1〜図3に示すように、電線10の端部に端子金具20が圧着され、端子金具20と電線10の導体芯線11とが電気的に接続されている。電線10と端子金具20とにより、端子付き電線1が構成されている。端子付き電線1は、例えば、自動車等の車両に配索されるワイヤハーネスを構成する。
電線10は、導体芯線11と、この導体芯線11を覆う樹脂からなる被覆体12とを有した絶縁電線である。導体芯線11は、アルミニウム又はアルミニウム合金から構成され、複数の素線を撚り合わせて構成されている。電線10の導体芯線11をアルミニウム又はアルミニウム合金から構成することで、端子付き電線1が軽量化され、端子付き電線1を含んで構成されるワイヤハーネスも軽量化される。軽量化された端子付き電線1は、特に電気自動車やハイブリッド自動車などのワイヤハーネスが多用される車両に好適に用いられる。
端子金具20は、相手側端子(図示省略)と接続されることになる接点部31を先端側に有し、電線10の導体芯線11と接続することになるバレル部41を基端側に有している。接点部31とバレル部41とは、連結部35によって互いに繋がっている。
端子金具20は、金属板(板状体)に対してプレス加工(打ち抜き加工および曲げ加工)を施すことで形成されたものである。端子金具20は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる導体芯線11と異なる金属材料から形成されている。具体的には、端子金具20は、銅または銅合金などからなる金属板(板状体)を母材として形成されている。なお、導体芯線11と端子金具20とは、必ずしも異種金属である必要はなく、同じ金属材料から形成されてもよい。
上述したプレス加工の前、金属板には酸化対策などのためにメッキ処理が施されることが好適である。本例では、プレス前の金属板にスズ(錫。Sn)によるメッキ処理が施されている。この場合、メッキ処理の後のプレス加工で形成された端子金具20の端面(切断面)には、メッキ層がなく、母材である金属板が露出することになる。詳細は後述するように、本実施形態に係る端子付き電線1は、端子金具20の端面にメッキ層が設けられなくても、実用的な耐水性を有している。
但し、種々の理由により、上述したプレス加工の後に端子金具20に対してメッキ処理が施されてもよい。この場合、端子金具20の端面(切断面)にもメッキ層が設けられることになる。これにより、端子付き電線1の耐水性が更に向上することになる。
上述したように表面処理が施された後、接点部31は、図1に示すように先端部分が開口した矩形筒状に形成される。この接点部31の開口部分に相手側端子(図示省略)が挿し込まれ、接点部31と相手側端子とが電気的に接続されることになる。
バレル部41は、電線10の端部に圧着されて電気的に接続される。図2に示すように、バレル部41は、一対の加締片42を有している。加締片42のそれぞれは、先端側が導体芯線11を圧着する先端部45とされ、基端側が被覆体12を圧着する基端部46とされている。また、加締片42は、先端部45と基端部46との間が繋ぎ部47とされている。即ち、加締片42(先端部45+繋ぎ部47+基端部46)のそれぞれは、軸方向(嵌合方向)に連続している。
一対の加締片42は、後に、図1(b)及び図3に示すように、一方の加締片42の延出端部が他方の加締片42の延出端部の内側に重なり合うように(オーバーラップするように)加締められて電線10の端部に圧着されることになる。以下、説明の便宜上、一方の加締片42及び他方の加締片42をそれぞれ、「内側加締片42」及び「外側加締片42」とも称呼する。
図2に示すように、圧着前のバレル部41では、その上面側(内面側)が、電線10の端部が配置される載置部41aとされている。導体芯線11及び被覆体12の端末部分が一対の加締片42に挟まれた位置にあるように、この載置部41aに電線10を配置させた状態で、一対の加締片42が、電線10の端部を包み込むように、且つ、内側加締片42の延出端部が外側加締片42の延出端部の内側に重なり合うように(オーバーラップするように)、所定の圧着機を用いて加締められる。
これにより、図1及び図3に示すように、一対の加締片42において、先端部45が電線10の導体芯線11に圧着され、基端部46が電線10の被覆体12に圧着される。この結果、筒状形状を有するバレル部41が、先端部45が電線10の導体芯線11を覆い、基端部46が電線10の被覆体12を覆い、且つ、繋ぎ部47が先端部45と基端部46との間において導体芯線11を外部から隔離して覆うように、電線10の端部に圧着される。ここで、電線10の導体芯線11の端末11aは、筒状形状を有するバレル部41(先端部45)の先端側開口端45aよりも基端側(即ち、バレル部41の内側。図3における右側)に位置しており、先端側開口端45aから露出していない。
筒状形状をなす圧着後のバレル部41において、基端部46の太さは電線10の外径程度である一方、先端部45の太さは基端部46より小さい。このように、両者の太さが異なることから、これらの間に位置する繋ぎ部47は、先端部45に連続する先端側から基端部46に連続する基端側に移動するにつれて徐々に太くなる形状を有している。
更に、筒状形状をなすバレル部41において、バレル部41の先端部45は、図3に示すように、バレル部41(先端部45)の先端側開口端45aに近付くにつれて、バレル部41(先端部45)が載置部41aから離れるように上方に湾曲した形状を有している。より具体的には、図4に示すように、上下方向(即ち、載置部41aの厚さ方向)における、載置部41aと導体芯線11の端末11aとの最大距離L1よりも、載置部41aとバレル部41の先端側開口端45aの最大距離L2の方が、長くなっている。
バレル部41の先端側開口端45aが開口していることにより、導体芯線11の端末11aには水が接触する可能性がある。しかしながら、バレル部41の先端部45が、上述したように湾曲した形状を有するため、バレル部41の先端側端末と導体芯線11の端末11aとが離れることになり、バレル部41の先端側端末と導体芯線11の端末11aとに同時に水が接触し難くなる。よって、バレル部41の先端側端末(切断面)にメッキ処理が施されていなくても、ガルバニック腐食(具体的には、導体芯線11の端末11aの腐食)が生じ難い。
特に、図3及び図4に示すように、端子付き電線1が載置部41aが下方に位置する姿勢で使用される場合、仮にバレル部41の先端側開口端45aに水が接触しても、その水は、重力の作用によってバレル部41の先端部45の内壁面を伝って導体芯線11の端末11aの近傍に位置する載置部41aに案内されることになる。別の言い方をすると、バレル部41の先端側開口端45aに水が接触しても、その水は先端側開口端45aから離れるように誘導されることになる。このような水の誘導効果を発揮し得るように端子付き電線1の使用時の姿勢を定めることで、バレル部41の先端側開口端45aと、載置部41aに溜まった水と、が離れることになり、ガルバニック腐食の発生を更に適正に抑制できる。
以下、図5及び図6を参照しながら、バレル部41の一対の加締片42を電線10に圧着する際に用いられる製造装置2について説明する。製造装置2は、図5に示すように、アンビル50及びクリンパ60を含む。
図5に示すように、アンビル50の上部には、上方に突出し且つ端子金具20の軸方向に延びる平板部51が一体に形成されている。平板部51の上端面が、端子金具20を載置する加工面として機能する。
図5に示すように、クリンパ60は、その下部にて、下面から上方に窪む凹部の側壁が、一対の加締片42を適正な方向に案内する案内傾斜面61として機能し、当該凹部の底面(上端面)が、一対の加締片42を圧着する作業面62として機能する。
図6(b)〜図6(c)の比較から理解できるように、作業面62は、端子金具20のバレル部41の先端部45に対応する箇所62aにおいて、先端部45の先端側開口端45aに近付くにつれて(図6(a)では左方に向かうにつれて)作業面62の頂部が上方に移動する、ように傾斜した面形状を有する。換言すれば、作業面62は、一対の加締片42の先端部45に対応する箇所62aにおいて、先端側開口端45aに近付くにつれて先端部45の頂部が載置部41aから離れるように傾斜した面形状を有する。
端子金具20の圧着の際には、先ず、圧着前の端子金具20(図2参照)が、アンビル50の加工面の所定箇所に載置される(図5参照)。次いで、電線10が、導体芯線11及び被覆体12の端末部分が一対の加締片42に対面するように、圧着前の端子金具20の所定箇所に載置される(図5参照)。
次いで、図5に示すように、アンビル50の加工面に載置されている端子金具20に向けて、上方からクリンパ60が押し付けられる。これにより、クリンパ60の案内傾斜面61により適正な方向に案内された一対の加締片42が、クリンパ60の作業面62により導体芯線11及び被覆体12の端末部分の外周を取り囲むように、導体芯線11及び被覆体12の端末部分に加締められる。
これにより、一対の加締片42が導体芯線11及び被覆体12の端末部分に圧着される。このとき、クリンパ60の作業面62が上述のように傾斜した面形状を有することに起因して、一対の加締片42の圧着と同時に、先端側開口端45aに近付くにつれて先端部45が載置部41aから離れるように、バレル部41の先端部45が上方に湾曲した形状に加工される。このように、クリンパ60の作業面62が図6(a)に示すように傾斜した面形状を有することで、一対の加締片42の圧着と同時に、バレル部41の先端部45が上述したように上方に湾曲した形状を有することになる。
<作用・効果>
以上、本発明の実施形態に係る端子付き電線1によれば、バレル部41を構成する板状体が、一端と他端とが重なった筒状形状をなすように導体芯線11に圧着される。よって、導体芯線11の外周面がバレル部41に覆われて外部から隔離されるため、導体芯線11の外周面に水が接触することを抑制できる。一方、導体芯線11の端末11a(先端)には水が接触する可能性があるものの、バレル部41の先端部45は、先端側開口端45aに近付くにつれて、バレル部41が載置部41aから離れるように湾曲した形状を有する。そのため、仮に導体芯線11の端末11a(先端)に水が接触したとしても、バレル部41の端末と導体芯線11の端末とが離れているため、ガルバニック腐食が生じ難い。これにより、端子付き電線1としての機能が維持(延命)されることになる。
よって、本実施形態に係る端子付き電線1は、従来の端子付き電線のように止水用のシール部材を設けることなく、実用的な耐水性を有する。したがって、本実施形態に係る端子付き電線1は、製造コストを低減でき、且つ、生産性の高さと電気的接続の信頼性の維持とを両立可能である。
更に、本実施形態に係る端子付き電線1によれば、載置部41aを構成する載置部の厚さ方向(上下方向)における、載置部41aと導体芯線11の端末11aとの最大距離L1よりも、載置部41aとバレル部41の先端側開口端45aとの最大距離L2の方が、長い。よって、バレル部41の端末と導体芯線11の端末11aとを防食性の観点から十分に離すことができ、ガルバニック腐食の発生を更に適正に抑制できる。
更に、本実施形態に係る端子付き電線1の製造装置2によれば、クリンパ60の作業面62が、バレル部41の先端部45に対応する箇所において、先端側開口端45aに近付くにつれて先端部45が載置部41aから離れるように湾曲した形状をなすように傾斜した面形状を有する。これにより、バレル部41の先端側開口端45aと導体芯線11の端末11aとが離れることで、バレル部41の先端側開口端45aと導体芯線11の端末11aとに同時に水が接触し難くなる。よって、この製造装置2を用いれば、従来の端子付き電線のように防食用のメッキを設けなくても、実用的な耐水性を有する端子付き電線1を製造できる。したがって、この製造装置2は、端子付き電線1の製造コストを低減でき、且つ、生産性の高さと電気的接続の信頼性の維持とを両立可能である。
<他の形態>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
上記実施形態では、端子金具20の接点部31が、メス端子金具の接点部(矩形筒状の形状)を構成している。これに対し、端子金具20の接点部31が、オス端子金具の接点部(タブ状の形状)を構成していてもよい。
更に、上記実施形態では、バレル部41の先端部45は、載置部41aの厚さ方向に(例えば、図1(a)及び図3における上下方向に)おいて、載置部41aから離れるように湾曲している。しかし、例えば、先端部45は、載置部41aの幅方向に(例えば、図1(a)において一対の加締片42の根元部が互いに離れる方向に)において、載置部41aから離れるように湾曲してもよい。また、先端部45は、載置部41aの厚さ方向にも幅方向にも(即ち、放射状に)載置部41aから離れるように湾曲してもよい。バレル部41の先端部45の湾曲形状は、端子付き電線1の使用時における端子金具20の姿勢などを考慮し、上述した水の誘導効果が十分に発揮されるように定めることが好ましい。
ここで、上述した本発明に係る端子付き電線1の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
電線(10)と、前記電線(10)に取り付けられる端子金具(20)と、を備えた端子付き電線(1)であって、
前記端子金具(20)は、
前記電線(10)に圧着されるバレル部(41)と、前記バレル部(41)の先端側において相手側端子に接続される接点部(31)と、を備え、
前記バレル部(41)は、
圧着後に一端と他端とが重なった筒状形状をなす板状体であって、前記電線(10)が載せ置かれる板状の載置部(41a)と、前記電線(10)の被覆体(12)を覆う基端部(46)と、前記基端部(46)から離れて前記電線の導体芯線(11)を覆う先端部(45)と、を有し、前記先端部(45)と前記基端部(46)との間において前記導体芯線(11)を外部から隔離するように覆うように構成される、板状体を有し、
前記バレル部(41)の前記先端部(45)は、
当該先端部(45)の開口端(45a)に近付くにつれて、当該先端部(45)が前記載置部(41a)から離れるように湾曲した形状を有し、
前記導体芯線(11)の端末(11a)は、
前記バレル部(41)の前記開口端(45a)よりも筒内側に位置する、
端子付き電線(1)。
[2]
上記[1]に記載の端子付き電線(1)において、
前記載置部(41a)の厚さ方向における、前記載置部(41a)と前記導体芯線(11)の前記端末(11a)との最大距離(L1)よりも、前記載置部(41a)と前記バレル部(41)の前記開口端(45a)との最大距離(L2)の方が、長い、
端子付き電線(1)。
[3]
電線(10)に端子金具(20)が取り付けられた端子付き電線(1)の製造装置(2)であって、
前記端子金具(20)は、
前記電線(10)に圧着されるバレル部(41)と、前記バレル部(41)の先端側において相手側端子に接続される接点部(31)と、を有し、
当該製造装置(2)は、
前記バレル部(41)の載置部(41a)に載せ置かれた前記電線(10)に前記バレル部(41)が有する板状体を圧着するための圧着金型(60)、を備え、
前記圧着金型(60)は、
前記板状体によって前記電線(10)を取り囲みながら前記板状体の一端と他端とが重なった筒状形状をなすように、前記板状体を湾曲させながら圧着する作業面(62)を有し、
前記作業面(62)は、
前記バレル部(41)の先端部(45)に対応する箇所において、前記先端部(45)の開口端(45a)に近付くにつれて前記先端部(45)が前記載置部(41a)から離れるように湾曲した形状をなすように傾斜した面形状を有する、
端子付き電線の製造装置(2)。
1 端子付き電線
10 電線
11 導体芯線
11a 端末
12 被覆体
20 端子金具
31 接点部
41 バレル部
41a 載置部
45 先端部
45a 先端側開口端(開口端)
46 基端部
L1 最大距離
L2 最大距離

Claims (3)

  1. 電線と、前記電線に取り付けられる端子金具と、を備えた端子付き電線であって、
    前記端子金具は、
    前記電線に圧着されるバレル部と、前記バレル部の先端側において相手側端子に接続される接点部と、を備え、
    前記バレル部は、
    圧着後に一端と他端とが重なった筒状形状をなす板状体であって、前記電線が載せ置かれる板状の載置部と、前記電線の被覆体を覆う基端部と、前記基端部から離れて前記電線の導体芯線を覆う先端部と、を有し、前記先端部と前記基端部との間において前記導体芯線を外部から隔離するように覆うように構成される、板状体を有し、
    前記バレル部の前記先端部は、
    当該先端部の開口端に近付くにつれて、当該先端部が前記載置部から離れるように湾曲した形状を有し、
    前記導体芯線の端末は、
    前記バレル部の前記開口端よりも筒内側に位置する、
    端子付き電線。
  2. 請求項1に記載の端子付き電線において、
    前記載置部の厚さ方向における、前記載置部と前記導体芯線の前記端末との最大距離よりも、前記載置部と前記バレル部の前記開口端との最大距離の方が、長い、
    端子付き電線。
  3. 電線に端子金具が取り付けられた端子付き電線の製造装置であって、
    前記端子金具は、
    前記電線に圧着されるバレル部と、前記バレル部の先端側において相手側端子に接続される接点部と、を有し、
    当該製造装置は、
    前記バレル部の載置部に載せ置かれた前記電線に前記バレル部が有する板状体を圧着するための圧着金型、を備え、
    前記圧着金型は、
    前記板状体によって前記電線を取り囲みながら前記板状体の一端と他端とが重なった筒状形状をなすように、前記板状体を湾曲させながら圧着する作業面を有し、
    前記作業面は、
    前記バレル部の先端部に対応する箇所において、前記先端部の開口端に近付くにつれて前記先端部が前記載置部から離れるように湾曲した形状をなすように傾斜した面形状を有する、
    端子付き電線の製造装置。
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