JP2021005080A - 眼科用レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】縦色収差による波長ごとのデフォーカスの光量をコントロール可能とし、近視または遠視の進行を抑制する効果を損なわせないことを目的とする。【解決手段】眼科用レンズを通過し且つ瞳孔を通る光線の束である光束の単色収差により近視進行抑制効果をもたらし、且つ、設定された主波長よりも長波長の光を減衰させる波長フィルターを備える、眼科用レンズおよびその関連技術を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、眼科用レンズに関する。
近視人口増加にともない強度近視の人口も増えている。強度近視は失明につながる可能性もある事はよく知られている。そのため、強度近視の増加は、重大な社会問題であり、近視の進行を抑制する治療法が広く求められている。
強度近視に至らしめる近視進行を抑制する方法がいくつか提案されている。光学的な近視進行抑制方法としては、眼鏡またはコンタクトレンズ(ソフトコンタクトレンズ、オルソケラトロジー)等の眼科用レンズを使用する方法がある。
特許文献1(米国出願公開第2017/131567号)には、後述する単色収差を付加して近視等の屈折異常の進行を抑制する効果(以降、近視進行抑制効果とも称する。)を発揮する眼鏡レンズが記載されている。この眼鏡レンズのことを近視進行抑制レンズとも称する。具体的には、眼鏡レンズの物体側の面である凸面に対し、例えば、直径1mm程度の球形状の微小凸部を形成している。
眼鏡レンズでは、通常、物体側の面から入射した光線を眼球側の面から出射させて装用者の網膜上(本明細書においては所定の位置B)に焦点を結ぶ。つまり、特許文献1に記載の眼鏡レンズにおける処方度数に対応した形状の部分では、該光線を網膜上にて焦点を結ばせる。この位置Bのことを焦点位置Bと称する。
その一方、特許文献1に記載の眼鏡レンズにおける微小凸部を通過した光は、眼鏡レンズに入射した光線を所定の位置Bよりも光軸方向にてオーバーフォーカス側の複数の位置Aにて焦点を結ぶ。この位置Aのことを焦点位置Aと称する。微小凸部により与えられる上記単色収差により、近視の進行が抑制される。
本明細書において、オーバーフォーカス側とは、網膜を基準として光軸方向において視認すべき物体に近づく方向のことを指し、アンダーフォーカス側とは、オーバーフォーカス側の逆方向であり、網膜を基準として光軸方向において視認すべき物体から遠ざかる方向のことを指す。光学度数が正に過剰な場合はオーバーフォーカス側に、不足な場合はアンダーフォーカス側に集光する。
米国出願公開第2017/131567号
眼の光学系(角膜、水晶体など)は、光の波長により屈折率が異なる。そのため、網膜上で縦色収差(longitudinal chromatic aberration)による波長ごとのデフォーカスが起こる。この波長ごとのデフォーカスは、瞳孔を通る光線の束である光束が短波長では相対的に網膜の手前側に、長波長では相対的に網膜の後ろ側に焦点を結ぶことを意味する。この現象は、近視進行または近視進行抑制に関与し得る。特に、縦色収差を原因として生じる波長ごとのデフォーカスのうち、網膜よりもアンダーフォーカス側に集光する光の成分は、近視を進行させ得る。
縦色収差によるデフォーカス成分を波長フィルターでフィルタリングし、光量をコントロールすることは、近視進行抑制に関与し得る。しかし、むやみに光量を減衰させると、ヒトの物体の色認識能力を大きく損なうという問題がある。さらに、眼鏡レンズとしては、レンズそのものに好ましくない色味が生じて美観が損なわれる場合がある問題もある。そこで、近視進行抑制に対して関与を保ちながら、色認識、美観を損なわない適当な波長域において光量を減衰させることも検討した。
なお、特許文献1では微小凸部により近視進行抑制効果を発揮することが記載されている。その一方、微小凸部を微小凹部とすることにより、特許文献1に記載の近視進行メカニズムおよびその抑制メカニズムとは逆のメカニズムにより、遠視進行抑制効果が発揮されることが期待される。また、縦色収差を原因として生じる波長ごとのデフォーカスのうち、網膜よりもオーバーフォーカス側に集光する光の成分は遠視を維持、または進行し、アンダーフォーカス側に集光する光の成分は遠視を抑制し得る。
本発明の一実施例は、縦色収差による波長ごとのデフォーカスの光量をコントロール可能とし、近視または遠視の進行を抑制する効果を損なわせないことを目的とする。
本発明の一態様は、以下の技術的思想に基づき成された。
・レンズにおける単色収差による近視進行抑制効果を発現させる。
・同レンズを使用する際に白色光下で生じる縦色収差による近視進行抑制効果に対する関与を波長フィルターにより軽減する。その際、波長フィルターには、設定された主波長よりも長波長の光を減衰させる機能を備えさせる。
本発明の第1の態様は、
眼科用レンズを通過し且つ瞳孔を通る光線の束である光束の単色収差により近視進行抑制効果をもたらし、且つ、
設定された主波長よりも長波長の光を減衰させる波長フィルターを備える、眼科用レンズである。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の態様であって、
眼科用レンズにおいて所定箇所APと、所定箇所APの隣接部分であるベース部分BPと、を備え、
所定箇所APとベース部分BPとにより、網膜上に集光するとともに網膜上以外にも集光する。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の態様であって、
所定箇所APは、少なくとも以下のいずれかを満たす。
(1)所定箇所APは光束の一部を網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させるべく、眼科用レンズの眼球側の面および物体側の面の少なくともいずれかのベース部分BPから突出した凸部領域を備える。
(2)所定箇所APの回折作用により光束の一部を網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させるべく、所定箇所APは、眼科用レンズの眼球側の面および物体側の面の少なくともいずれかの面に回折構造を備える。
(3)所定箇所APとベース部分BPとの相互作用により光束の一部を網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させるべく、所定箇所APは、眼科用レンズの眼球側の面および物体側の面の少なくともいずれかに設けられ、ベース部分BPの屈折率とは異なる屈折率を有する異屈折率材料領域を備える。
本発明の第4の態様は、第2または第3の態様に記載の態様であって、
眼科用レンズにおいて、所定箇所APとベース部分BPとの双方を含む直径4mmの範囲を通過する光束に対して、4次以上の高次単色収差が付加される。
本発明の第5の態様は、第3の態様に記載の態様であって、
波長フィルターは、凸部領域上、回折構造上、および異屈折率材料領域上の少なくともいずれかに設けられる。
本発明の第6の態様は、第1〜第5のいずれかの態様に記載の態様であって、
設定された主波長は、500〜585nmの範囲内の一つの値である。
本発明の第7の態様は、第1〜第6のいずれかの態様に記載の態様であって、
設定された主波長は、532〜575nmの範囲内の一つの値である。
本発明の第8の態様は、第1〜第7のいずれかの態様に記載の態様であって、
設定された主波長は、564〜570nmの範囲内の一つの値である。
本発明の第9の態様は、
眼科用レンズを通過し且つ瞳孔を通る光線の束である光束の単色収差により近視進行抑制効果をもたらし、網膜よりもオーバーフォーカス側に集光した光のデフォーカス量(Diopter)×光量の平均値に対し、網膜よりもアンダーフォーカス側に集光した光のデフォーカス量(Diopter)×光量の平均値が小さくなるよう、分光透過率が設定された、眼科用レンズである。
本発明の第10の態様は、
眼科用レンズを通過し且つ瞳孔を通る光線の束である光束の単色収差により遠視進行抑制効果をもたらし、且つ、
設定された主波長よりも短波長の光を減衰させる波長フィルターを備える、眼科用レンズである。
本発明の第11の態様は、第1〜第10のいずれかの態様に記載の態様であって、
眼科用レンズは眼鏡レンズである。
本発明の一実施例によれば、縦色収差による波長ごとのデフォーカスの光量をコントロール可能とし、近視または遠視の進行を抑制する効果を損なわせずに済む。
図1Aは、所定箇所APが凸部領域であって中央には凸部領域を設けない場合の眼鏡レンズの概略正面図である。 図1Bは、所定箇所APが凸部領域であって中央にも凸部領域を設ける場合の眼鏡レンズの概略正面図である。 図1Cは、所定箇所APが一箇所のみ設けられる場合の眼鏡レンズの概略正面図である。 図1Dは、所定箇所APが環状に設けられる場合の眼鏡レンズの概略正面図である。 図2は、図1Bに示す眼鏡レンズの構成例を示す断面図である。 図3は、図1Bに示す眼鏡レンズを透過する光の経路を示す概略断面図(その1)である。 図4は、図1Bに示す眼鏡レンズを透過する光の経路を示す概略断面図(その2)である。 図5は、ドットパターン状に孔が設けられたCr膜を備える変形例の眼鏡レンズの概略正面図および部分拡大図である。
以下、本発明の一態様について述べる。以下における説明は例示であって、本発明は例示された態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」は所定の数値以上且つ所定の数値以下を示す。
[本発明の一態様に係る眼鏡レンズ]
本発明の一態様に係る眼鏡レンズは、特許文献1に記載の眼鏡レンズと同様、近視進行抑制レンズである。具体的な構成は以下の通りである。
「眼科用レンズを通過し且つ瞳孔を通る光線の束である光束の単色収差により近視進行抑制効果をもたらし、且つ、
設定された主波長よりも長波長の光を減衰させる波長フィルターを備える、眼科用レンズ。」
眼科用レンズとは、近視進行抑制レンズ(後述の変形例だと遠視進行抑制レンズ)の機能を奏するものであれば態様に特に限定は無い。例えば、眼鏡レンズまたはコンタクトレンズが挙げられる。本発明の一態様においては、眼鏡レンズを例示する。
眼鏡レンズは、物体側の面と眼球側の面とを有する。「物体側の面」は、眼鏡レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に物体側に位置する表面であり、いわゆる外面である。「眼球側の面」は、その反対、すなわち眼鏡レンズを備えた眼鏡が装用者に装用された際に眼球側に位置する表面であり、いわゆる内面である。本発明の一態様において、物体側の面は凸面であり、眼球側の面は凹面である。つまり、本発明の一態様における眼鏡レンズは、メニスカスレンズである。
本発明の一態様に係る眼科用レンズにおいては、眼科用レンズを通過し且つ瞳孔を通る光線の束である光束が少なくとも2箇所にて集光する。「単色収差」とは、「色収差(縦色収差含む)」以外の収差を指し、ある一波長において光が一点では集光しないことを指す。
本発明の一態様に係る眼科用レンズにおいては、眼科用レンズを通過し且つ瞳孔を通る光線の束である光束のうち一部を網膜上に集光させる。つまり、眼鏡レンズとしての処方を実現する。以降、瞳孔を通る光線の束である光束のことを単に光束ともいう。
その一方で、光束のうち別の一部を特許文献1に記載のように網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させ、近視進行抑制効果を発揮させている。このことを、「単色収差により近視進行抑制効果をもたらす」ともいう。
本明細書においては、光束のうち一部を網膜上に集光させ、別の一部を網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させ、近視進行抑制効果を発揮させる場合を例示する。
そして、本発明の一態様に係る眼科用レンズは、設定された主波長よりも長波長の光を減衰させる波長フィルターを備える。この構成により、縦色収差を原因として生じる光の成分、すなわち網膜よりもアンダーフォーカス側に集光する光の成分を減らせる。
「設定された主波長」とは、M錐体細胞の感度が最も高くなる534nmより高い波長(緑色波長)のことを指す。なお、暗所か明所かによりこの感度は変化する。それを鑑み
、設定された主波長は、500〜585nmの範囲内の一つの値を採用してもよい。この範囲は、好ましくは515〜550nm、より好ましくは532〜575nmであり、この範囲内の一つの値を採用してもよい。最適な範囲は、M錐体細胞の感度がL錐体細胞の感度を下回る、564〜570nmである。
「設定された主波長よりも長波長の光を減衰させる」とは、上記主波長よりも長波長(例えば最適な条件であれば564〜570nmを超える長波長)の光の平均透過率を下げることを意味する。この機能を有すれば波長フィルターの態様に限定は無い。長波長の上限にも特に限定は無いが、780nmや830nmを上限としてもよい。
なお、波長フィルターにより長波長の光を減衰させることは、波長ごとの透過率を示す分光透過率を制御するともいえる。
つまり、本発明の一態様に係る眼科用レンズならば、眼科用レンズに入射する光束のうち一部を単色収差により網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させて近視抑制効果をもたらす。それと共に、縦色収差により生じる光の成分のうち、網膜よりもアンダーフォーカス側に集光する光の成分を減らせる。その結果、近視の進行を抑制する効果を損なわせずに済む。なお、ここでいう集光とは、必ずしもほぼ無収差の光が一点にあつまる狭義の集光に限らず、たとえば回折レンズのフレア光の密度が高い位置などの広義の集光も含む。
[本発明の一態様に係る眼鏡レンズの詳細]
以下、本発明の一態様の更なる具体例、好適例および変形例について説明する。
本発明の一態様に係る眼鏡レンズには特に限定は無いが、単焦点レンズが挙げられる。本発明の一態様に係る眼鏡レンズは中間距離(1m〜40cm)ないし近方距離(40cm〜10cm)の物体距離に対応する単焦点レンズである。もちろん無限遠に対応する単焦点レンズであっても本発明の技術的思想は適用可能であるが、本発明の一態様としては中近距離に対応する単焦点レンズを例示する。
なお、本発明の一態様に係る眼鏡レンズが、二焦点であるバイフォーカルレンズ、三焦点であるトリフォーカルレンズであっても構わない。また、近方距離に対応する近用部と、近方距離よりも遠い距離に対応する遠用部と、近用部と遠用部とを繋ぐ累進作用を有する中間部とを備える累進屈折力レンズであっても構わない。
眼科用レンズにおいて、眼科用レンズに入射する光束の一部を単色収差により網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させ近視進行抑制効果をもたらす部分である所定箇所APと、所定箇所APに隣接し且つ眼科用レンズに入射する光束の一部を網膜上に集光させる部分であるベース部分BPと、を備えるのが好ましい。
ベース部分BPとは、従来の眼科用レンズのように、処方を実現する形状および屈折率を備える部分である。なお、ベース部分BPは所定箇所APと隣接していればよく、所定箇所APを取り囲んでもよい。その一方、所定箇所APが別の所定箇所AP´と隣接する場合、所定箇所APを取り囲む必要はなく、ベース部分BPが所定箇所APと隣接していればよい。
そして、所定箇所APとは、ベース部分BPと比べたとき、所定箇所APを透過する光束を網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させるべく、光路を付加した部分であるのが好ましい。
「光路を付加」とは、主に以下のいずれかの内容である。
・ベース部分BPに比べ、所定箇所APにおいて光線が通過するレンズ部分の距離を大きくする(例:ベース部分BPから突出した凸部領域を形成する)。
・ベース部分BPに比べ、所定箇所APの屈折率を異なるものにする。
この「光路の付加」は、別の言い方をすると、眼科用レンズにおいて、所定箇所APとベース部分BPとの双方を含む直径4mmの範囲を通過する光束に対して、4次以上の高次の単色収差が付加されることを指す。
「眼科用レンズからの出射光に4次以上の高次の単色収差が付加される」ことは、単なる累進屈折力レンズの中間部や、単なるバイフォーカルレンズのベース部分と小玉部分との境界は除外することを意味する。概略的に説明すると、所定箇所APが無ければ2次以下の低次収差が付加されるに留まる。その一方、後述の凸部領域、凹凸領域、または異屈折率材料領域が存在することにより、4次以上の高次の単色収差が付加されることになる。
なお、本明細書における「一断面」とは、レンズ厚さ方向での断面であり、物体側の面と眼球側の面との間が露出する方向の断面である。全方向の断面のうち少なくとも一断面(好適には全方位の断面)において、眼科用レンズからの出射光に4次以上の高次単色収差が付加される。
本発明の一態様においては、所定箇所APが無ければベース部分BPにより網膜上に集光するはずの光束の一部は、網膜よりもオーバーフォーカス側に集光することになる。なお、そうでない場合、光束の一部は、いずれにも集光することなく迷光になる。
本発明の一態様の特徴の一つは、所定箇所APにより、ベース部分BPにより網膜上に集光するはずの光束の集光位置を網膜上からずらすことにある。この集光位置の変動をデフォーカスともいう。所定箇所APを通過した光束のうち網膜よりもオーバーフォーカス側に集光するものは、近視進行抑制効果を奏する。
その一方、眼科用レンズを通過した光束のうち網膜よりもアンダーフォーカス側に集光するものは、近視進行抑制効果を阻害する。そこで、本発明の一態様においては、後述の波長フィルターを設けることにより、網膜よりもアンダーフォーカス側に集光する光を減衰させる。これにより、近視進行抑制効果が阻害されるおそれを低下させている。
つまり、
・眼科用レンズに設けた所定箇所APによって、網膜よりもオーバーフォーカス側のデフォーカスを発生させつつも、
・縦色収差により網膜よりもアンダーフォーカス側に集光することになった光(すなわち近視進行抑制効果を阻害する光)を減衰させる、
という2つの構成が組み合わさることが、本発明の一態様の特徴の一つである。
所定箇所APは、少なくとも以下のいずれかを満たすのが好ましい。
(1)所定箇所APは光束の一部を網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させるべく、眼科用レンズの眼球側の面および物体側の面の少なくともいずれかのベース部分BPから突出した凸部領域を備える。
(2)所定箇所APの回折作用により光束の一部を網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させるべく、所定箇所APは、眼科用レンズの眼球側の面および物体側の面の少なくともいずれかの面に回折構造を備える。
(3)所定箇所APとベース部分BPとの相互作用により光束の一部を網膜よりもオーバ
ーフォーカス側に集光させるべく、所定箇所APは、眼科用レンズの眼球側の面および物体側の面の少なくともいずれかに設けられ、ベース部分BPの屈折率とは異なる屈折率を有する異屈折率材料領域を備える。
(1)は、特許文献1に記載の眼鏡レンズに設けられた微小凸部と同様の複数(例えば100個以上、好ましくは500個以上、更に好ましくは1000個以上)の凸部領域がベース部分BPに囲まれるように所定箇所APに設けられていることを含む。本明細書においてはこの態様を主に記載する。
その一方で、一つ、二つ、または三つの凸部領域(バイフォーカルレンズ等の小玉も含まれる)が所定箇所APとして設けられていることも(1)に含まれる。また、凸部領域がレンズ中心に対して円環状である場合も含まれる。ここでいうレンズ中心とは眼鏡レンズの幾何中心、芯取り中心または光学中心のことを指す。本態様では、芯取り中心の場合を例示する。
(2)は、回折レンズやフレネルレンズのように、レンズの一断面が鋸刃状または凹凸形状である領域(位相回折構造)が所定箇所APに設けられていることを含む。また、この凹凸は周期構造であってもよいし、シボ加工で形成された表面荒れのような非周期構造であってもよい。さらに、レンズ中心に対して円環状にパターンが形成された領域であってもよい。なお、一つ、二つ、または三つの凹凸領域が所定箇所APとして設けられていることも(2)に含まれる。回折作用による集光は、上記位相回折構造の他に、遮光部と透過部との透過率差により回折作用を生じさせる振幅回折構造でも可能である。
上記の(1)(2)においては、眼科用レンズの一断面の“形状”又は眼科用レンズの透過率の差により、眼科用レンズからの出射光に4次以上の高次の単色収差が付加される。
なお、レンズ基材自体に凸部領域または凹凸領域を形成してもよいし、レンズ基材上に形成されるハードコート膜等に凸部領域または凹凸領域を形成してもよい。
それ以外には、一つのレンズ基材に対し、所定箇所APに別途膜を形成しても構わないし、逆に、所定箇所AP以外(例えばベース部分BP全体)に膜を形成しても構わないし、所定箇所APに膜aを形成し、所定箇所AP以外に膜bを形成しても構わない。
(3)における所定箇所APでは、眼鏡レンズの眼球側の面および物体側の面の形状はベース部分BPと同様の形状とする。その一方、一断面で見たとき、所定箇所APの屈折率はベース部分BPと異なる。
一具体例としては、眼鏡レンズのレンズ基材において、所定箇所APにおける、物体側の面から眼球側の面に至るまでの間の少なくとも一部の素材を、ベース部分BPの素材から変化させることにより、光線が眼鏡レンズを通過した時の光路長を変化させることが挙げられる。
それ以外には、一つのレンズ基材に対し、所定箇所APに別途膜を形成しても構わないし、逆に、所定箇所AP以外(例えばベース部分BP全体)に膜を形成しても構わないし、所定箇所APに膜aを形成し、所定箇所AP以外に膜bを形成しても構わない。
(3)における所定箇所APは、(1)と同様に、特許文献1に記載のように、ベース部分BPに囲まれるように所定箇所APを設定してもよいし、レンズ中心に対して円環状に所定箇所APを設定してもよい。なお、一つ、二つ、または三つの異屈折率材料領域が
所定箇所APに設けられていることも(3)に含まれる。(3)においては、眼科用レンズの一断面の異屈折率材料により光路長が増減され、波面が乱される。その結果、眼科用レンズからの出射光に4次以上の高次の単色収差が付加される。
なお、上記(1)〜(3)を適宜組み合わせても構わない。つまり、所定箇所APが例えば凸部領域のみの場合以外もあり得ることから、「所定箇所APは、・・・凸部領域を備える。」という表現を使用している。
図1A〜図1Dは、上記(1)〜(3)における所定箇所APの配置を示す眼鏡レンズの正面概略図である。図1A〜図1Dの各図では、説明の便宜上、フレーム枠に合わせた眼鏡レンズではなく丸レンズを例示する。
図1Aは、所定箇所APが凸部領域であって中央には凸部領域を設けない場合の眼鏡レンズの概略正面図である。なお、図1Aは、特許文献1の図1と同内容である。
図1Bは、所定箇所APが凸部領域であって中央にも凸部領域を設ける場合の眼鏡レンズの概略正面図である。なお、図1Bは、特許文献1の図10と同内容である。
図1Cは、所定箇所APが一箇所のみ設けられる場合の眼鏡レンズの概略正面図である。
図1Dは、所定箇所APが環状に設けられる場合の眼鏡レンズの概略正面図である。
ところで、これまで述べてきた光束は、瞳孔に入る光として考えている。このことは、本発明の一態様の構成をより特徴的にしている。なぜなら、眼科用レンズを通過する光束であって“瞳孔に入る光”のうち一部を網膜上に集光させる一方で、別の一部を網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させるということは、瞳孔に入るくらいの少数の光束に対し、同一波長の光の集光位置を分けるくらいの微細な態様が眼科用レンズ(眼鏡レンズ)に設けられていることを意味するためである。
それに関し、本発明の一態様における「眼科用レンズを通過する光束のうち一部は網膜上に集光」「別の一部を網膜よりもオーバーフォーカス側に集光」についてであるが、同一波長の光であっても、ベース部分BPにより網膜上に集光し、所定箇所APにより網膜よりもオーバーフォーカス側に集光する。なお、オーバーフォーカス側に集光する光量と網膜上に集光する光量との比には特に限定は無いが、近視進行抑制効果を適切に奏させるべく、1:10〜1:1の範囲内に設定するのが好ましい。なお、光量は、既存の光線追跡法を使用することにより把握可能である。
なお、網膜よりもオーバーフォーカス側に集光する光以外は全て網膜上に集光するのが好ましい。そのため、眼科用レンズを通過する所定波長の光のうち、本来であれば網膜上に集光するはずである光を、眼科用レンズの一部である所定箇所APを通過させることにより、網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させる、ということもできる。
その一方、幾ばくかの光が集光せず迷光となることもあり得るし、幾ばくかの光が網膜よりもアンダーフォーカス側に集光することもあり得る。但し、その場合であっても、オーバーフォーカス側に集光する光量が適切であれば、本発明の効果を奏する。例えば、オーバーフォーカス側に集光する光量と網膜上に集光する光量との合計に対する、それら以外の光量の合計の割合が、10%以下であるのが好ましい。
瞳孔径は、細かくは個人差があるが、通常4mmである。そのため、眼科用レンズの正
面視(物体側の面と対向するように見たとき)での所定箇所APとベース部分BPとの双方を含む直径4mmの範囲を通過する光束に対して、4次以上の高次の単色収差が付加されることが好ましい。また、上記(1)〜(3)に記載の条件を満たす際、所定箇所APを含む直径4mmの範囲における眼科用レンズの一断面という条件を付け加えるのが好ましい。これまでに述べたその他の好適例についても同様であり、所定箇所APを含む直径4mmの範囲にて、これまでに述べた好適例を考慮するのが好ましい。
波長フィルターの性能についてであるが、設定された主波長よりも長波長の光を減衰させられれば特に限定は無い。例えば、設定された主波長が534nmの場合、赤色波長であるところの波長564nm以上の光を減衰させる機能を有するのが好ましい。なお、減衰の度合いに関しては特に限定は無いが、例えば、波長フィルターを設ける前に比べ、少なくとも波長564nm以上の光の平均透過率を1/2以下にするのが好ましく、1/3以下にするのがより好ましい。
また、彩度が著しく異なることを防ぐべく、rの等色関数が負であり、かつb,gがピークの半分以下の領域である、477〜505nmをの波長の光を合わせて減衰させてもよい。減衰の度合いの好適例の数値範囲は上段落に記載のものと同様である。
波長フィルターの付加の手法については特に限定は無いが、例えば、加工後のレンズ基材またはハードコート膜等が付与された眼鏡レンズに対し染色処理を行い波長フィルターを形成してもよい。それ以外には、レンズ基材の材料として着色材料を選択し、レンズ基材自体に対して波長フィルターの機能を備えさせてもよい。その際に、上記所定箇所APに対して着色材料を選択したレンズ基材を選択してもよいし、レンズ基材全体に着色材料を選択しつつ、上記所定箇所APの色とベース部分BPの色とを異ならせてもよい。また、ハードコート膜と同様にレンズ基材または眼鏡レンズに対してコーティングを行ってもよい。反射コートをコーティングすることで透過率をコントロールしてもよい。
眼鏡レンズに対し染色処理を行う場合、物体側の面および眼球側の面の少なくともいずれかに対して染色処理を行ってもよいし、レンズ基材2の全体に対して染色処理を行ってもよい。
波長フィルターの付加の位置について、上記(1)の凸部領域上、上記(2)の凹凸領域上、および上記(3)の異屈折率材料領域上の少なくともいずれかに設けられてもよい。例えば上記(1)の場合、所定箇所APによりデフォーカスが生じ、網膜よりもオーバーフォーカス側に集光するとともに網膜よりもアンダーフォーカス側に集光するおそれがあるところ、この所定箇所AP上に波長フィルターを付加することにより、縦色収差の不具合が生じ得る箇所にて直接、該不具合の発生を抑制可能となる。これは、縦色収差による波長ごとのデフォーカスの光量をより確実にコントロール可能となることを意味する。
但し、波長フィルターの付加の位置は上記位置に限定されない。例えば、レンズ基材または眼鏡レンズの眼球側の面および物体側の面の少なくともいずれかにおいて、面全体に波長フィルターを付加するのが好ましい。また、凸部領域、凹凸領域、異屈折率材料領域以外の部分に波長フィルターを付加してもよい。また、レンズ中心から半径2.5〜10.0mmの円形領域の外側に波長フィルターを付加してもよい。また、交通標識や信号を視認しやすくするよう、レンズ中心から下側の部分のみに対して波長フィルターを付加してもよい。
また、以下の態様を採用してもよい。なお、以下の態様は、上記[本発明の一態様に係る眼鏡レンズ]とは独立して採用してもよい。以下の態様は、それ自体で本発明の課題を解決し得る。
「眼科用レンズを通過し且つ瞳孔を通る光線の束である光束の単色収差により近視進行抑制効果をもたらし、網膜よりもオーバーフォーカス側に集光した光のデフォーカス量(Diopter)×光量の平均値に対し、網膜よりもアンダーフォーカス側に集光した光のデフォーカス量(Diopter)×光量の平均値が小さくなるよう、分光透過率が設定された、眼科用レンズ。」
上記態様が意図するところは、網膜上以外の位置で集光する光同士すなわち近視進行抑制効果をもたらすと考えられるオーバーフォーカス側のデフォーカス度合い(値α)と、逆に近視進行抑制効果を妨げると考えられるアンダーフォーカス側のデフォーカス度合い(値β)とで対比を行うことにある。また、デフォーカス量(Diopter)は、光量と同様、既存の光線追跡法を利用することにより把握可能である。
4mm径の範囲内の複数の凸部領域に入射する光線と、ベース領域に入射する光線とは区別できる。そして、複数の凸部領域のうち一つの凸部領域に入射した各光線が交わる三次元座標(交点座標)が、別の凸部領域においても得られれば、交点座標が固まって配置された箇所を焦点位置A(A、A、A)とみなすことが可能となる。なお、4mm径よりも大きな範囲を検討する場合、複数の領域ごとに上記作業を行うことによりレンズ全体の結果を把握可能である。
光線追跡処理により、複数の凸部領域の各々に入射した光線であってレンズモデルからの光線の出射部分の座標と出射部分からのベクトルは把握可能である。そこで、該座標と該ベクトルを用い、交点座標の平均値を求める。各交点座標の、交点座標からの平均値からの残差が小さいということは、光線が、各凸部領域に応じた各箇所にて密になっていることを意味する。この考えに基づき、交点座標からの平均値からの残差が最小となる箇所(本態様においては眼球側の面(凹面)の頂点からの光軸方向の距離f(=1/D(デフォーカス量:単位はDiopter))だけ離れた箇所)を把握する。
以下、本発明の一態様における眼鏡レンズの更なる具体的構成について述べる。
(眼鏡レンズの全体構成)
図1Bに示すように、眼鏡レンズ1は、レンズ中心の近傍に規則的に配列された複数の凸部領域6を有する。この凸部領域6が所定箇所APである。凸部領域6以外のベースとなる部分がベース部分BPである。凸部領域6の具体的構成については、詳細を後述する。
図2は、図1Bに示す眼鏡レンズの構成例を示す断面図である。
図2に示すように、眼鏡レンズ1は、物体側の面3と眼球側の面4とを有する。また、眼鏡レンズ1は、レンズ基材2と、レンズ基材2の凸面側に形成された波長フィルター7と、レンズ基材2の凸面側および凹面側のそれぞれに形成されたハードコート膜8と、各ハードコート膜8のそれぞれの表面に形成された反射防止膜(AR膜)10と、を備えて構成されている。なお、眼鏡レンズ1は、ハードコート膜8および反射防止膜10に加えて、さらに他の膜が形成されてもよい。
(レンズ基材)
レンズ基材2は、例えば、ポリカーボネート、CR−39、チオウレタン、アリル、アクリル、エピチオ等の熱硬化性樹脂材料によって形成されている。その中でもポリカーボネートが好ましい。なお、レンズ基材2を構成する樹脂材料としては、所望の屈折度が得られる他の樹脂材料を選択してもよい。また、樹脂材料ではなく、無機ガラス製のレンズ基材としてもよい。
本発明の一態様においては、レンズ基材2の物体側の面3(凸面)には、当該面から物体側に向けて突出するように、複数の凸部領域6aが形成されている。各凸部領域6aは、レンズ基材2の物体側の面3とは異なる曲率の曲面によって構成されている。
このような凸部領域6aが形成されていることで、レンズ基材2の物体側の面3には、正面視したときに、レンズ中心の周囲に周方向および径方向に等間隔に、略円形状の凸部領域6aが島状に配置されることになる。別の言い方をすると、略円形状の凸部領域6aが、互いに隣接することなく離間した状態、すなわち各凸部領域6aの間にベースとなるベース部分BPが存在する状態で配置されることになる。
なお、レンズ基材2の物体側の面4(凹面)に複数の凸部領域6aを形成しても構わない。また、両面すなわち凸面および凹面に複数の凸部領域6aを形成しても構わない。説明の便宜上、以降、物体側の面3(凸面)に複数の凸部領域6aを形成する場合を例示する。
(波長フィルター)
波長フィルター7は、例えば、染料を用いて形成されている。波長フィルター7は、染料であるところの波長フィルター用薬液にレンズ基材2を浸漬させる方法により、形成することができる。このような波長フィルター7の被覆によって、縦色収差による波長ごとのデフォーカスの光量のコントロールが可能となる。
(ハードコート膜)
ハードコート膜8は、例えば、熱可塑性樹脂またはUV硬化性樹脂を用いて形成されている。ハードコート膜8は、ハードコート液にレンズ基材2を浸漬させる方法や、スピンコート等を使用することにより、形成することができる。このようなハードコート膜8の被覆によって、眼鏡レンズ1の耐久性向上が図れる。
(反射防止膜)
反射防止膜10は、例えば、ZrO、MgF、Al等の反射防止剤を真空蒸着により成膜することにより、形成されている。このような反射防止膜10の被覆によって、眼鏡レンズ1を透した像の視認性向上が図れる。なお、反射防止膜の材料及びその膜厚を制御する事により、分光透過率をコントロールする事も可能であり、反射防止膜に波長フィルターの機能を持たせることも可能である。
(物体側の面形状)
上述したように、レンズ基材2の物体側の面3には、複数の凸部領域6aが形成されている。したがって、その面3をハードコート膜8および反射防止膜10によって被覆すると、レンズ基材2における凸部領域6aに倣って、ハードコート膜8および反射防止膜10によっても複数の凸部領域6bが形成されることになる。つまり、眼鏡レンズ1の物体側の面3(凸面)には、当該面3から物体側に向けて突出するように、凸部領域6aおよび凸部領域6bによって構成される凸部領域6が配置されることになる。
凸部領域6は、レンズ基材2の凸部領域6aに倣ったものなので、当該凸部領域6aと同様に、レンズ中心の周囲に周方向および径方向に等間隔で、すなわちレンズ中心の近傍に規則的に配列された状態で、島状に配置される。
本発明の別態様として、レンズ基材2に凸部領域6aを設けるのではなく、ハードコート膜8、反射防止膜10およびCrなどの金属膜、ならびにその他挿入された層の少なくともいずれかにより凸部領域6を形成しても構わないし、凸部領域6である所定箇所APとともに、またはその代わりに、ベース部分BPを形成しても構わない。
なお、特許文献1の図11や本願図1Bに記載のように、レンズ中心の光軸が通過する箇所に凸部領域6を設けてもよいし、特許文献1の図1に記載のように、光軸が通過する箇所には凸部領域6を設けない領域を確保してもよい。
各々の凸部領域6は、例えば、以下のように構成される。凸部領域6の直径は、0.8〜2.0mm程度が好適である。凸部領域6同士の最短離間距離も0.8〜2.0mm程度が好適である。凸部領域6の突出高さ(突出量)は、0.1〜10μm程度、好ましくは0.7〜0.9μm程度が好適である。凸部領域6の曲率は、50〜250mmR、好ましくは86mmR程度の球面状が好適である。このような構成により、凸部領域6の屈折力は、凸部領域6が形成されていない領域の屈折力よりも、2.00〜5.00ディオプター程度大きくなるように設定される。
(光学特性)
以上のような構成の眼鏡レンズ1では、物体側の面3に凸部領域6を有することで、以下のような光学特性が実現され、その結果として眼鏡装用者の近視等の屈折異常の進行を抑制することができる。
図3は、図1Bに示す眼鏡レンズを透過する光の経路を示す概略断面図(その1)である。
図3に示すように、眼鏡レンズ1の物体側の面3における凸部領域6が形成されていない領域すなわちベース部分BPに入射した光は、眼球側の面4から出射した後、眼球20の網膜20a上に焦点を結ぶ。つまり、眼鏡レンズ1を透過する光線は、原則的には、眼鏡装用者の網膜20a上に焦点を結ぶ。換言すると、眼鏡レンズ1のベース部分BPは、所定の位置Bである網膜20a上に焦点を結ぶように、眼鏡装用者の処方に応じて曲率が設定されている。
図4は、図1Bに示す眼鏡レンズを透過する光の経路を示す概略断面図(その2)である。
その一方で、図4に示すように、眼鏡レンズ1において、凸部領域6に入射した光は、眼球側の面4から出射した後、眼球20の網膜20aよりもオーバーフォーカス側の位置Aで焦点を結ぶ。つまり、凸部領域6は、眼球側の面4から出射する光を、焦点位置Bよりもオーバーフォーカス側の位置Aに収束させる。この焦点位置Aは、複数の凸部領域6の各々に応じて、位置A、A、A、・・・A(Nは凸部領域6の総数)として存在する。
このように、眼鏡レンズ1は、原則として物体側の面3から入射した光線を眼球側の面4から出射させて所定の位置Bに収束させる。その一方で、眼鏡レンズ1は、凸部領域6が配置された部分においては、所定の位置Bよりもオーバーフォーカス側の位置A(A、A、A、・・・A)に光線を収束させる。
その結果、眼鏡レンズ1は、眼鏡装用者の処方を実現するための光線収束機能とは別の、オーバーフォーカス側の位置Aへの光線収束機能を有する。このような光学特性を有することで、眼鏡レンズ1は近視進行抑制効果を発揮する。
光量の評価の手法であるが、眼鏡レンズと眼を含む光学系の入射瞳の4mm径範囲内にて光線追跡を行った際の全光線数と、所定の評価領域内の複数の凸部の各々を通過した光線が各々収束する複数の焦点位置Aでの光線数の合計と、網膜上の焦点位置Bでの光線数と、を得る。もし、網膜よりもアンダーフォーカス側に焦点位置Cがあるのなら、その光線数の合計も得る。そして、全光線数から、各焦点位置の光線数を差し引いて、迷光の光線数を得る。
焦点位置A、Bに集まる光線とは、焦点位置A、Bを含む像面上の光線の通過点が、焦点位置A、Bから所定距離範囲以内(例えば、視角1分以内)にある光線のことを指すと定義してもよい。そのうえで「光線数」とは、焦点位置AまたはBに集まる光線の本数のことを指す。なお、上記方法以外にも、波動光学的な方法を用いてもよい。
[眼鏡レンズの製造方法]
眼鏡レンズ1の製造方法の具体例について説明する。
眼鏡レンズ1の製造にあたっては、まず、レンズ基材2を、注型重合等の公知の成形法により成形する。例えば、複数の凹部が備わった成形面を有する成形型を用い、注型重合による成形を行うことにより、少なくとも一方の表面に凸部領域6を有するレンズ基材2が得られる。
そして、レンズ基材2を得たら、次いで、そのレンズ基材2の表面に、波長フィルター7を形成する。波長フィルター7は、波長フィルター用薬液にレンズ基材2を浸漬させる方法等を使用することにより、形成することができる。
次いで、そのレンズ基材2の表面に、ハードコート膜8を成膜する。ハードコート膜8は、ハードコート液にレンズ基材2を浸漬させる方法や、スピンコート等を使用することにより、形成することができる。
ハードコート膜8を成膜したら、さらに、そのハードコート膜8の表面に、反射防止膜10を成膜する。ハードコート膜8は、反射防止剤を真空蒸着により成膜することにより、形成することができる。さらに反射防止膜に波長フィルターの機能を持たせることもできる。
このような手順の製造方法により、物体側に向けて突出する複数の凸部領域6を物体側の面3に有する眼鏡レンズ1が得られる。
[凸部領域上、凹凸領域上、および異屈折率材料領域以外の態様]
例えば、凸部領域、凹凸領域、または異屈折率材料領域等が設けられていないレンズ基材またはハードコート膜等の上に形成された膜(例えば遮光性を有する膜、ここではCr膜を例示)に対し、平面視円形状に複数の孔をドットパターンとして設ける構成が挙げられる。
図5は、ドットパターン状に孔が設けられた遮光膜(例えばCr膜)を備える変形例の眼鏡レンズの概略正面図および部分拡大図である。
なお、孔の設け方は公知の手法を採用すればよく、例えば、レンズ基材の面上またはその上のハードコート膜等に対してドットパターン状に薬剤を塗布、乾燥させた後、ドットパターン状の乾燥後薬剤を覆うように遮光膜を蒸着させ、その後、該薬剤を除去することにより薬剤上の遮光を除去し、結果として遮光膜に対してドットパターン状に孔が形成された状態を得るという手法が挙げられる。
この眼鏡レンズでも近視進行抑制効果がもたらされる。なお、この眼鏡レンズが近視進行抑制効果をもたらしている理由は、遮光膜に作られたドットパターンによる光の回折効果(振幅回折構造)によるものである。
該光の回折効果により、例えば、0次以外の回折光を網膜以外の場所に集める。そのうえで、本発明の一態様の特徴の一つである波長フィルターを眼科用レンズに設けることにより、アンダーフォーカス側の光を減衰させる。
これにより、波長ごとのデフォーカスの光量をコントロール可能とし、近視または遠視の進行を抑制する効果を損なわせないようにする。
なお、図5に示す孔の直径2rおよびドットパターンのパターン幅dは、上記光の回折効果を奏する寸法であれば特に限定は無い。
以上を踏まえ、孔を設けた部分を所定箇所AP、膜が存在する部分をベース部分BPと設定した場合を包含し、且つ、本変形例の項目までに述べてきた内容を包含するように、所定箇所APおよびベース部分BPを規定した表現は以下のとおりである。
「これまでに述べてきた眼科用レンズにおいて、所定箇所APと、所定箇所APの隣接部分であるベース部分BPと、を備え、
所定箇所APとベース部分BPとにより、網膜上に集光するとともに網膜上以外にも集光する、眼科用レンズ。」
なお、ドットパターン状に孔を設けるのとは逆に、ドットパターン状に膜を設けてもよい。すなわち、逆に膜が存在する部分を所定箇所AP、孔を設けない部分をベース部分BPとしてもよい。上記表現は、この別の変形例にも対応可能な表現である。
つまり、本変形例における眼科用レンズは、膜の状態の違いにより回折現象をもたらす。そのため、ある領域(例えば孔の領域)だけが光の配分に寄与するわけでなく、構成する膜ひいては眼科用レンズ全体の構造が光の配分に寄与する。
なお、ここでいう「膜の状態の違い」とは、先ほどまでの例のように遮光膜に孔を設けた場合も挙げられるし、逆に孔に該当する箇所のみに遮光膜を設けた場合も挙げられるし、多層膜を設けて所定の表層膜のみに孔を設けた場合も挙げられるし、その逆に所定箇所のみ数の多い多層膜とする場合も挙げられる。
また、結局のところ、所定箇所APとベース部分BPとにより、網膜上に集光するとともに網膜上以外にも集光する眼科用レンズであれば、本変形例、凸部領域、凹凸領域、または異屈折率材料領域等のような態様には限定されない。
[遠視進行抑制効果を発揮する場合]
遠視進行抑制効果を発揮する一態様の場合、好適例は、これまでに述べた好適例において「オーバーフォーカス側」を「アンダーフォーカス側」に置き換え、「長波長」を「短波長」に置き換え、「534nmを超える長波長」は「534nmを下回る短波長」に置き換えた内容が当てはまる。
その遠視進行抑制効果を発揮する一態様は以下のとおりである。
「眼科用レンズを通過し且つ瞳孔を通る光線の束である光束の単色収差により遠視進行抑制効果をもたらし、且つ、
設定された主波長よりも短波長の光を減衰させる波長フィルターを備える、眼科用レンズ。」
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
220匹のひよこを用意した。各ひよこに対し、左眼にはレンズを装着させず、右眼にレンズを装着させた。レンズとしては、プラノ、+10D、−10Dの3種類のレンズをそれぞれ別のひよこに装着させた。
ひよこが置かれた環境は以下の通りである。
ひよこを3つのグループに分けた。
グループAのひよこは、赤色カットフィルターを透過した白色光源(ハロゲンランプ:200Lux(人))からの光(青く見える光)下で最大10日間飼育した(実施例に対応)。
グループBのひよこは、青色カットフィルターを透過した白色光源(ハロゲンランプ:200Lux(人))からの光(黄色く見える光)下で最大10日間飼育した(比較例1に対応)。
グループCのひよこは、フィルターを設けない白色光源(ハロゲンランプ:200Lux(人))からの光下で最大10日間飼育した(比較例2に対応)。
図6は、実施例で使用した光のスペクトル(横軸:波長、縦軸:透過率)を示す図である。
図7は、実施例および比較例の試験結果を示す棒グラフ(縦軸:右眼の眼軸長の変化値)である。
図7に示すように、実施例だと、比較例に比べ、眼軸長の増加を抑えることができた。
[総括]
以下、本開示の「眼科用レンズ」について総括する。
本開示の一実施例は以下の通りである。
「眼科用レンズを通過し且つ瞳孔を通る光線の束である光束の単色収差により近視進行抑制効果をもたらし、且つ、
設定された主波長よりも長波長の光を減衰させる波長フィルターを備える、眼科用レンズ。」
1…眼鏡レンズ、2…レンズ基材、3…物体側の面、4…眼球側の面、6,6a,6b…凸部領域、7…波長フィルター、8…ハードコート膜、10…反射防止膜、20…眼球、20a…網膜、AP…所定箇所、BP…ベース部分

Claims (11)

  1. 眼科用レンズを通過し且つ瞳孔を通る光線の束である光束の単色収差により近視進行抑制効果をもたらし、且つ、
    設定された主波長よりも長波長の光を減衰させる波長フィルターを備える、眼科用レンズ。
  2. 前記眼科用レンズにおいて所定箇所APと、前記所定箇所APの隣接部分であるベース部分BPと、を備え、
    前記所定箇所APと前記ベース部分BPとにより、網膜上に集光するとともに網膜上以外にも集光する、請求項1に記載の眼科用レンズ。
  3. 前記所定箇所APは、少なくとも以下のいずれかを満たす、請求項2に記載の眼科用レンズ。
    (1)前記所定箇所APは前記光束の一部を網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させるべく、前記眼科用レンズの眼球側の面および物体側の面の少なくともいずれかの前記ベース部分BPから突出した凸部領域を備える。
    (2)前記所定箇所APの回折作用により前記光束の一部を網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させるべく、前記所定箇所APは、前記眼科用レンズの眼球側の面および物体側の面の少なくともいずれかの面に回折構造を備える。
    (3)前記所定箇所APと前記ベース部分BPとの相互作用により前記光束の一部を網膜よりもオーバーフォーカス側に集光させるべく、前記所定箇所APは、前記眼科用レンズの眼球側の面および物体側の面の少なくともいずれかに設けられ、前記ベース部分BPの屈折率とは異なる屈折率を有する異屈折率材料領域を備える。
  4. 前記眼科用レンズにおいて、前記所定箇所APと前記ベース部分BPとの双方を含む直径4mmの範囲を通過する光束に対して、4次以上の高次単色収差が付加される、請求項2または3に記載の眼科用レンズ。
  5. 前記波長フィルターは、前記凸部領域上、前記回折構造上、および前記異屈折率材料領域上の少なくともいずれかに設けられた、請求項3に記載の眼科用レンズ。
  6. 前記設定された主波長は、500〜585nmの範囲内の一つの値である、請求項1〜5のいずれかに記載の眼科用レンズ。
  7. 前記設定された主波長は、532〜575nmの範囲内の一つの値である、請求項1〜6のいずれかに記載の眼科用レンズ。
  8. 前記波長フィルターは、波長564〜570nmの範囲内の一つの値である、請求項1〜7のいずれかに記載の眼科用レンズ。
  9. 眼科用レンズを通過し且つ瞳孔を通る光線の束である光束の単色収差により近視進行抑制効果をもたらし、網膜よりもオーバーフォーカス側に集光した光のデフォーカス量(Diopter)×光量の平均値に対し、網膜よりもアンダーフォーカス側に集光した光のデフォーカス量(Diopter)×光量の平均値が小さくなるよう、分光透過率が設定された、眼科用レンズ。
  10. 眼科用レンズを通過し且つ瞳孔を通る光線の束である光束の単色収差により遠視進行抑制効果をもたらし、且つ、
    設定された主波長よりも短波長の光を減衰させる波長フィルターを備える、眼科用レン
    ズ。
  11. 前記眼科用レンズは眼鏡レンズである、請求項1〜10のいずれかに記載の眼科用レンズ。
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