JPH0511221A - 多焦点眼用レンズ - Google Patents
多焦点眼用レンズInfo
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- JPH0511221A JPH0511221A JP18916791A JP18916791A JPH0511221A JP H0511221 A JPH0511221 A JP H0511221A JP 18916791 A JP18916791 A JP 18916791A JP 18916791 A JP18916791 A JP 18916791A JP H0511221 A JPH0511221 A JP H0511221A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 屈折光による焦点と回折光による焦点とを有
する多焦点眼用レンズにおいて、光回折作用を阻害する
ことなく、屈折光の焦点での光強度を向上せしめるこ
と。 【構成】 レンズ表面に円環状の着色部を同心円状に複
数条設け、該着色部と未着色部との境界線によって、光
回折作用を発揮し得る光線透過率の不連続部を構成せし
めると共に、かかるレンズの未着色部における可視光線
透過率:t1 および着色部における可視光線透過率:t
2 を、それぞれ、下式を満足し得るように決定した。 70% ≦ t1 ≦ 100% 30% ≦ t2 ≦ 70% (t1 +t2 )/2 ≧ 60%
する多焦点眼用レンズにおいて、光回折作用を阻害する
ことなく、屈折光の焦点での光強度を向上せしめるこ
と。 【構成】 レンズ表面に円環状の着色部を同心円状に複
数条設け、該着色部と未着色部との境界線によって、光
回折作用を発揮し得る光線透過率の不連続部を構成せし
めると共に、かかるレンズの未着色部における可視光線
透過率:t1 および着色部における可視光線透過率:t
2 を、それぞれ、下式を満足し得るように決定した。 70% ≦ t1 ≦ 100% 30% ≦ t2 ≦ 70% (t1 +t2 )/2 ≧ 60%
Description
【0001】
【技術分野】本発明は、多焦点機能を有する眼用レンズ
に係り、より詳しくは、光屈折作用に基づく焦点と光回
折作用に基づく焦点とを付与せしめた眼用レンズに関す
るものである。
に係り、より詳しくは、光屈折作用に基づく焦点と光回
折作用に基づく焦点とを付与せしめた眼用レンズに関す
るものである。
【0002】
【背景技術】従来から、近視眼による屈折異常を有する
患者の、老眼による視力調節力の衰えを補う場合等に
は、複数の焦点を有する多焦点レンズが、眼鏡用レンズ
として用いられてきているが、特に、近年では、コンタ
クトレンズや眼内レンズ等の眼球或いは眼内に装着また
は埋殖するレンズ(以下、眼用レンズという)において
も、それら眼用レンズの普及等に伴い、多焦点レンズの
実用化が望まれている。そして、このような多焦点眼用
レンズを実現する一つの手法として、レンズの曲率およ
び屈折力による光屈折作用に基づいて設定される屈折光
の焦点に加えて、光回折作用に基づいて、該屈折光の焦
点とは異なる回折光の焦点を付与せしめることが提案さ
れている。
患者の、老眼による視力調節力の衰えを補う場合等に
は、複数の焦点を有する多焦点レンズが、眼鏡用レンズ
として用いられてきているが、特に、近年では、コンタ
クトレンズや眼内レンズ等の眼球或いは眼内に装着また
は埋殖するレンズ(以下、眼用レンズという)において
も、それら眼用レンズの普及等に伴い、多焦点レンズの
実用化が望まれている。そして、このような多焦点眼用
レンズを実現する一つの手法として、レンズの曲率およ
び屈折力による光屈折作用に基づいて設定される屈折光
の焦点に加えて、光回折作用に基づいて、該屈折光の焦
点とは異なる回折光の焦点を付与せしめることが提案さ
れている。
【0003】ところが、従来の多焦点眼用レンズにあっ
ては、特開平2−79815号公報や特開平2−137
814号公報等に示されている如く、レンズ面に複数の
環状の段差部を形成し、それら段差部による回折作用に
基づいて、回折光による焦点を得るようにしたものであ
るために、その段差部によって装用感が著しく損ねら
れ、また段差エッジ部によって装用者の角膜を損傷した
り、段差隅部に汚れ等が付着し易いといった問題を内在
していたのであり、更に光学的にも、段差部における光
の反射による問題を有しており、その実用化は、極めて
難しかった。
ては、特開平2−79815号公報や特開平2−137
814号公報等に示されている如く、レンズ面に複数の
環状の段差部を形成し、それら段差部による回折作用に
基づいて、回折光による焦点を得るようにしたものであ
るために、その段差部によって装用感が著しく損ねら
れ、また段差エッジ部によって装用者の角膜を損傷した
り、段差隅部に汚れ等が付着し易いといった問題を内在
していたのであり、更に光学的にも、段差部における光
の反射による問題を有しており、その実用化は、極めて
難しかった。
【0004】また一方、特公昭64−1772号公報に
は、レンズに対して、円環状の不透明部を同心円状に複
数条設け、その透明部と不透明部との境界における光回
折作用に基づいて、回折光による焦点を得るようにした
多焦点眼用レンズの基本的原理が示されている。
は、レンズに対して、円環状の不透明部を同心円状に複
数条設け、その透明部と不透明部との境界における光回
折作用に基づいて、回折光による焦点を得るようにした
多焦点眼用レンズの基本的原理が示されている。
【0005】しかしながら、かかる多焦点眼用レンズに
あっては、その不透明部にて透過光が遮断されてしま
い、屈折光の焦点における光強度が著しく低下してしま
うために、光量の低い状況下では使用できず、到底、実
用化され得るものではなかったのである。
あっては、その不透明部にて透過光が遮断されてしま
い、屈折光の焦点における光強度が著しく低下してしま
うために、光量の低い状況下では使用できず、到底、実
用化され得るものではなかったのである。
【0006】加えて、前記特公昭64−1772号公報
は、単に透明部と不透明部とによる回折の原理を説明し
たものに過ぎず、そこには、かかる光強度の低下に対す
る解決策は勿論、透明部と不透明部とを交互に有するレ
ンズの製作方法や、それら透明部と不透明部の寸法関係
等も、何ら開示されてはいないのであり、そのような透
明部と不透明部との境界における光回折作用を利用した
多焦点眼用レンズの実用化は、未だ、技術的に程遠いも
のであった。
は、単に透明部と不透明部とによる回折の原理を説明し
たものに過ぎず、そこには、かかる光強度の低下に対す
る解決策は勿論、透明部と不透明部とを交互に有するレ
ンズの製作方法や、それら透明部と不透明部の寸法関係
等も、何ら開示されてはいないのであり、そのような透
明部と不透明部との境界における光回折作用を利用した
多焦点眼用レンズの実用化は、未だ、技術的に程遠いも
のであった。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、光線透過率の不連
続部における光回折作用に基づいて、屈折光の焦点とは
異なる焦点を得るようにした多焦点眼用レンズであっ
て、屈折光の焦点における光強度をも有利に得ることの
できる多焦点眼用レンズを提供することを、その第一の
解決課題とするものである。
を背景として為されたものであって、光線透過率の不連
続部における光回折作用に基づいて、屈折光の焦点とは
異なる焦点を得るようにした多焦点眼用レンズであっ
て、屈折光の焦点における光強度をも有利に得ることの
できる多焦点眼用レンズを提供することを、その第一の
解決課題とするものである。
【0008】また、本発明は、そのような多焦点眼用レ
ンズにおいて、回折光による焦点を有利に設定すること
のできる、実用的な設計技術を提供することを、その第
二の解決課題とするものである。
ンズにおいて、回折光による焦点を有利に設定すること
のできる、実用的な設計技術を提供することを、その第
二の解決課題とするものである。
【0009】
【解決手段】そして、かかる第一の課題を解決するため
に、本発明にあっては、レンズの曲率および屈折率によ
る光屈折作用に基づく焦点を有する眼用レンズに対し
て、円環状の着色部を、同心円状に複数条設け、該着色
部と未着色部とによる光回折作用に基づいて、前記光屈
折作用に基づく焦点とは異なる少なくとも一つの焦点を
設定すると共に、かかるレンズの未着色部における可視
光線透過率:t1 および着色部における可視光線透過
率:t2 を、それぞれ、下式を満足し得るように決定せ
しめて成る多焦点眼用レンズを、その特徴とするもので
ある。 70% ≦ t1 ≦ 100% 30% ≦ t2 ≦ 70% (t1 +t2 )/2 ≧ 60%
に、本発明にあっては、レンズの曲率および屈折率によ
る光屈折作用に基づく焦点を有する眼用レンズに対し
て、円環状の着色部を、同心円状に複数条設け、該着色
部と未着色部とによる光回折作用に基づいて、前記光屈
折作用に基づく焦点とは異なる少なくとも一つの焦点を
設定すると共に、かかるレンズの未着色部における可視
光線透過率:t1 および着色部における可視光線透過
率:t2 を、それぞれ、下式を満足し得るように決定せ
しめて成る多焦点眼用レンズを、その特徴とするもので
ある。 70% ≦ t1 ≦ 100% 30% ≦ t2 ≦ 70% (t1 +t2 )/2 ≧ 60%
【0010】また、本発明にあっては、そのような未着
色部と着色部とを有する多焦点眼用レンズであって、前
記第二の課題を解決するために、前記着色部と前記未着
色部との間の同心的な境界線の半径:rn が、何れも、
下式を満足し得るように設定されている多焦点眼用レン
ズをも、その特徴とするものである。
色部と着色部とを有する多焦点眼用レンズであって、前
記第二の課題を解決するために、前記着色部と前記未着
色部との間の同心的な境界線の半径:rn が、何れも、
下式を満足し得るように設定されている多焦点眼用レン
ズをも、その特徴とするものである。
【0011】
【数2】
【0012】
【発明の具体的構成】かかる本発明にあっては、先ず、
所定の曲率および屈折率により光屈折作用に基づく焦点
が設定されて成る眼用レンズにおいて、光回折作用を発
揮せしめ得る光線透過率の不連続部を、レンズ表面への
着色によって形成せしめたことを、構成上の特徴の一つ
とするものである。なお、かかる光線透過率の不連続部
は、光線の回折理論に従い、同心円状に複数条形成され
ることとなる。
所定の曲率および屈折率により光屈折作用に基づく焦点
が設定されて成る眼用レンズにおいて、光回折作用を発
揮せしめ得る光線透過率の不連続部を、レンズ表面への
着色によって形成せしめたことを、構成上の特徴の一つ
とするものである。なお、かかる光線透過率の不連続部
は、光線の回折理論に従い、同心円状に複数条形成され
ることとなる。
【0013】具体的には、レンズ表面への着色は、例え
ば、従来からレンズの着色に採用されている、染料を使
用したバッドマーキング法によって行なうことも可能で
あるが、特に、本発明では、レーザ光を用いたレーザマ
ーキング法が好適に採用され得る。かかるレーザマーキ
ング法による着色操作は、通常、図1に略図が示されて
いる如く、着色すべきレンズ10の一方の面に、所望の
染料(顔料)を全面に亘って塗布せしめた後、この染料
が塗布されたレンズ10の表面に対して、所定のレーザ
光線12を、図2に示されている如き、着色すべき部分
に対応する透孔14を有するゾーンプレート(遮光板)
16を介して、照射せしめることにより、行なわれるこ
ととなる。なお、図1中、20は、レンズ支持台であ
る。
ば、従来からレンズの着色に採用されている、染料を使
用したバッドマーキング法によって行なうことも可能で
あるが、特に、本発明では、レーザ光を用いたレーザマ
ーキング法が好適に採用され得る。かかるレーザマーキ
ング法による着色操作は、通常、図1に略図が示されて
いる如く、着色すべきレンズ10の一方の面に、所望の
染料(顔料)を全面に亘って塗布せしめた後、この染料
が塗布されたレンズ10の表面に対して、所定のレーザ
光線12を、図2に示されている如き、着色すべき部分
に対応する透孔14を有するゾーンプレート(遮光板)
16を介して、照射せしめることにより、行なわれるこ
ととなる。なお、図1中、20は、レンズ支持台であ
る。
【0014】このようなレーザマーキング法によれば、
レーザ光線12が照射された部分において、染料がレン
ズ10の表面に焼き付けられて着色され得るのであり、
その後、適当な溶媒で、レーザ光線が照射されていない
部分の染料を除去することによって、ゾーンプレート1
6に設けられた透孔14の形状に対応した部分だけに、
容易に且つ高精度に着色することができるのである。ま
た、その際、図1に示されている如く、ゾーンプレート
16における透孔14として、レンズ10におけるマー
キングデザインと相似形で、且つ大きさが数倍のものを
形成し、該ゾーンプレート16を透過せしめられたレー
ザ光線12を、集光レンズ18にて集光せしめてレンズ
10に照射するようにすれば、より高精度な着色操作が
可能となるのである。
レーザ光線12が照射された部分において、染料がレン
ズ10の表面に焼き付けられて着色され得るのであり、
その後、適当な溶媒で、レーザ光線が照射されていない
部分の染料を除去することによって、ゾーンプレート1
6に設けられた透孔14の形状に対応した部分だけに、
容易に且つ高精度に着色することができるのである。ま
た、その際、図1に示されている如く、ゾーンプレート
16における透孔14として、レンズ10におけるマー
キングデザインと相似形で、且つ大きさが数倍のものを
形成し、該ゾーンプレート16を透過せしめられたレー
ザ光線12を、集光レンズ18にて集光せしめてレンズ
10に照射するようにすれば、より高精度な着色操作が
可能となるのである。
【0015】すなわち、本発明では、かくの如く、レン
ズを着色せしめて、着色部と未着色部とを形成すること
により、それらの境界線において、光回折作用を発揮せ
しめ得る光線透過率の不連続部を形成するようにしたこ
とから、かかる光線透過率の不連続部を、容易に且つ高
精度に、しかも優れた量産性の下に形成することが可能
となったのであり、それによって、実用化に際しての、
製作上の問題が有利に解決され得ることとなったのであ
る。
ズを着色せしめて、着色部と未着色部とを形成すること
により、それらの境界線において、光回折作用を発揮せ
しめ得る光線透過率の不連続部を形成するようにしたこ
とから、かかる光線透過率の不連続部を、容易に且つ高
精度に、しかも優れた量産性の下に形成することが可能
となったのであり、それによって、実用化に際しての、
製作上の問題が有利に解決され得ることとなったのであ
る。
【0016】また、本発明にあっては、上記着色部を、
所定の可視光線透過性をもって形成せしめたことをも、
その構成上の特徴の一つとするものである。
所定の可視光線透過性をもって形成せしめたことをも、
その構成上の特徴の一つとするものである。
【0017】具体的には、本発明に係る多焦点眼用レン
ズにおいては、その未着色部における可視光線透過率:
t1 と、着色部における可視光線透過率:t2 とが、そ
れぞれ、下記(数3),(数4),(数5)を満足し得
るように、設定されることとなる。なお、本発明でいう
未着色部とは、レンズに光回折作用をおよぼすための着
色がされていない箇所をいうものであって、必ずしも無
色透明である必要はなく、例えば、レンズ全面に略均一
な着色が施された上に、光回折作用をおよぼすための着
色が施されるような場合では、相対的に可視光線透過率
が高い箇所をいう。また、もとのレンズに付されている
色については、未着色とする。更に、可視光線透過率と
は、人間が視覚し得る波長域(一般に、380nm〜78
0nm)の光線の透過率をいう。
ズにおいては、その未着色部における可視光線透過率:
t1 と、着色部における可視光線透過率:t2 とが、そ
れぞれ、下記(数3),(数4),(数5)を満足し得
るように、設定されることとなる。なお、本発明でいう
未着色部とは、レンズに光回折作用をおよぼすための着
色がされていない箇所をいうものであって、必ずしも無
色透明である必要はなく、例えば、レンズ全面に略均一
な着色が施された上に、光回折作用をおよぼすための着
色が施されるような場合では、相対的に可視光線透過率
が高い箇所をいう。また、もとのレンズに付されている
色については、未着色とする。更に、可視光線透過率と
は、人間が視覚し得る波長域(一般に、380nm〜78
0nm)の光線の透過率をいう。
【0018】
70% ≦ t1 ≦ 100% ・・・(数3)
30% ≦ t2 ≦ 70% ・・・(数4)
(t1 +t2 )/2 ≧ 60% ・・・(数5)
【0019】ここにおいて、未着色部における可視光線
透過率:t1 は、余り低いと、回折光による焦点の光強
度を充分に確保することが難しくなることから、上記
(数3)に示される如く、70%以上に設定される。な
お、この未着色部における可視光線透過率は、一般的な
レンズ材を使用することによって、90%以上の値を確
保することが容易である。
透過率:t1 は、余り低いと、回折光による焦点の光強
度を充分に確保することが難しくなることから、上記
(数3)に示される如く、70%以上に設定される。な
お、この未着色部における可視光線透過率は、一般的な
レンズ材を使用することによって、90%以上の値を確
保することが容易である。
【0020】また一方、着色部における可視光線透過
率:t2 は、未着色部の可視光線透過率との差が余り小
さいと、有効な回折作用が生ぜしめられ難いことから、
上記(数4)に示される如く、70%以下に設定され、
且つ、該可視光線透過率が余り低いと、屈折光による焦
点の光強度を充分に確保し難いことから、上記(数4)
に示される如く、30%以上に設定される。なお、この
着色部における可視光線透過率は、レンズ材の可視光線
透過率(t1 )および使用する染料の種類、濃度および
厚さにより設定することが可能である。
率:t2 は、未着色部の可視光線透過率との差が余り小
さいと、有効な回折作用が生ぜしめられ難いことから、
上記(数4)に示される如く、70%以下に設定され、
且つ、該可視光線透過率が余り低いと、屈折光による焦
点の光強度を充分に確保し難いことから、上記(数4)
に示される如く、30%以上に設定される。なお、この
着色部における可視光線透過率は、レンズ材の可視光線
透過率(t1 )および使用する染料の種類、濃度および
厚さにより設定することが可能である。
【0021】すなわち、例えば、未着色部のレンズの可
視光線透過率をt1 とすると共に、着色部の形成に使用
する染料を、8ppm の濃度にて、厚さ:1cmのセル中に
投入した場合の可視光線透過率がT2 であるとすると、
使用する染料の濃度およびレンズに対する付着染料層の
厚さにより、可視光線透過率の特性が判明することとな
る。具体的には、下式により、着色部の可視光線透過
率:t2 を設定することが可能となる。 t2 ≒t1 ×T2 ×(100/10A ) 但し、 A=ε・a・b ε:吸光定数 a:付着染料層の厚さ(mm) b:染料の濃度(%) なお、かかる付着染料層の厚さ:aは、前述の如きレー
ザマーキング法を採用する場合、レーザ光線の強度や照
射時間等を調節すること等により、設定することが可能
である。
視光線透過率をt1 とすると共に、着色部の形成に使用
する染料を、8ppm の濃度にて、厚さ:1cmのセル中に
投入した場合の可視光線透過率がT2 であるとすると、
使用する染料の濃度およびレンズに対する付着染料層の
厚さにより、可視光線透過率の特性が判明することとな
る。具体的には、下式により、着色部の可視光線透過
率:t2 を設定することが可能となる。 t2 ≒t1 ×T2 ×(100/10A ) 但し、 A=ε・a・b ε:吸光定数 a:付着染料層の厚さ(mm) b:染料の濃度(%) なお、かかる付着染料層の厚さ:aは、前述の如きレー
ザマーキング法を採用する場合、レーザ光線の強度や照
射時間等を調節すること等により、設定することが可能
である。
【0022】そして、後述する着色部と未着色部との境
界線の半径を与える式からも明らかなように、有効な回
折作用を得るためには、レンズにおける着色部と未着色
部との面積比が、略1:1となるように設定されること
となるところから、かかる着色部をも、可視光線透過性
をもって形成したことによって、着色部と未着色部とを
合わせたレンズ全体での可視光線透過率を、60%以上
に確保することが可能となったのである。
界線の半径を与える式からも明らかなように、有効な回
折作用を得るためには、レンズにおける着色部と未着色
部との面積比が、略1:1となるように設定されること
となるところから、かかる着色部をも、可視光線透過性
をもって形成したことによって、着色部と未着色部とを
合わせたレンズ全体での可視光線透過率を、60%以上
に確保することが可能となったのである。
【0023】また、かかるレンズ全体での可視光線透過
率は、好ましくは65%以上に設定されることとなり、
それによって、色覚に大きな違和感を感じさせない程度
にまで、光強度を確保することができることが、本発明
者らによって確認されている。なお、このことは、市販
のサングラスのなかで、可視光線透過率が最も高いもの
が、74%であることからも伺える。
率は、好ましくは65%以上に設定されることとなり、
それによって、色覚に大きな違和感を感じさせない程度
にまで、光強度を確保することができることが、本発明
者らによって確認されている。なお、このことは、市販
のサングラスのなかで、可視光線透過率が最も高いもの
が、74%であることからも伺える。
【0024】従って、本発明では、かくの如く、光線透
過率の不連続部を形成する着色部に対して、可視光線透
過性を付与せしめたことにより、屈折光による焦点にお
ける光強度を、実用上、問題とならない程度にまで、有
利に確保することが可能となったのであり、それによっ
て、実用化に際しての大きな問題であった、光強度上の
問題が効果的に解決され得ることとなったのである。
過率の不連続部を形成する着色部に対して、可視光線透
過性を付与せしめたことにより、屈折光による焦点にお
ける光強度を、実用上、問題とならない程度にまで、有
利に確保することが可能となったのであり、それによっ
て、実用化に際しての大きな問題であった、光強度上の
問題が効果的に解決され得ることとなったのである。
【0025】さらに、本発明者らが検討したところによ
れば、上記着色部における可視光線透過率に対して、所
定の波長依存性をもたせることによって、光回折作用を
阻害することなく、屈折光による焦点の光強度を、より
有効に得ることのできることが明らかとなった。
れば、上記着色部における可視光線透過率に対して、所
定の波長依存性をもたせることによって、光回折作用を
阻害することなく、屈折光による焦点の光強度を、より
有効に得ることのできることが明らかとなった。
【0026】すなわち、光線透過率の不連続部(着色部
と未着色部との境界線部分)における回折作用は、後述
する境界線の半径を与える式からも明らかなように、或
る特定の波長域の可視光線に対してのみ、有効に発揮さ
れ得るように設定されることとなるところから、それ以
外の波長域の可視光線に対しては、有効な回折作用は、
発揮され難い。それ故に、かかる光線透過率の不連続部
によって有効な回折作用が及ぼされない波長域の可視光
線にあっては、着色部における光線遮断率をそれ程大き
く確保する必要がないのであり、この波長域の可視光線
を利用することによって、光回折作用を阻害することな
く、屈折光による焦点の光強度を、より有利に確保する
ことが可能となるのである。
と未着色部との境界線部分)における回折作用は、後述
する境界線の半径を与える式からも明らかなように、或
る特定の波長域の可視光線に対してのみ、有効に発揮さ
れ得るように設定されることとなるところから、それ以
外の波長域の可視光線に対しては、有効な回折作用は、
発揮され難い。それ故に、かかる光線透過率の不連続部
によって有効な回折作用が及ぼされない波長域の可視光
線にあっては、着色部における光線遮断率をそれ程大き
く確保する必要がないのであり、この波長域の可視光線
を利用することによって、光回折作用を阻害することな
く、屈折光による焦点の光強度を、より有利に確保する
ことが可能となるのである。
【0027】具体的には、例えば、上記着色部および未
着色部のパターンが、600nm〜700nmを中心とする
長波長域の可視光線に対して有効な回折作用が及ぼされ
得るように設定されている場合にあっては、その着色部
における光線透過率を、かかる長波長域で低く、且つ4
00nm〜500nmの短波長域で高くなるように、設定す
ることにより、回折光による焦点と屈折光による焦点と
を、何れも有利に得ることができ、しかも、短波長域の
可視光線によって、屈折光の焦点における光強度を極め
て有利に確保することが可能となるのである。
着色部のパターンが、600nm〜700nmを中心とする
長波長域の可視光線に対して有効な回折作用が及ぼされ
得るように設定されている場合にあっては、その着色部
における光線透過率を、かかる長波長域で低く、且つ4
00nm〜500nmの短波長域で高くなるように、設定す
ることにより、回折光による焦点と屈折光による焦点と
を、何れも有利に得ることができ、しかも、短波長域の
可視光線によって、屈折光の焦点における光強度を極め
て有利に確保することが可能となるのである。
【0028】そして、特に好適には、前記(数3),
(数4),(数5)に示された条件に加えて、着色部お
よび未着色部のパターンに設定された、回折作用が及ぼ
される中心波長域での光線透過率:t3 および別の波長
域での最大の可視光線透過率:t4 が、それぞれ、下記
(数6)および(数7)を満足し得るように、かかる着
色部における光線透過率の波長依存性を設定することが
望ましく、それによって、屈折光の焦点における光強度
を、より一層有利に得ることができるのである。 30% ≧ t3 ・・・(数6) 70% ≦ t4 ・・・(数7)
(数4),(数5)に示された条件に加えて、着色部お
よび未着色部のパターンに設定された、回折作用が及ぼ
される中心波長域での光線透過率:t3 および別の波長
域での最大の可視光線透過率:t4 が、それぞれ、下記
(数6)および(数7)を満足し得るように、かかる着
色部における光線透過率の波長依存性を設定することが
望ましく、それによって、屈折光の焦点における光強度
を、より一層有利に得ることができるのである。 30% ≧ t3 ・・・(数6) 70% ≦ t4 ・・・(数7)
【0029】なお、このような着色部の光線透過率に対
する波長依存性の付与は、例えば、かかる着色部の染料
として、米国:FDA認定の「FD&C Blue N
o.1」、「FD&C Blue No.2」を用いることに
よって、有利に為され得ることとなる。
する波長依存性の付与は、例えば、かかる着色部の染料
として、米国:FDA認定の「FD&C Blue N
o.1」、「FD&C Blue No.2」を用いることに
よって、有利に為され得ることとなる。
【0030】また一方、本発明にあっては、前記着色部
と未着色部のパターン、即ちそれら着色部と未着色部と
の境界線の位置関係を、以下に示す如く、明らかにした
ことをも、その構成上の特徴の一つとするものであり、
それによって、多焦点レンズの設定が極めて容易とされ
得たのであって、実施化に際しての設計上の問題が、有
効に解決され得ることとなったのである。
と未着色部のパターン、即ちそれら着色部と未着色部と
の境界線の位置関係を、以下に示す如く、明らかにした
ことをも、その構成上の特徴の一つとするものであり、
それによって、多焦点レンズの設定が極めて容易とされ
得たのであって、実施化に際しての設計上の問題が、有
効に解決され得ることとなったのである。
【0031】先ず、図3及び図4に示されているよう
に、光源22からの光に対して、屈折光による第一の焦
点24を有する眼用レンズ26において、同心的な円環
状の複数の着色部28を設けることにより、回折光によ
る第二の焦点30を設定せしめる場合について考える。
に、光源22からの光に対して、屈折光による第一の焦
点24を有する眼用レンズ26において、同心的な円環
状の複数の着色部28を設けることにより、回折光によ
る第二の焦点30を設定せしめる場合について考える。
【0032】すなわち、かかる眼用レンズ26におい
て、図5に示されている如く、各々の輪帯(円環状の着
色部分および未着色部分をいう、以下同じ)の境界にお
いて回折が生じ、それらの回折された光が、眼用レンズ
26の光軸の或る予め決められた点(第二の焦点)30
に焦点を結ぶための条件は、光源22からの光が各々の
輪帯の境界を通過して、第二の焦点30に到達するまで
の距離が、設定波長(回折作用によって第二の焦点30
に集光しようとする光の中心波長):λの整数倍である
ことである。換言すれば、レンズの光軸を通る光源22
から第二の焦点30までの光路長と、各々の輪帯の境界
を通過した光源22から第二の焦点30までの光路長と
の差が、n・λ+α(nは整数,αは定数)で表わされ
ることである。
て、図5に示されている如く、各々の輪帯(円環状の着
色部分および未着色部分をいう、以下同じ)の境界にお
いて回折が生じ、それらの回折された光が、眼用レンズ
26の光軸の或る予め決められた点(第二の焦点)30
に焦点を結ぶための条件は、光源22からの光が各々の
輪帯の境界を通過して、第二の焦点30に到達するまで
の距離が、設定波長(回折作用によって第二の焦点30
に集光しようとする光の中心波長):λの整数倍である
ことである。換言すれば、レンズの光軸を通る光源22
から第二の焦点30までの光路長と、各々の輪帯の境界
を通過した光源22から第二の焦点30までの光路長と
の差が、n・λ+α(nは整数,αは定数)で表わされ
ることである。
【0033】この条件を、図5に示された寸法を用いて
式で表わすと、下記(数8)の如く、表わすことができ
る。 Nd ・(Sn+Sn′)−Nd ・(Z+Z′)=n・λ+α ・・・(数8) 但し、Nd は、眼内レンズ26の屈折率である。
式で表わすと、下記(数8)の如く、表わすことができ
る。 Nd ・(Sn+Sn′)−Nd ・(Z+Z′)=n・λ+α ・・・(数8) 但し、Nd は、眼内レンズ26の屈折率である。
【0034】また、この(数8)は、幾何学関係から、
下記(数9)の如く変形される。
下記(数9)の如く変形される。
【0035】
【数9】
【0036】更にまた、かかる(数9)において、(Z
+hn )2≫rn 2 , (Z−hn )2≫rn 2 であるから、
(数9)は、下記(数10)の如く変形される。
+hn )2≫rn 2 , (Z−hn )2≫rn 2 であるから、
(数9)は、下記(数10)の如く変形される。
【0037】
【数10】
【0038】また、Zは、実際には、平行光であると見
做すことができるから、Z→∞とし、Z′を焦点距離:
fとすると、上記(数10)は、下記(数11)の如く
変形される。
做すことができるから、Z→∞とし、Z′を焦点距離:
fとすると、上記(数10)は、下記(数11)の如く
変形される。
【0039】
【数11】
【0040】また、輪帯の境界線の半径:rn は、レン
ズの曲率:R1 上の曲面に存在することから、hn =R
1 −(R1 2−rn 2 )1/2 であり、上記(数11)は、
下記(数12)の如く表わされる。
ズの曲率:R1 上の曲面に存在することから、hn =R
1 −(R1 2−rn 2 )1/2 であり、上記(数11)は、
下記(数12)の如く表わされる。
【0041】
【数12】
【0042】そして、かかる(数12)を、両辺2乗し
て整理すると、下記(数13),(数14)の如くな
る。
て整理すると、下記(数13),(数14)の如くな
る。
【0043】
【数13】
【0044】
【数14】
【0045】次に、前記αであるが、前記(数11)に
おいて、n=0とおくと、下記(数15)となる。
おいて、n=0とおくと、下記(数15)となる。
【0046】
【数15】
【0047】そして、先述のhn =R1 −(R1 2−rn
2 )1/2 の関係から、h0 =R1 −(R1 2−r0 2 )
1/2 となり、αは、下記(数16)として、求めること
ができる。
2 )1/2 の関係から、h0 =R1 −(R1 2−r0 2 )
1/2 となり、αは、下記(数16)として、求めること
ができる。
【0048】
【数16】
【0049】なお、かかる(数16)において、r
0 は、眼用レンズ26の所望の条件から、適宜決めるこ
とができるものであり、fは、回折作用により回折され
た光の所望の焦点距離である。
0 は、眼用レンズ26の所望の条件から、適宜決めるこ
とができるものであり、fは、回折作用により回折され
た光の所望の焦点距離である。
【0050】それ故、上記(数13),(数14),
(数16)によって算出された境界線の半径:rn に従
って着色し、交互に着色部分と未着色部分とを設けるこ
とにより、所望の回折光による焦点距離:fを有する多
焦点の眼用レンズを得ることができるのである。
(数16)によって算出された境界線の半径:rn に従
って着色し、交互に着色部分と未着色部分とを設けるこ
とにより、所望の回折光による焦点距離:fを有する多
焦点の眼用レンズを得ることができるのである。
【0051】なお、上述の説明においては、屈折光によ
る一つの焦点に加え、回折光による焦点を一つ設定す
る、所謂二焦点の眼用レンズの設計について説明した
が、レンズの曲率や着色部分のパターンを変化させるこ
とにより、屈折光の焦点または回折光の焦点を、二つ以
上設定することも可能である。そして、特に、本発明に
係る多焦点眼用レンズにあっては、着色部も或る程度の
可視光線透過性をもって形成されることから、レンズの
表面と裏面とに対して、回折光の設定中心波長等を考慮
し、互いに異なるパターンの着色を施すことにより、回
折光による焦点が複数の多焦点レンズも、実現可能であ
る。
る一つの焦点に加え、回折光による焦点を一つ設定す
る、所謂二焦点の眼用レンズの設計について説明した
が、レンズの曲率や着色部分のパターンを変化させるこ
とにより、屈折光の焦点または回折光の焦点を、二つ以
上設定することも可能である。そして、特に、本発明に
係る多焦点眼用レンズにあっては、着色部も或る程度の
可視光線透過性をもって形成されることから、レンズの
表面と裏面とに対して、回折光の設定中心波長等を考慮
し、互いに異なるパターンの着色を施すことにより、回
折光による焦点が複数の多焦点レンズも、実現可能であ
る。
【0052】
【実施例】レンズ材質の屈折率:Nd ,レンズの内面曲
率:BC,レンズの外面曲率:FC、レンズの屈折作用
によるジオプトリ:Pが、それぞれ、下記の如く設定さ
れたコンタクトレンズに対し、着色部を形成することに
より、回折作用によるジオプトリ:ADDを、それぞ
れ、2.0,3.0,4.0,5.0に設定せしめるに
際して、前記(数13),(数14),(数16)に従
って、着色部の未着色部との境界線の設計半径:rn を
算出せしめた結果を、下記(表1),(表2),(表
3),(表4)に、それぞれ示すこととする。 Nd =1.434 BC=8.00(mm) FC=9.02(mm) P =−6.00(f=0.167m)
率:BC,レンズの外面曲率:FC、レンズの屈折作用
によるジオプトリ:Pが、それぞれ、下記の如く設定さ
れたコンタクトレンズに対し、着色部を形成することに
より、回折作用によるジオプトリ:ADDを、それぞ
れ、2.0,3.0,4.0,5.0に設定せしめるに
際して、前記(数13),(数14),(数16)に従
って、着色部の未着色部との境界線の設計半径:rn を
算出せしめた結果を、下記(表1),(表2),(表
3),(表4)に、それぞれ示すこととする。 Nd =1.434 BC=8.00(mm) FC=9.02(mm) P =−6.00(f=0.167m)
【0053】なお、下記の表中、輪帯面積は、各対応す
る境界線と、その内側に隣接する境界線との間に位置す
る輪帯の面積を表すものである。また、かかる設計に際
しては、何れも、株式会社メニコン製のコンタクトレン
ズ:メニコンEX(商品名)を使用し、また、着色部形
成のための染料として、米国:FDA認定の「FD&C
Blue No.1」を使用することとし、回折させるべ
き中心周波数:λを、600nmに設定して実施した。
る境界線と、その内側に隣接する境界線との間に位置す
る輪帯の面積を表すものである。また、かかる設計に際
しては、何れも、株式会社メニコン製のコンタクトレン
ズ:メニコンEX(商品名)を使用し、また、着色部形
成のための染料として、米国:FDA認定の「FD&C
Blue No.1」を使用することとし、回折させるべ
き中心周波数:λを、600nmに設定して実施した。
【0054】そして、本実施例における未着色部の可視
光線透過率(t1 )は、使用するコンタクトレンズにお
ける可視光線透過率のみによって決定されることから、
かかる未着色部の可視光線透過率(t1 )として、上記
メニコンEX(商品名)の可視光線透過率:95%を採
用した。また、着色部にあっては、その形成に用いる染
料(「FD&C Blue No.1」)を、濃度:8ppm
にて、厚さ1cmのセルに投入し、可視光線透過率(T2)
を測定すると、T2 =70%を示すことから、かかる染
料を、濃度:4%で、2μmの層厚をもってレンズ表面
に付着せしめることにより、着色部を形成することと
し、その可視光線透過率(t2 )を、67%とした。
光線透過率(t1 )は、使用するコンタクトレンズにお
ける可視光線透過率のみによって決定されることから、
かかる未着色部の可視光線透過率(t1 )として、上記
メニコンEX(商品名)の可視光線透過率:95%を採
用した。また、着色部にあっては、その形成に用いる染
料(「FD&C Blue No.1」)を、濃度:8ppm
にて、厚さ1cmのセルに投入し、可視光線透過率(T2)
を測定すると、T2 =70%を示すことから、かかる染
料を、濃度:4%で、2μmの層厚をもってレンズ表面
に付着せしめることにより、着色部を形成することと
し、その可視光線透過率(t2 )を、67%とした。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】これら(表1),(表2),(表3),
(表4)から明らかなように、前述の如き本発明に係る
設計式を用いて、着色部のパターンを設定することによ
り、各輪帯の面積を、容易に且つ有利に略同一化せしめ
ることが可能であり、それによって、有効な回折作用が
発揮され得ることとなるのである。
(表4)から明らかなように、前述の如き本発明に係る
設計式を用いて、着色部のパターンを設定することによ
り、各輪帯の面積を、容易に且つ有利に略同一化せしめ
ることが可能であり、それによって、有効な回折作用が
発揮され得ることとなるのである。
【0060】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
にあっては、レンズを着色せしめて、着色部と未着色部
とを形成することにより、それらの境界線において、光
回折作用を発揮せしめ得る光線透過率の不連続部を形成
するようにしたことから、かかる光線透過率の不連続部
を、容易に且つ高い精度をもって、優れた量産性の下に
形成することが可能となったのであり、しかも、かかる
着色部に対して、可視光線透過性を付与せしめたことに
より、屈折光による焦点における光強度を有利に確保す
ることが可能となったのである。
にあっては、レンズを着色せしめて、着色部と未着色部
とを形成することにより、それらの境界線において、光
回折作用を発揮せしめ得る光線透過率の不連続部を形成
するようにしたことから、かかる光線透過率の不連続部
を、容易に且つ高い精度をもって、優れた量産性の下に
形成することが可能となったのであり、しかも、かかる
着色部に対して、可視光線透過性を付与せしめたことに
より、屈折光による焦点における光強度を有利に確保す
ることが可能となったのである。
【0061】そして、それによって、光線透過率の不連
続部における回折作用によって多焦点が付与される多焦
点眼用レンズの実用化が、有利に図られ得ることとなっ
たのである。
続部における回折作用によって多焦点が付与される多焦
点眼用レンズの実用化が、有利に図られ得ることとなっ
たのである。
【0062】しかも、かくの如き、本発明に係る多焦点
眼用レンズにあっては、レンズ表面に段差部を形成する
必要がないことから、そのような段差部による角膜の損
傷や汚れの付着等が問題となるようなこともないのであ
り、優れた装用感が得られるといった効果をも有してい
るのである。
眼用レンズにあっては、レンズ表面に段差部を形成する
必要がないことから、そのような段差部による角膜の損
傷や汚れの付着等が問題となるようなこともないのであ
り、優れた装用感が得られるといった効果をも有してい
るのである。
【図1】本発明に係る多焦点眼用レンズの製作方法を説
明する概略図である。
明する概略図である。
【図2】図1に示されている製作工程において使用する
ゾーンプレートの平面略図である。
ゾーンプレートの平面略図である。
【図3】本発明に係る多焦点眼用レンズの設計原理を説
明するための、コンタクトレンズの焦点光路を示す概略
図である。
明するための、コンタクトレンズの焦点光路を示す概略
図である。
【図4】図3に示されているコンタクトレンズの正面略
図である。
図である。
【図5】本発明に係る多焦点眼用レンズの設計原理を説
明するための寸法図である。
明するための寸法図である。
22 光源
24 第一の焦点(屈折光の焦点)
26 眼用レンズ
28 着色部
30 第二の焦点(回折光の焦点)
Claims (2)
- 【請求項1】 レンズの曲率および屈折率による光屈折
作用に基づく焦点を有する眼用レンズに対して、円環状
の着色部を、同心円状に複数条設け、該着色部と未着色
部とによる光回折作用に基づいて、前記光屈折作用に基
づく焦点とは異なる少なくとも一つの焦点を設定すると
共に、かかるレンズの未着色部における可視光線透過
率:t1 および着色部における可視光線透過率:t2
を、それぞれ、下式を満足し得るように決定したことを
特徴とする多焦点眼用レンズ。 70% ≦ t1 ≦ 100% 30% ≦ t2 ≦ 70% (t1 +t2 )/2 ≧ 60% - 【請求項2】 前記未着色部と前記着色部との間の同心
的な境界線の半径:rn が、何れも、下式を満足し得る
ように設定されている請求項1記載の多焦点眼用レン
ズ。 【数1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18916791A JPH0511221A (ja) | 1991-07-03 | 1991-07-03 | 多焦点眼用レンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18916791A JPH0511221A (ja) | 1991-07-03 | 1991-07-03 | 多焦点眼用レンズ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0511221A true JPH0511221A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=16236593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18916791A Pending JPH0511221A (ja) | 1991-07-03 | 1991-07-03 | 多焦点眼用レンズ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0511221A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2311315A1 (es) * | 2005-08-04 | 2009-02-01 | Universitat De Valencia | Lente difractiva de fibonacci. |
-
1991
- 1991-07-03 JP JP18916791A patent/JPH0511221A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2311315A1 (es) * | 2005-08-04 | 2009-02-01 | Universitat De Valencia | Lente difractiva de fibonacci. |
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