JP2021004937A - レーザ投射表示装置及び投射光強度調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ投射表示装置において、調光処理時のレーザ光源に対する電流設定をより高精度に最適化し、ユーザがホワイトバランスの変化を視認しにくい画像表示を行う。【解決手段】レーザ投射表示装置1は、複数の色のレーザ光を発生するレーザ光源5と、レーザ光源を駆動するレーザ光源駆動部4と、透過率を変化させることで通過するレーザ光の強度を調整する調光素子7と、調光素子を通過したレーザ光の強度を検出する光強度検出器11と、光強度検出器の出力を増幅する増幅器12と、増幅器で増幅されたレーザ光の強度の測定値33に基づき、レーザ光源から発生するレーザ光の光量を調整する光量調整部22を備え、光量調整部は、調光素子7の透過率に応じて増幅器12の増幅倍率34を変化させる。【選択図】図2
Description
本発明は、半導体レーザ等からの出射光を2次元走査ミラーで走査して画像表示を行うレーザ投射表示装置及び投射光強度調整方法に関する。
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー等の2次元走査ミラーと半導体レーザ光源を用いたレーザ投射表示装置が普及している。その際、表示する画像の明るさ(輝度)を調整するため、レーザ光源からMEMSミラーまでの光路中に調光素子を配置する構成に関し、以下のような提案がなされている。
例えば特許文献1には、光量調整装置(調光素子)で表示する画像を暗くした際には、光偏向器でレーザ光が光検出器に向けて偏向されるときの発光強度の調整目標値を、被走査面に向けて偏向されるときの発光強度の調整目標値よりも大きくすることで、目標輝度によらず光検出器でレーザ光を検出し被走査面の輝度を調整する構成が開示されている。また、特許文献2には、光源の光量変化の応答速度は液晶デバイス(調光素子)の反応速度よりも速いので、光源における光量の増加開始点を液晶デバイスの透過光量降下開始点よりも遅くするように制御して、光源と液晶デバイスの動作速度の差異によって瞬間的に画像が明るくなる現象(フリッカ)を防止する構成が開示されている。
レーザ投射表示装置を始め一般の表示装置では、使用環境の明るさに応じて表示画像の明るさを制御する調光処理が行われる。しかしながら、調光処理を調光素子のみで実施しようとする場合、液晶素子などの調光素子は波長毎に透過率が異なるため、表示する画像の色が変化してしまい、ホワイトバランスがずれるという第1の課題がある。そのため、光源となる半導体レーザでは、経時劣化や周囲温度変化によるレーザ光量の変動に加え、調光素子の透過率に応じて各色光の強度比を調整し、表示画像のホワイトバランスを維持する必要がある。具体的には、各色光の半導体レーザに流れる電流を最適に調整してレーザ光量を目標値となるよう制御する。また、調光素子に液晶素子を用いた場合、液晶素子の応答前、応答中及び応答完了直後において、画像のホワイトバランスを維持する必要がある。
さらに第2の課題として、調光処理時のダイナミックレンジの低下である。調光素子の透過率を小さくするにつれて、調光素子を通過したレーザ光の強度は当然ながら低下する。つまり、レーザ光強度を調整するときの光検出器の出力レベルが低下するため、透過率が大きい場合と比較して、レーザ光強度の調整精度が相対的に悪化する。これにより、表示画像のホワイトバランス状態が不安定になるという問題が生じる。
特許文献1に記載の技術は、光検出器を被走査面の外側に設置してレーザ光を検出することで、被走査面におけるレーザ光量の変動を抑えている。しかしながら、光検出器では被走査面よりも大きな光量のレーザ光を照射しているため、調光処理時に被走査面に照射される光量における輝度及び色情報を直接得ることができない。よって、調光素子が波長毎に透過率が異なることでホワイトバランスがずれるという問題については考慮されていない。
また、特許文献2に記載の技術は、液晶素子の応答速度が遅いことにより発生するフリッカを、ユーザに視認されないようにする構成が開示されているが、液晶素子の応答速度が比較的早い6.5ms固定である。そのため、応答速度が数フレーム相当と長い液晶素子に対して特許文献2に記載の技術を適用すると、数フレーム間、非常に暗い画像がユーザに視認されることになる。
このように、調光処理に伴うホワイトバランスのずれ(第1の課題)とダイナミックレンジの低下(第2の課題)については、いずれの特許文献においても考慮されていない。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、レーザ投射表示装置において、通常時及び調光処理時のレーザ光源に対する電流設定をより高精度に最適化し、光量制御を安定化させることで、ユーザにホワイトバランスの変化を視認させにくい高品位な画像を表示することを目的とする。
本発明は、画像信号に応じた複数の色のレーザ光を走査ミラーにより走査して投射し前記画像信号に応じた画像を表示するレーザ投射表示装置において、前記複数の色のレーザ光を発生するレーザ光源と、前記レーザ光源を駆動するレーザ光源駆動部と、前記レーザ光源から前記走査ミラーへの光路上に配置され、透過率を変化させることで通過するレーザ光の強度を調整する調光素子と、前記調光素子を通過したレーザ光の強度を検出する光強度検出器と、前記光強度検出器の出力を増幅する増幅器と、前記調光素子の透過率及び前記増幅器で増幅されたレーザ光の強度の測定値に基づき、前記レーザ光源駆動部に対し前記レーザ光源から発生するレーザ光の光量を調整する光量調整部を備え、前記光量調整部は、前記調光素子の透過率に応じて前記増幅器の増幅倍率を変化させることを特徴とする。
好ましくは、前記光量調整部は、前記複数の色に対する前記増幅器の増幅倍率を、前記調光素子の前記複数の色に対する透過率にほぼ逆比例させて設定するとともに、前記レーザ光の強度の目標値を前記調光素子の透過率によらずほぼ一定値に設定することを特徴とする。
また本発明は、画像信号に応じた複数の色のレーザ光を走査ミラーにより走査して投射し前記画像信号に応じた画像を表示する際の投射光強度調整方法において、レーザ光源から前記複数の色のレーザ光を発生するステップと、前記レーザ光源から前記走査ミラーへの光路上に調光素子を配置し、前記調光素子の透過率を変化させることで投射するレーザ光の強度を調整するステップと、前記調光素子を通過したレーザ光の強度を検出するステップと、増幅器により前記検出したレーザ光の強度を増幅するステップと、前記調光素子の透過率及び前記増幅器で増幅されたレーザ光の強度の測定値に基づき、前記レーザ光源から発生するレーザ光の光量を調整するステップを備え、前記増幅器の増幅倍率を前記調光素子の透過率に応じて変化させることを特徴とする。
本発明によれば、通常時及び調光処理時の光量制御が安定し、ユーザにホワイトバランスの変化を視認させにくいレーザ投射表示装置を提供できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと同等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
図1は、実施例1に係るレーザ投射表示装置の全体構成を示すブロック図である。レーザ投射表示装置1は、画像処理部2、フレームメモリ3、レーザ光源駆動部4、レーザ光源5、反射ミラー6、調光素子7、透過ミラー8、MEMS走査ミラー9、MEMSドライバ10、光強度検出器11、増幅器12、温度検出器13、CPU(Central Processing Unit)14を有し、投射面に表示画像15を表示する。各部の構成と動作を説明する。
画像処理部2は、外部から入力される画像信号に同期した水平同期信号(H同期信号)及び垂直同期信号(V同期信号)を生成し、MEMSドライバ10へ供給する。ここで水平同期信号及び垂直同期信号は、画像を投射する表示期間と画像を投射しない帰線期間からなり、それぞれ水平表示期間と水平帰線期間、垂直表示期間と垂直帰線期間を呼ぶ。また、水平表示期間と垂直表示期間をまとめて表示期間、水平帰線期間と垂直帰線期間をまとめて帰線期間と呼ぶ。ここで、垂直表示期間と垂直帰線期間からなる1枚の画像に対応する期間を1フレームと呼ぶ。
また、画像処理部2は、入力する画像信号に各種補正を加えた画像信号を生成し、レーザ光源駆動部4へ供給する。画像処理部2で行う各種補正とは、MEMS走査ミラー9の走査に起因する画像歪み補正、画像信号レベルに応じた階調調整などである。なお、画像歪みは、レーザ投射表示装置1と投射面との相対角が異なることや、レーザ光源5とMEMS走査ミラー9の光軸ずれなどのために発生する。
また、画像処理部2は、CPU14より取得した調光信号、及び光強度検出器11で検出したレーザ光の強度情報に基づき、レーザ光源駆動部4、調光素子7、増幅器12を制御することで、調光処理やレーザ光の強度調整(ホワイトバランス処理)を実施する。この調光処理とレーザ光強度調整処理の詳細は後述する。
レーザ光源駆動部4は、画像処理部2から出力される各種補正を加えた画像信号を受け、それに応じてレーザ光源5の駆動電流を変調する。レーザ光源5は、例えばRGB用に3個の半導体レーザ(5a,5b,5c)を有し、画像信号のRGB毎に画像信号に対応したRGBのレーザ光を出射する。
RGBの3つのレーザ光は、3個のミラー6a,6b,6cを有する反射ミラー6により合成され、調光素子7に出射される。反射ミラー6は特定の波長の光を反射し、それ以外の波長の光を透過する特殊な光学素子(ダイクロイックミラー)で構成される。詳しくは、半導体レーザ5aから出射されたレーザ光(例えばR光)を反射し他の色のレーザ光を透過するダイクロイックミラー6aと、半導体レーザ5bから出射されたレーザ光(例えばG光)を反射し他の色のレーザ光を透過するダイクロイックミラー6bと、半導体レーザ5cから出射されたレーザ光(例えばB光)を反射し他の色のレーザ光を透過するダイクロイックミラー6cとを有する。これにより、RGBの3つのレーザ光を1つのレーザ光に合成して、調光素子7に出射する。
調光素子7は、使用環境の明るさ等に応じて表示画像の明るさを調整するためのもので、本実施例では液晶素子を用いる。液晶素子は、印加電圧により光透過率が変化する。液晶素子に入射したレーザ光は、液晶素子の透過率に応じて光量が減衰され、透過ミラー8に向けて出射する。尚、ここは調光素子7を液晶素子としているが、液晶素子単体ではなく、液晶素子に偏光板あるいは偏光ビームスプリッター等を組み合わせたものでもよい。以下、調光素子7を通過したレーザ光を投射光と呼ぶ。
透過ミラー8は、大部分の光を透過し、一部の光を反射するミラーである。従って、透過ミラー8に入射した投射光の大部分は透過ミラー8を透過してMEMS走査ミラー9へ入射し、一部の光は光強度検出器11へ反射される。
MEMS走査ミラー9は2軸の回転機構を有する画像の走査部であって、中央のミラー部を水平方向と垂直方向の2つの方向に振動させることができる。MEMS走査ミラー9の振動制御はMEMSドライバ10により行われる。MEMSドライバ10は画像処理部2からの水平同期信号に同期した正弦波信号を生成し、また、垂直同期信号に同期したノコギリ波信号を生成して、MEMS走査ミラー9を駆動する。
MEMS走査ミラー9は、MEMSドライバ10からの正弦波駆動信号を受けて水平方向に正弦波共振運動を行う。これと同時に、MEMSドライバ10からのノコギリ波駆動信号を受けて垂直方向に一方向の等速運動を行う。これにより、透過ミラー8から入射するレーザ光は、表示画像15に示すような軌跡で投射面上を走査される。その走査動作はレーザ光源駆動部4によるレーザ光の変調動作と同期することで、入力画像が投射面に表示されることになる。
光強度検出器11は、投射光のうち透過ミラー8で反射された光を検出することで、MEMS走査ミラー9に向かうレーザ光の光量を測定し、増幅器12に出力する。増幅器12は、光強度検出器11の出力を、画像処理部2により設定された増幅倍率に従い増幅した後、画像処理部2へ出力する。画像処理部2は、増幅器12からの出力を目標値と比較することで、レーザ光源駆動部4の駆動電流を調整する。なお、このレーザ光強度調整処理は、垂直帰線期間において、基準の画像信号に対応するRGBの各レーザ光を検出することで実施する。
温度検出器13は、調光素子7近傍の温度を測定し画像処理部2へ出力する。画像処理部2は、入力する温度に応じて、レーザ光強度調整処理における調整期間の長さを設定する。これは後述するように、調光素子7(液晶素子)の透過率応答に温度依存性が存在するためである。温度検出器13は、調光素子7の近傍、もしくはレーザ投射表示装置1の筐体内に配置される。
CPU14は、レーザ投射表示装置1全体の制御を行うとともに、外部からの制御信号を受け付ける。例えば、表示画像15の明るさを指定する調光信号を入力し、画像処理部2を介して調光素子7の透過率を制御する。
図2は、図1の画像処理部2及びレーザ光源駆動部4の内部構成を示す図である。
まず、画像処理部2の動作について説明する。外部から入力される画像信号は、画像補正部20に入力される。画像補正部20は、入力された画像信号に対し、MEMS走査ミラー9の走査に起因する画像歪み補正、及び画像信号レベルに基づく階調調整などを行う。補正後の画像信号27はタイミング調整部21へ送出される。
まず、画像処理部2の動作について説明する。外部から入力される画像信号は、画像補正部20に入力される。画像補正部20は、入力された画像信号に対し、MEMS走査ミラー9の走査に起因する画像歪み補正、及び画像信号レベルに基づく階調調整などを行う。補正後の画像信号27はタイミング調整部21へ送出される。
タイミング調整部21は、水平同期信号(H)と垂直同期信号(V)を生成し、MEMSドライバ10及び光量調整部22に送出する。また、画像補正部20から入力される補正後の画像信号27は、一旦フレームメモリ3に格納される。フレームメモリ3に書き込まれた画像信号27は、タイミング調整部21で生成される水平同期信号と垂直同期信号に同期した読み出し信号で読み出される。その結果、フレームメモリ3から読み出される画像信号27’は、書き込まれる画像信号27に対して、1フレーム分遅延する。
フレームメモリ3から読み出された画像信号27’は、ラインメモリ23に入力される。ラインメモリ23は1水平表示期間分の画像信号を取り込み、次の水平表示期間で順次読み出して、画像信号28としてレーザ光源駆動部4へ供給する。ここでラインメモリ23を中継する理由は、フレームメモリ3から画像信号27’を読み出すクロック周波数と、画像信号28をレーザ光源駆動部4へ伝送するクロック周波数が異なる場合に、その差をラインメモリ23への書き込みと読み出しの周波数で調整するためである。
光量調整部22は、光強度検出器11の出力を増幅器12で増幅した信号(P)33を入力し、投射光の強度が目標値Poとなるようレーザ光源駆動部4を制御する。そのため光量調整部22は、画像の非表示期間である垂直帰線期間において、調整用に用いるRGB各色の基準画像信号(So)31をレーザ光源駆動部4に送出し、このとき得られる調光素子7通過後のレーザ光(投射光)の強度(P)33を測定する。そして、この測定値Pが目標値Poとなるように、レーザ光源駆動部4に対するオフセット電流設定信号29、電流ゲイン設定信号30などの電流設定信号を調整する。これにより、経時劣化によるレーザ光の強度低下や、周囲環境の温度変化によるレーザ光量の変動に加え、調光素子7の透過率の変化に伴う画像のホワイトバランスのずれ(RGB光の強度比)を補正する。つまり、レーザ光源5に流れる電流をRGB各色で最適に調整してレーザ光量を目標値に追従させることで、投射画像を一定のホワイトバランスに保持するものである。
次に、レーザ光源駆動部4の動作について説明する。レーザ光源駆動部4は、ラインメモリ23が出力する画像信号28、もしくは光量調整部22から入力される基準画像信号(So)31を、レーザ光源5に供給する電流値に変換する電流設定部である。この電流設定のため、電流ゲイン回路24とオフセット電流回路25を有する。
電流ゲイン回路24は、画像信号28もしくは基準画像信号(So)31の画像信号値Sに電流ゲインβを乗算することで、レーザ光源5に流れる信号電流値β×Sを決定する。その際の電流ゲインβは、光量調整部22から電流ゲイン設定信号30にて与えられる。電流ゲインβを増減することで、画像信号28もしくは基準画像信号(So)31に比例する信号電流値成分を増減させる。
オフセット電流回路25は、レーザ光源5に流れる電流値の下限値(オフセット成分)を決定する。その際のオフセット電流値αは、光量調整部22からオフセット電流設定信号29にて与えられる。オフセット電流値αは、画像信号28もしくは基準画像信号(So)31に依存しない固定値である。
レーザ光源駆動部4は、電流ゲイン回路24で決定された信号電流値β×Sに、オフセット電流回路25で決定されたオフセット電流値αを加算し、合計の電流値26(=β×S+α)をレーザ光源5に供給する。
ここで、調光処理に伴うホワイトバランスずれについて説明する。調光素子7として用いる液晶素子は、透過率特性が波長毎に異なるため、調光処理により透過率を変化させると、表示する画像のホワイトバランスがずれてしまい、画像の色が変化してしまう問題がある。よって、調光レベルに応じてRGB光の強度バランスを調整することになるが、透過率が小さく暗い画面の場合には、光強度検出器11で検出できる光量が少なくなるため、調整精度が低下してホワイトバランスを安定に維持するのが困難となる。本実施例ではこの問題を、増幅器12の増幅倍率を可変とすることで解決する。以下、本実施例における光量調整部22による調光処理とレーザ光強度調整処理を詳細に説明する。
図3は、一般的な液晶素子の印加電圧と透過光強度の関係を示す図であり、縦軸の透過光強度Qは、透過率が最大となる印加電圧で正規化したものである。ここでは、印加電圧Vt=0時に透過率が最小となるノーマリーブラックの液晶素子の特性を一例として示す。一般に液晶素子は、波長毎に透過率特性が異なるため、印加電圧Vtに対するRGB各色の透過光強度Qは図3のように一致しなくなる。
表示画像15のホワイトバランスを維持するためには、画像信号と投射光強度が、RGB各色について、常に一対一に対応していなければならない。そのため光量調整部22は、RGB各色の基準の画像信号(So)31をレーザ光源駆動部4へ送出し、そのときの投射光強度Pを光強度検出器11と増幅器12を介して測定する。そして、各色の投射光強度の測定値Pが予め定めた目標値Poとなるように、オフセット電流設定信号29及び電流ゲイン設定信号30を決定する(以下、投射光強度調整処理という)。例えば図3において、液晶素子の透過率が最大となるA点における各色の投射光強度が目標値Poとなるよう調整することで、A点における表示画像15のホワイトバランスを維持することができる。
しかしながら、調光処理のために液晶素子の印加電圧VtをB点に変化させると、透過率強度Q(透過率)がA点に対しおよそ半分となる。よって、投射光強度の新たな目標値PoをA点における目標値の半分に設定し、投射光強度調整処理を実施することになる。しかし、図3に示す通りRGB毎に透過率の変化が異なるため、目標値Poを各色一律に半分に設定するだけでは、A点とB点とではホワイトバランス状態が変化するという第1の問題がある。これを回避するため、第1の手段として、RGB毎に液晶素子の透過率と投射光強度の目標値Poの関係を定め、テーブルに保持することとする。これにより、調光処理時のRGB毎の透過率の差を救済することができる。
第2の問題は、調光処理時のダイナミックレンジの低下である。液晶素子の印加電圧Vtを下げて透過率を小さくするにつれて、投射光強度の測定値Pとその目標値Poは小さくなる。つまり、光量調整部22にて投射光強度を調整するときのダイナミックレンジ(信号レベル)が低下するため、透過率が大きい場合と比較して、投射光強度の調整精度が相対的に悪化する。例えばA点に比べてB点ではダイナミックレンジが1/2倍になり、これにより、表示画像のホワイトバランス状態が不安定になるという問題が生じる。このように、色毎に液晶素子の透過率と投射光強度の目標値の関係を設定する第1の手段だけでは、投射光強度を必ずしも最適に調整できない。そこで本実施例では、第2の手段として、液晶素子の印加電圧Vt(透過率)に応じて増幅器12の増幅倍率Gを変化させ、これを色毎に設定する構成とした。
図4は、液晶素子への印加電圧Vtと増幅器12に設定する増幅倍率Gの関係の一例を示す図である。印加電圧Vtを下げて透過率を小さくした場合は、増幅器12に対して増幅倍率Gを大きく設定する。好ましくは、増幅倍率Gを透過率の変化にほぼ逆比例させて設定するのが良い。さらに、図3で示したように波長毎に透過率特性が異なるので、これに対応させて色毎に増幅倍率を異ならせて設定することで、波長毎の透過率の違いを補償することも可能となる。
このように光量調整部22は、調光素子(液晶素子)7に対する印加電圧Vtの信号32と、増幅器12に対する増幅倍率Gの信号34とを連動させて設定する。その結果、増幅器12から光量調整部22に入力する投射光強度信号Pのレベルは透過率によらずほぼ一定となる。例えば、液晶素子の透過率が1/2倍のとき、増幅器12の増幅倍率を2倍とすれば、光量調整部22に入力する投射光強度信号Pは、液晶素子の透過率が1倍、増幅器12の増幅倍率が1倍の時と同等となる。なお、投射光強度の目標値Poは透過率が1倍のときと同じとする。これらの印加電圧Vt、増幅倍率G、目標値Poの関係は、テーブルにて保持しておく。これにより、透過率が小さい場合でも光量調整部2に入力する投射光強度Pのダイナミックレンジは低下することはなく、投射光強度の調整精度は維持され、ユーザにはホワイトバランスの変動が視認されにくくなる。すなわち、調光素子(液晶素子)7による調光処理を行った状態においても、ホワイトバランスを安定に維持することができる。
図4の説明では、増幅器12の増幅倍率Gを透過率の変化に逆比例させて設定するものとしたが、増幅器12の増幅倍率Gを無限に大きく設定することは難しい、よって、増幅倍率Gに最大値Gmaxを設け、最大値Gmaxを超える領域では投射光強度の目標値Poを変化させて設定する構成でもよい。
図5Aは、増幅倍率に最大値を設定したときの投射光強度の目標値との関係を示す図である。ここでは簡単化のために、単色成分のみ示している。投射光強度の目標値Poは、透過率最大時(A点)との比率(相対値)で示している。液晶素子の印加電圧VtがC点の時に増幅器12の増幅倍率が最大Gmaxとなり、印加電圧がC点より低くなる領域では、増幅倍率は最大値Gmaxのままとする。一方、投射光強度の目標値Poは、印加電圧がC点より低い領域では、液晶素子の透過率に応じて小さくしている。
図5Bは、図5Aの設定条件を記述したテーブルの例を示す図である。このテーブル(LUT:Look Up Table)では、印加電圧がC点以下の領域では、増幅倍率Gを最大値Gmax=100倍とし、目標値Poは0.7〜1の値としている。
図5A,図5Bの構成においても、液晶素子の印加電圧がC点よりも低い領域において光量調整部22に入力する投射光強度信号Pのダイナミックレンジは大幅に低下することがないため、投射光強度の調整精度は維持され、ユーザにはホワイトバランスの変動が視認されにくくすることが可能である。
図6は、実施例1における投射光強度調整処理を示すフローチャートである。投射光強度調整処理は、画像処理部2内の光量調整部22が中心となって実施する。
S100では、光量調整部22は現在の動作状態が垂直帰線期間中か否かを判断する。垂直帰線期間でない場合は垂直帰線期間に入るまで待機する。
S100では、光量調整部22は現在の動作状態が垂直帰線期間中か否かを判断する。垂直帰線期間でない場合は垂直帰線期間に入るまで待機する。
垂直帰線期間中の場合はS101に移行し、光量調整部22は、直前の垂直表示期間中にCPU14から調光信号が入力されたかを判定する。調光信号が入力された場合はS102に、入力されていない場合はS105に移行する。
S102では、光量調整部22は、入力された調光信号に応じて調光素子(液晶素子)7への印加電圧Vtを変更する。S103では、S102で設定した印加電圧Vtに対応して、各色の増幅器12の増幅倍率Gを更新する。S104では、S102で設定した印加電圧Vtに対応して、各色の投射光強度の目標値Poを更新する。ここで、調光信号に対する液晶素子への印加電圧Vt、各色の増幅倍率G、及び投射光強度の目標値Poは、予め保持されているテーブル(例えば図5B)から取得する。なお、S101で調光信号が入力されていない場合は、S102〜S104における印加電圧Vt、増幅倍率G、目標値Poの各値は、前回の更新値を維持する。
次に、S105では、各色(i=1,2,3)についてS110までのループを繰り返す。例えばi=1,2,3はR、B、Gに対応させる。
S106では、光量調整部22は、S103で更新した色iの増幅倍率Gを、増幅器12に対して設定する。S107では、光量調整部22は、色iの基準画像信号(So)31をレーザ光源駆動部4へ送出することで、強度検出用発光を実施する。S108では、色iの投射光強度Pを光強度検出器11及び増幅器12を介して測定する。
S109では、S108で測定した色iの投射光強度Pと、S104で更新した目標値Poを比較する。S110では、測定値Pを目標値Poに近づけるよう色iの電流設定信号を決定する。具体的には、投射光強度の測定値Pが目標値Poよりも低い場合、S107で実施した強度検出用発光時の電流設定信号に対し、第一電流変化量分Δγ1だけ増加させる。逆に、投射光強度の測定値Pが目標値Poよりも高い場合には、S107で実施した強度検出用発光時の電流設定信号に対し、第一電流変化量分Δγ1だけ減少させる。第一電流変化量分Δγ1の電流の増加または減少では、電流ゲイン回路24における電流ゲインβもしくはオフセット電流回路25におけるオフセット電流値αを変化させる。
ここで、第一電流変化量Δγ1とは、レーザ光源5から出射される光強度が略3%以下の変動量となる微小の電流変化量である。なぜなら、レーザ光源5に印加する電流を大幅に増加・減少を行うと、画面全体の輝度及び色が同時に変化するため、ユーザに画面のちらつき(フリッカ)を視認させてしまう。特に、表示画像の変化がフレーム間で小さい場合は、視認される割合が高くなる。そのため、フレーム間でレーザ光源5から出射される光強度が略3%以下の微小の変動量となる第一電流変化量Δγ1だけ電流を増加・減少させることで、ユーザにフリッカを視認させなくすることが可能となる。
各色について電流設定信号を決定したら(S105のループ終了)、S100に戻り、次の垂直帰線期間に入るまで待機する。以上の工程によれば、投射光強度の測定値Pと目標値Poとの差が大きい場合には、電流の増減調整を複数フレームに分散して実施することになるので、ユーザにフリッカを視認させることがない。
実施例1によれば、調光素子(液晶素子)7の透過率に応じて増幅器12の増幅倍率を設定し、投射光強度調整処理を実施することで、いずれの透過率においてもホワイトバランスを安定に維持することができる。すなわち、液晶素子の透過率が小さい領域では増幅器12の増幅倍率を大きく設定することで、光量調整部22に入力する増幅された投射光強度のダイナミックレンジが低下せず、投射光強度調整の精度が維持され、ユーザにホワイトバランスの変化が視認されにくいレーザ投射表示装置を提供することができる。
実施例1では、投射光強度調整処理において、レーザ光源に印加する電流を微小な電流変化量(第一電流変化量Δγ1)だけ増加・減少させる構成とした。これに対し実施例2では、調光時の調光素子(液晶素子)の透過率の変化量が所定量(閾値)よりも大きい場合には、レーザ光源に印加する電流を第一電流変化量Δγ1よりも大きい第二電流変化量Δγ2だけ増加・減少させる構成(調光時高速処理)とする。これにより、液晶素子の応答前後における画像のホワイトバランスを維持すると共に、応答中のホワイトバランスの変化を視認させにくくすることが可能となる。なお、実施例2におけるレーザ投射表示装置1の構成は実施例1(図1、図2)と共通であり、その詳細な説明を省略する。
図7は、一般的な液晶素子における透過率の応答特性を示す図である。横軸に時間を、縦軸に透過光強度Qを示している。時刻0で液晶素子の透過率を最小値から最大値へ切換えるように印加電圧を加えた際の、透過光強度Qの時間変化を示す。この例では、印加電圧切換後、透過光強度Qが最大となるまでにおよそ35msの応答時間を要している。これに対し、表示画像のフレーム周波数が60Hzの場合、1フレーム期間はおよそ16msであるから、1フレームの垂直帰線期間中には液晶素子の応答は終了しない。つまり、液晶素子への印加電圧を変更しても、該当フレームだけでなく、次フレームの垂直帰線期間に渡り透過率の変化が続くことになる。その際、図3で示したように透過率の変化は波長毎に異なるため、次フレームの垂直表示期間中の画像のホワイトバランスがずれるという問題が生じる。
しかしながら、印加電圧の切換において透過率の変化量が大きい場合は、表示画像の輝度変化も大きい。ユーザの目には急峻な輝度の変化は視認されるが、おおよそのホワイトバランスが応答前と一致していれば、該当フレームにおける画像内のホワイトバランスのずれは視認されにくい。そこで本実施例では、液晶素子の透過率の変化量ΔDが予め定めた閾値ΔDo(例えば5%の変化量とする)よりも大きい場合には、所定フレーム数の垂直帰線期間に渡り、透過率の変化量ΔDに対応してホワイトバランスを一致させるための投射光強度Poを目標として、レーザ光源に印加する電流を第二電流変化量Δγ2だけ増加・減少させる調光時高速処理を行う。この第二電流変化量Δγ2は、実施例1における第一電流変化量Δγ1よりも大きい値となる。これにより、液晶素子の応答中および応答完了直後のホワイトバランスの変化を視認しにくくすることが可能となる。
以下、本実施例における第二電流変化量Δγ2の設定法を説明する。
図8は、半導体レーザの光量−順方向電流特性を示す図である。横軸は印加電流I、縦軸は光量Lである。特性直線上の2点A、Bは、印加電流Iが所定の電流差Isだけ異なる動作点である。また2点A、Bは、調整時の光量Lの目標値Poを挟むような動作点である。光強度検出では、A点及びB点に対応する電流Ia,Ibでレーザ光源を2回発光させる。ここで、電流差Isを有する電流Ia,Ibの与え方は、電流ゲイン回路24における電流ゲインβ、オフセット電流回路25におけるオフセット電流値α、基準の画像信号(So)31のいずれを変更させてもよい。
図8は、半導体レーザの光量−順方向電流特性を示す図である。横軸は印加電流I、縦軸は光量Lである。特性直線上の2点A、Bは、印加電流Iが所定の電流差Isだけ異なる動作点である。また2点A、Bは、調整時の光量Lの目標値Poを挟むような動作点である。光強度検出では、A点及びB点に対応する電流Ia,Ibでレーザ光源を2回発光させる。ここで、電流差Isを有する電流Ia,Ibの与え方は、電流ゲイン回路24における電流ゲインβ、オフセット電流回路25におけるオフセット電流値α、基準の画像信号(So)31のいずれを変更させてもよい。
これらの2点発光で測定される投射光強度Pa,Pbと、投射光強度の目標値Poを比較することで、目標値Poに対応する電流設定信号Io’を決定する。目標値Poは、基準の画像信号31に対応する値である。具体的には、測定した投射光強度Pa,Pbと電流差Isから単位電流あたりの投射光強度の変化量((Pa−Pb)/Is)を求め、投射光強度の目標値PoとPbとの差から、基準の画像信号31に対応する電流値Io’を(1)式から求める。
Io’=Ib+(Po−Pb)/((Pa−Pb)/Is) (1)
Io’=Ib+(Po−Pb)/((Pa−Pb)/Is) (1)
そして、電流ゲイン回路24における電流ゲインβもしくはオフセット電流回路25におけるオフセット電流値αを、基準の画像信号31に対する電流値がIo’となるよう設定する。言い換えれば、変更前の電流値Ioに対して、変更後の電流値がIo’となるように第二電流変化量Δγ2を決定し、Δγ2だけ増加または減少させる。
Δγ2=Abs(Io’−Io) (2)
Δγ2=Abs(Io’−Io) (2)
ここで、第二電流変化量Δγ2は、第一電流変化量Δγ1よりも大きい。しかし、透過率変化量ΔDが大きい場合は輝度変化も大きいために、ユーザの目には画像の急峻な輝度の変化が視認されるものの、レーザ光源に対する電流の変化(第二電流変化量Δγ2)によるフリッカは、ユーザには相対的に視認されにくくなる。
前記したように、実施例2においては透過率の変化量が大きく、液晶素子への印加電圧を変更しても該当フレームの垂直帰線期間中に液晶素子の応答は終了せず、複数フレームに渡って液晶素子の透過率の変化が続くことになる。そこで、投射光強度調整処理(第二電流変化量Δγ2による調光時高速処理)もこれに合わせ、複数フレームで継続して実施する必要があり、予め継続フレーム数を定めておくのがよい。
図9は、調光時高速処理の継続フレーム数の例を示す図である。ここでは温度Tと継続フレーム数Fmaxとの関係を示している。この温度Tは、温度検出器13で測定される。設定(a)では、低温になる程継続フレーム数Fmaxの値を大きくしている。これは、一般的に液晶素子の応答速度は低温になる程遅くなるためであり、これに対応するために、高温時よりも低温時の方で継続フレーム数Fmaxを大きくしている。また設定(b)では、低温時において極端に応答速度が低下するような場合、つまり急峻な透過率の変化ができない場合を想定している。この場合には、例えば−20℃未満においてFmaxを0とし、調光時高速処理を実施しないようにしてもよい。
図10は、実施例2における投射光強度調整処理を示すフローチャートである。
S200では、光量調整部22は現在の動作状態が垂直帰線期間中か否かを判断する。垂直帰線期間でない場合は垂直帰線期間に入るまで待機する。
S200では、光量調整部22は現在の動作状態が垂直帰線期間中か否かを判断する。垂直帰線期間でない場合は垂直帰線期間に入るまで待機する。
垂直帰線期間中の場合はS201に移行し、光量調整部22は、直前の垂直表示期間中にCPU14から調光信号が入力されたかを判定する。調光信号が入力された場合はS202に、入力されていない場合はS207に移行する。
S202では、光量調整部22は、入力された調光信号に応じて、調光素子(液晶素子)7への印加電圧Vtを変更する。S203では、S202で設定した印加電圧Vtに対応して、各色の増幅器12の増幅倍率Gを更新する。S204では、S202で設定した印加電圧Vtに対応して、各色の投射光強度の目標値Poを更新する。
次にS205では、S201で入力された調光信号を用いて、当該フレームにおける液晶素子の透過率変化量を計算し、その透過率変化量ΔDが所定値(閾値)ΔDoより大きいか否かを判定する。大きい場合はS206に、小さい場合はS207に移行する。例えば、直前フレームまでの透過率が90%であり、S201で入力された調光信号により透過率を60%に変更した場合、当該フレームにおける液晶素子の透過率変化量ΔDは30%である。閾値ΔDoを5%とした場合、当該フレームにおける液晶素子の透過率変化量ΔDの方が大きいため、S206に移行する。
S206では、調光時高速処理を実施する残フレーム数を表す変数Fに、調光時高速処理の継続フレーム数であるFmaxを代入する。この継続フレーム数Fmaxは、図9に示すテーブルから、現在の温度Tに対応する値を読み取って設定する。S207では、変数Fが0か否かを判定する。変数Fが0の場合はS216へ進み、実施例1(図6)と同様の工程(S105〜S110)を実施する。すなわち、レーザ光源に印加する電流を微小な電流変化量(第一電流変化量Δγ1)だけ増加・減少させる処理を行う。
S207の判定で変数Fが0でない場合、つまり調光時高速処理を実施する場合は、S208に移行する。S208では、ループ1(S209〜S214)を繰り返して、1つの垂直帰線期間においてjmax回の電流設定処理を行う。次に、S209では、ループ2(S210〜S214)を繰り返して、各色(i=1,2,3)について電流設定処理を行う。例えばi=1,2,3はR、B、Gに対応させる。
S210では、光量調整部22は、S203で更新した色iの増幅倍率Gを、増幅器12に対して設定する。S211では、光量調整部22は、色iの基準画像信号(So)31をレーザ光源駆動部4へ送出することで、強度検出用発光を実施する。ただしこの強度検出用発光では、図8で説明したように、電流差Isを有する2点A,B(電流値Ia,Ib)で発光させる。S212では、色iの2点A,Bでの投射光強度Pa,Pbを光強度検出器11及び増幅器12を介して測定する。
S213では、S212で測定した色iの投射光強度Pa,Pbと、S204で更新した目標値Poを比較し、測定値Pa,Pbと目標値Poの差分を求める。S214では、測定値Pa,Pbと目標値Poの差分から、(1)式を用いて、色iの目標の電流設定信号Io’を決定する。言い換えれば、電流ゲイン回路24における電流ゲインβもしくはオフセット電流回路25におけるオフセット電流値αを変化させ、現在の電流設定信号Ioから目標の電流設定信号Io’になるよう、(2)式で示す第二電流変化量Δγ2だけ増加または減少させる。
以上のS210〜S214の工程を、各色(i=1,2,3)について実施し(ループ2)、更に1つの垂直帰線期間において、jmax回繰り返す(ループ1)。これらのループを終了したら、当該フレームにおける調光時高速処理を終了し、S215に移行し、調光時高速処理を実施する残フレーム数Fを「1」だけデクリメントして、S200へ戻る。そして、次フレームの垂直帰線期間まで待機して、上記した調光時高速処理を繰り返す。これにより、S206で設定した継続フレーム数Fmaxに渡り調光時高速処理を実施することができる。また、S207の判定で残フレーム数Fが0になった場合は、S216に移行して微小な電流変化量(第一電流変化量Δγ1)だけ増加・減少させる処理に切り替える。
なお、上記の処理フローでは、ループ1(S208)にて垂直帰線期間中にjmax回の調光時高速処理を行うようにしたが、jmaxの値は、繰り返し処理に要する時間が1つの垂直帰線期間を超えないように設定するのは言うまでもない。複数回の調光時高速処理が困難である場合は、jmax=1として、1つの垂直帰線期間中に1回のみ実施する構成としてもよい。
実施例2によれば、調光素子(液晶素子)7の透過率の変化量が所定量よりも大きい場合に、所定フレーム数の期間に渡り、レーザ光源に印加する電流を第一電流変化量Δγ1よりも大きい第二電流変化量Δγ2で増加・減少させる調光時高速処理を実施する。これにより、液晶素子の応答前後における画像のホワイトバランスを維持すると共に、液晶素子が応答中のホワイトバランスの変化を視認させにくいレーザ投射表示装置を提供できる。
1…レーザ投射表示装置、2…画像処理部、3…フレームメモリ、4…レーザ光源駆動部、5…レーザ光源、6…反射ミラー、7…調光素子(液晶素子)、8…透過ミラー、9…MEMS走査ミラー、10…MEMSドライバ、11…光強度検出器、12…増幅器、13…温度検出器、14…CPU、15…表示画像、20…画像補正部、21…タイミング調整部、22…光量調整部、23…ラインメモリ、24…電流ゲイン回路、25…オフセット電流回路、32…調光素子の印加電圧(Vt)、33…投射光強度信号(P)、34…増幅器の増幅倍率(G)。
Claims (10)
- 画像信号に応じた複数の色のレーザ光を走査ミラーにより走査して投射し前記画像信号に応じた画像を表示するレーザ投射表示装置において、
前記複数の色のレーザ光を発生するレーザ光源と、
前記レーザ光源を駆動するレーザ光源駆動部と、
前記レーザ光源から前記走査ミラーへの光路上に配置され、透過率を変化させることで通過するレーザ光の強度を調整する調光素子と、
前記調光素子を通過したレーザ光の強度を検出する光強度検出器と、
前記光強度検出器の出力を増幅する増幅器と、
前記調光素子の透過率及び前記増幅器で増幅されたレーザ光の強度の測定値に基づき、前記レーザ光源駆動部に対し前記レーザ光源から発生するレーザ光の光量を調整する光量調整部を備え、
前記光量調整部は、前記調光素子の透過率に応じて前記増幅器の増幅倍率を変化させることを特徴とするレーザ投射表示装置。 - 請求項1に記載のレーザ投射表示装置において、
前記光量調整部は、前記複数の色に対する前記増幅器の増幅倍率を、前記調光素子の前記複数の色に対する透過率にほぼ逆比例させて設定するとともに、前記レーザ光の強度の目標値を前記調光素子の透過率によらずほぼ一定値に設定することを特徴とするレーザ投射表示装置。 - 請求項2に記載のレーザ投射表示装置において、
前記光量調整部は、前記増幅器に設定する前記増幅倍率に最大値を設定し、前記増幅倍率が前記最大値に達する領域では、前記レーザ光の強度の目標値を前記調光素子の透過率に応じて小さい値に設定することを特徴とするレーザ投射表示装置。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載のレーザ投射表示装置において、
前記光量調整部は、
前記調光素子の透過率の変化量ΔDが閾値ΔDoより小さい場合、前記画像信号の垂直帰線期間内において、前記レーザ光の強度の測定値を目標値と比較し、前記レーザ光源駆動部に対し、前記レーザ光源に流す電流を第一電流変化量Δγ1だけ増加または減少させる信号を送出し、
前記調光素子の透過率の変化量ΔDが前記閾値ΔDoより大きい場合、所定フレーム数の期間に渡り前記画像信号の垂直帰線期間内において前記レーザ光の強度の測定値を前記目標値と比較し、前記レーザ光源駆動部に対し、前記レーザ光源に流す電流を前記第一電流変化量Δγ1よりも大きい第二電流変化量Δγ2だけ増加または減少させる信号を送出することを特徴とするレーザ投射表示装置。 - 請求項4に記載のレーザ投射表示装置において、
前記透過率の変化量の前記閾値ΔDoは5%であり、
前記第一電流変化量Δγ1は、前記レーザ光源から発生されるレーザ光の強度が略3%以下の変動量となる電流変化量であり、
前記第二電流変化量Δγ2は、前記レーザ光の強度の測定値を前記目標値に一致させるための電流値Io’と、変更前の電流値Ioとの差分量であることを特徴とするレーザ投射表示装置。 - 請求項4または5に記載のレーザ投射表示装置において、
前記調光素子の近傍の温度を検出する温度検出器を有し、
前記温度検出器による検出温度が低温になる程、前記レーザ光源に流す電流を前記第二電流変化量Δγ2だけ変化させる処理を行う前記所定フレーム数の期間を、長く設定することを特徴とするレーザ投射表示装置。 - 請求項6に記載のレーザ投射表示装置において、
前記温度検出器の検出温度が−20℃未満時は、前記所定フレーム数の期間を設けず、前記レーザ光源に流す電流を前記第一電流変化量Δγ1だけ変化させる処理を行うことを特徴とするレーザ投射表示装置。 - 画像信号に応じた複数の色のレーザ光を走査ミラーの振動により走査して前記画像信号に応じた画像を表示するレーザ投射表示装置において、
前記複数の色のレーザ光を発生するレーザ光源と、
前記レーザ光源を駆動するレーザ光源駆動部と、
前記レーザ光源から前記走査ミラーへの光路上に配置され、透過率を変化させることで通過するレーザ光の強度を調整する調光素子と、
前記調光素子を通過したレーザ光の強度を検出する光強度検出器と、
前記光強度検出器の出力を増幅する増幅器と、
前記調光素子の透過率及び前記増幅器で増幅された前記レーザ光の強度の測定値に基づき、前記レーザ光源駆動部に対し前記レーザ光源から発生するレーザ光の光量を調整する光量調整部を備え、
前記光量調整部は、
前記調光素子の透過率の変化量ΔDが閾値ΔDoより小さい場合、前記画像信号の垂直帰線期間内において、前記レーザ光の強度の測定値を目標値と比較し、前記レーザ光源駆動部に対し、前記レーザ光源に流す電流を第一電流変化量Δγ1だけ増加または減少させる信号を送出し、
前記調光素子の透過率の変化量ΔDが前記閾値ΔDoより大きい場合、所定フレーム数の期間に渡り前記画像信号の垂直帰線期間内において前記レーザ光の強度の測定値を前記目標値と比較し、前記レーザ光源駆動部に対し、前記レーザ光源に流す電流を前記第一電流変化量Δγ1よりも大きい第二電流変化量Δγ2だけ増加または減少させる信号を送出することを特徴とするレーザ投射表示装置。 - 画像信号に応じた複数の色のレーザ光を走査ミラーにより走査して投射し前記画像信号に応じた画像を表示する際の投射光強度調整方法において、
レーザ光源から前記複数の色のレーザ光を発生するステップと、
前記レーザ光源から前記走査ミラーへの光路上に調光素子を配置し、前記調光素子の透過率を変化させることで投射するレーザ光の強度を調整するステップと、
前記調光素子を通過したレーザ光の強度を検出するステップと、
増幅器により前記検出したレーザ光の強度を増幅するステップと、
前記調光素子の透過率及び前記増幅器で増幅されたレーザ光の強度の測定値に基づき、前記レーザ光源から発生するレーザ光の光量を調整するステップを備え、
前記増幅器の増幅倍率を前記調光素子の透過率に応じて変化させることを特徴とする投射光強度調整方法。 - 請求項9に記載の投射光強度調整方法において、
前記調光素子の透過率の変化量ΔDが閾値ΔDoより小さい場合、前記画像信号の垂直帰線期間内において、前記レーザ光の強度の測定値を目標値と比較し、前記レーザ光源に流す電流を第一電流変化量Δγ1だけ増加または減少させ、
前記調光素子の透過率の変化量ΔDが前記閾値ΔDoより大きい場合、所定フレーム数の期間に渡り前記画像信号の垂直帰線期間内において前記レーザ光の強度の測定値を前記目標値と比較し、前記レーザ光源に流す電流を前記第一電流変化量Δγ1よりも大きい第二電流変化量Δγ2だけ増加または減少させることを特徴とする投射光強度調整方法。
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JP2019117672A JP2021004937A (ja) | 2019-06-25 | 2019-06-25 | レーザ投射表示装置及び投射光強度調整方法 |
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