JP2021004807A - 放射性核種の製造方法および放射性核種の製造システム - Google Patents

放射性核種の製造方法および放射性核種の製造システム Download PDF

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Abstract

【課題】放射線の照射によって生成した目的の放射性核種を簡便な操作で分離することが可能であり、分離に伴う放射性廃棄物の発生が低減する放射性核種の製造方法および放射性核種の製造システムを提供する。【解決手段】放射性核種の製造方法は、原料となる核種が存在するターゲット材10に放射線を照射して放射性核種を生成する工程と、ターゲット材10と液体30とを接触させて放射性核種を液体30中に溶離させる工程とを含み、ターゲット材10は、液体30を通液可能な多孔体または粒状体である。放射性核種の製造システム100は、原料となる核種が存在するターゲット材10と、ターゲット材10に放射線を照射して放射性核種を生成する照射部1と、ターゲット材10と液体30とを接触させて放射性核種を液体30中に溶離させる溶離部2とを備え、ターゲット材10は、液体30を通液可能な多孔体または粒状体である。【選択図】図1

Description

本発明は、放射線の照射による原子核反応や放射性壊変を利用した放射性核種の製造方法および放射性核種の製造システムに関する。
核医学の分野では、診断や治療等に放射性核種が利用されている。放射性核種は、所定の薬物動態を示す薬剤に結合ないし標識され、その薬剤が患者に投与される。薬剤が特定の病巣、組織、細胞等に集積する作用を利用して、放射性核種からの内部照射による治療や、放射線分布に基づく診断が行われている。
治療に用いられる放射性核種としては、α線を放出するアクチニウム225(Ac−225)、ラジウム223(Ra−223)、ビスマス213(Bi−213)、アスタチン211(At−211)等や、β線を放出するヨウ素131(I−131)、イットリウム90(Y−90)、ストロンチウム89(St−89)等が知られている。治療用の放射性核種は、各種のがん細胞を死滅させる内部照射療法に用いられている。
診断に用いられる放射性核種としては、γ線を放出するテクネチウム99m(Tc−99m)、ガリウム67(Ga−67)等や、β線を放出するフッ素18(F−18)、酸素15(O−15)、窒素14(N−14)、炭素11(C−11)等が知られている。診断用の放射性核種は、SPECT(Single photon emission computed tomography:単一光子放射断層撮影)や、PET(Positron emission tomography:ポジトロン断層撮影)に用いられている。
一般に、放射性核種は、原料となる核種に放射線を照射して原子核反応により放射性核種を生成させた後、目的の放射性核種を化学分離する方法で生産されている。原子核反応を惹起するための放射線としては、荷電粒子線、中性子線、制動放射線等が用いられている。放射線源としては、原子炉、サイクロトロン、線形加速器等が利用されている。目的の放射性核種の化学分離には、沈殿分離、抽出分離、クロマトグラフィ等の種々の方法が利用されている。
テクネチウム99mは、励起状態で準安定状態(meta stable)であり、基底状態に核異性体転移するときにγ線を放出する性質を持つため、診断用の放射性核種として多用されている。テクネチウム99mの一般的な原料は、モリブデン99(Mo−99)である。親核種であるモリブデン99のβ崩壊によって、娘核種であるテクネチウム99mが生成されている。
モリブデン99は、主に、原子炉で得られるウラン235(U−235)の核分裂生成物を分離・精製する核分裂法によって生産されている。しかし、モリブデン99の製造施設は、世界的に少数であり偏在している。また、モリブデン99の半減期は、約66時間と短く、長期間にわたる貯蔵は困難である。そのため、使用直前の空輸が必須なケースが大半である。このような供給上の問題を解消するために、天然同位体の三酸化モリブデン等を放射化する放射化法をはじめ、新たな生産法が検討されている。
各種の診断に用いられるテクネチウム99mは、半減期が約6時間と短いため、ミルキングという手法によって必要時に生成されている。ミルキングには、ジェネレータと呼ばれる装置が用いられている。ジェネレータは、カラムにアルミナを充填した装置であり、カラム中のアルミナには、モリブデン99が結合したモリブデン酸イオンが担持される。モリブデン99のβ崩壊が起こると、アルミナに対する親和性が低い過テクネチウム酸イオンに転換する。そのため、娘核種であるテクネチウム99mは、カラムに対する生理食塩水の通液によって溶出して、過テクネチウム酸イオンの化学形で回収される。
各種の治療に用いられるアクチニウム225は、α線を放出する放射性核種であり、半減期が10日程度であるため、分子標的薬等として、普及が期待されている。特許文献1に記載されているように、アクチニウム225は、ラジウム226(Ra−226)を含有するターゲットを用いて、陽子線による核反応[226Ra(p,2n)225Ac]によって生成されている。
ターゲット中に生成したアクチニウム225は、未反応のラジウム226等と混在した状態になる。そのため、特許文献2に記載されているように、放射線を照射したターゲットを溶解させた後、クロマトグラフィ等による多段階の分離・精製が行われている。
特表2002−517734号公報 特許第5145545号公報
一般に、放射性核種の製造時には、放射線を照射したターゲットを溶解させる操作や、溶解液中の放射性核種を分離・精製する操作を要する。通常、ターゲットを溶解した溶解液中には、目的の放射性核種の他に、未反応のまま残存している原料の核種や、放射性壊変によって生じた子孫核種が混在している。そのため、目的の放射性核種の回収に際しては、多段階の分離・精製が必要になるケースが多くなっている。
しかし、分離・精製処理が多段階になると、ホットセル内で行う操作が煩雑になり、放射性核種製品の生産効率が悪化することが問題となる。また、製造工程が複雑化するため、製造施設の設計上の制約が増えたり、放射性核種製品の生産コストが高くなったりする。また、廃液、廃吸着材をはじめ、分離・精製処理によって発生する放射性廃棄物が増えることも問題となる。
そこで、本発明は、放射線の照射によって生成した目的の放射性核種を簡便な操作で分離することが可能であり、分離に伴う放射性廃棄物の発生が低減する放射性核種の製造方法および放射性核種の製造システムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明に係る放射性核種の製造方法は、原料となる核種が存在するターゲット材に放射線を照射して放射性核種を生成する工程と、前記ターゲット材と液体とを接触させて放射性核種を前記液体中に溶離させる工程と、を含み、前記ターゲット材は、前記液体を通液可能な多孔体または粒状体である。
また、本発明に係る放射性核種の製造システムは、原料となる核種が存在するターゲット材と、前記ターゲット材に放射線を照射して放射性核種を生成する照射部と、前記ターゲット材と液体とを接触させて放射性核種を前記液体中に溶離させる溶離部と、を備え、前記ターゲット材は、前記液体を通液可能な多孔体または粒状体である。
本発明によると、放射線の照射によって生成した目的の放射性核種を簡便な操作で分離することが可能であり、分離に伴う放射性廃棄物の発生が低減する放射性核種の製造方法および放射性核種の製造システムを提供することができる。
放射性核種の製造システムの一例を模式的に示す図である。 ターゲット材と溶離液とを接触させる処理例(供給)を示す図である。 ターゲット材と溶離液とを接触させる処理例(浸漬)を示す図である。 ターゲット材と溶離液とを接触させる処理例(排出)を示す図である。 実施例1に係る放射性核種の製造方法を示すフローチャートである。 実施例2に係る放射性核種の製造方法を示すフローチャートである。 実施例3に係る放射性核種の製造方法を示すフローチャートである。
<放射性核種の製造方法>
はじめに、本発明の一実施形態に係る放射性核種の製造方法について説明する。なお、以下の各図において、共通する構成については同一の符号を付して重複した説明を省略する。
本実施形態に係る放射性核種の製造方法は、放射線の照射による原子核反応や放射性壊変を利用して目的の放射性核種を製造する方法である。この放射性核種の製造方法は、主要な工程として、ターゲット材に放射線を照射して放射性核種を生成する放射線照射工程と、目的の放射性核種を溶離液(液体)中に溶離させる溶離工程と、を含む。
本実施形態に係る放射性核種の製造方法では、原子核反応を惹起するための放射線の標的として、目的の放射性核種の原料となる核種が存在しているターゲット材を用いる。本実施形態に係る放射性核種の製造方法は、このようなターゲット材として、溶離液(液体)を通液可能な多孔体、または、溶離液(液体)を通液可能な粒状体を用いるものである。
製造対象とする目的の放射性核種の具体例としては、テクネチウム99m(Tc−99m)、アクチニウム225(Ac−225)、スカンジウム47(Sc−47)、スカンジウム44(Sc−44)等が挙げられる。但し、製造対象とする放射性核種の種類は、これらに限定されるものではない。
(放射線照射工程)
放射線照射工程では、原料となる核種が存在するターゲット材に、所定の種類および所定のエネルギの放射線を照射して放射性核種を生成する。多孔体または粒状体であるターゲット材に放射線を照射し、ターゲット材中に存在する原料の核種の原子核反応を惹起することにより、原料の核種を放射性核種に転換する。
製造対象とする目的の放射性核種は、原料の核種を親核種とする娘核種であってもよいし、娘核種の放射性壊変によって生じる子孫核種であってもよい。子孫核種を生じる放射性壊変としては、α崩壊、β崩壊、β崩壊、電子捕獲等が挙げられる。製造対象とする目的の放射性核種は、任意の薬剤を標識することにより、各種のがんを死滅させる内部照射等の治療用の用途や、放射線の発生源の分布の測定結果に基づく診断の用途等に用いることができる。
ターゲット材は、無機物、有機物、これらを組み合わせた複合材等、適宜の材料で形成することができる。無機物としては、無機単体、無機化合物、金属単体、合金、金属間化合物等のいずれを用いることもできる。有機物としては、合成樹脂、有機高分子、有機結晶等のいずれを用いることもできる。但し、ターゲット材の材質は、放射線劣化し難い点や、放射線・熱による形状変化が小さい点からは、無機物が好ましい。
ターゲット材に照射する放射線としては、利用する原子核反応の種類に応じて、適宜の種類および適宜のエネルギの放射線を用いることができる。放射線の具体例としては、電子線、陽子線、重陽子線や、α線等の粒子線や、中性子線、γ線、制動放射線等が挙げられる。
ターゲット材に照射する放射線として陽子線、α線、中性子線等を用いる場合、放射線の透過力が低いため、ターゲット材を薄肉形状、例えば、板状等に設けることが好ましい。一方、ターゲット材に照射する放射線としてγ線、制動放射線等を用いる場合、放射線の透過力が高いため、ターゲット材を厚肉形状、例えば、柱状等に設けることができる。
原料の核種としては、製造対象とする目的の放射性核種の種類や、利用する原子核反応や放射性壊変の種類に応じて、適宜の核種を用いることができる。原料の核種は、放射性核種であってもよいし、安定核種であってもよい。但し、原料の核種と製造対象である目的の放射性核種とは、溶離液によって互いに分離可能な組み合わせとする必要がある。
原料の核種としては、原子核反応の観点からは、ラジウム(Ra)、レニウム(Re)、ハフニウム(Hf)、モリブデン(Mo)、ゲルマニウム(Ge)、亜鉛(Zn)またはチタン(Ti)を用いることが好ましい。これらの元素の同位体を用いると、原子核反応を惹起するための放射線として、制動放射線を利用することができる。電子は、陽子や重粒子等と比較して質量が小さいため、同じ加速エネルギであれば、加速器を小型化することができる。
原料の核種は、ターゲット材自体を化学的に組成してもよいし、ターゲット材の内部に埋設してもよいし、ターゲット材の表面に担持させてもよい。原料の核種をターゲット材に含有させると、表面に担持させなくて済むため、ターゲット材の作製工数を減らすことができる。一方、原料の核種を表面に担持させると、目的の放射性核種を溶離させるとき、ターゲット材を溶解させなくて済むため、ターゲット材が再利用に適したものになる。
ターゲット材は、原料の核種でターゲット材自体を化学的に組成させる場合、原料となる核種を含有した単体(一種の元素からなる純物質)としてもよいし、原料となる核種を含有した化合物としてもよい。ターゲット材が単体であると、目的の放射性核種を溶離させるとき、目的外の他元素が混入し難くなる。そのため、目的の放射性核種の分離・精製処理を簡素化することが可能になる。一方、ターゲット材が化合物であると、ターゲット材の材質の選択幅が広くなる。
ターゲット材は、原料の核種でターゲット材自体を化学的に組成させる場合、目的の放射性核種との結合力が弱い材料ないし目的の放射性核種を含有した物質との結合力が弱い材料で形成されることが好ましい。例えば、目的の放射性核種の生成に伴って、共有結合等の化学結合を喪失する核種や、d軌道、f軌道等の電子が減少する核種や、材料中の極性が反転する核種等で形成されることが好ましい。このような材料であると、目的の放射性核種が溶離し易くなる。
ターゲット材は、原料の核種をターゲット材の内部に埋設する場合や、原料の核種をターゲット材の表面に担持させる場合、ターゲット材自体を化学的に組成させる場合と同様に、任意の核種を含有した単体(一種の元素からなる純物質)としてもよいし、任意の核種を含有した化合物としてもよい。これらの場合、原料の核種で化学的に組成された物質を、ターゲット材に埋設または担持させてもよいし、原料の核種で化学的に組成された物質を、別の二次担体、例えば、吸着材、ペースト等の接着材等に担持させた状態でターゲット材に埋設または担持させてもよい。
ターゲット材は、原料の核種をターゲット材の表面に担持させる場合、原料となる核種を含有した物質を、吸着、電着、蒸着および塗布のうち、いずれの方法によって担持してもよい。これらの担持法によると、原料の核種を含有した物質を、多孔体または粒状体であるターゲット材の表面に均一に付着させることができる。均一に付着した原料の核種が目的の放射性核種に転換することになるため、目的の放射性核種の溶離液の通液による回収率を高くすることができる。
なお、吸着としては、分子間力等による物理吸着、化学結合による化学吸着等のいずれを用いることもできる。電着としては、付着物がカチオンであるカチオン型電着、付着物がアニオンであるアニオン型電着等のいずれを用いることもできる。蒸着としては、真空蒸着、スパッタリング等の物理蒸着や、熱CVD法、プラズマCVD法等の化学蒸着等のいずれを用いることもできる。塗布としては、コーティング、スポッティング、噴霧塗布等のいずれを用いることもできる。
ターゲット材は、原料の核種をターゲット材の内部に埋設する場合や、原料の核種をターゲット材の表面に担持させる場合、原料の核種よりも原子番号が小さい元素によって化学的に組成されることが好ましい。ターゲット材を組成する元素の原子番号が小さいと、ターゲット材に放射線を照射したとき、ターゲット材自体が起こす不要な原子核反応が抑制される。目的の放射性核種を溶離させるとき、目的外の他核種が混入し難くなるため、目的の放射性核種の分離・精製処理を簡素化することが可能になる。
ターゲット材を構成する多孔体としては、表面から裏面等まで繋がった溶離液を通液可能な貫通気孔を有する限り、多孔質の物質、多孔質の構造体、これらの組み合わせ等のいずれを用いることもできる。多孔体は、貫通気孔の他に、貫通気孔と連通した連通気孔や、多孔体の表面に繋がった開放気孔等を有していてもよい。これらの気孔の形状や配置は、規則的であってもよいし、不規則的であってもよい。
多孔質の物質としては、例えば、マクロ孔を有するマクロポーラス材料や、メソ孔を有するメソポーラス材料、ミクロ孔を有するミクロポーラス材料等が挙げられる。マクロポーラス材料の具体例としては、軽石等が挙げられる。メソポーラス材料の具体例としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機化合物等が挙げられる。ミクロポーラス材料の具体例としては、ゼオライト等の無機化合物や、活性炭等の炭素材料等が挙げられる。
多孔質の構造体としては、例えば、多数の細孔が形成された多孔化材料等が挙げられる。多孔化材料の具体例としては、セラミック粒子、金属粒子、樹脂粒子等の焼結体や、セラミック粒子、金属粒子、樹脂粒子等の接着体や、セラミック繊維、金属繊維、樹脂繊維等の積層体や、セラミックハニカム、発泡セラミック、メッシュメタル、エキスパンドメタル、パンチングメタル、発泡金属や金属スポンジ等のポーラス金属やロータス金属、発泡樹脂等が挙げられる。
ターゲット材を構成する粒状体としては、個体間に溶離液を通液可能な通路が形成される集合体である限り、細粒、粗粒、顆粒等の粒子や、ペレット、フレーク、チップ、フィラメント、シート、不定形粒子、これらの組み合わせ等のいずれを用いることもできる。個々の粒状体は、多孔質であってもよいし、非多孔質であってもよい。
粒状体の粒径は、使用した全溶離液が吸収されない程度に大きく、個々の粒中に生成した放射性核種と溶離液との接触が十分に確保される程度に小さい限り、特に制限されるものではない。粒状体の粒径は、例えば、数十μm〜数mm程度とすることができる。
ターゲット材の材料や、原料の核種をターゲット材に担持させる担体の材料の具体例としては、鉄、銅、亜鉛、錫、鉛、ニッケル、チタン、アルミニウム、マグネシウム、これらの合金、ステンレス鋼等の金属材料や、二酸化ケイ素、シリカゲル、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、鉄水酸化物等の無機化合物や、ゼオライト、酸性白土、活性白土、燐灰石、ケイ酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩等の無機塩ないし鉱物や、活性炭、繊維状炭素等の炭素材料等が挙げられる。
(溶離工程)
溶離工程では、ターゲット材と溶離液(液体)とを接触させて放射性核種を溶離液(液体)中に溶離させる。多孔体または粒状体であるターゲット材に所定の溶離液を接触させることにより、ターゲット材中に生成した目的の放射性核種を、適宜の化学形で溶出させて溶離液中に回収する。
ターゲット材と溶離液とを接触させる処理は、多孔体または粒状体であるターゲット材に溶離液を通液する処理や、多孔体または粒状体であるターゲット材を溶離液に浸漬させる処理によって行うことができる。このような処理によると、適切な溶解力を持つ溶離液を用いた場合に、ターゲット材中に生成した目的の放射性核種を、一段の簡単な操作で溶離液中に回収することができる。
ターゲット材と溶離液とを接触させる処理は、目的の放射性核種を含有した物質の溶離量が、原料となる核種を含有した物質の溶離量よりも多くなる溶離液によって行うことができる。溶離液が原料となる核種を含有した物質を溶離する場合、および、原料となる核種を含有した物質を実質的に溶離しない場合のいずれであっても、溶離量の差を利用して目的の放射性核種を回収することができる。用いる溶離液の状態は、目的の放射性核種を含有した物質の溶解度が、原料となる核種を含有した物質の溶解度よりも高いことが特に好ましい。
溶離液としては、製造対象とする放射性核種の種類や、ターゲット材の材質に応じて、適宜の液体を用いることができる。溶離液としては、目的の放射性核種を含有した物質を溶離する限り、水等の水系溶媒、有機溶媒、酸、アルカリ、高イオン強度の液体、可溶性物質を反応生成する液体、分解反応によって可溶性物質を解離させる液体等のいずれを用いてもよい。
溶離液の具体例としては、水や、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等の水溶性塩の水溶液や、塩酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、ホウ酸、炭酸、酢酸、クエン酸等の無機酸水溶液または有機酸水溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等のアルカリ水溶液等が挙げられる。但し、溶離液の種類は、これらに限定されるものではない。
溶離液としては、水、塩化ナトリウム水溶液、塩酸(塩酸の水溶液)、硝酸(硝酸の水溶液)またはアルカリ水溶液が特に好ましい。これらの溶離液を用いると、目的の放射性核種を含有した物質を溶離させた後に、溶離液中に含まれる目的外の核種をイオン交換等の簡単な分離・精製操作で除去することができる。
(後工程)
溶離工程後には、目的の放射性核種が回収された溶離液や、溶離液と接触させた後のターゲット材を、更に、各種の後工程に供することができる。
例えば、目的の放射性核種が回収された溶離液は、不純物を除去する分離・精製処理、混入している微生物を滅菌する無菌化処理、pH等の液体の性質を調整する液性調整処理、放射性核種の濃度を調整する濃度調整処理等に供することができる。
一方、溶離液と接触させた後のターゲット材は、放射性廃棄物等として廃棄することもできるし、放射性核種の生成に再利用することもできる。ターゲット材は、溶離液を通液可能な多孔体または粒状体であるため、溶離液との接触後においても、ある程度の機能・形状を保持する場合が多い。そのため、溶離液と接触させた後のターゲット材を、放射性核種の生成に再利用することによって、放射性廃棄物の発生量を削減することができる。
溶離液と接触させた後のターゲット材は、ターゲット材を放射性核種の生成に再利用する前に、溶離液や不純物を除去するための洗浄処理や、付着している溶離液や洗浄液を除くための乾燥処理を施すことができる。洗浄処理は、水、有機溶媒等の適宜の洗浄液を用いて行うことができる。乾燥処理は、冷風乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、赤外線加熱乾燥等の適宜の方法を用いて行うことができる。
また、溶離液と接触させた後のターゲット材は、ターゲット材を放射性核種の生成に再利用する前に、原料となる核種を含有した物質を補充することができる。溶離液と接触させた後のターゲット材は、目的の放射性核種の溶離によって、ターゲット材自体や、埋設または担持させた物質が減容している。そのため、原料となる核種を含有した物質を補充することにより、目的の放射性核種の再生産量を高くすることができる。
例えば、原料の核種でターゲット材自体を化学的に組成させている場合、原料の核種が存在する新しい多孔体を追加した再成形を行ったり、原料の核種が存在する新しい粒状体を追加したりすることができる。また、原料の核種をターゲット材の内部に埋設している場合や、原料の核種をターゲット材の表面に担持させている場合、原料の核種を含有した新しい物質を追加的に埋設または担持させることができる。
<放射性核種の製造方法の効果>
以上の放射性核種の製造方法によると、放射性核種を生成させるための放射線の標的として、溶離液を通液可能な多孔体、または、溶離液を通液可能な粒状体を用いるため、放射線の照射後に、速やかに目的の放射性核種の回収を行うことができる。放射線を照射したターゲットを通液可能な液体状に溶解する操作や、その操作に用いる器具等が不要になる。そのため、放射線の照射によって生成した目的の放射性核種を簡便な操作で分離することが可能であり、分離に伴う放射性廃棄物の発生を低減することができる。また、放射性核種の製造の従事者が受ける放射線被曝も低減することができる。
また、以上の放射性核種の製造方法によると、原料の核種に放射線を照射する操作と、生成した目的の放射性核種を分離する操作とを、一体として行うことが可能であり、放射線を照射しながら目的の放射性核種の回収を行うことができる。よって、製造設備の設計の自由度を拡大し、より適切な時期に放射性核種製品を供給することが可能になる。適切な溶解力を持つ溶離液を用いることによって、放射線の照射後に必要な分離・精製処理を簡素化させることもできるため、分離・精製に伴う放射性廃棄物の発生や、従事者が受ける放射線被曝についても低減することになる。
<放射性核種の製造システム>
次に、本発明の一実施形態に係る放射性核種の製造システムについて、図を参照しながら説明する。
本実施形態に係る放射性核種の製造システムは、放射線の照射による原子核反応や放射性壊変を利用して目的の放射性核種を製造する装置である。この放射性核種の製造システムは、前記の放射線照射工程を行うための装置と、前記の溶離工程を行うための装置と、を備える。
前記の放射線照射工程を行うための装置と、前記の溶離工程を行うための装置とは、放射性物質の取り扱い施設内や一連のホットケーブ内等に近接して設けることもできるし、一つのホットセル内や放射線照射装置内等に一体的に設けることもできる。
図1は、放射性核種の製造システムの一例を模式的に示す図である。
図1には、放射線照射工程を行うための装置と、溶離工程を行うための装置とを、一体的に設けた放射性核種の製造システム100を例示している。
図1に示すように、放射性核種の製造システム100は、ターゲット材に放射線を照射して放射性核種を生成する放射線照射装置(照射部)1と、目的の放射性核種を溶離液(液体)30中に溶離させる溶離液供給装置(溶離部)2と、を備えている。
放射線照射装置1は、放射線を発生する放射線源を備える。放射線照射装置1には、遮蔽材によって囲まれた不図示の遮蔽室が備えられる。このような遮蔽室内にターゲット材10が配置される。放射線照射装置1は、多孔体または粒状体であるターゲット材10に所定の種類および所定のエネルギの放射線を照射し、ターゲット材10中に存在する原料の核種の原子核反応を惹起することにより、原料の核種を放射性核種に転換する。
ターゲット材10は、溶離液(液体)30を通液可能な多孔体、または、溶離液(液体)30を通液可能な粒状体である。図1において、ターゲット材10は、ターゲット容器20に収容されている。ターゲット容器20は、一端側に液体の入口、他端側に液体の出口が設けられている。
ターゲット容器20は、一端側に設けられた入口が、液配管3を介して溶離液供給装置2と接続されている。また、他端側に設けられた出口が、液配管4を介して回収容器5と接続されている。液配管3,4は、ターゲット容器20に対して、一体的に設けることもできるし、着脱自在に設けることもできる。
ターゲット容器20は、放射線照射装置1から照射される放射線の透過性が高く、溶離液30を漏洩させない適宜の材料で形成することができる。このような材料としては、例えば、軽金属等の金属材料、ガラス等の無機材料等が挙げられる。液配管3,4は、溶離液30を漏洩させない適宜の材料で形成することができる。
ターゲット材10を収容したターゲット容器20は、放射線照射装置1に付属する不図示の遮蔽室内に配置される。ターゲット容器20は、遮蔽室内において、不図示の支持体に支持させることができる。支持体としては、例えば、放射線が均一に照射されるようにターゲット容器20を自転させるロータ、回転テーブル等を備えることができる。液配管3,4は、このような支持体と干渉しないように、有機材料等で形成して可撓性を持たせることもできる。
放射線照射装置1としては、製造対象とする目的の放射性核種の種類や、利用する原子核反応の種類に応じて、熱電型、電界放出型、ショットキ型等の電子銃や、線形加速器、サイクロトロン等の加速器や、放射線発生用ターゲット等を備える各種の装置を用いることができる。放射線照射装置1として、電子線を加速させる加速器と、制動放射線発生用のターゲットとを備える装置を用いると、制動放射を利用する小型の装置で、目的の放射性核種を生産することができる。
溶離液供給装置2は、目的の放射性核種を溶離させるための溶離液30を貯留するタンク、溶離液30をターゲット容器20に供給するポンプ等を備える。溶離液供給装置2は、多孔体または粒状体であるターゲット材10に所定の溶離液30を接触させることにより、ターゲット材10中に生成した目的の放射性核種を、適宜の化学形で溶出させて回収容器5に送る。
放射性核種の製造システム100において、放射線照射装置1による放射線照射と、溶離液供給装置2による溶離液30の通液とは、この順に段階的に行うこともできるし、少なくとも一部が重複するように同時期に行うこともできる。放射線照射と溶離液30の通液とを同時期に行うと、目的の放射性核種を高濃度で含有した溶離液30が回収され難くなる一方で、放射性核種製品の生産の所要時間を短縮できる場合がある。
<放射性核種の製造システムの効果>
以上の放射性核種の製造システムによると、放射性核種を生成させるための放射線の標的として、溶離液を通液可能な多孔体、または、溶離液を通液可能な粒状体を用いるため、放射線の照射後に、速やかに目的の放射性核種の回収を行うことができる。放射線を照射したターゲットを通液可能な液体状に溶解する操作や、その操作に用いる器具等が不要になる。そのため、放射線の照射によって生成した目的の放射性核種を簡便な操作で分離することが可能であり、分離に伴う放射性廃棄物の発生を低減することができる。また、放射性核種の製造の従事者が受ける放射線被曝も低減することができる。
また、以上の放射性核種の製造システムによると、原料の核種に放射線を照射する手段と、生成した目的の放射性核種を分離する手段とが、一体化するため、放射線を照射しながら目的の放射性核種の回収可能な装置が構成される。よって、製造設備の設計の自由度を拡大し、より適切な時期に放射性核種製品を供給することが可能になる。適切な溶解力を持つ溶離液を用いることによって、放射線の照射後に必要な分離・精製処理を簡素化させることもできるため、分離・精製に伴う放射性廃棄物の発生や、従事者が受ける放射線被曝についても低減することになる。
<その他の処理例>
図1に示す放射性核種の製造システム100において、ターゲット容器20は、収容しているターゲット材10に溶離液30を一方向に通液する構成とされている。ターゲット材10に溶離液30を一方向に通液する構成によると、溶離液を連続的に回収することができる。しかしながら、ターゲット容器20は、収容しているターゲット材10を溶離液30に浸漬させる構成とすることもできる(図2参照)。
図2は、ターゲット材と溶離液とを接触させる処理例を示す図である。図2Aは、ターゲット容器20に溶離液30を供給している状態を模式的に示す図である。図2Bは、ターゲット容器20に収容されているターゲット材10を溶離液30に浸漬させた状態を模式的に示す図である。図2Cは、ターゲット容器20から溶離液30を排出している状態を模式的に示す図である。
図2に示すように、ターゲット材10を溶離液30に浸漬させる構成とする場合、ターゲット容器20の一端側に液体の入出口を設けることができる。ターゲット容器20の入出口は、分岐した液配管を介して溶離液供給装置2および回収容器5と個別に接続することができる。溶離液30をターゲット容器20に供給するポンプとしては、シリンジポンプ、ダイアフラムポンプ、ピストンポンプ等を用いることができる。
ターゲット材10を溶離液30に浸漬させる構成とする場合、ターゲット材と溶離液とを接触させる処理は、例えば、放射線の照射後に行うことができる。放射線が照射されたターゲット材10を収容しているターゲット容器20に溶離液30を供給し(図2A参照)、ターゲット材10を溶離液30に浸漬させる(図2B参照)。その後、ターゲット容器20から溶離液30を排出することによって(図2C参照)、目的の放射性核種を回収することができる。
或いは、ターゲット材と溶離液とを接触させる処理は、放射線の照射中に行うこともできる。ターゲット材10を収容しているターゲット容器20に溶離液30を供給し(図2A参照)、ターゲット材10を溶離液30に浸漬させた状態(図2B参照)で、ターゲット材10に放射線を照射する。原子核反応や放射性壊変によって目的の放射性核種が生成すると、目的の放射性核種を含有した物質がターゲット容器20内の溶離液30に溶出する。その後、ターゲット容器20から溶離液30を排出することによって(図2C参照)、目的の放射性核種を回収することができる。
図2に示すような、ターゲット材10を溶離液30に浸漬させる構成によると、ターゲット材10の全体に対して溶離液30を確実に接触させることができる。例えば、適切な浸漬液量や浸漬時間を確保すれば、溶離液30の連続的な通液が不要になるため、目的の放射性核種を高濃度で含有した溶離液30を回収することもできる。このような場合、放射性核種の濃度を調整する濃度調整処理を簡素化することが可能になる。
以上、本発明に係る放射性核種の製造方法および放射性核種の製造システムの実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、技術的範囲を逸脱しない限り、様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、或る実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えたり、或る実施形態の構成に他の構成を加えたりすることが可能である。また、或る実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、構成の削除、構成の置換をすることも可能である。
例えば、前記の放射性核種の製造システム100は、ターゲット材10と溶離液30とを接触させる手段として、溶離液30を自動的に通液させる溶離液供給装置2を備えている。しかしながら、放射性核種の製造システム100は、ターゲット材10と溶離液30とを接触させる手段として、溶離液30を手動で通液させるための手動式の器具等を備えてもよい。このような器具の具体例としては、ビーカー、バイアル、フラスコ、シャーレ等の容器や、シリンジ、ピペット、漏斗等が挙げられる。
また、前記の放射性核種の製造システム100は、ターゲット材10を収容するターゲット容器20を備えている。しかしながら、放射性核種の製造システム100は、ターゲット材10を、ターゲット容器20に収容せず、ホットセル内のマニピュレータ等で直接的に取り扱う構成としてもよい。このような構成の場合、ターゲット材10と溶離液30とを接触させる処理は、手動式の器具等を用いて行うことができる。放射性核種の製造システムを構成する溶離部としては、このような手動式の器具と、ターゲット材10を収容したカラム、容器等を備えることができる。
次に、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1として、ラジウム226を原料としたアクチニウム225の製造例を示す。この製造方法では、制動放射線による核反応[226Ra(γ,n)225Ra]と、ラジウム225のβ崩壊を利用する。
図3は、実施例1に係る放射性核種の製造方法を示すフローチャートである。
図3に示すように、実施例1に係る放射性核種の製造方法は、原料の核種を含有した物質をターゲット材の表面に担持させて、原料となる核種が存在するターゲット材を作製する担持工程S10と、原料となる核種が存在するターゲット材に放射線を照射して放射性核種を生成する放射線照射工程S11と、ターゲット材と溶離液とを接触させて放射性核種を溶離液中に溶離させる溶離工程S12と、溶離液を精製する精製工程S13と、を含む。
担持工程S10では、原料の核種であるラジウム226を含有した物質を多孔体または粒状体に担持させて、ターゲット材を作製する。ラジウムを担持させる担体としては、例えば、モンモリロナイト、バーミキュライト等の粘土鉱物を用いることができる。通液に圧力がかかる場合は、粘土鉱物を二次担体とし、この二次担体を二酸化ケイ素等の多孔体または粒状体に予め担持させてもよい。
ラジウム226の化学形は、ラジウムイオン(Ra2+)とする。例えば、ラジウム226を含有した塩化ラジウム等を水に溶解し、得られた溶液と担体とを接触させて、ラジウム226(226Ra2+)が吸着したターゲット材を得る。
放射線照射工程S11では、ラジウム226が存在するターゲット材に制動放射線を照射する。放射線発生用ターゲットに線形加速器等で加速された電子線を照射すると、放射線発生用ターゲット中で制動放射が起こり、制動放射線がラジウム226に照射される。制動放射線による核反応でラジウム225が生成し、ラジウム225のβ崩壊によってアクチニウム225が生成される。電子線の照射は、所定量のアクチニウム225を生成させるのに必要なラジウム225が生成するまで継続することができる。
溶離工程S12では、ターゲット材中に生成したアクチニウム225を溶離液中に溶離させて回収する。溶離液としては、水、塩化ナトリウム水溶液、希塩酸、希硝酸、希アルカリ水溶液等が好ましく用いられる。
刊行物(高橋嘉夫ら、「ラジウムの環境地球化学:野外調査とイオンの系統性からのアプローチ」、黎明研究報告書(2017年度)、日本原子力研究開発機構 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター、[2019年6月4日検索]、インターネット<URL:https://asrc.jaea.go.jp/publication/files/report201706.pdf>)には、ラジウムの吸着特性について報告されている。
この刊行物によると、粘土鉱物(モンモリロナイト、バーミキュライト)に対するイオンの吸着がイオン半径に依存する示唆が、野外調査等により得られたとされている。バリウムイオン(Ba2+)よりもイオン半径が大きいイオンは、粘土鉱物に対して内圏錯体を形成し、バリウムイオン(Ba2+)よりもイオン半径が小さいイオンは、粘土鉱物に対して外圏錯体を形成するとされている。内圏錯体は比較的安定であるが、外圏錯体は解離し易い性質がある。
バリウムイオン(Ba2+)のイオン半径は、1.42Å(8配位)および1.35Å(6配位)である。これに対し、ラジウムイオン(Ra2+)のイオン半径は、1.48Å(8配位)と大きい。その一方で、アクチニウムイオン(Ac3+)のイオン半径は、1.12Å(6配位)と小さい。
したがって、原料の核種であるラジウム226や、目的外の核種であるラジウム225は、粘土鉱物に対して内圏錯体を形成して強く吸着するといえる。一方、目的の放射性核種であるアクチニウム225は、粘土鉱物に対して外圏錯体を形成して解離し易くなるといえる。粘土鉱物に対するイオンの吸着は、pHやイオン強度に依存している。そのため、pHやイオン強度を調整する溶離液によって、目的のアクチニウム225を回収することができる。
溶離工程S12で溶離液と接触させた後のターゲット材は、目的のアクチニウム225の生成に再利用することができる。溶離工程S12で目的のアクチニウム225が分離されたターゲット材には、未反応のラジウム226が残存している場合がある。よって、残存しているラジウム226を原料の核種として、放射線照射工程S11を再実施することにより、ターゲット材を廃棄せず、アクチニウム225を再生産することができる。ターゲット材は、溶離液と接触させた後、必要に応じて、洗浄処理や乾燥処理を施すことができる。
一方、溶離工程S12で目的のアクチニウム225を回収した溶離液は、精製工程S13に供して、目的外の核種や、溶離液成分等の不純物を除去する。目的の放射性核種を含む精製された液体を、放射性核種製品として製品化することができる。溶離液には、放射性医薬品の基準等に応じて、無菌化処理、液性調整処理、濃度調整処理等を施すこともできる。溶離液が基準に適合する場合は、精製工程S13や他の後処理を省略することもできる。
<実施例2>
実施例2として、モリブデン100を原料としたテクネチウム99mの製造例を示す。この製造方法では、制動放射線による核反応[100Mo(γ,n)99Mo]とモリブデン99のβ崩壊を利用する。
図4は、実施例2に係る放射性核種の製造方法を示すフローチャートである。
図4に示すように、実施例2に係る放射性核種の製造方法は、原料の核種を含有した物質をターゲット材の表面に担持させて、原料となる核種が存在するターゲット材を作製する担持工程S20と、原料となる核種が存在するターゲット材に放射線を照射して放射性核種を生成する放射線照射工程S21と、ターゲット材と溶離液とを接触させて放射性核種を溶離液中に溶離させる溶離工程S22と、原料の核種を含有した物質をターゲット材の表面に再担持させて、原料となる核種が存在するターゲット材を再生する再担持工程S23と、を含む。
担持工程S20では、原料の核種であるモリブデン100を含有した物質を多孔体または粒状体に担持させて、ターゲット材を作製する。モリブデンを担持させる担体としては、例えば、アルミナ、繊維状石英、シリカゲル、活性炭等を用いることができる。
モリブデン100の化学形は、モリブデン酸イオン(MoO 2−)とする。例えば、モリブデン100を含有した三酸化モリブデン、金属モリブデン等をアルカリ水溶液に溶解し、得られた溶液と担体とを接触させて、モリブデン100(100MoO 2−)が吸着したターゲット材を得る。
放射線照射工程S21では、モリブデン100が存在するターゲット材に制動放射線を照射する。放射線発生用ターゲットに線形加速器等で加速された電子線を照射すると、放射線発生用ターゲット中で制動放射が起こり、制動放射線がモリブデン100に照射される。制動放射線による核反応でモリブデン99が生成し、モリブデン99のβ崩壊によってテクネチウム99mが生成される。電子線の照射は、所定量のテクネチウム99mを生成させるのに必要なモリブデン99が生成するまで継続することができる。
溶離工程S22では、ターゲット材中に生成したテクネチウム99mを溶離液中に溶離させて回収する。溶離液としては、生理食塩水等の塩化ナトリウム水溶液が好ましく用いられる。モリブデン酸イオンは、アルミナ等の担体に対する吸着力が強いが、過テクネチウム酸イオンは、アルミナ等の担体に対する吸着力が弱い。そのため、pHやイオン強度を調整する溶離液によって、目的のテクネチウム99mを回収することができる。
溶離工程S22で溶離液と接触させた後のターゲット材は、目的のテクネチウム99mの生成に再利用することができる。溶離工程S22で目的のテクネチウム99mが分離されたターゲット材には、未反応のモリブデン100が残存している場合がある。よって、残存しているモリブデン100を原料の核種として、放射線照射工程S21を再実施することにより、ターゲット材を廃棄せず、テクネチウム99mを再生産することができる。
再担持工程S23では、ターゲット材を放射性核種の生成に再利用する前に、原料となる核種を含有した物質をターゲット材に補充することができる。例えば、モリブデン100を含有した三酸化モリブデン、金属モリブデン等をアルカリ水溶液に溶解し、得られた溶液をターゲット材に接触させると、モリブデン100(100MoO 2−)が吸着して再担持されたターゲット材が得られる。
一方、溶離工程S22で目的のテクネチウム99mを回収した溶離液は、目的の放射性核種を含む放射性核種製品として製品化することができる。溶離液には、放射性医薬品の基準等に応じて、分離・精製処理、無菌化処理、液性調整処理、濃度調整処理等を施すことができる。溶離液が基準に適合する場合は、後処理を省略することもできる。通常、モリブデン100の原子核反応は、モリブデン99以外の他の核種を殆ど生成しないため、分離・精製処理は不要になる。従来のミルキングのように、モリブデン99を通液可能な液体状に溶解する操作は不要になる。
<実施例3>
実施例3として、チタン48を原料としたスカンジウム47の製造例を示す。この製造方法では、制動放射線による核反応[48Ti(γ,p)47Sc]を利用する。
図5は、実施例3に係る放射性核種の製造方法を示すフローチャートである。
図5に示すように、実施例3に係る放射性核種の製造方法は、原料の核種を含有した物質を用いて、原料となる核種が存在するターゲット材を作製する作製工程S30と、原料となる核種が存在するターゲット材に放射線を照射して放射性核種を生成する放射線照射工程S31と、ターゲット材と溶離液とを接触させて放射性核種を溶離液中に溶離させる溶離工程S32と、を含む。
作製工程S30では、原料の核種であるチタン48を含有した物質で多孔体または粒状体であるターゲット材を作製する。チタン48の化学形は、金属チタンとする。例えば、金属チタンは、メタルメッシュ、クロール法等により得られる金属スポンジ等の多孔質の構造体や、粒子、ペレット等の粒状体として用いることができる。チタン48は、天然存在比が約74%の安定同位体である。ターゲット材の作製には、天然存在比で組成されるチタンを用いてもよいが、チタン48の存在比を天然存在比よりも高めたチタンがより好ましい。
放射線照射工程S31では、チタン48が存在するターゲット材に制動放射線を照射する。放射線発生用ターゲットに線形加速器等で加速された電子線を照射すると、放射線発生用ターゲット中で制動放射が起こり、制動放射線がチタン48に照射される。制動放射線による核反応でスカンジウム47が生成される。電子線の照射は、所定量のスカンジウム47が生成するまで継続することができる。
溶離工程S32では、ターゲット材中に生成したスカンジウム47を溶離液中に溶離させて回収する。溶離液としては、水、希塩酸、希硝酸等が好ましく用いられる。チタンは、水、熱水、希塩酸、硝酸、アルカリ等に溶解しないが、スカンジウムは、水、熱水、希塩酸、硝酸等に溶解する。そのため、このような溶解特性を持つ溶離液によって、目的のスカンジウム47を回収することができる。
溶離工程S32で溶離液と接触させた後のターゲット材は、目的のスカンジウム47の生成に再利用することができる。溶離工程S32で目的のスカンジウム47が分離されたターゲット材には、未反応のチタン48が残存している場合がある。よって、残存しているチタン48を原料の核種として、放射線照射工程S31を再実施することにより、ターゲット材を廃棄せず、スカンジウム47を再生産することができる。ターゲット材は、溶離液と接触させた後、必要に応じて、洗浄処理や乾燥処理を施すことができる。
一方、溶離工程S32で目的のスカンジウム47を回収した溶離液は、目的の放射性核種を含む放射性核種製品として製品化することができる。溶離液には、放射性医薬品の基準等に応じて、分離・精製処理、無菌化処理、液性調整処理、濃度調整処理等を施すことができる。溶離液が基準に適合する場合は、後処理を省略することもできる。通常、チタン48の原子核反応は、スカンジウム47以外の他の核種を殆ど生成しないため、チタン48の存在比が高い場合、分離・精製処理は不要になる。
なお、チタンの同位体としては、天然存在比が約8%のチタン46がある。チタン46は、制動放射線によって核反応[46Ti(γ,2n)44Ti]を起こし、チタン44を生成する。チタン44は、電子捕獲によってスカンジウム44に壊変する。チタン44の半減期は約60年と長いため、放射線の照射後の初期であれば、目的のスカンジウム47に混入するスカンジウム44は微量となる。しかし、スカンジウム44の混入が好ましくない場合は、スカンジウム44の生成量が有意値になる以前に、溶離工程32までを完了することによって、目的のスカンジウム47の純度を高くすることができる。一方、チタン46でターゲット材を作製することによって、スカンジウム44を生産することもできる。
100 放射性核種の製造システム
1 放射線照射装置(照射部)
2 溶離液供給装置(溶離部)
3 液配管
4 液配管
5 回収容器
10 ターゲット材
20 ターゲット容器
30 溶離液(液体)

Claims (13)

  1. 原料となる核種が存在するターゲット材に放射線を照射して放射性核種を生成する工程と、
    前記ターゲット材と液体とを接触させて放射性核種を前記液体中に溶離させる工程と、を含み、
    前記ターゲット材は、前記液体を通液可能な多孔体または粒状体である放射性核種の製造方法。
  2. 請求項1に記載の放射性核種の製造方法であって、
    前記ターゲット材は、無機物からなる放射性核種の製造方法。
  3. 請求項1に記載の放射性核種の製造方法であって、
    前記ターゲット材は、前記原料となる核種を含有した単体である放射性核種の製造方法。
  4. 請求項1に記載の放射性核種の製造方法であって、
    前記ターゲット材は、前記原料となる核種を含有した化合物である放射性核種の製造方法。
  5. 請求項1に記載の放射性核種の製造方法であって、
    前記ターゲット材は、前記原料となる核種を含有した物質を表面に担持している放射性核種の製造方法。
  6. 請求項5に記載の放射性核種の製造方法であって、
    前記ターゲット材は、前記原料となる核種を含有した物質を、吸着、電着、蒸着または塗布によって担持している放射性核種の製造方法。
  7. 請求項1に記載の放射性核種の製造方法であって、
    前記原料となる核種は、ラジウム、レニウム、ハフニウム、モリブデン、ゲルマニウム、亜鉛またはチタンである放射性核種の製造方法。
  8. 請求項1に記載の放射性核種の製造方法であって、
    前記ターゲット材と前記液体とを接触させる処理は、前記放射性核種を含有した物質の溶離量が、前記原料となる核種を含有した物質の溶離量よりも多くなる液体により行われる放射性核種の製造方法。
  9. 請求項1に記載の放射性核種の製造方法であって、
    前記液体は、水、塩化ナトリウム水溶液、塩酸、硝酸またはアルカリ水溶液である放射性核種の製造方法。
  10. 請求項1に記載の放射性核種の製造方法であって、
    前記ターゲット材と前記液体とを接触させる処理は、前記ターゲット材に前記液体を通液する処理、または、前記ターゲット材を前記液体に浸漬させる処理である放射性核種の製造方法。
  11. 請求項1に記載の放射性核種の製造方法であって、
    前記液体と接触させた後の前記ターゲット材を前記放射性核種の生成に再利用する放射性核種の製造方法。
  12. 請求項11に記載の放射性核種の製造方法であって、
    前記ターゲット材を前記放射性核種の生成に再利用する前に前記原料となる核種を含有した物質を前記ターゲット材に補充する放射性核種の製造方法。
  13. 原料となる核種が存在するターゲット材と、
    前記ターゲット材に放射線を照射して放射性核種を生成する照射部と、
    前記ターゲット材と液体とを接触させて放射性核種を前記液体中に溶離させる溶離部と、を備え、
    前記ターゲット材は、前記液体を通液可能な多孔体または粒状体である放射性核種の製造システム。
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