本開示は、空調システムに関するものである。
特許文献1には、空調装置と調湿装置とを備えた空調システムが開示されている。この空調システムでは、空調装置が冷房運転を行うと共に、調湿装置が加湿運転を行う場合がある。このような場合には、加湿装置が室内空気を加湿しているにも拘わらず、空調装置において空気中の水分が凝縮し、ドレン水として室外に排出されるおそれがある。特許文献1の空調システムは、このような場合に室外に排出される水の量を抑えるため、空調装置において空気を冷却する冷媒の蒸発温度を、室内空気の目標温度と目標湿度に基づいて計算した露点温度以上に設定する。
特許文献1に開示されているような室内の温度と湿度を調節する空調システムでは、室内の冷房と加湿を同時に行う場合の空調システムの制御において、空調装置の運転状態が考慮されていなかった。このため、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、空調システムの制御を適切に行えないおそれがあった。
本開示の目的は、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、空調システムの制御を適切に行うことにある。
本開示の第1の態様は、吸い込んだ外気を処理して対象空間(SP1)へ供給する外気処理装置(10)と、上記対象空間(SP1)から吸い込んだ室内空気を処理して該対象空間(SP1)へ供給する空気調和装置(20)とを備える空調システムを対象とする。そして、上記外気処理装置(10)が外気の加熱と加湿とを行う暖房加湿運転を行い、上記空気調和装置(20)が室内空気の冷却を行う冷房運転を行うときに、上記空気調和装置(20)における凝縮水の生成量に関する除湿情報、上記空気調和装置(20)の運転状態に関する運転情報、上記対象空間(SP1)の気温と設定温度の関係に関する温度情報、及び上記対象空間(SP1)の湿度と設定湿度の関係に関する湿度情報に基づいて、上記外気処理装置(10)が上記対象空間(SP1)へ供給する処理後の外気の温度である給気温度、上記外気処理装置(10)が上記対象空間(SP1)へ供給する外気の流量である給気流量、上記外気処理装置(10)へ供給される加湿用の水の流量である給水流量、及び上記空気調和装置(20)に設けられて上記冷房運転中に上記室内空気を冷却する空気熱交換器(22a)の温度である冷却温度の少なくとも一つを調節する制御装置(30)を備えることを特徴とする。
第1の態様の空調システム(100)において、制御装置(30)は、外気処理装置(10)が暖房加湿運転を行い、空気調和装置(20)が冷房運転を行うときに、空気調和装置(20)の運転状態に関する運転情報を考慮して、外気処理装置(10)が対象空間(SP1)へ供給する処理後の外気の温度(給気温度)、外気処理装置(10)が対象空間(SP1)へ供給する外気の流量(給気流量)、外気処理装置(10)へ供給される加湿用の水の流量(給水流量)、及び空気調和装置(20)の空気熱交換器(22a)の温度(冷却温度)との少なくとも一つを調節する。従って、この態様によれば、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、空調システム(100)の制御を適切に行うことができる。
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記空気調和装置(20)は、上記冷房運転において、室内空気を冷却する冷却動作と、室内空気の冷却を休止する休止動作とを選択的に行う一方、上記除湿情報は、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成しているか生成していないかを示す情報であり、上記運転情報は、上記空気調和装置(20)が上記冷却動作と上記休止動作のどちらを行っているかを示す情報であり、上記温度情報は、上記対象空間(SP1)の気温が上記設定温度を含む所定の設定温度範囲に入っている暖房適正状態と、上記対象空間(SP1)の気温が上記設定温度範囲の上限値よりも高い暖房過剰状態と、上記対象空間(SP1)の気温が上記設定温度範囲の下限値よりも低い暖房不足状態との何れであるかを示す情報であり、上記湿度情報は、上記対象空間(SP1)の湿度が上記設定湿度を含む所定の設定湿度範囲に入っている加湿適正状態と、上記対象空間(SP1)の湿度が上記設定湿度範囲の上限値よりも高い加湿過剰状態と、上記対象空間(SP1)の湿度が上記設定湿度範囲の下限値よりも低い加湿不足状態との何れであるかを示す情報であることを特徴とする。
第2の態様では、除湿情報と運転情報と温度情報と湿度情報のそれぞれが具体化される。運転情報は、空気調和装置(20)が冷却動作と休止動作のどちらを行っているかを示す情報である。従って、この態様によれば、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、空気調和装置(20)が冷却動作と休止動作のどちらを行っているのかを考慮して、空調システム(100)を制御することができる。
本開示の第3の態様は、上記第2の態様において、上記制御装置(30)は、上記運転情報と上記温度情報とに基づいて、上記外気処理装置(10)の暖房能力が適正と過剰と不足の何れであるかを示す暖房能力情報を作成し、上記除湿情報、上記湿度情報、及び上記暖房能力情報に基づいて、上記給気温度、上記給気流量、上記給水流量、及び上記冷却温度の少なくとも一つを調節することを特徴とする。
第3の態様の制御装置(30)は、運転情報と温度情報とに基づいて暖房能力情報を作成する。そして、制御装置(30)は、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、除湿情報と湿度情報と暖房能力情報とに基づいて、空調システム(100)を制御する。
本開示の第4の態様は、上記第3の態様において、上記制御装置(30)は、上記運転情報に拘わらず、上記温度情報が上記暖房過剰状態を示す場合に、上記外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す情報を上記暖房能力情報とし、上記運転情報が上記冷却動作を上記空気調和装置(20)が行うことを示し、上記温度情報が上記暖房適正状態を示す場合に、上記外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す情報を上記暖房能力情報とし、上記運転情報が上記休止動作を上記空気調和装置(20)が行うことを示し、上記温度情報が上記暖房適正状態を示す場合に、上記外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報を上記暖房能力情報とし、上記運転情報に拘わらず、上記温度情報が上記暖房不足状態を示す場合に、上記外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示す情報を上記暖房能力情報とすることを特徴とする。
第4の態様では、暖房能力情報が具体化される。
本開示の第5の態様は、上記第4の態様において、上記制御装置(30)は、上記除湿情報が、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、上記暖房能力情報が、上記外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示すときに、上記湿度情報に拘わらず、上記給気温度と上記給気流量の少なくとも一つを引き下げることを特徴とする。
第5の態様において、制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報が加湿適正状態と加湿過剰状態と加湿不足状態のどれを示していても、給気温度と給気流量の一方または両方を引き下げる。
本開示の第6の態様は、上記第4又は第5の態様において、上記制御装置(30)は、上記除湿情報が、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示し、上記暖房能力情報が、上記外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示すときに、上記湿度情報が上記加湿過剰状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の少なくとも一つを引き下げ、上記湿度情報が上記加湿適正状態または上記加湿不足状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の両方を変更しないことを特徴とする。
第6の態様において、制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度と上記給気流量の一方または両方を引き下げるか、給気温度と上記給気流量の両方を変更せずに保持するかを選択する。
本開示の第7の態様は、上記第4〜第6のいずれか一つの態様において、上記制御装置(30)は、上記除湿情報が、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、上記暖房能力情報が、上記外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示すときに、上記湿度情報が上記加湿過剰状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の少なくとも一つを引き下げ、上記湿度情報が上記加湿適正状態または上記加湿不足状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の両方を変更しないことを特徴とする。
第7の態様において、制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度と上記給気流量の一方または両方を引き下げるか、給気温度と上記給気流量の両方を変更せずに保持するかを選択する。
本開示の第8の態様は、上記第4〜第7のいずれか一つの態様において、上記制御装置(30)は、上記除湿情報が、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示し、上記暖房能力情報が、上記外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示すときに、上記湿度情報に拘わらず、上記給気温度と上記給気流量の両方を変更しないことを特徴とする。
第8の態様において、制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報が加湿適正状態と加湿過剰状態と加湿不足状態のどれを示していても、給気温度と上記給気流量の両方を変更しない。
本開示の第9の態様は、上記第4〜第8のいずれか一つの態様において、上記制御装置(30)は、上記除湿情報が、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、上記暖房能力情報が、上記外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示すときに、上記湿度情報が上記加湿過剰状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の少なくとも一つを引き下げ、上記湿度情報が上記加湿適正状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の両方を変更せず、上記湿度情報が上記加湿不足状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の少なくとも一つを引き上げることを特徴とする。
第9の態様において、制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度と上記給気流量の一方または両方を引き下げるか、給気温度と上記給気流量の両方を変更せずに保持するか、給気温度と上記給気流量の一方または両方を引き上げるかを選択する。
本開示の第10の態様は、上記第4〜第9のいずれか一つの態様において、上記制御装置(30)は、上記除湿情報が、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示し、上記暖房能力情報が、上記外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示すときに、上記湿度情報が上記加湿過剰状態又は上記加湿適正状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の両方を変更せず、上記湿度情報が上記加湿不足状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の少なくとも一つを引き上げることを特徴とする。
第10の態様では、制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度と上記給気流量の両方を変更せずに保持するか、給気温度と上記給気流量の一方または両方を引き上げるかを選択する。
本開示の第11の態様は、上記第4〜第10のいずれか一つの態様において、上記制御装置(30)は、上記除湿情報が、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示すときに、上記暖房能力情報及び上記湿度情報に拘わらず、上記冷却温度を引き上げることを特徴とする。
第11の態様において、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示す場合、制御装置(30)は、暖房能力情報と湿度情報のそれぞれがどのような情報であっても、冷却温度を引き上げる。その結果、空気調和装置(20)の空気熱交換器(22a)へ流入する室内空気の露点と、冷却温度との差が縮小し、空気調和装置(20)において生成する凝縮水の量が減少する。
本開示の第12の態様は、上記第4〜第11のいずれか一つの態様において、上記制御装置(30)は、上記除湿情報が、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示すときに、上記暖房能力情報及び上記湿度情報に拘わらず、上記冷却温度を変更しないことを特徴とする。
第12の態様では、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示す場合、制御装置(30)は、暖房能力情報と湿度情報のそれぞれがどのような情報であっても、冷却温度を変更せずに保持する。その結果、空気調和装置(20)において凝縮水が生成しない状態が継続する。
図1は、実施形態の空調システムの概略構成を示す図である。
図2は、実施形態の空気調和装置の構成を示す冷媒回路図である。
図3は、実施形態の制御装置の構成を示すブロック図である。
図4は、制御装置の暖房能力情報作成部の動作を示す表である。
図5は、制御装置の給気調節部の動作を示す表である。
本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。
−空調システムの構成−
図1に示すように、空調システム(100)は、家屋、ビル、工場、公共施設などの建築物内に含まれる対象空間の空気調和を行うシステムである。
本実施形態の空調システム(100)は、対象空間(SP1)を含む建物(BL)に適用される。建物(BL)は、後述する外気処理装置(10)が配置される機械室(BL1)と、対象空間(SP1)が存在する専有部区画(BL2)と、機械室(BL1)と専有部区画(BL2)との間に介在する廊下(BL3)とを有する。
図1に示すように、空調システム(100)は、外気処理装置(10)と、空気調和装置(20)と、制御装置(30)とを備える。外気処理装置(10)は、取り入れた外気(OA)の温度および湿度を調整して対象空間(SP1)に給気する。外気(OA)は、対象空間(SP1)の外部の空気(この例では、建物(BL)の外部の空気)である。空気調和装置(20)は、対象空間(SP1)の空気(室内空気)の温度を調整する。
空調システム(100)では、対象空間(SP1)に設置されるリモコン(40)にコマンドを適宜入力することで、外気処理装置(10)および空気調和装置(20)の運転状態を切り換えられる。制御装置(30)は、リモコン(40)に入力されたコマンドと、外気(OA)の温度および湿度と、室内空気の温度および湿度などに応じて、外気処理装置(10)および空気調和装置(20)の運転状態を制御する。
−外気処理装置の構成−
外気処理装置(10)は、主として、本体ユニット(11)と、熱源ユニットとなるチラーユニット(図示せず)とを備える。本体ユニット(11)は、いわゆるエアハンドリングユニットである。本実施形態の本体ユニット(11)は、図外のチラーユニットから供給された熱媒体を空気と熱交換させるように構成される。なお、本実施形態の本体ユニット(11)は、図外の熱源ユニットとの間を循環する冷媒を空気と熱交換させるように構成されていてもよい。
外気処理装置(10)は、運転中、建物(BL)の外壁に設けられた吸気口(15)から吸気ダクト(L1)を経由して外気(OA)を本体ユニット(11)に取り込む。外気処理装置(10)は、取り込んだ外気(OA)の温度と湿度を調節し、処理後の外気(OA)を、給気ダクト(L2)を経由して給気口(16)から対象空間(SP1)に給気(SOA)として供給する。
外気処理装置(10)は、排気ファン(17)によって、対象空間(SP1)の排気口(図示せず)から室内空気を取り込み、取り込んだ室内空気を、排気ダクト(L3)を経由して建物(BL)の外部に排気(EA)として放出する。
〈本体ユニット〉
本体ユニット(11)は、外気熱交換器(12)と、加湿器(13)と、給気ファン(14)とを有する。
外気熱交換器(12)は、伝熱管および伝熱フィンを有する。外気熱交換器(12)では、伝熱管および伝熱フィンの周囲を通過する外気(OA)と、伝熱管を通過する熱媒体との間で熱交換が行われる。
加湿器(13)は、外気熱交換器(12)を通過した外気(OA)を加湿する。この加湿器(13)は、いわゆる自然蒸発式(気化式)の加湿器である。加湿器(13)は、加湿エレメント(13a)と、給水器とを備える。給水器の図示は省略する。加湿エレメント(13a)は、不織布または多孔質によって構成され、水(液体)を保持するように構成される。給水器は、加湿エレメント(13a)に水(液体)を供給する。加湿器(13)は、外気(OA)を加湿エレメント(13a)と接触させ、加湿エレメント(13a)から蒸発した水(水蒸気)を外気(OA)に付与する。
加湿器(13)が外気(OA)に付与する水分の量(加湿量)は、外気熱交換器(12)から加湿器(13)へ供給される外気(OA)の温度に応じて変化する。本体ユニット(11)へ流入する外気(OA)の絶対湿度が同じである場合について比較すると、外気熱交換器(12)から加湿器(13)へ供給される外気(OA)の温度が高いほど、加湿器(13)の加湿量は多くなる。
また、加湿器(13)が外気(OA)に付与する水分の量(加湿量)は、加湿器(13)を通過する外気(OA)の流量に応じて変化する。本体ユニット(11)へ流入する外気(OA)の絶対湿度が同じである場合について比較すると、加湿器(13)を通過する外気(OA)の流量が多いほど、加湿器(13)の加湿量は多くなる。なお、加湿器(13)を通過する外気(OA)の流量は、外気処理装置(10)が対象空間(SP1)へ供給する給気(SOA)の流量(給気流量)と実質的に等しい。
また、加湿器(13)が外気(OA)に付与する水分の量(加湿量)は、外気処理装置(10)の外部から加湿器(13)へ供給される加湿用の水の流量(給水流量)に応じて変化する。本体ユニット(11)へ流入する外気(OA)の絶対湿度が同じである場合について比較すると、給水流量が多いほど、加湿器(13)の加湿量は多くなる。なお、給水流量の調節は、例えば加湿器(13)へ水を供給する配管に設けられた調節弁の開度を調節することによって実行できる。また、加湿器(13)が複数の加湿エレメント(13a)を備える場合は、使用する加湿エレメント(13a)の数を変更することによって、給水流量を変更してもよい。
給気ファン(14)は、外気(OA)を本体ユニット(11)内に取り込み、給気ダクト(L2)へ送る送風機である。給気ファン(14)の型式は特に限定されないが、例えば、シロッコファンを用いてもよい。給気ファン(14)は、その回転速度が可変である。給気ファン(14)の回転速度が変化すると、給気ファン(14)が吹き出す空気の流量(吹出流量)が変化する。
本体ユニット(11)には、給気温度センサ(61)が設けられる。給気温度センサ(61)は、本体ユニット(11)内の空気通路における加湿器(13)と給気ファン(14)の間に配置される。給気温度センサ(61)は、外気熱交換器(12)と加湿器(13)とを通過した処理後の外気(OA)の温度を計測する。給気温度センサ(61)の計測値は、外気処理装置(10)が対象空間へ供給する給気(SOA)の温度(給気温度)である。
〈給気ダクト、吸気口〉
給気ダクト(L2)は、外気(OA)の流路を形成する部材である。給気ダクト(L2)は、一端が本体ユニット(11)に接続される。給気ダクト(L2)の一端は、給気ファン(14)の吹出口に連通する。給気ダクト(L2)の他端は、給気口(16)に接続される。
給気口(16)は、対象空間(SP1)の天井に設置される。この給気口(16)は、給気ダクト(L2)から送り込まれた給気(SOA)を、対象空間(SP1)へ吹き出す。
〈外調機制御部〉
外気処理装置(10)は、外調機制御部(31)を備える。外調機制御部(31)は、外気処理装置(10)に設けられた構成機器を制御する。
図示は省略するが、外調機制御部(31)は、演算処理ユニットと、メモリーユニットとを備える。演算処理ユニットは、例えば集積回路から成るマイクロプロセッサである。演算処理ユニットは、所定のプログラムを実行することによって、外気処理装置(10)の構成機器を制御する。メモリーユニットは、例えば集積回路から成る半導体メモリーである。メモリーユニットは、外調機制御部(31)に所定の動作を実行させるためのプログラムと、外調機制御部(31)の動作に必要なデータとを記憶する。
−外気処理装置の運転動作−
外気処理装置(10)は、冷却運転と、暖房加湿運転とを選択的に行う。
〈冷却運転〉
冷却運転では、外気熱交換器(12)へ冷却用の熱媒体(例えば、5℃程度の冷水)が供給される一方、加湿器(13)の加湿エレメント(13a)に水が供給されない。冷却運転において、本体ユニット(11)に取り込まれた外気(OA)は、外気熱交換器(12)を通過する際に冷却され、その後に加湿器(13)を通過する。加湿器(13)において、外気(OA)の加湿は行われない。外気熱交換器(12)と加湿器(13)とを順に通過した処理後の外気(OA)は、給気ファン(14)に吸い込まれ、給気(SOA)として給気ダクト(L2)を流れて対象空間(SP1)へ吹き出される。
〈暖房加湿運転〉
暖房加湿運転では、外気熱交換器(12)へ加熱用の熱媒体(例えば、50℃程度の温水)が供給され、加湿器(13)の加湿エレメント(13a)に水が供給される。本体ユニット(11)に取り込まれた外気(OA)は、外気熱交換器(12)を通過する際に加熱され、その後に加湿器(13)を通過する。加湿器(13)では、加湿エレメント(13a)に保持された水が蒸発して外気(OA)に付与される。外気熱交換器(12)と加湿器(13)とを順に通過した処理後の外気(OA)は、給気ファン(14)に吸い込まれ、給気(SOA)として給気ダクト(L2)を流れて対象空間(SP1)へ吹き出される。
〈外調機制御部の制御動作〉
外調機制御部(31)は、給気温度Tsが所定の設定給気温度範囲となるように、外気処理装置(10)の運転を制御する。給気温度Tsは、給気温度センサ(61)の計測値である。設定給気温度範囲は、給気(SOA)の温度に関して設定された設定給気温度Ts_setを含む温度範囲である。本実施形態の設定給気温度範囲は、Ts_set±1℃の範囲である。
外調機制御部(31)は、Ts_set−1℃≦Ts≦Ts_set+1℃の関係が満たされるように、外気熱交換器(12)へ供給される熱媒体の温度または流量を調節する。設定給気温度Ts_setが設定給気温度範囲の下限値(Ts_set−1℃)よりも低い場合(Ts<Ts_set−1℃)、外調機制御部(31)は、外気熱交換器(12)へ供給される熱媒体の温度を上昇させ、またはその流量を増加させる。一方、設定給気温度Ts_setが設定給気温度範囲の上限値(Ts_set+1℃)よりも低い場合(Ts_set+1℃<Ts)、外調機制御部(31)は、外気熱交換器(12)へ供給される熱媒体の温度を低下させ、またはその流量を減少させる。
−空気調和装置の構成−
空気調和装置(20)は、冷媒回路(20a)を備え、冷媒回路(20a)において冷媒を循環させて蒸気圧縮方式の冷凍サイクルを行う。
図2に示すように、空気調和装置(20)は、熱源ユニットとなる1台の室外機(21)と、複数台(本実施形態では、2台)の室内機(22)とを有する。空気調和装置(20)では、室外機(21)と各室内機(22)とが、一対の連絡配管(23a,23b)を介して接続されることによって、冷媒回路(20a)を構成する。冷媒回路(20a)において、複数台の室内機(22)は、並列に配置される。冷媒回路(20a)に封入される冷媒は、特に限定されないが、例えばR32やR410AなどのHFC冷媒であってもよい。
〈室外機〉
室外機(21)は、対象空間(SP1)の外部(この例では、建物(BL)の外部)に配置される。室外機(21)は、圧縮機(21a)と、四路切換弁(21b)と、室外熱交換器(21c)と、室外膨張弁(21d)と、室外ファン(21e)と、室外機制御部(32a)とを有する。
圧縮機(21a)は、吐出管が四路切換弁(21b)の第1のポートに接続し、吸入管が四路切換弁(21b)の第2のポートに接続する。四路切換弁(21b)の第3のポートは、室外熱交換器(21c)のガス側端に接続する。室外熱交換器(21c)の液側端は、室外膨張弁(21d)の一端に接続する。室外膨張弁(21d)の他端は、液側連絡配管(23a)に接続する。四路切換弁(21b)の第4のポートは、ガス側連絡配管(23b)に接続する。
圧縮機(21a)は、全密閉型の圧縮機である。この圧縮機(21a)は、その運転容量が可変である。具体的に、圧縮機(21a)の電動機には、図外のインバータから交流が供給される。インバータが圧縮機(21a)へ供給する交流の周波数(圧縮機(21a)の運転周波数)を変更すると、圧縮機(21a)の回転速度が変化し、その結果、圧縮機(21a)の運転容量が変化する。
四路切換弁(21b)は、第1状態(図2に実線で示す状態)と第2状態(図2には線で示す状態)とに切り換わる切換弁である。第1状態の四路切換弁(21b)では、第1のポートが第3のポートと連通し、第2のポートが第4のポートと連通する。第2状態の四路切換弁(21b)では、第1のポートが第4のポートと連通し、第2のポートが第3のポートと連通する。
室外熱交換器(21c)は、いわゆるフィン・アンド・チューブ熱交換器である。この室外熱交換器(21c)は、冷媒回路(20a)を流れる冷媒を、室外ファン(21e)によって供給された外気と熱交換させる。室外膨張弁(21d)は、開度可変の電子膨張弁である。
室外機制御部(32a)は、室外機(21)に設けられた構成機器を制御する。図示は省略するが、室外機制御部(32a)は、演算処理ユニットと、メモリーユニットとを備える。演算処理ユニットは、例えば集積回路から成るマイクロプロセッサである。演算処理ユニットは、所定のプログラムを実行することによって、室外機(21)の構成機器を制御する。メモリーユニットは、例えば集積回路から成る半導体メモリーである。メモリーユニットは、室外機制御部(32a)に所定の動作を実行させるためのプログラムと、室外機制御部(32a)の動作に必要なデータとを記憶する。
室外機(21)には、吸入圧力センサ(62)と吐出圧力センサ(63)とが設けられる。吸入圧力センサ(62)は、圧縮機(21a)の吸入管と四路切換弁(21b)の第2のポートを繋ぐ配管に接続され、圧縮機(21a)へ吸入される冷媒の圧力を計測する。吐出圧力センサ(63)は、圧縮機(21a)の吐出管と四路切換弁(21b)の第1のポートを繋ぐ配管に接続され、圧縮機(21a)から吐出された冷媒の圧力を計測する。
〈室内機〉
室内機(22)は、対象空間(SP1)に配置される。各室内機(22)は、空気熱交換器である室内熱交換器(22a)と、室内膨張弁(22b)と、室内ファン(22c)と、室内機制御部(32b)とを有する。
各室内機(22)では、室内熱交換器(22a)と室内膨張弁(22b)が直列に配置される。各室内機(22)は、室内熱交換器(22a)側の一端がガス側連絡配管(23b)に接続し、室内膨張弁(22b)側の他端が液側連絡配管(23a)に接続する。
室内熱交換器(22a)は、いわゆるフィン・アンド・チューブ熱交換器である。この室内熱交換器(22a)は、冷媒回路(20a)を流れる冷媒を、室内ファン(22c)によって供給された室内空気と熱交換させる。室内膨張弁(22b)は、開度可変の電子膨張弁である。
室内機制御部(32b)は、室内機(22)に設けられた構成機器を制御する。図示は省略するが、室内機制御部(32b)は、演算処理ユニットと、メモリーユニットとを備える。演算処理ユニットは、例えば集積回路から成るマイクロプロセッサである。演算処理ユニットは、所定のプログラムを実行することによって、室内機(22)の構成機器を制御する。メモリーユニットは、例えば集積回路から成る半導体メモリーである。メモリーユニットは、室内機制御部(32b)に所定の動作を実行させるためのプログラムと、室内機制御部(32b)の動作に必要なデータとを記憶する。
室内熱交換器(22a)には、冷媒温度センサ(66)が取り付けられる。冷媒温度センサ(66)は、室内熱交換器(22a)の伝熱管に取り付けられ、室内熱交換器(22a)を流れる冷媒の温度を計測する。室内熱交換器(22a)が蒸発器として機能する場合、冷媒温度センサ(66)の計測値は、実質的に冷媒の蒸発温度を示す。
各室内機(22)には、室内温度センサ(64)と室内湿度センサ(65)とが設けられる。室内温度センサ(64)は、室内機(22)に吸い込まれた室内空気の温度を、室内熱交換器(22a)の上流において計測する。室内湿度センサ(65)は、室内機(22)に吸い込まれた室内空気の相対湿度を、室内熱交換器(22a)の上流において計測する。
−空気調和装置の運転動作−
空気調和装置(20)は、冷房運転と暖房運転とを行う。
〈冷房運転〉
冷房運転では、四路切換弁(21b)が第1の状態に設定され、室外膨張弁(21d)が全開に保持され、各室内膨張弁(22b)の開度が個別に調節される。冷媒回路(20a)では、冷凍サイクルが行われ、室外熱交換器(21c)が凝縮器として機能し、室内熱交換器(22a)が蒸発器として機能する。
具体的に、圧縮機(21a)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21c)において放熱して凝縮し、その後に液側連絡配管(23a)を通って複数の室内機(22)に分配される。各室内機(22)において、流入した冷媒は、室内膨張弁(22b)を通過する際に膨張し、その後に室内熱交換器(22a)において吸熱して蒸発する。各室内機(22)から流出した冷媒は、ガス側連絡配管(23b)を通って室外機(21)へ流入し、圧縮機(21a)へ吸入される。圧縮機(21a)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
対象空間(SP1)から室内機(22)へ吸い込まれた室内空気は、室内熱交換器(22a)を通過する際に冷却され、その後に対象空間(SP1)へ吹き出される。室内熱交換器(22a)の表面温度が室内空気の露点温度よりも低い場合は、室内熱交換器(22a)の表面において、室内空気に含まれる水蒸気が凝縮して凝縮水が生成する。室内熱交換器(22a)において生成した凝縮水は、ドレン水として室内機(22)から屋外へ排出される。
〈暖房運転〉
暖房運転では、四路切換弁(21b)が第2の状態に設定され、室外膨張弁(21d)及び各室内膨張弁(22b)の開度が個別に調節される。冷媒回路(20a)では、冷凍サイクルが行われ、室内熱交換器(22a)が凝縮器として機能し、室外熱交換器(21c)が蒸発器として機能する。
具体的に、圧縮機(21a)から吐出された冷媒は、ガス側連絡配管(23b)を通って複数の室内機(22)に分配される。各室内機(22)において、流入した冷媒は、室内熱交換器(22a)において放熱して凝縮し、その後に室内膨張弁(22b)を通過する。各室内機(22)から流出した冷媒は、液側連絡配管(23a)を通って室外機(21)へ流入し、室外膨張弁(21d)を通過する際に膨張する。その後、室外熱交換器(21c)において吸熱して蒸発し、圧縮機(21a)へ吸入される。圧縮機(21a)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
対象空間(SP1)から室内機(22)へ吸い込まれた室内空気は、室内熱交換器(22a)を通過する際に加熱され、その後に対象空間(SP1)へ吹き出される。
〈室外機制御部の動作〉
室外機制御部(32a)は、圧縮機(21a)の運転容量を調節する。ここでは、室外機制御部(32a)が冷房運転中に圧縮機(21a)の運転容量を調節する動作について説明する。
冷房運転において、室外機制御部(32a)は、冷凍サイクルの低圧が所定の目標低圧LP_tgを含む目標圧力範囲となるように、圧縮機(21a)の運転周波数を調節する。本実施形態の目標圧力範囲は、LP_tg±ΔPの範囲である。また、目標低圧LP_tgは、目標蒸発温度Te_tgに対応する飽和圧力である。目標蒸発温度Te_tgは、冷房運転中の室内熱交換器(22a)における冷媒の蒸発温度の目標値である。
室外機制御部(32a)は、LP_tg−ΔP≦LP≦LP_tg+ΔPの関係が満たされるように、圧縮機(21a)の運転容量を調節する。LPは、吸入圧力センサ(62)の計測値である。
計測値LPが目標圧力範囲の下限値(LP_tg−ΔP)よりも低い場合(LP<LP_tg−ΔP)、室外機制御部(32a)は、圧縮機(21a)の運転周波数を引き下げ、圧縮機(21a)の運転容量を減少させる。一方、計測値LPが目標圧力範囲の上限値(LP_tg+ΔP)よりも高い場合(LP_tg+ΔP<LP)、室外機制御部(32a)は、圧縮機(21a)の運転周波数を引き上げ、圧縮機(21a)の運転容量を増加させる。
〈室内機制御部の動作1〉
室内機制御部(32b)は、冷房運転と暖房運転のそれぞれにおいて、室内機(22)の運転状態を切り換える。例えば、空気調和装置(20)の冷房運転において、室内機(22)の運転状態は、冷却動作と休止動作に切り換わる。ここでは、室内機制御部(32b)による冷却動作と休止動作の切り換えについて説明する。
各室内機(22)において、室内機制御部(32b)は、室内温度センサ(64)の計測値Trが、設定室内温度Tr_setを含む室内温度範囲となるように、冷却動作と休止動作を切り換える。設定室内温度Tr_setは、在室者がリモコン(40)を操作することによって、室内機制御部(32b)に入力される。室内温度範囲は、Tr_set±ΔTrの範囲である。また、室内機制御部(32b)は、対応する室内機(22)が冷却動作と休止動作のどちらを実行中かを示す信号を、制御装置(30)に対して出力する。
室内温度センサ(64)の計測値Trが室内温度範囲の上限値(Tr_set+ΔTr)を上回ると(Tr_set+ΔTr<Tr)、室内機制御部(32b)は、室内機(22)に冷却動作を実行させる。具体的に、室内機制御部(32b)は、室内熱交換器(22a)において室内空気が冷却されるように、室内ファン(22c)を作動させ、室内膨張弁(22b)の開度を調節する。
一方、室内温度センサ(64)の計測値Trが室内温度範囲の下限値(Tr_set−ΔTr)を下回ると(Tr<Tr_set−ΔTr)、室内機制御部(32b)は、室内機(22)に休止動作を実行させる。具体的に、室内機制御部(32b)は、室内熱交換器(22a)において室内空気が冷却されないように、室内膨張弁(22b)の開度を全閉または微少開度に保持する。また、室内機制御部(32b)は、室内ファン(22c)を作動させる。
〈室内機制御部の動作2〉
室内機(22)の冷房運転中に、室内機制御部(32b)は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成しているか否かを判定し、判定した結果を制御装置(30)に対して出力する。
各室内機(22)において、室内機制御部(32b)は、室内温度センサ(64)及び室内湿度センサ(65)の計測値を用いて室内空気の露点温度Tr_dpを算出する。そして、室内機制御部(32b)は、算出した露点温度Tr_dpと、冷媒温度センサ(66)の計測値Teとに基づいて、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成しているか否かを判定する。
室内機(22)の冷房運転中は、室内熱交換器(22a)が蒸発器として機能し、冷媒温度センサ(66)の計測値Teが実質的に冷媒の蒸発温度を示す。室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度Tsfは、冷媒温度センサ(66)の計測値Teよりも所定値だけ高い値(Tsf=Te+ΔT)となる。室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度Tsfは、冷房運転中に室内空気を冷却する空気熱交換器の温度(即ち、冷却温度)である。
室内機制御部(32b)は、室内空気の露点温度Tr_dpと、室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度Tsfとを比較する。そして、室内機制御部(32b)は、室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度Tsfが室内空気の露点温度Tr_dp以下の場合(Tsf≦Tr_dp)、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していると判定する。一方、室内機制御部(32b)は、室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度Tsfが室内空気の露点温度Tr_dpよりも高い場合(Tr_dp<Tsf)、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないと判定する。
−制御装置−
制御装置(30)は、空調システム(100)の動作を統括的に制御する。図示は省略するが、制御装置(30)は、演算処理ユニットと、メモリーユニットとを備える。演算処理ユニットは、例えば集積回路から成るマイクロプロセッサである。演算処理ユニットは、所定のプログラムを実行することによって、所定の制御動作を実行する。メモリーユニットは、例えば集積回路から成る半導体メモリーである。メモリーユニットは、制御装置(30)に所定の動作を実行させるためのプログラムと、制御装置(30)の動作に必要なデータとを記憶する。
制御装置(30)は、外調機制御部(31)、室外機制御部(32a)、及び全ての室内機制御部(32b)と電気的に接続される。制御装置(30)は、外調機制御部(31)、室外機制御部(32a)、及び室内機制御部(32b)と通信可能に構成され、これらの制御部(31,32a,32b)との間で信号の送受信を行う。
図3に示すように、制御装置(30)は、除湿情報作成部(51)と、運転情報作成部(52)と、温度情報作成部(53)と、湿度情報作成部(54)と、暖房能力情報作成部(55)と、給気調節部(56)と、蒸発温度調節部(57)とを備える。これらの作成部(51〜55)及び調節部(56,57)は、演算処理ユニットが所定のプログラムを実行することによって実現される。また、これらの作成部(51〜55)及び調節部(56,57)は、空気調和装置(20)が冷房運転を行うと共に、外気処理装置(10)が暖房加湿運転を行うときに、以下で説明する所定の動作を行う。
〈除湿情報生成部〉
除湿情報作成部(51)は、空気調和装置(20)の室内機(22)における凝縮水の生成量に関する除湿情報を作成する。
空気調和装置(20)の冷房運転中に、除湿情報作成部(51)は、各室内機(22)の室内機制御部(32b)から、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成しているか否かを示す信号を受信する。そして、除湿情報作成部(51)は、少なくとも一つの室内機制御部(32b)から、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示す信号を受信すると、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示す除湿情報を作成する。一方、除湿情報作成部(51)は、全ての室内機制御部(32b)から、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す信号を受信すると、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示す除湿情報を作成する。
〈運転情報作成部〉
運転情報作成部(52)は、空気調和装置(20)の運転状態に関する運転情報を作成する。
空気調和装置(20)の冷房運転中に、運転情報作成部(52)は、各室内機(22)の室内機制御部(32b)から、その室内機(22)が冷却動作と休止動作のどちらを実行中かを示す信号を受信する。そして、運転情報作成部(52)は、少なくとも一つの室内機制御部(32b)から、室内機(22)が冷却動作を実行中であることを示す信号を受信すると、空気調和装置(20)が冷却動作を実行中であることを示す運転情報を作成する。一方、運転情報作成部(52)は、全ての室内機制御部(32b)から、室内機(22)が休止動作を実行中であることを示す信号を受信すると、空気調和装置(20)が休止動作を実行中であることを示す運転情報を作成する。
〈温度情報作成部〉
温度情報作成部(53)は、対象空間(SP1)の気温と設定温度の関係に関する温度情報を作成する。
温度情報作成部(53)は、各室内機(22)の室内温度センサ(64)の計測値Trと、設定室内温度Tr_setとを取得する。温度情報作成部(53)は、各室内機(22)の室内温度センサ(64)の計測値Trの算術平均である平均室内温度Tr_mを算出し、この平均室内温度Tr_mを、設定室内温度Tr_setを含む室内温度範囲Tr_set±ΔTrと比較する。
温度情報作成部(53)は、平均室内温度Tr_mが室内温度範囲Tr_set±ΔTrに入っている場合(Tr_set−ΔTr≦Tr_m≦Tr_set+ΔTr)に、暖房適正状態であることを示す温度情報を作成する。また、温度情報作成部(53)は、平均室内温度Tr_mが室内温度範囲の上限値Tr_set+ΔTrよりも高い場合(Tr_set+ΔTr<Tr_m)に、暖房過剰状態であることを示す温度情報を作成する。また、温度情報作成部(53)は、平均室内温度Tr_mが室内温度範囲の下限値Tr_set−ΔTrよりも低い場合(Tr_m<Tr_set−ΔTr)に、暖房不足状態であることを示す温度情報を作成する。
〈湿度情報作成部〉
湿度情報作成部(54)は、対象空間(SP1)の湿度と設定湿度の関係に関する湿度情報を作成する。
湿度情報作成部(54)は、各室内機(22)から、室内温度センサ(64)の計測値Trと室内湿度センサ(65)の計測値RHrとを取得する。湿度情報作成部(54)は、各室内機(22)の室内温度センサ(64)の計測値Trの算術平均である平均室内温度Tr_mを算出し、各室内機(22)の室内湿度センサ(65)の計測値RHrの算術平均である平均室内湿度RHr_mを算出する。湿度情報作成部(54)は、平均室内温度Tr_mと平均室内湿度RHr_mとを用いて、室内空気の絶対湿度Xrを算出する。
また、湿度情報作成部(54)は、算出した室内空気の絶対湿度Xrを、設定室内湿度Xr_setを含む室内湿度範囲Xr_set±ΔXrと比較する。湿度情報作成部(54)は、設定室内湿度Xr_setを、各室内機(22)の室内機制御部(32b)から取得してもよいし、制御装置(30)のメモリーユニットから読み出してもよい。
湿度情報作成部(54)は、室内空気の絶対湿度Xrが室内湿度範囲Xr_set±ΔXrに入っている場合(Xr_set−ΔXr≦Xr≦Xr_set+ΔXr)に、加湿適正状態であることを示す湿度情報を作成する。また、湿度情報作成部(54)は、室内空気の絶対湿度Xrが室内湿度範囲の上限値Xr_set+ΔXrよりも高い場合(Xr_set+ΔXr<Xr)に、加湿過剰状態であることを示す湿度情報を作成する。また、湿度情報作成部(54)は、室内空気の絶対湿度Xrが室内湿度範囲の下限値Xr_set−ΔXrよりも低い場合(Xr_m<Xr_set−ΔXr)に、加湿不足状態であることを示す温度情報を作成する。
〈暖房能力情報作成部〉
暖房能力情報作成部(55)は、運転情報と温度情報とに基づいて、外気処理装置(10)の暖房能力が適正と過剰と不足の何れであるかを示す暖房能力情報を作成する。この暖房能力情報作成部(55)の動作について、図4を参照しながら説明する。
暖房能力情報作成部(55)は、運転情報が、空気調和装置(20)が冷却動作を実行中であることを示し、温度情報が、暖房過剰状態であることを示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す暖房能力情報を作成する。
暖房能力情報作成部(55)は、運転情報が、空気調和装置(20)が冷却動作を実行中であることを示し、温度情報が、暖房適正状態であることを示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す暖房能力情報を作成する。
暖房能力情報作成部(55)は、運転情報が、空気調和装置(20)が冷却動作を実行中であることを示し、温度情報が、暖房不足状態であることを示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示す暖房能力情報を作成する。
暖房能力情報作成部(55)は、運転情報が、空気調和装置(20)が休止動作を実行中であることを示し、温度情報が、暖房過剰状態であることを示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す暖房能力情報を作成する。
暖房能力情報作成部(55)は、運転情報が、空気調和装置(20)が休止動作を実行中であることを示し、温度情報が、暖房適正状態であることを示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す暖房能力情報を作成する。
暖房能力情報作成部(55)は、運転情報が、空気調和装置(20)が休止動作を実行中であることを示し、温度情報が、暖房不足状態であることを示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示す暖房能力情報を作成する。
〈給気調節部〉
給気調節部(56)は、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報とに基づいて、設定給気温度Ts_setを調節する。
給気調節部(56)は、給気温度上昇信号と給気温度保持信号と給気温度低下信号のうちのいずれか一つを、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報とに基づいて選択し、選択した信号を外調機制御部(31)へ送信する。給気温度上昇信号は、設定給気温度Ts_setを所定値(例えば、1℃)だけ引き上げることを指令する信号である。給気温度保持信号は、設定給気温度Ts_setを変更しないことを指令する信号である。給気温度低下信号は、設定給気温度Ts_setを所定値(例えば、1℃)だけ引き下げることを指令する信号である。
外調機制御部(31)は、給気温度上昇信号を受信すると、設定給気温度Ts_setを所定値だけ引き上げ、給気温度保持信号を受信すると、設定給気温度Ts_setの値を保持し、給気温度低下信号を受信すると、設定給気温度Ts_setを所定値だけ引き下げる。そして、外調機制御部(31)は、更新後の設定給気温度Ts_setを用いて、外気処理装置(10)の給気温度を制御する。
給気調節部(56)が行う動作について、図5を参照しながら説明する。
(1)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が、加湿過剰状態であることを示す場合に、給気温度低下信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き下げると、外気処理装置(10)の給気温度が低下すると共に、加湿器(13)の加湿量が減少して給気(SOA)の絶対湿度が低下する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す情報に変化すると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報に変化すると予想される。また、湿度情報は、加湿適正状態に変化すると予想される。
(2)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が、加湿適正状態であることを示す場合に、給気温度低下信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き下げると、外気処理装置(10)の給気温度が低下すると共に、加湿器(13)の加湿量が減少して給気(SOA)の絶対湿度が低下する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す情報に変化すると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報に変化すると予想される。また、湿度情報は、加湿不足状態に変化すると予想される。
(3)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が、加湿不足状態であることを示す場合に、給気温度低下信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き下げると、外気処理装置(10)の給気温度が低下すると共に、加湿器(13)の加湿量が減少して給気(SOA)の絶対湿度が低下する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す情報に変化すると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報に変化すると予想される。また、湿度情報は、加湿不足状態のままであると予想される。
(4)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が、加湿過剰状態であることを示す場合に、給気温度低下信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き下げると、外気処理装置(10)の給気温度が低下すると共に、加湿器(13)の加湿量が減少して給気(SOA)の絶対湿度が低下する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す情報のままであると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報に変化すると予想される。また、湿度情報は、加湿適正状態に変化すると予想される。
(5)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が、加湿適正状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(6)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が、加湿不足状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(7)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が、加湿過剰状態であることを示す場合に、給気温度低下信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き下げると、外気処理装置(10)の給気温度が低下すると共に、加湿器(13)の加湿量が減少して給気(SOA)の絶対湿度が低下する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す情報に変化すると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示す情報に変化すると予想される。また、湿度情報は、加湿適正状態に変化すると予想される。
(8)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が、加湿適正状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(9)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が、加湿不足状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(10)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が、加湿過剰状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(11)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が、加湿適正状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(12)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が、加湿不足状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(13)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が、加湿過剰状態であることを示す場合に、給気温度低下信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き下げると、外気処理装置(10)の給気温度が低下すると共に、加湿器(13)の加湿量が減少して給気(SOA)の絶対湿度が低下する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す情報に変化すると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示す情報のままであると予想される。また、湿度情報は、加湿適正状態に変化すると予想される。
(14)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が、加湿適正状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(15)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が、加湿不足状態であることを示す場合に、給気温度上昇信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き上げると、外気処理装置(10)の給気温度が上昇すると共に、加湿器(13)の加湿量が増加して給気(SOA)の絶対湿度が上昇する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示す情報のままであると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報に変化すると予想される。また、湿度情報は、加湿適正状態に変化すると予想される。
(16)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が、加湿過剰状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(17)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が、加湿適正状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(18)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が、加湿不足状態であることを示す場合に、給気温度上昇信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き上げると、外気処理装置(10)の給気温度が上昇すると共に、加湿器(13)の加湿量が増加して給気(SOA)の絶対湿度が上昇する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示す情報に変化すると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報に変化すると予想される。また、湿度情報は、加湿適正状態に変化すると予想される。
〈蒸発温度調節部〉
蒸発温度調節部(57)は、除湿情報に基づいて、目標蒸発温度Te_tgを調節する。
蒸発温度調節部(57)は、蒸発温度上昇信号と蒸発温度保持信号の一方を、除湿情報に基づいて選択し、選択した信号を室外機制御部(32a)へ送信する。蒸発温度上昇信号は、目標蒸発温度Te_tgを所定値(例えば、1℃)だけ引き上げることを指令する信号である。蒸発温度保持信号は、目標蒸発温度Te_tgを変更しないことを指令する信号である。
室外機制御部(32a)は、蒸発温度上昇信号を受信すると、目標蒸発温度Te_tgを所定値だけ引き上げ、蒸発温度保持信号を受信すると、目標蒸発温度Te_tgの値を保持する。
そして、室外機制御部(32a)は、更新後の目標蒸発温度Te_tgを用いて、圧縮機(21a)の運転容量を制御する。
蒸発温度調節部(57)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示す場合に、蒸発温度上昇信号を室外機制御部(32a)へ送信する。
冷房運転中に室外機制御部(32a)が目標蒸発温度Te_tgを引き上げると、室内熱交換器(22a)における冷媒の蒸発温度が上昇し、それに伴って、室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度が上昇する。その結果、室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度と室内空気の露点温度の差が縮小し、室内熱交換器(22a)において生成する凝縮水の量が減少する。また、室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度が室内空気の露点温度を上回ると、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成しなくなる。
蒸発温度調節部(57)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す場合に、蒸発温度保持信号を室外機制御部(32a)へ送信する。この場合、室外機制御部(32a)は、目標蒸発温度Te_tgを変更せずに保持する。従って、この場合、室内熱交換器(22a)では、引き続き凝縮水が生成しない。
−実施形態の特徴(1)−
本実施形態の空調システム(100)は、外気処理装置(10)と、空気調和装置(20)とを備える。外気処理装置(10)は、吸い込んだ外気を処理して対象空間(SP1)へ供給する。空気調和装置(20)は、対象空間(SP1)から吸い込んだ室内空気を処理して対象空間(SP1)へ供給する。
本実施形態の空調システム(100)は、制御装置(30)を更に備える。制御装置(30)は、外気処理装置(10)が外気の加熱と加湿とを行う暖房加湿運転を行い、空気調和装置(20)が室内空気の冷却を行う冷房運転を行うときに、除湿情報、運転情報、温度情報、及び湿度情報に基づいて、外気処理装置(10)の給気温度と、冷房運転中の室内熱交換器(22a)の温度である冷却温度とを調節する。
除湿情報は、空気調和装置(20)における凝縮水の生成量に関する情報である。運転情報は、空気調和装置(20)の運転状態に関する情報である。温度情報は、対象空間(SP1)の気温と設定室内温度Tr_setの関係に関する情報である。湿度情報は、対象空間(SP1)の湿度と設定室内湿度Xr_setの関係に関する情報である。給気温度Tsは、外気処理装置(10)が上記対象空間(SP1)へ供給する処理後の外気の温度である。冷却温度は、冷房運転中に上記室内空気を冷却する室内熱交換器(22a)の温度(本実施形態では、フィンの表面温度Tsf)である。
本実施形態の空調システム(100)において、制御装置(30)は、外気処理装置(10)が暖房加湿運転を行い、空気調和装置(20)が冷房運転を行うときに、空気調和装置(20)の運転状態に関する運転情報を考慮して、外気処理装置(10)が対象空間(SP1)へ供給する処理後の外気の温度(給気温度)と、空気調和装置(20)の室内熱交換器(22a)の温度(冷却温度)とを調節する。従って、本実施形態によれば、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、空調システム(100)の制御を適切に行うことができる。
−実施形態の特徴(2)−
本実施形態の空気調和装置(20)は、冷房運転において、室内空気を冷却する冷却動作と、室内空気の冷却を休止する休止動作とを選択的に行う。
除湿情報は、空気調和装置(20)において凝縮水が生成しているか生成していないかを示す情報である。運転情報は、空気調和装置(20)が冷却動作と休止動作のどちらを行っているかを示す情報である。
温度情報は、暖房適正状態と、暖房過剰状態と、暖房不足状態との何れであるかを示す情報である。暖房適正状態は、対象空間(SP1)の気温(本実施形態では、室内温度センサ(64)の計測値Tr)が設定室内温度Tr_setを含む所定の設定温度範囲(本実施形態では、室内温度範囲Tr_set±ΔTr)に入っている状態である。暖房過剰状態は、対象空間(SP1)の気温が設定温度範囲の上限値よりも高い状態である。暖房不足状態は、対象空間(SP1)の気温が設定温度範囲の下限値よりも低い状態である。
湿度情報は、加湿適正状態と、加湿過剰状態と、加湿不足状態との何れであるかを示す情報である。加湿適正状態は、対象空間(SP1)の湿度(本実施形態では、室内空気の絶対湿度Xr)が設定室内湿度Xr_setを含む所定の設定湿度範囲(本実施形態では、室内湿度範囲Xr_set±ΔXr)に入っている状態である。加湿過剰状態は、対象空間(SP1)の湿度が設定湿度範囲の上限値よりも高い状態である。加湿不足状態は、対象空間(SP1)の湿度が上記設定湿度範囲の下限値よりも低い状態である。
本実施形態では、除湿情報と運転情報と温度情報と湿度情報のそれぞれが具体化される。運転情報は、空気調和装置(20)が冷却動作と休止動作のどちらを行っているかを示す情報である。従って、本実施形態によれば、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、空気調和装置(20)が冷却動作と休止動作のどちらを行っているのかを考慮して、空調システム(100)を制御することができる。
−実施形態の特徴(3)−
本実施形態の制御装置(30)は、運転情報と温度情報とに基づいて、外気処理装置(10)の暖房能力が適正と過剰と不足の何れであるかを示す暖房能力情報を作成する。そして、この制御装置(30)は、除湿情報、湿度情報、及び暖房能力情報に基づいて、給気温度と冷却温度とを調節する。
本実施形態の制御装置(30)は、運転情報と温度情報とに基づいて暖房能力情報を作成する。そして、制御装置(30)は、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、除湿情報と湿度情報と暖房能力情報とに基づいて、空調システム(100)を制御する。
−実施形態の特徴(4)−
本実施形態の制御装置(30)は、運転情報に拘わらず、温度情報が暖房過剰状態を示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す情報を、暖房能力情報とする。また、この制御装置(30)は、運転情報が冷却動作を空気調和装置(20)が行うことを示し、温度情報が暖房適正状態を示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す情報を上記暖房能力情報とする。また、この制御装置(30)は、運転情報が休止動作を空気調和装置(20)が行うことを示し、温度情報が暖房適正状態を示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報を暖房能力情報とする。また、この制御装置(30)は、運転情報に拘わらず、温度情報が暖房不足状態を示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示す情報を暖房能力情報とする。
本実施形態では、暖房能力情報が具体化される。
空気調和装置(20)が冷却動作を行っており、対象空間(SP1)の気温が設定温度範囲に入っている場合は、外気処理装置(10)の暖房能力を削減しても、空気調和装置(20)の冷房能力を調節することによって、対象空間(SP1)の気温を設定温度範囲に保つことが可能である。そこで、この場合、制御装置(30)は、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す情報を、暖房能力情報とする。
空気調和装置(20)が休止動作を行っており、対象空間(SP1)の気温が設定温度範囲に入っている場合は、対象空間(SP1)の気温を設定温度範囲に保つために、外気処理装置(10)の暖房能力を現状のままに保つ必要がある。そこで、この場合、制御装置(30)は、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報を、暖房能力情報とする。
対象空間(SP1)の気温が設定温度範囲の下限値を下回る場合は、空気調和装置(20)が冷却動作と休止動作のどちらを行っているときでも、対象空間(SP1)の気温を設定温度範囲にするために、外気処理装置(10)の暖房能力を引き上げる必要がある。そこで、この場合、制御装置(30)は、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示す情報を、暖房能力情報とする。
−実施形態の特徴(5)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示すときに、湿度情報に拘わらず、給気温度を引き下げる。
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報が加湿適正状態と加湿過剰状態と加湿不足状態のどれを示していても、給気温度を引き下げる。
暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す場合は、外気処理装置(10)の暖房能力が低下しても、対象空間(SP1)の気温は設定温度範囲に入る可能性が高い。外気処理装置(10)が対象空間(SP1)へ供給する処理後の外気の温度が低下すると、外気処理装置(10)において外気に付与される水分の量(加湿量)が減少し、その結果、空気調和装置(20)において生成する凝縮水の量が減少する。
−実施形態の特徴(6)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示すときに、湿度情報が加湿過剰状態を示す場合は、給気温度を引き下げ、湿度情報が加湿適正状態または加湿不足状態を示す場合は、給気温度を変更しない。
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度を引き下げるか、給気温度を変更せずに保持するかを選択する。
除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示す場合は、給気温度が引き上げられて外気処理装置(10)の加湿量が増加しない限り、空気調和装置(20)では依然として凝縮水が生成しない。
そこで、この場合において、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が加湿過剰状態を示すとき、制御装置(30)は、給気温度を引き下げ、外気処理装置(10)の暖房能力と加湿能力とを引き下げる。
一方、この場合において、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が加湿適正状態または加湿不足状態を示すとき、制御装置(30)は、給気温度を変更しない。その結果、外気処理装置(10)の加湿能力が一定に保たれる。
−実施形態の特徴(7)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示すときに、湿度情報が加湿過剰状態を示す場合は、給気温度を引き下げ、湿度情報が加湿適正状態または加湿不足状態を示す場合は、給気温度を変更しない。
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度を引き下げるか、給気温度を変更せずに保持するかを選択する。
空気調和装置(20)において凝縮水が生成していない場合は、給気温度を引き下げて、外気処理装置(10)の加湿能力を削減するのが望ましい。しかし、給気温度が低下すると、室内空気の温度と湿度が低下するおそれがある。
そこで、この場合、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が加湿過剰状態を示すとき、制御装置(30)は、給気温度を引き下げ、外気処理装置(10)の暖房能力と加湿能力とを引き下げる。その結果、空気調和装置(20)において生成する凝縮水の量が減少する。
一方、この場合、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が加湿適正状態または加湿不足状態を示すとき、制御装置(30)は、給気温度を変更せず、外気処理装置(10)の暖房能力と加湿能力とを保持する。
−実施形態の特徴(8)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示すときに、湿度情報に拘わらず、給気温度を変更しない。
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報が加湿適正状態と加湿過剰状態と加湿不足状態のどれを示していても、給気温度を変更しない。
空気調和装置(20)において凝縮水が生成していない場合は、給気温度が変更されなければ、空気調和装置(20)では依然として凝縮水が生成しない。そこで、この場合において、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示すとき、制御装置(30)は、湿度情報がどのような状態を示していても、給気温度を変更しない。その結果、外気処理装置(10)の加湿能力が一定に保たれ、空気調和装置(20)における凝縮水の生成が回避される。
−実施形態の特徴(9)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示すときに、湿度情報が加湿過剰状態を示す場合は、給気温度を引き下げ、湿度情報が加湿適正状態を示す場合は、給気温度を変更せず、湿度情報が加湿不足状態を示す場合は、給気温度を引き上げる。
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度を引き下げるか、給気温度を変更せずに保持するか、給気温度を引き上げるかを選択する。
除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、湿度情報が加湿過剰状態を示す場合、制御装置(30)は、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示していても、給気温度を引き下げる。その結果、外気処理装置(10)の加湿能力が低下し、空気調和装置(20)において生成する凝縮水の量が減少する。
除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、湿度情報が加湿適正状態を示す場合、制御装置(30)は、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示していても、給気温度を変更しない。その結果、室内空気の湿度が設定湿度範囲に保たれる。
暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が加湿不足状態を示す場合、制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示していても、給気温度を引き上げる。その結果、室内空気の温度が設定温度範囲に近づき、室内空気の湿度が設定湿度範囲に近づく。
−実施形態の特徴(10)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示すときに、湿度情報が加湿過剰状態又は加湿適正状態を示す場合は、給気温度を変更せず、湿度情報が加湿不足状態を示す場合は、給気温度を引き上げる。
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度を変更せずに保持するか、給気温度を引き上げるかを選択する。
空気調和装置(20)において凝縮水が生成していない場合は、外気処理装置(10)の加湿能力が多少増加しても、空気調和装置(20)を凝縮水が生成しない状態に保つことができる可能性がある。
そこで、この場合において、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が加湿過剰状態又は加湿適正状態を示すとき、制御装置(30)は、給気温度を変更せずに保持する。
一方、この場合において、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が加湿不足状態を示す場合は、制御装置(30)は、給気温度を引き上げる。その結果、外気処理装置(10)の加湿能力が増加し、室内空気の湿度が設定湿度範囲に入る。
−実施形態の特徴(11)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示すときに、暖房能力情報及び湿度情報に拘わらず、冷却温度を引き上げる。
本実施形態の除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示す場合、制御装置(30)は、暖房能力情報と湿度情報のそれぞれがどのような情報であっても、冷却温度を引き上げる。その結果、空気調和装置(20)の室内熱交換器(22a)へ流入する室内空気の露点と、冷却温度との差が縮小し、空気調和装置(20)において生成する凝縮水の量が減少する。
−実施形態の特徴(12)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示すときに、暖房能力情報及び湿度情報に拘わらず、冷却温度を変更しない。
除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示す場合、本実施形態の制御装置(30)は、暖房能力情報と湿度情報のそれぞれがどのような情報であっても、冷却温度を変更せずに保持する。その結果、空気調和装置(20)において凝縮水が生成しない状態が継続する。
−実施形態の変形例1−
本実施形態の制御装置では、蒸発温度調節部(57)が省略されていてもよい。本変形例の制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報とに基づく設定給気温度Ts_setの調節を行う一方、除湿情報に基づく目標蒸発温度Te_tgの調節を行わない。
−実施形態の変形例2−
本実施形態の室内機制御部(32b)は、室内熱交換器(22a)に取り付けられた結露センサの出力に基づいて、室内熱交換器(22a)のフィンの表面において凝縮水が生成しているか否かを判定するように構成されていてもよい。
また、本実施形態の室内機制御部(32b)は、室内熱交換器(22a)を撮影するカメラの画像に基づいて、室内熱交換器(22a)のフィンの表面において凝縮水が生成しているか否かを判定するように構成されていてもよい。
−実施形態の変形例3−
本実施形態の制御装置(30)において、給気調節部(56)は、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報とに基づいて、外気処理装置(10)の給気流量を調節するように構成されていてもよい。
本変形例の給気調節部(56)は、給気流量上昇信号と給気流量保持信号と給気流量低下信号のうちのいずれか一つを、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報とに基づいて選択し、選択した信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)は、給気流量上昇信号を受信すると、給気ファン(14)の回転速度を所定値だけ引き上げ、給気流量保持信号を受信すると、給気ファン(14)の回転速度を保持し、給気流量低下信号を受信すると、給気ファン(14)の回転速度を所定値だけ引き下げる。給気ファン(14)の回転速度が上昇すると、外調機制御部(31)の給気流量が増加する。給気ファン(14)の回転速度が変化しなければ、外調機制御部(31)の給気流量も変化しない。給気ファン(14)の回転速度が低下すると、外調機制御部(31)の給気流量が減少する。
図5に示すように、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度上昇信号を出力する場合に、給気温度上昇信号に代えて給気流量上昇信号を出力する。給気流量上昇信号を受信した外調機制御部(31)が給気ファン(14)の回転速度を上昇させると、加湿器(13)を通過する外気の流量が増加する。その結果、加湿器(13)の加湿量が増加し、給気(SOA)の絶対湿度が上昇する。
また、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度保持信号を出力する場合に、給気温度保持信号に代えて給気流量保持信号を出力する。給気流量保持信号を受信した外調機制御部(31)が給気ファン(14)の回転速度を保持すると、加湿器(13)を通過する外気の流量は変化しない。そのため、加湿器(13)の加湿量は変化せず、給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。
また、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度低下信号を出力する場合に、給気温度低下信号に代えて給気流量低下信号を出力する。給気流量低下信号を受信した外調機制御部(31)が給気ファン(14)の回転速度を低下させると、加湿器(13)を通過する外気の流量が減少する。その結果、加湿器(13)の加湿量が減少し、給気(SOA)の絶対湿度が低下する。
なお、本変形例の給気調節部(56)は、設定給気温度Ts_setと、給気ファン(14)の回転速度との両方を調節するように構成されていてもよい。この場合、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度上昇信号を出力する場合に、給気温度上昇信号と給気流量上昇信号の両方を出力する。また、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度保持信号を出力する場合に、給気温度保持信号と給気流量保持信号の両方を出力する。また、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度低下信号を出力する場合に、給気温度低下信号と給気流量低下信号の両方を出力する。
−実施形態の変形例4−
本実施形態の制御装置(30)において、給気調節部(56)は、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報とに基づいて、外気処理装置(10)の給水流量を調節するように構成されていてもよい。
本変形例の給気調節部(56)は、給水流量上昇信号と給水流量保持信号と給水流量低下信号のうちのいずれか一つを、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報とに基づいて選択し、選択した信号を外調機制御部(31)へ送信する。外調機制御部(31)は、給水流量上昇信号を受信すると給水流量を所定値だけ引き上げ、給気流量保持信号を受信すると給水流量を保持し、給気流量低下信号を受信すると給水流量を所定値だけ引き下げる。
上述したように、給水流量は、加湿器(13)へ供給される加湿用の水の流量である。給水流量が増加すると、加湿器(13)の加湿量が増加する。給水流量が変化しなければ、加湿器(13)の加湿量も変化しない。給水流量が減少すると、加湿器(13)の加湿量が減少する。
本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度上昇信号を出力する場合に、給気温度上昇信号に代えて、又は給気温度上昇信号と共に、給水流量上昇信号を出力する。また、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度保持信号を出力する場合に、給気温度保持信号に代えて、又は給気温度上昇信号と共に、給水流量保持信号を出力する。また、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度低下信号を出力する場合に、給気温度低下信号に代えて、又は給気温度上昇信号と共に、給水流量低下信号を出力する。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、空調システムについて有用である。
10 外気処理装置
20 空気調和装置
22a 室内熱交換器
30 制御装置
100 空調システム
SP1 対象空間
本開示は、空調システムに関するものである。
特許文献1には、空調装置と調湿装置とを備えた空調システムが開示されている。この空調システムでは、空調装置が冷房運転を行うと共に、調湿装置が加湿運転を行う場合がある。このような場合には、加湿装置が室内空気を加湿しているにも拘わらず、空調装置において空気中の水分が凝縮し、ドレン水として室外に排出されるおそれがある。特許文献1の空調システムは、このような場合に室外に排出される水の量を抑えるため、空調装置において空気を冷却する冷媒の蒸発温度を、室内空気の目標温度と目標湿度に基づいて計算した露点温度以上に設定する。
特許文献1に開示されているような室内の温度と湿度を調節する空調システムでは、室内の冷房と加湿を同時に行う場合の空調システムの制御において、空調装置の運転状態が考慮されていなかった。このため、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、空調システムの制御を適切に行えないおそれがあった。
本開示の目的は、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、空調システムの制御を適切に行うことにある。
本開示の第1の態様は、吸い込んだ外気を処理して対象空間(SP1)へ供給する外気処理装置(10)と、上記対象空間(SP1)から吸い込んだ室内空気を処理して該対象空間(SP1)へ供給する空気調和装置(20)とを備える空調システムを対象とする。そして、上記外気処理装置(10)が外気の加熱と加湿とを行う暖房加湿運転を行い、上記空気調和装置(20)が室内空気の冷却を行う冷房運転を行うときに、上記空気調和装置(20)における凝縮水の生成量に関する除湿情報、上記空気調和装置(20)の運転状態に関する運転情報、上記対象空間(SP1)の気温と設定温度の関係に関する温度情報、及び上記対象空間(SP1)の湿度と設定湿度の関係に関する湿度情報に基づいて、上記外気処理装置(10)が上記対象空間(SP1)へ供給する処理後の外気の温度である給気温度、上記外気処理装置(10)が上記対象空間(SP1)へ供給する外気の流量である給気流量、及び上記外気処理装置(10)へ供給される加湿用の水の流量である給水流量の少なくとも一つを調節する制御装置(30)を備えることを特徴とする。
第1の態様の空調システム(100)において、制御装置(30)は、外気処理装置(10)が暖房加湿運転を行い、空気調和装置(20)が冷房運転を行うときに、空気調和装置(20)の運転状態に関する運転情報を考慮して、外気処理装置(10)が対象空間(SP1)へ供給する処理後の外気の温度(給気温度)、外気処理装置(10)が対象空間(SP1)へ供給する外気の流量(給気流量)、及び外気処理装置(10)へ供給される加湿用の水の流量(給水流量)の少なくとも一つを調節する。従って、この態様によれば、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、空調システム(100)の制御を適切に行うことができる。
また、本開示の第1の態様は、上記の構成に加えて、上記空気調和装置(20)は、上記冷房運転において、室内空気を冷却する冷却動作と、室内空気の冷却を休止する休止動作とを選択的に行う一方、上記除湿情報は、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成しているか生成していないかを示す情報であり、上記運転情報は、上記空気調和装置(20)が上記冷却動作と上記休止動作のどちらを行っているかを示す情報であり、上記温度情報は、上記対象空間(SP1)の気温が上記設定温度を含む所定の設定温度範囲に入っている暖房適正状態と、上記対象空間(SP1)の気温が上記設定温度範囲の上限値よりも高い暖房過剰状態と、上記対象空間(SP1)の気温が上記設定温度範囲の下限値よりも低い暖房不足状態との何れであるかを示す情報であり、上記湿度情報は、上記対象空間(SP1)の湿度が上記設定湿度を含む所定の設定湿度範囲に入っている加湿適正状態と、上記対象空間(SP1)の湿度が上記設定湿度範囲の上限値よりも高い加湿過剰状態と、上記対象空間(SP1)の湿度が上記設定湿度範囲の下限値よりも低い加湿不足状態との何れであるかを示す情報であることを特徴とする。
第1の態様では、除湿情報と運転情報と温度情報と湿度情報のそれぞれが具体化される。運転情報は、空気調和装置(20)が冷却動作と休止動作のどちらを行っているかを示す情報である。従って、この態様によれば、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、空気調和装置(20)が冷却動作と休止動作のどちらを行っているのかを考慮して、空調システム(100)を制御することができる。
また、本開示の第1の態様は、上記の構成に加えて、上記制御装置(30)は、上記運転情報と上記温度情報とに基づいて、上記外気処理装置(10)の暖房能力が適正と過剰と不足の何れであるかを示す暖房能力情報を作成し、上記除湿情報、上記湿度情報、及び上記暖房能力情報に基づいて、上記給気温度、上記給気流量、上記給水流量、及び上記冷却温度の少なくとも一つを調節することを特徴とする。
第1の態様の制御装置(30)は、運転情報と温度情報とに基づいて暖房能力情報を作成する。そして、制御装置(30)は、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、除湿情報と湿度情報と暖房能力情報とに基づいて、空調システム(100)を制御する。
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記制御装置(30)は、上記運転情報に拘わらず、上記温度情報が上記暖房過剰状態を示す場合に、上記外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す情報を上記暖房能力情報とし、上記運転情報が上記冷却動作を上記空気調和装置(20)が行うことを示し、上記温度情報が上記暖房適正状態を示す場合に、上記外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す情報を上記暖房能力情報とし、上記運転情報が上記休止動作を上記空気調和装置(20)が行うことを示し、上記温度情報が上記暖房適正状態を示す場合に、上記外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報を上記暖房能力情報とし、上記運転情報に拘わらず、上記温度情報が上記暖房不足状態を示す場合に、上記外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示す情報を上記暖房能力情報とすることを特徴とする。
第2の態様では、暖房能力情報が具体化される。
本開示の第3の態様は、上記第2の態様において、上記制御装置(30)は、上記除湿情報が、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、上記暖房能力情報が、上記外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示すときに、上記湿度情報に拘わらず、上記給気温度と上記給気流量の少なくとも一つを引き下げることを特徴とする。
第3の態様において、制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報が加湿適正状態と加湿過剰状態と加湿不足状態のどれを示していても、給気温度と給気流量の一方または両方を引き下げる。
本開示の第4の態様は、上記第2又は第3の態様において、上記制御装置(30)は、上記除湿情報が、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示し、上記暖房能力情報が、上記外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示すときに、上記湿度情報が上記加湿過剰状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の少なくとも一つを引き下げ、上記湿度情報が上記加湿適正状態または上記加湿不足状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の両方を変更しないことを特徴とする。
第4の態様において、制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度と上記給気流量の一方または両方を引き下げるか、給気温度と上記給気流量の両方を変更せずに保持するかを選択する。
本開示の第5の態様は、上記第2〜第4のいずれか一つの態様において、上記制御装置(30)は、上記除湿情報が、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、上記暖房能力情報が、上記外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示すときに、上記湿度情報が上記加湿過剰状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の少なくとも一つを引き下げ、上記湿度情報が上記加湿適正状態または上記加湿不足状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の両方を変更しないことを特徴とする。
第5の態様において、制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度と上記給気流量の一方または両方を引き下げるか、給気温度と上記給気流量の両方を変更せずに保持するかを選択する。
本開示の第6の態様は、上記第2〜第5のいずれか一つの態様において、上記制御装置(30)は、上記除湿情報が、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示し、上記暖房能力情報が、上記外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示すときに、上記湿度情報に拘わらず、上記給気温度と上記給気流量の両方を変更しないことを特徴とする。
第6の態様において、制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報が加湿適正状態と加湿過剰状態と加湿不足状態のどれを示していても、給気温度と上記給気流量の両方を変更しない。
本開示の第7の態様は、上記第2〜第6のいずれか一つの態様において、上記制御装置(30)は、上記除湿情報が、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、上記暖房能力情報が、上記外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示すときに、上記湿度情報が上記加湿過剰状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の少なくとも一つを引き下げ、上記湿度情報が上記加湿適正状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の両方を変更せず、上記湿度情報が上記加湿不足状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の少なくとも一つを引き上げることを特徴とする。
第7の態様において、制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度と上記給気流量の一方または両方を引き下げるか、給気温度と上記給気流量の両方を変更せずに保持するか、給気温度と上記給気流量の一方または両方を引き上げるかを選択する。
本開示の第8の態様は、上記第2〜第7のいずれか一つの態様において、上記制御装置(30)は、上記除湿情報が、上記空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示し、上記暖房能力情報が、上記外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示すときに、上記湿度情報が上記加湿過剰状態又は上記加湿適正状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の両方を変更せず、上記湿度情報が上記加湿不足状態を示す場合は、上記給気温度と上記給気流量の少なくとも一つを引き上げることを特徴とする。
第8の態様では、制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度と上記給気流量の両方を変更せずに保持するか、給気温度と上記給気流量の一方または両方を引き上げるかを選択する。
図1は、実施形態の空調システムの概略構成を示す図である。
図2は、実施形態の空気調和装置の構成を示す冷媒回路図である。
図3は、実施形態の制御装置の構成を示すブロック図である。
図4は、制御装置の暖房能力情報作成部の動作を示す表である。
図5は、制御装置の給気調節部の動作を示す表である。
本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。
−空調システムの構成−
図1に示すように、空調システム(100)は、家屋、ビル、工場、公共施設などの建築物内に含まれる対象空間の空気調和を行うシステムである。
本実施形態の空調システム(100)は、対象空間(SP1)を含む建物(BL)に適用される。建物(BL)は、後述する外気処理装置(10)が配置される機械室(BL1)と、対象空間(SP1)が存在する専有部区画(BL2)と、機械室(BL1)と専有部区画(BL2)との間に介在する廊下(BL3)とを有する。
図1に示すように、空調システム(100)は、外気処理装置(10)と、空気調和装置(20)と、制御装置(30)とを備える。外気処理装置(10)は、取り入れた外気(OA)の温度および湿度を調整して対象空間(SP1)に給気する。外気(OA)は、対象空間(SP1)の外部の空気(この例では、建物(BL)の外部の空気)である。空気調和装置(20)は、対象空間(SP1)の空気(室内空気)の温度を調整する。
空調システム(100)では、対象空間(SP1)に設置されるリモコン(40)にコマンドを適宜入力することで、外気処理装置(10)および空気調和装置(20)の運転状態を切り換えられる。制御装置(30)は、リモコン(40)に入力されたコマンドと、外気(OA)の温度および湿度と、室内空気の温度および湿度などに応じて、外気処理装置(10)および空気調和装置(20)の運転状態を制御する。
−外気処理装置の構成−
外気処理装置(10)は、主として、本体ユニット(11)と、熱源ユニットとなるチラーユニット(図示せず)とを備える。本体ユニット(11)は、いわゆるエアハンドリングユニットである。本実施形態の本体ユニット(11)は、図外のチラーユニットから供給された熱媒体を空気と熱交換させるように構成される。なお、本実施形態の本体ユニット(11)は、図外の熱源ユニットとの間を循環する冷媒を空気と熱交換させるように構成されていてもよい。
外気処理装置(10)は、運転中、建物(BL)の外壁に設けられた吸気口(15)から吸気ダクト(L1)を経由して外気(OA)を本体ユニット(11)に取り込む。外気処理装置(10)は、取り込んだ外気(OA)の温度と湿度を調節し、処理後の外気(OA)を、給気ダクト(L2)を経由して給気口(16)から対象空間(SP1)に給気(SOA)として供給する。
外気処理装置(10)は、排気ファン(17)によって、対象空間(SP1)の排気口(図示せず)から室内空気を取り込み、取り込んだ室内空気を、排気ダクト(L3)を経由して建物(BL)の外部に排気(EA)として放出する。
〈本体ユニット〉
本体ユニット(11)は、外気熱交換器(12)と、加湿器(13)と、給気ファン(14)とを有する。
外気熱交換器(12)は、伝熱管および伝熱フィンを有する。外気熱交換器(12)では、伝熱管および伝熱フィンの周囲を通過する外気(OA)と、伝熱管を通過する熱媒体との間で熱交換が行われる。
加湿器(13)は、外気熱交換器(12)を通過した外気(OA)を加湿する。この加湿器(13)は、いわゆる自然蒸発式(気化式)の加湿器である。加湿器(13)は、加湿エレメント(13a)と、給水器とを備える。給水器の図示は省略する。加湿エレメント(13a)は、不織布または多孔質によって構成され、水(液体)を保持するように構成される。給水器は、加湿エレメント(13a)に水(液体)を供給する。加湿器(13)は、外気(OA)を加湿エレメント(13a)と接触させ、加湿エレメント(13a)から蒸発した水(水蒸気)を外気(OA)に付与する。
加湿器(13)が外気(OA)に付与する水分の量(加湿量)は、外気熱交換器(12)から加湿器(13)へ供給される外気(OA)の温度に応じて変化する。本体ユニット(11)へ流入する外気(OA)の絶対湿度が同じである場合について比較すると、外気熱交換器(12)から加湿器(13)へ供給される外気(OA)の温度が高いほど、加湿器(13)の加湿量は多くなる。
また、加湿器(13)が外気(OA)に付与する水分の量(加湿量)は、加湿器(13)を通過する外気(OA)の流量に応じて変化する。本体ユニット(11)へ流入する外気(OA)の絶対湿度が同じである場合について比較すると、加湿器(13)を通過する外気(OA)の流量が多いほど、加湿器(13)の加湿量は多くなる。なお、加湿器(13)を通過する外気(OA)の流量は、外気処理装置(10)が対象空間(SP1)へ供給する給気(SOA)の流量(給気流量)と実質的に等しい。
また、加湿器(13)が外気(OA)に付与する水分の量(加湿量)は、外気処理装置(10)の外部から加湿器(13)へ供給される加湿用の水の流量(給水流量)に応じて変化する。本体ユニット(11)へ流入する外気(OA)の絶対湿度が同じである場合について比較すると、給水流量が多いほど、加湿器(13)の加湿量は多くなる。なお、給水流量の調節は、例えば加湿器(13)へ水を供給する配管に設けられた調節弁の開度を調節することによって実行できる。また、加湿器(13)が複数の加湿エレメント(13a)を備える場合は、使用する加湿エレメント(13a)の数を変更することによって、給水流量を変更してもよい。
給気ファン(14)は、外気(OA)を本体ユニット(11)内に取り込み、給気ダクト(L2)へ送る送風機である。給気ファン(14)の型式は特に限定されないが、例えば、シロッコファンを用いてもよい。給気ファン(14)は、その回転速度が可変である。給気ファン(14)の回転速度が変化すると、給気ファン(14)が吹き出す空気の流量(吹出流量)が変化する。
本体ユニット(11)には、給気温度センサ(61)が設けられる。給気温度センサ(61)は、本体ユニット(11)内の空気通路における加湿器(13)と給気ファン(14)の間に配置される。給気温度センサ(61)は、外気熱交換器(12)と加湿器(13)とを通過した処理後の外気(OA)の温度を計測する。給気温度センサ(61)の計測値は、外気処理装置(10)が対象空間へ供給する給気(SOA)の温度(給気温度)である。
〈給気ダクト、吸気口〉
給気ダクト(L2)は、外気(OA)の流路を形成する部材である。給気ダクト(L2)は、一端が本体ユニット(11)に接続される。給気ダクト(L2)の一端は、給気ファン(14)の吹出口に連通する。給気ダクト(L2)の他端は、給気口(16)に接続される。
給気口(16)は、対象空間(SP1)の天井に設置される。この給気口(16)は、給気ダクト(L2)から送り込まれた給気(SOA)を、対象空間(SP1)へ吹き出す。
〈外調機制御部〉
外気処理装置(10)は、外調機制御部(31)を備える。外調機制御部(31)は、外気処理装置(10)に設けられた構成機器を制御する。
図示は省略するが、外調機制御部(31)は、演算処理ユニットと、メモリーユニットとを備える。演算処理ユニットは、例えば集積回路から成るマイクロプロセッサである。演算処理ユニットは、所定のプログラムを実行することによって、外気処理装置(10)の構成機器を制御する。メモリーユニットは、例えば集積回路から成る半導体メモリーである。メモリーユニットは、外調機制御部(31)に所定の動作を実行させるためのプログラムと、外調機制御部(31)の動作に必要なデータとを記憶する。
−外気処理装置の運転動作−
外気処理装置(10)は、冷却運転と、暖房加湿運転とを選択的に行う。
〈冷却運転〉
冷却運転では、外気熱交換器(12)へ冷却用の熱媒体(例えば、5℃程度の冷水)が供給される一方、加湿器(13)の加湿エレメント(13a)に水が供給されない。冷却運転において、本体ユニット(11)に取り込まれた外気(OA)は、外気熱交換器(12)を通過する際に冷却され、その後に加湿器(13)を通過する。加湿器(13)において、外気(OA)の加湿は行われない。外気熱交換器(12)と加湿器(13)とを順に通過した処理後の外気(OA)は、給気ファン(14)に吸い込まれ、給気(SOA)として給気ダクト(L2)を流れて対象空間(SP1)へ吹き出される。
〈暖房加湿運転〉
暖房加湿運転では、外気熱交換器(12)へ加熱用の熱媒体(例えば、50℃程度の温水)が供給され、加湿器(13)の加湿エレメント(13a)に水が供給される。本体ユニット(11)に取り込まれた外気(OA)は、外気熱交換器(12)を通過する際に加熱され、その後に加湿器(13)を通過する。加湿器(13)では、加湿エレメント(13a)に保持された水が蒸発して外気(OA)に付与される。外気熱交換器(12)と加湿器(13)とを順に通過した処理後の外気(OA)は、給気ファン(14)に吸い込まれ、給気(SOA)として給気ダクト(L2)を流れて対象空間(SP1)へ吹き出される。
〈外調機制御部の制御動作〉
外調機制御部(31)は、給気温度Tsが所定の設定給気温度範囲となるように、外気処理装置(10)の運転を制御する。給気温度Tsは、給気温度センサ(61)の計測値である。設定給気温度範囲は、給気(SOA)の温度に関して設定された設定給気温度Ts_setを含む温度範囲である。本実施形態の設定給気温度範囲は、Ts_set±1℃の範囲である。
外調機制御部(31)は、Ts_set−1℃≦Ts≦Ts_set+1℃の関係が満たされるように、外気熱交換器(12)へ供給される熱媒体の温度または流量を調節する。設定給気温度Ts_setが設定給気温度範囲の下限値(Ts_set−1℃)よりも低い場合(Ts<Ts_set−1℃)、外調機制御部(31)は、外気熱交換器(12)へ供給される熱媒体の温度を上昇させ、またはその流量を増加させる。一方、設定給気温度Ts_setが設定給気温度範囲の上限値(Ts_set+1℃)よりも低い場合(Ts_set+1℃<Ts)、外調機制御部(31)は、外気熱交換器(12)へ供給される熱媒体の温度を低下させ、またはその流量を減少させる。
−空気調和装置の構成−
空気調和装置(20)は、冷媒回路(20a)を備え、冷媒回路(20a)において冷媒を循環させて蒸気圧縮方式の冷凍サイクルを行う。
図2に示すように、空気調和装置(20)は、熱源ユニットとなる1台の室外機(21)と、複数台(本実施形態では、2台)の室内機(22)とを有する。空気調和装置(20)では、室外機(21)と各室内機(22)とが、一対の連絡配管(23a,23b)を介して接続されることによって、冷媒回路(20a)を構成する。冷媒回路(20a)において、複数台の室内機(22)は、並列に配置される。冷媒回路(20a)に封入される冷媒は、特に限定されないが、例えばR32やR410AなどのHFC冷媒であってもよい。
〈室外機〉
室外機(21)は、対象空間(SP1)の外部(この例では、建物(BL)の外部)に配置される。室外機(21)は、圧縮機(21a)と、四路切換弁(21b)と、室外熱交換器(21c)と、室外膨張弁(21d)と、室外ファン(21e)と、室外機制御部(32a)とを有する。
圧縮機(21a)は、吐出管が四路切換弁(21b)の第1のポートに接続し、吸入管が四路切換弁(21b)の第2のポートに接続する。四路切換弁(21b)の第3のポートは、室外熱交換器(21c)のガス側端に接続する。室外熱交換器(21c)の液側端は、室外膨張弁(21d)の一端に接続する。室外膨張弁(21d)の他端は、液側連絡配管(23a)に接続する。四路切換弁(21b)の第4のポートは、ガス側連絡配管(23b)に接続する。
圧縮機(21a)は、全密閉型の圧縮機である。この圧縮機(21a)は、その運転容量が可変である。具体的に、圧縮機(21a)の電動機には、図外のインバータから交流が供給される。インバータが圧縮機(21a)へ供給する交流の周波数(圧縮機(21a)の運転周波数)を変更すると、圧縮機(21a)の回転速度が変化し、その結果、圧縮機(21a)の運転容量が変化する。
四路切換弁(21b)は、第1状態(図2に実線で示す状態)と第2状態(図2には線で示す状態)とに切り換わる切換弁である。第1状態の四路切換弁(21b)では、第1のポートが第3のポートと連通し、第2のポートが第4のポートと連通する。第2状態の四路切換弁(21b)では、第1のポートが第4のポートと連通し、第2のポートが第3のポートと連通する。
室外熱交換器(21c)は、いわゆるフィン・アンド・チューブ熱交換器である。この室外熱交換器(21c)は、冷媒回路(20a)を流れる冷媒を、室外ファン(21e)によって供給された外気と熱交換させる。室外膨張弁(21d)は、開度可変の電子膨張弁である。
室外機制御部(32a)は、室外機(21)に設けられた構成機器を制御する。図示は省略するが、室外機制御部(32a)は、演算処理ユニットと、メモリーユニットとを備える。演算処理ユニットは、例えば集積回路から成るマイクロプロセッサである。演算処理ユニットは、所定のプログラムを実行することによって、室外機(21)の構成機器を制御する。メモリーユニットは、例えば集積回路から成る半導体メモリーである。メモリーユニットは、室外機制御部(32a)に所定の動作を実行させるためのプログラムと、室外機制御部(32a)の動作に必要なデータとを記憶する。
室外機(21)には、吸入圧力センサ(62)と吐出圧力センサ(63)とが設けられる。吸入圧力センサ(62)は、圧縮機(21a)の吸入管と四路切換弁(21b)の第2のポートを繋ぐ配管に接続され、圧縮機(21a)へ吸入される冷媒の圧力を計測する。吐出圧力センサ(63)は、圧縮機(21a)の吐出管と四路切換弁(21b)の第1のポートを繋ぐ配管に接続され、圧縮機(21a)から吐出された冷媒の圧力を計測する。
〈室内機〉
室内機(22)は、対象空間(SP1)に配置される。各室内機(22)は、空気熱交換器である室内熱交換器(22a)と、室内膨張弁(22b)と、室内ファン(22c)と、室内機制御部(32b)とを有する。
各室内機(22)では、室内熱交換器(22a)と室内膨張弁(22b)が直列に配置される。各室内機(22)は、室内熱交換器(22a)側の一端がガス側連絡配管(23b)に接続し、室内膨張弁(22b)側の他端が液側連絡配管(23a)に接続する。
室内熱交換器(22a)は、いわゆるフィン・アンド・チューブ熱交換器である。この室内熱交換器(22a)は、冷媒回路(20a)を流れる冷媒を、室内ファン(22c)によって供給された室内空気と熱交換させる。室内膨張弁(22b)は、開度可変の電子膨張弁である。
室内機制御部(32b)は、室内機(22)に設けられた構成機器を制御する。図示は省略するが、室内機制御部(32b)は、演算処理ユニットと、メモリーユニットとを備える。演算処理ユニットは、例えば集積回路から成るマイクロプロセッサである。演算処理ユニットは、所定のプログラムを実行することによって、室内機(22)の構成機器を制御する。メモリーユニットは、例えば集積回路から成る半導体メモリーである。メモリーユニットは、室内機制御部(32b)に所定の動作を実行させるためのプログラムと、室内機制御部(32b)の動作に必要なデータとを記憶する。
室内熱交換器(22a)には、冷媒温度センサ(66)が取り付けられる。冷媒温度センサ(66)は、室内熱交換器(22a)の伝熱管に取り付けられ、室内熱交換器(22a)を流れる冷媒の温度を計測する。室内熱交換器(22a)が蒸発器として機能する場合、冷媒温度センサ(66)の計測値は、実質的に冷媒の蒸発温度を示す。
各室内機(22)には、室内温度センサ(64)と室内湿度センサ(65)とが設けられる。室内温度センサ(64)は、室内機(22)に吸い込まれた室内空気の温度を、室内熱交換器(22a)の上流において計測する。室内湿度センサ(65)は、室内機(22)に吸い込まれた室内空気の相対湿度を、室内熱交換器(22a)の上流において計測する。
−空気調和装置の運転動作−
空気調和装置(20)は、冷房運転と暖房運転とを行う。
〈冷房運転〉
冷房運転では、四路切換弁(21b)が第1の状態に設定され、室外膨張弁(21d)が全開に保持され、各室内膨張弁(22b)の開度が個別に調節される。冷媒回路(20a)では、冷凍サイクルが行われ、室外熱交換器(21c)が凝縮器として機能し、室内熱交換器(22a)が蒸発器として機能する。
具体的に、圧縮機(21a)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(21c)において放熱して凝縮し、その後に液側連絡配管(23a)を通って複数の室内機(22)に分配される。各室内機(22)において、流入した冷媒は、室内膨張弁(22b)を通過する際に膨張し、その後に室内熱交換器(22a)において吸熱して蒸発する。各室内機(22)から流出した冷媒は、ガス側連絡配管(23b)を通って室外機(21)へ流入し、圧縮機(21a)へ吸入される。圧縮機(21a)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
対象空間(SP1)から室内機(22)へ吸い込まれた室内空気は、室内熱交換器(22a)を通過する際に冷却され、その後に対象空間(SP1)へ吹き出される。室内熱交換器(22a)の表面温度が室内空気の露点温度よりも低い場合は、室内熱交換器(22a)の表面において、室内空気に含まれる水蒸気が凝縮して凝縮水が生成する。室内熱交換器(22a)において生成した凝縮水は、ドレン水として室内機(22)から屋外へ排出される。
〈暖房運転〉
暖房運転では、四路切換弁(21b)が第2の状態に設定され、室外膨張弁(21d)及び各室内膨張弁(22b)の開度が個別に調節される。冷媒回路(20a)では、冷凍サイクルが行われ、室内熱交換器(22a)が凝縮器として機能し、室外熱交換器(21c)が蒸発器として機能する。
具体的に、圧縮機(21a)から吐出された冷媒は、ガス側連絡配管(23b)を通って複数の室内機(22)に分配される。各室内機(22)において、流入した冷媒は、室内熱交換器(22a)において放熱して凝縮し、その後に室内膨張弁(22b)を通過する。各室内機(22)から流出した冷媒は、液側連絡配管(23a)を通って室外機(21)へ流入し、室外膨張弁(21d)を通過する際に膨張する。その後、室外熱交換器(21c)において吸熱して蒸発し、圧縮機(21a)へ吸入される。圧縮機(21a)は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。
対象空間(SP1)から室内機(22)へ吸い込まれた室内空気は、室内熱交換器(22a)を通過する際に加熱され、その後に対象空間(SP1)へ吹き出される。
〈室外機制御部の動作〉
室外機制御部(32a)は、圧縮機(21a)の運転容量を調節する。ここでは、室外機制御部(32a)が冷房運転中に圧縮機(21a)の運転容量を調節する動作について説明する。
冷房運転において、室外機制御部(32a)は、冷凍サイクルの低圧が所定の目標低圧LP_tgを含む目標圧力範囲となるように、圧縮機(21a)の運転周波数を調節する。本実施形態の目標圧力範囲は、LP_tg±ΔPの範囲である。また、目標低圧LP_tgは、目標蒸発温度Te_tgに対応する飽和圧力である。目標蒸発温度Te_tgは、冷房運転中の室内熱交換器(22a)における冷媒の蒸発温度の目標値である。
室外機制御部(32a)は、LP_tg−ΔP≦LP≦LP_tg+ΔPの関係が満たされるように、圧縮機(21a)の運転容量を調節する。LPは、吸入圧力センサ(62)の計測値である。
計測値LPが目標圧力範囲の下限値(LP_tg−ΔP)よりも低い場合(LP<LP_tg−ΔP)、室外機制御部(32a)は、圧縮機(21a)の運転周波数を引き下げ、圧縮機(21a)の運転容量を減少させる。一方、計測値LPが目標圧力範囲の上限値(LP_tg+ΔP)よりも高い場合(LP_tg+ΔP<LP)、室外機制御部(32a)は、圧縮機(21a)の運転周波数を引き上げ、圧縮機(21a)の運転容量を増加させる。
〈室内機制御部の動作1〉
室内機制御部(32b)は、冷房運転と暖房運転のそれぞれにおいて、室内機(22)の運転状態を切り換える。例えば、空気調和装置(20)の冷房運転において、室内機(22)の運転状態は、冷却動作と休止動作に切り換わる。ここでは、室内機制御部(32b)による冷却動作と休止動作の切り換えについて説明する。
各室内機(22)において、室内機制御部(32b)は、室内温度センサ(64)の計測値Trが、設定室内温度Tr_setを含む室内温度範囲となるように、冷却動作と休止動作を切り換える。設定室内温度Tr_setは、在室者がリモコン(40)を操作することによって、室内機制御部(32b)に入力される。室内温度範囲は、Tr_set±ΔTrの範囲である。また、室内機制御部(32b)は、対応する室内機(22)が冷却動作と休止動作のどちらを実行中かを示す信号を、制御装置(30)に対して出力する。
室内温度センサ(64)の計測値Trが室内温度範囲の上限値(Tr_set+ΔTr)を上回ると(Tr_set+ΔTr<Tr)、室内機制御部(32b)は、室内機(22)に冷却動作を実行させる。具体的に、室内機制御部(32b)は、室内熱交換器(22a)において室内空気が冷却されるように、室内ファン(22c)を作動させ、室内膨張弁(22b)の開度を調節する。
一方、室内温度センサ(64)の計測値Trが室内温度範囲の下限値(Tr_set−ΔTr)を下回ると(Tr<Tr_set−ΔTr)、室内機制御部(32b)は、室内機(22)に休止動作を実行させる。具体的に、室内機制御部(32b)は、室内熱交換器(22a)において室内空気が冷却されないように、室内膨張弁(22b)の開度を全閉または微少開度に保持する。また、室内機制御部(32b)は、室内ファン(22c)を作動させる。
〈室内機制御部の動作2〉
室内機(22)の冷房運転中に、室内機制御部(32b)は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成しているか否かを判定し、判定した結果を制御装置(30)に対して出力する。
各室内機(22)において、室内機制御部(32b)は、室内温度センサ(64)及び室内湿度センサ(65)の計測値を用いて室内空気の露点温度Tr_dpを算出する。そして、室内機制御部(32b)は、算出した露点温度Tr_dpと、冷媒温度センサ(66)の計測値Teとに基づいて、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成しているか否かを判定する。
室内機(22)の冷房運転中は、室内熱交換器(22a)が蒸発器として機能し、冷媒温度センサ(66)の計測値Teが実質的に冷媒の蒸発温度を示す。室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度Tsfは、冷媒温度センサ(66)の計測値Teよりも所定値だけ高い値(Tsf=Te+ΔT)となる。室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度Tsfは、冷房運転中に室内空気を冷却する空気熱交換器の温度(即ち、冷却温度)である。
室内機制御部(32b)は、室内空気の露点温度Tr_dpと、室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度Tsfとを比較する。そして、室内機制御部(32b)は、室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度Tsfが室内空気の露点温度Tr_dp以下の場合(Tsf≦Tr_dp)、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していると判定する。一方、室内機制御部(32b)は、室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度Tsfが室内空気の露点温度Tr_dpよりも高い場合(Tr_dp<Tsf)、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないと判定する。
−制御装置−
制御装置(30)は、空調システム(100)の動作を統括的に制御する。図示は省略するが、制御装置(30)は、演算処理ユニットと、メモリーユニットとを備える。演算処理ユニットは、例えば集積回路から成るマイクロプロセッサである。演算処理ユニットは、所定のプログラムを実行することによって、所定の制御動作を実行する。メモリーユニットは、例えば集積回路から成る半導体メモリーである。メモリーユニットは、制御装置(30)に所定の動作を実行させるためのプログラムと、制御装置(30)の動作に必要なデータとを記憶する。
制御装置(30)は、外調機制御部(31)、室外機制御部(32a)、及び全ての室内機制御部(32b)と電気的に接続される。制御装置(30)は、外調機制御部(31)、室外機制御部(32a)、及び室内機制御部(32b)と通信可能に構成され、これらの制御部(31,32a,32b)との間で信号の送受信を行う。
図3に示すように、制御装置(30)は、除湿情報作成部(51)と、運転情報作成部(52)と、温度情報作成部(53)と、湿度情報作成部(54)と、暖房能力情報作成部(55)と、給気調節部(56)と、蒸発温度調節部(57)とを備える。これらの作成部(51〜55)及び調節部(56,57)は、演算処理ユニットが所定のプログラムを実行することによって実現される。また、これらの作成部(51〜55)及び調節部(56,57)は、空気調和装置(20)が冷房運転を行うと共に、外気処理装置(10)が暖房加湿運転を行うときに、以下で説明する所定の動作を行う。
〈除湿情報生成部〉
除湿情報作成部(51)は、空気調和装置(20)の室内機(22)における凝縮水の生成量に関する除湿情報を作成する。
空気調和装置(20)の冷房運転中に、除湿情報作成部(51)は、各室内機(22)の室内機制御部(32b)から、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成しているか否かを示す信号を受信する。そして、除湿情報作成部(51)は、少なくとも一つの室内機制御部(32b)から、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示す信号を受信すると、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示す除湿情報を作成する。一方、除湿情報作成部(51)は、全ての室内機制御部(32b)から、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す信号を受信すると、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示す除湿情報を作成する。
〈運転情報作成部〉
運転情報作成部(52)は、空気調和装置(20)の運転状態に関する運転情報を作成する。
空気調和装置(20)の冷房運転中に、運転情報作成部(52)は、各室内機(22)の室内機制御部(32b)から、その室内機(22)が冷却動作と休止動作のどちらを実行中かを示す信号を受信する。そして、運転情報作成部(52)は、少なくとも一つの室内機制御部(32b)から、室内機(22)が冷却動作を実行中であることを示す信号を受信すると、空気調和装置(20)が冷却動作を実行中であることを示す運転情報を作成する。一方、運転情報作成部(52)は、全ての室内機制御部(32b)から、室内機(22)が休止動作を実行中であることを示す信号を受信すると、空気調和装置(20)が休止動作を実行中であることを示す運転情報を作成する。
〈温度情報作成部〉
温度情報作成部(53)は、対象空間(SP1)の気温と設定温度の関係に関する温度情報を作成する。
温度情報作成部(53)は、各室内機(22)の室内温度センサ(64)の計測値Trと、設定室内温度Tr_setとを取得する。温度情報作成部(53)は、各室内機(22)の室内温度センサ(64)の計測値Trの算術平均である平均室内温度Tr_mを算出し、この平均室内温度Tr_mを、設定室内温度Tr_setを含む室内温度範囲Tr_set±ΔTrと比較する。
温度情報作成部(53)は、平均室内温度Tr_mが室内温度範囲Tr_set±ΔTrに入っている場合(Tr_set−ΔTr≦Tr_m≦Tr_set+ΔTr)に、暖房適正状態であることを示す温度情報を作成する。また、温度情報作成部(53)は、平均室内温度Tr_mが室内温度範囲の上限値Tr_set+ΔTrよりも高い場合(Tr_set+ΔTr<Tr_m)に、暖房過剰状態であることを示す温度情報を作成する。また、温度情報作成部(53)は、平均室内温度Tr_mが室内温度範囲の下限値Tr_set−ΔTrよりも低い場合(Tr_m<Tr_set−ΔTr)に、暖房不足状態であることを示す温度情報を作成する。
〈湿度情報作成部〉
湿度情報作成部(54)は、対象空間(SP1)の湿度と設定湿度の関係に関する湿度情報を作成する。
湿度情報作成部(54)は、各室内機(22)から、室内温度センサ(64)の計測値Trと室内湿度センサ(65)の計測値RHrとを取得する。湿度情報作成部(54)は、各室内機(22)の室内温度センサ(64)の計測値Trの算術平均である平均室内温度Tr_mを算出し、各室内機(22)の室内湿度センサ(65)の計測値RHrの算術平均である平均室内湿度RHr_mを算出する。湿度情報作成部(54)は、平均室内温度Tr_mと平均室内湿度RHr_mとを用いて、室内空気の絶対湿度Xrを算出する。
また、湿度情報作成部(54)は、算出した室内空気の絶対湿度Xrを、設定室内湿度Xr_setを含む室内湿度範囲Xr_set±ΔXrと比較する。湿度情報作成部(54)は、設定室内湿度Xr_setを、各室内機(22)の室内機制御部(32b)から取得してもよいし、制御装置(30)のメモリーユニットから読み出してもよい。
湿度情報作成部(54)は、室内空気の絶対湿度Xrが室内湿度範囲Xr_set±ΔXrに入っている場合(Xr_set−ΔXr≦Xr≦Xr_set+ΔXr)に、加湿適正状態であることを示す湿度情報を作成する。また、湿度情報作成部(54)は、室内空気の絶対湿度Xrが室内湿度範囲の上限値Xr_set+ΔXrよりも高い場合(Xr_set+ΔXr<Xr)に、加湿過剰状態であることを示す湿度情報を作成する。また、湿度情報作成部(54)は、室内空気の絶対湿度Xrが室内湿度範囲の下限値Xr_set−ΔXrよりも低い場合(Xr_m<Xr_set−ΔXr)に、加湿不足状態であることを示す温度情報を作成する。
〈暖房能力情報作成部〉
暖房能力情報作成部(55)は、運転情報と温度情報とに基づいて、外気処理装置(10)の暖房能力が適正と過剰と不足の何れであるかを示す暖房能力情報を作成する。この暖房能力情報作成部(55)の動作について、図4を参照しながら説明する。
暖房能力情報作成部(55)は、運転情報が、空気調和装置(20)が冷却動作を実行中であることを示し、温度情報が、暖房過剰状態であることを示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す暖房能力情報を作成する。
暖房能力情報作成部(55)は、運転情報が、空気調和装置(20)が冷却動作を実行中であることを示し、温度情報が、暖房適正状態であることを示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す暖房能力情報を作成する。
暖房能力情報作成部(55)は、運転情報が、空気調和装置(20)が冷却動作を実行中であることを示し、温度情報が、暖房不足状態であることを示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示す暖房能力情報を作成する。
暖房能力情報作成部(55)は、運転情報が、空気調和装置(20)が休止動作を実行中であることを示し、温度情報が、暖房過剰状態であることを示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す暖房能力情報を作成する。
暖房能力情報作成部(55)は、運転情報が、空気調和装置(20)が休止動作を実行中であることを示し、温度情報が、暖房適正状態であることを示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す暖房能力情報を作成する。
暖房能力情報作成部(55)は、運転情報が、空気調和装置(20)が休止動作を実行中であることを示し、温度情報が、暖房不足状態であることを示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示す暖房能力情報を作成する。
〈給気調節部〉
給気調節部(56)は、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報とに基づいて、設定給気温度Ts_setを調節する。
給気調節部(56)は、給気温度上昇信号と給気温度保持信号と給気温度低下信号のうちのいずれか一つを、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報とに基づいて選択し、選択した信号を外調機制御部(31)へ送信する。給気温度上昇信号は、設定給気温度Ts_setを所定値(例えば、1℃)だけ引き上げることを指令する信号である。給気温度保持信号は、設定給気温度Ts_setを変更しないことを指令する信号である。給気温度低下信号は、設定給気温度Ts_setを所定値(例えば、1℃)だけ引き下げることを指令する信号である。
外調機制御部(31)は、給気温度上昇信号を受信すると、設定給気温度Ts_setを所定値だけ引き上げ、給気温度保持信号を受信すると、設定給気温度Ts_setの値を保持し、給気温度低下信号を受信すると、設定給気温度Ts_setを所定値だけ引き下げる。そして、外調機制御部(31)は、更新後の設定給気温度Ts_setを用いて、外気処理装置(10)の給気温度を制御する。
給気調節部(56)が行う動作について、図5を参照しながら説明する。
(1)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が、加湿過剰状態であることを示す場合に、給気温度低下信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き下げると、外気処理装置(10)の給気温度が低下すると共に、加湿器(13)の加湿量が減少して給気(SOA)の絶対湿度が低下する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す情報に変化すると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報に変化すると予想される。また、湿度情報は、加湿適正状態に変化すると予想される。
(2)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が、加湿適正状態であることを示す場合に、給気温度低下信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き下げると、外気処理装置(10)の給気温度が低下すると共に、加湿器(13)の加湿量が減少して給気(SOA)の絶対湿度が低下する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す情報に変化すると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報に変化すると予想される。また、湿度情報は、加湿不足状態に変化すると予想される。
(3)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が、加湿不足状態であることを示す場合に、給気温度低下信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き下げると、外気処理装置(10)の給気温度が低下すると共に、加湿器(13)の加湿量が減少して給気(SOA)の絶対湿度が低下する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す情報に変化すると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報に変化すると予想される。また、湿度情報は、加湿不足状態のままであると予想される。
(4)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が、加湿過剰状態であることを示す場合に、給気温度低下信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き下げると、外気処理装置(10)の給気温度が低下すると共に、加湿器(13)の加湿量が減少して給気(SOA)の絶対湿度が低下する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す情報のままであると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報に変化すると予想される。また、湿度情報は、加湿適正状態に変化すると予想される。
(5)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が、加湿適正状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(6)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が、加湿不足状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(7)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が、加湿過剰状態であることを示す場合に、給気温度低下信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き下げると、外気処理装置(10)の給気温度が低下すると共に、加湿器(13)の加湿量が減少して給気(SOA)の絶対湿度が低下する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す情報に変化すると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示す情報に変化すると予想される。また、湿度情報は、加湿適正状態に変化すると予想される。
(8)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が、加湿適正状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(9)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が、加湿不足状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(10)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が、加湿過剰状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(11)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が、加湿適正状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(12)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が、加湿不足状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(13)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が、加湿過剰状態であることを示す場合に、給気温度低下信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き下げると、外気処理装置(10)の給気温度が低下すると共に、加湿器(13)の加湿量が減少して給気(SOA)の絶対湿度が低下する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す情報に変化すると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示す情報のままであると予想される。また、湿度情報は、加湿適正状態に変化すると予想される。
(14)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が、加湿適正状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(15)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が、加湿不足状態であることを示す場合に、給気温度上昇信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き上げると、外気処理装置(10)の給気温度が上昇すると共に、加湿器(13)の加湿量が増加して給気(SOA)の絶対湿度が上昇する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示す情報のままであると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報に変化すると予想される。また、湿度情報は、加湿適正状態に変化すると予想される。
(16)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が、加湿過剰状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(17)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が、加湿適正状態であることを示す場合に、給気温度保持信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを保持すると、外気処理装置(10)の給気温度が変化しない一方、加湿器(13)の加湿量が変化しないので給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。その結果、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報のそれぞれは、それまでと同じ情報のままであると予想される。
(18)給気調節部(56)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が、加湿不足状態であることを示す場合に、給気温度上昇信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)が設定給気温度Ts_setを引き上げると、外気処理装置(10)の給気温度が上昇すると共に、加湿器(13)の加湿量が増加して給気(SOA)の絶対湿度が上昇する。その結果、除湿情報は、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示す情報に変化すると予想される。また、暖房能力情報は、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報に変化すると予想される。また、湿度情報は、加湿適正状態に変化すると予想される。
〈蒸発温度調節部〉
蒸発温度調節部(57)は、除湿情報に基づいて、目標蒸発温度Te_tgを調節する。
蒸発温度調節部(57)は、蒸発温度上昇信号と蒸発温度保持信号の一方を、除湿情報に基づいて選択し、選択した信号を室外機制御部(32a)へ送信する。蒸発温度上昇信号は、目標蒸発温度Te_tgを所定値(例えば、1℃)だけ引き上げることを指令する信号である。蒸発温度保持信号は、目標蒸発温度Te_tgを変更しないことを指令する信号である。
室外機制御部(32a)は、蒸発温度上昇信号を受信すると、目標蒸発温度Te_tgを所定値だけ引き上げ、蒸発温度保持信号を受信すると、目標蒸発温度Te_tgの値を保持する。
そして、室外機制御部(32a)は、更新後の目標蒸発温度Te_tgを用いて、圧縮機(21a)の運転容量を制御する。
蒸発温度調節部(57)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していることを示す場合に、蒸発温度上昇信号を室外機制御部(32a)へ送信する。
冷房運転中に室外機制御部(32a)が目標蒸発温度Te_tgを引き上げると、室内熱交換器(22a)における冷媒の蒸発温度が上昇し、それに伴って、室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度が上昇する。その結果、室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度と室内空気の露点温度の差が縮小し、室内熱交換器(22a)において生成する凝縮水の量が減少する。また、室内熱交換器(22a)のフィンの表面温度が室内空気の露点温度を上回ると、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成しなくなる。
蒸発温度調節部(57)は、除湿情報が、室内熱交換器(22a)において凝縮水が生成していないことを示す場合に、蒸発温度保持信号を室外機制御部(32a)へ送信する。この場合、室外機制御部(32a)は、目標蒸発温度Te_tgを変更せずに保持する。従って、この場合、室内熱交換器(22a)では、引き続き凝縮水が生成しない。
−実施形態の特徴(1)−
本実施形態の空調システム(100)は、外気処理装置(10)と、空気調和装置(20)とを備える。外気処理装置(10)は、吸い込んだ外気を処理して対象空間(SP1)へ供給する。空気調和装置(20)は、対象空間(SP1)から吸い込んだ室内空気を処理して対象空間(SP1)へ供給する。
本実施形態の空調システム(100)は、制御装置(30)を更に備える。制御装置(30)は、外気処理装置(10)が外気の加熱と加湿とを行う暖房加湿運転を行い、空気調和装置(20)が室内空気の冷却を行う冷房運転を行うときに、除湿情報、運転情報、温度情報、及び湿度情報に基づいて、外気処理装置(10)の給気温度と、冷房運転中の室内熱交換器(22a)の温度である冷却温度とを調節する。
除湿情報は、空気調和装置(20)における凝縮水の生成量に関する情報である。運転情報は、空気調和装置(20)の運転状態に関する情報である。温度情報は、対象空間(SP1)の気温と設定室内温度Tr_setの関係に関する情報である。湿度情報は、対象空間(SP1)の湿度と設定室内湿度Xr_setの関係に関する情報である。給気温度Tsは、外気処理装置(10)が上記対象空間(SP1)へ供給する処理後の外気の温度である。冷却温度は、冷房運転中に上記室内空気を冷却する室内熱交換器(22a)の温度(本実施形態では、フィンの表面温度Tsf)である。
本実施形態の空調システム(100)において、制御装置(30)は、外気処理装置(10)が暖房加湿運転を行い、空気調和装置(20)が冷房運転を行うときに、空気調和装置(20)の運転状態に関する運転情報を考慮して、外気処理装置(10)が対象空間(SP1)へ供給する処理後の外気の温度(給気温度)と、空気調和装置(20)の室内熱交換器(22a)の温度(冷却温度)とを調節する。従って、本実施形態によれば、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、空調システム(100)の制御を適切に行うことができる。
−実施形態の特徴(2)−
本実施形態の空気調和装置(20)は、冷房運転において、室内空気を冷却する冷却動作と、室内空気の冷却を休止する休止動作とを選択的に行う。
除湿情報は、空気調和装置(20)において凝縮水が生成しているか生成していないかを示す情報である。運転情報は、空気調和装置(20)が冷却動作と休止動作のどちらを行っているかを示す情報である。
温度情報は、暖房適正状態と、暖房過剰状態と、暖房不足状態との何れであるかを示す情報である。暖房適正状態は、対象空間(SP1)の気温(本実施形態では、室内温度センサ(64)の計測値Tr)が設定室内温度Tr_setを含む所定の設定温度範囲(本実施形態では、室内温度範囲Tr_set±ΔTr)に入っている状態である。暖房過剰状態は、対象空間(SP1)の気温が設定温度範囲の上限値よりも高い状態である。暖房不足状態は、対象空間(SP1)の気温が設定温度範囲の下限値よりも低い状態である。
湿度情報は、加湿適正状態と、加湿過剰状態と、加湿不足状態との何れであるかを示す情報である。加湿適正状態は、対象空間(SP1)の湿度(本実施形態では、室内空気の絶対湿度Xr)が設定室内湿度Xr_setを含む所定の設定湿度範囲(本実施形態では、室内湿度範囲Xr_set±ΔXr)に入っている状態である。加湿過剰状態は、対象空間(SP1)の湿度が設定湿度範囲の上限値よりも高い状態である。加湿不足状態は、対象空間(SP1)の湿度が上記設定湿度範囲の下限値よりも低い状態である。
本実施形態では、除湿情報と運転情報と温度情報と湿度情報のそれぞれが具体化される。運転情報は、空気調和装置(20)が冷却動作と休止動作のどちらを行っているかを示す情報である。従って、本実施形態によれば、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、空気調和装置(20)が冷却動作と休止動作のどちらを行っているのかを考慮して、空調システム(100)を制御することができる。
−実施形態の特徴(3)−
本実施形態の制御装置(30)は、運転情報と温度情報とに基づいて、外気処理装置(10)の暖房能力が適正と過剰と不足の何れであるかを示す暖房能力情報を作成する。そして、この制御装置(30)は、除湿情報、湿度情報、及び暖房能力情報に基づいて、給気温度と冷却温度とを調節する。
本実施形態の制御装置(30)は、運転情報と温度情報とに基づいて暖房能力情報を作成する。そして、制御装置(30)は、室内の冷房と加湿を同時に行う場合に、除湿情報と湿度情報と暖房能力情報とに基づいて、空調システム(100)を制御する。
−実施形態の特徴(4)−
本実施形態の制御装置(30)は、運転情報に拘わらず、温度情報が暖房過剰状態を示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す情報を、暖房能力情報とする。また、この制御装置(30)は、運転情報が冷却動作を空気調和装置(20)が行うことを示し、温度情報が暖房適正状態を示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す情報を上記暖房能力情報とする。また、この制御装置(30)は、運転情報が休止動作を空気調和装置(20)が行うことを示し、温度情報が暖房適正状態を示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報を暖房能力情報とする。また、この制御装置(30)は、運転情報に拘わらず、温度情報が暖房不足状態を示す場合に、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示す情報を暖房能力情報とする。
本実施形態では、暖房能力情報が具体化される。
空気調和装置(20)が冷却動作を行っており、対象空間(SP1)の気温が設定温度範囲に入っている場合は、外気処理装置(10)の暖房能力を削減しても、空気調和装置(20)の冷房能力を調節することによって、対象空間(SP1)の気温を設定温度範囲に保つことが可能である。そこで、この場合、制御装置(30)は、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す情報を、暖房能力情報とする。
空気調和装置(20)が休止動作を行っており、対象空間(SP1)の気温が設定温度範囲に入っている場合は、対象空間(SP1)の気温を設定温度範囲に保つために、外気処理装置(10)の暖房能力を現状のままに保つ必要がある。そこで、この場合、制御装置(30)は、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示す情報を、暖房能力情報とする。
対象空間(SP1)の気温が設定温度範囲の下限値を下回る場合は、空気調和装置(20)が冷却動作と休止動作のどちらを行っているときでも、対象空間(SP1)の気温を設定温度範囲にするために、外気処理装置(10)の暖房能力を引き上げる必要がある。そこで、この場合、制御装置(30)は、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示す情報を、暖房能力情報とする。
−実施形態の特徴(5)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示すときに、湿度情報に拘わらず、給気温度を引き下げる。
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報が加湿適正状態と加湿過剰状態と加湿不足状態のどれを示していても、給気温度を引き下げる。
暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示す場合は、外気処理装置(10)の暖房能力が低下しても、対象空間(SP1)の気温は設定温度範囲に入る可能性が高い。外気処理装置(10)が対象空間(SP1)へ供給する処理後の外気の温度が低下すると、外気処理装置(10)において外気に付与される水分の量(加湿量)が減少し、その結果、空気調和装置(20)において生成する凝縮水の量が減少する。
−実施形態の特徴(6)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示すときに、湿度情報が加湿過剰状態を示す場合は、給気温度を引き下げ、湿度情報が加湿適正状態または加湿不足状態を示す場合は、給気温度を変更しない。
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度を引き下げるか、給気温度を変更せずに保持するかを選択する。
除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示す場合は、給気温度が引き上げられて外気処理装置(10)の加湿量が増加しない限り、空気調和装置(20)では依然として凝縮水が生成しない。
そこで、この場合において、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が加湿過剰状態を示すとき、制御装置(30)は、給気温度を引き下げ、外気処理装置(10)の暖房能力と加湿能力とを引き下げる。
一方、この場合において、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が過剰であることを示し、湿度情報が加湿適正状態または加湿不足状態を示すとき、制御装置(30)は、給気温度を変更しない。その結果、外気処理装置(10)の加湿能力が一定に保たれる。
−実施形態の特徴(7)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示すときに、湿度情報が加湿過剰状態を示す場合は、給気温度を引き下げ、湿度情報が加湿適正状態または加湿不足状態を示す場合は、給気温度を変更しない。
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度を引き下げるか、給気温度を変更せずに保持するかを選択する。
空気調和装置(20)において凝縮水が生成していない場合は、給気温度を引き下げて、外気処理装置(10)の加湿能力を削減するのが望ましい。しかし、給気温度が低下すると、室内空気の温度と湿度が低下するおそれがある。
そこで、この場合、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が加湿過剰状態を示すとき、制御装置(30)は、給気温度を引き下げ、外気処理装置(10)の暖房能力と加湿能力とを引き下げる。その結果、空気調和装置(20)において生成する凝縮水の量が減少する。
一方、この場合、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示し、湿度情報が加湿適正状態または加湿不足状態を示すとき、制御装置(30)は、給気温度を変更せず、外気処理装置(10)の暖房能力と加湿能力とを保持する。
−実施形態の特徴(8)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示すときに、湿度情報に拘わらず、給気温度を変更しない。
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報が加湿適正状態と加湿過剰状態と加湿不足状態のどれを示していても、給気温度を変更しない。
空気調和装置(20)において凝縮水が生成していない場合は、給気温度が変更されなければ、空気調和装置(20)では依然として凝縮水が生成しない。そこで、この場合において、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が適正であることを示すとき、制御装置(30)は、湿度情報がどのような状態を示していても、給気温度を変更しない。その結果、外気処理装置(10)の加湿能力が一定に保たれ、空気調和装置(20)における凝縮水の生成が回避される。
−実施形態の特徴(9)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示すときに、湿度情報が加湿過剰状態を示す場合は、給気温度を引き下げ、湿度情報が加湿適正状態を示す場合は、給気温度を変更せず、湿度情報が加湿不足状態を示す場合は、給気温度を引き上げる。
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度を引き下げるか、給気温度を変更せずに保持するか、給気温度を引き上げるかを選択する。
除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、湿度情報が加湿過剰状態を示す場合、制御装置(30)は、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示していても、給気温度を引き下げる。その結果、外気処理装置(10)の加湿能力が低下し、空気調和装置(20)において生成する凝縮水の量が減少する。
除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示し、湿度情報が加湿適正状態を示す場合、制御装置(30)は、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示していても、給気温度を変更しない。その結果、室内空気の湿度が設定湿度範囲に保たれる。
暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が加湿不足状態を示す場合、制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示していても、給気温度を引き上げる。その結果、室内空気の温度が設定温度範囲に近づき、室内空気の湿度が設定湿度範囲に近づく。
−実施形態の特徴(10)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示し、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示すときに、湿度情報が加湿過剰状態又は加湿適正状態を示す場合は、給気温度を変更せず、湿度情報が加湿不足状態を示す場合は、給気温度を引き上げる。
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報のそれぞれが所定の情報である場合、湿度情報に応じて、給気温度を変更せずに保持するか、給気温度を引き上げるかを選択する。
空気調和装置(20)において凝縮水が生成していない場合は、外気処理装置(10)の加湿能力が多少増加しても、空気調和装置(20)を凝縮水が生成しない状態に保つことができる可能性がある。
そこで、この場合において、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が加湿過剰状態又は加湿適正状態を示すとき、制御装置(30)は、給気温度を変更せずに保持する。
一方、この場合において、暖房能力情報が、外気処理装置(10)の暖房能力が不足であることを示し、湿度情報が加湿不足状態を示す場合は、制御装置(30)は、給気温度を引き上げる。その結果、外気処理装置(10)の加湿能力が増加し、室内空気の湿度が設定湿度範囲に入る。
−実施形態の特徴(11)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示すときに、暖房能力情報及び湿度情報に拘わらず、冷却温度を引き上げる。
本実施形態の除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していることを示す場合、制御装置(30)は、暖房能力情報と湿度情報のそれぞれがどのような情報であっても、冷却温度を引き上げる。その結果、空気調和装置(20)の室内熱交換器(22a)へ流入する室内空気の露点と、冷却温度との差が縮小し、空気調和装置(20)において生成する凝縮水の量が減少する。
−実施形態の特徴(12)−
本実施形態の制御装置(30)は、除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示すときに、暖房能力情報及び湿度情報に拘わらず、冷却温度を変更しない。
除湿情報が、空気調和装置(20)において凝縮水が生成していないことを示す場合、本実施形態の制御装置(30)は、暖房能力情報と湿度情報のそれぞれがどのような情報であっても、冷却温度を変更せずに保持する。その結果、空気調和装置(20)において凝縮水が生成しない状態が継続する。
−実施形態の変形例1−
本実施形態の制御装置では、蒸発温度調節部(57)が省略されていてもよい。本変形例の制御装置(30)は、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報とに基づく設定給気温度Ts_setの調節を行う一方、除湿情報に基づく目標蒸発温度Te_tgの調節を行わない。
−実施形態の変形例2−
本実施形態の室内機制御部(32b)は、室内熱交換器(22a)に取り付けられた結露センサの出力に基づいて、室内熱交換器(22a)のフィンの表面において凝縮水が生成しているか否かを判定するように構成されていてもよい。
また、本実施形態の室内機制御部(32b)は、室内熱交換器(22a)を撮影するカメラの画像に基づいて、室内熱交換器(22a)のフィンの表面において凝縮水が生成しているか否かを判定するように構成されていてもよい。
−実施形態の変形例3−
本実施形態の制御装置(30)において、給気調節部(56)は、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報とに基づいて、外気処理装置(10)の給気流量を調節するように構成されていてもよい。
本変形例の給気調節部(56)は、給気流量上昇信号と給気流量保持信号と給気流量低下信号のうちのいずれか一つを、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報とに基づいて選択し、選択した信号を外調機制御部(31)へ送信する。
外調機制御部(31)は、給気流量上昇信号を受信すると、給気ファン(14)の回転速度を所定値だけ引き上げ、給気流量保持信号を受信すると、給気ファン(14)の回転速度を保持し、給気流量低下信号を受信すると、給気ファン(14)の回転速度を所定値だけ引き下げる。給気ファン(14)の回転速度が上昇すると、外調機制御部(31)の給気流量が増加する。給気ファン(14)の回転速度が変化しなければ、外調機制御部(31)の給気流量も変化しない。給気ファン(14)の回転速度が低下すると、外調機制御部(31)の給気流量が減少する。
図5に示すように、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度上昇信号を出力する場合に、給気温度上昇信号に代えて給気流量上昇信号を出力する。給気流量上昇信号を受信した外調機制御部(31)が給気ファン(14)の回転速度を上昇させると、加湿器(13)を通過する外気の流量が増加する。その結果、加湿器(13)の加湿量が増加し、給気(SOA)の絶対湿度が上昇する。
また、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度保持信号を出力する場合に、給気温度保持信号に代えて給気流量保持信号を出力する。給気流量保持信号を受信した外調機制御部(31)が給気ファン(14)の回転速度を保持すると、加湿器(13)を通過する外気の流量は変化しない。そのため、加湿器(13)の加湿量は変化せず、給気(SOA)の絶対湿度も変化しない。
また、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度低下信号を出力する場合に、給気温度低下信号に代えて給気流量低下信号を出力する。給気流量低下信号を受信した外調機制御部(31)が給気ファン(14)の回転速度を低下させると、加湿器(13)を通過する外気の流量が減少する。その結果、加湿器(13)の加湿量が減少し、給気(SOA)の絶対湿度が低下する。
なお、本変形例の給気調節部(56)は、設定給気温度Ts_setと、給気ファン(14)の回転速度との両方を調節するように構成されていてもよい。この場合、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度上昇信号を出力する場合に、給気温度上昇信号と給気流量上昇信号の両方を出力する。また、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度保持信号を出力する場合に、給気温度保持信号と給気流量保持信号の両方を出力する。また、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度低下信号を出力する場合に、給気温度低下信号と給気流量低下信号の両方を出力する。
−実施形態の変形例4−
本実施形態の制御装置(30)において、給気調節部(56)は、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報とに基づいて、外気処理装置(10)の給水流量を調節するように構成されていてもよい。
本変形例の給気調節部(56)は、給水流量上昇信号と給水流量保持信号と給水流量低下信号のうちのいずれか一つを、除湿情報と暖房能力情報と湿度情報とに基づいて選択し、選択した信号を外調機制御部(31)へ送信する。外調機制御部(31)は、給水流量上昇信号を受信すると給水流量を所定値だけ引き上げ、給気流量保持信号を受信すると給水流量を保持し、給気流量低下信号を受信すると給水流量を所定値だけ引き下げる。
上述したように、給水流量は、加湿器(13)へ供給される加湿用の水の流量である。給水流量が増加すると、加湿器(13)の加湿量が増加する。給水流量が変化しなければ、加湿器(13)の加湿量も変化しない。給水流量が減少すると、加湿器(13)の加湿量が減少する。
本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度上昇信号を出力する場合に、給気温度上昇信号に代えて、又は給気温度上昇信号と共に、給水流量上昇信号を出力する。また、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度保持信号を出力する場合に、給気温度保持信号に代えて、又は給気温度上昇信号と共に、給水流量保持信号を出力する。また、本変形例の給気調節部(56)は、上記実施形態の給気調節部(56)が給気温度低下信号を出力する場合に、給気温度低下信号に代えて、又は給気温度上昇信号と共に、給水流量低下信号を出力する。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、空調システムについて有用である。
10 外気処理装置
20 空気調和装置
22a 室内熱交換器
30 制御装置
100 空調システム
SP1 対象空間