JP2021004603A - 地熱発電装置 - Google Patents
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Abstract
Description
更に、特許文献1に見られるように地下の熱だけを利用して発電を行う方法は、環境によく温泉水への湯量や化学物質等への懸念も考慮する必要がないため有効である。
そのため、過度の深度を必要とせず地中から得られた蒸気や熱水を有効に利用するために、気水分離器から発生した蒸気を有効に活用し、また熱水からの蒸気量を増大させ、また熱水を有効に気水分離器まで移送するいずれかの課題を満たす技術が必要になってきた。
外側に前記地熱帯へ前記媒体を移送する媒体注入管と、前記媒体注入管の内側に前記地熱帯の熱によって熱せられた前記媒体を取り出す媒体取出管とを備えた媒体移送管と、
低温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の低い断熱構造を設けた前記媒体取出管と、高温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の高い吸熱構造を設けた前記媒体注入管と、
前記地熱帯により熱を吸収した高温の前記媒体を、蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある熱交換器まで移送し、前記媒体を熱源として前記熱交換器にて使用し、前記媒体よりも沸点の低い作動媒体を蒸気化して発電を行うバイナリー発電装置と、
前記熱交換器で熱交換され冷やされた前記媒体の水位を系全体で一定に保つ貯留部を備えたことを特徴とする。
第1実施形態にかかる地熱発電装置1を、図1乃至図14を参照して説明する。図1は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置1の構成を示す概要図である。図2は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置1の地上接続部30を現した斜視図である。図3は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置1の気水分離器Fを切断し、内部を現した斜視図である。図4は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置1の気水分離器Fを切断し、内部を現した側面図による気水を分離する様子を現した説明図である。図5は、第1実施形態にかかる本発明の気水分離器Fに内蔵される分離装置60の斜視図である。図6は、第1実施形態にかかる本発明の気水分離器Fに内蔵されるノズル51に装着した状態を示す分離装置60の斜視図である。図7は、第1実施形態にかかる本発明の気水分離器Fに内蔵されるノズル51に装着した分離装置60の隠線を現した斜視図である。図8は、第1実施形態にかかる本発明の分離装置60による気水を分離する様子を現した説明図である。図9は、第1実施形態にかかる本発明の分離装置60の変形例を斜視図により示し、気水を分離する様子を現した説明図である。図10は、第1実施形態にかかる本発明の温水サービスタンク4内の気水の流れを現した説明図である。図11は、第1実施形態にかかる本発明の温水サービスタンク4の変形例における温水サービスタンク4a内の気水の流れを現した説明図である。図12は、第1実施形態にかかる本発明の温水サービスタンク4の変形例における温水サービスタンク4b内の気水の流れを現した説明図である。図13は、第1実施形態にかかる本発明の水の状態変化の概要図である。図14は、第1実施形態にかかる本発明の地熱発電装置1の媒体移送管10の深度と熱水の温度分布の関係を示す関係図である。
地熱発電装置1は、蒸気タービンTに蒸気V1を供給することで、発電機Gを回転させて発電を行い、受電設備TFに電気を供給し送電網を介して電力会社等に電気を供給している。
蒸気タービンTは、タービン形式だけでなくスクリュー形式のもの等であってもよく、蒸気によって発電可能なものであればよい。蒸気タービンTに供給される蒸気V1は、熱水L3を減圧沸騰させて気水分離器Fにて生成される。
次に、媒体移送管10を説明する。地表Sから地中深部にある熱源となる地熱帯Uまで媒体移送管10が埋設されている。媒体移送管10は、外側に円筒状の媒体注入管11が埋設され、その媒体注入管11の周囲は地表Sから地熱帯Uに至る領域の前まで、すなわち発電に必要な温度よりも低い温度の地中の領域は、地熱セメント等により固められており、崩落の危険がないように施されている。媒体移送管10は、媒体移送管10の媒体注入管11の最深部に位置する地熱帯Uの流体又は岩盤からの熱を吸収する。媒体移送管10の長さは、地熱帯Uの温度により全長が変化し、200℃前後を熱として吸収できる地熱帯まで伸びている。
次に、媒体移送管10に接続され、地上側に突出した地上接続部30について図2を参照し説明する。
地上接続部30は、地下に埋設される媒体移送管10と地上側の気水分離器F及び加圧給水ポンプ3の設備とを接続する部分である。地上接続部30の上部に設けられている断熱された上部接続管35は、熱水L3を気水分離器Fまで移送するための接続部分である。上部接続管35は、フランジ36、37を介して媒体取出管12と連通している。
また、フランジ36、37を貫通したエアー配管34は、媒体注入管11内の空気を抜くために、図示しない弁が設けられている。エアー配管34の弁を操作し、空気を抜く作業は、媒体注入管11の上部にたまった空気により、加圧給水ポンプ3がエアー噛みを起こし、加圧給水ポンプ3が温水L1を送ることができなくなることを防いでいる。
次に、図3乃至図8を参照し、上部接続管30からの熱水L3を減圧沸騰させ、蒸気を生成する気水分離器Fについて説明する。気水分離器Fは、円筒状の圧力容器となっており中間からやや下方の位置に、円形状の配管であるノズル51が設けられている。ノズル51は、先端から熱水L3を噴出し、容器内にて減圧沸騰させ蒸気を発生させている。また、気水分離器Fの内外のいずれかに圧力(蒸気発生量)を調整する図示しないコントロール弁が設けられている。
ノズル51は、先端の内部に三点の支持軸65により固定される分離装置60を設けている。また、分離装置60の下方は、板状の受け板54を設け、その受け板54の一部を切り欠き排出口55を設けている。受け板54は、排出口55に向かって緩やかに傾斜して設けられており熱水L3を誘導している。
受け板54の下方には、蒸気とならなかった所謂ドレンを温水サービスタンク4に移送する温水サービスタンク配管52が設けられている。
分離装置60は、ノズル51から吹き出し方向に向かって円錐状に広がったホーン部61が形成されている。また、ホーン部61の円周上に沿って連続した誘導片62a、62b、62c、62dが円周方向に対して均等に4つ設けられている。誘導片62は、図8に示すように側面から見て約30度から60度程度の傾斜を伴った一定の長さの片が連続してホーン部61の円周を囲んでいる。誘導片62は、主に熱水L3を誘導片62に沿って螺旋状に旋回させている。
分離装置60のホーン状に広がった径は、ノズル51の外形の1.5倍から3倍程度が適しており、分離装置60の全長は気水分離器Fの内径に合わせて設けても良い。
しかし、蒸気V1とならなかった熱水L3は、重力により受け板54に落下する。ここで、受け板54に流れる途中であっても、熱水L3が蒸気V1となれば、蒸気V1は上昇し蒸気取出管53に移送される。
尚、蒸気とならなかった熱水L4は、受け板54の切り欠き口が形成された排出口55から温水サービスタンク4に移送される。
以上のように、本発明の分離装置60は、所謂フラッシュ率を向上させることで蒸気量を増やし、発電能力を高めるための構造となっている。
次に、別例となる気水分離器Faを、図9に沿って説明する。尚、上記した構造又は機能と同じ箇所には同じ符号が付してあり説明を省略し、異なる部分を説明する。
上記と主に異なる部分は、分離装置60の噴き出し方向が上方に向かっている点と、天板86が設けられている点である。
また、気水分離器Faの上方に設けた天板86は、気水分離器Faの天井に支持棒83により吊り下げて設けられている。
天板86は、分離装置60の上方の位置し、蒸気取出管53を覆うように上方の全領域に亘った円錐状のステンレス材等により形成されている。天板86の至る所にパチングによって開けられた通し孔となる蒸気通過孔87が複数設けられ、熱水L3が接する接触面積を多くしている。
分離装置60及び天板86は、熱水L3が滞在する時間を稼ぐことで、蒸気V1に変化する時間を設けることが可能である。以上の構造によって、できる限り熱水L3が留まり易い構造であるため蒸気量を多く取り出すことができる。本発明の分離装置60及び天板86は、所謂フラッシュ率を向上させることで蒸気量を増やし、発電能力を高めるための構造となっている。
次に、温水サービスタンク4について図1及び図10乃至図12を参照して説明する。温水サービスタンク4は、円筒状の圧力容器となっている。温水サービスタンク4に接続される主な配管は、復水ユニット17から送られる復水L6を取り入れる配管と、給水ユニットから補給される脱気水L7を取り入れる配管と、加圧給水ポンプ3に接続され温水サービスタンク4から温水L8を送るポンプ配管76と、気水分離器Fから送られるドレンL4を取り入れるドレン注入管74及び温水サービスタンク4にてプール沸騰により生成した蒸気V2を排出する蒸気排出管75とが設けられている。
度液体の界面を通過した後の温水L8を、ポンプ配管76に導くことで、気泡を含まない温水L8のみをポンプ配管76に導くことができる構造となっている。以上のような構造により、気泡をポンプ配管76に導くことがないため、加圧給水ポンプ3がキャビテーションを起こすことを防いでいる。
次に、別例となる温水サービスタンク4を、図11に沿って説明する。
尚、上記した構造又は機能と同じ箇所には同じ符号が付してあり説明を省略し、異なる部分を説明する。
上記と主に異なる部分は、ドレン受け板79が設けられている点である。ドレン受け板79は、温水サービスタンク4の床板に固定される金属製の支持足81により平板状の金属製のドレン受け板79を支持している。ドレン受け板79は、ドレンL4を一旦受け、気泡と液体を分離させるための構造である。
次に、別例となる温水サービスタンク4を、図12に沿って説明する。尚、上記した構造又は機能と同じ箇所には同じ符号が付してあり説明を省略し、異なる部分を説明する。
上記と主に異なる部分は、ドレン受け板77が設けられている点である。ドレン受け板77は、温水サービスタンク4の天井に固定される金属製の支持足78により平板状の金属製のドレン受け板79を支持している。ドレン受け板77は、ドレンL4を一旦受け、気泡と液体を分離させるための構造である。
次に、給水ユニット18について図1を参照して説明する。給水ユニット18は、川の水や水道水等の原水16から工業用の軟水生成装置9を使用して軟水を生成する。そして、生成された軟水は補給水タンク8に貯留される。貯留された軟水は、脱酸装置又は脱酸剤を使用することで溶存酸素を除去している。
窒素等はマイクロバブル発生装置を利用して水に溶存し易くした後、その溶水を注入することにより酸素との置換が起こりやすくなる。
次に、復水ユニット17について説明する。復水ユニット17は、タービンTから排気された蒸気V3を凝縮させて水に戻す機能を持っており、主に復水器6、復水タンク14及び冷却塔CTから構成されている。復水器6で受けた蒸気V3は、冷却塔CTで冷やされ、凝縮し温水L10に戻り、復水器6を経由し復水タンク14に貯留される。貯留された温水L6は、復水ポンプ5により温水サービスタンク4に送られ、温水サービスタンク4に貯留される。
尚、冷却塔CTによる冷却方法は、空冷式、川の水や海水等を利用した水冷式又は地中にて熱交換を行う地中熱置換式等がある。
図1及び図13乃至図14を参照して発電方法を説明すると、200℃前後の熱を地中で得るためにボーリングにより開けられた穴の深度は、地中700mから2000m程度までの深さに達している。この深さは深ければ深いほど高い温度が得られると考えられるが、掘削費用との兼ね合いにより決められ、地熱帯Uは、150℃から300℃の温度があれば最もよく、地熱帯Uの最深部付近から得られる温度によって適宜以下の値も変化する。
また、蒸気タービンTから排気された蒸気(V3)は、復水器6に送られる。復水器6に送られた蒸気(V4)は、空冷式や水冷式の冷却塔7に送られ、冷却塔7によって凝縮され圧力0.101MPaの100℃の温水(L10)に戻される。戻された温水(L10)は、流量6t/hで復水タンク14に貯留される。また、復水タンク14の温水(L6)は、復水ポンプ5により温水サービスタンク4に送られる。
そして、温水サービスタンク4の130℃前後の温水(L1)は、再び加圧給水ポンプ3により6MPaに加圧され媒体移送管10の媒体注入管11に流量55t/hで送られ、地中深くの地熱帯Uまで移送される。
一点鎖線を境界とし、上方の断熱領域22は、媒体注入管11の有効熱伝導率が0.1W/m・K以下の材質を採用した断熱効果が優れた配管を使用している。また一点鎖線を境界とし、下方の吸収領域26は、媒体注入管11の有効熱伝導率が50W/m・K以上の材質を採用した熱吸収が優れた配管を使用している。
線上のD点では210℃の温度の場合において、圧力が1.907MPaより少ない場合には水の状態から気体すなわち蒸気へと変化する境界ラインとなる。
また、斜線で示す加圧領域23は、熱水L3が蒸気とならない圧力の領域を示しており、加圧給水ポンプ3は、圧力損失を考慮して圧力値を設定する。
媒体取出管12内で水から蒸気へと変化すると、所謂気液2 相流となり、水単相流の場合に比べて熱伝達率が数10倍になるため、媒体取出管12あるいは媒体注入管11を流れる低温下降流L1に熱が奪われやすくなる。その熱損失を防ぎエネルギーを蓄えたまま移送するためには、熱水を冷め難くする必要がある。
そして、地熱帯Uで熱せられた沸点以上の熱水は、冷めないように蒸気を含まない状態で気水分離器Fまで運ぶことにより熱損失が少なくなる。熱損失を少なくするには、上述したように図13の蒸発曲線26よりも高い圧力を保つ必要がある。
更に、地中の温度分布の高い領域すなわち発電に必要な吸熱領域において媒体注入管11は、有効熱伝導率の高い50W/m・Kの材料で形成した。特に高ければ高い有効熱伝導率であればよいが、地中内での圧力や腐食を考慮すると金属製の材料で形成するのが望ましく、有効熱伝導率は、20W/m・K以上であればよい。
第2実施形態にかかる地熱発電装置100を、図15を参照して説明する。図15は、第2実施形態にかかる本発明の地熱発電装置100の構成を示す概要図である。尚、第2実施形態と同じ箇所には同じ符号が付してあり、上述した記載については省略する。
バイナリー発電装置Bを、図15を参照して説明すると、バイナリー発電装置Bは、主に加圧水熱交換器1aと接続される熱交換部150と、蒸気タービンT2と、発電機G2、受電設備TF2、冷却器154及び循環ポンプ155とで構成されている。
この熱交換部150の部分で熱せられた作動媒体M1は、蒸発して蒸気タービンT2を回転させ、発電機G2により発電を行っている。
受電設備TFは、電気を供給し送電網を介して電力会社等に電気を供給するものである。ここで作動媒体M1、M2、M3は、可燃性や毒性のない不活不活性ガスのHFC−245fa、R245fa等や沸点の低い媒体(水とアンモニアの混合物等、炭化水素(ペンタン))等が使用される。
冷却水157a、158aを、深度の浅い領域で加圧水熱交換器1aの媒体移送管10付近に配管することで、媒体移送管10の深度の浅い部分で地中を介して熱交換することができる。そのため、媒体移送管10は冷めることなく、また冷却水157a、158aを冷やすことができる。このように、同じ系内(地熱発電装置100)にて熱の有効利用が実現できる。
第3実施形態にかかる地熱発電装置200を、図16を参照して説明する。図16は、第3実施形態にかかる本発明の地熱発電装置200の構成を示す概要図である。尚、第1実施形態及び第2実施形態と同じ箇所には同じ符号が付してあり、上述した記載については省略する。
バイナリー発電装置Bを、図16を参照して説明すると、バイナリー発電装置Bは、主に加圧水発電装置1bと接続される熱交換部150と、蒸気タービンT2と、発電機G2、受電設備TF2、冷却器154及び循環ポンプ155とで構成されている。
この熱交換部150の部分で熱せられた作動媒体M1は、蒸発して蒸気タービンT2を回転させ、その回転により発電機G2が発電を行う。
受電設備TFは、電気を供給し、送電網を介して電力会社等に電気を供給するものである。ここで作動媒体Mは、可燃性や毒性のない不活不活性ガスのHFC−245fa、R245fa等や沸点の低い媒体(水とアンモニアの混合物等、炭化水素(ペンタン))等が使用される。
冷却水157b、158bを、加圧水発電装置1bの給水ユニット18に設けられる原水16に配管し、熱交換することで、原水16は温められ冷却水157b、158bは冷やされるため地熱発電装置200の全系において熱の有効な置換が行われる。原水16は、暖められることで温水サービスタンク4に復水ユニット17を介さず直接投入することが可能となる。
第4実施形態にかかる地熱発電装置300を、図17を参照して説明する。図17は、第4実施形態にかかる本発明の地熱発電装置300の構成を示す概要図である。尚、第1実施形態乃至第3施形態と同じ箇所には同じ符号が付してあり、上述した記載については省略する。
バイナリー発電装置Cを、図17を参照して説明すると、バイナリー発電装置Cは、加圧水発電装置1bと接続される第1熱交換部150c、第2熱交換部156c、蒸気タービンT2、蒸気タービンT3と、発電機G2、発電機G3、受電設備TF2、冷却器164c、第1循環ポンプ155c及び第2循環ポンプ165c、とで構成されている。
この第1熱交換部150cの部分で熱せられた作動媒体M1は、蒸発して蒸気タービンT2を回転させ、発電機G2により発電を行っている。
また、第2熱交換部154cの第2熱交換器153cによって熱交換が行われた第2熱交換器156cは、第2熱交換部164cで熱せられた作動媒体M21は、蒸発して蒸気タービンT3を回転させ、発電機G3により発電を行っている。
冷却水157c、158cを、加圧水発電装置1cの給水ユニット18に設けられる原水16に配管し、熱交換することで、原水16は温められ冷却水157c、158cは冷やされるため地熱発電装置300の全系において熱の有効な置換が行われる。原水16は、暖められることで温水サービスタンク4に復水ユニット17を介さず直接投入することが可能となる。
尚、本発明の実施形態全てにおいて、熱水L又は蒸気Vを入排出する圧力容器の前又は後に、熱水L又は蒸気Vの圧力を制御する図示しない制御弁を設け圧力制御を行っている。
以下に本実施形態の技術的特徴点の一例を括弧内に示すが、特に限定するものでもなく例示しているものであり、これら特徴から考えられる効果についても記載する。
<第1の特徴点>
高温及び高圧の媒体(例えば、主に熱水(L3))を減圧沸騰させることで蒸気を発生させ、前記蒸気及び前記媒体を分離する気水分離装置(例えば、主に気水分離器F)であって、噴出された前記媒体を受け、噴出方向に向かって徐々に径を広げた円錐状の筐体部(例えば、主にホーン部61)と、前記筐体部の表面から突出して設け、前記媒体を旋回させる旋回誘導部(例えば、主に誘導片62)を備えたことを特徴とする。
前記旋回誘導部は、噴出された前記媒体を受ける先端から終端に亘って連続した螺旋状の複数の旋回誘導片(例えば、主に誘導片62a・誘導片62b・誘導片62c・誘導片62d)を備えたことを特徴とする。
前記筐体部は、複数の前記旋回誘導片との間に位置にし、貫通した孔を形成した複数の蒸気を誘導する誘導孔(例えば、主に誘導孔63)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、誘導孔から蒸気が取り込まれ、蒸気と媒体とを更に分離することができる。
前記気水分離装置に蒸気を取り出す蒸気取出管(例えば、温水サービスタンク配管52)を設け、前記蒸気取出管の全面を覆う大きさであって、且つ円錐状に形成した天板(例えば、主に天板86)を設け、前記天板は貫通した孔を形成した複数の蒸気を誘導する蒸気誘導孔(例えば、主に蒸気通過孔87)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴により、媒体が蒸気化する時間を確保する事ができるので、蒸気量を増やすことが可能である。蒸気誘導孔から蒸気が取り込まれ、蒸気と媒体とを更に分離することができる。
前記気水分離器は、減圧沸騰させると共に微小気泡を含んだ蒸気を発生させる蒸気発生ノズルを備えたことを特徴とする。
以上の特徴によりマイクロバブルやナノバブルを含んだ熱水を前記気水分離器にて蒸気化することにより蒸気量を増大させることが可能となり、発電量の増加に繋げることができる。
請求項1乃至請求項5記載の前記気水分離器(例えば、主に気水分離器F)を使用し、地熱帯の熱によって熱せられた媒体を熱源として発電する地熱発電装置(例えば、主に地熱発電装置100、地熱発電装置200、地熱発電装置300)であって、
外側に前記地熱帯へ前記媒体を移送する媒体注入管(例えば、主に媒体注入管11)と、前記媒体注入管の内側に前記地熱帯の熱によって熱せられた前記媒体を取り出す媒体取出管(例えば、主に媒体取出管12)とを備えた媒体移送管(例えば、主に媒体移送管10)と、
低温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の低い断熱構造を設けた前記媒体取出管と、高温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の高い吸熱構造を設けた前記媒体注入管と、を設け、
前記地熱帯により熱を吸収した高温の前記媒体を、蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある前記気水分離器まで移送し、前記気水分離器にて減圧沸騰させることで蒸気を発生させ、前記蒸気によって発電を行うことを特徴とする。
また、蒸気中の水滴が高速で回転するタービン動翼あるいは配管内壁に衝突することにより、エロージョンを受け、さらなる効率の低下のみならず機器損傷を引き起こす原因となる。
本発明では、地上の気水分離器(気水分離器)にて蒸気を生成するため、地中で蒸気を生成する場合に比較して熱効率よく地上に熱水を移送した後、減圧沸騰させ蒸気を発生させるため、エロージョンや効率低下という問題を解決することができる。
地熱帯の熱によって熱せられた媒体を熱源として発電する地熱発電方法であって、
外側に前記地熱帯へ前記媒体を移送する媒体注入管(例えば、主に媒体注入管11)と、前記媒体注入管の内側に前記地熱帯の熱によって熱せられた前記媒体を取り出す媒体取出管(例えば、主に媒体取出管12)とを備えた媒体移送管(例えば、主に媒体移送管10)と、
低温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の低い断熱構造を設けた前記媒体取出管と、高温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の高い吸熱構造を設けた前記媒体注入管と、を設け、
前記地熱発電装置を運転する最初に、前記媒体移送管を洗浄し、前記媒体の中に溶存する酸素を除去する酸素除去手段(例えば主に脱酸装置19又は脱酸剤)を作用させ、
前記酸素を除去した後、
前記地熱帯により熱を吸収した高温の前記媒体を、蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある気水分離器まで移送し、前記気水分離器にて減圧沸騰させることで蒸気を発生させ、前記蒸気によって発電を行うことを特徴とする。
地熱帯の熱によって熱せられた媒体を熱源として発電する地熱発電装置(例えば、主に地熱発電装置100、地熱発電装置200、地熱発電装置300)であって、
外側に前記地熱帯へ前記媒体を移送する媒体注入管(例えば、主に媒体注入管11)と、前記媒体注入管の内側に前記地熱帯の熱によって熱せられた前記媒体を取り出す媒体取出管(例えば、主に媒体取出管12)とを備えた媒体移送管(例えば、主に媒体移送管10)と、
低温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の低い断熱構造を設けた前記媒体取出管と、高温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の高い吸熱構造を設けた前記媒体注入管と、
前記地熱帯により熱を吸収した高温の前記媒体を、蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある気水分離器まで移送し減圧沸騰させることで蒸気を発生させる前記気水分離器(例えば、主に気水分離器F)と、
前記気水分離器にて前記媒体のうち蒸気とならなかった前記媒体を貯留する貯留部(例えば、主に温水サービスタンク4)と、
前記貯留部から供給される前記媒体を前記地熱帯へ搬送及び加圧する加圧ポンプ(例えば、主に加圧給水ポンプ3)と、を備え、
前記貯留部の内部に、前記気水分離器から供給される前記媒体に含まれる気泡を分離し、前記加圧ポンプに前記媒体のみを供給する気泡分離部(例えば、主に仕切り板71、ドレン受け板77・79)を備えたことを特徴とする。
地熱帯の熱によって熱せられた媒体を熱源として発電する地熱発電装置(例えば、主に地熱発電装置100、地熱発電装置200、地熱発電装置300)であって、
外側に前記地熱帯へ前記媒体を移送する媒体注入管(例えば、主に媒体注入管11)と、前記媒体注入管の内側に前記地熱帯の熱によって熱せられた前記媒体を取り出す媒体取出管(例えば、主に媒体取出管12)とを備えた媒体移送管(例えば、主に媒体移送管10)と、
低温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の低い断熱構造を設けた前記媒体取出管と、高温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の高い吸熱構造を設けた前記媒体注入管と、
前記地熱帯により熱を吸収した高温の前記媒体を、蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある気水分離器(例えば、主に気水分離器F)まで移送し減圧沸騰させることで蒸気を発生させる前記気水分離器と、
前記気水分離器にて前記媒体のうち蒸気とならなかった前記媒体を貯留する貯留部(例えば、主に温水サービスタンク4)と、
前記貯留部は、前記気水分離器から供給された前記媒体から生成される蒸気を前記気水分離器へ供給するバイパス経路(例えば、主に蒸気排出管75、蒸気V2の経路)を備えたことを特徴とする。
地熱帯の熱によって熱せられた媒体を熱源として発電する地熱発電装置(例えば、主に地熱発電装置200)であって、
外側に前記地熱帯へ前記媒体を移送する媒体注入管(例えば、主に媒体注入管11)と、前記媒体注入管の内側に前記地熱帯の熱によって熱せられた前記媒体を取り出す媒体取出管(例えば、主に媒体取出管12)とを備えた媒体移送管(例えば、主に媒体移送管10)と、
低温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の低い断熱構造を設けた前記媒体取出管と、高温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の高い吸熱構造を設けた前記媒体注入管と、
前記地熱帯により熱を吸収した高温の前記媒体を、蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある熱交換器まで移送し、前記媒体を熱源として前記熱交換器にて使用し、前記媒体よりも沸点の低い作動媒体(例えば、主に作動媒体M1乃至M3)を蒸気化して発電を行うバイナリー発電装置(例えば、主にバイナリー発電装置B)と、
前記熱交換器で熱交換され冷やされた前記媒体の水位を系全体で一定に保つ貯留部(例えば)、主に温水サービスタンク4)を備えたことを特徴とする。
地熱帯の熱によって熱せられた媒体を熱源として発電する地熱発電装置(例えば、主に地熱発電装置100・200・300)であって、
外側に前記地熱帯へ前記媒体を移送する媒体注入管(例えば、主に媒体注入管11)と、前記媒体注入管の内側に前記地熱帯の熱によって熱せられた前記媒体を取り出す媒体取出管(例えば、主に媒体取出管12)とを備えた媒体移送管(例えば、主に媒体移送管10)と、
低温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の低い断熱構造を設けた前記媒体取出管と、高温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の高い吸熱構造を設けた前記媒体注入管と、
前記地熱帯により熱を吸収した高温の前記媒体を、蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある熱交換器まで移送し、前記媒体を熱源として前記熱交換器にて使用し、前記媒体よりも沸点の低い作動媒体を蒸気化して発電を行うバイナリー発電装置(例えば、主にバイナリー発電装置B)と、を備え、
前記作動媒体を冷却するための冷却媒体を移送する作動媒体配管を前記媒体移送管の付近の地中に敷設し、地中熱と熱交換する前記作動媒体配管(例えば、主に冷却水157a、158aを冷やすための配管)と、を備えたことを特徴とする。
尚、上記1乃至11の特徴点については、方法の発明となる地熱発電方法であっても良く。また、上記1乃至5の特徴点は、方法の発明となる気水分離方法であっても良い。
3…加圧給水ポンプ、4…温水サービスタンク、
5…復水ポンプ、6…復水器、
10…媒体移送管、
11…媒体注入管、12…媒体取出管、
26…蒸発曲線、60…分離装置、
F…気水分離器、150…熱交換部、151…熱交換器、
155…循環ポンプ、
T・T1・T2・T3…蒸気タービン、G…発電機、
1a…加圧水発電装置、B…バイナリー発電装置、CT…冷却塔、
F…気水分離器、TF…受電設備、
S…地表、U…地熱帯。
Claims (2)
- 地熱帯の熱によって熱せられた媒体を熱源として発電する地熱発電装置であって、
外側に前記地熱帯へ前記媒体を移送する媒体注入管と、前記媒体注入管の内側に前記地熱帯の熱によって熱せられた前記媒体を取り出す媒体取出管とを備えた媒体移送管と、
低温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の低い断熱構造を設けた前記媒体取出管と、高温である前記地熱帯の領域では有効熱伝導率の高い吸熱構造を設けた前記媒体注入管と、
前記地熱帯により熱を吸収した高温の前記媒体を、蒸発曲線よりも高い圧力を加えて、蒸気を発生しないように液体の状態で地上にある熱交換器まで移送し、前記媒体を熱源として前記熱交換器にて使用し、前記媒体よりも沸点の低い作動媒体を蒸気化して発電を行うバイナリー発電装置と、
前記熱交換器で熱交換され冷やされた前記媒体の水位を系全体で一定に保つ貯留部を備えたことを特徴とする地熱発電装置。 - 前記作動媒体を冷却するための冷却媒体を移送する作動媒体配管を前記媒体移送管の付近の地中に敷設し、地中熱と熱交換する前記作動媒体配管と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の地熱発電装置。
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