JP2016164395A - 地熱発電システム及び地熱発電方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱効率の高い地熱交換器を提供すること。【解決手段】本発明の地熱発電システム100は、熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井と、前記熱交換液体用地熱井に前記熱交換液体を送出する高圧循環ポンプと、地熱の熱によって加熱された前記熱交換液体から蒸気を取り出して発電する熱交換液体用発電設備と、を有する第1地熱発電設備10と、地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出して発電する地熱水用発電設備と、を有する第2地熱発電設備50と、を備え、前記熱交換液体の少なくとも一部は、前記気水分離器で分離された熱水によって熱交換され加熱された状態で前記高圧循環ポンプによって前記熱交換液体用地熱井に送出される。【選択図】図3
Description
本発明は、地熱発電システム及び地熱発電方法に関する。
地熱発電のような地熱エネルギーを利用してエネルギーを得る手法は、高温のマグマ層を熱源とすることから半永久的に熱エネルギーを取り出すことができ、かつ、発電の過程において温室効果ガスを発生しないことから、化石燃料の代替手段として近年注目されている。
従来の地熱発電は、地熱帯をボーリングし、地熱帯に存在する自然の蒸気、又は熱水を自然の圧力を利用して取り出し発電を行なう。それに対し、本権利者は、地熱帯に存在する蒸気及び熱を直接取り出すことなく、熱のみを受領して発電可能な地熱交換器を提案している(特許文献1)。
かかる地熱交換器は、地下から取り出される高温・高圧の熱水の熱から蒸気を得ることができるため、熱効率に優れた熱交換が可能であり、地熱帯付近における環境に及ぼす影響がとても小さい地熱交換器を提供するものとして有効な発明である。
本発明は、従来技術にかかる熱交換器をさらに発展させ、さらに熱効率のよい地熱発電システム及び地熱発電方法を提供することにある。
本発明は、上述の目的を達成するために、以下の手段を採用している。
本発明にかかる地熱発電システムは、熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井と、前記熱交換液体用地熱井に前記熱交換液体を送出する高圧循環ポンプと、地熱の熱によって加熱された前記熱交換液体から蒸気を取り出す蒸気発生器と、
前記熱交換液体用地熱井の周囲に形成されている地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出す気水分離器と、
前記蒸気によって発電する発電機と、
を備えていることを特徴とする。
前記熱交換液体用地熱井の周囲に形成されている地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出す気水分離器と、
前記蒸気によって発電する発電機と、
を備えていることを特徴とする。
本発明にかかる地熱発電システムは、閉鎖循環型の熱交換液体地熱井の周囲に生産井を有しているので、熱交換液体用地熱井の周囲の地熱水は、熱交換液体用地熱井の周囲の地熱水が流れているため、熱交換用地熱井近傍の熱交換用液体によって冷やされた地熱水が常に新しい加熱された地熱水と交換され常に地熱によって加熱された地熱水が熱交換液体用地熱井に接触することになり、より効果的に熱交換液体を加熱することができる。
本発明にかかる地熱発電システムは、熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井と、前記熱交換液体用地熱井に前記熱交換液体を送出する高圧循環ポンプと、地熱の熱によって加熱された前記熱交換液体から蒸気を取り出す蒸気発生器と、
地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出す気水分離器と、
前記蒸気によって発電する発電機と、
を備え、
前記熱交換液体の少なくとも一部は、前記気水分離器で分離された地熱水によって熱交換され加熱された状態で前記高圧循環ポンプによって前記熱交換液体用地熱井に送出されることを特徴とする。
地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出す気水分離器と、
前記蒸気によって発電する発電機と、
を備え、
前記熱交換液体の少なくとも一部は、前記気水分離器で分離された地熱水によって熱交換され加熱された状態で前記高圧循環ポンプによって前記熱交換液体用地熱井に送出されることを特徴とする。
二重管構造の熱交換液体用地熱井で取り出す高温圧力水に含まれる飽和蒸気は、高温の蒸気として取り出すことが大容量化への条件となる。蒸気量が多くなれば、一般に蒸気量の10〜20倍の水を循環させる高圧循環ポンプの容量は大きくなる。しかし、発電出力の蒸気の割合はフラッシュ率であり、次の式で計算する。
フラッシュ率=(Hfa−Hfb)/Hfg
Hfa:取水した熱水のエンタルピー
Hfb:減圧沸騰させた熱水のエンタルピー
Hfg:減圧沸騰させた蒸気のエンタルピー
上記式で計算すると、蒸気割合(フラッシュ率)は、190℃で高温圧力水を取水し、160℃に減圧沸騰させた場合と、195℃で取り出し、165℃に減圧沸騰させた場合のフラッシュ率は、それぞれ0.063、0.064とほとんど変わらない。このため、より高い高温の圧力水を取水することが重要となる。
フラッシュ率=(Hfa−Hfb)/Hfg
Hfa:取水した熱水のエンタルピー
Hfb:減圧沸騰させた熱水のエンタルピー
Hfg:減圧沸騰させた蒸気のエンタルピー
上記式で計算すると、蒸気割合(フラッシュ率)は、190℃で高温圧力水を取水し、160℃に減圧沸騰させた場合と、195℃で取り出し、165℃に減圧沸騰させた場合のフラッシュ率は、それぞれ0.063、0.064とほとんど変わらない。このため、より高い高温の圧力水を取水することが重要となる。
本発明にかかる地熱発電システムによれば、熱交換液体用地熱井に送出する熱交換液体の温度を加熱することによって、より高温の熱交換液体を取水することができ、発電出力を向上させることができる。
本発明にかかる地熱発電システムは、熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井と、前記熱交換液体用地熱井に前記熱交換液体を送出する高圧循環ポンプと、地熱の熱によって加熱された前記熱交換液体から蒸気を取り出して発電する熱交換液体用発電設備と、を有する第1地熱発電設備と、
地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出して発電する地熱水用発電設備と、を有する第2地熱発電設備と、
を備え、
前記熱交換液体の少なくとも一部は、前記気水分離器で分離された地熱水によって熱交換され加熱された状態で前記高圧循環ポンプによって前記熱交換液体用地熱井に送出されることを特徴とする。
地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出して発電する地熱水用発電設備と、を有する第2地熱発電設備と、
を備え、
前記熱交換液体の少なくとも一部は、前記気水分離器で分離された地熱水によって熱交換され加熱された状態で前記高圧循環ポンプによって前記熱交換液体用地熱井に送出されることを特徴とする。
かかる発明によれば、前述した発明の効果に加え、第1地熱発電設備の熱交換用液体は、第2地熱発電設備の地熱水とは全く異なる閉鎖系になるので、第1地熱発電設備によって取り出される熱交換用液体には、地熱帯特有の硫黄その他の不純物が含まれていないため、スケールとなって熱井戸、配管類又はタービン等に付着することがなく、長期間の使用が可能となる。
さらに、本発明にかかる地熱発電システムにおいて、前記生産井は、前記熱交換液体用地熱井の周囲に形成されていることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、熱交換液体用地熱井の周囲の地熱水は、熱交換液体用地熱井の周囲の地熱水が流れているため、熱交換用地熱井近傍の熱交換用液体によって冷やされた地熱水が常に新しい加熱された地熱水と交換され常に地熱によって加熱された地熱水が熱交換液体用地熱井に接触することになり、より効果的に熱交換液体を加熱することができる。
また、本発明にかかる地熱発電システムにおいて、前記気水分離器内には、前記気水分離器によって分離された地熱水の熱を前記熱交換液体に交換するための熱交換器を備えていることを特徴とするものであってもよい。熱交換液体を加熱する手段として、第2地熱発電設備の気水分離器によって気水分離された熱水を利用して熱交換液体を加熱することにより、効果的に熱交換液体を加熱することができる。
さらに、本発明にかかる地熱発電システムにおいて、前記地熱水用発電設備は、フラッシャーを備えており、前記フラッシャー内には、前記熱交換液体に熱を交換するための熱交換器を備えていることを特徴とするものであってもよい。第2地熱発電設備として、ダブルフラッシュ方式を採用した場合に、フラッシャー内で熱交換することによって、効果的に熱交換液体を加熱することができる。
さらに、本発明にかかる地熱発電システムにおいて、前記熱交換液体用発電設備は、復水器を有し、前記復水器で冷却された熱交換液体を前記第2地熱発電設備側に送出することを特徴とするものであってもよい。熱交換液体を加熱するに際して、発電に使用した後の復水器の熱交換液体を第2地熱発電設備側に送出して加熱することによって、熱交換液体を循環させることができる。
さらに、本発明にかかる地熱発電システムにおいて、前記生産井は、前記熱交換液体用地熱井の周囲に形成されていることを特徴とするものであってもよい。熱交換液体用地熱井の周囲の地熱水は常に新しい加熱された地熱水と交換される上、熱交換液体用地熱井の周囲の地熱水が流れているため、常に地熱によって加熱された地熱水が熱交換液体用地熱井に接触することになり、より効果的に熱交換液体を加熱することができる。
さらに、本発明は、以下の地熱発電方法をも提供する。
本発明にかかる地熱発電方法は、下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井と、前記熱交換液体用地熱井に前記熱交換液体を送出する高圧循環ポンプと、地熱の熱によって加熱された前記熱交換液体から蒸気を取り出す蒸気発生器と、
前記熱交換液体用地熱井の周囲に形成されている地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出す気水分離器と、
前記蒸気によって発電する発電機と、
を備えており、
熱交換液体用地熱井の周囲に設けられた生産井の地熱水から取水して、前記地熱水から蒸気を取り出し、
熱交換液体用地熱井から熱交換用液体を取水して、前記熱交換用液体から蒸気を取り出し、
地熱水の蒸気及び熱交換用液体の蒸気によりタービンで発電することを特徴とする。
前記熱交換液体用地熱井の周囲に形成されている地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出す気水分離器と、
前記蒸気によって発電する発電機と、
を備えており、
熱交換液体用地熱井の周囲に設けられた生産井の地熱水から取水して、前記地熱水から蒸気を取り出し、
熱交換液体用地熱井から熱交換用液体を取水して、前記熱交換用液体から蒸気を取り出し、
地熱水の蒸気及び熱交換用液体の蒸気によりタービンで発電することを特徴とする。
また、本発明にかかる地熱発電方法は、熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井と、前記熱交換液体用地熱井に前記熱交換液体を送出する高圧循環ポンプと、地熱の熱によって加熱された前記熱交換液体から蒸気を取り出す蒸気発生器と、
地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出す気水分離器と、
前記蒸気によって発電する発電機と、
を備えており、
前記熱交換液体の少なくとも一部は、前記気水分離器で分離された地熱水によって熱交換され加熱された状態で前記高圧循環ポンプによって前記熱交換液体用地熱井に送出されることを特徴とする。
地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出す気水分離器と、
前記蒸気によって発電する発電機と、
を備えており、
前記熱交換液体の少なくとも一部は、前記気水分離器で分離された地熱水によって熱交換され加熱された状態で前記高圧循環ポンプによって前記熱交換液体用地熱井に送出されることを特徴とする。
さらに、本発明にかかる地熱発電方法は、熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井と、前記熱交換液体用地熱井に前記熱交換液体を送出する高圧循環ポンプと、地熱の熱によって加熱された前記熱交換液体から蒸気を取り出して発電する熱交換液体用発電設備と、を有する第1地熱発電設備と、
地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出して発電する地熱水用発電設備と、を有する第2地熱発電設備と、
を備えており、
前記熱交換液体の少なくとも一部は、前記気水分離器で分離された地熱水によって熱交換され加熱された状態で前記高圧循環ポンプによって前記熱交換液体用地熱井に送出されることを特徴とする。
地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出して発電する地熱水用発電設備と、を有する第2地熱発電設備と、
を備えており、
前記熱交換液体の少なくとも一部は、前記気水分離器で分離された地熱水によって熱交換され加熱された状態で前記高圧循環ポンプによって前記熱交換液体用地熱井に送出されることを特徴とする。
さらに、本発明にかかる地熱発電方法は、
(1)熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井から加熱された熱交換用液体を取水する工程、
(2)取水した前記熱交換用液体から熱交換用液体の蒸気と熱交換用液体の液体に分離する工程、
(3)分離された蒸気を使用して発電する工程、
(4)生産井から地熱水を取水する工程、
(5)取水した地熱水を地熱水の蒸気と地熱水の液体に分離する工程、
(6)熱交換用液体の液体を地熱水の液体によって加熱する工程、
(7)加熱された熱交換用液体の液体を前記熱交換液体用地熱井に送出する工程
とを含むことを特徴とする。
(1)熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井から加熱された熱交換用液体を取水する工程、
(2)取水した前記熱交換用液体から熱交換用液体の蒸気と熱交換用液体の液体に分離する工程、
(3)分離された蒸気を使用して発電する工程、
(4)生産井から地熱水を取水する工程、
(5)取水した地熱水を地熱水の蒸気と地熱水の液体に分離する工程、
(6)熱交換用液体の液体を地熱水の液体によって加熱する工程、
(7)加熱された熱交換用液体の液体を前記熱交換液体用地熱井に送出する工程
とを含むことを特徴とする。
本発明にかかる地熱発電システム100の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。また、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。なお、図1においてα、βは冷却水の流れを指し、γは補給水の流れを指す。
(第1実施形態)
第1実施形態にかかる地熱発電システム100の概念図が図1に示されている。図1の実線の矢印は後述する熱交換液、地熱水の液体の流れを示し、点線の矢印は蒸気の流れを示している。第1実施形態にかかる地熱発電システム100は、主として、熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井20と、熱交換液体用地熱井20に熱交換液体を送出する高圧循環ポンプ30と、地熱の熱によって加熱された熱交換液体から蒸気を取り出す蒸気発生器41と、地熱水を受領する生産井61と、熱交換の完了した地熱水の少なくとも一部を還元する還元井62と、少なくとも1つの気水分離器71を含んでなり、地熱水から蒸気を取り出す気水分離器71と、蒸気によって発電する発電機45と、を備えている。
第1実施形態にかかる地熱発電システム100の概念図が図1に示されている。図1の実線の矢印は後述する熱交換液、地熱水の液体の流れを示し、点線の矢印は蒸気の流れを示している。第1実施形態にかかる地熱発電システム100は、主として、熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井20と、熱交換液体用地熱井20に熱交換液体を送出する高圧循環ポンプ30と、地熱の熱によって加熱された熱交換液体から蒸気を取り出す蒸気発生器41と、地熱水を受領する生産井61と、熱交換の完了した地熱水の少なくとも一部を還元する還元井62と、少なくとも1つの気水分離器71を含んでなり、地熱水から蒸気を取り出す気水分離器71と、蒸気によって発電する発電機45と、を備えている。
熱交換液体は、大気圧において沸点が150℃以下、例えば、水、アンモニアが溶解した水等の低沸点液体を使用することが好ましいが、これらに限定するものではない。
熱交換液体用地熱井20は、熱交換液体を地熱帯まで運搬し、地熱帯で熱交換し加熱された熱交換液体を地上まで運搬する機能を有する。熱交換液体用地熱井20は、内管21とこの内管21の外側に配置される外管22とを有する二重管の地熱交換器で構成される。外管22は、下端が閉塞して作製されている。内管21は、最下端が外管22の下方で開放して形成されており、最下端において内管21の内側の内側領域と内管21と外管12の間の外側領域とが連通して形成されている。このため、内側領域又は外側領域のいずれかを下降してきた熱交換液体を他方の外側領域又は内側領域に移動させて上昇させることができる。すなわち、外側領域を下降領域とした場合には、熱交換液体は外側領域を加熱されながら下降していき、最下端で内管21の内側領域内に導入されて、内側領域内を上昇して地上まで運ばれる。一方、内側領域を下降領域とした場合には、熱交換液体は内側領域を加熱されながら下降していき、最下端で内管21の外側領域内に導入されて、外側領域内でも加熱されながら上昇して地上まで運ばれる。
熱交換液体用地熱井20は、複数のパイプを接続して作製されている。使用するパイプとしては、油井管等の金属管の他、セラミック系複合材料、炭素系材料又は樹脂系材料等のパイプを使用することもできる。また、外管22の外表面は、地熱帯から熱を受領しやすくするために、パイプの表面に凹凸を設けたり、銅等の金属をメッキ又は溶射したりして熱伝導面積を大きくしてもよい。また、外管22の最下端は、熱交換液体がスムーズに移動することができるように、半球体又は半楕円球体のように形成してもよい。
高圧循環ポンプ30は、熱交換液体を熱交換液体用地熱井20に送出するための装置である。好ましくは、高圧循環ポンプを使用するとよい。
生産井61は、地熱水を取り出すための坑井であり、熱水と蒸気が混じって噴出する熱水卓越型のタイプを使用することが好ましい。発電に必要な地熱水を得ることができる坑井であれば、特にその構成は限定するものではない。生産井61は、熱交換液体用地熱井20の外周に設けられる。
還元井62は、地中から取り出した地熱水の一部又は全部、その他の水を地中に戻すための坑井である。この還元井62の構成も特に限定するものではなく、種々の構成のものを使用することができる。
本地熱発電システムには、熱交換液体用地熱井20から取り出された熱交換液体及び高温の蒸気を含む地熱水から電力を得るための設備を有しており、熱交換用液体を主として処理するための蒸気発生器(減圧器)41、フラッシャー42、高圧循環ポンプ30による熱交換液体を貯めておく高圧循環ポンプ用タンク43等を備え、地熱水を処理するための気水分離器71と、第2フラッシャー72とを備え、これらから得られた蒸気によって発電するための第1タービン44a及び第2タービン44bからなる多段式のタービン44、発電機45及び発電が終わった蒸気、熱交換液体及び地熱水を処理する復水器46、復水器46によって凝縮された凝縮水を貯水する貯水タンク47等を備えている。
以上のように構成された設備は、以下のようにして使用される。まず、熱交換液体用地熱井20側で地熱の熱によって熱せられた熱交換用液体が取水され、蒸気発生器41で減圧沸騰させて高温・高圧の蒸気を発生させる。分離された高温・高圧の蒸気は、第1タービン44aに送られ、気水分離された液体はフラッシャー42に送られて気水分離された後、分離された高温、高圧の蒸気も第1タービン44aへ送られ、第1タービン44aの回転によって発電機45で発電する。一方、高温の蒸気を含む地熱水は、気水分離器71で蒸気と分離し、分離した蒸気は第2タービン44bへ送られる。さらに任意に第2フラッシャー72によって二次蒸気を得て同様に第2タービン44bへ送られ、第2タービン44bの回転によって発電機45で発電する。タービン44で消費された蒸気は復水器46で復水され、復水された地熱水又は熱交換液体は、冷却排水又は冷却されて復水器46の冷却水として使用されたり、還元井62によって地熱帯に還元されたり、再び高圧循環ポンプ用タンク43へ貯められ、再度、高圧循環ポンプ30によって熱交換液体用地熱井20へ送られて地熱を受領し、再度、発電に使用されたりする。なお、本実施形態にかかる地熱発電システム100は、上述した構成に限定するものではなく、その他の構成機器を他の機器で置換しても構わないし、追加で設けても構わない。
かかる構成を採用することによって、閉鎖循環型の熱交換液体用地熱井20の周囲に生産井61を有しているので、熱交換液体用地熱井20の周囲の地熱水は、熱交換液体用地熱井の周囲の地熱水が流れているため、熱交換液体用地熱井20の近傍の熱交換用液体によって冷やされた地熱水が常に新しい加熱された地熱水と交換され常に地熱によって加熱された地熱水が熱交換液体用地熱井20に接触することになり、より効果的に熱交換液体を加熱することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態にかかる地熱発電システム100の概念図が図2に示されている。図2の実線の矢印は後述する熱交換液、地熱水の液体の流れを示し、点線の矢印は蒸気の流れを示している。第2実施形態にかかる地熱発電システム100は、主として、熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井20と、熱交換液体用地熱井20に熱交換液体を送出する高圧循環ポンプ30と、地熱の熱によって加熱された熱交換液体から蒸気を取り出す蒸気発生器41と、少なくとも1つのフラッシャー42と、を含んでなり、また、地熱水を受領する生産井61と、熱交換の完了した地熱水の少なくとも一部を還元する還元井62と、地熱水から蒸気を取り出す気水分離器71と、蒸気発生器41及び気水分離器71によって発生した蒸気によって発電する発電機45と、を備えている。
第2実施形態にかかる地熱発電システム100の概念図が図2に示されている。図2の実線の矢印は後述する熱交換液、地熱水の液体の流れを示し、点線の矢印は蒸気の流れを示している。第2実施形態にかかる地熱発電システム100は、主として、熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井20と、熱交換液体用地熱井20に熱交換液体を送出する高圧循環ポンプ30と、地熱の熱によって加熱された熱交換液体から蒸気を取り出す蒸気発生器41と、少なくとも1つのフラッシャー42と、を含んでなり、また、地熱水を受領する生産井61と、熱交換の完了した地熱水の少なくとも一部を還元する還元井62と、地熱水から蒸気を取り出す気水分離器71と、蒸気発生器41及び気水分離器71によって発生した蒸気によって発電する発電機45と、を備えている。
熱交換液体、熱交換液体用地熱井20及び高圧循環ポンプ30は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
生産井61は、地熱水を取り出すための坑井であり、熱水と蒸気が混じって噴出する熱水卓越型のタイプを使用することが好ましい。発電に必要な地熱水を得ることができる坑井であれば、特にその構成は限定するものではない。生産井61は、前述した熱交換液体用地熱井20に隣接して又は近傍に設けられる。
還元井62は、地中から取り出した地熱水の一部又は全部、その他の水を地中に戻すための坑井である。この還元井62の構成も特に限定するものではなく、種々の構成のものを使用することができる。
熱交換液体用地熱井20から取り出された熱交換液体及び高温の蒸気を含む地熱水から電力を得るための設備を有しており、熱交換用液体を主として処理するための蒸気発生器(減圧器)41、フラッシャー42、高圧循環ポンプによる熱交換液体を貯めておく高圧循環ポンプ用タンク43等を備え、地熱水を処理するための気水分離器71と、第2フラッシャー72とを備えている。さらに、これらから得られた蒸気によって発電するための第1タービン44a及び第2タービン44b、発電機45及び発電が終わった蒸気、熱交換液体及び地熱水を処理する復水器46,復水器46によって凝縮された凝縮水を貯水する貯水タンク47、凝縮された凝縮水を還元井に62に送出する低圧循環ポンプ48等を有している。
さらに、気水分離器71及び第2フラッシャー72内のいずれか又は両方には、フラッシャー42によって分離された地熱交換液体を加熱するため、熱交換液体用の熱交換器76が設けられている。熱交換器76は、例えば、気水分離器71又は第2フラッシャー72によって分離された熱水側に細長いパイプを通して形成されている。熱交換液体の一部又は全部は、この熱交換器76を通ることによって加熱された状態で第1地熱発電設備10側に戻される。なお、第2実施形態では、ダブルフラッシュ方式を図示しているが、シングルフラッシュ方式でも構わない。
以上の設備は、以下のようにして使用される。まず、熱交換液体用地熱井20側で地熱の熱によって熱せられた熱交換用液体を取水して、蒸気発生器41で減圧沸騰させて高温・高圧の蒸気を発生させる。分離された高温・高圧の蒸気は、第1タービン44aに送られ、気水分離された液体はフラッシャー42に送られて気水分離された後、分離された高温、高圧の蒸気も第1タービン44aへ送られ、第1タービン44aの回転によって発電機45で発電する。フラッシャー42で分離された液体の地熱交換液体は、熱交換器76に運ばれ加熱された後、熱交換液体用地熱井20に送出され、再度、発電に使用される。一方、高温の蒸気を含む地熱水は、気水分離器71で蒸気と分離し、分離した蒸気は第2タービン44bへ送られる。さらに任意に第2フラッシャー72によって二次蒸気を得て同様に第2タービン44bへ送られ、第2タービン44bの回転によって発電機45で発電する。タービン44で消費された蒸気は復水器46で復水され、復水された地熱水又は熱交換液体は、冷却されて排水処理されたり、又は復水器46の冷却水として使用されたり、還元井62によって地熱帯に還元されたりするのに使用される。なお、地熱水用発電設備70は、上述した構成に限定するものではなく、その他の構成機器を他の機器で置換しても構わないし、追加で設けても構わない。
かかる構成を採用することによって、熱交換液体用地熱井20に送出される熱交換液体は、あらかじめ、熱交換器76によって加熱されているので、加熱されていない熱交換液体を送出する場合と比較してより高温の熱交換液体を取り出すことができ、エネルギー効率を向上させることができる。
なお、第2実施形態においては、フラッシャー42で気水分離された熱交換液体を熱交換器76に送出しているが、図2の2点鎖線に示すように、復水器46で復水された地熱水又は熱交換液体を低圧循環ポンプ48によって気水分離器71内の熱交換器76に送って、加熱された地熱水又は熱交換液体を高圧循環ポンプ30によって熱交換液体用地熱井20へ送って地熱を受領し、再度、発電に使用してもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態にかかる地熱発電システム100の概念図が図3に示されている。図3の実線の矢印は後述する熱交換液、地熱水の液体の流れを示し、点線の矢印は蒸気の流れを示している。第3実施形態にかかる地熱発電システム100は、第1地熱発電設備10と第2地熱発電設備50とを備えている。第1地熱発電設備10は、熱を地中から受領する熱交換用液体を地熱帯に放出したり、地熱帯の熱水を取水したりすることなく、熱交換用液体を略閉鎖系で循環させるタイプの地熱発電設備である。第2地熱発電設備50は、地中の熱水を取水する生産井61と、地熱帯から産出された熱水を発電に利用し、発電を終えた蒸気の凝縮水やその他の水を地下に戻す還元井62とからなる地熱発電設備である。なお、第1実施形態と同様の設備には同様の符号が付されている。
第3実施形態にかかる地熱発電システム100の概念図が図3に示されている。図3の実線の矢印は後述する熱交換液、地熱水の液体の流れを示し、点線の矢印は蒸気の流れを示している。第3実施形態にかかる地熱発電システム100は、第1地熱発電設備10と第2地熱発電設備50とを備えている。第1地熱発電設備10は、熱を地中から受領する熱交換用液体を地熱帯に放出したり、地熱帯の熱水を取水したりすることなく、熱交換用液体を略閉鎖系で循環させるタイプの地熱発電設備である。第2地熱発電設備50は、地中の熱水を取水する生産井61と、地熱帯から産出された熱水を発電に利用し、発電を終えた蒸気の凝縮水やその他の水を地下に戻す還元井62とからなる地熱発電設備である。なお、第1実施形態と同様の設備には同様の符号が付されている。
第1地熱発電設備10は、熱交換液体を地熱帯との間で循環させて熱エネルギーを取り出す設備であり、主として、熱交換液体用地熱井20と、高圧循環ポンプ30と、熱交換液体用発電設備40と、を備えている。
熱交換液体、熱交換液体用地熱井20及び高圧循環ポンプ30は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
熱交換液体用発電設備40は、高温の圧力水として熱交換液体用地熱井20から取り出された熱交換液体から電力を得るための設備であり、例えば、蒸気発生器(減圧器)41、フラッシャー42、高圧循環ポンプ30による熱交換液体を貯めておく高圧循環ポンプ用タンク43、タービン44、発電機45、復水器46、復水器46によって凝縮された凝縮水を貯水する貯水タンク47、凝縮された凝縮水を第2地熱発電設備50に送出する低圧循環ポンプ48等を備えている。これらの機器を有する熱交換液体用発電設備40は、地熱によって熱せられた熱交換液体を熱交換液体用地熱井20から取水して、蒸気発生器41で減圧沸騰させて高温・高圧の蒸気を発生させる。分離された高温・高圧の蒸気は、タービンに送られる。気水分離された液体の熱交換液体はフラッシャー42に送られて気水分離された後、分離された高温、高圧の蒸気もタービン44へ送られ、タービン44の回転によって発電機45で発電する。タービン44で消費された蒸気は復水器46で復水され、熱交換器76に運ばれ加熱された後、再度、熱交換液体用地熱井20に高圧循環ポンプ30によって送出される。本実施形態においては、熱交換液体と地熱水が混合することがないので再利用することが可能である。勿論、排水処理したり、又は、還元井に送出したりしてもよい。一方、フラッシャー42で分離された液体の地熱交換液体は、熱交換器76に運ばれ加熱された後、熱交換液体用地熱井20に送出され、再度、発電に使用される。このように本発明にかかる第1地熱発電設備10は、熱交換液体を循環させて地熱を取り出す閉鎖循環型の地熱発電設備である。そのため、取り出された蒸気と熱水に地熱帯特有の硫黄その他の不純物が含まれておらず、スケールの問題が解消され、不純物が装置に付着することがなく長期間の使用が可能にある。なお、熱交換液体用発電設備40は、上述した構成に限定するものではなく、その他の構成機器を他の機器で置換しても構わないし、追加で設けても構わない。例えば、発生した蒸気を加熱する加熱器をさらに設置したり、ダブルフラッシュ型のフラッシャーをさらに追加したりしても構わない。
次に第2地熱発電設備50について説明する。第2地熱発電設備50は、主として、地熱水を受領する生産井61と、熱交換の完了した地熱水その他の水を還元する還元井62と、地熱水から蒸気を取り出して発電する地熱水用発電設備70と、を有している。
生産井61及び還元井62は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
地熱水用発電設備70は、高温の蒸気を含む地熱水を取水して、この地熱水から電力を得るための設備であり、主として、気水分離器71、第2フラッシャー72、タービン73、発電機74、復水器75等を備えている。なお、図3においては、地熱水用発電設備70としてダブルフラッシュ方式を図示しているが、シングルフラッシュ方式でも構わない。地熱水用発電設備70は、地熱によって熱せられた地熱水を取水して、気水分離器71で蒸気を分離し、分離した蒸気はタービン73へ送られる。さらに任意に第2フラッシャー72によって二次蒸気を得て同様にタービン73へ送られ、タービン73の回転によって発電機64で発電する。タービン73で消費された蒸気は復水器75で復水され、復水された地熱水は、冷却排水又は冷却されて復水器75の冷却水として使用されたり、還元井62によって地熱帯に還元されたりして使用される。シングルフラッシュ方式の場合における気水分離器71で分離された熱水、ダブルフラッシュの場合におけるフラッシャーで分離された熱水は、還元井62から地熱帯に還元される。なお、地熱水用発電設備70は、上述した構成に限定するものではなく、その他の構成機器を他の機器で置換しても構わないし、追加で設けても構わない。
さらに、第2地熱発電設備50は、第1地熱発電設備10側の貯水タンク47から低圧循環ポンプ48によって送られた熱交換液体を加熱するため、気水分離器71及び第2フラッシャー72内のいずれか又は両方に熱交換液体用の熱交換器76が設けられている。熱交換器76は、例えば、気水分離器71又は第2フラッシャー72によって分離された熱水側に細長いパイプを通して形成されている。熱交換液体の一部又は全部は、この熱交換器76を通ることによって加熱された状態で第1地熱発電設備10側に戻される。
かかる構成を採用することによって、第1地熱発電設備10において熱交換液体用地熱井20に送出される熱交換液体は、あらかじめ、熱交換器76によって加熱されているので、加熱されていない熱交換液体を送出する場合と比較してより高温の熱交換液体を取り出すことができ、エネルギー効率を向上させることができる。
なお、第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、復水器46で復水された地熱水又は熱交換液体を低圧循環ポンプ48によって気水分離器71内の熱交換器76に送って、加熱された地熱水又は熱交換液体を高圧循環ポンプ30によって熱交換液体用地熱井20へ送って地熱を受領し、再度、発電に使用してもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態にかかる地熱発電システム100が図4に示されている。第4実施形態にかかる地熱発電システム100は、第2地熱発電設備50の生産井61の位置が第3実施形態と異なる。その他の点は第3実施形態と同様であるので、説明を省略する。
第4実施形態にかかる地熱発電システム100が図4に示されている。第4実施形態にかかる地熱発電システム100は、第2地熱発電設備50の生産井61の位置が第3実施形態と異なる。その他の点は第3実施形態と同様であるので、説明を省略する。
第4実施形態にかかる第2地熱発電設備50の生産井61は、第1地熱発電設備10の熱交換液体用地熱井20の周囲に設けられている。すなわち、第1地熱発電設備10の熱交換液体用地熱井20を加熱する地熱水と第2地熱発電設備で取り出す地熱水とは同じ領域の地熱水を使用している。
かかる構成を採用することによって、熱交換液体用地熱井20の周囲の地熱水は、第2地熱発電設備50によって取水されるため、常に新しい加熱された地熱水が周囲の地熱帯から流れ込んでくることになる。そのため、常に地熱によって加熱された高温の地熱水が熱交換液体用地熱井20に接触することになるので、より効果的に地熱井の熱交換液体を加熱することができる。また、第2地熱発電設備50によって取水する地熱水の取水位置を熱交換液体用地熱井20の底面よりも上方に配置することによって、下方の高温の地熱水を上方に上昇させることができるので、生産井61がない場合と比較して、上方側の地熱水の温度を高くすることができる。そのため、より効果的に熱交換液体を加熱することができる。
なお、第4実施形態においても、第2実施形態と同様に、復水器46で復水された地熱水又は熱交換液体を低圧循環ポンプ48によって気水分離器71内の熱交換器76に送って、加熱された地熱水又は熱交換液体を高圧循環ポンプ30によって熱交換液体用地熱井20へ送って地熱を受領し、再度、発電に使用してもよい。
(第5実施形態)
第5実施形態にかかる地熱発電システム100の概念図が図5に示されている。図5の実線の矢印は後述する熱交換液、地熱水の液体の流れを示し、点線の矢印は蒸気の流れを示している。第5実施形態にかかる地熱発電システム100は、第1地熱発電設備10と第2地熱発電設備50とを備えている。第1地熱発電設備10は、熱を地中から受領する熱交換用液体を地熱帯に放出したり、地熱帯の熱水を取水したりすることなく、熱交換用液体を略閉鎖系で循環させるタイプの地熱発電設備である。第2地熱発電設備50は、地中の熱水を取水する生産井61と、地熱帯から産出された熱水を発電に利用し、発電を終えた蒸気の凝縮水やその他の水を地下に戻す還元井62とからなる地熱発電設備である。なお、第1実施形態と同様の設備には同様の符号が付されている。
第5実施形態にかかる地熱発電システム100の概念図が図5に示されている。図5の実線の矢印は後述する熱交換液、地熱水の液体の流れを示し、点線の矢印は蒸気の流れを示している。第5実施形態にかかる地熱発電システム100は、第1地熱発電設備10と第2地熱発電設備50とを備えている。第1地熱発電設備10は、熱を地中から受領する熱交換用液体を地熱帯に放出したり、地熱帯の熱水を取水したりすることなく、熱交換用液体を略閉鎖系で循環させるタイプの地熱発電設備である。第2地熱発電設備50は、地中の熱水を取水する生産井61と、地熱帯から産出された熱水を発電に利用し、発電を終えた蒸気の凝縮水やその他の水を地下に戻す還元井62とからなる地熱発電設備である。なお、第1実施形態と同様の設備には同様の符号が付されている。
第1地熱発電設備10は、熱交換液体を地熱帯との間で循環させて熱エネルギーを取り出す設備であり、主として、熱交換液体用地熱井20と、高圧循環ポンプ30と、熱交換液体用発電設備40と、を備えている。
熱交換液体、熱交換液体用地熱井20及び高圧循環ポンプ30は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
熱交換液体用発電設備40は、高温の圧力水として熱交換液体用地熱井20から取り出された熱交換液体から電力を得るための設備であり、例えば、蒸気発生器(減圧器)41、フラッシャー42、高圧循環ポンプによる熱交換液体を貯めておく高圧循環ポンプ用タンク43、タービン44、発電機45、復水器46、復水器46によって凝縮された凝縮水を貯水する貯水タンク47、凝縮された凝縮水を第2地熱発電設備50に送出する低圧循環ポンプ48等を備えている。これらの機器を有する熱交換液体用発電設備40は、地熱によって熱せられた熱交換液体を熱交換液体用地熱井20から取水して、蒸気発生器41で減圧沸騰させて高温・高圧の蒸気を発生させる。分離された高温・高圧の蒸気は、タービンに送られ、気水分離された液体の熱交換液体はフラッシャー42に送られて気水分離された後、分離された高温、高圧の蒸気もタービン44へ送られ、タービン44の回転によって発電機45で発電する。タービン44で消費された蒸気は復水器46で復水され、熱交換器76に運ばれ加熱された後、再度、熱交換液体用地熱井20に高圧循環ポンプ30によって送出される。本実施形態においては、熱交換液体と地熱水が混合することがないので再利用することが可能である。勿論、排水処理したり、又は、還元井に送出したりしてもよい。一方、フラッシャー42で分離された液体の地熱交換液体は、熱交換器76に運ばれ加熱された後、熱交換液体用地熱井20に送出され、再度、発電に使用される。タービン44で消費された蒸気は復水器46で復水されて排水処理されたり又は、還元井に送出されたりして使用される。
このように本発明にかかる第1地熱発電設備10は、熱交換液体を循環させて地熱を取り出す閉鎖循環型の地熱発電設備である。そのため、取り出された蒸気と熱水に地熱帯特有の硫黄その他の不純物が含まれておらず、スケールの問題が解消され、不純物が装置に付着することがなく長期間の使用が可能にある。なお、熱交換液体用発電設備40は、上述した構成に限定するものではなく、その他の構成機器を他の機器で置換しても構わないし、追加で設けても構わない。例えば、発生した蒸気を加熱する加熱器をさらに設置したり、ダブルフラッシュ型のフラッシャーを、さらに追加したりしても構わない。
次に第2地熱発電設備50について説明する。第2地熱発電設備50は、主として、地熱水を受領する生産井61と、熱交換の完了した地熱水その他の水を還元する還元井62と、地熱水から蒸気を取り出して発電する地熱水用発電設備70と、を有している。
生産井61及び還元井62は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
地熱水用発電設備70は、高温の蒸気を含む地熱水を取水して、この地熱水から電力を得るための設備である。主として、生産井61の地熱水が流れる第1流通経路と、第1地熱発電設備10からの熱交換用液体が流れる第2流通経路と、地熱水の熱を受領して発電する発電用液体が流れる発電用経路と、を備えている。
第1流通経路は、主として、生産井61から得られた地熱水を気水分離する気水分離器71、気水分離器71で得られた蒸気を使用して発電用液体に熱を交換する第1熱交換装置77、気水分離器71で分離された液体の熱を利用して発電用液体及び熱交換液体に熱を交換する第2熱交換装置78と、を有している。第1熱交換装置77の構成は特に限定するものではないが、気水分離器71で得られた蒸気雰囲気内に、発電用液体が通過する細いパイプを通すことで蒸気の熱を発電用液体に交換することができる。第2熱交換装置78は、気水分離器71で分離された高温の液体中に発電用液体が通過する細いパイプを通すことで蒸気の熱を発電用液体に交換することができる。熱交換の終了した地熱水は、還元井62に送出される。
第2流通経路は、第2熱交換装置78内にさらに熱交換液体のパイプが設けられており、フラッシャー42から送られた熱交換液体は、第2熱交換装置78で加熱された状態で再度、熱交換液体用地熱井20に送出される。
発電用経路は、第2熱交換装置78、第1熱交換装置77、タービン73、発電機74、復水器75、循環ポンプ等を備えており、発電用液体は、第2熱交換装置78で予熱がなされ、第1熱交換装置77で気体にされ、この気体でタービン73によって発電がされる。発電で消費された発電用液体は、復水器75で液体に戻されて循環ポンプによって、再度、第2熱交換装置78に戻される。
かかる構成を採用することによって、第1地熱発電設備10において熱交換液体用地熱井20に送出される熱交換液体は、あらかじめ、第2熱交換装置78によって加熱されているので、加熱されていない熱交換液体を送出する場合と比較してより高温の熱交換液体を取り出すことができ、エネルギー効率を向上させることができる。
(実施例)
実施例1の地熱発電システム100は、第3実施形態にかかる地熱発電システム100において第1地熱発電設備10として、深度250で120℃〜140℃、深度1000で150℃〜170℃、深度1500mで170℃〜220℃、深度2000mで230〜270℃の地熱帯に、1500mボーリングして、外径が0,2445mで内径が0.2245mの外管、外径0.1300mで内径が0.1000mの内管からなるパイプからなる地熱交換器を1500m埋設された熱交換液体用地熱井20とした。第2地熱発電設備50には、第1地熱発電設備10の復水器で得られた凝縮水を低圧循環ポンプで第2地熱発電設備50に送出し、第2フラッシャー72に設けられた熱交換器76を介して、約164℃に加熱された水として高圧循環ポンプ30に戻した。なお、熱交換用液体として、水を使用した。計算すると、高圧循環ポンプで入口圧0.618MPa、吐出圧2.017MPa、流量40.73m3/h、出力30.7KW、密度902.30kg/m3で熱交換用液体を送出した場合、取水される高温の熱交換用液体は、温度195℃、圧力2.017MPa、流量44.89m3/hとなる。かかる値から熱交換液体用地熱井20の出力を以下の計算式で計算すると、1654KWとなる。
出力=(坑井出口のエンタルピー(kj)−坑井入り口のエンタルピー(Kj))×流量(kg/s)×1000
蒸気発生器41及びフラッシャー42によって得られる蒸気は、温度165℃、圧力0.70℃、流量2.60t/hとなる。MSEG132KWスチームスター(神鋼商事株式会社製)のスクリュー式子型発電機を使用した場合、発電出力は115KWとなる。
実施例1の地熱発電システム100は、第3実施形態にかかる地熱発電システム100において第1地熱発電設備10として、深度250で120℃〜140℃、深度1000で150℃〜170℃、深度1500mで170℃〜220℃、深度2000mで230〜270℃の地熱帯に、1500mボーリングして、外径が0,2445mで内径が0.2245mの外管、外径0.1300mで内径が0.1000mの内管からなるパイプからなる地熱交換器を1500m埋設された熱交換液体用地熱井20とした。第2地熱発電設備50には、第1地熱発電設備10の復水器で得られた凝縮水を低圧循環ポンプで第2地熱発電設備50に送出し、第2フラッシャー72に設けられた熱交換器76を介して、約164℃に加熱された水として高圧循環ポンプ30に戻した。なお、熱交換用液体として、水を使用した。計算すると、高圧循環ポンプで入口圧0.618MPa、吐出圧2.017MPa、流量40.73m3/h、出力30.7KW、密度902.30kg/m3で熱交換用液体を送出した場合、取水される高温の熱交換用液体は、温度195℃、圧力2.017MPa、流量44.89m3/hとなる。かかる値から熱交換液体用地熱井20の出力を以下の計算式で計算すると、1654KWとなる。
出力=(坑井出口のエンタルピー(kj)−坑井入り口のエンタルピー(Kj))×流量(kg/s)×1000
蒸気発生器41及びフラッシャー42によって得られる蒸気は、温度165℃、圧力0.70℃、流量2.60t/hとなる。MSEG132KWスチームスター(神鋼商事株式会社製)のスクリュー式子型発電機を使用した場合、発電出力は115KWとなる。
(比較例1)
比較例1における地熱発電システムは、第2地熱発電設備50を設けることなく、図6に示すように、フラッシャー42で分離された熱交換用液体及び復水器46で得られた冷却水及び補給水を低圧循環ポンプ48で高圧循環ポンプ用タンク43に送って、高圧循環ポンプ30に送る単純循環方式の発電設備である。この比較例における高圧循環ポンプに送られる水の温度は156℃となる。この場合坑井から取り出される高温圧力水は、190℃で1.254MPaとなる。この場合の生産井の出力は1466KWで、発電出力は100KWとなる。
比較例1における地熱発電システムは、第2地熱発電設備50を設けることなく、図6に示すように、フラッシャー42で分離された熱交換用液体及び復水器46で得られた冷却水及び補給水を低圧循環ポンプ48で高圧循環ポンプ用タンク43に送って、高圧循環ポンプ30に送る単純循環方式の発電設備である。この比較例における高圧循環ポンプに送られる水の温度は156℃となる。この場合坑井から取り出される高温圧力水は、190℃で1.254MPaとなる。この場合の生産井の出力は1466KWで、発電出力は100KWとなる。
実施例1と比較例1のそれぞれの送出する熱交換用液体、取水される熱交換用液体、生産井出力、発電出力、熱効率、必要な高圧循環ポンプの出力、低圧循環ポンプの出力及び高圧循環ポンプの出力及び低圧循環ポンプを加味した総発電出力の表を図7Aに示す。
この表によれば、取り出す熱水温度が190℃から195℃に上がることで、総発電出力が11%アップすることがわかる。
次に、実施例1及び比較例1でいずれも発電出力102KWとした場合における各高圧循環ポンプ及び低圧循環ポンプの出力とこれを加味した総出力の表を図7Bに示す。実施例1では、循環水量は36%少なくすることができ、ポンプ出力を下げることができる。これにより、総出力は28%アップする。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
上述した実施の形態で示すように、地熱発電用の熱交換器として利用することができる。
10…第1地熱発電設備、12…外管、20…熱交換液体用地熱井、
21…内管、22…外管、30…高圧循環ポンプ、
40…熱交換液体用発電設備、41…蒸気発生器、42…フラッシャー、
43…高圧循環ポンプ用タンク、44…タービン、44a…第1タービン
44b…第2タービン、45…発電機、
46…復水器、47…貯水タンク、48…低圧循環ポンプ、
50…第2地熱発電設備、61…生産井、62…還元井、
64…発電機、70…地熱水用発電設備、71…気水分離器、
72…第2フラッシャー、73…タービン、74…発電機、
75…復水器、76…熱交換器、77…第1熱交換装置、
78…第2熱交換装置、100…地熱発電システム
21…内管、22…外管、30…高圧循環ポンプ、
40…熱交換液体用発電設備、41…蒸気発生器、42…フラッシャー、
43…高圧循環ポンプ用タンク、44…タービン、44a…第1タービン
44b…第2タービン、45…発電機、
46…復水器、47…貯水タンク、48…低圧循環ポンプ、
50…第2地熱発電設備、61…生産井、62…還元井、
64…発電機、70…地熱水用発電設備、71…気水分離器、
72…第2フラッシャー、73…タービン、74…発電機、
75…復水器、76…熱交換器、77…第1熱交換装置、
78…第2熱交換装置、100…地熱発電システム
Claims (11)
- 熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井と、前記熱交換液体用地熱井に前記熱交換液体を送出する高圧循環ポンプと、地熱の熱によって加熱された前記熱交換液体から蒸気を取り出す蒸気発生器と、
前記熱交換液体用地熱井の周囲に形成されている地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出す気水分離器と、
前記蒸気によって発電する発電機と、
を備えていることを特徴とする地熱発電システム。 - 熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井と、前記熱交換液体用地熱井に前記熱交換液体を送出する高圧循環ポンプと、地熱の熱によって加熱された前記熱交換液体から蒸気を取り出す蒸気発生器と、
地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出す気水分離器と、
前記蒸気によって発電する発電機と、
を備え、
前記熱交換液体の少なくとも一部は、前記気水分離器で分離された熱水によって熱交換され加熱された状態で前記高圧循環ポンプによって前記熱交換液体用地熱井に送出されることを特徴とする地熱発電システム。 - 熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井と、前記熱交換液体用地熱井に前記熱交換液体を送出する高圧循環ポンプと、地熱の熱によって加熱された前記熱交換液体から蒸気を取り出して発電する熱交換液体用発電設備と、を有する第1地熱発電設備と、
地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出して発電する地熱水用発電設備と、を有する第2地熱発電設備と、
を備え、
前記熱交換液体の少なくとも一部は、前記気水分離器で分離された地熱水によって熱交換され加熱された状態で前記高圧循環ポンプによって前記熱交換液体用地熱井に送出されることを特徴とする地熱発電システム。 - 前記生産井は、前記熱交換液体用地熱井の周囲に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の地熱発電システム。
- 前記気水分離器内には、前記気水分離器によって分離された地熱水の熱を前記熱交換液体に交換するための熱交換器を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の地熱発電システム。
- 前記地熱水用発電設備はフラッシャーを備えており、前記フラッシャー内には、前記熱交換液体に熱を交換するための熱交換器を備えていることを特徴とする請求項3に記載の地熱発電システム。
- 前記熱交換液体用発電設備は復水器を有し、
前記復水器で冷却された熱交換液体を前記第2地熱発電設備に送出することを特徴とする請求項3に記載の地熱発電システム。 - 熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井と、前記熱交換液体用地熱井に前記熱交換液体を送出する高圧循環ポンプと、地熱の熱によって加熱された前記熱交換液体から蒸気を取り出す蒸気発生器と、
前記熱交換液体用地熱井の周囲に形成されている地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出す気水分離器と、
前記蒸気によって発電する発電機と、
を備えており、
熱交換液体用地熱井の周囲に設けられた生産井の地熱水から取水して、前記地熱水から蒸気を取り出し、
熱交換液体用地熱井から熱交換用液体を取水して、前記熱交換用液体から蒸気を取り出し、
地熱水の蒸気及び熱交換用液体の蒸気によりタービンで発電することを特徴とする地熱発電方法。 - 熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井と、前記熱交換液体用地熱井に前記熱交換液体を送出する高圧循環ポンプと、地熱の熱によって加熱された前記熱交換液体から蒸気を取り出す蒸気発生器と、
地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出す気水分離器と、
前記蒸気によって発電する発電機と、
を備えており、
前記熱交換液体の少なくとも一部は、前記気水分離器で分離された地熱水によって熱交換され加熱された状態で前記高圧循環ポンプによって前記熱交換液体用地熱井に送出されることを特徴とする地熱発電方法。 - 熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井と、前記熱交換液体用地熱井に前記熱交換液体を送出する高圧循環ポンプと、地熱の熱によって加熱された前記熱交換液体から蒸気を取り出して発電する熱交換液体用発電設備と、を有する第1地熱発電設備と、
地熱水を受領する生産井と、熱交換の完了した前記地熱水の少なくとも一部を還元する還元井と、少なくとも1つの気水分離器を含んでなり、前記地熱水から蒸気を取り出して発電する地熱水用発電設備と、を有する第2地熱発電設備と、
を備えており、
前記熱交換液体の少なくとも一部は、前記気水分離器で分離された地熱水によって熱交換され加熱された状態で前記高圧循環ポンプによって前記熱交換液体用地熱井に送出されることを特徴とする地熱発電方法。 - (1)熱交換液体を下降させる下降領域及び上昇させる上昇領域を有し、地熱帯に開口を有さない二重管を有する熱交換液体用地熱井から加熱された熱交換用液体を取水する工程、
(2)取水した前記熱交換用液体から熱交換用液体の蒸気と熱交換用液体の液体に分離する工程、
(3)分離された蒸気を使用して発電する工程、
(4)生産井から地熱水を取水する工程、
(5)取水した地熱水を地熱水の蒸気と地熱水の液体に分離する工程、
(6)熱交換用液体の液体を地熱水の液体によって加熱する工程、
(7)加熱された熱交換用液体の液体を前記熱交換液体用地熱井に送出する工程、
とを含むことを特徴とする地熱発電方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6176890B1 (ja) * | 2017-05-26 | 2017-08-09 | 千年生 田原 | 地熱交換器および地熱発電装置 |
KR101936812B1 (ko) * | 2017-09-12 | 2019-04-03 | 한국생산기술연구원 | 발전 설비가 지하에 설치되고 지열에 의해서 가열된 고온수와 응축수가 재사용되는 지열 발전 방법 |
CN111734592A (zh) * | 2020-05-13 | 2020-10-02 | 北京王川景观设计有限公司 | 一种利用地热产出能源进行二次加热升温的设施装备 |
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